説明

半導体に直接電着する方法

【課題】 半導体の上に直接電着する方法を提供する。
【解決手段】 本開示は、半導体材料の少なくとも1つの表面上に金属又は金属合金を電着する方法を提供する。本発明の方法は、半導体材料の少なくとも1つの表面上の、電着された金属膜による完全な被覆を提供する。本開示の方法は、半導体材料を準備することを含む。半導体材料の少なくとも1つの表面上に、電着プロセスによって金属膜が付けられる。用いる電着プロセスには、最初に低電流密度を加え、所定の時間後に電流密度を高電流密度に変える電流波形が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体材料の表面上に金属又は金属合金を堆積させる方法に関し、より具体的には、ドープされた半導体材料の表面上に金属又は金属合金を電着する方法に関する。本開示の方法は、表面に電着された金属又は金属合金を有するドープされた半導体材料を含む太陽電池又は光電池を供給するためのいずれの従来の太陽電池製造プロセスにも組み込むことができる。
【背景技術】
【0002】
電気めっきは、電流を用いて溶液から所望の材料のカチオンを還元し、金属などの材料の薄い層で物体、典型的には導電性の物体を覆うめっきプロセスである。電気めっきは主として、所望の特性(例えば良好な導電性、摩耗及び損耗に対する耐性、腐食防止、潤滑性、美的性質など)を元来その特性をもたない表面に与えるための材料層を堆積させるのに用いられる。
【0003】
電気めっきに用いられるプロセスは電着と呼ばれる。これは逆に作用するガルバーニ電池に似ている。めっきされる部分は通常、回路のカソードである。ある技術において、アノードは、一部分がめっきされる金属で形成する。他の技術においては、アノードは、電着中に電解質に溶解することができない不活性金属で形成する。両方の構成要素が、1つ又は複数の溶解した金属塩及び他のイオンを含んで電流を流すことができる電解液と呼ばれる溶液に浸漬される。バッテリ又は整流器がアノードに直流電流を供給し、可溶性アノードの場合には、アノードを構成する金属原子を酸化して、それらを溶液中に溶出させる。不活性アノードの場合には、水が酸化されて酸素になる。カソードにおいては、電解質溶液に溶解した金属イオンは、溶液とカソードの間の界面で還元され、その結果カソード上に「めっき析出」する。
【0004】
例えば半導体基板のような半導体表面への直接電着は、導電性表面、即ち金属表面上よりも複雑である。半導体材料のバンドギャップの存在が核生成をより困難にし、表面状態により敏感にする。例えば、n型ドープ・シリコン、即ちn型Siの表面上に堆積させるときには、ドーパントの密度が核生成速度に影響を与えることになる。ドーパント・プロファイルに少しでも不均一性があれば、金属及び金属合金の不均一な堆積が生じる。別の例を挙げれば、半導体表面が汚染又は初期金属核に起因する表面状態を有するときには、堆積可能な表面サイトを有するサイトに優先的に堆積が生じることになる。例えば、非特許文献1を参照されたい。これもまた、めっきされない領域を生じる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】G. Oskam 他、Phys.Rev. Lett. 76巻(1996年)、p.1521。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
太陽電池又は光電池のメタライゼーションのための光誘起めっきにおいて、表面汚染及びドーパントの不均一性はよく起る現象である。従って、太陽電池又は光電池のn型エミッタ半導体表面の完全な金属被覆を達成することは極めて困難である。n型エミッタ半導体表面が不均一なときは、定電流又は電位制御の電着技術を用いることでは、n型エミッタ半導体表面の大部分に金属膜を電着することができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、半導体材料の少なくとも1つの表面上に金属又は金属合金を電着する方法を提供する。本発明の方法は、半導体材料の少なくとも1つの表面上の、電着された金属膜による完全な被覆を提供する。本発明の方法は、太陽電池又は光電池のn型エミッタの表面を完全に被覆するのに用いることができる。従って、本開示により、メタライゼーションのための改善された、より低コストの技術が提供され、これは太陽電池産業において現行のスクリーン印刷プロセスの代わりに用いることができる。
【0008】
本開示の方法は、半導体材料を準備することを含む。幾つかの実施形態において、半導体材料はドープ型とすることができる。他の実施形態においては、半導体材料は非ドープ型とすることができる。金属膜は、電着プロセスによって、半導体材料の少なくとも1つの表面上に付けられる。使用する電着プロセスには、第1の期間に第1の電流密度を加え、続いて第2の期間に第2の電流密度を加える電流波形が用いられ、ここで第1の電流密度は第2の電流密度よりも低いものとする。具体的には、本開示の電着プロセスには、最初に低電流密度を加え、所定の期間が過ぎた後に、電流密度を高電流密度にランプアップ(ramp-up)させる電流波形を用いる。本開示の出願人は、前述の電流波形(即ち、低電流密度から高電流密度へ)を用いることで従来技術の電着プロセス中に存在する不均一性の問題が克服されることを見出した。
【0009】
1つの実施形態において、本開示で用いる電流波形は、低電流密度から高電流密度への連続的なランプ(ramp)とすることができる。別の実施形態においては、電流波形は、低電流密度から始まり高電流密度に至る一連の定電流プラトーとすることができる。本開示の全体を通じて用いられる「低電流密度」という用語は、5ミリアンペア/cmから40ミリアンペア/cmまでの電流密度を指す。本開示の全体を通じて用いられる「高電流密度」という用語は、40ミリアンペア/cmより大きい電流密度を指し、40ミリアンペア/cmより大きく200ミリアンペア/cmまでの電流密度が高電流密度の典型的な範囲となる。
