医療支援システム及び医療支援装置
【課題】 移動中の患者(ユーザ)に対する医療を支援することが可能な技術を提供する。
【解決手段】 医療支援サーバ装置40は、ユーザの身体状態の正常又は異常の別を判断するための判定基準値を所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて記憶しておき、移動機から身体状態情報及び位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて記憶されている判定基準値を読み出し、読み出した判定基準値と受信した身体状態情報が示す身体状態とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する。この判定によって身体状態が異常と判断された場合には、医療支援サーバ装置は、適切なメッセージを移動機に送信する。
【解決手段】 医療支援サーバ装置40は、ユーザの身体状態の正常又は異常の別を判断するための判定基準値を所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて記憶しておき、移動機から身体状態情報及び位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて記憶されている判定基準値を読み出し、読み出した判定基準値と受信した身体状態情報が示す身体状態とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する。この判定によって身体状態が異常と判断された場合には、医療支援サーバ装置は、適切なメッセージを移動機に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔の地に居るユーザに対する医療を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク通信技術を利用することにより、患者が病院とは遠く離れた場所にいる場合であっても医者の診察を受けられるようにする仕組みが提案されている。例えば特許文献1には、ユーザ端末装置からネットワーク経由でセンタにユーザの身体状態を通知すると、センタはその身体状態に応じた適切な医療情報をデータベースから検索してユーザ端末装置に提供する、という遠隔医療システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−263497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年では携帯電話機などの移動機が急速に普及しつつあるが、上記のような遠隔医療システムにおいても移動機を有効に利用することができればさらに望ましいと言える。移動機を利用すれば、移動中の患者に対しても有効な遠隔医療を行うことが可能となるからである。
【0004】
そこで、本発明は、移動機を用いて患者(ユーザ)に対する医療を支援することが可能な技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、前記移動機は、前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段とを備え、前記医療支援装置は、前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、前記ユーザの身体状態の正常又は異常の別を判断するための判定基準値を、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて記憶した判定基準値記憶手段と、前記身体状態が異常の場合に前記ユーザに対して提供すべき診断メッセージを記憶した診断メッセージ記憶手段と、前記通信手段が前記位置情報及び前記身体状態情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記判定基準値記憶手段に記憶されている判定基準値を読み出し、読み出した判定基準値と受信した身体状態情報が示す身体状態とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記診断メッセージ記憶手段から前記診断メッセージを読み出し、読み出した診断メッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させる情報提供手段とを備えることを特徴とする医療支援システムを提供する。
【0006】
また、本発明は、ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、前記移動機は、前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記ユーザの身体状態が異常の場合に連絡すべき連絡先を記憶した連絡先記憶手段と、身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段と、前記無線通信手段が前記ネットワークを介して受信した連絡先を前記連絡先記憶手段に記憶させる書込手段と、前記通信手段がユーザの身体状態が異常である旨の通知を受信した場合に、前記連絡先記憶手段に記憶された連絡先に前記無線通信手段を用いて連絡する連絡手段と備え、前記医療支援装置は、前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、前記通信手段が前記身体状態情報を受信すると、受信した身体状態情報が示す身体状態と予め決められた判定基準値とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、身体状態が異常の旨を前記通信手段から前記移動機に対して送信させる異常通知手段と、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、前記通信手段が前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段とを備えることを特徴とする医療支援システムを提供する。
【0007】
また、本発明は、ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、前記移動機は、前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記ユーザの身体状態が異常の場合に連絡すべき連絡先を記憶した連絡先記憶手段と、身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段と、前記無線通信手段が前記ネットワークを介して受信した連絡先を前記連絡先記憶手段に記憶させる書込手段と、前記身体状態検出装置が検知した身体状態を予め決められた判定基準値と比較して、ユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記連絡先記憶手段に記憶された連絡先に前記無線通信手段を用いて連絡する連絡手段と備え、前記医療支援装置は、前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、前記通信手段が前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段とを備えることを特徴とする医療支援システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、前記移動機は、前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、身体状態検出装置から取得した身体状態情報を前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段とを備え、前記医療支援装置は、前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、前記通信手段が受信した身体状態情報に基づいて前記ユーザの消費カロリーを計算する計算手段と、前記計算手段によって計算された消費カロリーに基づいて前記ユーザにある行動を促すメッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させるメッセージ提供手段とを備えることを特徴とする医療支援システムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施の携帯について説明する。
(1)構成
図1は、本実施形態にかかる医療支援システム1の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、医療支援システム1は、ユーザによって携帯される移動機10と、ユーザの各種身体状態を検出する複数の身体状態検出装置20と、移動機10を収容する移動通信ネットワーク30と、移動通信ネットワーク30に接続された医療支援サーバ装置40及び医療機関端末50とを備えている。複数の医療機関端末50はそれぞれ、各地に点在する医療機関(図示略)に設置されており、各医療機関のスタッフや医者によって利用される。医療支援サーバ装置40は、医療機関による医療を支援するために機能する装置であり、具体的には、移動機10からユーザの身体状態情報を収集してその身体状態に応じた適切な行為をユーザに促したり、或いは、医療機関端末50へ各種の通知を行ったりする。なお、本実施形態において「ユーザの身体状態」とは、例えば体温、血圧、脈拍、発汗、体重、体脂肪、歩数、血糖値、視力、聴力、心電誘導波形、自律神経活性度或いは脈波伝播速度などのように、医療行為を支援するのに有用な人間の身体状態のことをいう。
【0010】
次に、図2は、移動機10及び身体状態検出装置20の構成を示すブロック図である。
図2に示す無線通信部11は、図示せぬアンテナや通信制御回路からなり、移動通信ネットワーク30の基地局と無線通信を行うようになっている。操作部12は、ユーザが各種入力操作を行うためのキーパッドを有しており、ユーザが押圧したキーに応じた信号を制御部16に供給する。表示部13は液晶ディスプレイや液晶駆動回路を備えており、制御部16から供給される信号に基づいて画像を表示する。通話部14は、音を収音するマイクロホン141と、音を放音するスピーカ142とを備えている。記憶部15は例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性の記憶装置である。この記憶部15には、各種コンピュータプログラムの他、複数の電話番号を格納した電話帳などが記憶されている。制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)など演算装置や、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの各種メモリを備えている。制御部16は、自身のメモリや記憶部15に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、移動機10の各部を制御する。位置情報生成部17は、図示せぬ複数のGPS衛星によって発信されるGPS信号を受信し、そのGPS信号の発信時刻と受信時刻との差分に基づいて自身の位置を示す位置情報を生成する。入力部18は、身体状態検出装置20から送信されてくる身体状態情報を受信し、移動機10に入力するためのインタフェースである。
