説明

半導体処理のためのコーティング材料を備えたガス分配シャワーヘッド

本明細書において説明されるのは、一実施形態において、ガス分配シャワーヘッドアセンブリを製作するための例示的な方法及び装置である。一実施形態において、この方法は、半導体プロセスチャンバ内にプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔を有するガス分配プレートを提供することを含む。この第1のセットの貫通孔は、プレート(例えば、アルミニウムの基板)の背面上に位置する。この方法は、ガス分配プレートの洗浄された表面上にコーティング材料(例えば、イットリアベースの材料)を噴霧(例えば、プラズマ噴霧)することを含む。この方法は、コーティング材料の厚さを低減するために、表面からコーティング材料の一部分を除去(例えば、表面研削)することを含む。この方法は、コーティング材料内に第2のセットの貫通孔を形成(例えば、UVレーザー穿孔、加工)し、この第2のセットの貫通孔は第1のセットの貫通孔に合わせて配置されるようにすることを含む。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、その全体の内容が参照され、本明細書に組み込まれる2010年2月11日に出願された米国仮特許出願第61/303609号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施形態はコーティング材料を備えたガス分配シャワーヘッドに関する。
【背景】
【0003】
半導体製造プロセスは、フッ素ベースのガス、塩素ベースのガス、シラン、酸素、窒素、(炭化水素及びフッ化炭素のような)有機ガス、又は(アルゴン又はヘリウム等の)希ガス等幅広い範囲のガスを用いる。(エッチングチャンバ又は蒸着チャンバ等の)半導体プロセスチャンバにプロセスガスを均一に分散させるために、シャワーヘッド型のガス分配アセンブリが半導体製造産業において標準的に用いられてきた。
【0004】
半導体処理において、かなりの高電力のチャンバや水素を含有する化学反応等、より侵襲性の強いプロセスが採用されるにつれ、現存のシャワーヘッドアセンブリの製造は、その限界点までに到達している。現行のシャワーヘッドによるアプローチにおける典型的問題点は、シリコンカーバイド(SiC)プレートの腐食が、この侵襲的なプロセスにより加速されるため、より寿命が短くなることである。また、現行のシャワーヘッド材料では、フッ化アルミニウムという副産物を除去するために、インシチュ(in−situ)での塩素反応によるドライクリーニングを行うことができない。さらに、電極に固設されるシャワーヘッドを用いる現在の設計は、平坦にはならないという特有の問題を有し、それはシャワーヘッドの熱効率を妨げる。
【概要】
【0005】
本明細書において記載されるのは、一実施形態に基づくガス分配アセンブリを製作するための例示的な方法及び装置である。一実施形態において、この方法は、半導体プロセスチャンバにプロセスガスを分散するための第1のセットの貫通孔を有するガス分配プレートを提供することを含む。この第1のセットの貫通孔は、プレート(例えば、アルミニウムの基板)の背面に位置している。本方法は、このガス分配プレートの洗浄された表面上に、コーティング材料(例えば、イットリアベースの材料)を噴霧(例えば、プラズマ噴霧)することを含む。本発明は、このコーティング材料の厚さを低減するために、表面からこのコーティング材料の一部分を除去(例えば、平面研削)することを含む。この方法は、コーティング材料内の第2のセットの貫通孔を形成(例えば、UVレーザー穿孔、機械加工)し、この第2のセットの貫通孔は第1のセットの貫通孔に合わせて配置されるようすることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態は添付の図面の図により例示的に、又は、それに限られることなく説明される。各図は以下を図示する。
【図1】ガス分配シャワーヘッドアセンブリを製作するための方法の一実施形態を図示する。
【図2A】〜
【図2C】一実施形態による半導体プロセスチャンバ内に用いられるガス分配シャワーヘッドアセンブリの断面図を図示する。
【図3】一実施形態によるガス分配プレートの平面図を図示する。
