加熱炉用の燃焼装置
【課題】火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図り得る加熱炉用の燃焼装置を提供する。
【解決手段】加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の下方に、酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出する複数の燃料噴出路10が、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設された加熱炉用の燃焼装置であって、
複数の燃料噴出路10の夫々に、その燃料噴出路10から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段11が設けられている。
【解決手段】加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の下方に、酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出する複数の燃料噴出路10が、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設された加熱炉用の燃焼装置であって、
複数の燃料噴出路10の夫々に、その燃料噴出路10から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段11が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に、前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出する複数の燃料噴出路が、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設された加熱炉用の燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加熱炉用の燃焼装置(以下、単に燃焼装置と記載する場合がある)は、酸素含有ガス供給部により、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給し、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の下方に水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設された複数の燃料噴出路により、酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出することにより、炉内でガス燃料と酸素含有ガスとを接触させて、一体状又は略一体状の火炎を形成して燃焼させるようにしたものである。例えば、ガラス原料を溶解させる溶解槽の上方に火炎を形成して、溶解槽を加熱する用途で用いられる。
【0003】
このような燃焼装置において、従来は、複数の燃料噴出路夫々から、ガス燃料を夫々の燃料噴出路の軸心方向(以下、噴出路軸心方向と記載する場合がある)に直進するように噴出すべく構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−301369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、かかる燃焼装置を用いて加熱炉を加熱するに当たって、以下に説明するように、火炎の長さを短くすると共に、火炎の幅を広くすることが望まれる場合がある。
即ち、酸素含有ガス供給部からの酸素含有ガス供給方向に沿う方向での炉内の長さが短い加熱炉の場合、火炎の長さが長くなると火炎が炉壁に当たって炉壁の耐久性が低下するので、火炎の長さの短縮化が望まれ、又、酸素含有ガス供給部からの酸素含有ガス供給方向の先方に炉内ガスの排気口が設けられた加熱炉の場合、火炎の長さが長くなると、炉外に放出される熱量が多くなってエネルギ効率が低下するので、炉外に放出される熱量を少なくするために、火炎の長さの短縮化が望まれるものであり、併せて、酸素含有ガス供給部からの酸素含有ガス供給方向に直交する水平方向での炉内の温度分布を小さくするために、火炎の幅の増大化が望まれる。
【0006】
しかしながら、上記従来の燃焼装置では、複数の燃料噴出路夫々からガス燃料を直進するように噴出するものであるので、以下に説明するように、火炎の長さを短くし難く、又、火炎の幅を広くし難いものであった。
即ち、燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料は直進性が強いので、その噴出路軸心方向先方へ流動する距離が長くなり、火炎の長さを短くし難い。
又、燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料は、その噴出路軸心方向に直交する方向に広がり難いので、火炎の幅を広くし難い。
ちなみに、隣接する燃料噴出路同士の間隔を広くすると、複数の燃料噴出路から噴出されるガス燃料が互いに分離した火炎を形成する状態で燃焼することになって、一体状又は略一体状の火炎を形成することができない。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図り得る加熱炉用の燃焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の加熱炉用に燃焼装置は、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に、前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出する複数の燃料噴出路が、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設されたものであって、
第1特徴構成は、前記複数の燃料噴出路の夫々に、その燃料噴出路から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段が設けられている点を特徴とする。
【0009】
即ち、複数の燃料噴出路夫々から、ガス燃料が旋回手段の作用により旋回する状態で噴出されるので、複数の燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料は、その噴出路軸心方向に直交する方向に広がり易く、且つ、その噴出路軸心方向先方へ流動する距離が短くなる。
【0010】
つまり、複数の燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料は、その噴出路軸心方向に直交する方向に広がり易いことから、火炎の幅を広くすることができ、しかも、一体状又は略一体状の火炎を形成するようにしながらも、隣接する燃料噴出路同士の間隔を広くすることが可能であるので、火炎の幅を一層広くすることができる。
又、複数の燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料がその噴出路軸心方向先方へ流動する距離が短くなるので、火炎の長さを短くすることができる。
従って、火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図り得る加熱炉用の燃焼装置を提供することができるようになった。
【0011】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記複数の燃料噴出路が、前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に設けられている燃料噴出ノズルに、平面視で放射状になる状態で設けられている点を特徴とする。
