説明

医療機器用駆動装置

本発明は試験ストリップまたは試験ストリップマガジンによって体液を獲得するための測定装置の駆動装置に関する。駆動装置は、機械エネルギー蓄積体(40)の充電用のアクチュエータ(10、150、200、300、400)を備える。アクチュエータ(10、150、200、300、400)が行程を実施可能のアクチュエータとして構成されており、前記アクチュエータが振動駆動可能であり、その行程路(12)が伝導要素(18)を用いて機械エネルギー蓄積体(40)に初張力を付与する逆転阻止型回転子(36、154、210)に伝達され、かつ/または運動要素(218、560、616)を直接駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動装置、特に携帯式医療機器に好適であり、それを利用して緩慢に実行される運動が自動化可能である電動式駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばグルコース測定装置のような携帯式医療機器において、身体部位の自動ランセット切開と、それに続くランセット切開過程によって生じた身体開口部からの自動採血とが重要な役割を占めている。グルコース測定装置に固有の、たとえば蓄電池または電池のような電気的長時間蓄電体からの電気エネルギーを機械エネルギーに変換するために、先行技術にしたがって一般に電動機または電磁石が使用される。これらの駆動装置を利用して直接穿刺運動が実施されるかまたは、たとえばバネの形態で2次機械エネルギー蓄積体が充電され、それに続き穿刺運動の発生のために高動的に放電される(ドイツ連邦共和国特許第10 2004 037 270.5号参照)。特に2次機械エネルギー蓄積体として使用できるバネ要素の充電はバネ力もしくは捩りバネの初張力に必要なバネモーメントを取り込むことができる駆動装置を必要とする。この高い力とモーメントを取り込むために、たとえば電動機として使用される直流電動機は高変速比の変速機を装備している。
【0003】
従来グルコース測定システムに使用されている電動機は2次機械エネルギー蓄積体の初張力用のモーメントの増大のために通常変速機を装備していなければならない。これらの変速機は、もちろん特に変速比が大きい場合は効率が悪くなる。特に使用する変速機は回転騒音を引き起こし、グルコース測定装置の場合は簡単なハンドリングの理由から非常に限られた範囲でのみ提供される大きい取付空間を占める。さらに高変速比の変速機は大抵金属製歯車ならびに精密な支承体を具備しており、それらの製造は非常に高価になる。従って、2次機械エネルギー蓄積体の初張力に使用される高変速比の変速機は一方で組み込まれるグルコース測定システムの寸法が著しく大きくなり、かつその製造コストが著しく増大することになりまったく望ましいものではない。
【0004】
米国特許第4,383,195号は圧電作動式速動施錠器に関する。圧電アクチュエータは圧電素子を含む。速動装置を用いて圧電素子によって発生される拡大方向と逆方向を向いた力を発生できる速動装置が開示されており、速動装置の締結を解除するために一定の反応力を克服する必要がある。圧電素子は、反応力を超える速動接続に抗する力を提供する圧電手段と、この圧電手段への電場の印加手段とを含み、その結果、反対方向に作用する力を発生させることができ、エネルギーを速動装置に蓄積することができ、その結果、装置の締結が可能になる。
【0005】
米国特許第6,313,566号明細書は圧電作動式モータに関する。この開示された圧電電動機は電動機本体と、この電動機本体に接続される層とを含む。この層と多数の小脚体は、該小脚体が基板に並べられるように接続されている。これらの小脚体の各々は圧電ウェーハを含む。圧電作動式ウェーハの作動は基板と相対的に対応する小脚体を移動する。この移動が層へエネルギーを伝達させる。この層の中に前記方法で蓄積されたエネルギーは、電動機が基板に沿って移動される方法で利用することができる。小脚体は互いに独立して移動することができ、同様に連続的に移動しまたは所定のグループまたはユニット内部で移動することができる。小脚体は同様に対ごとに配設することができ、小脚体対の個々の小脚体は同時運動を実行する。電動機はエネルギー供給が無い場合の高い保持力の維持を可能にする。
【発明の開示】
【0006】
先行技術から知られている解決策の上記欠点に鑑みて、本発明の基礎におく課題は、一方で小さい外径寸法と、他方でたとえば携帯式測定装置の内部に配置でき、かつそこで複数の機能を満たす高い調整力を発生するアクチュエータとを特徴とする駆動装置を提供することである。
【0007】
本発明により、体液採取用の穿刺装置を含むことができ、かつ機械エネルギー蓄積体の充電に用いられるアクチュエータを含む、たとえば測定装置またはインスリンポンプ用の駆動装置が提案される。このアクチュエータは、たとえば圧電アクチュエータとして構成することができ、その長さ変化は電源との接続時に伝達要素を用いて機械エネルギー蓄積体の初張力に対して逆転阻止型回転子へ伝達される。この伝達要素によって僅か数マイクロメートルになる圧電アクチュエータの行程を、逆転阻止型回転子へ伝達されるより大きい行程に変換することができる。その際に前記回転子に圧電アクチュエータの長さ変化の上昇時にその出発位置への逆転運動を阻止し、かつ先行する圧電アクチュエータのサイクルで戻った行程路を保存する戻り止めが組み込まれている。それによって、振動圧電アクチュエータの電圧供給において短行程の圧電アクチュエータ運動が逆転阻止型回転子に作用する大きい全行程に加算される。
【0008】
本発明により提案された駆動装置のアクチュエータはもう1つの有利に使用できる変形実施態様において圧力媒体を付勢可能の膜によって実現することもできる。好ましい方法において、この変形実施態様で中空の圧力付勢時に偏向運動を実施し、かつこの偏向によって変形を実施する膜材料が使用される。この膜材料によって閉鎖された中空の圧力付勢時に発生する膜材料の変形は一定の変速比にしたがって拡大される伝導要素の行程運動に伝達することができる。この変形実施態様において膜材料の変形時に達成可能の行程は膜材料の偏向時に膜材料、膜材料の材料厚さならびに膜材料によって閉鎖される中空の圧力付勢に依存する。この変形実施態様による膜材料によって閉鎖された中空は、たとえばガスのような圧力媒体またはH2Oや油のような液体で付勢することができる。
【0009】
携帯式測定装置用またはインスリンポンプ用のアクチュエータの別の変形実施態様としてアクチュエータをマイクロモータとして形成することもできる。マイクロモータは本質的に楕円形の輪郭を有する面取り形成されたカムを駆動する。マイクロモータの出力軸の回転時に耐回動性に出力軸に連結されたカムが回転に移され、たとえばレバー状に形成可能の伝導要素がカムのそれぞれの変形実施態様に応じて一回転につき一回または数回接触する。それによって、カムの回転運動によって生じるレバー端の偏向を伝導要素の伝導構成に応じて逆転阻止型回転子に伝達する伝導要素の振動運動を達成することができる。
【0010】
本発明の基礎におく思想の有利な発展的形成において、圧電アクチュエータを備える変形実施態様でこの圧電アクチュエータが振動電圧源と接続され、再び放電することができる。圧電アクチュエータの振動電圧供給を介して圧電結晶積層体を含む圧電アクチュエータの長さ変化時に高い力で生じる行程運動が、たとえば捩りバネまたは板バネとして形成された回転子の初張力に対して変速機なしに伝達されることを達成できる。
【0011】
特に逆転阻止型回転子と圧電アクチュエータとのあいだの伝導要素の好適な選択によって、伝導要素が圧電アクチュエータの長さ変化をたとえば1対25およびそれ以上の比で逆転阻止型回転子へ伝達することができる。それによって圧電アクチュエータの充電/放電サイクルあたり、電圧印加時にその長さ変化による圧電アクチュエータの圧電結晶積層体が実行する行程運動に比べより大きい行程を逆転阻止型回転子に伝達することができる。
【0012】
好ましい方法で逆転阻止型回転子に組み込まれた戻り止めによって、圧電アクチュエータの放電時に、先行する長さ変化により進んだ逆転阻止型回転子の行程を前記回転子に保存することができる。戻り止めは爪車として、または、たとえば一種の外歯のような外部変形体としてガイド部に案内された回転子に形成することができる。戻り止めは、好ましくは伝達要素の実施した経路よりも小さい該戻り止めの空回り(Totgang)がその長端部で保持されるように寸法決定されている。逆転阻止型回転子に組み込まれた戻り止めは、たとえば圧電アクチュエータを介して達成可能の行程よりも小さい空回りを有する。それによって、アクチュエータ行程が伸長形成された伝導要素の端部で実際に逆転阻止型回転子へ伝達され、該回転子に圧電アクチュエータの充電/放電サイクルで実際に引き続き設定されることが保証されている。逆転阻止型回転子で噛合機構と協働する、たとえばラチェットを含む戻り止めの空回りは、逆転阻止型回転子での噛合機構の歯ピッチの寸法に相当する。
