半導体発光装置に成長させたフォトニック結晶
【課題】フォトニック結晶構造を含む半導体発光装置を提供する。
【解決手段】n型領域とp型領域の間に配置された発光領域を含むIII族窒化物構造のような半導体構造内にフォトニック結晶を成長させる。フォトニック結晶は、半導体材料の複数の領域とすることができ、これらの領域は、この半導体材料とは屈折率が異なる材料によって分離されている。例えば、フォトニック結晶は、構造内に成長して空隙又はマスク材料の領域によって分離された半導体材料のポストとすることができる。フォトニック結晶を既に成長した半導体層内にエッチングするのではなくフォトニック結晶を成長させることは、効率を低下させることがあるエッチングが原因の損傷を回避し、電気接点がその上に形成される、割り込まれていない平坦な表面を提供する。
【解決手段】n型領域とp型領域の間に配置された発光領域を含むIII族窒化物構造のような半導体構造内にフォトニック結晶を成長させる。フォトニック結晶は、半導体材料の複数の領域とすることができ、これらの領域は、この半導体材料とは屈折率が異なる材料によって分離されている。例えば、フォトニック結晶は、構造内に成長して空隙又はマスク材料の領域によって分離された半導体材料のポストとすることができる。フォトニック結晶を既に成長した半導体層内にエッチングするのではなくフォトニック結晶を成長させることは、効率を低下させることがあるエッチングが原因の損傷を回避し、電気接点がその上に形成される、割り込まれていない平坦な表面を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトニック結晶構造を含む半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)のような発光装置は、技術的にも経済的にも有利な半導体光源である。LEDは、高輝度の光を確実に供給することができるので、過去数十年間の間にフラットパネルディスプレイ、交通信号灯、及び光通信を含む多くの用途で重要な役割を果たしてきた。LEDは、順方向バイアスされたp−n接合を含む。電流で駆動される時に、接合領域に電子と正孔が注入され、そこでそれらが再結合してフォトンを放出することによってエネルギを解放する。可視スペクトルにわたって作動可能である高輝度発光装置の製造において現在興味のある材料システムは、III−V族半導体、特に、III族窒化物材料とも呼ばれるガリウム、アルミニウム、インジウム、及び窒素の二元、三元、及び四元合金を含む。
【0003】
LEDの品質は、例えば、発光領域で生成されたフォトンに対する装置から抽出されたフォトンの比率を測るその抽出効率によって特徴付けることができる。抽出効率は、例えば、装置のp型、n型、及び発光領域を形成する高屈折率半導体結晶の壁で複数の内部全反射を受ける放出フォトンによって制約される。その結果、放出フォトンの多くが自由空間内に逃げず、典型的に30%未満の低い抽出効率をもたらしている。
【0004】
LEDの抽出効率を高めるための様々な手法が提案されている。抽出効率は、例えば、立方体、円柱、ピラミッド、及びドーム状の形状を含む適切な幾何学形状を作成することにより、放出フォトンが逃げることができる空間角度を拡大することによって増大することができる。しかし、これらの幾何学形状のどれも、内部全反射による損失を完全に除去することはできない。
損失の更に別の原因は、LEDと周囲媒体の間の屈折率の不整合によって引き起こされる反射である。反射防止コーティングによりそのような損失を低減することができるであろうが、特定のフォトンエネルギと1つの入射角度でのみ反射を完全に相殺することができることになる。
【0005】
「周期的誘電構造を使用する発光装置」という名称のJoannopoulos他に付与された米国特許第5,955,749号は、抽出効率を高める問題に対する手法を説明している。米国特許第5,955,749号によれば、発光ダイオードの半導体層を貫通して正孔の格子を形成することにより、フォトニック結晶が生成される。正孔の格子は、周期的に変調された誘電率を有する媒体を作り出し、光が媒体を通って伝播する方法に影響を及ぼす。発光ダイオードのフォトンは、フォトンのエネルギと波長の間の関係を説明するそれらのスペクトル又は分散関係によって特徴付けることができる。その関係は、プロットすることができ、バンドギャップによって分離されたエネルギバンド又はフォトニックバンドから成るフォトニックバンド図をもたらす。フォトニックバンド図は、電子バンド図に表現されるような結晶格子内の電子のスペクトルに近似しているが、フォトニックバンド図は、電子バンド図とは無関係である。LED内にフォトニック結晶が形成されると、それが構造内で光が伝播する方法に影響を及ぼす。従って、適正な格子間隔が選択された場合には、そうでなければ内部全反射によって構造内に捕捉されたであろう光が今度は逃げることができ、LEDの抽出を増大させる。また、交替する格子は、LED構造内のフォトンモード容積を低減することができ、LED活性層の放射速度又は内部効率を増大させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,955,749号
【特許文献2】米国特許公開第2003/0141507号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】G.B.Stingfellow及びM.George Craford著「高輝度発光ダイオード」、「Associated Press」出版、1997年
【非特許文献2】Kipshidze他著「パルス有機金属化学気相成長法によるGaNナノワイヤの制御された成長」、応用物理学レター、86、033104(2005)
【非特許文献3】S.Hoffouz他著「有機金属気相エピタキシによるGaNパターン化基板の横方向過成長に対するマグネシウム及びシリコンの影響」、「MRS Internet J.Nitride Semicond.Res.」、3、8(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
米国特許第5,955,749号は、完全で機能的な発光装置を形成する方法を教示しておらず、GaAsベースの結晶におけるフォトニック結晶発光装置の形成を提案するものである。当業技術で必要とされるのは、III族窒化物フォトニック結晶発光装置のための設計とそのような装置を製造する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、n型領域とp型領域の間に配置された発光領域を含むIII族窒化物構造のような半導体構造内にフォトニック結晶を成長させる。フォトニック結晶は、半導体材料の複数の領域とすることができ、これらの領域は、この半導体材料とは屈折率が異なる材料によって分離されている。例えば、フォトニック結晶は、構造内に成長して空隙又はマスク材料の領域によって分離された半導体材料のポストとすることができる。フォトニック結晶を既に成長した半導体層内にエッチングするのではなくフォトニック結晶を成長させることは、効率を低下させることがあるエッチングが原因の損傷を回避し、電気接点がその上に形成される、割り込まれていない平坦な表面を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】III族窒化物フォトニック結晶発光装置の断面図である。
【図2】フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に発光領域が形成され、割り込まれていない平面p型領域が半導体ポストの上に成長した装置の断面図である。
【図3】フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に発光領域が形成され、半導体ポストが第2の成長基板上に形成された第2の半導体構造に結合された装置の断面図である。
【図4】フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に発光領域が形成され、半導体ポストはホスト基板に結合した金属である装置の断面図である。
【図5】フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に発光領域が形成され、半導体ポストが厚いマスク層を通って成長した装置の断面図である。
【図6A】図2−4に示す装置を形成する代替方法の1つを示す図である。
【図6B】図2−4に示す装置を形成する代替方法の1つを示す図である。
【図6C】図2−4に示す装置を形成する代替方法の1つを示す図である。
【図7】割り込まれていない平面活性領域と活性領域の後に形成されたフォトニック結晶とを備えた装置の断面図である。
【図8】割り込まれていない平面活性領域によって分離された2つのフォトニック結晶を備えた装置の断面図である。
【図9】割り込まれていない平面活性領域と活性領域の後に形成されたフォトニック結晶とを備えた装置の代替的な実施形態の断面図である。
【図10】割り込まれていない平面活性領域と活性領域の前に形成されたフォトニック結晶とを備えた装置の断面図である。
【図11】様々な屈折率の材料のフォトニック結晶格子の例の上面図である。
【図12】薄膜装置に加工された図2の装置を示す図である。
【図13】準結晶を形成する構成の2つの例の1つを示す図である。
【図14】準結晶を形成する構成の2つの例の1つを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、2002年1月28日出願で本明細書において引用により組み込まれている「フォトニック結晶構造を使用したLED効率」という名称の米国特許公開第2003/0141507号に更に詳細に説明されているIII族窒化物フォトニック結晶LED(PXLED)100を示している。
図1のPXLED100では、n型領域108は、例えば、サファイア、SiC、又はGaNとすることができる成長基板102の上に形成され、活性領域112は、n型領域108の上に形成され、p型領域116は、活性領域112の上に形成される。領域108、112、及び116の各々は、単一の層、又は組成、厚み、又はドーパント濃度が異なるか又は同じ複数の層とすることができる。p型領域116と活性領域112の一部分は、n型領域108の一部分を露出するためにエッチングで除去することができ、次に、p型領域116上にp接点120が形成され、n型領域108の露出された部分上にn接点104が形成される。装置は、図1に示すようにひっくり返すことができ、接点104と120を通じてマウント(図示しない)に接続することができる。
【0012】
活性領域112は、n型領域108からの電子が、p型領域116の正孔と結合し、理想的にはフォトンの形態でエネルギを放出する接合領域を含む。活性領域112は、フォトンの生成を最適化するために量子井戸構造を含むことができる。例えば、1997年に「Associated Press」出版の「高輝度発光ダイオード」において、G.B.Stingfellow及びM.George Crafordによって多くの異なる量子井戸構造が説明されている。図1のPXLED100のフォトニック結晶は、LED内に正孔122−iの周期的構造を形成することによって生成される。
【0013】
図1に示す装置では、第1にn型領域が基板上に形成され、続いて活性領域とp型領域が形成される従来のIII族窒化物構造が製作される。図1に示すフォトニック結晶装置と米国特許第5,955,749号に説明した装置は、いくつかの欠点を有する場合がある。例えば、図1の装置内のフォトニック結晶構造は、周期的構造を形成する正孔のアレイを形成するためにp型領域内へのドライエッチングによって形成される場合がある。ドライエッチングは、反応性イオン、誘電結合プラズマ、集束イオンビーム、スパッタ、電子サイクロトロン共鳴、化学支援型イオンビームエッチングとすることができる。p型材料のドライエッチングは、エッチングが結晶を損傷させ、n型ドナーを生成する窒素空孔の原因になる可能性があるために問題が多い。p型領域116では、n型ドナーの存在は、正孔の濃度を低下させ、結晶への過酷な損傷の場合に、領域116の導電型をn型に変化させる可能性がある。本発明者は、ドライエッチングが原因の損傷がエッチングされた領域近辺の局所的な区域に限定されず、結晶の非エッチング区域を通して垂直及び水平に伝播する場合があり、場合によってはp−n接合を除去して装置を電気的に作動不能にすることを既に発見している。米国特許第5,955,749号に説明した装置はまた、p型材料を通してエッチングするので、本発明者によって観測された同じ広範囲の損傷を受けることがある。また、フォトニック結晶を図1のように活性領域のごく近くか又はそれを通して形成することが望ましいことをモデル化が既に明らかにしているが、活性領域内の量子井戸を通してエッチングすると、表面の再結合を生じて装置の効率を低下させる可能性がある。
