説明

化粧品及び皮膚科学におけるLIFの使用

【課題】ヒトの未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体の再生力を維持し及び/又は刺激することを意図した薬剤としての、化粧品用組成物自体又は製薬用組成物の調製における使用、及びその化粧品用又は製薬用組成物の提供。また皮膚の乾燥及び/又はひび割れ及び/又は加齢の美容処理方法、又は抜毛の美容処理方法。また皮膚の再生及び/又は瘢痕形成の分野、特に火傷の処置のための組成物の提供。
【解決手段】LIF(白血病阻害因子)、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物を有効成分とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明の技術分野は、LIF(白血病阻害因子)、LIF類似体、又はLIF模倣剤の、化粧品及び皮膚科学における使用にある。
特に本発明は、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物の有効量の、ヒトの未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体の再生力を維持し及び/又は刺激することを意図した薬剤としての使用に関する。
【0002】
本発明において、「ヒトの未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体の再生力」なる表現は、特に(i)細胞集合体の自己再生能及び/又はそれらの増殖能、及び/又は(ii)多重層上皮、特に多重層表皮、及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物(皮脂腺、毛髪の小胞、爪等)を再生するそれらの能力を意味することを意図している。
本発明において、「ヒトの未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体」なる用語は、自己再生及び/又は増殖可能で、多重層上皮、特に多重層表皮、及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物(皮脂腺、毛髪の小胞、爪等)を生成する、表皮の基底層に本来存在する成人体細胞の幹細胞の集合体を意味することを意図している。
【0003】
「細胞の自己再生能」なる表現は、少なくとも一方が母細胞と同一である、2つの娘細胞を付与するように分割可能な細胞を意味することを意図している。複雑型細胞の集合体の規模では、自己再生という概念は、連続的な細胞分割の間一定である表現型及び機能的特徴を有する細胞の区画の維持を意味している。本発明において、このことは、強い増殖能と多重層上皮、特に多重層表皮の生成能で特に特徴付けられる、未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体を構成する区画の維持に関与している。
「細胞の増殖能」なる表現は、増殖して2つの娘細胞を付与可能な細胞を意味することを意図しており、母細胞の特徴及び能力は、必ずしも2つの娘細胞の少なくとも一方に伝達されるものではない。自己再生現象を伴ってもそうでなくてもよい増殖は、増殖する細胞集合体において興味ある細胞区画の漸次的減少又は消失に帰する傾向がある。本発明において、細胞増殖は、強い増殖能と、多重層上皮、特に多重層表皮の生成能で特に特徴付けられる、未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の区画の漸次的減少及び/又は消失を伴う可能性がある。
この集合体は、特に未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体を含む。
【0004】
組織ヒエラルキーの最も上流に位置する幹細胞区画は、強い自己再生能(長期間にわたる増殖のために最も実質的な能力)とまた多能性(特に、多重層上皮、特にケラチノサイト、及び/又は皮膚付属物の種々の細胞型、例えば毛髪の小胞、皮脂腺、爪等)により特徴付けられる。
前記幹細胞から派生した表皮前駆体は、かなりではあるが、幹細胞の増殖能よりは低い増殖能を示し、また多重層上皮、特に多重層表皮を生成する能力によって特徴付けられる。
【0005】
皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体のプールにおける量的及び/又は質的低減と、それらの刺激に必要な細胞及び分子環境の欠陥が、皮膚加齢を引き起こす原因の一つになり得る。
よって、表皮の再生を促進し、皮膚加齢の兆候を防止し、及び/又はこれに抗するための、皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体のこのプールを維持し及び/又は増加させることが可能な薬剤の探究がなされている。
【0006】
また本発明は、特に火傷の処置のための、皮膚の再生及び瘢痕形成を促進させることを意図した組成物の調製における、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物の使用に関する。
さらに本発明は、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される少なくとも一の化合物を含む化粧品用又は医薬組成物、及び乾燥及び/又はひび割れ及び/又は加齢した皮膚の美容処理方法、又は抜毛の美容処理方法に関する。
【0007】
皮膚は、生物体とその環境との間に物理的障壁を構成する。それは、2つの組織:表皮と真皮とからなる。
真皮は表皮に堅牢な支持部を付与している。真皮はまた表皮の栄養成分でもある。真皮は、主として線維芽細胞と細胞外マトリックスとからなり、細胞外マトリックス自体は、特にコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及び基底物質として知られている物質から構成され、これらの成分は本質的に線維芽細胞によって合成される。さらに、白血球、肥満細胞又は組織マクロファージもそこに見出される。また、真皮には血管と神経線維も含まれる。
【0008】
表皮は、平均して100μm厚の落屑する多重層上皮であり、皮膚幹細胞、未分化の表皮前駆体、さらに成熟/分化プロセスに関与する細胞を含む基底層、基底細胞上に配された数層の多面細胞からなる「有棘」層、細胞質封入体、ケラトヒアリン顆粒を含む扁平細胞からなるいわゆる「顆粒」層、そして最後に、角質細胞と称される、分化の最終段階のケラチノサイトからなる角質層(horny layer)(又は角質層:stratum corneum)と称される上層に一般的に分割される。角質細胞は、ケラチノサイトから派生するミイラ化した無核の角質化細胞である。角質細胞の積層により、とりわけ、表皮の障壁機能として機能する角質層が構成される。
表皮分化は、基底ケラチノサイトが移動しながら変形し、完全に角質化した死亡細胞である角質細胞の形成を生じる連続した指向性の成熟プロセスに続く。この分化は、完全に協調した現象の結果であり、結果として一定の厚みが維持され、よって表皮のホメオスタシスが確保される。このことは、分化プロセスに入る細胞の数と、落屑する細胞の数との厳密な調節が存在していることを意味する。正常な落屑プロセスの課程において、最も表面にある角質細胞のみが表皮表面から剥離する。
【0009】
種々の生理学的パラメータが、皮膚「加齢」に関与している。特に時間生物学的な加齢においては、表皮の厚みが低減することが知られている。特に、表皮前駆体と幹細胞を含む基底層の細胞が、あまり活発に分割しなくなり、特に表皮再生が遅延化し、及び/又は低減する結果となるために、表皮の再生能はかなり低下してしまう。また、更年期障害時においては、皮膚加齢は加速されて、皮膚の厚みが低減することも記載されている。女性は、皮膚が突っ張り、乾燥したり、さらには乾燥症が発症することに不満をもっている。更年期障害に関連したホルモン欠乏は、特に代謝活性の低減に附随するもので、結果として、ケラチノサイトの増殖度合いが低減するおそれがある。
【0010】
また皮膚「加齢」は、環境原因に関連してもいる。最も一般的には、太陽に長時間及び/又は繰り返し暴露されることで、表皮に全く同様な結果をもたらすことが知られている。これは光誘発性加齢である。
皮膚加齢の兆候は、特に皮膚の薄化、及び/又は皮膚の堅牢性、弾性、及び/又は張りの喪失、及び/又はシワ及びコジワの形成に至る。皮膚表面における微小凹部からなる皮膚の微起伏がさらに加速され、皮膚の外観は滑らかではなくなる。シワ及びコジワは、特に鼻唇溝、目尻、額、口周囲及び首に表れる。
【0011】
さらに、ある種の病気、特に乾癬又は魚鱗癬の場合には、皮膚が、改変細胞の増殖及び/又は分化を伴う変化を示すことが知られている。
よって、表皮の再生を容易にし、皮膚に若い外観を付与するために、表皮細胞の増殖を刺激することができる薬剤が必要であることが理解される。また、このような活性剤が皮膚の瘢痕形成及び再生、特に火傷の処置の場合に使用できるであろう程度が評価される。
成熟ケラチノサイトの増殖を刺激可能であり、よって表皮の再生を促進可能である化合物は、従来から知られており、例えばレチノイド類、ビタミンA誘導体、ミネラル、及び微量元素である。
【0012】
しかしながら、本出願人は予期しないことに、白血病阻害因子(LIF)の使用により、未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体の再生力を維持し及び/又は増加することができることを見出した。
本発明において、「未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体の再生力を、維持及び/又は増加する」なる表現は、特に:
(i)未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の自己再生能及び/又はそれらの増殖能を促進可能であり;及び/又は