【0011】
身体状態検出装置20は、ユーザの各種の身体状態を検知し、検知した状態を示す身体状態情報を生成するものであり、例えば体温計、血圧計、脈泊計、体重計、歩数計などである。これらの身体状態検出装置20のうち、体重計などのように比較的大型で重量があるものは家庭やオフィス等に設置されており、ユーザはこれらの設置場所に赴いて身体状態検出装置20を利用する。一方、体温計などのように比較的小型で軽量なものは、ユーザの身体の適切な位置にクリップやピン或いはベルトなどで装着されていたり、ユーザによって携帯されており、ユーザは常時或いは所望するときにこの身体状態検出装置20を利用する。これらの身体状態検出装置20と移動機10の入力部18とは、ブルートゥース(登録商標)や赤外線などの無線、或いは有線によって互いにデータ通信が可能となるように構成されている。
【0012】
次に、図3は、医療支援サーバ装置40の構成を示すブロック図である。図3に示すように、医療支援サーバ装置40は、制御部41と、通信部42と、不揮発性記憶部43とを備えている。制御部41は、例えばCPUなどの演算装置や、ROMやRAMなどの各種メモリを備えている。制御部41の演算装置は、これらのメモリや不揮発性記憶部43に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより、医療支援サーバ装置40の各部を制御する。通信部42は、移動通信ネットワーク30に接続するための接続インタフェースや通信制御回路を備えており、移動通信ネットワーク30を介して移動機10や医療機関端末50と通信を行う。不揮発性記憶部43は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶装置である。この不揮発性記憶部43には、上述した制御プログラムが記憶されているほか、ユーザデータベース431と、診断メッセージデータベース432と、医療機関データベース433と、交通機関データベース434とが記憶されている。
【0013】
ここで、不揮発性記憶部43に記憶されている内容について具体的に説明する。
まず図4は、ユーザデータベース431の内容の一例を表す図である。このユーザデータベース431には、ユーザの属性や、ユーザの治療履歴や、ユーザの身体状態が正常か異常かを判定するための判定基準値や、ユーザの勤務先への通勤経路などのユーザに関する各種情報が含まれている。ユーザの属性とは、ユーザの氏名、住所、年齢、性別、1日あたりの適正消費(摂取)カロリーなどであり、これらはユーザからの事前の届け出に応じてこの不揮発性記憶部43に記憶される。治療履歴データは、ユーザが医療機関で過去に受けた治療内容を示す情報であり、ユーザからの届け出或いは医療機関からの連絡に応じて、この不揮発性記憶部43に記憶される。なお、図4においては、治療履歴データとしてごく簡単な内容しか図示していないが、もっと詳細な内容まで記憶するようにしてもよいことはもちろんである。
【0014】
判定基準値は、身体状態のそれぞれの種類別に定められていることはもちろん、特に脈泊や血圧などの特定種類の身体状態については、所定の基準で区分された位置エリア単位で定められている。その理由は、例えばユーザが自宅にいる場合と、ユーザが勤務先で勤務している場合と、ユーザが通勤中の場合とでは、ユーザを取り巻く環境が異なるために、ユーザの身体状態の正常・異常の別を判定するための基準が微妙に変化すると考えられるからである。図4に示す例では、ユーザが自宅にいる場合(移動機10の位置が自宅エリアに含まれる場合)は、血圧が判定基準値60〜140の範囲に収まれば正常であるのに対し、勤務中の場合(移動機10の位置が勤務地エリアに含まれる場合)は、血圧が判定基準値60〜150の範囲に収まれば正常であり、通勤中の場合(移動機の位置が通勤エリアに含まれる場合)は、血圧が判定基準値60〜160の範囲に収まれば正常であることを意味している。このような判定基準値には個人差があるため、ユーザが移動機10を用いて医療支援サーバ装置40にアクセスし、自由に設定・更新可能な構成とすることが望ましい。
【0015】
そして、ユーザデータベース431に含まれる通勤経路に関する情報は、ユーザに対して通勤の一部の区間を歩くように促すために利用される。具体的には、医療支援サーバ装置40は、身体状態検出装置20によって検出されたユーザの歩数からそのユーザの1日の予想消費カロリーを算出し、その予想消費カロリーがユーザの1日あたりの適正消費カロリーに満たないことが予想されると、通勤経路において消費カロリーの不足分に見合う距離を交通機関に代えて徒歩で歩くように促すメッセージを移動機10に送信する。この内容については交通機関データベース434の説明においてさらに詳述する。
【0016】
次に、図5は、診断メッセージデータベース432の内容の一例を表す図である。この診断メッセージデータベース432には、予め想定される身体状態の異常の度合いと、その異常の度合いに対して予め用意された診断メッセージとが対応付けられている。例えば図5に示すように、血圧が判定基準値(判定基準値に幅がある場合はその上限値)を超えてその判定基準値より+10までの乖離幅の範囲にある場合は、「血圧が少し高いです。」といった診断メッセージが対応付けられている。また、血圧が判定基準値を超えてその判定基準値より+10〜+30までの乖離幅の範囲にある場合は、「血圧が高いです。この病院に相談することをお勧めしますが、相談しますか?はい/いいえ」といった診断メッセージが対応付けられている。さらに、この診断メッセージには、血圧が上昇する原因を説明したり、血圧を下げるための運動や食事を案内するような内容を含んでいてもよい。
【0017】
次に、図6は、医療機関データベース433の内容の一例を表す図である。医療機関データベース433には、それぞれの医療機関名と、その医療機関の住所及び位置(緯度・経度)と、その医療機関に設置された医療機関端末50の通信アドレスとが対応付けられている。なお、本実施形態では医療機関端末50の通信アドレスとして、医療機関端末50の電話番号を用いている。医療支援サーバ装置40は、ユーザ(移動機10)の位置と、医療機関データベース433に登録されている医療機関の位置とをマッチングすることで、ユーザに対して最寄りの医療機関を案内することができる。
【0018】
次に、図7は、交通機関データベース434の内容の一例を表す図である。交通機関データベース434には、電車やバスなどの交通機関の路線毎に、その路線に含まれる駅やバス亭の名称と、各駅の間或いは各バス停の間(単位区間)の距離及びその距離を徒歩で歩いた場合の消費カロリーとが対応付けられている。前述したように、医療支援サーバ装置40は、ユーザの歩数から算出した現時点の消費カロリーから考えて、そのユーザが1日に消費するであろう予想消費カロリーが適正消費カロリーに満たないことが予想される場合には、ユーザに対して通勤中にその消費カロリーの不足分に見合う距離を徒歩で歩くように促す。図7の例では、例えばa駅からr駅まで通勤するユーザの1日の予想消費カロリーが適正消費カロリーに20〜30kcalほど足りない場合には、医療支援サーバ装置40は、そのユーザの通勤経路において不足分20〜30kcalに見合うa駅からb駅までの900m(消費カロリー;25kcal)を歩くように促すメッセージを生成し、そのユーザの移動機10に送信する。
【0019】
(2)動作
次に、上記構成からなる医療支援システム1の具体的な動作について説明する。
(2−1)身体状態の収集から診断メッセージや緊急時連絡先の提供まで
まず、身体状態の収集から診断メッセージの提供までの動作について説明する。
図8は、移動機10の制御部16が身体状態検出装置20から身体状態情報を収集し、医療支援サーバ装置40に送信する際の処理手順を示したフローチャートである。図8において、制御部16はまず、入力部18が身体状態検出装置20から身体状態情報を取り込んだか否かを判断する(ステップS1)。身体状態を取り込んだ場合には(ステップS1;Yes)、制御部16はその身体状態情報を、「体温=36.5度」、「血圧=80」、「脈拍=50」などのように、身体状態の種類別に記憶部15に書き込む(ステップS2)。次に、制御部16は、位置情報生成部17から位置情報を取り込んだか否かを判断する(ステップS3)。位置情報を取り込んだ場合には(ステップS3;Yes)、制御部16はその位置情報を記憶部15に書き込む(ステップS4)。なお、この位置情報には、位置そのものを表す緯度経度のほか、測位された日時も含まれている。以降、制御部16は、身体状態情報及び位置情報の送信タイミングが到来するまで、上記の処理を繰り返し行う。このような一連の処理が繰り返されることによって、記憶部15には身体状態情報及び位置情報が時系列的に書き込まれることになる。
【0020】
身体状態情報及び位置情報の送信タイミングは、例えば10分間隔などの定期的な送信タイミングであってもよいし、ユーザの操作に応じて任意に発生する送信タイミングであってもよい。このような身体状態情報及び位置情報の送信タイミングが到来すると(ステップS5;Yes)、制御部16は、記憶部15から未送信の身体状態情報及び位置情報を全て読み出し、これらの情報に身体状態の種類や自機の識別情報(ここでは移動機10の電話番号)を付加して無線通信部11から医療支援サーバ装置40に送信させる(ステップS6)。そして、制御部16の処理はステップS1に戻り、上述の処理を再度実行する。
【0021】
次に、医療支援サーバ装置40の制御部41の動作について説明する。
図9は、制御部41が身体状態情報に基づき移動機に診断メッセージや緊急時の連絡先を提供する際の処理手順を示したフローチャートである。図9において、制御部41はまず、移動機10から身体状態情報及び位置情報を受信したか否かを判断する(ステップS11)。これらを受信した場合(ステップS11;Yes)、制御部41は、受信した身体状態報及び位置情報や、これらに付加されている身体状態の種類や電話番号を不揮発性記憶部43にいったん記憶する(ステップS12)。そして、制御部41は、記憶した電話番号をキーにしてユーザデータベース431を検索し、該当するレコードを特定する。さらに制御部41は、特定したレコードにおいて、ステップS11で受信した位置情報を含む位置エリアを特定し、その位置エリアに対応する判定基準値(図4の「正常範囲」に該当する判定基準値)を読み出す(ステップS13)。
