説明

動的に駆動されるステージミラー及びチャック組立体を備えるZステージ

【課題】基材支持の装置及び方法を開示する。
【解決手段】ステージミラーに対する基材チャックの変位を感知し、ステージミラーへ結合されているZステージアクチュエータ及びXYステージアクチュエータのうちの一方又は両方を有する1つ以上のフィードバックループにおける変位に比例する信号を結合することによって、ステージミラーに対する基材チャックの運動が動的に補償される。これに代えて、基材支持装置は、Zステージプレート、ステージミラー、Zステージプレートへ取り付けられている1つ以上のアクチュエータ、及びステージミラーへ取り付けられている基材チャックを含み得る。基材チャックは基材チャックの6つの運動自由度に対する拘束を有する。アクチュエータはZステージプレートがZ方向に垂直な平面において走査されるとき、ZステージをZ方向へ運動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基材処理に関する。より詳細には、本発明は基材処理における基材支持に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の半導体システムでは、大抵の場合、半導体基材の位置を正確に測定することが重要である。半導体ウエハの計測及び検査において一般に用いられる装置の一例は、電子顕微鏡である。図1には、従来技術による電子ビーム顕微鏡システム100を示す。電子光学カラム102はウエハ104の面上に電子ビーム101を集中させる。ウエハ104によって散乱された電子は、画像を形成するために捕集される。ウエハ104の様々な部分における欠陥の位置を特定するため、ウエハ104は、通常、ウエハ104の平面にほぼ平行なX,Y方向へチャック(及びウエハ)が平行移動するあいだに、チャック106及びXYステージ108を有する支持部105上で処理される。電子ビーム顕微鏡100は真空チャンバ103中で動作する必要があるため、通常、チャック106は高電圧静電チャックである。ウエハ104の位置の変化は干渉計システム112を用いて測定することが可能である。干渉計システム112は、ステージミラー110の測定を行う。ステージミラー110は、X軸及びY軸のうちの一方又は両方に垂直に配向されている高度研磨面114を含む。干渉計112では、光線116(例えば、レーザによる)がビームスプリッタ118によって分割される。光の一部(参照ビームと呼ばれることもある)は固定ミラー120で反射され、ビームスプリッタ118へ戻される。光の別の一部(測定ビームと呼ばれることもある)は高度研磨面114で反射され、ビームスプリッタ118へ戻される。ビームスプリッタ118は両方の部分を組み合わせ、組み合わせられた光学信号は光検出器119へ向かう。ステージミラー110の運動の結果、光検出器119からの干渉信号は予測可能に変化する。
【0003】
ウエハ104がX及びY方向へ運動するとき、ウエハ104の表面の起伏又は傾きの結果、電子ビーム101の焦点深度が変化する場合がある。ウエハ表面の起伏の変化に合わせて調節するために、支持部105はZステージ122を備える場合がある。Zステージ122はステージプレート124、1つ以上の圧電アクチュエータ126を含む。ウエハチャック106は順応性マウント128によってZステージプレート124へ取り付けられている。高圧断路器130は、チャック106とZステージプレート124との間を電気的に絶縁する。ステージミラー110は、例えば、球及びV字溝タイプ、球及び円錐タイプ並びに球及び平面タイプのうちの1つ以上など、キネマティックマウント132によって、Zステージプレート124へ取り付けられている。従来技術による多くのシステムでは、ウエハ表面を解析して勾配が決定されると、次いで、ウエハを静的に水平にするようにZステージ122が上下動される。そうしたシステムでは、ウエハの起伏の変化に応じ、ウエハ104の高さを動的に調節することは不可能である。
【0004】
さらに、ウエハチャック106を備えるZステージ122は、通常ではXYステージ108へ剛直に結合されているステージミラー110から、機械的に分離されている。この取り付けの結果、ステージミラー110上の研磨面114とウエハチャック106との間の破線134(計測ループと呼ばれることもある)によって示すような、長い機械的な経路が存在する。この長い経路のため、ウエハチャック106とステージミラー110との間の相対運動による静的、動的なXY位置の誤差は、電子ビーム101によって適切にトラッキングされない。代わりに、これらの誤差は比較的低速な帯域幅でのコンピュータによる画像アラインメント(位置合わせ)によってトラッキングされる。これらの誤差には、走査間誤差、走査内誤差、及び高周波数(カーネル間)誤差が含まれる。図1に示すよ
うなシステムでは、例えば、キャパシタゲージなど、ウエハチャック106に隣接して配置される位置センサ136は、チャック106とステージミラー110との間の相対変位ΔXを測定することによって、それらの誤差を特定するために用いられ得る。
【0005】
代替の従来技術の設計、例えば、イーテックシステムズ(Etec systems)により設計された、Mebes Exaraでは、基材(例えば、マスク)は、ステージミラー110へ結合される場合があるが、X,Y方向へマスクを走査する前に予め位置合わせされ、走査中、Z方向には動的に調節されない。この設計では、基材の静的な事前の位置合わせは走査の前に割り当てられ、走査中、光学焦点面へ動的に調節されることはない。このため、他の何らかの手段によって、高さの変化を補償する必要がある。
【0006】