【図4】一実施形態による水素を含まないエッチング化学反応に対する水素を含むエッチング化学反応の正規化された腐食率を図示する。
【図5】他の実施形態による水素を含まないエッチング化学反応に対する水素を含むエッチング化学反応の正規化された腐食率を図示する。
【図6】一実施形態による、様々なタイプのコーティング材料の正規化された腐食率を図示する。
【図7】〜
【図8】一実施形態によるガス分配プレート及びコーティング材料の画像を図示する。
【図9】一実施形態による基板処理装置である。
【図10】一実施形態によるシャワーヘッドアセンブリの断面図を図示する。
【図11】シャワーヘッドの断面図の他の実施形態を図示する。
【図12】ガス分配シャワーヘッドアセンブリを製作するための方法の他の方法の実施形態を図示する。
【詳細な説明】
【0007】
本明細書において説明されるのは、一実施形態に基づくガス分配シャワーヘッドアセンブリを製作するための例示的な方法及び装置である。一実施形態において、この方法は半導体プロセスチャンバにプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔を有するガス分配プレートを提供することを含む。この第1のセットの貫通孔はプレート(例えば、アルミニウムの基板)の背面上に位置する。この方法はガス分配プレートの洗浄された表面上にコーティング材料(例えば、イットリアベースの材料)を噴霧(例えば、プラズマ噴霧)することを含む。この方法はコーティング材料の厚さを低減するために表面からコーティング材料の一部分を除去(例えば、表面研削)することを含む。この方法は、コーティング材料内に第2のセットの貫通孔を形成(例えば、UVレーザー穿孔、機械加工)し、この第2のセットの貫通孔は第1のセットの貫通孔に合わせて配置されるようにすることを含む。
【0008】
本明細書において開示されるコーティング材料(例えば、イットリアベースの材料、アドバンスドコーティングマテリアル、YAG等)は、シャワーヘッドの耐用期間の要件を満たし、低いパーティクル率、低い金属コンタミネーション、熱効率の要件及びエッチングの均一性の要件をもたらすために用いられ得る。これらのコーティング材料は従来のシャワーヘッドの設計に比べ、より高いプラズマ腐食に対する耐性を有する。さらに、このコーティング材料及びその製作プロセスにより、改善された熱効率及びシャワーヘッドの製造時間の短縮のための、結合を必要としないシャワーヘッドの設計、さらには、固設されるガス分配プレートの設計が可能となる。
【0009】
以下の説明は、デバイス(例えば、電子デバイス、半導体、基板、液晶ディスプレイ、レティクル、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS))を製造するために、基板及び/又はウェハを処理する装置を製造する場合に用いられるシャワーヘッドヘッドアセンブリの詳細を記述するものである。一般に、そのようなデバイスを製造するには異なるタイプの製造プロセスを含む、多数の製造ステップを必要とする。例えば、エッチング、スパッタリング、化学的蒸着等は3つの異なるタイプのプロセスであり、その各々は異なるチャンバで行われるか、又は、1つの装置内の同じチャンバ内で行われる。
【0010】
図1はガス分配シャワーヘッドアセンブリを製作するための方法の一実施形態を図示する。この方法は、ブロック102において、半導体プロセスチャンバ内にプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔を有するガス分配プレートを提供することを含む。この第1のセットの貫通孔は図2Aにおいて図示されるように、プレート(例えば、アルミニウムの基板)の背面上に位置する。この方法は、ブロック104において、次のコーティングのためのプレートの背面の反対側の表面を準備(例えば、ビーズ吹付加工、グリッドブラスト)することを含む。この表面はブロック106において洗浄される。この方法は図2Bにおいて図示されるように、ブロック108において、ガス分配プレートの洗浄された表面上にコーティング材料(例えば、イットリアベースの材料)を噴霧(例えば、プラズマ噴霧)することを含む。一実施形態においては、コーティング材料はガス分配プレートの表面に対し、およそ90度の角度によりプラズマ噴霧される。