説明

加圧粉体供給装置及びその運転方法

【課題】粉体を加圧して供給するロックホッパシステムにおいて、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送時に、フィードホッパから排出される粉体供給量が変動するのを抑制する。
【解決手段】ロックホッパ上部とフィードホッパ上部を連通させる第二の均圧管に開度可変バルブを設置し、フィードホッパへの粉体移送速度に応じて開度を制御する。ロックホッパ出口に開度可変バルブを設けて、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度に応じて開度を制御する。ロックホッパ下部あるいはロックホッパ下部の配管にエアレーションガス供給系を設けて、エアレーションガス量をロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度に応じて制御する。ロックホッパ下部に多段にエアレーションガスを供給できるようにし、フィードホッパへの粉体移送速度に応じて、各段からのエアレーションガスの供給間隔を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を加圧して連続的に気流搬送する加圧粉体供給装置とその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体を加圧して連続供給する方式としては、ロックホッパシステムがあり、石炭ガス化システムの石炭供給系などに適用されている(例えば、特許文献1、2参照)。このロックホッパシステムによる石炭供給の従来技術について説明する。
【0003】
ロックホッパシステムでは、粉体はフィードホッパに充填されており、フィードホッパから連続的にガス化炉へ供給される。ガス化炉は加圧で運転されるため、フィードホッパの圧力は常時、ガス化炉の圧力よりも高く維持することが、逆流防止のためには必要である。
【0004】
フィードホッパからの粉体排出量を制御するために、ロータリーバルブなどの流量調整バルブが用いられる。ロータリーバルブには溝が形成されているため、ロータリーバルブ1回転で排出される粉体量はほぼ一定である。このため、ロータリーバルブの回転数により、粉体排出量の制御が可能である。ここで、ロータリーバルブ入口と出口の差圧が変動すると、ロータリーバルブの溝に充填される粉体量が変化、あるいはロータリーバルブの隙間を通過する粉体量が変化することにより、定量性が損なわれる。そこで、フィードホッパとロータリーバルブ出口の差圧差を解消するための均圧管が設置される。
【0005】
フィードホッパは加圧状態に保つ必要があるため、フィードホッパへの粉体充填を常圧状態のホッパから行うことはできない。
【0006】
ロックホッパシステムでは、以下の手順により、フィードホッパからの供給を停止することなく、フィードホッパへ粉体を補充することが可能である。
【0007】
まず、常圧ホッパとロックホッパ間の遮断バルブが閉じられた状態で、粉体を常圧ホッパへ充填する。次に、ロックホッパが常圧であり、ロックホッパとフィードホッパ間の遮断バルブ及びロックホッパとフィードホッパをつなぐ均圧管の遮断バルブが閉じられた状態で、常圧ホッパとロックホッパ間の遮断バルブを開き、常圧ホッパからロックホッパへ粉体を移送する。移送終了後は、常圧ホッパとロックホッパ間の遮断バルブを閉じる。
【0008】
次に、ロックホッパへ加圧ガスを供給し、ロックホッパをフィードホッパと同等の圧力まで加圧する。次に、ロックホッパとフィードホッパ間の遮断バルブ及びロックホッパとフィードホッパをつなぐ均圧管の遮断バルブを開き、ロックホッパからフィードホッパへ粉体を払い出す。
【0009】
この時、フィードホッパは、粉体の充填により気体部分の容積が減少し、圧力が上昇する。一方、ロックホッパは粉体の払い出しにより気体部分の容積が増加し、圧力が低下する。ロックホッパとフィードホッパをつなぐ均圧管は、このような圧力変動を抑制するために設置されているものである。
【0010】
フィードホッパからガス化炉への石炭供給量の計測方法は、例えばフィードホッパの重量をロードセルで計測し、フィードホッパ重量の減少量から計算することができる。
【0011】
【特許文献1】特開平10−109754号公報
【特許文献2】特開平10−25483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来のロックホッパシステムでは、石炭供給量が10%程度の範囲内で変動することがある。この現象を解析した結果、主に以下の原因によることが判明した。
【0013】
ロックホッパとフィードホッパをつなぐ均圧管を設置しても、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度が急激に変化すると、フィードホッパの圧力が変動する。フィードホッパは常時、搬送先と連通状態にあるので、フィードホッパの圧力が変動すると、フィードホッパと搬送先の差圧が変動する。この差圧の変動により、フィードホッパからロータリーバルブにより排出される粉体量が変動あるいは搬送ガス量が変動するため、フィードホッパから排出される粉体供給量が大きく変動する。
【0014】
また、フィードホッパとロータリーバルブ出口の差圧を解消するための均圧管を通過するガス量が増加する。このガスに乗って粉体が下流に排出されることがあるため、瞬間的に搬送先への粉体搬送量が増加する。
【0015】
さらに、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度が速い場合には、フィードホッパに残存する粉体が、ロックホッパから落下した粉体に押しつけられ、ブリッジングが急に解消されて粉体搬送量が急増し、あるいは圧密されて粉体がブリッジングし、粉体の排出に影響を与える。
【0016】
これらの原因により、従来のロックホッパシステムでは、粉体供給量の変動幅が大きくなることがある。
【0017】