従来技術では、基材チャック106とステージミラー110との間の相対運動によるトラッキング誤差に対処する試みが行われているが、偏向システムの帯域幅、干渉計のデータレート及びデータの劣化によって制限されている。これらの誤差は、誤った欠陥検知又は検査感度の損失を引き起こすのに充分なほど大きい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、当該技術分野においては、これらの欠点を克服する基材支持システムの必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、基材チャックと、基材チャックへ結合されているZステージと、Zステージへ取り付けられているステージミラーと、ステージミラーに対する基材チャックの変位を感知するように構成されている1つ以上の相対位置センサと、1つ以上の相対位置センサは1つ以上のフィードバックループにおいてステージミラーに対する基材チャックの運動を動的に補償するための1つ以上の動的補償手段と結合されていることと、からなることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、動的補償手段はZステージへの運動を与えるように構成されている1つ以上のアクチュエータを含むことを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の装置において、1つ以上のアクチュエータは基材チャック及びステージミラーをZ方向へ運動させるように構成されている1つ以上のZステージアクチュエータを含むことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の装置において、Zステージへ結合されているXYステージと、1つ以上のアクチュエータはZ方向にほぼ垂直な平面においてZステージを運動させるように構成されている1つ以上のXYステージアクチュエータを含むことと、を含むことを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の装置において、Zステージアクチュエータ及びXYステージアクチュエータのうちの一方又は両方に組み込まれている1つ以上の追加の相対位置センサを含むことを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、ステージミラーへ結合されている干渉計を含むことを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、基材チャックは静電チャックであることを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、真空チャンバと、基材チャック、ステージミラー及びZステージは真空チャンバ内に配置されていることと、を含むことを要旨とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、1つ以上の相対位置センサは基材チャックに隣接するステージミラーへ取り付けられている静電容量センサ、誘導センサ又は光学センサを含むことを要旨とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、ZステージとXYステージとの間の結合はXY平面及びZ軸回りの回転の拘束における高剛性並びにZ軸に沿ったZステージの自由運動ことを要旨とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、基材チャックがZ軸に沿って運動することを可能としつつ、基材チャックはXY平面及びZ軸回りの回転の拘束における運動に関する高い剛性ことを要旨とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、基材チャックは基材チャックの6つの運動自由度に対する拘束によってZステージへ取り付けられていることを要旨とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、エネルギビームカラムと、動的補償手段はフィードバックループにおいて1つ以上の相対位置センサへ結合されているエネルギビームカラムのXYビーム偏向機構を含むことと、を含むことを要旨とする。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の装置において、エネルギビームカラムは電子光学カラムであることを要旨とする。
請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の装置において、1つ以上の相対位置センサは干渉計を含むことを要旨とする。
【0021】
請求項16に記載の発明は、基材チャックへ結合されているZステージと、Zステージへ取り付けられているステージミラーと、Zステージへ結合されているXYステージと、Zステージは基材チャック及びステージミラーをZ方向へ運動させるように構成されている1つ以上のZステージアクチュエータを含むことと、XYステージはZ方向にほぼ垂直な平面においてZステージを運動させるように構成されている1つ以上のXYステージアクチュエータを含むことと、からなる基材チャックを有するタイプの基材支持装置において、ステージミラーに対する基材チャックの運動を動的に補償するための方法であって、ステージミラーに対する基材チャックの変位を感知する工程と、Zステージアクチュエータ及びXYステージアクチュエータのうちの一方又は両方がステージミラーに対する基材チャックの運動を動的に補償するように、1つ以上のフィードバックループにおける変位に比例した信号をZステージアクチュエータ及びXYステージアクチュエータのうちの一方又は両方と結合する工程と、からなることを要旨とする。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の方法において、フィードバックループにおけるエネルギビームカラムのXYビーム偏向機構を1つ以上の相対位置センサへ結合することによってエネルギビームカラムの位置を補正する工程を含むことを要旨とする。
【0023】
請求項18に記載の発明は、Zステージプレートと、ステージミラーと、Zステージプレートへ取り付けられている1つ以上のアクチュエータと、1つ以上のアクチュエータは
、ZステージプレートがZ方向に垂直な平面における1つ以上の方向に走査されるとき、ZステージをZ方向へ運動させるように構成されていることと、基材チャックの6つの運動自由度に対する拘束によってステージミラーへ取り付けられている基材チャックと、からなることを要旨とする。
【0024】
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、基材チャックはステージミラーにキネマティックに取り付けられていることを要旨とする。
請求項20に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、基材チャックはステージミラーに組み込まれていることを要旨とする。