【0014】
本発明の実施形態によれば、フォトニック結晶は、エッチングされるのではなく半導体発光装置内で成長する。図11は、フォトニック結晶の例の上面図である。領域2は、屈折率が異なる材料の領域4によって割り込まれている。例えば、図11のフォトニック結晶は、上述のように半導体材料中にエッチングされた正孔のアレイではなく、空気領域2によって囲まれた成長した半導体材料の半導体ポスト4のアレイにすることができる。代替的に、領域2は、正孔4と共に成長した半導体領域とすることができる。
【0015】
フォトニック結晶構造は、最大と最小が交替する半導体領域の1つの厚みの周期的変動を含むことができる。一例は、上述のように(二次元格子)、半導体材料のポストの回折格子(一次元格子)又は平面格子である。格子は、ポストの直径d、最も近い隣接ポストの中心間の距離を測る格子定数a、ポストの高さw、及びポスト回りに配置された誘電体の誘電率εhによって特徴付けられる。パラメータa、d、w、及びεhは、バンドの状態の密度、及び特にフォトニック結晶のスペクトルのバンドエッジにおける状態の密度に影響を及ぼすものである。パラメータa、d、w、及びεhは、従って、装置によって放出される放射パターンに影響を及ぼし、装置からの抽出効率を高めるように選択することができる。代替的に、適正なフォトニック結晶パラメータが選択されると、放出光の放射パターンを狭くすることができ、LEDの放射輝度を増加させる。これは、特定の角度の光だけが有用な用途において有用である。一実施形態では、フォトニック結晶パラメータは、装置を出て行く放射の50%よりも多くが、装置の表面に垂直な軸線に対して45度の角度で形成された出口円錐の形で放出されるように選択される。
【0016】
ポストは、三角形、正方形、六角形、蜂の巣、又は他の公知の二次元格子型を形成するように配置することができる。複数の格子型を装置の同じ領域に含めることができ、又は装置からの光の伝播に対するより大きな制御をもたらす場合がある準結晶を生成するのに使用することができる。図13と14は、準結晶を生成する正孔の構成の2つの例を示している。図13と14に示すように、準結晶は、正方形131と三角形132の反復パターンの頂点に位置する正孔のパターンである。そのような反復パターンは、多くの場合にアルキメデスの格子又はペンローズのタイルと呼ばれる。準結晶の格子定数aは、反復パターンにおける三角形又は正方形の一辺の長さである。
一部の実施形態では、装置の異なる領域に異なる格子型が形成される。例えば、全放射パワー(放射効率)を最適化するように設計された1つのフォトニック結晶構造を、装置の1つの領域に形成することができ、光抽出(抽出効率)を最適化するように設計された別のフォトニック結晶構造を、装置の別の領域に形成することができる。
【0017】
ポストは、六角形断面を有することが多いが、他の断面も可能である。一部の実施形態では、格子間隔aは、約0.1λと約10λの間であり、より好ましくは、約0.1λと約5λの間であり、より好ましくは、約0.1λと約3λの間であり、より好ましくは、約0.1λと約1λの間であり、ここで、λは、活性領域によって放出された光の装置内の波長である。一部の実施形態では、格子定数aは、フォトニック結晶のバンドギャップ内か又はそれに近く選択される。例えば、GaN層内に形成されて空気で充填した正孔の三角形格子では、0.35λから0.55λの範囲の格子定数は、その範囲の下限での抽出に有利なバンドギャップ内であり、その範囲の上限での内部効率に有利なバンドエッジにある。0.35λから0.55λの格子定数の範囲は、0.36aのポストの半径を仮定している。一部の実施形態では、ポストは、aを格子定数とすると、約0.1aと約0.5aの間の直径dを有することができる。ポストは、空気又は誘電率εhが多くの場合に約1と約16の間の任意的な誘電体で取り囲むことができる。可能な誘電体は、以下の例に説明するマスク層とすることができる酸化珪素を含む。一部の実施形態では、ポストの高さwは、少なくとも0.25λである。ポストの高さは、ポストのない平坦な層上に電気接点を形成することを優先させるために制限されるので、ポストは、装置の高さ全体に延びることができない。発光領域がフォトニック結晶によって割り込まれない平坦な層であり、フォトニック結晶が発光領域の上方又は下方に配置されている実施形態では、フォトニック結晶は、好ましくは、発光領域の3λ内まで延びる。
【0018】
本発明の一部の実施形態では、発光領域は、フォトニック結晶を形成する成長した半導体材料のポストに含まれる。図2−5及び6A−6Cは、そのような装置の例を示している。図2の装置では、n型領域22は、例えば、サファイア、SiC、又はGaNのようないずれかの適切な基板20の上に従来的に成長する。n型領域22は、n型クラッド層及びn型接触層のようなn型装置の層がその上に成長する高品質テンプレートをもたらすように設計されたバッファ層又は核生成層のような例えば任意的な準備層のような厚み、組成、及びドーパント濃度が異なる複数の層を含むことが多い。n型領域22は、意図的にドープされていない層を含むことができる。成長基板20が除去された実施形態では、n型領域22は、成長基板20の取り外しを容易にするか又は成長基板20が除去された後のエピタキシャル層の薄層化を容易にする層を含むことができる。
【0019】
平坦なn型領域22の上にSiO2のようなマスク層24が形成される。マスク層24は、例えば、200nm未満の厚みの薄い層にすることができる。開口部がマスク24に形成される。フォトニック結晶を形成することになる半導体材料のポストが開口部に成長する。n型材料のポスト26が第1に成長し、続いて発光領域材料のポスト28が成長する。本明細書に説明する例では、発光領域は、例えば、単一の厚い発光層、単一の薄い量子井戸、バリア層によって分離された複数の薄い量子井戸、及びバリア層によって分離された複数の厚い発光層を含むいずれかの適切な発光領域構造とすることができる。発光領域28の後に、p型材料のポスト30が成長する。ポストのサイズ、高さ、間隔、及び編成は、上述のようにフォトニック結晶を形成するように選択することができる。
【0020】
半導体ポストは、例えば、本明細書において引用により組み込まれているKipshidze他著「パルス有機金属化学気相成長法によるGaNナノワイヤの制御された成長」、応用物理学レター、86、033104(2005)に説明されているように、低圧有機金属化学気相成長法によって形成することができる。成長は、搬送ガスとしてのN2と共にトリメチルガリウムのようなIII族前駆物質とアンモニアのようなV族前駆物質とを使用し、低圧、例えば30トルて実行することができる。成長は、マスク24の開口部に2−5ナノメートルの厚みに形成されたニッケルのような金属触媒の島によって核生成される。ニッケルは、Gaと気相から供給された活性窒素により過飽和状態になる。核生成した状態で、半導体とニッケルの間の固体−液体界面で半導体ポストの成長が起きる。成長ガス間の気相反応を防止するために、成長は、V族前駆物質のパルスが所定時間にわたってリアクタに導入され、続いて遅延され、更にIII族前駆物質のパルスが続くようなパルス状にすることができる。得られるポストは、一定の直径と平滑な側壁を有して基板表面に対して垂直に成長する。
【0021】
代替的に、ポストは、本明細書において引用により組み込まれている、S.Hoffouz他著「有機金属気相エピタキシによるGaNパターン化基板の横方向過成長に対するマグネシウム及びシリコンの影響」、「MRS Internet J.Nitride Semicond.Res.」、3、8(1998)に説明されているように成長させることができる。Hoffuzは、成長マスク内のミクロンサイズの開口部による成長基板表面のパターン化を説明している。マスクは、マスクの上の成長を防止するものである。成長は、マスク開口部で始まり、成長中に流入するドーパントの種類と濃度次第で、マスクまで及びそれを超えて横方向過成長モードで進行することができるか又は優先的に垂直に成長することができる。例えば、円柱形の成長が望ましい場合、成長中に大流量のSiH4が使用される。横方向過成長が望ましい場合、小流量のSiH4又はCp2Mgが使用される。
【0022】
p型ポスト30が成長した後に、ポストの上に反転したピラミッドが形成されるように成長条件が変更され、これらのピラミッドは、最終的に接続してポストの上に平坦な層32とポスト間に空間25とを形成する。金属触媒は、使用されている場合には、平坦な層32の成長の前に取り除かれる。上に引用したHoffouz他は、p型MgドープIII族窒化物材料に対する横方向過成長技術を説明している。p型ポスト30と平面p型領域32は、例えばp型クラッド層及びp型接触層のような厚み、組成、及びドーパント濃度が異なる複数の層を含むことができる。
【0023】
平面p型領域32の成長の後に、p接点(図示しない)を形成する1つ又はそれよりも多くの金属層がp型領域32上に堆積される。p接点は、オーム接触層、反射層、及び保護金属層のような複数の層を含むことができる。反射層は、多くの場合に銀又はアルミニウムである。保護金属は、例えば、ニッケル、チタン、又はタングステンを含むことができる。保護金属は、特に銀の反射層の場合に、反射金属層が移動するのを防止するように、かつ半導体構造をホスト基板に結合するために使用される結合層のための接着層をもたらすように選択することができる。
【0024】
半導体構造は、次に、ホスト基板に金属結合することができ、図12に示すように薄膜装置に加工される。典型的に金属である1つ又はそれよりも多くの結合層90は、半導体構造とホスト基板92の間の熱圧着結合又は共晶接合のための適合材料として機能することができる。適切な結合層金属の例は、金と銀を含む。ホスト基板92は、成長基板が除去された後の半導体層に対する機械的な支持を提供し、金属層90を通してp型領域に対して電気接触を提供する。ホスト基板は、導電性(すなわち、約0.1Ωcm未満)であり、熱伝導性であり、半導体層に適合する熱膨張係数を有し、強固な結合を形成するのに十分なほど平坦である(すなわち、自乗平均平方根粗度が約10nmよりも小さい)ように選択される。適切な材料は、例えば、Cu、Mo、Cu/Mo、及びCu/Wのような金属と、オーム接触を備えたSi及びオーム接触を備えたGaAsのような、例えば、Pd、Ge、Ti、Au、Ni、Agのうちの1つ又はそれよりも多くを含む金属接点を備えた半導体と、圧縮ダイヤモンド及びAlNのようなセラミックとを含む。
【0025】
ホスト基板と半導体構造は、高温高圧で互いに圧縮され、結合層の間に耐久性のある金属結合を形成する。一部の実施形態では、結合は、半導体構造を備えたウェーハが個々の装置にダイスカットされる前にウェーハスケール上で行われる。代替的に、結合は、半導体構造を備えたウェーハが個々の装置にダイスカットされた後にダイスケール上で行われる。結合のための温度及び圧力の範囲は、得られる結合の強度によってその下限が制限され、ホスト基板と半導体構造の安定性によってその上限が制限される。例えば、高温及び/又は高圧は、半導体構造内のエピタキシャル層の分解、p接点の剥離、例えばp接点内の拡散バリアの破損、又は半導体層内の成分材料のガス放出を引き起こす可能性がある。適切な温度範囲は、例えば、約200℃から約500℃である。適切な圧力範囲は、例えば、約100psiから約300psiである。
【0026】