【0013】
伝達要素の一変形実施態様において、該伝達要素は、体液採取用の医療機器の内部で旋回軸周りに回動可能である旋回レバーとして構成されている。旋回レバーは変速比の実現のために様々な長さでそれぞれ所望の変速比に応じて構成された第1および第2のレバーアーム端を含む。旋回レバーの形態で形成できる伝導要素は、爪車であれ、その逆転に対して形状嵌合式または摩擦係合式に形成され、ブロック状に形成されてガイド部に案内される回転子であれ、逆転阻止型回転子の運動と圧電アクチュエータの圧電結晶積層体の行程運動を結合する。
【0014】
本発明により提案された第1の変形実施態様にしたがって、レバー模擬体および回転子を備える振動駆動型圧電積層アクチュエータが使用される。このレバー変速機は、典型的に3μmおよび20μmのあいだにある圧電アクチュエータ行程の変速を、数10分の1mm、たとえば0.3および0.5mmのあいだのより大きい行程で実現する。このより大きい行程は逆転阻止型回転子に転送される。圧電アクチュエータの放電段階中の該アクチュエータの収縮中の回転子の逆転運動の抑制は、たとえばラチェットとして形成できる戻り止めによって行われる。圧電アクチュエータの充電/放電サイクルの繰り返しによって短行程のアクチュエータ運動が大きい全行程に加算される。この原理にしたがって機械エネルギーを逆転阻止型回転子によって付勢される機械エネルギー蓄積体に蓄積することができ、この機械エネルギー蓄積体は、たとえば線形または回転式に形成されたバネとして形成することができる。類似の方法により、圧電アクチュエータを利用して連続的に印加された回転子によって、たとえば試験ストリップまたは試験ストリップドラムまたはインスリンポンプの駆動装置のような医療機器の部分の運動を実現することができる。
【0015】
使用される、たとえば回動可能に軸支された様々なレバーアーム端を備えるレバーとして形成された伝導要素は、合成樹脂射出成形部品としてまたは金属打抜部品として構成することができる。爪車であれ、ブロック状に構成されたガイド部に案内される回転子であれ、逆転阻止型回転子ならびに軸受けは、同様に合成樹脂射出成形部品として製造することができる。それによって全駆動装置がコスト的に有利に製造され、僅かな組込容積のみを必要とし、著しく低騒音である。複数の歯車を含む変速機の廃止によって、特に非常に高い効率が生じることを達成でき、これが体液採取用の医療機器またはインスリンポンプにおけるエネルギー収支に対して非常に大きい意味をもつ。
【0016】
本発明により提案されるもう1つの変形実施態様において、医療機器たとえばインスリンポンプの内部に使用可能の圧電アクチュエータは所望の動作周波数の交流電圧で駆動される。医療機器は、インスリンポンプのほかに個々の試験ストリップまたはマガジンの中に収容される多数の試験ストリップを備える測定、または分析装置とすることができる。さらに、提案された駆動装置は穿刺補助具および試料評価用の評価ユニットを備える内蔵型システムに使用することができる。これらの装置で提案された駆動装置により穿刺過程の解除、試験ストリップの輸送、および送りまたは試験ストリップマガジンの輸送のようなシステム機能を達成することができる。また提案された駆動装置は純採血装置に使用することができる。使用する圧電アクチュエータの圧電結晶積層体が長くなるほど、より大きい動作行程を達成することができる。圧電結晶積層体の長さ変化(典型的に結晶積層体長さ1mmあたり長さ変化1.5μm)によって生じた行程は、結合される回動可能に軸支された伝導要素に伝達される。伝導要素の形成によって設定された変速比によって、たとえば爪車として形成された逆転阻止型回転子に作用するレバー先端部の行程が拡大される。圧電アクチュエータの拡大時に爪車が回転され、戻り止めがバネ負荷された回転運動によってこの回転方向を解放する。放電段階中の圧電アクチュエータの収縮時に、レバーとして形成された伝導要素がバネ力によってその出発位置へリセットされる。その際にラチェットおよび爪車を含む戻り止めが回転方向と反対に爪車の回転を阻止し、それによって2次機械エネルギー蓄積体に初張力を与えることができる。
【0017】
この変形実施態様にしたがって爪車と、この爪車に組み込まれたラチェットとを含むことができる戻り止めは、択一的に締付体フリーホイールとして、巻付バネフリーホイールとして、または摩擦調整爪車としても構成することができる。
【0018】
もう1つの変形実施態様において、医療機器たとえばインスリンポンプ用の駆動装置の線形作動配列を提供することができる。この変形実施態様による圧電積層アクチュエータはレバー状に形成された伝導要素およびバネと協働する。この変形実施態様にしたがって、逆転阻止型回転子は魚の骨状に形成された戻り止めを具備している。ブロック状に形成されたガイド部に案内される回転子の一方の側は、傾けて形成された個々のリブが回転子の外側でブロック状に形成された回転子の初張力運動に対して傾けられるように、ブロック状に形成された回転子を取り囲むガイド部と協働する。それによって、2次エネルギー蓄積体の初張力に対するブロック状に形成された回転子の前進運動が可能になるが、その後進運動は圧電アクチュエータの放電段階中にリニアガイド部に当接されるリブによって阻止される。
【0019】
本発明により提案された、たとえば体液採取用の医療機器用の駆動装置またはインスリンポンプのもう1つの変形実施態様において圧電アクチュエータにU字状に曲げて形成された引込形レバーを組み込むことができる。伝導要素として用いられる支持体に支持されるレバーは長いならびに短い脚部を含む。引込形レバーはハウジングの受面に支持されている。伝導要素から伝達される圧電アクチュエータ行程は半径方向の回転運動に伝達される。この変形実施態様にしたがって軸は2つの締付ローラフリーホイールを有し、この締付ローラフリーホイールの一方の外側リングの一方が前記軸に固定連結されている。他方のフリーホイールの外側リングは、たとえば体液採取用の医療機器またはインスリンポンプの装置ハウジングに固定して連結されている。体液採取開口部を製造する穿刺補助具用の装置側に形成されたバネは軸端部と連結し、その回転運動によって初張力を与えることができる。たとえば穿刺補助具の解除後、その際に弛緩したバネは新たに一方向へ単一方向性に回転させることができる(360°駆動装置)。
【0020】
本発明により提案された解決策のもう1つの変形実施態様において、駆動装置は軸線方向作動式駆動装置として構成されている。
【0021】
この変形実施態様にしたがって、圧電結晶積層体は固体関節を備えるレバートングを介して駆動ベルを作動する。この駆動ベルは出力軸上に回動可能に軸支されている。圧電アクチュエータの充電段階中に発生される駆動ベルの回転運動は、駆動ベルの内部に設けられたフリーホイール星状体へ伝達される。このフリーホイール星状体は該星状体側で耐回動性に出力軸と連結されている。放電段階中の圧電アクチュエータの収縮時に捩りバネは駆動ベルをその出発位置へ回し戻す。つまり、このリセット運動時に駆動ベルによって取り囲まれたフリーホイール星状体と共に出力軸がフリーホイールベルの内部で同時に戻り回転できない。圧電アクチュエータの連続する充電および放電サイクルによって、一方向に経過する単一方向性の回転運動が出力軸に生じ、この運動は機械エネルギー蓄積体内のエネルギーの蓄積に利用することができる。この軸線方向に作動する変形実施態様による戻り止めは、フリーホイール星状体、駆動ベルならびにフリーホイールベルを含む。択一的に、この変形実施態様において締付体フリーホイール、巻付バネフリーホイールまたは摩擦調整爪車を使用することもできる。
【0022】
本発明を、図面を利用して以下より詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
変形実施態様
図1は圧電アクチュエータによる戻り止めを具備した駆動装置の第1変形実施態様である。
【0024】