(ii)多重層上皮、特に多重層上皮を再生し、及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物を再生するそれらの能力を維持及び/又は増加可能である;
薬剤を意味することを意図している。
【0013】
また本発明において、前記表現は、外的刺激に応答して、及び/又はインビボにおいて、細胞の生理学的環境から派生したシグナルに応答して:
(i)未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の自己再生能及び/又はそれらの増殖能を促進可能であり;及び/又は
(ii)多重層上皮、特に多重層表皮を生成し、及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物を生成するそれらの能力を維持及び/又は増加可能である;
薬剤を意味することを意図している。
【0014】
実際、LIF、LIF類似体又はLIF模倣剤の作用は、皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の再生能を刺激することにより、直接的でありうる。また、特に、LIF-反応性細胞により発せられる因子及び/又はシグナルを介して間接的になされてもよく、隣接する細胞を有益に刺激することも可能である。例えば、それらは細胞間の直接接触により伝達されるシグナル、及び/又はパラクリン調節である。皮膚の良好な健康状態、及びその再生能の調節は、特に真皮の線維芽細胞と表皮前駆体及び/又は幹細胞との間の、この種の「ダイアログ(やりとり)」を含んでいる。従って、前記細胞は、外的刺激、及び/又はインビボにおける細胞の生理学的環境から派生したシグナルに対し、より感受性がある。
【0015】
表皮のホメオスタシスは、特に、細胞分割を促進する分裂促進シグナルと、抗増殖シグナルとの間の微細に調節されたバランスから生じる。これらのシグナルは、特にケラチノサイト及び/又はそれらの環境に存在する他の細胞型によって自然に生成される因子、特に真皮の線維芽細胞により分泌される因子の作用から生じる。
【0016】
「表皮のホメオスタシスに関与することが知られている刺激剤及び/又はシグナル」の例としては、特に以下のものを挙げることができる:
− 成長因子、例えば、分裂促進成長因子、表皮成長因子(EGF)及びケラチノサイト成長因子(KGF)(Cookら, J Cell Physiol. 146:277-289, 1991;Andreadisら, FASEB J. 15:898-906, 2001;Gamadyら, J Cell Biochem. 89:440-449, 2003)、又はトランスフォーミング成長因子-β1(TGF-β1)、特にインビボ及びインビトロでのケラチノサイトに対する抗増殖効果が同定されている多機能成長因子(Glickら, Proc Natl Acad Sci USA. 90:6076-6080, 1993;Van Ruissenら, J Cell Sci. 107:2219-2228, 1994;Cuiら, Genes Dev. 9:945-955, 1995)。これらの因子は高度な相互作用的で相互関連したオートクリン及びパラクリン調節ループに関与しており、増殖の制御と分化の制御の双方を確実にし(Reiss & Sartorelli, Cancer Res. 47:6705-6709, 1987;Hertleら, J Invest Dermatol. 104:260-265, 1995;Edmonsonら, J Cell Physiol. 179:201-207, 1999;Yamasakiら, J Invest Dermatol. 120:1030-1037, 2003;Pasonen-Seppanenら, J Invest Dermatol. 120:1038-1044, 2003)、よって、ケラチノサイトの再生及び/又は成熟化の正確な調節が可能になる;及び/又は
− 特にEGF及びTGF-βの作用に対する細胞の感作メカニズムにより(Tongら, J Invest Dermatol. 94:126-131, 1990)、成長因子の作用を完了、調節及び/又は阻害可能な分子、例えばKFGの分裂促進作用に対するケラチノサイト敏感度を増加させる能力について、ビタミンD及びその誘導体(Gamadyら, J Cell Biochem. 89:440-449, 2003);ケラチノサイトの増殖及び/又は分化を調節する能力について、レチノイン酸(Choi & Fuchs, Cell Regul. 1:791-809, 1990;Gibbsら, Arch Dermatol Res. 288:729-738;1996;Chapellierら, EMBO J. 21:3402-3413, 2002)。
【0017】
よって、「抗-加齢」又は「抗-抜毛」の化粧品用組成物において、多重層表皮及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物を生成可能な、未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の再生力を刺激するため、及び/又は皮膚の再生及び/又は瘢痕形成を意図した製薬用組成物を調製するために、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物を使用することが有利であることが理解される。
この新規の方法は、成熟ケラチノサイト、分化ケラチノサイト、又は分化経路のケラチノサイトから構成される任意の細胞集合体よりも、表皮組織のヒエラルキーにおいてはさらに上流に位置する細胞集合体を標的としている。よって、より成熟し、分化し、又は分化経路にある細胞集合体を標的とするよりも、より効果的で、より長時間続く形で、皮膚組織、特に表皮の全て又はいくつかの成分の更改及び/又は再生を刺激する可能性を開発することは有利である。
【0018】
LIFは骨髄性白血病細胞、例えばマウスM1細胞の増殖を抑制し、マクロファージの分化を促進させることが可能な因子として米国特許第6261548号に記載されており、それには、感染に対する反応性に関与するマクロファージの機能を変化させ、ある種の形態の骨髄性白血病を抑制させるための非増殖性の治療剤としての使用が示唆されている。皮膚において、LIFは、インビボ及びインビトロで、ケラチノサイトにより自然に生成されるサイトカインであり(Pagliaら, Br J Dermatol. 134:817-823, 1996)、特にこの因子は、乾癬(Bonifatiら, Arch Dermatol Res. 290:9-13, 1998;Szepietowskiら, J Dermatol. 28:115-122, 2001)、又はある種のアレルギー(Szepietowskiら, Contact Dermatitis. 36:21-25, 1997)等の、種々の皮膚病に関連した炎症プロセスの制御に関与していることが知られている。
しかしながら、今日まで、LIF、LIF類似体、又はLIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物の、培養中の皮膚幹細胞の再生力に対する効果については、記載も示唆もされておらず、皮膚の瘢痕形成及び/又は再生を意図した、特に火傷の処置等に適用される、「抗-加齢」又は「抗-抜毛」のための化粧品用組成物、又は局所適用用の医薬組成物に使用されることについてもしかりである。
【0019】
よって、本発明の第1の主題は、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物の有効量の、ヒトの未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体の再生力を維持し及び/又は刺激することを意図した薬剤としての、化粧品用組成物における使用にある。
特に、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物は、特に:
(i)未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の自己再生能及び/又はそれらの増殖能を促進させ;及び/又は
(ii)多重層上皮、特に多重層表皮を生成し、及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物を生成するそれらの能力を維持し及び/又は増加させる;
ことを意図している。
【0020】
「皮膚付属物」なる用語は、特に毛髪の小胞、皮脂腺、及び爪を意味することを意図している。
また、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物は、外的刺激に応答して、及び/又はインビボにおいて、細胞の生理学的環境から派生したシグナルに応答して:
(i)未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の自己再生能及び/又はそれらの増殖能を促進させ;及び/又は
(ii)多重層上皮、特に多重層表皮を生成し、及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物を生成するそれらの能力を維持し及び/又は増加させる;
ことを意図している。
【0021】
本発明の組成物に使用される、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物は、特に:
− 表皮及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物の再生を刺激し;特に肌色の輝きを増加させ;
− 皮膚加齢の兆候を防止し及び/又はこれに抗し、特に皮膚の薄化及び/又は堅牢性、弾性及び/又は張りの喪失、及び/又はシワ及びコジワの形成を防止し;及び/又は再び、若く、滑らかで張りのある外観を得るために、皮膚の微起伏を滑らかにし;
− 皮膚の障壁機能を促進及び/又は増加させ、特に皮膚の保湿性を改善し;さらに皮膚及び/又は粘膜の乾燥状態を防止し、改善し及び/又は治療し、皮膚の美的な外観及び快適感(柔軟性)を改善し、唇、手、顔又は体におけるひび及びあかぎれの形成を制限し;
