説明

医薬組成物

【課題】スタチン類とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤とを安定に含有する医薬組成物の提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(C):
(A)下記一般式(1)


[式中、Rは有機基を示し、Xは−CH2−CH2−又は−CH=CH−を示す。]
で表されるHMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物及びその塩から選ばれる1種以上
(B)チアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤
(C)塩基性物質
を含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬組成物に関する。より詳細には、HMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物及びチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ピタバスタチン又はその塩等のHMG−CoA還元酵素阻害活性を有するスタチン類と、ピオグリタゾン又はその塩等のチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤との併用は、種々の疾患の予防・治療等に有用であることが知られている。
例えば、特許文献1には、ピオグリタゾン又はその塩を含むチアゾリジン系インスリン感受性増強剤と、ピタバスタチン又はその塩を含むスタチン系化合物とを組み合わせてなる医薬が、糖尿病及び糖尿病性合併症の予防及び治療に有効である旨記載されている。また、上記医薬が動脈硬化及び黄色腫(特許文献2)や、炎症性疾患(特許文献3)などの予防及び治療に有用であることも知られている。
こうした種々の疾患の予防・治療に対する有用性から、スタチン類とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤とを組合わせてなる医薬、特に両成分を共に含有する医薬組成物(配合剤)の更なる開発が期待されている。
【0003】
なお、スタチン類とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤を含有する医薬組成物に関し、特許文献4には、ピオグリタゾン又はその塩を含むインスリン抵抗性改善薬とHMG−CoA還元酵素阻害薬の配合性が必ずしも良好でない旨、及びインスリン抵抗性改善薬を含む粒とHMG−CoA還元酵素阻害薬を含む粒とを含有する固形製剤とすることにより、薬剤の安定性が損なわれない固形製剤を提供し得る旨記載されているものの、当該文献には、上記配合性の不良を裏付けるデータ等は何ら記載されておらず、上記構成に係る固形製剤の処方例が列記されているに過ぎない。
【0004】
ところで、現在、プラバスタチンナトリウム、フルバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム水和物、ピタバスタチンカルシウム、ロスバスタチンカルシウムなどのスタチン類が開発・上市されている。また、これらの化合物はいずれもジヒドロキシカルボン酸(3,5−ジヒドロキシヘプタン酸又は3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸)骨格を共通骨格として有しており、この骨格は分子内で環化してHMG−CoA還元酵素阻害活性の弱いラクトン体を生成することが知られている。
また、上記ラクトン体の生成メカニズムに関し、ジヒドロキシカルボン酸骨格が低pH環境下において不安定化してラクトン体を生成することが知られており、これまで、塩基性物質を配合してスタチン類のpH環境を塩基性にすることにより医薬品製剤中でのラクトン体生成を抑制させる試みが行われている。
例えば、特許文献5には、フルバスタチンに代表される下記式(a)のHMG−CoAリダクターゼ抑制活性を有する化合物が中性〜酸性pHにおいてラクトン体等の分解生成物を生成する旨、及び炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ性媒体を組み合わせることにより安定化し得る旨記載されている。
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、Raは有機基であり、Xaは−CH=CH−であり、Maは生理学的に許容しうるカチオンである。]
【0007】
また、特許文献6には、アトルバスタチンに代表される下記式(b)で表される化合物が酸性環境においてラクトン体に変化する旨、及び炭酸カルシウムなどの塩基性の安定化金属塩添加剤を組み合わせることにより安定化し得る旨記載されている。
【0008】
【化2】

【0009】
[式中、Xbは−CH2−などであり、R1は1−ナフチルなどであり、R2、R3は−CONH2、水素原子などであり、R4は炭素数1〜6のアルキルなどであり、Mbは医薬的に許容し得る金属塩である。]
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−67271号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第753298号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1254667号明細書
【特許文献4】特開2005−15477号公報
【特許文献5】特許第2774037号明細書
【特許文献6】特許第3254219号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述のような背景の下、本発明者は、まず、スタチン類及びチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤を含有する医薬組成物を開発するため、これらの保存安定性について検討したところ、スタチン類とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤とを混合して保存すると、両成分間に相互作用が生じ、固化、変色等の状態変化が生じ、さらに各成分の分解物が生成し、保存安定性に問題が生じることを見出した。
従って、本発明の課題は、スタチン類とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤とを安定に含有する医薬組成物の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、保存安定性の問題を解決すべく、まず、スタチン類とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤との間の相互作用の原因・メカニズムについてさらに詳細に検討したところ、スタチン類のラクトン体生成とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤の分解物の生成とに関連性があることを見出した。
そして、本発明者はさらに鋭意検討し、スタチン類のラクトン体生成抑制手段である塩基性物質の配合により、スタチン類とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤の間の相互作用が抑制され、スタチン類のみならず、意外にもチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤の分解物の生成も抑制できることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C):
(A)下記一般式(1)
【0014】
【化3】

【0015】
[式中、Rは有機基を示し、Xは−CH2−CH2−又は−CH=CH−を示す。]
で表されるHMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物(以下、化合物(1)とも称する)及びその塩から選ばれる1種以上
(B)チアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤
(C)塩基性物質
を含有する医薬組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記一般式(1)で表されるHMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物及びその塩から選ばれる1種以上と、チアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤とを安定に含有する医薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、本発明の成分(A)〜(C)について、詳細に説明する。
<成分(A)>
本発明の成分(A)には、化合物(1)そのもののほか、化合物(1)の薬学上許容される塩も含まれる。上記化合物(1)の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;フェネチルアミン塩等の有機アミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。