本発明の目的は、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送時に、フィードホッパから排出される粉体供給量が変動するのを抑制できるようにしたロックホッパ方式の加圧粉体供給装置及びその運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
フィードホッパから排出される粉体量が変動する要因の一つは、ロックホッパからフィードホッパへ粉体を移送する際に、粉体移送量が変動することによるフィードホッパの圧力変化である。
【0019】
ホッパからの粉体排出量は、ホッパの出口径によって決定され、ホッパの出口径が小さくなるほど粉体量は減少する。このことを元に、第一の発明では、ロックホッパ下部出口に開度可変バルブを設置し、ロックホッパからフィードホッパへ移送される粉体の速度に応じて開度可変バルブの開度を制御し、ロックホッパからフィードホッパへ移送される粉体量を一定に保つようにした。
【0020】
ロックホッパとフィードホッパを用いて粉体を加圧して気流搬送するシステムでは、ロックホッパとフィードホッパの圧力変動を抑制するために、ロックホッパ上部とフィードホッパ上部で気体を連通させる均圧管が設置されている。この均圧管のバルブが遮断されている場合、ロックホッパからフィードホッパに移送される粉体量は減少する。この原理を利用して、第二の発明では、ロックホッパ下部出口からフィードホッパ上部入口に移送される粉体の移送速度が急増した場合に、ロックホッパ上部とフィードホッパ上部で気体を連通させる均圧管に設けられているバルブを遮断して移送される粉体量を制御するようにした。
【0021】
また、その均圧管に遮断バルブに代えて開度可変バルブを設けるか、あるいは遮断バルブに加えて開度可変バルブを設けて、ロックホッパ下部出口からフィードホッパ上部入口に移送される粉体の移送速度が急増した場合に、遮断バルブは開の状態で、開度可変バルブの開度を小さくするようにした。
【0022】
また、ロックホッパシステムでは、ロックホッパの下部及びロックホッパ下部の配管に、ロックホッパ出口でのブリッジングなどの排出不良を防止するためのエアレーションガス供給ラインが設置されることがある。このエアレーションガスの量により、ロックホッパからの粉体排出速度は変化する。そこで第三の発明では、ロックホッパからフィードホッパへ移送される粉体移送速度に応じて、エアレーションガスラインから供給されるエアレーションガスの量を制御するようにした。また、エアレーションガスラインに遮断バルブを設置し、その開閉を制御するようにした。
【0023】
以上の各発明は、その複数を組み合わせて実施することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送時に、フィードホッパから排出される粉体供給量が変動するのを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明による加圧粉体供給装置及びその運転方法の具体的な構成を以下に示す。
【0026】
(1) 常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記ロックホッパの出口に開度可変バルブを備え、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記開度可変バルブの開度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする加圧粉体供給装置。
【0027】
(2) 前記(1)に記載の構成を有する加圧粉体供給装置の運転方法であって、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて、ロックホッパの出口に備えられた開度可変バルブの開度を制御することを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【0028】
この運転方法において、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度が予め設定された範囲よりも速くなったときには開度可変バルブの開度を縮小し、遅くなったときには開度可変バルブの開度を拡大することが好ましい。
【0029】
(3) 常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記第二の均圧管に備えられている前記遮断バルブを開閉する制御装置を備えたことを特徴とする加圧粉体供給装置。
【0030】
(4) 前記(3)に記載の構成を有する加圧粉体供給装置の運転方法であって、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて、第二の均圧管に備えられている遮断バルブを開閉することを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【0031】
この運転方法は、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度が予め設定された範囲よりも速くなったときに有効であり、そのときには遮断バルブを閉じるようにすることが好ましい。
【0032】
(5) 常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、前記第一の均圧管に遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記第二の均圧管に開度可変バルブもしくは開度可変バルブと遮断バルブを備え、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記第二の均圧管に設けられた前記開度可変バルブの開度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする加圧粉体供給装置。
【0033】
