化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉およびそのサポータ
【課題】化学蒸着を実施するための反応炉を提供する。
【解決手段】化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉は反応チャンバを含んでいる。少なくとも1つの基板キャリアと基板キャリアを支持するためのサポータとが反応チャンバ内に設けられている。基板キャリアは第1面と第2面とを含んでいる。基板キャリアの第2面には少なくとも1つの内向きに窪んだ凹部が設けられている。サポータは、サポータは、スピンドル部と;スピンドル部の一端に接続されて、スピンドル部の外周から外向きに延びた支持部であって、支持部が支持面を含んだ支持部と;スピンドル部に接続されて、基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びたプラグイン部と、を含み、サポータのプラグイン部は取外し可能に凹部内に挿入され、基板キャリアがサポータ上に配置され且つサポータによって支持されることを可能にしている。
【解決手段】化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉は反応チャンバを含んでいる。少なくとも1つの基板キャリアと基板キャリアを支持するためのサポータとが反応チャンバ内に設けられている。基板キャリアは第1面と第2面とを含んでいる。基板キャリアの第2面には少なくとも1つの内向きに窪んだ凹部が設けられている。サポータは、サポータは、スピンドル部と;スピンドル部の一端に接続されて、スピンドル部の外周から外向きに延びた支持部であって、支持部が支持面を含んだ支持部と;スピンドル部に接続されて、基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びたプラグイン部と、を含み、サポータのプラグイン部は取外し可能に凹部内に挿入され、基板キャリアがサポータ上に配置され且つサポータによって支持されることを可能にしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は半導体デバイスの形成に関し、より具体的には、基板のような下層材料にエピタキシャル層を成長させるための、または化学蒸着を実施するための装置に関する。
【0002】
基板のような下層材料にエピタキシャル層を成長させる、または化学蒸着を実施する生産工程において、反応炉のデザインは極めて重要である。先行技術においては、反応炉は多様なデザインを有し、水平反応炉と垂直反応炉とを含む。水平反応炉の内部において、基板は流入する反応性ガスに対して所定の角度で組み付けられている。水平反応炉は自転し、その内部において反応性ガスが基板を水平に横断する。垂直反応炉の内部において、基板は反応チャンバ内の基板キャリア上に載置され、比較的高速で回転し、そのときに反応性ガスが基板上に下向きに噴射される。高速回転する垂直反応炉は商業的に最も重要なMOCVD反応炉である。
【0003】
例えば、「化学蒸着により基板上にエピタキシャル層を成長させるためのサセプタレス反応炉」と題された特許文献1は、サセプタレス反応炉を開示しており、図1に示されたように、反応チャンバと、回転スピンドル400と、基板を加熱するためのヒータ140と、基板を支持するための基板キャリア300と、を含んでいる。スピンドル400は上面481とスピンドル壁482とを含み、基板キャリア300は中央凹部390を含んでいる。基板キャリア300がスピンドル400に組み付けられた場合、スピンドル壁482と凹部390との間がぴったりと嵌り合い、蒸着位置において基板キャリア300を保持するための摩擦力が発生するまで、スピンドル400は中央凹部390内に挿入される。すなわち、基板キャリア300はスピンドル400の上端に保持され、摩擦力によってスピンドル400とともに回転される。
【0004】
しかしながら、現実的な技術的工程において、単に摩擦力のみによって基板キャリア300をスピンドル400上に保持し、高速で回転させ、基板キャリア300とスピンドル400との同期した回転を可能とすることは、前述の反応炉に関しては困難であり、例えば不十分な摩擦力に起因した滑りが発生するかもしれない。保持機構がその問題を解決するために追加で設けられる場合、システムの複雑さが増大される。さらに、スピンドル400の直径の制限に起因して、蒸着の際に基板キャリア300が終始バランスをとることが可能な状態を確実に維持することは困難である。基板キャリア300の重心が蒸着の間にバランスを失い、揺動した場合、基板上のエピタキシャル層の成長は不均一となる。さらに、スピンドル壁482と凹部390との間がぴったりと嵌り合い、基板処理が全体的に高温環境の中で実施されるので、スピンドル400は熱膨張する。スピンドル400の熱膨張係数が基板キャリア300の熱膨張係数よりも大きい場合、凹部390はスピンドル400の熱膨張から生じた圧力の下で損傷し、最終的には基板キャリア300全体が分裂する結果となるかもしれない。最後に、蒸着の際に、スピンドル400の回転速度は一般的に基板キャリア300の回転速度とは異なっており、すなわち、それら2つの回転速度の間には差があり、反応炉内の基板の位置は正確に測定され得ず、したがって、基板の温度も性格意に測定され得ないか、またはさらに制御され得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願第01822507.1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の目的は反応炉を提供することであり、この反応炉内では、基板キャリアは基板処理において安定して且つ確実に回転し、熱膨張の圧力および膨張したサポータによって損傷を受けず、したがって、反応炉全体の信頼性を改善している。
【0007】
本願の別の目的は反応炉内において使用可能なサポータを適用することであり、基板キャリアに取外し可能に接続可能であり、基板キャリアが基板処理において均一に且つ確実に回転する間に、均一に且つ確実に基板キャリアを支持する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために、本願の態様によれば、本願は、反応チャンバを含み、反応チャンバ内部には基板キャリアと基板キャリアを支持するためのサポータとが設けられており、
基板キャリアは第1面と第2面とを含み、第1面はその面上に処理される複数の基板を載置するように形成され、基板キャリアの第2面には内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられ、
サポータは、スピンドル部と;スピンドル部の一端に接続されて、スピンドル部の外周から外向きに延びた支持部であって、支持部が支持面を含んだ支持部と;スピンドル部に接続されて、基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含み、
サポータの少なくとも1つのプラグイン部は少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、基板キャリアがサポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、支持部の支持面は基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、基板キャリアは基板キャリアと接触した支持面によって支持される化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉を提供している。
【0009】
本願の別の態様によれば、本願は、反応チャンバを含み、反応チャンバ内部には基板キャリアと基板キャリアを支持するためのサポータとが設けられており、
基板キャリアは第1面と第2面とを含み、第1面はその面上に処理される複数の基板を載置するように形成され、基板キャリアの第2面には内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられ、
サポータは、上端を含んだスピンドル部であって、上端が支持面を含んだスピンドル部と;スピンドル部に接続されて、基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含み、
少なくとも1つのプラグイン部は少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、基板キャリアがサポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、支持面は基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、基板キャリアは基板キャリアと接触した支持面によって支持された化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉を提供している。
【0010】
本願のさらに別の態様によれば、本願は、基板を支持し且つ化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉内において使用可能なサポータであって、
基板キャリアは処理される複数の基板を載置するための第1面と、内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられた第2面と、を含み、サポータは、
スピンドル部と、
スピンドル部に接続されて且つスピンドル部の外周から外向きに延びた支持部であって、支持部が支持面を含んだ支持部と、
スピンドル部に接続されて且つ基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含んだサポータをさらに提供している。
【0011】
本願のさらに別の態様によれば、本願は、基板を支持し且つ化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉内において使用可能なサポータであって、
基板キャリアは処理される複数の基板を載置するための第1面と、内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられた第2面と、を含み、サポータは、
上端を含んだスピンドル部であって、上端が支持面を含んだスピンドル部と、
スピンドル部に接続されて且つ基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含み、
少なくとも1つのプラグイン部は少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、基板キャリアがサポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、支持部の支持面は基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、基板キャリアは基板キャリアと接触した支持面によって支持されたサポータをさらに提供している。
【0012】
本願による反応炉とサポータとは多くの利点を備えている。第一に、サポータ上に載置された後、基板処理中に、重心の不安定さに起因して基板キャリアが左右に揺動し得ず、すなわち、サポータは同期して且つ滑らかに基板キャリアが回転する力を負荷する。さらに、基板キャリアの回転が水平面内の方向においてプラグイン部によって負荷された力(押圧力または対抗力)の下で実現されるので、先行技術における基板キャリアとプラグイン部との間の「摩擦すべり」は発生しない。さらに、互いに接続され且つ係合された後に、所定のクリアランスがプラグイン部と凹部との間に存在することが可能であるので、クリアランスは高温処理環境におけるプラグイン部の熱膨張を許容し、これによって、加熱され且つ膨張したプラグイン部の摩擦嵌め合いに起因した圧力下での基板キャリアの損傷を防止しており、一方で、先行技術においては発生し得る。最後に、本願の装置は、閉鎖された反応チャンバ内に配置された基板の正確な位置及び温度をリアルタイムに且つ基板処理そのままの状態下で測定することをさらに容易にしている。
【0013】
添付図を参照して作成された非限定的な実施形態の詳細な記載を読むことで、本願の他の特徴、目的、および利点がより明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】先行技術における、化学蒸着により基板上にエピタキシャル層を成長させるためのサセプタレス反応炉を示した図である。
【図2A】本願による反応炉の断面を概略的に示した正面図である。
【図2B】図2Aに示された実施形態における基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図2C】図2Aに示された実施形態におけるサポータを概略的に示した斜視図である。
【図3A】線I−Iに沿った図2Aの反応炉の概略的な断面を方向Aに沿って底部から見た図である。
【図3B】本願の別の実施形態による反応炉の断面を概略的に示した底面図である。
【図3C】本願の別の実施形態による反応炉の断面を概略的に示した底面図である。
【図4A】本願の別の実施形態によるサポータを概略的に示した斜視図である。
【図4B】本願の別の実施形態による基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図4C】図4Aに示されたサポータと図4Bに示された基板キャリアとの間の接続を概略的に示した断面図である。
【図4D】本願の別の実施形態による基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図4E】図4Aに示されたサポータと図4Dに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。
