説明

分離型マイクロ流体流路制御装置

【課題】 流体流路制御機能を効率化し、多目的化し、より小型化し、使い捨て可能の分離型マイクロ流体流路制御装置を提供する。
【解決手段】 分離型マイクロ流体流路制御装置は、材料投入口1、2、取り出し口3、可動磁性体9、それを収納する空隙8、鉄心4、5、6、7を具える流体流路制御部Aと、励磁コイル10、11、鉄心12、磁極13、14、15、16を具える駆動制御部Bとから成る。励磁コイル11に電流を流して励磁すると、磁束は磁極14および流体流路制御部Aの鉄心5を通り、空隙8を介して可動磁性体9を通る。磁束線は2手にわかれ、鉄心6および磁極16、または鉄心7および磁極15を通り、鉄心12を通ってコイル11に戻る。空隙8を通り可動磁性体9に入る磁束線が可動磁性体9を入口2方向に磁気力により吸引し、可動磁性体9は入口2をふさぐように右側に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離型流体制御装置に関するものである。近年、マイクロマシン技術は、小さなサイズであるにもかかわらず機能的には大きな役割を担い、その威力を発揮している。また多くの応用分野において、その役割を拡大している。
【背景技術】
【0002】
流体の運搬、混合、分離などを行うマイクロ流体装置として、流体出入口、当該流体出入り口と接続された凹部を具えた基板と、流体に作用する能動素子などを具えた基板とで構成されたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
本発明は、このようなマイクロ流体装置の制御機能を更に効率化し、多目的化し、しかも一層小型化した分離型マイクロ流体流路制御装置を得ようとするものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−48071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、マイクロリアクタやマイクロTAS内にポンプ、バルブ、攪拌器、分離器などを搭載する場合には、小型のコイルが必要であった。このため、1)小型化が難しくなる、2)値段があがる、3)機器の洗浄などに手間や時間がかかる、という問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、これらの問題を解決した分離型のマイクロ流体流路制御装置を提供することにある。
【0007】
本発明によれば、複雑な駆動装置や電源装置を使うことなく、作製に有利な流動状態を安定に確実に実現できる。また、現場において電源を確保することが容易となり、本発明による分離型マイクロ流体流路制御装置の運搬、気遣いの配慮、負担を大幅に低減することができる。特に医療分野においては、従来は病院内の手術室や病室にて処置していたのに対し、本発明による分離型マイクロ流体流路制御装置を用いることにより、応急処置を病院外の場所で容易に行うことが可能となり、特に災害の際には、災害現場での対応が可能となる。即ち、災害現場での薬剤の調合などが可能となる。また、福祉分野においては、一般家庭内にて治療、調合、投薬などが可能となる。さらに、今次の国際貢献という観点からすると、外国における大災害の復興支援、戦闘地域などでの医療活動にも迅速に対応することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による分離型マイクロ流体流路制御装置は、複数の磁極を有する駆動制御装置と、流体を投入するための第1の流体流路、流体を取り出すための第2の流体流路、可動磁性体、および、該可動磁性体の可動先および可動元にそれぞれ配置されると共に、対応した前記磁極による磁気作用が施される第1の磁性体を有する流体流路装置とを備え、前記駆動制御装置の磁極から流体流路装置の第1の磁性体を介した可動磁性体への磁束により、磁気力が生じて可動磁性体を可動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、安価なマイクロリアクタ、マイクロTASを供給することができる。