説明

分岐管へのステント送達のための回転する拡張可能なバルーン及びシース

ステント送達アセンブリが、周りに配設された回転可能なアセンブリを有するバルーンカテーテルを含む。回転可能なアセンブリは、縮小状態では医療用バルーンの周りで自由に回転可能であり、拡張状態では拡張したバルーンによって摩擦的に係合する、回転可能なシースを含む。第2のガイドワイヤハウジングが、回転可能なシースに少なくとも部分的に係合する。ステントは、回転可能なシースの少なくとも一部及び第2のガイドワイヤハウジングの少なくとも一部の周りに配設され、第2のガイドワイヤハウジング遠位端部分が、ステントが画定する複数のセル開口の一つを通ってステントの流路を出るようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐管へのステント送達のための回転する拡張可能なバルーン及びシースに関する。
【背景技術】
【0002】
血管形成術におけるカテーテルなどのカテーテルシステム、ステント送達システム及びそれらに関連するステントは、血管内及び他の体内管腔内の狭窄症、動脈瘤、病変及び他の異常の治療に幅広く使用されている。血管内ステントは、例えば動脈を通る開口通路を維持するために、冠動脈、腎動脈及び頚動脈で使用される。冠動脈心疾患が限局的な病変からなる患者では、ステントが効果的であることが立証されている。例えば単一の冠動脈のみが閉塞し、又は複数の動脈に短い閉塞部がある場合、ステントを使用して多くの成功を収めてきている。血管内ステントはカテーテルによって閉塞した動脈に配置し、多くの場合、ステントを取り付けたバルーンを膨張させることによって定位置に留置することができる。これによりステントの直径を拡張し、以前の閉塞した動脈を開口する。次いで、ステントが動脈を通る開口を維持したまま、バルーンを収縮させ、患者から抜去する。
【0003】
分岐部の治療はこれまで困難であった。分岐部にステントを使用するための努力がなされてきたが、これらの部位の治療にはこれまで多くの問題があった。分岐部用に設計された専用のステントは一般に、長手方向だけでなく径方向にも特定のアラインメントが必要である。例えば米国特許第5,749,825号は、動脈分岐部の狭窄を治療することを目的とした代表的なカテーテルシステムである。米国特許第5,749,825号の開示を参照によって本明細書に援用する。
【0004】
血管分岐部の隣接する分枝で展開することを意図した分枝を有するステントアセンブリを利用したステント送達システムが、例えば動脈などの第1経路、及び例えば側枝動脈などの第2経路の両方にアセンブリの一部を留置することができるように提案されてきた。さらに、これらのステントは一般に側枝動脈への血流を妨げることのない開口を有する。しかしながら、第1及び第2経路の分岐部で側枝に対してステントの向きを定める際の問題がまだ存在する。さらに、このような分岐アセンブリは一般に特別製造されるものであり、単一の血管で展開することを意図した標準ステントよりも高いコストを要する。
【0005】
ステントを血管部位に送達する際、現在の多くの装置は、受動トルク(例えばステントを前方に押し、ガイドワイヤ/バルーンに固定されたステントを定位置へと受動的に回転させるなど)、又は経路内で医療用装置の向きを適切にするように患者の体外からのトルクを生成すること、のいずれかに依存している。適切な角度を実現するためのこれらの装置及び方法は、ステントの適切な留置及び配置において効果的であるとはみなされない。当業者には明らかであり、かつ理解されるように、回転方向、円周上の向き或いは長手方向位置に関してステントを不適切に留置すると、側枝経路の閉塞を招くことがある。第2の経路を備えた分岐ステントに形成された開口を適切に配置し、又は中心を合わせ、そこを通過する血流を最大限にすることが重要である。
【0006】
従って、狭窄した経路の分岐部を効果的に治療する必要がある。これにはステントの長手方向位置及び回転/円周上の向きをより精密かつ正確にする必要がある。また、特別に設計された分岐ステントアセンブリの部品を追加する必要なしに、標準的ないわゆる「単管」を血管分岐部で使用するための方法及び装置を提供する必要もある。さらに、システムが分岐ステント処置を使用できるように、既存のステント送達カテーテルに旧型部品を取り替えることのできる機構を備える必要もある。
【0007】
多くの市販されている装置は、ステント展開時に側枝へのアクセスを維持していない。その結果、第2経路でのプラークの移動、及び第2経路での閉塞の起こる可能性がある。
ワイヤの位置を維持し、それによって側枝へのさらなるアクセスを保護及び確保しながら、ステントを側枝内に留置できることもまた有利である。
【0008】
本出願中にて述べられる全ての米国特許及び出願、並びに全ての他の出版された書類は、参照によってその全体を援用する。
本発明の範囲を制限することなしに、本発明で主張するいくつかの実施形態の概要を以下に記載する。本発明による要約された実施形態のさらなる詳細及び/又は本発明のさらなる実施形態は、後述するように発明の詳細な説明にて見ることができる。
【0009】
米国特許法施行規則(37C.F.R.)第1.72条を遵守する目的でのみ、本明細書の技術的開示の簡単な要約も記載する。この要約は本特許請求の範囲を妨げるために使用されるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記した懸案を鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のいくつかの実施形態は、側枝へのアクセスと保護を維持するために、自由に回転するステントアセンブリのための展開アセンブリを含む。
少なくとも一つの実施形態では、本発明は、ステントを側枝経路に対してより正確に配置することによってステントの向きを改善する装置及び方法を企図している。従って、このことにより側枝経路はより良く保護される。
【0012】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、バルーンカテーテルシャフト及び回転するシースを備えた医療用装置を含む。シースは少なくともバルーンの一部の周りに配設され、その周りで回転可能である。送達前に、ステントの少なくとも一部がシースの周りに配設される。いくつかの実施形態では、第2の管腔がシースに係合し、第2のガイドワイヤは第2の開口及び/又はステントの分枝を分岐部位で第2の血管に整列させるために必要な回転トルクを加えるように、第2の管腔を通ることができる。
【0013】
少なくとも一つの実施形態では、回転するカラーがバルーン近位側のバルーンカテーテルシャフトの一部の周りに配設される。第2の管腔の近位側部分が、回転するカラーに係合する。
【0014】
いくつかの実施形態では、カテーテルシャフトは、内部を貫通する第1のガイドワイヤ管腔、及びカテーテルシャフトの近位側部分からカテーテルシャフトの遠位側部分に延びる膨張管腔を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、シースの部分は、バルーンの最も近位側から5cm以上近位側に出ていない。
いくつかの実施形態では、ステントは自己拡張式である。いくつかの実施形態では、ステントはバルーン拡張可能である。
【0016】
いくつかの実施形態では、ステントは形状記憶材料から形成される。
いくつかの実施形態では、ステントは第2のガイドワイヤがその中を貫通する第2の開口を画定する。少なくともいくつかの実施形態では、第2の開口は「単管」ステントの壁にあるセル開口である。いくつかの実施形態では、セル開口又は第2の開口は、第2のガイドワイヤの経路により良く収容するため、及び/又はより解剖学的に正確な開口を側枝血管にもたらすために拡大する。少なくとも一つの実施形態では、ステントの送達後に、第2の開口は、送達前状態の該第2のステントを、その中を通して側枝血管へと前進させることのできるようなサイズである。少なくとも一つの実施形態では、展開状態の第2のステントの一部が、第2の開口内で第1のステントに係合する。少なくとも一つの実施形態では、一つ又は複数のバルーンを利用して、第1のステントを血管分岐部に固定又はそうでなければ拡張することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、シースは径方向に拡張可能であるように製造される。
いくつかの実施形態では、シースは該シースがバルーン周りで回転できるようにしながら、ステントがシース上にクリンプされるように製造される。
【0018】
いくつかの実施形態では、シースは、少なくとも一つの同種の層から製造される。
いくつかの他の実施形態では、シースは低摩擦の内面を有する。他の実施形態では、シースと内側バルーンとの間に摩擦低減物質が配置される。他の実施形態では、外側バルーンと内側バルーンとの間に摩擦低減物質が配置される。
【0019】
いくつかの実施形態では、シースは軟性のデュロメータポリマーから製造される。
少なくとも一つの実施形態では、シースは多層に製造される。
少なくとも一つの実施形態では、少なくとも一つの層が、少なくとも一つの他層に見られる第2の材料とは異なる特性を有する、第1の材料から製造される。
【0020】
いくつかの他の実施形態では、低摩擦材料から製造される内側層はバルーンと接触している。PTFE及びHDPEなどの材料が、いくつかの実施形態で使用されている。
いくつかの実施形態では、ステントをシースに固定するのに適切な、軟性デュロメータポリマーの外側層が使用される。
【0021】
いくつかの他の実施形態では、シースは形状記憶材料で形成され、抜去時は再び縮小する。
いくつかの他の実施形態では、シースが自由に回転する。
【0022】
少なくとも一つの他の実施形態では、シースのバルーンカテーテルシャフトに対する長手方向の動きは安全テザー(tether)によって制限される。安全テザーはガイドワイヤ管腔の外部の引きワイヤとする、又は第2のワイヤ管腔の内部とすることができる。いくつかの実施形態では、回転するカラーはカテーテルシャフトに沿って一つ又は複数のロック又はハブに隣接し、及び/又はそれらの間にあり、カラー及び/又はシースが長手方向にずれることを制限する。少なくとも一つの実施形態では、ハブは既存のカテーテルシャフト周りに配置することができる蝶番ロックを含む。
【0023】
少なくとも一つの実施形態では、カテーテルは、バルーンを折畳まれた状態及び/又は縮小直径を備えた状態である送達前構造で維持するために、シース及びステントをその周りに配置した後で、バルーン上で嵌合されるバルーンプロテクターをさらに含む。少なくとも一つの実施形態では、該プロテクターはバルーンの近位端及び遠位端周りに配設される。少なくとも一つの実施形態では、剥離されるか若しくは他の方法で送達前にカテーテルから取り外すことができる、プロテクターの少なくとも一部がスリット又は長手方向開口を画定する。
【0024】
いくつかの実施形態では、カテーテルバルーンは、シースの最遠位側部分から遠位側にオフセットされた、又はシースの最近位側部分から近位側にオフセットされた、少なくとも一つのバルーンコーンを有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、アセンブリはバルーンカテーテルシャフトの周りに置かれたマーカーバンドを有する。いくつかの実施形態では、該マーカーバンドはシースの断面直径よりも大きい直径を有し、それによりシースがバルーンカテーテルシャフトに対して長手方向に動くことを制限する。いくつかの実施形態では、少なくとも一つのマーカーバンドが放射線不透過性部分を有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、回転するカラーが第2のワイヤ管腔及びバルーンカテーテルシャフト周りに配置される。その他の実施形態では、第1の長手方向ロックが第2のワイヤ管腔の周り及び回転するカラーの近位側に配置され、第2の長手方向ロックはバルーンカテーテルシャフト周り及び回転するカラーの遠位側に配置され、シース及びカラーの長手方向の配置が維持されるようになっている。
【0027】
いくつかの実施形態では、第2の管腔がペバックス(pebax)、ピーク(peek)、ポリイミドなどのポリマー管、金属ワイヤ又は他の材料の編組み管、ハイポチューブ、又はシース若しくはカラーに係合する他の装置などの強化部材を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、ハイポチューブにはらせん状切込みがある。いくつかの実施形態では、ハイポチューブはステンレス鋼からなる。いくつかの実施形態では、ハイポチューブはポリマーからなる。
【0029】
いくつかの実施形態では、ハイポチューブの近位端はカラーの第2のガイドワイヤ管腔に配設される。
いくつかの実施形態では、ハイポチューブの近位端はカラーの外面に係合する。
【0030】
いくつかの実施形態では、シースはカテーテルバルーンの長さとほぼ同じ長さを有する。
いくつかの実施形態では、シースは第2のガイドワイヤがその中を通過するための、第2のシース開口を含む。シースは第2のシース開口を画定するが、シースはさらに第2の管腔の一部の周りに配設される。少なくとも一つの実施形態では、第2の管腔がバルーンの一部と接線上で接する。
【0031】