【0025】
請求項21に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、ステージミラーは基材チャックに組み込まれていることを要旨とする。
請求項22に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、1つ以上のアクチュエータはZステージプレートとステージミラーとの間に結合されている1つ以上の圧電アクチュエータを含むことを要旨とする。
【0026】
請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の装置において、Zステージプレートと基材チャック及びステージミラーのうちの一方又は両方との間に結合されている拘束と、拘束はZ方向に垂直な1つ以上の方向におけるステージミラー及びチャックのうちの一方又は両方の運動を制限するように構成されていることと、を含むことを要旨とする。
【0027】
請求項24に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、1つ以上のアクチュエータは1つ以上の荷重屈曲部を含むことを要旨とする。
請求項25に記載の発明は、請求項24に記載の装置において、各荷重屈曲部は、Zステージプレートへ取り付けられている基部と、基部から側方に伸びているカンチレバー部分と、カンチレバー部分は基部とカンチレバー部分の自由端との間に結合されている平行四辺形屈曲部を含むことと、を含むことを要旨とする。
【0028】
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の装置において、基部及びカンチレバー部分は単一のブロックの材料から一体に形成されていることを要旨とする。
請求項27に記載の発明は、請求項25に記載の装置において、基部及びカンチレバー部分はチタンから製造されていることを要旨とする。
【0029】
請求項28に記載の発明は、請求項25に記載の装置において、平行四辺形屈曲部は、下アームからZ方向に沿って離れている上アームを含むことと、上アームは第1の弾性ヒンジによって基部へ接続され、第2の弾性ヒンジによって自由端へ接続されていることと、下アームは第3の弾性ヒンジによって基部へ接続され、第4の弾性ヒンジによって自由端へ接続されていることと、を含むことを要旨とする。
【0030】
請求項29に記載の発明は、請求項28に記載の装置において、平行四辺形屈曲部は上アームと下アームとの間に位置するレバーブロックを含むことと、レバーブロックは第1の弾性ヒンジと第2の弾性ヒンジと間で上アームへ取り付けられていることと、を含むことを要旨とする。
【0031】
請求項30に記載の発明は、請求項29に記載の装置において、アクチュエータによるレバーブロックに対する側方への荷重によって自由端をZ方向へ運動させるように、基部とレバーブロックとの間に動作可能に結合されているアクチュエータを含むことを要旨とする。
【0032】
請求項31に記載の発明は、請求項30に記載の装置において、アクチュエータは圧電
アクチュエータであることを要旨とする。
請求項32に記載の発明は、請求項31に記載の装置において、圧電アクチュエータは湾曲面とのジョイントを含むことと、ジョイントは湾曲面がレバーブロックに接するように圧電アクチュエータの端部に位置することと、を含むことを要旨とする。
【0033】
請求項33に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、Zステージへ結合されているXYステージと、XYステージはZ方向にほぼ垂直な平面においてZステージプレートを運動させるように構成されている1つ以上のXYステージアクチュエータを含むことと、を含むことを要旨とする。
【0034】
請求項34に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、ステージミラーへ結合されている干渉計を含むことを要旨とする。
請求項35に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、基材チャックは静電チャックであることを要旨とする。
【0035】
請求項36に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、真空チャンバと、基材チャック、ステージミラー及びZステージプレートは真空チャンバ内に配置されていることと、を含むことを要旨とする。
【0036】
請求項37に記載の発明は、請求項18に記載の装置において、エネルギビームカラムはフィードバックループにおいて1つ以上の相対位置センサへ結合されているXYビーム偏向機構を含むことを要旨とする。
【0037】
請求項38に記載の発明は、請求項37に記載の装置において、エネルギビームカラムは電子光学カラムであることを要旨とする。
請求項39に記載の発明は、請求項37に記載の装置において、1つ以上の相対位置センサは干渉計を含むことを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】従来技術の電子顕微鏡と共に用いられる基材支持システムの概略側断面図。
【図2】本発明の一実施形態による基材支持システムの概略側断面図。
【図3】本発明の代替の一実施形態による基材支持システムの概略側断面図。
【図4】(A)図3の基材支持システムによって用いられ得る荷重屈曲部の三次元図、(B)B−B’線に沿って得られる図4(A)の荷重屈曲部の側断面図。
【図5】(A)本発明の代替の一実施形態による基材支持システムの概略側断面図、(B)図5(A)の基材支持システムの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の第1の実施形態では、XY方向にエネルギビーム(例えば電子ビーム101)を移動させる閉ループ駆動と、Zステージのアクチュエータとのうちの一方又は両方へ、チャック位置センサからのフィードバック信号を結合し、ステージミラー110に対するチャック106の運動を補償することによって、図1に示すタイプの従来の基材支持システムが修正される。図2に示すように、基材支持システム200は、上述において図1に関して説明した機構の多くを含んでよい。図1の支持システム100と共通する機構は、図1に示すのと同じ参照符号によって識別される。基材支持システム200は、Zステージプレート124を有するZステージ122と、Zアクチュエータ126とを含む。基材支持チャック106は、例えば、静電チャックであり、例えば、屈曲部128によって、Zステージプレート124へ順応性に接続される。好適には、屈曲部128は、チャック106がZ軸に沿って運動することを可能としつつ、XY平面及びZ軸回りの回転の拘束における運動に関する高剛性を特徴とする。