また、化合物(1)には不斉炭素が存するため、種々の光学異性体が存在するが、成分(A)には、いずれの光学異性体も含まれ、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。
さらに、化合物(1)又はその塩は溶媒和物の状態にあってもよく、化合物(1)又はその塩と、水又はアルコール等との溶媒和物も成分(A)に含まれる。
【0018】
上記一般式(1)中、Rは有機基を示すが、斯かる「有機基」としては、炭素環式基、複素環式基などの環式基が挙げられる。なお、当該環式基は、さらに置換基を有していてもよい。
上記「炭素環式基」としては、例えば、3〜15員の単環式、二環式又は三環式の、飽和炭素環式基又は不飽和炭素環式基などが挙げられる。
上記炭素環式基の具体例としては例えば、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、インデニル、インダニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ヘキサヒドロナフチルなどが挙げられる。
【0019】
また、上記「複素環式基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する単環式又は二環式の、飽和複素環式基又は不飽和複素環式基などが挙げられる。また、斯様な複素環式基としては、3〜15員のものが好ましく、8〜12員のものがより好ましい。
上記複素環式基の具体例としては例えば、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、フリル、ピラニル、オキセピニル、チエニル、チアピラニル、チエピニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、チアジアゾリル、チアジニル、チアジアジニル、チアゼピニル、チアジアゼピニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピラジニル、テトラヒドロピラジニル、ジヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロアゼピニル、テトラヒドロアゼピニル、ジヒドロジアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチアピラニル、テトラヒドロチアピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、ホモピペリジルなどが挙げられる。
【0020】
また、上記環式基が有していてもよい「置換基」としては、具体的には例えば、アルキル基;ヒドロキシ基;アシルオキシ基;アルキル基及びアルキルスルホニル基から選ばれる置換基を有していてもよいアミノ基;ハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基;アリール基を置換基として有していてもよいカルバモイル基などが挙げられる。これらの中でも、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6のアルキル基;環状の炭素数3〜8のアルキル基;ヒドロキシ基;直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6のアシルオキシ基;直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6のアルキル基、及び直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基から選ばれる置換基を有していてもよいアミノ基;フッ素原子を置換基として有していてもよいフェニル基;フェニル基を置換基として有していてもよいカルバモイル基が好ましく、メチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ヒドロキシ基、2−メチルブタノイルオキシ基、メタンスルホニル(メチル)アミノ基、フェニル基、4−フルオロフェニル基、フェニルカルバモイル基が特に好ましい。
【0021】
上述のようなRの中でも、置換基を有してもよいキノリニル基、置換基を有してもよいヘキサヒドロナフチル基、置換基を有してもよいインドリル基、置換基を有してもよいピロリル基、置換基を有してもよいピリミジニル基が好ましい。
【0022】
本発明において、成分(A)としては、下記文献に記載の化合物又はその塩が好ましい。なお、これらの文献の記載は、参照により本明細書に引用する。
【0023】
Rが置換基を有してもよいキノリニル基である化合物又はその塩:特開平1−279866号公報及び米国特許第5856336号明細書に記載の、Rが置換基を有してもよいキノリニル基である化合物又はその塩;
Rが置換基を有してもよいヘキサヒドロナフチル基である化合物又はその塩:特開昭57−2240号公報及び米国特許第4346227号明細書に記載の、Rが置換基を有してもよいヘキサヒドロナフチル基である化合物又はその塩;
Rが置換基を有してもよいインドリル基である化合物又はその塩:特表昭60−500015号公報及び米国特許第5354772号明細書に記載の、Rが置換基を有してもよいインドリル基である化合物又はその塩;
Rが置換基を有してもよいピロリル基である化合物又はその塩:特開昭62−289577号公報に記載の化合物又はその塩、特開平3−58967号公報及び米国特許第5273995号明細書に記載の、Rが置換基を有してもよいピロリル基である化合物又はその塩;
Rが置換基を有してもよいピリミジニル基である化合物又はその塩:特開平5−178841号公報及び米国特許第5260440号明細書に記載の、Rが置換基を有してもよいピリミジニル基である化合物又はその塩が好ましい。
【0024】
本発明において、成分(A)としては、プラバスタチン(pravastatin)及びその塩(例えば、プラバスタチンナトリウム(化学名:Monosodium(3R,5R)-3,5-dihydroxy-7-[(1S,2S,6S,8S,8aR)-6-hydroxy-2-methyl-8[-(2S)-2-methylbutanoyloxy]-1,2,6,7,8,8a-hexahydronaphthalen-1-yl]heptanoate)等);フルバスタチン(fluvastatin)及びその塩(例えば、フルバスタチンナトリウム(化学名:(±)-(3RS,5SR,6E)-sodium-7-[3-(4-fluorophenyl)-1-(1-methylethyl)-1H-indol-2-yl]-3,5-dihydroxy-6-heptenoate)等);アトルバスタチン(atorvastatin)及びその塩(例えば、アトルバスタチンカルシウム水和物(化学名:(−)-Monocalcium bis[(3R,5R)-7-[2-(4-fluorophenyl-5-isopropyl-3-phenyl-4-phenylcarbamoyl-1H-pyrrol-1-yl)-3,5-dihydroxyheptanoate]trihydrate])等);ピタバスタチン(pitavastatin)及びその塩(例えば、ピタバスタチンカルシウム(化学名:(+)-monocalcium bis[(3R,5S,6E)-7-[2-cyclopropyl-4-(4-fluorophenyl)-3-quinolyl]-3,5-dihydroxy-6-heptenoate])等);並びにロスバスタチン(rosuvastatin)及びその塩(例えば、ロスバスタチンカルシウム(化学名:Monocalcium bis ((3R,5S,6E)-7-[4-(4-fluorophenyl)-6-isopropyl-2-[methanesulfonyl(methyl)amino]pyrimidin-5-yl]-3,5-dihydroxyhept-6-enoate))等)から選ばれる1種以上が好ましく、ピタバスタチン及びその塩から選ばれる1種以上がより好ましく、ピタバスタチンカルシウムが特に好ましい。
なお、これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販品を用いることもできる。
【0025】
本発明の医薬組成物における成分(A)の含有量は特に限定されず、化合物の薬理活性の強弱、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよく、例えば、1日あたり、0.1〜160mg(より好適には0.5〜120mg、特に好適には1〜80mg)服用できる量である。特に、成分(A)としてピタバスタチン又はその塩を用いる場合、1日あたり、ピタバスタチンカルシウム換算で0.1〜16mg、より好適には0.5〜8mg、特に好適には1〜4mg服用できる量である。また、プラバスタチン又はその塩を用いる場合、1日あたり、プラバスタチンナトリウム換算で1〜160mg、より好適には2〜120mg、特に好適には5〜80mg服用できる量である。また、フルバスタチン又はその塩を用いる場合、1日あたり、フルバスタチンのフリー体換算で1〜160mg、より好適には5〜120mg、特に好適には10〜80mg服用できる量である。また、アトルバスタチン又はその塩を用いる場合、1日あたり、アトルバスタチンのフリー体換算で1〜160mg、より好適には2〜120mg、特に好適には5〜80mg服用できる量である。また、ロスバスタチン又はその塩を用いる場合、1日あたり、ロスバスタチンのフリー体換算で0.5〜80mg、より好適には1〜60mg、特に好適には2.5〜40mg服用できる量である。