【図5A】本願の別の実施形態によるサポータを概略的に示した斜視図である。
【図5B】本願の別の実施形態による基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図5C】図5Aに示されたサポータと図5Bに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。
【図5D】本願の別の実施形態による基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図5E】図5Aに示されたサポータと図5Dに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2Aは本願の実施形態による反応炉の正面の断面を概略的に示した図である。反応炉は化学蒸着またはエピタキシャル層成長に使用され得るが、それに限定されるものでないことが好ましい。図2Aに示されたように、反応炉は反応チャンバ1を含み、その内部には少なくとも1つの基板キャリア3と、基板キャリア3を支持するためのサポータ2と、が設けられている。搬送開口部Pは反応チャンバ1の側壁に設けられ、この搬送開口部Pを通じて基板キャリア3が反応チャンバ1内にまたは反応チャンバ1から搬送される。基板キャリア3は複数の処理される基板を載置するための第1面3aと、第2面3bと、を含んでいる。好適に、第1面3aには、処理される基板(図示略)を載置するための複数の溝またはノッチ(図示略)が設けられている。基板キャリア3の第2面3bには内向きに窪んだ凹部5が設けられている。
【0016】
一般的に、基板処理は反応チャンバ1内で実施され、基板キャリア3は反応チャンバ1の外側に配置され、複数の処理される基板(図示略)が前もって基板キャリア3上に配置される。次いで、基板キャリア3は反応チャンバ1内に搬送開口部Pを通じてロボットまたは他の手段によって搬送され、次いで、サポータ2によって取り外し可能に配置され且つ支持されて、基板処理の準備が整う。基板キャリア3はそれに続く基板処理の間中、サポータ2によって支持されている。サポータ2はモータを含んだ回転機構Mにも接続されている。処理において、回転機構Mはサポータ2を駆動して回転させ、それに続く基板キャリア3に力を伝達してまたは駆動して回転させる。基板処理が完了した後、回転機構Mの回転は停止され、サポータ2と基板キャリア3とはそれ以上回転しなくなる。基板キャリア3はロボットまたは他の手段によってサポータ2から取り外され、次いで搬送開口部Pを通じて反応チャンバ1の外側に搬出される。
【0017】
図2Bを参照すると、図2Bは図2Aに示された実施形態の基板キャリア3の概略的な斜視図である。基板キャリア3は概略ディスク形状であり、第1面3aと第2面3bとを含み、これらは互いに略平行または互いに対向している。凹部5は内向きに(すなわち第1面3aに向かって)凹形状であり、基板キャリアの第2面3b上の適切な位置(例えば中央領域)に設けられている。
【0018】
図2Cを参照すると、図2Cは図2Aに示された実施形態のサポータ2の概略的な斜視図である。サポータ2は、スピンドル部20と、スピンドル部20の一端に接続されてスピンドル部20の外周から外向きに延びた支持部22と、を含み、支持部22は支持面22aと、支持部22に接続されて支持面22aから所定の距離または高さだけ外向きに突出したプラグイン部24と、を含んでいる。
【0019】
本願により、サポータ2の基板キャリア3への取付けおよび基板キャリア3からの取外しが容易になる。サポータ2と基板キャリア3とは互いに固定されるように接続されておらず、基板処理が反応チャンバ1内で実施されている場合、同期した回転を維持することが可能である。この目的のために、サポータ2のプラグイン部24は上述の通り凹部5内に取外し可能に挿入され、基板キャリア3が配置され且つサポータ2によって支持されることを可能にしている。そのような位置および状態において、支持部22の支持面22aの少なくとも一部は基板キャリア3の第2面3bの少なくとも一部と接触しており、基板キャリア3は支持面22aと接触することによって支持されている。上述の支持部22はスピンドル部20の一端に配置され且つその一端と接触している。支持部22はスピンドル部20の外周から外向きに所定の距離だけ延び、「肩」または「支持棚」のような構造を形成し、その上に配置された基板キャリア3がZ軸方向に支持または保持されてもよい。支持部22は、例えば支持機器が図示されたような円筒形状または立方体形状もしくは他の任意の不規則の形状のような、多様な形状もしくは構造を備えた支持機器であってもよい。支持部22は、基板キャリア3がサポータ2によって支持されたときに基板キャリア3を支持するように機能する支持面22aを含んでいる。好適に、支持面22aは略平坦な面であり、支持面22aと接触する基板キャリア3の面も平坦であるように設計されており、支持面22aは基板キャリア3を安定して支持することが可能である。
【0020】
さらに、本願の実施形態において、基板キャリア3がサポータ2上に配置された後の基板処理の実施の際に、基板キャリア3は一般的に所定の速度において滑らかに回転することを必要とされる。基板キャリア3の回転動作は、サポータ2のプラグイン部24がX−Y軸で定義された水平面の方向において基板キャリア3を押圧する、または駆動する、もしくは力を負荷することによって実現されており、先行技術ではむしろ基板キャリア3とサポータ2との間の摩擦力によって実現されている。図3Aを参照すると、図3Aは図2AのI−Iに沿った横断面を概略的に示しており、方向Aに沿って底部から見た図を示している。この図は互いに接続され且つ係合された後の、サポータ2のプラグイン部24と基板キャリア3の凹部5との間の位置関係を示している。図示された実施形態のプラグイン部24は水平面内において楕円形断面を備えた楕円形円筒であり、プラグイン部24に対応した凹部5内に形成された凹状空間も、水平面内において楕円形断面を備えた楕円形円筒である。プラグイン部24は外周部24aを含み、基板キャリア3の凹部5は内周壁5aを含んでいる。プラグイン部24の外周24aによって囲まれた楕円形領域は、凹部5の内周壁5aによって囲まれた楕円形領域よりも小さいか、またはわずかに小さく、言い換えると、プラグイン部24の体積は凹部5内に形成された凹状空間の保持容量よりも小さい。したがって、プラグイン部24は凹部5内に容易に挿入されることが可能であり、それらが互いに係合された後に、それらの間の少なくとも一部には所定のクリアランスが存在している。このようにして、基板キャリア3がプラグイン部24上に取外し可能に載置されることが可能となっている。それに加えて、プラグイン部24はプラグイン部24の下に配置された回転機構Mによって回転駆動されるので、水平面上のプラグイン部24の位置は調節可能である。プラグイン部24が所定の位置(例えば図示されたような位置5bに)にまたは所定の角度に回転したとき、プラグイン部24の外周部24aのいくつかの点は凹部5の内周壁5aのいくつかの点に対して当接または対抗することが可能である。このようにして、回転機構Mの回転によって駆動されたプラグイン部24は基板キャリア3を押圧し、力を負荷し、または駆動し、X−Y軸によって定義された水平面の方向において同期して回転する。本願においては、プラグイン部24と凹部5との間は、従来技術における密着した摩擦嵌め合いよりもむしろ、クリアランスのある嵌め合いであることを記載しておくべきである。すなわち、本願における基板キャリア3の回転は、プラグイン部24と凹部5との間の摩擦嵌め合いによって実現されていない。さらに、本願においては、支持部22の支持面22aはZ軸方向において基板キャリア3の第2面3bを支持し、基板キャリア3の支持を達成している。したがって、基板キャリア3がサポータ2上に載置された後、所定のクリアランスが凹部5の上面5cをプラグイン部24の上面24cとの間に存在する(特にクリアランスが存在しなくてもよい)。言い換えると、プラグイン部24は支持面22aから所定の距離(支持面22aとプラグイン部24の上面24cとの間の垂直距離)だけ外向きに突出し、その距離は内向きに窪んだ凹部5の深さ(第2面3bと凹部5の上面5cとの間の垂直距離)よりも小さいか、またはそれに等しい。
【0021】
上述の記載から、以下のことが理解できる。一方では、本願による反応炉内において、基板キャリア3の凹部5の内周壁5aによって囲まれた空間がサポータ2のプラグイン部24の外周部24aよりも大きいので、プラグイン部24と凹部5との間にはクリアランスが存在し、プラグイン部24は凹部5内に容易に挿入され、または凹部5から容易に取外されることが可能である。それに加えて、プラグイン部24はさらに凹部5内において所定の角度だけ回転もしくは所定の距離だけ移動することが可能であり、次いで、プラグイン部24の外周部24aおよび凹部5の内周壁5aの形状またはサイズのデザインによって、凹部5内において特定の位置に到達する。その特定の位置において、プラグイン部24のいくつかの点は凹部5の内周壁5aのいくつかの位置に当接、対抗または係止され、プラグイン部24は回転機構Mの回転動作の下に「駆動機構」となり、すなわち、プラグイン部24は凹部5を駆動または押圧して、X,Y軸によって定義された平面上で同期して回転する。他方では、本願によるサポータ2には、「肩」または「支持棚」のような支持部22がさらに設けられ、Z軸方向において基板キャリア3を安定して支持している。基板キャリア3がサポータ2上に載置され、基板処理が実施された場合、基板キャリア3の回転動作は、サポータ2のプラグイン部24が水平面の方向において基板キャリア3を押圧するか、または力を負荷することによって達成され、一方で支持部22は基板キャリア3の全重量を垂直方向において安定して支持している。
【0022】
図1に示された従来技術による反応炉と比較すると、本願の反応炉は多くの利点を備えている。第1に、基板キャリア3がサポータ2上に載置された後、基板キャリア3全体がサポータ2の支持部22の支持面22aによって支持され、これによって「面支持」となり、従来技術による「点支持」とは異なっている。このようにして、本願の基板キャリア3の全体は、サポータ2上に載置された後の基板処理において、重心の不安定性により左右に揺動し得ない。さらに、基板キャリア3の回転は水平面の方向におけるプラグイン部24の回転によって負荷された力(押圧力または対抗力)の下で実現されているので、従来技術における基板キャリアとプラグイン部との間の「摩擦すべり」の事象は生じ得ない。さらに、プラグ部24と凹部5との間には、それらが互いに接続され且つ係合された後で、所定のクリアランスが存在するので、そのクリアランスは高温の処理環境中のプラグイン部24の熱膨張を可能にし、これによって、それらの間の摩擦嵌め合いに起因した、熱膨張したプラグイン部24の膨張圧の下での脆弱な基板キャリア3への損傷を防止しているが、一方で従来技術においてはそれが生じるであろう。最後に、本願の装置は、閉鎖反応チャンバ1内に配置された基板の正確な位置および温度をリアルタイムに且つ基板処理そのままの状態下で測定することをさらに容易にしている。図2Aに示されたように、速度センサSはサポータ2に接続されている。本願によるサポータ2および基板キャリア3は同一の速度で回転するので、基板キャリア3の回転速度はサポータ2の回転速度を測定することによって得られ、これによって、回転中の各基板の相対位置は正確に計算されることが可能である。正確な位置に基づいて、基板の温度を測定するために反応チャンバ1内に設置されたパイロメータは、反応チャンバ内の高速回転中の基板の温度を正確に測定し、計算することが可能である。
【0023】
上述の反応チャンバ1内において、ヒータが基板キャリア3の下にさらに設けられ、基板キャリア3の基板を加熱している。基板を均一に加熱するために、第1ヒータ6aと第2ヒータ6bとが基板キャリア3の下に設けられてもよい。第1ヒータ6aはサポータ2に近接して設置されている。例えば、第1ヒータ6aはスピンドル部20の周囲を囲んだ環状ヒータであり、図示されたように水平方向に載置されるか、または支持部22に近接して垂直方向においてスピンドル部20の周囲を囲み(図示略)、支持部22のブロックによって支持基板22と接触した基板キャリア3の一部の弱い加熱効果(すなわち、基板キャリア3の中央部)の問題を解決してもよい。第2ヒータ6bは第1ヒータ6aの外側に設置されて、基板キャリア3のエッジ部を加熱する。好適に、第1ヒータおよび第2ヒータの各々は加熱信号を通信し、別々に加熱制御を行っている。
【0024】
随意的に、上述の支持部22にも特別な形状の中空構造体が設けられてもよい。例えば、図2Aに示された支持部22は支持面22aと、底面22bと、を含み、中空構造体(図示略)は支持面22aと底面22bとを通って延び、第1ヒータ6aからの熱が中空構造体を通って基板キャリア3を直接的に加熱してもよい。したがって、基板キャリア3全体を加熱する効果は1つのヒータのみを使用することによって達成されてもよい。中空構造体の特別な形状および配置は実際の要求によって設計されてもよく、例えば複数の中空環状溝、スルーホール、貫通溝またはそれに類似したものとして設計され、支持部22上に均等にまたは非均等に配置されてもよい。
【0025】
随意的に、上述の支持部22の支持面22aもしくは支持面22aと接触する基板キャリア3の接触面3bは荒い面として設計されてもよく、または相互に係合されることが可能な所定の構造が2つの面上に設けられてもよい。例えば、摩擦力を増大するための所定の構造が2つの面上に設けられ、基板キャリア3上のサポータ2の支持効果を改良してもよい。
【0026】
本願の思想によれば、上述されたプラグイン部と凹部とは多様に変形されて実施されてもよいということは望ましいことである。例えば、サポータのプラグイン部は楕円形シリンダ、円形シリンダ直方体または立方体として設計されてもよい。水平面の方向における凹部の断面は楕円形、長方形、正方形、円形、三角形の形状とされてもよい。