いくつかの実施形態では、第2の管腔及び第2のガイドワイヤ管腔は互いに別個である。少なくとも一つの実施形態では、第2の膨張管腔及び第2のガイドワイヤ管腔の一方又は両方が、カテーテルシャフトの湾曲にほぼ対応するほぼ三日月形の形状を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、バルーンは円筒部遠位側のコーン部及び円筒部近位側のコーン部を備えた円筒部を有し、シースは円筒部周りに配設され、カテーテルバルーンの円筒部の長さとほぼ同じ長さを有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、シースの長さはバルーンの長さよりも長い部分が2センチメートル以下である。
いくつかの実施形態では、シースはカテーテルバルーン近位端の近位側位置から遠位側に延びる。いくつかの実施形態では、シースはカテーテルバルーンの近位端と等しい、又は該近位端に対して2cm未満近位側の位置から遠位側に延びる。
【0034】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、側枝に対して適切な向きに配置され、ガイドワイヤを使用してステント展開中に側枝を保護し、ステントを長手方向及び円周方向に適切に配置し、カテーテルの前進を制限するワイヤの絡まりを低減する。
【0035】
他の実施形態では、外側バルーンを上述の実施形態のシースの代わりとすることができる。このような場合の外側バルーンは、上記の実施形態で述べたシースと同様の品質を有することができる。
【0036】
少なくとも一つの実施形態では、第2の管腔が第2の膨張管腔をさらに含み、カテーテルが第2のバルーンをさらに含む。少なくとも一つの実施形態では、第2のバルーンはシースの外部にあるがそれに隣接し、ステントは送達前に第2のバルーンの周りに同様に配置される。
【0037】
いくつかの実施形態では、回転するカラーは、第1及び第2のバルーンを別々に、及び/又は同時に膨張するための、一つ又は複数の膨張管腔を含む。バルーン性能を妨害することなく回転に対処するために、いくつかの実施形態では、回転するカラーが一つ又は複数の密封機構を含み、密封状態でカラーの回転を抑制又は制限するが、一つ又は複数のバルーンが膨張できるように、一つ又は複数の膨張管腔を画定するようにカラーを密封する。少なくとも一つの実施形態では、密封機構は、所定の温度、電気信号などに(及び/又は所定の期間)にさらされると、自由位置と密封位置の間で動くことのできる一つ又は複数の形状記憶材料を含む。少なくとも一つの実施形態では、密封機構は第2の膨張管腔と流体連通する膨張可能シールであり、第2のバルーンを膨張させるために流体が第2の膨張管腔を通過するとき、膨張シールは自由状態から密封状態へと拡張する。
【0038】
本発明を特徴づけるこれら及び他の実施形態は、本明細書に添付され、本明細書の一部をなす特許請求の範囲で特定的に指摘される。ただし、本発明及びその使用によって得られる利点及び目的をより良く理解するために、本発明の実施形態が図示され説明されている、本明細書の他の部分を形成する図面及び添付の説明事項を参照するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明の詳細な説明が特定的に図面を参照して説明される。
本発明は多くの様々な形態で実施することができるが、本明細書では本発明の特定の実施形態について詳細に説明する。この説明は本発明の原理の例示であり、説明された特定の実施形態に本発明を制限するものではない。
【0040】
この開示の目的のため、図では他に指示がない限り、同様の特徴は同様の参照番号で示す。
本発明の実施形態を示すことのみが目的であり、それを制限するものではない図を参照すると、少なくとも一つの本発明の実施形態では、図1に示されている例でアセンブリ10が示されている。アセンブリは、分岐部位におけるステントの軸方向及び長手方向配置を改善するように設計されている。アセンブリ10は、カテーテルの近位側部分からカテーテルの遠位側部分まで延びるワイヤ管腔17及び膨張管腔18を画定する、外側カテーテルシャフト14及び内側カテーテルシャフト16を有する。内側管腔17は、カテーテルを治療部位に案内するための手段を提供するガイドワイヤ周りに配設することができるように、製造される。膨張管腔18は、カテーテルバルーン20を膨張させ縮小させるための膨張流体の経路を提供する。カテーテルバルーン20は、近位端20aで外側シャフト14に密封的に係合し、遠位端20bで内側シャフト16に密封的に係合する。
【0041】
シース22がバルーン20周りに配設されている。シースはバルーン周りで自由回転可能に設計されている。シース22はPTFEやHDPEなどの低摩擦材料から製造され、シースがバルーン20周りを自由に回転できるようにしている。いくつかの実施形態では、バルーン20の少なくとも一部が一つ又は複数の低摩擦材料の被覆を含むことができ、又は製造時に一つ又は複数の低摩擦材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、アセンブリ10を使用してステント24を血管の分岐部に送達することができる。そのような実施形態では、ステント24は、シース22周りにその上でクリンプされて配設される。シース22が回転可能であることによって、その周りに配設されたステント24が血管又は管腔内で自由回転することができ、それによりステントの一つ又は複数の開口を分岐部の分枝と位置合わせすることができる。
【0042】
シースを多層にすることもできる点に留意されたい。シース22の外側層22aはシース22の内側層22bより可撓性の材料で製造することができる。可撓性の外側層によって、ステント24のクリンプ時において該ステントの固定を向上させることができる。一実施形態では、軟性のポリマーは約55D未満のデュロメータ硬度である。外側層に使用し得る材料はPEBAX(55D)などのポリマー、ウレタンなどである。低摩擦内側層22bは、PTFE又はHDPEから製造することができる。
【0043】
第2の管腔26を画定する第2のシャフト25がシース22の一部に沿って係合している。シース自体も第2のワイヤ管腔26を画定することができる。カテーテルを次のように分岐部位に前進させるとき、矢印27で示す回転トルクをシース22に加えることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、図5に示す二つのガイドワイヤ29及び44に沿ってアセンブリ10を前進させる。第1のガイドワイヤ29を第1の経路又は分枝血管に配置し、カテーテルシャフト14の内側管腔17内部に配設する。第2のガイドワイヤ44が、分岐部分の第2の分枝内への通路で第1のガイドワイヤ29から分岐する。ステント送達アセンブリ10の内側管腔17がガイドワイヤ29周りに第1の経路内で配設され、ステント送達アセンブリ10の第2のワイヤ管腔26が分岐部の第2の経路内へと延びる第2のガイドワイヤ周りに配設される。ステント送達アセンブリ10が分岐部に近づくにつれて、第2のワイヤ管腔26に係合しているシース22が、分岐部の側壁経路と整列するように回転する。シース22が内側シャフト16に対して遠位側に動くことを制限するために、テザー34を取り付けることもできる。テザー34は、テザー係合点11でシースに直接取り付けることもできる。
【0045】
図7に示すように、シース又は外側バルーンは、内側シャフト16及び/又はバルーン20回りでほぼ自由に回転する。シース又は外側バルーンは、分岐部位で側枝管腔と少なくとも一つのステント開口を整列させるために、1度未満又は360度以上回転することができる。
【0046】
図2a〜2cには、ステントの送達前の非拡張状態で図示したシース22の様々な実施形態の断面図が示されている。第2のワイヤ管腔26を画定する第2のシャフト25が、シース22に係合する。図2aに示す別の実施形態では、第2のシャフト25aを有するシースがシース22aに取り付けられている。バルーン拡張可能な送達システムでは、シース22aがステントの展開前にはコイル状構造で配置されている。シース22aはステント送達時に解ける。図2bに示す別の実施形態では、2枚貝状断面のシースが非拡張状態で示されている。第2のシャフト25bはシース22bの端部でシースに係合する。図2cに示す別の実施形態では、ステント送達前のシースがアコーディオン状構造の形状をした非拡張状態の断面を有する。非拡張状態での折目28は図2dに示すように押し広げられ又は巻きつけられる。
【0047】
いくつかの場合では、カテーテルの前進及び/又はステントの送達中にシースが長手方向にずれることを防ぐために、シースの外部保護を設けることが望ましい。図3では、バルーン端部又はコーン30が内側カテーテルシャフト16周りにシース22の断面直径よりも大きい直径を備える実施形態が示されている。従って、コーン30がシース22の端部周りに配置された結果、シース22の内側カテーテルシャフト16に対する長手方向の動きが制限される。図4に示す別の実施形態では、シースが長手方向に動かないようにするのに十分な直径の一つ又は複数のハブ、突起、マーカーバンド32などによって、該シースは保護される。これらのマーカーバンド32は、バルーン20の一部がシース22の直径よりも大きい直径になるように、バルーンの一部を径方向外向きに押し付けることによって、シース22の各端部でダムのように動作する。図3及び4に示される実施形態では、ステント24は拡張状態及び非拡張状態の一方又は両方で、コーン30よりも大きい直径を有することができるが、シース22は有さない。
【0048】
図5では、アセンブリが安全テザー34を備える、本発明の一実施形態が示されている。テザー34(この図では第2のガイドワイヤ44と重なって示されている)はカテーテル10の長さに沿って延びシース22に係合する単一の引きワイヤとすることができる。テザー34は第2のワイヤ管腔26内へと延びることができ、それにより係合点35でシース22又は第2のシャフト25に直接係合する。安全テザー34はまた図1に示すように係合点11でシース22に直接取り付けることもできる。
【0049】
図5及び図6の切断部に示すように、カテーテル10は、第2のガイドワイヤカラー管腔38及び外側カテーテルシャフト14周りに配設された外側カテーテルシャフトカラー管腔39を有する、回転するカラー36を含むことができる。カテーテルシャフト周りにカラー36に隣接しかつ遠位側に配設された遠位側長手方向ロック40がカラー36の長手方向の動きを制限する。遠位側長手方向ロック40の直径は外側カテーテルシャフトカラー管腔39の直径よりも大きい。第2のガイドワイヤ44周りに配設された近位側長手方向ロック42の直径は第2のガイドワイヤカラー管腔38の直径よりも大きく、従って近位側長手方向ロック42が第2のガイドワイヤカラー管腔36と接触するとき、ワイヤ44がある点を越えて遠位側に動かないようにしている。
【0050】
図7では内側バルーン20周りで回転する外側バルーン46が、シース22の定位置に使用されている。このような実施形態では、カテーテル10の第1の端部48及び第2の端部50で外側バルーン46が密封されている。バルーン動作ストッパー52がバルーンの長手方向の動きを制限している。外側バルーン46は、外側バルーン46が内側バルーン20周りで自由に回転できるように、PTFE、HDPE及び/又はPEBAXなどの低摩擦材料で製造することができる。ステント24は外側バルーン46周りにその上でクリンプされて配設されている。外側バルーンは多層を有することもできることを理解されたい。外側バルーン46の外側層は、外側バルーン46の内側層の製造に使用されているよりも軟性の材料で製造することができる。バルーンがより軟性の外側層を備えると、軟性の外側層によって、ステント24のクリンプ時のステントの固定を向上させることができる。一実施形態では、軟性のポリマーは約55D未満のデュロメータ硬度である。外側層に使用し得る材料はPEBAX(55D)などのポリマー、ウレタンなどである。外側バルーン46の低摩擦内側層は、PTFE又はHDPE及び/又は他の適切な材料から製造することができる。
【0051】
図7に示す実施形態では、外側バルーン46は内側バルーン20周りで回転可能である。空隙58(一方の端部である第1の端部48にのみ示す)が、外側バルーン密封位置54と内側バルーン密封位置56の間で摩擦低減機構として作用する。空隙58は摩擦低減流体、摩擦低減材料、軸受システムなど、又はそのいずれかの組合せを含む。
【0052】
図8に示す実施形態では、カテーテルバルーン20のコーン30及び円筒部60が示されている。本発明のいくつかの実施形態では、シース22がカテーテルバルーン20の円筒部60とほぼ同じ長さである。いくつかの実施形態では、シース22はバルーン20のほぼ円筒部60上に配設されている。他の実施形態では、シース22は、該シース22の一部が少なくとも一つのコーン部30周りに配設されるように長手方向に延びる。
【0053】
図9及び10の実施形態では、ハイポチューブ64がカラー38及びシース22に係合している。ハイポチューブ64はステンレス鋼を含むことができ、又はポリマーを含むことができる。ハイポチューブ64はらせん状切込みに製造することができる。らせん状切込み65は刻み目、切削、へこみ、穿孔、穿通などを含むことができる。従ってハイポチューブ64は長手方向に堅くすることができるが、同時にらせん状切込みを備えるために可撓性でもある。
【0054】
