説明

制御プログラム及びモニター装置

【課題】 ネットワーク接続されたカメラを選択し、表示エリアを指定して映像を表示させる際の操作性を向上させたモニター装置及びその制御プログラムを提供する。
【解決手段】 ネットワーク接続されたカメラ10に対応するオブジェクトをモニター画面上に表示するオブジェクト表示部103と、移動操作及びクリック操作を検出するためのマウス33と、移動操作に基づいてモニター画面上のマウスポインタを移動させるポインタ制御部105と、クリック操作に基づいてオブジェクトを選択するオブジェクト選択部106aと、オブジェクト選択部106aによって選択されたオブジェクト及びマウスポインタを結ぶ結合線を表示する結合線表示部107aと、オブジェクトが選択された後のクリック操作に基づいて、モニター画面上の表示エリアを選択し、選択されたオブジェクトに対応するカメラ10と関連付けするカメラ割付部106bにより構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プログラム及びモニター装置に係り、さらに詳しくは、LANなどのネットワークに接続された複数のカメラによって撮影された映像をモニター画面上に表示するモニター装置及びその制御プログラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
LANなどのネットワークに接続された複数のカメラによって撮影された映像をモニター画面上に同時に表示させる監視システムが従来から知られている。ネットワーク上のカメラ、いわゆるネットワークカメラからの映像信号は、PC(パーソナルコンピュータ)やビューアと呼ばれるモニター装置で受信し、動画像として表示される。この様なモニター装置では、ネットワーク接続された複数のカメラのうち、所望のカメラを選択して映像の送信を指示し、当該カメラからの受信映像をモニター画面内の所定の表示エリアに表示させる動作が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1には、映像を表示させたいカメラをオペレータに画面上で選択させ、さらに、表示エリアを指定させることによって、所望の映像を表示させる技術が開示されている。この特許文献1に記載の装置では、ネットワーク上のカメラに対応する画面内のアイコンを所望の表示エリアにドラッグアンドドロップ操作することにより、カメラとのネットワーク接続が指示され、所望の映像が表示される。ドラッグアンドドロップ操作は、マウスのクリックボタンを押し込んだ状態を維持しながらマウスを移動させるドラッグ操作と、その後、所望の位置でクリックボタンを開放するドロップ操作とからなる一連の操作である。この様なモニター装置では、クリック操作によってカメラを選択した後、当該カメラの映像を表示させる表示エリアをドロップ操作によって選択するまでの間、クリックボタンを押し続けなければならないので、操作性が良くないという問題があった。また、画面内に表示されるマウスポインタは、マウスを移動させれば、カメラに対応付けてアイコンが表示されていた位置から移動するので、ドラッグ操作中、いずれのカメラが選択されているのかが識別しづらいという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−53568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ネットワークに接続されたカメラを選択し、モニター画面内の表示エリアを指定して映像を表示させる際の操作性を向上させたモニター装置及びその制御プログラムを提供することを目的とする。特に、ネットワーク接続された複数のカメラにそれぞれ対応するオブジェクトを選択してから、モニター画面内の表示エリアを指定してカメラによって撮影された映像を表示させる際の操作性を向上させることができるモニター装置を提供することを目的とする。また、オブジェクトを選択してから表示エリアを指定するまでの間、いずれのカメラが選択中であるのかを識別し易くしたモニター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明による制御プログラムは、ネットワーク接続された2以上のカメラにそれぞれ対応するオブジェクトをモニター画面上に表示するオブジェクト表示手段と、移動操作及びクリック操作を検出するためのポインティング入力手段と、上記移動操作に基づいて、上記モニター画面上のポインタを移動させるポインタ制御手段と、上記クリック操作に基づいて上記オブジェクトを選択するオブジェクト選択手段と、上記オブジェクト選択手段によって選択されたオブジェクト及び上記ポインタを結ぶ結合線を表示する結合線表示手段と、上記オブジェクトが選択された後のクリック操作に基づいて、上記モニター画面上の2以上の表示エリアのいずれかを選択し、選択されたオブジェクトに対応するカメラと関連付けするカメラ割付手段として機能させるためのプログラムである。
【0007】
