説明

医用画像変換装置、医用画像出力システム及び医用画像出力プログラム

【課題】診断装置から送信される画像データについて、縦横比を1:1に変換する際に必要な複数回の画像処理による画像劣化を最小限に抑えることである。
【解決手段】受信した医用画像情報を埋め込むテンプレートを予め記憶し、そのテンプレートを医用画像情報の縦横比に合わせて変換し、変換したテンプレートに当該医用画像を埋め込んでテンプレートデータを作成し画像形成装置に転送する。画像形成装置は、受信したテンプレートデータについて縦横比が1:1になるように変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像データを変換する医用画像変換装置と、前記医用画像変換装置から転送される医用画像データを記録媒体上に画像形成する画像形成装置とを具備する医用画像出力システム及び医用画像出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CT(Computed Tomography)やCR(Computed Radiography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、乳房撮影装置、超音波診断装置等といった医用画像生成装置(以下、モダリディと称す。)によって撮影、生成された医用画像を、フィルム出力装置(医用画像形成装置)等に転送する医用画像転送装置が知られている。
【0003】
この医用画像転送装置は、モダリティにより生成された医用画像データを、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格のデータに変換した後に医用画像形成装置へ転送する。医用画像形成装置は、転送された医用画像データに基づいた医用画像をフィルムに画像形成して、その医用画像のハードコピーを作成する。
【0004】
図16(a)は、診断装置により生成された医用画像の一例である。図に示すように、医用画像80は、例えば、被写体の断層画像である診断画像82と、患者のID番号、氏名、性別及び年齢等の患者情報81とにより構成される。
【0005】
変換装置は、診断装置によって生成された医用画像データと、当該医用画像データから抽出した患者情報とにそれぞれデータ変換を行って出力装置へ転送する。このとき、変換装置は、横2コマ且つ縦2コマ(2×2)、横3コマ且つ縦4コマ(3×4)といった医用画像の配置方法を表すフォーマット情報をDICOM規格に準拠した形式で出力装置へ出力する。
【0006】
また、最近では、診断装置で生成された医用画像データ中の診断画像及び患者情報を出力装置に転送する際に、出力装置の設定情報に従って、診断画像の拡大縮小率を算出し、その拡大縮小率に応じて選択した文字タイプ、文字サイズによって患者情報を出力装置へ転送する技術が開示されている(特許文献1、参照。)。
【0007】
特許文献1に記載の発明により生成された医用画像の一例が図16(b)である。出力装置は、フォーマット情報に従って医用画像を記録記録媒体上83の画像描画領域84に“2×2”のフォーマットで配列し、文字描画領域85に患者情報を画像形成する。
【特許文献1】特開2002−190937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、診断装置から送信される診断画像は、アスペクト比が必ずしも1:1ではなく、診断装置よってアスペクト比が異なる為、診断画像毎に、拡大縮小の画像処理が必要になる。また、アスペクト比による画像処理を行うことにより、画像が劣化してしまい、誤診に繋がる可能性があるという問題があった。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、診断装置から送信されるアスペクト比の異なる画像データについて、アスペクト比を1:1に統一させて出力することである。また、画像データを拡大又は縮小するのではなく、テンプレートデータを画像データのアスペクト比に合わせて拡大又は縮小することにより、画像処理回数を減らし、画像処理による画像の劣化を最小限に抑えることを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、受信した医用画像情報と患者文字情報を含む医用画像データを所定のデータ形式に変換して転送する医用画像変換装置と、前記転送された所定のデータ形式の医用画像データを記録媒体上に画像形成する医用画像形成装置とを具備する医用画像出力システムにおいて、前記医用画像変換装置は、前記医用画像データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された医用画像データのうち前記医用画像情報を埋め込むテンプレートを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記テンプレートを当該医用画像情報の寸法に合わせて変換する変換手段と、前記変換手段により変換された当該テンプレートに当該医用画像情報を埋め込み、テンプレートデータを生成するテンプレートデータ生成手段と、前記テンプレートデータ生成手段により生成された当該テンプレートデータを前記医用画像形成装置へ転送する転送手段とを備え、前記医用画像形成装置は、前記転送手段により転送された当該テンプレートデータを前記記憶手段に記憶された基のテンプレートの寸法に変換するテンプレートデータ変換手段と、前記テンプレートデータ変換手段により変換されたテンプレートデータを前記記録媒体上に画像形成する画像形成手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像出力システムにおいて、前記医用画像変換装置は、前記医用画像情報及び患者文字情報を含む医用画像データの記録媒体上への配置方法表すフォーマット情報を指定する指定手段を更に備え、前記記憶手段は、前記指定手段により指定されたフォーマット情報に従って作成されたテンプレートを記憶することを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像出力システムにおいて、前記受信手段により、縦横比が1:1でない医用画像データが受信されると、前記変換手段は、当該医用画像情報の縦横比と同一の縦横比に、前記記憶手段に記憶されるテンプレートを変換することを