この方法は、ブロック110において、コーティング材料の厚さを低減するために、表面からコーティング材料の一部分を除去(例えば、表面研削)することを含む。この方法は、ブロック112において、コーティング材料内に第2のセットの貫通孔を形成(UVレーザー穿孔、ガスホール穿孔)し、この第2のセットの貫通孔は第1のセットの貫通孔に合わせて配置されることを含む。この方法は、図2Cに図示されるように、ブロック114において、コーティング材料の厚さをさらに低減するために、表面からコーティング材料のさらに一部分を除去(例えば、表面研削)することを含む。この表面はブロック116において洗浄される。
【0011】
本明細書において説明される例示的な方法の動作は、記述されるより異なる順番、又は、シーケンスにより実行され、及び/又は、より多くの又はより少ない動作回数により実行され得る。例えば、動作110又は114は選択的に実行され得、また、上述の説明された方法から取り除かれてもよい。
【0012】
図2A〜2Cは一実施形態による半導体プロセスチャンバ内に用いられるガス分配シャワーヘッドアセンブリの断面図を図示する。ガス分配プレート200は図2Aに図示されるように半導体プロセスチャンバにプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔210を有する。この第1のセットの貫通孔は約0.070インチから0.090インチ(例えば、0.080インチ)の直径201を有する。このプレートは約0.038インチから0.050インチ(例えば、0.433インチ)の全体の厚さ202を有し、約0.015インチから0.025インチ(例えば、0.020インチ)の部分的な厚さ204を穴に近接する部位に有する。
【0013】
コーティング材料220は、最初の厚さ205により、図2Bに示されるようなガス分配プレート200上に噴霧(例えば、プラズマ噴霧)される。一実施形態において、このコーティング材料は、イットリアを含む。ある実施形態において、このコーティング材料は次の材料又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。YAG、Y/2OZrO、Y、Al/YAG,アドバンスドコーティング材料、Y/ZrO/Nb、ZrO/3Y、及びY/ZrO/HfO。これらのこのコーティング材料は従来のシャワーヘッドに比べ腐食に対する耐性を向上せしめる。
【0014】
コーティング材料220は図2Cに図示されるように、半導体プロセスチャンバにプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔に合わせて穿孔された第2のセットの貫通孔を有する。この第2のセットの貫通孔は、およそ0.010インチから0.030インチ(例えば、0.020インチ)の直径を有する。このコーティング材料220は、図1のブロック114において説明された除去動作の後、約0.020インチから0.030インチ(例えば、0.025インチ)の最終的な厚さ206を有する。一実施形態において、第2のセットの貫通孔240のうちの2つは、第1のセットの貫通孔の各貫通孔210に合わせて配置される。
【0015】
図3は一実施形態によるガス分配プレートの平面図を図示する。このガス分配プレート300は複数の円環状のリング上の貫通孔310(例えば、貫通孔240)を含み、貫通孔の壁の間の間隔は約0.010インチである。一実施形態において、貫通孔310の2つの円環状のリングは対応する孔の貫通孔210のリングに合わせて配置され、それらは図3には図示されていない。
【0016】
図4は、一実施形態による、水素を含まないエッチング化学反応に対する水素を含むエッチング化学反応の正規化された腐食率を図示する。図4に示されるように、Si/SiC,シュウ酸アノダイゼーション、タイプIIIのアノダイゼーション、及び、ハードアノダイゼーションは全て水素化学反応に対しより強い腐食特性を示す。
【0017】
図5は、他の実施形態による水素を有さないエッチング化学反応に対する、水素を有するエッチング化学反応の正規化された腐食率を図示する。図5に図示されるように、SiC及びイットリアベースの材料(例えば、Y)の両者は、水素を伴った化学反応に対し、より多くの腐食性を示す。しかし、Y材料は、水素を有するエッチング化学反応及び水素を有さないエッチング化学反応の両者に対し、SiC材料よりより少ない腐食性を示す。このように、イットリアベースのシャワーヘッドは、従来のSiCシャワーヘッドに比べ、水素を含む又は含まないエッチング化学反応に対して、かなり少ない腐食性を示す。