この制御プログラムでは、クリック操作に基づいてネットワーク上のカメラに対応するオブジェクトを選択し、オブジェクトを選択した後のクリック操作に基づいて表示エリアを選択して、選択されたオブジェクトに対応するカメラとの関連付けが行われる。この様な構成によれば、オブジェクトを選択してから表示エリアを選択するまでの間、クリックボタンなどを押し続ける必要がないので、ドラッグアンドドロップ操作によって同様の動作を行わせるものに比べて、操作性を向上させることができる。また、クリック操作によって選択されたオブジェクトとモニター画面上のポインタとを結ぶ結合線が表示されるので、オブジェクトを選択してから表示エリアを選択するまでの間、いずれのカメラが選択中であるのかを識別し易くすることができる。
【0008】
第2の本発明による制御プログラムは、上記構成に加え、上記結合線表示手段が、上記オブジェクトが選択された後の上記クリック操作に基づいて、上記結合線を消すように構成される。この様な構成によれば、オブジェクトを選択した後のクリック操作に基づいて、表示エリアが選択されて結合線が消されるので、表示エリアの選択動作が実行されたことを容易に認識することができる。
【0009】
第3の本発明による制御プログラムは、上記構成に加え、上記オブジェクトの選択結果に基づいて、上記カメラに対して映像の送信を指示する送信要求手段と、上記表示エリアの選択結果に基づいて、関連付けされたカメラからの映像を上記表示エリア内に表示するカメラ映像表示手段としてさらに機能させる。この様な構成によれば、クリック操作に基づいて、オブジェクトの選択動作が実行され、カメラに対して映像の送信が指示されるので、ドラッグアンドドロップ操作によってカメラとのネットワーク接続を指示するものに比べて、表示エリアを選択してからカメラによって撮影された映像が表示エリア内に表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0010】
第4の本発明による制御プログラムは、上記構成に加え、上記オブジェクト選択手段が、上記オブジェクトが選択された後にクリック操作された際、上記ポインタが上記表示エリア外に位置していれば、上記オブジェクトの選択状態を解除するように構成される。この様な構成によれば、オブジェクトを選択した後にクリック操作した際、ポインタが表示エリア外に位置していれば、オブジェクトの選択状態が解除されるので、表示エリア外でクリック操作することによって、カメラの選択をキャンセルすることができる。
【0011】
第5の本発明によるモニター装置は、ネットワーク接続された2以上のカメラにそれぞれ対応するオブジェクトをモニター画面上に表示するオブジェクト表示手段と、移動操作及びクリック操作を検出するためのポインティング入力手段と、上記移動操作に基づいて、上記モニター画面上のポインタを移動させるポインタ制御手段と、上記クリック操作に基づいて上記オブジェクトを選択するオブジェクト選択手段と、上記オブジェクト選択手段によって選択されたオブジェクト及び上記ポインタを結ぶ結合線を表示する結合線表示手段と、上記オブジェクトが選択された後のクリック操作に基づいて、上記モニター画面上の2以上の表示エリアのいずれかを選択し、選択されたオブジェクトに対応するカメラと関連付けするカメラ割付手段とを備えて構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるモニター装置及びその制御プログラムによれば、オブジェクトを選択してから表示エリアを選択するまでの間、クリックボタンなどを押し続ける必要がないので、ドラッグアンドドロップ操作によって同様の動作を行わせるものに比べて、操作性を向上させることができる。従って、ネットワークに接続された複数のカメラにそれぞれ対応するオブジェクトを選択し、モニター画面内の表示エリアを指定してカメラによって撮影された映像を表示させる際の操作性を向上させることができる。また、クリック操作によって選択されたオブジェクトとモニター画面上のポインタとを結ぶ結合線が表示されるので、オブジェクトを選択してから表示エリアを選択するまでの間、いずれのカメラが選択中であるのかを識別し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態によるモニター装置を含む監視システムの概略構成の一例を示したシステム図である。
【図2】図1の監視システム100の要部における構成例を示したブロック図であり、PC30内の機能構成の一例が示されている。
【図3】図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示した図であり、カメラ10からのライブ映像を表示するモニター画面110が示されている。
【図4】図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示した図であり、カメラ10及び表示エリア111を選択する際の様子が示されている。