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の医用画像出力システムにおいて、前記テンプレートデータ変換手段は、前記テンプレートデータ生成手段により生成された当該テンプレートデータの縦横比を、前記テンプレートと同一の縦横比に変換することを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の医用画像出力システムにおいて、前記記憶手段に記憶される前記テンプレートは、縦横比が1:1のテンプレートであることを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の医用画像出力システムにおいて、前記変換手段は、前記テンプレートに当該患者文字情報を書き出した後、当該医用画像情報の縦横比と同一の縦横比に前記テンプレートデータを変換することを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、医用画像情報と患者文字情報を含む医用画像データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された医用画像データのうち前記医用画像情報を埋め込むテンプレートを記憶する記憶手段と、前記医用画像情報の縦横比を前記記憶手段に記憶された前記テンプレートの縦横比と同一の縦横比に変換する医用画像情報変換手段と、前記医用画像情報変換手段により変換された医用画像情報を、前記テンプレートに埋め込んでテンプレートデータを生成するテンプレートデータ生成手段と、前記テンプレートデータ生成手段により生成された当該テンプレートデータを転送する転送手段とを備えることを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の医用画像変換装置において、前記医用画像情報変換手段は、前記医用画像情報の縦横比を1:1に変換することを特徴としている。
【0018】
請求項9に記載の発明は、受信した医用画像情報と患者文字情報を含む医用画像データを所定のデータ形式に変換して転送させる医用画像変換プログラムと、前記転送された所定のデータ形式の医用画像データを記録媒体上に画像形成させる医用画像形成プログラムとを具備する医用画像出力プログラムにおいて、
前記医用画像変換プログラムは、コンピュータを、
前記医用画像データを受信させる受信手段、
前記受信手段により受信された医用画像データのうち前記医用画像情報を埋め込むテンプレートを記憶させる記憶手段、
前記記憶手段に記憶された前記テンプレートを当該医用画像情報の縦横比に合わせて変換させる変換手段、
前記変換手段により変換された当該テンプレートに当該医用画像情報を埋め込み、テンプレートデータを生成させるテンプレートデータ生成手段、
前記テンプレートデータ生成手段により生成された当該テンプレートデータを前記医用画像形成装置へ転送させる転送手段として機能させ、
前記医用画像形成プログラムは、コンピュータを
前記転送手段により転送された当該テンプレートデータを前記記憶手段に記憶された基のテンプレートの縦横比に変換させるテンプレートデータ変換手段、
前記テンプレートデータ変換手段により変換されたテンプレートデータを前記記憶媒体上に画像形成させる画像形成手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、診断装置からアスペクト比が1:1でない医用画像が送信された場合でも、画像処理を施すことによりアスペクト比を1:1に変換し、予め作成されたテンプレートに患者情報と共に埋め込むことで、送信された医用画像のアスペクト比に関係なく、常に、アスペクト比が1:1の最適な医用画像を出力させることが可能となる。また、医用画像に画像処理を施すのではなく、医用画像のアスペクト比に合わせてテンプレートを作成し、そのテンプレートに画像を埋め込んだ後、拡大又は縮小することで、画像処理回数を減らすことができ、画像の劣化を最小限に抑えることが可能となる。従って、画像劣化により発生する可能性がある誤診を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
〔第1実施形態〕
図1に、第1実施形態に係る医用画像出力システム50のシステム構成の一例を示す。図に示すように、医用画像出力システム50は、診断装置1aから出力される医用画像をコントローラ2aの指示に従って転送する変換装置3aと、診断装置1bから出力される医用画像データをコントローラ2bの指示に従って転送する変換装置3bと、フィルム出力装置4a及び4bと、サーバ5とが通信ネットワークNを介して接続されて構成されている。
【0022】
ここで、通信ネットワークNは、例えば、公衆回線、電話回線、ISDN回線、無線回線、専用線等のネットワークである。この通信ネットワークNは、任意な時に接続が可能であればよく、常時接続されている必要はない。また、通信ネットワークNは、情報管理の信頼性の観点から、特定のユーザのみアクセス可能なセキュリティを確保していることが望ましい。
【0023】
診断装置1a、1bは、撮影した医用画像のデータ(アナログ又はデジタルのビデオ信号であり、このデータを以下、医用画像データと称す。)を生成する医用画像生成装置である。診断装置1a、1bとしては、X線を照射して撮影を行うと共に、当該撮影により輝尽性蛍光体プレートに記憶されたX線画像を読取、デジタルデータとして生成するCRやCT、また、X線に限らずMRIや超音波診断装置等が適用可能である。
【0024】
診断装置1a、1bは、制御部、撮影部、表示部、入力部、通信インターフェイス部等を備えて構成される。制御部は、撮影部が撮影した被写体画像に、入力部から入力された患者IDや氏名、性別、年齢等の患者情報を合成して医用画像データを生成し、通信インターフェイス部を介してコントローラ2a、2b及び変換装置3a、3bへ送信する。
【0025】
コントローラ2a、2bは、例えば、医用画像の配置方法の設定や、その設定に基づいて医用画像を配置した場合の医用画像のコマ位置を表すイメージ画像の表示出力等を行う。例えば、診断装置から送信されたアスペクト比の異なる画像に対して、入力部を操作することに拡大もしくは縮小をする。このアスペクト比とは、医用画像の縦横比を示す。
【0026】
