加工プログラム生成装置、加工方法、及びプログラム
【課題】 段取りの修正のみでは補正しきれない誤差量を補正して加工精度を向上させる。
【解決手段】 加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出し(S105)、当該加工非球面の研削加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を当該加工誤差量に基づいて算出し(S107)、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、当該加工誤差量及び当該段取り誤差量に基づいて生成し(S109)、当該数値制御装置で当該数値制御プログラムを実行させることによって、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた(S110)当該加工機に前記加工非球面の研削加工を行わせる(S103)。
【解決手段】 加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出し(S105)、当該加工非球面の研削加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を当該加工誤差量に基づいて算出し(S107)、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、当該加工誤差量及び当該段取り誤差量に基づいて生成し(S109)、当該数値制御装置で当該数値制御プログラムを実行させることによって、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた(S110)当該加工機に前記加工非球面の研削加工を行わせる(S103)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加工技術に関し、特に、加工面の加工精度を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年生産される光学素子等の超精密部品には、更なる高精度な光学上の偏芯精度が要求されている。
形状精度の優れた回転軸対称曲面を形成する技術に関し、例えば特許文献1には、被加工面に常に垂直に当接するように工具姿勢を制御しつつ、自転運動させている被加工物の自転軸を工具原点とする所定の工具軌跡に沿って工具を相対移動させ、当該工具によって当該被加工物に回転軸対称曲面を加工する方法において、1回の加工を実行した後、被加工物の加工面形状を測定し、この加工面形状誤差が目標値以下であれば加工を終了し、目標値以上であれば当該加工面形状誤差に基づいて、工具原点設定誤差、工具の取り付け誤差、及び工具姿勢の原点設定誤差を演算し、この演算結果によって工具原点、工具の取り付け、及び工具姿勢原点を修正し、このように修正した工具軌跡に沿って工具を相対移動させながら当該工具によって次回の加工を実施するという操作を繰り返すことにより、高精度な形状の加工面を得るという技術が開示されている。
【特許文献1】特開平6−134653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
被加工物の理想曲面との誤差量は、工具原点設定誤差、工具の取り付け誤差、及び工具姿勢の原点設定誤差といった工具等の段取りに起因するもののみに限られるものではなく、この他にも、加工機の直動軸の真直度や回転軸の回転誤差によるものも含まれる。更に、被加工物の加工は、理論上では工具先端の1点で行うことを前提としているが、実際の加工においては、工具先端の円弧で行われるものであるため、工具形状が影響を及ぼすことがあり得る。
【0004】
前述した特許文献1に開示されている技術においては重回帰分析法を用いて誤差量の解析を行っているが、上述した理由により、この分析手法では解析不能の誤差量が発生する場合や、修正不能の解析結果を得る場合もあり得るため、工具原点設定、工具の取り付け誤差、及び工具姿勢の原点設定誤差のみを修正しても目標形状への加工ができない場合が生じ得る。
【0005】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、段取りの修正のみでは補正しきれない誤差量を補正して加工精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様のひとつである加工プログラム生成装置は、加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出する加工誤差量算出手段と、当該加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を当該加工誤差量に基づいて算出する段取り誤差量算出手段と、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、当該加工誤差量及び当該段取り誤差量に基づいて生成する数値制御プログラム生成手段と、を有することを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。
【0007】
なお、上述した本発明に係る加工プログラム生成装置において、当該数値制御プログラム生成手段は、当該加工誤差量と当該段取り誤差量との差分に相当する分の当該加工非球面に対する加工を当該加工機に行わせるための当該数値制御プログラムを作成するように構成してもよい。
【0008】
なお、加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出する加工誤差量算出処理と、当該加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を当該加工誤差量に基づいて算出する段取り誤差量算出処理と、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、当該加工誤差量及び当該段取り誤差量に基づいて生成する数値制御プログラム生成処理と、をコンピュータに行わせるためのプログラムについても本発明に係るものであり、当該プログラムを実行するコンピュータが、前述した加工プログラム生成装置と同様の作用・効果を奏する結果、前述した課題が解決される。