【0012】
即ち、燃料噴出ノズルに平面視で放射状になる状態で設けられている複数の燃料噴出路から、ガス燃料が、各燃料噴出路からの流動状態が旋回流動状態となる状態で、放射状に噴出されるので、一体状又は略一体状の火炎を形成するようにしながらも、火炎の幅を広くし且つ長さを短くすることができる。
【0013】
そして、複数の燃料噴出路を、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の下方に設ける燃料噴出ノズルに、平面視で放射状になる状態で設けることにより、複数の燃料噴出路を、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の下方に1個ずつ各別に設ける場合に比べて、構成の簡略化を図ることができるので、燃焼装置の低廉化を図ることができる。
従って、火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図り得る加熱炉用の燃焼装置を、低廉化を図りながら提供することができるようになった。
【0014】
第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記燃料噴出ノズルとして、複数の燃料噴出ノズルが、1個の前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設されている点を特徴とする。
【0015】
即ち、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設されている複数の燃料噴出ノズルから、1個の酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料が噴出され、しかも、各燃料噴出ノズルに平面視で放射状になる状態で設けられている複数の燃料噴出路からは、ガス燃料が、各燃料噴出路からの流動状態が旋回流動状態となる状態で、放射状に噴出される。
【0016】
つまり、1個の酸素含有ガス供給部に対応する複数の燃料噴出路を、複数の燃料噴出ノズルに、各燃料噴出ノズルには1個の酸素含有ガス供給部に対応する複数の燃料噴出路のうちの一部の複数の燃料噴出路を平面視で放射状に設ける状態で、分けて設ける。
そして、それら複数の燃料噴出ノズルを、1個の酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設することにより、1個の酸素含有ガス供給部に対応する複数の燃料噴出路の全てを1個の燃料噴出ノズルに平面視で放射状に設ける場合に比べて、一体状又は略一体状の火炎を形成するようにしながらも、火炎の幅を一段と広くすることができる。
従って、火炎の幅の増大化をより一層図ることができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明をガラス溶解炉用の燃焼装置に適用した場合の第1実施形態を説明する。
先ず、燃焼装置を設ける加熱炉の一例であるガラス溶解炉について説明する。
図1及び図2に示すように、ガラス溶解炉は、平面視で矩形状の溶解槽2を下部に備えると共にアーチ型の天井を備えた炉本体1を中央に設け、溶解槽2の一側縁を区画する炉壁4に設けた投入口4iからガラス原料を投入し、その投入口4iを設けた炉壁4に対向する炉壁4に形成した取り出し孔4eから溶融ガラスを取り出すように構成してある。
そして、投入口4iから取り出し孔4eへ向かう原料移送方向に対して、炉本体1の左右夫々に、蓄熱室3を原料移送方向に沿って延設し、炉本体1の左右夫々の炉壁4の上部に、複数(この第1実施形態では4個)の空気口(所謂ポート)5を原料移送方向に沿って並設し、蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させて、所謂サイドポート式に構成してある。
つまり、空気供給路6は、溶解炉横側部の空気口5(酸素含有ガス供給箇所に相当する)から斜め下方に向けて炉内7に空気を燃焼用酸素含有ガスとして供給するように構成してあり、酸素含有ガス供給部に相当する。
【0018】
前記取り出し孔4eを形成した炉壁4の外部に、その取り出し孔4eにて前記溶解槽2と連通する状態で作業槽8を設けて、前記投入口4iから投入したガラス原料を、溶解槽2にて溶融させて作業槽8に向かって流動させて、取り出し孔4eを通じて清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
【0019】
図3及び図4に示すように、前記炉本体1の左右夫々の炉壁4における前記複数の空気口5夫々の下方に、前記空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料Gを噴出する複数の燃料噴出路10を、水平方向に間隔を隔てて並設して、所謂アンダーポート式に構成してある。ちなみに、この第1実施形態では、1個の空気供給路6に対して、2個の燃料噴出路10を設けてある。
【0020】
そして、図5及び図6に示すように、本発明では、前記複数の燃料噴出路10の夫々に、その燃料噴出路10から噴出されるガス燃料Gを旋回させる旋回手段としての旋回体11を設けてある。
【0021】
又、図3ないし図6に示すように、前記複数の燃料噴出路10を、前記炉壁4における前記空気供給路6の下方に設けられている燃料噴出ノズルBに、平面視で放射状になるように設けてある。
ちなみに、この第1実施形態では、1個の空気供給路6の下方に、その1個の空気供給路6に対応する複数(この第1実施形態では2個)の燃料噴出路10の全てを設けた1個の燃料噴出ノズルBを設けてある。
【0022】
つまり、この燃焼装置は、上述のように左右の炉壁4に設けた複数の空気口5夫々から炉内7に燃焼用空気Aを供給するように夫々設けた複数の空気供給路6と、前記左右夫々の炉壁4における各空気供給路6の下方に、空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料Gを噴出するように夫々設けた複数の燃料噴出ノズルBとを備えて構成してある。
【0023】
左右の燃料噴出ノズルBは、一定時間(例えば、約15〜30分)毎に交互に、ガス燃料Gの噴出と噴出停止を繰り返し、図1及び図2に示すように、ガス燃料Gを噴出している燃料噴出ノズルBの側の空気口5からは、蓄熱室3を通って高温(1000〜1200°C程度)に予熱された燃焼用空気Aが炉内7に供給され、ガス燃料Gの噴出を停止している燃料噴出ノズルBの側の空気口5からは炉内7の燃焼ガスEを排出させるようにして、左右の燃料噴出ノズルBにて交互に燃焼させる、所謂交番燃焼を行わせるようにしてある。尚、図1及び図2は、左側の燃料噴出ノズルBにて燃焼させている状態を示している。
【0024】
そして、空気口5から供給された燃焼用空気Aと、その空気口5の下方の燃料噴出ノズルBから、その空気口5から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けて噴出されたガス燃料Gとが炉内7で接触して拡散燃焼して、高輝度の輝炎を含む火炎Fが形成される。
蓄熱室3においては、燃焼ガスEを排出させる状態のときに、燃焼ガスEから排熱を蓄熱材に回収して蓄熱し、燃焼用空気Aを供給する状態のときには、蓄熱材の蓄熱により燃焼用空気Aを予熱する。そして、そのように予熱された燃焼用空気Aが、空気供給路6を通流して空気口5から炉内7に供給される。
【0025】
前記燃料噴出ノズルBの設置構成について説明を加えると、図3及び図4に示すように、前記炉本体1の左右夫々の炉壁4における前記複数の空気口5夫々の下方に、ノズル装着孔4sを1個ずつ設け、各ノズル装着孔4s夫々に、長尺状の前記燃料噴出ノズルBを、前記空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料Gを噴出するように設けてある。