変換装置3a、3bは、診断装置1a、1bから出力される医用画像データを1データずつ読み込んで、その医用画像データをDICOM規格に従ってデータ変換して蓄積し、予め設定されているフィルム出力装置4a、4bへ転送する。
【0027】
フィルム出力装置4a、4bは、変換装置3a、3bから転送されたDICOM規格に変換されたデータのうち患者情報に対応する患者情報フォーマットデータ及び位置データと、画像フォーマットデータに基づいた画像データをフィルム上(記録媒体)に画像形成して出力する医用画像形成装置であり、制御部、記憶部、画像メモリ、露光部、現像部、通信部、排出部等を備えて構成される。フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の支持体上に、感光性及び感熱性の感光材料を含有する乳剤が塗付されて、感光層が形成されたものである。
【0028】
このフィルムは、制御部が搬送部を制御することにより、各構成部へ搬送される。露光部は、フィルム上にレーザ光を照射して露光を行い、変換装置3a、3bから転送された
データに基づいて画像の潜像を形成する。現像部は、露光後のフィルムを加熱してふぉ光により形成された潜像を現像する。そして、現像されて排出されたフィルムが排出部から排出される。なお、医用画像形成装置をフィルム出力装置に適用する構成としたが、これに限られず、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタ等の画像形成装置に適用する構成としてもよい。
【0029】
ユーザは、診断装置1a、1bで生成された医用画像データをフィルム出力装置により出力するか否かを、コントローラ2a、2bを操作することにより決定する。コントローラ2a、2bは、フィルム1ページ毎のイメージ画像を表示部に表示させる。
【0030】
ユーザは、コントローラC1,C2を操作して、医用画像の配置方法を設定して確定すると、診断装置1a又は1bで生成された医用画像が変換装置3a、3bにおいてデータ変換されて、予め設定されたフィルム出力装置4a及び4bの何れかに通信ネットワークを介して転送される。フィルム出力装置4a、4bは、変換装置3a、3bから送信されるテンプレートデータに基づいた画像を拡大又は縮小してフィルム上に画像形成する。
テンプレートデータは、ユーザにより設定された配置方法や医用画像サイズに従って医用画像と患者情報とを予め埋め込んでフォーマットした一つの画像データ、即ちテンプレート画像であり、DICOM規格に準拠したデータ形成で生成される。
【0031】
サーバ5は、変換装置3a、3bで変換された医用画像データやテンプレートデータを記憶管理するデータベース等により構成される。また、サーバ5は、データベースに記憶した医用画像データ及びテンプレートデータに基づいた画像を表示出力できるビューワなどを備えるとしてもよい。
【0032】
次に、図2に、コントローラ2aの主要部構成を示す。図に示すように、コントローラ2aは、CPU(Central Processing Unit)10、表示部11、入力部12、通信インターフェイス部13、記憶装置14、RAM(Random Access Memory)15により構成される。なお、コントローラ2bも同様の構成であるため、説明及び図示は省略する。
【0033】
CPU10は、入力される指示に応じて、所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送を行う中央演算装置である。具体的にCPU10は、入力部12から入力される操作信号に応じて、記憶装置14に記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従った処理を実行する。そして、その処理結果を表示部11に表示させる。
【0034】
表示部11は、CRT(Cathode-ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU10cから入力される表示データに基づいて各種画面を表示出力する。
【0035】
入力部12は、カーソルキー、テンキー及び各種ファンクションキー等を有するキーボードやマウス等のポインティングデバイスを備え、押下されたキーの押下信号や、マウスの位置信号等をCPU10に出力する。
【0036】
通信インターフェイス部13は、診断装置1aから出力される医用画像データを受信・復調したり、RAM15に記憶されたフォーマット情報15a及びフィルムサイズ15bを変換装置3a、3bへ送信したりする機能部であり、例えば、RS232C等のシリアルインターフェイスや、セントロニクスなどのパラレルインターフェイス、USB等により構成される。
【0037】
記憶装置14は、例えば、HDD(Hard Disk Device)により構成されるデータの読み書き可能な記憶媒体を備えた機能部であり、各種プログラムやデータを記憶している。
【0038】
RAM15は、CPU10によって実行される各種プログラムをプログラム格納エリアに展開する。RAM15は、各種プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に記憶する。図に示すように、RAM15は、フォーマット情報15aと、フィルムサイズ15bを格納している。
【0039】
フォーマット情報15aは、医用画像をフィルム上にどのようなコマ配置で配置するかという医用画像の配置方法であり、ユーザにより設定される。CPU10は、表示部11に所定の入力フォームを表示させ、ユーザの入力部12の操作に従って、画像フォーマットデータ15aを指定及び設定する。この入力フォームは、例えば、“2×2”や“3×3”といった“横コマ数×縦コマ数”の数値形式で医用画像の配置方法を入力させるものであってもよいし、医用画像を表す所定のアイコンの移動によってその配置をグラフィカルに入力させるものであってもよい。
【0040】
図3は、フォーマット情報15aに従って医用画像を配置した際の、フォーマット例を示す図である。例えば、“2×2”という配置方法を表す画像フォーマットデータ15aでは、医用画像PC1〜PC4が図3(a)のように配置される。また、“3×3”という配置方法を表すフォーマット情報15aによって、医用画像PC1〜PC9が同図(b)のように配置される。また、“一行目に3コマ、2行目に2コマ”医用画像を配置するという配置方法を表す画像フォーマットデータ15aでは、医用画像PC1〜PC5が同図(c)のように配置される。このように、医用画像の配置方法は、コントローラ2aによって適宜指定することができる。
