説明

医薬化合物

【課題】末梢レベル及び中枢の神経系の両方にてインビボ活性を有する、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性を有する縮合三環式ピラゾール誘導体の提供。
【解決手段】式(I)を有する、5〜8個の原子を含む中央環によって互いに結合した1つのフェニル環と1つのピラゾール環を含む縮合構造を有し、CB1及び/又はCB2受容体に対して親和性を有し、中枢神経系及び/又は末梢レベルで活性を有する縮合三環式化合物。上記の化合物は、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対して親和性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性を有するピラゾール誘導体、対応する溶媒和物及び医薬的に許容できる塩並びにそれらを含有する医薬組成物に関する。
より具体的には、本発明は、末梢レベル及び中枢の神経系の両方にてインビボ活性を有する、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性を有する縮合三環式ピラゾール誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
カンナビノイド類は、マリファナとして通常知られるカンナビス サチバ(Cannabis sativa)に由来する化合物である。マリファナを特徴付ける少なくとも66種のカンナビノイド化合物のうち、テトラヒドロカンナビノール類(THC)とΔ9−テトラヒドロカンナビノール(Δ9−THC)が、特に、最も活性が高いと考えられている。マリファナが哺乳類及びヒトに天然起源の治療剤として使用されるようになった特性は、実際に、これらの化合物に関連する。これらの特性は、鎮痛作用、抗炎症活性、血圧と眼圧の低下、鎮吐活性である。マリファナを使用することに付随する負の作用、特に知覚心理的歪曲、運動協調の喪失、多幸症、鎮静作用に関するものは、テトラヒドロカンナビノール類が関連している。カンナビノイド類の薬理作用は、「Gタンパク質共役」受容体のファミリーに属する二つの異なるクラスの特定の受容体、すなわち末梢組織中の神経系に加えて中枢神経系中に位置するCB1受容体、及び小脳中に見られるが(Q.J.Luら;Visual Neurosci.;2000,17,9,1〜95)、大部分は末梢組織中に見られる(M.Glass; Progr. Neuro- Psychopharmacol.& Biol.Psychiat.; 2001; 25, 743〜765)CB2受容体に対するカンナビノイド類の親和性に直接関連しているようである。脳において、CB1受容体は、海馬、皮質領域、小脳及び大脳基底核の中で豊富に発現されている。CB1受容体が見られる末梢組織としては、精巣、小腸、膀胱、精管がある。CB1受容体はさらに、ラットの眼とヒトの眼の網膜及び虹彩、並びに毛様体中で同定されている(A.Porcellaら;Molecular Brain Research; 1998, 58, 240〜245; A.Porcellaら;European Journal of Neuroscience; 2000, 12 ,1123〜1127)。一方、CB2受容体は、マクロファージ、単球、骨髄と胸腺と膵臓の細胞などの免疫系の幾種類もの細胞に加えて脾臓の周縁帯、扁桃腺中に優勢に存在している。CB2受容体が著しく存在している免疫系のその他の細胞は、T4細胞とT8細胞、多形核白血球、特に「ナチュラルキラー」と呼称される細胞及びBリンパ球である。
【0003】
したがって、アゴニスト又はアンタゴニストとしてCB2受容体と相互作用できる化合物は、免疫系細胞又は免疫障害が関連する疾患を治療するのに使用できる。CB2受容体の活性化(調節)は、他の疾患の治療、例えば、骨粗しょう症、腎虚血、疼痛、神経因性疼痛、術後の疼痛、炎症性症状、筋萎縮性側索硬化症を治療するためにも重要である。
【0004】
CB1受容体に対して親和性を有する化合物は、緑内障のような眼の疾患、喘息及び慢性気管支炎のような肺の疾患、関節炎のような炎症、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎のようなアレルギー及びアレルギー反応の治療に使用できる。この化合物は、疼痛、不安症状、行動障害、譫妄症状、一般的な精神病の問題の治療、さらに、統合失調症、うつ病の治療、並びに薬物及び/又はアルコールの乱用及び依存(例えばアルコール中毒症とニコチン中毒症)の治療にも使用できる。同じ化合物は、特に化学療法を受けている患者の場合、嘔吐、悪心、めまいと闘うため、神経障害、片頭痛、ストレス、心身症由来の疾患、癲癇、トゥーレット症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、老人性認知症を治療するため、及び認知症と記憶喪失の場合にも使用できる。CB1受容体に対して親和性を有する化合物のさらなる用途は、食欲障害(肥満、大食症)に関連する病変、胃腸管及び膀胱の病変、心血管性疾患、泌尿器及び生殖能の障害、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、ウイルス性脳炎などの神経炎症病変の治療である。例えば、いくつかのCB1アゴニストの有効成分は、化学療法に付随する嘔吐と悪心の治療と、エイズ患者の食欲促進に使用され成功している。CB1受容体に対してアンタゴニスト活性を有する化合物は、例えば、精神障害、不安、うつ病、統合失調症、肥満、神経疾患(例えば、認知症、パーキンソン病、アルツハイマー病、癲癇、トゥーレット症候群)、記憶喪失の症状、カンナビノイドの神経伝達に関連する中枢神経系の疾患の治療、生殖能及び勃起の障害、胃腸及び/又は心血管性障害の治療に使用できる。
【0005】
カンナビノイド受容体を活性化するのに有効な化合物は、免疫抑制活性を示し、眼の炎症症状と自己免疫疾患、例えばブドウ膜炎及びブドウ膜網膜炎(uveoretinitis)の治療に使用されている(H.Xuら, J.Leukocyte Biology, 82, 2007, 532〜541)。これらの化合物は、網膜の神経変性の治療にも使用されている(G.Pryceら, Brain, 126, 2003, 2191〜2202)。
【0006】
カンナビノイド類の広範な薬理学的用途に関連して、最近、エンドカンナビノイド類を見つけるため及びCB1及びCB2のカンナビノイド作動性受容体の二種のサブクラスと選択的に相互作用できる新しい化合物を合成するためのいくつかの研究が行なわれている。研究により、一方では、アナンダミドエンドカンナビノイド類(アラキドニルエタノールアミド)及び2−アラキドニルグリセロールが同定され、他方では、異なるクラスの合成化合物すなわちCB1又はCB2の受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストが製造されている。
【0007】
CB1受容体に対してアゴニスト活性(カンナビ様(cannabimimetic)活性)を有するクラスの化合物としては、(−)−11−OH−Δ8THC−ジメチルヘプチル(HU210)及びナビロンのようなΔ9−THCから直接誘導される基本構造を有する合成化合物、並びにWIN55,212−2シリーズのアミノアルキルインドール類(M. PachecoらJ.Pharmacol. Exp. Ther.; 1991, 257, 1701〜183)又は化合物CP55,940を指す二環式カンナビノール類(古典的カンナビノイド類ではない)(M. Glass; Progr. Neuro-Psychopharmacol. & Biol. Psychiat. ;2001, 25, 743〜765)のようなΔ9−THCとは構造が異なる化合物がある。カンナビ様活性を有する化合物は、インビボで、以下の作用:活動性低下、低体温、痛覚消失及びカタレプシーを示す(B. R. Martinら; Pharmacol. Biochem. Behav.; 1991, 40, 471〜478; P. B. Smithら; J. Pharmacol. Exp. Ther. ; 1994, 270, 219〜227)。
【0008】
CB1アンタゴニストのピラゾール化合物であるリモナバンが、メタボリックシンドローム及び/又は脂質異常症の患者の体重並びに代謝及び/又は心血管性のリスクファクターを減らすのに有効であることが、臨床データにより示されている(J. P. Despresら, the New England Journal of Medicine, 2005, 353, 2121〜2134; D. Tonstad, Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases 2006, 16, 156〜162)。リモナバンが代謝及び/又は心血管性のリスクファクターを減らすのに有効であることは、2型糖尿病の患者でも示されている(A. J. Scheenら, Lancet 2006, 368 1660〜1672)。
【0009】
カンナビノイド作動性受容体に対して高い親和性を有し、特にCB1受容体に対して高い選択性を有する化合物は、例えば、EP1,230,244号に記載されている。特に、この化合物は、以下の一般的な構造を有する縮合三環式化合物である。
【0010】
【化1】

(式中、Z1、w7、w3、w4、w5、w6、g2、g3、g4、g5は異なる意味を有し、X−Y−は、−(CH2d−CH2−、−CH2−S(O)g−、−S(O)g−CH2−から選択される基を表し、dは1又は2であり、gはゼロ、1又は2である)。
【0011】
カンナビノイド作動性受容体に対して高い親和性を有し、とりわけCB2受容体に対して高い選択性を有する化合物は、EP1,230,222号に記載されている。特に、この特許に記載される化合物は、以下の一般的な構造を有する縮合三環式誘導体である。
【0012】
【化2】

(式中、−T−は−(CH2m−基を表し、mは1又は2であり、Z1、w2、w3、w4、w5、w6、g2、g3、g4、g5は異なる意味を有する)。
【0013】
ピラゾール環が縮合三環式構造の一部分を形成するピラゾールの基本構造を有してCB1及び/又はCB2受容体に対する親和性を有する化合物の別のクラスは、米国特許出願第2005/0282,798号に記載される誘導体により代表される。これらの誘導体は、末梢レベルにてCB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体のみに対して活性を発揮する。化合物は、中枢神経系に対していずれの活性も示すことができない。なぜなら、これらは、血液脳脊髄関門(haematoencephalic barrier)を通過できないからである。
【0014】
ベンゾピラノピラゾリル誘導体のあるクラスが米国特許第5,547,975号に記載されており、下記一般式で表されている。
【0015】
【化3】

(式中、B2とDは異なる意味を有し、R2は異なる置換基で任意に置換されていてもよいアリール及びヘテロアリールから選択される基であり、R3は水素、ハロゲン、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミジノ、シアノアミジノ、アミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノカルボニルアルキル、N−アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノ−カルボニル、N,N−ジアルキルアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノ−カルボニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオアルキル、アルキルスルフィニルキル、アルキルスルホニルアルキル、N−アルキルスルファミル、N−アリールスルファミル、アリールスルホニル、N,N−ジアルキルスルファミル、N−アルキル−N−アリールスルファミル、複素環から選択される基である)。
【0016】
これらの化合物は、炎症又は炎症に関連する障害の治療のために記載されている。これら化合物がCB1及び/又はCB2カンビノイド受容体に対して親和性を有するとは記載されていない。
1つのピラゾール環を含有する別のクラスの縮合三環式化合物が、WO03/070706に記載されている。記載される化合物は、下記一般式を有する。
【0017】
【化4】

(式中、D1は種々の意味を有し、B3はヘテロアリールであり、R4は5〜6個の原子を有する環をもつアリール又はヘテロアリールであり、R5はアミジン、アルキルアミノ、アミノアルキル、NH2、CONHR16、NHCOR6、CH2−NH−COR6から選択される基であり、
16は水素、アリール、アリールアルキル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルから選択される基であり、
6は水素、アリール、ヘテロアリール、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアンモニアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、複素環から選択される基である)。
【0018】
これらの化合物は、癌、炎症及びそれらに関連する疾患の治療用に記載されている。これら化合物の、CB1及び/又はCB2カンナビノイド受容体に対する親和性については報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】EP1,230,244号
【特許文献2】EP1,230,222号
【特許文献3】米国特許第5,547,975号明細書
【特許文献4】WO03/070706
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】Q.J.Luら;Visual Neurosci.;2000,17,9,1〜95
【非特許文献2】M.Glass; Progr. Neuro- Psychopharmacol.& Biol.Psychiat.; 2001; 25, 743〜765
【非特許文献3】A.Porcellaら;Molecular Brain Research; 1998, 58, 240〜245
【非特許文献4】A.Porcellaら;European Journal of Neuroscience; 2000, 12 ,1123〜1127
【非特許文献5】H.Xuら, J.Leukocyte Biology, 82, 2007, 532〜541
【非特許文献6】G.Pryceら, Brain, 126, 2003, 2191〜2202
【非特許文献7】M. PachecoらJ.Pharmacol. Exp. Ther.; 1991, 257, 1701〜183
【非特許文献8】B. R. Martinら; Pharmacol. Biochem. Behav.; 1991, 40, 471〜478
【非特許文献9】P. B. Smithら; J. Pharmacol. Exp. Ther. ; 1994, 270, 219〜227
【非特許文献10】J. P. Despresら, the New England Journal of Medicine, 2005, 353, 2121〜2134
【非特許文献11】D. Tonstad, Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases 2006, 16, 156〜162
【非特許文献12】A. J. Scheenら, Lancet 2006, 368 1660〜1672
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
以下の特性の組み合わせを有する、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体への親和性を有する化合物を入手可能とする必要性が感じられていた:
− 末梢レベル及び中枢神経系に対する両方でのインビトロ及びインビボでの活性、
− CB1カンナビノイド作動性受容体への親和性を有するアゴニスト化合物について、末梢レベルでの、少なくとも眼圧の低下における活性。
【0022】
上記の技術的問題を解決する化合物が、驚くべきことにそして予期せぬことに、本出願人により見出された。
【0023】
本発明の目的は、5〜8個の原子を含む中央環によって互いに結合した1つのフェニル環と1つのピラゾール環を含む縮合環を有する構造を有し、CB1及び/又はCB2受容体に対して親和性を有し、中枢及び/又は末梢で活性を有する縮合三環式化合物であって、
下記式(I):
【0024】
【化5】