【0022】
次に、制御部41は、ステップS11で受信した身体状態情報が示す身体状態と、ステップS13で読み出した判定基準値とを比較し、ユーザの身体状態が異常か否かを判定する(ステップS14)。身体状態が異常であれば(ステップS14;Yes)、制御部41は、その異常の度合いに応じた診断メッセージを診断メッセージデータベース432から読み出す(ステップS15)。次に、制御部41は、ステップS11で受信した位置情報が示す位置(ユーザの位置)がユーザデータベース431に登録されている自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外の位置エリアか否かを判定する(ステップS16)。ユーザの位置が自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外の位置エリアに含まれている場合には(ステップS16;Yes)、制御部41は、そのユーザの位置に基づいて医療機関データベース433を検索し、最寄りの医療機関に電話番号を抽出する(ステップS17)。つまり、ユーザが自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外の地にいる場合とは、例えばユーザが旅行に行っているようなケースであることが想定されるから、身体状態に異常があったとしても、ユーザが普段通っている医療機関に行くことが難しい。そこで、医療支援サーバ装置40がユーザの現在位置に近い医療機関を紹介するべく、上記のように、ユーザの最寄りの医療機関の電話番号を抽出するというわけである。次に、制御部41は、ステップS15で読み出した診断メッセージや、ステップS17で読み出した医療機関の電話番号など、移動機に送信すべき情報がある場合には(ステップS18;Yes)、それらを移動機10に宛てて送信する(ステップS19)。
【0023】
ここで、図10に示すシーケンスを参照しながら、図8,9で説明した移動機10と医療支援サーバ装置40の具体的な動作例について説明する。なお、図10においては、ユーザが旅行している間に、移動機10が「血圧=160」という身体状態情報を取得したものと仮定する。また、移動機10の電話番号は図4に示す「090-1111-2222」とする。
まず、移動機10は身体状態検出装置20から「血圧=160」という身体状態情報を取得し(ステップS21)、これを医療支援サーバ装置40に送信する(ステップS22)。医療支援サーバ装置40は、受信した身体状態報及び位置情報に基づいてユーザの身体状態についてチェックを行う(ステップS23)。ここでは、図4に示すように移動機10の電話番号が「0980-1111-2222」であり、位置情報が自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外であり、身体状態の種類が「血圧」であるから、判定基準値は「60−150」(正常範囲)となる。つまり、血圧=160という身体状態は判定基準値「60−150」の上限を+10だけ超えていることになるから、医療支援サーバ装置40は、身体状態に異常があると判定し、図5に示す診断メッセージデータベース432から、その異常の度合いに応じた診断メッセージ「血圧が高いです。病院に相談することをお勧めしますが、相談しますか?はい/いいえ」を読み出す。
【0024】
次に、医療支援サーバ装置40は、身体状態異常時の連絡先についてチェックを行う(ステップS24)。ここでは、位置情報が示す位置がユーザデータベースに登録されている自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外の位置エリアであるので、医療支援サーバ装置は、そのユーザの位置に基づいて医療機関データベース433を検索し、最寄りの医療機関(ここでは図6に示す「a病院」とする)に関する情報(電話番号など)を抽出する。そして、医療支援サーバ装置40は、上記の診断メッセージや医療機関に関する情報などを移動機10に宛てて送信する(ステップS25)。移動機10は、受診した診断メッセージを表示するとともに(ステップS26)、新たに通知された医療機関(a病院)の電話番号を記憶部15の電話帳に登録する(ステップS27)。上記の、「血圧が高いです。病院に相談することをお勧めしますが、相談しますか?はい/いいえ」という診断メッセージが表示されている状態で、移動機10のユーザがこの診断メッセージに対して「はい」を選択すると、移動機10はこの操作を受け付け(ステップS28)、いわゆるPHONE TO機能を用いて、電話帳に登録された電話番号を用いて医療機関端末50を呼び出す(ステップS29)。以降、移動機10のユーザと医療機関端末50のオペレータとの間で必要に応じて通話が行われ、病状の説明や問診などがなされる(ステップS30)。医療機関端末50のオペレータは、必要に応じて、医療支援サーバ装置40に対してユーザの治療履歴データを要求することもできる。医療支援サーバ装置40は、この要求に基づき、治療履歴データをユーザデータベース431から読み出し、医療機関端末50に送信する。医療機関は、このようにして得た治療履歴を参考にして適切な医療を行うことが可能となる。一方、移動機10のユーザが上記診断メッセージ対して「いいえ」を選択したとしても、移動機10の電話帳にはa病院の電話番号が登録された状態になっているから、ユーザが自身の身体状態に不安を感じたときには、その電話番号を使って直ちにa病院に連絡を取ることができる。
【0025】
(2−2)カロリー計算
次に、カロリー計算の動作について説明する。
図11は、医療支援サーバ装置40の制御部41が、移動機10のユーザの予想消費カロリーに基づき、ユーザにある行為を促すためのメッセージを提供する際の処理手順を示したフローチャートである。図11において、制御部41は、不揮発性記憶部43に記憶している身体状態情報のうち、身体状態「歩数」に関する情報を読み出し、この情報に基づいて移動機のユーザの1日の予想消費カロリーを計算する(ステップS31)。次に、制御部41は、1日の予想消費カロリーが、ユーザデータベース431に登録されている適正消費カロリーを満たすか否かを判断する(ステップS32)。満たさないと判断された場合(ステップS32;No)、制御部41は、ユーザデータベース431を参照してそのユーザの通勤経路を読み出す(ステップS33)。そして、制御部41は、読み出した通勤経路と、交通機関データベース434とを参照して、ユーザの通勤経路において消費カロリーの不足分に見合う距離だけ離れた2つの駅(又は2つのバス停)を抽出する(ステップS34)。そして、制御部41は、ユーザの通勤経路において上記の2駅間を、交通機関に代えて、自身で歩くように促すメッセージを生成し(ステップS35)、これを移動機10に送信する(ステップS36)。移動機10は、このメッセージを受信すると、表示部13に表示する。ユーザはこの表示を見て、自身の健康のためにどの程度の運動が必要かを具体的に知ることができる。
【0026】
上記の本実施形態によれば、ユーザは、たとえ移動中であっても、自らの身体状態に対する適切なアドバイスを得ることができる。また、旅行中などのように、ユーザが普段の生活エリアを離れている場合であっても、そのユーザに最寄りの医療機関を紹介することができるので、特に持病があるユーザにとっては非常に安心感がある。
【0027】
(3)変形例
上記の実施形態は次のような変形が可能である。
(3−1)変形例1
身体状態検出装置20は移動機10と別の装置である必要はなく、移動機10に内蔵或いは移動機10に装着されていても良い。例えばユーザが移動機10を持ったときに、その手が自然に接触するような位置(移動機10の筐体側面や裏面或いは操作キーの表面)に小型の身体状態検出装置20を設けるようにすれば、ユーザが身体状態検出装置20を触ろうと特に意識しなくても、移動機10を手に持つだけで、これらの身体状態検出装置20によって手の接触部分から上述したような身体状態が検知される。また、身体状態には、例えば顔色、眼底、音声の調子なども含まれる。顔色や眼底を身体状態として取り扱う際には、移動機10がデジタルカメラ等の撮像部を備えておき、この撮像部を用いて顔色や眼底を撮ればよい。また、音声の調子は移動機10が備えているマイクロホンで収音すればよい。
【0028】
(3−2)変形例2
予想消費カロリーが適正消費カロリーを下回る場合には、その不足分を運動で消費するように促す以外に、食事による摂取カロリーを調整するようにしてもよい。この際、医療支援サーバ装置は次のような飲食店データベースを備えるようにすればよい。
図12は、飲食店データベースの内容の一例を表す図である。飲食店データベースには、各地域に点在する飲食店の名称と、その住所及び位置(緯度・経度)と、その飲食店で提供されるメニュー及び摂取カロリーとが対応付けられている。医療支援サーバ装置40は、ユーザの歩数から算出した現時点の消費カロリーから考えて、そのユーザが1日に消費すべきであろうカロリーが適正消費カロリーに満たないことが予想される場合には、ユーザの最寄りの飲食店のメニューの中から、その消費カロリーの不足分から見て適切な摂取カロリーのメニューを案内すればよい。また、医療支援サーバ装置40は、ユーザの体重が適正範囲を超えているような場合(ユーザが肥満の場合)においても、ユーザの最寄りの飲食店のメニューの中からできるだけ少ない摂取カロリーのメニューを案内する、といったことが可能である。
【0029】
(3−3)変形例3
身体状態の正常・異常の別の判定は、医療支援サーバ装置40ではなくて、移動機10自身が行ってもよい。この場合には、移動機10が身体状態の種類別の判定基準値を記憶部15に記憶しておき、制御部16が医療支援サーバ装置の制御部41に代わって身体状態が正常か異常かという判定処理を実行する。
また、医療支援サーバ装置40(移動機自身が身体状態の正常・異常の別の判定する場合は移動機10)は、身体状態があまりにも異常な数値を示している場合には、ユーザの了解を得ずに直ちに医療機関(医療機関端末50)へ連絡するようにしてもよい。
また、医療支援サーバ装置40は、移動機10に最寄りの医療機関を通知する際に、自身が記憶している治療履歴データをその医療機関の医療機関端末50に送信するようにしてもよい。このように医療機関に対してユーザの治療履歴を予め提供しておくようにすれば、医療機関は、移動機10のユーザから身体状態の異常時に連絡があった際に、既に得ている治療履歴を参考にして適切な対応を直ちに採ることが可能となる。
【0030】
(3−4)変形例4
予想消費カロリーの不足分を運動で消費するように促す際には、通勤経路上でその運動を促すようにしていたが、これはもちろん通学経路などであってもよい。要するに、ユーザの定期的な移動経路上で運動を促すものであればよい。
【0031】