【0009】
なお、上述した本発明に係るプログラムにおいて、当該数値制御プログラム生成処理は、当該加工誤差量と当該段取り誤差量との差分に相当する分の当該加工非球面に対する加工を当該加工機に行わせるための当該数値制御プログラムの作成を当該コンピュータに行わせるものであってもよい。
【0010】
また、本発明の別の態様のひとつである加工方法は、加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出し、当該加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を当該加工誤差量に基づいて算出し、当該取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、当該加工誤差量及び当該段取り誤差量に基づいて生成し、当該数値制御装置で当該数値制御プログラムを実行させることによって、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機に当該加工非球面の加工を行わせる、ことを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。
【0011】
なお、上述した本発明に係る加工方法において、当該数値制御プログラムの生成では、当該加工誤差量と当該段取り誤差量との差分に相当する分の当該加工非球面に対する加工を当該加工機に行わせるための数値制御プログラムを作成する、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以上のようにすることにより、段取りの修正のみでは補正しきれない誤差量の補正が可能となり、加工精度が向上するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
まず、本実施例の構成について、図1及び図2を用いて説明する。なお、図1は、本実施例に係る加工装置(加工機)の構成を示す上面図である。図2は、図1に構成を示した加工装置における研削砥石の工具原点設定時の誤差(以下、「芯ずれ」と称し、記号「Δ
S」で表わす)、回転軸中心と砥石加工点とのX軸方向誤差(以下、「たおれ」と称し、記号「ΔT」で表わす)、及び回転軸中心と砥石加工点とのZ軸方向誤差(以下、「きり
こみ」と称し、記号「ΔK」で表わす)を示す略図である。
【0015】
図1に示す加工装置において、主軸2は、図示していない直動2軸(以下、2軸のうちの主軸の方向をZ軸とし、主軸に直交する方向をX軸とする)に設置されており、数値制御で直動することができる。主軸2の先端には、冶具を介して非球面加工対象物であるワーク1を取り付けることができ、主軸2を回転させるとワーク1を回転動作させることができる。
【0016】
砥石3は砥石スピンドル4の先端に取り付けられており、砥石スピンドル4を回転させると砥石3を回転動作させることができる。砥石3を回転させながらその先端をワーク1に対して当接させることにより、回転対称物の研削加工を行うことができる。なお、砥石スピンドル4は、回転軸テーブル5上に設置されており、回転軸(以下、この回転軸をB軸とする)の動作により回転動作させることができる。
【0017】
図1に示した加工装置におけるZ軸及びX軸である直動2軸とB軸である回転1軸とからなる3軸は、数値制御装置(以下、「NC装置」と称することとする)により同期動作させることができる。なお、非球面加工ではこの3軸を同期動作させて加工を行う。
【0018】
非球面補正加工プログラム作成装置は、上述した加工装置を制御するNC装置で実行される、数式で表される非球面形状の数値制御プログラム(以下、「NCプログラム」と称することとする)を作成することができる装置である。
【0019】
なお、非球面補正加工プログラム作成装置の実体は、例えばごく標準的な構成のコンピュータ、すなわち、すなわち、制御プログラムを実行することで各構成要素を制御するCPU(中央演算装置)と、ROMやRAM及び磁気記憶装置などからなり、CPUに各構成要素を制御させる制御プログラムの記憶やCPUが制御プログラムを実行する際のワークエリアあるいは各種データの記憶領域として使用される記憶部と、ユーザによる操作に対応する各種のデータが取得される入力部と、ディスプレイなどに各種のデータを提示してユーザに通知する出力部と、他の機器とのデータ授受のためのインタフェース機能を提供するI/F部とを備えるコンピュータであり、後述するような処理を行わせるプログラムを作成してこのコンピュータのCPUで実行させることによって実現される。
【0020】
なお、このようなプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録させておき、そのプログラムを記録媒体からコンピュータに読み出させて実行させるようにしてもよい。
【0021】
記録させたプログラムをコンピュータで読み取ることの可能な記録媒体としては、例えば、コンピュータに内蔵若しくは外付けの付属装置として備えられるRAM若しくはROM又はハードディスク装置などのメモリ、あるいはFD(フレキシブルディスク)、MO(光磁気ディスク)、CD−ROM、DVD−ROMなどといった可搬型記録媒体等が利用できる。
【0022】
また、記録媒体は回線を介してコンピュータと接続される、プログラムサーバとして機能するコンピュータが備えている記憶装置であってもよい。この場合には、プログラムを表現するデータ信号で搬送波を変調して得られる伝送信号を、プログラムサーバから伝送媒体である回線を通じて伝送するようにし、コンピュータでは受信した伝送信号を復調してプログラムを再生することで当該プログラムを実行できるようになる。
【0023】
図1の加工装置で補正加工を行わない場合、NC装置で実行させるNCプログラムは、
【0024】
【数1】
【0025】
の演算により生成される。
ここで、F(X)は加工形状を表わす関数であり、F'(X)は一次導関数である。