【0026】
本発明においては、成分(A)を医薬組成物全質量に対して、0.01〜80質量%含有する医薬組成物が好ましく、0.05〜70質量%含有する医薬組成物がより好ましく、0.1〜60質量%含有する医薬組成物がより好ましく、0.1〜30質量%含有する医薬組成物がより好ましく、0.1〜20質量%含有する医薬組成物が更に好ましく、0.1〜15質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。特に、成分(A)としてピタバスタチン又はその塩を用いる場合、ピタバスタチン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、ピタバスタチンカルシウム換算で0.01〜30質量%含有する医薬組成物が好ましく、0.05〜20質量%含有する医薬組成物がより好ましく、0.1〜15質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。また、成分(A)としてプラバスタチン又はその塩を用いる場合、プラバスタチン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、プラバスタチンナトリウム換算で0.1〜80質量%含有する医薬組成物が好ましく、0.2〜70質量%含有する医薬組成物がより好ましく、0.5〜60質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。また、成分(A)としてフルバスタチン又はその塩を用いる場合、フルバスタチン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、フルバスタチンのフリー体換算で0.1〜80質量%含有する医薬組成物が好ましく、0.5〜70質量%含有する医薬組成物がより好ましく、1〜60質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。また、成分(A)としてアトルバスタチン又はその塩を用いる場合、アトルバスタチン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、アトルバスタチンのフリー体換算で0.1〜80質量%含有する医薬組成物が好ましく、0.2〜70質量%含有する医薬組成物がより好ましく、0.5〜60質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。また、成分(A)としてロスバスタチン又はその塩を用いる場合、ロスバスタチン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、ロスバスタチンのフリー体換算で0.05〜80質量%含有する医薬組成物が好ましく、0.1〜70質量%含有する医薬組成物がより好ましく、0.25〜60質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。
【0027】
<成分(B)>
本発明の成分(B)は、チアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤であり、具体的には例えば、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、バラグリタゾン(balaglitazone)、ロベグリタゾン(lobeglitazone)、ネトグリタゾン(netoglitazone)、リボグリタゾン(rivoglitazone)、エングリタゾン(englitazone)、トログリタゾン(troglitazone)等が挙げられる。
本発明の成分(B)には、上記化合物そのもののほか、その薬学上許容される塩も含まれる。斯かる塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
また、上記化合物に不斉炭素が存する場合には、種々の光学異性体が存在するが、成分(B)には、いずれの光学異性体も含まれ、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。
さらに、上記化合物又はその塩は溶媒和物の状態にあってもよく、上記化合物又はその塩と、水やアルコール等との溶媒和物も成分(B)に含まれる。
【0028】
本発明において、成分(B)としては、ピオグリタゾン及びその塩(例えば、ピオグリタゾン塩酸塩(化学名:(5RS)-5-{4-[2-(5-Ethylpyridin-2-yl)ethoxy]benzyl}-thiazolidine-2,4-dione monohydrochloride)等)、ロシグリタゾン及びその塩(例えば、ロシグリタゾンマレイン酸塩(化学名:5-[4-[2-[Methyl(2-pyridyl)amino]ethoxy]benzyl]thiazolidine-2,4-dione maleate)等)、バラグリタゾン及びその塩(例えば、バラグリタゾンカリウム塩(化学名:5-[4-[(3,4-Dihydro-3-methyl-4-oxoquinazoline-2-yl)methoxy]benzyl]-2,4-thiazolidinedione potassium salt)等)、ロベグリタゾン及びその塩(例えば、ロベグリタゾン硫酸塩(化学名:5-(4-(2-((6-(4-methoxyphenoxy)pyrimidin-4-yl)(methyl)amino)ethoxy)benzyl)thiazolidine-2,4-dione monosulfate)等)、ネトグリタゾン(化学名:5-[6-(2-Fluorobenzyloxy)-2-naphtylmethyl]thiazolidine-2,4-dione)及びその塩、リボグリタゾン及びその塩(例えば、リボグリタゾン塩酸塩(化学名:5-[4-[(6-Methoxy-1-methyl-1H-benzoimidazole-2-yl)methoxy]benzyl]thiazolidine-2,4-dione hydrochloride)等)、エングリタゾン及びその塩(例えば、エングリタゾンナトリウム塩(化学名:5-[[2-Benzyl-3,4-dihydro-2H-1-benzopyran]-6-ylmethyl]thiazolidine-2,4-dione monosodium salt)等)、並びにトログリタゾン(化学名:rac-(R*)-3,4-Dihydro-2,5,7,8-tetramethyl-6-hydroxy-2β*-[[4-[[(R)-2,4-dioxo-5β-thiazolidinyl]methyl]phenoxy]methyl]-2H-1-benzopyran)及びその塩から選ばれる1種以上が好ましく、ピオグリタゾン及びその塩から選ばれる1種以上がより好ましく、ピオグリタゾン塩酸塩が特に好ましい。
なお、これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販品を用いることもできる。
【0029】
本発明の医薬組成物における成分(B)の含有量は特に限定されず、化合物の薬理活性の強弱、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよく、例えば、成分(B)としてピオグリタゾン又はその塩を用いる場合、1日あたり、ピオグリタゾンのフリー体換算で1〜100mg、より好適には5〜70mg、特に好適には15〜45mg服用できる量である。また、ロシグリタゾン又はその塩を用いる場合、1日あたり、ロシグリタゾンのフリー体換算で0.1〜24mg、より好適には0.5〜16mg、特に好適には1〜8mg服用できる量である。また、バラグリタゾン又はその塩を用いる場合、1日あたり、バラグリタゾンのフリー体換算で1〜40mg、より好適には3〜30mg、特に好適には5〜20mg服用できる量である。また、ロベグリタゾン又はその塩を用いる場合、1日あたり、ロベグリタゾンのフリー体換算で0.1〜24mg、より好適には0.3〜16mg、特に好適には0.5〜8mg服用できる量である。また、ネトグリタゾン又はその塩を用いる場合、1日あたり、ネトグリタゾンのフリー体換算で6〜3000mg、より好適には60〜2500mg、特に好適には600〜1800mg服用できる量である。また、リボグリタゾン又はその塩を用いる場合、1日あたり、リボグリタゾンのフリー体換算で0.1〜10mg、より好適には0.5〜6mg、特に好適には1〜3mg服用できる量である。また、エングリタゾン又はその塩を用いる場合、1日あたり、エングリタゾンのフリー体換算で1〜100mg、より好適には3〜75mg、特に好適には5〜50mg服用できる量である。また、トログリタゾン又はその塩を用いる場合、1日あたり、トログリタゾンのフリー体換算で50〜800mg、より好適には100〜600mg、特に好適には200〜400mg服用できる量である。