ホスト基板に結合した後に、成長基板20は、成長基板材料に適切な技術によって除去することができる。サファイア成長基板は、例えば、レーザ溶解によって除去することができる。他の除去技術には、エッチングとラッピングが含まれる。成長基板が除去された状態で、n型領域22を望ましい厚みに薄層化するか、又は成長基板20に隣接する低品質の準備層を除去することができる。次に、n型領域22の露出された表面上にn接点96を形成することができる。p接点が反射性なので、n型領域22の露出された表面を通して装置から光が抽出される。
【0027】
代替的に、図2の装置は、成長基板20が装置上に残り、光が成長基板を通して装置から抽出されるフリップチップに加工することができる。p型領域30及び32の一部分と発光領域28とが除去されて、n型領域22又は24の一方の一部が露出する。n型領域の一方の露出部上にn接点が形成され、p型領域32の残っている部分上にp接点が形成される。ダイは、キャリアに接続したフリップチップであり、光は、基板20を通して装置から抽出される。光抽出を更に改善するために、基板20は、半導体構造の機械的支持のためのダイを充填不足にし、次に、例えばレーザリフトオフ、エッチング、又はラッピングにより基板を除去することによって除去することができる。
【0028】
図3は、発光領域が、フォトニック結晶を形成する成長した半導体材料のポストに含まれている装置の別の例を示している。n型領域22、n型ポスト26、発光領域ポスト28、及びp型ポスト30は、図2に関連して上述したように成長する。平面p型領域32をポストの上に成長させる代わりに、ポストの成長の後に成長が中止され、第2の成長基板42上に成長した半導体領域40に構造が結合される。半導体領域40は、例えば、p型領域とすることができる。
【0029】
半導体ポストの上面と半導体領域40の表面は、高温高圧の条件下で互いに結合される。結合のための適切な温度は、例えば、700℃と1200℃の間とすることができ、結合のための適切な圧力は、例えば、5psiと1500psiの間とすることができる。表面は、指定の期間にわたって、例えば、少なくとも2分、多くの場合に少なくとも30分にわたって、例えばN2又はNH3の雰囲気中で上述の温度と圧力で互いに圧縮されるであろう。これらの条件の下で、2つの表面の間に強固な半導体結合が形成される。このような結合は、付加的な半導体層の成長のような結合に続く更に別の半導体処理に必要な温度に耐えることができる。半導体ウェーハ結合以外に、拡散半田結合のような他の結合技術を使用することができる。拡散半田結合では、Zn及びSnのような1つ又はそれよりも多くの金属が結合境界に堆積されて低温で結合される。ZnSn結合は、例えば900℃を超える温度の高温で安定である。別の代替方法では、表面は、結合層としてAlのような薄い金属フィルムを使用して結合される。Alは、2つの半導体表面内に合金化することができ、高温で安定した結合を生成する。
【0030】
結合の後に、成長基板20と成長基板42の一方を除去することができ、半導体表面を露出する。接点は、p型ポスト30の上部ではなく、いずれかの基板の除去によって露出された、割り込まれていない平坦な表面上により容易に形成することができる。成長基板42が除去された後に、得られる装置は、共に図2に関連して上述した薄膜装置又はフリップチップに加工することができる。
図4の装置は、図2に関連して上述したように、半導体ポストがホスト基板46に金属結合されたこと(44)以外は図3の装置と同様である。成長基板20は、図2に関連して上述したように除去することができる。
【0031】
図2、3、及び4に示す装置の各々では、フォトニック結晶を形成する半導体ポストは、薄いマスク層24の開口部を通して成長する。図5に示す装置では、半導体ポストは、厚いマスク層48の開口部を通して成長する。マスク48は、0.25λよりも厚いSiO2とすることができる。マスク48の開口部は、開口部内に成長した半導体材料がポストのアレイを形成するように配置することができる。代替的に、マスク48は、マスクがポストのアレイを形成し、半導体材料がマスク材料ポスト間の区域を充填するように形成することができる。マスクは、マスクされた領域の間の区域に成長を制限し、従って、前駆ガスを強制的にマスク48の開口部の中に入れるために成長中により高い圧力、例えば100トルを超える圧力が必要な場合があること以外に特別な成長技術は必要ではない。半導体ポストがマスク48の上部に到達した状態で、p型領域50は、割り込まれていない平坦なシートに成長する。マスク48は、図5に示すように半導体ポスト間の間隙に残すか、又は半導体ポスト間に空隙を生成するために平面p型領域50の成長の前に除去することができる。
【0032】
図6A−Cは、半導体ポストがドライエッチングによって形成されたテンプレート上に成長する、図2−4に示す装置を成長させる代替の方法を示している。図6Aに示すように、平坦なn型領域22が基板20の上に成長する。マスク層52がn型領域22の上に形成され、次に、n型領域22の一部分がエッチングで除去されてn型ポスト54を形成する。マスク52が除去されて成長が再開される。成長条件は、核生成がポスト54間の区域で発生しないように選択され、成長は、ポスト54上だけで継続する。例えば100トルよりも低いような低圧での成長、又はn型ドーパント前駆物質の流量が高い成長は、成長をポスト54の上部に制限するであろう。上述のように、発光領域ポスト28が成長し、p型領域ポスト30がそれに続く。装置は、図2に示すように割り込まれていない平面p型領域を成長させ、図3に示すように半導体ポストを半導体領域に結合し、又は図4に示すように半導体ポストをホスト基板に金属結合することによって完成させることができる。
【0033】
図2−5と6A−6Cに示す実施形態では、発光領域28は、フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に位置する。半導体ポストの成長は、マスキングとエッチングによっては達成することが困難である深さにフォトニック結晶を形成させる。更に、半導体ポストの成長は、ドライエッチングによるフォトニック結晶の形成によって引き起こされる損傷と高い表面再結合を防止する。そのような損傷は、発光領域に対して特に問題になる。
【0034】
本発明の一部の実施形態では、発光領域は、フォトニック結晶によって割り込まれない平坦な層であり、フォトニック結晶を形成する成長した半導体材料のポストの前及び/又は後に形成される。図7−10は、そのような装置の例を示している。図7に示されている装置では、n型領域22は、上述のように基板20の上に成長する。割り込まれていない平坦な発光領域34は、n型領域22の上に成長し、続いて薄いp型領域36が成長する。例えば、上述のように、p型領域36は、厚みを3λよりも薄くすることができる。フォトニック結晶と発光領域の間の厚みが薄くなると装置性能の改善が期待されるので、p型領域36は、できる限り薄く成長させる。図2に関連して上述したようなn型領域22上に形成されたマスクと同様に、開口部を有する薄いマスク層が、次にp型領域36の上に形成される。フォトニック結晶を形成するp型半導体ポストは、マスク24の開口部を通して成長する。p型ポスト38の成長の後に、図7に示すように平面p型領域32をポストの上に成長させることができ、又は図3に示すように半導体領域をポスト38に結合することができ、又は図4に示すようにホスト基板をポスト38に金属結合することができる。
【0035】
代替的に、フォトニック結晶は、図10に示すようにn型領域内に活性領域の下に配置することができる。図10に示す装置では、平坦なn型領域22が、成長した基板20の上に成長する。フォトニック結晶を形成するn型ポスト26は、マスク24の開口部を通して成長する。割り込まれていない平坦なn型領域80、発光領域82、及びp型領域84は、n型ポスト26の上に配置される。n型領域80、発光領域82、及びp型領域84は、ポスト26の上に成長させることができ、又は、図3に関連して上述したように、それらは、別の成長基板上に成長させてn型ポスト26に結合することができる。
【0036】
図8に示す装置は、平面発光領域の各反対側に配置された2つのフォトニック結晶を含む。開口部を有する厚いマスク層56が、n型領域22の上に形成される。マスク56は、例えば、少なくとも0.25λの厚みにすることができる。第1のフォトニック結晶を形成するn型ポスト58は、マスク56の開口部を通して成長する。n型材料の成長は、マスク56の上で続き、割り込まれていない平坦なn型領域60を形成する。発光領域34は、n型領域60の上に成長し、薄いp型領域36がそれに続く。上述のように、n型領域60とp型領域36は、各々3λよりも小さな厚みを有することができる。開口部を有する第2の厚いマスク層62が、p型領域36の上に形成され、次に、p型ポスト64が、マスク62の開口部を通して成長し、マスク62の上に成長する、割り込まれていない平面p型領域66が続く。一部の実施形態では、図8に示す2つのフォトニック結晶内の半導体の空隙は整列している。
【0037】
図9に示す装置では、フォトニック結晶は、上述のようにポストからではなくピラミッドから形成される。ピラミッドは、図2に関連して上述したポストを形成するための成長技術とは対照的に、III族窒化物材料がマスクの開口部を通して従来的に成長する時にもたらされる。図9の装置では、n型領域22が成長基板20の上に形成され、発光領域34と薄いp型領域36がそれに続く。開口部を有するマスク層70が、p型領域36の上に堆積され、次に、p型材料72が、最初にマスク70の開口部に、次にマスクの上に成長してピラミッド74を形成する。ピラミッド74の間の間隙76が充填される前に成長は中止される。多くの場合にn型であって別の成長基板上に成長した半導体領域40が、次に、ピラミッド74に結合される。成長基板20、又は半導体領域40がその上に成長した成長基板(図示しない)のいずれかが除去される。半導体領域40の代わりとして、ホスト基板をピラミッド74に金属結合することができる。また、ピラミッド74間の間隙76を保存するが割り込まれていない平坦表面として上部で終端する層をピラミッド74の上に成長させることができる。
代替的に、図9のマスク70は、マスク開口部に成長した材料72とピラミッド74がn型になるようにn型領域22の上に堆積させることができる。割り込まれていない平面p型領域、活性領域、及び任意的なn型領域は、別の成長基板上に成長させ、次にn型ピラミッド74に結合することができる。
【0038】
本発明の実施形態は、いくつかの利点を提供する。フォトニック結晶のエッチングによって生じる損傷が防止されるので、成長したフォトニック結晶を組み込む装置は、エッチングされたフォトニック結晶を有する装置よりも効率を改善することができる。また、本発明の実施形態では、電気接点がその上に作られる平坦な表面は、活性領域のp型側とn型側の両方で利用可能である。接点の設計は、従って、フォトニック結晶が中に形成される層への接触を必要とする装置よりも簡単になる。
【0039】
本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の開示が与えられると、本明細書に説明した革新的概念の精神から逸脱することなく本発明に修正を行うことができることを認めるであろう。例えば、上述の実施例における装置の構造は、実施例で説明した特定の成長技術に限定されない。例えば、図8に示す2つのフォトニック結晶を有する装置は、図8に示すような厚いマスク層ではなく、図2に示すような薄いマスク層を使用して成長させることができ、又は図8に示すようなポストではなく、図9に示すようなピラミッドを使用して成長させることもできる。従って、本発明の範囲は、図示して説明した特定的な実施形態に限定されないものとする。
【符号の説明】
【0040】
20 成長基板
22 n型領域
24 マスク層