医療機器とは、以下、たとえば血液のような体液の採取のために皮膚を自動ランセット切開を利用して穿刺し、このように作られた採取部位から採血し、試験ストリップに供給するような装置である。以下に詳述する医療機器は、マガジンまたはドラムの中に収容される1つまたは多数の試験ストリップを含む。この種の医療機器の運転時に該医療機器は、電池であれ蓄電池であれ電圧源を具備しており、駆動装置として用いられるアクチュエータに該電圧源を介して電圧を供給することができる。電圧源は電気的長時間蓄積体であり、その電気エネルギーが機械エネルギーに変換される。機械エネルギーは穿刺運動の解除および/または2次機械エネルギー蓄積体の初張力に利用され、それを利用して高動的に進行する穿刺運動を生ぜしめることができる。さらに、本発明により提案された駆動装置はインスリンポンプ用の駆動装置として使用することができ、または1つの試験ストリップまたは多数の試験ストリップを収容する、たとえばドラムマガジンのマガジンの輸送に使用することができる。
【0025】
図1は、積層状に重ねて配置された多数の圧電結晶体を含む圧電アクチュエータ10を示す。圧電アクチュエータ10の充電段階中に、3μmおよび20μmのあいだのオーダーで加算して圧電結晶積層体の長さ変化をもたらす各個別の圧電結晶体の長さ変化が生じる。圧電アクチュエータ10の長さ変化は図1において両矢印12で表されている。圧電アクチュエータ10の充電段階中の電圧の印加時に、その長さ変化を生じ、圧電アクチュエータ10の放電段階中に圧電アクチュエータ10の圧電結晶積層体はその最初の長さに収縮する。
【0026】
図1に示した圧電アクチュエータ10に、レバー状に形成された伝導要素18の第1端部20を付勢するアクチュエータヘッド16が組み込まれている。アクチュエータヘッド16は、たとえば伝導要素18の第1レバーアーム30を作動し、他方伝導要素18の第1レバーアーム30の上方にバネとして形成されたリセット要素14が設けられている。レバー状に形成された伝導要素18は前記の第1端部20と第2端部22とを含む。伝導要素18は回転軸24周りに回動可能に軸支されている。圧電アクチュエータ10への電圧の印加時に伝導要素18は回転方向26へ運動を実施する。伝導要素18の回転軸24は軸受28の中でハウジングに固定して収容されている。レバー状に形成された伝導要素18は、さらに第2レバーアーム32を含み、その第2端部22は爪車36として形成された逆転阻止型回転子に組み込まれている。爪車36は、たとえば図1に示したように、ジグザグ状に形成された噛合機構50を含む。伝導要素18の第2端部22は噛合機構50の中間空間の中に係合する。
【0027】
爪車36として形成された逆転阻止型回転子の上方に戻り止め34がある。戻り止め34は爪車42として形成されており、回転軸受46周りに可動する。ラチェット42は該ラチェット側でリセット要素44によって付勢されている。ラチェット42の下側に、噛合機構50の自由空間の中へ爪車36として構成された逆転阻止型回転子の円周に突出する鉤状体52がある。
【0028】
圧電アクチュエータ10の充電段階中に該アクチュエータが長さ変化12を実行する。それによって、アクチュエータヘッド16はリセット要素14の作用に抗して上方へ伝導要素18の第1レバーアーム30を設定する。それによって、伝導要素18は回転軸24周りに回転方向26へ旋回される。第2レバーアーム32に形成された伝導要素18の第2端部22は爪車36として形成された逆転阻止型回転子の円周に構成された噛合機構50の中間空間に係合し、爪車36を回転方向38へ回転する。それによって、2次機械エネルギー蓄積体40(捩りバネとして示した)が初張力を付与される。爪車36として形成された逆転阻止型回転子の回転方向38への回転時に、ラチェット42の下側に形成された鉤状体52が急峻なエッジと漸次立上るエッジとを有する噛合機構50の形状に基づき自由空間から自由空間へ爪車36として形成された内蔵型測定装置の逆転阻止型回転子で移動する。爪車36の回転運動に基づき2次機械エネルギー蓄積体40が初張力を付与される。
【0029】
爪車36として形成された逆転阻止型回転子の外歯50と協働するラチェット42を含む戻り止め34は噛合機構50の歯ピッチと鉤状の突部52とを基準とするゲート路を有し、このゲート路は、たとえば2次機械エネルギー蓄積体40が初張力を付与される爪車36の外歯50の歯ピッチよりも小さく指定されている。それによって、圧電アクチュエータ10の電圧印加時にその行程路が実際に継続的運動へ、すなわちこの場合は爪車36として形成された逆転阻止型回転子の回転運動へ移行することが保証されている。爪車36に噛合機構を設ける場合、戻り止め34の空回りは爪車として形成された逆転阻止型回転子36の円周の噛合機構の歯ピッチよりも小さい。
【0030】
圧電アクチュエータ10の充電段階が終了するとき、圧電アクチュエータ10の放電段階中に発生した圧電結晶積層体の長さ変化12が減少し、圧電アクチュエータ10は再びその最初の長さを占める。第1レバーアーム30に組み込まれたリセット要素14によって、伝導要素18が回転軸24周りにリセットされる。圧電アクチュエータ10の放電段階中に爪車36として形成された逆転阻止型回転子が同様に逆転運動を実行することを阻止するために、鉤状体52がバネ付勢されたラチェット42の下側で爪車36として形成された回転子の回転方向38と反対の逆転をブロックする。戻り止め34すなわち爪車36として構成された外歯50およびラチェット42を備える逆転阻止型回転子からなる配列は、圧電アクチュエータ10の充電段階中に実行されたレバー経路よりも小さい空回りを有する。変速比に対する第1レバーアーム30と第2レバーアーム32の設計に基づき、圧電アクチュエータ10の充電/放電サイクルあたりその行程を3μm〜20μmの長さ変化12で第2レバーアーム32の第2端部22で数10分の1mmたとえば0.2mmおよび0.5mmのあいだの行程路で増大させることができる。圧電アクチュエータ10の充電段階中に圧電アクチュエータ10の先行する充電段階で得られた、2次機械エネルギー蓄積体40の機械エネルギー内容が爪車36として形成された逆転阻止型回転子の逆転の阻止によって2次エネルギー蓄積体40の中に蓄積された状態にとどまるので、それに続く圧電アクチュエータ10の充電/放電サイクルで爪車36として形成された逆転阻止型回転子の回転方向38へのさらなる回転を達成することができ、その結果、圧電アクチュエータ10で長さ変化12の振動繰り返し時に大きい全行程もしくは大きい全回転を回転子で達成することができ、たとえばバネとして形成可能の2次機械エネルギー蓄積体40の連続的初張力が達成される。
【0031】
2次機械エネルギー蓄積体40が初張力を付与されたとき、動的に空にすることができ、たとえば採血装置内のランセットの穿刺運動の実行にそれを利用することができる。該ランセットは、たとえば人間の皮膚を穿刺し、その結果、たとえば血液のような体液に対する流出開口部が得られる。捩りバネ、渦巻バネまたは線形バネとして作ることができる2次機械エネルギー蓄積体40の高動的排出のほかに、2次機械エネルギー蓄積体40の中に蓄積されたエネルギー内容を介して1つの試験ストリップ、複数の試験ストリップを収容するドラムまたは好ましくは携帯式に形成された内蔵型医療機器内の別様に形成された試験ストリップマガジンの運動を実現することができる。さらに、インスリンポンプはこの種の駆動装置を具備することができる。
【0032】
図1に示した変形実施態様において好ましくはレバー状に形成される伝導要素18は、製造コストを低減する方法で、たとえば合成樹脂射出成形部品としてまたは金属打抜部品として構成することができる。外歯50を備える爪車36として形成された逆転阻止型回転子を備える戻り止め34も合成樹脂射出成形部品として製造することができる。それによって機械的な2次エネルギー蓄積体40の中に保持される機械エネルギーへの長時間蓄積体の電気エネルギーを変換する駆動装置は、コスト的に有利に、特に少ない取り付け空間にて医療機器のハウジング内に収容することができる。提案した駆動装置は特に優れた騒音の低さを特徴とし、ホイール変速機の廃止により非常に高い効率を達成できる。これは、さらに医療機器たとえばインスリンポンプの中に収容される、たとえば蓄電池または電池のような長時間エネルギー蓄積体の寿命を延ばす。
【0033】
図2a、2bおよび2cから、本発明により提案された解決策の枠組みの中で使用できる戻り止め用の種々の変形実施態様が読み取れる。
【0034】