【0040】
Zステージ122は、Xステージ142とYステージ144とを有する、XYステージ140へ取り付けられている。好適には、Zステージ122とXYステージ140との間の結合は、ZステージがZ軸に沿って運動することを可能としつつ、XY平面及びZ軸回りの回転の拘束における運動に関する高剛性を特徴とする。Xステージ142は、X方向に作動荷重を提供するXアクチュエータ146を含む。Yステージ144は、例えば、X方向に垂直なY方向に作動荷重を提供するYアクチュエータ148を含む。ステージミラー110は、例えば、3つの球及び溝のタイプのマウント132によって、Zステージプレート124へキネマティックに取り付けられている。ステージミラー110は、干渉計112の反射面として用いられ得る、研磨面114を含んでもよい。Zアクチュエータ126(例えば、圧電アクチュエータ)は、X方向及びY方向に対し直角な(即ち、垂直な)Z方向に沿って、Zステージプレートに対してチャック106を運動させる、作動荷重を提供する。基材チャック106、ステージミラー110及びZステージ122は、真空チャンバ103内に配置されてもよい。
【0041】
1つ以上の相対位置センサ136は、X,Y,Z方向のうちの1つ以上に関し、ステージミラー110に対する基材チャック106の変位を感知するように構成されている。例として、チャック106がX方向に量Xだけ運動し、ステージミラー110が異なる量Xだけ運動する場合、センサ136は相対変位ΔX=X−Xを感知する。センサ136は、例えば、静電容量センサ、誘導センサ、又は光学センサなど、任意の適切な運動センサであってよい。例として、位置センサ136が基材チャック106に隣接するステージミラー110へ取り付けられている静電容量センサである場合、この静電容量センサは、決定可能な手法によって、チャック106とステージミラー110との間の相対変位ΔXに応じて異なる信号を生成する。なお、干渉計112は、光学的な相対位置センサの一形態と見なされ得る。ステージミラー110に対する基材チャック106の運動をアクチュエータが動的に補償することが可能であるように、相対位置センサ136と、干渉計112の光検出器119とのうちの一方又は両方は、1つ以上の外部フィードバックループ150においてアクチュエータ126,146,148のうちの1つ以上へ結合されてもよい。本発明の一定の実施形態では、上述において図1に関して説明した計測ループ134に隣接する1つのセンサと、アクチュエータと同じ位置にある1つ以上のセンサとを有することが望ましい。Zアクチュエータ126及びXYステージアクチュエータ146,148のうちの一方又は両方には、1つ以上の追加の相対位置センサが組み込まれている。
【0042】
電子ビーム101の位置を精密に補正するため、電子光学カラム102におけるXYビーム偏向機構107(例えば、静電気ビーム偏向プレート又はビーム偏向電磁石)は、内部フィードバックループ152を介して干渉計112の光検出器119と、位置センサ136とのうちの一方又は両方へ結合されている。内部フィードバックループ152によって、ウエハ104に対する電子ビーム101の位置の精密なXY補正が可能となる。同じ概念がイオンビーム(例えば、静電気又は電磁気によるビーム偏向を用いる)、レーザビーム(例えば、補正機構107としてビームステアリングミラーを用いる)など、他のエネルギビームのビーム位置補正に対し適用されてよいことが、当業者には認識される。
【0043】
例えば、システム200が電子ビームによる基材支持に用いられる場合など、幾つかの用途では、ステージ制御ループ(例えば、外部フィードバックループ150)及びアクチュエータ146,148は、大きな追従誤差(例えば、約100nm〜約2マイクロメートル)を有する場合がある。システムがピクセルの約1/10に位置合わせしたイメージを必要とする場合、さらに2つの制御機構が用いられる。即ち、干渉計112及び追加のチャック位置センサ136のうちの一方又は両方からのステージミラー位置信号に従うビーム偏向と、画像コンピュータ(図示せず)とによって、他の機構が残差を残す程度に、
画像の動的な位置合わせが実行される。このコンピュータは、約250ナノメータ(nm)の範囲から約2.5nmの範囲にまで位置誤差を補正することが可能である。干渉計112からの位置信号がステージ制御アクチュエータ146,148へフィードバックされてもよく、その場合、位置調節のオーダーを数百ミリメートルから約2マイクロメートルにまで低下させることが可能である。ステージ制御アクチュエータは、数マイクロメートルの残差を残す場合がある。ステージフィードバックループが比較的低速(例えば数10Hz)である場合、外部フィードバックループ150及びステージアクチュエータ146,148は、ローラ振動その他の原因による250nmから2マイクロメートルのオーダーの画像ジッタを補正するには充分高速ではない。このギャップは電子ビーム補正によって満たされ得る。電子ビーム補正は、例えば、約10kHzと充分に高速であり、数ナノメータかそれよりも良好な精度を有する。現在利用可能な干渉計の精度は約0.1nmであり得るが、この精度は機械的、電気的な雑音によって、約2nmとなる場合がある。
【0044】
本発明の他の実施形態では、計測ループが短縮されてもよく、ステージミラーへチャックを直接取り付けることによって、基材チャック106とステージミラー110との間の相対変位は有意に減少され得る。これは、Z方向に走査可能なシステムでは行われていない。これは、主として、基材チャックの質量が比較的大きいためである。アクチュエータが充分に強力であり、かつ、屈曲部が充分に剛直なZステージは、従来、開発されていない。一般に、電子ビームシステムにおける基材支持には、圧電アクチュエータを用いることが望ましい。ボイスコイルアクチュエータは、電子ビームと干渉し得る磁界を生成するため、通常、用いられない。ボイスコイルアクチュエータは、磁気的に充分に遮蔽されるか、電子ビームから遠くに配置されるか、又はその両方の場合に用いられ得る。圧電スタックによる直接的なZ作動では、所望のZ変位を生成するには、比較的長い圧電アクチュエータ及び比較的長い順応性の屈曲部が必要となる。結果として、ステージミラー及びチャックはXY平面において揺動する傾向がある。