なお、移動機10及び医療支援サーバ装置40のコンピュータプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る医療支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同システムの身体状態検出装置及び移動機の構成を示すブロック図である。
【図3】同システムの医療支援サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】同医療支援サーバ装置が記憶しているユーザデータベースの内容を表す図である。
【図5】同医療支援サーバ装置が記憶している診断メッセージデータベースの内容を表す図である。
【図6】同医療支援サーバ装置が記憶している医療機関データベースの内容を表す図である。
【図7】同医療支援サーバ装置が記憶している交通機関データベースの内容を表す図である。
【図8】移動機の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】医療支援サーバ装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図10】システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図11】医療支援サーバ装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図12】同医療支援サーバ装置が記憶している飲食店データベースの内容を表す図である。
【符号の説明】
【0033】
10・・・移動機、20・・・身体状態検出装置、40・・・医療支援サーバ装置、50・・・医療機関端末。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔の地に居るユーザに対する医療を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク通信技術を利用することにより、患者が病院とは遠く離れた場所にいる場合であっても医者の診察を受けられるようにする仕組みが提案されている。例えば特許文献1には、ユーザ端末装置からネットワーク経由でセンタにユーザの身体状態を通知すると、センタはその身体状態に応じた適切な医療情報をデータベースから検索してユーザ端末装置に提供する、という遠隔医療システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−263497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年では携帯電話機などの移動機が急速に普及しつつあるが、上記のような遠隔医療システムにおいても移動機を有効に利用することができればさらに望ましいと言える。移動機を利用すれば、移動中の患者に対しても有効な遠隔医療を行うことが可能となるからである。
【0004】
そこで、本発明は、移動機を用いて患者(ユーザ)に対する医療を支援することが可能な技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、前記移動機は、前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段とを備え、前記医療支援装置は、前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、前記ユーザの身体状態の正常又は異常の別を判断するための判定基準値を、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて記憶した判定基準値記憶手段と、前記身体状態が異常の場合に前記ユーザに対して提供すべき診断メッセージを記憶した診断メッセージ記憶手段と、前記通信手段が前記位置情報及び前記身体状態情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記判定基準値記憶手段に記憶されている判定基準値を読み出し、読み出した判定基準値と受信した身体状態情報が示す身体状態とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記診断メッセージ記憶手段から前記診断メッセージを読み出し、読み出した診断メッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させる情報提供手段とを備えることを特徴とする医療支援システムを提供する。
【0006】
また、本発明は、ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、前記移動機は、前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記ユーザの身体状態が異常の場合に連絡すべき連絡先を記憶した連絡先記憶手段と、身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段と、前記無線通信手段が前記ネットワークを介して受信した連絡先を前記連絡先記憶手段に記憶させる書込手段と、前記通信手段がユーザの身体状態が異常である旨の通知を受信した場合に、前記連絡先記憶手段に記憶された連絡先に前記無線通信手段を用いて連絡する連絡手段と備え、前記医療支援装置は、前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、前記通信手段が前記身体状態情報を受信すると、受信した身体状態情報が示す身体状態と予め決められた判定基準値とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、身体状態が異常の旨を前記通信手段から前記移動機に対して送信させる異常通知手段と、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、前記通信手段が前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段とを備えることを特徴とする医療支援システムを提供する。
【0007】
また、本発明は、ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、前記移動機は、前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記ユーザの身体状態が異常の場合に連絡すべき連絡先を記憶した連絡先記憶手段と、身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段と、前記無線通信手段が前記ネットワークを介して受信した連絡先を前記連絡先記憶手段に記憶させる書込手段と、前記身体状態検出装置が検知した身体状態を予め決められた判定基準値と比較して、ユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記連絡先記憶手段に記憶された連絡先に前記無線通信手段を用いて連絡する連絡手段と備え、前記医療支援装置は、前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、前記通信手段が前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段とを備えることを特徴とする医療支援システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、前記移動機は、前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、身体状態検出装置から取得した身体状態情報を前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段とを備え、前記医療支援装置は、前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、前記通信手段が受信した身体状態情報に基づいて前記ユーザの消費カロリーを計算する計算手段と、前記計算手段によって計算された消費カロリーに基づいて前記ユーザにある行動を促すメッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させるメッセージ提供手段とを備えることを特徴とする医療支援システムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施の携帯について説明する。
(1)構成
図1は、本実施形態にかかる医療支援システム1の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、医療支援システム1は、ユーザによって携帯される移動機10と、ユーザの各種身体状態を検出する複数の身体状態検出装置20と、移動機10を収容する移動通信ネットワーク30と、移動通信ネットワーク30に接続された医療支援サーバ装置40及び医療機関端末50とを備えている。複数の医療機関端末50はそれぞれ、各地に点在する医療機関(図示略)に設置されており、各医療機関のスタッフや医者によって利用される。医療支援サーバ装置40は、医療機関による医療を支援するために機能する装置であり、具体的には、移動機10からユーザの身体状態情報を収集してその身体状態に応じた適切な行為をユーザに促したり、或いは、医療機関端末50へ各種の通知を行ったりする。なお、本実施形態において「ユーザの身体状態」とは、例えば体温、血圧、脈拍、発汗、体重、体脂肪、歩数、血糖値、視力、聴力、心電誘導波形、自律神経活性度或いは脈波伝播速度などのように、医療行為を支援するのに有用な人間の身体状態のことをいう。
【0010】
次に、図2は、移動機10及び身体状態検出装置20の構成を示すブロック図である。
図2に示す無線通信部11は、図示せぬアンテナや通信制御回路からなり、移動通信ネットワーク30の基地局と無線通信を行うようになっている。操作部12は、ユーザが各種入力操作を行うためのキーパッドを有しており、ユーザが押圧したキーに応じた信号を制御部16に供給する。表示部13は液晶ディスプレイや液晶駆動回路を備えており、制御部16から供給される信号に基づいて画像を表示する。通話部14は、音を収音するマイクロホン141と、音を放音するスピーカ142とを備えている。記憶部15は例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性の記憶装置である。この記憶部15には、各種コンピュータプログラムの他、複数の電話番号を格納した電話帳などが記憶されている。制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)など演算装置や、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの各種メモリを備えている。制御部16は、自身のメモリや記憶部15に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、移動機10の各部を制御する。位置情報生成部17は、図示せぬ複数のGPS衛星によって発信されるGPS信号を受信し、そのGPS信号の発信時刻と受信時刻との差分に基づいて自身の位置を示す位置情報を生成する。入力部18は、身体状態検出装置20から送信されてくる身体状態情報を受信し、移動機10に入力するためのインタフェースである。