【0010】
不均一性の問題を克服するために上述の電流波形(即ち、低電流密度から高電流密度への)を用いることは、電着分野の一般常識とは全く矛盾する。何故なら殆どの従来技術の電着プロセスには逆の電流波形、即ち、高電流密度から低電流密度への順序が用いられるからである。このような従来技術の電着プロセスでは、最初に高電流密度を用いて高密度の核を発生させ、次いで、低電流密度を用いて膜を成長させる。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態においては、電着プロセス中に光照射を用いて金属核生成及び成長を高めることができる。特に、太陽電池又は光電池を製造する実施形態において、光照射により電着プロセス中に用いることができる自由電子を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの実施形態において用いることができる、少なくとも1つの半導体材料を含む初期構造体を示す(断面図による)図形表示である。
【図2】半導体材料の1つの表面上に随意的なパターン付けされた反射防止膜(ARC)を形成した後の図1の初期構造体を示す(断面図による)図形表示である。
【図3A】図1に示される初期構造体に、本発明による電着プロセスを用いて半導体材料の1つの表面上に金属膜を形成した後の状態を示す図である。
【図3B】図2に示される初期構造体に、本発明による電着プロセスを用いて半導体材料の1つの表面上に金属膜を形成した後の状態を示す図である。
【図4】従来技術の方法によりNiをめっきするのに高電流密度を用いた、Si太陽電池のn型エミッタ・グリッド表面上のNiめっきを示すSEMである。
【図5】本開示によりNiをめっきするのに低から高への波形電流密度を用いた、Si太陽電池のn型エミッタ・グリッド表面上のNiめっきを示すSEMである。
【図6】別の従来技術の方法によりNiをめっきするのに高から低への波形電流密度を用いた、Si太陽電池のn型エミッタ・グリッド表面上のNiめっきを示すSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これより、半導体材料の表面上に直接金属又は金属合金を電着する方法を提供する本開示を、以下の議論及び本出願に添付の図面を参照することによって、より詳細に説明する。本出願の図面は説明のために提供され、従って、図面は一定尺度で描かれてはいないことに留意されたい。
【0014】
以下の説明では、本発明の幾つかの態様の理解を与えるために、特定の構造体、構成要素、材料、寸法、プロセス・ステップ及び技術などの多数の具体的な詳細が示される。しかし、当業者であれば、本発明はこれらの具体的な詳細を伴わずに実施することができることを認識するであろう。他の例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造体又はプロセス・ステップは詳細には説明されていない。
【0015】
層、領域、又は基板のような要素が別の要素の「上に(on)」又は「上方に(over)」あるものとして言及されている場合には、それは、他の要素の直接上に存在していてもよく、又は介在する要素が存在してもよいことが理解される。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に(directly on)」又は「直接上方に(directly over)」あるものとして言及されている場合には、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素の「下に(beneath)」又は「下方に(under)」あるものとして言及されている場合には、それは、他の要素の直接下に又は直接下方に存在していてもよく、又は介在する要素が存在していてもよいことが理解される。対照的に、ある要素が別の要素の「直接下に(directly beneath)」又は「直接下方に(directly under)」あるものとして言及されている場合には、介在する要素は存在しない。
【0016】
上述のように、本開示は、半導体材料の少なくとも1つの表面上に金属又は金属合金を電着して、電着された金属膜による完全な被覆を達成する電着方法を提供する。本方法は、半導体材料を準備することを含む。次いで、電着プロセスにより、半導体材料の少なくとも1つの表面上に金属膜が付けられるが、その際、最初に低電流密度を加え、所定の期間の後で電流密度を高電流密度に増加させる電流波形が用いられる。
【0017】
ここで図1を参照すると、本発明の1つの実施形態において用いることができる半導体材料10を含む初期構造体8が示される。半導体材料10は少なくとも1つの表面12を有し、そこに後で本開示の電着方法を用いて金属膜が形成されることになる。用いられる半導体材料10は、Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、GaAs、GaN、InAs、InP、及び全ての他のIII/V族又はII/VI族化合物半導体を含むが、これらに限定されない。半導体材料10はまた、Si/SiGe、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、SiGeオン・インシュレータ(SGOI)、又はゲルマニウム・オン・インシュレータ(GOI)のような有機半導体又は層状半導体を含むことができる。本発明の1つの実施形態において、半導体材料10はSiで構成される。1つの実施形態においては、半導体材料10は、単結晶半導体材料で構成される。別の実施形態においては、半導体材料10は多結晶半導体材料で構成される。本出願の別の実施形態においては、半導体材料10は、太陽電池又は光電池を含む少なくとも1つのデバイスをその上に形成することができる基板を含むことができる。