【0045】
図3には、本発明の代替の一実施形態による基材支持装置300を示す。一般に、装置300は、Zステージプレート322、ステージミラー310及び基材チャック306を含む。Zステージプレート322は、Zステージプレート322、ステージミラー310及び基材チャック306をXY平面において走査することの可能なXYステージ308へ取り付けられている。例えば、電子ビーム又はイオンビームのシステムと共に装置300が使用可能であるように、チャック306、ステージミラー310、Zステージプレート322及びXYステージ308は、真空チャンバ303中に位置してもよい。
【0046】
エネルギビームカラム302は、基材チャック306上の基材304へ向けられたエネルギビーム301を生成する。XYビーム偏向機構307は、XY平面(即ち、基材304の平面)においてエネルギビーム301を操作する。例として、エネルギビームカラム302が電子ビームカラムである場合、エネルギビーム301は電子ビームである。これに代えて、エネルギビームカラム302は、例えば、赤外、可視又は紫外光など、何らかの形態のエネルギ電磁放射を生成するイオン光学カラム又は光学カラムであってもよい。電子又はイオンの光学カラムの場合、XYビーム偏向機構307は静電気偏向プレート若しくは電磁石又は両者の何らかの組み合わせを含んでよい。赤外、可視又は紫外の光学カラム(例えば、電磁放射源としてのレーザに基づく)の場合、XYビーム偏向機構307はビームステアリングミラーを含んでよい。
【0047】
例えば、静電容量センサなど、1つ以上のセンサ336は、チャック306とステージミラー310との間の相対運動を測定するために、基材チャック306に隣接して配置されてよい。センサ336と干渉計の光検出器319とのうちの一方又は両方は、上述のように、外部フィードバックループ350において、XYステージ上のアクチュエータ346へ結合されてよい。同様に、光検出器319及びセンサ336のうちの一方又は両方は
、上述のように、内部フィードバックループ352によって、ビーム偏向機構307へ結合されてよい。
【0048】
チャック306は、双極性又は単極性の静電チャックであってよい。ステージミラー310は、アルミナなどの電気絶縁材料から製造されてよい。これに代えて、導電性材料又は炭化ケイ素などの半導体材料が用いられてもよい。ステージミラー310は、X軸及びY軸のうちの一方又は両方に垂直に配向されている高度研磨面314を含む。高度研磨面314は、ビームスプリッタ318、固定ミラー320及び光検出器319を有する干渉計312の反射面として働く。ビームスプリッタ318は、光線316(例えば、レーザによる)を分割する。光の一部316は固定ミラー320で反射され、ビームスプリッタ318へ戻される。光の別の一部は高度研磨面314で反射され、ビームスプリッタ318へ戻される。ビームスプリッタ318は両方の部分を組み合わせ、組み合わされた光学信号は光検出器319へ向かう。ステージミラー310の運動の結果、光検出器319からの干渉信号は予測可能に変化する。
【0049】
基材チャック306はステージミラー310へ取り付けられており、ステージミラー310に対する基材チャック306の6つの運動自由度に対する拘束を有する。例として、チャック306は、球及び円錐マウント、球及び溝マウント、並びに球及び平面マウントによって、ステージミラー310へキネマティックに取り付けられている。キネマティックな取り付けとは、一般に、6つの自由度(X,Y,Z方向に沿った並進運動及びX,Y,Z軸回りの回転)に対し独立な(即ち、冗長でない)拘束を与えるマウントを指す。キネマティックな取り付けの一例では、ステージミラー310は、球及びV字溝タイプのマウント、円錐及び球タイプのマウント、並びに球及び平面タイプのマウントによって、Zステージプレート322へ取り付けられている。チャック306に対する拘束が厳密にキネマティックである必要はない。例えば、チャック306は、溝が互いに対して120°の角度に位置合わせされている3つの球及び溝マウントによって取り付けられる。球は支持部であってもよく、V字溝はチャック306の背面に形成されてもよい。3つの球を有するチャックを3つのV字溝が支持する方式は、3つの球を有するチャックを円錐(又は三面体の穴)、V字、及び平面が支持する方式と同じく、完全にキネマティックである。これらの2つの方式は等化であるが、荷重と運動のバランスが異なる。3つのV字溝の方式は、対称性のためバランスがより良好である。これに代えて、チャック306が、例えば、ボルト又はねじによってステージミラー310へ剛直に取り付けられてもよく、チャック306がステージミラー310へ組み込まれてもよい。或いは、ステージミラー310がチャック306へ組み込まれてもよい。好適には、屈曲部400は、ステージミラー310がZ軸に沿って運動することを可能としつつ、XY平面及びZ軸回りの回転の拘束における運動に関する高剛性を特徴とする。
【0050】
1つ以上の荷重屈曲部400は、ステージミラー310をZステージプレート322へ結合している。荷重屈曲部400は、Zステージプレート322がZ方向に垂直なXY平面において走査されるとき、ステージミラー310及び基材チャック306をZ方向へ運動させるように構成されている、アクチュエータを含む。2つ以上の荷重屈曲部400を用いると、各荷重屈曲部400のZ偏向を独立に調節することによって、ステージミラー310及び基材チャック306の傾斜が制御される。
【0051】
図4に示すように、各荷重屈曲部400は基部402と、カンチレバー部分404とを含む。基部402は、ボルト又はねじなどの適切な手段によって、Zステージプレート322へ固定されている。カンチレバー部分404は、基部402から側方(例えばX又はY方向)に伸びている。カンチレバー部分404は、基部402とカンチレバー部分404の自由端406との間に結合されている、平行四辺形屈曲部403を含む。基部402及びカンチレバー部分404(平行四辺形屈曲部403を含む)は、単一のブロックの材