(式中、
B’は、フェニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又は二価のC1〜C10脂肪族鎖であって直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状であり窒素原子と結合していないその主鎖の末端が、水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2若しくは−CH=CH2から選択されるWIと結合している脂肪族鎖から選択される置換基であり、
1、Y2、Y3及びY4は、互いに同じか又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される基であり、
Vは、
A1:−(CH2t−、
A2:−(CH2r−O−(CH2s−、
A3:−(CH2r−S(O)p−(CH2s
から選択される基であり、ここで、
tは1、2又は3の整数であり、
pは0、1又は2の整数であり、
rとsは互いに同じか又は異なり、r+sが0、1、2又は3に等しいという条件下で、0、1又は2に等しい整数であり、
【0025】
B’が二価のC1〜C10脂肪族鎖であって直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状であり窒素原子と結合していないその主鎖の末端が上記定義のWIと結合している脂肪族鎖であるとき、D’は、下記:
D1:−(CH2)−O−(CH2z−(Z’)v−R”(式中、zは1又は2に等しい整数であり、vは0又は1に等しい整数であり、Z’は、直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状である二価のC1〜C8脂肪族鎖であり、R”は、C3〜C15シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、アリール又はヘテロアリールから選択される)、
D2:−C(O)−(Z’)v−R”(式中、v、Z’及びR”は上記定義の通りである)、
D3:−CH(OH)−(Z’)v−R”(式中、v、Z’及びR”は上記定義の通りである)、
D4:−C(O)−NH−(Z’)v−T’(式中、v及びZ’は上記定義の通りであり、そしてT’は、
− C1〜C8アルキル、C1〜C7ハロアルキル、但し、D4においてvは0である、
− C3〜C15シクロアルキル、
− 単環式アリール若しくは単環式ヘテロアリール、
− NR12(式中、R1とR2は、互いに同じか又は異なり、水素、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル若しくはアリールアルケニルを意味するか、又はR1とR2は窒素原子とともに、5〜10個の原子の飽和若しくは不飽和の複素環を形成する)、
− N、O、Sから選択される互いに同じか若しくは異なる1つ以上のヘテロ原子を含むC3〜C15ヘテロシクロアルキル、但し、Z’は、ヘテロシクロアルキル環の1つの炭素原子と結合する、
から選択される基であり、
B’がフェニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルから選択される置換基であるとき、D’は下記:
D’2:−C(O)−Z’−R”(式中、Z’とR”は上記のとおりである)
D’3:−CH(OH)−Z’−R”(式中、Z’とR”は上記のとおりである)、
D’4:−C(O)−NH−Z’−T’(式中、Z’とT’は、C1〜C8アルキル、C1〜C7ハロアルキルの意味のT’を除いて上記で定義されているのと同じであり、D’4においてZ’=−CH2−であるとき、T’は下記式:
【0026】
【化6】

で表される基でない)、
D”2:V=A2の条件下で−C(O)−R”、
D”3:V=A2の条件下で−CH(OH)−R”、
D”4:Vが−O−、−CH2−O−の一方であるという条件下で−C(O)−NH−T’
の意味を有する)
の意味を有する)
を有する三環式化合物である。
【0027】
式(I)の化合物は、幾何異性体及び立体異性体の両方、並びにそれらの混合物である異性体の形態を含む。さらに、式(I)の化合物の異なる原子は、該化合物の放射性標識を可能にするように、異なる同位体の形態であり得る。
【0028】
式(I)において、B’がフェニル、又はアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルである場合、B’は、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されることができる。
【0029】
1、Y2、Y3又はY4がフェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリールである場合、前記フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい。
R”は、SO2NH2、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ又はC1〜C7アルコキシから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で置換することができる。
【0030】
T’は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、ベンジル、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で置換することができ、該フェニル及びベンジル置換基は、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい。
【0031】
T’のR1とR2が、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル、又はアリールアルケニルから選択される芳香族環であるか、又はR1とR2が窒素原子とともに複素環を形成する場合、その芳香族環又は複素環は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、ベンジル、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で置換することができ、該フェニル及びベンジル置換基は、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい。
【0032】
特に断らない限り、本発明において以下の定義を用いる。
アルキル又はアルキル鎖により、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状の飽和C1〜C20炭化水素鎖を意味する。
【0033】
アルケニル又はアルケニル鎖により、一不飽和又は多不飽和、好ましくは一不飽和で直鎖状又は可能であれば分岐鎖状のC2〜C20炭化水素鎖を意味する。
【0034】
環が不飽和を含有しないシクロアルキルにより、3〜10、好ましくは4〜9個の炭素原子を有する脂肪族単環式の環、又は7〜19個の炭素原子の多環式構造を意味する。
【0035】
ヘテロシクロアルキル及び飽和複素環により、1つ以上の炭素原子が、S、O、Nから選択される互いに等しいか又は異なるヘテロ原子により置換された上記で定義されるシクロアルキルを意味する。環が単環式である場合、好ましくはヘテロ原子は2以下である。
【0036】
不飽和複素環により、1つ以上の二重結合を有する上記で定義されるシクロアルキルを意味するが、但し、環構造は芳香族でなく、少なくとも1つの炭素原子は、S、O、Nから選択される1つのヘテロ原子で置換されている。
【0037】
ハロゲンにより、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択される1つの原子を意味する。
ハロアルキル又はハロアルキル鎖により、1又は複数の水素原子がハロゲン原子で置換されている上記で定義されるアルキルを意味する。ハロアルキルの例は、トリフルオロメチル、1−ブロモ−n−ブチル、ペンタクロロエチルなどである。
【0038】
アリールにより、芳香族単環式の基、又は6〜20個の炭素原子を有する縮合芳香族多環式の基を意味する。
【0039】
ヘテロアリールにより、上記で定義されるアリールを意味し、ここで、単環式の基はC5〜C6であり、少なくとも1つ以上の炭素原子が、互いに等しいか又は異なってS、O、Nから選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されており、この基が単環式である場合、好ましくはヘテロ原子は2以下である。
【0040】
アリールアルキルにより、好ましくはC1〜C7の、上記で定義されるアリールと結合した上記で定義されるアルキル、例えばベンジルを意味する。
【0041】
アリールアルケニルにより、上記で定義されるアリールと結合した上記で定義されるアルケニルを意味する。
【0042】
ヘテロアリールアルキルにより、好ましくはC1〜C7の、上記で定義されるヘテロアリールと結合した上記で定義されるアルキルを意味する。
【0043】
二価の脂肪族鎖により、飽和又は不飽和で、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状のC1〜C20、好ましくはC1〜C8の、各末端に遊離の結合価を有し、1つ以上の水素原子がハロゲン原子で任意に置換されていてもよい脂肪族鎖を意味する。
【0044】
受容体への親和性を有する化合物により、受容体に対して、インビトロ及び/又はインビボ及び/又はエクスビボのアゴニスト又はアンタゴニスト又は部分アゴニスト又は部分アンタゴニスト又はインバースアゴニスト又はインバースアンタゴニスト又はインバース部分アゴニストの活性を有する化合物を意味する。この用語の意味は、当業者に公知である。
【0045】
式(I)で表される好ましい化合物は、
B’が、フェニル、ベンジル、単環式ヘテロアリール、単環式ヘテロアリールアルキル、又は直鎖状又は可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子に結合していないその主鎖の末端が、水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2若しくは−CH=CH2から選択されるWIと結合している二価のC1〜C10脂肪族鎖から選択される置換基であり、前記フェニル、ベンジル、単環式ヘテロアリール及び単環式ヘテロアリールアルキルは、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
【0046】
1、Y2、Y3及びY4は互いに同じか又は異なり、上記で定義されるとおりであり、
Vが、A1又はA2から選択される基であり、
B’が、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状であり、窒素に結合していないその主鎖の末端が上記で定義されるWIと結合している二価のC1〜C10の脂肪族鎖である場合、D’が上記で定義されるとおりであり、
B’がフェニル、ベンジル、単環式ヘテロアリール又は単環式ヘテロアリールアルキルから選択される置換基である場合、D’は、D’2、D’4、D”2又はD”4の意味を有する、
化合物である。
【0047】
最も好ましい式(I)で表される化合物は、
B’が、フェニル、ベンジル、チオフェン、又は直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状で、窒素原子に結合していないその主鎖の末端が水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2若しくは−CH=CH2から選択されるWIと結合している二価のC4〜C10脂肪族鎖から選択される置換基であり、前記フェニル、ベンジル及びチオフェンはハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
【0048】
1、Y2、Y3及びY4は互いに同じか又は異なり、上記で定義されるとおりであり、
Vが、A1又はA2から選択される基であり、
B’が、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状であり、窒素と結合していないその主鎖の末端が上記定義のWIと結合している二価のC4〜C10の脂肪族鎖である場合、D’が上記で定義されるとおりであり、
B’がフェニル、ベンジル、又はチオフェンから選択される置換基である場合、D’がD’2、D’4、D”2又はD”4の意味を有する、
化合物である。
【0049】
より好ましい式(I)で表される化合物は、
B’が、フェニル、ベンジル、チオフェン、又は直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状で、窒素原子と結合していないその主鎖の末端が水素、ハロゲン、OH、OCH3、NH2、SO2NH2から選択されるWIと結合している二価のC4〜C10脂肪族鎖から選択される置換基であり、前記フェニル、ベンジル及びチオフェンはハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
1、Y2、Y3及びY4が、互いに同じか又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される基であり、前記フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
【0050】
Vが、A1又はA2から選択される基であり、
B’が、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子と結合していないその主鎖の末端が上記定義のWIと結合している二価のC4〜C10の脂肪族鎖である場合、D’が上記で定義されるとおりであり、
B’がフェニル、ベンジル、又はチオフェンから選択される置換基である場合、D’がD’2、D’4、D”2又はD”4であるが、但し、
Z’が−CH2−又は−CH(CH3)−であり、
R”が、C3〜C15シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、アリール又はヘテロアリールから選択され、前記C3〜C15シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、アリール又はヘテロアリールが、SO2NH2、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
【0051】
T’が、下記の基:
− C3〜C15シクロアルキル、
− 下記の選択的条件の1つが満たされる場合に、単環式アリール:
VがA1と異なるか、又は
B’がVから独立してフェニル、ベンジル又はチオフェンとは異なる、
− NR12基(式中、R1とR2が互いに同じか又は異なり、窒素とともに、5〜10個の原子を有する飽和若しくは不飽和の複素環を形成する)、
− C3〜C15ヘテロシクロアルキル(そのヘテロシクロアルキルの1つの炭素原子にZ’が結合している)
から選択される
化合物である。
【0052】
T’は、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、SO2NH2、フェニル、ベンジル、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で置換することができ、該フェニル及びベンジル置換基は、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい。
【0053】
式(I)で表される本発明の化合物の例は、以下に報告する式(X’)〜(XXVII’):
【化7】

【0054】
【化8】

【0055】
(式中、
1は、以下の意味を有し:
1A:直鎖状又は可能であれば分岐鎖状で、窒素原子と結合していないその主鎖の末端が、水素、ハロゲン、OH、OCH3、NH2又はSO2NH2から選択されるWIVと結合している二価のC4〜C10脂肪族鎖、
1B:ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよいフェニル及びベンジルから選択される基、
【0056】
8は上記で定義されるQ1Aの意味であり、
9は上記で定義されるQ1の意味であり、
2は水素又はメチルであり、
4、Q5、Q6、Q7は互いに同じか又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、シアノ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、チオフェン、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される基であり、そのフェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環及びチオフェンはハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、シアノ、SO2NH2、イソチオシアネート、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
【0057】
3は、下記構造式:
【化9】

【0058】
【化10】

から選択される基である)を有する化合物である。
式(I)で表される本発明の化合物の具体例は、以下に報告する下記式(X”)〜(XCIII”):
【0059】
【化11】

【0060】
【化12】

【0061】
【化13】

【0062】
【化14】

【0063】
【化15】

【0064】
【化16】

【0065】
【化17】

【0066】
【化18】

【0067】
【化19】

を有する化合物である。
【0068】
本発明の特に好ましい化合物は、式(XVI”)、(XVII”)、(XVIII”)、(XIX”)、(XX”)、(XXI”)、(XXXIV”)、(XXXV”)、(XXXVI”)、(XXXVII”)、(XLVI”)、(XLVII”)、(XLVI”)、(XLVII”)、(XLVIII”)、(1XLVI”)、(1XLVII”)、(1XLVIII”)、(IL”)、(LVIII”)、(LVIX”)、(LX”)、(LXXIX”)、(LXXX”)、(LXXXI”)、(LXXXII”)、(LXXXIII”)、(LXXXIV”)、(LXXXV”)、(LXXXVI”)、(LXXXVII”)、(LXXXVIII”)、(IXC”)、(XC”)、(XCI”)、(XCII”)、(XCII”)で表される化合物である。
【0069】
上記のように、式(I)の化合物の異なる光学異性体と幾何異性体並びにその混合物を含む式(I)で表される化合物の水和物、溶媒和物及び医薬的に許容できる塩は、本発明の別の目的である。用語「水和物」と「溶媒和物」の意味は、当業者によく知られている。特に、「水和物」は、水和水を1分子以上、一般に水を1〜10分子含有する化合物を意味する。「溶媒和物」は、その化合物が水とは異なる溶媒を1分子以上含有することを意味する。
【0070】
「医薬的に許容できる塩」は、式(I)で表される化合物を、医薬の観点から許容できる有機又は無機の酸で処理することによって得られる塩を意味する。例えば、塩酸塩、硫酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、硫酸水素塩、コハク酸塩、パラトルエンスルホン酸塩を挙げることができる。文献:「Remington, The Science and Practice of Pharmacy」第II巻、1995、1457頁を参照されたい。
【0071】
式(I)で表される化合物をヒト及び動物に投与することから誘導される代謝生成物は、本発明のもう一つの目的である。
【0072】
驚くべきことに予想外であったが、本出願人は、本発明の式(I)で表される化合物が、CB1及び/又はCB2カンナビノイド受容体に対して、以下の活性の1つ以上をインビトロ及び/又はインビボで有することを見出した:アゴニスト、又はアンタゴニスト、又は部分アゴニスト、又は部分アンタゴニスト、又はインバースアゴニスト、又はインバースアンタゴニスト、又はインバース部分アゴニスト、又はインバース部分アンタゴニスト。
【0073】
本発明のさらに別の目的は、以下のようにして実施する一般式(I)で表される化合物の製造方法である:
i)以下の一般式(II)の化合物、又は任意に、ハロゲン化アシル、無水物、混合無水物、イミダゾリド(imidazolides)、エステル−アミド付加物、直鎖状又は分岐鎖状のC1〜C4アルキルエステルから選択されるその1つの反応性誘導体を合成し:
【化20】