【0011】
身体状態検出装置20は、ユーザの各種の身体状態を検知し、検知した状態を示す身体状態情報を生成するものであり、例えば体温計、血圧計、脈泊計、体重計、歩数計などである。これらの身体状態検出装置20のうち、体重計などのように比較的大型で重量があるものは家庭やオフィス等に設置されており、ユーザはこれらの設置場所に赴いて身体状態検出装置20を利用する。一方、体温計などのように比較的小型で軽量なものは、ユーザの身体の適切な位置にクリップやピン或いはベルトなどで装着されていたり、ユーザによって携帯されており、ユーザは常時或いは所望するときにこの身体状態検出装置20を利用する。これらの身体状態検出装置20と移動機10の入力部18とは、ブルートゥース(登録商標)や赤外線などの無線、或いは有線によって互いにデータ通信が可能となるように構成されている。
【0012】
次に、図3は、医療支援サーバ装置40の構成を示すブロック図である。図3に示すように、医療支援サーバ装置40は、制御部41と、通信部42と、不揮発性記憶部43とを備えている。制御部41は、例えばCPUなどの演算装置や、ROMやRAMなどの各種メモリを備えている。制御部41の演算装置は、これらのメモリや不揮発性記憶部43に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより、医療支援サーバ装置40の各部を制御する。通信部42は、移動通信ネットワーク30に接続するための接続インタフェースや通信制御回路を備えており、移動通信ネットワーク30を介して移動機10や医療機関端末50と通信を行う。不揮発性記憶部43は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶装置である。この不揮発性記憶部43には、上述した制御プログラムが記憶されているほか、ユーザデータベース431と、診断メッセージデータベース432と、医療機関データベース433と、交通機関データベース434とが記憶されている。
【0013】
ここで、不揮発性記憶部43に記憶されている内容について具体的に説明する。
まず図4は、ユーザデータベース431の内容の一例を表す図である。このユーザデータベース431には、ユーザの属性や、ユーザの治療履歴や、ユーザの身体状態が正常か異常かを判定するための判定基準値や、ユーザの勤務先への通勤経路などのユーザに関する各種情報が含まれている。ユーザの属性とは、ユーザの氏名、住所、年齢、性別、1日あたりの適正消費(摂取)カロリーなどであり、これらはユーザからの事前の届け出に応じてこの不揮発性記憶部43に記憶される。治療履歴データは、ユーザが医療機関で過去に受けた治療内容を示す情報であり、ユーザからの届け出或いは医療機関からの連絡に応じて、この不揮発性記憶部43に記憶される。なお、図4においては、治療履歴データとしてごく簡単な内容しか図示していないが、もっと詳細な内容まで記憶するようにしてもよいことはもちろんである。
【0014】
判定基準値は、身体状態のそれぞれの種類別に定められていることはもちろん、特に脈泊や血圧などの特定種類の身体状態については、所定の基準で区分された位置エリア単位で定められている。その理由は、例えばユーザが自宅にいる場合と、ユーザが勤務先で勤務している場合と、ユーザが通勤中の場合とでは、ユーザを取り巻く環境が異なるために、ユーザの身体状態の正常・異常の別を判定するための基準が微妙に変化すると考えられるからである。図4に示す例では、ユーザが自宅にいる場合(移動機10の位置が自宅エリアに含まれる場合)は、血圧が判定基準値60〜140の範囲に収まれば正常であるのに対し、勤務中の場合(移動機10の位置が勤務地エリアに含まれる場合)は、血圧が判定基準値60〜150の範囲に収まれば正常であり、通勤中の場合(移動機の位置が通勤エリアに含まれる場合)は、血圧が判定基準値60〜160の範囲に収まれば正常であることを意味している。このような判定基準値には個人差があるため、ユーザが移動機10を用いて医療支援サーバ装置40にアクセスし、自由に設定・更新可能な構成とすることが望ましい。
【0015】
そして、ユーザデータベース431に含まれる通勤経路に関する情報は、ユーザに対して通勤の一部の区間を歩くように促すために利用される。具体的には、医療支援サーバ装置40は、身体状態検出装置20によって検出されたユーザの歩数からそのユーザの1日の予想消費カロリーを算出し、その予想消費カロリーがユーザの1日あたりの適正消費カロリーに満たないことが予想されると、通勤経路において消費カロリーの不足分に見合う距離を交通機関に代えて徒歩で歩くように促すメッセージを移動機10に送信する。この内容については交通機関データベース434の説明においてさらに詳述する。
【0016】
次に、図5は、診断メッセージデータベース432の内容の一例を表す図である。この診断メッセージデータベース432には、予め想定される身体状態の異常の度合いと、その異常の度合いに対して予め用意された診断メッセージとが対応付けられている。例えば図5に示すように、血圧が判定基準値(判定基準値に幅がある場合はその上限値)を超えてその判定基準値より+10までの乖離幅の範囲にある場合は、「血圧が少し高いです。」といった診断メッセージが対応付けられている。また、血圧が判定基準値を超えてその判定基準値より+10〜+30までの乖離幅の範囲にある場合は、「血圧が高いです。この病院に相談することをお勧めしますが、相談しますか?はい/いいえ」といった診断メッセージが対応付けられている。さらに、この診断メッセージには、血圧が上昇する原因を説明したり、血圧を下げるための運動や食事を案内するような内容を含んでいてもよい。
【0017】
次に、図6は、医療機関データベース433の内容の一例を表す図である。医療機関データベース433には、それぞれの医療機関名と、その医療機関の住所及び位置(緯度・経度)と、その医療機関に設置された医療機関端末50の通信アドレスとが対応付けられている。なお、本実施形態では医療機関端末50の通信アドレスとして、医療機関端末50の電話番号を用いている。医療支援サーバ装置40は、ユーザ(移動機10)の位置と、医療機関データベース433に登録されている医療機関の位置とをマッチングすることで、ユーザに対して最寄りの医療機関を案内することができる。
【0018】
次に、図7は、交通機関データベース434の内容の一例を表す図である。交通機関データベース434には、電車やバスなどの交通機関の路線毎に、その路線に含まれる駅やバス亭の名称と、各駅の間或いは各バス停の間(単位区間)の距離及びその距離を徒歩で歩いた場合の消費カロリーとが対応付けられている。前述したように、医療支援サーバ装置40は、ユーザの歩数から算出した現時点の消費カロリーから考えて、そのユーザが1日に消費するであろう予想消費カロリーが適正消費カロリーに満たないことが予想される場合には、ユーザに対して通勤中にその消費カロリーの不足分に見合う距離を徒歩で歩くように促す。図7の例では、例えばa駅からr駅まで通勤するユーザの1日の予想消費カロリーが適正消費カロリーに20〜30kcalほど足りない場合には、医療支援サーバ装置40は、そのユーザの通勤経路において不足分20〜30kcalに見合うa駅からb駅までの900m(消費カロリー;25kcal)を歩くように促すメッセージを生成し、そのユーザの移動機10に送信する。
【0019】
(2)動作
次に、上記構成からなる医療支援システム1の具体的な動作について説明する。
(2−1)身体状態の収集から診断メッセージや緊急時連絡先の提供まで
まず、身体状態の収集から診断メッセージの提供までの動作について説明する。
図8は、移動機10の制御部16が身体状態検出装置20から身体状態情報を収集し、医療支援サーバ装置40に送信する際の処理手順を示したフローチャートである。図8において、制御部16はまず、入力部18が身体状態検出装置20から身体状態情報を取り込んだか否かを判断する(ステップS1)。身体状態を取り込んだ場合には(ステップS1;Yes)、制御部16はその身体状態情報を、「体温=36.5度」、「血圧=80」、「脈拍=50」などのように、身体状態の種類別に記憶部15に書き込む(ステップS2)。次に、制御部16は、位置情報生成部17から位置情報を取り込んだか否かを判断する(ステップS3)。位置情報を取り込んだ場合には(ステップS3;Yes)、制御部16はその位置情報を記憶部15に書き込む(ステップS4)。なお、この位置情報には、位置そのものを表す緯度経度のほか、測位された日時も含まれている。以降、制御部16は、身体状態情報及び位置情報の送信タイミングが到来するまで、上記の処理を繰り返し行う。このような一連の処理が繰り返されることによって、記憶部15には身体状態情報及び位置情報が時系列的に書き込まれることになる。
【0020】
身体状態情報及び位置情報の送信タイミングは、例えば10分間隔などの定期的な送信タイミングであってもよいし、ユーザの操作に応じて任意に発生する送信タイミングであってもよい。このような身体状態情報及び位置情報の送信タイミングが到来すると(ステップS5;Yes)、制御部16は、記憶部15から未送信の身体状態情報及び位置情報を全て読み出し、これらの情報に身体状態の種類や自機の識別情報(ここでは移動機10の電話番号)を付加して無線通信部11から医療支援サーバ装置40に送信させる(ステップS6)。そして、制御部16の処理はステップS1に戻り、上述の処理を再度実行する。
【0021】
次に、医療支援サーバ装置40の制御部41の動作について説明する。
図9は、制御部41が身体状態情報に基づき移動機に診断メッセージや緊急時の連絡先を提供する際の処理手順を示したフローチャートである。図9において、制御部41はまず、移動機10から身体状態情報及び位置情報を受信したか否かを判断する(ステップS11)。これらを受信した場合(ステップS11;Yes)、制御部41は、受信した身体状態報及び位置情報や、これらに付加されている身体状態の種類や電話番号を不揮発性記憶部43にいったん記憶する(ステップS12)。そして、制御部41は、記憶した電話番号をキーにしてユーザデータベース431を検索し、該当するレコードを特定する。さらに制御部41は、特定したレコードにおいて、ステップS11で受信した位置情報を含む位置エリアを特定し、その位置エリアに対応する判定基準値(図4の「正常範囲」に該当する判定基準値)を読み出す(ステップS13)。
【0022】