図9及び10はまた、ガイドワイヤ44又は安全テザー34周りに一つの長手方向ロックが配設された図5及び6に示すものと違い、外側カテーテルシャフト14周りに配設された近位側長手方向ロック42及び遠位側長手方向ロック40の両方を有する実施形態を示す。
【0055】
図9はハイポチューブ64が第2のガイドワイヤカラー管腔38内に配設された一実施形態を特定的に示す。ハイポチューブ64は第2のガイドワイヤカラー管腔38の一部にのみ配設することもできる。カラー36はシース22とともに回転し、従って同時にかつ/又は同じ回転角度で回転することができる。図10では、ハイポチューブ64はカラー36の外面に係合している。図9及び10の両方で、ハイポチューブ64のカラー36及びシース22との係合は、化学溶接、熱溶接、レーザー溶接、化学接合、接着、締結装置などによって行うことができる。
【0056】
ここで図11に示す実施形態を見ると、管状スリーブ又はシース102及びその配置、又は第2のガイドワイヤハウジング104を含む回転シースアセンブリ100が示され、ハウジング104は第2のガイドワイヤ108を通すことのできる第2のガイドワイヤ管腔106を画定する。
【0057】
ハウジング104は金属プラスチックなど、多種多様な材料で製造することができるが、少なくとも一つの実施形態では、ハウジング104は前述したようにハイポチューブ64である。いくつかの実施形態では、ハウジング104はその長さに沿って一つ又は複数の開口110を備える。少なくとも一つの実施形態では、ハウジング104は、ハウジング104の可撓性を改善するように作用する少なくとも一つの連続する開口110を備えるために、らせん状切込みがある。
【0058】
少なくとも一つの実施形態では、第2のガイドワイヤハウジング104はさらに、ハイポチューブ64が周りに配設されている内側シャフト103を含む。少なくとも一つの実施形態では、内側シャフト103はハイポチューブ64の遠位端を超えて遠位側に延びる可撓性の中空の管状の部材である。この内側シャフト103の遠位側先端105は、第2のガイドワイヤ管腔106から遠位側に通過しているのでガイドワイヤ108の周りの可撓性の保護シースにハウジングを備える。このような保護被覆によってガイドワイヤ108は、第2のガイドワイヤ108が第2の管腔106を大きな角度で出る場合であっても、図24に示すような方法で血管199の壁201と過度に摩擦しないようになっている。内側シャフト103は、PEBAX、ナイロン、ウレタン、及び/又は他の材料などの様々な可撓性の材料のいずれかで、単層、多層、及び/又は編組み構造で製造することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ハウジング104の少なくとも遠位側部分が、係合部位112でシース102の少なくとも近位側部分に係合する。シースとハウジング104の間の係合方法又は機構は、接合、溶接、接着、接着係合、機械的係合、又はシース102及びハウジング104のそれぞれの表面を連結する他の接続によるものとすることができる。
【0060】
シース102はシース材料の中空の管であり、図16及び17に示す方法などのようにカテーテルアセンブリ116のバルーン114上に置かれる形状である。シース102はさらに、ステント120がシース102周りに配置され、かつ/又はそれに取り付けられているときもバルーン114周りで回転可能な形状である。
【0061】
シース102上でのステント120のクリンプ時、及び体内でのカテーテルの前進時であっても、シース102をバルーン114周りで確実に回転可能にするために、シース102をPTFE、HDPEなどの様々な低摩擦材料で製造することができる。少なくとも一つの実施形態では、シース102は少なくとも一部が、例えばマサチューセッツ州ウィルミントン(Wilmington)のヴァイアシス ヘルスケア(VIASYS Healthcare)社の一部門であるサーメディックポリマープロダクツ(Thermedics Polymer Products)から販売されているTECOPHILIC(登録商標)材料;サーメディックポリマープロダクツから同様に販売されているTECOTHANE(登録商標)、親水性ポリウレタン、及び/又は脂肪族、ポリエステルベースの熱可塑性親水性ポリウレタン;及びシース102が、例えばカテーテルが血管を通って前進する間に体液に露出されているときなど「湿潤した」状態のとき、バルーン114周りで自由に回転できるようにする、他の任意の材料などの親水性材料で製造される。適切なシース材料はまた、シースが「乾燥した」すなわち挿入前状態で、湿潤状態のときよりも大きい力を加えると回転可能であるようにし、このような材料を本明細書でテコフィリック(tecophilic)と称する。
【0062】
少なくとも一部がテコフィリック材料で製造されたシース102は、例えばカテーテルが血管を通って前進する間に体液に露出されているときなど「湿潤した」状態のとき、シース102がバルーン114周りで自由に回転できるようにする。テコフィリックシース102はまた、「乾燥した」すなわち挿入前状態で、湿潤状態のときよりも大きい力を加えると回転することができる。
【0063】
いくつかの実施形態ではシース102は、一つ又は複数の材料、一つ又は複数の層で製造することができる。例えば、シース102は前述のように内側層の製造に使用されているものよりも軟性の材料の外側層を含むことができる。いくつかの実施形態では、一例を図11に示すが、シース102は第1の材料111によるマトリクスを含むことができ、そのようなマトリクス中、その外部、又はその内部に、一つ又は複数の支持ストリップ、ストランド、第2の支持材料113による部材又は領域を有する。
【0064】
シース102材料による組成は、単層、多層、又はストリップの強化された押出成形物であり、本質的には任意の適切なポリマー若しくは他の適切な材料を含むことができる。適切なポリマーのいくつかの例には、親水性ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、ポリカーボネート系の脂肪族ポリウレタン、エンジニアリングポリウレタン、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(例えばPEBAXという商標名で販売されているPEBA)、及びシリコーン、ポリエーテルエステル(例えばディーエスエム エンジニアリング プラスチックス社(DSM Engineering Plastics)から販売されているArnitelなどのポリエーテルエステルエラストマー)、ポリエステル(例えばデュポン社(Du Pont)から販売されているHytrelなどのポリエステルエラストマー)、又は線形低密度のポリエチレン(例えばRexell)が挙げられる。
【0065】
単独又は他の材料と混合した、適切な強化材料の混合又は結合、あるいはコポリマーの例には、全てのポリアミド(例えば、バイエル社(Bayer)から販売されているDurethan又はイーエルエフ アトケム社(ELF Atochem)から販売されているCristamid)、ポリエチレン(PE)がある。Marlex高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、及びポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)、及びアセタール(Delrin又はCelcon)がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、シース102の内面又はバルーン114の外面は、一つ又は複数の低摩擦材料の被覆を含むことができ、又は製造の際に一つ又は複数の低摩擦材料を含むことができる。そのような被覆401が図16に示されており、図17に示すようにアセンブリ100を周りに配置する前のバルーン114の表面にあることが示されている。ただし被覆401はいつでもバルーン114とシース102の間に配置することができる。適切な被覆材料の例には、それだけに限定はされないが、ヒドロゲル、シリーコン、及び/又はミネソタ州メープルグローブ(Maple Grove)のシメッド・ライフ・システムズ社(SciMed Life Systems,Inc.)から販売されているBIOSLIDE(登録商標)などが挙げられる。
【0067】
上述のようにシース102は、図12に示すようにステント120がシース102上にクリンプされているときもカテーテルのバルーン周りで自由に回転可能な形状である。シース102上に適切に配置されると、ステント120の近位側部分122もまた、第2のガイドワイヤハウジング104の少なくとも一部の周りに配設される。シース102及びハウジング104周りに適切に配置されると、ハウジング104及び/又は第2のガイドワイヤ108の少なくとも一部がステント120のセル開口130を通って遠位側に延びる。
【0068】
ステント120は、少なくとも一部が複数の相互連結したストラット、コネクタ、又は部材132で製造された、図13に示すようなステントとすることができる。ステント132は、近位側開口134、遠位側開口136、及びそれらの間の流路138を画定する。セル開口130は流路138と流体連通している。
【0069】
ステントが図12に示すようなアセンブリ100上に配置されているとき、第2のガイドワイヤ108及び/又は第2のガイドワイヤハウジング104をセル開口130の一つの中を通すと、選択されるセル開口130a、並びに第2のガイドワイヤ108がそこを通ってステントから出る開口130aの形状を画定する部材132は、そこを通過する第2のガイドワイヤ108及び/又は第2のガイドワイヤハウジング104の経路に対応するために、歪曲又は変形することができる。
【0070】
変形したセル開口130aは、以下で第2の開口130aと称するが、ステント120上で近位側開口134と遠位側開口136の間に配置されている。第2の開口130aを通る方法、それに隣接する部材132、及びステント120自体の長さは、図14及び15に示すように、第2のガイドワイヤ及び/又は第2のガイドワイヤハウジングによって変形又は歪曲する。
【0071】
ステント120が上述の方法でアセンブリに配置されるとき、第2の開口130a及び隣接する部材132の歪みは最小限程度であり、第2のガイドワイヤ108、及び所望であれば第2の開口130aを通る第2のガイドワイヤハウジング104の遠位側部分の、摺動経路を可能にするためだけにもたらされることを理解されたい。このように、第2の開口130aの実際のサイズは周囲のセル開口130のサイズとほぼ同様、又はわずかに異なるのみである。
【0072】
ステント120は上述の方法で第2の開口130aを備えた標準の「単管」ステントとすることができるが、ステント120はまた、第2のガイドワイヤの一つが中を通過することのできる一つ又は複数の脚部及び/又はそれに隣接した分枝開口を備えたトランク部又はステム部を有する分岐ステントとすることができることにも、さらに留意されたい。このような分岐ステント及びステントアセンブリは、当業者には周知である。
【0073】
少なくとも一つの実施形態では、ステント120、あるいはその一つ又は複数の部分を、図24〜27に示すような血管199あるいはそれに隣接する一つ又は複数領域内部などの送達部位に、一つ又は複数の治療薬を送達する形状にすることができる。いくつかの実施形態では、図13に示すような一つ又は複数の部材132を、一つ又は複数の孔、切欠き、又は一つ又は複数の治療薬400を動脈瘤部位へ送達するために配置することのできる他の表面特徴を含む形状とすることができる。治療薬は、被覆の形態でステント上に配置することができる。少なくとも一つの実施形態では、被覆は少なくとも一種の治療薬及び少なくとも一つのポリマーを含む。
【0074】
治療薬は、薬物、非遺伝因子、遺伝因子などとすることができる。適切な非遺伝因子のいくつかの例には、それだけに限定されないが、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(d−フェニルアラニン−プロリン−アルギニン−クロロメチルケトン)などの抗血栓性治療薬;エノキサパリン、アンギオペプチン、平滑筋細胞の増殖を防止することのできるモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸などの抗増殖剤;デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミンなどの抗炎症薬;パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、及びチミジンキナーゼ阻害剤などの抗悪性腫瘍薬/抗増殖剤/抗縮瞳薬;リドカイン、ブピバカイン及びロピバカインなどの麻酔薬;D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗血栓化合物、血小板受容体拮抗薬、抗血栓抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びマダニ抗血小板ペプチドなどの抗凝固薬;増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗薬、転写活性化因子、及び翻訳促進因子などの血管細胞増殖促進剤、増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗薬、転写リプレッサー、翻訳リプレッサー、複製阻害剤、阻害抗体、増殖因子を対象とする抗体などの血管細胞増殖阻害剤、増殖因子及びサイトトキシンからなる二機能性分子;抗体及びサイトトキシンからなる二機能性分子;コレステロール低下剤;血管拡張薬;及び内因性血管活性メカニズムと干渉する薬剤、及びそれらの任意の組合せがある。