これにより、ディスポーザザブル化、即ち使い捨て化が可能となり、危険物質や汚染物質の取り扱いが極めて容易になる。また、分離型マイクロ流体流路制御装置として極端な小型化が可能となり、マイクロリアクタやマイクロTASの利点がより一層効果的に利用可能となる。また、駆動制御装置の部分は多少大きくてもかまわないので、必要に応じて、冷却装置や制御装置などの付加的な機能装置の追加が可能となり、さらに利用が広がることになる。また、本発明によれば、小型化できるとともに、工場外、病院外でも迅速的確に対応可能となる。また、使い捨てが可能のため、装置の洗浄や必要な部品交換のための時間が不要となり、時間の節約にも役立つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る分離型マイクロ流体流路制御装置について、図面を用いて実施例について説明する。図1は、本発明に係る分離型マイクロ流体流路制御装置の概略の構成図である。本発明に係る分離型マイクロ流体流路制御装置は、先ず、流体流路制御部Aと、その流体流路制御部Aを駆動する駆動手段を具えた駆動制御部Bとにより構成され、両制御部A,Bは、夫々分離可能に別体に構成されている。
【0011】
図1は、特に、バルブに適用した実施例を示し、図1(a)において、流体流路制御部Aは、材料投入口1および2、取り出し口3、可動磁性体9を収納する空隙8、鉄心4、5、6、7を具え、空隙8内の可動磁性体9によりバルブ手段が構成される。駆動制御部Bは、流体流路制御部Aの鉄心4、5、6、7を励磁するための励磁コイル10、11および鉄心12を具え、磁極13、14、15、16を具える。
【0012】
励磁コイル10、11を目的に応じて励磁することにより、材料投入入口1および2からの材料が目的に応じて所要の割合に調整配合される。例えば、図1(a)に示すように、可動磁性体9が入口1側に位置している場合には、可動磁性体9が入口1をふさぐため、入口1からの流体の流入はなくなる。逆に、入口2からは流体が流れ込み、空隙8、可動磁性体に設けられた溝(図1(b)を参照)および取り出し口3を通って、入口2からの流体が取り出される。
【0013】
次に、図1に示す状態から、可動磁性体9を入口2側に引き寄せる過程を説明する。励磁コイル11に電流を流して励磁すると、発生した磁束は磁極14、鉄心5を通り、さらに空隙8を通り、可動磁性体9を通る。ここで磁束線は2手にわかれ、鉄心6および磁極16、または鉄心7および磁極15を通り、鉄心12を通ってコイル11に戻る磁束ループが構成される。ここで、空隙8を通り可動磁性体9に入る磁束線が可動磁性体9を入口2方向に磁気力により吸引するので、可動磁性体9は入口2をふさぐように右側に移動する。
【0014】
所用の配合材料、薬剤を入手する必要が生じた際には、バルブ手段を駆動するために、流体流路制御部Aと駆動制御部Bを重ね合わせて、所用の励磁電流を印加する。目的に応じて、取り出し口3から目的とする流体、薬剤を入手することができる。
【0015】
また、駆動制御部Bにおいて、流体流路制御部Aに重ね合わせられる面にカバーを設けるようにする。これにより、流体流路制御部Bへの熱伝導を低減し、発熱を抑えることができる。
【0016】
図2は、反応器を具えた流体流路制御部Cを示し、反応器27の両端部には、粒子流出防止フィルター31が配置されて、空隙28内に磁性粒子20が挿入されている。流体流路制御部Cには、磁性体29aと29bが埋め込まれている。
【0017】
上記磁性体29aと29bの下にはそれぞれ設けた2つの励磁コイル30aと30b(図3には図示しない。図4に図示する。)が設けられており、これら2つの励磁コイルをそれぞれ駆動すると、発生する磁束線は磁性体29a、29bを通って、空隙28内の磁場を変動させるので、これによって空隙28内の磁性粒子20は空隙28内を高速に飛び回る。これにより、流路24および25を通って空隙28に流入した2つの流体は空隙28内の磁性粒子20によって攪拌混合され、反応が促進され、流路26を通じて、取り出し口23より目的の流体が得られる。
【0018】
この場合、必要に応じて、上記磁性粒子20を磁性触媒粒にすることができる。これにより、反応をさらに加速することができる.