【0027】
図3Bに示されているのは、本願の別の実施形態による反応炉の概略的な横断面を底面から見た図である。この実施形態は図3Aに示された実施形態とは異なっており、図3Bのプラグイン部34は水平面内において長方形断面を有する概略直方体であり、窪んだ凹部7に形成されたキャビティも水平面内において長方形断面を有する直方体である。プラグイン部34は外周部34aを含み、基板キャリア3の凹部7は内周壁7aを含んでいる。プラグイン部34の外周部34aによって囲まれた断面の面積は、凹部7の内周壁7aによって囲まれた断面の面積よりも小さいか、わずかに小さい。したがって、プラグイン部34は凹部7内に容易に挿入されることが可能であり、それらが互いに係合された後に、それらの間には所定のクリアランスが存在している。それに加えて、プラグイン部34はプラグイン部34の下に配置された回転機構Mによって回転駆動されるので、プラグイン部34の位置は調節可能である。プラグイン部34が(所定の位置、例えば図示されたような位置7b)にまたは所定の角度に回転したとき、プラグイン部34の外周部34aのいくつかの点は凹部7の内周壁7aのいくつかの点に対して当接または対抗することが可能である。このようにして、回転機構Mの回転によって駆動されたプラグイン部24は基板キャリア3を押圧し、力を負荷し、または駆動し、水平面の方向において同期して回転する。
【0028】
図3Cに示されているのは、本願の別の実施形態による反応炉の概略的な横断面を底面から見た図である。この実施形態は図3Aおよび3Bに示された実施形態とは異なり、図3Cにおいて、少なくとも1つのキーまたは位置決めピン44bがプラグイン部44に設けられ、キーまたは位置決めピン44bに合致した溝8bが基板キャリア3の凹部8の側壁に設けられている。プラグイン部44が凹部8内に挿入された場合、キーまたは位置決めピン44bは少なくとも部分的に溝8bと係合または接触し、プラグイン部44と凹部8との同期した移動を可能にする。前述の記載に類似して、プラグイン部44の外周部と凹部8の内周壁との間には所定のクリアランスが存在する。
【0029】
1つ以上のプラグイン部が1つ以上の凹部に取外し可能に挿入され、所定の位置において、1つ以上のプラグイン部が少なくとも部分的に1つ以上の凹部と接触するか係合されるか、または当接する限り、上述の多様な実施形態におけるプラグイン部の数は1つに限定されるものではなく、2よりも多くてもよく、上述の凹部の数も1つに限定されるものではなく、2よりも多くてもよいことが望ましい。
【0030】
上述の実施形態において、多様なサポータのプラグイン部は支持部と接続され、支持面から、プラグイン部が上述の個々の複数の凹部と係合し得る位置までの所定の距離、または高さだけ突出するように形成されている。本願におけるプラグイン部はスピンドル部の他の位置に配置されてもよい。例えば、例として図2Cを挙げると、図示された実施形態中のプラグイン部24は、支持部22の下に配置されたスピンドル部20の所定の位置20aから、プラグイン部が上述の複数の凹部と係合し得る位置まで上向きに延びるように変形されてもよい。延びたプラグイン部の数は1つ以上であってもよい。凹部の位置はプラグイン部に対応した形状に合致されてもよい。
【0031】
さらに、本願の思想および性質によれば、上述のプラグイン部と凹部とは以下の実施形態において変形されてもよい。図4A〜4Cに示されたように、図4Aおよび4Bは本願の実施形態によるサポータと基板キャリアをとの概略的な斜視図をそれぞれ表しており、図4Cは図4Aに示されたサポータと図4Bに示された基板キャリアとの間の接続の断面を概略的に示した図である。図4Aに示された実施形態は上述の実施形態とは異なっており、図4Aに示されたように、サポータ9はスピンドル部から所定の距離だけ外向きに延びた支持部を含んでいるのではなく、スピンドル部90の上端90aに直接に支持面92が設けられており、1つ、2つ、またはそれ以上のプラグイン部94a,94bが支持面92に設けられている。異なった設計要求によれば、2つ以上のプラグイン部は所定の距離だけ互いに離間されて、または互いに隣接していてもよい。したがって、基板キャリア13は第2面13bを含み、その上に内向きに窪んだ1つ、2つ、またはそれ以上の凹部130,132が設けられている。類似した態様において、異なった設計要求によれば、1つ、2つ、またはそれ以上の凹部は所定の距離だけ互いに離間されて、または互いに隣接していてもよく、上述の1つ、2つ、またはそれ以上のプラグイン部に対応して、それらの係合を容易にしている。それに類似して、プラグイン部94a,94bは凹部130,132内に取外し可能に挿入され、それらが係合された後で、プラグイン部と凹部との間にはクリアランスが存在し、これによってプラグイン部94a,94bは凹部130,132から容易に取り外される。基板キャリア13がサポータ9上に載置された後で、基板キャリア13の第2面13bの少なくとも一部はサポータ9の支持面92と接触し、基板キャリア13全体の重量は支持面92によって支持されている。所定の位置において、プラグイン部94a,94bは凹部130,132の一部と少なくとも部分的に接触、係合または当接し、回転機構Mの回転によって駆動されたプラグイン部94a,94bは基板キャリア13を押圧し、力を負荷し、または駆動し、水平面の方向において同期して回転する。
【0032】
より良好な支持効果を提供するために、スピンドル部90の上端90aは比較的大きい径を有するように構成されてもよい。したがって、支持面92の面積は比較的大きく、これによって基板支持部13に対してより安定した支持を提供している。
【0033】
図4Bに示された前述の凹部130,132は、単一の凹部構造として修正されてもよい。図4Dおよび4Eに示されたように、図4Dは本願の別の実施形態による基板キャリアの概略的な斜視図であり、図4Eは図4Aに示されたサポータと、図4Dに示された基板キャリアと、の間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。基板キャリア15は第2面15bを具備し、細長い凹部152(図示された実施形態では、2つの丸い端部を備えた溝)が第2面15bの適切な位置(図示されたような中央領域)に設けられている。細長い凹部152は、図4Aに示されたように、プラグイン部94a,94bを収容するサイズとされている。同様に、プラグイン部94a,94bは凹部152内に取外し可能に挿入されることが可能である。図4Eに示されたように、基板キャリア15が図4Aに示されたようにサポータ9上に載置された場合、基板キャリア15の第2面15bの少なくとも一部はサポータ9の支持面92と接触しており、基板キャリア15の全重量は支持面92によって支持される。ある位置において、プラグイン部94a,94bは凹部152の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触、係合または突き当たっており、回転機構Mの回転によって駆動されたプラグイン部94a,94bは基板キャリア15を押圧し、力を負荷し、または駆動し、水平面の方向において同期して回転することが可能である。
【0034】
図5A〜5Cを参照すると、図5Aおよび5Bはそれぞれ本願発明の他の実施形態によるサポータと基板キャリアとを概略的に示した斜視図であり、図5Cは図5Aに示されたサポータと図5Bに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。図5Aに示されたサポータ19はスピンドル部190を含んでいる。スピンドル部190は支持面192を含んだ上端を含んでいる。プラグイン部194a,194b,194cは支持面192上に設けられている。したがって、図5Bに示された基板キャリア113は第2面113bを含み、その上に内向きに窪んだ3つの凹部134,136,138が設けられている。図4Eに示された実施形態と比較すると、図5Cにおいて、3つのプラグイン部194a,194b,194cおよびそれらに対応した内向きに窪んだ3つの凹部134,136,138は、互いに接続および係合され、より安定した接続を提供し、プラグイン部194a,194b,194cは基板キャリア113を押圧または駆動して、水平面の方向においてより滑らかに且つ確実に回転する。
【0035】
さらに図5Dおよび5Eを参照すると、図5Dは本願発明の別の実施形態による基板キャリアの概略を示した斜視図であり、図5Eは図5Aに示されたサポータと図5Dに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。基板キャリア213は第2面213bを含み、概略三角形断面を備えた内向きに窪んだ凹部236は第2面213b上に設けられている。図5Eに示されたように、基板キャリア213が、図5Aに示されたように、サポータ19上に取外し可能に載置された場合、プラグイン部194a,194b,194cはすべて凹部236内に収容される。同様に、プラグイン部194a,194b,194cは所定の位置に配置されてもよく、その位置において、プラグイン部194a,194b,194cの外周部の少なくとも一部は凹部236の内周壁の少なくとも一部と接触し、係合し、または突き当たっている。この場合、サポータ19が回転機構Mの動作の下に回転した場合、プラグイン部194a,194b,194cは凹部236を駆動または押圧し、水平面の方向において同期して回転することが可能である。それと同時に、基板キャリア213の全重量はサポータ19の支持面192によって支持されている。
【0036】
図4A〜5Eに示された多様な実施形態のいずれにおいても、基板キャリアの支持は、スピンドル部の上端の支持面がZ軸方向において基板キャリアの第2面を支持することによって達成されている。したがって、基板キャリアがサポータ上に載置された後、あるクリアランスが凹部の上面(図4Cの13)とプラグイン部の上面(図4Cの94d)との間に存在することが許容されている。実際のところ、クリアランスは実際の設計においてゼロとされてもよい。
【0037】
前述の多様な実施形態におけるプラグイン部は、支持面の中央領域に配列されることに限定されるものではなく、支持面の端縁領域に配列もしくは分配されているか、または中央領域と端縁領域との両方に分配されていてもよいことは有用である。前述の多様な実施形態における基板キャリアの凹部はその第2面の中央領域に配列されることに限定されるものではなく、第2面の端縁領域に配列もしくは分配されているか、または中央領域と端縁領域との両方に分配されていてもよい。
【0038】
前述の図4A〜5Eに示された多様な実施形態のいずれかにおいて、サポータのプラグイン部はスピンドル部の上端と接続されるように形成されており、支持面から所定の距離または所定の高さだけ外向きに、プラグイン部が前述の凹部と係合し得る位置まで突出している。これらの実施形態のプラグイン部がスピンドル部の他の位置に設けられていてもよいことは有用である。例えば、プラグイン部はスピンドル部の別の位置に接続されるように形成され、基板キャリア上の第1面に向かって所定の距離または所定の高さだけ、プラグイン部が前述の凹部と係合し得る位置まで延びていてもよい。例として図4Aを挙げると、図示されたプラグイン部94a,94bは、支持面92の下に配置されたスピンドル部90の所定の位置から、プラグイン部が前述の凹部係合し得る位置まで上向きに延びるように変更されている。延在したプラグイン部の数は1つ以上とすることが可能である。したがって、凹部の位置はプラグイン部に対応するような形態に形成され、それらの間の係合を充足している。
【0039】
図2A〜3Cに図示された多様な構造のプラグイン部と凹部とは、図4A〜5Eに図示された実施形態におけるプラグイン部と凹部との構造の変形として見なしてもよく、図4A〜5Eに図示された多様な構造のプラグイン部と凹部とは、図2A〜3Cに図示された実施形態におけるプラグイン部と凹部との構造の変形として見なしてもよく、それらの動作原理は同一であり、ここには繰り返し記載されていない。これらの変形のすべては本願の特許請求の範囲内にある。
【0040】
好適に、いくつかのくり抜き構造または切欠き(図示略)が前述のスピンドル部90または190に設けられ、支持面92または192に近接していてもよい。これらのくり抜き構造または切欠きは、基板キャリア13または113の下に配置されたヒータから基板キャリア13または113の第2面への直接の熱伝導および熱放射を促進していてもよい。
【0041】
前述の多様な実施形態において、図示された支持面は水平面として概略的に示されているが、そのようなデザインに限定されるものではない。支持面は水平面に対してある角度をなした傾斜面であるように、または他の任意の不規則な面であるように設計されてもよい。面粗さを増大させる凹もしくは凸構造または他の構造が、支持面上にさらに設けられてもよく、結果的に、支持面上の構造に適合したある構造が基板キャリアの第2面に設けられ、支持面と第2面との間の接触および支持を促進してもよい。
【0042】
好適に、前述の多様な実施形態におけるプラグイン部の端縁は、プラグイン部と凹部との間の係合を容易にするために丸められているか、または面取りされているように設計されてもよく、結果的に前述の多様な実施形態における凹部は、プラグイン部と凹部との間の係合を容易にするために丸められているように設計されてもよい。
【0043】
好適に、本願の反応炉は、少なくともサポータのプラグイン部が少なくとも1つの凹部内に挿入された場合、少なくとも1つの第1プラグイン部と第2プラグイン部とが凹部内に収容されるようなサイズまたは形状の1つの凹部を含んでいる。
【0044】
好適に、本願の反応炉は、基板キャリアの第2面に分配され且つある距離だけ互いに離間されたまたは互いに隣接した第1凹部と第2凹部とを含んでいる。
【0045】