【0041】
フィルムサイズ15bは、医用画像を画像形成させるフィルムのサイズ情報であり、ユーザにより設定される。コントローラ2aのCPU10は、ユーザの指示入力に従って、フォーマット情報15aとフィルムサイズ15bとを変換装置1aへ通信インターフェイス部13を介して送信する。なお、フォーマット情報15aとフィルムサイズ15bは、コントローラ2a、2bで設定する構成としたが、これに限定されず、例えば、診断装置1a、1bで設定可能としてもよい。
【0042】
なお、以下、フォーマット情報は、図3(a)のフォーマット情報を使用するとして説明するが、他のフォーマットを使用する場合も同様である。
【0043】
次に、図4に、変換装置3aの主要部構成の一例を示す。図に示すように、変換装置3aは、制御部20、記憶装置24、入力インターフェイス部28、電源部29等により構成される。
【0044】
記憶装置24は、光学的、磁気的にデータの読み書きを行う記憶媒体を備えた機能部であり、例えば、HDD等により構成される。
【0045】
電源部29は、変換装置3a、3bの各部に電力を供給する。
【0046】
制御部20は、CPU21、IDE(Integrated Drive Electronics)22、シリアルインターフェイス23、文字認識処理部25、メモリ26、通信装置27により構成される
【0047】
CPU21は、記憶装置24に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って、各部の動作を制御する。具体的には、診断装置1a、1bから出力される医用画像データを入力インターフェイス28を介して受信すると、CPU21は、受信した医用画像データから医用画像、画像サイズ、アスペクト比を取得する。診断装置1a、1bの種類によって、アスペクト比が異なるため、これらを考慮して処理を行う必要がある(後述)。また、医用画像データを受信すると、文字認識処理部25を制御し、当該医用画像データに含まれる文字パターンやマッチングやOCRなどによって文字認識することで、患者情報を取得する。なお、医用画像データ中の文字を認識する技術は、適宜公知技術を採用してもよい。
【0048】
一方、CPU21は、コントローラ2a、2bから送信されたフォーマット情報及びフィルムサイズをシリアルインターフェイス23を介して受信する。そして、文字認識により取得した患者情報と画像処理を施した画像からテンプレートデータを作成し、通信装置27を介してフィルム出力装置4a、4bへ送信する。
【0049】
メモリ26は、CPU21が実行する各種プログラムや、これらのプログラムの実行に係るデータ等を一時的に格納する記憶領域である。
【0050】
図5に、アスペクト比の異なる診断装置1a、1bから送信される医用画像の一例を示す。
【0051】
図5(a)は、アスペクト比が1:1の場合、(b)は、アスペクト比が1:2の場合の医用画像である。診断装置1a、1bの仕様により、画像の入力素子の1画素あたりの垂直寸法と水平寸法に比が異なる。画素アスペクト比は画素の垂直寸法及び水平寸法の比率である。従って、図に示すように、アスペクト比が1:1の場合に送信される医用画像は、医用画像31のように正方形、つまり、元の医用画像30を縮小した医用画像となる。一方、図5(b)に示す、アスペクト比が1:2の場合に送信される医用画像は、医用画像32のように、垂直方向に引き伸ばされた医用画像32となる。つまり、実際の画像とは見え方が異なるため、ユーザは確実な診断を行うことができない。従って、アスペクト比の設定が1:1でない診断装置1a、1bから送信される医用画像に対して、画像処理を行う必要がある。
【0052】
図6に、アスペクト比が1:2に設定されている診断装置1a、1bから送信される画像データを拡大又は縮小した場合の医用画像の一例を示す。
【0053】
アスペクト比が1:1でない画像の場合、アスペクト比が1:1になるように拡大又は縮小して出力する。図に示すように、アスペクト比が1:2の医用画像33の場合、水平方向に2倍に拡大することにより医用画像34を生成する(図6(a))。また、垂直方向に2分の1に縮小することにより、アスペクト比1:1の医用画像35を生成してもよい(図6(b))。このように画像処理を施した画像を、予め作成されたテンプレートに埋め込むことにより、新たなテンプレートを作成し、出力装置に出力する。
【0054】
ここで、アスペクト比による医用画像の拡大/縮小処理について説明する。まず、アスペクト比a:b、画像サイズを水平方向Xピクセル、垂直方向Yピクセルとする。
〔拡大処理の場合〕
アスペクト比がa>bの場合、水平方向Xピクセルを基準とし、垂直方向の画像サイズがa/b*Xピクセルになるように、垂直方向Yピクセルの値を拡大する。
アスペクト比がa<bの場合、垂直方向Yピクセルを基準とし、水平方向の画像サイズがb/a*Yピクセルになるように、水平方向Xピクセルの値を拡大する。
〔縮小処理の場合〕
アスペクト比がa>bの場合、垂直方向Yピクセルを基準とし、水平方向の画像サイズが
b/a*Yピクセルになるように、水平方向Xピクセルの値を縮小する。
アスペクト比がa<bの場合、水平方向Xピクセルを基準とし、垂直方向の画像サイズが
a/b*Xピクセルになるように、垂直方向Yピクセルの値を縮小する。
【0055】
図7に第1実施形態に係る変換装置3a、3bの記憶装置24及びメモリ26のデータ構成の一例を示す。図7(a)が、記憶装置24のデータ構成の一例であり、図7(b)が、メモリ26のデータ構成の一例である。
【0056】
図7(a)に示すように、記憶装置24は、医用画像転送プログラム241及び医用画像テーブル242を記憶している。医用画像転送プログラムは、医用画像転送処理(図9参照)を実現するためのプログラムである。医用画像テーブル242は、診断装置1a、1bから送信された医用画像データを蓄積的に記憶するデータテーブルである。
【0057】