− 頭皮を活性化させ、及び/又は毛髪及び/又は体毛の成長を再生させる;
ことを意図している。
【0022】
また本発明は、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物の有効量の、皮膚の再生及び/又は瘢痕形成を意図した組成物の調製における使用に関する。
特に組成物は、日光に過度に暴露される(日光紅斑)、又は続けて強い熱源(火、温水等)に暴露されることにより誘発される、火傷の処置を意図している。
【0023】
さらに本発明は、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物の有効量の、乾癬又は魚鱗癬等の変性落屑を伴う病変の処置を意図した組成物の調製における使用に関する。
【0024】
本発明の組成物に使用される「LIF」は、特に精製されたLIF、組換えLIF、LIFを含む粉砕された細胞材料又は細胞抽出物、LIFを含有する細胞培養上清、又はそれらの混合物の形態で提供されてよい。
ヒト由来のLIFが好ましく使用される。
【0025】
特に:
− 臓器、組織及び/又はLIFを天然に発現する細胞から精製されたLIF[例えば:脳下垂体細胞(Ferraraら, Proc Natl Acad Sci USA. 89:698-702, 1992)、真皮線維芽細胞(Lorenzoら, Clin Immunol Immunopathol. 70:260-265, 1994)、肺線維芽細胞(Eliasら, Am J Physiol. 266:L426-435, 1994)、胎盤及び子宮粘膜(Kojimaら, Biol Reprod. 50:882-887, 1994)、骨髄間質細胞(Lorgeotら, Cytokine. 9:754-758, 1997)、腎細胞(Morelら, Cytokine. 12:265-271, 2000)、心筋細胞(Anceyら. Cytokine. 18:199-205, 2002)];
− 原核生物微生物(例えば:細菌、E. coli)又は真核生物微生物(例えば:酵母、Pichia pastoris、Saccharomyces)培養で得られる組換えLIF、場合によっては融合タンパク質の形態のもの(例えば:Chemicon International Inc.から販売されているヒト組換えLIF);
− LIFを発現する細胞の抽出物又は粉砕された材料、特にLIFを発現する滋養細胞(例えば:3T3系のマウス線維芽細胞)、又はLIFが発現するように遺伝的に改変された細胞、又はLIFが発現するように刺激された細胞の粉砕された残量又は抽出物;
− LIFを含む細胞培養上清、例えばLIFを発現する3T3細胞の培養上清;
又はそれらの混合物を使用してもよい。
【0026】
「内因性LIFの発現を刺激可能な生成物」としては、例えばヒト肺の平滑筋細胞、上皮細胞、線維芽細胞による、LIFの分泌及び合成を誘発する能力が記載されたサイトカイン、IL-1βを挙げることができる(Knightら, Am J Respir Cell Mol Biol. 20:934-841, 1999)。さらに、延髄ストロマから誘導されたマウス細胞系において、LIFプロモータを誘発するそれらの能力が研究されている、環状AMP類似体、8-ブロモアデノシン3':5'モノホスファート(8BrcAMP)、及びTNF-αを挙げることができる(Gollnerら, Cytokine. 11:656-663, 1999)。
【0027】
別法として、逆に、特にStat5タンパク質を含み、LIFの抗-分化効果のアンタゴニストである、シグナル伝達経路の活性を抑制可能な任意の活性成分を使用してもよい。これらは、特にStat分子の活性化に関与した、キナーゼ及びホスファターゼ活性のモジュレータ、又は小RNAs(siRNA)を介した干渉方法、及び/又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0028】
本発明において、「LIF類似体」なる用語は、皮膚幹細胞、及び/又は表皮前駆体に対してLIF活性を有する、すなわち(i)未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の自己再生能、及び/又はそれらの増殖能を促進させ、及び(ii)多重層表皮を生成するそれらの能力を維持し及び/又は増加させることができる、任意の修飾されたLIFポリペプチド、又は任意のLIFポリペプチド断片を意味することを意図している。
「LIF活性を有する修飾されたLIFポリペプチド」なる表現は、例えばその安定性を増加させるために、一又は複数の修飾を受けたLIFポリペプチドを特に意味することを意図している。「修飾」なる用語は、一アミノ酸、又は少数のアミノ酸の、特に天然のアミノ酸が非天然のアミノ酸又は疑似アミノ酸で、修飾がLIFの生物学的活性に実質的に影響を及ぼさないような位置で置換されることによる、任意の置換、欠失及び/又は挿入を意味することを意図している。
【0029】
修飾されたLIFペプチドは、Genbank AAA59217配列(195aa)、GenBank AAA51699配列(202aa)、及び相同配列から選択される、ヒトLIFペプチド配列から得られてもよい。
「相同配列」なる用語は、同じ種又は異なる種において、定義されたペプチド配列と、少なくとも70%、好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも95%同一である配列を意味することを意図しており;これは、オルソロガスペプチド配列と称される。
また、この修飾されたLIFポリペプチドは、一般的なクローニング及び発現技術に従い、ヒトLIF遺伝子又はcDNAの配列(GenBank M63420、J05436、J03261、X13967)、又はマウスLIF遺伝子又はcDNAの配列(GenBank M63419、J05435、X06381、X12810、S73374)から得られてもよい。
【0030】
「LIF活性を有するLIFポリペプチド断片」なる表現は、特にGenbank AAA59217配列(195aa)、GenBank AAA51699配列(202aa)、及び相同配列から選択される配列の断片を意味することを意図している。
前記断片は、LIF-R-結合及びgp130-結合部位を示すLIFの3次構造が再構成される程、十分大きい。
また、ポリペプチド断片は、一般的なクローニング及び発現技術に従い、ヒトLIF遺伝子又はcDNAの配列(GenBank M63420、J05436、X13967、J03261)、又はマウスLIF遺伝子又はcDNAの配列(GenBank X06381、M63419、J05435、X12810、S73374)、特にコード化配列から得られてもよい。
【0031】
例えば、本発明の実施に適したこのようなLIF類似体は、次の:
a)ケラチノサイト、又は未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の調製を、(i)テスト用生成物の存在下、又は(ii)不在下で培養し;
b)(i)及び(ii)に従い培養された細胞を、顕微鏡下で観察し;
c)皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の自己再生能及び/又はそれらの増殖能を促進させる生成物の能力を、(i)テスト用生成物の存在下、又は(ii)不在下で得られた未分化状態の細胞クローンの数と比較することにより測定し;
d)該生成物の不在下における未分化状態の細胞クローンの数と比較して、該生成物の存在下で得られた未分化状態の細胞クローンの数を増加させる生成物を選択し;
e)ついで、多重層表皮を再生させる該生成物の能力を、次の:
a.ケラチノサイトの調製を、(i)テスト用生成物の存在下、又は(ii)不在下にある真皮支持体に播種し;
b.(i)及び(ii)において再構成された表皮の構造体を、顕微鏡下で観察し;
c.該生成物の不在下における表皮の構造体と比較して、該生成物の存在下で得られる再構成表皮の構造を改善する生成物を選択する;
工程に従いテストする;
工程を含む方法に従い選択され得る。
【0032】
本発明において、「LIF模倣剤」なる用語は、特に、gp130及び/又はJak/Stat、及びRas/Mapキナーゼシグナル伝達経路、特にStat3の発現及び/又は活性を活性化可能な細胞抽出物又は細胞抽出物のフラクション、又は任意の活性剤、又はLIFレセプター(LIF-R)の任意のアゴニストを意味することを意図している。
例えば、LIFレセプターアゴニスト、LIFレセプターと相互作用及びそれらを活性可能な合成ペプチド、又はLIFに対する反応性に関与するシグナル伝達経路の活性化、特にStat3の発現及び/又は活性化、又はヤヌス関連(Janus-associated)チロシンキナーゼ(JAK)の活性化を誘発可能な任意の活性剤である抗体を使用してもよい。
特に、LIFと類似した強い3次構造を有する、カルジオトロフィン-1(CT-1)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、サイトカインオンコスタチンM(OSM)等の、LIFR-gp130ヘテロダイマーの形成を誘発可能な薬剤を使用してもよい。
本発明の実施に適したこのようなLIF模倣剤は、従来からのLIF-R-結合及びgp130活性化アッセイにより選択され得る。
【0033】
これらのLIF類似体又はLIF模倣剤は、天然又は合成由来であってよい。
「天然由来」なる用語は、天然由来の組織(皮膚等)、特にヒトの表皮、又は植物由来の抽出物から、種々の抽出方法で得られる、純粋な状態の化合物、又は種々の濃度の溶液を意味することを意図している。
「合成由来」なる用語は、化学的に、又はこの生成に必要な要素を生物体に挿入した後、該生物体内に生成されることにより得られる、純粋な状態の化合物、又は種々の濃度の溶液を意味することを意図している。
【0034】
