制御システム、制御方法及び制御装置
【課題】携帯端末の使用状態を判断して携帯端末を制御し消費電力を抑える。
【解決手段】紛失防止装置10と携帯電話機40との間でチェック信号の送受信を行い、紛失防止装置10が携帯電話機40の送信するチェック信号の信号強度の変化を検出することにより、一定時間信号強度の変化が一定の場合には紛失防止装置10、携帯電話機40が静物上に置かれたと判断できる。これにより、紛失防止装置10、携帯電話機40を電源オフやスリープモードに移行することができる。
【解決手段】紛失防止装置10と携帯電話機40との間でチェック信号の送受信を行い、紛失防止装置10が携帯電話機40の送信するチェック信号の信号強度の変化を検出することにより、一定時間信号強度の変化が一定の場合には紛失防止装置10、携帯電話機40が静物上に置かれたと判断できる。これにより、紛失防止装置10、携帯電話機40を電源オフやスリープモードに移行することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置間で送受信される信号の強度に基づいて通信装置を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の置き忘れを防止するため、利用者が別の紛失防止装置を身につけ、一定の距離以上離れた場合にアラームを鳴らす紛失防止システムが知られている。
【0003】
上記紛失防止システムは電波を利用しているが、人体などの電界伝達媒体に誘起した電界を用いてデータ通信を行う電界通信(特許文献1参照)を用いても紛失防止システムを実現することができる。例えば、電界通信装置を携帯電話などの携帯端末に組み込み、利用者が保持する別の電界通信装置との間でチェック信号を交換することで、携帯電話機が利用者から離れたときにアラームを鳴らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−352298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような携帯電話機や紛失防止装置など利用者が携帯する携帯端末は電池で駆動するため消費電力の低下が重要な課題である。携帯端末を利用しないときに電源をオフすることで無駄な電力の消費を抑制できるが、電源オフや低消費電力モードに変更することは煩雑であり、忘れることも多い。紛失防止機能を停止することも忘れがちである。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、利用者が2つ以上の携帯端末を保持して互いの存在を確認するシステムにおいて、携帯端末の使用状態を判断して携帯端末を制御し、消費電力を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る制御システムは、第1、第2の携帯端末間で電界通信を行う制御システムであって、第1の携帯端末は、チェック信号を第2の携帯端末へ送信する送信手段と、第2の携帯端末から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて制御する制御手段と、を有し、第2の携帯端末は、第1の携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、第1の携帯端末へ制御信号を送信する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記制御システムにおいて、制御信号は、第1の携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする。
【0009】
第2の本発明に係る制御方法は、第1、第2の携帯端末間で電界通信を行う制御方法であって、第1の携帯端末による、チェック信号を第2の携帯端末へ送信するステップと、第2の携帯端末から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて制御するステップと、を有し、第2の携帯端末による、第1の携帯端末が送信するチェック信号を受信するステップと、チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、第1の携帯端末へ制御信号を送信するステップと、を有することを特徴とする制御方法。
【0010】
上記制御方法において、制御信号は、第1の携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする。
【0011】
第3の本発明に係る制御装置は、携帯端末との間で電界通信を行う制御装置であって、携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、携帯端末へ制御信号を送信する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記制御装置において、制御信号は、携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする。
【0013】
第4の本発明に係る制御装置は、携帯端末との間で電界通信を行う制御装置であって、携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、当該制御装置自身を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にあっては、第1の携帯端末が送信するチェック信号の強度を第2の携帯端末が検出し、チェック信号の強度が所定の時間、所定の範囲内である場合に、第1の携帯端末へ制御信号を送信することにより、第1、第2の携帯端末がテーブルなどの静物上に置かれた場合に第1の携帯端末を制御することができる。例えば、第1の携帯端末の機能を停止させたり、低消費電力モードへと移行させたりすることができる。もちろん、チェック信号の強度が所定の時間、所定の範囲内である場合に、そのことを検知した装置自身を制御することもできる。
【0015】
このように、本発明によれば、利用者が2つ以上の携帯端末を保持して互いの存在を確認するシステムにおいて、携帯端末の使用状態を判断して携帯端末を制御し、消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態における制御システムを利用者が保持している様子を説明するための概略図である。
【図2】第1の実施の形態における制御システムを利用者がテーブル上に置かれた様子を説明するための概略図である。