(6) 前記(5)に記載の構成を有する加圧粉体供給装置の運転方法であって、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて、第二の均圧管に備えられている開度可変バルブの開度を制御することを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【0034】
この運転方法では、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度が予め設定された範囲よりも速くなったときに、第二の均圧管に備えられている開度可変バルブの開度を縮小し、遅くなったときに第二の均圧管に備えられている開度可変バルブの開度を拡大することが好ましい。
【0035】
(7) 常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記ロックホッパの下部と前記ロックホッパと前記フィードホッパをつなぐ配管とにそれぞれエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段を備え、前記ロックホッパの下部に備えられる前記エアレーションガス供給手段をエアレーションガスが多段に供給されるように構成するとともに各段に通じるガス通路にそれぞれ遮断バルブを備え、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じてこれらのエアレーションガス供給手段から供給されるエアレーションガスの量と前記ロックホッパの下部に備えられた前記エアレーションガス供給手段における複数個の前記遮断バルブの開閉間隔を制御して間欠供給を行うタイミングを調整する制御装置を備えたことを特徴とする加圧粉体供給装置。
【0036】
(8) 前記(7)に記載の構成を有する加圧粉体供給装置の運転方法であって、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて、これらのエアレーションガス供給手段から供給されるエアレーションガスの量と、ロックホッパの下部に備えられたエアレーションガス供給手段における複数個の遮断バルブの開閉間隔を調整し間欠供給を行うタイミングを制御することの少なくとも1つを実行することを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【0037】
この運転方法において、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度が予め設定された範囲よりも遅くなったときには、エアレーションガス量を増加し、それでも粉体移送速度が規定値に入らない場合には、エアレーションガスのパルス供給、エアレーションガスの多段吹き込み等を行うことが好ましい。また、ロックホッパからフィードホッパへ供給される粉体の移送速度が予め設定された範囲よりも速くなったときには、エアレーションガスの量を減少させることが好ましい。
【0038】
フィードホッパからの粉体排出量は、ロックホッパからフィードホッパへ粉体が移送されない運転状態であっても変動する場合がある。このような場合に、粉体排出量の変動を抑制するのに有効な装置構成及び運転方法を以下の(9)から(12)に示す。
【0039】
(9) 常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記第一の均圧管に開度可変バルブを備え、前記流量調整バルブの単位開度あたりの払い出し量に応じて前記第一の均圧管に備えられた前記開度可変バルブの開度を制御する制御装置を備えた加圧粉体供給装置。
【0040】
(10) 前記(9)に記載の構成を有する加圧粉体供給装置の運転方法であって、流量調整バルブの単位開度あたりの払い出し量に応じて、第一の均圧管に備えられた開度可変バルブの開度を制御する加圧粉体供給装置の運転方法。
【0041】
ここで、単位開度あたりの払い出し量が変化するということは、時間当たりの粉体供給量が変化することを意味する。流量調整バルブの単位開度あたりの払い出し量が予め設定された範囲よりも多くなったならば、開度可変バルブの開度を縮小し、反対に少なくなったならば、開度可変バルブの開度を拡大する。
【0042】
(11) 常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記フィードホッパの下部にエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段を備え、前記フィードホッパと前記流量調整バルブとの配管にエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段を備え、前記フィードホッパの下部に備えられる前記エアレーションガス供給手段をエアレーションガスが多段に供給されるように構成するとともに各段に通じるガス通路にそれぞれ遮断バルブを備え、前記流量調整バルブの単位開度あたりの払い出し量に応じて前記エアレーションガス供給手段から供給されるエアレーションガスの量及び前記フィードホッパの下部に備えられた前記エアレーションガス供給手段における複数個の前記遮断バルブの開閉間隔を制御して間欠供給のタイミングを制御することの少なくとも1つを実行する制御装置を備えた粉体供給装置。
【0043】
(12) 前記(11)に記載の加圧粉体供給装置の運転方法であって、流量調整バルブの単位開度あたりの払い出し量に応じて、エアレーションガス供給手段から供給されるエアレーションガスの量及び、フィードホッパの下部に備えられている複数個の遮断バルブの開閉間隔を調整して間欠供給を行うタイミングを制御することの少なくとも1つを実行することを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【0044】
この運転方法において、流量調整バルブの単位開度当たりの払い出し量が予め設定された値よりも少なくなったときには、エアレーションガス量を増加させることが好ましく、次いでエアレーションガスをパルス供給する、エアレーションガスを多段吹込みする等の制御を行うことが好ましい。反対に流量調整バルブの単位開度当たりの払い出し量が予め設定された値よりも多くなったときには、エアレーションガス量を減少させるか、エアレーションガスの供給を停止することが好ましい。