【0074】
上記の合成は、以下のステップを含む:
− 式(III)の化合物を、ナトリウムアルコキシド(RONa)及びシュウ酸ジエチルと、C1〜C3アルコール性溶媒中で還流下で反応させることにより、式(IV)のα−ヒドロキシ−γ−ケトエステル(式中、V、Y1、Y2、Y3及びY4は先に定義したとおりである)を製造し(クライゼン縮合):
【化21】

− 式(IV)の化合物を、下記式(VI)のヒドラジン(式中B’は先に定義したとおりである)と、アルコール性溶媒又は酢酸中で還流下で又は酢酸中で反応させて、式(VII)で表される三環式化合物を得て(化合物(VI)は任意にその塩酸塩の形態であってもよい)、
【0075】
【化22】

− 式(VII)で表される化合物を、アルカリ水酸化物を用いて、水性アルコール溶液中で還流下で塩基性加水分解して一般式(II)で表される酸を得て、
− 一般式(II)で表される酸の反応性誘導体(該反応性誘導体は、先に定義したとおりである)を、任意に生成させる、
【0076】
ii)一般式(I)において、D’が式D1で表されるエーテル系の基を有する置換基である場合、式(I)で表される化合物は、式(II)で表される酸又はそのエステル、好ましくはエチルエステルから出発して製造でき、これを、第1ステップで、例えば有機金属水素化物、例えば水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)又は水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)を使用して、反応条件下で不活性の溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中、室温で操作することによって第1級アルコールに還元し、次いで、第2ステップにおいて、該第1級アルコールを、式R”−(Z’)v−(CH2z−Hal(式中、Halはハロゲンであり、そしてZ’、v及びzは前記定義の通りである)で表されるハロゲン化アルキルと、水素化ナトリウムなどの水素化アルカリの存在下、室温で反応させて、上記式(I)(式中、D’=D1)で表される化合物が得られる、
【0077】
iii)一般式(I)において、D’=D2であるとき、式(I)で表される化合物は、下記方法のうちの1つに従って製造できる:
第1の方法:
一般式(II)で表される酸のエステルを、反応条件下で不活性な溶媒中、トリアルキルアルミニウム及びアミンの塩酸塩と、エステルがなくなるまで完全に反応させ、次いでその反応混合物に、式R”−(Z’)v−MgBr(式中、Z’、v及びR”は上記定義のとおりである)のグリニャール化合物を加えて室温で反応させて、式(I)(式中、D’=D2)で表される化合物が得られる、
第2の方法:
一般式(II)で表される酸又はその反応性誘導体を、反応条件下で不活性な溶媒中、式(R”−(Z’)v-Me+(式中、Me+はアルカリ金属のカチオンである)で表される有機金属塩と反応させて、式(I)(式中、D’=D2)で表される化合物が得られる、
【0078】
iv)一般式(I)において、D’=D3であるとき、以下の2ステップで合成を行う:
− 式(I)(式中、D’=D2)で表される化合物を、上記iii)に記載した二つの方法のうちの1つを利用して製造し、
− 上記ステップで得た化合物を室温で還元して、式(I)(式中、D’=D3)で表される最終化合物を得る、
【0079】
v)一般式(I)において、D’=D4であるとき、本発明の化合物は、式(II)の酸の反応性誘導体を、式:
2N−(Z’)v−T’ (VIIA)
(式中、Z’、v及びT’は上記定義の意味を有する)で表される化合物と反応させて得られる。この反応は、反応条件下で不活性な溶媒中で室温にて実施する。
【0080】
i)において、B’が、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子と結合していないその主鎖の末端が、上記定義と同じWIと結合している二価のC1〜C10脂肪族鎖である場合、化合物(VII)の合成は、化合物(VI)を、アルコール系溶媒、好ましくはエタノール中で還流下で水和ヒドラジンと反応させて、中間体(VI’):
【化23】

を得て、その後、式(VI’)で表される化合物を、不活性溶媒中、還流下で、好ましくは塩基の存在下、WI−B’−Z”(式中、WIとB’は上記定義のとおりであり、Z”は脱離基、例えば臭素、トシル、メシルである)でアルキル化して、化合物(VII)を得ることにより行うことができる。
【0081】
好ましくはiii)において、一般式(I)(式中、D’=D2)で表される化合物を得るための上記の2つの合成法のうちの第1方法の第1反応では、一般式(II)で表される酸のエチルエステル、Al(CH33、HN(OCH3)CH3・HCl及び反応溶媒としてジクロロメタンを使用する。前記合成法の両反応は、最初は0℃の温度で実施し、次いで室温(20〜25℃)で実施する。
【0082】
iii)において、一般式(I)(式中、D’=D2)で表される化合物を得るための2つの合成法のうちの第2の方法では、好ましくはMe+はリチウムカチオンである。
iii)においては、2つの合成法のうち、第1の方法が好ましい方法である。
【0083】
好ましくは、iv)における還元反応は、水素化リチウムとアルミニウム又は水素化ホウ素ナトリウムを用いて実施する。
【0084】
式(III)及び式(VIIA)で表される化合物は市販されているか、又はそれらの製造法は当該技術分野の文献に記載されている。
【0085】
式(I)で表される化合物において、D’がそれぞれ、D’2又はD’3又はD’4であるとき、上記式(I)で表される化合物を得る方法は、v=1という条件下で利用できる。
【0086】
本発明の別の目的は、下記式(II’):
【化24】