【0018】
半導体材料10は、例えばn型及び/又はp型ドーパントのような同じ又は異なる導電型のドーパントでドープしてもよく、ドープしなくてもよく、又は、ドープ領域と非ドープ領域とを含んでもよい。図1に示す特定の実施形態においては、半導体材料10はp型ドーパントを含むp型半導体部分10Aと、その上層のn型ドーパントを含むn型半導体部分10Bとを含む。本開示の全体を通じて、「n型ドーパント」という用語は、例えばP、As、及び/又はSbを含む、元素周期表のVA族の原子を示すのに用いる。本開示の全体を通じて、「p型ドーパント」という用語は、例えばB、Al、Ga、及び/又はInを含む、元素周期表のIIIA族の原子を示すのに用いる。
【0019】
半導体材料内でのドーパントの濃度は、その半導体材料の最終的な用途、及び用いるドーパント原子の種類によって変わり得る。図1に示す特定の実施形態においては、半導体材料10のp型半導体部分10Aは、典型的には1.0E12原子/cmから1E22原子/cmまでのp型ドーパント濃度を有し、1.0E16原子/cmから1.0E20原子/cmまでのp型ドーパント濃度がより典型的である。半導体材料10のn型半導体部分10Bは、典型的には1.0E11原子/cmから1.0E22原子/cmまでのn型ドーパント濃度を有し、1.0E13原子/cmから1.0E20原子/cmまでのn型ドーパント濃度がより典型的である。
【0020】
半導体材料10をドープする場合には、n型及び/又はp型ドーパントは当業者には周知の技術を用いて半導体材料内に導入することができる。例えば、n型及び/又はp型ドーパントは、イオン注入、気相ドーピング、液体スプレー/噴霧ドーピング、及び/又は、基板上に形成して外方拡散プロセスの後で除去することができる上層の犠牲ドーパント材料層からのドーパント原子の外方拡散によって、半導体材料内に導入することができる。本発明の幾つかの実施形態において、ドーパントは半導体材料10の形成中に半導体材料10に導入することができる。例えば、インサイチュのエピタキシャル成長プロセスを用いてドープされた半導体材料10を形成することができる。
【0021】
半導体材料10の少なくとも1つの表面12にはテクスチャを付けなくても、付けてもよい。テクスチャを付けた(即ち、特別に粗くした)表面は、典型的には、半導体材料10を太陽電池用途に用いる場合に、吸光効率を増大させるために用いられる。テクスチャを付けた表面は、入射光の電池内への透過部分に比較して入射光の反射による損失部分を減らすが、その理由は角度が付いた構造部の側面に入射する光子は隣接する角度が付いた構造部の側面へ反射することになり、従って、吸収される別の機会を有することになるからである。さらに、テクスチャを付けた表面は内部吸収を増加させるが、その理由は、角度が付いたシリコン表面に入射する光は、通常屈折して斜めの角度で基板中を伝搬するので、基板の裏面に到達するまでに通る経路の長さが増加し、また、基板の裏面から反射された光子が、内部反射及び光捕捉の合計と適合するような角度で前面に衝突する可能性が高まることになるためである。半導体材料10の少なくとも1つの表面12のテクスチャ付けは、当該技術分野で周知の従来の技術を用いて実施することができる。1つの実施形態においては、KOHベースの溶液を用いて、半導体材料10の少なくとも1つの表面12にテクスチャ付けすることができる。別の実施形態においては、半導体材料10の少なくとも1つの表面12上にHNO/HFベースの溶液を用いることにより、テクスチャ付けを達成することができる。別の実施形態においては、反応性イオン・エッチング(RIE)と高密度充填された自己組織化ポリマー球を含むマスクとの組み合わせを用いることにより、テクスチャ付けを達成することができる。
【0022】
半導体材料10を太陽電池に使用する基板として用いる実施形態においては、半導体材料のある表面に金属ペースト(図示せず)が塗布され、この表面の反対側が後でその上に金属膜が電着される少なくとも1つの表面となる。金属ペーストは、Al、Ag、又はAlAgペーストなどの任意の導電性ペーストを含むものであり、太陽電池製造分野の当業者には周知の従来の技術を用いて形成される。金属ペーストを塗布した後、金属ペーストを十分に高い温度まで加熱し、金属ペーストを流動させて塗布された半導体材料の表面上に金属層を形成する。半導体材料10としてSi材料を用い、そしてAlペーストを用いる1つの実施形態においては、Alペーストは700℃から900℃までの温度に加熱され、それによってAlペーストが流動して金属Al及びAlSi層を形成する。金属ペーストから形成される金属Al及びAlSi層は、太陽電池の導電性裏面電界又は裏側電気的接触部として機能を果たす。
【0023】
次に図2を参照すると、半導体材料10の少なくとも1つの表面12上に随意的なパターン付けされた反射防止膜(ARC)14を形成した後で形成される構造体が示される。図示したように、随意的なパターン付けされたARC14は、内部に半導体材料10の一部分を露出させる少なくとも1つの開口部を有する。本発明において用いることができるパターン付けされたARC14は、例えば無機ARC及び有機ARCを含む任意の従来のARC材料を含む。パターン付けされたARC14は、当業者には周知の技術を用いて形成することができる。例えばスピン・オン・コーティング、ディップ・コーティング、蒸着法、化学溶液堆積法、化学気相堆積法(CVD)、及びプラズマ強化化学気相堆積法(PECVD)を含む従来の堆積プロセスを用いて、半導体材料10の少なくとも1つの表面12上にARC組成物を塗布することができる。ARC組成物、特に液相からのそれを塗布した後、通常は、堆積後ベーキング・ステップを用いて溶媒などの不要な組成物を除去し、そして架橋を生じさせる。ARC組成物の堆積後ベーキング・ステップは、必ずしも常にではないが典型的には80℃から300℃までの温度で実施され、120℃から200℃までのベーキング温度がより典型的である。