【0075】
薬剤が遺伝治療因子を含む場合、そのような遺伝因子は、それだけに限定されないが、アンチセンスDNA及びRNA;欠損又は欠乏した内因性分子を置換するためのアンチセンスRNA、tRNA、又はrRNAをコードするDNA;酸性及び塩基性線維芽細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、上皮増殖因子、形質転換増殖因子α及びβ、血小板由来内皮増殖因子、血小板由来増殖因子、腫瘍壊死因子α又は肝細胞増殖因子、及びインスリン様増殖因子などの増殖因子を含む血管形成因子;CD阻害剤、チミジンキナーゼ(「TK」)及び細胞増殖に干渉するのに有用な他の薬剤を含む細胞周期阻害剤;BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、及びBMP−16などの骨形態形成タンパク質のファミリー(「BMP's」)の少なくとも一つ;BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6及びBMP−7のいずれか;単独又は他の分子と結合したホモダイマー、ヘテロダイマー又はそれらの組合せなどの二量体タンパク質;「ヘッジホッグ」タンパク質などのBMPの上流又は下流効果の誘導が可能な、又はDNAによるそれらのコード化が可能な分子、及びその任意の組合せを含むことができる。
【0076】
治療薬が細胞物質を含む場合、細胞物質は、それだけに限定されないが、ヒト由来の細胞(自己又は同種);非ヒト由来の細胞(異種)、及びそれらの任意の組合せを含むことができる。細胞物質のいくつかの例は、それだけに限定されないが、以下を含む:
SP−(亜集団細胞)これらの細胞は最も原始的な成人幹細胞の一部であると考えられている。これらは、SP細胞が核からヘキスト(Hoechst)色素を除くことができる能力を利用して、特定のFACS技術によって分離される。骨髄のほかに、SP細胞は心臓又は骨格筋を含むほとんどの組織から分離されてきた。より一般的な表面タンパク質同定によれば、これらの細胞はLin、Sca−1、c−Kit、CD43、CD45、CD34である。
【0077】
Lin−(系譜(lineage)陰性細胞)この細胞集団は骨髄から分離され、特定の系譜に分化した全ての細胞(例えば赤血球など)が除去されている。従って全ての幹細胞及び前駆細胞が残る。このことは、全ての原子細胞が残るが無関係な原子細胞のタイプを含むことにより効率的に除去できるので有益である。
【0078】
LinCD34−CD34細胞は大いに注目されているが、近年、幹細胞から派生したほとんどの骨髄細胞がCD34であることを示す多くの論文が出版されている。

LinCD34−細胞表面タンパク質CD34の存在は造血幹細胞を特定するために使用されてきた。しかしながら、マーカーも前駆細胞及び様々な成熟度の白血球細胞に見られる。
【0079】
LincKit−cKitは幹細胞因子の細胞表面受容体であり、従って幹細胞選択の論理的選択肢である。骨髄の供給源から最も幅広く研究されているが、同時に心臓からも単離されている。
【0080】
MSC−(間葉幹細胞)この名称は通常これらの細胞は間葉組織の細胞(例えば、骨、軟骨、脂肪)へと分化することによるが、ある条件下ではまた心筋細胞に分化することもできる。骨髄から容易に分離され、造血幹細胞とは異なり生体外で分化する。MSCの亜集団は、一般的なMSC集団よりも早く自己再生し、多分化能を有する可能性がより高いことが明らかになっている。チューレーン大学(Tulane U.)のディ.プロコップ(D.Prockop)がこの分野の発表を行っている。
【0081】
臍帯血細胞−出産後の臍帯血管に残っている血液から採取する。この血液は未成熟幹細胞及び前駆細胞がより高い割合で含まれていることが明らかになっている。一般に、患者に適合するドナーは見つかるが、成人の血液から分離した幹細胞に比べて移植片対宿主病の発生率が低いことが報告されている。血液量が少ないため細胞数が不十分であること、予期しない先天性欠陥、及びHLAが適合しない可能性の高い母親の血液が混入すること、などの欠点がある。
【0082】
心臓又は他の組織由来の幹細胞−現在のほとんどの研究は骨髄から幹細胞を分離することに集中している。これは化学療法及び白血病治療のための骨髄移植を改善するための集中的な研究によるものである。しかしながら、同様の方法(例えばSP、cKit)によって同定することのできる同様の幹細胞は他の組織(例えば脂肪、心筋)から分離可能であることが証明されている。
【0083】
全骨髄−全骨髄(骨粒子をフィルタ処理した)を移植する「it's in there」方法。処理が少ないこと、全ての幹細胞及び前駆細胞が存在すること、及びマトリクスタンパク質及び増殖因子も存在すること、などの利点がある。欠点は、一つ又は二つの幹細胞タイプが心臓の改善に関与している場合、非常に少ない数しか存在しないことである。
【0084】
BM−MNCs−(骨髄単核細胞)この集団は全骨髄から密度勾配遠心法によって分離され、非顆粒性白血球、前駆細胞、及び幹細胞を含む。

EPCs−(内皮前駆細胞)これらの細胞は全骨髄から細胞表面マーカーに基づいて分離され、内皮細胞になる。理論上は、これらの細胞は虚血組織に送られると新しい血管を形成する。
【0085】
骨格筋原細胞−(又は衛星細胞)これらの細胞は損傷後の骨格筋の再生に関与する。これらは他の筋原細胞又は損傷した筋繊維と癒合する能力を有する。心筋療法では、これらの細胞を宿主細胞内へ統合し、特に収縮に関する組織特性又は機能的関与を改善することができると考えられている。
【0086】
MDCs−(筋由来細胞)成人の骨格筋から分離した筋原細胞と同様の細胞集団である。プリプレーティングによる分離方法は、生検後、数回にわたって培養皿に付着した細胞を採取することを伴う。最良と考えられるプレートは第6グループで採取するのに数日を要する。これらの細胞の研究者は、これは筋原細胞の純粋な集団であり高い移植効果をもたらすはずであり有効な方法であると述べている。
【0087】
Go細胞−これらの非衛星細胞は、最近、成人の骨格筋細胞から分離され、GATA−4を発現し、生体外のある成長条件では自然に拍動する心筋細胞様の細胞に進化する。

内皮細胞−フィブリンマトリクスとともに自己内皮細胞を移植すると血管形成が誘発され、虚血性のヒツジモデルで心機能が改善された。
成人の心筋細胞
線維芽細胞−線維芽細胞は成人の組織から容易に採取でき、増殖因子又は創傷治癒反応への関与をもたらす。線維芽細胞は創傷治癒において、細胞外マトリクスの合成及び沈着という重要な役割を担っている。線維芽細胞は一般に創傷治癒環境において収縮的になる。
【0088】
平滑筋細胞−これらの細胞は動脈から分離され、血管形成に関与し、又はそれを促進し、かつ/又はMI後の心臓リモデリングに有益である。

MSCs+5−アザ−5−アザ(aza)を用いた間葉幹細胞の培養は、心筋細胞へと分化させる。これらの細胞は治療後自然に拍動する。
【0089】
成人の心臓線維芽細胞+5−アザ−理論上は、5−アザを用いた心臓線維芽細胞の生体外治療は、筋原性細胞への分化をもたらす。
遺伝子改変細胞−患者から細胞を分離し、それらを生体外で遺伝子改変することにより、タンパク質の生成又は心疾患の治療に有益な細胞タイプへの分化が促進される。
【0090】
細胞工学移植片−患者から細胞を分離し、次いで吸収可能な足場(例えばコラーゲン、PLGA)に蒔種し、その中で培養する。蒔種により作製されたこれらの細胞は、次いで患者の体内に移植される。
【0091】
MyoD scar 線維芽細胞−転写因子のMyoDファミリーは骨格筋細胞の線維芽細胞での分化を促進する。その方法は、心臓瘢痕線維芽細胞の単離、生体外でのMyoDによる遺伝子トランスフェクション、及び筋形成を促進するための心臓への細胞の送達を含む。
【0092】
ペーシング細胞−電気的伝達及び信号生成を行う細胞になる、遺伝子改変された線維芽細胞。
胚幹細胞クローン−クローン技術を使用して、患者にとって遺伝子的に同一である心筋細胞、前駆細胞、又は幹細胞を作製する。
【0093】
胚幹細胞−これらの細胞は最も原始的な細胞であり、特定の条件下で機能的心筋細胞に分化する。この技術を商業化する前に、政治的、及び技術的課題を解決しなければならない。
【0094】
胎児又は新生児細胞−これらの細胞はドナーの心臓から分離され、免疫拒絶を起こさずに宿主細胞内へ組み込むことができる。胎児又は新生児の心臓の成長を継続させるために、いくつかの心筋細胞前駆細胞がなければならない。
【0095】
免疫的にマスキングされた細胞−同種細胞源(例えばドナーの心筋細胞)は現在、免疫拒絶のために実行不可能である。ただし、この技術を実行可能にするマスキング技術が開発されている。
【0096】
組織工学移植片−ドナーから細胞を分離し、次いで吸収可能な足場(例えばコラーゲン、PLGA)に蒔種し、その中で培養する。蒔種により作製されたこれらの細胞は、次いで宿主又はレシピエントの体内に移植される。
【0097】
遺伝子改変細胞−ドナーから細胞を分離し、それらを生体外で遺伝子改変することにより、タンパク質の生成又は心疾患の治療に有益な細胞タイプへの分化が促進される。次いで、修正した細胞は、宿主又は患者に移植される。
【0098】
奇形腫由来細胞−奇形癌種は、腫瘍が組織の異種混合により形成された癌の一形態である。この腫瘍から細胞を分離し、生体外で操作し、ニューロン細胞ラインで培養することが研究されている。レイトン バイオサイエンシーズ(Layton Biosciences)がこれらの細胞を使用して脳卒中患者に新しい脳細胞を形成することに成功した。同様の技術を、筋形成細胞ラインを製造するために使用することができる。
【0099】
治療薬が少なくとも一つのポリマー薬剤又は被覆を含む場合、少なくとも一つの被覆は、それだけに限定されないが、ポリカルボン酸;酢酸セルロース及び硝酸セルロースを含むセルロースポリマー;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;架橋ポリビニルピロリドン;マレイン酸無水物ポリマーを含むポリ無水物;ポリアミド;ポリビニルアルコール;EVAなどのビニルモノマーのコポリマー;ポリビニルエーテル;ポリビニル芳香族;酸化ポリエチレン;グリコサミノグリカン;多糖類;ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル;ポリアクリルアミド;ポリエーテル;ポリエーテルスルホン;ポリカーボネート;ポリプロピレン、ポリエチレン、及び高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン;ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレン;ポリウレタン;ポリオルトエステル;タンパク質;ポリペプチド;シリコーン;シロキサンポリマー;ポリ乳酸;ポリグリコール酸;ポリカプロラクトン;ポリヒドロキシブチレート吉草酸塩及びその混合物及びコポリマー;ポリウレタン分散液(BAYHDROL(登録商標)など)などのポリマー分散液に由来する被覆、フィブリン、コラーゲン及びその誘導体;セルロース、デンプン、デキストラン、アルギン酸塩及び誘導体などの多糖類;ヒアルロン酸;スクアレンエマルジョン;ポリアクリル酸、ポリ乳酸及びポリカプロラクトンのコポリマー;PGA−TMC、チロシン由来ポリカーボネート、及びアクリレートなどの医療用生分解性材料;ポリカプロラクトンコブチルアクリレート及び他のコポリマー;DL−乳酸及びポリ−L−乳酸の混合物;ポリ(乳酸−コ−グリコール酸);ポリカプロラクトンコPLA;ポリカプロラクトンコブチルアクリレート及び他のコポリマー;チロシン由来ポリカーボネート、及びアクリレート;ポリアミノ酸;ポリホスファゼン;ポリイミノカーボネート;ポリジメチルトリメチルカーボネート;生分解性CA/PO's;シアノアクリレート;50/50 DLPLG;ポリジオキサノン;ポリプロピレンフマレート;ポリデプシペプチド;キトサン及びヒドロキシルプロピルメチルセルロースなどの高分子;表面浸食性材料;マレイン酸無水物コポリマー;亜鉛−リン酸カルシウム;無定形ポリ無水物;糖;炭水化物;ゼラチン;生分解性ポリマー;及び体液に可溶性のポリマー;及びそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0100】
少なくとも一つの実施形態では、適切なポリマー薬剤又は被覆の例は、少なくとも一つのAブロック及び少なくとも一つのBブロックを含む、ブロックコポリマーを含む。Aブロックは好ましくは一つ又は複数のポリオレフィンをベースとした軟性エラストマーブロック、又は室温又は室温以下のガラス転移温度を有する他のポリマーである。例えば、Aブロックは一般式:−(CRR'−CH2)n−で4級及び2級炭素が交互のポリオレフィンブロックとすることができ、式中、R及びR'は独立に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなどの直鎖又は分枝状の脂肪族基、又はシクロヘキサン、シクロペンタンなど、ペンダント基を有する又は有さない代表的な環状脂肪族基である。好ましいポリオレフィンブロックは、イソブチレン