(式中、V、Y1、Y2、Y3及びY4は上記定義のとおりであり、
B”は、水素、又は窒素原子と結合していない主鎖の末端がWIIと結合している(WIIは、水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2又は−CH=CH2から選択される基である)、直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状の二価のC1〜C10脂肪族鎖である)で表される酸である。
【0087】
式(II’)で表される好ましい酸は、
VがA1とA2の間から選択される基であり、
B”は上記定義のとおりであり、
1、Y2、Y3及びY4は、互いに同じか又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される基であり、そのフェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、イソチオシアネート又はC1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい
化合物である。
【0088】
本発明は、さらに、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体が関与する疾患及び障害の哺乳動物及びヒトにおける治療及び予防のための医薬組成物を製造するための式(I)の化合物に関する。
医薬組成物中に、化合物(I)は、特定の医薬的の用途について必要とされる量で含有される。
医薬組成物中に、式(I)の化合物は、そのまま、又は塩若しくは溶媒和物、又はシス若しくはトランス異性体のような幾何異性体、又は1つ以上のキラル中心を含有する場合に光学異性体の形態で存在できる。
【0089】
医薬組成物の添加剤は、賦形剤、担体、着色剤、防腐剤、芳香剤などであり、これら添加剤の使用については、医薬分野では知られている。これら添加剤及び賦形剤の使用量は、その特定の用途について知られている量である。
【0090】
本発明の医薬組成物は、経口、皮下、舌下、筋肉内、静脈内、局所、経皮、直腸、眼、鼻腔内、膣、腹腔内の経路で投与できる。
【0091】
本発明の医薬組成物は、分散剤、液剤、乳剤、散剤、カプセル剤、エアゾール剤、坐剤、錠剤、シロップ剤、エリキシル剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、貼付剤などを含み得る。例えば、WO2004/011468号に記載されているものを参照されたい。本発明の医薬組成物は、医薬技術の公知の方法に従って製造できる。例えば、医薬組成物は、本明細書に参照により組み込まれる米国特許第6,028,084号に記載の方法によって得ることができる。
【0092】
医薬組成物は、米国特許出願第2003/0003145号に記載される方法及び添加物を用いることによって製造することもできる。これらの製剤において、アルキル硫酸ナトリウム又は医薬分野で通常用いられる別の界面活性剤を、用いることができる。
例えば、式(I)の化合物、それらの異性体又は対応する水和物若しくは溶媒和物又は医薬的に許容できる塩の経口投与用の医薬組成物は、以下のものを含む(重量%で):
式(I)の化合物0.5〜20%、
アルキル硫酸ナトリウム又は別の界面活性剤0.05〜0.5%、
分散剤(disgregating agent)、例えばセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はその他のセルロール誘導体2.5〜10%、
100%までの差は、経口製剤の通常の賦形剤である。
【0093】
経口及び眼内の両方の投与用の医薬製剤は、異性体、塩、水和物、溶媒和物を含む式(I)の化合物とヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み得る。特に、これらは、式(I)の化合物0.1〜20%と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)0.5〜10%を含み得る。100重量%までの差は、上記製剤で用いられる通常の添加剤である。
【0094】
具体的な医薬製剤は、ラクトース1水和物、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、酸化チタンのようなその他の賦形剤も含む。上記の医薬組成物は、例えばカプセル剤又は錠剤の形態であり得る。これらの調製物において、HPMCはカプセル剤若しくは錠剤のコア及び/又は錠剤のシェルに存在できる。
【0095】
式(I)の化合物のさらなる製剤は、水中油のエマルジョンを含み、ここで、有効成分は、そのまま又は有機相に可溶化されて、1種以上の両親媒性化合物を用いて水相に分散される。該両親媒性化合物は、例えば、界面活性剤、それらが可溶化される液体中で凝集体、ミセル、及び小胞のような組織化された構造を形成できる、油又は水に可溶化できるポリマーである。
【0096】
エマルジョンは、通常、以下のものを含む(重量%):
− 式(I)の化合物、それらの異性体又は対応する水和物若しくは溶媒和物若しくは医薬的に許容できる塩0.005〜20%、
− 1種以上の油0〜50%、
− 1種以上の両親媒性化合物0.01〜50%、
− 添加剤0〜50%、
− 任意に緩衝されていてもよい水又は生理食塩水溶液0.01〜99.9%、
エマルジョンの成分の合計は100重量%である。
【0097】
エマルジョンは、例えば、タービン乳化装置(turboemulsifiers)又は高圧ホモジナイザーにより製造できる。
【0098】
本発明のエマルジョンは、以下のステップを含む方法により製造できる:
(IP”)任意に、式(I)の化合物を、任意に添加剤の存在下で1種以上の油中に可溶化し、
(IIP”)式(I)の化合物又は任意のステップ(IP”)で得られた油状溶液を、35℃〜80℃、より好ましくは45℃〜70℃の範囲の温度に加熱し、
(IIIP”)1種以上の両親媒性化合物を、任意に添加剤を含む水又は生理食塩水溶液に加え、
(IVP”)ステップ(IIIP”)の水相を、35℃〜80℃、より好ましくは45℃〜70℃の範囲の温度に加熱し、
(VP”)ステップ(IIP”)で得られた液相を撹拌下に、ステップ(IVP”)で得られた水相に加えてエマルジョンを得て、
(VIP”)エマルジョンを0℃〜30℃の間の温度に冷却する。
【0099】
ステップ(VP”)は、好ましくは、タービン乳化装置を用いることにより行われる。
ステップ(VP”)及び(IVP”)で得られたエマルジョンは、高圧でのさらなるホモジナイズステップに任意に供することができる。
【0100】
エマルジョンは、式(I)の化合物を含有するマイクロエマルジョンを、水又は水溶液又は1種以上の油で希釈することによっても製造できる。任意に、本発明の方法において用いられる水、水溶液、1種以上の油は、添加剤を含有できる。
【0101】
式(I)の化合物、その異性体又は対応する水和物若しくは溶媒和物若しくは医薬的に許容できる塩を含むその他の医薬製剤は、脂質、タンパク質又は医薬的に許容できるポリマーのマイクロ粒子及び/又はナノ粒子で形成されるものであり、ここで、脂質、タンパク質又はポリマーに対して0.01〜60重量%の濃度の式(I)の化合物が、粒子の内部及び/又は表面上に組み込まれる。
【0102】
脂質粒子の場合、例えば40℃より高い、より好ましくは50℃より高い融点を有する脂肪酸又はそのエステルに基づくものを挙げることができる。例えば、脂肪酸のトリグリセリド、例えばトリパルミチン及びラノリンを挙げることができる。40℃より高い融点を有する脂肪酸又は脂肪酸エステルと、室温(20〜25℃)にて液体の油との混合物でも粒子を形成できる。上記の油の例は、中鎖トリグリセリド、例えば植物油、Sasolにより市販される登録商標Miglyol812及びMiglyol810である。或いは、これらの粒子は、例えば中鎖トリグリセリド、例えば植物油、登録商標Miglyol812及びMiglyol810で形成される液状脂質のコアが球状になった大豆レシチンの表面相で形成することができる。
【0103】
ポリマー粒子の場合、例えば:
天然ポリマー、例えばタンパク質、アルブミン、キトサン及びデキストランのような多糖類、
合成ポリマー類、例えばポリオルガノホスファゼン類、ポリ酸無水物類、ポリアミド類、ポリオルトエステル類、ポリアルキルシアノアクリレート類、ポリラクテート(PLA)及びポリラクテート/ポリグリコレートコポリマー(PLA/PLGA)のようなポリエステル類
で形成されるものを挙げることができる。
【0104】
式(I)の化合物を含有する粒子は、血液脳脊髄関門のような生理的な境界をより容易に通過するため、及び/又は式(I)の化合物の血管系におけるより長い滞留時間を達成するために、任意に表面修飾されることができる。粒子表面の修飾は、1種以上の表面修飾剤の化学的/物理的吸着、及び1種以上の特異的修飾剤を用いるポリマーの化学的官能化の両方により行うことができる。後者の場合、修飾剤は、通常、粒子に共有結合により結合する。例えば、E. Garciaら、"Colloidal carriers and blood-brain barrier (BBB) translocation; A way to deliver drugs to the brain"、Int. J. of Pharmaceutics 298 (2005), 274〜292を参照されたい。
【0105】
修飾剤としては、例えば:
ポリオキシエチレン又はPEG化された(PEGベース)鎖を含む化合物、例えばTween80、例えばJ. Kreuter, "Nanoparticulate systems for brain delivery of drugs"、Advanced Drug Delivery Reviews、47、2001、65〜81、M.T. Peracchiaら、"Synthesis of a Novel Poly(MePEG cyanoacrylate-co-alkyl cyanoacrylate) amphiphilic copolymer for nanoparticle technology"、Macromolecules、30、1997、846〜851を参照;
タンパク質、例えば血漿タンパク質、例えばアポリポタンパク質を挙げることができる、米国特許出願第2004/0131692号を参照;
抗体;
生理的境界のレベルで発現されている特定の受容体により認識される化合物、例えばペプチド化合物、タンパク質、ペプチドとは構造が異なる合成又は天然の化合物。例えばL. Costantinoら、"Peptide-derivatized biodegradable nanoparticles able to cross the blood-brain barrier"、Journal of Controlled Release、108、2005、84〜96、B. Stellaら、"Design of folic acid-coniugated nanoparticles for drug targeting"、J. of Pharmaceutical Sciences 89 11, Nov. 2000 1452〜1464を参照;
を挙げることができる。
【0106】
粒子表面の修飾剤は、例えば、M.T. Peracchiaら、"Synthesis of a Novel Poly(MePEG cyanoacrylate-co-alkyl cyanoacrylate) amphiphilic copolymer for nanoparticle technology"、Macromolecules、30、1997、846〜851に記載されるようなポリ(MePEGシアノアクリレート−co−アルキルシアノアクリレート)粒子のPEG鎖の場合のように、ポリマーの主構造と直接結合できる。
【0107】
粒子の表面修飾剤は、直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和又は不飽和のアルキル鎖、および/または芳香族及び/又はポリオキシエチレンの鎖を含む主構造を有するリンカーによりポリマーと共有結合することもできる。リンカー−ポリマー及びリンカー−表面修飾剤の結合は、直接C−C結合及びエーテル、アミド、エステル、ウレタン、ペプチド、ウレア基のような官能基により形成される結合の両方であり得る。
【0108】
上記の両親媒性化合物は、以下のクラスから選択される:
− 任意にフッ素原子を含有する非イオン、アニオン、カチオン及び両性の界面活性剤から選択される界面活性剤、
− それらが可溶化される液体中で凝集体、ミセル又は小胞のような組織化された構造を形成するポリマー。
【0109】
好ましい界面活性剤は、非イオン及びアニオンの界面活性剤である。非イオン界面活性剤の中で最も好ましいのは、ポリオキシアルキレン鎖、好ましくはポリオキシエチレン鎖を含有する界面活性剤である。例えば、以下のものを挙げることができる:
例えば、登録商標Cremophor EL(BASF)で知られ、ひまし油をエトキシル化することによって製造されるポリオキシル35ひまし油;
例えば、登録商標Cremophor RH40(BASF)で知られ、硬化ひまし油をエトキシル化することによって製造されるポリオキシル40硬化ひまし油;
例えば、登録商標Solutol HS15(BASF)で知られ、酸化エチレン15モルと12−ヒドロキシステアリン酸1モルを反応させて製造されるポリエチレングリコール15ヒドロキシステアレート;
登録商標Tween80、Tween20、Tween60、Tween85などのポリオキシエチレンポリソルベート;
例えば、それぞれ登録商標Span20及びSpan60で市販されているソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノステアレートのような脂肪酸のソルビタンエステル類;
ビタミンE/TPGS:トコフェリルプロピレングリコール1000スクシネート;
登録商標Brijシリーズの登録商標Brij35、Brij76、Brij98のような脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル類;
PEG−12−アシルオキシ−ステアレート類(例えば、C.E.McNameeら , “Physicochemical Characterization of PEG 1500-12-acyloxy-stearate micelles and liquid crystalline phases", Langmuir, 2005, 21, 8146〜8154参照)、脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル類のなかでも、例えば、
PEG1500モノ−12−カプリロイルオキシステアレート(PEG1500−C188)、
PEG1500モノ−12−カプロイルオキシステアレート(PEG1500−C1810)、
PEG1500モノ−12−ラウロイルオキシステアレート(PEG1500−C1812)、
PEG1500モノ−12−ミリストイルオキシステアレート(PEG1500−C1814)、
PEG1500モノ−12−パルミトイルオキシステアレート(PEG1500−C1816
が挙げられる。
【0110】
アニオン界面活性剤としては、例えば登録商標Epikuron200によって知られている大豆レシチン、ビス−2−エチルヘキシルスルホスクシネート(AOT)、タウロコール酸ナトリウムを挙げることができる。
【0111】
カチオン界面活性剤としては、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)及びジドデシルアンモニウムブロミド(DDAB)を挙げることができる。
【0112】
両親媒性化合物して使用できるポリマーは、水相及び/又は油性相に可溶性でなければならない。可溶性のポリマーとは、このポリマーが、可溶化される相において、凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織化された構造を形成させるのに少なくとも等しい濃度に到達するはずであることを意味する。この組織化された構造の存在は、分散系の物理化学の特定の技術で検出できる。例えば、レーザ光散乱法(LLS)、中性子散乱法、顕微鏡法を挙げることができる。
【0113】
ポリマーは、上記界面活性剤と組み合わせて使用することもできる。またこの場合、用いられる液相中に可溶化されるポリマーの濃度は、上記組織化された構造を形成するような濃度でなければならない。
【0114】
ポリマーは、例えばポリビニルピロリドン、及び登録商標KollidonでKollidon12PFやKollidon17PF(BASF)として市販されているビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー類、並びにポリオキシアルキレン鎖、より好ましくはポリオキシエチレン鎖(PEO)を含有するブロックコポリマー類、例えばPEO−PPO−PEO構造を特徴とするPEOとポリオキシプロピレン鎖(PPO)のブロックコポリマー類(例えば、登録商標Pluronic若しくはPoloxamerで市販されているもの、又は登録商標LutrolでLutrolF68及びLutrolF127としてBASFが市販しているもの)である。
【0115】
エマルジョンを製造するため又は粒子中の脂質として用いることができる油は、以下のクラスの医薬的に許容できる塩から選択される:
− 1つ以上のエチレン型の不飽和結合を任意に有していてもよいC4〜C32の酸のエステル、
− 1つ以上のエチレン型の不飽和結合を任意に有していてもよいC4〜C32の酸(これは、最終組成物のpHが、その酸が対応する塩に転化されないようなpHであるときに用いられる)。
【0116】
酸エステルは、対応する酸、好ましくは脂肪族カルボン酸、より好ましくは脂肪酸を、好ましくはC1〜C5の脂肪族鎖若しくはポリオキシエチレン鎖を有するアルコール、又はグリセリンを用いてエステル化することによって好ましくは得られる。この場合、モノ−、ジ−又はトリ−グリセリドが得られる。
【0117】
例えば、以下のものを挙げることができる:
例えば登録商標Labrafil 1944 CS(Gattefosse)で市販されているオレオイルマクロゴール6グリセリド(不飽和ポリグリコシル化グリセリド)、
例えば、登録商標Labrafac PG(Gattefosse)によって知られているプロピレングリコールカプリレートカプレート、
例えば、登録商標Capmul PG−8(Abitec)で市販されているカプリル酸のプロピレングリコールモノエステル、
グリセリンオレエート(例えば、登録商標Peceol(Gattefosse))、
中鎖モノ−及びジ−グリセリド、例えばカプリン酸及びカプリル酸のグリセリド類(例えば、登録商標Capmul MCM(Abitec)、登録商標Imwitor 308(Sasol))、
ポリグリセロールオレエート(例えば、登録商標Pluro oleic(Gattefosse))、
カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド類(例えば、登録商標Miglyol812及びMiglyol810(Sasol)、登録商標Labrafac CC CS(Gattefosse))、
酪酸エチル、カプリル酸エチル、オレイン酸エチル、
例えば登録商標DYNASAN116でSasolが市販しているトリパルミチン。
【0118】
一種又は二種以上の上記エステル類を含有する医薬用の純度を有する植物油も利用できる。例えば大豆油を挙げることができる。
【0119】
4〜C32の酸は、好ましくは脂肪族カルボン酸、より好ましくは脂肪酸である。
脂肪酸としては、ステアリン酸を挙げることができる。
【0120】
エマルジョンの添加剤としては、以下のクラスから1種以上の化合物を選択できる:
水及び/又は油の極性の調整剤、
成分S)のフィルム曲率の調整剤、
補助界面活性剤(co-surfactants)。
【0121】
水及び/又は油の極性の調整剤として、例えば、ポリエチレングリコール類を挙げることができる。登録商標Lutrol E300及びLutrol E400(BASF)を挙げることができる。脂肪族アルコール類、例えばエタノールも使用できる。
【0122】
成分S)のフィルム曲率の調整剤は、例えば好ましくはC2〜C5の脂肪族アルコール類である。
【0123】
補助界面活性剤は、例えば上記界面活性剤の化合物、又は好ましくは少なくとも6個の炭素原子を含む鎖を有する脂肪族アルコール類である。これらのものとしては例えば以下のものを挙げることができる:
例えば登録商標Capmul PG12(Gattefosse)又は登録商標Lauroglycol90(Gattefosse)で知られているプロピレングリコールモノラウレート、
例えば登録商標Labrasol、Gelucire44−14(Gattefosse)で市販されているカプリロカプロイルマクロゴール8グリセリド(飽和エチルジグリコシル化グリセリド)、
例えば登録商標Transcutol(Gattefosse)で知られているジエチレングリコールモノエチルエーテル。
【0124】
本発明のさらに別の目的は、CB1及び/又はCB2カンナビノイドの受容体が関連する疾患及び障害を哺乳類及びヒトにおいて予防及び治療するための本発明の医薬組成物の使用である。
【0125】
本発明の医薬組成物を用いて治療できる疾患及び障害は、以下のとおりである:免疫系細胞が関与する疾患若しくは免疫障害、骨粗しょう症、腎虚血、炎症性症状、疼痛、術後の疼痛、神経因性疼痛、眼の疾患、喘息及び慢性気管支炎のような肺の疾患、関節炎のような炎症、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎のようなアレルギー及びアレルギー反応、不安、行動異常、譫妄症状、一般的な精神病性障害、統合失調症、うつ病、乱用及び/又は依存性の物質の使用(例えばアルコール中毒症及びニコチン中毒症)の治療、特に化学療法を受けている患者の、嘔吐、悪心、めまい、神経障害、片頭痛、ストレス、心身症由来の疾患、癲癇、トゥーレット症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、老人性認知症、認知障害と記憶喪失、食物摂取に関連する病変(肥満、大食症)、胃腸管及び膀胱の病変、心血管性疾患、泌尿器、勃起性及び生殖能の障害、神経炎症の症状例えば多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、ウイルス性脳炎、筋萎縮性側索硬化症、脱ミネラル化(demineralization)に付随する症候群、骨粗しょう症。
【0126】
本発明の化合物及び医薬組成物は、メタボリックシンドローム及び/又は脂質異常症の患者並びに2型糖尿病の患者の代謝及び/又は心血管性のリスクファクターの治療に用いることもできる。
【0127】
式(I)で表される化合物及びその医薬組成物は、眼の炎症症状、眼の自己免疫疾患、ブドウ膜炎、ブドウ膜網膜炎及び網膜神経変性を治療するのにも使用できる。
【0128】
末梢レベルで活性を得るため、特に眼圧を低下させるため、CB1カンナビノイド作動性受容体に対して親和性を有するアゴニスト化合物が使用される。この使用のための式(I)で表される本発明の好ましい化合物は、Kiで示される、CB1カンナビノイド作動性受容体に対する親和性の値が200nMより低い、好ましくは100nMより低い化合物である。
【0129】
各種の病変を治療するための本発明の医薬組成物の使用は、前記治療に採用される公知の方法を利用することによって実行できる。
【0130】
特に、本発明の組成物の投与は、有効成分の量が特定の治療に対して有効であるように行なわれる。投与量、投与経路及び薬量は、疾患の病型、疾患の重篤度、患者の身体の状態と特性、例えば年齢、体重、有効成分に対する応答、前記特定の治療に対する有効成分の薬物動態学及び毒理学によって決定される。
【0131】
好ましい1日当たりの投与量は、治療すべき哺乳類の体重1kg当たり、式(I)の化合物0.01〜1,000mgである。ヒトの場合、好ましい1日当たりの投与量の範囲は、体重1kg当たり化合物0.1〜1,000mgの化合物であり、さらにより好ましくは1〜800mgである。
【0132】
本発明は、さらに、CB1及び/又はCB2カンナビノイドの受容体が関連している疾患及び障害の哺乳類及びヒトを治療するための薬剤を製造するための、式(I)で表される化合物又はその異性体又は水和物又は溶媒和物又はそれらの医薬的に許容できる塩に関する。
【0133】
したがって、上記の化合物は、式(I)の化合物を含有する本発明の医薬組成物が用いられる同じ上記の疾患及び障害を治療するのに使用できる。
【0134】
本発明の別の目的は、式(I)で表される化合物の薬剤としての使用、及び特に上記疾患及び障害を治療するための使用に関する。
【0135】
放射性同位元素を含有する式(I)で表される化合物及びその医薬製剤は、哺乳類又はヒトのCB1及び/又はCB2カンナビノイドの受容体を同定及び標識化するのに使用できる。
【0136】
さらに、ヒドロキシル基を含有する式(I)で表される化合物は、リガンドを得るために使用できる。リガンドは、対応する活性部位の同定においてCB1及び/又はCB2カンナビノイド受容体を分離、精製及び特性決定するのに用いられる免疫化学的方法により検出可能である。
【実施例】
【0137】
下記実施例は、本発明をよりよく理解するために報告するものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0138】
実施例1.1
エチル 9−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化25】