料から一体に形成されてよい。好適には、材料は、高強度と、高電気抵抗と、質量に対して比較的高い剛性とを提供する材料である。また、材料のヤング率対降伏応力の比が高いことも望ましい。適切な材料の一例は、チタンである。
【0052】
平行四辺形屈曲部403は、上アーム408及び下アーム410を含む。上アーム408及び下アーム410は、互いにほぼ平行である。上アームはZ方向に沿って下アーム410から距離cだけ離れている。レバーブロック412は上アーム408から下がっている。溝414によって、レバーブロックは基部402、自由端406及び下アーム410から分離されている。第1の弾性ヒンジ416は、上アーム408を基部402へ接続している。第2の弾性ヒンジ418は、上アーム408を自由端406へ接続している。第3の弾性ヒンジ420は、下アーム410を基部402へ接続している。第4の弾性ヒンジ422は、下アーム410を自由端406へ接続している。第1、第2のヒンジ416,418は、側方に距離bだけ離れている。同様に、第3、第4のヒンジ420,422は、互いから側方にほぼ等しい距離bだけ分離されている。ヒンジ416,418,420,422は、上、下アーム408,410と、基部及び自由端406のうちの1つ以上との間の接合点における材料など、適切なものによって形成されてよい。電気絶縁材料から製造されている断路器405は、自由端406をステージミラー310へ接続してもよい。
【0053】
カンチレバー部分404のアーム及びヒンジの構成の結果、レバーブロック412に作用する側方向きの荷重Fによって、自由端406はZ方向に動かされる。そうした側方荷重Fは、基部402のボア426に位置し、ねじ切り栓428により適所に固定されている圧電アクチュエータ424によって、制御可能に提供されてよい。圧電アクチュエータ424は、レバーブロック412に対して側方に拡張することが可能である。圧電アクチュエータ424は、レバーブロック412に接する湾曲面(例えば、球面)430を備えるジョイント端部を含んでもよい。上アーム408から距離aに位置する点において、端部表面430はレバーブロック412と接触する。ジョイント端部の湾曲面430は、圧電アクチュエータの屈曲を防止していることが望ましい。比b/aによって、平行四辺形屈曲部403のてこ比及び剛性が決定される。
【0054】
平行四辺形屈曲部403及びレバーブロック412によって、側方荷重Fがカンチレバー404の自由端406の垂直運動に変換されることが可能となる。したがって、高さの限定された荷重屈曲部400においては、比較的長い圧電アクチュエータ424が用いられ得る。この組み合わせによって、荷重屈曲部は、比較的剛直かつ頑強となる。通常の圧電スタックは、スタック長さ1ミリメートル毎に、側方に約1マイクロメートル拡張し得る。したがって、100ミリメートルの圧電アクチュエータ424の場合には、約100マイクロメートルまで拡張し得る。b及びaを適切に選択することによって、荷重屈曲部400は、圧電アクチュエータの100マイクロメートルの拡張を、自由端406の約300マイクロメートルの運動へ、変換することが可能である。荷重屈曲部400の設計によって側方の高剛性が提供され、この高剛性によって、ステージミラー310はXYステージ308へ良好に結合される。また、荷重屈曲部400のZ剛性によって、Z方向における運動の高帯域の制御が可能となる。
【0055】
他のタイプの圧電式アクチュエータも、動的及び磁気的な要件を満たす限り、圧電アクチュエータ424の代替として適切である。例えば、圧電アクチュエータの代わりにボイスコイルタイプアクチュエータが用いられてもよい。電子ビーム用途では、電子ビームを妨害しないようにするために、ボイスコイルタイプアクチュエータの磁気的な遮蔽が必要な場合がある。
【0056】
図4に示すタイプの荷重屈曲部を用いる図3に示すタイプの基材支持装置は、図1に示
す従来技術のタイプの基材支持と比較して、相当に性能が改良される。図1に示すタイプの従来技術のシステムにおけるトラッキングされない誤差は、測定によると、約100nmのオーダーである。対照的に、図3に示すタイプの基材支持では、ステージミラー310に対するウエハチャック306の小さな動的寄生運動によるトラッキング誤差は、測定によると、0.1nmのオーダーの標準偏差であり、ほぼ3桁改良されている。また、2つのタイプの基材支持について、走査間誤差、走査内誤差、及びカーネル間誤差を比較する試験も行った。これらの試験の結果を、次のテーブル1にまとめる。
【0057】
【表1】

【0058】
走査間誤差には、刈り幅の加速及び減速の一回りの終了によるウエハ及びチャックの変位が含まれる。走査間誤差は、ウエハと干渉計ミラーとの間の平均のトラッキングされない誤差である。
【0059】
走査内誤差は、ステージを等速で走査しているときのチャックとステージミラーとの間の変位として測定される。チャックはステージベアリングによる振動のみを受ける。
画像補正はカーネルと呼ばれる刈り幅の小断片に基づく。この場合、カーネルは、12マイクロ秒毎に各々取得される48の垂直走査線を含む。したがって、線周波数は83.3kHzであり、カーネル周波数は1736Hzである。画像はカーネル周波数にて再び位置合わせされるため、カーネル間誤差は画像コンピュータの位置合わせシステムが取り扱う必要がある残差の誤差である。
【0060】
なお、図1のタイプの装置における誤差は全て、試験毎に変化した。さらに、図3のタイプの装置における走査間誤差の値は、約5m/sの加速度(重力による加速度の約半分)を超えて装置が揺動したときにのみ生じた。本発明の実施形態は、図3,4に示す代替のアクチュエータ及び屈曲部を含んでもよい。例えば、図5に示すように、基材支持装置500は、垂直の圧電アクチュエータ526を有するZステージプレート522へ結合されているステージミラー510を有してもよい。ステージミラー510は、干渉計の反射面として用いられ得る、高度研磨面514を含んでもよい。チャック506は、上述のように、ステージミラー510へ剛直に又はキネマティックに取り付けられていてもよい。Zステージプレート522はXYステージ508へ取り付けられていてもよい。1つ以上のアクチュエータ526は、Zステージプレート522とステージミラー510との間に直接結合されていてよい。例として、アクチュエータ526はZ方向に拡張する圧電アクチュエータであり得る。1つ以上の拘束525は、Zステージプレート522と、チャック及びステージミラー510のうちの一方又は両方との間に接続されていてもよい。拘束531はZ方向に垂直な1つ以上の方向におけるステージミラー510及びチャック506のうちの一方又は両方の運動を制限するように構成されている。例として、拘束531はZ方向に平行なV字溝533を各々含んでもよい。球ベアリング535は、V字溝533とステージミラー510のリセス537との間に配置されている。