【図3】第1の実施の形態における制御システムの紛失防止装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態における制御システムの携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態の携帯電話機がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態の紛失防止装置がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】紛失防止装置、携帯電話機を利用者が持ち上げた様子を示す概略図である。
【図8】紛失防止装置、携帯電話機を起動する別の様子を示す概略図である。
【図9】第2の実施の形態における制御システムを利用者がテーブル上に置かれた様子を説明するための概略図である。
【図10】第2の実施の形態の携帯電話機がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の紛失防止装置がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1,2は、第1の実施の形態における制御システムを説明するための概略図である。本制御システムは、紛失防止装置10、携帯電話機40を備える。紛失防止装置10と携帯電話機40は、利用者100を通信経路とする電界通信により相互にデータ通信を行う。本制御システムは、紛失防止装置10と携帯電話機40との間で通信ができなくなったときに警告する紛失防止機能と、紛失防止装置10、携帯電話機40が使用されていないときに、電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと移行するスリープ機能を有する。
【0019】
まず、図1を用いて紛失防止機能について説明する。図1は、利用者100が紛失防止装置10と携帯電話機40とを保持している様子を示す図である。携帯電話機40は、所定の間隔でチェック信号を送信し、紛失防止装置10は、そのチェック信号を受信して携帯電話機40にチェック信号を返信する。チェック信号は、紛失防止装置10、携帯電話機40を保持する利用者100を電界伝達媒体とする電界通信により送受信される。携帯電話機40が利用者100から離れると、紛失防止装置10がチェック信号を受信できなくなる。そこで、紛失防止装置10は、所定の時間内にチェック信号を受信できない場合、アラームを鳴らして携帯電話機40が放置されたことを警告する。携帯電話機40もチェック信号の応答が受信できないので、アラームを鳴らす、携帯電話機能をロックして使用不可能にする、などの動作を行う。
【0020】
次に、図2を用いて本発明の特徴であるスリープ機能について説明する。図2は、紛失防止装置10、携帯電話機40をテーブルなどの静物上に置いた様子を示す図である。紛失防止装置10と携帯電話機40を近接して置いた場合も、チェック信号は送受信される。利用者100が保持している場合と静物上に置いた場合とでは、チェック信号の受信強度の変化が異なる。利用者100が紛失防止装置10と携帯電話機40を保持する場合は、利用者100が常に動くことから通信環境が常に変化するが、紛失防止装置10と携帯電話機40を静物上に置いた場合は、通信環境の変化が少なく受信強度がほぼ一定となる。
【0021】
そこで、紛失防止装置10は、チェック信号の受信強度が所定の範囲内に収まる場合は、紛失防止装置10、携帯電話機40が静物上に置かれた状態であり、紛失防止機能を利用しなくてもよいと判断し、携帯電話機40をスリープモードへと移行させる制御信号であるスリープ信号を携帯電話機40へ送信する。携帯電話機40は、スリープ信号を受信すると、電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと状態を移行する。このとき紛失防止装置10も電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと状態を移行する。なお、スリープ信号を送信する代わりに、紛失防止機能を停止させる制御信号を携帯電話機40へ送信するものでもよい。携帯電話機40の紛失防止機能を停止させることにより、例えば、携帯電話機40に着信があり、利用者100が携帯電話機40のみを持った場合でも紛失防止機能は働かずアラームが鳴ることはない。
【0022】
図3は、本制御システムの紛失防止装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、紛失防止装置10は、電界通信機能を司るトランシーバ20と紛失防止機能、スリープ機能を司る制御部30を備える。
【0023】
トランシーバ20は、送信部21、受信部22、電極23、絶縁膜24およびI/O回路25を備える。
【0024】
送信部21は、変調回路211、発振器212を備える。送信部21は、制御部30からI/O回路25を介して送信すべきデータを受信すると、発振器212が発生した搬送波をそのデータに基づいて変調回路211が変調し、電極23により、電界伝達媒体に電界を誘起して変調した搬送波を送信する。
【0025】
受信部22は、搬送波再生回路221、復調回路222、および補正回路223を備える。受信部22は、電界伝達媒体に誘起された電界を電極23を介して検出し、搬送波再生回路221により搬送波を再生し、再生した搬送波に基づいて復調回路222でデータを変調し、補正回路223により補正を行ってデータを受信する。受信したデータは、I/O回路25を介して制御部30へ出力する。
【0026】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)31、タイマ32、アラーム33、およびI/O回路34を備える。
【0027】
CPU31は、携帯電話機40が送信したチェック信号をトランシーバ20からI/O回路34を介して入力し、I/O回路34を介してトランシーバ20を用いてチェック信号を返信する。タイマ32によりチェック信号の受信間隔を調べ、チェック信号が一定時間入力されない場合は、アラーム33を制御して鳴らして紛失防止機能を実現する。
【0028】
また、CPU31は、トランシーバ20からチェック信号の信号強度を入力し、入力した信号強度が所定の大きさ以上で一定時間変化しない場合、スリープ信号を携帯電話機40へ送信するとともに、紛失防止装置10をスリープモードへと移行させてスリープ機能を実現する。
【0029】
図4は、本制御システムの携帯電話機40の構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯電話機40は、制御部を含むトランシーバ50と、携帯電話機能60を備える。