【図5】図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示した図であり、表示エリア111の選択後の様子が示されている。
【図6】図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示した図であり、画面表示を1画面による拡大表示に切り替えた場合の様子が示されている。
【図7】図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<監視システム>
図1は、本発明の実施の形態によるモニター装置を含む監視システムの概略構成の一例を示したシステム図である。この監視システム100は、LAN20に接続された複数のカメラ10と、PC30と、レシーバ装置41及びディスプレイ装置42からなるビューア40によって構成される。
【0015】
LAN(ローカルエリアネットワーク)20は、カメラ10と、PC30やビューア40などのモニター装置と、録画装置などとの間で制御信号や映像信号を伝送する通信ネットワークである。カメラ10は、LAN20上の接続可能な撮像装置であり、監視エリア内の被写体を撮影した映像を送信する機能を備えている。
【0016】
レシーバ装置41は、LAN20を介してカメラ10からの映像信号を受信し、受信データをデコードしてディスプレイ装置42へ出力する受信装置である。
【0017】
PC(パーソナルコンピュータ)30は、ディスプレイ31、キーボード32及びマウス33を有する情報処理端末であり、LAN20を介してカメラ10からの映像信号を受信してディスプレイ31のモニター画面上に表示し、或いは、必要に応じて録画する機能を備えている。
【0018】
マウス33は、映像を表示させたいカメラ10を選択し、或いは、モニター画面内の表示エリアを指定する際に用いられるポインティング入力手段である。マウス33では、マウス33を平面に沿って移動させる2次元の移動操作と、クリックボタンを押し込んで開放するクリック操作とが検出され、検出信号がPC本体部へ出力される。
【0019】
上記ポインティング入力手段としては、2次元の移動操作とクリック操作とが検出できるものであればマウス33以外のものであっても良く、例えば、パッド面に対する指などの接触を感知して移動操作及びクリック操作を検出するタッチパッドを用いるものも本発明には含まれる。タッチパッドをポインティング入力手段として用いる場合、パッド面上で指をスライドさせることにより移動操作が検出され、パッド面を軽く叩く(タップする)ことによりクリック操作が検出される。
【0020】
或いは、画面上の位置を指示するためのペン型の入力装置と、操作位置を検出するための板状の検出装置とを組み合わせて使うペンタブレットを上記ポインティング入力手段として用いても良い。
【0021】
<モニター装置>
図2は、図1の監視システム100の要部における構成例を示したブロック図であり、PC30内の機能構成の一例が示されている。このPC30は、ディスプレイ31及びマウス33の他に、PC本体部として、ネットワークI/F101、カメラ管理部102、オブジェクト表示部103、カメラ接続情報記憶部104、ポインタ制御部105a、ポインタ表示部105b、モニター画面制御部106、結合線表示部107a、送信要求部107b、カメラ割付情報記憶部108及びカメラ映像表示部109を備えて構成される。
【0022】
ネットワークI/F101は、LAN20に接続し、LAN20上のカメラ10へ制御信号を送信し、或いは、カメラ10からの映像信号を受信する通信制御手段である。受信した画像データは、カメラ映像表示部109へ出力される。
【0023】
カメラ管理部102は、LAN20上のデバイスをスキャンし、ネットワーク接続されたカメラ10のうち、映像の送信可能なカメラを識別してその識別情報や撮影情報などをカメラ接続情報として管理する動作を行っている。
【0024】
カメラ接続情報記憶部104には、カメラ接続情報として、映像の送信可能なカメラ10の識別情報や撮影情報などが保持される。
【0025】
オブジェクト表示部103は、カメラ管理部102によるスキャン結果に基づいて、映像の送信可能な複数のカメラ10にそれぞれ対応するオブジェクトをディスプレイ31のモニター画面上に表示する動作を行っている。
【0026】
上記オブジェクトは、LAN20上のカメラ10に対応付けて表示される表示オブジェクトであり、例えば、カメラなどの図形によって表されたアイコン、所定の文字列や記号が用いられる。
【0027】
ポインタ表示部105bは、モニター画面上にマウスポインタを表示する動作を行っている。マウスポインタは、モニター画面内の位置を示すためのアイコンであり、マウス33の移動量に応じて移動する。
【0028】
ポインタ制御部105aは、マウス33からの移動操作の検出信号に基づいてポインタ表示部105bを制御し、モニター画面上のマウスポインタをマウス33の移動量に応じて移動させる動作を行っている。