【0045】
上記の(9)から(12)に記載の装置構成及び運転方法は、その複数個を組み合わせることが可能である。
【0046】
本発明の加圧粉体供給装置及びその運転方法は、石炭ガス化システムをはじめ、粉体を加圧して供給する各種のシステムに適用可能である。石炭ガス化システムでは、加圧下で微粉石炭をガス化する。石炭ガス化システムにおける反応炉への微粉石炭供給や、生成ガス中の未反応石炭(チャー)を生成ガスから分離し、反応炉へリサイクルする部分に対し、本発明は適用できる。
【0047】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0048】
本実施例では、ロックホッパの出口に開度可変バルブを備えた場合について、図1を用いて説明する。
【0049】
粉体は、フィードホッパ3に充填されており、フィードホッパから連続的に搬送先7に供給される。粉体の搬送先が加圧状態の場合、フィードホッパ3は常時、搬送先の圧力よりも高い状態に保持される。フィードホッパ3から粉体が排出され、フィードホッパ内の粉体のレベルが低下すると、フィードホッパ上部の圧力が低下する。
【0050】
そこで、搬送ガス11の一部を、配管27を通してフィードホッパ上部に供給し、フィードホッパ3の圧力低下を抑制する。この搬送ガス11の供給量は、フィードホッパ加圧ガス流量計13で計測し、設定した量が供給されるように、フィードホッパ加圧ガス流調バルブ47で制御する。
【0051】
フィードホッパ3からの粉体排出量を制御するために、フィードホッパ3の出口に流量調整バルブとしてロータリーバルブ43が設置される。ロータリーバルブ43の回転数により、粉体排出量の制御が可能である。ロータリーバルブ入口と出口の差圧が変動すると定量性が損なわれる。そこで、フィードホッパとロータリーバルブ出口をつなぐ第一の均圧管25を設け、遮断バルブ45を開閉制御して両者間の差圧変動を解消する。粉体排出量の測定には、例えばインパクト流量計5を用いる。
【0052】
ロータリーバルブ43から排出された粉体は、配管23を通して混合器6に送り、そこで搬送ガス11の流れに乗せ、配管28を通して下流へ搬送する。搬送ガス11の供給量は、配管26に設けられた搬送ガス流量計12で計測し、設定した量が供給されるように、搬送ガス流量調節バルブ46で制御する。
【0053】
ここで、インパクト流量計5の指示値は、インパクト流量計を通過するガスの影響を受ける。インパクト流量計5を通過するガス量は、フィードホッパ3の圧力や、搬送先7の圧力の変化に伴って増減する。そこで、インパクト流量計5の指示値は、フィードホッパ3に設置されたロードセル4で求めたフィードホッパに充填されている粉体量の単位時間あたりの変化により、粉体供給速度を求め、この値を用いて随時補正する。
【0054】
フィードホッパ3は加圧状態に保つ必要があり、フィードホッパへの粉体充填を、常圧状態のホッパからは行えない。そこで、まず、常圧ホッパ1からロックホッパ2へ通じる配管21の遮断バルブ41が閉じられた状態で、粉体を常圧ホッパ1へ充填する。次に、ロックホッパ2が常圧であり、ロックホッパからフィードホッパへ通じる配管22の遮断バルブ42及び第二の均圧管24の遮断バルブ44が閉じられた状態で、遮断バルブ41を開け、常圧ホッパ1からロックホッパ2へ粉体を移送する。移送終了後は、遮断バルブ41を閉じる。
【0055】
次に、加圧ガス14をロックホッパ2へ供給する配管29の遮断バルブ48を開き、ロックホッパ2へ加圧ガス14を供給し、ロックホッパ2をフィードホッパ3と同等の圧力まで加圧する。次に、遮断バルブ42及び第二の均圧管24の遮断バルブ44を開き、ロックホッパからフィードホッパへ粉体を払い出す。
【0056】
図7にロックホッパからフィードホッパに粉体を払い出したときの、フィードホッパのロードセルの重量変化W、フィードホッパと搬送先の差圧である搬送差圧ΔPと粉体供給量Fの経時変化を示す。
【0057】
この時、フィードホッパ3は、粉体の充填により気体部分の容積が減少し、圧力が上昇する。一方、ロックホッパ2は粉体の払い出しにより気体部分の容積が増加し、圧力が低下する。第二の均圧管24は、このような圧力変動を抑制するために設置されている。
【0058】
しかし、第二の均圧管24を設置しても、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度が急激に変化すると、フィードホッパの圧力が変動する。フィードホッパは常時、搬送先と連通状態にあるので、フィードホッパの圧力が変動すると、フィードホッパと搬送先の差圧が変動する(図7中の搬送差圧)。この差圧の変動により、フィードホッパからロータリーバルブ43により排出される粉体量が変動あるいは搬送ガス量が変動し、これにより、フィードホッパから排出される粉体供給量が大きく変動することがある(図7中の粉体供給量)。この差圧の変動は、インパクト流量計5による粉体供給量計測の誤差発生要因となる。
【0059】
また、第一の均圧管25を通過するガス量が増加し、このガスに乗って粉体が下流に排出されることがあるため、瞬間的に搬送先への粉体搬送量が増加することがある。
【0060】
さらに、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度が速い場合、フィードホッパに残存する粉体が、ロックホッパから落下した粉体に押しつけられ、ブリッジングが急に解消されて粉体搬送量が急増あるいは圧密されて粉体がブリッジングしやすくなり、粉体の排出に影響を与える。
【0061】