【0026】
各ノズル装着孔4sにおける炉内側の部分の内周面は、炉内側ほど大径となる先広がり状に形成してある。
そして、各ノズル装着孔4sに、燃料噴出ノズルBをその先端を前記先広がり状の内周面部分よりも後退させた状態で挿通して設けることにより、燃料噴出ノズルBから噴出されるガス燃料を、ノズル装着孔4sの先広がり状の内周面にて保炎させる状態で安定燃焼させるように構成してある。
【0027】
以下、燃焼装置について説明を加える。
前記燃料噴出ノズルBについて説明を加えると、図3ないし図5に示すように、この燃料噴出ノズルBは、前記複数の燃料噴出路10としての2個の円孔状の燃料噴出孔12を備えたノズル部13と、そのノズル部13を先端に螺着自在な燃料供給管部14とを備えて構成し、その燃料供給管部14の基端部に、ガス燃料を供給する燃料供給路15を接続して、その燃料供給路15を通して供給されるガス燃料をノズル部13から噴出する構成としてある。
【0028】
前記燃料供給路15は、左側の炉壁4に設けた複数の燃料噴出ノズルBに接続するものと、右側の炉壁4に設けた複数の燃料噴出ノズルBに接続するものとの2系統設けてあり、各系統の燃料供給路15には、その燃料供給路15に接続された複数の燃料噴出ノズルBに対するガス燃料の供給を断続する燃料断続弁16、及び、前記複数の燃料噴出ノズルBへのガス燃料の供給量を調節する燃料供給量調節弁17を設けてある。
そして、2系統の燃料供給路15夫々の前記燃料断続弁16を交互に開閉することにより、上述のように左右の燃料噴出ノズルBにて交番燃焼を行わせ、前記燃料供給量調節弁17の開度を調節することにより、各燃料噴出ノズルBへのガス燃料の供給量を調節して、燃焼量を調節するように構成してある。
【0029】
図5及び図6に示すように、前記ノズル部13は、一端部が閉塞し且つ他端部に雌ネジ13nを形成した円筒状の噴出部形成体の閉塞部分に、その噴出部形成体の軸心方向に貫通する状態の前記2個の燃料噴出孔12を、噴出部形成体の径方向視にて、噴出部形成体の軸心P1の両側に振り分けた状態で且つ端部側ほど燃料噴出孔同士の間隔が広くなる放射状になるように形成して構成してある。
【0030】
図5に示すように、前記燃料供給管部14の先端には、前記ノズル部13の雌ネジ13nを螺合自在な雄ネジ14nを形成してある。
【0031】
図5ないし図7に基づいて、前記旋回体11について説明を加える。尚、図7の(イ)は、旋回体11の正面図であり、(ロ)は、旋回体11の斜視図である。
前記旋回体11は、前記燃料噴出孔12に内嵌可能な円柱状体の側周面に、その円柱状体の軸心方向両端にわたり且つ円柱状体の軸心方向視にて底面が円弧状となる4個の凹溝11mを、円柱状体の径方向視にてその円柱状体の軸心P2に対して同じ側に傾斜する状態で、周方向に等間隔を隔てて並べて形成して構成してある。ちなみに、円柱状体の径方向視にて、凹溝11mが円柱状体の軸心P2に対して傾斜する角度は、15°〜45°の範囲、例えば30°に設定する。
【0032】
そして、上述のように形成した旋回体11を、前記ノズル部13の2個の燃料噴出孔12夫々に内嵌状に設けて、燃料噴出孔12から噴出されるガス燃料を旋回させるように構成してある。
【0033】
次に、上述のように構成した燃焼装置による燃焼形態について説明する。
図3ないし図5に示すように、燃料供給路15から燃料噴出ノズルBに供給されたガス燃料Gは、燃料噴出ノズルBに平面視で放射状になる状態で設けられている2個の燃料噴出孔12から、前記空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けて、各燃料噴出孔12からの流動状態が旋回流動状態となる状態で放射状に噴出される。
そして、各燃料噴出孔12から旋回流動状態で噴出されたガス燃料Gは、燃料噴出孔12の軸心方向(以下、噴出孔軸心方向と記載する場合がある)に直交する方向に広がり易く、且つ、噴出孔軸心方向先方へ流動する距離が短くなるので、燃料噴出ノズルBの2個の燃料噴出孔12から噴出されるガス燃料Gを、平面視にて隙間が殆ど存在しない一体状の火炎Fを形成するように燃焼させながら、そのように形成される火炎Fの長さを充分に短くすると共に幅を充分に広くすることができる。
【0034】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0035】
図8に示すように、この第2実施形態では、複数(この第2実施形態では2個)の燃料噴出ノズルBを、1個の前記空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料Gを噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設してある。
【0036】
説明を加えると、この第2実施形態では、1個の空気供給路6に対して、4個の燃料噴出路10を設けてある。
そして、1個の空気供給路6に対応する複数の燃料噴出路10としての4個の燃料噴出孔12を、2個の燃料噴出ノズルBに、各燃料噴出ノズルBには燃料噴出孔12を2個ずつ平面視で放射状に設ける状態で、分けて設けてある。
【0037】
燃料噴出ノズルBは、上記の第1実施形態と同様に構成してあるが、前記左右夫々の炉壁4に並設する複数の燃料噴出ノズルBのうち、並び方向の両端夫々の燃料噴出ノズルB(以下、端用の燃料噴出ノズルBsと記載する場合がある)における2個の燃料噴出孔12の形成形態が、他の燃料噴出ノズルB(以下、内側用の燃料噴出ノズルBiと記載する場合がある)における2個の燃料噴出孔12の形成形態と異なる。ちなみに、内側用の燃料噴出ノズルBiにおける2個の燃料噴出孔12の形成形態は、上記の第1実施形態と同様である。
【0038】
以下、端用の燃料噴出ノズルBsにおける2個の燃料噴出孔12の形成形態について、説明する。
図9及び図10に示すように、2個の燃料噴出孔12のうちの一方の燃料噴出孔12(以下、直進状の燃料噴出孔12と記載する場合がある)はその軸心がノズル部13の軸心P1に平行となり且つ他方の燃料噴出孔12は先端側ほど直進状の燃料噴出孔12との間隔が広くなる傾斜姿勢となる形態で、2個の燃料噴出孔12を前記ノズル部13に噴出部形成体の径方向視にて放射状になるように形成してある。
【0039】
図8に示すように、各空気供給路6の下方に、2個の燃料噴出ノズルBを、それら2個の燃料噴出ノズルBに含まれる全て(この実施形態では4個)の燃料噴出孔12から噴出されたガス燃料Gが、平面視において、空気供給路6からの燃焼用空気供給方向の少なくとも先方側では連なった状態となる略一体状の火炎Fを形成する状態で燃焼するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設する。
【0040】
又、端用の燃料噴出ノズルBsは、直進状の燃料噴出孔12が複数の燃料噴出ノズルBの並び方向の外側に位置する姿勢で設ける。
このように端用の燃料噴出ノズルBsを設けると、端用の燃料噴出ノズルBsにて形成される火炎Fが、複数の燃料噴出ノズルBの並び方向に隣接する炉壁4に接触するのを防止することができるので、その炉壁4の耐久性の低下を抑制することができる。
【0041】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 本発明の燃焼装置は、上記の各実施形態において例示したサイドポート式のガラス溶解炉以外に、図11及び図12に示すように、所謂エンドポート式のガラス溶解炉の燃焼装置にも適用することができる。
以下、エンドポート式のガラス溶解炉について説明する。
炉体1の一側面を形成する炉壁4の外側に、左右一対の蓄熱室3を設けると共に、その炉壁4に、各蓄熱室3に対応させて空気口5を1個ずつ形成し、各蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させてある。