非球面補正加工プログラム作成装置は、加工を終えた非球面形状データを計測装置(不図示)にて読み取ることができ、また、読み取ったデータから理想形状に対する誤差量(加工誤差量)を解析することができる。更に、非球面補正加工プログラム作成装置は、その誤差量をZ軸方向にシフトさせたNCプログラムを作成することができる。すなわち、非球面補正加工プログラムは、加工誤差量算出手段と、誤差量算出手段と、数値制御プログラム算出手段と、を有している。
【0026】
図1の加工装置において、ワーク1及び砥石3は、図2に示すように、砥石3の加工点がB軸回転中心6に存在し、且つB軸回転中心6と主軸回転中心10とが同一軸上に存在するように設置することが理想ではあるが、実際の設置作業では、図2において網掛けを付したワーク1’や砥石3’のように、ずれが生じ得る。
【0027】
このずれにおいて、B軸回転中心6と主軸回転中心10とのずれ量は、一般的には「芯ずれ」と呼ばれるものである。本実施例においては、この図2における芯ずれ9を「ΔS
」と表現している。
【0028】
また、B軸回転中心6と砥石3の加工点とのX軸方向のずれ量は、一般的には「たおれ」と呼ばれるものである。本実施例においては、この図2におけるたおれ8を「ΔT」と
表現している。
【0029】
また、B軸回転中心6と砥石3の加工点とのZ軸方向のずれ量は、一般的には「きりこみ」と呼ばれるものである。本実施例においては、この図2におけるきりこみ7を「ΔK
」と表現している。
【0030】
なお、本実施例における回転対称曲面の加工法は、「パラレル研削法」と一般的に呼ばれているものである。
次に、上述した加工装置を使用して行う、回転対称物の研削加工作業の流れを、図3に示す作業流れ図に沿って説明する。
【0031】
まず、S101において、砥石3の加工点がB軸回転中心6に位置するように、砥石3及び砥石スピンドル4を回転軸テーブル5上に設置し、B軸回転中心6と主軸回転中心10とが一致するように加工装置を設定する。更に、主軸2にワーク1を取り付ける。そして、主軸2及び砥石スピンドル4を回転させると、砥石3が回転し、ワーク1も主軸回転中心10を中心として回転する。
【0032】
次に、S102において、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置に、目標とする理想形状である加工面形状、すなわち回転軸対称曲面形状関数Z=F(X)を入力してNCプログラムを作成する処理を行わせる。なお、本実施例では、偶数次のみの20次ゼルニケ多項式、すなわち、
【0033】
【数2】
【0034】
を使用し、上式に対して図4に例示する表示画面のように各係数を設定することにより、図5に例示するような加工点の算出が行われ、この算出結果に基づいて図6に例示するようなNCプログラムが作成される。なお、上式において、Rは曲率、Kは円錐定数、Cl〜C20は非球面係数である。
【0035】
S103では、前ステップでの作業によって作成されたNCプログラムをNC装置で実行させて軸対称の非球面研削加工を加工装置に行わせる。
S104では、計測装置を用いて研削後のワーク1の計測を行い、加工後の非球面形状データを取得する。そして、続くS105において、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置は、この計測結果を取得し、図7にグラフ化して例示するように、計測結果が有している、理想形状に対する誤差量(加工誤差量)を算出する。
【0036】
ここで、S106において、算出した加工誤差量が規定値以内に収まっているか否かを判定し、収まっていると判定したとき(判定結果がYesのとき)には、加工作業を終了する。
【0037】
一方、S106において、算出した加工誤差量が規定値以内に収まっていないと判定したとき(判定結果がNoのとき)には、S107において、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置で、算出された加工誤差量に基づいて段取り誤差の算出を行う。なお、段取り誤差は、幾何学的手法により導いた下式を用い、重回帰分析手法により算出する。
【0038】
【数3】
【0039】
なお、上式において、dzはX座標値がxであるときにおける理想形状との加工誤差量であり、w1は定数である。
S108では、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置は、S105の手順によって取得された理想形状に対する加工誤差量と、S107の手順によって算出された段取り誤差の誤差量との差を算出し、例えば、工具原点、工具の取り付け、及び工具姿勢原点の修正といった、段取りの修正を行った場合に予測される当該修正後における理想形状からの誤差量を取得するシミュレーションを行う。このシミュレーション結果の例を図8に示す。
【0040】
S109では、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置は、前ステップの手順により得られた段取り修正後の誤差量を各X座標値でZ軸方向(誤差量が減少する方向)に移動させたNCプログラムを作成する。そして、続くS110において、S108で算出した段取り誤差量に相当する分の段取りの修正を加工装置に対して実際に行い、その後は上述したS103以降の作業手順を繰り返す。
【0041】
回転対称非球面補正加工プログラム作成装置を用いて以上の手順の作業を行うことにより、段取り誤差の修正のみでは補正しきれない誤差量が補正され、高精度な非球面形状の加工物を得ることができる。
【実施例2】
【0042】
本実施例の構成について、図9、図10、及び図11を用いて説明する。なお、図9は、本実施例に係る加工装置(加工機)の構成を示す上面図である。図10は、図9に示した加工装置の正面図である。また、図11は、図9及び図10に構成を示した加工装置において発生する段取り誤差を示す略図である。これらの各図において、図1若しくは図2に表わされているものと同一の構成要素には同一の符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施例が前述した実施例1と異なっている点は、砥石スピンドル4を回転軸テーブル5上に45°の傾斜角度で取り付ける点である。なお、本実施例における回転対称曲面の加工法は、「クロス研削法」と一般的に呼ばれているものである。