【0019】
流体流路制御部Cの入口21、22、流路24、25、26、取り出し口23、空隙28、磁性体29a、29b以外は、樹脂、ガラス、プラスチックなどの所用の非磁性材料で埋め込むことができる。
【0020】
図4に示すように、必要に応じて、コイルの冷却のために冷却パイプ36を設けることもできる。更に図4に示すように、駆動制御部Dの端部に位置合わせのための係合部35を設けている。33は、供電端子である。
【0021】
次に、本発明に係る分離型マイクロ流体流路制御装置について、制御ポンプに適用した例について説明する。図8は正面図、図9は側面図、図10は断面図をそれぞれ示している。図11は要部の斜視図である。制御ポンプは、先ず、流体流路制御部Aと、その流体流路制御部Aを駆動する駆動手段を具えた駆動制御部Bとにより構成され、両制御部A,Bは、夫々分離可能に別体に構成されている。
【0022】
図8乃至11において、流体流路制御部Aは、材料吸入口101、排出口102、可動永久磁石105を配置するとともに、流体104を収納する空隙103を具え、空隙103内の可動永久磁石105により制御ポンプが構成される。
【0023】
駆動制御部Bは、流体流路制御部Aの可動永久磁石105を励磁するための鉄心106およびそれに巻回されたコイル107を具え、磁極108を具える。励磁コイル107を目的に応じて励磁することにより、材料(流体)を材料吸入口101から吸入し、排出口102から目的に応じて所要量の材料を排出する。駆動制御部Bは、図10(a)および図11に示すように、鉄心106が材料吸入口101および排出口102側に存在しないタイプと、図10(b)に示すように、鉄心106が材料吸入口101および排出口102側にも存在するが、材料吸入口101および排出口102側の部分や内側に設けられているタイプがある。
【0024】
所用の配合材料、薬剤を入手する必要が生じた際には、ポンプを駆動するために、流体流路制御部Aと駆動制御部Bを重ね合わせて、所用の励磁電流を印加する。目的に応じて、排出口102から目的とする流体、薬剤を入手する。図8乃至11に示される分離型マイクロ流体流路制御装置において、流体流路制御部Aと駆動制御部Bの係合の際の位置合わせを正確に行うために両制御部A,Bに係合突起を設けることができる。
【0025】
以下、図8乃至11に示した分離型マイクロ流体流路制御装置を制御ポンプに適用した例について、その動作を具体的に説明する。尚、以下の説明は、図10(a)および図11に示した駆動制御部Bのタイプを用いて行う。図11に示すように、可動永久磁石105が、材料吸入口101および排出口102側にN極が着磁され、反対側にS極が着磁されているものとする。いま、コイル107に通電することにより、磁極108の箇所にN極が現れると、可動永久磁石105は右側に移動し、このとき材料吸入口101から材料が吸入される。次に、コイル107の通電方向を変えることにより、磁極108の箇所にS極が現れると、可動永久磁石105は左側に移動し、このとき排出口102から材料が排出される。
【0026】
このような材料の吸入および排出動作を行うために、材料吸入口101および排出口102の内部にそれぞれ埋め込まれた一方向弁が用いられる。図12は、制御ポンプに用いる一方向弁の構造および動作を説明する図である。図12(a)に示すように、材料吸入口101および排出口102は、段付きパイプ130、パイプ132、および、段付きパイプ130の段部分とパイプ132の端部分との間に挟み込まれた可動弁131から成り、一方向弁を形成する。図12(b)に示すように、可動弁131は、円形の薄い弾性板(例えば金属板)から成り、C字型の切り込み131aを有している。また、可動弁131は、その周辺部131cが段付きパイプ130の段部分とパイプ132の端部分との間に挟み込まれ、固定される。
【0027】
図12(c)に示すように、材料がx方向に流れると、可動弁131の可動部131bが図の点線に示すように弾性変形して弁が開く。逆に、材料をy方向に流そうとしても、可動部131bは段付きパイプ130の断部分に動きを妨げられ、弁が閉じたままとなり、y方向へは材料が流れない。
【0028】
このように、材料は、一方向弁によりx方向に流れ、y方向には流れない。図11を参照して、一方向弁は、材料吸入部101および排出口102において、図の矢印がx方向になるように設けられる。したがって、材料は、材料吸入部101から吸入され、排出口102から排出されるようになる。
【0029】
次に、図5の実施例について説明する。本実施例のマイクロリアクタは、反応器を具えたマイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50と励磁コイルを具えた制御装置60から構成されている。材料投入口51から材料A、Bが投入され、マイクロポンプ53を介して、マイクロスターラ54を通り、攪拌されて、さらにマイクロバルブ55を介して、例えば、材料Cが混合されて製品取り出し口52から取り出される。尚、マイクロポンプ53については後述する。この場合、制御装置(駆動制御部)60に設けられた励磁コイル56、56、57a、57b、58を制御目的に応じて励磁することにより、目的の制御が遂行される。
【0030】
図示していないが、図4に示したように、制御装置(駆動制御部)60に必要に応じて、コイルの冷却のために冷却パイプを設けることもできる。更に、図4に示したように、制御装置(駆動制御部)60の端部に、マイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50との間の位置合わせのための係合部、例えば凹凸部を設けてもよい。
【0031】
図6および図7は、分離型マイクロ流体流路制御装置をバルブとして使用した場合と反応器として使用した場合の流体のフローを示している。図6において、材料Aと材料Bをバルブとしての制御により製品Cを得る。図7において、材料Dと材料Eにより、反応器を介して製品Fを得る。
【0032】