【0139】
1.1a エチル α−(8−クロロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−2−イル)−α−オキソ−アセテートの製造
金属ナトリウム0.59g(25.68mmol)を、無水エタノール15mlに、撹拌下に加えて完全に可溶化させた。ジエチルオキシレート(diethyloxylate)1.88g(12.84mmol)と、8−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプタン−1−オン(2.50g、12.84mmolに相当)の無水エタノール(40ml)中の溶液を、先に調製した溶液に加えた。その反応混合物を撹拌下に室温に5時間保持し、次いで氷と1N HClの混合物中に注いで、白色沈殿を得た。その沈殿を濾過し、水洗し次いで風乾した。化合物α−(8−クロロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−2−イル)−α−オキソ−エチルアセテート(化合物1.1a)に相当する生成物3.67g(97%収率)を得た。
【化26】

【0140】
1.1b エチル 9−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
化合物1.1a(3.39mmolに相当する1.0g)及び2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(3.90mmolに相当する0.83g)の混合物を、氷酢酸8ml中で、還流しながら8時間加熱し、次いで室温で放冷した。沈殿が生成し、その沈殿を濾過し水洗し風乾して、9−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−エチルカルボキシレート(化合物1.1b)0.99g(68%収率)を得た。
【化27】

【0141】
実施例1.2
エチル 9−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化28】

【0142】
化合物1.1bの製造について記載したのと同じ手順を繰り返したが、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩の代わりに4−メチルベンジルヒドラジン塩酸塩(3.90mmol)を使用した。濾過した後、洗浄と乾燥を行い固体を回収し、化合物:エチル 9−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートとして同定した。収率:69%。
【化29】

【0143】
実施例1.3
エチル 8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化30】

【0144】
1.3a エチル α−(7−クロロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−2−イル)−α−オキソ−アセテートの製造
実施例1.1aに記載したのと同じ手順を繰り返したが、化合物:8−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプタン−1−オンの代わりに7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプタン−1−オン(12.84mmol)を使用した。化合物:エチル α−(7−クロロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−2−イル)−α−オキソ−アセテート(化合物1.3a)を収率82%で得た。
【化31】

【0145】
1.3b エチル 8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.1bに記載したのと同じ手順を繰り返したが、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(3.90mmol)と反応させた化合物は、化合物1.3a(3.39mmol)であった。化合物:エチル 8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートを収率68%で得た。
【化32】

【0146】
実施例1.4
エチル 8−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化33】

【0147】
実施例1.1bに記載したのと同じ手順を繰り返したが、4−メチルベンジルヒドラジン塩酸塩(3.90mmol)と反応させた化合物は、化合物1.3a(3.39mmol)であった。化合物:エチル 8−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートを収率73%で得た。
【化34】

【0148】
実施例1.5
エチル 8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロベンゾ−1H−6オキサ−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化35】

【0149】
1.5a 4−(3−クロロフェノキシ)酪酸の製造
1等量のNaOH(フレーク)を1等量の3−クロロフェノール中に分散させ、得られた分散液を、前記塩基が完全に溶解するまで170℃で加熱した。その溶液に、1.4等量のγ−ブチロラクトンを滴下して加え、次いでその反応混合物を170℃で5時間維持した。次いでその反応混合物を氷中に注いで、次に6N HClで酸性にした。反応生成物をCHCl3で抽出し、Na2SO4で脱水し次いで減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィ(オイルリグロイン/酢酸エチル 4:1 v/v)で精製した。4−(3−クロロフェノキシ)酪酸(黄色固体)を47%の収率で得た。
【化36】

【0150】
1.5b 化合物:8−クロロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾシクロヘプタン−5−オンの製造
実施例1.5aで得た4−(3−クロロフェノキシ)酪酸27.96mmolを、ポリリン酸48gに加え、得られた混合物を撹拌下に90℃で2時間維持し次いで氷中に注いだ。その反応混合物をCH2Cl2で抽出し、生成した有機層を、Na2CO3の10%水溶液で洗浄し、Na2SO4で脱水し次いで減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィ(オイルリグロイン/酢酸エチル 9:1 v/v)で精製した。化合物:8−クロロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾシクロヘプタン−5−オンをオレンジ色の油状物として46%の収率で得た。
【化37】

【0151】
1.5c ジケトエステル エチル γ−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾシクロヘプタン−2−イル)−α−オキソアセテートの製造
金属ナトリウム2等量を、無水エタノール5mlに加えた。得られた分散液を、ナトリウムの反応が完了するまで、撹拌下に室温に維持した。シュウ酸エチル1等量及び実施例1.5bで得たケトン化合物(1等量)の無水エタノール溶液30mlを、先に調製した溶液に加えた。その反応混合物を撹拌下に、室温に1.5時間保持し、次いで氷と2N HClの混合物に注いだ。得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を回収し、水洗し、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(オイルリグロイン/酢酸エチル 4:1 v/v)で精製した。次いで、化合物:エチル γ−(7−クロロ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾシクロヘプタン−2−イル)−α−オキソアセテートを90%の収率で分離した。
【化38】

【0152】
1.5d 化合物:エチル 8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロベンゾ−1H−6オキサ−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
エタノール50ml中の、実施例1.5cで得たジケトエステル1等量及び2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩1.1等量を、還流しながら90分間加熱した。次に、その反応溶媒を減圧下に除き、次いで、得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィ(オイルリグロイン/酢酸エチル 9:1)で精製した。化合物:エチル 8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロベンゾ−1H−6オキサ−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートを、オレンジ色の固体として得た(収率47.5%)。
【化39】

【0153】
実施例1.6
エチル 7−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化40】

【0154】
1.6a エチル 2−(6−クロロ−5−メチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−オキソアセテートの製造
金属ナトリウムの小片(0.17g、7.5mmol)を無水エタノール(3.5ml)中に加え、次いで、その混合物を、完全に溶解するまで撹拌し続けた。このアルコール溶液に、シュウ酸ジエチル(0.51ml、3.75mmol)を加え、次いで、6−クロロ−5−メチルインダン−1−オン(12.21mmol)の無水エタノール(27ml)溶液を滴下した。その反応混合物を室温で9時間撹拌した。その液相を、氷と1N HClの混合物に注ぐことによって反応を停止させ続いてクロロホルムで抽出した(3回15mlずつ)。抽出物を合して水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下に蒸発させた。化合物:エチル 2−(6−クロロ−5−メチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−オキソアセテートを分析級純度のオレンジ色油状物として分離した(収率96%)。
【化41】

【0155】
1.6b エチル 7−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
エチルアルコール(21ml)中、化合物1.6a(0.9g、3.05mmol)と2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(0.72g、3.38mmol)の混合物を還流温度で8時間撹拌した。次いで溶媒を減圧下に除き次に粗製エステルを分離した。前記化合物を、溶離溶媒(石油エーテル/酢酸エチル 8.5/1.5 v/v)のシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィで精製して、化合物:エチル7−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートを黄色固体として得た(収率99%)。
【化42】

【0156】
実施例1.7
エチル 7−クロロ−6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化43】

【0157】
実施例1.6bに記載したのと同じ手順を繰り返したが、化合物1.6aを、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩の代わりに4−メチルベンジルヒドラジン塩酸塩と反応させた。収率95%。
【化44】

【0158】
実施例1.8
エチル 6−クロロ−7−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化45】

【0159】
1.8a エチル 2−(5−クロロ−6−メチル−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−2−オキソアセテートの製造
実施例1.6aに記載したのと同じ手順を繰り返したが、最初に調製したアルコール溶液に、6−クロロ−5−メチルインダン−1−オンの代わりに5−クロロ−6−メチルインダン−1−オン(8.99mmol)を滴下した。収率87%。
【化46】

【0160】
1.8bエチル 6−クロロ−7−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.6bに記載したのと同じ手順を繰り返したが、化合物1.8aを、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩の代わりに4−メチルベンジルヒドラジン塩酸塩と反応させた。収率88%。
【化47】

【0161】
実施例1.9
1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸のエチルエステルの製造
【化48】

【0162】
1.9a 6−メチルベンゾフラン−3(2H)−オンの製造
【化49】

L.C.Kingら J.Org. Chem. 29 (1964) 3459〜3461に記載の合成法に従って、酢酸エチル中、1−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−エタノンをCuBr2と77℃で反応させて1−ブロモ−2−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)アセトフェノンを得た。
【0163】
1−ブロモ−2−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)アセトフェノン(1.0g,4.36mmol)と酢酸ナトリウム(0.36g,4.38mmol)の無水エタノール(10ml)溶液を、撹拌下に15時間還流させた。得られた混合物を水中に注ぎ、次いでジクロロメタンで抽出した(3回×10ml)。有機相をNa2SO4で乾燥し、次いで減圧下に濃縮して油状物を得てそれをフラッシュクロマトグラフィ(オイルエーテル/エチルエーテル9/1 v/v シリカゲル上)で精製した。6−メチルベンゾフラン−3(2H)−オンに相当する黄色の固体0.25g(収率38%)を回収した。
【0164】
1.9b エチル 2−(3−ヒドロキシ−6−メチルベンゾフラン−2−イル)−2−オキソアセテートの製造
【化50】

【0165】
金属ナトリウム(0.13g、2.24mmol)の小片を無水エタノール(3ml)中に加えた。その懸濁液を、ナトリウムが完全に可溶化するまで、還流し続けた。このようにして得た溶液に、シュウ酸ジエチル(0.80ml;5.87mmol)を加え、続いて、1−ブロモ−2−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)アセトフェノン(0.39g,2.63mmol)の無水エタノール(30ml)溶液を滴下した。その反応混合物を、撹拌下に、室温で20時間保持し、次いで氷と1N HClの混合物中に注いだ。その水溶液をクロロホルムで抽出した(3回×20ml)。有機相をNa2SO4で乾燥し、次いで減圧下に濃縮して油状物を得て、これをオイルエーテル/エチルエーテルで研和した。上記化合物0.47g(収率73%)を黄色固体の形態で回収した。
【化51】

【0166】
1.9c (Z)−エチル2−(2−(2,4−ジクロロフェニル)−ヒドラゾン)−2−(3−ヒドロキシ−6−メチルベンゾフラン−2−イル)アセテートの製造
【化52】

【0167】
実施例1.9bで得た化合物(1.07g,4.31mmol)及び2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(1.20g,5.60mmol)の無水エタノール(1.15ml)溶液を調製した。この溶液を還流温度で1.5時間反応させ、次いで室温まで放冷して氷に注いだ。生成した沈殿を減圧濾過し、次いで風乾して、(Z)−エチル2−(2−(2,4−ジクロロフェニル)−ヒドラゾン)−2−(3−ヒドロキシ−6−メチルベンゾフラン−2−イル)アセテートに相当する固体残留物1.37g(収率78%)を得た。
【化53】

【0168】
1.9d 1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸のエチルエステルの製造
実施例1.9cで調製した化合物(0.5g,1.23mmol)のトルエン(6ml)溶液に、触媒量のp−トルエンスルホン酸(0.023g,0.123mmol)を加えた。得られた混合物を、還流温度で30時間反応させ、次いで溶媒を減圧下に除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(オイルエーテル/エチルエーテル 8/2 v/v シリカゲル上)で精製した。1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸のエチルエステルに相当する黄色固体0.25g(52%収率)を回収した。
【化54】

【0169】
実施例2.1
9−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化55】

【0170】
実施例1.1bで得たエステル1.00g(2.29mmol)を、15mlのEtOH/H2O 1:1(v/v)に可溶化した。得られた溶液に、固体のKOH 1.67g(29.77mmol)を加えた。その反応混合物を撹拌下に還流温度で4時間保持し、次いで氷と1N HClの混合物中に注いだ。このようにして得た白色沈殿を、濾過し、水洗し、風乾して、9−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸(化合物2.1)0.91gを得た。収率98%。
【化56】

【0171】
実施例2.2
9−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化57】

【0172】
実施例2.1に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例1.1で得たエステルの代わりに実施例1.2の化合物を使用した。9−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を94%の収率で得た。
【化58】

【0173】
実施例2.3
8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化59】

【0174】
実施例2.1に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例1.1で得たエステルの代わりに実施例1.3の化合物を使用した。このようにして8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を収率94%で得た。
【化60】