【0030】
トランシーバ50は、電界通信機能として送信部51、受信部52、電極53、および絶縁膜54を備え、制御部としてCPU55、センサ56、タイマ57、アラーム58、およびI/O回路59を備える。送信部51、受信部52は、紛失防止装置10と同様であるので説明は省略する。
【0031】
CPU55は、所定の間隔でチェック信号を送信部51に入力して送信し、受信部52が受信したチェック信号を入力する。タイマ57によりチェック信号の返答間隔を調べ、チェック信号が一定時間入力されない場合、アラーム58を制御して鳴らし、紛失防止機能を実現する。
【0032】
また、CPU55は、受信部52がスリープ信号を受信した場合、携帯電話機40の電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと状態を移行する。センサ56は、モーションセンサであり、スリープモード中に動きを検出したとき、携帯電話機40を電源オン、あるいは、スリープモードから通常モードと状態を移行する。
【0033】
携帯電話機能60は、電波による通信、いわゆる携帯電話として機能する。携帯電話機能60は、I/O回路61を介してトランシーバ50とデータの入出力を行う。例えば、トランシーバ50がスリープ信号を受信したときに、携帯電話機能60も電源オフ、あるいはスリープモードへと状態を移行する。
【0034】
次に、スリープ機能の動作について説明する。
【0035】
図5は、携帯電話機40がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【0036】
まず、携帯電話機40は、電界通信によりチェック信号を送信する(ステップS501)。携帯電話機40は、チェック信号を所定の間隔で送信する。チェック信号としては、利用者や携帯電話機のID信号や暗号化された信号を用いる。
【0037】
そして、携帯電話機40が紛失防止装置10により返信されたチェック信号を受信した場合は(ステップS502)、ステップS501に戻り再びチェック信号を送信する。
【0038】
一方、携帯電話機40がチェック信号を受信しないでスリープ信号を受信した場合は(ステップS503)、スリープモードに移行する(ステップS504)。
【0039】
図5のフローチャートには示していないが、携帯電話機40が所定の時間内にチェック信号もスリープ信号も受信できない場合は、アラーム58を鳴らす、携帯電話機能60をロックするなどの紛失防止機能を起動する。
【0040】
図6は、紛失防止装置10がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【0041】
紛失防止装置10は、携帯電話機40が送信するチェック信号を受信する(ステップS601)。図6のフローチャートには示していないが、所定の時間内にチェック信号が受信できない場合は、紛失防止機能を起動してアラームを鳴らす。
【0042】
続いて、受信したチェック信号の信号強度が所定の値より大きいか否かを調べる(ステップS602)。本実施の形態においては、所定の値を0.5Vとした。受信強度が所定の値以下の場合は、チェック信号を携帯電話機40に返信し(ステップS610)、ステップS601に戻りチェック信号の受信を待つ。
【0043】
受信強度が所定の値より大きい場合は、受信強度が所定の期間一定であるか否かを調べる(ステップS603)。本実施の形態においては、所定の期間を60秒とした。受信強度が所定の期間一定でない場合は、チェック信号を携帯電話機40に返信し(ステップS610)、ステップS601に戻りチェック信号の受信を待つ。
【0044】
受信強度が所定の期間一定の場合、紛失防止装置10は、携帯電話機40にスリープ信号を送信し(ステップS604)、紛失防止装置10自身もスリープモードに移行する(ステップS605)。
【0045】
次に、紛失防止装置10、携帯電話機40のスリープモードからの復帰について説明する。
【0046】
図7は、静物上に置き、スリープモードになった紛失防止装置10、携帯電話機40を持ち上げた様子を示す図である。携帯電話機40を持ち上げるとセンサ56が働き、携帯電話機40はスリープモードから通常モードへ移行する。携帯電話機40が通常モードへ移行すると、携帯電話機40は、電界通信によりウェイクアップ信号を紛失防止装置10に送信する。そして、ウェイクアップ信号を受信した紛失防止装置10は、スリープモードから通常モードへと移行する。その後、紛失防止装置10と携帯電話機40との間でチェック信号の送受信を行う。
【0047】
なお、紛失防止装置10にもセンサを搭載して自立的に起動するものでもよい。
【0048】
図8は、紛失防止装置10、携帯電話機40が起動する別の様子を示す図である。同図に示す例では、紛失防止装置10、携帯電話機40がスリープモードに移行した場合、セキュリティゾーンにおいて起動信号を受信した場合のみ通常モードへと移行する。つまり、紛失防止装置10と携帯電話機40を持ち上げただけでは通常モードへと移行しない。
【0049】
紛失防止装置10と携帯電話機40を保持する利用者100がセキュリティゾーンに配置された起動装置90に接触することで、携帯電話機40が起動信号を受信してスリープモードから通常モードへと移行し、携帯電話機40が送信したウェイクアップ信号を紛失防止装置10が受信してスリープモードから通常モードへと移行する。
【0050】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話機40が送信するチェック信号の信号強度の変化を検出することにより、一定時間信号強度が変わらない場合には紛失防止装置10、携帯電話機40が静物上に置かれたと判断できるので、紛失防止装置10、携帯電話機40を電源オフやスリープモードに移行することができる。
【0051】
なお、紛失防止装置10がチェック信号の信号強度を検出して携帯電話機40にスリープ信号を送信するものについて説明したが、もちろん、携帯電話機40側がチェック信号の信号強度を検出して紛失防止装置10にスリープ信号を送信するものでもよい。
【0052】
[第2の実施の形態]
図9は、第2の実施の形態における制御システムを説明するための概略図である。第1の実施の形態では、チェック信号を双方向で送受信したが、第2の実施の形態は、携帯電話機40から紛失防止装置10への一方向のみチェック信号を送信するものである。紛失防止装置10は、所定の時間内にチェック信号が受信できない場合はアラームを鳴らして携帯電話機40が放置されたことを警告する。チェック信号の送信が一方向のみの場合は、携帯電話機40がチェック信号への応答の有無を調べないので、携帯電話機40自身が放置されたことを知ることはできない。