【0030】
本発明においては、成分(B)を医薬組成物全質量に対して、0.01〜99質量%含有する医薬組成物が好ましく、0.1〜98.5質量%含有する医薬組成物がより好ましく、1〜98質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。特に、成分(B)としてピオグリタゾン又はその塩を用いる場合、ピオグリタゾン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、ピオグリタゾンのフリー体換算で1〜99質量%含有する医薬組成物が好ましく、2〜98.5質量%含有する医薬組成物がより好ましく、3〜98質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。
【0031】
本発明の医薬組成物における、成分(A)と成分(B)との含有質量比率は特に限定されないが、成分(A)及び/又は成分(B)の安定性の観点から、成分(A)1質量部に対して、成分(B)0.2〜375質量部が好ましく、0.4〜300質量部がより好ましく、0.6〜225質量部が特に好ましい。特に、成分(A)がピタバスタチン又はその塩であり、成分(B)がピオグリタゾン又はその塩である場合、ピタバスタチン又はその塩をピタバスタチンカルシウム換算で1質量部に対し、ピオグリタゾン又はその塩をピオグリタゾンのフリー体換算で1〜75質量部が好ましく、2〜60質量部がより好ましく、3〜45質量部が特に好ましい。
【0032】
<成分(C)>
成分(C)は、塩基性物質である。
上記塩基性物質としては、成分(A)のpH環境を塩基性にし得るものであれば特に限定されない。斯様な塩基性物質としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等を含むアルカリ土類金属及び/又は土類金属系のもの;ナトリウム、カリウム等を含むアルカリ金属系のもの;アミン系のものが挙げられる。
また、上述のような塩基性物質は、無機系塩基性物質と有機系塩基性物質とに大別できる。
【0033】
上記無機系塩基性物質において、アルカリ土類金属及び/又は土類金属系の無機系塩基性物質としては、マグネシウム、アルミニウム及びカルシウムから選ばれる金属の無機塩が好ましい。具体的には、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、水酸化カルシウムが挙げられる。
【0034】
また、アルカリ金属系の無機系塩基性物質としては、ナトリウム及びカリウムから選ばれる金属の無機塩が好ましい。具体的には、乾燥炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、無水ピロリン酸ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
【0035】
また、上記有機系塩基性物質において、アルカリ土類金属及び/又は土類金属系の有機系塩基性物質としては、例えば、アルジオキサ、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、スクラルファート水和物、パントテン酸カルシウム等が挙げられる。
また、アルカリ金属系の有機系塩基性物質としては、例えば、クエン酸ナトリウム水和物、コハク酸二ナトリウム六水和物、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、銅クロロフィリンナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム、銅クロロフィリンカリウム等が挙げられる。
また、アミン系の有機系塩基性物質としては、例えば、アミノ酢酸、L−アルギニン、メグルミン等が挙げられる。
【0036】
上述のような成分(C)の中でも、無機系塩基性物質が好ましい。この中でも、成分(A)及び/又は成分(B)の安定性の観点から、酸化アルカリ土類金属(酸化マグネシウム、酸化カルシウムなど)、水酸化アルカリ土類金属(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、炭酸アルカリ土類金属(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、ケイ酸アルカリ土類金属(ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムなど)、炭酸水素アルカリ金属(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、及び水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)並びにこれらを構成成分の一部として含有する無機系塩基性物質(メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど)が好ましく、酸化アルカリ土類金属及び水酸化アルカリ土類金属並びにこれらを構成成分の一部として含有する無機系塩基性物質から選ばれる無機系塩基性物質がより好ましく、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれる無機系塩基性物質が更に好ましく、酸化マグネシウムが特に好ましい。
【0037】
本発明の医薬組成物における、成分(C)の含有量は特に限定されないが、成分(A)及び/又は成分(B)の安定性の観点から、成分(C)を医薬組成物全質量に対して、0.001〜30質量%含有する医薬組成物が好ましく、0.005〜20質量%含有する医薬組成物がより好ましく、0.01〜10質量%含有する医薬組成物が特に好ましい。
【0038】
本発明の医薬組成物における、成分(A)と成分(C)との含有質量比率は特に限定されないが、成分(A)及び/又は成分(B)の安定性の観点から、成分(A)1質量部に対して、成分(C)0.0002〜500質量部が好ましく、0.002〜50質量部がより好ましく、0.02〜1質量部が特に好ましい。特に、成分(A)がピタバスタチン又はその塩である場合、ピタバスタチン又はその塩をピタバスタチンカルシウム換算で1質量部に対し、成分(C)0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましく、0.1〜0.2質量部が特に好ましい。
【0039】
本発明の成分(A)〜(C)の組み合わせの具体例としては、以下の1)〜28)が挙げられる。
1)ピタバスタチン又はその塩と、ピオグリタゾン又はその塩と、酸化マグネシウムとの組み合わせ;
2)ピタバスタチン又はその塩と、ピオグリタゾン又はその塩と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの組み合わせ;
3)プラバスタチン又はその塩と、ピオグリタゾン又はその塩と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの組み合わせ;
4)フルバスタチン又はその塩と、ピオグリタゾン又はその塩と、炭酸カルシウムとの組み合わせ;
5)フルバスタチン又はその塩と、ピオグリタゾン又はその塩と、炭酸水素ナトリウムとの組み合わせ;
6)アトルバスタチン又はその塩と、ピオグリタゾン又はその塩と、酸化マグネシウムとの組み合わせ;
7)ロスバスタチン又はその塩と、ピオグリタゾン又はその塩と、第三リン酸カルシウムとの組み合わせ;
【0040】
8)ピタバスタチン又はその塩と、ロシグリタゾン又はその塩と、酸化マグネシウムとの組み合わせ;
9)ピタバスタチン又はその塩と、ロシグリタゾン又はその塩と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの組み合わせ;
10)プラバスタチン又はその塩と、ロシグリタゾン又はその塩と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの組み合わせ;
11)フルバスタチン又はその塩と、ロシグリタゾン又はその塩と、炭酸カルシウムとの組み合わせ;
12)フルバスタチン又はその塩と、ロシグリタゾン又はその塩と、炭酸水素ナトリウムとの組み合わせ;
13)アトルバスタチン又はその塩と、ロシグリタゾン又はその塩と、酸化マグネシウムとの組み合わせ;
14)ロスバスタチン又はその塩と、ロシグリタゾン又はその塩と、第三リン酸カルシウムとの組み合わせ;
【0041】
15)ピタバスタチン又はその塩と、バラグリタゾン又はその塩と、酸化マグネシウムとの組み合わせ;
16)ピタバスタチン又はその塩と、バラグリタゾン又はその塩と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの組み合わせ;
17)プラバスタチン又はその塩と、バラグリタゾン又はその塩と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの組み合わせ;
18)フルバスタチン又はその塩と、バラグリタゾン又はその塩と、炭酸カルシウムとの組み合わせ;
19)フルバスタチン又はその塩と、バラグリタゾン又はその塩と、炭酸水素ナトリウムとの組み合わせ;
20)アトルバスタチン又はその塩と、バラグリタゾン又はその塩と、酸化マグネシウムとの組み合わせ;