実際、LIFに対する細胞反応性には、低親和性レセプター(190kD、gp190の糖タンパク質)及び高親和性レセプター(130kD、gp130の糖タンパク質)(Taupinら, J Biol Chem. 276:47975-47981, 2001)、及びこれらのレセプターの下流、Jak/Stat及びRas/Mapキナーゼシグナル伝達経路(Ernstら, J Biol Chem. 274:9729-9737, 1999;Burdonら, Trends Cell Biol. 12:432-438, 2002)が関与していることが知られている。Stat3シグナル伝達タンパク質は、LIFに対する反応において、マウスES細胞を未分化状態に維持するといった主たる役割を担っており(Niwaら, Genes Dev. 12:2048-2060, 1998;Matsudaら, EMBO J. 18:4261-4269, 1999)、これに対し、Stat5タンパク質の発現は、逆にこれらの細胞の分化への挿入に関連している(Nemetzら, Differentiation. 62:213-220, 1998)。
【0035】
別法として、本発明の組成物自体又は該組成物の調製においては、LIFレセプター(LIF-R)又は内因性LIF-Rの発現を刺激可能な生成物が、好ましくはLIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又はLIFの発現を刺激可能な生成物と組合せて使用され得る。
本発明の組成物は、経口又は局所投与、好ましくは皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮への局所投与に適しており、化粧品又は製薬の分野で通常使用されている任意の製薬用の形態であってよい。
組成物は、皮膚及び/又は唇の手入れ又はメークアップに適した形態であってよい。
【0036】
経口投与に適した調製物は、糖衣錠剤、ゼラチンカプセル、ゲル、エマルション、錠剤、カプセル、又は液状溶液、特に飲用アンプルの形態であってよい。特に、本発明の活性剤(類)は、任意の他の形態のフードサプリメント又は強化食品、例えばフードバー、又は圧密又は非圧密パウダーに導入されてよい。
【0037】
好ましくは、組成物に存在するLIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物の有効量は、組成物の全重量に対して10−12%〜1%、好ましくは10−9%〜0.1%、さらに好ましくは10−7%〜0.01%である。
LIFを含む粉砕された細胞材料又は細胞抽出物が使用される場合、組成物に存在する該粉砕材料又は抽出物の有効量は、組成物の全重量に対して10−9%〜1%、好ましくは10−6%〜0.1%、より好ましくは10−4%〜0.01%である。
【0038】
また本発明は、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はその混合物から選択される、少なくとも一の化合物を有効量、生理学的に許容可能な媒体に含有せしめてなり、皮膚への局所適用に適した組成物に関する。
本発明において、「生理学的に許容可能な媒体」なる用語は、皮膚及び/又は外皮(睫毛、爪又は毛髪)、及び/又は粘膜(唇)と融和性のある媒体を意味することを意図している。
【0039】
本発明の組成物は、化粧品用組成物又は製薬用組成物、好ましくは化粧品用組成物である。
製薬用組成物は、好ましくは皮膚用組成物である。
組成物に存在するLIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物の有効量は、組成物の全重量に対して、好ましくは10−12%〜1%、より好ましくは10−9%〜0.1%、さらに好ましくは10−7%〜0.01%である。
LIFを含む粉砕された細胞材料又は細胞抽出物が使用される場合、組成物に存在する該粉砕材料又は抽出物の有効量は、組成物の全重量に対して10−9%〜1%、好ましくは10−6%〜0.1%、より好ましくは10−4%〜0.01%である。
【0040】
組成物は、特にゲル化していてもよい水溶液、2相ローションであってもよいローション型の分散液、水相に脂肪相を分散させて得られる(O/W)又は逆の(W/O)エマルション、又は3相エマルション(W/O/W又はO/W/O)、又はイオン性及び/又は非イオン性の小胞体分散液の形態であってよい。これらの組成物は通常の方法に従って調製される。
【0041】
また、LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物は、表皮の深層を対象とする、特に表皮の基底層、又は毛嚢脂腺単位を対象とするのに適した組成物に処方されてもよい。例えば、LIFは、(i)マイクロスフェア、ナノスフェア、オレオソーム又はナノカプセル等のコーティングに包含されていてもよく、又は(ii)皮脂の主たる成分(スクワレン、トリグリセリド類、脂肪族のロウ、コレステロールロウ、及び遊離のコレステロール)、又は皮脂に存在するものに類似した割合で存在する構造成分を含む脂肪相に区分されていてもよい。
事実、ナノ粒子と称される粒子は、角質層及び/又は濾胞小胞の表層を横断可能で、また表皮の層に浸透することもできる。
【0042】
脂肪相が皮脂の組成と似ている組成物の利点は、標的器官、すなわち皮脂腺における活性剤のより良好な有用性を可能にできることである。
また組成物は、例えば白色又は有色のクリーム、軟膏、ミルク、ローション、ゲル、漿液、ペースト又はフォームの外観を有するものであってよく、又は皮膚及び/又は粘膜、例えば唇に適用される固体状の形態(例えば:スティック)であってもよい。
また、水性、水性-アルコール性又は油性の溶液型のローション、水中油型又は油中水型又は多相エマルション、又は水性もしくは油性のゲルの形態、又は皮膚、粘膜又は頭皮への適用に適した任意の他の形態であってよい。
【0043】
また、知られている方法で、本発明で使用される組成物は、化粧品又は皮膚科学の分野で通常のアジュバント、例えば親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の活性剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、遮蔽剤、顔料、臭気吸収剤、及び染料をさらに含有してもよい。これら種々のアジュバントの量は、考慮される分野において、従来より使用されている量、例えば、組成物の全重量に対して0.01%〜20%である。これらのアジュバントはその性質に応じて、脂肪相、水相、又は脂質小胞体中に取り込まれ得る。任意の事象において、これらのアジュバント及びその割合は、LIFの所望の特性が損なわれないように選択されるであろう。
【0044】
本発明で使用される組成物がエマルションである場合、脂肪相の割合は、組成物の全重量に対して5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲であってよい。エマルションの形態の組成物に使用される油、乳化剤及び共乳化剤は、考慮される分野で従来より使用されているものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は、組成物中に、組成物の全重量に対して0.3〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲の割合で存在している。
【0045】
本発明において使用可能な油としては、鉱物又は合成由来の炭化水素(流動ワセリン、イソヘキサデカン)、植物由来の油(アプリコット核油、カリテバターの液体留分、アボカド油、大豆油)、動物由来の油(ラノリン)、合成油(ペルヒドロスクワレン、ペンタエリトリチルテトラオクタノアート)、シリコーン油(シクロペンタシロキサン及びシクロヘキサシロキサン)及びフルオロ油(ペルフルオロポリエーテル)を挙げることができる。また脂肪としては、脂肪アルコール(セチルアルコール又はステアリルアルコール)、脂肪酸(ステアリン酸)、及びロウ(カルナウバロウ、オゾケライト、ミツロウ)を使用してもよい。
本発明において使用可能な乳化剤及び共乳化剤としては、例えばポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、例えばPEG-20ステアラート及びPEG-100ステアラート、及びグリセロールの脂肪酸エステル、例えばステアリン酸グリセリルを挙げることができる。
【0046】
親水性のゲル化剤としては、特に、カルボキシビニルポリマー類(カーボマー:carbomer)、アクリルコポリマー類、例えばアクリラート/アクリル酸アルキルのコポリマー類、ポリアクリルアミド類、多糖類、天然ガム類及びクレー類を挙げることができ、また親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例えばベントーン類、脂肪酸の金属塩、疎水性シリカ及びポリエチレンを挙げることができる。
防腐剤としては、パラ-ヒドロキシ安息香酸エステル、オクタン-1,2-ジオール、ヨード-3-プロピニル-2-ブチルカルバマート、フェノキシエタノール、及びクロルヘキシジングルコナートを挙げることができる。
【0047】
フィラーとしては、例えばポリアミド(ナイロン)粒子;ポリ(メチルメタクリラート)のミクロスフェア;エチレン-アクリラートコポリマーのパウダー;膨張したパウダー、例えば中空のミクロスフェア、特にKemanord Plast社からExpancelの名称で販売されている、塩化ビニリデン、アクリロニトリル及びメタクリラートのターポリマーから形成されるミクロスフェア;天然の有機物質のパウダー、例えばデンプンパウダー、特にトウモロコシ、小麦又は米の架橋していてもしていなくてもよいデンプンのパウダー、例えばコハク酸オクテニル無水物で架橋されたデンプンパウダー;シリコーン樹脂のマイクロビーズ、例えばToshiba Silicone社からTospearlの名称で販売されているもの;シリカ;金属酸化物、例えば二酸化チタン又は酸化亜鉛;マイカ;及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0048】