【0101】
【化1】

のポリマーブロック(すなわち、式中R及びR'がメチル基であるポリマー)を含む。Aブロックの他の例は、シリコーンゴムブロック及びアクリレートゴムブロックを含む。
【0102】
Bブロックは好ましくは、エラストマーAブロックよりガラス転移温度がかなり高い硬性の熱可塑性ブロックであり、軟性のAブロックと結合すると、所望の結合の質を得るために、結果として生じるコポリマーの、とりわけ硬度の変化又は調整が可能である。Bブロックの例は、メタクリレートのポリマー又はビニル芳香族のポリマーを含む。Bブロックのより詳細な例は、(a)スチレン
【0103】
【化2】

、スチレン誘導体(例えばα−メチルスチレン、環状アルキル化スチレン、又は環状ハロゲン化スチレン、又は一つ又は複数の置換基が芳香族環に存在する他の置換スチレン)又はその混合物のモノマーから形成されるもの(総括して「スチレンブロック」又は「ポリスチレンブロック」という)、又は(b)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、又はその混合物のモノマーから形成されるものを含む。
【0104】
ブロックコポリマーは、環状、直鎖、及び分枝鎖構造を含む、様々な構造で提供される。分枝鎖構造は、星型構造(例えば、3つ又はそれ以上の鎖が単一領域から発生している構造)、くし型構造(例えば主鎖及び複数の側鎖を有するコポリマー)、及び樹状構造(樹枝又はハイパーブランチコポリマーなど)を含む。
【0105】
このようなブロックコポリマーのいくつかの特定の例は、(a)BA(直鎖ジブロック)、(b)BAB又はABA(直鎖トリブロック)、(c)B(AB)又はA(BA)(直鎖交互ブロック)又は(d)X−(AB)又はX−(BA)(ジブロック、トリブロック、及び他の径方向ブロックコポリマーを含む)を含み、式中nは正の全数であり、Xは開始シード、又は阻害剤、分子である。ポリマーの一つの特定のグループはX−(AB)構造を有し、式中それぞれn=1及びn=2であり、これらをしばしばジブロックコポリマー及びトリブロックコポリマーという(この用語は開始シード分子の存在を無視し、例えばA−X−Aはトリブロックを有する単一のAブロックとして扱い、従ってBABとして記す)。このグループからの特に有益なポリマーは、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBS)である。n=3又はそれ以上の場合、これらの構造は一般に星型ブロックコポリマーという。ブロックポリマーの他の例は、樹状ブロックコポリマーなどの分枝したブロックコポリマーを含み、例えばAブロックが分枝しBブロックにより閉じられるなど、少なくともA及びBブロックの一つが分枝している。
【0106】
図12に示すように、ステント120がアセンブリ100上に配置されると、図16〜17に示すように、アセンブリ100はシース102がバルーン114周りに回転的に配設され、第2のガイドワイヤハウジング104の近位側部分140が回転するカラー150に係合するように、カテーテル116上を摺動することができる。
【0107】
カラー150は、溶接、接合、機械的係合、接着係合など、任意の所望の機構によって第2のガイドワイヤハウジング104の近位側部分140に係合する。図17に示す実施形態では、例えば、第2のガイドワイヤハウジング104の近位側部分140及びカラー150は係合部位142で外部係合する。いくつかの実施形態では、第2のガイドワイヤハウジング104はカラー150を少なくとも部分的に通ることができ、かつ/又はカラー150は第2のガイドワイヤ108が第2のガイドワイヤハウジング104に入る前に通過することのできる管腔を画定することができる。
【0108】
カラー150は、バルーン114の近位側部分でカテーテル116のシャフト144周りに配設される、ほぼ円筒形の部材とすることができる。カラー150は、カテーテルシャフト144が中を通過するカテーテルシャフト管腔146を画定するということによって特徴づけることができる。カラー150がカテーテルシャフト144周りで自由に回転できるようにするために、カラー150は、シャフト144の外径よりも大きい直径を有するカテーテルシャフト管腔146を画定する。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の潤滑性物質をカラー150とシャフト144の間に配置することができ、それらの間での自由回転をさらに促す。
【0109】
カラー150はシャフト144周りで自由回転するが、いくつかの実施形態では、シャフト144に沿って長手方向にずれることも可能である。いくつかの実施形態では、一つ又は複数のロック又はハブ152をシャフト144周りでカラー150の一方又は両方の側に取り付けることができ、カラー150がシャフト144に対して長手方向にずれる可能性をなくす又は制限する。
【0110】
図18〜19に示す少なくとも一つの実施形態では、ロック152はカテーテルシャフト係合領域155を画定する円筒部154を含む。円筒部154は、(カテーテルシャフト144周りでの)図18に示す開位置と図19に示す閉位置又は固定位置の間で枢動可能である、少なくとも二つの部分156及び158に分けられる。部分156及び158は旋回軸160によって互いに枢動的に係合している。円筒部154は、二つの完全に分離可能な部分156及び158とすることもでき、部分156及び158が可撓的かつ枢動的に互いに係合する単一の部材などにすることもできる。
【0111】
図18に示す開位置では、シャフト144はカテーテルシャフト係合領域155内に配置され、部分156及び158はロック152がシャフト144周りで固定的に係合するように互いに固定されている。少なくとも一つの実施形態では、部分156は、隣接する部分158のロッキングタブ166と維持的に係合するための把持機構164を有する収容チャンバ162を画定する。チャンバ162及び/又はタブ166は、部分を互いに固定的に係合させるための複数の係合機構のいずれかを含むことができる。例えば、チャンバ162とタブ166の隣接面を確実に係合させる一つ又は複数の相補的な表面特徴を使用することができる。
【0112】
ロック152はどのような所望の外部形状にすることもでき、好ましくは、カテーテル116の前進及び/又は追跡性と干渉しないように最小限の断面及び形状を有する形状及びサイズであることを明記したい。
【0113】
カテーテルシャフト144周りで固定されると、隣接するカラー150、ロック152は、カラー150がロック152の方向にカテーテルシャフト144に沿って長手方向にずれることを防ぐ。二つのロック152がカラー150を囲む場合、該ロックはカラー150が長手方向にずれないようにするために、又は単にそのようなずれを所望の範囲に制限するために、離間させることができる。
【0114】
実施の際は、アセンブリ100はステント送達術で使用する前にいつでもカテーテル116に取り付けることができる。ただし、シース102はバルーン114周りで自由に回転するので、シースはバルーン114の膨張前及びステント120の展開前に、バルーンを縮小した、及び一般的には折り畳んだ状態で維持する際の大きな助けにはならないことを理解されたい。その結果、バルーンを縮小構造で長い時間維持するべきであるいくつかの実施形態では、アセンブリ100の回転可能性と干渉することなく、又は他の方法でシステムの意図する性能程度を減じることなく、バルーン114を縮小状態で維持する機構を設けることが望ましい。
【0115】
バルーンを縮小構造で維持することを助け、カテーテルの使用前及び使用時の性能を妨げない、バルーンの第1のタイプの例が、図20及び21に示されており、カテーテル116が既に回転アセンブリ100及びステント120を具備し、さらに1対のバルーン維持スリーブ170及び172を備えていることが示されている。バルーン114の拡張前に、各スリーブ170及び172の第1の部分178が、バルーン114の近位側部分174又は遠位側部分176それぞれの周りに配設されている。バルーン114の近位側部分174及び遠位側部分176はそれぞれ、バルーンコーンの少なくとも一部、いくつかの実施形態では隣接するバルーン円筒部の少なくともそれぞれの端部を含むことができる。各スリーブの第2の部分180は、バルーン114に隣接する部分でカテーテルシャフト144に係合している。
【0116】
バルーンが縮小状態のとき、スリーブ170及び172は、折畳まれた縮小断面構造にてバルーン114の端部を維持するのに十分な径方向強度を有する。バルーン114の端部をバルーン114が膨張していない折畳み構造で維持することによって、バルーンは折畳み又は縮小状態に留まる傾向がある。バルーン114が膨張又は他の方法で拡張するとき、バルーンの膨張により外向きに作用する力が、各スリーブの第1の部分178の径方向の収縮力を上回り、それによってバルーンは拡がり、又は拡張し、縮小状態から拡張状態になる。いくつかの実施形態では、スリーブ170及び172はバルーン114の端部174及び176から後退するか、そうでなければ回収するための形状にすることができる。
【0117】
スリーブは、参照によってそれぞれの全内容を本明細書に援用する、米国特許第6,443,980号;米国特許第6,221,097号;米国特許第6,554,841号;米国公開出願番号2002−0038140 A1;及び米国公開出願番号2002−0038141 A1に記載されている様々な材料のいずれかから製造することができる。
【0118】
少なくとも一つの実施形態では、1例を図21に示すが、各スリーブ170及び172の第1の部分178は、スリーブ170及び172が回転可能なシース102の各端部と係合するのに十分に隆起した断面を備えることのできる、厚みのある部分又はリップ182を含むことができる。このようにスリーブにリップ182を備えることによって、スリーブは前述のロックと同様の方法で作用し、シース102及びアセンブリ100全体がバルーン114及びカテーテル116に対して長手方向にずれる可能性をあらかじめ低減することによって防いでいる。
【0119】
リップ182を備えた一つ又は複数のスリーブ170及び/又は172は、ロック152と併せて、又はその代替として使用することができ、アセンブリ100がカテーテル116に対して長手方向にずれる可能性を制御する、かつ/又は排除することの助けとなる。
【0120】
いくつかの実施形態では、1例を図23に示すが、カテーテル116を具備したアセンブリ100は、バルーン114の端部174及び176、及び少なくとも一つの実施形態ではカテーテル先端105などのカテーテル116の一つ又は複数の隣接した部分の周りに配設されたプロテクター190を備える。プロテクター190は、システム300の送達術使用前に、取り外す前に、バルーン114を縮小した折畳み構造で維持するものである。いくつかの実施形態では、1例を図22に示すが、プロテクター190は近位側ハウジング部194、遠位側ハウジング部196、及びそれらの間を延びる中間部198を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、プロテクター190は、一方又は両方の端部がほぼ開いている、又は閉じている、円筒形部材とすることができる。少なくとも一つの実施形態では、近位側ハウジング部194などプロテクターの少なくとも一部が、遠位側ハウジング部196がバルーン114及び/又はカテーテル先端105の近位側端部176の周りに配置されると、近位側ハウジング部196がバルーン114の近位側端部174上及びその周りに摺動することを可能にする、長手方向開口又はスリット200を画定する。プロテクター190は、ハウジング194がバルーン114の周りから完全に外れるまで、近位側ハウジング部194をスリット200に沿ってバルーン114から径方向に引っ張り、次いでプロテクター190をさらに長手方向に動かし遠位側ハウジング部196をカテーテル端部から外れるように摺動させることによって、取り外される。
【0122】
いくつかの実施形態では、スリット200は近位側ハウジング部194から、遠位側ハウジング部196を含むプロテクター190の別の領域まで延びることができる。
いくつかの実施形態では、中間部198はステント120の外面の一部に沿って延びる材料の単一部材である。ただし、いくつかの実施形態では、中間部190はステント120をより多く覆うことができ、従って物理的接触からもより良く保護できるように、図よりもほぼ円筒形の形状にすることもできる。
【0123】
いくつかの実施形態では、カテーテル116は一つ又は複数のスリーブ170及び172、並びにプロテクター190も併せて具備する。
プロテクターはさらに、参照によって各内容の全体を本明細書に援用する、米国特許第5,893,868号;米国特許第6,152,944号;米国特許第6,416,529号;米国特許第6,613,067号;米国特許第6,132,450号;米国公開出願番号2002−0116045−A1;及び米国公開出願番号2002−0120320−A1に記載されている適切な材料のいずれかから構成及び製造することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、それだけに限定はされないが、一つ又は複数のカテーテルシャフト144の少なくとも一部、バルーン114、シース104、第2の管腔ハウジング104、ロック152、回転カラー150、スリーブ170及び172、及びステント120を含む、上述の一つ又は複数の様々な要素は、少なくとも一部が放射線不透過性材料で製造される。