21)ロスバスタチン又はその塩と、バラグリタゾン又はその塩と、第三リン酸カルシウムとの組み合わせ;
【0042】
22)ピタバスタチン又はその塩と、ロベグリタゾン又はその塩と、酸化マグネシウムとの組み合わせ;
23)ピタバスタチン又はその塩と、ロベグリタゾン又はその塩と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの組み合わせ;
24)プラバスタチン又はその塩と、ロベグリタゾン又はその塩と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの組み合わせ;
25)フルバスタチン又はその塩と、ロベグリタゾン又はその塩と、炭酸カルシウムとの組み合わせ;
26)フルバスタチン又はその塩と、ロベグリタゾン又はその塩と、炭酸水素ナトリウムとの組み合わせ;
27)アトルバスタチン又はその塩と、ロベグリタゾン又はその塩と、酸化マグネシウムとの組み合わせ;
28)ロスバスタチン又はその塩と、ロベグリタゾン又はその塩と、第三リン酸カルシウムとの組み合わせ;
【0043】
本発明の医薬組成物は、前述の成分(A)〜(C)の他に、薬効成分として、例えば、成分(B)以外の糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬、降圧薬、抗血栓薬、成分(A)以外の高脂血症治療薬、利尿薬等を含んでいてもよい。
【0044】
成分(B)以外の糖尿病治療薬としては、例えば、インスリン製剤;ボグリボース、アカルボース、ミグリトール及びエミグリテート等のα−グルコシダーゼ阻害剤;フェンフォルミン、メトフォルミン及びブフォルミン等のビグアナイド剤;トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラシド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトへキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾール等のスルホニルウレア剤;レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド等のグリニド薬;シダグリプチン、アログリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン等のDPP−4阻害薬;ASP1941、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、レモグリフロジン、ルセオグリフロジン、BI−10773、CSG−452等のSGLT2阻害剤;タスポグルチド、リラグルチド、エキセナチド等のGLP−1アゴニスト等が挙げられる。
【0045】
糖尿病合併症治療薬としては、例えば、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタット等のアルドース還元酵素阻害剤等が挙げられる。
【0046】
降圧薬としては、例えば、ペリンドプリル、デラプリル、トランドプリル、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、イミダプリル、ラミプリル等のACE阻害剤;ロサルタン、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、オルメサルタンメドキソミル等のアンジオテンシンII拮抗剤;アムロジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、エフォニジピン、
クレビジピン、シルニジピン、ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、ニモジピン、バルニジピン、フェロジピン、ベニジピン、マニジピン、ラシジピン、レルカニジピン等のカルシウム拮抗剤;レブクロマカリム等のカリウムチャネル開口剤;クロニジン等のα2受容体アゴニスト等が挙げられる。
【0047】
抗血栓薬としては、例えば、ヘパリン;ワルファリン;アルガトロバン等の抗トロンビン薬;シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム、塩酸サルポグレラート、チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル等の抗血小板剤;YM150、エドキサバン等の抗Xa剤;ウロキナーゼ、チソキナーゼ、アルテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼ、パミテプラーゼ等の抗トロンビン剤等が挙げられる。
【0048】
成分(A)以外の高脂血症治療薬としては、例えば、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブリン酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、テオフィブラート等のフィブラート剤;TAK−475等のスクワレン合成酵素阻害剤;トルセトラピブ、アナセトラピブ、ダルセトラピブ、JTT−302、DRL−17822、TA−8995等のCETP阻害剤;ニコモール、ニセリトロール等のニコチン系薬剤等が挙げられる。
【0049】
利尿薬としては、例えば、テオブロミン等のキサンチン誘導体、フロセミド、トラセミド、アゾセミド、ピレタニド等のループ利尿薬;エチアジド、シクロペンチアジド、ヒドロクロロチアジド、ペンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチアジド、ポリチアジド、メチクロチアジド、ヒドロフルメチアジド、トリクロルメチアジド、インダパミド、クロルタリドン、等のチアジド系利尿薬;トリアムテレン、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、エプレレノン等の抗アルドステロン薬;アセタゾラミド等の炭酸脱水酵素阻害剤等が挙げられる。
【0050】
本発明の医薬組成物は、例えば、第十五改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従い製造できる。また、剤形は特に限定されるものではなく、固形状、半固形状、液状のいずれの形状であってもよく、その利用目的等に応じて医薬品において通常利用される形状とすることができる。具体的には例えば、錠剤(チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠などを含む)、トローチ剤、ドロップ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、坐剤、パップ剤、プラスター剤などの固形製剤;舐剤、チューインガム剤、ゼリー剤、ゼリー状ドロップ剤、ホイップ剤、軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、インへラー剤、ナザールジェル剤などの半固形製剤;シロップ剤、ドリンク剤、懸濁剤、酒精剤、液剤、点眼剤、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤などの液状製剤などの、第十五改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形とすることができる。
本発明においては、固形製剤であるのが好ましい。この中でも、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、細粒剤がより好ましく、錠剤、カプセル剤が特に好ましい。なお、本発明の医薬組成物は、公知の方法により、糖衣やフィルムコーティング等により被覆されていてもよい。
【0051】
また、上述のような固形製剤としては、成分(A)及び/又は成分(B)の安定性の観点から、成分(A)と成分(B)とを実質的に互いに接しないように含有するものが好ましい。ここで、成分(A)と成分(B)とを「実質的に互いに接しないように含有する」とは、医薬組成物中、成分(A)及び成分(B)の一部又は全部が相互作用を発現しない程度に接触しないよう含有することを意味するが、成分(A)と成分(B)とを接触しないように含有するものが好ましい。
当該実質的に互いに接しないように含有する固形製剤は、一般の製剤技術研究者であれば、容易に理解され得るものであり、公知の方法に基づき、適宜製剤添加物を用いて製造、製剤化できる。
【0052】
成分(A)と成分(B)とを実質的に互いに接しないように含有する固形製剤としては、(A’)成分(A)を含有する固形組成物又は成分(A)そのものと、(B’)成分(B)を含有する固形組成物又は成分(B)そのものとを含有し、成分(A)と成分(B)とが互いに接しないように配置されている固形製剤(但し、成分(A’)が成分(A)そのものであり、かつ、成分(B’)が成分(B)そのものである場合を除く)が挙げられる。斯かる態様においては、固形組成物を構成する成分によって、成分(A)と成分(B)の接触が妨げられることとなる。
本発明において、上記の成分(A’)としては、成分(A)を含有する固形組成物が好ましく、成分(B’)としては、成分(B)を含有する固形組成物が好ましい。