そして、前記左右一対の空気口5を形成した炉壁4における前記左右一対の空気口5夫々の下方に、ノズル装着孔4sを2個ずつ設け、各ノズル装着孔4sに、第1実施形態と同様の燃料噴出ノズルBを第1実施形態と同様に設けて、左右の2個ずつの燃料噴出ノズルBを用いて交番燃焼を行わせるように構成してある。
つまり、1個の空気供給路6に対して、4個の燃料噴出孔12を設けてある。
そして、1個の空気供給路6に対応する4個の燃料噴出孔12を、2個の燃料噴出ノズルBに、各燃料噴出ノズルBには燃料噴出孔12を2個ずつ平面視で放射状に設ける状態で、分けて設けてある。
【0042】
燃料噴出ノズルBを設けた側面の一方に隣接する側面を形成する炉壁4における燃料噴出ノズルBの側の端部に、ガラス原料の投入口4iを設け、燃料噴出ノズルBを設けた側面に対向する側面を形成する炉壁4の外部に作業槽8を設けると共に、その作業槽8と溶解槽2との間の炉壁4には、溶解槽2と作業槽8とを連通させる取り出し孔4eを形成してある。
つまり、投入口4iからガラス原料を溶解槽2に投入して、そのガラス原料を、燃料噴出ノズルBを設けた側面側からそれに対向する側面側の取り出し孔4eに向けて、火炎Fの長手方向に沿って流動させながら溶融させ、取り出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
【0043】
(ロ) 1個の空気供給路6に対して設ける複数の燃料噴出路10の個数は、上記の第1及び第2実施形態において例示した2個や4個に限定されるものではなく、3個や5個以上でも良い。
又、複数の燃料噴出ノズルBを、1個の空気供給路6から燃焼用空気が供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設する場合、1個の空気供給路6に対する燃料噴出ノズルBの設置数は、上記の第2実施形態において例示した2個に限定されるものではなく、3個以上でも良い。
又、複数の空気供給路6を設ける場合、1個の空気供給路6に対して並設する燃料噴出ノズルBの個数を異ならせても良い。
【0044】
従って、1個の燃料噴出ノズルBに設ける複数の燃料噴出孔12の個数は、上記の第1及び第2の各実施形態において例示した2個に限定されるものではなく、1個の空気供給路6に対して設ける複数の燃料噴出路10の個数や、1個の空気供給路6に対して設ける燃料噴出ノズルBの個数に対応して、変更することになる。
例えば、図13に示すように、1個の燃料噴出ノズルBに3個の燃料噴出孔12を平面視で放射状になる状態で設けたり、図14に示すように、1個の燃料噴出ノズルBに4個の燃料噴出孔12を平面視で放射状になる状態で設けても良い。
ちなみに、図13及び図14において、(イ)は、燃料噴出ノズルBのノズル部12の縦断面図であり、(ロ)は、燃料噴出ノズルBのノズル部12の正面図である。
【0045】
又、並設する複数の燃料噴出ノズルBに、燃料噴出孔12の個数が異なるものを含ませても良い。
【0046】
(ハ) 燃料噴出ノズルBに形成する燃料噴出路10としての燃料噴出孔12の形状は、上記の実施形態において例示した円孔状に限定されるものではない。
例えば、図15に示すように、燃料噴出ノズルBに、横断面形状が楕円等の長孔状の燃料噴出孔12をその長手方向が複数の燃料噴出孔12の並び方向に沿う状態で設けても良い。ちなみに、図15において、(イ)は、燃料噴出ノズルBのノズル部12の縦断面図であり、(ロ)は、燃料噴出ノズルBのノズル部12の正面図である。
この場合は、各燃料噴出孔12から、ガス燃料が旋回する状態で扁平状に噴出されるので、火炎の幅を一層広くすることができる。
【0047】
(ニ) 上記の実施形態では、複数の燃料噴出路10としての複数の燃料噴出孔12を、前記加熱炉横側部における前記空気供給路6の下方に設けられている燃料噴出ノズルBに、平面視で放射状になる状態で設ける場合について例示したが、内部を燃料噴出路10とする燃料噴出管の複数を、前記加熱炉横側部における前記空気供給路6の下方に、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設しても良い。この場合は、前記複数の燃料噴出管夫々に、燃料噴出管夫々の燃料噴出路10から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段を設けることになる。
【0048】
(ホ) 燃料噴出路10から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段の具体構成は、上記の実施形態において例示した旋回体11に限定されるものではない。
例えば、図13ないし図15に示すように、複数の板状の羽根体18wを燃料噴出路10の周方向に並ぶ状態で備えた旋回羽根18にて、構成することができる。
あるいは、図示を省略するが、上記の実施形態と同様の一端部が閉塞した円筒状の噴出部形成体の閉塞部分に、噴出部形成体の周方向に間隔を隔てて形成した複数のスリットにて構成することができる。
【0049】
(ヘ) 空気口5から炉内7に供給する燃焼用酸素含有ガスとしては、上記の実施形態において例示した空気以外に、空気に炉内7から排出した燃焼排ガスを混合したものや、酸素含有率を高くした酸素富化空気等、種々のものを用いることができる。
【0050】
(ト) 本発明は、上記の実施形態で例示したガラス溶解炉や、図11及び図12にて示す別実施形態で例示したガラス溶解炉以外にも、種々の加熱炉用の燃焼装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1実施形態に係るガラス溶解炉の縦断面図
【図2】図1のイ−イ矢視図
【図3】第1実施形態に係るガラス溶解炉の要部の縦断面図
【図4】第1実施形態に係るガラス溶解炉の要部の横断平面図
【図5】第1実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部の縦断面図
【図6】第1実施形態に係る燃料噴出ノズルの正面図
【図7】第1実施形態に係る旋回体を示す図
【図8】第2実施形態に係るガラス溶解炉の横断平面図
【図9】第2実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部の縦断面図
【図10】第1実施形態に係る燃料噴出ノズルの正面図
【図11】別実施形態に係るガラス溶解炉の縦断面図
【図12】図11のロ−ロ矢視図
【図13】別実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部を示す図
【図14】別実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部を示す図
【図15】別実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部を示す図
【符号の説明】
【0052】
6 酸素含有ガス供給部
7 炉内
10 燃料噴出路
11,18 旋回手段
B 燃料噴出ノズル