【0029】
モニター画面制御部106は、オブジェクト選択部106a及びカメラ割付部106bからなり、マウス33からの検出信号及びマウスポインタの位置情報に基づいて、モニター画面の表示制御を行っている。
【0030】
オブジェクト選択部106aは、オペレータによるクリック操作に基づいてオブジェクトを選択する動作を行っている。具体的には、マウス33からの検出信号に基づいてオペレータによるクリック操作を検知し、当該クリック操作時にマウスポインタが位置するいずれかのオブジェクトを選択する動作が行われる。
【0031】
結合線表示部107aは、いずれのカメラ10が選択中であるのかを識別し易くするために、オブジェクト選択部106aによって選択されたオブジェクトとマウスポインタとを結ぶ結合線を表示する動作を行っている。
【0032】
選択状態のオブジェクトは、非選択状態のオブジェクトとは異なる表示態様でフォーカス表示され、例えば、反転表示され、当該オブジェクトに対応するカメラ10が表示対象として指定される。
【0033】
カメラ割付部106bは、オブジェクトが選択された後のクリック操作に基づいて、モニター画面上の複数の表示エリアのいずれかを選択し、選択状態のオブジェクトに対応するカメラと関連付けしてカメラ割付情報を生成する動作を行っている。具体的には、マウス33からの検出信号に基づいて、オブジェクトが選択された後に行われたクリック操作を検知し、当該クリック操作時にマウスポインタが位置するいずれかの表示エリアを選択する動作が行われる。
【0034】
カメラ割付情報記憶部108には、カメラ割付部106bによって生成されたカメラ割付情報が保持される。カメラ映像表示部109は、カメラ割付情報記憶部108内のカメラ割付情報に基づいてディスプレイ31を制御し、選択状態のオブジェクトに対応するカメラ10によって撮影された映像を表示エリア内に表示する動作を行っている。例えば、カメラ10からのライブ映像が動画像として表示される。
【0035】
送信要求部107bは、表示エリアの選択動作が実行されてからカメラ10によって撮影された映像が実際に表示されるまでの時間を短縮させるために、オブジェクトの選択結果に基づいて、カメラ10に対して映像の送信を指示する動作を行っている。具体的には、オブジェクト選択部106aによってオブジェクトの選択動作が実行された際に、ネットワークI/F101を介して送信要求信号がカメラ10へ送出される。
【0036】
カメラ映像表示部109では、表示エリアの選択結果に基づいて、関連付けされたカメラ10からの映像を表示エリア内に表示する動作が行われる。具体的には、カメラ割付部106bが表示エリアを選択してカメラ10と関連付けした際に、選択された表示エリアに関連付けされたカメラ10からの映像を当該表示エリア内に表示する動作が行われる。
【0037】
これにより、再度のクリック操作が行われるよりも前に、最初のクリック操作で選択されたオブジェクトに対応するカメラ10に対して映像の送信を指示することができるので、表示エリアを選択してからカメラ映像が表示エリア内に表示されるまでの時間を短縮させることができる。
【0038】
結合線表示部107aでは、表示エリアの選択動作が実行されたことをオペレータに認識させるために、オブジェクトを選択した後のクリック操作に基づいて、モニター画面内の結合線を消す動作が行われる。
【0039】
さらに、オブジェクト選択部106bでは、オブジェクトが選択された後にクリック操作された際、マウスポインタが表示エリア外に位置している場合に、オブジェクトの選択状態を解除する動作が行われる。
【0040】
また、送信要求部107bでは、オブジェクトの選択状態が解除された際に、カメラに対して映像送信の中止が指示される。これにより、オブジェクトを選択した後にクリック操作した際、マウスポインタが表示エリア外に位置していれば、オブジェクトの選択状態が解除されるので、表示エリア外でクリック操作することによって、カメラ10の選択をキャンセルすることができる。
【0041】
<モニター画面>
図3は、図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示した図であり、LAN20上のカメラ10によって撮影されたライブ映像を表示するモニター画面110が示されている。このモニター画面110は、LAN20上の複数のカメラ10によって撮影された映像を同時に表示するための監視画面である。
【0042】
モニター画面110には、ライブ映像を表示するための4つの表示エリア111と、拡大表示又は4分割表示を指定するための入力ボックス113,114とが配置され、LAN20上の接続可能なカメラ10に対応する5つのオブジェクト115と、所定の設定グループを表すオブジェクト116と、マウスポインタ117とが表示されている。
【0043】