【0053】
第1の実施の形態と同様に、紛失防止装置10は、チェック信号の受信強度の変化が所定の範囲内に収まる場合、紛失防止装置10及び携帯電話機40は使用していない状態であると判断し、紛失防止装置10をスリープモードに移行するとともに、携帯電話機40に対してスリープ信号を送信する。携帯電話機40は、スリープ信号を受信すると、電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと状態を移行する。
【0054】
次に、本実施の形態のスリープ機能の動作について説明する。
【0055】
図10は、携帯電話機40がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【0056】
まず、携帯電話機40は、電界通信によりチェック信号を送信する(ステップS1001)。携帯電話機40は、チェック信号を所定の間隔で送信する。
【0057】
続いて、携帯電話機40は、スリープ信号を受信したか否か調べ(ステップS1002)、スリープ信号を受信していない場合はステップS1001に戻り再びチェック信号を送信する。
【0058】
携帯電話機40がスリープ信号を受信した場合は、スリープモードに移行する(ステップS1003)。
【0059】
図11は、紛失防止装置10がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【0060】
紛失防止装置10は、携帯電話機40が送信するチェック信号を受信する(ステップS1101)。図11のフローチャートには示していないが、所定の時間内にチェック信号が受信できない場合は、紛失防止機能を起動してアラームを鳴らす。
【0061】
続いて、受信したチェック信号の信号強度が所定の値より大きいか否かを調べる(ステップS1102)。本実施の形態においては、所定の値を0.5Vとした。受信強度が所定の値以下の場合は、ステップS1101に戻りチェック信号の受信を待つ。
【0062】
受信強度が所定の値より大きい場合は、受信強度が所定の期間一定であるか否かを調べる(ステップS1103)。本実施の形態においては、所定の期間を60秒とした。受信強度が所定の期間一定でない場合は、ステップS1101に戻りチェック信号の受信を待つ。
【0063】
受信強度が所定の期間一定の場合、紛失防止装置10は、携帯電話機40にスリープ信号を送信し(ステップS1104)、紛失防止装置10自身もスリープモードに移行する(ステップS1105)。
【0064】
なお、本実施の形態では、携帯電話機40から紛失防止装置10へチェック信号を送信する場合について説明したが、紛失防止装置10から携帯電話機40へチェック信号を送信するものでもよい。紛失防止装置10がチェック信号を送信する場合は、携帯電話機40がチェック信号の受信強度を検出し、紛失防止装置10へスリープ信号を送信する。
【0065】
また、第1,2の実施の形態における紛失防止装置10と携帯電話機40との間の通信は、電界通信としたが、これに限られるものではなく、例えば、電波を用いて通信を行う場合も同様に適用できる。
【符号の説明】
【0066】
10…紛失防止装置
40…携帯電話機
100…利用者
20,50…トランシーバ
21,51…送信部
211,511…変調回路
212,512…発振器
22,52…受信部
221,521…搬送波再生回路
222,522…復調回路
223,523…補正回路
23,53…電極
24,54…絶縁膜
30…制御部
31,55…CPU
32,57…タイマ
33,58…アラーム
56…センサ
25,34,59,61…I/O回路
60…携帯電話機能
90…起動装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置間で送受信される信号の強度に基づいて通信装置を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の置き忘れを防止するため、利用者が別の紛失防止装置を身につけ、一定の距離以上離れた場合にアラームを鳴らす紛失防止システムが知られている。
【0003】
上記紛失防止システムは電波を利用しているが、人体などの電界伝達媒体に誘起した電界を用いてデータ通信を行う電界通信(特許文献1参照)を用いても紛失防止システムを実現することができる。例えば、電界通信装置を携帯電話などの携帯端末に組み込み、利用者が保持する別の電界通信装置との間でチェック信号を交換することで、携帯電話機が利用者から離れたときにアラームを鳴らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−352298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような携帯電話機や紛失防止装置など利用者が携帯する携帯端末は電池で駆動するため消費電力の低下が重要な課題である。携帯端末を利用しないときに電源をオフすることで無駄な電力の消費を抑制できるが、電源オフや低消費電力モードに変更することは煩雑であり、忘れることも多い。紛失防止機能を停止することも忘れがちである。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、利用者が2つ以上の携帯端末を保持して互いの存在を確認するシステムにおいて、携帯端末の使用状態を判断して携帯端末を制御し、消費電力を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る制御システムは、第1、第2の携帯端末間で電界通信を行う制御システムであって、第1の携帯端末は、チェック信号を第2の携帯端末へ送信する送信手段と、第2の携帯端末から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて制御する制御手段と、を有し、第2の携帯端末は、第1の携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、第1の携帯端末へ制御信号を送信する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記制御システムにおいて、制御信号は、第1の携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする。
【0009】