【0044】
上述した本実施例の構成においても、図3に示した実施例1と同様の手順により回転対称物の研削加工作業を行うことにより、実施例1と同様、高精度な回転対称非球面形状を得ることができる。
【実施例3】
【0045】
本実施例の構成について、図12、図13、及び図14を用いて説明する。なお、図12は、本実施例に係る加工装置(加工機)の構成を示す上面図である。図13は、図12に示した加工装置の正面図である。また、図14は、図12及び図13に構成を示した加工装置において発生する段取り誤差を示す略図である。これらの各図において、図1若しくは図2に表わされているものと同一の構成要素には同一の符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0046】
本実施例が前述した実施例1と異なっている点は、加工工具を切削バイト12とし、回転軸テーブル5上に設置した刃物台11に切削バイト12を設置して旋削加工を行う点である。なお、図14において、網掛けが付されている切削バイト12’は、理想の設置位置である切削バイト12に対してずれが生じている状態を示している。
【0047】
上述した本実施例の構成においても、図3に示した実施例1と同様の手順により回転対称物の研削加工作業を行うことにより、実施例1と同様、高精度な回転対称非球面形状を得ることができる。
【0048】
以上のように、上述したいずれの実施例によっても、段取り誤差の修正後にも残存する誤差を補正する加工を加工装置に行わせるNCプログラムが作成されるので、高精度の軸対称非球面を得ることができる。
【0049】
なお、上述したような非球面加工としては、具体的に研削加工や切削加工等が挙げられる。
その他、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1に係る加工装置の構成を示す上面図である。
【図2】図1に構成を示した加工装置における研削砥石の芯ずれ、たおれ、及びきりこみを示す略図である。
【図3】研削加工作業の流れを示す流れ図である。
【図4】加工面形状を表わす形状関数へ定数を入力する画面の例を示す図である。
【図5】加工点の算出例を示す図である。
【図6】NCプログラムの作成例を示す図である。
【図7】加工誤差量の算出結果をグラフで示した図である。
【図8】段取り修正後に予測される理想形状からの誤差量のシミュレーション結果の例を示す図である。
【図9】実施例2に係る加工装置の構成を示す上面図である。
【図10】実施例2に係る加工装置の構成を示す正面図である。
【図11】実施例2に係る加工装置において発生する段取り誤差を示す略図である。
【図12】実施例3に係る加工装置の構成を示す上面図である。
【図13】実施例3に係る加工装置の構成を示す正面図である。
【図14】実施例3に係る加工装置において発生する段取り誤差を示す略図である。
【符号の説明】
【0051】
1、1’ ワーク
2 主軸
3、3’ 砥石
4 砥石スピンドル
5 回転軸テーブル
6 B軸回転中心
7 きりこみ(ΔK)
8 たおれ(ΔT)
9 芯ずれ(ΔS)
10 主軸回転中心
11 刃物台
12、12’ 切削バイト
【技術分野】
【0001】
本発明は加工技術に関し、特に、加工面の加工精度を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年生産される光学素子等の超精密部品には、更なる高精度な光学上の偏芯精度が要求されている。
形状精度の優れた回転軸対称曲面を形成する技術に関し、例えば特許文献1には、被加工面に常に垂直に当接するように工具姿勢を制御しつつ、自転運動させている被加工物の自転軸を工具原点とする所定の工具軌跡に沿って工具を相対移動させ、当該工具によって当該被加工物に回転軸対称曲面を加工する方法において、1回の加工を実行した後、被加工物の加工面形状を測定し、この加工面形状誤差が目標値以下であれば加工を終了し、目標値以上であれば当該加工面形状誤差に基づいて、工具原点設定誤差、工具の取り付け誤差、及び工具姿勢の原点設定誤差を演算し、この演算結果によって工具原点、工具の取り付け、及び工具姿勢原点を修正し、このように修正した工具軌跡に沿って工具を相対移動させながら当該工具によって次回の加工を実施するという操作を繰り返すことにより、高精度な形状の加工面を得るという技術が開示されている。
【特許文献1】特開平6−134653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
被加工物の理想曲面との誤差量は、工具原点設定誤差、工具の取り付け誤差、及び工具姿勢の原点設定誤差といった工具等の段取りに起因するもののみに限られるものではなく、この他にも、加工機の直動軸の真直度や回転軸の回転誤差によるものも含まれる。更に、被加工物の加工は、理論上では工具先端の1点で行うことを前提としているが、実際の加工においては、工具先端の円弧で行われるものであるため、工具形状が影響を及ぼすことがあり得る。
【0004】
前述した特許文献1に開示されている技術においては重回帰分析法を用いて誤差量の解析を行っているが、上述した理由により、この分析手法では解析不能の誤差量が発生する場合や、修正不能の解析結果を得る場合もあり得るため、工具原点設定、工具の取り付け誤差、及び工具姿勢の原点設定誤差のみを修正しても目標形状への加工ができない場合が生じ得る。