26、28、30 ポスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトニック結晶構造を含む半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)のような発光装置は、技術的にも経済的にも有利な半導体光源である。LEDは、高輝度の光を確実に供給することができるので、過去数十年間の間にフラットパネルディスプレイ、交通信号灯、及び光通信を含む多くの用途で重要な役割を果たしてきた。LEDは、順方向バイアスされたp−n接合を含む。電流で駆動される時に、接合領域に電子と正孔が注入され、そこでそれらが再結合してフォトンを放出することによってエネルギを解放する。可視スペクトルにわたって作動可能である高輝度発光装置の製造において現在興味のある材料システムは、III−V族半導体、特に、III族窒化物材料とも呼ばれるガリウム、アルミニウム、インジウム、及び窒素の二元、三元、及び四元合金を含む。
【0003】
LEDの品質は、例えば、発光領域で生成されたフォトンに対する装置から抽出されたフォトンの比率を測るその抽出効率によって特徴付けることができる。抽出効率は、例えば、装置のp型、n型、及び発光領域を形成する高屈折率半導体結晶の壁で複数の内部全反射を受ける放出フォトンによって制約される。その結果、放出フォトンの多くが自由空間内に逃げず、典型的に30%未満の低い抽出効率をもたらしている。
【0004】
LEDの抽出効率を高めるための様々な手法が提案されている。抽出効率は、例えば、立方体、円柱、ピラミッド、及びドーム状の形状を含む適切な幾何学形状を作成することにより、放出フォトンが逃げることができる空間角度を拡大することによって増大することができる。しかし、これらの幾何学形状のどれも、内部全反射による損失を完全に除去することはできない。
損失の更に別の原因は、LEDと周囲媒体の間の屈折率の不整合によって引き起こされる反射である。反射防止コーティングによりそのような損失を低減することができるであろうが、特定のフォトンエネルギと1つの入射角度でのみ反射を完全に相殺することができることになる。
【0005】
「周期的誘電構造を使用する発光装置」という名称のJoannopoulos他に付与された米国特許第5,955,749号は、抽出効率を高める問題に対する手法を説明している。米国特許第5,955,749号によれば、発光ダイオードの半導体層を貫通して正孔の格子を形成することにより、フォトニック結晶が生成される。正孔の格子は、周期的に変調された誘電率を有する媒体を作り出し、光が媒体を通って伝播する方法に影響を及ぼす。発光ダイオードのフォトンは、フォトンのエネルギと波長の間の関係を説明するそれらのスペクトル又は分散関係によって特徴付けることができる。その関係は、プロットすることができ、バンドギャップによって分離されたエネルギバンド又はフォトニックバンドから成るフォトニックバンド図をもたらす。フォトニックバンド図は、電子バンド図に表現されるような結晶格子内の電子のスペクトルに近似しているが、フォトニックバンド図は、電子バンド図とは無関係である。LED内にフォトニック結晶が形成されると、それが構造内で光が伝播する方法に影響を及ぼす。従って、適正な格子間隔が選択された場合には、そうでなければ内部全反射によって構造内に捕捉されたであろう光が今度は逃げることができ、LEDの抽出を増大させる。また、交替する格子は、LED構造内のフォトンモード容積を低減することができ、LED活性層の放射速度又は内部効率を増大させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,955,749号
【特許文献2】米国特許公開第2003/0141507号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】G.B.Stingfellow及びM.George Craford著「高輝度発光ダイオード」、「Associated Press」出版、1997年
【非特許文献2】Kipshidze他著「パルス有機金属化学気相成長法によるGaNナノワイヤの制御された成長」、応用物理学レター、86、033104(2005)
【非特許文献3】S.Hoffouz他著「有機金属気相エピタキシによるGaNパターン化基板の横方向過成長に対するマグネシウム及びシリコンの影響」、「MRS Internet J.Nitride Semicond.Res.」、3、8(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
米国特許第5,955,749号は、完全で機能的な発光装置を形成する方法を教示しておらず、GaAsベースの結晶におけるフォトニック結晶発光装置の形成を提案するものである。当業技術で必要とされるのは、III族窒化物フォトニック結晶発光装置のための設計とそのような装置を製造する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、n型領域とp型領域の間に配置された発光領域を含むIII族窒化物構造のような半導体構造内にフォトニック結晶を成長させる。フォトニック結晶は、半導体材料の複数の領域とすることができ、これらの領域は、この半導体材料とは屈折率が異なる材料によって分離されている。例えば、フォトニック結晶は、構造内に成長して空隙又はマスク材料の領域によって分離された半導体材料のポストとすることができる。フォトニック結晶を既に成長した半導体層内にエッチングするのではなくフォトニック結晶を成長させることは、効率を低下させることがあるエッチングが原因の損傷を回避し、電気接点がその上に形成される、割り込まれていない平坦な表面を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】III族窒化物フォトニック結晶発光装置の断面図である。
【図2】フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に発光領域が形成され、割り込まれていない平面p型領域が半導体ポストの上に成長した装置の断面図である。
【図3】フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に発光領域が形成され、半導体ポストが第2の成長基板上に形成された第2の半導体構造に結合された装置の断面図である。
【図4】フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に発光領域が形成され、半導体ポストはホスト基板に結合した金属である装置の断面図である。
【図5】フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に発光領域が形成され、半導体ポストが厚いマスク層を通って成長した装置の断面図である。
【図6A】図2−4に示す装置を形成する代替方法の1つを示す図である。
【図6B】図2−4に示す装置を形成する代替方法の1つを示す図である。
【図6C】図2−4に示す装置を形成する代替方法の1つを示す図である。
【図7】割り込まれていない平面活性領域と活性領域の後に形成されたフォトニック結晶とを備えた装置の断面図である。
【図8】割り込まれていない平面活性領域によって分離された2つのフォトニック結晶を備えた装置の断面図である。
【図9】割り込まれていない平面活性領域と活性領域の後に形成されたフォトニック結晶とを備えた装置の代替的な実施形態の断面図である。
【図10】割り込まれていない平面活性領域と活性領域の前に形成されたフォトニック結晶とを備えた装置の断面図である。
【図11】様々な屈折率の材料のフォトニック結晶格子の例の上面図である。
【図12】薄膜装置に加工された図2の装置を示す図である。
【図13】準結晶を形成する構成の2つの例の1つを示す図である。
【図14】準結晶を形成する構成の2つの例の1つを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、2002年1月28日出願で本明細書において引用により組み込まれている「フォトニック結晶構造を使用したLED効率」という名称の米国特許公開第2003/0141507号に更に詳細に説明されているIII族窒化物フォトニック結晶LED(PXLED)100を示している。
図1のPXLED100では、n型領域108は、例えば、サファイア、SiC、又はGaNとすることができる成長基板102の上に形成され、活性領域112は、n型領域108の上に形成され、p型領域116は、活性領域112の上に形成される。領域108、112、及び116の各々は、単一の層、又は組成、厚み、又はドーパント濃度が異なるか又は同じ複数の層とすることができる。p型領域116と活性領域112の一部分は、n型領域108の一部分を露出するためにエッチングで除去することができ、次に、p型領域116上にp接点120が形成され、n型領域108の露出された部分上にn接点104が形成される。装置は、図1に示すようにひっくり返すことができ、接点104と120を通じてマウント(図示しない)に接続することができる。
【0012】
活性領域112は、n型領域108からの電子が、p型領域116の正孔と結合し、理想的にはフォトンの形態でエネルギを放出する接合領域を含む。活性領域112は、フォトンの生成を最適化するために量子井戸構造を含むことができる。例えば、1997年に「Associated Press」出版の「高輝度発光ダイオード」において、G.B.Stingfellow及びM.George Crafordによって多くの異なる量子井戸構造が説明されている。図1のPXLED100のフォトニック結晶は、LED内に正孔122−iの周期的構造を形成することによって生成される。
【0013】
図1に示す装置では、第1にn型領域が基板上に形成され、続いて活性領域とp型領域が形成される従来のIII族窒化物構造が製作される。図1に示すフォトニック結晶装置と米国特許第5,955,749号に説明した装置は、いくつかの欠点を有する場合がある。例えば、図1の装置内のフォトニック結晶構造は、周期的構造を形成する正孔のアレイを形成するためにp型領域内へのドライエッチングによって形成される場合がある。ドライエッチングは、反応性イオン、誘電結合プラズマ、集束イオンビーム、スパッタ、電子サイクロトロン共鳴、化学支援型イオンビームエッチングとすることができる。p型材料のドライエッチングは、エッチングが結晶を損傷させ、n型ドナーを生成する窒素空孔の原因になる可能性があるために問題が多い。p型領域116では、n型ドナーの存在は、正孔の濃度を低下させ、結晶への過酷な損傷の場合に、領域116の導電型をn型に変化させる可能性がある。本発明者は、ドライエッチングが原因の損傷がエッチングされた領域近辺の局所的な区域に限定されず、結晶の非エッチング区域を通して垂直及び水平に伝播する場合があり、場合によってはp−n接合を除去して装置を電気的に作動不能にすることを既に発見している。米国特許第5,955,749号に説明した装置はまた、p型材料を通してエッチングするので、本発明者によって観測された同じ広範囲の損傷を受けることがある。また、フォトニック結晶を図1のように活性領域のごく近くか又はそれを通して形成することが望ましいことをモデル化が既に明らかにしているが、活性領域内の量子井戸を通してエッチングすると、表面の再結合を生じて装置の効率を低下させる可能性がある。
【0014】
本発明の実施形態によれば、フォトニック結晶は、エッチングされるのではなく半導体発光装置内で成長する。図11は、フォトニック結晶の例の上面図である。領域2は、屈折率が異なる材料の領域4によって割り込まれている。例えば、図11のフォトニック結晶は、上述のように半導体材料中にエッチングされた正孔のアレイではなく、空気領域2によって囲まれた成長した半導体材料の半導体ポスト4のアレイにすることができる。代替的に、領域2は、正孔4と共に成長した半導体領域とすることができる。
【0015】