これらの問題を解決するために、本実施例では、ロックホッパ下部とフィードホッパ入口をつなぐ配管22に開度可変バルブ55を設置する。また、この開度可変バルブ55の開度を制御する制御装置8を設置する。この制御装置8には、フィードホッパ3に設置されたロードセル4の値とインパクト流量計5で計測されたフィードホッパからの粉体供給量が入力されるようにする。ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度は、フィードホッパに設置されたロードセル4による粉体重量の単位時間あたりの増加量に、インパクト流量計5で計測される単位時間あたりのフィードホッパからの粉体排出量を加算することで求められる。
【0062】
このようにして求めたロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度が一定或いはほぼ一定になるように、制御装置8において開度可変バルブ55の開度設定値を求め、開度可変バルブ55の開度を制御する。この操作により図8に示したように、ロックホッパからフィードホッパへの払い出し時でも、搬送差圧(またはフィードホッパの圧力)の変動も無く、粉体供給量の変動が抑制された。
【0063】
本実施例によれば、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度が一定或いはほぼ一定に保たれるため、ロックホッパとフィードホッパの圧力変動が発生せず、また、ロックホッパからフィードホッパへ落下した粉体により、フィードホッパに残存している粉体が押しつけられて、粉体の流動特性が変化するようなことが起きない。本実施例によれば、フィードホッパからの粉体供給量の変動を±3%以内に抑えることが可能である(図8)。
【実施例2】
【0064】
この実施例では、フィードホッパとロックホッパをつなぐ第二の均圧管24の遮断バルブ44を、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度に応じて制御した場合について、図3を用いて説明する。本実施例の装置構成は、ロックホッパ出口に開度可変バルブ55が設けられておらず、また、その制御装置が設けられていない点を除けば、実施例1と同様である。
【0065】
第二の均圧管24は、ロックホッパ2とフィードホッパ3の圧力変動を抑制するための配管である。この第二の均圧管の遮断バルブ44が遮断されている場合と、開かれている場合とで、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度を比較すると、遮断バルブ44が開かれている場合の方が速い。圧力変動は、ロックホッパ2からフィードホッパ3への粉体移送速度が速い場合に発生するので、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度を監視し、移送速度が規定値以上になった場合には、遮断バルブ44を閉止する。
【0066】
この制御のために制御装置8を設置する。この制御装置8には、フィードホッパに設置されたロードセル4の値とインパクト流量計5で計測されたフィードホッパからの粉体供給量が入力される。これらの値を用い、制御装置8では、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度を計算する。この値を圧力変動抑制のための規定値と比較し、第二の均圧管24に備えられた遮断バルブ44の開閉指令を出す。
【0067】
本実施例では、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度が一定或いはほぼ一定に保たれるため、フィードホッパからの粉体供給量変動が抑えられる。粉体供給量の変動は±3%以下に抑えることが可能である。
【実施例3】
【0068】
実施例2は、第二の均圧管24に設けられている遮断バルブ44を、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送量に応じて開閉する例であるが、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度をきめ細かく制御するためには、第二の均圧管24に開度可変バルブを設けることが望ましい。この例を図4により説明する。本実施例の装置構成は、第二の均圧管24に開度可変バルブ49を設け、更に制御装置8をロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度に基づいて開度可変バルブ49の開度を制御するようにした点を除けば、実施例2と同様である。
【0069】
図4に示す本実施例の装置構成において、第二の均圧管24には、遮断バルブ44に加えて開度可変バルブ49が設置されている。遮断バルブ44を省略することも可能であるが、一般に開度可変バルブは遮断性能が劣るので、両方のバルブを備えることが望ましい。本実施例の場合、制御装置8は、計算されたロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度に応じて、開度可変バルブ49に対し開度指令を出す。
【0070】
本実施例により、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度を一定に保つことができ、フィードホッパからの粉体供給量の変動を抑制でき、変動幅を±3%以下に抑えることが可能である。
【実施例4】
【0071】
ロックホッパ下部及びロックホッパ出口の配管にエアレーションガスを供給し、その供給量を制御してロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度を一定に保つ実施例について、図5により説明する。
【0072】
ロックホッパ2の下部あるいは、ロックホッパとフィードホッパをつなぐ配管22には、エアレーション配管30が設置されており、エアレーションガス15が供給される。エアレーション配管30は、ロックホッパ2の下部にエアレーションガスを供給する複数個のエアレーションガス供給口を有し、それらのエアレーションガス供給口につながるガス通路にそれぞれ遮断バルブ52a,52b,52cを有する。これらの遮断バルブは数秒間隔で同時に開閉操作を行い,エアレーションガス15を間欠供給する。これは、ロックホッパ2での粉体のブリッジングなどを防止し、ロックホッパ2からフィードホッパ3への粉体の払い出しを円滑にするためである。