「溶媒」としては、親水性有機溶媒、親油性有機溶媒、両性溶媒、又はそれらの混合物を挙げることができる。
親水性有機溶媒としては、例えば1〜8の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の低級モノアルコール類、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール又はイソブタノール、オキシエチレン化されていてもよいポリエチレングリコール類、ポリオール類、例えばプロピレングリコール、イソプレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ソルビトール及びその誘導体、グリコールエーテル及びプロピレングリコールエーテルを挙げることができる。
両性有機溶媒としては、ポリオール類、例えばプロピレングリコール誘導体を挙げることができる。
親油性有機溶媒としては、例えば脂肪エステルを挙げることができる。
【0049】
「親水性又は親油性の活性剤」として、保湿剤、鎮静剤、色素脱失剤、抗グリケーション剤(anti-glycation agents)、NO-シンターゼインヒビター、真皮又は表皮の高分子の合成を刺激し、及び/又はその分解を防止するための薬剤、線維芽細胞及び/又はケラチノサイトの増殖を刺激し、又はケラチノサイトの分化を刺激するための薬剤、皮膚の脱収縮剤(dermo-decontracting agents)、張り付与剤(tensioning agents)、汚染防止剤及び/又はフリーラジカル捕捉剤、光保護剤、修復及び/又は瘢痕形成剤、抗フケ剤、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0050】
このような付加的な化合物の例を以下に付与する。
「保湿剤」なる用語は、以下のものを意味することを意図している:
− 角質層の保湿性を保持するために、障壁機能に作用する化合物、又は閉塞化合物。セラミド類、スフィンゴイドベースの化合物、レシチン類、グリコスフィンゴ脂質、リン脂質、コレステロール及びその誘導体、フィトステロール類(スティグマステロール、β-シトステロール、キャンペステロール)、必須脂肪酸類、1,2-ジアシルグリセロール、4-クロマノン、五環性トリテルペン類、例えばウルソール酸、ワセリン及びラノリン;C-グリコシド類を挙げることができる;
− 角質層の水分含有量を直接増加させる化合物、例えば、トレアロース及びその誘導体、ヒアルロン酸及びその誘導体類、グリセロール、ペンタンジオール、ナトリウムピドラート(pidolate)、セリン、キシリトール、乳酸ナトリウム、ポリ(アクリル酸グリセリル)、エクトイン及びその誘導体、キトサン、オリゴ糖及び多糖類、環状カルボナート類、N-ラウロイルピロリドンカルボン酸、及びN-α-ベンゾイル-L-アルギニン、尿素及びその誘導体;
− あるいは、皮脂腺を活性化する化合物、例えばDHEA、その7-酸化及び/又は17-アルキル化誘導体、サポゲニン類、及びビタミンDとその誘導体;
− 特に落屑に関連する加水分解活性に作用する化合物、例えばHepes及びスルホン酸誘導体、ジャスモン酸及びその誘導体。
【0051】
本発明の組成物に導入可能な色素脱失剤には、例えば次の化合物:コウジ酸;エラグ酸;アルブチンとその誘導体、例えば欧州特許出願第895779号及び欧州特許出願第524109号に記載されているもの;ヒドロキノン;アミノフェノール誘導体、例えば国際公開第99/10318号及び国際公開第99/32077号に記載されているもの、特にN-コレステリルオキシカルボニル-パラ-アミノフェノール及びN-エチルオキシカルボニル-パラ-アミノフェノール;イミノフェノール誘導体、特に国際公開第99/22707号に記載されているもの;L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸又はプロシステイン、及びその塩及びエステル;アスコルビン酸とその誘導体、特にアスコルビルグルコシド;及び植物抽出物、特に甘草、桑の実及びタツナミソウの抽出物が含まれるが、この列挙に限定されるものではない。
【0052】
「抗グリケーション剤」なる用語は、皮膚のタンパク質、特に真皮のタンパク質、例えばコラーゲンの糖化を防止及び/又は低減させる化合物を意味することを意図している。抗グリケーション剤の例は、ツツジ科植物の抽出物、例えばブルーベリー(Vaccinium angustifolium)の抽出物;エルゴチオネインとその誘導体;ヒドロキシスチルベンとそれらの誘導体、例えばリスベラトロール及び3,3',5,5'-テトラヒドロキシスチルベンである。
【0053】
本発明での使用に適切なNO-シンターゼインヒビターの例には、特にEuromed社からLeucocyanidines de raisins extraの名称で、又はIndena社からLeucoselect(登録商標)の名称で、最後にHansen社からExtrait de marc de raisinの名称で販売されているVitis vinifera種植物の抽出物;Eurol BTの商品名でBiologia & Technologia社から、又は乾燥抽出物の形態でVinyals社から販売されており、好ましくはオリーブの木の葉から得られるOlea europaea種植物の抽出物;及びGingko biloba(イチョウ)種植物の抽出物で、Gingko biloba extrait standardの商品名で、Beaufour社から販売されている、好ましくは該植物の乾燥水性抽出物であるものが含まれる。
【0054】
真皮の高分子を刺激し、又はそれらの分解を防止する活性剤として以下のものを挙げることができる:
− コラーゲンの合成に作用するもの、例えばCentella asiaticaの抽出物;アシアチコシド類(asiaticosides)と誘導体;アスコルビン酸すなわちビタミンCとその誘導体;合成ペプチド、例えばイアミン(iamin)、バイオペプチドCL、又はSederma社から販売されているパルミトイルオリゴペプチド;植物から抽出されたペプチド類、例えばPhytokine(登録商標)の商品名でColetica社から販売されている大豆加水分解物;及び植物ホルモン、例えばオーキシン及びリグナン;
− 又はエラスチンの合成に作用するもの、例えばCytovitin(登録商標)の商品名でLSN社から販売されているSaccharomyces cerivisiaeの抽出物;及びKelpadelie(登録商標)の商品名でSecma社から販売されているMacrocystis pyriferaの藻類抽出物;
− 又はグリコサミノグリカン類の合成に作用するもの、例えばBiomin yogourth(登録商標)の商品名でBrooks社から販売されている、lactobacillus vulgarisによるミルクの発酵生成物;HSP3(登録商標)の商品名でAlban Muller社から販売されている褐藻類のPadina pavonicaの抽出物;及び特にCytovitin(登録商標)の商品名でLSN社から、又はFirmalift(登録商標)の商品名でSilab社から入手可能なSaccharomyces cerevisiaeの抽出物;
− 又はフィブロネクチンの合成に作用するもの、例えばGP4G(登録商標)の商品名でSeporga社から販売されている動物性プランクトンSalinaの抽出物;特にDrieline(登録商標)の商品名でAlban Muller社から入手可能な酵母抽出物;及びMatrixil(登録商標)の商品名でSederma社から販売されているパルミトイルペンタペプチド;
− 又はメタロプロテイナーゼ(MMP)の阻害に作用するもの、例えば特にMMP1、2、3、9。また、レチノイド類と誘導体、オリゴペプチド及びリポペプチド、リポアミノ酸、Collalift(登録商標)の商品名でColetica社から販売されている麦芽抽出物;ブルーベリー又はローズマリーの抽出物;ピコペン;イソフラボン類、それらの誘導体又はそれらを含有する植物抽出物、特に大豆抽出物(例えばFlavosteroneSB(登録商標)の商品名でIchimaru Pharcos社から販売されているもの)、ムラサキツメクサ、亜麻、葛根(kakkon)又はセージの抽出物を挙げることができる;
− 又はセリンプロテアーゼの阻害に作用するもの、例えば白血球エラスターゼ、又はカテプシンG。また、Parelastyl(登録商標)の商品名でLSN社から販売されているマメ科植物(Pisum sativum)の種のペプチド抽出物;ヘパリノイド類(heparinoids);及びシュードジペプチド類、例えば{2-[アセチル(3-トリフルオロメチルフェニル)アミノ]-3-メチルブチリルアミノ}酢酸を挙げることができる。
【0055】
表皮の高分子、例えばフィラグリン及びケラチンを刺激する活性剤として、特にストラクチュリン(Structurine)(登録商標)の商品名でSilab社から市販されているルピナス抽出物;ガチュリン(Gatuline)(登録商標)の商品名でGattefosse社から市販されている Fagus sylvatica beech bud の抽出物;及びGP4G(登録商標)の商品名でSeporga社から販売されている動物性プランクトンSalinaの抽出物を挙げることができる。
【0056】
本発明の組成物に使用され得る線維芽細胞の増殖を刺激する薬剤は、例えば特に大豆から抽出される植物性タンパク質又はポリペプチド(例えばEleseryl SH-VEG8(登録商標)の名称でLSN社から市販されているか、又はRaffermine(登録商標)の商品名でSilab社から販売されている大豆抽出物);及び植物ホルモン、例えばギベレリン(giberrellins)及びサイトカイニンから選択され得る。
本発明の組成物に使用され得るケラチノサイトの増殖を刺激する薬剤には、特にレチノイド類、例えばレチノール及びそのエステル、パルミチン酸レチニル;フロログルシノール;Gattefosse社から販売されているウォールナッツケーキ(walnut cakes)抽出物;及びSederma社から販売されているSolanum tuberosum抽出物が含まれる。