次に、制御部41は、ステップS11で受信した身体状態情報が示す身体状態と、ステップS13で読み出した判定基準値とを比較し、ユーザの身体状態が異常か否かを判定する(ステップS14)。身体状態が異常であれば(ステップS14;Yes)、制御部41は、その異常の度合いに応じた診断メッセージを診断メッセージデータベース432から読み出す(ステップS15)。次に、制御部41は、ステップS11で受信した位置情報が示す位置(ユーザの位置)がユーザデータベース431に登録されている自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外の位置エリアか否かを判定する(ステップS16)。ユーザの位置が自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外の位置エリアに含まれている場合には(ステップS16;Yes)、制御部41は、そのユーザの位置に基づいて医療機関データベース433を検索し、最寄りの医療機関に電話番号を抽出する(ステップS17)。つまり、ユーザが自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外の地にいる場合とは、例えばユーザが旅行に行っているようなケースであることが想定されるから、身体状態に異常があったとしても、ユーザが普段通っている医療機関に行くことが難しい。そこで、医療支援サーバ装置40がユーザの現在位置に近い医療機関を紹介するべく、上記のように、ユーザの最寄りの医療機関の電話番号を抽出するというわけである。次に、制御部41は、ステップS15で読み出した診断メッセージや、ステップS17で読み出した医療機関の電話番号など、移動機に送信すべき情報がある場合には(ステップS18;Yes)、それらを移動機10に宛てて送信する(ステップS19)。
【0023】
ここで、図10に示すシーケンスを参照しながら、図8,9で説明した移動機10と医療支援サーバ装置40の具体的な動作例について説明する。なお、図10においては、ユーザが旅行している間に、移動機10が「血圧=160」という身体状態情報を取得したものと仮定する。また、移動機10の電話番号は図4に示す「090-1111-2222」とする。
まず、移動機10は身体状態検出装置20から「血圧=160」という身体状態情報を取得し(ステップS21)、これを医療支援サーバ装置40に送信する(ステップS22)。医療支援サーバ装置40は、受信した身体状態報及び位置情報に基づいてユーザの身体状態についてチェックを行う(ステップS23)。ここでは、図4に示すように移動機10の電話番号が「0980-1111-2222」であり、位置情報が自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外であり、身体状態の種類が「血圧」であるから、判定基準値は「60−150」(正常範囲)となる。つまり、血圧=160という身体状態は判定基準値「60−150」の上限を+10だけ超えていることになるから、医療支援サーバ装置40は、身体状態に異常があると判定し、図5に示す診断メッセージデータベース432から、その異常の度合いに応じた診断メッセージ「血圧が高いです。病院に相談することをお勧めしますが、相談しますか?はい/いいえ」を読み出す。
【0024】
次に、医療支援サーバ装置40は、身体状態異常時の連絡先についてチェックを行う(ステップS24)。ここでは、位置情報が示す位置がユーザデータベースに登録されている自宅エリア・勤務地エリア・通勤エリア以外の位置エリアであるので、医療支援サーバ装置は、そのユーザの位置に基づいて医療機関データベース433を検索し、最寄りの医療機関(ここでは図6に示す「a病院」とする)に関する情報(電話番号など)を抽出する。そして、医療支援サーバ装置40は、上記の診断メッセージや医療機関に関する情報などを移動機10に宛てて送信する(ステップS25)。移動機10は、受診した診断メッセージを表示するとともに(ステップS26)、新たに通知された医療機関(a病院)の電話番号を記憶部15の電話帳に登録する(ステップS27)。上記の、「血圧が高いです。病院に相談することをお勧めしますが、相談しますか?はい/いいえ」という診断メッセージが表示されている状態で、移動機10のユーザがこの診断メッセージに対して「はい」を選択すると、移動機10はこの操作を受け付け(ステップS28)、いわゆるPHONE TO機能を用いて、電話帳に登録された電話番号を用いて医療機関端末50を呼び出す(ステップS29)。以降、移動機10のユーザと医療機関端末50のオペレータとの間で必要に応じて通話が行われ、病状の説明や問診などがなされる(ステップS30)。医療機関端末50のオペレータは、必要に応じて、医療支援サーバ装置40に対してユーザの治療履歴データを要求することもできる。医療支援サーバ装置40は、この要求に基づき、治療履歴データをユーザデータベース431から読み出し、医療機関端末50に送信する。医療機関は、このようにして得た治療履歴を参考にして適切な医療を行うことが可能となる。一方、移動機10のユーザが上記診断メッセージ対して「いいえ」を選択したとしても、移動機10の電話帳にはa病院の電話番号が登録された状態になっているから、ユーザが自身の身体状態に不安を感じたときには、その電話番号を使って直ちにa病院に連絡を取ることができる。
【0025】
(2−2)カロリー計算
次に、カロリー計算の動作について説明する。
図11は、医療支援サーバ装置40の制御部41が、移動機10のユーザの予想消費カロリーに基づき、ユーザにある行為を促すためのメッセージを提供する際の処理手順を示したフローチャートである。図11において、制御部41は、不揮発性記憶部43に記憶している身体状態情報のうち、身体状態「歩数」に関する情報を読み出し、この情報に基づいて移動機のユーザの1日の予想消費カロリーを計算する(ステップS31)。次に、制御部41は、1日の予想消費カロリーが、ユーザデータベース431に登録されている適正消費カロリーを満たすか否かを判断する(ステップS32)。満たさないと判断された場合(ステップS32;No)、制御部41は、ユーザデータベース431を参照してそのユーザの通勤経路を読み出す(ステップS33)。そして、制御部41は、読み出した通勤経路と、交通機関データベース434とを参照して、ユーザの通勤経路において消費カロリーの不足分に見合う距離だけ離れた2つの駅(又は2つのバス停)を抽出する(ステップS34)。そして、制御部41は、ユーザの通勤経路において上記の2駅間を、交通機関に代えて、自身で歩くように促すメッセージを生成し(ステップS35)、これを移動機10に送信する(ステップS36)。移動機10は、このメッセージを受信すると、表示部13に表示する。ユーザはこの表示を見て、自身の健康のためにどの程度の運動が必要かを具体的に知ることができる。
【0026】
上記の本実施形態によれば、ユーザは、たとえ移動中であっても、自らの身体状態に対する適切なアドバイスを得ることができる。また、旅行中などのように、ユーザが普段の生活エリアを離れている場合であっても、そのユーザに最寄りの医療機関を紹介することができるので、特に持病があるユーザにとっては非常に安心感がある。
【0027】
(3)変形例
上記の実施形態は次のような変形が可能である。
(3−1)変形例1
身体状態検出装置20は移動機10と別の装置である必要はなく、移動機10に内蔵或いは移動機10に装着されていても良い。例えばユーザが移動機10を持ったときに、その手が自然に接触するような位置(移動機10の筐体側面や裏面或いは操作キーの表面)に小型の身体状態検出装置20を設けるようにすれば、ユーザが身体状態検出装置20を触ろうと特に意識しなくても、移動機10を手に持つだけで、これらの身体状態検出装置20によって手の接触部分から上述したような身体状態が検知される。また、身体状態には、例えば顔色、眼底、音声の調子なども含まれる。顔色や眼底を身体状態として取り扱う際には、移動機10がデジタルカメラ等の撮像部を備えておき、この撮像部を用いて顔色や眼底を撮ればよい。また、音声の調子は移動機10が備えているマイクロホンで収音すればよい。
【0028】
(3−2)変形例2
予想消費カロリーが適正消費カロリーを下回る場合には、その不足分を運動で消費するように促す以外に、食事による摂取カロリーを調整するようにしてもよい。この際、医療支援サーバ装置は次のような飲食店データベースを備えるようにすればよい。
図12は、飲食店データベースの内容の一例を表す図である。飲食店データベースには、各地域に点在する飲食店の名称と、その住所及び位置(緯度・経度)と、その飲食店で提供されるメニュー及び摂取カロリーとが対応付けられている。医療支援サーバ装置40は、ユーザの歩数から算出した現時点の消費カロリーから考えて、そのユーザが1日に消費すべきであろうカロリーが適正消費カロリーに満たないことが予想される場合には、ユーザの最寄りの飲食店のメニューの中から、その消費カロリーの不足分から見て適切な摂取カロリーのメニューを案内すればよい。また、医療支援サーバ装置40は、ユーザの体重が適正範囲を超えているような場合(ユーザが肥満の場合)においても、ユーザの最寄りの飲食店のメニューの中からできるだけ少ない摂取カロリーのメニューを案内する、といったことが可能である。
【0029】
(3−3)変形例3
身体状態の正常・異常の別の判定は、医療支援サーバ装置40ではなくて、移動機10自身が行ってもよい。この場合には、移動機10が身体状態の種類別の判定基準値を記憶部15に記憶しておき、制御部16が医療支援サーバ装置の制御部41に代わって身体状態が正常か異常かという判定処理を実行する。
また、医療支援サーバ装置40(移動機自身が身体状態の正常・異常の別の判定する場合は移動機10)は、身体状態があまりにも異常な数値を示している場合には、ユーザの了解を得ずに直ちに医療機関(医療機関端末50)へ連絡するようにしてもよい。
また、医療支援サーバ装置40は、移動機10に最寄りの医療機関を通知する際に、自身が記憶している治療履歴データをその医療機関の医療機関端末50に送信するようにしてもよい。このように医療機関に対してユーザの治療履歴を予め提供しておくようにすれば、医療機関は、移動機10のユーザから身体状態の異常時に連絡があった際に、既に得ている治療履歴を参考にして適切な対応を直ちに採ることが可能となる。
【0030】
(3−4)変形例4
予想消費カロリーの不足分を運動で消費するように促す際には、通勤経路上でその運動を促すようにしていたが、これはもちろん通学経路などであってもよい。要するに、ユーザの定期的な移動経路上で運動を促すものであればよい。
【0031】
なお、移動機10及び医療支援サーバ装置40のコンピュータプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る医療支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同システムの身体状態検出装置及び移動機の構成を示すブロック図である。