【0005】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、段取りの修正のみでは補正しきれない誤差量を補正して加工精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様のひとつである加工プログラム生成装置は、加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出する加工誤差量算出手段と、当該加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を当該加工誤差量に基づいて算出する段取り誤差量算出手段と、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、当該加工誤差量及び当該段取り誤差量に基づいて生成する数値制御プログラム生成手段と、を有することを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。
【0007】
なお、上述した本発明に係る加工プログラム生成装置において、当該数値制御プログラム生成手段は、当該加工誤差量と当該段取り誤差量との差分に相当する分の当該加工非球面に対する加工を当該加工機に行わせるための当該数値制御プログラムを作成するように構成してもよい。
【0008】
なお、加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出する加工誤差量算出処理と、当該加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を当該加工誤差量に基づいて算出する段取り誤差量算出処理と、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、当該加工誤差量及び当該段取り誤差量に基づいて生成する数値制御プログラム生成処理と、をコンピュータに行わせるためのプログラムについても本発明に係るものであり、当該プログラムを実行するコンピュータが、前述した加工プログラム生成装置と同様の作用・効果を奏する結果、前述した課題が解決される。
【0009】
なお、上述した本発明に係るプログラムにおいて、当該数値制御プログラム生成処理は、当該加工誤差量と当該段取り誤差量との差分に相当する分の当該加工非球面に対する加工を当該加工機に行わせるための当該数値制御プログラムの作成を当該コンピュータに行わせるものであってもよい。
【0010】
また、本発明の別の態様のひとつである加工方法は、加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出し、当該加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を当該加工誤差量に基づいて算出し、当該取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、当該加工誤差量及び当該段取り誤差量に基づいて生成し、当該数値制御装置で当該数値制御プログラムを実行させることによって、当該段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた当該加工機に当該加工非球面の加工を行わせる、ことを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。
【0011】
なお、上述した本発明に係る加工方法において、当該数値制御プログラムの生成では、当該加工誤差量と当該段取り誤差量との差分に相当する分の当該加工非球面に対する加工を当該加工機に行わせるための数値制御プログラムを作成する、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以上のようにすることにより、段取りの修正のみでは補正しきれない誤差量の補正が可能となり、加工精度が向上するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
まず、本実施例の構成について、図1及び図2を用いて説明する。なお、図1は、本実施例に係る加工装置(加工機)の構成を示す上面図である。図2は、図1に構成を示した加工装置における研削砥石の工具原点設定時の誤差(以下、「芯ずれ」と称し、記号「Δ
S」で表わす)、回転軸中心と砥石加工点とのX軸方向誤差(以下、「たおれ」と称し、記号「ΔT」で表わす)、及び回転軸中心と砥石加工点とのZ軸方向誤差(以下、「きり
こみ」と称し、記号「ΔK」で表わす)を示す略図である。
【0015】
図1に示す加工装置において、主軸2は、図示していない直動2軸(以下、2軸のうちの主軸の方向をZ軸とし、主軸に直交する方向をX軸とする)に設置されており、数値制御で直動することができる。主軸2の先端には、冶具を介して非球面加工対象物であるワーク1を取り付けることができ、主軸2を回転させるとワーク1を回転動作させることができる。
【0016】
砥石3は砥石スピンドル4の先端に取り付けられており、砥石スピンドル4を回転させると砥石3を回転動作させることができる。砥石3を回転させながらその先端をワーク1に対して当接させることにより、回転対称物の研削加工を行うことができる。なお、砥石スピンドル4は、回転軸テーブル5上に設置されており、回転軸(以下、この回転軸をB軸とする)の動作により回転動作させることができる。
【0017】
図1に示した加工装置におけるZ軸及びX軸である直動2軸とB軸である回転1軸とからなる3軸は、数値制御装置(以下、「NC装置」と称することとする)により同期動作させることができる。なお、非球面加工ではこの3軸を同期動作させて加工を行う。
【0018】
非球面補正加工プログラム作成装置は、上述した加工装置を制御するNC装置で実行される、数式で表される非球面形状の数値制御プログラム(以下、「NCプログラム」と称することとする)を作成することができる装置である。
【0019】
なお、非球面補正加工プログラム作成装置の実体は、例えばごく標準的な構成のコンピュータ、すなわち、すなわち、制御プログラムを実行することで各構成要素を制御するCPU(中央演算装置)と、ROMやRAM及び磁気記憶装置などからなり、CPUに各構成要素を制御させる制御プログラムの記憶やCPUが制御プログラムを実行する際のワークエリアあるいは各種データの記憶領域として使用される記憶部と、ユーザによる操作に対応する各種のデータが取得される入力部と、ディスプレイなどに各種のデータを提示してユーザに通知する出力部と、他の機器とのデータ授受のためのインタフェース機能を提供するI/F部とを備えるコンピュータであり、後述するような処理を行わせるプログラムを作成してこのコンピュータのCPUで実行させることによって実現される。