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に、前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出する複数の燃料噴出路が、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設された加熱炉用の燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加熱炉用の燃焼装置(以下、単に燃焼装置と記載する場合がある)は、酸素含有ガス供給部により、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給し、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の下方に水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設された複数の燃料噴出路により、酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出することにより、炉内でガス燃料と酸素含有ガスとを接触させて、一体状又は略一体状の火炎を形成して燃焼させるようにしたものである。例えば、ガラス原料を溶解させる溶解槽の上方に火炎を形成して、溶解槽を加熱する用途で用いられる。
【0003】
このような燃焼装置において、従来は、複数の燃料噴出路夫々から、ガス燃料を夫々の燃料噴出路の軸心方向(以下、噴出路軸心方向と記載する場合がある)に直進するように噴出すべく構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−301369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、かかる燃焼装置を用いて加熱炉を加熱するに当たって、以下に説明するように、火炎の長さを短くすると共に、火炎の幅を広くすることが望まれる場合がある。
即ち、酸素含有ガス供給部からの酸素含有ガス供給方向に沿う方向での炉内の長さが短い加熱炉の場合、火炎の長さが長くなると火炎が炉壁に当たって炉壁の耐久性が低下するので、火炎の長さの短縮化が望まれ、又、酸素含有ガス供給部からの酸素含有ガス供給方向の先方に炉内ガスの排気口が設けられた加熱炉の場合、火炎の長さが長くなると、炉外に放出される熱量が多くなってエネルギ効率が低下するので、炉外に放出される熱量を少なくするために、火炎の長さの短縮化が望まれるものであり、併せて、酸素含有ガス供給部からの酸素含有ガス供給方向に直交する水平方向での炉内の温度分布を小さくするために、火炎の幅の増大化が望まれる。
【0006】
しかしながら、上記従来の燃焼装置では、複数の燃料噴出路夫々からガス燃料を直進するように噴出するものであるので、以下に説明するように、火炎の長さを短くし難く、又、火炎の幅を広くし難いものであった。
即ち、燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料は直進性が強いので、その噴出路軸心方向先方へ流動する距離が長くなり、火炎の長さを短くし難い。
又、燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料は、その噴出路軸心方向に直交する方向に広がり難いので、火炎の幅を広くし難い。
ちなみに、隣接する燃料噴出路同士の間隔を広くすると、複数の燃料噴出路から噴出されるガス燃料が互いに分離した火炎を形成する状態で燃焼することになって、一体状又は略一体状の火炎を形成することができない。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図り得る加熱炉用の燃焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の加熱炉用に燃焼装置は、加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に、前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出する複数の燃料噴出路が、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設されたものであって、
第1特徴構成は、前記複数の燃料噴出路の夫々に、その燃料噴出路から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段が設けられている点を特徴とする。
【0009】
即ち、複数の燃料噴出路夫々から、ガス燃料が旋回手段の作用により旋回する状態で噴出されるので、複数の燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料は、その噴出路軸心方向に直交する方向に広がり易く、且つ、その噴出路軸心方向先方へ流動する距離が短くなる。
【0010】
つまり、複数の燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料は、その噴出路軸心方向に直交する方向に広がり易いことから、火炎の幅を広くすることができ、しかも、一体状又は略一体状の火炎を形成するようにしながらも、隣接する燃料噴出路同士の間隔を広くすることが可能であるので、火炎の幅を一層広くすることができる。
又、複数の燃料噴出路夫々から噴出されたガス燃料がその噴出路軸心方向先方へ流動する距離が短くなるので、火炎の長さを短くすることができる。
従って、火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図り得る加熱炉用の燃焼装置を提供することができるようになった。
【0011】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記複数の燃料噴出路が、前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に設けられている燃料噴出ノズルに、平面視で放射状になる状態で設けられている点を特徴とする。
【0012】
即ち、燃料噴出ノズルに平面視で放射状になる状態で設けられている複数の燃料噴出路から、ガス燃料が、各燃料噴出路からの流動状態が旋回流動状態となる状態で、放射状に噴出されるので、一体状又は略一体状の火炎を形成するようにしながらも、火炎の幅を広くし且つ長さを短くすることができる。
【0013】
そして、複数の燃料噴出路を、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の下方に設ける燃料噴出ノズルに、平面視で放射状になる状態で設けることにより、複数の燃料噴出路を、加熱炉横側部における酸素含有ガス供給部の下方に1個ずつ各別に設ける場合に比べて、構成の簡略化を図ることができるので、燃焼装置の低廉化を図ることができる。
従って、火炎の長さの短縮化及び幅の増大化を図り得る加熱炉用の燃焼装置を、低廉化を図りながら提供することができるようになった。
【0014】
第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記燃料噴出ノズルとして、複数の燃料噴出ノズルが、1個の前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設されている点を特徴とする。
【0015】
即ち、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設されている複数の燃料噴出ノズルから、1個の酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料が噴出され、しかも、各燃料噴出ノズルに平面視で放射状になる状態で設けられている複数の燃料噴出路からは、ガス燃料が、各燃料噴出路からの流動状態が旋回流動状態となる状態で、放射状に噴出される。
【0016】
つまり、1個の酸素含有ガス供給部に対応する複数の燃料噴出路を、複数の燃料噴出ノズルに、各燃料噴出ノズルには1個の酸素含有ガス供給部に対応する複数の燃料噴出路のうちの一部の複数の燃料噴出路を平面視で放射状に設ける状態で、分けて設ける。