図7(b)に示すように、メモリ26は、最大出力サイズ260、1ピクセルサイズ261、患者情報設定項目262、患者情報263、フォーマット情報264、フィルムサイズ265、アスペクト比266、1コマ画像領域サイズ267、テンプレート268、を記憶している。CPU21は、最大出力サイズ260、1ピクセルサイズ261、患者情報設定項目262、患者情報263、フォーマット情報264、フィルムサイズ265、アスペクト比266、1コマ画像領域サイズ267に基づいてテンプレートを作成する。テンプレートデータ268は、アスペクト比266に基づいて拡大又は縮小した医用画像データ及び患者情報263をフォーマット情報264に基づいた配置して合成した一の画像データ、即ち、テンプレート画像である。
【0058】
次に、図8を参照しつつ図9のフローチャートを参照して、変換装置1aで実行される処理について説明する。
【0059】
まず、CPU21は、医用画像転送処理を開始すると、予めフィルム出力装置4aに設定されたフィルム毎の最大出力サイズ260と、1ピクセルサイズ261とを当該フィルム出力装置4aから取得する(ステップS1)。
【0060】
最大出力サイズ260は、画像形成領域情報であり、フィルム毎の医用画像及び患者情報を画像形成可能な最大領域の縦辺及び横辺のピクセル数で表される。1ピクセルサイズは、フィルム出力装置4aが画像形成する際の1ドットの大きさである。
【0061】
ステップS1において、フィルム毎の最大出力サイズ260及び1ピクセルサイズ261を取得すると、患者情報設定項目262の決定をする(ステップS2)。患者情報設定項目262は、フィルム上に画像形成する患者情報の項目の種類等である。
【0062】
ステップS2において、患者情報設定項目262を決定すると、CPU21は、診断装置1aから送信される医用画像データを入力インターフェイス部28を介して受信する。
そして、受信した医用画像データから医用画像、画像サイズ、アスペクト比を取得する(ステップS3)。
【0063】
ステップS3において、受信した医用画像データから医用画像、画像サイズ、アスペクト比を取得すると、受信した医用画像データを文字認識することにより、患者情報263を取得する(ステップS4)。この患者情報263とは、患者ID、患者氏名、性別、年齢、病院管理番号などである。図示はしないが、変換装置3aに患者管理サーバを接続し、詳細な患者情報が文字認識により得られなかった場合は、その患者管理サーバから患者情報IDに相当する患者情報を取得する構成とする。
【0064】
ステップS4において、患者情報263を取得すると、シリアルインターフェイス23を介してコントローラ2aから送信されるフォーマット情報264及びフィルムサイズ265を取得する(ステップS5)。このフィルム情報及びフィルムサイズは、診断装置1aにより設定された情報である。
【0065】
ステップS5において、当該医用画像データのフォーマット情報264及びフィルムサイズ265を取得すると、これらの情報を用いて、画像描画領域及び文字表示領域を算出しテンプレートを作成する(ステップS6)。画像描画領域及び文字表示領域の算出方法を以下に示す。なお、最小画像間隔、トリム幅、文字サイズ及び文字行数の実寸値(長さ)は、予めユーザによって初期設定される。
【0066】
最小画像間隔(ピクセル)=最小画像間隔÷1ピクセルサイズ
トリム幅(ピクセル)=トリム幅(実寸)÷1ピクセルサイズ
文字高さ(ピクセル)=文字サイズ(実寸)÷1ピクセルサイズ
文字表示領域:横(ピクセル)=出力可能ピクセル数:横
文字表示領域:縦(ピクセル)=文字高さ(実寸)×出力行数
画像表示領域:横(ピクセル)=出力可能ピクセル数横−((トリム幅×2×横コマ数)
+(最小画像間隔×(横コマ数−1))
画像表示領域:縦(ピクセル)=出力可能ピクセル数縦−((トリム幅×2×縦コマ数) +(最小画像間隔×(縦コマ数−1))−文字領域:縦
【0067】
ステップS6において、画像描写領域及び文字表示領域を算出し、テンプレートを作成すると、1コマ画像領域サイズ267を算出する(ステップS7)。算出方法を以下に示す。
1コマ画像領域サイズ:横(ピクセル)=画像描写領域:横(ピクセル)÷横コマ数
1コマ画像領域サイズ:縦(ピクセル)=画像描写領域:縦(ピクセル)÷縦コマ数
【0068】
ステップS7のおいて、1コマ画像領域サイズ267を算出すると、アスペクト比266により画像の拡大又は縮小を行う(ステップS8)。
【0069】
ステップS8において、アスペクト比266により画像の拡大又は縮小を行うと、ステップS4で取得した患者情報を画像データに変換する(ステップS9)。ここで、文字情報である患者情報263を画像データに変換することで、フィルム出力装置では、単に画像データである患者情報を画像形成する。
【0070】
ステップS9において、患者情報を画像データに変換すると、ステップS6にて作成したテンプレートの1コマ画像領域に、ステップ8にて拡大又は縮小した医用画像と、ステップS9にて画像データに変換した患者情報を埋め込み(ステップS10)フォーマットし、DICOM規格に準拠した画像データであるテンプレートデータを作成する。ここで、作成するテンプレートデータの大きさは、受信したアスペクト比に対応させるのではなく、アスペクト比1:1のサイズにてフィルム出力装置へ送信する。
【0071】
ステップS11において、テンプレートデータをフィルム出力装置へ送信すると、処理を終了する。
【0072】
一方、フィルム出力装置は、変換装置から送信されたテンプレートデータを受信すると(ステップS12)、当該テンプレートデータに基づいた医用画像をフィルム上に画像形成して出力し(ステップS13)、処理を終了する。
【0073】
以上のように、アスペクト比が1:2や1:3の医用画像のように、アスペクト比が1:1でない医用画像を受信した場合、それらの医用画像に画像処理を施すことによりアスペクト比1:1に変換し、予め設定されたテンプレートに埋め込んで出力させることにより、診断装置によってアスペクト比が異なった場合においても、アスペクト比を1:1に統一した医用画像によるテンプレートデータを生成し出力することができる。従って、診断装置の仕様に関係なく、常にアスペクト比が1:1の医用画像を作成でき、ユーザに最適な医用画像を提供できる。
【0074】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る医用画像出力システム50について説明する。第2実施形態に係る医用画像出力システム50のシステム構成は図1と同様であるため、図示及び説明は省略する。また、医用画像出力システム50を構成する、コントローラ2a、2b、変換装置3a、3bの主要部構成は図2及び図4と同様であるため、説明及び図示は省略する。