【0073】
エアレーションガスの供給量及び遮断バルブ52a、52b、52cの開閉間隔によるエアレーションガス15の間欠供給によって、ロックホッパ2からフィードホッパ3への粉体移送速度が変化する。本実施例ではこれを利用する。
【0074】
このために制御装置8を設置する。この制御装置8には、フィードホッパ3に設置されたロードセル4の値とインパクト流量計5で計測されたフィードホッパからの粉体供給量が入力される。これら値を用い、制御装置8では、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度を計算する。この値に応じて、エアレーション配管30に設置されたエアレーション流量調節バルブ51a、51bを制御する。また、遮断バルブ52a,52b,52cの開閉間隔を制御する。
【0075】
本実施例により、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度を一定に保つことができる。このため、フィードホッパからの粉体供給量の変動を抑制できる。粉体供給量の変動幅は、±3%以下に抑えることが可能である。
【0076】
なお、本実施例では、ロックホッパ下部と配管22の両方にエアレーションガスを供給したが、ロックホッパの下部のみでもよい。
【実施例5】
【0077】
本実施例では、第二の均圧管24に設置された開度可変バルブ49を用いてロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度を制御する実施例3と、ロックホッパ2の下部及びロックホッパとフィードホッパをつなぐ配管22へ供給するエアレーションガスを制御する実施例4とを組み合わせた。本実施例の装置構成を図2に示す。
【0078】
制御装置8には、フィードホッパに設置されたロードセル4の値とインパクト流量計5で計測されたフィードホッパからの粉体供給量が入力される。この値に応じて、制御装置8で(A)第二の均圧管24に設置した開度可変バルブ49の開度、(B)エアレーション流量調節バルブ51a、51bの開度、(C)遮断バルブ52a、52b、52cの開閉間隔を計算し、指令を変更する。
【0079】
開度可変バルブ49の開閉指令と、エアレーション流量調節バルブ51a,51bの開度指令及び遮断バルブ52a,52b,52cの開閉間隔指令は、(A)(B)(C)同時に指令を変更する方法と、(A)の次に(B)、その次に(C)と段階的に動かす方法等がある。それでもなお、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度が規定値に制御できなかった場合には、(A)(B)(C)の順序を組み替えることが望ましい。
【0080】
本実施例では、複数の方法を組み合わせることにより、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送速度の制御に対する信頼性が向上する。また、複数の方法を組み合わせることで、きめ細かな制御が可能であり、フィードホッパからの粉体供給量を±3%以下に抑えることが可能である。
【実施例6】
【0081】
本実施例では、通常運転時における石炭供給量の変動を抑制する運転方法について、図6を用いて説明する。通常運転時とは、ロックホッパからフィードホッパへの粉体移送がないときの運転状態のことである。この様な運転状態でも、フィードホッパからの粉体供給量が変動する場合がある。
【0082】
この場合には、フィードホッパ3とロータリーバルブ43の出口の圧力差を解消する第一の均圧管25に開度可変バルブを設けて、その開度をロータリーバルブ43の単位開度あたりの払い出し量に応じて変更する。あるいは、フィードホッパ3の下部及びフィードホッパとロータリーバルブ43との間を結ぶ配管に実施例5と同様のエアレーションガス供給手段を設けて、同様のエアレーションガス供給制御を行う。
【0083】
なお、説明を省略したが、図2には、フィードホッパ43の下部及びフィードホッパとロータリーバルブ43との間を結ぶ配管にエアレーションガス供給手段が備えられているものを示した。また、図5には、エアレーションガス15をロックホッパ側のエアレーションガス供給手段に送るとともに、フィードホッパ側のエアレーションガス供給手段にも送るようにし、さらに制御装置8で両方のエアレーションガス供給手段を制御するようにしたものを示した。
【0084】
図6において、フィードホッパ3とロータリーバルブ43の出口の圧力差を解消する第一の均圧管25には開度可変バルブ50が設置されており、そのバルブの開度は制御装置9で制御されるようになっている。また、フィードホッパ3の下部及びフィードホッパとロータリーバルブ43との間を結ぶ配管56に、ロックホッパ側と同様の構成を有するエアレーションガス供給系統が備えられている。
【0085】
フィードホッパ側のエアレーションガス供給系統は、フィードホッパ3の下部及び配管56へ供給するエアレーションガスの流量調節バルブ53a、53bと、フィードホッパ3の下部に供給する複数個のエアレーション供給口に設置した遮断バルブ54a,54b,54cと、前記フィードホッパの出口の配管56にエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段を有する。
【0086】
制御装置9は、これらのエアレーションガスの量及びエアレーションガスを間欠的に供給せしめる遮断バルブ54a,54b,54cの開閉間隔を制御するとともに、開度可変バルブ50の開度を制御する。
【0087】