【0061】
エネルギビームカラム502は、基材チャック506上の基材504へ向けられたエネルギビーム501を生成する。XYビーム偏向機構507は、XY平面(即ち、基材504の平面)においてエネルギビーム501を操作する。例として、エネルギビームカラム502は、例えば、赤外、可視、又は紫外光など、何らかの形態のエネルギ電磁放射を生成する電子ビームカラム、イオン光学カラム、又は光学カラムであってよい。
【0062】
例えば、静電容量センサなど、1つ以上のセンサ536が、チャック506とステージミラー510との間の相対運動を測定するために、基材チャック506に隣接して配置されてよい。センサ536と干渉計512の光検出器519とのうちの一方又は両方は、上述のように、外部フィードバックループ546において、XYステージ上のアクチュエータへ結合されてよい。同様に、光検出器519及びセンサ536のうちの一方又は両方は、上述のように、内部フィードバックループ550によって、エネルギビームカラム502のビーム偏向機構507へ結合されてよい。
【0063】
上述のテーブル1に見られるように、本発明の実施形態では、従来技術の基材支持装置と比較して、走査間誤差、走査内誤差、及びカーネル間誤差が低減される。本発明の実施形態は、特に、基材の平面に垂直な方向における基材の運動の影響を受けやすい用途に適合する。そうした用途の例には、次に限定されないが、ウエハ検査、レチクル検査、リソグラフィ又はレチクル印刷が含まれる。また、実施形態は、特に、電子顕微鏡検査、イオンビーム加工、電子ビーム加工などを含む、真空において用いる用途に適切である。
【符号の説明】
【0064】
102…電子光学カラム、103,303…真空チャンバ、106,306,506…基材チャック、107,307,507…XYビーム偏向機構、108,140,308,508…XYステージ、110,310,510…ステージミラー、112,312,512…干渉計、122…Zステージ、124,322,522…Zステージプレート、126,146,148,346,526,546…アクチュエータ、424…圧電アクチュエータ、128…屈曲部、136…相対位置センサ、300,500…基材支持装置、302,502…エネルギビームカラム、307,507…ビーム偏向機構、400…荷重屈曲部、402…基部、403…平行四辺形屈曲部、404…カンチレバー部分、406…自由端、408…上アーム、410…下アーム、412…レバーブロック、416…第1の弾性ヒンジ、418…第2の弾性ヒンジ、420…第3の弾性ヒンジ、422…第4の弾性ヒンジ、430…湾曲面、525,531…拘束。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材チャックと、
基材チャックへ結合されているZステージと、
Zステージへ取り付けられているステージミラーと、
ステージミラーに対する基材チャックの変位を感知するように構成されている1つ以上の相対位置センサと、
を備える基材支持装置であって、
前記1つ以上の相対位置センサは、1つ以上のフィードバックループにおいてステージミラーに対する基材チャックの運動を動的に補償するための動的補償手段と結合されている、基材支持装置。
【請求項2】
動的補償手段は、Zステージへの運動を与えるように構成されている1つ以上のアクチュエータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上のアクチュエータは、基材チャック及びステージミラーをZ方向へ運動させるように構成されている1つ以上のZステージアクチュエータを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
Zステージへ結合されているXYステージをさらに備え、前記1つ以上のアクチュエータは、Z方向にほぼ垂直な平面においてZステージを運動させるように構成されている1つ以上のXYステージアクチュエータを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記Zステージアクチュエータ及び前記XYステージアクチュエータのうちの一方又は両方に組み込まれている1つ以上の追加の相対位置センサをさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ステージミラーへ結合されている干渉計をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
基材チャックは静電チャックである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
真空チャンバをさらに備え、基材チャック、ステージミラー及びZステージが真空チャンバ内に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上の相対位置センサは、基材チャックに隣接するステージミラーへ取り付けられている静電容量センサ、誘導センサ又は光学センサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ZステージとXYステージとの間の結合は、XY平面における高剛性及びZ軸回りの回転の拘束並びにZ軸に沿ったZステージの自由運動を特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
基材チャックがZ軸に沿って運動することを可能としつつ、基材チャックはXY平面における運動及びZ軸回りの回転の拘束に関する高い剛性を特徴とする屈曲部によってZステージへ結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