【0024】
幾つかの実施形態においては、堆積されたままのARC組成物に堆積後処理を施して、ARC14の層全体又は表面の特性を改善することができる。この堆積後処理は、加熱処理、電磁波(例えば紫外光など)の照射、粒子ビーム(例えば電子ビーム、又はイオン・ビームなど)、プラズマ処理、気相又は液相を通しての化学処理(例えば単層の表面改質剤の塗布)、又はそれらの任意の組み合わせから選択することができる。この堆積後処理は全面的に又はパターン様式で行うことができる。
【0025】
塗布されたARC組成物には、リソグラフィ及びエッチングを用いてパターン付けすることができる。リソグラフィ・プロセスは、堆積されたままのARC組成物の上面にフォトレジスト(図示せず)を塗布し、フォトレジストを所望の放射パターンに露光し、露光されたフォトレジストを、従来のレジスト現像剤を用いて現像することを含む。このようにして、パターン付けされたフォトレジストがもたらされる。フォトレジストのパターンは、堆積されたままのARC組成物に、例えば乾式エッチング又は化学的湿式エッチングのようなエッチング・プロセスを用いて転写される。パターンが、パターン付けされたフォトレジストから下層の堆積されたままのARC組成物に転写された後で、パターン付けされたフォトレジストは、典型的には、例えばアッシングなどの従来のレジスト剥離プロセスを用いて構造体から除去される。別の実施形態においては、インクジェット印刷又はレーザ・アブレーションを用いてARC層にパターン付けすることができる。
【0026】
パターン付けされたARC14は、典型的には、半導体材料10を太陽電池又は光電池の基板として使用する実施形態において用いられることに注意されたい。
【0027】
次に図3の(A)及び(B)を参照すると、半導体材料10の露出表面上に本発明の電着方法を用いて金属膜16が形成された後に形成される構造体が示される。形成される金属膜16は、任意の金属又は金属合金を含むことができる。本出願の1つの実施形態において、金属膜16は、Ni、Co、Cu、Zn、Pt、Ag、Pd、Sn、Fe、In、又はそれらの合金を含む。別の実施形態において、金属膜16は、Ni、Co、Cu、Zn、Pt、Fe、又はそれらの合金を含む。本発明の更に別の実施形態においては、金属膜16はNi又はNi合金を含む。
【0028】
幾つかの実施形態において、金属膜16の電着の前に、半導体材料10の露出表面は、当業者には周知の、半導体材料の露出表面から表面酸化物及び他の汚染物質を除去することができる従来の洗浄プロセスを用いて洗浄される。例えば、希釈HF溶液を用いて半導体材料10の露出表面を洗浄することができる。
【0029】
金属膜16を形成するのに用いられる本出願の電着方法は、当業者には周知のいずれかの従来の電着又は電気めっき装置の使用を含む。可溶性又は不溶性のアノードを用いることができる。
【0030】
本出願の電着方法はまた、いずれかの従来の電気めっき浴(又は組成物)の使用を含む。電気めっき浴は、金属をめっきするための1つ又は複数の金属イオン源を含む。1つ又は複数の金属イオン源は、Ni、Co、Cu、Zn、Pt、Ag、Pd、Sn、Fe、及びInを含むがこれらに限定されない金属イオンを与える。電着(又は電気めっき)することができる合金は、上記の金属の二元合金又は三元合金を含むが、これらに限定されない。典型的には、Ni、Co、Cu、Zn、Pt、及びFeの中から選択される金属が電気めっき浴からめっきされる。より典型的には、Ni又はNi合金が電気めっき浴からめっきされる。
【0031】
電気めっき浴中に存在することができる1つ又は複数の金属イオン源は、金属塩を含む。用いることができる金属塩は、金属ハロゲン化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属スルファミン酸塩、金属アルカンスルホン酸塩、金属アルカノールスルホン酸塩、金属シアン化物、金属酢酸塩、又は金属クエン酸塩を含むが、これらに限定されない。
【0032】
これより、本発明において用いることができる種々の種類の金属塩のうちの幾つかをより詳細に説明する。電気めっき浴中に用いることができる銅(Cu)塩は、ハロゲン化銅、硫酸銅、リン酸銅、酢酸銅、及びクエン酸銅のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。電気めっき浴中には、典型的には、硫酸銅、リン酸銅、又はクエン酸銅、又はそれらの混合物が用いられる。
【0033】
電気めっき浴中に用いることができるスズ(Sn)塩は、硫酸スズ、ハロゲン化スズ、並びに、メタンスルホン酸スズ、エタンスルホン酸スズ、及びプロパンスルホン酸スズなどのアルカンスルホン酸スズ、並びに、フェニルスルホン酸スズ及びトルエンスルホン酸スズなどのアリールスルホン酸スズ、並びに、アルカノールスルホン酸スズ、のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。電気めっき浴中には、典型的には、硫酸スズ、又はアルカンスルホン酸スズが用いられる。
【0034】
電気めっき浴中に用いることができる金(Au)塩は、三塩化金、三臭化金、シアン化金、塩化金カリウム、シアン化金カリウム、塩化金ナトリウム、及び、シアン化金ナトリウムのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0035】
電気めっき浴中に用いることができる銀(Ag)塩は、硝酸銀、塩化銀、酢酸銀、及び臭素酸銀のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。典型的には、電気めっき浴中には硝酸銀が用いられる。
【0036】