そして、それら複数の燃料噴出ノズルを、1個の酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設することにより、1個の酸素含有ガス供給部に対応する複数の燃料噴出路の全てを1個の燃料噴出ノズルに平面視で放射状に設ける場合に比べて、一体状又は略一体状の火炎を形成するようにしながらも、火炎の幅を一段と広くすることができる。
従って、火炎の幅の増大化をより一層図ることができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明をガラス溶解炉用の燃焼装置に適用した場合の第1実施形態を説明する。
先ず、燃焼装置を設ける加熱炉の一例であるガラス溶解炉について説明する。
図1及び図2に示すように、ガラス溶解炉は、平面視で矩形状の溶解槽2を下部に備えると共にアーチ型の天井を備えた炉本体1を中央に設け、溶解槽2の一側縁を区画する炉壁4に設けた投入口4iからガラス原料を投入し、その投入口4iを設けた炉壁4に対向する炉壁4に形成した取り出し孔4eから溶融ガラスを取り出すように構成してある。
そして、投入口4iから取り出し孔4eへ向かう原料移送方向に対して、炉本体1の左右夫々に、蓄熱室3を原料移送方向に沿って延設し、炉本体1の左右夫々の炉壁4の上部に、複数(この第1実施形態では4個)の空気口(所謂ポート)5を原料移送方向に沿って並設し、蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させて、所謂サイドポート式に構成してある。
つまり、空気供給路6は、溶解炉横側部の空気口5(酸素含有ガス供給箇所に相当する)から斜め下方に向けて炉内7に空気を燃焼用酸素含有ガスとして供給するように構成してあり、酸素含有ガス供給部に相当する。
【0018】
前記取り出し孔4eを形成した炉壁4の外部に、その取り出し孔4eにて前記溶解槽2と連通する状態で作業槽8を設けて、前記投入口4iから投入したガラス原料を、溶解槽2にて溶融させて作業槽8に向かって流動させて、取り出し孔4eを通じて清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
【0019】
図3及び図4に示すように、前記炉本体1の左右夫々の炉壁4における前記複数の空気口5夫々の下方に、前記空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料Gを噴出する複数の燃料噴出路10を、水平方向に間隔を隔てて並設して、所謂アンダーポート式に構成してある。ちなみに、この第1実施形態では、1個の空気供給路6に対して、2個の燃料噴出路10を設けてある。
【0020】
そして、図5及び図6に示すように、本発明では、前記複数の燃料噴出路10の夫々に、その燃料噴出路10から噴出されるガス燃料Gを旋回させる旋回手段としての旋回体11を設けてある。
【0021】
又、図3ないし図6に示すように、前記複数の燃料噴出路10を、前記炉壁4における前記空気供給路6の下方に設けられている燃料噴出ノズルBに、平面視で放射状になるように設けてある。
ちなみに、この第1実施形態では、1個の空気供給路6の下方に、その1個の空気供給路6に対応する複数(この第1実施形態では2個)の燃料噴出路10の全てを設けた1個の燃料噴出ノズルBを設けてある。
【0022】
つまり、この燃焼装置は、上述のように左右の炉壁4に設けた複数の空気口5夫々から炉内7に燃焼用空気Aを供給するように夫々設けた複数の空気供給路6と、前記左右夫々の炉壁4における各空気供給路6の下方に、空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料Gを噴出するように夫々設けた複数の燃料噴出ノズルBとを備えて構成してある。
【0023】
左右の燃料噴出ノズルBは、一定時間(例えば、約15〜30分)毎に交互に、ガス燃料Gの噴出と噴出停止を繰り返し、図1及び図2に示すように、ガス燃料Gを噴出している燃料噴出ノズルBの側の空気口5からは、蓄熱室3を通って高温(1000〜1200°C程度)に予熱された燃焼用空気Aが炉内7に供給され、ガス燃料Gの噴出を停止している燃料噴出ノズルBの側の空気口5からは炉内7の燃焼ガスEを排出させるようにして、左右の燃料噴出ノズルBにて交互に燃焼させる、所謂交番燃焼を行わせるようにしてある。尚、図1及び図2は、左側の燃料噴出ノズルBにて燃焼させている状態を示している。
【0024】
そして、空気口5から供給された燃焼用空気Aと、その空気口5の下方の燃料噴出ノズルBから、その空気口5から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けて噴出されたガス燃料Gとが炉内7で接触して拡散燃焼して、高輝度の輝炎を含む火炎Fが形成される。
蓄熱室3においては、燃焼ガスEを排出させる状態のときに、燃焼ガスEから排熱を蓄熱材に回収して蓄熱し、燃焼用空気Aを供給する状態のときには、蓄熱材の蓄熱により燃焼用空気Aを予熱する。そして、そのように予熱された燃焼用空気Aが、空気供給路6を通流して空気口5から炉内7に供給される。
【0025】
前記燃料噴出ノズルBの設置構成について説明を加えると、図3及び図4に示すように、前記炉本体1の左右夫々の炉壁4における前記複数の空気口5夫々の下方に、ノズル装着孔4sを1個ずつ設け、各ノズル装着孔4s夫々に、長尺状の前記燃料噴出ノズルBを、前記空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料Gを噴出するように設けてある。
【0026】
各ノズル装着孔4sにおける炉内側の部分の内周面は、炉内側ほど大径となる先広がり状に形成してある。
そして、各ノズル装着孔4sに、燃料噴出ノズルBをその先端を前記先広がり状の内周面部分よりも後退させた状態で挿通して設けることにより、燃料噴出ノズルBから噴出されるガス燃料を、ノズル装着孔4sの先広がり状の内周面にて保炎させる状態で安定燃焼させるように構成してある。
【0027】
以下、燃焼装置について説明を加える。
前記燃料噴出ノズルBについて説明を加えると、図3ないし図5に示すように、この燃料噴出ノズルBは、前記複数の燃料噴出路10としての2個の円孔状の燃料噴出孔12を備えたノズル部13と、そのノズル部13を先端に螺着自在な燃料供給管部14とを備えて構成し、その燃料供給管部14の基端部に、ガス燃料を供給する燃料供給路15を接続して、その燃料供給路15を通して供給されるガス燃料をノズル部13から噴出する構成としてある。
【0028】
前記燃料供給路15は、左側の炉壁4に設けた複数の燃料噴出ノズルBに接続するものと、右側の炉壁4に設けた複数の燃料噴出ノズルBに接続するものとの2系統設けてあり、各系統の燃料供給路15には、その燃料供給路15に接続された複数の燃料噴出ノズルBに対するガス燃料の供給を断続する燃料断続弁16、及び、前記複数の燃料噴出ノズルBへのガス燃料の供給量を調節する燃料供給量調節弁17を設けてある。
そして、2系統の燃料供給路15夫々の前記燃料断続弁16を交互に開閉することにより、上述のように左右の燃料噴出ノズルBにて交番燃焼を行わせ、前記燃料供給量調節弁17の開度を調節することにより、各燃料噴出ノズルBへのガス燃料の供給量を調節して、燃焼量を調節するように構成してある。
【0029】
図5及び図6に示すように、前記ノズル部13は、一端部が閉塞し且つ他端部に雌ネジ13nを形成した円筒状の噴出部形成体の閉塞部分に、その噴出部形成体の軸心方向に貫通する状態の前記2個の燃料噴出孔12を、噴出部形成体の径方向視にて、噴出部形成体の軸心P1の両側に振り分けた状態で且つ端部側ほど燃料噴出孔同士の間隔が広くなる放射状になるように形成して構成してある。
【0030】
図5に示すように、前記燃料供給管部14の先端には、前記ノズル部13の雌ネジ13nを螺合自在な雄ネジ14nを形成してある。
【0031】