また、上記固形製剤において、成分(C)は、成分(A’)及び(B’)の固形組成物中のいずれか一方又は両方に含有せしめてもよいし、成分(A’)及び(B’)と別にして医薬組成物に含有せしめてもよいが、成分(A)及び/又は成分(B)の安定性の観点から、成分(A)の近傍に存在せしめるのが好ましく、具体的には、成分(A)を含有する固形組成物中に含有せしめるのが好ましい。斯様な固形組成物としては、アトルバスタチンカルシウム及び炭酸カルシウムを含む固形組成物以外のものが好ましい。
また、上記固形組成物の形態は、粉状、粒状、錠剤状のような形態であり、その大きさ等は特に限定されない。斯様な形態の中でも、造粒して得られる粒状物が好ましい。
【0053】
上記固形製剤の具体的な形態としては、以下の(1)−(8)等を例示することができる。なお、前述のとおり、斯かる固形製剤において、成分(C)は粒状物中に含有せしめてもよいし、粒状物とは別に含有せしめてもよい。
【0054】
(1)成分(A)及び成分(B)のうちいずれか一方を適当な方法で造粒して粒状物とし、これに他方を造粒せずに配合して製した散剤や顆粒剤等並びにこれらの剤を更に適当な方法で被覆した製剤。
(2)成分(A)及び成分(B)をそれぞれ適当な方法で別個に造粒して粒状物とし、これらを配合して製した散剤や顆粒剤等並びにこれらの剤を更に適当な方法で被覆した製剤。
(3)上記(1)又は(2)で製した散剤や顆粒剤等並びにこれらの剤を更に適当な方法で被覆した製剤がカプセルに充填されたカプセル剤。
(4)上記(1)又は(2)で製した粒状物等を適当な方法で製錠して得た錠剤及び当該錠剤を更に適当な方法で被覆した製剤(糖衣錠やフィルムコーティング錠など)。製錠は、圧縮法のほか、適当な方法により一定の形状に成形することでも達成できる。
(5)成分(A)及び成分(B)が実質的に互いに接触しないように製した多層錠並びに当該多層錠を更に適当な方法で被覆した製剤(糖衣錠やフィルムコーティング錠など)。当該多層錠としては、成分(A)及び成分(B)を、互いに異なる層に位置させたものが好ましく、三層以上の多層錠として、成分(A)を含む層と成分(B)を含む層とが互いに接しないように位置させたものがより好ましい。なお、成分(A)及び成分(B)として、上記(1)や(2)で製した粒状物等を用いることができる。
(6)成分(A)及び成分(B)のいずれか一方を核錠(芯錠、中心錠ともいう)に配置し、成分(A)及び成分(B)が実質的に互いに接触しないように製した有核錠、並びに当該有核錠を更に適当な方法で被覆した製剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠など)。なお、成分(A)及び成分(B)として、上記(1)や(2)で製した粒状物等を用いることができる。
(7)上記(1)又は(2)の粒状物に換えて、成分(A)及び成分(B)のいずれか一方又は両方をα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンやγ−シクロデキストリン等のシクロデキストリン類等で包接した包接化合物を用いた製剤。
(8)成分(A)及び成分(B)のいずれか一方を通常の方法で製した製剤中に含有し、糖衣層やフィルムコーティング層を設けた製剤であって、当該糖衣層やコーティング層に他方を含有し、成分(A)及び成分(B)が実質的に互いに接しないように製した製剤(剤形が錠剤である場合、糖衣錠やフィルムコーティング錠など)。
【0055】
上記(1)及び(2)等における粒状物は、押し出し造粒、転動造粒、撹拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒、破砕造粒、溶融造粒等の公知の造粒方法により、適宜製剤添加物を用いて製すればよい。本発明においては、成分(A)を含有する粒状物、及び成分(B)を含有する粒状物のいずれもが同一の造粒方法により製されていてもよいし、相異なる造粒方法により製されていてもよい。
【0056】
本発明の医薬組成物を製するにあたり、用いられ得る製剤添加物としては、例えば、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、デキストリン、部分アルファー化デンプン、プルラン、アラビアゴム、カンテン、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ポビドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。なお、上記(1)及び(2)等における粒状物を製する際に溶融造粒を用いる場合は、常温時に固体であって、加熱により溶融又は軟化するような融点(凝固点)が低い結合剤を用いることが好ましい。このような結合剤の融点(凝固点)としては、成分(A)及び(B)の融点よりも低いものが好ましい。具体的には、融点(凝固点)が30〜100℃の結合剤が好ましく、50〜80℃のものがより好ましい。このようなものとしては、例えば、マクロゴール類(例えば、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000等);油脂類(例えば、牛脂硬化油、硬化油、水素添加植物油、ダイズ硬化油、カルナウバロウ、サラシミツロウ、ミツロウ、モクロウ等);炭化水素類(例えば、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等);高級アルコール類(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール等);脂肪酸類(例えば、ステアリン酸等);脂肪酸エステル類(例えば、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリン等)等が挙げられる。
【0057】
賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、粉末セルロース、乳糖水和物、白糖、ブドウ糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、二酸化ケイ素等が挙げられる。
【0058】
崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプピルセルロース、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。
【0059】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。
流動化剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、酸化チタン等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号等が挙げられる。
【0060】
本発明の医薬組成物の投与形態としては、経口投与、非経口投与が挙げられるが、経口投与が好ましい。
【0061】
本発明の医薬組成物は、HMG−CoA還元酵素阻害活性を有する成分(A)、及びチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤である成分(B)を含有するため、糖尿病、糖尿病合併症、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症を始めとする種々の疾患の予防及び/又は治療に有用である。
【実施例】
【0062】
以下に実施例等を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら限定されるものではない。
【0063】
<試験例1>相互作用の検討
下記に示す参考例1、対照例1及び2のサンプルを製造し、参考例1のサンプルについては500mgを、対照例1及び2のサンプルについては250mgをそれぞれガラス瓶に入れ、60℃で2週間保存した。
【0064】
[対照例1]
ピタバスタチンカルシウムをそのまま対照例1のサンプルとした。
[対照例2]
ピオグリタゾン塩酸塩をそのまま対照例2のサンプルとした。
[参考例1]
ピタバスタチンカルシウム及びピオグリタゾン塩酸塩を等量混合し、得られた混合物を参考例1のサンプルとした。
【0065】
上記各種サンプルにつき、下記の性状及び分解物量の確認を行なった。
【0066】
(性状の確認)
各種サンプルにつき、保存開始直後及び2週間保存後の状態(性状)を目視により評価した。
(ピタバスタチンカルシウムの分解物量の確認)
各種サンプルにつき、保存開始直後及び2週間保存後のピタバスタチンカルシウムの分解物量を、HPLC法を用いて測定した。具体的には、HPLC装置(SERIES1100:Agilent製)を用いて、ピタバスタチンカルシウムの分解物量を、ピタバスタチン及びその分解物に由来する総ピーク面積に対する面積百分率(%)として測定した。
(ピオグリタゾン塩酸塩の分解物量の確認)
上記ピタバスタチンカルシウムの分解物量の確認と同様の方法により、ピオグリタゾン塩酸塩の分解物量を、ピオグリタゾン及びその分解物に由来する総ピーク面積に対する面積百分率(%)として測定した。
結果を表1に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