電気めっき浴中に用いることができるニッケル(Ni)塩は、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸ニッケルアンモニウム、及び硫酸ニッケルのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0037】
電気めっき浴中に用いることができるパラジウム(Pb)塩は、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、塩化パラジウムカリウム、及び塩化パラジウムカリウムのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0038】
用いることができる白金(Pt)塩は、四塩化白金、硫酸白金、及び塩化白金酸ナトリウムのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0039】
用いることができるインジウム(In)塩は、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸などのアルカンスルホン酸及び芳香族スルホン酸のインジウム塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、インジウムの塩化物塩及び臭化物塩、硝酸塩、水酸化物塩、酸化インジウム、フルオロホウ酸塩、例えばクエン酸、アセト酢酸、グリオキシル酸、ピルビン酸、グリコール酸、マロン酸、ヒドロキサム酸、イミノ二酢酸、サリチル酸、グリセリン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酪酸などのカルボン酸のインジウム塩、例えばアルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グリシン、グルタミン、ロイシン、リジン、トレオニン、イソロイシン、及びバリンなどのアミノ酸のインジウム塩、のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0040】
コバルト(Co)イオン源は、硫酸アンモニウムコバルト、酢酸コバルト、硫酸コバルト、及び塩化コバルトのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。亜鉛(Zn)イオン源は、臭素酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、及び硫酸亜鉛のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。鉄(Fe)イオン源は、塩化第二鉄又は塩化第一鉄、硝酸鉄、酢酸鉄、及び硫酸鉄のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0041】
一般に、金属塩は、金属イオンが0.01g/Lから200g/Lまで、又は0.5g/Lから150g/Lまで、又は1g/Lから100g/Lまで、又は5g/Lから50g/Lまでの濃度範囲にわたるように電気めっき浴中に含める。典型的には、金属塩は、金属イオン濃度が0.01g/Lから100g/Lまで、より典型的には0.1g/Lから60g/Lまでの範囲にわたるような量で含まれる。
【0042】
用いることができる電気めっき浴は、1つ又は複数の従来の希釈剤を含むことができる。典型的には、電気めっき浴は水性であるが、所望であれば従来の有機希釈剤を用いることができる。随意的な従来の電気めっき浴添加剤もまた含めることができる。そのような添加剤は、光沢剤、抑制剤、界面活性剤、無機酸、有機酸、光沢剤分解防止化合物、アルカリ金属塩、及びpH調整化合物のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。特定の基板に対する金属めっきの性能を調整するために、電気めっき浴に付加的な添加剤を含めることができる。そのような付加的な添加剤は、均一電着性に影響を与えるレベラー(leveler)及び化合物を含むが、これらに限定されない。
【0043】
用いることができる光沢剤は、3−メルカプト−プロピルスルホン酸ナトリウム塩、2−メルカプト−エタンスルホン酸ナトリウム塩、ビススルホプロピルジスルフィド(BSDS)、N,N−ジメチルジチオカルバミン酸(3−スルホプロピル)エステル・ナトリウム塩(DPS)、(O−エチルジチオカルボナート)−S−(3−スルホプロピル)−エステル・カリウム塩(OPX)、3−[(アミノイミノメチル)−チオ]−1−プロパンスルホン酸(UPS)、3−(2−ベンズチアゾリルチオ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩(ZPS)、ビススルホプロピルジスルフィドのチオール(MPS)、例えば3−(ベンズチアゾイル−2−チオ)−プロピルスルホン酸ナトリウム塩、3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸ナトリウム塩、エチレンジチオジプロピルスルホン酸ナトリウム塩、ビス(p−スルホフェニル)−ジスルフィド二ナトリウム塩、ビス(ω−スルホブチル)−ジスルフィド二ナトリウム塩、ビス(ω−スルホヒドロキシプロピル)−ジスルフィド二ナトリウム塩、ビス(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド二ナトリウム塩、ビス(ω−スルホプロピル)−スルフィド二ナトリウム塩、メチル−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィドナトリウム塩、メチル−(ω−スルホプロピル)−トリスルフィド二ナトリウム塩、O−エチル−ジチオ炭酸−S−(ω−スルホプロピル)−エステル・カリウム塩、チオグリコール酸、チオリン酸−O−エチル−ビス(ω−スルホプロピル)−エステル二ナトリウム塩、及びチオリン酸−トリス(ω−スルホプロピル)−エステル三ナトリウム塩などの硫黄化合物、のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。光沢剤は、電気めっき浴中に通常の量を添加することができる。一般に、光沢剤は1ppbから1g/Lまで、又は例えば10ppbから500ppmまでの量を添加する。