【0018】
図6は、一実施形態による、様々なタイプのコーティング材料の正規化された腐食率を図示する。この腐食率はアドバンスドコーティング材料に対し正規化されている。一実施形態において、このアドバンスドコーティング材料は、YtO、AlO、及びZrOを含む。図6は、次の材料若しくはそれらの組み合わせの材料の腐食率を図示する。YAG、Y/2OZrO、Y、Al/YAG,アドバンスドコーティング材料(例えば、HPM)、Y/ZrO/Nb、ZrO/3Y、及びY/ZrO/HfO。これらのこのコーティング材料は以下の組成を有するかもしれない。
【0019】
/2OZrO : 80wt%Y、20wt%ZrO
Al−YAG : 70wt%Al 及び 30wt%YAG
HPM : 70wt%Y3、20wt%ZrO及び 10wt%Al
−ZrO―Nb (1): 70wt%Y、20wt%ZrO及び 10wt% Nb
ZrO/3Y: 97wt%ZrO及び 3wt%Y
−ZrO―Nb (2): 60wt%Y、20wt%ZrO及び 20wt% Nb
−ZrO―HfO : 70wt%Y、20wt%ZrO及び 10wt%HfO
【0020】
これらのこのコーティング材料により、従来のシャワーヘッドに比べ、腐食耐性が向上する。水素を含まない一般的なエッチング化学反応に対し、図6に示されたようなコーティング材料のいずれもが、良好な腐食耐性を示す。水素を有するエッチング化学反応に対し、YAG、Y/2OZrO、Y、Al/YAG,アドバンスドコーティング材料、Y/ZrO/Nbを伴ったコーティング材料は、最も低い腐食性を示す。図6に図示されるコーティング材料はシャワーヘッドの耐用期間の要件、少ないパーティクル、小さい金属コンタミネーション、熱効率の要件、及びエッチの均一性の要件を充たすのに用いられ得る。
【0021】
図7及び図8は、一実施形態によるガス分配プレート及びコーティング材料の画像を図示する。画像700は図7において6回繰り返されており、各画像はアルミニウムのプレート710、プラズマコーティング材料720、レーザー穿孔730、分析ボックス(例えば、740−745)を含む。UVにより穿孔されたタイプのEDXの分析画像750−755は、分析ボックス740−745に対応する。例えば、プラズマコーティング材料720のバルクに位置するボックス740は、EDX分析画像750に対応する。画像750はボックス740に見られる材料を図示する。画像750、751、753、及び754には、アルミニウムプレート710は見られないので、それはプラズマコーティング材料内又はホール730内の領域に対応する。アルミニウムは画像752において見られるので、それはアルミニウムプレート710内に位置するボックス742に対応する。小さいアルミニウムのピークは画像755上に見られ、それはアルミニウムのプレートの近傍の穿孔された穴内に位置するボックス745に対応する。
【0022】
図8は一実施形態によるアルミニウムのプレート810、コーティング材料820、レーザー穿孔された穴830の画像を図示する。図8は穴の端のところで対面するコーティング材料/アルミニウムのプレートの部位において、緩く保たれたプラズマ噴霧によるコーティングがないこと、及び、コーティングの剥離がないことを示している。
【0023】
上記に説明されたレーザー穿孔のプロセス(例えば、UV穿孔)はきれいな穴を形成する。このプロセスは図7及び図8に図示されるように、基板のプレート材料により、コーティング材料を交叉汚染するようなことはない。この作製プロセスは、強固な基板上のパーティクル及びコンタミネーションの効率をもたらす。
【0024】
上記に説明されたシャワーヘッドは半導体基板908等の基板を処理するのに用いられる半導体装置に組み合わされるのに好適であり、フラットパネルディスプレイやポリマーパネル又は他の電気回路受容構造等の他の基板を処理に適用することは、同業者であれば容易に可能である。このように、装置900は本明細書において提供される例示的な実施形態若しくはその均等物に限定されて用いられるべきではない。