【0020】
なお、このようなプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録させておき、そのプログラムを記録媒体からコンピュータに読み出させて実行させるようにしてもよい。
【0021】
記録させたプログラムをコンピュータで読み取ることの可能な記録媒体としては、例えば、コンピュータに内蔵若しくは外付けの付属装置として備えられるRAM若しくはROM又はハードディスク装置などのメモリ、あるいはFD(フレキシブルディスク)、MO(光磁気ディスク)、CD−ROM、DVD−ROMなどといった可搬型記録媒体等が利用できる。
【0022】
また、記録媒体は回線を介してコンピュータと接続される、プログラムサーバとして機能するコンピュータが備えている記憶装置であってもよい。この場合には、プログラムを表現するデータ信号で搬送波を変調して得られる伝送信号を、プログラムサーバから伝送媒体である回線を通じて伝送するようにし、コンピュータでは受信した伝送信号を復調してプログラムを再生することで当該プログラムを実行できるようになる。
【0023】
図1の加工装置で補正加工を行わない場合、NC装置で実行させるNCプログラムは、
【0024】
【数1】
【0025】
の演算により生成される。
ここで、F(X)は加工形状を表わす関数であり、F'(X)は一次導関数である。
非球面補正加工プログラム作成装置は、加工を終えた非球面形状データを計測装置(不図示)にて読み取ることができ、また、読み取ったデータから理想形状に対する誤差量(加工誤差量)を解析することができる。更に、非球面補正加工プログラム作成装置は、その誤差量をZ軸方向にシフトさせたNCプログラムを作成することができる。すなわち、非球面補正加工プログラムは、加工誤差量算出手段と、誤差量算出手段と、数値制御プログラム算出手段と、を有している。
【0026】
図1の加工装置において、ワーク1及び砥石3は、図2に示すように、砥石3の加工点がB軸回転中心6に存在し、且つB軸回転中心6と主軸回転中心10とが同一軸上に存在するように設置することが理想ではあるが、実際の設置作業では、図2において網掛けを付したワーク1’や砥石3’のように、ずれが生じ得る。
【0027】
このずれにおいて、B軸回転中心6と主軸回転中心10とのずれ量は、一般的には「芯ずれ」と呼ばれるものである。本実施例においては、この図2における芯ずれ9を「ΔS
」と表現している。
【0028】
また、B軸回転中心6と砥石3の加工点とのX軸方向のずれ量は、一般的には「たおれ」と呼ばれるものである。本実施例においては、この図2におけるたおれ8を「ΔT」と
表現している。
【0029】
また、B軸回転中心6と砥石3の加工点とのZ軸方向のずれ量は、一般的には「きりこみ」と呼ばれるものである。本実施例においては、この図2におけるきりこみ7を「ΔK
」と表現している。
【0030】
なお、本実施例における回転対称曲面の加工法は、「パラレル研削法」と一般的に呼ばれているものである。
次に、上述した加工装置を使用して行う、回転対称物の研削加工作業の流れを、図3に示す作業流れ図に沿って説明する。
【0031】
まず、S101において、砥石3の加工点がB軸回転中心6に位置するように、砥石3及び砥石スピンドル4を回転軸テーブル5上に設置し、B軸回転中心6と主軸回転中心10とが一致するように加工装置を設定する。更に、主軸2にワーク1を取り付ける。そして、主軸2及び砥石スピンドル4を回転させると、砥石3が回転し、ワーク1も主軸回転中心10を中心として回転する。
【0032】
次に、S102において、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置に、目標とする理想形状である加工面形状、すなわち回転軸対称曲面形状関数Z=F(X)を入力してNCプログラムを作成する処理を行わせる。なお、本実施例では、偶数次のみの20次ゼルニケ多項式、すなわち、
【0033】
【数2】
【0034】
を使用し、上式に対して図4に例示する表示画面のように各係数を設定することにより、図5に例示するような加工点の算出が行われ、この算出結果に基づいて図6に例示するようなNCプログラムが作成される。なお、上式において、Rは曲率、Kは円錐定数、Cl〜C20は非球面係数である。
【0035】
S103では、前ステップでの作業によって作成されたNCプログラムをNC装置で実行させて軸対称の非球面研削加工を加工装置に行わせる。
S104では、計測装置を用いて研削後のワーク1の計測を行い、加工後の非球面形状データを取得する。そして、続くS105において、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置は、この計測結果を取得し、図7にグラフ化して例示するように、計測結果が有している、理想形状に対する誤差量(加工誤差量)を算出する。
【0036】
ここで、S106において、算出した加工誤差量が規定値以内に収まっているか否かを判定し、収まっていると判定したとき(判定結果がYesのとき)には、加工作業を終了する。
【0037】
一方、S106において、算出した加工誤差量が規定値以内に収まっていないと判定したとき(判定結果がNoのとき)には、S107において、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置で、算出された加工誤差量に基づいて段取り誤差の算出を行う。なお、段取り誤差は、幾何学的手法により導いた下式を用い、重回帰分析手法により算出する。
【0038】
【数3】
【0039】
なお、上式において、dzはX座標値がxであるときにおける理想形状との加工誤差量であり、w1は定数である。
S108では、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置は、S105の手順によって取得された理想形状に対する加工誤差量と、S107の手順によって算出された段取り誤差の誤差量との差を算出し、例えば、工具原点、工具の取り付け、及び工具姿勢原点の修正といった、段取りの修正を行った場合に予測される当該修正後における理想形状からの誤差量を取得するシミュレーションを行う。このシミュレーション結果の例を図8に示す。