フォトニック結晶構造は、最大と最小が交替する半導体領域の1つの厚みの周期的変動を含むことができる。一例は、上述のように(二次元格子)、半導体材料のポストの回折格子(一次元格子)又は平面格子である。格子は、ポストの直径d、最も近い隣接ポストの中心間の距離を測る格子定数a、ポストの高さw、及びポスト回りに配置された誘電体の誘電率εhによって特徴付けられる。パラメータa、d、w、及びεhは、バンドの状態の密度、及び特にフォトニック結晶のスペクトルのバンドエッジにおける状態の密度に影響を及ぼすものである。パラメータa、d、w、及びεhは、従って、装置によって放出される放射パターンに影響を及ぼし、装置からの抽出効率を高めるように選択することができる。代替的に、適正なフォトニック結晶パラメータが選択されると、放出光の放射パターンを狭くすることができ、LEDの放射輝度を増加させる。これは、特定の角度の光だけが有用な用途において有用である。一実施形態では、フォトニック結晶パラメータは、装置を出て行く放射の50%よりも多くが、装置の表面に垂直な軸線に対して45度の角度で形成された出口円錐の形で放出されるように選択される。
【0016】
ポストは、三角形、正方形、六角形、蜂の巣、又は他の公知の二次元格子型を形成するように配置することができる。複数の格子型を装置の同じ領域に含めることができ、又は装置からの光の伝播に対するより大きな制御をもたらす場合がある準結晶を生成するのに使用することができる。図13と14は、準結晶を生成する正孔の構成の2つの例を示している。図13と14に示すように、準結晶は、正方形131と三角形132の反復パターンの頂点に位置する正孔のパターンである。そのような反復パターンは、多くの場合にアルキメデスの格子又はペンローズのタイルと呼ばれる。準結晶の格子定数aは、反復パターンにおける三角形又は正方形の一辺の長さである。
一部の実施形態では、装置の異なる領域に異なる格子型が形成される。例えば、全放射パワー(放射効率)を最適化するように設計された1つのフォトニック結晶構造を、装置の1つの領域に形成することができ、光抽出(抽出効率)を最適化するように設計された別のフォトニック結晶構造を、装置の別の領域に形成することができる。
【0017】
ポストは、六角形断面を有することが多いが、他の断面も可能である。一部の実施形態では、格子間隔aは、約0.1λと約10λの間であり、より好ましくは、約0.1λと約5λの間であり、より好ましくは、約0.1λと約3λの間であり、より好ましくは、約0.1λと約1λの間であり、ここで、λは、活性領域によって放出された光の装置内の波長である。一部の実施形態では、格子定数aは、フォトニック結晶のバンドギャップ内か又はそれに近く選択される。例えば、GaN層内に形成されて空気で充填した正孔の三角形格子では、0.35λから0.55λの範囲の格子定数は、その範囲の下限での抽出に有利なバンドギャップ内であり、その範囲の上限での内部効率に有利なバンドエッジにある。0.35λから0.55λの格子定数の範囲は、0.36aのポストの半径を仮定している。一部の実施形態では、ポストは、aを格子定数とすると、約0.1aと約0.5aの間の直径dを有することができる。ポストは、空気又は誘電率εhが多くの場合に約1と約16の間の任意的な誘電体で取り囲むことができる。可能な誘電体は、以下の例に説明するマスク層とすることができる酸化珪素を含む。一部の実施形態では、ポストの高さwは、少なくとも0.25λである。ポストの高さは、ポストのない平坦な層上に電気接点を形成することを優先させるために制限されるので、ポストは、装置の高さ全体に延びることができない。発光領域がフォトニック結晶によって割り込まれない平坦な層であり、フォトニック結晶が発光領域の上方又は下方に配置されている実施形態では、フォトニック結晶は、好ましくは、発光領域の3λ内まで延びる。
【0018】
本発明の一部の実施形態では、発光領域は、フォトニック結晶を形成する成長した半導体材料のポストに含まれる。図2−5及び6A−6Cは、そのような装置の例を示している。図2の装置では、n型領域22は、例えば、サファイア、SiC、又はGaNのようないずれかの適切な基板20の上に従来的に成長する。n型領域22は、n型クラッド層及びn型接触層のようなn型装置の層がその上に成長する高品質テンプレートをもたらすように設計されたバッファ層又は核生成層のような例えば任意的な準備層のような厚み、組成、及びドーパント濃度が異なる複数の層を含むことが多い。n型領域22は、意図的にドープされていない層を含むことができる。成長基板20が除去された実施形態では、n型領域22は、成長基板20の取り外しを容易にするか又は成長基板20が除去された後のエピタキシャル層の薄層化を容易にする層を含むことができる。
【0019】
平坦なn型領域22の上にSiO2のようなマスク層24が形成される。マスク層24は、例えば、200nm未満の厚みの薄い層にすることができる。開口部がマスク24に形成される。フォトニック結晶を形成することになる半導体材料のポストが開口部に成長する。n型材料のポスト26が第1に成長し、続いて発光領域材料のポスト28が成長する。本明細書に説明する例では、発光領域は、例えば、単一の厚い発光層、単一の薄い量子井戸、バリア層によって分離された複数の薄い量子井戸、及びバリア層によって分離された複数の厚い発光層を含むいずれかの適切な発光領域構造とすることができる。発光領域28の後に、p型材料のポスト30が成長する。ポストのサイズ、高さ、間隔、及び編成は、上述のようにフォトニック結晶を形成するように選択することができる。
【0020】
半導体ポストは、例えば、本明細書において引用により組み込まれているKipshidze他著「パルス有機金属化学気相成長法によるGaNナノワイヤの制御された成長」、応用物理学レター、86、033104(2005)に説明されているように、低圧有機金属化学気相成長法によって形成することができる。成長は、搬送ガスとしてのN2と共にトリメチルガリウムのようなIII族前駆物質とアンモニアのようなV族前駆物質とを使用し、低圧、例えば30トルて実行することができる。成長は、マスク24の開口部に2−5ナノメートルの厚みに形成されたニッケルのような金属触媒の島によって核生成される。ニッケルは、Gaと気相から供給された活性窒素により過飽和状態になる。核生成した状態で、半導体とニッケルの間の固体−液体界面で半導体ポストの成長が起きる。成長ガス間の気相反応を防止するために、成長は、V族前駆物質のパルスが所定時間にわたってリアクタに導入され、続いて遅延され、更にIII族前駆物質のパルスが続くようなパルス状にすることができる。得られるポストは、一定の直径と平滑な側壁を有して基板表面に対して垂直に成長する。
【0021】
代替的に、ポストは、本明細書において引用により組み込まれている、S.Hoffouz他著「有機金属気相エピタキシによるGaNパターン化基板の横方向過成長に対するマグネシウム及びシリコンの影響」、「MRS Internet J.Nitride Semicond.Res.」、3、8(1998)に説明されているように成長させることができる。Hoffuzは、成長マスク内のミクロンサイズの開口部による成長基板表面のパターン化を説明している。マスクは、マスクの上の成長を防止するものである。成長は、マスク開口部で始まり、成長中に流入するドーパントの種類と濃度次第で、マスクまで及びそれを超えて横方向過成長モードで進行することができるか又は優先的に垂直に成長することができる。例えば、円柱形の成長が望ましい場合、成長中に大流量のSiH4が使用される。横方向過成長が望ましい場合、小流量のSiH4又はCp2Mgが使用される。
【0022】
p型ポスト30が成長した後に、ポストの上に反転したピラミッドが形成されるように成長条件が変更され、これらのピラミッドは、最終的に接続してポストの上に平坦な層32とポスト間に空間25とを形成する。金属触媒は、使用されている場合には、平坦な層32の成長の前に取り除かれる。上に引用したHoffouz他は、p型MgドープIII族窒化物材料に対する横方向過成長技術を説明している。p型ポスト30と平面p型領域32は、例えばp型クラッド層及びp型接触層のような厚み、組成、及びドーパント濃度が異なる複数の層を含むことができる。
【0023】
平面p型領域32の成長の後に、p接点(図示しない)を形成する1つ又はそれよりも多くの金属層がp型領域32上に堆積される。p接点は、オーム接触層、反射層、及び保護金属層のような複数の層を含むことができる。反射層は、多くの場合に銀又はアルミニウムである。保護金属は、例えば、ニッケル、チタン、又はタングステンを含むことができる。保護金属は、特に銀の反射層の場合に、反射金属層が移動するのを防止するように、かつ半導体構造をホスト基板に結合するために使用される結合層のための接着層をもたらすように選択することができる。
【0024】
半導体構造は、次に、ホスト基板に金属結合することができ、図12に示すように薄膜装置に加工される。典型的に金属である1つ又はそれよりも多くの結合層90は、半導体構造とホスト基板92の間の熱圧着結合又は共晶接合のための適合材料として機能することができる。適切な結合層金属の例は、金と銀を含む。ホスト基板92は、成長基板が除去された後の半導体層に対する機械的な支持を提供し、金属層90を通してp型領域に対して電気接触を提供する。ホスト基板は、導電性(すなわち、約0.1Ωcm未満)であり、熱伝導性であり、半導体層に適合する熱膨張係数を有し、強固な結合を形成するのに十分なほど平坦である(すなわち、自乗平均平方根粗度が約10nmよりも小さい)ように選択される。適切な材料は、例えば、Cu、Mo、Cu/Mo、及びCu/Wのような金属と、オーム接触を備えたSi及びオーム接触を備えたGaAsのような、例えば、Pd、Ge、Ti、Au、Ni、Agのうちの1つ又はそれよりも多くを含む金属接点を備えた半導体と、圧縮ダイヤモンド及びAlNのようなセラミックとを含む。
【0025】
ホスト基板と半導体構造は、高温高圧で互いに圧縮され、結合層の間に耐久性のある金属結合を形成する。一部の実施形態では、結合は、半導体構造を備えたウェーハが個々の装置にダイスカットされる前にウェーハスケール上で行われる。代替的に、結合は、半導体構造を備えたウェーハが個々の装置にダイスカットされた後にダイスケール上で行われる。結合のための温度及び圧力の範囲は、得られる結合の強度によってその下限が制限され、ホスト基板と半導体構造の安定性によってその上限が制限される。例えば、高温及び/又は高圧は、半導体構造内のエピタキシャル層の分解、p接点の剥離、例えばp接点内の拡散バリアの破損、又は半導体層内の成分材料のガス放出を引き起こす可能性がある。適切な温度範囲は、例えば、約200℃から約500℃である。適切な圧力範囲は、例えば、約100psiから約300psiである。
【0026】
ホスト基板に結合した後に、成長基板20は、成長基板材料に適切な技術によって除去することができる。サファイア成長基板は、例えば、レーザ溶解によって除去することができる。他の除去技術には、エッチングとラッピングが含まれる。成長基板が除去された状態で、n型領域22を望ましい厚みに薄層化するか、又は成長基板20に隣接する低品質の準備層を除去することができる。次に、n型領域22の露出された表面上にn接点96を形成することができる。p接点が反射性なので、n型領域22の露出された表面を通して装置から光が抽出される。
【0027】
代替的に、図2の装置は、成長基板20が装置上に残り、光が成長基板を通して装置から抽出されるフリップチップに加工することができる。p型領域30及び32の一部分と発光領域28とが除去されて、n型領域22又は24の一方の一部が露出する。n型領域の一方の露出部上にn接点が形成され、p型領域32の残っている部分上にp接点が形成される。ダイは、キャリアに接続したフリップチップであり、光は、基板20を通して装置から抽出される。光抽出を更に改善するために、基板20は、半導体構造の機械的支持のためのダイを充填不足にし、次に、例えばレーザリフトオフ、エッチング、又はラッピングにより基板を除去することによって除去することができる。
【0028】
図3は、発光領域が、フォトニック結晶を形成する成長した半導体材料のポストに含まれている装置の別の例を示している。n型領域22、n型ポスト26、発光領域ポスト28、及びp型ポスト30は、図2に関連して上述したように成長する。平面p型領域32をポストの上に成長させる代わりに、ポストの成長の後に成長が中止され、第2の成長基板42上に成長した半導体領域40に構造が結合される。半導体領域40は、例えば、p型領域とすることができる。
【0029】