【0175】
実施例2.4
8−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化61】

【0176】
実施例2.1に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例1.1で得たエステルの代わりに実施例1.4の化合物を使用した。このようにして8−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を収率93%で得た。
【化62】

【0177】
実施例2.5
8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロベンゾ−1H−6オキサ−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化63】

【0178】
実施例1.5で得たエステルの1当量に等しい量を、10mlのCH3OHに分散させた。この分散液に、2等量の水酸化カリウムを含有するCH3OH 7mlを加えた。このように調製したメタノール溶液を、12時間、還流させ続け、次に氷と1N HClの混合物に注いだ。このようにして黄色の沈殿を得て、これを濾過し、水洗し、次いで窒素流下で乾燥した。化合物:8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロベンゾ−1H−6オキサ−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を91.2%の収率で分離した。
【化64】

【0179】
実施例2.6
7−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化65】

【0180】
メタノール(12ml)中、エチルエステル1.6(0.64g,1.47mmol)とKOH(0.17g、2.94mmol)の混合物を、12時間還流した。前記時間を経過して溶液が生成し、次にその溶液を室温まで放冷し、次いで氷と1N HClの混合物に注いだ。沈殿を分離し、濾過し、水洗し、次に減圧乾燥した。化合物:7−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を白色固体として得た。収率98%。
【化66】

【0181】
実施例2.7
7−クロロ−6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化67】

【0182】
実施例2.6と同じ手順を繰り返して、実施例1.7のエチルエステル化合物を対応する酸に転化させた。化合物:7−クロロ−6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を得た(収率96%)。
【化68】

【0183】
実施例2.8
6−クロロ−7−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化69】

【0184】
実施例2.6と同じ手順を繰り返して、実施例1.8のエチルエステルを対応する酸に転化させた。化合物:6−クロロ−7−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を分離した(収率85%)。
【化70】

【0185】
実施例2.9
1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ−[3,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化71】

【0186】
実施例1.9で得た化合物(0.17g,0.44mmol)と水酸化カリウム(0.32g,5.7mmol)を、エタノール/水 1/1(v/v)溶液(5.6ml)中で、還流温度にて、4時間反応させた。その反応させた混合物を室温まで放冷し次に氷と1N HClの混合物中に注いだ。沈殿が生成し、それを減圧下で濾過し水洗し次いで風乾した。1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ−[3,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸に相当する固体残留物を、定量的収率で得た。
【化72】

【0187】
実施例3.1
N−ミルタニル−9−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化73】

【0188】
実施例2.1で得た酸0.70g(1.72mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.2等量)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(1.2等量)を、6mlのCH2Cl2に加えた。得られた混合物を、撹拌下に1時間室温に保持した。その混合物に、(‐)−シス−ミルタニルアミン(2等量)のCH2Cl2(6ml)溶液を、滴下した。得られた反応混合物を、撹拌下に14時間室温に保持し、次いで減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(オイルリグロイン/AcOEt 8.5:1.5 v/v)で精製して、化合物:N−ミルタニル−9−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを収率87%で得た。
【化74】

【0189】
実施例3.2
N−ミルタニル−9−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化75】

【0190】
実施例3.1に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.1で得た酸の代わりに実施例2.2で得た化合物を使用した。その反応を完了させて、化合物:N−ミルタニル−9−クロロ−1−(4’−メチルベンジル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを60%の収率で得た。
【化76】

【0191】
実施例3.3
N−ミルタニル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロベンゾ−1H−6オキサ−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化77】

【0192】
1等量に等しい量の実施例2.5で得た酸、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.2等量)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(1.2等量)を、2mlのCH2Cl2に加えた。得られた混合物を、撹拌下に、室温に、30分間保持した。次いでその混合物に、(‐)−シス−ミルタニルアミン(2等量)のCH2Cl2(2ml)溶液を滴下した。得られた反応混合物を、撹拌下に10時間室温に保持し、次いで減圧下に濃縮した。濃縮して得た残留物をフラッシュクロマトグラフィ(オイルリグロイン/AcOEt 9:1 v/v)で精製して、化合物:N−ミルタニル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロベンゾ−1H−6オキサ−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(白色固体)を収率90%で得た。
【化78】

【0193】
実施例3.4
N−ミルタニル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化79】

【0194】
実施例3.1に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.1で得た酸の代わりに実施例2.3で得た化合物を使用した。その反応を完了させて、化合物:N−ミルタニル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを81%の収率で得た。
【化80】

【0195】
実施例3.5
N−シクロヘキシルメチル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化81】

【0196】
実施例2.3のカルボン酸化合物(0.2g,0.49mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.2等量)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(1.2等量)のCH2Cl2(5ml)中混合物を、室温で1時間撹拌した。次いで、シクロヘキシルメチルアミン(2等量)のCH2Cl2(3ml)溶液を、滴下して加え、得られた反応混合物を、室温で14時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル 9:1 v/v)で精製して、化合物:N−シクロヘキシルメチル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミド0.11g(44%収率)を白色固体として得た。
【化82】

【0197】
実施例3.6
N−(1−アダマンチルメチル)−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化83】

【0198】
実施例3.5に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.3のカルボン酸を、シクロヘキシルメチルアミンの代わりに1−アダマンチルメチルアミンと反応させた。収率59%。
【化84】

【0199】
実施例3.7
N−テトラヒドロフルフリル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化85】

実施例3.5に記載したのと同じ手順を繰り返したが、シクロヘキシルメチルアミンの代わりにテトラヒドロフルフリルアミンを使用した。収率54%。
【化86】

【0200】
実施例3.8
N−ミルタニル−7−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化87】

実施例3.5と同じ手順に従ったが、第1反応合成に、実施例2.3のカルボン酸化合物の代わりに実施例2.6のカルボン酸化合物を使用し、シクロヘキシルメチルアミンの代わりに(‐)−シス−ミルタニルアミンを滴下した。収率78%。
【化88】

【0201】
実施例3.9
N−(1−シクロヘキシルエチル)−7−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化89】

実施例3.8と同じ手順を繰り返したが、(‐)−シス−ミルタニルアミンの代わりにR−(‐)−1−シクロヘキシルエチルアミンを含有する溶液を、反応混合物に滴下した。収率20%。
【化90】

【0202】
実施例3.10
N−(1−アダマンチルメチル)−7−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化91】

実施例3.8と同じ手順を繰り返したが、(‐)−シス−ミルタニルアミンの代わりに1−アダマンチルメチルアミンを含有する溶液を、反応混合物に滴下した。収率58%。
【化92】

【0203】
実施例3.11
N−ミルタニル−7−クロロ−6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化93】

実施例3.5と同じ手順を繰り返したが、実施例2.3で調製したカルボン酸の代わりに実施例2.7で調製したカルボン酸を反応させ、反応混合物に、シクロヘキシルメチルアミンの代わりに(‐)−シス−ミルタニルアミンを含有する溶液を滴下した。収率50%。
【化94】

【0204】
実施例3.12
N−ミルタニル−6−クロロ−7−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化95】

実施例3.5と同じ手順を繰り返したが、実施例2.3で調製したカルボン酸の代わりに実施例2.8で調製したカルボン酸を反応させ、反応混合物に、シクロヘキシルメチルアミンの代わりに(‐)−シス−ミルタニルアミンを含有する溶液を滴下した。収率68%。
【化96】

【0205】
実施例3.13
8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−3−(1−オキソ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ−[6,7]−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾールの製造
【化97】

【0206】
3.13a N−メトキシ−N−メチル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ−[6,7]−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化98】

【0207】
トリメチルアルミニウム(この化合物の2Mヘキサン溶液0.92ml、1.84mmol)を、ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.18g,1.84mmol)のCH2Cl2(3ml)中の懸濁液(0℃)に滴下した。その反応混合物を、0℃で45分間、次に室温で40分間撹拌した。この時間の後、透明な溶液が得られた。この溶液に、撹拌下に、実施例1.3で得た化合物(0.4g,0.92mmol)のCH2Cl2(2ml)溶液を滴下した。室温で撹拌をさらに4時間続けた。その反応混合物を0℃に冷却し、次に10%HClを、注意深く滴下した。その混合物をCH2Cl2で抽出し、水、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで濾過した。溶媒を減圧下に蒸発させたのち分離した残留物をフラッシュクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル7/3 v/v)で精製して、化合物:N−メトキシ−N−メチル−8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ−[6,7]−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミド0.33gを白色固体として得た(収率80%)。
【化99】

【0208】
実施例3.13b
8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−3−(1−オキソ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ−[6,7]−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾールの製造
0.5M臭化シクロヘキシルメチルマグネシウムのTHF溶液3.86mlを、実施例3.13aで得た化合物0.29g(0.64mmol)を含むTHF溶液6mlに、窒素雰囲気下、0℃で滴下した。その反応混合物の温度を、室温までゆっくりと上昇させ、この温度で24時間撹拌した。この時間が経過後、混合物の温度を0℃まで低下させた。予め0℃に調整した飽和NH4Cl水溶液15mlを滴下した。その反応混合物の温度を室温までゆっくり上昇させ次いで酢酸エチル(15ml)で希釈した。その結果、水相と有機相が分離した。その水相を、酢酸エチル(3回×10ml)で抽出し、次いで合わせた有機層を水洗し、乾燥し(Na2SO4)、次に濾過した。溶媒を減圧下に蒸発させた後、残留物を回収し、それを、フラッシュクロマトグラフィ(石油エーテル/ジエチルエーテル 9/1 v/v)で精製した。化合物:8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−3−(1−オキソ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ−[6,7]−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール80mg(収率26%)を白色固体として得た。
【化100】

【0209】
実施例3.14
8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−3−(1−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ−[6,7]−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾールの製造
【化101】

【0210】
実施例3.13で製造したケト化合物(60mg,0.12mmol)をメチルアルコール(3ml)に懸濁させて得た懸濁液に、水素化ホウ素ナトリウム(10mg,0.25mmol)を加えた。その混合物を、室温で2時間撹拌し、次にCH3Clで希釈し次いで水洗した。有機層を回収して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次にその有機相を濾過し、減圧下に濃縮した。化合物:8−クロロ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−3−(1−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ−[6,7]−シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール60mg(収率99%)を白色固体として回収した。
【化102】

【0211】
実施例3.15
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化103】

【0212】
実施例3.5と同じ手順を繰返したが、出発混合物は、実施例2.3で調製したカルボン酸の代わりに、文献(Mussinu J.M., Ruis S., Mule A.C., Pau A., Carai M.A.M., Loriga G., Murineddu G., Pinna G.A., Bioorg. Med. Chem. 2003, 11, 251〜263)に報告されているようにして調製した1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を含有し、そして反応混合物には、シクロヘキシルメチルアミンの代わりに(‐)−シス−ミルタニルアミンを含有する溶液を滴下した。収率56%。
【化104】

【0213】
実施例3.16
N−シクロヘキシルメチル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化105】

実施例3.15と同じ手順を繰返したが、(‐)−シス−ミルタニルアミンの代わりにシクロヘキシルメチルアミンを含有する溶液を、反応混合物に滴下した。収率84%。
【化106】

【0214】
実施例3.17
N−(1−アダマンチルメチル)−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化107】

実施例3.15と同じ手順を繰返したが、(‐)−シス−ミルタニルアミンの代わりに1−アダマンチルメチルアミンを含有する溶液を、反応混合物に滴下した。収率77%。
【化108】

【0215】
実施例3.18
1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−3−(1−オキソ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾールの製造
【化109】

【0216】
3.18a N−メトキシ−N−メチル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化110】

実施例3.13aと同じ手順を繰返したが、実施例1.3のエステル化合物の代わりに、Mussinu J.M.ら Bioorg. Med. Chem. 2003, 11, 251〜263に報告されている手順に従って調製した1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸エチルを使用した。収率44%。
【化111】

【0217】
3.18b 1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−3−(1−オキソ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾールの製造
実施例3.13bと同じ手順を繰返したが、実施例3.13aのカルボキサミド化合物の代わりに、実施例3.18aの化合物を使用した。収率70%。
【化112】

【0218】
実施例3.19
1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−3−(1−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4−ジヒドロインデノ[1,2−c]ピラゾールの製造
【化113】

実施例3.14と同じ手順を繰返したが、実施例3.13のケト化合物の代わりに、実施例3.18のケト化合物を使用した。収率99%。
【化114】

【0219】
実施例3.20
N−ピペリジニル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化115】

【0220】
実施例2.9で得た酸(0.09g,0.25mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、HOBt(0.04g、0.30mmol)及びEDC(0.06g,0.30mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で1時間撹拌し、次いでアミノピペリジン(0.50mmol)のCH2Cl2(3ml)溶液を加えた。得られた混合物を、室温で22時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下に除去した。油状残留物を、フラッシュクロマトグラフィ(石油エーテル/エチルエーテル 6/4 v/v シリカゲル上)で精製した。N−ピペリジニル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドに相当する白色固体0.09g(収率81%)を回収した。
【化116】

【0221】
実施例3.21
N−ピロリジニル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化117】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりにアミノピロリジンを反応させた。収率94%。
【化118】

【0222】
実施例3.22
N−モルホリン−4イル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化119】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりにモルホリン−4−イルアミンを反応させた。収率99%。
【化120】

【0223】
実施例3.23
N−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化121】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりにシクロヘキシルアミンを反応させた。収率99%。
【化122】

【0224】
実施例3.24
N−2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化123】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりに2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシルアミンを反応させた。収率96%。
【化124】

【0225】
実施例3.25
N−2,6,6−トリメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプト−3イル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化125】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりに2,6,6−トリメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプト−3イルアミンを反応させた。収率89%。
【化126】