【0040】
S109では、回転対称非球面補正加工プログラム作成装置は、前ステップの手順により得られた段取り修正後の誤差量を各X座標値でZ軸方向(誤差量が減少する方向)に移動させたNCプログラムを作成する。そして、続くS110において、S108で算出した段取り誤差量に相当する分の段取りの修正を加工装置に対して実際に行い、その後は上述したS103以降の作業手順を繰り返す。
【0041】
回転対称非球面補正加工プログラム作成装置を用いて以上の手順の作業を行うことにより、段取り誤差の修正のみでは補正しきれない誤差量が補正され、高精度な非球面形状の加工物を得ることができる。
【実施例2】
【0042】
本実施例の構成について、図9、図10、及び図11を用いて説明する。なお、図9は、本実施例に係る加工装置(加工機)の構成を示す上面図である。図10は、図9に示した加工装置の正面図である。また、図11は、図9及び図10に構成を示した加工装置において発生する段取り誤差を示す略図である。これらの各図において、図1若しくは図2に表わされているものと同一の構成要素には同一の符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施例が前述した実施例1と異なっている点は、砥石スピンドル4を回転軸テーブル5上に45°の傾斜角度で取り付ける点である。なお、本実施例における回転対称曲面の加工法は、「クロス研削法」と一般的に呼ばれているものである。
【0044】
上述した本実施例の構成においても、図3に示した実施例1と同様の手順により回転対称物の研削加工作業を行うことにより、実施例1と同様、高精度な回転対称非球面形状を得ることができる。
【実施例3】
【0045】
本実施例の構成について、図12、図13、及び図14を用いて説明する。なお、図12は、本実施例に係る加工装置(加工機)の構成を示す上面図である。図13は、図12に示した加工装置の正面図である。また、図14は、図12及び図13に構成を示した加工装置において発生する段取り誤差を示す略図である。これらの各図において、図1若しくは図2に表わされているものと同一の構成要素には同一の符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0046】
本実施例が前述した実施例1と異なっている点は、加工工具を切削バイト12とし、回転軸テーブル5上に設置した刃物台11に切削バイト12を設置して旋削加工を行う点である。なお、図14において、網掛けが付されている切削バイト12’は、理想の設置位置である切削バイト12に対してずれが生じている状態を示している。
【0047】
上述した本実施例の構成においても、図3に示した実施例1と同様の手順により回転対称物の研削加工作業を行うことにより、実施例1と同様、高精度な回転対称非球面形状を得ることができる。
【0048】
以上のように、上述したいずれの実施例によっても、段取り誤差の修正後にも残存する誤差を補正する加工を加工装置に行わせるNCプログラムが作成されるので、高精度の軸対称非球面を得ることができる。
【0049】
なお、上述したような非球面加工としては、具体的に研削加工や切削加工等が挙げられる。
その他、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1に係る加工装置の構成を示す上面図である。
【図2】図1に構成を示した加工装置における研削砥石の芯ずれ、たおれ、及びきりこみを示す略図である。
【図3】研削加工作業の流れを示す流れ図である。
【図4】加工面形状を表わす形状関数へ定数を入力する画面の例を示す図である。
【図5】加工点の算出例を示す図である。
【図6】NCプログラムの作成例を示す図である。
【図7】加工誤差量の算出結果をグラフで示した図である。
【図8】段取り修正後に予測される理想形状からの誤差量のシミュレーション結果の例を示す図である。
【図9】実施例2に係る加工装置の構成を示す上面図である。
【図10】実施例2に係る加工装置の構成を示す正面図である。
【図11】実施例2に係る加工装置において発生する段取り誤差を示す略図である。
【図12】実施例3に係る加工装置の構成を示す上面図である。
【図13】実施例3に係る加工装置の構成を示す正面図である。
【図14】実施例3に係る加工装置において発生する段取り誤差を示す略図である。
【符号の説明】
【0051】
1、1’ ワーク
2 主軸
3、3’ 砥石
4 砥石スピンドル
5 回転軸テーブル
6 B軸回転中心
7 きりこみ(ΔK)
8 たおれ(ΔT)
9 芯ずれ(ΔS)
10 主軸回転中心
11 刃物台
12、12’ 切削バイト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出する加工誤差量算出手段と、
前記加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を前記加工誤差量に基づいて算出する段取り誤差量算出手段と、
前記段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた前記加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、前記加工誤差量及び前記段取り誤差量に基づいて生成する数値制御プログラム生成手段と、
を有することを特徴とする加工プログラム生成装置。
【請求項2】
前記数値制御プログラム生成手段は、前記加工誤差量と前記段取り誤差量との差分に相当する分の前記加工非球面に対する加工を前記加工機に行わせるための前記数値制御プログラムを作成することを特徴とする請求項1に記載の加工プログラム生成装置。
【請求項3】
加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出する加工誤差量算出処理と、