好適に、本願の反応炉において、サポータのスピンドル部は回転機構に接続されており、回転機構によって回転され、少なくとも1つのプラグイン部はスピンドル部に接続されて、基板キャリアに力を負荷し、押圧し、または駆動して、基板キャリアを回転させる。
【0046】
好適に、本願の反応炉において、いくつかのくり抜き構造がサポータのスピンドル部の上端に設けられている。
【0047】
本願の別の態様において、基板キャリアを支持し且つ化学蒸着もしくはエピタキシャル層成長反応炉内に取り付け可能なサポータが設けられている。基板キャリアは、処理されるいくつかの基板を載置するための第1面と、内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられた第2面と、を具備している。サポータは、スピンドル部と;スピンドル部の一端に接続されてスピンドル部の外周から外向きに延びた支持部と、を含み、支持部は、支持面と;スピンドル部に接続され且つ基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を具備している。
【0048】
好適に、前述のサポータにおいて、少なくとも1つのプラグイン部は支持部に接続されており、支持面から所定の距離だけ外向きに突出している。その距離は、少なくとも1つの凹部が内向きに窪んだ深さよりも小さい。第2面には内向きに窪んだ凹部が設けられている。基板キャリアがサポータ上に載置された場合、サポータの少なくとも1つのプラグイン部は凹部内に挿入され、支持部の支持面は少なくとも部分的に基板キャリアの第2面の少なくとも一部と接触し、基板キャリアは支持面によって支持される。
【0049】
好適に、前述のサポータにおいて、少なくとも1つのプラグイン部は支持面の下に配置されたスピンドルの位置に接続され、基板キャリアの第1面に向かって、少なくとも1つのプラグイン部が凹部と係合することが可能となる位置まで所定の高さだけ延びている。
【0050】
本願のさらに別の態様において、基板キャリアを支持し且つ化学蒸着もしくはエピタキシャル層成長反応炉内に取り付け可能なサポータが設けられている。基板キャリアは処理されるいくつかの基板を載置するための第1面と、内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられた第2面と、を具備している。サポータは、上端を具備したスピンドル部と;支持面を具備した上端と;スピンドル部に接続され且つ基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含んでいる。少なくとも1つのプラグイン部は少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、基板キャリアがサポータに載置され且つ支持されることを可能としており、支持状態において、支持部の支持面は基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触し、基板キャリアは基板キャリアと接触した状態で支持面によって支持されている。
【0051】
図1に示されたような先行技術の反応炉と比較すると、本願の反応炉は多くの利点を備えている。第1に、基板キャリアがサポータ上に載置された後、基板キャリア全体がサポータの支持面によって支持され、これによって「面支持」となり、効果的にサポータの支持領域を増大させており、先行技術における「点接触支持」とは異なっている。このようにして、本願の基板キャリア全体は、サポータ上に載置された後の基板処理における重心の不安定さにより左右に揺動し得ず、すなわち、サポータが基板キャリアに力を負荷して同期して且つ滑らかに回転することが可能である。さらに、基板キャリアの回転がプラグイン部によって負荷された力(押圧力または対抗力)の下で水平面の方向において実行されるので、先行技術における基板キャリアとプラグイン部との間の「摩擦滑り」は発生しない。さらに、互いに接続され且つ係合された後に、所定のクリアランスがプラグイン部と凹部との間に存在することが可能であるので、クリアランスは高温処理環境におけるプラグイン部の熱膨張を許容し、これによってそれらの間の摩擦はめ合いに起因した、加熱され且つ膨張したプラグイン部の押圧の下での基板キャリアの損傷を防止している一方で、先行技術ではこのことが発生し得る。最後に、本願の装置は閉鎖された反応チャンバ内において配置された基板の正確な位置及び温度をリアルタイムに且つ基板処理そのままの状態下で測定することをさらに容易にしている。
【0052】
本願は好適な実施形態によってこれまでに開示されたが、これらの好適な実施形態は本願を限定する目的とされていない。可能な変化および変形が、請求項によって特定された本願の思想および範囲から逸脱することなく、任意の当業者によって実施し得る。
【符号の説明】
【0053】
1 ・・・反応チャンバ、 2,9,19 ・・・サポータ、 3,13,15,113,213 ・・・基板キャリア、 5,7,8,130,132,236 ・・・凹部、 6a ・・・第1ヒータ、 6b ・・・第2ヒータ、 20,90,190 ・・・スピンドル部、 22 ・・・支持部、 24,34,44,94a,94b,194a,194b,194c ・・・プラグイン部、 44b ・・・キー、 92,192 ・・・支持面、 152 ・・・細長い凹部、 M ・・・回転機構、 P ・・・搬送開口部、 S ・・・速度センサ
【技術分野】
【0001】
本願は半導体デバイスの形成に関し、より具体的には、基板のような下層材料にエピタキシャル層を成長させるための、または化学蒸着を実施するための装置に関する。
【0002】
基板のような下層材料にエピタキシャル層を成長させる、または化学蒸着を実施する生産工程において、反応炉のデザインは極めて重要である。先行技術においては、反応炉は多様なデザインを有し、水平反応炉と垂直反応炉とを含む。水平反応炉の内部において、基板は流入する反応性ガスに対して所定の角度で組み付けられている。水平反応炉は自転し、その内部において反応性ガスが基板を水平に横断する。垂直反応炉の内部において、基板は反応チャンバ内の基板キャリア上に載置され、比較的高速で回転し、そのときに反応性ガスが基板上に下向きに噴射される。高速回転する垂直反応炉は商業的に最も重要なMOCVD反応炉である。
【0003】
例えば、「化学蒸着により基板上にエピタキシャル層を成長させるためのサセプタレス反応炉」と題された特許文献1は、サセプタレス反応炉を開示しており、図1に示されたように、反応チャンバと、回転スピンドル400と、基板を加熱するためのヒータ140と、基板を支持するための基板キャリア300と、を含んでいる。スピンドル400は上面481とスピンドル壁482とを含み、基板キャリア300は中央凹部390を含んでいる。基板キャリア300がスピンドル400に組み付けられた場合、スピンドル壁482と凹部390との間がぴったりと嵌り合い、蒸着位置において基板キャリア300を保持するための摩擦力が発生するまで、スピンドル400は中央凹部390内に挿入される。すなわち、基板キャリア300はスピンドル400の上端に保持され、摩擦力によってスピンドル400とともに回転される。
【0004】
しかしながら、現実的な技術的工程において、単に摩擦力のみによって基板キャリア300をスピンドル400上に保持し、高速で回転させ、基板キャリア300とスピンドル400との同期した回転を可能とすることは、前述の反応炉に関しては困難であり、例えば不十分な摩擦力に起因した滑りが発生するかもしれない。保持機構がその問題を解決するために追加で設けられる場合、システムの複雑さが増大される。さらに、スピンドル400の直径の制限に起因して、蒸着の際に基板キャリア300が終始バランスをとることが可能な状態を確実に維持することは困難である。基板キャリア300の重心が蒸着の間にバランスを失い、揺動した場合、基板上のエピタキシャル層の成長は不均一となる。さらに、スピンドル壁482と凹部390との間がぴったりと嵌り合い、基板処理が全体的に高温環境の中で実施されるので、スピンドル400は熱膨張する。スピンドル400の熱膨張係数が基板キャリア300の熱膨張係数よりも大きい場合、凹部390はスピンドル400の熱膨張から生じた圧力の下で損傷し、最終的には基板キャリア300全体が分裂する結果となるかもしれない。最後に、蒸着の際に、スピンドル400の回転速度は一般的に基板キャリア300の回転速度とは異なっており、すなわち、それら2つの回転速度の間には差があり、反応炉内の基板の位置は正確に測定され得ず、したがって、基板の温度も性格意に測定され得ないか、またはさらに制御され得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願第01822507.1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の目的は反応炉を提供することであり、この反応炉内では、基板キャリアは基板処理において安定して且つ確実に回転し、熱膨張の圧力および膨張したサポータによって損傷を受けず、したがって、反応炉全体の信頼性を改善している。
【0007】
本願の別の目的は反応炉内において使用可能なサポータを適用することであり、基板キャリアに取外し可能に接続可能であり、基板キャリアが基板処理において均一に且つ確実に回転する間に、均一に且つ確実に基板キャリアを支持する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために、本願の態様によれば、本願は、反応チャンバを含み、反応チャンバ内部には基板キャリアと基板キャリアを支持するためのサポータとが設けられており、
基板キャリアは第1面と第2面とを含み、第1面はその面上に処理される複数の基板を載置するように形成され、基板キャリアの第2面には内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられ、
サポータは、スピンドル部と;スピンドル部の一端に接続されて、スピンドル部の外周から外向きに延びた支持部であって、支持部が支持面を含んだ支持部と;スピンドル部に接続されて、基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含み、
サポータの少なくとも1つのプラグイン部は少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、基板キャリアがサポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、支持部の支持面は基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、基板キャリアは基板キャリアと接触した支持面によって支持される化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉を提供している。
【0009】
本願の別の態様によれば、本願は、反応チャンバを含み、反応チャンバ内部には基板キャリアと基板キャリアを支持するためのサポータとが設けられており、
基板キャリアは第1面と第2面とを含み、第1面はその面上に処理される複数の基板を載置するように形成され、基板キャリアの第2面には内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられ、
サポータは、上端を含んだスピンドル部であって、上端が支持面を含んだスピンドル部と;スピンドル部に接続されて、基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含み、
少なくとも1つのプラグイン部は少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、基板キャリアがサポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、支持面は基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、基板キャリアは基板キャリアと接触した支持面によって支持された化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉を提供している。
【0010】
本願のさらに別の態様によれば、本願は、基板を支持し且つ化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉内において使用可能なサポータであって、
基板キャリアは処理される複数の基板を載置するための第1面と、内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられた第2面と、を含み、サポータは、
スピンドル部と、
スピンドル部に接続されて且つスピンドル部の外周から外向きに延びた支持部であって、支持部が支持面を含んだ支持部と、
スピンドル部に接続されて且つ基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含んだサポータをさらに提供している。
【0011】
本願のさらに別の態様によれば、本願は、基板を支持し且つ化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉内において使用可能なサポータであって、
基板キャリアは処理される複数の基板を載置するための第1面と、内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられた第2面と、を含み、サポータは、
上端を含んだスピンドル部であって、上端が支持面を含んだスピンドル部と、
スピンドル部に接続されて且つ基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含み、