第2の本発明に係る制御方法は、第1、第2の携帯端末間で電界通信を行う制御方法であって、第1の携帯端末による、チェック信号を第2の携帯端末へ送信するステップと、第2の携帯端末から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて制御するステップと、を有し、第2の携帯端末による、第1の携帯端末が送信するチェック信号を受信するステップと、チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、第1の携帯端末へ制御信号を送信するステップと、を有することを特徴とする制御方法。
【0010】
上記制御方法において、制御信号は、第1の携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする。
【0011】
第3の本発明に係る制御装置は、携帯端末との間で電界通信を行う制御装置であって、携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、携帯端末へ制御信号を送信する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記制御装置において、制御信号は、携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする。
【0013】
第4の本発明に係る制御装置は、携帯端末との間で電界通信を行う制御装置であって、携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、当該制御装置自身を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にあっては、第1の携帯端末が送信するチェック信号の強度を第2の携帯端末が検出し、チェック信号の強度が所定の時間、所定の範囲内である場合に、第1の携帯端末へ制御信号を送信することにより、第1、第2の携帯端末がテーブルなどの静物上に置かれた場合に第1の携帯端末を制御することができる。例えば、第1の携帯端末の機能を停止させたり、低消費電力モードへと移行させたりすることができる。もちろん、チェック信号の強度が所定の時間、所定の範囲内である場合に、そのことを検知した装置自身を制御することもできる。
【0015】
このように、本発明によれば、利用者が2つ以上の携帯端末を保持して互いの存在を確認するシステムにおいて、携帯端末の使用状態を判断して携帯端末を制御し、消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態における制御システムを利用者が保持している様子を説明するための概略図である。
【図2】第1の実施の形態における制御システムを利用者がテーブル上に置かれた様子を説明するための概略図である。
【図3】第1の実施の形態における制御システムの紛失防止装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態における制御システムの携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態の携帯電話機がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態の紛失防止装置がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】紛失防止装置、携帯電話機を利用者が持ち上げた様子を示す概略図である。
【図8】紛失防止装置、携帯電話機を起動する別の様子を示す概略図である。
【図9】第2の実施の形態における制御システムを利用者がテーブル上に置かれた様子を説明するための概略図である。
【図10】第2の実施の形態の携帯電話機がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の紛失防止装置がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1,2は、第1の実施の形態における制御システムを説明するための概略図である。本制御システムは、紛失防止装置10、携帯電話機40を備える。紛失防止装置10と携帯電話機40は、利用者100を通信経路とする電界通信により相互にデータ通信を行う。本制御システムは、紛失防止装置10と携帯電話機40との間で通信ができなくなったときに警告する紛失防止機能と、紛失防止装置10、携帯電話機40が使用されていないときに、電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと移行するスリープ機能を有する。
【0019】
まず、図1を用いて紛失防止機能について説明する。図1は、利用者100が紛失防止装置10と携帯電話機40とを保持している様子を示す図である。携帯電話機40は、所定の間隔でチェック信号を送信し、紛失防止装置10は、そのチェック信号を受信して携帯電話機40にチェック信号を返信する。チェック信号は、紛失防止装置10、携帯電話機40を保持する利用者100を電界伝達媒体とする電界通信により送受信される。携帯電話機40が利用者100から離れると、紛失防止装置10がチェック信号を受信できなくなる。そこで、紛失防止装置10は、所定の時間内にチェック信号を受信できない場合、アラームを鳴らして携帯電話機40が放置されたことを警告する。携帯電話機40もチェック信号の応答が受信できないので、アラームを鳴らす、携帯電話機能をロックして使用不可能にする、などの動作を行う。
【0020】
次に、図2を用いて本発明の特徴であるスリープ機能について説明する。図2は、紛失防止装置10、携帯電話機40をテーブルなどの静物上に置いた様子を示す図である。紛失防止装置10と携帯電話機40を近接して置いた場合も、チェック信号は送受信される。利用者100が保持している場合と静物上に置いた場合とでは、チェック信号の受信強度の変化が異なる。利用者100が紛失防止装置10と携帯電話機40を保持する場合は、利用者100が常に動くことから通信環境が常に変化するが、紛失防止装置10と携帯電話機40を静物上に置いた場合は、通信環境の変化が少なく受信強度がほぼ一定となる。
【0021】