半導体ポストの上面と半導体領域40の表面は、高温高圧の条件下で互いに結合される。結合のための適切な温度は、例えば、700℃と1200℃の間とすることができ、結合のための適切な圧力は、例えば、5psiと1500psiの間とすることができる。表面は、指定の期間にわたって、例えば、少なくとも2分、多くの場合に少なくとも30分にわたって、例えばN2又はNH3の雰囲気中で上述の温度と圧力で互いに圧縮されるであろう。これらの条件の下で、2つの表面の間に強固な半導体結合が形成される。このような結合は、付加的な半導体層の成長のような結合に続く更に別の半導体処理に必要な温度に耐えることができる。半導体ウェーハ結合以外に、拡散半田結合のような他の結合技術を使用することができる。拡散半田結合では、Zn及びSnのような1つ又はそれよりも多くの金属が結合境界に堆積されて低温で結合される。ZnSn結合は、例えば900℃を超える温度の高温で安定である。別の代替方法では、表面は、結合層としてAlのような薄い金属フィルムを使用して結合される。Alは、2つの半導体表面内に合金化することができ、高温で安定した結合を生成する。
【0030】
結合の後に、成長基板20と成長基板42の一方を除去することができ、半導体表面を露出する。接点は、p型ポスト30の上部ではなく、いずれかの基板の除去によって露出された、割り込まれていない平坦な表面上により容易に形成することができる。成長基板42が除去された後に、得られる装置は、共に図2に関連して上述した薄膜装置又はフリップチップに加工することができる。
図4の装置は、図2に関連して上述したように、半導体ポストがホスト基板46に金属結合されたこと(44)以外は図3の装置と同様である。成長基板20は、図2に関連して上述したように除去することができる。
【0031】
図2、3、及び4に示す装置の各々では、フォトニック結晶を形成する半導体ポストは、薄いマスク層24の開口部を通して成長する。図5に示す装置では、半導体ポストは、厚いマスク層48の開口部を通して成長する。マスク48は、0.25λよりも厚いSiO2とすることができる。マスク48の開口部は、開口部内に成長した半導体材料がポストのアレイを形成するように配置することができる。代替的に、マスク48は、マスクがポストのアレイを形成し、半導体材料がマスク材料ポスト間の区域を充填するように形成することができる。マスクは、マスクされた領域の間の区域に成長を制限し、従って、前駆ガスを強制的にマスク48の開口部の中に入れるために成長中により高い圧力、例えば100トルを超える圧力が必要な場合があること以外に特別な成長技術は必要ではない。半導体ポストがマスク48の上部に到達した状態で、p型領域50は、割り込まれていない平坦なシートに成長する。マスク48は、図5に示すように半導体ポスト間の間隙に残すか、又は半導体ポスト間に空隙を生成するために平面p型領域50の成長の前に除去することができる。
【0032】
図6A−Cは、半導体ポストがドライエッチングによって形成されたテンプレート上に成長する、図2−4に示す装置を成長させる代替の方法を示している。図6Aに示すように、平坦なn型領域22が基板20の上に成長する。マスク層52がn型領域22の上に形成され、次に、n型領域22の一部分がエッチングで除去されてn型ポスト54を形成する。マスク52が除去されて成長が再開される。成長条件は、核生成がポスト54間の区域で発生しないように選択され、成長は、ポスト54上だけで継続する。例えば100トルよりも低いような低圧での成長、又はn型ドーパント前駆物質の流量が高い成長は、成長をポスト54の上部に制限するであろう。上述のように、発光領域ポスト28が成長し、p型領域ポスト30がそれに続く。装置は、図2に示すように割り込まれていない平面p型領域を成長させ、図3に示すように半導体ポストを半導体領域に結合し、又は図4に示すように半導体ポストをホスト基板に金属結合することによって完成させることができる。
【0033】
図2−5と6A−6Cに示す実施形態では、発光領域28は、フォトニック結晶を形成する半導体ポスト内に位置する。半導体ポストの成長は、マスキングとエッチングによっては達成することが困難である深さにフォトニック結晶を形成させる。更に、半導体ポストの成長は、ドライエッチングによるフォトニック結晶の形成によって引き起こされる損傷と高い表面再結合を防止する。そのような損傷は、発光領域に対して特に問題になる。
【0034】
本発明の一部の実施形態では、発光領域は、フォトニック結晶によって割り込まれない平坦な層であり、フォトニック結晶を形成する成長した半導体材料のポストの前及び/又は後に形成される。図7−10は、そのような装置の例を示している。図7に示されている装置では、n型領域22は、上述のように基板20の上に成長する。割り込まれていない平坦な発光領域34は、n型領域22の上に成長し、続いて薄いp型領域36が成長する。例えば、上述のように、p型領域36は、厚みを3λよりも薄くすることができる。フォトニック結晶と発光領域の間の厚みが薄くなると装置性能の改善が期待されるので、p型領域36は、できる限り薄く成長させる。図2に関連して上述したようなn型領域22上に形成されたマスクと同様に、開口部を有する薄いマスク層が、次にp型領域36の上に形成される。フォトニック結晶を形成するp型半導体ポストは、マスク24の開口部を通して成長する。p型ポスト38の成長の後に、図7に示すように平面p型領域32をポストの上に成長させることができ、又は図3に示すように半導体領域をポスト38に結合することができ、又は図4に示すようにホスト基板をポスト38に金属結合することができる。
【0035】
代替的に、フォトニック結晶は、図10に示すようにn型領域内に活性領域の下に配置することができる。図10に示す装置では、平坦なn型領域22が、成長した基板20の上に成長する。フォトニック結晶を形成するn型ポスト26は、マスク24の開口部を通して成長する。割り込まれていない平坦なn型領域80、発光領域82、及びp型領域84は、n型ポスト26の上に配置される。n型領域80、発光領域82、及びp型領域84は、ポスト26の上に成長させることができ、又は、図3に関連して上述したように、それらは、別の成長基板上に成長させてn型ポスト26に結合することができる。
【0036】
図8に示す装置は、平面発光領域の各反対側に配置された2つのフォトニック結晶を含む。開口部を有する厚いマスク層56が、n型領域22の上に形成される。マスク56は、例えば、少なくとも0.25λの厚みにすることができる。第1のフォトニック結晶を形成するn型ポスト58は、マスク56の開口部を通して成長する。n型材料の成長は、マスク56の上で続き、割り込まれていない平坦なn型領域60を形成する。発光領域34は、n型領域60の上に成長し、薄いp型領域36がそれに続く。上述のように、n型領域60とp型領域36は、各々3λよりも小さな厚みを有することができる。開口部を有する第2の厚いマスク層62が、p型領域36の上に形成され、次に、p型ポスト64が、マスク62の開口部を通して成長し、マスク62の上に成長する、割り込まれていない平面p型領域66が続く。一部の実施形態では、図8に示す2つのフォトニック結晶内の半導体の空隙は整列している。
【0037】
図9に示す装置では、フォトニック結晶は、上述のようにポストからではなくピラミッドから形成される。ピラミッドは、図2に関連して上述したポストを形成するための成長技術とは対照的に、III族窒化物材料がマスクの開口部を通して従来的に成長する時にもたらされる。図9の装置では、n型領域22が成長基板20の上に形成され、発光領域34と薄いp型領域36がそれに続く。開口部を有するマスク層70が、p型領域36の上に堆積され、次に、p型材料72が、最初にマスク70の開口部に、次にマスクの上に成長してピラミッド74を形成する。ピラミッド74の間の間隙76が充填される前に成長は中止される。多くの場合にn型であって別の成長基板上に成長した半導体領域40が、次に、ピラミッド74に結合される。成長基板20、又は半導体領域40がその上に成長した成長基板(図示しない)のいずれかが除去される。半導体領域40の代わりとして、ホスト基板をピラミッド74に金属結合することができる。また、ピラミッド74間の間隙76を保存するが割り込まれていない平坦表面として上部で終端する層をピラミッド74の上に成長させることができる。
代替的に、図9のマスク70は、マスク開口部に成長した材料72とピラミッド74がn型になるようにn型領域22の上に堆積させることができる。割り込まれていない平面p型領域、活性領域、及び任意的なn型領域は、別の成長基板上に成長させ、次にn型ピラミッド74に結合することができる。
【0038】
本発明の実施形態は、いくつかの利点を提供する。フォトニック結晶のエッチングによって生じる損傷が防止されるので、成長したフォトニック結晶を組み込む装置は、エッチングされたフォトニック結晶を有する装置よりも効率を改善することができる。また、本発明の実施形態では、電気接点がその上に作られる平坦な表面は、活性領域のp型側とn型側の両方で利用可能である。接点の設計は、従って、フォトニック結晶が中に形成される層への接触を必要とする装置よりも簡単になる。
【0039】
本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の開示が与えられると、本明細書に説明した革新的概念の精神から逸脱することなく本発明に修正を行うことができることを認めるであろう。例えば、上述の実施例における装置の構造は、実施例で説明した特定の成長技術に限定されない。例えば、図8に示す2つのフォトニック結晶を有する装置は、図8に示すような厚いマスク層ではなく、図2に示すような薄いマスク層を使用して成長させることができ、又は図8に示すようなポストではなく、図9に示すようなピラミッドを使用して成長させることもできる。従って、本発明の範囲は、図示して説明した特定的な実施形態に限定されないものとする。
【符号の説明】
【0040】
20 成長基板
22 n型領域
24 マスク層
26、28、30 ポスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n型領域とp型領域の間に配置されて順方向バイアスされた時に波長λの光を放出するように構成された発光領域を含む半導体構造の内部にフォトニック結晶を成長させる段階、
を含み、
前記フォトニック結晶は、
第1の屈折率を有する半導体材料の複数の領域と、
前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する材料の複数の領域と、
を含み、
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、前記半導体材料の領域の間にアレイの形に配置され、第2の屈折率を有する材料の各領域の中心は、第2の屈折率を有する材料の最も近い隣りの領域の中心から5λ未満に位置している、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記半導体構造は、III族窒化物構造であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、シリコンのオキシ窒化物、及び誘電体のうちの1つ又はそれよりも多くを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
フォトニック結晶を成長させる段階は、
複数の開口部を有するマスクを半導体表面上に形成する段階と、
前記開口部を通して半導体材料を成長させる段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記開口部を通して成長させた前記半導体材料は、複数の半導体ポストを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記半導体材料は、前記マスクの厚みよりも大きな厚みを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体材料は、前記マスクの厚みと実質的に同じ厚みを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体材料の複数のポストを成長させる前に、前記複数の開口部に金属触媒を準備する段階を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記金属触媒は、ニッケルであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