ケラチノサイトの分化を刺激する薬剤には、例えばミネラル類、特にカルシウム;Photopreventine(登録商標)の商品名でSilab社から販売されているルピナス抽出物;Phytocohesine(登録商標)の商品名でSeporga社から販売されているベータ-シトステリル硫酸ナトリウム;及びPhytovityl(登録商標)の商品名でSolabia社から販売されているトウモロコシ抽出物;及びリグナン類(lignans)、例えばセコイソラリシレシノール(secoisolariciresinol)が含まれる。
【0057】
本発明の組成物は、皮膚-脱収縮剤を含有可能で、このようなものとしては、特にアルベリンとその塩、特にクエン酸アルベリン、サポゲニン、例えばジオスゲニン、及びそれらを含有する天然抽出物(例えば自然薯の抽出物)、ある種の第2級及び第3級カルボニルアミン類、金属の有機又は無機塩、特にグルコン酸マンガン、アデノシン、及びLipotec社から販売されているアルギレリン(argireline)Rヘキサペプチドを挙げることができる。また、Boswellia serrataの抽出物、及び皮膚-脱収縮効果を有するある種の芳香組成物を挙げることもできる。
【0058】
「張り付与剤」なる用語は、皮膚に張りを与えることのできる化合物を意味することを意図しており、その効果は、シワ及びコジワ等、皮膚表面の凹凸を一時的に消失させるものである。
本発明の組成物に使用可能な張り付与剤としては、特に以下のものを挙げることができる:
(1)合成ポリマー、例えばポリウレタンラテックス又はアクリル-シリコーンラテックス、特に欧州特許出願第1038519号に記載されているもの、例えばプロピルチオ(ポリメチルアクリラート)、プロピルチオ(ポリメチルメタクリラート)及びプロピルチオ(ポリメタクリル酸)グラフト化ポリジメチルシロキサン、又はプロピルチオ(ポリイソブチルメタクリラート)及びプロピルチオ(ポリメタクリル酸)グラフト化ポリジメチルシロキサン。このようなグラフト化シリコーンポリマーは、VS 80、VS 70又はLO21の商品名で、3M社から特に販売されている。
(2)天然由来のポリマー、特に(a)ポリホロシド類、例えば(i)特にコメ、トウモロコシ、ジャガイモ、キャッサバ、エンドウ豆、Triticum aestivum小麦、オーツ麦等から誘導されるデンプン形態のもの、又は(ii)カラギーナン、アルギン酸塩、寒天、ゲラン(gellans)、セルロースベースのポリマー及びペクチン類の形態で、有利にはゲル状微小粒子の水性分散液としてのもの、及び(b)シェラック樹脂、サンダラガム(sandarac gum)、ダンマル樹脂、エレミガム、コーパル樹脂、セルロースベースの誘導体、及びそれらの混合物。
(3)特にトウモロコシ、ライ麦、Triticum aestivum小麦、そば粉、ゴマ、スペルト、エンドウ豆、豆、レンティル、大豆及びルピナスからの植物性タンパク質及びタンパク質加水分解物。
(3)混合シリカート類、特にフィロケイ酸塩、中でもラポナイト類。
(4)例えばカルナウバロウ、キャンデリラロウ、又はアルファルファロウから選択されるロウの微小粒子。
(5)例えばシリカ、シリカ-アルミナ合成物、酸化セリン、酸化ジルコニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、及び二酸化チタンから選択される、0.1〜100nm、好ましくは3〜30nmの数平均直径を有する、無機フィラーのコロイド状粒子。
【0059】
「汚染防止剤」なる表現は、オゾン、単環式又は多環式芳香族化合物、例えばベンゾピレン、及び/又は重金属、例えばコバルト、水銀、カドミウム及び/又はニッケルを捕捉可能な任意の化合物を意味することを意図している。「フリーラジカル捕捉剤」なる用語は、フリーラジカルを捕捉可能な任意の化合物を意味することを意図している。
【0060】
本発明の組成物に使用可能なオゾン捕捉剤としては、特にビタミンC、及びアスコルビルグルコシドを含むその誘導体;フェノール類及びポリフェノール類、特にタンニン類、エラグ酸及びタンニン酸;エピガロカテキン及びそれを含有する天然抽出物;オリブ木の葉の抽出物;茶、特に緑茶の抽出物;アントシアン類;ローズマリー抽出物;フェノール酸、特にクロロゲン酸;スチルベン類、特にリスベラトロール;硫黄含有アミノ酸の誘導体、特にS-カルボキシメチルシステイン;エルゴチオネチン;N-アセチルシステイン;キレート剤、例えばN,N'-ビス(3,4,5-トリメトキシベンジル)エチレンジアミン又はその塩の一つ、金属錯体又はエステル;カロテノイド類、例えばクロセチン(crocetin);及び種々の出発物質、例えばCPP LS2633-12F(登録商標)の商品名でLaboratoires Serobiologiques社から販売されている、加水分解されたRNA、チロシン、フェニルアラニン、ピリドキシン、アデノシントリホスファート、マンニトール、ヒスチジンリボヌクレアート、アルギニンの混合物、Phytovityl(登録商標)の商品名でSolabia社から販売されているトウモロコシの水溶性留分、Induchem社からUnicotrozon C-49(登録商標)の名称で販売されているレモン抽出物とカラクサケマン抽出物の混合物、、及びPronalen Bioprotect(登録商標)の商品名でProvital社から販売されている朝鮮人参、リンゴ、桃、小麦及び大麦の抽出物の混合物を挙げることができる。
【0061】
本発明の組成物に使用可能な単環式又は多環式芳香族化合物を捕捉するための薬剤としては、特にタンニン類、例えばエラグ酸;インドール誘導体、特に3-インドールカルビノール;茶、特に緑茶の抽出物、ヒアシンス又はEichornia crassipes抽出物;及びPhytovityl(登録商標)の商品名でSolabia社から市販されている、トウモロコシの水溶性留分を挙げることができる。
最後に、本発明の組成物に使用可能な重金属捕捉剤としては、特にキレート剤、例えばEDTA、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸五ナトリウム塩、及びN,N'-ビス(3,4,5-トリメトキシベンジル)エチレンジアミン又はその塩の一つ、金属錯体又はそのエステル;フィチン酸;キトサン誘導体;茶、特に緑茶の抽出物;タンニン類、例えばエラグ酸;硫黄含有アミノ酸、例えばシステイン;ヒアシンス(Eichornia crassipes)抽出物;及びPhytovityl(登録商標)の商品名でSolabia社から販売されている、トウモロコシの水溶性留分を挙げることができる。
【0062】
さらに、本発明の組成物に使用され得るフリーラジカル捕捉剤には、上述したある種の汚染防止剤の他に、ビタミンEとその誘導体、例えば酢酸トコフェリル;バイオフラボノイド類;コエンザイムQ10又はユビキノン;ある種の酵素、例えばカラターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、ラクトペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ及びキノンレダクターゼ;グルタチオン;ベンジリデンショウノウ;ベンジルシクラノン類(benzylcyclanones);置換されたナフタレノン類;ピドラート類(pidolates);フィタントリオール;ガンマ-オリルザノール;リグナン類;及びメラトニンが含まれる。
【0063】
上述したように、本発明の組成物は、疎水性になるように被覆されていてもよい、有機又は無機化合物の形態である、UVA及び/又はUVB遮蔽剤又は光保護剤をさらに含有してよい。
特に好ましい有機光保護剤は次の化合物::エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルメトキシシンナマート、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、4-メチルベンジリデンショウノウ、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、アニソトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、ドロメトリゾールトリシロキサン、1,1-ジカルボキシ-(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、及びそれらの混合物から選択される。
【0064】
また無機光保護剤は、被覆又は非被覆の金属酸化物の顔料又はナノ顔料(一次粒子の平均径:一般的に5nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば、それ自体、全てUV光保護剤としてよく知られている酸化チタン(アモルファス、又はルチル及び/又はアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔料から選択される。また、標準的なコーティング剤は、アルミナ及び/又はステアリン酸アルミニウムである。このような、被覆又は非被覆の金属酸化物のナノ顔料は、特に、欧州特許出願第518772号及び欧州特許出願第518773号に記載されている。
光保護剤は、一般的に組成物の全重量に対して0.1〜20重量%の範囲、好ましくは組成物の全重量に対して0.2〜15重量%の範囲の割合で、本発明の組成物に存在している。
【0065】
修復及び/又は瘢痕形成剤は、ビタミンA及び誘導体、ビタミンB3、プロビタミンB5、ビタミンC及び誘導体、ビタミンE;微量元素、亜鉛、銅、マンガン及びマグネシウム;Centella asiatica、Mimosa tenuifloraの植物性抽出物、アラントイン、Aloe vera;ヒアルロン酸及びアルギン酸塩、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0066】