そこで、紛失防止装置10は、チェック信号の受信強度が所定の範囲内に収まる場合は、紛失防止装置10、携帯電話機40が静物上に置かれた状態であり、紛失防止機能を利用しなくてもよいと判断し、携帯電話機40をスリープモードへと移行させる制御信号であるスリープ信号を携帯電話機40へ送信する。携帯電話機40は、スリープ信号を受信すると、電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと状態を移行する。このとき紛失防止装置10も電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと状態を移行する。なお、スリープ信号を送信する代わりに、紛失防止機能を停止させる制御信号を携帯電話機40へ送信するものでもよい。携帯電話機40の紛失防止機能を停止させることにより、例えば、携帯電話機40に着信があり、利用者100が携帯電話機40のみを持った場合でも紛失防止機能は働かずアラームが鳴ることはない。
【0022】
図3は、本制御システムの紛失防止装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、紛失防止装置10は、電界通信機能を司るトランシーバ20と紛失防止機能、スリープ機能を司る制御部30を備える。
【0023】
トランシーバ20は、送信部21、受信部22、電極23、絶縁膜24およびI/O回路25を備える。
【0024】
送信部21は、変調回路211、発振器212を備える。送信部21は、制御部30からI/O回路25を介して送信すべきデータを受信すると、発振器212が発生した搬送波をそのデータに基づいて変調回路211が変調し、電極23により、電界伝達媒体に電界を誘起して変調した搬送波を送信する。
【0025】
受信部22は、搬送波再生回路221、復調回路222、および補正回路223を備える。受信部22は、電界伝達媒体に誘起された電界を電極23を介して検出し、搬送波再生回路221により搬送波を再生し、再生した搬送波に基づいて復調回路222でデータを変調し、補正回路223により補正を行ってデータを受信する。受信したデータは、I/O回路25を介して制御部30へ出力する。
【0026】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)31、タイマ32、アラーム33、およびI/O回路34を備える。
【0027】
CPU31は、携帯電話機40が送信したチェック信号をトランシーバ20からI/O回路34を介して入力し、I/O回路34を介してトランシーバ20を用いてチェック信号を返信する。タイマ32によりチェック信号の受信間隔を調べ、チェック信号が一定時間入力されない場合は、アラーム33を制御して鳴らして紛失防止機能を実現する。
【0028】
また、CPU31は、トランシーバ20からチェック信号の信号強度を入力し、入力した信号強度が所定の大きさ以上で一定時間変化しない場合、スリープ信号を携帯電話機40へ送信するとともに、紛失防止装置10をスリープモードへと移行させてスリープ機能を実現する。
【0029】
図4は、本制御システムの携帯電話機40の構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯電話機40は、制御部を含むトランシーバ50と、携帯電話機能60を備える。
【0030】
トランシーバ50は、電界通信機能として送信部51、受信部52、電極53、および絶縁膜54を備え、制御部としてCPU55、センサ56、タイマ57、アラーム58、およびI/O回路59を備える。送信部51、受信部52は、紛失防止装置10と同様であるので説明は省略する。
【0031】
CPU55は、所定の間隔でチェック信号を送信部51に入力して送信し、受信部52が受信したチェック信号を入力する。タイマ57によりチェック信号の返答間隔を調べ、チェック信号が一定時間入力されない場合、アラーム58を制御して鳴らし、紛失防止機能を実現する。
【0032】
また、CPU55は、受信部52がスリープ信号を受信した場合、携帯電話機40の電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと状態を移行する。センサ56は、モーションセンサであり、スリープモード中に動きを検出したとき、携帯電話機40を電源オン、あるいは、スリープモードから通常モードと状態を移行する。
【0033】
携帯電話機能60は、電波による通信、いわゆる携帯電話として機能する。携帯電話機能60は、I/O回路61を介してトランシーバ50とデータの入出力を行う。例えば、トランシーバ50がスリープ信号を受信したときに、携帯電話機能60も電源オフ、あるいはスリープモードへと状態を移行する。
【0034】
次に、スリープ機能の動作について説明する。
【0035】
図5は、携帯電話機40がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【0036】
まず、携帯電話機40は、電界通信によりチェック信号を送信する(ステップS501)。携帯電話機40は、チェック信号を所定の間隔で送信する。チェック信号としては、利用者や携帯電話機のID信号や暗号化された信号を用いる。
【0037】
そして、携帯電話機40が紛失防止装置10により返信されたチェック信号を受信した場合は(ステップS502)、ステップS501に戻り再びチェック信号を送信する。
【0038】
一方、携帯電話機40がチェック信号を受信しないでスリープ信号を受信した場合は(ステップS503)、スリープモードに移行する(ステップS504)。
【0039】
図5のフローチャートには示していないが、携帯電話機40が所定の時間内にチェック信号もスリープ信号も受信できない場合は、アラーム58を鳴らす、携帯電話機能60をロックするなどの紛失防止機能を起動する。
【0040】
図6は、紛失防止装置10がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【0041】
紛失防止装置10は、携帯電話機40が送信するチェック信号を受信する(ステップS601)。図6のフローチャートには示していないが、所定の時間内にチェック信号が受信できない場合は、紛失防止機能を起動してアラームを鳴らす。
【0042】
続いて、受信したチェック信号の信号強度が所定の値より大きいか否かを調べる(ステップS602)。本実施の形態においては、所定の値を0.5Vとした。受信強度が所定の値以下の場合は、チェック信号を携帯電話機40に返信し(ステップS610)、ステップS601に戻りチェック信号の受信を待つ。
【0043】
受信強度が所定の値より大きい場合は、受信強度が所定の期間一定であるか否かを調べる(ステップS603)。本実施の形態においては、所定の期間を60秒とした。受信強度が所定の期間一定でない場合は、チェック信号を携帯電話機40に返信し(ステップS610)、ステップS601に戻りチェック信号の受信を待つ。