【0125】
ここで図24を参照すると、上述したように、アセンブリ100は回転するカラー150を含むと考えることができる。従って、このようなアセンブリ100は、カテーテル116が回転可能なシース102によってバルーン114周りで回転可能であるように、カラー150によって、カテーテルシャフト144周りで自由に回転可能である。
【0126】
カテーテル116、アセンブリ100及びステント120を含む上述のシステム300は、図24に示す方法などによって第1のガイドワイヤ107及び第2のガイドワイヤ108に沿って前進させることによって、ステント送達術において利用される。システム300を血管199内に挿入する前に、ガイドワイヤ107及び108を血管199内に挿入し、その中を通って分岐部203へと前進させ、そこで第1のガイドワイヤ107が血管199又は第1の血管分枝205に継続して沿わせ、第2のガイドワイヤ108を側枝血管207内へと前進させる。
【0127】
上述のように、アセンブリ100を、第2のガイドワイヤハウジング104によって画定される第2のガイドワイヤ管腔106を経由して、第2のガイドワイヤ108に沿って前進させる。カテーテル116を、カテーテルシャフト144によって画定される第1のガイドワイヤ管腔204を通って延びる、第1のガイドワイヤ107に沿って前進させる。
【0128】
いくつかの実施形態では、カテーテルシャフト144はまた、膨張のためにバルーン114と流体連通する第1の膨張管腔211を画定することにも留意されたい。いくつかの実施形態では、第1の膨張管腔211及び第1のガイドワイヤ管腔204は、シャフト144の境界内で同一であるが、第1の膨張管腔211はバルーン内部で終端し、第1のガイドワイヤ管腔204はバルーンを通って延びカテーテル先端105から出る。
【0129】
アセンブリ100及び関連するステント120がカテーテル116周りで回転可能であるので、システム300がガイドワイヤ107及び108に沿って同時に前進すると、アセンブリ100及びステント120が回転し、ステント130aの第2の開口が、第2のガイドワイヤ108が延びる側枝血管207の開口209と整列する位置になる。アセンブリ100及び関連するステント120をこの方法で定位置に回転できることによって、カテーテル116に回転トルクを与える必要がなく、全ての回転活動は、回転アセンブリ100が、第2のガイドワイヤ108によって設定された経路、より詳細には図24に示す第2のガイドワイヤ108及び第1のガイドワイヤ107の分岐によって確立された経路に沿って回転することによってもたらされる。
【0130】
分岐部203で適切に配置されると、バルーン114は通常の方法によって膨張又は拡張する。バルーン114が膨張すると、拡張バルーン114はシース102に係合し、それによりシースがバルーン114周りで回転できないように妨げ、ステント120の正確な展開を確実にする。バルーン114はシース102が拡張するのと同じ直径に拡張し、それにより図24に示すようにステント120が血管199内へと拡張又は展開できるようになることに、さらに留意されたい。ステント120が展開すると、システムは抜去される。
【0131】
いくつかの実施形態では、ステント120は血管199の壁201とより良く係合するために、更なる拡張が必要な場合がある。そのような場合、図26に示すように、一つ又は複数のいわゆる「キッシング」又はシーティングバルーン210及び212をガイドワイヤ107及び108に沿ってステント120の流路内に前進させ、ステント120が血管壁201に対してより確実に係合するようにするために拡張させることができる。いくつかの実施形態では、バルーンを拡張することによって拡大領域とともに第2の開口130aを設けることが望ましい。そのようなものとして、キッシングバルーン210及び212の一つを第2の開口130aに沿って前進させることができる。バルーンが拡張すると、第2の開口130aに隣接する部材132に加えられる力によって、部材132はさらに歪曲し互いに引き離され、それにより第2の開口130aのサイズが拡大する。
【0132】
図27に示すように、拡大した第2の開口130aをステント120に提供することによって、第2のステント121は第2の開口130aに隣接し、そこを通り、及び/又は少なくともその中の一部で前進及び/又は展開することができ、血管分岐部203に対してステントの完全な支持をもたらす。
【0133】
上述したように、本発明は様々な形態で実施される。図28及び29では、回転可能なシース102が第2のガイドワイヤハウジング104周りにさらに配設され、その周りで同様に回転可能である、システム300の代替実施形態が示されている。そのような回転可能性に対応するために、シース102は、第2のガイドワイヤハウジング104が中を通る、第2のシース開口131を画定する。
【0134】
上述したように、いくつかの実施形態では、図28に1例を示すが、第2のガイドワイヤハウジング104がカラー150の少なくとも一部を通ることができ、かつ/又はカラー150は第2のガイドワイヤ108及び/又はハウジング104が第2のガイドワイヤハウジング104に入る前に中を通ることができる管腔151を画定する。
【0135】
さらに別の実施形態では、図30に1例を示すが、システム300は第1のバルーン114及び第2のバルーン115を含む。この実施形態では、一つ又は複数のガイドワイヤ管腔が、膨張管腔又はガイドワイヤ管腔として作用することもでき、膨張管腔を別個にすることもできる。第2のバルーン115はシース102の外部にあるので、シース102、ステント120及び第2のバルーン115は全て第1のバルーン114周りで拡張前に回転可能である。ただし、第2の管腔ハウジング104を最小限の超過長さにしたいことを考慮すると、第2のバルーン115は一般に、第1のバルーン114周りでの回転能力は最大で2回転の720度に制限される。いくつかの実施形態では、回転は1回の完全回転すなわち360度に制限される。
【0136】
システムは二つのバルーンを使用するので、上述したキッシングバルーンの使用は避けることができる。
図31に示す別の実施形態では、システム300は同様に二つのバルーン構造を使用することが示されている。この場合、カテーテルシャフト144は第1の膨張管腔211を画定し、上述した方法などでバルーン114と流体連通する第1のガイドワイヤ管腔204を画定する。第2の近位側膨張管腔215を画定する第2の近位側膨張管腔ハウジング213がシャフト144に隣接して延び、カラー150で終端し、それと流体連通する。いくつかの実施形態では、第2の近位側膨張管腔215及び第1の膨張管腔211を、シャフト144に含まれる共通の管腔又は別個の管腔とすることができる。
【0137】
図31に示す実施形態では、カラー150は二つの部分を含む:カラーハウジング220及び少なくとも一部がハウジング220に含まれ、それに対して回転可能である、回転可能部分222である。図に示すように、シャフト116は、第1の膨張管腔211及び第1のガイドワイヤ管腔204とともに、カラー150を通って延びる。回転可能部分222は、後段で詳述するが、カラー150が非密封状態のときシャフト144周りで自由に回転する。
【0138】
カラーハウジング220は、第2の近位側膨張管腔215と流体連通する流体方向チャンバ224を画定する。第2のバルーン115が膨張すると、矢印226で示す膨張流体が第2の近位側膨張管腔215に沿って流体方向チャンバ224内へと搬送される。流体226が流体方向チャンバ224内へと通過することによって生じる圧力、及び/又はいくつかの他の/追加の作動機構又はトリガが、ハウジング220と回転可能部分222との間の密封機構230を作動する。密封機構230の作動によってカラー150が密封状態になると、回転可能部分222はハウジング220及び/又はカテーテルシャフト144に対して自由に回転できないようになる。さらに、カラー150が密封状態になると、流体226は、回転部分222並びに第2のバルーン115を経由して流体方向チャンバ224と流体連通する、第2の遠位側膨張管腔ハウジング231の第2の遠位側膨張管腔228へと動く。
【0139】
少なくとも一つの実施形態では、第2の遠位側膨張管腔ハウジング231が、第2のガイドワイヤハウジング104がそこを通って管腔228に入り、図31に示す方法で第2のバルーン115を通ることができる、密封されたポート232を画定する。ただし、図32に示すように、いくつかの実施形態では、第2のガイドワイヤハウジング104及び関連する第2のガイドワイヤ管腔106は、第2の遠位側膨張管腔ハウジング231に外部で隣接することができる。第2のバルーン115に別個の膨張管腔228及びガイドワイヤ管腔106を設けることによって、第2の遠位側膨張管腔ハウジングの密封されたポートを使用する必要がなくなる。
【0140】
いくつかの実施形態では、カテーテルシャフト、管腔、及びハウジングの一つ又は複数の様々な部分は、システム300全体が可能な限り最小限の断面になるように、ほぼ三日月形を備えることができる。このような1例が図32に示されており、第2の遠位側膨張管腔ハウジング231がほぼ三日月形の断面を有する。この結果、ハウジング231は、システム300が脈管構造の曲がりくねった部分を通って前進するときに、カテーテルシャフト及び/又は回転可能なシースと、より密接に接触することができる。
【0141】
上述のように、システム300が二つのバルーン114及び115を単一のカテーテルアセンブリで使用する、図31に示す実施形態を参照すると、カラー150は、カラー150を提供するために作動可能な密封機構230、より詳細にはハウジング220と回転可能部分222のインターフェースを含み、密封状態で膨張流体226が流体方向チャンバ224から回転部分222を通って及び最終的に第2のバルーン115へと通過することができ、及び非密封状態で、回転可能部分222がハウジング220内及び/又はそれに隣接して自由な回転を維持する。
【0142】
密封機構230の第1の実施形態が図33及び34に示されている。この実施形態では、カラー150は、少なくとも一つの伝導ワイヤ、スリーブ又は部材242と伝導的に連結する形状記憶カラー又はリング240を使用する。カラー150が図33に示すように非密封状態のとき、回転部分222及びリング240は離間しており、回転部分222がハウジング220内で自由に回転できるようにしている。リング240が図34の矢印244で示すように伝導信号によって作動すると、リング240は拡張又は他の方法で形状を変化させ、リング240又はその一部が回転部分222に係合するように径方向内側に拡張する事前プログラム状態になり、それにより回転部分222はハウジング220に対して密封状態になる。その結果、流体226は、固定されている回転可能部分222及び第2の遠位側膨張管腔228及び第2のバルーンを通り、流体方向チャンバ224を通ってそこから自由に流れるようになる。
【0143】
リング240は任意の種類の形状記憶材料、又はニチノール、形状記憶ポリマーなど、所望の材料とすることができる。そのようにして、形状記憶材料を第1の状態から事前プログラムされた第2の状態へと変形させることが知られている任意の種類の伝導信号244によって、リング240を作動することができる。
【0144】
密封機構230の別の実施形態が図35及び36に示されている。この実施形態では、回転可能部分222が、流体方向チャンバ224と流体連通している一つ又は複数の拡張可能な膨張チャンバ250を画定する。流体226を流体方向チャンバ224に注入すると、流体は、図35に示す非拡張及び非密封状態から図36に示す拡張及び密封状態へと、流体226がチャンバ250を満たすことを可能にする一つ又は複数の膨張チャンバポート252に入る。非密封状態では、回転可能部分222の回転は、非拡張チャンバ250の縮小された直径によって阻害されないままである。チャンバ250が流体226によって拡張するとき、回転可能部分222は、拡張したチャンバ250のより大きい直径によってハウジング220に係合するようになる。カラー150をこの方法で密封状態にすると、流体226は、回転可能部分222及び第2の遠位側膨張管腔228を通って自由に流れるようになる。
【0145】
以上、本発明を実施形態を参照して説明した。本明細書を読み、理解した当業者には、明らかに修正及び改変が可能である。例えば、図示された実施形態ではステントを拡張するためにバルーンを使用するが、上記で簡略に述べたように、本発明の特徴から逸脱することなく、自己拡張、自己展開、又は混合式拡張可能ステントを使用することもできる。本発明は、そのような全ての修正及び改変を含むものである。
【0146】
上記の開示は図示のためであり、限定的ではない。この説明によって、当業者には多くの変形、改変が想起されるであろう。これら全ての改変及び変形は、「含む」という用語が「含むが、これに限定されない」ということを意味する、添付の特許請求の範囲に含まれるものである。当業者であれば、本明細書で述べた特定の実施形態の他の等価物も認識することができ、等価物もまた特許請求の範囲に包含されるものである。
【0147】