実質的に平坦で割り込まれていない上面を有する半導体層を前記複数のポストの上に成長させる段階を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体構造は、第1の半導体構造であり、
第2の半導体構造を前記ポストに結合する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項13】
ホスト基板を前記ポストに該ホスト基板と該ポストの間に配置された金属結合層によって結合する段階を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記発光領域は、ポスト内に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項15】
フォトニック結晶を形成するために、複数のポストを成長させる前に前記半導体表面の一部分をエッチングで除去する段階を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記発光領域は、前記フォトニック結晶によって割り込まれていないことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記フォトニック結晶は、前記n型領域に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項18】
前記フォトニック結晶は、前記p型領域に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記フォトニック結晶は、n型領域に形成された第1のフォトニック結晶であり、
前記p型領域に第2のフォトニック結晶を形成する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のポストの少なくとも1つは、実質的に一定の直径と実質的に真っ直ぐな側壁とを有し、成長基板の表面に対して垂直に成長することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、少なくとも(1/4)λの厚みを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、前記発光領域の3λ内に位置していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.1λと3λの間の格子の形に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.1λとλの間の格子の形に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気であり、
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.35λと0.55λの間の格子の形に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、線形回折格子の形に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子の形に配置され、該格子の少なくとも一部分は、三角形、蜂の巣、アルキメデス、及び準結晶の格子のうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記半導体材料の領域のうちの1つの半径は、前記格子定数の0.36倍であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記n型領域の一部分を露出するために前記p型領域と前記発光領域の一部分をエッチングで除去する段階と、
前記p型領域の残りの部分と前記n型領域の前記露出された部分上に電気接点を形成する段階と、
前記電気接点をキャリアに取り付ける段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記半導体は、成長基板上に成長させ、
前記キャリアと前記半導体構造の間の空隙を充填する段階と、
前記成長基板を除去する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記半導体構造は、成長基板上に成長させ、
前記半導体構造の表面をキャリアに取り付ける段階と、
前記成長基板を除去する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記フォトニック結晶は平面n型領域と平面p型領域との間に配置され、前記平面n型及びp型領域は前記フォトニック結晶によって割り込まれていない
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項33】
n型領域とp型領域の間に配置されて波長λの光を放出するように構成された発光層を含み、上面と下面を有する半導体構造と、
第1の屈折率を有する半導体材料の複数の領域、及び
前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する材料の複数の領域、
を含み、
前記第2の屈折率を有する材料の領域が、前記半導体材料の領域の間にアレイの形に配置され、第2の屈折率を有する材料の各領域が、第2の屈折率を有する材料の最も近い隣の領域から5λ未満に位置している、
前記半導体構造内に配置されたフォトニック結晶と、
を含み、
前記発光層は、前記フォトニック結晶内に配置され、
前記半導体構造の前記上面と前記下面は、前記フォトニック結晶によって割り込まれていない、
ことを特徴とする装置。
【請求項34】
前記発光層は、III族窒化物層であることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気であることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記第2の屈折率を有する材料は、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、シリコンのオキシ窒化物、及び誘電体のうちの1つを含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、少なくとも(1/4)λの厚みを有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.1λと3λの間の格子の形に配置されていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記半導体構造の下面上に配置された第1の接点と、
前記半導体構造の上面上に配置された第2の接点と、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項40】
前記上面は、実質的に平坦な表面を含み、
前記発光層の一部分と前記n型領域及び前記p型領域の一方の一部分は、前記下面が該n型領域の露出部分と該p型部分の露出部分を含むように該下面から除去されており、
第1の接点が、前記n型領域の前記露出部分上に形成されており、
第2の接点が、前記p型領域の前記露出部分上に形成されている、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項41】
n型領域とp型領域の間に配置されて波長λの光を放出するように構成された発光層を含み、上面と下面を有する半導体構造と、
第1の屈折率を有する半導体材料の複数の領域、及び
前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する材料の複数の領域、
を含み、
前記第2の屈折率を有する材料の領域が、前記半導体材料の領域の間にアレイの形に配置され、第2の屈折率を有する材料の各領域が、第2の屈折率を有する材料の最も近い隣の領域から5λ未満に位置している、
前記p型領域内に配置されたフォトニック結晶と、
を含み、
前記半導体構造の前記上面と前記下面は、前記フォトニック結晶によって割り込まれていない、
ことを特徴とする装置。
【請求項42】
前記フォトニック結晶は、第1のフォトニック結晶であり、
前記n型領域内に配置された第2のフォトニック結晶、
を更に含むことを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記発光層は、III族窒化物層であることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気であることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記第2の屈折率を有する材料は、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、シリコンのオキシ窒化物、及び誘電体のうちの1つを含むことを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項46】
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、少なくとも(1/4)λの厚みを有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項47】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.1λと3λの間の格子の形に配置されていることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項48】
前記半導体構造の下面上に配置された第1の接点と、
前記半導体構造の上面上に配置された第2の接点と、
を更に含むことを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項49】
前記上面は、実質的に平坦な表面を含み、
前記発光層の一部分と前記n型領域及び前記p型領域の一方の一部分は、前記下面が該n型領域の露出部分と該p型部分の露出部分を含むように該下面から除去されており、
第1の接点が、前記n型領域の前記露出部分上に形成されており、
第2の接点が、前記p型領域の前記露出部分上に形成されている、
ことを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項1】
n型領域とp型領域の間に配置されて順方向バイアスされた時に波長λの光を放出するように構成された発光領域を含む半導体構造の内部にフォトニック結晶を成長させる段階、
を含み、
前記フォトニック結晶は、
第1の屈折率を有する半導体材料の複数の領域と、
前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する材料の複数の領域と、
を含み、
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、前記半導体材料の領域の間にアレイの形に配置され、第2の屈折率を有する材料の各領域の中心は、第2の屈折率を有する材料の最も近い隣りの領域の中心から5λ未満に位置している、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記半導体構造は、III族窒化物構造であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、シリコンのオキシ窒化物、及び誘電体のうちの1つ又はそれよりも多くを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
フォトニック結晶を成長させる段階は、
複数の開口部を有するマスクを半導体表面上に形成する段階と、