表示エリア111は、矩形形状の領域を2行2列に配列された4つのブロックに等分割することによって構成されている。この例では、各表示エリア111が破線で表された矩形の枠によって示され、左上の表示エリアがデフォルトで選択されている。選択状態の表示エリアは、実線で表された矩形枠112によってフォーカス表示される。
【0044】
入力ボックス113は、1画面による拡大表示を指定するための入力欄であり、チェックマークを入力することによって、フォーカス表示中の表示エリア内のライブ映像を拡大表示させることができる。
【0045】
入力ボックス114は、4画面による4分割表示を指定するための入力欄である。これらの入力ボックス113,114は、マウスポインタ117を移動させてクリック操作することによって、いずれかを選択することができる。この例では、4分割表示が選択されている。
【0046】
各オブジェクト115は、LAN20上に存在するカメラ10であって、映像の送信可能なカメラ10に対応付けて表示され、オブジェクト「ネットワークカメラ」の下位の階層としてツリー状に配置されている。ここでは、LAN20上の5台のカメラ10と接続可能となっており、これらのカメラ10に対応付けてオブジェクト115が配列されている。
【0047】
このPC30では、所望のオブジェクト115を選択して表示エリア111を指定すれば、当該オブジェクトに対応するカメラによって撮影された映像が表示され、LAN20上の複数のカメラ10の映像をモニター画面110上に同時に表示させることができる。
【0048】
オブジェクト116は、どのカメラ10をどこの表示エリア111に表示させるかというエリア割当てを予め指定しておくことにより、複数のカメラ10の映像を一括して表示させる場合に選択させるオブジェクトである。この例では、オブジェクト「設定グループ」の下位の階層として、4つのオブジェクト「View1」〜「View4」が配置されている。
【0049】
オブジェクト「View1」は、左上の表示エリア111に対応付けられており、「View2」は、右上の表示エリアに対応付けられている。また、「View3」は、左下の表示エリアに対応付けられており、「View4」は、右下の表示エリアに対応付けられている。各Viewには、LAN20上のカメラ10を任意に割り当てることができ、カメラ10が割り当てられているViewには、カメラ10の識別情報、例えば、カメラ名が表示される。
【0050】
マウスポインタ117は、マウス33の移動操作に応じてモニター画面110内を移動するアイコンである。この例では、矢印によってマウスポインタ117が表されている。
【0051】
オブジェクト115は、マウスポインタ117が位置している状態で、マウス33のクリックボタンを操作、すなわち、クリック操作することによって選択することができる。クリック操作によっていずれかのオブジェクト115が選択された場合、選択中のオブジェクト115は、フォーカス表示され、オブジェクト「ネットワークカメラ」からの分枝線が破線表示から実線表示に切り替えられる。
【0052】
表示エリア111は、マウスポインタ117がエリア内に位置している状態でクリック操作することによって選択することができ、オブジェクト115を選択してから表示エリア111を選択することによって、LAN20上のカメラ10と表示エリア111とを関連付けすることができる。
【0053】
図4(a)及び(b)は、図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示した図であり、図4(a)には、LAN20上のカメラ10を選択する際の様子が示され、図4(b)には、表示エリア111を選択する際の様子が示されている。
【0054】
オブジェクト115は、マウスポインタ117が位置している状態でクリック操作することによって選択することができる。また、選択中のオブジェクト115は、フォーカス表示され、オブジェクト「ネットワークカメラ」からの分枝線が破線表示から実線表示に切り替えられるとともに、選択中のオブジェクト115とマウスポインタ117とを結ぶ結合線120が表示される。
【0055】
結合線120は、どのオブジェクト115が選択され、選択中のオブジェクトに対応するカメラ10の映像をどこに表示させようとしているのかをオペレータに案内するための表示オブジェクトである。この例では、破線、すなわち、不連続な直線によって結合線120が表され、オブジェクト「カメラ2」とマウスポインタ117とが結合線120によって紐付けられている。
【0056】
選択中のオブジェクト115及びマウスポインタ117を結ぶ結合線120としては、破線以外に、実線、すなわち、連続する線で表すものや、曲線によって表すものであっても良い。表示エリア111は、マウスポインタ117がエリア内に位置している状態でクリック操作することによって選択することができる。
【0057】