【0075】
図10は、第2実施形態に係る記憶装置24のデータ構成の一例を示す図である。図に示すように、記憶装置24は、第2実施形態に係る医用画像転送プログラム243と、医用画像テーブル242を記憶している。医用画像転送プログラム243は、第2実施形態に係る医用画像転送処理を実行するためのプログラムである。
【0076】
次に、図11に、第2実施形態に係るメモリ26のデータ構成の一例を示す。図に示すように、メモリ26は、最大出力サイズ260、1ピクセルサイズ261、患者情報設定項目262、患者情報263、フォーマット情報264、フィルムサイズ265、アスペクト比266、1コマ画像領域サイズ267、受信医用画像領域270、送信医用画像領域271、拡縮比率272及び実寸テンプレートデータ273を記憶している。
【0077】
CPU21は、第1実施形態と同様に、メモリ26に記憶されている種々の情報を用いて、1コマ画像領域サイズ267を算出した後に、実寸テンプレートデータ273を作成する。第1実施形態では、テンプレートデータ268をフォーマット情報264及びフィルムサイズ265を基に作成する。そして、様々なアスペクト比で送信される画像データをアスペクト比1:1の画像データに変換し、さらに、作成したテンプレートに入るように拡大又は縮小した後、テンプレートに埋め込みことで、出力するテンプレートデータを作成した。第2実施形態では、各アスペクト比により送信される医用画像データの大きさ、アスペクト比に合わせて実寸テンプレートデータを作成する。
【0078】
次に、図12、図13及び図14を参照して、第2実施形態に係る変換装置にて実行される処理を示した図15のフローチャートについて説明する。
【0079】
まず、CPU21は、医用画像転送処理を開始すると、予めフィルム出力装置4aに設定されたフィルム毎の最大出力サイズ260と、1ピクセルサイズ261とを当該フィルム出力装置4aから取得する(ステップT1)。
【0080】
最大出力サイズ260は、画像形成領域情報であり、フィルム毎の医用画像及び患者情報を画像形成可能な最大領域の縦辺及び横辺のピクセル数で表される。1ピクセルサイズは、フィルム出力装置4aが画像形成する際の1ドットの大きさである。
【0081】
ステップT1において、フィルム毎の最大出力サイズ260及び1ピクセルサイズ261を取得すると、患者情報設定項目262の決定をする(ステップT2)。患者情報設定項目262は、フィルム上に画像形成する患者情報の項目の種類等である。
【0082】
ステップT2において、患者情報設定項目262を決定すると、CPU21は、診断装置1aから送信される医用画像データを入力インターフェイス部28を介して受信する。
そして、受信した医用画像データから医用画像、画像サイズ、アスペクト比を取得する(ステップT3)。
【0083】
ステップT3において、受信した医用画像データから医用画像、画像サイズ、アスペクト比を取得すると、指定されたアスペクト比による医用画像が、アスペクト比1:1の医用画像になるような水平方向と垂直方向のピクセル値を算出する(ステップT4)。この算出方法を以下に示す。なお、アスペクト比a:b、画像サイズを水平方向Xピクセル、垂直方向Yピクセルとする。
〔拡大処理の場合〕
アスペクト比がa>bの場合に、算出するピクセル値は、水平方向Xピクセル、垂直方向a/b*Xピクセル。
アスペクト比がa<bの場合に、算出するピクセル値は、水平方向b/a*Yピクセル、垂直方向Yピクセル。
〔縮小処理の場合〕
アスペクト比がa>bの場合に、算出するピクセル値は、水平方向b/a*Yピクセル、垂直方向Yピクセル。
アスペクト比がa<bの場合に、算出するピクセル値は、水平方向Xピクセル、垂直方向a/b*Xピクセル。
【0084】
ステップT4において、アスペクト比1:1の医用画像になるような水平方向と垂直方向のピクセル値を算出すると、受信した医用画像データを文字認識することにより、患者情報を取得する(ステップT5)。この患者情報とは、患者ID、患者氏名、性別、年齢、病院管理番号などである。図示はしないが、変換装置3aに患者管理サーバを接続し、詳細な患者情報が文字認識により得られなかった場合は、その患者管理サーバから患者情報IDに相当する患者情報を取得する構成とする。
【0085】
ステップT5において、患者情報263を取得すると、シリアルインターフェイス23を介してコントローラ2aから送信されるフォーマット情報264及びフィルムサイズ265を取得する(ステップT6)。このフィルム情報及びフィルムサイズは、診断装置1aにより設定された情報である。
【0086】
ステップT6において、当該医用画像データのフォーマット情報264及びフィルムサイズ265を取得すると、これらの情報を用いて、画像描画領域及び文字表示領域を算出し実寸テンプレートを作成する(ステップT7)。画像描画領域及び文字表示領域の算出方法は、第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0087】
ステップT7において、画像描画領域及び文字表示領域を算出し、実寸テンプレートを作成すると、1コマ画像領域サイズ267を算出する(ステップT8)。この算出方法も、第1実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0088】
ステップ8において、1コマ画像領域サイズ267算出すると、算出した1コマ画像領域サイズ267と、アスペクト比から1コマ画像サイズの縮小比を算出する(ステップT9)。この算出方法を以下に示す。なお、図12を参照しつつ説明する。
【0089】
(1) まず、1コマ画像領域:横Xを基準に、出力画像領域:縦y1を計算する。
x2:y2=X:Yより、y2=(x2×Y)÷X
出力画像領域:横〔x2〕=受信画像領域:横〔x1〕
出力画像領域:縦〔y2〕=1コマ画像領域:縦〔Y〕×出力画像領域:横〔x2〕÷1コマ画像領域:横〔X〕
【0090】
(2)(1)の横基準にし、出力画像領域:縦〔y2〕が受信画像領域:縦〔y1〕より小さい場合、受信画像領域:縦を基準に再計算をする。
出力画像領域:横〔x2〕=1コマ画像領域:横〔X〕×出力画像領域:縦〔y2〕÷1コマ画像領域:縦〔Y〕