【0044】
受信強度が所定の期間一定の場合、紛失防止装置10は、携帯電話機40にスリープ信号を送信し(ステップS604)、紛失防止装置10自身もスリープモードに移行する(ステップS605)。
【0045】
次に、紛失防止装置10、携帯電話機40のスリープモードからの復帰について説明する。
【0046】
図7は、静物上に置き、スリープモードになった紛失防止装置10、携帯電話機40を持ち上げた様子を示す図である。携帯電話機40を持ち上げるとセンサ56が働き、携帯電話機40はスリープモードから通常モードへ移行する。携帯電話機40が通常モードへ移行すると、携帯電話機40は、電界通信によりウェイクアップ信号を紛失防止装置10に送信する。そして、ウェイクアップ信号を受信した紛失防止装置10は、スリープモードから通常モードへと移行する。その後、紛失防止装置10と携帯電話機40との間でチェック信号の送受信を行う。
【0047】
なお、紛失防止装置10にもセンサを搭載して自立的に起動するものでもよい。
【0048】
図8は、紛失防止装置10、携帯電話機40が起動する別の様子を示す図である。同図に示す例では、紛失防止装置10、携帯電話機40がスリープモードに移行した場合、セキュリティゾーンにおいて起動信号を受信した場合のみ通常モードへと移行する。つまり、紛失防止装置10と携帯電話機40を持ち上げただけでは通常モードへと移行しない。
【0049】
紛失防止装置10と携帯電話機40を保持する利用者100がセキュリティゾーンに配置された起動装置90に接触することで、携帯電話機40が起動信号を受信してスリープモードから通常モードへと移行し、携帯電話機40が送信したウェイクアップ信号を紛失防止装置10が受信してスリープモードから通常モードへと移行する。
【0050】
したがって、本実施の形態によれば、携帯電話機40が送信するチェック信号の信号強度の変化を検出することにより、一定時間信号強度が変わらない場合には紛失防止装置10、携帯電話機40が静物上に置かれたと判断できるので、紛失防止装置10、携帯電話機40を電源オフやスリープモードに移行することができる。
【0051】
なお、紛失防止装置10がチェック信号の信号強度を検出して携帯電話機40にスリープ信号を送信するものについて説明したが、もちろん、携帯電話機40側がチェック信号の信号強度を検出して紛失防止装置10にスリープ信号を送信するものでもよい。
【0052】
[第2の実施の形態]
図9は、第2の実施の形態における制御システムを説明するための概略図である。第1の実施の形態では、チェック信号を双方向で送受信したが、第2の実施の形態は、携帯電話機40から紛失防止装置10への一方向のみチェック信号を送信するものである。紛失防止装置10は、所定の時間内にチェック信号が受信できない場合はアラームを鳴らして携帯電話機40が放置されたことを警告する。チェック信号の送信が一方向のみの場合は、携帯電話機40がチェック信号への応答の有無を調べないので、携帯電話機40自身が放置されたことを知ることはできない。
【0053】
第1の実施の形態と同様に、紛失防止装置10は、チェック信号の受信強度の変化が所定の範囲内に収まる場合、紛失防止装置10及び携帯電話機40は使用していない状態であると判断し、紛失防止装置10をスリープモードに移行するとともに、携帯電話機40に対してスリープ信号を送信する。携帯電話機40は、スリープ信号を受信すると、電源オフ、あるいは、低消費電力のスリープモードへと状態を移行する。
【0054】
次に、本実施の形態のスリープ機能の動作について説明する。
【0055】
図10は、携帯電話機40がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【0056】
まず、携帯電話機40は、電界通信によりチェック信号を送信する(ステップS1001)。携帯電話機40は、チェック信号を所定の間隔で送信する。
【0057】
続いて、携帯電話機40は、スリープ信号を受信したか否か調べ(ステップS1002)、スリープ信号を受信していない場合はステップS1001に戻り再びチェック信号を送信する。
【0058】
携帯電話機40がスリープ信号を受信した場合は、スリープモードに移行する(ステップS1003)。
【0059】
図11は、紛失防止装置10がスリープモードに移行する動作の流れを示すフローチャートである。
【0060】
紛失防止装置10は、携帯電話機40が送信するチェック信号を受信する(ステップS1101)。図11のフローチャートには示していないが、所定の時間内にチェック信号が受信できない場合は、紛失防止機能を起動してアラームを鳴らす。
【0061】
続いて、受信したチェック信号の信号強度が所定の値より大きいか否かを調べる(ステップS1102)。本実施の形態においては、所定の値を0.5Vとした。受信強度が所定の値以下の場合は、ステップS1101に戻りチェック信号の受信を待つ。
【0062】
受信強度が所定の値より大きい場合は、受信強度が所定の期間一定であるか否かを調べる(ステップS1103)。本実施の形態においては、所定の期間を60秒とした。受信強度が所定の期間一定でない場合は、ステップS1101に戻りチェック信号の受信を待つ。
【0063】
受信強度が所定の期間一定の場合、紛失防止装置10は、携帯電話機40にスリープ信号を送信し(ステップS1104)、紛失防止装置10自身もスリープモードに移行する(ステップS1105)。
【0064】
なお、本実施の形態では、携帯電話機40から紛失防止装置10へチェック信号を送信する場合について説明したが、紛失防止装置10から携帯電話機40へチェック信号を送信するものでもよい。紛失防止装置10がチェック信号を送信する場合は、携帯電話機40がチェック信号の受信強度を検出し、紛失防止装置10へスリープ信号を送信する。
【0065】
また、第1,2の実施の形態における紛失防止装置10と携帯電話機40との間の通信は、電界通信としたが、これに限られるものではなく、例えば、電波を用いて通信を行う場合も同様に適用できる。
【符号の説明】
【0066】
10…紛失防止装置
40…携帯電話機
100…利用者
20,50…トランシーバ
21,51…送信部
211,511…変調回路
212,512…発振器
22,52…受信部
221,521…搬送波再生回路
222,522…復調回路
223,523…補正回路
23,53…電極
24,54…絶縁膜
30…制御部
31,55…CPU
32,57…タイマ
33,58…アラーム
56…センサ
25,34,59,61…I/O回路
60…携帯電話機能