図1記載の変形実施態様に示された戻り止め34の代わりに、戻り止め34は締付ローラフリーホイール80としても形成できる。図2aに示した締付ローラフリーホイール80は複数の締付ローラ82を含む。締付ローラ82はバネ84を介して付勢され、軸92の凹所86の中に収容されている。凹所86の各々は面取り部88を含み、締付ローラ82をそれぞれ付勢するバネ84が面取り部88を基準にほぼ垂直に向けた凹所86の一方の側に支持される。凹所86は管状平面90によって取り囲まれる。時計回りの管状平面90の運動時にバネ付勢された締付ローラ82が管状平面90の内側と面取り部88とのあいだに置かれ、その結果、凹所86が設けられた軸92が時計回りに同時に移動される。それに対して管状に形成された平面90が反時計回りに運動するとき、凹所86が形成された軸92と相対的に管状平面90が自由に回転し、連動効果を抑制する。それによって締付ローラ82は、締付体フリーホイール80の回転時にのみ反時計回りに、凹所86が形成された管状平面90と軸92とのあいだに締め付けられ、それによって連動効果を生ぜしめる。
【0035】
符号100により内部星状体を有する締付ローラフリーホイールが表されている。内部星状体102に、凹所108の中にローラ状またはボール状に形成された締付体106が設けられている。締付体106が各凹所108の底部で斜めに形成された部分に乗り上げると、直ちに締付体106が管状体104の内側に並べられ、該管状体を反時計回りに図2aの中心に記載した矢印にしたがって連動する。図2aの中心に示した内部星状体102を備える締付ローラフリーホイール100を介して(それぞれ管状体104または軸110が駆動されているかどうかに応じて)惰走もしくは締結を達成することができる。
【0036】
図2aから、さらに円周方向に見て互いに離間して複数の駆動体116が収容されたバンドスプレッドバネ114を含むもう1つの締付体フリーホイール80が読み取れる。それぞれ軸110の回転方向に応じてバンドスプレッドバネ114によって固定された駆動体116が管状平面90の下側に並べられ、軸92、110と管状平面90とのあいだの締結を生ぜしめる。円周方向に見て互いに離間した個々の駆動体116は二重ケージ112の中に入れられる。図2a右側に形成された締付体フリーホイール80によっても軸92、110と管状平面90とのあいだに惰走もしくは締結を実現でき、この締結もしくは惰走は、管状平面90または軸92、110が駆動されたかどうかに依存する。これは出力側および駆動側に関する締付体フリーホイール80の設計に対して自由度を開く。
【0037】
図2bから、本発明により提案された内蔵型測定装置の中に使用できる巻付バネフリーホイールが読み取れる。
【0038】
図2bに示された巻付バネフリーホイール120は歯車のスリーブ状の突起体の周りに巻き付けられるバネ126を含む。歯車の駆動側は符号122で識別され、出力側は符号124で識別されている。駆動側の歯車122のスリーブ状の突起体に配設されたバネ126は、スリーブ状の突起体を駆動側の歯車122で取り囲む複数の巻線を有する。歯車122が出力側でそれぞれどの方向に駆動されるかに応じて、バネ126はより高いまたはより低い度合でスリーブ状のジャーナル周りに巻き付けられ、それによって出力側122に配設された歯車が収容された軸を駆動し、または該軸を自由に回転させる。
【0039】
図2cから摩擦調整爪車の変形実施態様が読み取れる。
【0040】
図1に示した戻り止め34の変形実施態様は、図2cに示された摩擦調整爪車によっても実現できる。図2cに示した摩擦調整爪車130の場合は、それぞれ櫛状に形成された締付リング132もしくはカムを備える締付体リング144が示されている。櫛状の締付リング132は、出力側142を表すローラ136の内側に当接する複数の傾けて配置されたリブを有する。出力側140を表す軸134上に互いに耐回動性に収容される櫛状の締付リング132がそれぞれどの方向に回転するかに応じて、その櫛状に離間するリブがローラ136の内側に当接する。軸134が時計回りに駆動されるとき、ローラ136が連動される。軸134の回転が反時計回りに実行されるとき、櫛状に形成されたリブは櫛状の締付リング132の円周面でローラ136の内周面を通過して摺動する。
【0041】
図2cから、さらに締付体リング144を含む摩擦調整爪車130が読み取れる。締付体リング144はローラ136の内周面に当接する個々の突出する突部138を含む。ローラ136は摩擦調整爪車130の出力側を表す。摩擦調整爪車130の駆動は出力側140から軸134を介して実行される。時計回りの軸134の駆動時に突出する突部138と締付体リング144のカムとのあいだのオフセットによってローラ136の内周面から突出する突部138が省かれる。軸134が出力側140で反時計回りに駆動されるとき、締付体リング144の外周面に設けられた突出する138がローラ136の内側に並べられ、該ローラを反時計回りに連動する。
【0042】
図3から、医療機器たとえばインスリンポンプ用の本発明により提案された駆動装置のもう1つの変形実施態様が読み取れる。
【0043】
図1と同様に、充電段階中に長さ変化12を実行する圧電アクチュエータ10が設けられている。圧電アクチュエータ10の電圧印加時に該アクチュエータのアクチュエータヘッド16が伝導要素18の下側に突き当たり、レバー状に形成された伝導要素18が回転方向26へその回転軸24周りに偏向する。その際にリセット要素14が圧縮される。図3記載の変形実施態様に示されたレバー状に形成された伝導要素18も第1レバーアーム30および第2レバーアーム32を含み、それらの長さ指定によって伝導要素18の変速比を調整できる。伝導要素18の第1端部20が回転軸24周りの伝導要素18の旋回運動時に上方へ移動され、一方、第2レバーアーム32の第2端部22は回転軸24を基準に下方へ移動する。第2レバーアーム32の第2端部22の先端に向かう端部は、ブロック状に形成された逆転阻止型回転子154の第1回転子側158の噛合機構に係合する。ブロック状に形成された逆転阻止型回転子154は線形に運動可能であり、ガイド部156の中に収容されている。戻り止め152は線形に移動可能のブロック状に形成された回転子154の第2回転子側160の形成によって付与されている。回転軸24周りの伝導要素18の偏向時にブロック状に形成された逆転阻止型回転子154に現れる下方運動時に、ブロック状に形成された回転子154が垂直方向へ矢印にしたがって下方へ移動し、図3においてコイルばねとして形成された2次エネルギー蓄積体40を圧縮する。傾けたリブを備える櫛状に形成されたリブ構造を有する第2回転子側160の構成によって、ブロック状に形成された逆転阻止型回転子154の下方運動が垂直方向へ阻止されない。ブロック状に形成された逆転阻止型回転子154がガイド部156で下方へ偏向されたとき、櫛状に形成されたリブ構造が第2回転子側160でブロック状の逆転阻止型回転子154の逆転運動をそのガイド部156で阻止する。これはガイド部156の平滑な内側への第2回転子側160でリブの各端部を並べることによって生ぜしめられる。それによってブロック状に形成された逆転阻止型回転子154は、圧電アクチュエータ10の放電段階中にその位置にとどまり、圧電アクチュエータ10の次の充電段階までレバー状に形成された伝導要素18の第2端部22が新たに下方へ移動され、第1回転子側158で噛合機構に係合することによってブロック状に形成された回転子154をそのガイド部156でさらに下方へ移動する。
【0044】
それによって圧電アクチュエータ10の振動行程運動がブロック状に形成された逆転阻止型回転子154の連続的に加算される行程運動へ伝導される。第1レバーアーム30もしくは第2レバーアーム32のどのレバー長さをそれぞれ伝導要素18の回転軸24を基準に有しているかに応じて、ブロック状に形成された回転子154の行程経路に、圧電アクチュエータ10の、より大きい長さ変化12を伝達することができる。圧電アクチュエータ10は所望の動作周波数の交流電圧で駆動される。使用する圧電アクチュエータ10が長く形成されているほど、すなわち圧電結晶体がより多く重ねて積層されているほど、圧電アクチュエータ10の電圧印加時により高い長さ変化12を達成することができる。通常、圧電結晶積層体の長さ変化は、圧電結晶積層体の長さ1mmあたり1.5μmになる。
【0045】