基材チャックは、基材チャックの6つの運動自由度を拘束するZステージへ取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
エネルギビームカラムをさらに備え、動的補償手段は、フィードバックループにおいて前記1つ以上の相対位置センサへ結合されているエネルギビームカラムのXYビーム偏向
機構を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
エネルギビームカラムは電子光学カラムである、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
1つ以上の相対位置センサは干渉計を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
基材チャックと、基材チャックへ結合されているZステージと、Zステージへ取り付けられているステージミラーと、Zステージへ結合されているXYステージとを有し、
Zステージは、基材チャック及びステージミラーをZ方向へ運動させるように構成されている1つ以上のZステージアクチュエータを含み、XYステージは、Z方向にほぼ垂直な平面においてZステージを運動させるように構成されている1つ以上のXYステージアクチュエータを含む、タイプの基材支持装置において、
ステージミラーに対する基材チャックの運動を動的に補償するための方法であって、
ステージミラーに対する基材チャックの変位を感知する工程と、
1つ以上のフィードバックループにおける変位に比例した信号を前記Zステージアクチュエータ及び前記XYステージアクチュエータのうちの一方又は両方と結合することによって、前記Zステージアクチュエータ及び前記XYステージアクチュエータのうちの前記一方又は両方が、ステージミラーに対する基材チャックの運動を動的に補償する工程と、を含む方法。
【請求項17】
フィードバックループにおけるエネルギビームカラムのXYビーム偏向機構を1つ以上の相対位置センサへ結合することによって、エネルギビームカラムの位置を補正する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
Zステージプレートと、
ステージミラーと、
Zステージプレートへ取り付けられている1つ以上のアクチュエータであって、1つ以上のアクチュエータは、ZステージプレートがZ方向に垂直な平面における1つ以上の方向に移動されるとき、ステージミラーをZ方向へ運動させるように構成されており、Z方向は、X方向及びY方向に垂直な方向である、前記1つ以上のアクチュエータと、
基材チャックの6つの運動自由度を拘束することによってステージミラーへ取り付けられている基材チャックと、
を備える基材支持装置。
【請求項19】
基材チャックはステージミラーにキネマティックに取り付けられている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
基材チャックはステージミラーに組み込まれている、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
ステージミラーは基材チャックに組み込まれている、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記1つ以上のアクチュエータは、Zステージプレートとステージミラーとの間に結合されている1つ以上の圧電アクチュエータを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
Zステージプレートと、基材チャック及びステージミラーのうちの一方又は両方との間に結合されている拘束部をさらに備え、拘束部はZ方向に垂直な1つ以上の方向におけるステージミラー及びチャックのうちの一方又は両方の運動を制限するように構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記1つ以上のアクチュエータは1つ以上の荷重屈曲部を含む、請求項18に記載の装
置。
【請求項25】
Zステージプレートへ結合されているXYステージをさらに備え、XYステージはZ方向にほぼ垂直な平面においてZステージプレートを運動させるように構成されている1つ以上のXYステージアクチュエータを有する、請求項18に記載の装置。
【請求項26】
ステージミラーへ結合されている干渉計をさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
基材チャックは静電チャックである、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
真空チャンバをさらに備え、基材チャック、ステージミラー及びZステージプレートは真空チャンバ内に配置されている、請求項18に記載の装置。
【請求項29】
フィードバックループにおいて1つ以上の相対位置センサへ結合されているXYビーム偏向機構を有するエネルギビームカラムをさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項30】
エネルギビームカラムは電子光学カラムである、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
1つ以上の相対位置センサは干渉計を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
基部と、
基部から側方に伸びるカンチレバー部分と、
を含む荷重屈曲部であって、
カンチレバー部分は、基部とカンチレバー部分の自由端との間に結合されている平行四辺形屈曲部を含む、荷重屈曲部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−182467(P2012−182467A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92227(P2012−92227)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【分割の表示】特願2007−84660(P2007−84660)の分割
【原出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】