前記加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を前記加工誤差量に基づいて算出する段取り誤差量算出処理と、
前記段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた前記加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、前記加工誤差量及び前記段取り誤差量に基づいて生成する数値制御プログラム生成処理と、
をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【請求項4】
前記数値制御プログラム生成処理は、前記加工誤差量と前記段取り誤差量との差分に相当する分の前記加工非球面に対する加工を前記加工機に行わせるための前記数値制御プログラムの作成を前記コンピュータに行わせることを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出し、
前記加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を前記加工誤差量に基づいて算出し、
前記段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた前記加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、前記加工誤差量及び前記段取り誤差量に基づいて生成し、
前記数値制御装置で前記数値制御プログラムを実行させることによって、前記段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた前記加工機に前記加工非球面の加工を行わせる、
ことを特徴とする加工方法。
【請求項6】
前記数値制御プログラムの生成では、前記加工誤差量と前記段取り誤差量との差分に相当する分の前記加工非球面に対する加工を前記加工機に行わせるための数値制御プログラムを作成することを特徴とする請求項5に記載の加工方法。
【請求項1】
加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出する加工誤差量算出手段と、
前記加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を前記加工誤差量に基づいて算出する段取り誤差量算出手段と、
前記段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた前記加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、前記加工誤差量及び前記段取り誤差量に基づいて生成する数値制御プログラム生成手段と、
を有することを特徴とする加工プログラム生成装置。
【請求項2】
前記数値制御プログラム生成手段は、前記加工誤差量と前記段取り誤差量との差分に相当する分の前記加工非球面に対する加工を前記加工機に行わせるための前記数値制御プログラムを作成することを特徴とする請求項1に記載の加工プログラム生成装置。
【請求項3】
加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出する加工誤差量算出処理と、
前記加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を前記加工誤差量に基づいて算出する段取り誤差量算出処理と、
前記段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた前記加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、前記加工誤差量及び前記段取り誤差量に基づいて生成する数値制御プログラム生成処理と、
をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【請求項4】
前記数値制御プログラム生成処理は、前記加工誤差量と前記段取り誤差量との差分に相当する分の前記加工非球面に対する加工を前記加工機に行わせるための前記数値制御プログラムの作成を前記コンピュータに行わせることを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
加工非球面の理想形状に対する誤差量である加工誤差量を当該加工非球面の計測結果に基づいて算出し、
前記加工非球面の加工に用いた加工機の段取りに起因して生じる誤差量である段取り誤差量を前記加工誤差量に基づいて算出し、
前記段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた前記加工機の制御を行う数値制御装置で当該制御のために実行される数値制御プログラムを、前記加工誤差量及び前記段取り誤差量に基づいて生成し、
前記数値制御装置で前記数値制御プログラムを実行させることによって、前記段取り誤差量に基づいて段取りの修正がなされた前記加工機に前記加工非球面の加工を行わせる、
ことを特徴とする加工方法。
【請求項6】
前記数値制御プログラムの生成では、前記加工誤差量と前記段取り誤差量との差分に相当する分の前記加工非球面に対する加工を前記加工機に行わせるための数値制御プログラムを作成することを特徴とする請求項5に記載の加工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図5】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図5】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2006−281338(P2006−281338A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−101862(P2005−101862)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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