【0025】
本明細書に開示されたプロセスによる基板処理に好適な装置900の一実施形態は図9に示される。装置900はチャンバの底904から上方に伸びる複数のウォール902を有するチャンバ901を含む。チャンバ901内に、基板908を処理のために支持するサセプタ906が存在する。この基板908はスリットバルブの開口920を介してチャンバ901内に導入される。
【0026】
チャンバ901は排気ポート956を介してチャンバのウォール902に結合される真空ポンプ912により真空排気される。チャンバ901は、サセプタ906及び基板908を囲むバッフル910を介して、周囲のプロセスガスを引き込むことにより排気される。真空ポンプ912から遠くに離れるにつれ、弱い排気の強さが検出され得る。逆に、真空ポンプ912に近くなればなるほど、検出される排気の引きは大きくなる。このように不均一な排気を補償するためにフローエコライザ916がチャンバ901内に設けられる。フローエコライザ916はサセプタ906を取り囲む。フローエコライザ916の幅は、矢印Cにより示される排気ポート956に最も近い場所におけるフローエコライザ916の幅に比べ、矢印Bに示される排気ポート956からより離れた場所において、より小さくなる。排気されたガスはフローエコライザの周りを流れ、フローライナ914を介し流れる。フローライナ914は1つ以上の貫通孔を有しプロセスガスがそれを介して排気される。スペース918は下側のライナー914とチャンバ901のウォール902との間に存在し、ガスが下側のライナー914の後ろを通って排気ポート956に流れることを許容する。排気ポート956はフローブロッカー954によりブロックされ、プロセスガスが基板908に近い領域から排気ポンプ912に直接的に引かれることを防ぐ。排気されたガスは矢印Aにより示される経路に沿って流れる。
【0027】
プロセスガスはシャワーヘッド922を介してプロセスチャンバ901に導入される。シャワーヘッド922はRF電源952からのRF電流によりバイアスされ、シャワーヘッド922はディフューザープレート926及びコーティング材料924を含む。コーティング材料924はプレート926の下側の表面上にコーティングされているように示されている。また、図10及び11に示されるように、プレート926の他の表面(例えば、側表面)上にも、コーティングが施されるかもしれない。一実施形態において、ディフューザープレート926はアルミニウムを含む。シャワーヘッド922は内側のゾーン958及び外側のゾーン960に分割される。内側のゾーン958は加熱エレメント928を含む。一実施形態において、加熱エレメント928は環状の形状を有する。加熱エレメント928は加熱源948に接続される。また、外側のゾーン960は加熱源950に接続された加熱エレメント930を含む。一実施形態において、加熱エレメント928、930は加熱源948、950からの加熱液体により満たされる環状の導管を含む。別の実施形態において、加熱エレメント928、930は加熱源948、950により電源が供給される加熱コイルを含む。図示されていないが、熱電対が、内側のゾーン958及び外側のゾーン960に供給される熱の総量を制御するコントローラに温度のフィードバックをリアルタイムに行うかもしれない。
【0028】
内側のゾーン958は導管946によりガス源938に結合される。ガス源938からのガスは、シャワーヘッド922のディフューザープレート926の後ろ側に設けられたプレナム932に導管946を介して流れる。バルブ942は、ガス源938からプレナム932へ流れるガスの総量を制御するために導管946に沿って設けられる。ガスがプレナム932に入ると、そのガスはディフューザープレート926を通過する。同様に、外側ゾーン960は導管944によりガス源938に結合される。バルブ940は導管944に沿って設けられ、ガス源936からプレナム934へ流れるガスの総量を制御する。
【0029】
図1において別個のガス源936、938が示されているが、単一の共通のガス源が用いられてもよい。単一の共通ガス源が用いられる場合は、別個の導管944、946がガス源に接続され、バルブ940、942がプレナム932、934に到達するプロセスガスの量を制御する。
【0030】