制御装置9には、フィードホッパに設置されたロードセル4の値とインパクト流量計5で計測されたフィードホッパからの粉体供給量が入力される。特に流量調整バルブ53a,53bの単位開度あたりの払い出し量を基準にする。この値に応じて、第一の均圧管に設置した開度可変バルブ50の開度と、エアレーションガスの流量調節バルブ53a,53bの開度と、遮断バルブ54a,54b,54cの開閉間隔を計算する。開度可変バルブ50の開度指令とエアレーションガスの流量調節バルブ53a,53bの開度指令及び遮断バルブ54a,54b,54cの開閉間隔指令は、同時に指令を変更してもよいし、段階的に動かしてもよい。ロックホッパからフィードホッパへの移送速度が規定値に制御できない場合は、その組み合わせを適宜変更する。
【0088】
本実施例では、複数の方法を組み合わせることにより、フィードホッパから排出する粉体量の制御に対する信頼性が向上する。また、複数の方法を組み合わせることで、きめ細かな制御が可能であり、フィードホッパからの粉体供給量を±3%以下に抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】ロックホッパ出口の開度可変バルブの開度を制御するようにした本発明の実施例に係る加圧粉体供給装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例に係る加圧粉体供給装置の構成図である。
【図3】ロックホッパとフィードホッパの圧力差を解消する均圧管の遮断バルブを開閉制御する本発明の実施例に係る加圧粉体供給装置の構成図である。
【図4】ロックホッパとフィードホッパの圧力差を解消する均圧管に開度可変バルブを設けて、その開度を制御する本発明の実施例に係る加圧粉体供給装置の構成図である。
【図5】エアレーションガス供給手段を備えた本発明の実施例に係る加圧粉体供給装置の構成図である。
【図6】エアレーションガス供給手段を備えた別の実施例に係る加圧粉体供給装置の構成図である。
【図7】ロックホッパからフィードホッパに粉体を払い出したときの、フィードホッパのロードセルの重量変化、搬送差圧と粉体供給量の経時変化を示す図である。
【図8】ロックホッパからフィードホッパへの粉体払い出し時のホッパ重量、粉体供給量、搬送差圧の経過変化を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
1…常圧ホッパ、2…ロックホッパ、3…フィードホッパ、4…ロードセル、5…インパクト流量計、6…混合器、7…搬送先、8…制御装置、9…制御装置、11…搬送ガス、14…加圧ガス、15…エアレーションガス、22…配管、23…配管、24…第二の均圧管、25…第一の均圧管、41…遮断バルブ、42…遮断バルブ、43…ロータリーバルブ、44…遮断バルブ、45…遮断バルブ、49…開度可変バルブ、50…開度可変バルブ、51a,51b…エアレーションガス流量調節バルブ、52a,52b,52c…遮断バルブ、53a,53b…エアレーションガス流量調節バルブ、54a,54b,54c…遮断バルブ、55…開度可変バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記ロックホッパの出口に開度可変バルブを備え、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記開度可変バルブの開度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする加圧粉体供給装置。
【請求項2】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記ロックホッパの出口に開度可変バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置の運転方法であって、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記開度可変バルブの開度を制御するようにしたことを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【請求項3】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記第二の均圧管に備えられている前記遮断バルブを開閉する制御装置を備えたことを特徴とする加圧粉体供給装置。
【請求項4】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置の運転方法であって、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記第二の均圧管に備えられている前記遮断バルブを開閉するようにしたことを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【請求項5】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、前記第一の均圧管に遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記第二の均圧管に開度可変のバルブもしくは開度可変のバルブと遮断バルブを備え、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記第二の均圧管に備えられた前記開度可変のバルブの開度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする加圧粉体供給装置。