図5ないし図7に基づいて、前記旋回体11について説明を加える。尚、図7の(イ)は、旋回体11の正面図であり、(ロ)は、旋回体11の斜視図である。
前記旋回体11は、前記燃料噴出孔12に内嵌可能な円柱状体の側周面に、その円柱状体の軸心方向両端にわたり且つ円柱状体の軸心方向視にて底面が円弧状となる4個の凹溝11mを、円柱状体の径方向視にてその円柱状体の軸心P2に対して同じ側に傾斜する状態で、周方向に等間隔を隔てて並べて形成して構成してある。ちなみに、円柱状体の径方向視にて、凹溝11mが円柱状体の軸心P2に対して傾斜する角度は、15°〜45°の範囲、例えば30°に設定する。
【0032】
そして、上述のように形成した旋回体11を、前記ノズル部13の2個の燃料噴出孔12夫々に内嵌状に設けて、燃料噴出孔12から噴出されるガス燃料を旋回させるように構成してある。
【0033】
次に、上述のように構成した燃焼装置による燃焼形態について説明する。
図3ないし図5に示すように、燃料供給路15から燃料噴出ノズルBに供給されたガス燃料Gは、燃料噴出ノズルBに平面視で放射状になる状態で設けられている2個の燃料噴出孔12から、前記空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けて、各燃料噴出孔12からの流動状態が旋回流動状態となる状態で放射状に噴出される。
そして、各燃料噴出孔12から旋回流動状態で噴出されたガス燃料Gは、燃料噴出孔12の軸心方向(以下、噴出孔軸心方向と記載する場合がある)に直交する方向に広がり易く、且つ、噴出孔軸心方向先方へ流動する距離が短くなるので、燃料噴出ノズルBの2個の燃料噴出孔12から噴出されるガス燃料Gを、平面視にて隙間が殆ど存在しない一体状の火炎Fを形成するように燃焼させながら、そのように形成される火炎Fの長さを充分に短くすると共に幅を充分に広くすることができる。
【0034】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0035】
図8に示すように、この第2実施形態では、複数(この第2実施形態では2個)の燃料噴出ノズルBを、1個の前記空気供給路6から燃焼用空気Aが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料Gを噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設してある。
【0036】
説明を加えると、この第2実施形態では、1個の空気供給路6に対して、4個の燃料噴出路10を設けてある。
そして、1個の空気供給路6に対応する複数の燃料噴出路10としての4個の燃料噴出孔12を、2個の燃料噴出ノズルBに、各燃料噴出ノズルBには燃料噴出孔12を2個ずつ平面視で放射状に設ける状態で、分けて設けてある。
【0037】
燃料噴出ノズルBは、上記の第1実施形態と同様に構成してあるが、前記左右夫々の炉壁4に並設する複数の燃料噴出ノズルBのうち、並び方向の両端夫々の燃料噴出ノズルB(以下、端用の燃料噴出ノズルBsと記載する場合がある)における2個の燃料噴出孔12の形成形態が、他の燃料噴出ノズルB(以下、内側用の燃料噴出ノズルBiと記載する場合がある)における2個の燃料噴出孔12の形成形態と異なる。ちなみに、内側用の燃料噴出ノズルBiにおける2個の燃料噴出孔12の形成形態は、上記の第1実施形態と同様である。
【0038】
以下、端用の燃料噴出ノズルBsにおける2個の燃料噴出孔12の形成形態について、説明する。
図9及び図10に示すように、2個の燃料噴出孔12のうちの一方の燃料噴出孔12(以下、直進状の燃料噴出孔12と記載する場合がある)はその軸心がノズル部13の軸心P1に平行となり且つ他方の燃料噴出孔12は先端側ほど直進状の燃料噴出孔12との間隔が広くなる傾斜姿勢となる形態で、2個の燃料噴出孔12を前記ノズル部13に噴出部形成体の径方向視にて放射状になるように形成してある。
【0039】
図8に示すように、各空気供給路6の下方に、2個の燃料噴出ノズルBを、それら2個の燃料噴出ノズルBに含まれる全て(この実施形態では4個)の燃料噴出孔12から噴出されたガス燃料Gが、平面視において、空気供給路6からの燃焼用空気供給方向の少なくとも先方側では連なった状態となる略一体状の火炎Fを形成する状態で燃焼するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設する。
【0040】
又、端用の燃料噴出ノズルBsは、直進状の燃料噴出孔12が複数の燃料噴出ノズルBの並び方向の外側に位置する姿勢で設ける。
このように端用の燃料噴出ノズルBsを設けると、端用の燃料噴出ノズルBsにて形成される火炎Fが、複数の燃料噴出ノズルBの並び方向に隣接する炉壁4に接触するのを防止することができるので、その炉壁4の耐久性の低下を抑制することができる。
【0041】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 本発明の燃焼装置は、上記の各実施形態において例示したサイドポート式のガラス溶解炉以外に、図11及び図12に示すように、所謂エンドポート式のガラス溶解炉の燃焼装置にも適用することができる。
以下、エンドポート式のガラス溶解炉について説明する。
炉体1の一側面を形成する炉壁4の外側に、左右一対の蓄熱室3を設けると共に、その炉壁4に、各蓄熱室3に対応させて空気口5を1個ずつ形成し、各蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させてある。
そして、前記左右一対の空気口5を形成した炉壁4における前記左右一対の空気口5夫々の下方に、ノズル装着孔4sを2個ずつ設け、各ノズル装着孔4sに、第1実施形態と同様の燃料噴出ノズルBを第1実施形態と同様に設けて、左右の2個ずつの燃料噴出ノズルBを用いて交番燃焼を行わせるように構成してある。
つまり、1個の空気供給路6に対して、4個の燃料噴出孔12を設けてある。
そして、1個の空気供給路6に対応する4個の燃料噴出孔12を、2個の燃料噴出ノズルBに、各燃料噴出ノズルBには燃料噴出孔12を2個ずつ平面視で放射状に設ける状態で、分けて設けてある。
【0042】
燃料噴出ノズルBを設けた側面の一方に隣接する側面を形成する炉壁4における燃料噴出ノズルBの側の端部に、ガラス原料の投入口4iを設け、燃料噴出ノズルBを設けた側面に対向する側面を形成する炉壁4の外部に作業槽8を設けると共に、その作業槽8と溶解槽2との間の炉壁4には、溶解槽2と作業槽8とを連通させる取り出し孔4eを形成してある。
つまり、投入口4iからガラス原料を溶解槽2に投入して、そのガラス原料を、燃料噴出ノズルBを設けた側面側からそれに対向する側面側の取り出し孔4eに向けて、火炎Fの長手方向に沿って流動させながら溶融させ、取り出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
【0043】
(ロ) 1個の空気供給路6に対して設ける複数の燃料噴出路10の個数は、上記の第1及び第2実施形態において例示した2個や4個に限定されるものではなく、3個や5個以上でも良い。
又、複数の燃料噴出ノズルBを、1個の空気供給路6から燃焼用空気が供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設する場合、1個の空気供給路6に対する燃料噴出ノズルBの設置数は、上記の第2実施形態において例示した2個に限定されるものではなく、3個以上でも良い。
又、複数の空気供給路6を設ける場合、1個の空気供給路6に対して並設する燃料噴出ノズルBの個数を異ならせても良い。
【0044】