表1に示すように、ピタバスタチンカルシウム及びピオグリタゾン塩酸塩を各々単独で保存すると、性状及び分解物量はほとんど変化しなかった(対照例1及び2)。その一方で、ピタバスタチンカルシウムとピオグリタゾン塩酸塩を混合して保存すると、混合物は固化し、褐色に変色するとともに、各成分の分解物量の増加が確認された(参考例1)。
このことから、ピタバスタチンカルシウムとピオグリタゾン塩酸塩との接触により相互作用が生じることが判明した。
また、参考例1のサンプルについて、ピタバスタチンカルシウムの分解物の組成を確認した結果、そのほとんどがラクトン体であった(26.3%(ピタバスタチンの分解物のうちの約85%))。
【0069】
<試験例2>相互作用の抑制手段の検討
上記試験例1において、ピタバスタチンカルシウムの分解物のほとんどがラクトン体であったことから、本発明者は、ピタバスタチン等のスタチン類のラクトン体が、ピオグリタゾン塩酸塩の分解に関与しており、斯かるラクトン体の生成を抑制することによって、同時にピオグリタゾン等のチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤の分解も抑制され、ひいては相互作用による状態変化も抑制されるとの予測に立ち、スタチン類のラクトン体生成抑制手段である、塩基性物質の配合による上記の相互作用の抑制を試みた。
【0070】
具体的には、ピタバスタチンカルシウム及びピオグリタゾン塩酸塩を等量混合し、得られた混合物に、塩基性物質である酸化マグネシウムを各種薬物質量に対して、1/8量(すなわち、ピタバスタチンカルシウム:ピオグリタゾン塩酸塩:酸化マグネシウムの相対質量比率は1:1:0.125)を混合して実施例1のサンプルを製造した。得られた実施例1のサンプル637.5mgをガラス瓶に入れ、60℃で2週間保存し、保存開始直後及2週間保存後の性状を試験例1と同様にして確認した。
結果を表2に示す。
【0071】
【表2】

【0072】
表2に示すように、ピタバスタチンカルシウムとピオグリタゾン塩酸塩に加えて、塩基性物質である酸化マグネシウムを加えて混合した混合物(実施例1)においては、前述の参考例1において見られた状態変化(変色及び固化(試験例1参照))が抑制されることが確認された。
以上の試験結果より、塩基性物質の配合によってスタチン類のラクトン体生成を抑制することにより、スタチン類とチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤との相互作用が抑制されることが確認された。
【0073】
<試験例3>相互作用の抑制手段の検討(2)
まず、下記の方法に従い、ピタバスタチンカルシウム及び酸化マグネシウムを含有する顆粒(以下、顆粒Iとも称する)と、ピオグリタゾン塩酸塩を含有する顆粒(以下、顆粒IIとも称する)とを製造した。
【0074】
(ピタバスタチンカルシウム及び酸化マグネシウムを含有する顆粒(顆粒I)の製造)
50mg当たりに以下の成分を含有する顆粒を、常法により製造した。
ピタバスタチンカルシウム 4.18mg
酸化マグネシウム 0.5mg
乳糖水和物 42.42mg
ヒプロメロース 0.4mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 2.5mg
【0075】
(ピオグリタゾン塩酸塩を含有する顆粒(顆粒II)の製造)
120mg当たりに以下の成分を含有する顆粒を、常法により製造した。
ピオグリタゾン塩酸塩 30mg
乳糖水和物 78mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6mg
カルメロースカルシウム 6mg
【0076】
次いで、下記に示す比較例1並びに実施例2及び3のサンプルを製造し、各サンプル6gをガラス瓶に入れ、60℃で2週間保存した。
【0077】
[比較例1]
ピタバスタチンカルシウムと顆粒IIとを、ピタバスタチンカルシウムの量と顆粒II中のピオグリタゾン塩酸塩の量とが等量となるように混合し、比較例1のサンプルとした。
【0078】
[実施例2]
顆粒Iとピオグリタゾン塩酸塩とを、ピオグリタゾン塩酸塩の量と顆粒I中のピタバスタチンカルシウムの量とが等量となるように混合し、実施例2のサンプルとした。
【0079】
[実施例3]
顆粒Iと顆粒IIとを、顆粒I中のピタバスタチンカルシウムの量と顆粒II中のピオグリタゾン塩酸塩の量とが等量となるように混合し、実施例3のサンプルとした。
【0080】
そして、各種サンプルにつき、保存開始直後及び2週間保存後のピタバスタチンカルシウム及びピオグリタゾン塩酸塩の分解物量を、試験例1と同様の方法により測定した。
結果を表3に示す。なお、表3中の参考例1は、試験例1の参考例1である。
【0081】
【表3】

【0082】
表3から明らかなように、ピオグリタゾン塩酸塩を造粒して顆粒とし、ピタバスタチンカルシウムと接しないようにすることにより分解物の生成の抑制が確認されたものの、その程度は充分なものではなかった(比較例1)。
これに対し、塩基性物質である酸化マグネシウムを配合した実施例2及び3のサンプルにおいては、ピタバスタチン及びピオグリタゾンの分解物の生成が充分に抑制されていた。特に、実施例3のサンプルにおいては、塩基性物質である酸化マグネシウムを配合することに加えて、ピタバスタチンカルシウム及びピオグリタゾン塩酸塩をそれぞれ別々に造粒して顆粒とし、両成分が接しないようにすることにより、ピタバスタチン及びピオグリタゾンの分解物の生成が顕著に抑制されていた。
【0083】
上記試験例1〜3の結果から、塩基性物質によって、ピタバスタチン又はその塩を含む上記一般式(1)で表されるHMG−CoA阻害活性を有する化合物及びその塩から選ばれる1種以上と、ピオグリタゾン又はその塩を含むチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤との間の相互作用を抑制し、両成分を安定化できることが明らかとなった。
【0084】
[製造例1]
ピタバスタチンカルシウム25.08g、ピオグリタゾン塩酸塩180g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、酸化マグネシウム3g、乳糖水和物511.42gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0085】
[製造例2]
ピタバスタチンカルシウム12.54g、ピオグリタゾン塩酸塩90g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム120g、乳糖水和物496.96gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0086】
[製造例3]
プラバスタチンナトリウム60g、ピオグリタゾン塩酸塩180g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム240g、乳糖水和物239.5gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0087】
[製造例4]
フルバスタチンナトリウム252.72g、ピオグリタゾン塩酸塩180g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、炭酸カルシウム90g、乳糖水和物196.78gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0088】
[製造例5]
フルバスタチンナトリウム126.36g、ピオグリタゾン塩酸塩90g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、炭酸水素ナトリウム240g、乳糖水和物263.14gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0089】
[製造例6]
アトルバスタチンカルシウム水和物130.08g、ピオグリタゾン塩酸塩180g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、酸化マグネシウム1.5g、乳糖水和物407.92gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0090】
[製造例7]
ピタバスタチンカルシウム25.08g、ピオグリタゾン塩酸塩180g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、第三リン酸カルシウム240g、乳糖水和物274.42gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0091】
[製造例8]
ピタバスタチンカルシウム25.08g、ロシグリタゾンマレイン酸塩48g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、酸化マグネシウム3g、乳糖水和物643.42gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0092】
[製造例9]