図5は、図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示した図であり、表示エリア111の選択後の様子が示されている。オブジェクト115が選択されてから行われたクリック操作によっていずれかの表示エリア111が選択された場合、選択されたオブジェクト115に対応するカメラ10と選択された表示エリア111とが関連付けされ、当該カメラによって撮影されたライブ映像が当該表示エリア内に表示される。
【0058】
この例では、オブジェクト「カメラ2」の表示エリアとして右下の表示エリア111が選択され、「カメラ2」の撮影映像が表示される。図5では、「カメラ2」がコンビニエンスストア内に設置されている場合に、店内の映像が表示される例を示している。
【0059】
選択中のオブジェクト115及びマウスポインタ117を結ぶ結合線120は、クリック操作によって表示エリア111が選択されれば、非表示となる。
【0060】
また、オブジェクト115の選択状態は、エスケープキーを操作するか、或いは、マウスポインタ117が表示エリア111外に位置している場合にクリック操作することによって解除され、カメラ10の選択をキャンセルするようにしても良い。その際、選択中のオブジェクト115とは異なるオブジェクト115をクリック操作すれば、表示対象とするカメラ10を変更するようにしても良い。
【0061】
図6は、図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示した図であり、画面表示を1画面による拡大表示に切り替えた場合の様子が示されている。入力ボックス114にチェックマークを入力して1画面による拡大表示を選択すれば、モニター画面110の表示モードが4分割表示モードから拡大表示モードに切り替えられる。
【0062】
この拡大表示モードでは、実線で表された矩形枠121によって示された領域内に選択中のカメラ10からのライブ映像が拡大表示される。
【0063】
図7のステップS101〜S111は、図2のPC30におけるカメラ映像の表示時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、オブジェクト選択部106aは、マウス33からの検出信号に基づいてオペレータによるクリック操作を検知すると、当該クリック操作に基づいてオブジェクト115を選択する(ステップS101,S102)。
【0064】
このとき、選択されたオブジェクト115に対応するカメラ10に対して映像の送信が指示され、送信要求がネットワークI/F101により送信されるとともに、選択中のオブジェクト115及びマウスポインタ117を結ぶ結合線120がモニター画面110内に表示される(ステップS103,S104)。
【0065】
次に、ポインタ制御部105aは、マウス33からの検出信号に基づいてオペレータによる移動操作を検知すると、当該移動操作に基づいてマウスポインタ117をモニター画面110内で移動させる(ステップS105,S106)。
【0066】
次に、カメラ割付部106bは、マウス33からの検出信号に基づいて再度のクリック操作を検知すると(ステップS107)、当該クリック操作に基づいて表示エリア111を選択し、選択中のオブジェクト115に対応するカメラ10によって撮影されたライブ映像を表示する(ステップS108〜S110)。
【0067】
結合線表示部107aは、オブジェクト115の選択後、表示エリア111が選択されれば、結合線120を消す。また、オブジェクト選択部106aは、オブジェクト115の選択後、マウスポインタ117が表示エリア111外に位置している状態でクリック操作された場合に、オブジェクト115の選択状態を解除する(ステップS108,S111)。また、このとき、送信要求部107bは、オブジェクト115の選択状態が解除されれば、カメラ10に対して映像送信の中止を指示する。
【0068】
本実施の形態によれば、オブジェクト115を選択してから表示エリア111を選択するまでの間、クリックボタンなどを押し続ける必要がないので、ドラッグアンドドロップ操作によって同様の動作を行わせるものに比べて、操作性を向上させることができる。また、クリック操作によって選択されたオブジェクト115とモニター画面110上に表示されるマウスポインタ117とを結ぶ結合線120が表示されるので、オブジェクト115を選択してから表示エリア111を選択するまでの間、いずれのカメラ10が選択中であるのかを識別し易くすることができる。
【0069】
また、オブジェクト115を選択した後のクリック操作に基づいて、表示エリア111が選択されて結合線120が消されるので、表示エリア111の選択動作が実行されたことを容易に認識することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、クリック操作によってオブジェクト115の選択動作が実行されるとともに、選択中のオブジェクト115とマウスポインタ117とを結ぶ結合線120が表示される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、オブジェクト115の選択後に行われたクリック操作によって表示エリア111が選択された際に、クリック操作後の一定期間、結合線120を波打たせたり、表示態様をクリック操作前とは異ならせるようにしても良い。この様に構成すれば、表示エリア111の選択動作が実行されたのか、或いは、オブジェクトの選択状態が解除されたのかをオペレータに容易に視認させることができる。