抗フケ剤は抗真菌剤及び/又は抗菌剤から選択することができる。ピリジンチオンの亜鉛塩又はジンクオマジン(zinc omadine)、1-ヒドロキシ-2-ピロリドン誘導体、トリハロカルバミド類、トリクロサン、アゾール含有化合物、例えばクリンバゾール(climbazole)、ケトコナゾール、クロトリナゾール(clotrinazole)、エコナゾール、イソコナゾール及びミコナゾール、抗真菌ポリマー、例えばアンホテリシンB又はナイスタチン、及び硫化セレンを挙げることができる。
【0067】
また本発明は、上述した化粧品用組成物を皮膚又は粘膜に適用することを特徴とする、乾燥及び/又はひび割れ及び/又は加齢した皮膚の美容処理方法に関する。
適用は、顔の皮膚、体の皮膚又は唇の皮膚の乾燥及び/又はひび割れした領域、及び顔(額、目尻、鼻唇溝)及び首のシワのある領域になされる。
【0068】
他の主題は、上述した化粧品用組成物を頭皮に投与又は適用することを特徴とする、抜毛の美容処理方法にある。
これらの組成物は、抜毛の手入れに使用されることを意図しており、この抜毛は天然のもの、又は薬剤関連に由来するもの、すなわち薬剤の吸収に続いて、抜毛の副作用があるものである。
【実施例】
【0069】
本発明を、以下の非限定的実施例により例証する。
(実施例)
実施例1:LIFの存在下で最適化された未分化の幹細胞及び/又は表皮前駆体の成長性
ケラチノサイトを成人の皮膚サンプルから単離した(胸部形成外科)。
外科用メスを使用し、皮下組織を除去した後、皮膚サンプルを約5mmx5mmの断片に切断し、ついで、抗菌処理によって除染した[ゲンタマイシン(Life Technologies)、DMEM培養培地(Life Technologies)において10分間、3回連続浴]。ついで、表皮から真皮を分離させるために、サンプルをタンパク質分解処理にかける[ディスパース(dispase)(Boehringer, Roche Diagnostics)+トリプシン(Gibco, Invitrogen)、4℃で一晩]。ついで、切開により、表皮を真皮から分離させる。真皮組織から分離された表皮断片を0.05%のトリプシン-0.02%のEDTA溶液に配する(Gibco, Invitrogen)(37℃で15分間)。細胞の解離を促進させるため、調製物を定期的に攪拌する。ついで、トリプシンの効果を10%の漿液を含有する培養培地(DMEM+10%の漿液)を添加することにより中和する。トリプシン(DMEM+10%の漿液)の中和後、細胞調製物を機械的にホモジナイズし(分注)、ついで濾過する。細胞懸濁液を洗浄し、ついでKGM培地(Clonetics)に再懸濁させる。懸濁液中の細胞を、マラセズ(Malassez)細胞を使用し、顕微鏡下で計測する。サンプルの生存度を、トリパンブルー(Life Technologies)排除法で評価する。
【0070】
未分化の幹細胞及び/又は表皮前駆体における濃縮工程を、I型コラーゲン基質への急速な付着工程により実施した(高い付着能力を有する集合体、Adh+++を選択)。
実際、未分化の幹細胞及び/又は表皮前駆体は、それらの急速な付着特性に基づき、より成熟したケラチノサイトから分離することができる。この工程により、未分化の幹細胞及び/又は表皮前駆体にて、調製物をプレ濃縮することができる。
コラーゲンへの付着による濃縮方法は、国際公開第03/038073号及び科学文献(Fortunelら, J Cell Sci, 116:4043-4052, 2003)に記載されている。
【0071】
細胞懸濁液を150000〜200000細胞/cmの密度で、I型コラーゲンで「コーティング」された[コラーゲンは、少なくとも45分、PBSに2倍希釈されたコラーゲンI(Sigma Chemical)溶液の蒸着により、付着支持体上に吸着させる]培養フラスコに配する。12〜15分後、付着しなかったケラチノサイトを、PBSバッファーで洗浄することにより除去する。このようにして選択されたAdh+++と称される付着細胞を、穏和なトリプシン処理(0.05%のトリプシン-0.02%のEDTA(Gibco, Invitrogen)、37℃で3〜5分)により、支持体から剥離させる。トリプシンの中和後(DMEM+10%の漿液)、細胞を回収し、洗浄し、ついで培養培地(この場合は、KGM培地)に再懸濁させる。付着細胞から構成され、この方法により選択されたフラクションは、表皮の全ケラチノサイトの約5〜10%である。
【0072】
定量化可能な単離された細胞クローンを得るために、フィーダー線維芽細胞の不在下、及び低密度(2400細胞/cmで播種)で、Adh+++細胞から開始した培養体を、半ば既知の培養培地(KGM Bullet Kit, Clonetics, Cambrex Bio Science Inc.)において調製した。第1の二次培養(経過1)において、培養体を、1)上述したものと同一の条件;2)1mg/mlの濃度でLIF(Chemicon International Inc.から販売されているヒト組換えLIF)を添加した上述したものの2つのバッチに分割した。8日間培養した後、これら2つの培養条件下で得られた細胞クローンの特徴を分析するために、培養体を固定し(70%のエタノール)、染色した(エオシン及びギームザ染色)(図1)。
【0073】
LIFの不在下又は存在下で実施された培養体の比較分析により、この因子により、Adh+++細胞の培養から誘導された、未分化の幹細胞及び/又は表皮前駆体の成長を、最適化可能であることが示された。
肉眼での観察により、かなり濃く染色された細胞クローンの数が増加していることが示された(図1A、B)。顕微鏡での観察により、その発育が促進されるこれらのクローンは、本質的に、未分化の状態の幹細胞及び/又は表皮前駆体に関連した形態的特徴を示す小細胞からなり、その基準は、LIFで処理された培養体が「より若い」という事実を表している。LIFに反応してかなりの高密度クローンの数が増加していることが、図1Cに示されたヒストグラムに表されたように、コンピュータ画像分析により確認される。
よって、培養系においてLIFを使用すると、ヒトの未分化の表皮の幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体の増殖を促進させることができる。
【0074】
実施例2:表皮の再構成におけるLIFの正の効果
我々は、3T3線維芽細胞からの粉砕材料が、インビトロで培養され、凍結形態で保管された幹細胞及び/又は表皮前駆体から、表皮の再構成を促進させることを観察した。再構成された表皮は良質のものであり:それは天然の表皮と類似した、細胞組織及び層形成を示す(図2A)。
LIFがこの特性に関与しているという仮説をテストするために、LIFを免疫沈降により枯渇させ、ついで、LIF-フリーの粉砕材料の活性を、枯渇していない粉砕材料と比較した。
【0075】
粉砕された3T3材料のLIF-枯渇は、ウサギ内で生成されたポリクローナル抗体を使用することにより実施する(抗-LIF Ab, Santa Cruz, ref. SC-20087)。LIFをAbに正しく確実に結合させるために、数時間、4℃超で、粉砕された3T3材料を抗-LIF Abと共にインキュベートする。ついで、フリー及びLIF-結合Abを、タンパク質Gが吸着した(タンパク質GはAbsのFcドメインに対し高い親和性を有する)セファロースビーズを添加することにより「捕捉」する。遠心分離により、LIFが枯渇した粉砕材料から、LIFが保持されたビーズを分離することができる。
【0076】
凍結ライブラリから得られた表皮の幹細胞(乳房の皮膚サンプルから単離)の、再構成された皮膚を作製する能力を、LIFが枯渇していない3T3線維芽細胞からの粉砕材料の存在下(正の対照)、粉砕3T3材料の不在下(負の対照)、及びLIFが枯渇した粉砕3T3材料の存在下(実験条件)で評価した。各条件下で得られた再構成された表皮の組織学的特徴を、固定し、染色された断面で比較した(図2)。
3T3線維芽細胞からの粉砕材料が補足された器官型培養(LIFは枯渇していない)により、良質(図2A)、すなわち細胞組織及び層形成が天然の表皮と類似した、再構成された表皮を得ることができ、粉砕材料の不在下で調製された培養体では、必要な組織学的特徴を有さない表皮しか得ることができない(図2B)。
【0077】
粉砕3T3材料の不在下で得られた表皮は、次の異常:
− かなりの細胞間空胞及び間隙;
− 乏しい層形成;
− 少数の細胞を有する基底層;
− 非常に伸長した超基底細胞(superbasal cell);
− 基底細胞の不正確な配向(マトリックスに並行);
− ほとんど又は全く顆粒層が存在しない;
− 薄い角質層;
を示す。
【0078】
LIFが枯渇した粉砕3T3材料の存在下で培養するという実験条件での細胞は、粉砕材料の不在下で培養されたものと類似したように機能し(図2C)、これはLIFの枯渇により、表皮再構成における粉砕材料の有益な特性が損なわれているという結果を示している。
よって、LIFを使用すると、実施例1で示したように、未分化状態の前記細胞の増殖を促進させる能力に加えて、該細胞の器官形成における潜在能力、すなわち天然の表皮に類似した特徴を示す、質の良い再構成された表皮を生成する能力を維持することができる。
【0079】
実施例3:組成物
乾燥肌用の化粧品用組成物
実施例1の組換えLIF 10−6
5-n-オクタノイルサリチル酸 1%
メチルパラベン 0.1%
プロピルパラベン 0.1%
ラノリン 5%
流動ワセリン 4%
ゴマ油 4%
セチルアルコール 5%
モノステアリン酸グリセリル 2%
トリエタノールアミン 1%
プロピレングリコール 5%
カーボマー940 0.1%
水 全体を100%にする量
【0080】
抗シワ用の化粧品用クリーム
LIFを発現する3T3細胞からの培養上清 10−3
ステアリン酸グリセリル(乳化剤) 2.00%
ポリソルベート60(ICI社から販売されている 1.00%
Tween 60)(乳化剤)
ステアリン酸 1.40%
トリエタノールアミン(中和剤) 0.70%
カーボマー(Goodrich社から販売されている 0.40%
Carbopol 940)
カリテバターの液状留分 12.00%
ペルヒドロスクワレン 12.00%
防腐剤 0.30%
香料 0.50%
酸化防止剤 0.05%
水 全体を100%にする量
【0081】
ひび割れした唇のための手入れ用スティック
LIFを発現する3T3細胞からの培養上清 10−3
ラノリド(Lanolide) 13%
マイクロクリスタリンワックス 20%
オゾケライト 5%
極性油(ヒマシ油) 32%
無極性油(ポリデセン) 27%
パルミチン酸アスコルビル 1%
ビタミンE 1%
香料 1%
【0082】
抗抜毛用のそのまま残るローション
実施例1の組換えLIF 1μg
ラノリン酸 0.1g
プロピレングリコール 22.8g
95°エタノール 55.1g
精製水 全体を100gにする量
【0083】
紅斑のための手入れ用クリーム
実施例1の組換えLIF 10−6
ステアリン酸グリセリル 2.00%
ポリソルベート60 1.00%
ステアリン酸 1.40%
グリシルレチン酸 2.00%
トリエタノールアミン 0.70%
カーボマー 0.40%
Aloe veraの抽出物 2.00%
ヒマワリ油 10.00%
酸化防止剤 0.05%
香料 0.50%
防腐剤 0.30%
水 全体を100%にする量
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1A】図1は、幹細胞及び/又は表皮前駆体のクローン原性増殖におけるLIFの効果の分析を示す。図1Aは、経過1において細胞から得られた細胞クローンを、内因性LIFの不在下で8日培養し、ついで固定して、染色したものである。
【図1B】図1は、幹細胞及び/又は表皮前駆体のクローン原性増殖におけるLIFの効果の分析を示す。図1Bは、経過1においてケラチノサイトから得られた細胞クローンを、1ng/mlの内因性LIFの存在下で8日培養し、ついで固定して、染色したものである。
【図1C】図1は、幹細胞及び/又は表皮前駆体のクローン原性増殖におけるLIFの効果の分析を示す。図1Cは、対照条件及び内因性LIFの存在下で得られたクローン密度の半定量分析である。
【図2A】図2は、LIFが枯渇した又は枯渇していない3T3線維芽細胞からの粉砕材料の存在又は不在下において得られた再構成された表皮の組織学的分析を示す。図2Aは、LIFが枯渇していない粉砕3T3材料の存在下で得られた再構成された表皮の組織学的断面(正の対照)である。
【図2B】図2は、LIFが枯渇した又は枯渇していない3T3線維芽細胞からの粉砕材料の存在又は不在下において得られた再構成された表皮の組織学的分析を示す。図2Bは、粉砕3T3材料の不在下で得られた再構成された表皮の組織学的断面(負の対照)である。
【図2C】図2は、LIFが枯渇した又は枯渇していない3T3線維芽細胞からの粉砕材料の存在又は不在下において得られた再構成された表皮の組織学的分析を示す。図2Cは、LIFが枯渇した粉砕3T3材料の存在下で得られた再構成された表皮の組織学的断面(実験条件)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物の有効量の、ヒトの未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の集合体の再生力を維持し及び/又は刺激するための薬剤としての、化粧品用組成物における使用。
【請求項2】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物が:
(i)未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の自己再生能及び/又はそれらの増殖能を促進させ;及び/又は
(ii)多重層上皮、特に多重層表皮、及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物を生成するそれらの能力を維持及び/又は増加させる;
ためのものであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物が、表皮及び/又は全て又はいくつかの皮膚付属物の再生を刺激するためのものである、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物が、皮膚加齢の兆候を防止及び/又はこれに抗し、特に皮膚の薄化及び/又は皮膚の堅牢性、弾性及び/又は張りの喪失、及び/又はシワ及びコジワの形成を防止及び/又はこれに抗するためのものである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物が、皮膚の障壁機能を促進させ、特に皮膚の保湿性を促進させるためのものである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物が、唇、手、顔及び/又は体におけるひび割れの形成を防止及び/又は制限するためのものである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物が、頭皮を活性化させ、及び/又は毛髪及び/又は体毛の成長を再生させるためのものである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物の有効量の、特に火傷の処置において、皮膚の瘢痕形成及び/又は皮膚の再生を促進させるための組成物の調製における使用。
【請求項9】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、及び内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、及びそれらの混合物から選択される化合物の有効量の、皮膚の変性落屑を伴う病変の処置を意図した組成物の調製における使用。
【請求項10】
LIFが、精製されたLIF、組換えLIF、LIFを含む粉砕された細胞材料又は細胞抽出物、LIFを含む細胞培養上清、又はそれらの混合物の形態で組成物に提供されるヒト由来のLIFであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
LIF類似体が、(i)未分化の皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体の自己再生能、及び/又はそれらの増殖能を促進させ;及び/又は多重層表皮を生成するそれらの能力を維持し及び/又は増加させることができる、皮膚幹細胞及び/又は表皮前駆体に対してLIF活性を有する、修飾されたLIFポリペプチド、又はLIFポリペプチド断片から選択されることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
LIF模倣剤が、gp130及び/又はJak/Stat及びRas/Mapキナーゼシグナル伝達経路、特にStat3の発現及び/又は活性を活性化可能な任意の活性剤又は細胞抽出物、又はLIFレセプター(LIF-R)の任意のアゴニストから選択されることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
組成物が、経口投与又は皮膚及び/又は粘膜又は頭皮への局所適用のためのものであることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
組成物に存在するLIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物の有効量が、組成物の全重量に対して10−12%〜1%、好ましくは組成物の全重量に対して10−9%〜0.1%、さらに好ましくは10−7%〜0.01%であることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
請求項10ないし12のいずれか1項に記載のLIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又はその混合物の有効量を少なくとも、生理学的に許容可能な媒体に含有してなる、皮膚への局所適用に適した組成物。
【請求項16】
LIF、LIF類似体、LIF模倣剤、又は内因性LIFの発現を刺激可能な生成物、又はそれらの混合物の有効量が、組成物の全重量に対して10−12%〜1%、好ましくは組成物の全重量に対して10−9%〜0.1%、さらに好ましくは10−7%〜0.01%であることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
保湿剤、鎮静剤、色素脱失剤、抗グリケーション剤、NO-シンターゼインヒビター、真皮又は表皮の高分子の合成を刺激し、及び/又はその分解を防止するための薬剤、線維芽細胞及び/又はケラチノサイトの増殖を刺激し、又はケラチノサイトの分化を刺激するための薬剤、皮膚の脱収縮剤、張り付与剤、汚染防止剤及び/又はフリーラジカル捕捉剤、光保護剤、修復及び/又は瘢痕形成剤、抗フケ剤、及びそれらの混合物から選択される、少なくとも一の親水性又は親油性の活性剤をさらに含有する化粧品用又は皮膚科用組成物であることを特徴とする、請求項15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
請求項15ないし17のいずれか1項に記載の化粧品用組成物を皮膚又は粘膜に適用することを特徴とする、皮膚の乾燥及び/又はひび割れ及び/又は加齢の美容処理方法。
【請求項19】
請求項15ないし17のいずれか1項に記載の化粧品用組成物を頭皮に適用することを特徴とする、抜毛の美容処理方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公開番号】特開2009−132678(P2009−132678A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−258450(P2008−258450)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【分割の表示】特願2005−153372(P2005−153372)の分割
【原出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】