前記開口部を通して半導体材料を成長させる段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記開口部を通して成長させた前記半導体材料は、複数の半導体ポストを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記半導体材料は、前記マスクの厚みよりも大きな厚みを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体材料は、前記マスクの厚みと実質的に同じ厚みを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体材料の複数のポストを成長させる前に、前記複数の開口部に金属触媒を準備する段階を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記金属触媒は、ニッケルであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
実質的に平坦で割り込まれていない上面を有する半導体層を前記複数のポストの上に成長させる段階を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体構造は、第1の半導体構造であり、
第2の半導体構造を前記ポストに結合する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項13】
ホスト基板を前記ポストに該ホスト基板と該ポストの間に配置された金属結合層によって結合する段階を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記発光領域は、ポスト内に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項15】
フォトニック結晶を形成するために、複数のポストを成長させる前に前記半導体表面の一部分をエッチングで除去する段階を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記発光領域は、前記フォトニック結晶によって割り込まれていないことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記フォトニック結晶は、前記n型領域に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項18】
前記フォトニック結晶は、前記p型領域に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記フォトニック結晶は、n型領域に形成された第1のフォトニック結晶であり、
前記p型領域に第2のフォトニック結晶を形成する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のポストの少なくとも1つは、実質的に一定の直径と実質的に真っ直ぐな側壁とを有し、成長基板の表面に対して垂直に成長することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、少なくとも(1/4)λの厚みを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、前記発光領域の3λ内に位置していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.1λと3λの間の格子の形に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.1λとλの間の格子の形に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気であり、
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.35λと0.55λの間の格子の形に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、線形回折格子の形に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子の形に配置され、該格子の少なくとも一部分は、三角形、蜂の巣、アルキメデス、及び準結晶の格子のうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記半導体材料の領域のうちの1つの半径は、前記格子定数の0.36倍であることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記n型領域の一部分を露出するために前記p型領域と前記発光領域の一部分をエッチングで除去する段階と、
前記p型領域の残りの部分と前記n型領域の前記露出された部分上に電気接点を形成する段階と、
前記電気接点をキャリアに取り付ける段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記半導体は、成長基板上に成長させ、
前記キャリアと前記半導体構造の間の空隙を充填する段階と、
前記成長基板を除去する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記半導体構造は、成長基板上に成長させ、
前記半導体構造の表面をキャリアに取り付ける段階と、
前記成長基板を除去する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記フォトニック結晶は平面n型領域と平面p型領域との間に配置され、前記平面n型及びp型領域は前記フォトニック結晶によって割り込まれていない
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項33】
n型領域とp型領域の間に配置されて波長λの光を放出するように構成された発光層を含み、上面と下面を有する半導体構造と、
第1の屈折率を有する半導体材料の複数の領域、及び
前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する材料の複数の領域、
を含み、
前記第2の屈折率を有する材料の領域が、前記半導体材料の領域の間にアレイの形に配置され、第2の屈折率を有する材料の各領域が、第2の屈折率を有する材料の最も近い隣の領域から5λ未満に位置している、
前記半導体構造内に配置されたフォトニック結晶と、
を含み、
前記発光層は、前記フォトニック結晶内に配置され、
前記半導体構造の前記上面と前記下面は、前記フォトニック結晶によって割り込まれていない、
ことを特徴とする装置。
【請求項34】
前記発光層は、III族窒化物層であることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気であることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記第2の屈折率を有する材料は、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、シリコンのオキシ窒化物、及び誘電体のうちの1つを含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、少なくとも(1/4)λの厚みを有することを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.1λと3λの間の格子の形に配置されていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記半導体構造の下面上に配置された第1の接点と、
前記半導体構造の上面上に配置された第2の接点と、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項40】
前記上面は、実質的に平坦な表面を含み、
前記発光層の一部分と前記n型領域及び前記p型領域の一方の一部分は、前記下面が該n型領域の露出部分と該p型部分の露出部分を含むように該下面から除去されており、
第1の接点が、前記n型領域の前記露出部分上に形成されており、
第2の接点が、前記p型領域の前記露出部分上に形成されている、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項41】
n型領域とp型領域の間に配置されて波長λの光を放出するように構成された発光層を含み、上面と下面を有する半導体構造と、
第1の屈折率を有する半導体材料の複数の領域、及び
前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する材料の複数の領域、
を含み、
前記第2の屈折率を有する材料の領域が、前記半導体材料の領域の間にアレイの形に配置され、第2の屈折率を有する材料の各領域が、第2の屈折率を有する材料の最も近い隣の領域から5λ未満に位置している、
前記p型領域内に配置されたフォトニック結晶と、
を含み、
前記半導体構造の前記上面と前記下面は、前記フォトニック結晶によって割り込まれていない、
ことを特徴とする装置。
【請求項42】
前記フォトニック結晶は、第1のフォトニック結晶であり、
前記n型領域内に配置された第2のフォトニック結晶、
を更に含むことを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記発光層は、III族窒化物層であることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記第2の屈折率を有する材料は、空気であることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記第2の屈折率を有する材料は、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、シリコンのオキシ窒化物、及び誘電体のうちの1つを含むことを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項46】
前記第2の屈折率を有する材料の領域は、少なくとも(1/4)λの厚みを有することを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項47】
前記半導体材料の複数の領域と前記第2の屈折率を有する材料の複数の領域とは、格子定数が0.1λと3λの間の格子の形に配置されていることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項48】
前記半導体構造の下面上に配置された第1の接点と、
前記半導体構造の上面上に配置された第2の接点と、
を更に含むことを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項49】
前記上面は、実質的に平坦な表面を含み、
前記発光層の一部分と前記n型領域及び前記p型領域の一方の一部分は、前記下面が該n型領域の露出部分と該p型部分の露出部分を含むように該下面から除去されており、
第1の接点が、前記n型領域の前記露出部分上に形成されており、
第2の接点が、前記p型領域の前記露出部分上に形成されている、
ことを特徴とする請求項41に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−9002(P2013−9002A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−203313(P2012−203313)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【分割の表示】特願2006−193365(P2006−193365)の分割
【原出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【分割の表示】特願2006−193365(P2006−193365)の分割
【原出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】
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