出力画像領域:縦〔y2〕=受信画像領域:縦〔y1〕
【0091】
(3)出力画像領域(x2,y2)より縮小比を計算する。このとき、縦、横どちらを基準値としたかにより、使用する計算結果が異なる。
(1)の場合の縮小比(横基準)=受信画像領域:縦〔y1〕÷1コマ画像領域:縦〔Y〕
(2)の場合の縮小比(縦基準)=受信画像領域:横〔x1〕÷1コマ画像領域:横〔X〕
【0092】
ステップT9において、上述した算出方法により1コマ画像領域の縮小比を算出すると、実寸テンプレートで算出した値に、ステップT9で求めた縮小比より出力するテンプレートを作成する(ステップT10)。その算出方法を、以下に示す。
最小画像間隔〔出力〕=最小画像間隔〔実寸〕×縮小比
トリム幅〔出力〕=トリム幅〔実寸〕×縮小比
最小画像間隔〔出力〕、トリム幅〔出力〕が1より小さければ1とする。
文字高さ〔出力〕=文字高さ〔実寸〕×縮小比
文字領域:縦〔出力〕=文字高さ〔出力〕×出力行数
文字領域:横〔出力〕=出力画像領域:横
出力可能文字数:横=出力画像領域:横÷((文字高さ〔出力〕÷2.4)×2)
出力画像領域:横
=(1コマ画像領域〔出力〕×横コマ数)+(トリム幅×2×横コマ数)+(最小画像間隔〔出力〕×(横コマ数−1))
出力画像領域:縦
=(1コマ画像領域〔出力〕×縦コマ数)+(トリム幅×2×縦コマ数)+(最小画像間隔〔出力〕×(縦コマ数−1)+文字領域縦〔出力〕
【0093】
ステップT10において、上述した算出方法によりテンプレートを作成すると、このテンプレートにトリム及び患者情報を書き出す(ステップT11、図13(1))。そして、ステップT11において、テンプレートにトリム及び患者情報を書き出すと、受信したアスペクト比が1:1でない1コマ画像(図13(2)(a))に合わせて、図13(1)のテンプレートを拡大又は縮小する(ステップT12、図13(2)(b))。
【0094】
ステップT12において、受信したアスペクト比が1:1でない1コマ画像に合わせてテンプレートを拡大又は縮小すると、拡大又は縮小したテンプレートに1コマ画像を埋め込む(ステップT13、図13(3))。
【0095】
ステップT13において、拡大又は縮小したテンプレートに、アスペクト比が1:1ではない1コマ画像を埋め込むと、このテンプレートをフィルム出力装置へ送信し(ステップT14)、処理を終了する。
【0096】
フィルム出力装置は、変換装置からテンプレートを受信すると(ステップT15)、受信したテンプレートを、フィルムにあわせて拡大又は縮小処理を施す(ステップT16、図13(4))。
ステップT16において、受信したテンプレートをフィルムにあわせて拡大又は縮小処理をすると、拡大又は縮小したテンプレートをフィルム上に画像形成して出力し(ステップT17)、処理を終了する(図14、参照)。
【0097】
以上のように、アスペクト比が1:1でない医用画像を受信した場合、医用画像に画像処理を施すのではなく、予め設定されているフォーマット情報により作成されたアスペクト比が1:1のテンプレートを医用画像のアスペクト比に基づいて変換し、その変換したテンプレートデータに当該医用画像を埋め込む。そして、アスペクト比が1:1でない医用画像を埋め込んで生成したテンプレートデータを、フィルム出力装置に送信した後、フィルム出力装置にてアスペクト比1:1に変換して出力させることにより、医用画像に施す画像処理回数を減らすことができる。従って、画像処理を施すことにより発生する画像データの劣化を最小限に抑えることができるため、明瞭な画像による医用画像データを生成することが可能となる。そのため、画像劣化により発生する可能性がある誤診を回避することも可能である。また、受信した医用画像に画像処理を施す必要がないため、画像処理に要する時間を短縮でき、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1実施形態に係る医用画像出力システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】図1の医用画像出力システムを構成するコントローラの主要部構成を示す図である。
【図3】フォーマット情報に従って医用画像を配置した際のフォーマット例を示す図である。
【図4】図1の医用画像出力システムを構成する変換装置の主要部構成を示す図である。
【図5】アスペクト比の異なる医用画像の一例を示す図である。
【図6】アスペクト比が1:2の医用画像を拡大又は縮小した場合の医用画像の一例を示す図である。
【図7】図4の変換装置を構成する記憶装置及びメモリのデータ構成の一例を示す図である。
【図8】テンプレートデータを説明するための図である。
【図9】図4の変換装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る変換装置を構成する記憶装置のデータ構成の一例を示す図である。
【図11】第2実施形態に係る変換装置を構成するメモリのデータ構成の一例を示す図である。
【図12】拡縮比率の算出方法を説明するための図である。
【図13】テンプレート作成の一例を示す図である。
【図14】第2実施形態に係る変換装置とフィルム出力装置の動作の概要を説明するための図である。
【図15】第2実施形態に係る変換装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【図16】(a)は医用画像の一例、(b)は医用画像がフォーマットされたフィルムの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1a、1b 診断装置
2a、2b コントローラ
3a、3b 変換装置
4a、4b フィルム出力装置
5 サーバ
10 CPU
11 表示部
12 入力部
13 通信インターフェイス部
14 記憶装置
15 RAM
15a フォーマット情報
15b フィルムサイズ
20 制御部
21 CPU
22 IDE
23 シリアルインターフェイス
24 記憶装置
241 医用画像転送プログラム
242 医用画像テーブル
25 文字認識処理部
26 メモリ
260 最大出力サイズ
261 1ピクセルサイズ
262 患者情報設定項目
263 患者情報
264 フォーマット情報
265 フィルムサイズ
266 アスペクト比
267 1コマ画像領域サイズ
268 テンプレートデータ
270 受信医用画像領域