少なくとも1つのプラグイン部は少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、基板キャリアがサポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、支持部の支持面は基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、基板キャリアは基板キャリアと接触した支持面によって支持されたサポータをさらに提供している。
【0012】
本願による反応炉とサポータとは多くの利点を備えている。第一に、サポータ上に載置された後、基板処理中に、重心の不安定さに起因して基板キャリアが左右に揺動し得ず、すなわち、サポータは同期して且つ滑らかに基板キャリアが回転する力を負荷する。さらに、基板キャリアの回転が水平面内の方向においてプラグイン部によって負荷された力(押圧力または対抗力)の下で実現されるので、先行技術における基板キャリアとプラグイン部との間の「摩擦すべり」は発生しない。さらに、互いに接続され且つ係合された後に、所定のクリアランスがプラグイン部と凹部との間に存在することが可能であるので、クリアランスは高温処理環境におけるプラグイン部の熱膨張を許容し、これによって、加熱され且つ膨張したプラグイン部の摩擦嵌め合いに起因した圧力下での基板キャリアの損傷を防止しており、一方で、先行技術においては発生し得る。最後に、本願の装置は、閉鎖された反応チャンバ内に配置された基板の正確な位置及び温度をリアルタイムに且つ基板処理そのままの状態下で測定することをさらに容易にしている。
【0013】
添付図を参照して作成された非限定的な実施形態の詳細な記載を読むことで、本願の他の特徴、目的、および利点がより明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】先行技術における、化学蒸着により基板上にエピタキシャル層を成長させるためのサセプタレス反応炉を示した図である。
【図2A】本願による反応炉の断面を概略的に示した正面図である。
【図2B】図2Aに示された実施形態における基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図2C】図2Aに示された実施形態におけるサポータを概略的に示した斜視図である。
【図3A】線I−Iに沿った図2Aの反応炉の概略的な断面を方向Aに沿って底部から見た図である。
【図3B】本願の別の実施形態による反応炉の断面を概略的に示した底面図である。
【図3C】本願の別の実施形態による反応炉の断面を概略的に示した底面図である。
【図4A】本願の別の実施形態によるサポータを概略的に示した斜視図である。
【図4B】本願の別の実施形態による基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図4C】図4Aに示されたサポータと図4Bに示された基板キャリアとの間の接続を概略的に示した断面図である。
【図4D】本願の別の実施形態による基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図4E】図4Aに示されたサポータと図4Dに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。
【図5A】本願の別の実施形態によるサポータを概略的に示した斜視図である。
【図5B】本願の別の実施形態による基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図5C】図5Aに示されたサポータと図5Bに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。
【図5D】本願の別の実施形態による基板キャリアを概略的に示した斜視図である。
【図5E】図5Aに示されたサポータと図5Dに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2Aは本願の実施形態による反応炉の正面の断面を概略的に示した図である。反応炉は化学蒸着またはエピタキシャル層成長に使用され得るが、それに限定されるものでないことが好ましい。図2Aに示されたように、反応炉は反応チャンバ1を含み、その内部には少なくとも1つの基板キャリア3と、基板キャリア3を支持するためのサポータ2と、が設けられている。搬送開口部Pは反応チャンバ1の側壁に設けられ、この搬送開口部Pを通じて基板キャリア3が反応チャンバ1内にまたは反応チャンバ1から搬送される。基板キャリア3は複数の処理される基板を載置するための第1面3aと、第2面3bと、を含んでいる。好適に、第1面3aには、処理される基板(図示略)を載置するための複数の溝またはノッチ(図示略)が設けられている。基板キャリア3の第2面3bには内向きに窪んだ凹部5が設けられている。
【0016】
一般的に、基板処理は反応チャンバ1内で実施され、基板キャリア3は反応チャンバ1の外側に配置され、複数の処理される基板(図示略)が前もって基板キャリア3上に配置される。次いで、基板キャリア3は反応チャンバ1内に搬送開口部Pを通じてロボットまたは他の手段によって搬送され、次いで、サポータ2によって取り外し可能に配置され且つ支持されて、基板処理の準備が整う。基板キャリア3はそれに続く基板処理の間中、サポータ2によって支持されている。サポータ2はモータを含んだ回転機構Mにも接続されている。処理において、回転機構Mはサポータ2を駆動して回転させ、それに続く基板キャリア3に力を伝達してまたは駆動して回転させる。基板処理が完了した後、回転機構Mの回転は停止され、サポータ2と基板キャリア3とはそれ以上回転しなくなる。基板キャリア3はロボットまたは他の手段によってサポータ2から取り外され、次いで搬送開口部Pを通じて反応チャンバ1の外側に搬出される。
【0017】
図2Bを参照すると、図2Bは図2Aに示された実施形態の基板キャリア3の概略的な斜視図である。基板キャリア3は概略ディスク形状であり、第1面3aと第2面3bとを含み、これらは互いに略平行または互いに対向している。凹部5は内向きに(すなわち第1面3aに向かって)凹形状であり、基板キャリアの第2面3b上の適切な位置(例えば中央領域)に設けられている。
【0018】
図2Cを参照すると、図2Cは図2Aに示された実施形態のサポータ2の概略的な斜視図である。サポータ2は、スピンドル部20と、スピンドル部20の一端に接続されてスピンドル部20の外周から外向きに延びた支持部22と、を含み、支持部22は支持面22aと、支持部22に接続されて支持面22aから所定の距離または高さだけ外向きに突出したプラグイン部24と、を含んでいる。
【0019】
本願により、サポータ2の基板キャリア3への取付けおよび基板キャリア3からの取外しが容易になる。サポータ2と基板キャリア3とは互いに固定されるように接続されておらず、基板処理が反応チャンバ1内で実施されている場合、同期した回転を維持することが可能である。この目的のために、サポータ2のプラグイン部24は上述の通り凹部5内に取外し可能に挿入され、基板キャリア3が配置され且つサポータ2によって支持されることを可能にしている。そのような位置および状態において、支持部22の支持面22aの少なくとも一部は基板キャリア3の第2面3bの少なくとも一部と接触しており、基板キャリア3は支持面22aと接触することによって支持されている。上述の支持部22はスピンドル部20の一端に配置され且つその一端と接触している。支持部22はスピンドル部20の外周から外向きに所定の距離だけ延び、「肩」または「支持棚」のような構造を形成し、その上に配置された基板キャリア3がZ軸方向に支持または保持されてもよい。支持部22は、例えば支持機器が図示されたような円筒形状または立方体形状もしくは他の任意の不規則の形状のような、多様な形状もしくは構造を備えた支持機器であってもよい。支持部22は、基板キャリア3がサポータ2によって支持されたときに基板キャリア3を支持するように機能する支持面22aを含んでいる。好適に、支持面22aは略平坦な面であり、支持面22aと接触する基板キャリア3の面も平坦であるように設計されており、支持面22aは基板キャリア3を安定して支持することが可能である。
【0020】
さらに、本願の実施形態において、基板キャリア3がサポータ2上に配置された後の基板処理の実施の際に、基板キャリア3は一般的に所定の速度において滑らかに回転することを必要とされる。基板キャリア3の回転動作は、サポータ2のプラグイン部24がX−Y軸で定義された水平面の方向において基板キャリア3を押圧する、または駆動する、もしくは力を負荷することによって実現されており、先行技術ではむしろ基板キャリア3とサポータ2との間の摩擦力によって実現されている。図3Aを参照すると、図3Aは図2AのI−Iに沿った横断面を概略的に示しており、方向Aに沿って底部から見た図を示している。この図は互いに接続され且つ係合された後の、サポータ2のプラグイン部24と基板キャリア3の凹部5との間の位置関係を示している。図示された実施形態のプラグイン部24は水平面内において楕円形断面を備えた楕円形円筒であり、プラグイン部24に対応した凹部5内に形成された凹状空間も、水平面内において楕円形断面を備えた楕円形円筒である。プラグイン部24は外周部24aを含み、基板キャリア3の凹部5は内周壁5aを含んでいる。プラグイン部24の外周24aによって囲まれた楕円形領域は、凹部5の内周壁5aによって囲まれた楕円形領域よりも小さいか、またはわずかに小さく、言い換えると、プラグイン部24の体積は凹部5内に形成された凹状空間の保持容量よりも小さい。したがって、プラグイン部24は凹部5内に容易に挿入されることが可能であり、それらが互いに係合された後に、それらの間の少なくとも一部には所定のクリアランスが存在している。このようにして、基板キャリア3がプラグイン部24上に取外し可能に載置されることが可能となっている。それに加えて、プラグイン部24はプラグイン部24の下に配置された回転機構Mによって回転駆動されるので、水平面上のプラグイン部24の位置は調節可能である。プラグイン部24が所定の位置(例えば図示されたような位置5bに)にまたは所定の角度に回転したとき、プラグイン部24の外周部24aのいくつかの点は凹部5の内周壁5aのいくつかの点に対して当接または対抗することが可能である。このようにして、回転機構Mの回転によって駆動されたプラグイン部24は基板キャリア3を押圧し、力を負荷し、または駆動し、X−Y軸によって定義された水平面の方向において同期して回転する。本願においては、プラグイン部24と凹部5との間は、従来技術における密着した摩擦嵌め合いよりもむしろ、クリアランスのある嵌め合いであることを記載しておくべきである。すなわち、本願における基板キャリア3の回転は、プラグイン部24と凹部5との間の摩擦嵌め合いによって実現されていない。さらに、本願においては、支持部22の支持面22aはZ軸方向において基板キャリア3の第2面3bを支持し、基板キャリア3の支持を達成している。したがって、基板キャリア3がサポータ2上に載置された後、所定のクリアランスが凹部5の上面5cをプラグイン部24の上面24cとの間に存在する(特にクリアランスが存在しなくてもよい)。言い換えると、プラグイン部24は支持面22aから所定の距離(支持面22aとプラグイン部24の上面24cとの間の垂直距離)だけ外向きに突出し、その距離は内向きに窪んだ凹部5の深さ(第2面3bと凹部5の上面5cとの間の垂直距離)よりも小さいか、またはそれに等しい。
【0021】
上述の記載から、以下のことが理解できる。一方では、本願による反応炉内において、基板キャリア3の凹部5の内周壁5aによって囲まれた空間がサポータ2のプラグイン部24の外周部24aよりも大きいので、プラグイン部24と凹部5との間にはクリアランスが存在し、プラグイン部24は凹部5内に容易に挿入され、または凹部5から容易に取外されることが可能である。それに加えて、プラグイン部24はさらに凹部5内において所定の角度だけ回転もしくは所定の距離だけ移動することが可能であり、次いで、プラグイン部24の外周部24aおよび凹部5の内周壁5aの形状またはサイズのデザインによって、凹部5内において特定の位置に到達する。その特定の位置において、プラグイン部24のいくつかの点は凹部5の内周壁5aのいくつかの位置に当接、対抗または係止され、プラグイン部24は回転機構Mの回転動作の下に「駆動機構」となり、すなわち、プラグイン部24は凹部5を駆動または押圧して、X,Y軸によって定義された平面上で同期して回転する。他方では、本願によるサポータ2には、「肩」または「支持棚」のような支持部22がさらに設けられ、Z軸方向において基板キャリア3を安定して支持している。基板キャリア3がサポータ2上に載置され、基板処理が実施された場合、基板キャリア3の回転動作は、サポータ2のプラグイン部24が水平面の方向において基板キャリア3を押圧するか、または力を負荷することによって達成され、一方で支持部22は基板キャリア3の全重量を垂直方向において安定して支持している。
【0022】
図1に示された従来技術による反応炉と比較すると、本願の反応炉は多くの利点を備えている。第1に、基板キャリア3がサポータ2上に載置された後、基板キャリア3全体がサポータ2の支持部22の支持面22aによって支持され、これによって「面支持」となり、従来技術による「点支持」とは異なっている。このようにして、本願の基板キャリア3の全体は、サポータ2上に載置された後の基板処理において、重心の不安定性により左右に揺動し得ない。さらに、基板キャリア3の回転は水平面の方向におけるプラグイン部24の回転によって負荷された力(押圧力または対抗力)の下で実現されているので、従来技術における基板キャリアとプラグイン部との間の「摩擦すべり」の事象は生じ得ない。さらに、プラグ部24と凹部5との間には、それらが互いに接続され且つ係合された後で、所定のクリアランスが存在するので、そのクリアランスは高温の処理環境中のプラグイン部24の熱膨張を可能にし、これによって、それらの間の摩擦嵌め合いに起因した、熱膨張したプラグイン部24の膨張圧の下での脆弱な基板キャリア3への損傷を防止しているが、一方で従来技術においてはそれが生じるであろう。最後に、本願の装置は、閉鎖反応チャンバ1内に配置された基板の正確な位置および温度をリアルタイムに且つ基板処理そのままの状態下で測定することをさらに容易にしている。図2Aに示されたように、速度センサSはサポータ2に接続されている。本願によるサポータ2および基板キャリア3は同一の速度で回転するので、基板キャリア3の回転速度はサポータ2の回転速度を測定することによって得られ、これによって、回転中の各基板の相対位置は正確に計算されることが可能である。正確な位置に基づいて、基板の温度を測定するために反応チャンバ1内に設置されたパイロメータは、反応チャンバ内の高速回転中の基板の温度を正確に測定し、計算することが可能である。