さらに、従属請求項に記載される特定の特徴は、本発明が従属請求項の他の考えられる結合を有する他の実施形態も特定的に対象とすることが認識されるように、本発明の範囲内で他の方法で互いに結合することができる。例えば、請求項の公表の目的で、追従する全ての従属請求項は、そのような複数の従属形式が管轄権の範囲内で認められた形式である場合は、そのような従属請求項で言及される全ての先行詞を有する全ての先行請求項に依存する複数の形式で代替的に記載されているとみなされるべきである(例えば請求項1に直接従属する各請求項は、全ての先行する請求項に従属すると代替的にみなされるべきである)。複数の従属請求項形式が限定的である管轄権では、追従する従属請求項もまたそれぞれ、添付の従属請求項に記載されている特定の請求項以外の、先行詞を有する先行する請求項への依存性を確立する個別の従属請求項形式で、代替的に記載されているとみなされるべきである。
【0148】
本説明では、当業者は、説明されている特定の実施形態の他の等価物を認識することができる。そのような等価物は添付の特許請求の範囲に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】アセンブリを展開前の構造で示す、本発明の実施形態による斜視図である。
【図2a】シース構造の断面図である。
【図2b】シース構造の断面図である。
【図2c】シース構造の断面図である。
【図2d】シース構造の断面図である。
【図3】バルーン上にバルーンコーンを有するアセンブリを示す、本発明の実施形態による斜視図である。
【図4】大径のマーキングバンドを有するアセンブリを示す、本発明の実施形態による斜視図である。
【図5】アセンブリがテザーアタッチメント並びに回転カラー及び長手方向ロックを有する、本発明の実施形態による斜視図である。
【図6】図5のA−Aから見た回転するカラーの断面図である。
【図7】アセンブリがシースの定位置に外部バルーンを有することを示す、本発明の実施形態による斜視図である。
【図8】カテーテルバルーンの円筒部及びコーン部を示す、カテーテルバルーンの斜視図である。
【図9】アセンブリが第2のガイドワイヤカラー管腔に配設されたハイポチューブを有することを示す、本発明の実施形態による斜視図である。
【図10】アセンブリがカラーに係合するハイポチューブを有することを示す、本発明の実施形態による斜視図である。
【図11】回転するシースアセンブリを含む、本発明の実施形態による側面図である。
【図12】ステントの送達のための構造を示す、図11に示す実施形態による側面図である。
【図13】図12に示したようなステントを含む、本発明の一実施形態による側面斜視図である。
【図14】ステント壁のセル開口の拡大部から側枝開口が形成されていることを示す、図13に示すステントの側面斜視図である。
【図15】図14のステントの断面図である。
【図16】回転するカラーを備えているカテーテルアセンブリを含む、本発明の一実施形態による側面図である。
【図17】回転するシースアセンブリ及び図12のステントをさらに含む、図16のカテーテルアセンブリの側面図である。
【図18】図16及び17に示すカテーテル上で使用するためのロッキングクリップを含む、本発明による一実施形態の断面図であり、クリップが、回転するカラーに隣接するカテーテルシャフトに設置されると、カラー及び関連する回転シースアセンブリが長手方向にずれることを防ぐことを示す図である。クリップはカテーテルシャフトを配置又は除去するために、開いた非ロック状態で示されている。
【図19】図16及び17に示すカテーテル上で使用するためのロッキングクリップを含む、本発明による実施形態の断面図であり、クリップが、回転するカラーに隣接するカテーテルシャフトに設置されると、カラー及び関連する回転シースアセンブリが長手方向にずれることを防ぐことを示す図である。クリップはカテーテルシャフト上にクリップが既に配置されている、閉じたロック状態で示されている。
【図20】カテーテルアセンブリがバルーン拡張前にバルーンの折畳み構造を維持するのを助けるためのスリーブを維持する1対のコーンを含む、本発明による一実施形態の部分側面図である。
【図21】図20に示すものと同様であるが、スリーブを維持する各コーンが、スリーブが長手方向にずれることを防ぐための径方向のリッジをさらに含む、本発明による一実施形態の部分側面図である。
【図22】縮小状態又は送達前状態でバルーンを維持するための脱着可能な保護シースを含む、本発明による一実施形態の斜視図である。
【図23】カテーテルアセンブリが図22に示す保護シースとともにカテーテルの使用前の位置で示されている、本発明による実施形態の側面図である。
【図24】図17のカテーテルアセンブリをステントの送達前に第1及び第2のガイドワイヤに沿って血管分岐部へ前進させていることを示す、本発明による実施形態の側面図である。
【図25】ステントをバルーンの拡張によってカテーテルアセンブリから送達し、続いてアセンブリを血管から抜去した、図24に示すステントの側面図である。
【図26】各ガイドワイヤに沿って個別に前進させ、ステント内で拡張し、続いてそこから抜去する1対のバルーンによって血管分岐部内に配置された、図25のステントの側面図である。
【図27】第1のステントの第2の開口を通って、第2のステントがステント送達カテーテルによって展開された、図26に示すステント(以下、第1のステントという)の側面図である。
【図28】第2のガイドワイヤ管腔が、回転するシースの下で回転するカラーから延び、シース及びステントの第2の開口から出るカテーテルアセンブリを含む、本発明による一実施形態の側面図である。
【図29】図28に示すアセンブリの断面図である。
【図30】2重のバルーンを有し、かつ第2のバルーンが回転するシースに径方向に隣接し、ただしステントの一部のほぼ内部に配置されており、従って第2のバルーンがシースの回転によって第1のバルーン周りで回転可能である、カテーテルアセンブリを含む、本発明による一実施形態の側面図である。
【図31】二つの膨張バルーンを有し、かつ第2のバルーンが第2の膨張管腔と流体連通し、回転するカラーが、第2の膨張管腔の近位側部分が第2の膨張管腔の遠位側部分と流体連通することを可能にする、回転可能なシールを提供する、カテーテルアセンブリの斜視図である。
【図32】第2の膨張管腔がより低い断面を備え、カテーテルシャフト又は第1の膨張管腔との回転面を改良するように、第2の膨張管腔がほぼ三日月形の断面形状を備える、図31に示すアセンブリの一部の斜視図である。
【図33】図31に示すようなカテーテルアセンブリで使用するための、開口した回転可能部分及び密封された固定部分をそれぞれ示す、回転シールの形状の側面図である。
【図34】図31に示すようなカテーテルアセンブリで使用するための、開口した回転可能部分及び密封された固定部分をそれぞれ示す、回転シールの形状の側面図である。
【図35】図31に示すようなカテーテルアセンブリで使用するための、開口した回転可能部分及び密封された固定部分をそれぞれ示す、回転シールの形状の側面図である。
【図36】図31に示すようなカテーテルアセンブリで使用するための、開口した回転可能部分及び密封された固定部分をそれぞれ示す、回転シールの形状の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のガイドワイヤを貫通させるための第1のガイドワイヤ管腔を画定するカテーテルシャフトを含むカテーテルと、
前記カテーテルシャフトの少なくとも一部の回りに配設され、その周りで回転可能であり、かつ前記カテーテルシャフトよりも実質的に短い長さを有する、回転可能なシースと、
第2のガイドワイヤを貫通させるための第2のガイドワイヤ管腔を画定する第2のガイドワイヤハウジングと、を含み、
前記ガイドワイヤハウジングの少なくとも第1の遠位側部分が前記回転可能なシースの少なくとも第1の近位側部分と係合する、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリはステントを更に含み、
前記ステントは縮小ステント状態から拡張ステント状態へと拡張可能であり、かつ近位端開口と遠位端開口との間に流路を画定し、
前記ステントは、少なくとも一部が複数のセル開口をその間に画定する相互連結した複数のステント部材から作製され、前記各セル開口は前記流路と流体連通し、
前記縮小ステント状態において前記ステントは、前記回転可能なシースの少なくとも一部及び前記第2のガイドワイヤハウジングの少なくとも一部の周りに配設され、前記第2のガイドワイヤハウジングの遠位側端部が前記複数のセル開口の一つを通って前記ステントの流路を出る、アセンブリ。
【請求項3】
前記ステントが、自己拡張式ステント、バルーン拡張可能ステント、混合式拡張可能ステント、及びそれらの任意の組合せからなる群の、少なくとも一つから選択される、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記カテーテルシャフトは固定的に設置された医療用バルーンをさらに含み、前記医療用バルーンは縮小構造から拡張構造へ拡張可能であり、前記カテーテルシャフトが膨張管腔をさらに画定し、前記膨張管腔が前記医療用バルーンと流体連通する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記回転可能なシースが前記医療用バルーンの少なくとも一部の周りに回転可能に配設されている、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ステントの少なくとも一部が少なくとも一種の治療薬で被覆されている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも一種の治療薬が、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(d−フェニルアラニン−プロリン−アルギニン−クロロメチルケトン)などの抗血栓性治療薬;エノキサパリン、アンギオペプチン、平滑筋細胞の増殖を防止することのできるモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸などの抗増殖剤;デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミンなどの抗炎症薬;パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、及びチミジンキナーゼ阻害剤などの抗悪性腫瘍薬/抗増殖剤/抗縮瞳薬;リドカイン、ブピバカイン及びロピバカインなどの麻酔薬;D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗血栓化合物、血小板受容体拮抗薬、抗血栓抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びマダニ抗血小板ペプチドなどの抗凝固薬;増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗薬、転写活性化因子、及び翻訳促進因子などの血管細胞増殖促進剤、増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗薬、転写リプレッサー、翻訳リプレッサー、複製阻害剤、阻害抗体、増殖因子を対象とする抗体などの血管細胞増殖阻害剤、増殖因子及びサイトトキシンからなる二機能性分子;抗体及びサイトトキシンからなる二機能性分子;コレステロール低下剤;血管拡張薬;及び内因性血管活性メカニズムと干渉する薬剤、及びそれらの任意の組合せからなる群の少なくとも一種の構成要素から選択される、少なくとも一種の非遺伝子治療薬である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも一種の治療薬が、アンチセンスDNA及びRNA;欠損又は欠乏した内因性分子を置換するためのアンチセンスRNA、tRNA、又はrRNAをコードするDNA;酸性及び塩基性線維芽細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、上皮増殖因子、形質転換増殖因子α及びβ、血小板由来内皮増殖因子、血小板由来増殖因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖因子、及びインスリン様増殖因子などの増殖因子を含む血管形成因子;CD阻害剤、チミジンキナーゼ(TK)及び細胞増殖に干渉するのに有用な他の薬剤を含む細胞周期阻害剤;BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、及びBMP−16などの骨形態形成タンパク質のファミリー(「BMP's」)の少なくとも一種;BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6及びBMP−7のいずれか;単独又は他の分子と結合したホモダイマー、ヘテロダイマー又はそれらの組合せなどの二量体タンパク質;ヘッジホッグタンパク質などのBMPの上流又は下流効果の誘導、又はDNAによるそれらのコード化が可能な分子、及びその任意の組合せからなる群の少なくとも1種の構成要素から選択される、少なくとも一つの遺伝子治療薬である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも一種の治療薬が、ヒト由来の細胞(自己又は同種);非ヒト由来の細胞(異種)、及びそれらの任意の組合せからなる群の少なくとも一種の構成要素から選択される、少なくとも一種の細胞物質である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記細胞物質が、亜集団細胞;系譜陰性細胞;系譜陰性CD34細胞;系譜陰性CD34細胞;系譜陰性cKit細胞;間葉幹細胞;臍帯血細胞;心臓又は他の組織由来の幹細胞;全骨髄;骨髄単核細胞;内皮前駆細胞;衛星細胞;筋由来細胞;go細胞;内皮細胞;成人の心筋細胞;線維芽細胞;平滑筋細胞;心筋細胞へと分化させる5−アザを用いた間葉幹細胞の培養物;成人の心臓線維芽細胞+5−アザ;遺伝子改変細胞;細胞工学移植片;MyoD