ブロック状に形成された逆転阻止型回転子154によって付勢された2次エネルギー蓄積体40は、捩りバネとして、渦巻バネとしてまたは線形バネとして形成することができる。2次エネルギー蓄積体40はブロック状に形成された逆転阻止型回転子154と結合することができ、該回転子から外された独立の部品とすることもできる。医療機器内部で機械エネルギーへの電気エネルギーの変換用の本発明により提案された駆動装置の図3に示した変形実施態様により、ランセット切開運動を高動的に解除する2次機械エネルギー蓄積体40、医療機器内部の試験ストリップ輸送、または医療機器内部でドラム状またはマガジン状に形成された試験ストリップ容器の継続的運動を実現できる。そのほかに、提案された駆動装置によってインスリンポンプを駆動することができ、その際に長い運転期間にわたり著しく少ない行程運動が必要である。
【0046】
図4から、穿刺駆動装置用の2次機械エネルギー蓄積体を緊定する本発明により提案された駆動装置が読み取れる。
【0047】
図4から、圧電アクチュエータ10が医療機器の中へ組み込まれ、受面にハウジング側で支持されていることが分かる。圧電アクチュエータ10の圧電結晶積層体の長さ変化12はアクチュエータヘッド16へ伝達される。アクチュエータヘッド16は伝導要素18の第1端部20の鍋状の凹所の中に静置されている。図4に示した変形実施態様にしたがって、伝導要素18が角度をつけて形成されており、第1レバーアーム30の第1端部20ならびに第2レバーアーム32の第2端部22を含む。伝導要素18はハウジングに固定して設けた受面176で旋回軸受174の中に静止している。圧電アクチュエータ10の長さ変化12時に下方への第1レバーアーム30の偏向が行われ、これが記載した両矢印178にしたがって第2レバーアーム32の側方旋回運動を生じる。第2レバーアーム32の第2端部22に配置された台180は穿刺駆動装置170のカム182に作用する。圧電アクチュエータ10の長さ変化12時に伝導要素18によって伝導された行程は、台180を介して第2レバーアーム32の第2端部22でカム182へ転送される。カム182は固定して第1締付ローラフリーホイール188の外部リングと連結されている。第2締付ローラフリーホイール190の外部リングは定置して医療機器の装置ハウジング194と連結されている。穿刺駆動装置170用の装置側に設けた2次機械エネルギー蓄積体40は、回動可能の軸184の一端部と結合されており、カム182の偏向時に初張力を付与される。回動可能に収容された軸184は、図4で部分的にのみ記載されている装置ハウジング194内のシャフト軸受186の中に軸支されている。第1締付ローラフリーホイール188がその外部リングで定置してカム182と連結されている一方、第2締付ローラフリーホイール190の外部リングは固定して装置ハウジング194と接続されている。
【0048】
図4において、符号181でボールヘッド付圧力部材が表されている。ボールヘッド付圧力部材181は、レバー状に形成された伝導要素18の第2端部22に収容された台180に対向して配置されている。ボールヘッド付圧力部材181の内部に、圧力部材181のボールヘッドをバネ力で付勢するバネ183がある。符号185で締付ローラフリーホイール188および190の中に収容された軸184の対称線が表されている。カム182が圧電アクチュエータ10の充電段階中にレバー状に形成された伝導要素18を介して偏向されるとき、バネ183によって付勢された圧力部材181のボールヘッドがバネ要素183の作用に抗して初張力を付与される。カム182のその出発位置へのリセットは、ボールヘッド付圧力部材181の中にあるバネ183によって実施され、このバネはカム182を圧電アクチュエータ10の放電段階中に再びその出発位置へリセットする。この方法により、伝導要素18の行程運動が回動可能の軸184の端部に収容された2次機械エネルギー蓄積体40へ伝達される。
【0049】
図5から、著しく少ない組込容積と軸線組立方式とを特徴とする本発明により提案された駆動装置の一変形実施態様が読み取れる。
【0050】
図5から、圧電アクチュエータ10が軸線組立方式200で医療機器に組み込まれていることを読み取ることができる。固体関節204すなわちその断面に対して弱い箇所を有するレバートング202が設けられている。レバートング202は第1トング脚部206と第2トング脚部208を含む。圧電アクチュエータ10は長さ変化12時にレバートング202の各々1つの第1の短い脚部222と第2の短い脚部224とを付勢する。圧電アクチュエータ10の充電段階中すなわちその長さ変化12時に駆動ベル210が作動される。
【0051】
駆動ベル210は出力軸218上に回動可能に軸支されている。駆動ベル210は前面側端部にそれぞれトング脚部206、208の前面に形成された突部230、232によって付勢されたカム226、228を含む。突部230、232の連続的移動によって駆動ベル210が符号38を付けた矢印にしたがって回転に移行される。この方法により発生した駆動ベル210の回転運動は、内部星状体として形成されたフリーホイール220に伝達される。内部星状体として形成されたフリーホイール220は耐回動性に出力軸218に収容されている。駆動ベル210は捩りバネ212によって取り囲まれている。内部星状体として形成されたフリーホイール220に構成されたリブは、駆動ベル210の内周面216に当接する。駆動ベル210から分離された独立の部品としてフリーホイールベル214が駆動ベル210と同軸に設けられている。フリーホイールベル214は第1トング脚部206と第2トング脚部208とのあいだの凹所236の中にある、ほぞ状に形成された捩れ保護部234を含む。
【0052】
圧電アクチュエータ10の収縮時に駆動ベル210が捩りバネ212によって再びその出発位置へリセットされる。出力軸218の戻り回転はフリーホイールベル214と回転方向38と反対の出力軸218の戻り回転を阻止するフリーホイール220とによって保証される。圧電アクチュエータ10の放電段階中、その先行する電圧印加時に駆動ベル210の回転によって生じた出力軸218の回転運動は、回転方向38と反対の出力軸218の戻り回転がフリーホイールベル214の内周面に当接するフリーホイールシステム220のリブによって出力軸218の戻り回転を阻止するので、回転方向38に得られた状態にとどまる。それに対して、回転運動の導入時に回転方向38へ駆動ベル210はフリーホイールベル214と相対的にフリーホイール220の回転を実行することができる。
【0053】
図6から医療機器またはインスリンポンプ等々用の本発明に係る駆動装置のもう1つの変形実施態様が読み取れる。
【0054】
図6に、膜を備えるアクチュエータ300が示されている。アクチュエータ300は圧力媒体で付勢可能の中間空間302を閉鎖する膜によって形成される。膜材料の膜厚は符号304で表している。壁308によって制限された中間空間302は、たとえば空気のような気体状の媒体によって、またはたとえば水や油のような液体によって付勢される。中間空間302の圧力付勢に応じて膜の偏向306が生じる(図6に点線で示した膜の偏向位置によって表されている)。圧力媒体310によって付勢可能の中間空間は膜材料によって密閉されている。膜を備えるアクチュエータ300は方向312へこの変形実施態様で使用可能のレバー状の伝導要素18に作用する。レバー状に形成された伝導要素18は回転軸420周りに回転方向26へ作動可能である。伝導要素18は第1レバーアーム30の端部に第1端部20と、第2レバーアーム32の端部に第2端部22とを含む。第1レバーアーム30はバネ状に形成されたリセット要素14によって付勢されている。膜を備えるアクチュエータ300の偏向306時に膜材料はレバー状に形成された伝導要素18の第1レバーアーム30の下側に接触し、伝導要素18を回転軸24周りに回転方向26へ偏向する。
【0055】
逆転阻止型回転子36の円周の噛合機構50(ここでは爪車として表す)に係合する伝導要素18の第2端部22は、その軸周りに図6に示す逆転阻止型回転子36を移動し、それによって逆転阻止型回転子と耐回動性に連結された2次機械エネルギー蓄積体40に初張力を付与する。逆転阻止型回転子36の戻り回転は、戻り止め34によって回避される。図6記載の変形実施態様において、戻り止め34は回転軸受46周りに旋回可能に配置されたラチェット42として形成されている。ラチェット42の端部は初張力要素44によって付勢され、他方、ラチェット42の他端に噛合機構50の中間空間へ逆転阻止型回転子36(ここで爪車として形成)の外周に係合する鉤状体52が形成されている。
【0056】