90…起動装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2の携帯端末間で無線通信を行う制御システムであって、
前記第1の携帯端末は、
チェック信号を前記第2の携帯端末へ送信する送信手段と、
前記第2の携帯端末から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて制御する制御手段と、を有し、
前記第2の携帯端末は、
前記第1の携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、
前記チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、前記第1の携帯端末へ前記制御信号を送信する制御手段と、を有すること
を特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記制御信号は、前記第1の携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする請求項1記載の制御システム。
【請求項3】
第1、第2の携帯端末間で無線通信を行う制御方法であって、
前記第1の携帯端末による、
チェック信号を前記第2の携帯端末へ送信するステップと、
前記第2の携帯端末から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて制御するステップと、を有し、
前記第2の携帯端末による、
前記第1の携帯端末が送信するチェック信号を受信するステップと、
前記チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、前記第1の携帯端末へ前記制御信号を送信するステップと、を有すること
を特徴とする制御方法。
【請求項4】
前記制御信号は、前記第1の携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする請求項3記載の制御方法。
【請求項5】
携帯端末との間で無線通信を行う制御装置であって、
前記携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、
前記チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、前記携帯端末へ制御信号を送信する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項6】
前記制御信号は、前記携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする請求項5記載の制御装置。
【請求項7】
携帯端末との間で無線通信を行う制御装置であって、
前記携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、
前記チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、当該制御装置自身を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項1】
第1、第2の携帯端末間で無線通信を行う制御システムであって、
前記第1の携帯端末は、
チェック信号を前記第2の携帯端末へ送信する送信手段と、
前記第2の携帯端末から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて制御する制御手段と、を有し、
前記第2の携帯端末は、
前記第1の携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、
前記チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、前記第1の携帯端末へ前記制御信号を送信する制御手段と、を有すること
を特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記制御信号は、前記第1の携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする請求項1記載の制御システム。
【請求項3】
第1、第2の携帯端末間で無線通信を行う制御方法であって、
前記第1の携帯端末による、
チェック信号を前記第2の携帯端末へ送信するステップと、
前記第2の携帯端末から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて制御するステップと、を有し、
前記第2の携帯端末による、
前記第1の携帯端末が送信するチェック信号を受信するステップと、
前記チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、前記第1の携帯端末へ前記制御信号を送信するステップと、を有すること
を特徴とする制御方法。
【請求項4】
前記制御信号は、前記第1の携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする請求項3記載の制御方法。
【請求項5】
携帯端末との間で無線通信を行う制御装置であって、
前記携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、
前記チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、前記携帯端末へ制御信号を送信する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項6】
前記制御信号は、前記携帯端末を電源オフあるいは低消費電力モードに移行させる制御信号であることを特徴とする請求項5記載の制御装置。
【請求項7】
携帯端末との間で無線通信を行う制御装置であって、
前記携帯端末が送信するチェック信号を受信する受信手段と、
前記チェック信号の強度を検出し、その強度が所定の時間、所定の範囲内である場合には、当該制御装置自身を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−183496(P2010−183496A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27333(P2009−27333)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】
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