【0044】
抑制剤は、例えばカルボキシメチルセルロース、ノニルフェノールポリグリコールエーテル、オクタンジオール−ビス(ポリアルキレングリコ−ルエーテル)、オクタノールポリアルキレングリコ−ルエーテル、オレイン酸ポリグリコールエステル、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ステアリン酸ポリグリコールエステル、及びステアリルアルコールポリグリコールエーテルなどの酸素含有高分子量化合物のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。典型的には、ポリ(アルコキシル化)グリコールが用いられる。このような抑制剤は、電気めっき浴中に、例えば0.01g/Lから10g/Lまで、又は例えば0.5g/Lから5g/Lまでのような通常の量を含めることができる。
【0045】
1つ又は複数の通常の界面活性剤を用いることができる。典型的には、界面活性剤は、例えばアルキルフェノキシポリエトキシエタノールのような非イオン界面活性剤を含むが、これらに限定されない。複数のオキシエチレン基を含有する他の適切な界面活性剤もまた、用いることができる。そのような界面活性剤は、20個から7500個もの繰り返し単位を有するポリオキシエチレンポリマーの化合物を含む。そのような化合物はまた、抑制剤としても機能することができる。同じくこの種のポリマーには、ポリオキシエチレン(EO)及びポリオキシプロピレン(PO)のブロック共重合体及びランダム共重合体の両方が含まれる。界面活性剤は、0.5g/Lから20g/Lまで、又は例えば5g/Lから10g/Lまでのような通常の量を添加することができる。
【0046】
従来のレベラーは、アルキル化ポリアルキレンイミン及び有機スルホスルホン酸塩のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。そのような化合物の例には、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジンチオン(HIT)、4−メルカプトピリジン、2−メルカプトチアゾリン、エチレンチオ尿素、チオ尿素、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジンチオン(HIT)、及びアルキル化ポリアルキレンイミンが含まれる。このようなレベラーは通常の量で含まれる。典型的には、このようなレベラーは1ppbから1g/Lまで、又は例えば10ppbから500ppmまでの量で含まれる。
【0047】
また、1つ又は複数の無機酸及び有機酸を電気めっき浴中に含めてマトリクスの溶液導電率を高め、同時にめっき組成物のpHを調整することができる。無機酸は、硫酸、塩酸、硝酸、及びリン酸を含むが、これらに限定されない。有機酸は、メタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸を含むが、これらに限定されない。酸は電気めっき浴中に通常の量で含まれる。
【0048】
電気めっき浴中に含めることができるアルカリ金属塩は、塩化物、フッ化物、及び臭化物のようなハロゲンのナトリウム塩及びカリウム塩を含むが、これらに限定されない。典型的には塩化物が用いられる。このようなアルカリ金属塩は通常の量で用いられる。
【0049】
上記に加えて、電気めっき浴はまた、硬化剤、展性、延性及び堆積改質剤、抑制剤などを含むことができる。
【0050】
電気めっき浴のpH測定値は、−1から14、又は例えば−1から8までの範囲にわたることができる。典型的には、電気めっき浴のpHは−1から5まで、より典型的には−1から3までの範囲にわたる。通常の緩衝化合物を含ませて電気めっき浴のpHを制御することができる。
【0051】
電気めっき浴は、典型的には、20℃から110℃までの温度範囲に保持され、20℃から50℃までの温度がより典型的である。めっき温度は、めっきする金属に応じて変わり得る。
【0052】
金属膜16を形成するのに用いられる電着プロセスには、最初に低電流密度を加え、所定の時間後に、電流密度を高電流密度に増加させる電流波形を用いる。本発明においては、用いる特定の波形を連続的に加えることができ、又はパルス波形を用いることができる。本開示の出願人は、前述の電流波形(即ち、低い電流密度から高い電流密度へ)を用いることにより、従来技術の電着プロセス中に存在する不均一性の問題が克服されることを見出した。
【0053】
最初に、めっき浴から金属又は金属合金をめっきするのに用いられる低電流密度は、典型的には、1ミリアンペア/cmから40ミリアンペア/cmまでの範囲内にあり、5ミリアンペア/cmから20ミリアンペア/cmまでの電流密度がより典型的である。低電流密度レジーム(regime)内でのめっきは、典型的には、5秒から120秒までの時間実施され、10秒から60秒までの時間がより典型的である。上述の低電流密度を用いてめっきが生じるこの最初の期間の後、電流密度は高電流密度レジームに増加させられる。高電流密度レジームでは、典型的には40ミリアンペア/cmより大きい電流密度が用いられ、40ミリアンペア/cmより大きく200ミリアンペア/cmまでの電流密度がより典型的である。高電流密度レジーム内でのめっきは、典型的には、1秒から1時間までの時間実施され、5秒から300秒までの時間がより典型的である。
【0054】
低電流密度レジームから高電流密度レジームへの増加は連続的なランプ(ramp)を含むことができ、又は、一連の定電流プラトーを含む種々のランプ及びソーク・サイクルを含むことができる。連続的なランプを用いるときには、増加速度は1ミリアンペア/cm/秒から10ミリアンペア/cm/秒までとすることができる。同じランプ速度を種々のランプ及びソーク・サイクルにおいて用いることができ、所望の電流密度におけるソークは変えることができ、本発明の実施においては重要ではない。