本発明により提案した駆動装置のこの変形実施態様においても、戻り止め34すなわちラチェット42および外歯50の空回りは、第2端部22でレバー状に形成された伝導要素18の行程よりも小さく、該戻り止めで前記要素が逆転阻止型回転子36の噛合機構50に係合する。それによって、膜を備えるアクチュエータ300の行程で実際に逆転阻止型回転子36の回転運動が少なくとも1つの歯ピッチだけ達成されることが保証されている。図6において、膜を備えるアクチュエータ300は低く取り付けられる変形実施態様で示されている。膜を備えるアクチュエータ300によって達成可能の、レバー状に形成された伝導要素18を回転させる偏向306は、選択された膜材料と、中間空間302の内部で圧力媒体310がさらされる圧力とに依存する。膜材料の偏向306のそれぞれの度合に応じて第1レバーアーム30のより小さいまたはより大きい偏向を伝導要素18の回転軸24周りに、かつそれによって伝導要素18の第2レバーアーム32の第2端部22でより小さいまたはより大きい行程を達成することができる。
【0057】
図7から、マイクロモータが使用される本発明により提案された駆動装置のもう1つの変形実施態様が読み取れる。
【0058】
図7は、マイクロモータを備えるアクチュエータ400がレバー状に形成された伝導要素18の端部に配置されていることが読み取れる。マイクロモータを備えるアクチュエータ400は、回転方向404へ駆動される出力軸402を含む。出力軸402の端部に図7において楕円形に形成された輪郭416を有するカム408がある。図7に示されたカム408は、一回転あたり1回だけレバー状に形成された伝導要素18の第1レバーアーム30の下側で接触面406に接触する。そのためにカム408が接触点414を有する。実線で表したカム408の位置は、接触点414、第1レバーアーム端30の接触面406に接触し、レバー状に形成された伝導要素18はリセット要素14の作用と反対の回転方向26へ回転軸24周りに偏向する。
【0059】
図7に示した、マイクロモータを備えるアクチュエータ400の出力軸402と共に設けたカム408の代わりに、一回転あたり第1レバーアーム30の接触面406と少なくとも2回またはより頻繁に接触するカムを使用することもできる。
【0060】
マイクロモータを備えるアクチュエータ400の回転に応じて、レバー状に形成された伝導要素18の第1レバーアーム30の振動偏向と、それに応じてレバー状に形成された伝導要素18の第2レバーアーム32の第2端部22の偏向とを生じる。それによって図7記載の変形実施態様において爪車として形成された逆転阻止型回転子にこれが2次機械エネルギー蓄積体40へ伝達する回転運動が強制される。レバー状に形成された伝導要素18のリセット時(すなわちカム408の接触点414がカム408の回転中の接触面406にまさに接触しない場合)逆転阻止型回転子36の戻り回転は戻り止め34によって抑制される。
【0061】
図7に示した変形実施態様において、戻り止め34は図6記載の変形実施態様の戻り止めと類似に作られている。その際に戻り止め34の空回りは、レバー状に形成された伝導要素18の第2レバーアーム32で第2端部22の行程よりも小さくなるように指定されている。それによって、伝導要素18の回転軸24周りの第1レバーアーム30の偏向時に噛合機構50を具備した、爪車として形成された逆転阻止型回転子36の回転を達成できることが保証されている。
【0062】
従って、伝導要素18の第2端部22での第1レバーアーム30の第1端部20で伝導要素18の偏向時にあらかじめ達成された行程運動は、反時計回りに逆転阻止型回転子36の回転運動を生じ、逆転阻止型回転子36の戻り回転運動が戻り止め34によって阻止される。この方法により、2次機械エネルギー蓄積体40で伝導要素18の動作行程に応じて、たとえばインスリンポンプのような医療機器内の機能の解除に利用できるエネルギー内容を蓄積することができる。
【0063】
図8は医療機器用の組合せ駆動装置の図である。
【0064】
図8に示した組合せ駆動装置500は、図8において模式的にのみ表している2次機械エネルギー蓄積体502を含む。歯車504は回動可能に組合せ駆動装置500の中に軸支されており、両矢印512にしたがって両方の回転方向へ回転することができる。歯車504は機械エネルギーを蓄積する2次機械エネルギー蓄積体502と結合されており、また直接ドラムマガジン504のハウジング側とも結合されている。上記圧電アクチュエータ10の一変形実施態様による歯車504の駆動時に、歯車504の回転を生じ、それによって2次機械エネルギー蓄積体502が圧縮される。他方、歯車504は、対応して形成された、ドラムマガジン506の底部に係合し、その結果、ドラムマガジン506がその回転軸514周りに回転される。マガジンは、たとえば試験ストリップまたはランセットのマガジン化のために設けることができ、その結果、ドラムマガジン506の中の使い捨て製品は対応して医療機器内の採取ユニットに位置決めされるようにドラムマガジン506の回転が生じる。たとえば、ランセットを駆動する2次機械エネルギー蓄積体502の緊定中に同時にその回転軸514周りにドラムマガジン506の先送りが生じ、その結果、試験ストリップが専用に設けた採取ユニットを利用して、たとえば押棒を利用して試料塗布のためにドラムマガジン506から取出し可能であることも考えられる。回転軸514周りのドラムマガジン506の回転方向は矢印514で示されている。
【0065】
図9は部分図で採血システムとマガジン輸送部とを含む内蔵型システムを示す。
【0066】
図9から、内蔵型システム530が穿刺補助具532と、図示していないが図8から模式的に読み取ることができるドラムマガジン506を含むことが明らかである。図9に示していないドラムマガジンは軸534によって駆動される。軸534はそのドラムマガジンに向いた端部に図9に示さないドラムマガジン用の駆動体として機能する歯構造536を含む。穿刺補助具532は図9の図示にしたがって内蔵型システム530の下部領域に収容されている。軸534の先送りとそれに関連する図8記載のドラムマガジン506の回転運動は、上述と同様に本発明により提案された駆動装置によって達成することができる。そのため軸534は、たとえば図5の図示による出力軸218と結合することができる。軸線方向の構造形態でそこに示した圧電アクチュエータ200は、軸534のほかに穿刺補助具532に初張力を与える渦巻バネ538も作動することができる。2次機械エネルギー蓄積体はコイルばね40としても図9に模式的に暗示した渦巻バネ538としても形成することができる。図9から、さらに爪車36として形成可能の逆転阻止型回転子が読み取られ、それに図5記載の圧電アクチュエータ200が作用する。もちろん、図9から明らかな内蔵型システム530の中に図1、4ならびに6および7記載の本発明により提案された駆動装置の変形実施態様を使用することも可能である。
【0067】
図10および11の図示から、蓄積されかつ押出された医療用消費材を備えるドラムマガジンが読み取れる。
【0068】
図10から、その回転軸514周りに回動可能であるドラムマガジン506を読み取ることができる。図10の図示によるドラムマガジン506は、複数のその貯蔵位置552に示した医療用消費材を含む。これは、たとえば試料塗布面504を有する試験ストリップとして形成することができる。消費材550は押棒560を利用してその図10に示した貯蔵位置552から図11に示した取出位置554へ移動される。図10および11の図示によるドラムマガジン506から、それぞれ供給ローラ556およびカウンタローラ558が読み取られ、それらのあいだに符号562で表した輸送ギャップが生じる。押棒560が作動すると直ちに各医療用消費材550がドラムマガジン506の中のその貯蔵位置552からギャップ562へ押し入れられる。
【0069】
図11は、ここで試験ストリップ形態で表された医療消費材550が供給ローラ556とカウンタローラ558とのあいだの輸送ギャップ562の中に移動することを読み取ることができる。駆動された供給ローラ556はここでストリップ状に表した医療用消費材550に係合し、これを図11に示したように、その取出位置554へ供給する。図10および11に示したドラムマガジン506は図9の図示にしたがって内蔵型システムの中に組み込むことができる。
【0070】
図12は分析装置の中に収容されるドラムマガジンを示す。
【0071】