【0023】
上述の反応チャンバ1内において、ヒータが基板キャリア3の下にさらに設けられ、基板キャリア3の基板を加熱している。基板を均一に加熱するために、第1ヒータ6aと第2ヒータ6bとが基板キャリア3の下に設けられてもよい。第1ヒータ6aはサポータ2に近接して設置されている。例えば、第1ヒータ6aはスピンドル部20の周囲を囲んだ環状ヒータであり、図示されたように水平方向に載置されるか、または支持部22に近接して垂直方向においてスピンドル部20の周囲を囲み(図示略)、支持部22のブロックによって支持基板22と接触した基板キャリア3の一部の弱い加熱効果(すなわち、基板キャリア3の中央部)の問題を解決してもよい。第2ヒータ6bは第1ヒータ6aの外側に設置されて、基板キャリア3のエッジ部を加熱する。好適に、第1ヒータおよび第2ヒータの各々は加熱信号を通信し、別々に加熱制御を行っている。
【0024】
随意的に、上述の支持部22にも特別な形状の中空構造体が設けられてもよい。例えば、図2Aに示された支持部22は支持面22aと、底面22bと、を含み、中空構造体(図示略)は支持面22aと底面22bとを通って延び、第1ヒータ6aからの熱が中空構造体を通って基板キャリア3を直接的に加熱してもよい。したがって、基板キャリア3全体を加熱する効果は1つのヒータのみを使用することによって達成されてもよい。中空構造体の特別な形状および配置は実際の要求によって設計されてもよく、例えば複数の中空環状溝、スルーホール、貫通溝またはそれに類似したものとして設計され、支持部22上に均等にまたは非均等に配置されてもよい。
【0025】
随意的に、上述の支持部22の支持面22aもしくは支持面22aと接触する基板キャリア3の接触面3bは荒い面として設計されてもよく、または相互に係合されることが可能な所定の構造が2つの面上に設けられてもよい。例えば、摩擦力を増大するための所定の構造が2つの面上に設けられ、基板キャリア3上のサポータ2の支持効果を改良してもよい。
【0026】
本願の思想によれば、上述されたプラグイン部と凹部とは多様に変形されて実施されてもよいということは望ましいことである。例えば、サポータのプラグイン部は楕円形シリンダ、円形シリンダ直方体または立方体として設計されてもよい。水平面の方向における凹部の断面は楕円形、長方形、正方形、円形、三角形の形状とされてもよい。
【0027】
図3Bに示されているのは、本願の別の実施形態による反応炉の概略的な横断面を底面から見た図である。この実施形態は図3Aに示された実施形態とは異なっており、図3Bのプラグイン部34は水平面内において長方形断面を有する概略直方体であり、窪んだ凹部7に形成されたキャビティも水平面内において長方形断面を有する直方体である。プラグイン部34は外周部34aを含み、基板キャリア3の凹部7は内周壁7aを含んでいる。プラグイン部34の外周部34aによって囲まれた断面の面積は、凹部7の内周壁7aによって囲まれた断面の面積よりも小さいか、わずかに小さい。したがって、プラグイン部34は凹部7内に容易に挿入されることが可能であり、それらが互いに係合された後に、それらの間には所定のクリアランスが存在している。それに加えて、プラグイン部34はプラグイン部34の下に配置された回転機構Mによって回転駆動されるので、プラグイン部34の位置は調節可能である。プラグイン部34が(所定の位置、例えば図示されたような位置7b)にまたは所定の角度に回転したとき、プラグイン部34の外周部34aのいくつかの点は凹部7の内周壁7aのいくつかの点に対して当接または対抗することが可能である。このようにして、回転機構Mの回転によって駆動されたプラグイン部24は基板キャリア3を押圧し、力を負荷し、または駆動し、水平面の方向において同期して回転する。
【0028】
図3Cに示されているのは、本願の別の実施形態による反応炉の概略的な横断面を底面から見た図である。この実施形態は図3Aおよび3Bに示された実施形態とは異なり、図3Cにおいて、少なくとも1つのキーまたは位置決めピン44bがプラグイン部44に設けられ、キーまたは位置決めピン44bに合致した溝8bが基板キャリア3の凹部8の側壁に設けられている。プラグイン部44が凹部8内に挿入された場合、キーまたは位置決めピン44bは少なくとも部分的に溝8bと係合または接触し、プラグイン部44と凹部8との同期した移動を可能にする。前述の記載に類似して、プラグイン部44の外周部と凹部8の内周壁との間には所定のクリアランスが存在する。
【0029】
1つ以上のプラグイン部が1つ以上の凹部に取外し可能に挿入され、所定の位置において、1つ以上のプラグイン部が少なくとも部分的に1つ以上の凹部と接触するか係合されるか、または当接する限り、上述の多様な実施形態におけるプラグイン部の数は1つに限定されるものではなく、2よりも多くてもよく、上述の凹部の数も1つに限定されるものではなく、2よりも多くてもよいことが望ましい。
【0030】
上述の実施形態において、多様なサポータのプラグイン部は支持部と接続され、支持面から、プラグイン部が上述の個々の複数の凹部と係合し得る位置までの所定の距離、または高さだけ突出するように形成されている。本願におけるプラグイン部はスピンドル部の他の位置に配置されてもよい。例えば、例として図2Cを挙げると、図示された実施形態中のプラグイン部24は、支持部22の下に配置されたスピンドル部20の所定の位置20aから、プラグイン部が上述の複数の凹部と係合し得る位置まで上向きに延びるように変形されてもよい。延びたプラグイン部の数は1つ以上であってもよい。凹部の位置はプラグイン部に対応した形状に合致されてもよい。
【0031】
さらに、本願の思想および性質によれば、上述のプラグイン部と凹部とは以下の実施形態において変形されてもよい。図4A〜4Cに示されたように、図4Aおよび4Bは本願の実施形態によるサポータと基板キャリアをとの概略的な斜視図をそれぞれ表しており、図4Cは図4Aに示されたサポータと図4Bに示された基板キャリアとの間の接続の断面を概略的に示した図である。図4Aに示された実施形態は上述の実施形態とは異なっており、図4Aに示されたように、サポータ9はスピンドル部から所定の距離だけ外向きに延びた支持部を含んでいるのではなく、スピンドル部90の上端90aに直接に支持面92が設けられており、1つ、2つ、またはそれ以上のプラグイン部94a,94bが支持面92に設けられている。異なった設計要求によれば、2つ以上のプラグイン部は所定の距離だけ互いに離間されて、または互いに隣接していてもよい。したがって、基板キャリア13は第2面13bを含み、その上に内向きに窪んだ1つ、2つ、またはそれ以上の凹部130,132が設けられている。類似した態様において、異なった設計要求によれば、1つ、2つ、またはそれ以上の凹部は所定の距離だけ互いに離間されて、または互いに隣接していてもよく、上述の1つ、2つ、またはそれ以上のプラグイン部に対応して、それらの係合を容易にしている。それに類似して、プラグイン部94a,94bは凹部130,132内に取外し可能に挿入され、それらが係合された後で、プラグイン部と凹部との間にはクリアランスが存在し、これによってプラグイン部94a,94bは凹部130,132から容易に取り外される。基板キャリア13がサポータ9上に載置された後で、基板キャリア13の第2面13bの少なくとも一部はサポータ9の支持面92と接触し、基板キャリア13全体の重量は支持面92によって支持されている。所定の位置において、プラグイン部94a,94bは凹部130,132の一部と少なくとも部分的に接触、係合または当接し、回転機構Mの回転によって駆動されたプラグイン部94a,94bは基板キャリア13を押圧し、力を負荷し、または駆動し、水平面の方向において同期して回転する。
【0032】
より良好な支持効果を提供するために、スピンドル部90の上端90aは比較的大きい径を有するように構成されてもよい。したがって、支持面92の面積は比較的大きく、これによって基板支持部13に対してより安定した支持を提供している。
【0033】
図4Bに示された前述の凹部130,132は、単一の凹部構造として修正されてもよい。図4Dおよび4Eに示されたように、図4Dは本願の別の実施形態による基板キャリアの概略的な斜視図であり、図4Eは図4Aに示されたサポータと、図4Dに示された基板キャリアと、の間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。基板キャリア15は第2面15bを具備し、細長い凹部152(図示された実施形態では、2つの丸い端部を備えた溝)が第2面15bの適切な位置(図示されたような中央領域)に設けられている。細長い凹部152は、図4Aに示されたように、プラグイン部94a,94bを収容するサイズとされている。同様に、プラグイン部94a,94bは凹部152内に取外し可能に挿入されることが可能である。図4Eに示されたように、基板キャリア15が図4Aに示されたようにサポータ9上に載置された場合、基板キャリア15の第2面15bの少なくとも一部はサポータ9の支持面92と接触しており、基板キャリア15の全重量は支持面92によって支持される。ある位置において、プラグイン部94a,94bは凹部152の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触、係合または突き当たっており、回転機構Mの回転によって駆動されたプラグイン部94a,94bは基板キャリア15を押圧し、力を負荷し、または駆動し、水平面の方向において同期して回転することが可能である。
【0034】
図5A〜5Cを参照すると、図5Aおよび5Bはそれぞれ本願発明の他の実施形態によるサポータと基板キャリアとを概略的に示した斜視図であり、図5Cは図5Aに示されたサポータと図5Bに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。図5Aに示されたサポータ19はスピンドル部190を含んでいる。スピンドル部190は支持面192を含んだ上端を含んでいる。プラグイン部194a,194b,194cは支持面192上に設けられている。したがって、図5Bに示された基板キャリア113は第2面113bを含み、その上に内向きに窪んだ3つの凹部134,136,138が設けられている。図4Eに示された実施形態と比較すると、図5Cにおいて、3つのプラグイン部194a,194b,194cおよびそれらに対応した内向きに窪んだ3つの凹部134,136,138は、互いに接続および係合され、より安定した接続を提供し、プラグイン部194a,194b,194cは基板キャリア113を押圧または駆動して、水平面の方向においてより滑らかに且つ確実に回転する。
【0035】
さらに図5Dおよび5Eを参照すると、図5Dは本願発明の別の実施形態による基板キャリアの概略を示した斜視図であり、図5Eは図5Aに示されたサポータと図5Dに示された基板キャリアとの間の接続および係合を概略的に示した斜視図である。基板キャリア213は第2面213bを含み、概略三角形断面を備えた内向きに窪んだ凹部236は第2面213b上に設けられている。図5Eに示されたように、基板キャリア213が、図5Aに示されたように、サポータ19上に取外し可能に載置された場合、プラグイン部194a,194b,194cはすべて凹部236内に収容される。同様に、プラグイン部194a,194b,194cは所定の位置に配置されてもよく、その位置において、プラグイン部194a,194b,194cの外周部の少なくとも一部は凹部236の内周壁の少なくとも一部と接触し、係合し、または突き当たっている。この場合、サポータ19が回転機構Mの動作の下に回転した場合、プラグイン部194a,194b,194cは凹部236を駆動または押圧し、水平面の方向において同期して回転することが可能である。それと同時に、基板キャリア213の全重量はサポータ19の支持面192によって支持されている。
【0036】
図4A〜5Eに示された多様な実施形態のいずれにおいても、基板キャリアの支持は、スピンドル部の上端の支持面がZ軸方向において基板キャリアの第2面を支持することによって達成されている。したがって、基板キャリアがサポータ上に載置された後、あるクリアランスが凹部の上面(図4Cの13)とプラグイン部の上面(図4Cの94d)との間に存在することが許容されている。実際のところ、クリアランスは実際の設計においてゼロとされてもよい。
【0037】
前述の多様な実施形態におけるプラグイン部は、支持面の中央領域に配列されることに限定されるものではなく、支持面の端縁領域に配列もしくは分配されているか、または中央領域と端縁領域との両方に分配されていてもよいことは有用である。前述の多様な実施形態における基板キャリアの凹部はその第2面の中央領域に配列されることに限定されるものではなく、第2面の端縁領域に配列もしくは分配されているか、または中央領域と端縁領域との両方に分配されていてもよい。
【0038】