【0226】
実施例3.26
N−1,3,3−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2イル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化127】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりに1,3,3−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2イルアミンを反応させた。収率96%。
【化128】

【0227】
実施例3.27
N−1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2イル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化129】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりに1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2イルアミンを反応させた。収率89%。
【化130】

【0228】
実施例3.28
N−アダマンタン−1イル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化131】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりにアダマンタン−1−イルアミンを反応させた。収率81%。
【化132】

【0229】
実施例3.29
N−アダマンタン−2イル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化133】

実施例3.20に記載したのと同じ手順を繰り返したが、実施例2.9で調製した酸に、アミノピペリジンの代わりにアダマンタン−2−イルアミンを反応させた。収率76%。
【化134】

【0230】
実施例4
本発明の化合物の、CB1及びCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性
化合物のCB1及びCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性を、以下の方法を用いる放射性受容体結合実験により、インビトロで評価した。
【0231】
受容体結合の技術は、特定の化合物が特定の受容体に結合するか、並びにどのような親和性及び特異性で結合するかを確立することを可能にする。特定の受容体に対する特定の化合物の親和性を評価するために、これらの特定の受容体が存在する特定の組織調製物において、試験される化合物を、該受容体への親和性が既知である放射活性標識化合物で攻撃することが必要である。試験条件下で受容体部位から放射活性化合物を置き換える化合物の能力は、その特定の受容体について試験条件下での化合物の親和性の指標を与える。受容体−化合物複合体に存在する放射活性の量は、受容体に結合した化合物の量を非常に正確に評価することも可能にする。この方法により、特定の受容体に対する新しい化合物の親和性を迅速に確立することができ、よって、その薬理活性を決定することができる。同じ実験プロトコルを用いて、他の受容体に対する化合物の親和性を評価でき、よって、上記の他の受容体に対するその特異性の程度を確立することができる。
【0232】
薬理活性を有する新しい分子のスクリーニングのためにも用いられる受容体結合技術は、例えば、薬物に対する延長された曝露及び/又は特定の病変に関連する、受容体レベルでの可能性のある変更に対して有用な情報を与えることができる。これらの条件下で、実際に、受容体の量の変化、又はアゴニスト若しくはアンタゴニストの結合親和性を変更し、よって、受容体自身の機能性に影響するコンホメーション変化が起こり得る。
【0233】
実験は、動物実験についての欧州共同体のガイドライン(EEC n.86/609)に従って、ケージあたり20匹で収容した実験動物(マウス)を、標準的な飼育条件下(温度22±2℃、相対湿度60%、12時間の明暗サイクルの人工的な照明)で用いて行った。食物及び水は自由に与えた。
【0234】
化合物[3H]−CP−55,940(New England Nuclear, Boston, MA, USA)の使用に基づく、採用した手順は、CB1受容体に対する親和性の評価のために生体組織としてマウスの脳を用いることを必要とし、CB2受容体についての親和性アッセイのためにマウス脾臓を用いることを必要とする。
動物を、頸椎脱臼により殺し、完全な脳(小脳を除く)及び脾臓を迅速に解剖し、氷中に保存した。
組織を、15容量(重量/容量)のTMEバッファー(50mM Tris、1mM EDTA及び3mM MgCl2、pH7.4)中で、Ultra−Turraxによりホモジナイズし、その後、1086×gにて10分間、4℃に冷却した遠心機で遠心分離した。回収した上清を、45000×gにて30分間、4℃にて、Beckman SW41ローターを用いて遠心分離し、得られたペレットを50容量のTMEに再懸濁した。
【0235】
このようにして得られた膜(50〜80μgのタンパク質)を、1nMの[3H]−CP55.940の存在下で1時間、30℃にて、5mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)を含有するTMEバッファー0.5mlの最終容量中でインキュベートした。非特異的結合を、1μM濃度のCP55.940の存在下で測定した。
全ての実験は、非特異的結合を低減させるために、Sigma−Cote(Sigma Chemical Co. Ltd., Poole, UK)で前処理したポリプロピレン試験管中で行った。
結合の競合阻害曲線を決定するために、それぞれの化合物の8つの異なる濃度を用いた。参照化合物として、CB1受容体についてSR141716Aを用い、CB2受容体について化合物SR144528を用いた。
【0236】
インキュベーションは、5mg/mlのBSAを含有するTMEバッファー(4℃)を加え、その後、0.5%のポリエチルアミン(PEI)で前処理したWhatman GFCフィルタ及びろ過デバイス(Brandell, Gaithersburg, MD, USA)を用いて真空ろ過することにより停止した。フィルタを、1mg/mlのBSAを含有する5mlのTris HClバッファー(pH7.4、4℃)で3回洗浄し、4mlのシンチレーション液(Ultima Gold MV, Packard)を含有するプラスチックバイアルに別々に入れた。
フィルタに存在する放射活性を、シンチレーションスペクトロフォトメーター(Tricarb(登録商標)2100、Packard, Meridien, USA)により決定した。
【0237】
タンパク質の測定は、Bio-Rad(Milano, Italy)により供給されるプロトコル及び反応試剤を用いるブラッドフォード法により行った。
実験は3重で行い、結果は5回の独立した実験において確認した。
【0238】
CB1及びCB2受容体に対する化合物の親和性は、Kiタームで表す。
インビトロ試験において本発明の化合物を用いて得られるKi値を、表1に報告する。比較として、この表に、参照化合物であるSR144528及びSR141716A(リモナバン(登録商標))の親和性の値を報告する。
この表は、本発明の化合物が、参照化合物のものと匹敵するCB1及び/又はCB2受容体に対する活性を有することを示す。
【0239】
【表1】

【0240】
実施例4.1(比較)
4.1.a 1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化135】

【0241】
実施例2.9で得た酸(0.09g,0.25mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、HOBt(0.04g,0.30mmol)及びEDC(0.06g,0.30mmol)を加えた。その混合物を、撹拌下に、室温で1時間保持し、次いで、10等量のNH4OH(水中、30重量%)を滴下した。生成した混合物を、室温で、30分間撹拌した。有機溶液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで減圧下に濃縮した。粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィ(石油エーテル/エチルエーテル 10/3 v/v シリカゲル上)で精製して、1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを得た。収率90%。
【化136】

【0242】
実施例4.1.b 1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの、CB1及びCB2の受容体に対する親和性の測定
1−(2,4−ジクロロフェニル)−6−メチル−1H−ベンゾフロ[3,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの、CB1及びCB2の受容体に対する親和性を、実施例4に報告した方法に従って測定した。
【0243】
前記化合物についてのKi値が、CB1及びCB2の両方の受容体に対して3.000nMより高いので、この化合物は、CB1及びCB2の両方の受容体に対して著しい親和性を示さないことが分かった。
本実施例は、縮合三環式構造のピラゾール環の3位に特定の置換基が存在することが、式(I)で表される化合物の場合のように、CB1及び/又はCB2の受容体に対する親和性を付与するのに重要であることを示している。
【0244】
実施例5
本発明のエマルジョンの製造
2.20グラムのSolutol(登録商標)HS15(BASF)を、20,00グラムの生理的溶液に可溶化した。得られた水溶液を、70℃に加熱した。Politron ultraturraxタービン乳化装置(7mmのプローブを用いて10000rpm)による乱流の下に維持しながら、70℃に予め加熱した油状溶液2.80gを滴下した。この油状溶液は、0.25グラムの実施例3.1で得られた化合物を、0.25gのエタノール及び2.30gのMiglyol(登録商標)810Nと混合することにより得られた。
【0245】
Solutol(登録商標)HS15の水溶液の滴下の最後に、Politron ultraturraxタービン乳化装置により撹拌をさらに15分間行って、最後に、白色の均質な液相の形態のエマルジョンを得た。このエマルジョンを、4℃にてガラス容器に注ぎ、そこに30分間保持した。エマルジョンを室温に5日間保存したが、相分離は確認されなかった。
【0246】
エマルジョンの組成(重量%)は、以下のとおりである:
エタノール 1.00
実施例3.1の化合物 1.00
Miglyol(登録商標)810N 9.20
Solutol(登録商標)HS15 8.80
生理的溶液 80.00
【0247】
実施例6
本発明のエマルジョンの製造
Solutol(登録商標)HS15の量を1.00gに減らし、油状溶液(2.80g)を、0.01gの実施例3.3の化合物と、0.02gのエタノールと、0.45gのMiglyol(登録商標)810Nと、0.52gのImwitor(登録商標)308とで形成される溶液1.00gに置き換えた以外は、実施例5と同じ手順を繰り返した。白色の均質な液相の形態のエマルジョンを得た。室温にて5日間の保存時間が経過した後のエマルジョンは、いずれの相分離も示さなかった。
エマルジョンの組成(重量%)は、以下のとおりである:
エタノール 0.10
実施例3.3の化合物 0.05
Miglyol(登録商標)810N 2.04
Imwitor(登録商標)308 2.36
Solutol(登録商標)HS15 4.55
生理的溶液 90.90
【0248】
実施例7
本発明のポリラクテート−ポリグリコレート(PLA−PLGA)の粒子の製造
10mgの実施例3.4で得られた化合物及び100mgのコポリマーPLA−PLGA50:50(平均分子量40000〜75000(Sigma Algrich))を、4mlのジクロロメタンに可溶化した。得られた有機溶液を、5重量%のポリビニルアルコール(Sigma Aldrich)の水溶液8mlと、Politron ultraturraxタービン乳化装置(7mmのプローブを用いて10000rpm)を用いる30分間の処理により乳化した。
最後に、ジクロロメタンをエマルジョンから50℃にてロータリーエバポレータにより除去した。式3.4の化合物を含有するPLA−PLGA粒子の水性分散液が得られた。水性分散液を、100,000MWCOのメンブレンを有するAMICON遠心試験管中での遠心分離による3回の洗浄サイクルに供した。それぞれの洗浄サイクルは、粒子を含む上部区画に15mlの蒸留水を各回に加えながら、4000rpmにて20分間行った。
【0249】
洗浄サイクルの最後に、粒子水性分散液を以下の条件下で凍結乾燥した。温度:−40℃、圧力:5×10-2ミリバール、時間:24時間。
得られた粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)及び光子相関分光法(PCS)の両方により特徴決定した。粒子について測定した平均径は、TEMにより140±20nm及びPCSにより176±13nmであった。
【0250】
粒子に組み込まれた実施例3.4の化合物の含有量は、ジクロロメタンに既知の量の粒子を可溶化し、次いで、得られた有機溶液を、実施例3.4の化合物の参照ジクロロメタン溶液に対してUV/可視光分光光度計により分析することにより測定した。ナノ粒子の凍結乾燥サンプル中の化合物の量は、重量パーセントで、調製物に使用されたものの40%に等しかった。よって、PLA−PLGA粒子は、4%の実施例3.4の化合物を含有する(100mgのPLA−PLGA中に4mg)。
【0251】
粒子全体に対する実施例3.4の化合物の重量パーセントは、3.84%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
B’は、フェニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又は直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子と結合していない鎖の末端が、水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2若しくは−CH=CH2から選択されるWIと結合している二価のC1〜C10脂肪族鎖から選択され、
1、Y2、Y3及びY4は、互いに同じか又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択され、
Vは、
A1:−(CH2t−、
A2:−(CH2r−O−(CH2s−、
A3:−(CH2r−S(O)p−(CH2s
から選択され、ここで、
tは1、2又は3の整数であり、
pは0、1又は2の整数であり、
rとsは互いに同じか又は異なり、r+sが0、1、2又は3に等しいという条件下で、0、1又は2に等しい整数であり、
B’が、直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子と結合していない鎖の末端が上記定義のWIと結合している二価のC1〜C10脂肪族鎖であるとき、D’は、下記の意味を有し:
D1:−(CH2)−O−(CH2z−(Z’)v−R”(式中、zは1又は2に等しい整数であり、vは0又は1に等しい整数であり、Z’は、直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状である二価のC1〜C8脂肪族鎖であり、R”は、C3〜C15シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、アリール又はヘテロアリールから選択される)、
D2:−C(O)−(Z’)v−R”(式中、v、Z’及びR”は上記定義の通りである)、
D3:−CH(OH)−(Z’)v−R”(式中、v、Z’及びR”は上記定義の通りである)、
D4:−C(O)−NH−(Z’)v−T’(式中、v及びZ’は上記定義の通りであり、そしてT’は、
− C1〜C8アルキル、C1〜C7ハロアルキル、但し、D4においてvは0である、
− C3〜C15シクロアルキル、
− 単環式アリール若しくは単環式ヘテロアリール、
− NR12(式中、R1とR2は、互いに同じか又は異なり、水素、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル若しくはアリールアルケニルを意味するか、又はR1とR2は窒素原子とともに、5〜10個の原子の飽和若しくは不飽和の複素環を形成する)、
− N、O、Sから選択される互いに同じか若しくは異なる1つ以上のヘテロ原子を含むC3〜C15ヘテロシクロアルキル、但し、Z’は、ヘテロシクロアルキル環の1つの炭素原子と結合する、
から選択される基であり、
B’がフェニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルから選択されるとき、D’は以下:
D’2:−C(O)−Z’−R”(式中、Z’とR”は上記のとおりである)
D’3:−CH(OH)−Z’−R”(式中、Z’とR”は上記のとおりである)、
D’4:−C(O)−NH−Z’−T’(式中、Z’は上記で定義されるとおりであり、C1〜C8アルキル、C1〜C7ハロアルキルの意味のT’を除き、D’4においてZ’=−CH2−であるとき、T’は下記式:
【化2】