【0055】
前述の電流波形(即ち、低電流密度から高電流密度へ)を用いることにより、他の波形を用いたときに典型的に観察される不均一性問題は克服される。
【0056】
上述の条件を用いて電着した金属膜16の厚さは、電着する金属の種類、用いる電気めっき浴の種類、及び、電着プロセス自体の継続期間によって変わり得る。典型的には、本開示において説明した電着により形成される金属膜16は、50Åから50000Åまでの厚さを有し、500Åから5000Åまでの厚さがより典型的である。さらに、上述の電着方法は、電着した金属膜16による半導体材料の露出面の完全な被覆をもたらす。「完全な被覆」とは、露出した基板領域が存在しないことを意味する。
【0057】
本発明の幾つかの実施形態においては、光照射を利用して電着プロセス中の金属核生成及び成長を増すことができる。特に、太陽電池又は光電池を製造する実施形態において、光照射を利用して電着プロセス中に使用され得る自由電子を生成することができる。電着プロセス中に光照射を用いる場合には、任意の従来の光源を用いることができる。用いられる光の強度は多様であり得るが、典型的には5000ルクスより大きく、10000ルクスから50000ルクスまでの光強度がより典型的である。前述の波形と光照射の組み合わせにより、太陽電池用途に用いられる半導体基板の表面を金属膜で完全に被覆することが可能になる。
【0058】
上述の電着方法を用いて得られる幾つかの利点を説明するために、以下の実施例を与える。
【実施例】
【0059】
この実施例では、本出願の図2に示したのと同様のSi太陽電池のn型エミッタ面上に、種々異なる波形を用いてNiを電着させた。各々の実験において、スルファミン酸ニッケル及びホウ酸から成るめっき浴を用いた。各実験のめっき浴の温度は21℃であった。Niを21℃のめっき温度でめっき浴からめっきした。
【0060】
第1の実験(即ち、比較実験1)においては、80ミリアンペア/cmの高電流密度を用いてNiをめっきした。めっきは、前述の高電流密度で60秒間にわたって実施した。このようなめっき条件を用いると、図4に示すように、Si太陽電池のn型エミッタ表面の広い領域が被覆されなかった。
【0061】
第2の実験(即ち、実験1)においては、本出願による波形電流密度(低電流密度から高電流密度へ)を用いた。具体的には、20ミリアンペア/cmの初期電流密度を用いてNiめっきを開始した。初期電流密度は、約40秒間一定に保った。低電流密度における初期めっきの後、電流密度を急激にランプアップして80ミリアンペア/cmの電流密度にした。めっきは、前述の高電流密度で10秒間実施した。このようなめっき条件を用いると、図5に示すように、Si太陽電池のn型エミッタ表面の全露出面のNiによる完全な被覆が観察された。
【0062】
第3の実験(即ち、比較実験2)においては、本出願のものとは逆の波形電流密度を用いた。即ち、比較実験2においては高から低への波形電流密度を用いた。具体的には、80ミリアンペア/cmの初期電流密度を用いてNiめっきを開始した。初期電流密度は、約10秒間一定に保った。高電流密度における初期めっきの後、電流密度を急激に減少させて20ミリアンペア/cmの電流密度にした。めっきは、前述の低電流密度で40秒間実施した。このようなめっき条件を用いると、図6に示すようなNiの不均一な核生成及び成長が観察された。
【0063】
本発明は、その好ましい実施形態に関して具体的に示し、説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び細部に上記及びその他の変更を行うことができることを理解するであろう。従って、本発明は、説明し図示した通りの形態及び細部に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0064】
8:初期構造体
10:半導体材料
10A:p型半導体部分
10B:n型半導体部分
12:少なくとも1つの表面
14:パターン付けされた反射防止膜(ARC)
16:金属膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料の表面上に金属膜を形成する方法であって、
少なくとも1つの表面を有する半導体材料を準備するステップと、
前記半導体材料の前記少なくとも1つの表面上に金属膜を電着するステップと、
を含み、
前記電着するステップは、電気めっき浴から金属又は金属合金を電気めっきするステップを含み、その際、第1の電流密度が第1の期間に用いられ、前記第1の期間の後に、第2の電流密度が第2の期間に用いられ、
前記第1の電流密度は前記第2の電流密度より小さい、
方法。
【請求項2】
前記半導体材料を前記準備するステップは、Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、GaAs、GaN、InAs、InP、並びに全ての他のIII/V族及びII/VI族化合物半導体のうちの1つを選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半導体材料を前記準備するステップは、n型ドープ半導体材料又はp型ドープ半導体材料を選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半導体材料を前記準備するステップは、p型ドーパントでドープされたp型半導体部分と、その上層のn型ドーパントでドープされたn型半導体部分とを含む半導体材料を選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記半導体材料の前記少なくとも1つの表面の一部分の上に、パターン付けされた反射防止膜を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電気めっき浴は、Ni、Co、Cu、Zn、Pt、Ag、Pd、Sn、Fe、In、又はそれらの合金の金属塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電気めっき浴は、Ni又はNi合金の金属塩を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電気めっき浴は、1つ又は複数の、光沢剤、抑制剤、界面活性剤、無機酸、有機酸、アルカリ金属塩、及びpH調整化合物をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の電流密度は5ミリアンペア/cmから40ミリアンペア/cmまでの範囲内にあり、前記第2の電流密度は40ミリアンペア/cmより大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の電流密度は、40ミリアンペア/cmより大きく200ミリアンペア/cmまでである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の期間は5秒から120秒までであり、前記第2の期間は1秒から1時間までである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の電流密度は、前記第2の電流密度まで連続的にランプアップされる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の電流密度は、種々のランプアップ及びソーク・サイクルを用いて、前記第2の電流密度までランプアップされる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記電着するステップは5000ルクスより大きい照度を有する光の存在下で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
半導体材料の表面上に金属膜を形成するための方法であって、
少なくとも1つの表面を有する半導体材料を準備するステップと、
電気めっき浴から、前記半導体材料の前記少なくとも1つの表面上に金属膜を電着するステップと、
を含み
前記電着するステップは、第1の期間に実施される5ミリアンペア/cmから40ミリアンペア/cmまでの低電流密度と、それに続いて第2の期間に実施される40ミリアンペア/cmより大きい高電流密度とを含んだ波形を含む、
方法。
【請求項16】
前記半導体材料を前記準備するステップは、Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、GaAs、GaN、InAs、InP、並びに全ての他のIII/V族及びII/VI族化合物半導体のうちの1つを選択するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記半導体材料を前記準備するステップは、n型ドープ半導体材料又はp型ドープ半導体材料を選択するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記半導体材料を前記準備するステップは、p型ドーパントでドープされたp型半導体部分と、その上層のn型ドーパントでドープされたn型半導体部分とを含む半導体材料を選択するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記半導体材料の前記少なくとも1つの表面の一部分の上に、パターン付けされた反射防止膜を形成するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記電気めっき浴は、Ni、Co、Cu、Zn、Pt、Ag、Pd、Sn、Fe、In、又はそれらの合金の金属塩を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記電気めっき浴は、Ni又はNi合金の金属塩を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記電気めっき浴は、1つ又は複数の、光沢剤、抑制剤、界面活性剤、無機酸、有機酸、アルカリ金属塩、及びpH調整化合物をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の期間に実施される電流密度は、40ミリアンペア/cmより大きく200ミリアンペア/cmまでである、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の期間は5秒から120秒までであり、前記第2の期間は1秒から1時間までである、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の期間に実施される電流密度は、前記第2の電流密度まで連続的にランプアップされる、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の期間に実施される電流密度は、種々のランプアップ及びソーク・サイクルを用いて、前記第2の電流密度までランプアップされる、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記電着するステップは5000ルクスより大きい照度を有する光の存在下で実施される、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−225991(P2011−225991A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82976(P2011−82976)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】