271 出力医用画像領域
272 縮小比率
273 実寸テンプレートデータ
27 通信装置
28 入力インターフェイス部
29 電源部
30、31、32、33、34、35 医用画像
50 医用画像出力システム
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した医用画像情報と患者文字情報を含む医用画像データを所定のデータ形式に変換して転送する医用画像変換装置と、前記転送された所定のデータ形式の医用画像データを記録媒体上に画像形成する医用画像形成装置とを具備する医用画像出力システムにおいて、
前記医用画像変換装置は、
前記医用画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された医用画像データのうち前記医用画像情報を埋め込むテンプレートを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記テンプレートを当該医用画像情報の縦横比に合わせて変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された当該テンプレートに当該医用画像情報を埋め込み、テンプレートデータを生成するテンプレートデータ生成手段と、
前記テンプレートデータ生成手段により生成された当該テンプレートデータを前記医用画像形成装置へ転送する転送手段と、を備え、
前記医用画像形成装置は、
前記転送手段により転送された当該テンプレートデータを前記記憶手段に記憶された基のテンプレートの縦横比に変換するテンプレートデータ変換手段と、
前記テンプレートデータ変換手段により変換されたテンプレートデータを前記記録媒体上に画像形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする医用画像出力システム。
【請求項2】
前記医用画像変換装置は、
前記医用画像情報及び患者文字情報を含む医用画像データの記録媒体上への配置方法表すフォーマット情報を指定する指定手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記指定手段により指定されたフォーマット情報に従って作成されたテンプレートを記憶することを特徴とする請求項1に記載の医用画像出力システム。
【請求項3】
前記受信手段により、縦横比が1:1でない医用画像データが受信されると、前記変換手段は、当該医用画像情報の縦横比と同一の縦横比に、前記テンプレートを変換することを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像出力システム。
【請求項4】
前記テンプレートデータ変換手段は、前記テンプレートデータ生成手段により生成された当該テンプレートデータの縦横比を、前記テンプレートと同一の縦横比に変換することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の医用画像出力システム。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶される前記テンプレートは、縦横比が1:1のテンプレートであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の医用画像出力システム。
【請求項6】
前記変換手段は、前記テンプレートに当該患者文字情報を書き出した後、当該医用画像情報の縦横比と同一の縦横比に前記テンプレートデータを変換することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の医用画像出力システム。
【請求項7】
医用画像情報と患者文字情報を含む医用画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された医用画像データのうち前記医用画像情報を埋め込むテンプレートを記憶する記憶手段と、
前記医用画像情報の縦横比を前記記憶手段に記憶された前記テンプレートの縦横比と同一の縦横比に変換する医用画像情報変換手段と、
前記医用画像情報変換手段により変換された医用画像情報を、前記テンプレートに埋め込んでテンプレートデータを生成するテンプレートデータ生成手段と、
前記テンプレートデータ生成手段により生成された当該テンプレートデータを転送する転送手段と、
を備えることを特徴とする医用画像変換装置。
【請求項8】
前記医用画像情報変換手段は、前記医用画像情報の縦横比を1:1に変換することを特徴とする請求項7に記載の医用画像変換装置。
【請求項9】
受信した医用画像情報と患者文字情報を含む医用画像データを所定のデータ形式に変換して転送させる医用画像変換プログラムと、前記転送された所定のデータ形式の医用画像データを記録媒体上に画像形成させる医用画像形成プログラムとを具備する医用画像出力プログラムにおいて、
前記医用画像変換プログラムは、コンピュータを、
前記医用画像データを受信させる受信手段、
前記受信手段により受信された医用画像データのうち前記医用画像情報を埋め込むテンプレートを記憶させる記憶手段、
前記記憶手段に記憶された前記テンプレートを当該医用画像情報の縦横比に合わせて変換させる変換手段、
前記変換手段により変換された当該テンプレートに当該医用画像情報を埋め込み、テンプレートデータを生成させるテンプレートデータ生成手段、
前記テンプレートデータ生成手段により生成された当該テンプレートデータを前記医用画像形成装置へ転送させる転送手段として機能させ、
前記医用画像形成プログラムは、コンピュータを
前記転送手段により転送された当該テンプレートデータを前記記憶手段に記憶された基のテンプレートの縦横比に変換させるテンプレートデータ変換手段、
前記テンプレートデータ変換手段により変換されたテンプレートデータを前記記憶媒体上に画像形成させる画像形成手段として機能させることを特徴とする医用画像出力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−346162(P2006−346162A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176262(P2005−176262)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】