反応器を具えたマイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50は、ガラス、樹脂、非磁性金属などの非磁性体の本体に磁性体が埋め込まれて構成され、その内部に流路、反応器を配置する空間が形成されるとともに、マイクロポンプ、マイクロスターラ、マイクロバルブなどの可動部が設けられる。もとより、これら可動部を駆動するための駆動部としてのアクチュエータ部分は、内蔵されない。これらの反応器を具えたマイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50は、型成形などにより簡単に形成できる。
【0033】
マイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50は、磁場発生装置である制御装置(駆動制御部)60における励磁部の上に載置して用いられる。制御装置(駆動制御部)60には、マイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50のマイクロポンプ、マイクロスターラ、マイクロバルブの対応する位置に励磁コイルが配備されており、これにより各機器を駆動する。
【0034】
マイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50は、使い捨てであるのに対して、制御装置(駆動制御部)60は、化学材料や検体(マイクロTASの場合)と直接触れることがないので、繰り返し使用できる。従ってこの部分は、大きさは必ずしも小さくなくてもよいので、必要な場合には、その中に、コイル冷却用のファンや水冷パイプなどや、更に必要な場合には、各コイル制御用の電子回路、モータを配備することができる。
【0035】
マイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50には、制御装置(駆動制御部)60で発生させた磁場を効果的に利用するために、その一部に強磁性体70a、70bを埋め込んで、磁路を構成することもできる。
【0036】
また、マイクロ流路制御装置(流体流路制御部)50を制御装置(駆動制御部)60の正確な位置に位置決めできるように、それぞれの一部に凸凹部などを設ける。
【0037】
実施した反応部のサイズは、数cm角、厚さ1cm以下、励磁装置は、10cm角、厚さ約5cm、反応器内の流体流路幅は、1mm程度、励磁コイルの電圧は、数V、電流は、1A程度である。もとより目的とするプロセスによって種々の実施態様がある。
【0038】
上記実施例において、励磁部の制御装置(駆動制御部)60の部分は多少大きくてもかまわないので、必要に応じて、冷却装置や制御装置などの付加的な機能装置の追加が可能となる。
【0039】
上記のようなデバイスに加えて、攪拌・混合器、分離器、分析器、ポンプ、モータ、バルブなどが、謂わば、マイクロ工場のように各機器が配置されて、操作盤にあたる分離型の両制御装置により操作される。
【0040】
油および水をそれぞれポンプで送出し、攪拌混合器で攪拌して、エマルションを生成することもできることは、勿論である。
【0041】
本発明によれば、複雑な駆動装置、電源装置を使うことなく、作製に有利な流動状態を安定に確実に実現できる。現地での電源確保が可能となり、装置の運搬気遣いの配慮、負担が大幅に低減することができる。とりわけ医療分野においては、従来は、病院での手術室や病室での処置が必要であったのに対し、本発明では、病院外の場所での処置が可能となり、特に災害の際には、災害現場での対応が可能となる。即ち、災害現場での薬剤の調合などが容易に、迅速、的確にできることになる。また、福祉分野では、一般家庭内での治療、調合、投薬が可能となる。さらに、今次の国際貢献という観点にたっての外国における大災害の復興支援、さらには戦闘地域などでの医療活動にも容易に対応できる。
【0042】
尚、本発明の実施の形態による分離型マイクロ流体流路制御装置は、以下のように構成するようにしてもよい。すなわち、分離型マイクロ流体流路制御装置であって、該装置は、流体を投入する投入入口を具える少なくとも1個の流体通路と、投入された流体を混合または分離させて取り出す取出口を具える少なくとも1個の流体通路と、可動磁性体を具える流体制御手段とを具える流体流路装置と、前記流体流路装置の流体通路に設けられた前記流体制御手段を駆動する励磁コイルを具えるとともに、前記流体流路装置と分離可能に別体形成された駆動制御装置とを具えたことを特徴とする(1−1)。
【0043】
分離型マイクロ流体流路制御装置であって、該装置は、流体を投入する投入入口を具える少なくとも2個の流体通路と、投入された流体を混合または分離させて取り出す取出口を具える少なくとも1個の流体通路と、可動磁性体を具える流体制御手段とを具える流体流路装置と、前記流体流路装置の流体通路に設けられた前記流体制御手段を駆動する励磁コイルを具えるとともに、前記流体流路装置と分離可能に別体形成された駆動制御装置と
を具えたことを特徴とする(1−2)。
【0044】
分離型マイクロ流体流路制御装置であって、該装置は、流体を投入する投入入口を具える少なくとも2個の流体通路と、該2個の流体通路が連結されて、前記投入された流体を混合させて取り出す取出口を具える少なくとも1個の流体通路と、前記投入入口を具える流体通路の連結部に設けられる制御バルブ手段とを具える流体流路装置と、前記流体流路装置の流体通路に設けられた前記制御バルブ手段を駆動する励磁コイルを具えるとともに、前記流体流路装置と分離可能に別体形成された駆動制御装置とを具えたことを特徴とする(1−3)。
【0045】
分離型マイクロ流体流路制御装置であって、該装置は、流体を投入する投入入口を具える少なくとも2個の流体通路と、投入された流体を取り出す取出口を具える少なくとも1個の流体通路と、前記投入入口を具える流体通路の連結部に設けられる反応器とを具える流体流路装置と、前記流体流路装置の流体通路に設けられた前記反応器を駆動する励磁コイルを具えるとともに、前記流体流路装置と分離可能に別体形成された駆動制御装置とを具えたことを特徴とする(1−4)。
【0046】
前記(1−1)又は(1−2)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記可動磁性体が永久磁石であることを特徴とする(1−5)。
【0047】
前記(1−4)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記反応器が、磁性粒子を具えることを特徴とする(1−6)。