図10は一実施形態によるシャワーヘッドアセンブリの断面図を図示する。シャワーヘッドアセンブリ1000は半導体プロセスチャンバにプロセスガスを分配するための貫通孔1010を有する。コーティング材料1020は、図10に図示されるように、アセンブリ1000上に噴霧(例えば、プラズマ噴霧)される。一実施形態において、コーティング材料はイットリアを含む。ある実施形態において、コーティング材料は本明細書において開示された材料及びその材料の組み合わせのいずれかを含む。アドバンスドコーティング材料はYtO3,AlO3,及びZrO3を含む。コーティング材料1020は,半導体プロセスチャンバ内にプロセスガスを分配するための貫通孔1012に合わせて形成された貫通孔1022を有する。
【0031】
図11は他の実施形態によるシャワーヘッドアセンブリの断面図を図示する。シャワーヘッドアセンブリ1100は半導体プロセスチャンバにプロセスガスを分配するための貫通孔1112を有する。コーティング材料1120は、図11に示されるように、アセンブリ1100上に噴霧(例えば、プラズマ噴霧)される。一実施形態において、コーティング材料はイットリア又は本明細書に開示された材料又は組み合わせのいかなるものも含む。コーティング材料1120は半導体プロセスチャンバにプロセスガスを分配するための貫通孔1112に合わせて形成された貫通孔1122を有する。シャワーヘッドアセンブリはアセンブリの上側表面と穴1112の一方端との間の厚さ1124を有する。厚さ1124は、だいたい0.47mmから0.52mmの範囲内で約0.050mmである。
【0032】
図12はガス分配シャワーヘッドアセンブリを製作するための方法の他の実施形態を図示する。この方法は、ブロック1202において、半導体プロセスチャンバ内にプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔を有するガス分配プレートを製作することを含む。この方法は、ブロック1204において、次のコーティングのために基板の背面の反対側の表面を準備する(例えば、グリッドブラスティングする)ことを含む。この表面は選択的に洗浄されてもよい。この方法は、図2Bに図示されるように、ブロック1206において、ガス分配プレートの表面上にコーティング材料(例えば、イットリアベースの材料)をプラズマコーティング(例えば、プラズマ噴霧)することを含む。一実施形態において、このコーティング材料はガス分配プレートの表面に対し約90度の角度でプラズマ噴霧される。このコーティング材料の一部分はコーティング材料の厚さを低減するために、その表面から選択的に除去(例えば、研削)されるかもしれない。この方法は、ブロック1208において、貫通孔が第1のセットの貫通孔に合わせて配置されるように、コーティング材料中に第2のセットの貫通孔を形成(例えば、UVレーザー穿孔、ガスホール穿孔、機械加工)することを含む。この方法は、ブロック1210において、コーティング材料の厚さを低減するために、表面からコーティング材料の一部分を除去(例えば、表面研削)することを含む。この表面は、ブロック1212において、洗浄される。
【0033】
上記の説明において、多くの詳細が説明された。しかしながら、当業者にとって本発明はこれらの特定の詳細に限られることなく実施されることは明白である。例えば、本発明を不明確にすることを回避するために、ブロック図においては、詳しく説明することなく、よく知られた構造、デバイスが示されている。以上の説明は説明のためのものであり本発明を制限するためのものではないと理解されるべきである。当業者が本明細書を読み、理解すれば、他の多くの実施形態が実現しうることは明白である。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきであり、そのような特許請求の範囲と均等なものも全て含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセスチャンバ内にプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔を有するガス分配プレートと、
前記ガス分配プレート上に噴霧されるコーティング材料とを含み、
前記コーティング材料は前記半導体プロセスチャンバ内にプロセスガスを分配するための前記第1のセットの貫通孔に合わせて配置された第2のセットの貫通孔を有する、