【0071】
また、本実施の形態では、1回目のクリック操作時にカメラ10に対して映像の送信を指示する場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、1回目のクリック操作時ではなく、2回目のクリック操作によって表示エリアが選択された際に、カメラ10に対して映像の送信を指示するものも本発明には含まれる。すなわち、オブジェクトが選択された後のクリック操作に基づいて表示エリアが選択された際に、当該表示エリアの選択結果に基づいて、カメラ10へ映像の送信要求信号を送出するものであっても良い。
【符号の説明】
【0072】
10 カメラ
20 LAN
30 PC
31 ディスプレイ
32 キーボード
33 マウス
40 ビューア
41 レシーバ装置
42 ディスプレイ装置
100 監視システム
101 ネットワークI/F
102 カメラ管理部
103 オブジェクト表示部
104 カメラ接続情報記憶部
105a ポインタ制御部
105b ポインタ表示部
106 モニター画面制御部
106a オブジェクト選択部
106b カメラ割付部
107a 結合線表示部
107b 送信要求部
108 カメラ割付情報記憶部
109 カメラ映像表示部
110 モニター画面
111 表示エリア
115 オブジェクト
117 マウスポインタ
120 結合線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続された2以上のカメラにそれぞれ対応するオブジェクトをモニター画面上に表示するオブジェクト表示手段と、
移動操作及びクリック操作を検出するためのポインティング入力手段と、
上記移動操作に基づいて、上記モニター画面上のポインタを移動させるポインタ制御手段と、
上記クリック操作に基づいて上記オブジェクトを選択するオブジェクト選択手段と、
上記オブジェクト選択手段によって選択されたオブジェクト及び上記ポインタを結ぶ結合線を表示する結合線表示手段と、
上記オブジェクトが選択された後のクリック操作に基づいて、上記モニター画面上の2以上の表示エリアのいずれかを選択し、選択されたオブジェクトに対応するカメラと関連付けするカメラ割付手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項2】
上記結合線表示手段は、上記オブジェクトが選択された後の上記クリック操作に基づいて、上記結合線を消すことを特徴とする請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項3】
上記オブジェクトの選択結果に基づいて、上記カメラに対して映像の送信を指示する送信要求手段と、
上記表示エリアの選択結果に基づいて、関連付けされたカメラからの映像を上記表示エリア内に表示するカメラ映像表示手段としてさらに機能させるための請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項4】
上記オブジェクト選択手段は、上記オブジェクトが選択された後にクリック操作された際、上記ポインタが上記表示エリア外に位置していれば、上記オブジェクトの選択状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項5】
ネットワーク接続された2以上のカメラにそれぞれ対応するオブジェクトをモニター画面上に表示するオブジェクト表示手段と、
移動操作及びクリック操作を検出するためのポインティング入力手段と、
上記移動操作に基づいて、上記モニター画面上のポインタを移動させるポインタ制御手段と、
上記クリック操作に基づいて上記オブジェクトを選択するオブジェクト選択手段と、
上記オブジェクト選択手段によって選択されたオブジェクト及び上記ポインタを結ぶ結合線を表示する結合線表示手段と、
上記オブジェクトが選択された後のクリック操作に基づいて、上記モニター画面上の2以上の表示エリアのいずれかを選択し、選択されたオブジェクトに対応するカメラと関連付けするカメラ割付手段とを備えたことを特徴とするモニター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−178007(P2010−178007A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17812(P2009−17812)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000223182)ティーオーエー株式会社 (190)
【Fターム(参考)】