図12から、分析装置580が位置決め装置582を含み、それを用いて個別的にドラムマガジン506の中に収容される医療用消費材592(この場合は試験ストリップの形態)が利用者による使用前に位置決めされることを読み取ることができる。ドラムマガジン506は駆動装置584によって駆動される。駆動装置584は該装置側で図1、図3、図4の上記変形実施態様ならびに図5〜7記載の駆動装置の1つの出力軸218を介して駆動することができる。分析装置580内の本発明により提案された駆動装置の収容により、その中に本発明により提案される駆動装置を収容するスペースを提供する取付け空間586が設けられている。分析装置580は補強のためにフレーム594を有する。遺漏の無いようにするため、試験ストリップ592が位置決め装置582に供給可能であるその前面に各々1つの取出開口部590を含む多数の収容チャンバ588をドラムマガジン506が有することを述べておく。本発明により提案された駆動装置によって駆動されるドラムマガジン506がその回転軸514周りに移動される。
【0072】
図13からシリンジとして形成されたインスリンポンプが読み取れる。
【0073】
図13に示したインスリンポンプ610はハウジング630を含む。ハウジング630の中に外歯26を有する駆動スリーブ618が入れられている。外歯620により、たとえば図5に示された圧電アクチュエータ200の出力軸218に軸線組込形態で収容できる駆動輪612が噛合う。インスリンポンプ610のような医療機器と本発明により提案された駆動装置の組合せによって、アンプル624の中に収容される作用物質(本実施例ではインスリン)を少量でしかし連続的に人体の中に入れられるカテーテルと接続されるチューブ632の中に供給するプランジャ626の特にゆるやかな送りが達成される。図13に示されるインスリンポンプ610はネジ付棒を含み、そのネジは雄ネジを有するディスク628の内歯と噛み合う。雄ネジによってディスク628が耐回動性にハウジング630の中に軸支されている。ネジ棒616がディスク628によって連続的に回転されるとき、プランジャ626が最小の送りでアンプル624の中に入れられる。アンプル624はハウジング630の中で排出部材636と、前記排出部材の中に組み込まれたキャップ634とによって固定されている。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】戻り止めを具備した、圧電アクチュエータを備える駆動装置の第1変形実施態様である。
【図2a】締付体フリーホイールとしての戻り止めの一変形実施態様である。
【図2b】巻付バネフリーホイールとしての戻り止めの一変形実施態様である。
【図2c】摩擦調整爪車としての戻り止めの一変形実施態様である。
【図3】たとえば1対25の変速比を有する駆動装置の一変形実施態様である。
【図4】穿刺駆動装置の中に組み込まれた本発明により提案された穿刺駆動バネの緊定用の圧電アクチュエータである。
【図5】小さい組込容積を有する軸線方向の実施形態における本発明により提案された駆動装置の一変形実施態様である。
【図6】偏向可能の膜を備える本発明により提案された駆動装置の一変形実施態様である。
【図7】マイクロモータを備える携帯式測定装置またはインスリンポンプ用の本発明により提案された駆動装置のもう1つの変形実施態様である。
【図8】組合せ駆動装置の図である。
【図9】採血システムとマガジン輸送部とを含むシステムの部分図である。
【図10】蓄積されかつ押し出された医療消費材を備えるドラムマガジンである。
【図11】蓄積されかつ押し出された医療消費材を備えるドラムマガジンである。
【図12】分析装置の中に収容されるドラムマガジンである。
【図13】シリンジとして形成されたインスリンポンプである。
【符号の説明】
【0075】
10 圧電アクチュエータ
12 長さ変化
14 リセット要素
16 アクチュエータヘッド
18 伝導要素(レバー状)
20 第1端部
22 第2端部
24 回転軸
26 伝導要素の回転方向
28 伝導要素の軸受
30 第1レバーアーム
32 第2レバーアーム
34 戻り止め
36 爪車
38 爪車の回転方向
40 2次機械エネルギー蓄積体
42 ラチェット
44 ラチェット用リセット要素
46 ラチェットの回転軸受
48 ラチェットの回転方向
50 噛合機構
52 鉤状体
80 締付体フリーホイール
82 締付ローラ
84 バネ
86 凹所
88 面取り部
90 管状平面
92 軸
100 内部星状体を備える締付ローラフリーホイール
102 内部星状体
104 管状体
106 締付体
108 凹所
110 軸
112 二重ケージ
114 バンドスプレッドバネ
116 駆動体
120 巻付バネ結合
122 駆動側
124 出力側
126 バネ
130 摩擦調整爪車
132 櫛状締付リング
134 軸
136 ローラ
138 突出した突部
140 駆動側
142 出力側
144 締付体リング
150 線形駆動式圧電アクチュエータ
152 戻り止め
154 回転子
156 ガイド部
158 第1回転子側
160 第2回転子側
170 穿刺駆動装置(360°駆動)
172 圧力部材
174 レバー用旋回軸受
176 受面
178 第1レバーアームの旋回領域
180 台
181 ボールヘッド付圧力部材
182 カム
183 バネ
184 回動可能の軸
185 対称軸
186 シャフト軸受
188 第1締付ローラフリーホイール
190 第2締付ローラフリーホイール
192 第1締付ローラフリーホイールの外部リング
194 装置ハウジング
200 軸線組立方式の圧電アクチュエータ
202 レバートング
204 固体関節
206 第1トング脚部
208 第2トング脚部
210 駆動ベル
212 捩りバネ
214 フリーホイールベル
216 内周面
218 出力軸
220 フリーホイールシステム
222 第1の短い脚部
224 第2の短い脚部
226 第1カム
228 第2カム
230 第1突部(206)
232 第2突部(208)
234 捩れ保護部
236 凹所
300 膜付アクチュエータ
302 中間空間
304 膜厚
306 偏向
308 中間空間302の壁
310 圧力媒体
312 膜の作用方向
400 マイクロモータ付アクチュエータ
402 出力軸
404 回転方向
406 接触面
408 カム
410 電気接続
412 90°回転
414 カム408の接触点
416 楕円形輪郭
500 組合せ駆動装置
502 2次機械エネルギー蓄積体
504 歯車
506 ドラムマガジン
508 軸
510 回転方向
512 歯車の回転方向
514 ドラムマガジンの回転軸
530 穿刺補助具およびマガジン輸送部を有する内蔵型システム
532 穿刺補助具
534 軸
536 歯構造(駆動体ドラムマガジン)
538 渦巻バネ
550 医療用消費材
552 消費材の貯蔵位置
554 消費材の取出位置
556 供給ローラ
558 カウンタローラ
560 押棒
562 ギャップ
564 試料塗布面
580 分析装置
582 位置決め装置
584 ドラム駆動装置
586 アクチュエータ用取付け空間
588 収容チャンバ
590 取出開口部
592 試験ストリップ
594 フレーム
610 インスリンポンプ
612 駆動輪
614 出力軸(218と同じ)
616 ネジ付棒
618 駆動スリーブ
620 外歯
622 ディスク
624 アンプル
626 プランジャ
628 雄ネジ付ディスク
630 ハウジング
632 チューブ
634 キャップ
636 排出部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械エネルギー蓄積体(40、538)の充電用のアクチュエータ(10、150、200、300、400)を備える医療機器用駆動装置(530、580、610)であって、
アクチュエータ(10、150、200、300、400)が行程を実施可能のアクチュエータ(10、150、200、300、400)として構成されており、前記アクチュエータが振動駆動可能であり、その行程路(12)が伝導要素(18;206、208)を用いて機械エネルギー蓄積体(40、538)に初張力を付与する逆転阻止型回転子(36、154、210)に伝達され、かつ/または運動要素(218、560、616)を直接駆動することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
運動要素が出力軸(218)であることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】
運動要素がマガジン(506)から医療用消費材(550)を押し出す押棒(560)であることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項4】