で表される基でない)、
D”2:V=A2の条件下で−C(O)−R”、
D”3:V=A2の条件下で−CH(OH)−R”、
D”4:Vが−O−、−CH2−O−から選択されるという条件下で−C(O)−NH−T’
から選択される
の意味を有する)
を有する、5〜8個の原子を含む中央環によって結合した1つのフェニル環と1つのピラゾール環を含み、CB1及び/又はCB2受容体に対して親和性を有し、中枢神経系及び/又は末梢レベルで活性を有する縮合三環式化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物の幾何異性体及び立体異性体並びに対応する混合物である異性体の形態。
【請求項3】
B’がフェニル、又はアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
1、Y2、Y3又はY4がフェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリールであり、前記フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環及びヘテロアリールが、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R”が、SO2NH2、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ又はC1〜C7アルコキシから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で置換されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
T’が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、ベンジル、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で置換され、前記フェニル及びベンジル置換基が、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
T’のR1とR2が、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル、又はアリールアルケニルから選択される芳香族環であるか、又はR1とR2が窒素原子とともに複素環を形成し、前記芳香族環又は複素環が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、ベンジル、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で置換され、前記フェニル及びベンジル置換基が、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
B’が、フェニル、ベンジル、単環式ヘテロアリール、単環式ヘテロアリールアルキル、又は直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子に結合していない鎖の末端が、水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2若しくは−CH=CH2から選択されるWIと結合している二価のC1〜C10脂肪族鎖から選択され、前記フェニル、ベンジル、単環式ヘテロアリール及び単環式ヘテロアリールアルキルは、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
1、Y2、Y3及びY4は互いに同じか又は異なり、上記で定義されるとおりであり、
Vが、A1又はA2から選択され、
B’が、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子に結合していない鎖の末端が上記で定義されるWIと結合している二価のC1〜C10の脂肪族鎖である場合、D’が上記で定義されるとおりであり、
B’がフェニル、ベンジル、単環式ヘテロアリール又は単環式ヘテロアリールアルキルから選択される場合、D’は、D’2、D’4、D”2又はD”4の意味を有する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
B’が、フェニル、ベンジル、チオフェン、又は直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状で、窒素原子に結合していない鎖の末端が水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2若しくは−CH=CH2から選択されるWIと結合している二価のC4〜C10脂肪族鎖から選択され、前記フェニル、ベンジル及びチオフェンはハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
1、Y2、Y3及びY4は互いに同じか又は異なり、上記で定義されるとおりであり、
Vが、A1又はA2から選択される基であり、
B’が、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子と結合していない鎖の末端が上記定義のWIと結合している二価のC4〜C10の脂肪族鎖である場合、D’が上記で定義されるとおりであり、
B’がフェニル、ベンジル、又はチオフェンから選択される場合、D’がD’2、D’4、D”2又はD”4の意味を有する、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
B’が、フェニル、ベンジル、チオフェン、又は直鎖状又は分岐鎖状で、窒素原子と結合していない鎖の末端が水素、ハロゲン、OH、OCH3、NH2、SO2NH2から選択されるWIと結合している二価のC4〜C10脂肪族鎖から選択され、前記フェニル、ベンジル及びチオフェンはハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに同じか若しくは異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
1、Y2、Y3及びY4が、互いに同じか又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択され、前記フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
Vが、A1又はA2から選択される基であり、
B’が、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状であり、窒素原子と結合していない鎖の末端が上記定義のWIと結合している二価のC4〜C10の脂肪族鎖である場合、D’が上記で定義されるとおりであり、
B’がフェニル、ベンジル、又はチオフェンから選択される場合、D’がD’2、D’4、D”2又はD”4であるが、但し、
Z’が−CH2−又は−CH(CH3)−であり、
R”が、C3〜C15シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、アリール又はヘテロアリールから選択され、前記C3〜C15シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、アリール又はヘテロアリールが、SO2NH2、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
T’が、下記:
− C3〜C15シクロアルキル、
− 下記の選択的条件の1つが満たされる場合に、単環式アリール:
VがA1と異なるか、又は
B’がVから独立してフェニル、ベンジル又はチオフェンとは異なる、
− NR12基(式中、R1とR2が互いに同じか又は異なり、窒素原子とともに、5〜10個の原子を有する飽和若しくは不飽和の複素環を形成する)、
− C3〜C15ヘテロシクロアルキル(そのヘテロシクロアルキルの1つの炭素原子にZ’が結合している)
から選択される基である、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
T’が、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、SO2NH2、フェニル、ベンジル、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で置換され、前記フェニル及びベンジルが、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
以下:
【化3】

【化4】

(式中、
1は、以下の意味を有し:
1A:直鎖状又は可能であれば分岐鎖状で、窒素原子と結合していない鎖の末端が、水素、ハロゲン、OH、OCH3、NH2又はSO2NH2から選択されるWIVと結合している二価のC4〜C10脂肪族鎖、
1B:ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよいフェニル及びベンジルから選択される基、
8は上記で定義されるQ1Aの意味であり、
9は上記で定義されるQ1の意味であり、
2は水素又はメチルであり、
4、Q5、Q6、Q7は互いに同じか又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、シアノ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、チオフェン、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択され、前記フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環及びチオフェンはハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、シアノ、SO2NH2、イソチオシアネート、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよく、
3は、下記構造式:
【化5】

【化6】

から選択される)
から選択される請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
以下:
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

から選択される請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
式(XVI”)、(XVII”)、(XVIII”)、(XIX”)、(XX”)、(XXI”)、(XXXIV”)、(XXXV”)、(XXXVI”)、(XXXVII”)、(XLVI”)、(XLVII”)、(XLVI”)、(XLVII”)、(XLVIII”)、(1XLVI”)、(1XLVII”)、(1XLVIII”)、(IL”)、(LVIII”)、(LVIX”)、(LX”)、(LXXIX”)、(LXXX”)、(LXXXI”)、(LXXXII”)、(LXXXIII”)、(LXXXIV”)、(LXXXV”)、(LXXXVI”)、(LXXXVII”)、(LXXXVIII”)、(IXC”)、(XC”)、(XCI”)、(XCII”)、(XCII”)から選択される請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の水和物、溶媒和物及び医薬的に許容できる塩。
【請求項16】
個体又は動物に投与された請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の代謝生成物。
【請求項17】
i)式(II)の酸、又は任意に、ハロゲン化アシル、無水物、混合無水物、イミダゾリド、エステル−アミド付加物、直鎖状又は分岐鎖状のC1〜C4アルキルエステルから選択されるその反応性誘導体を、以下のステップにより合成し:
【化17】

− 式(III)の化合物を、ナトリウムアルコキシド(RONa)及びシュウ酸ジエチルと、C1〜C3アルコール性溶媒中で還流下で反応させることにより、式(IV)のα−ヒドロキシ−γ−ケトエステル(式中、V、Y1、Y2、Y3及びY4は先に定義したとおりである)を製造し:
【化18】

− 式(IV)の化合物を、下記式(VI)のヒドラジン(式中B’は先に定義したとおりである)と、アルコール性溶媒又は酢酸中で還流下で反応させて、式(VII)で表される三環式化合物を得て(化合物(VI)は任意にその塩酸塩の形態であってもよい):
【化19】

− 式(VII)で表される化合物を、アルカリ水酸化物を用いて、水性アルコール溶液中で還流下でアルカリ加水分解して式(II)で表される酸を得て、
− 一般式(II)で表される酸の反応性誘導体を、任意に生成させる、
ii)一般式(I)において、D’が式D1で表されるエーテル系の基を有する置換基である場合、式(II)で表される酸又はそのエステルを、第1ステップで、有機金属水素化物を用いて第1級アルコールに還元し、次いで、第2ステップにおいて、前記第1級アルコールを、式R”−(Z’)v−(CH2z−Hal(式中、Halはハロゲンであり、そしてZ’、v及びzは前記定義の通りである)で表されるハロゲン化アルキルと、水素化アルカリの存在下、室温で反応させて、式(I)(式中、D’=D1)で表される化合物を得る、
iii)式(I)においてD’=D2であるとき、化合物は、下記方法のうちの1つに従って製造できる:
第1の方法:
一般式(II)で表される酸の1つのエステルを、トリアルキルアルミニウム及びアミンの塩酸塩と反応させ、次いでその反応混合物に、R”−(Z’)v−MgBr(式中、Z’、v及びR”は上記定義のとおりである)を加えて、式(I)で表される化合物(D’=D2)を得る、
第2の方法:
一般式(II)で表される酸又はその反応性誘導体を、式(R”−(Z’)v-Me+(式中、Me+はアルカリ金属のカチオンである)で表される有機金属塩と反応させて、式(I)で表される化合物(D’=D2)を得る、
iv)一般式(I)において、D’=D3であるとき、以下の2ステップで合成を行う:
− 式(I)(式中、D’=D2)で表される化合物を、上記iii)に記載した2つの方法のうちの1つを利用して製造し、
− 上記ステップで得た化合物を還元して、最終生成物(D’=D3)を単離する、
v)式(I)においてD’=D4であるとき、化合物は、式(II)の酸の反応性誘導体を、式:
2N−(Z’)v−T’ (VIIA)
(式中、Z’、v及びT’は上記定義の意味を有する)で表される化合物と反応させて得られる
ことを含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物を製造する方法。
【請求項18】
式(II’):
【化20】

(式中、V、Y1、Y2、Y3及びY4は上記定義のとおりであり、
B”は、水素、又は窒素原子と結合していない鎖の末端がWIIと結合している(WIIは、水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2又は−CH=CH2から選択される)、直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状の二価のC1〜C10脂肪族鎖である)
の化合物。
【請求項19】
VがA1とA2の間から選択され、
B”が上記定義のとおりであり、
1、Y2、Y3及びY4が、互いに同じか又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択され、前記フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、SO2NH2、フェニル、シクロアルキル、飽和若しくは不飽和の複素環、ヘテロアリール、イソチオシアネート又はC1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換若しくはジ置換されていてもよいアミノから選択される互いに同じか又は異なる1つ以上の基で任意に置換されていてもよい、
請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
医薬品として用いるための請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項22】
式(I)の化合物0.5〜20重量%、アルキル硫酸ナトリウム又は別の界面活性剤0.05〜0.5重量%、崩壊剤2.5〜10重量%(100%までの差は、通常の賦形剤である)を含む請求項21に記載の経口投与用の医薬組成物。
【請求項23】
式(I)の化合物0.1〜20%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.5〜10%(100%までの差は、通常の賦形剤である)を含み、医薬組成物が錠剤である場合はヒドロキシプルピルメチルセルロースがコア及び/又はシェル中にある、経口及び眼内投与用の請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
以下(重量%):
− 式(I)の化合物、それらの異性体又は対応する水和物若しくは溶媒和物若しくは医薬的に許容できる塩0.005〜20%、
− 1種以上の油0〜50%、
− 1種以上の両親媒性化合物0.01〜50%、
− 添加剤0〜50%、
− 任意に緩衝されていてもよい水又は生理食塩水溶液0.01〜99.9%、
(エマルジョンの成分の合計は100重量%である)
を含む、エマルジョンの形態の請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項25】
脂質若しくは医薬的に許容できるポリマーのマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含み、前記粒子が表面で任意に修飾されていてもよく、前記粒子が前記脂質又はポリマーの0.01〜60重量%の量の式(I)の化合物を含み、前記脂質又はポリマーが前記粒子の内部及び/又は表面にある、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項26】
CB1及び/又はCB2カンナビノイドの受容体が関与する疾患及び障害の哺乳動物及び個体における予防及び治療のための医薬組成物の製造のための請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項27】
前記疾患及び障害が、免疫系細胞に関連する疾患、免疫障害、骨粗しょう症、腎虚血、炎症性症状、疼痛、術後の疼痛、神経因性疼痛、眼の疾患、肺の疾患、喘息、慢性気管支炎、炎症、関節炎、アレルギー及びアレルギー反応、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、不安、行動異常、譫妄症状、精神病性障害、統合失調症、うつ病、嗜癖性物質の使用、アルコール中毒症、ニコチン中毒症、特に化学療法を受けている患者の、嘔吐、悪心、めまい、神経障害、片頭痛、ストレス、心身症由来の疾患、癲癇、トゥーレット症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、老人性認知症、認知障害と記憶喪失、食物摂取に関連する病変、肥満、大食症、胃腸管及び膀胱の病変、心血管性疾患、泌尿器疾患、勃起性及び生殖能の障害、神経炎症の症状、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、ウイルス性脳炎、筋萎縮性側索硬化症、脱ミネラル化に付随する症候群、骨粗しょう症、メタボリックシンドローム及び/又は脂質異常症の患者並びに2型糖尿病の患者の代謝及び/又は心血管性のリスクファクターの低減、眼の炎症症状、眼の自己免疫疾患、ブドウ膜炎、ブドウ膜網膜炎及び網膜神経変性である請求項26に記載の使用。
【請求項28】
放射活性同位体を含有する請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬製剤の、哺乳動物又は個体においてCB1及び/又はCB2カンナビノイドの受容体を同定及び標識するための使用。
【請求項29】
分子内にヒドロキシル基を含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の、カンナビノイド作動性受容体のリガンドを得るための使用。
【請求項30】
疾患及び障害が、請求項27に記載されるものである請求項28に記載の使用。

【公開番号】特開2010−195785(P2010−195785A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−38796(P2010−38796)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(509215651)ニューロサイエンス ファーマネス エス.シー. エー アール.エル. (7)
【氏名又は名称原語表記】NEUROSCIENZE PHARMANESS S.C. A R.L.
【住所又は居所原語表記】Loc. Piscinamanna, Edificio 5, 09010 Pula, Cagliari, ITALY
【Fターム(参考)】