scar線維芽細胞;ペーシング細胞;胚幹細胞クローン;胚幹細胞;胎児又は新生児細胞;免疫的にマスキングされた細胞;組織工学移植片;遺伝子改変細胞;奇形腫由来細胞、及びそれらの任意の組合せからなる群の少なくとも一種の構成要素から選択される、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも一種の治療薬が少なくとも一種のポリマー被覆を含み、前記少なくとも一つの被覆が、ポリカルボン酸;酢酸セルロース及び硝酸セルロースを含むセルロースポリマー;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;架橋ポリビニルピロリドン;マレイン酸無水物ポリマーを含むポリ無水物;ポリアミド;ポリビニルアルコール;EVAなどのビニルモノマーのコポリマー;ポリビニルエーテル;ポリビニル芳香族;酸化ポリエチレン;グリコサミノグリカン;多糖類;ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル;ポリアクリルアミド;ポリエーテル;ポリエーテルスルホン;ポリカーボネート;ポリプロピレン、ポリエチレン、及び高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン;ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレン;ポリウレタン;ポリオルトエステル;タンパク質;ポリペプチド;シリコーン;シロキサンポリマー;ポリ乳酸;ポリグリコール酸;ポリカプロラクトン;ポリヒドロキシブチレート吉草酸塩及びその混合物及びコポリマー;ポリウレタン分散液(BAYHDROL(登録商標)など)などのポリマー分散液に由来する被覆、フィブリン、コラーゲン及びその誘導体;セルロース、デンプン、デキストラン、アルギン酸塩及び誘導体などの多糖類;ヒアルロン酸;スクアレンエマルジョン;ポリアクリル酸、ポリ乳酸及びポリカプロラクトンのコポリマー;PGA−TMC、チロシン由来ポリカーボネート、及びアクリレートなどの医療用生分解性材料;ポリカプロラクトンコブチルアクリレート及び他のコポリマー;DL−乳酸及びポリ−L−乳酸の混合物;ポリ(乳酸−コ−グリコール酸);ポリカプロラクトンコPLA;ポリカプロラクトンコブチルアクリレート及び他のコポリマー;チロシン由来ポリカーボネート、及びアクリレート;ポリアミノ酸;ポリホスファゼン;ポリイミノカーボネート;ポリジメチルトリメチルカーボネート;生分解性CA/PO's;シアノアクリレート;50/50 DLPLG;ポリジオキサノン;ポリプロピレンフマレート;ポリデプシペプチド;キトサン及びヒドロキシルプロピルメチルセルロースなどの高分子;表面浸食性材料;マレイン酸無水物コポリマー;亜鉛−リン酸カルシウム;無定形ポリ無水物;糖;炭水化物;ゼラチン;生分解性ポリマー;及び体液に可溶性のポリマー;Aブロックコポリマー;Bブロックコポリマー及びそれらの任意の組合せからなる群の少なくとも一種の構成要素から選択される、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項12】
請求項5に記載のアセンブリは潤滑性被覆をさらに含み、前記潤滑性被覆が、前記回転可能なシースの少なくとも一部と前記医療用バルーンの少なくとも一部との間に配置される、アセンブリ。
【請求項13】
請求項5に記載のアセンブリは回転可能なカラーをさらに含み、前記回転可能なカラーが、前記医療用バルーンの近位側の前記カテーテルシャフトの一部の周りに配設され、前記第2のガイドワイヤハウジングの少なくとも第1の近位側部分が、前記回転可能なカラーの少なくとも一部に係合する、アセンブリ。
【請求項14】
前記回転可能なカラーは内部を貫通するカテーテルシャフト管腔を画定し、前記カテーテルシャフトが前記カテーテルシャフト管腔内に配置され、前記カテーテルシャフト管腔は前記カテーテルシャフトの外径よりも大きい直径を有する、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記第2のガイドワイヤハウジングは外部管部材及び内部管部材を含み、前記内部管部材が前記第2のガイドワイヤ管腔を画定する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記外部管部材がらせん状切込みのあるハイポチューブである、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記外部管部材の少なくとも一部が金属で製造され、前記外部管部材がその内部を貫通する少なくとも一つの開口を画定する、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記内部管部材が可撓性のポリマー材料である、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記回転可能なシースの少なくとも一部が親水性ポリマー材料で製造される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記回転可能なシースの少なくとも一部がテコフィリック材料から製造される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記回転可能なシースの少なくとも一部が第1の材料及び第2の材料で製造される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記回転可能なシースの少なくとも一部が、親水性ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、ポリカーボネート系の脂肪族ポリウレタン、エンジニアリングポリウレタン、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド、シリコーン、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリエチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、アセタール、及びそれらの組合せからなる群の少なくとも一種の材料から製造される、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記第1の材料がポリマーマトリクスであり、前記第2の材料が前記ポリマーマトリクス内で少なくとも一部が支持された強化材料の少なくとも一つの個別の部材である、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項24】
ポリマーマトリクスが、親水性ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、ポリカーボネート系の脂肪族ポリウレタン、エンジニアリングポリウレタン、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド、シリコーン、ポリエーテルエステル、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリエチレン、及びそれらの組合せからなる群の少なくとも一種の材料から選択される、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記強化材料が、ポリアミド、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、アセタール、及びそれらの組合せからなる群の少なくとも一種の材料から選択される、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項26】
請求項13に記載のアセンブリは少なくとも一つのロック部材をさらに含み、前記少なくとも一つのロック部材が、前記回転可能なカラーに隣接する位置で前記カテーテルシャフトに固定的に係合しており、前記少なくとも一つのロック部材が、前記回転可能なカラーによって画定された前記カテーテルシャフト管腔の直径よりも大きい外径を有する、アセンブリ。
【請求項27】
前記少なくとも一つのロック部材が、近位側ロック部材及び遠位側ロック部材を含み、前記近位側ロック部材が前記回転可能なカラーの近位側で前記カテーテルシャフトに固定的に係合し、前記遠位側ロック部材が前記回転可能なカラーの遠位側で前記カテーテルシャフトに固定的に係合している、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記少なくとも一つのロック部材が、カテーテル係合チャンバを画定し、前記少なくとも一つのロック部材は非係合位置から係合位置へと可動であり、前記係合位置において前記カテーテルシャフトは前記カテーテルシャフト係合チャンバを通って長手方向に延び、かつ前記少なくとも一つのロック部材は前記カテーテルシャフト周りに配設されるとともに摩擦的及び固定的にそこに係合する、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記少なくとも一つのロック部材が、第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分の第1の端部及び前記第2の部分の第1の端部が互いに枢動的に係合する、請求項28に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記第1の部分の第2の端部がロッキングタブを含み、前記第2の部分の前記第2の端部が収容領域を含み、係合位置で、前記ロッキングタブが前記収容領域内で固定的に係合される、請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記医療用バルーンが、近位側コーン部分、遠位側コーン部分、及びそれらの間を延びる円筒部分を含み、前記回転可能なスリーブが前記円筒部分の少なくとも一部の周りに回転可能に配設され、前記アセンブリが近位側バルーンコーン保持部材及び遠位側バルーンコーン保持部材をさらに含み、前記近位側バルーンコーン保持部材は、縮小構造にて前記医療用バルーンの前記近位側コーン部分の周りに少なくとも一部が配設され、前記遠位側バルーンコーン保持部材は、縮小構造にて前記医療用バルーンの前記遠位側コーン部分の周りに少なくとも一部が配設される、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記拡張構造において、前記近位側バルーンコーン保持部材が前記近位側コーン部分から後退し、前記遠位側バルーンコーン保持部材が前記遠位側コーン部分から後退する、請求項31に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記近位側バルーンコーン保持部材及び前記遠位側バルーンコーン保持部材が単一部材である、請求項31に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記単一部材の少なくとも一部が、前記バルーンの少なくとも前記近位側コーン部分をその中で脱着可能に受ける長手方向開口を画定する、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記近位側バルーンコーン保持部材及び前記遠位側バルーンコーン保持部材の少なくとも一つの少なくとも一部が回転可能なシース係合部材を含み、前記回転可能なシース係合部材は、前記回転可能なシースが縮小状態であるとともに前記医療用バルーンが縮小構造であるとき、前記回転可能なシースに摩擦的に係合するのに十分な外径を有する、前記近位側バルーンコーン保持部材及び前記遠位側バルーンコーン保持部材の少なくとも一つの一部である、請求項31に記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図21】
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【図22】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2007−504887(P2007−504887A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526062(P2006−526062)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/020190
【国際公開番号】WO2005/025458
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】