半導体プロセスチャンバ内で用いられるためのガス分配シャワーヘッドアセンブリ。
【請求項2】
前記コーティング材料はプラズマ噴霧されたコーティングである請求項1のガス分配シャワーヘッドアセンブリ。
【請求項3】
前記コーティング材料は、イットリア、YAG、Y/2OZrO、Y、Al/YAG、アドバンスドコーティング材料、Y/ZrO/Nb、ZrO/3Y、及びY/ZrO/HfOの材料のうちの少なくとも1つ、又は、それらの材料の組み合わせを含む請求項2のガス分配シャワーヘッドアセンブリ。
【請求項4】
前記アドバンスドコーティング材料はYtO、AlO及びZrOを含む請求項3のガス分配シャワーヘッドアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のセットの貫通孔は約0.070インチから0.090インチの直径を有し、前記第2のセットの貫通孔は約0.010インチから0.030インチに直径を有し、前記コーティング材料の厚さは約0.020インチから0.030インチであり、前記第2のセットの貫通孔のうちの2つは前記第1のセットの貫通孔の各貫通孔に合わせて配置されている請求項1のガス分配シャワーヘッドアセンブリ。
【請求項6】
半導体プロセスチャンバ内にプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔を有するガス分配プレートを提供し、
前記ガス分配プレート上にコーティング材料をプラズマ噴霧すること、
を含むガス分配シャワーヘッドアセンブリを作製する方法。
【請求項7】
前記コーティング材料の厚さを低減するために前記コーティング材料の一部分を除去することをさらに含む請求項6の方法。
【請求項8】
前記コーティング材料内に第2のセットの貫通孔を形成し、前記第2のセットの貫通孔は前記第1のセットの貫通孔に合わせて配置されることをさらに含む請求項6の方法。
【請求項9】
前記コーティング材料はイットリアを含む請求項6の方法。
【請求項10】
前記コーティング材料は、YAG、Y/2OZrO、Y、Al/YAG、アドバンスドコーティング材料、Y/ZrO/Nb、ZrO/3Y、及びY/ZrO/HfOの材料のうちの少なくとも1つ、又は、それらの材料の組み合わせを含む請求項6の方法。
【請求項11】
前記アドバンスドコーティング材料はYtO、AlO及びZrOを含む請求項6の方法。
【請求項12】
前記第1のセットの貫通孔は約0.070インチから0.090インチの直径を有し、前記第2のセットの貫通孔は約0.010インチから0.030インチの直径を有する請求項6の方法。
【請求項13】
半導体プロセスチャンバにプロセスガスを分配するための第1のセットの貫通孔を有するガス分配プレートと、
前記ガス分配プレート上に噴霧されたコーティング材料とを含み、
前記コーティング材料は前記半導体プロセスチャンバ内にプロセスガスを分配するための前記第1のセットの貫通孔に合わせて配置された第2のセットの貫通孔を有するシャワーヘッドアセンブリと、
前記シャワーヘッドアセンブリに結合され、前記シャワーヘッドアセンブリをバイアスするRF電源と
を備えた半導体プロセスチャンバ。
【請求項14】
前記コーティング材料はプラズマ噴霧されたコーティングである請求項13の半導体プロセスチャンバ。
【請求項15】
前記コーティング材料は、イットリア、YAG、Y/2OZrO、Y、Al/YAG、アドバンスドコーティング材料、Y/ZrO/Nb、ZrO/3Y、及びY/ZrO/HfOの材料のうちの少なくとも1つ、又は、それらの材料の組み合わせを含む請求項14の半導体プロセスチャンバ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−519790(P2013−519790A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552890(P2012−552890)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/022418
【国際公開番号】WO2011/100109
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】