前述の図4A〜5Eに示された多様な実施形態のいずれかにおいて、サポータのプラグイン部はスピンドル部の上端と接続されるように形成されており、支持面から所定の距離または所定の高さだけ外向きに、プラグイン部が前述の凹部と係合し得る位置まで突出している。これらの実施形態のプラグイン部がスピンドル部の他の位置に設けられていてもよいことは有用である。例えば、プラグイン部はスピンドル部の別の位置に接続されるように形成され、基板キャリア上の第1面に向かって所定の距離または所定の高さだけ、プラグイン部が前述の凹部と係合し得る位置まで延びていてもよい。例として図4Aを挙げると、図示されたプラグイン部94a,94bは、支持面92の下に配置されたスピンドル部90の所定の位置から、プラグイン部が前述の凹部係合し得る位置まで上向きに延びるように変更されている。延在したプラグイン部の数は1つ以上とすることが可能である。したがって、凹部の位置はプラグイン部に対応するような形態に形成され、それらの間の係合を充足している。
【0039】
図2A〜3Cに図示された多様な構造のプラグイン部と凹部とは、図4A〜5Eに図示された実施形態におけるプラグイン部と凹部との構造の変形として見なしてもよく、図4A〜5Eに図示された多様な構造のプラグイン部と凹部とは、図2A〜3Cに図示された実施形態におけるプラグイン部と凹部との構造の変形として見なしてもよく、それらの動作原理は同一であり、ここには繰り返し記載されていない。これらの変形のすべては本願の特許請求の範囲内にある。
【0040】
好適に、いくつかのくり抜き構造または切欠き(図示略)が前述のスピンドル部90または190に設けられ、支持面92または192に近接していてもよい。これらのくり抜き構造または切欠きは、基板キャリア13または113の下に配置されたヒータから基板キャリア13または113の第2面への直接の熱伝導および熱放射を促進していてもよい。
【0041】
前述の多様な実施形態において、図示された支持面は水平面として概略的に示されているが、そのようなデザインに限定されるものではない。支持面は水平面に対してある角度をなした傾斜面であるように、または他の任意の不規則な面であるように設計されてもよい。面粗さを増大させる凹もしくは凸構造または他の構造が、支持面上にさらに設けられてもよく、結果的に、支持面上の構造に適合したある構造が基板キャリアの第2面に設けられ、支持面と第2面との間の接触および支持を促進してもよい。
【0042】
好適に、前述の多様な実施形態におけるプラグイン部の端縁は、プラグイン部と凹部との間の係合を容易にするために丸められているか、または面取りされているように設計されてもよく、結果的に前述の多様な実施形態における凹部は、プラグイン部と凹部との間の係合を容易にするために丸められているように設計されてもよい。
【0043】
好適に、本願の反応炉は、少なくともサポータのプラグイン部が少なくとも1つの凹部内に挿入された場合、少なくとも1つの第1プラグイン部と第2プラグイン部とが凹部内に収容されるようなサイズまたは形状の1つの凹部を含んでいる。
【0044】
好適に、本願の反応炉は、基板キャリアの第2面に分配され且つある距離だけ互いに離間されたまたは互いに隣接した第1凹部と第2凹部とを含んでいる。
【0045】
好適に、本願の反応炉において、サポータのスピンドル部は回転機構に接続されており、回転機構によって回転され、少なくとも1つのプラグイン部はスピンドル部に接続されて、基板キャリアに力を負荷し、押圧し、または駆動して、基板キャリアを回転させる。
【0046】
好適に、本願の反応炉において、いくつかのくり抜き構造がサポータのスピンドル部の上端に設けられている。
【0047】
本願の別の態様において、基板キャリアを支持し且つ化学蒸着もしくはエピタキシャル層成長反応炉内に取り付け可能なサポータが設けられている。基板キャリアは、処理されるいくつかの基板を載置するための第1面と、内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられた第2面と、を具備している。サポータは、スピンドル部と;スピンドル部の一端に接続されてスピンドル部の外周から外向きに延びた支持部と、を含み、支持部は、支持面と;スピンドル部に接続され且つ基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を具備している。
【0048】
好適に、前述のサポータにおいて、少なくとも1つのプラグイン部は支持部に接続されており、支持面から所定の距離だけ外向きに突出している。その距離は、少なくとも1つの凹部が内向きに窪んだ深さよりも小さい。第2面には内向きに窪んだ凹部が設けられている。基板キャリアがサポータ上に載置された場合、サポータの少なくとも1つのプラグイン部は凹部内に挿入され、支持部の支持面は少なくとも部分的に基板キャリアの第2面の少なくとも一部と接触し、基板キャリアは支持面によって支持される。
【0049】
好適に、前述のサポータにおいて、少なくとも1つのプラグイン部は支持面の下に配置されたスピンドルの位置に接続され、基板キャリアの第1面に向かって、少なくとも1つのプラグイン部が凹部と係合することが可能となる位置まで所定の高さだけ延びている。
【0050】
本願のさらに別の態様において、基板キャリアを支持し且つ化学蒸着もしくはエピタキシャル層成長反応炉内に取り付け可能なサポータが設けられている。基板キャリアは処理されるいくつかの基板を載置するための第1面と、内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられた第2面と、を具備している。サポータは、上端を具備したスピンドル部と;支持面を具備した上端と;スピンドル部に接続され且つ基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を含んでいる。少なくとも1つのプラグイン部は少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、基板キャリアがサポータに載置され且つ支持されることを可能としており、支持状態において、支持部の支持面は基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触し、基板キャリアは基板キャリアと接触した状態で支持面によって支持されている。
【0051】
図1に示されたような先行技術の反応炉と比較すると、本願の反応炉は多くの利点を備えている。第1に、基板キャリアがサポータ上に載置された後、基板キャリア全体がサポータの支持面によって支持され、これによって「面支持」となり、効果的にサポータの支持領域を増大させており、先行技術における「点接触支持」とは異なっている。このようにして、本願の基板キャリア全体は、サポータ上に載置された後の基板処理における重心の不安定さにより左右に揺動し得ず、すなわち、サポータが基板キャリアに力を負荷して同期して且つ滑らかに回転することが可能である。さらに、基板キャリアの回転がプラグイン部によって負荷された力(押圧力または対抗力)の下で水平面の方向において実行されるので、先行技術における基板キャリアとプラグイン部との間の「摩擦滑り」は発生しない。さらに、互いに接続され且つ係合された後に、所定のクリアランスがプラグイン部と凹部との間に存在することが可能であるので、クリアランスは高温処理環境におけるプラグイン部の熱膨張を許容し、これによってそれらの間の摩擦はめ合いに起因した、加熱され且つ膨張したプラグイン部の押圧の下での基板キャリアの損傷を防止している一方で、先行技術ではこのことが発生し得る。最後に、本願の装置は閉鎖された反応チャンバ内において配置された基板の正確な位置及び温度をリアルタイムに且つ基板処理そのままの状態下で測定することをさらに容易にしている。
【0052】
本願は好適な実施形態によってこれまでに開示されたが、これらの好適な実施形態は本願を限定する目的とされていない。可能な変化および変形が、請求項によって特定された本願の思想および範囲から逸脱することなく、任意の当業者によって実施し得る。
【符号の説明】
【0053】
1 ・・・反応チャンバ、 2,9,19 ・・・サポータ、 3,13,15,113,213 ・・・基板キャリア、 5,7,8,130,132,236 ・・・凹部、 6a ・・・第1ヒータ、 6b ・・・第2ヒータ、 20,90,190 ・・・スピンドル部、 22 ・・・支持部、 24,34,44,94a,94b,194a,194b,194c ・・・プラグイン部、 44b ・・・キー、 92,192 ・・・支持面、 152 ・・・細長い凹部、 M ・・・回転機構、 P ・・・搬送開口部、 S ・・・速度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応チャンバを具備し、該反応チャンバ内部には基板キャリアと該基板キャリアを支持するためのサポータとが設けられており、
前記基板キャリアは第1面と第2面とを具備し、前記第1面はその面上に処理される複数の基板を載置するように形成され、前記基板キャリアの前記第2面には内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられ、
前記サポータは、スピンドル部と;該スピンドル部の一端に接続されて、該スピンドル部の外周から外向きに延びた支持部であって、該支持部が支持面を具備した支持部と;前記スピンドル部に接続されて、前記基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は前記少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、前記基板キャリアが前記サポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、前記支持部の支持面は前記基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、前記基板キャリアは前記基板キャリアと接触した前記支持面によって支持されることを特徴とする化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉。
【請求項2】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記支持部に接続されており、前記支持面から、前記少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部と係合することが可能な位置まで、所定の距離だけ外向きに突出していることを特徴とする請求項1に記載の反応炉。
【請求項3】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記支持面の下に配置されたスピンドル部の位置に接続されており、前記基板キャリアの第1面に向かって、前記少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部と係合することが可能な位置まで、所定の高さだけ延びていることを特徴とする請求項1に記載の反応炉。
【請求項4】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は外周部を具備し、前記基板キャリアの少なくとも1つの凹部は内周壁を具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入された場合、前記外周部と内周壁との間の少なくとも一部にはクリアランスが存在し、前記少なくとも1つのプラグイン部は、前記外周部の少なくとも一部が前記内周壁の少なくとも一部と接触し、係合され、または突き当たった位置において、前記少なくとも1つの凹部内に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項5】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、互いに離間された、または互いに隣接した第1プラグイン部と第2プラグイン部とを具備し、前記少なくとも1つの凹部は第1凹部と第2凹部とを具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入される場合に、前記第1プラグイン部は前記第1凹部内に挿入され、前記第2プラグイン部は前記第2凹部内に挿入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項6】
少なくとも1つのキーまたは位置決めピンが前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部に設けられ、前記少なくとも1つのキーまたは位置決めピンと合致した少なくとも1つの溝が前記基板キャリアの少なくとも1つの凹部の側壁に設けられ、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入される場合に、前記少なくとも1つのキーまたは位置決めピンは前記少なくとも1つの溝と少なくとも部分的に係合し、接触し、または突き当たり、前記少なくとも1つのプラグイン部と少なくとも1つの凹部との同期した動作を可能にしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項7】
いくつかのくり抜き構造が前記サポータの支持部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項8】
反応チャンバを具備し、該反応チャンバ内部には基板キャリアと該基板キャリアを支持するためのサポータとが設けられており、
前記基板キャリアは第1面と第2面とを具備し、前記第1面はその面上に処理される複数の基板を載置するように形成され、前記基板キャリアの前記第2面には内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられ、
前記サポータは、上端を具備したスピンドル部であって、前記上端が支持面を具備したスピンドル部と;該スピンドル部に接続されて、前記基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を具備し、