従って、1個の燃料噴出ノズルBに設ける複数の燃料噴出孔12の個数は、上記の第1及び第2の各実施形態において例示した2個に限定されるものではなく、1個の空気供給路6に対して設ける複数の燃料噴出路10の個数や、1個の空気供給路6に対して設ける燃料噴出ノズルBの個数に対応して、変更することになる。
例えば、図13に示すように、1個の燃料噴出ノズルBに3個の燃料噴出孔12を平面視で放射状になる状態で設けたり、図14に示すように、1個の燃料噴出ノズルBに4個の燃料噴出孔12を平面視で放射状になる状態で設けても良い。
ちなみに、図13及び図14において、(イ)は、燃料噴出ノズルBのノズル部12の縦断面図であり、(ロ)は、燃料噴出ノズルBのノズル部12の正面図である。
【0045】
又、並設する複数の燃料噴出ノズルBに、燃料噴出孔12の個数が異なるものを含ませても良い。
【0046】
(ハ) 燃料噴出ノズルBに形成する燃料噴出路10としての燃料噴出孔12の形状は、上記の実施形態において例示した円孔状に限定されるものではない。
例えば、図15に示すように、燃料噴出ノズルBに、横断面形状が楕円等の長孔状の燃料噴出孔12をその長手方向が複数の燃料噴出孔12の並び方向に沿う状態で設けても良い。ちなみに、図15において、(イ)は、燃料噴出ノズルBのノズル部12の縦断面図であり、(ロ)は、燃料噴出ノズルBのノズル部12の正面図である。
この場合は、各燃料噴出孔12から、ガス燃料が旋回する状態で扁平状に噴出されるので、火炎の幅を一層広くすることができる。
【0047】
(ニ) 上記の実施形態では、複数の燃料噴出路10としての複数の燃料噴出孔12を、前記加熱炉横側部における前記空気供給路6の下方に設けられている燃料噴出ノズルBに、平面視で放射状になる状態で設ける場合について例示したが、内部を燃料噴出路10とする燃料噴出管の複数を、前記加熱炉横側部における前記空気供給路6の下方に、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設しても良い。この場合は、前記複数の燃料噴出管夫々に、燃料噴出管夫々の燃料噴出路10から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段を設けることになる。
【0048】
(ホ) 燃料噴出路10から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段の具体構成は、上記の実施形態において例示した旋回体11に限定されるものではない。
例えば、図13ないし図15に示すように、複数の板状の羽根体18wを燃料噴出路10の周方向に並ぶ状態で備えた旋回羽根18にて、構成することができる。
あるいは、図示を省略するが、上記の実施形態と同様の一端部が閉塞した円筒状の噴出部形成体の閉塞部分に、噴出部形成体の周方向に間隔を隔てて形成した複数のスリットにて構成することができる。
【0049】
(ヘ) 空気口5から炉内7に供給する燃焼用酸素含有ガスとしては、上記の実施形態において例示した空気以外に、空気に炉内7から排出した燃焼排ガスを混合したものや、酸素含有率を高くした酸素富化空気等、種々のものを用いることができる。
【0050】
(ト) 本発明は、上記の実施形態で例示したガラス溶解炉や、図11及び図12にて示す別実施形態で例示したガラス溶解炉以外にも、種々の加熱炉用の燃焼装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1実施形態に係るガラス溶解炉の縦断面図
【図2】図1のイ−イ矢視図
【図3】第1実施形態に係るガラス溶解炉の要部の縦断面図
【図4】第1実施形態に係るガラス溶解炉の要部の横断平面図
【図5】第1実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部の縦断面図
【図6】第1実施形態に係る燃料噴出ノズルの正面図
【図7】第1実施形態に係る旋回体を示す図
【図8】第2実施形態に係るガラス溶解炉の横断平面図
【図9】第2実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部の縦断面図
【図10】第1実施形態に係る燃料噴出ノズルの正面図
【図11】別実施形態に係るガラス溶解炉の縦断面図
【図12】図11のロ−ロ矢視図
【図13】別実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部を示す図
【図14】別実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部を示す図
【図15】別実施形態に係る燃料噴出ノズルの要部を示す図
【符号の説明】
【0052】
6 酸素含有ガス供給部
7 炉内
10 燃料噴出路
11,18 旋回手段
B 燃料噴出ノズル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に、前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出する複数の燃料噴出路が、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設された加熱炉用の燃焼装置であって、
前記複数の燃料噴出路の夫々に、その燃料噴出路から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段が設けられている加熱炉用の燃焼装置。
【請求項2】
前記複数の燃料噴出路が、前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に設けられている燃料噴出ノズルに、平面視で放射状になる状態で設けられている請求項1記載の加熱炉用の燃焼装置。
【請求項3】
前記燃料噴出ノズルとして、複数の燃料噴出ノズルが、1個の前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設されている請求項2記載の加熱炉用の燃焼装置。
【請求項1】
加熱炉横側部から炉内における加熱対象物の上方に向けて燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部が設けられ、
前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に、前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出する複数の燃料噴出路が、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設された加熱炉用の燃焼装置であって、
前記複数の燃料噴出路の夫々に、その燃料噴出路から噴出されるガス燃料を旋回させる旋回手段が設けられている加熱炉用の燃焼装置。
【請求項2】
前記複数の燃料噴出路が、前記加熱炉横側部における前記酸素含有ガス供給部の下方に設けられている燃料噴出ノズルに、平面視で放射状になる状態で設けられている請求項1記載の加熱炉用の燃焼装置。
【請求項3】
前記燃料噴出ノズルとして、複数の燃料噴出ノズルが、1個の前記酸素含有ガス供給部から酸素含有ガスが供給されている炉内燃焼域に向けてガス燃料を噴出するように、水平方向又は略水平方向に間隔を隔てて並設されている請求項2記載の加熱炉用の燃焼装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−139380(P2007−139380A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337353(P2005−337353)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
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