【請求項6】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、前記第一の均圧管に遮断バルブが備えられ、前記第二の均圧管に開度可変のバルブもしくは開度可変のバルブと遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置の運転方法であって、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて前記第二の均圧管に備えられている前記開度可変のバルブの開度を制御するようにしたことを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【請求項7】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記ロックホッパの下部と、前記ロックホッパと前記フィードホッパをつなぐ配管とにそれぞれエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段を備え、前記ロックホッパの下部の前記エアレーションガス供給手段をエアレーションガスが多段に供給されるように構成するとともに各段に通じるガス通路にそれぞれ遮断バルブを備え、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じてこれらのエアレーションガス供給手段から供給されるエアレーションガスの量と前記ロックホッパの下部に設けられた前記エアレーションガス供給手段に備えられた複数個の前記遮断バルブの開閉間隔を調整して間欠供給のタイミングを制御する制御装置を備えたことを特徴とする加圧粉体供給装置。
【請求項8】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記ロックホッパの下部と、前記ロックホッパと前記フィードホッパをつなぐ配管とにそれぞれエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段が備えられ、前記ロックホッパの下部の前記エアレーションガス供給手段がエアレーションガスを多段に供給するように構成されるとともに各段に通じるガス通路にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置の運転方法であって、前記ロックホッパから前記フィードホッパへ供給される粉体の移送速度に応じて、前記ロックホッパの下部及び前記ロックホッパと前記フィードホッパをつなぐ配管に備えられた前記エアレーションガス供給手段から供給されるエアレーションガスの量と、前記ロックホッパの下部に備えられた前記エアレーションガス供給手段における複数個の前記遮断バルブの開閉間隔を調整して間欠供給のタイミングを制御することの少なくとも1つを実行することを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。
【請求項9】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置において、前記第一の均圧管に開度可変バルブを備え、前記フィードホッパの下部にエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段を備え、前記フィードホッパと前記流量調整バルブとの間の配管にエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段を備え、前記フィードホッパの下部に備えられる前記エアレーションガス供給手段をエアレーションガスが多段に供給されるように構成するとともに各段に通じるガス通路にそれぞれ遮断バルブを備え、前記流量調整バルブの単位開度あたりの払い出し量に応じて前記第一の均圧管に備えられた前記開度可変バルブの開度と、前記エアレーションガス供給手段から供給されるエアレーションガスの量及び前記フィードホッパの下部に備えられた前記エアレーションガス供給手段における複数個の前記遮断バルブの開閉間隔制御の少なくとも1つを制御する制御装置を備えたことを特徴とする粉体供給装置。
【請求項10】
常圧ホッパとロックホッパ及びフィードホッパが遮断バルブを介して順次に接続され、前記フィードホッパが粉体搬送先の機器と配管によって接続され、その配管に粉体排出量を調整する流量調整バルブが備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブの出口の圧力差を解消する第一の均圧管と前記フィードホッパと前記ロックホッパの圧力差を解消する第二の均圧管が備えられ、それらの均圧管にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記第一の均圧管に開度可変バルブが備えられ、前記フィードホッパの下部にエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段が備えられ、前記フィードホッパと前記流量調整バルブとの間の配管にエアレーションガスを供給するエアレーションガス供給手段が備えられ、前記フィードホッパの下部に備えられる前記エアレーションガス供給手段がエアレーションガスを多段に供給するように構成されるとともに各段に通じるガス通路にそれぞれ遮断バルブが備えられ、前記流量調整バルブを出た粉体に搬送ガスを混合する混合器が備えられている気流搬送方式の加圧粉体供給装置の運転方法であって、前記流量調整バルブの単位開度あたりの払い出し量に応じて前記第一の均圧管に備えられた前記開度可変バルブの開度と、前記エアレーションガス供給手段から供給されるエアレーションガスの量及び前記フィードホッパの下部に備えられた複数個の前記遮断バルブの開閉間隔を調整して間欠供給を行うタイミングを制御することの少なくとも1つを実行することを特徴とする加圧粉体供給装置の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−256090(P2009−256090A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110404(P2008−110404)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度〜20年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、多目的石炭ガス製造技術開発(EAGLE)/パイロット試験設備およびゼロエミッション化技術に関する研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社 (683)
【出願人】(000217686)電源開発株式会社 (207)
【Fターム(参考)】