【0048】
前記(1−4)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記反応器が、磁性触媒粒を具えることを特徴とする(1−7)。
【0049】
前記(1−4)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記反応器が、その両端部に粒子流出防止フィルターを具えることを特徴とする(1−8)。
【0050】
前記(1−1)乃至(1−4)に何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、位置決め用係合手段を具えることを特徴とする(1−9)。
【0051】
前記(1−9)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記前記位置決め用係合手段が凹凸突起であることを特徴とする(1−10)。
【0052】
前記(1−1)乃至(1−4)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、励磁コイル冷却手段を具えることを特徴とする(1−11)。
【0053】
前記(1−11)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、励磁コイル冷却手段が水冷パイプであることを特徴とする(1−12)。
【0054】
前記(1−1)乃至(1−4)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、分離手段を具えることを特徴とする(1−13)。
【0055】
前記(1−1)乃至(1−4)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、分析手段を具えることを特徴とする(1−14)。
【0056】
前記(1−1)乃至(1−4)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、ポンプ手段を具えることを特徴とする(1−15)。
【0057】
前記(1−1)乃至(1−4)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、小型モータを具えることを特徴とする(1−16)。
【0058】
前記(1−1)乃至(1−4)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、複数の機能手段を具えることを特徴とする(1−17)。
【0059】
前記(1−1)乃至(1−4)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、複数の能動手段を具えることを特徴とする(1−18)。
【0060】
さらに、分離型マイクロ流体流路制御装置であって、該装置は、流体を流入する流体通路と、流体を排出する流体通路と、流体通路に設けられた制御ポンプ手段とを具える流体流路装置と、前記制御ボンプ手段を駆動する励磁コイルを具えるとともに、前記流体流路装置と分離可能に別体形成された駆動制御装置とを具えたことを特徴とする(2−1)。
【0061】
前記(2−1)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記流体流路装置が複数の制御ポンプ手段を具えたことを特徴とする(2−2)。
【0062】
前記(2−1)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記流体流路装置が少なくとも1個の制御ポンプ手段と少なくとも1個の反応器とを具えたことを特徴とする(2−3)。
【0063】
前記(2−1)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記制御ポンプ手段が可動永久磁石を具えることを特徴とする(2−4)。
【0064】
前記(2−1)乃至(2−3)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、位置決め用係合手段を具えることを特徴とする(2−5)。
【0065】
前記(2−5)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、前記位置決め用係合手段が凹凸突起であることを特徴とする(2−6)。
【0066】
前記(2−1)乃至(2−3)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、励磁コイル冷却手段を具えることを特徴とする(2−7)。
【0067】
前記(2−7)に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、励磁コイル冷却手段が水冷パイプであることを特徴とする(2−8)。
【0068】
前記(2−1)乃至(2−3)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、分離手段を具えることを特徴とする(2−9)。
【0069】
前記(2−1)乃至(2−3)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、分析手段を具えることを特徴とする(2−10)。
【0070】
前記(2−1)乃至(2−3)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、小型モータを具えることを特徴とする(2−11)。
【0071】
前記(2−1)乃至(2−3)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、複数個の機能手段を具えることを特徴とする(2−12)。
【0072】
前記(2−1)乃至(2−3)の何れかに記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、複数個の能動手段を具えることを特徴とする(2−13)。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係るバルブを具えた分離型流体流路制御装置の一例を概略的に示した構成図である。