前記少なくとも1つのプラグイン部は前記少なくとも1つの前記凹部内に取外し可能に挿入され、前記基板キャリアが前記サポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、前記支持面は前記基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、前記基板キャリアは前記基板キャリアと接触した前記支持面によって支持されることを特徴とする化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉。
【請求項9】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記上端に接続されており、前記支持面から、前記少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部と係合することが可能な位置まで、所定の距離だけ外向きに突出していることを特徴とする請求項8に記載の反応炉。
【請求項10】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記支持面の下に配置されたスピンドル部の位置に接続されており、前記基板キャリアの第1面に向かって、前記少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部と係合することが可能な位置まで、所定の高さだけ延びていることを特徴とする請求項8に記載の反応炉。
【請求項11】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は外周部を具備し、前記基板キャリアの少なくとも1つの凹部は内周壁を具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入された場合、前記外周部と内周壁との間の少なくとも一部にはクリアランスが存在し、前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記外周部の少なくとも一部が前記内周壁の少なくとも一部と接触し、係合され、または突き当たった位置において、前記少なくとも1つの凹部内に配置されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項12】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、所定の距離だけ互いに離間された、または互いに隣接した第1プラグイン部と第2プラグイン部とを具備し、前記少なくとも1つの凹部は第1凹部と第2凹部とを具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入される場合に、前記第1プラグイン部は前記第1凹部内に挿入され、前記第2プラグイン部は前記第2凹部内に挿入されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項13】
少なくとも1つのキーまたは位置決めピンが前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部に設けられ、前記少なくとも1つのキーまたは位置決めピンと合致した少なくとも1つの溝が前記基板キャリアの少なくとも1つの凹部の側壁に設けられ、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入される場合に、前記少なくとも1つのキーまたは位置決めピンは前記少なくとも1つの溝と少なくとも部分的に係合し、または接触し、前記少なくとも1つのプラグイン部と少なくとも1つの凹部との同期した動作を可能にしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項1】
反応チャンバを具備し、該反応チャンバ内部には基板キャリアと該基板キャリアを支持するためのサポータとが設けられており、
前記基板キャリアは第1面と第2面とを具備し、前記第1面はその面上に処理される複数の基板を載置するように形成され、前記基板キャリアの前記第2面には内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられ、
前記サポータは、スピンドル部と;該スピンドル部の一端に接続されて、該スピンドル部の外周から外向きに延びた支持部であって、該支持部が支持面を具備した支持部と;前記スピンドル部に接続されて、前記基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は前記少なくとも1つの凹部内に取外し可能に挿入され、前記基板キャリアが前記サポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、前記支持部の支持面は前記基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、前記基板キャリアは前記基板キャリアと接触した前記支持面によって支持されることを特徴とする化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉。
【請求項2】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記支持部に接続されており、前記支持面から、前記少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部と係合することが可能な位置まで、所定の距離だけ外向きに突出していることを特徴とする請求項1に記載の反応炉。
【請求項3】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記支持面の下に配置されたスピンドル部の位置に接続されており、前記基板キャリアの第1面に向かって、前記少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部と係合することが可能な位置まで、所定の高さだけ延びていることを特徴とする請求項1に記載の反応炉。
【請求項4】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は外周部を具備し、前記基板キャリアの少なくとも1つの凹部は内周壁を具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入された場合、前記外周部と内周壁との間の少なくとも一部にはクリアランスが存在し、前記少なくとも1つのプラグイン部は、前記外周部の少なくとも一部が前記内周壁の少なくとも一部と接触し、係合され、または突き当たった位置において、前記少なくとも1つの凹部内に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項5】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、互いに離間された、または互いに隣接した第1プラグイン部と第2プラグイン部とを具備し、前記少なくとも1つの凹部は第1凹部と第2凹部とを具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入される場合に、前記第1プラグイン部は前記第1凹部内に挿入され、前記第2プラグイン部は前記第2凹部内に挿入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項6】
少なくとも1つのキーまたは位置決めピンが前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部に設けられ、前記少なくとも1つのキーまたは位置決めピンと合致した少なくとも1つの溝が前記基板キャリアの少なくとも1つの凹部の側壁に設けられ、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入される場合に、前記少なくとも1つのキーまたは位置決めピンは前記少なくとも1つの溝と少なくとも部分的に係合し、接触し、または突き当たり、前記少なくとも1つのプラグイン部と少なくとも1つの凹部との同期した動作を可能にしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項7】
いくつかのくり抜き構造が前記サポータの支持部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項8】
反応チャンバを具備し、該反応チャンバ内部には基板キャリアと該基板キャリアを支持するためのサポータとが設けられており、
前記基板キャリアは第1面と第2面とを具備し、前記第1面はその面上に処理される複数の基板を載置するように形成され、前記基板キャリアの前記第2面には内向きに窪んだ少なくとも1つの凹部が設けられ、
前記サポータは、上端を具備したスピンドル部であって、前記上端が支持面を具備したスピンドル部と;該スピンドル部に接続されて、前記基板キャリアの第1面に向かって所定の高さだけ延びた少なくとも1つのプラグイン部と、を具備し、
前記少なくとも1つのプラグイン部は前記少なくとも1つの前記凹部内に取外し可能に挿入され、前記基板キャリアが前記サポータ上に載置され且つ支持されることを可能にしており、支持された場合に、前記支持面は前記基板キャリアの第2面の少なくとも一部と少なくとも部分的に接触しており、前記基板キャリアは前記基板キャリアと接触した前記支持面によって支持されることを特徴とする化学蒸着またはエピタキシャル層成長反応炉。
【請求項9】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記上端に接続されており、前記支持面から、前記少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部と係合することが可能な位置まで、所定の距離だけ外向きに突出していることを特徴とする請求項8に記載の反応炉。
【請求項10】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記支持面の下に配置されたスピンドル部の位置に接続されており、前記基板キャリアの第1面に向かって、前記少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部と係合することが可能な位置まで、所定の高さだけ延びていることを特徴とする請求項8に記載の反応炉。
【請求項11】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は外周部を具備し、前記基板キャリアの少なくとも1つの凹部は内周壁を具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入された場合、前記外周部と内周壁との間の少なくとも一部にはクリアランスが存在し、前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、前記外周部の少なくとも一部が前記内周壁の少なくとも一部と接触し、係合され、または突き当たった位置において、前記少なくとも1つの凹部内に配置されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項12】
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部は、所定の距離だけ互いに離間された、または互いに隣接した第1プラグイン部と第2プラグイン部とを具備し、前記少なくとも1つの凹部は第1凹部と第2凹部とを具備し、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入される場合に、前記第1プラグイン部は前記第1凹部内に挿入され、前記第2プラグイン部は前記第2凹部内に挿入されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の反応炉。
【請求項13】
少なくとも1つのキーまたは位置決めピンが前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部に設けられ、前記少なくとも1つのキーまたは位置決めピンと合致した少なくとも1つの溝が前記基板キャリアの少なくとも1つの凹部の側壁に設けられ、
前記サポータの少なくとも1つのプラグイン部が前記少なくとも1つの凹部内に挿入される場合に、前記少なくとも1つのキーまたは位置決めピンは前記少なくとも1つの溝と少なくとも部分的に係合し、または接触し、前記少なくとも1つのプラグイン部と少なくとも1つの凹部との同期した動作を可能にしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応炉。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【公開番号】特開2013−110412(P2013−110412A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−255074(P2012−255074)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【出願人】(512302452)中微半▲導▼体▲設▼▲備▼(上海)有限公司 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−255074(P2012−255074)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【出願人】(512302452)中微半▲導▼体▲設▼▲備▼(上海)有限公司 (1)
【Fターム(参考)】
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