運動要素が医学的作用物質を投与するポンプ(610)の摺動またはネジ付スリーブ(616)であることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項5】
伝導要素(18)がアクチュエータ(10、150、200、300、400)の行程路(12)を1対25およびそれ以上の比で逆転阻止型回転子(36、154、210)へ伝達することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項6】
機械エネルギー蓄積体(40)が線形または回転式に作用するバネ要素であることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項7】
逆転阻止型回転子(36、154、210)に、アクチュエータ(10、150、200、300、400)の行程運動(12)の上昇時に逆転阻止型回転子(36、154、210)の戻り運動を妨げる戻り止め(34、152)が組み込まれていることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項8】
戻り止め(34、152)が爪車(36)としてまたは外部輪郭(152)として線形回転子(154)に形成されていることを特徴とする請求項7記載の駆動装置。
【請求項9】
伝導要素(18)が、様々な長さの第1および第2レバーアーム(30、32)を有することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項10】
レバーアーム(30、32)の一方が直接アクチュエータ(10、150、200、300、400)により付勢され、レバーアーム(30、32)の他方が逆転阻止型回転子(36、154、210)を駆動することを特徴とする請求項9記載の駆動装置。
【請求項11】
戻り止め(34)が締付体フリーホイール(80)として、内部星状体を備える締付ローラフリーホイール(100、102)として、または摩擦調整爪車(130)として、または1対の逆転締付ローラフリーホイール(188、190)として形成されていることを特徴とする請求項7記載の駆動装置。
【請求項12】
伝導要素(18)が装置ハウジング(194)の中でロッカーとして形成され、第1レバーアーム(30)および第2レバーアーム(32)を有し、第2レバーアーム(32)が出力軸(184)の回転を生ぜしめる旋回カム(182)を作動することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項13】
出力軸(184)が、旋回カム(182)と接続される第1締付ローラフリーホイール(188)を有し、かつ装置ハウジング(194)と接続される第2締付ローラフリーホイール(190)を有することを特徴とする請求項12記載の駆動装置。
【請求項14】
伝導要素(18)にバネ付勢されるボールヘッド付圧力部材(181)がリセットのために組み込まれていることを特徴とする請求項12記載の駆動装置。
【請求項15】
レバー状に形成された伝導要素(18)に戻りバネ(14)が組み込まれていることを特徴とする請求項5記載の駆動装置。
【請求項16】
戻り止め(34)が、爪車として形成された逆転阻止型回転子(36)の外歯(50)に係合するラチェット(42)を含むことを特徴とする請求項7記載の駆動装置。
【請求項17】
噛合機構(50)が爪車(36)として形成された逆転阻止型回転子の外周で回転方向に均一に上昇するエッジおよび回転方向と逆に急峻に下降するエッジを有することを特徴とする請求項15記載の駆動装置。
【請求項18】
逆転阻止型回転子(154)がブロック状に形成され、第1回転子側(158)と第2回転子側(160)とを有し、かつブロック状に形成された逆転阻止型回転子(154)がリニアガイド部(152)の中に収容されていることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項19】
ブロック状に形成された逆転阻止型回転子(154)の回転子側(158、160)の一方に、ブロック状に形成された逆転阻止型回転子(154)の戻り運動を阻止する櫛状のリブ構造が形成されることを特徴とする請求項18記載の駆動装置。
【請求項20】
アクチュエータ(10)が、アクチュエータ側で短い脚部(222、224)と、固体関節(206)に連結された第1および第2トング脚部(206、208)とを有するレバートング(202)を作動することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項21】
トング脚部(206、208)に突部面(230、232)が収容され、該突部面の駆動カム(226、228)が駆動ベル(210)を作動することを特徴とする請求項19記載の駆動装置。
【請求項22】
駆動ベル(210)が内部星状体として形成されたフリーホイール(220)を取り囲み、駆動ベル(210)が該駆動ベルを取り囲む捩りバネ(212)を用いてその出発位置にリセットされることを特徴とする請求項21記載の駆動装置。
【請求項23】
内部星状体として形成されたフリーホイール(220)が耐回動性に出力軸(218)に収容され、出力軸(218)に対して平行に延びるリブを有することを特徴とする請求項21記載の駆動装置。
【請求項24】
アクチュエータ(10、150、200)が圧電アクチュエータとして構成され、その行程路(12)が電圧の印加時に伝導要素(18)へ伝達されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項25】
アクチュエータ(300)が膜付アクチュエータとして構成され、その膜が中間空間(302)の圧力付勢時に行程路(12)を発生する偏向(306)を生じることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項26】
アクチュエータ(400)がマイクロモータ付アクチュエータとして構成され、その出力軸(402)に伝導要素(18)を偏向するカム(408)が収容されていることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項27】
カム(408)が出力軸(402)の回転時に回転方向(404)へ伝導要素(18)を1回または複数回その回転軸(24)の周りに偏向することを特徴とする請求項26記載の駆動装置。
【請求項28】
穿刺補助具(170、532)による体液採取用の医療機器において、前記補助具の機械エネルギー蓄積体(40、538)が穿刺過程の解除のためにアクチュエータ(10、150、200、300、400)によって初張力を付与される請求項1〜27のいずれかに記載の駆動装置の使用。
【請求項29】
体液の採取および分析用の医療機器530において、その穿刺補助具(150、532)が機械エネルギー蓄積体(40、538)を用いて初張力を付与され、その医療用消費材(550)を収容するマガジン(506)が2次機械エネルギー蓄積体(40、538)によって輸送される請求項1〜28のいずれかに記載の駆動装置の使用。
【請求項30】
体液の分析用の医療機器(580)において、個別の試験ストリップ(592)または医療用消費材(550)を収容するマガジン(506)を輸送するための請求項1〜29のいずれかに記載の駆動装置の使用。
【請求項31】
作用物質を連続的に投与する医療機器(610)において、アクチュエータ(10、150、200、300、400)を用いて連続的に作用物質が交換可能の容器(624)から接続される管(632)に供給される請求項1〜30のいずれかに記載の駆動装置の使用。
【請求項32】
インスリンが交換可能のアンプル(624)から供給されるプランジャ(626)を駆動するインスリンポンプ(610)における請求項31記載の駆動装置の使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−529562(P2008−529562A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552656(P2007−552656)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050529
【国際公開番号】WO2006/082173
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】