【図2】本発明に係る反応器を具えた分離型マイクロ流体流路制御装置の一例を概略的に示した構成図である。
【図3】本発明に係る反応器を具えた分離型マイクロ流体流路制御装置の一例を概略的に示した構成の斜視図である。
【図4】本発明に係るバルブを具えた分離型流体流路制御装置の一例を概略的に示した構成図である。
【図5】本発明に係るバルブ、反応器、攪拌器、ポンプなどを具えた分離型マイクロ流体流路制御装置の一例を概略的に示した構成の斜視図である。
【図6】本発明に係る流体の混合のフローである。
【図7】本発明に係る流体の配合のフローである。
【図8】本発明に係る分離型マイクロ流体流路制御装置の制御ポンプの正面図である。
【図9】本発明に係る分離型マイクロ流体流路制御装置の制御ポンプの側面図である。
【図10】本発明に係る分離型マイクロ流体流路制御装置の制御ポンプの断面図である。
【図11】本発明に係る分離型マイクロ流体流路制御装置の制御ポンプの斜視図である。
【図12】制御ポンプに用いる一方向弁の構造および動作を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0074】
1 入口
2 入口
3 出口
4 磁路
5 磁路
10 コイル
12 磁路
20 磁性粒子
27 反応器
28 空隙
31 フィルター
33 電源
35 位置決め用凹凸
36 パイプ
50 反応器
51 入口
52 取出口
53 ポンプ
54 マイクロスターラ
56 駆動コイル
57a,57b 駆動コイル
58 駆動コイル
60 励磁装置
101 入口
102 出口
103 空隙
104 流体
105 磁石
106 鉄心
107 励磁コイル
108 磁極
130 段付きパイプ
131 可動弁
131a 切り込み
131b 可動部
131c 周辺部
132 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁極を有する駆動制御装置と、
流体を投入するための第1の流体流路、流体を取り出すための第2の流体流路、可動磁性体、および、該可動磁性体の可動先および可動元にそれぞれ配置されると共に、対応した前記磁極による磁気作用が施される第1の磁性体を有する流体流路装置とを備え、
前記駆動制御装置の磁極から流体流路装置の第1の磁性体を介した可動磁性体への磁束により、磁気力が生じて可動磁性体を可動させることを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記流体流路装置が、さらに、可動磁性体が可動する両側面にそれぞれ配置されると共に、対応した前記磁極により磁気作用が施される第2の磁性体を有し、
前記駆動制御装置の磁極から流体流路装置の第1の磁性体および可動磁性体を介した第2の磁性体への磁束により、磁気力が生じて可動磁性体を可動させることを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記駆動制御装置が、複数の磁極を覆うと共に、流体流路装置への熱伝導を低減するためのカバーを有することを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記流体流路装置が、流体を投入するための第1の流体流路を少なくとも2個有し、前記可動磁性体の可動によって、第1の流体流路のうちのいずれか1個の流体流路に投入した流体を、第2の流体流路から取り出すことを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記可動磁性体を磁性粒子とし、
前記流体流路装置が、流体を投入するための第1の流体流路を少なくとも2個有し、前記磁性粒子の可動により、少なくとも2個の第1の流体流路から投入した流体を攪拌し、該攪拌した流体を第2の流体流路から取り出すことを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記流体流路装置が、磁性粒子の流出を防止するためのフィルターを有することを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記可動磁性体を磁性触媒粒とし、
前記流体流路装置が、流体を投入するための第1の流体流路を少なくとも2個有し、前記磁性触媒粒の可動により、少なくとも2個の第1の流体流路から投入した流体を攪拌し、該攪拌した流体を第2の流体流路から取り出すことを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記流体流路装置がポンプの機能を有することを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記可動磁性体の代わりに、可動する永久磁石を用いることを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項10】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記駆動制御装置と流体流路制御装置とを係合する手段を有することを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項11】
請求項10に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記係合手段を、凹凸状の突起部および突起受部であることを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。
【請求項12】
請求項1に記載の分離型マイクロ流体流路制御装置において、
前記駆動制御装置が、水冷パイプを有することを特徴とする分離型マイクロ流体流路制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−245140(P2007−245140A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32310(P2007−32310)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【Fターム(参考)】