ピタバスタチンカルシウム12.54g、ロシグリタゾンマレイン酸塩24g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム240g、乳糖水和物442.96gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0093】
[製造例10]
プラバスタチンナトリウム30g、ロシグリタゾンマレイン酸塩48g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム120g、乳糖水和物521.5gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0094】
[製造例11]
フルバスタチンナトリウム252.72g、ロシグリタゾンマレイン酸塩48g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、炭酸カルシウム18g、乳糖水和物400.78gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0095】
[製造例12]
フルバスタチンナトリウム126.36g、ロシグリタゾンマレイン酸塩24g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、炭酸水素ナトリウム60g、乳糖水和物509.14gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0096】
[製造例13]
アトルバスタチンカルシウム水和物65.04g、ロシグリタゾンマレイン酸塩48g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、酸化マグネシウム0.6g、乳糖水和物605.86gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0097】
[製造例14]
ピタバスタチンカルシウム25.08g、ロシグリタゾンマレイン酸塩24g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、第三リン酸カルシウム180g、乳糖水和物490.42gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0098】
[製造例15]
ピタバスタチンカルシウム25.08g、ロベグリタゾン硫酸塩6g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、酸化マグネシウム3g、乳糖水和物685.42gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0099】
[製造例16]
ピタバスタチンカルシウム12.54g、ロベグリタゾン硫酸塩3g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム240g、乳糖水和物463.96gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0100】
[製造例17]
プラバスタチンナトリウム60g、ロベグリタゾン硫酸塩6g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム300g、乳糖水和物353.5gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0101】
[製造例18]
フルバスタチンナトリウム252.72g、ロベグリタゾン硫酸塩6g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、炭酸カルシウム180g、乳糖水和物280.78gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0102】
[製造例19]
フルバスタチンナトリウム126.36g、ロベグリタゾン硫酸塩3g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、炭酸水素ナトリウム180g、乳糖水和物410.14gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0103】
[製造例20]
アトルバスタチンカルシウム水和物260.16g、ロベグリタゾン硫酸塩6g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、酸化マグネシウム12g、乳糖水和物441.34gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【0104】
[製造例21]
ロスバスタチンカルシウム249.6g、ロベグリタゾン硫酸塩3g、ヒプロメロース2.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース80g、第三リン酸カルシウム30g、乳糖水和物436.9gを高速撹拌造粒機にて10分混合し、精製水を90.0mL入れ練合する。
その後、練合物を50℃条件下で6時間乾燥し、整粒機にて整粒し、この整粒物801.9g及びステアリン酸マグネシウム8.1gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤を得る。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明によれば、スタチン類を始めとする上記一般式(1)で表されるHMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物及びその塩から選ばれる1種以上と、チアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤との間の相互作用を抑制でき、HMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物及びその塩から選ばれる1種以上、及びチアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤を安定に含有する医薬組成物を提供することができ、医薬品産業等において利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C):
(A)下記一般式(1)
【化1】

[式中、Rは有機基を示し、Xは−CH2−CH2−又は−CH=CH−を示す。]
で表されるHMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物及びその塩から選ばれる1種以上
(B)チアゾリジン系インスリン抵抗性改善剤
(C)塩基性物質
を含有する医薬組成物。
【請求項2】
成分(B)が、ピオグリタゾン及びその塩、ロシグリタゾン及びその塩、バラグリタゾン及びその塩、ロベグリタゾン及びその塩、ネトグリタゾン及びその塩、リボグリタゾン及びその塩、エングリタゾン及びその塩、並びにトログリタゾン及びその塩から選ばれる1種以上である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
成分(B)がピオグリタゾン塩酸塩である請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
HMG−CoA還元酵素阻害活性を有する化合物が、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン及びロスバスタチンから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
成分(A)がピタバスタチンカルシウムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
成分(C)が無機系塩基性物質である請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
成分(C)が、酸化アルカリ土類金属、水酸化アルカリ土類金属、炭酸アルカリ土類金属、ケイ酸アルカリ土類金属、炭酸水素アルカリ金属、及び水酸化アルカリ金属並びにこれらを構成成分の一部として含有する無機系塩基性物質から選ばれる無機系塩基性物質である請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
成分(C)が酸化マグネシウムである請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
固形製剤である請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
剤形が、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤又は錠剤である請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2012−176919(P2012−176919A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41644(P2011−41644)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】