【図3】同システムの医療支援サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】同医療支援サーバ装置が記憶しているユーザデータベースの内容を表す図である。
【図5】同医療支援サーバ装置が記憶している診断メッセージデータベースの内容を表す図である。
【図6】同医療支援サーバ装置が記憶している医療機関データベースの内容を表す図である。
【図7】同医療支援サーバ装置が記憶している交通機関データベースの内容を表す図である。
【図8】移動機の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】医療支援サーバ装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図10】システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図11】医療支援サーバ装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図12】同医療支援サーバ装置が記憶している飲食店データベースの内容を表す図である。
【符号の説明】
【0033】
10・・・移動機、20・・・身体状態検出装置、40・・・医療支援サーバ装置、50・・・医療機関端末。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、
前記移動機は、
前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、
自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、
身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段とを備え、
前記医療支援装置は、
前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記ユーザの身体状態の正常又は異常の別を判断するための判定基準値を、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて記憶した判定基準値記憶手段と、
前記身体状態が異常の場合に前記ユーザに対して提供すべき診断メッセージを記憶した診断メッセージ記憶手段と、
前記通信手段が前記位置情報及び前記身体状態情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記判定基準値記憶手段に記憶されている判定基準値を読み出し、読み出した判定基準値と受信した身体状態情報が示す身体状態とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記診断メッセージ記憶手段から前記診断メッセージを読み出し、読み出した診断メッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させる情報提供手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項2】
前記診断メッセージ記憶手段は、身体状態の異常の度合いと、その異常の度合いに対して用意された診断メッセージとを対応付けて記憶しており、
前記判定手段は、ユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定し、さらに、受信した身体状態情報が示す身体状態と前記判定基準値との乖離幅によって、身体状態の異常の度合いを判定し、
前記情報提供手段は、前記判定手段によって判定された異常の度合いに応じた診断メッセージを前記診断メッセージ記憶手段から読み出して前記通信手段から前記移動機に対して送信させることを特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項3】
ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、
前記移動機は、
前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、
自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、
前記ユーザの身体状態が異常の場合に連絡すべき連絡先を記憶した連絡先記憶手段と、
身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段と、
前記無線通信手段が前記ネットワークを介して受信した連絡先を前記連絡先記憶手段に記憶させる書込手段と、
前記通信手段がユーザの身体状態が異常である旨の通知を受信した場合に、前記連絡先記憶手段に記憶された連絡先に前記無線通信手段を用いて連絡する連絡手段と備え、
前記医療支援装置は、
前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が前記身体状態情報を受信すると、受信した身体状態情報が示す身体状態と予め決められた判定基準値とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、身体状態が異常の旨を前記通信手段から前記移動機に対して送信させる異常通知手段と
所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、
前記通信手段が前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項4】
ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、
前記移動機は、
前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、
自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、
前記ユーザの身体状態が異常の場合に連絡すべき連絡先を記憶した連絡先記憶手段と、
前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段と、
前記無線通信手段が前記ネットワークを介して受信した連絡先を前記連絡先記憶手段に記憶させる書込手段と、
前記身体状態検出装置が検知した身体状態を予め決められた判定基準値と比較して、ユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記連絡先記憶手段に記憶された連絡先に前記無線通信手段を用いて連絡する連絡手段と備え、
前記医療支援装置は、
前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、
前記通信手段が前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項5】
ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、
前記移動機は、
前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、
身体状態検出装置から取得した身体状態情報を前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段とを備え、
前記医療支援装置は、
前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が受信した身体状態情報に基づいて前記ユーザの消費カロリーを計算する計算手段と、
前記計算手段によって計算された消費カロリーに基づいて前記ユーザにある行動を促すメッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させるメッセージ提供手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項6】
前記医療支援装置は、
前記移動機のユーザの定期的な移動経路を記憶したユーザ情報記憶手段と、
交通機関の路線毎にその路線に含まれる単位区間を徒歩で歩いた場合の消費カロリーを記憶した交通機関情報記憶手段とを備え、
前記情報提供手段は、前記通信手段が受信した身体状態情報に基づき移動機のユーザが或る一定期間に消費するであろうカロリーを算出し、算出したカロリーが予め決められた適正消費カロリーに満たないと判断した場合には、前記移動機のユーザに対して、定期的な移動経路においてその消費カロリーの不足分に見合う距離を歩くように促すためのメッセージを生成し、前記通信手段から前記移動機に対して送信させることを特徴とする請求項5記載の医療支援システム。
【請求項7】
ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
移動機のユーザの身体状態の正常又は異常の別を判断するための判定基準値を、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて記憶した判定基準値記憶手段と、
身体状態が異常の場合に前記ユーザに対して提供すべき診断メッセージを記憶した診断メッセージ記憶手段と、
前記通信手段が移動機から前記位置情報及び前記身体状態情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記判定基準値記憶手段に記憶されている判定基準値を読み出し、読み出した判定基準値と受信した身体状態情報が示す身体状態とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記情報記憶手段から前記診断メッセージを読み出し、読み出した診断メッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させる情報提供手段と
を備えることを特徴とする医療支援装置。
【請求項8】
ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が移動機から前記身体状態情報を受信すると、受信した身体状態情報が示す身体状態と予め決められた判定基準値とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、身体状態が異常の旨を前記通信手段から前記移動機に対して送信させる異常通知手段と
所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、
前記通信手段が移動機から前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段と
を備えることを特徴とする医療支援装置。
【請求項9】
ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が移動機から受信した身体状態情報に基づいてユーザの消費カロリーを計算する計算手段と、
前記計算手段によって計算された消費カロリーに基づいて前記ユーザにある行動を促すメッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させるメッセージ提供手段と
を備えることを特徴とする医療支援装置。
【請求項1】
ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、
前記移動機は、
前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、
自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、
身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段とを備え、
前記医療支援装置は、
前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記ユーザの身体状態の正常又は異常の別を判断するための判定基準値を、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて記憶した判定基準値記憶手段と、
前記身体状態が異常の場合に前記ユーザに対して提供すべき診断メッセージを記憶した診断メッセージ記憶手段と、
前記通信手段が前記位置情報及び前記身体状態情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記判定基準値記憶手段に記憶されている判定基準値を読み出し、読み出した判定基準値と受信した身体状態情報が示す身体状態とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記診断メッセージ記憶手段から前記診断メッセージを読み出し、読み出した診断メッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させる情報提供手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項2】
前記診断メッセージ記憶手段は、身体状態の異常の度合いと、その異常の度合いに対して用意された診断メッセージとを対応付けて記憶しており、
前記判定手段は、ユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定し、さらに、受信した身体状態情報が示す身体状態と前記判定基準値との乖離幅によって、身体状態の異常の度合いを判定し、
前記情報提供手段は、前記判定手段によって判定された異常の度合いに応じた診断メッセージを前記診断メッセージ記憶手段から読み出して前記通信手段から前記移動機に対して送信させることを特徴とする請求項1記載の医療支援システム。
【請求項3】
ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、
前記移動機は、
前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、
自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、
前記ユーザの身体状態が異常の場合に連絡すべき連絡先を記憶した連絡先記憶手段と、
身体状態検出装置から取得した身体状態情報と、前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段と、
前記無線通信手段が前記ネットワークを介して受信した連絡先を前記連絡先記憶手段に記憶させる書込手段と、
前記通信手段がユーザの身体状態が異常である旨の通知を受信した場合に、前記連絡先記憶手段に記憶された連絡先に前記無線通信手段を用いて連絡する連絡手段と備え、
前記医療支援装置は、
前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が前記身体状態情報を受信すると、受信した身体状態情報が示す身体状態と予め決められた判定基準値とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、身体状態が異常の旨を前記通信手段から前記移動機に対して送信させる異常通知手段と
所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、
前記通信手段が前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項4】
ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、
前記移動機は、
前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、
自機の位置を表す位置情報を生成する位置情報生成手段と、
前記ユーザの身体状態が異常の場合に連絡すべき連絡先を記憶した連絡先記憶手段と、
前記位置情報生成手段によって生成された位置情報とを前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段と、
前記無線通信手段が前記ネットワークを介して受信した連絡先を前記連絡先記憶手段に記憶させる書込手段と、
前記身体状態検出装置が検知した身体状態を予め決められた判定基準値と比較して、ユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記連絡先記憶手段に記憶された連絡先に前記無線通信手段を用いて連絡する連絡手段と備え、
前記医療支援装置は、
前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、
前記通信手段が前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項5】
ユーザによって携帯される移動機と、その移動機にネットワークを介して接続された医療支援装置とを備え、
前記移動機は、
前記ネットワークを介して通信を行う無線通信手段と、
身体状態検出装置から取得した身体状態情報を前記無線通信手段から前記医療支援装置に対して送信させる送信手段とを備え、
前記医療支援装置は、
前記ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が受信した身体状態情報に基づいて前記ユーザの消費カロリーを計算する計算手段と、
前記計算手段によって計算された消費カロリーに基づいて前記ユーザにある行動を促すメッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させるメッセージ提供手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項6】
前記医療支援装置は、
前記移動機のユーザの定期的な移動経路を記憶したユーザ情報記憶手段と、
交通機関の路線毎にその路線に含まれる単位区間を徒歩で歩いた場合の消費カロリーを記憶した交通機関情報記憶手段とを備え、
前記情報提供手段は、前記通信手段が受信した身体状態情報に基づき移動機のユーザが或る一定期間に消費するであろうカロリーを算出し、算出したカロリーが予め決められた適正消費カロリーに満たないと判断した場合には、前記移動機のユーザに対して、定期的な移動経路においてその消費カロリーの不足分に見合う距離を歩くように促すためのメッセージを生成し、前記通信手段から前記移動機に対して送信させることを特徴とする請求項5記載の医療支援システム。
【請求項7】
ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
移動機のユーザの身体状態の正常又は異常の別を判断するための判定基準値を、所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて記憶した判定基準値記憶手段と、
身体状態が異常の場合に前記ユーザに対して提供すべき診断メッセージを記憶した診断メッセージ記憶手段と、
前記通信手段が移動機から前記位置情報及び前記身体状態情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記判定基準値記憶手段に記憶されている判定基準値を読み出し、読み出した判定基準値と受信した身体状態情報が示す身体状態とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、前記情報記憶手段から前記診断メッセージを読み出し、読み出した診断メッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させる情報提供手段と
を備えることを特徴とする医療支援装置。
【請求項8】
ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が移動機から前記身体状態情報を受信すると、受信した身体状態情報が示す身体状態と予め決められた判定基準値とを比較してユーザの身体状態が正常であるか異常であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって身体状態が異常と判断された場合には、身体状態が異常の旨を前記通信手段から前記移動機に対して送信させる異常通知手段と
所定の基準で区分された位置エリアに対応付けて前記連絡先を記憶した連絡先リスト記憶手段と、
前記通信手段が移動機から前記位置情報を受信すると、受信した位置情報が示す位置を含む位置エリアに対応付けられて前記連絡先リスト記憶手段に記憶されている連絡先を読み出し、読み出した連絡先を前記通信手段によって前記移動機に通知する連絡先通知手段と
を備えることを特徴とする医療支援装置。
【請求項9】
ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が移動機から受信した身体状態情報に基づいてユーザの消費カロリーを計算する計算手段と、
前記計算手段によって計算された消費カロリーに基づいて前記ユーザにある行動を促すメッセージを前記通信手段から前記移動機に対して送信させるメッセージ提供手段と
を備えることを特徴とする医療支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−47929(P2007−47929A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229799(P2005−229799)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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