説明

半導体装置の製造方法

【課題】 ヴィアホール、配線層の良好なカバレージを得ることにより、歩留りや信頼性の向上を図った半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体基板上1に、所定パターンの第1の金属層3を形成する工程と、全面に、第1の絶縁膜4を形成する工程と、前記第1の絶縁膜4上に、所定パターンの第2の金属層5を形成し、この第2の金属層5上に第3の金属層6を形成する工程と、前記第3の金属層6上に、第2の絶縁膜7を形成する工程と、前記第2の絶縁膜7を平坦化する工程と、全面に、第3の絶縁膜9を形成する工程と、前記第3の絶縁膜9上に反射防止膜10を形成する工程と、前記反射防止膜10上にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層をパターニングする工程と、パターニングされたレジスト層11をマスクとしてエッチングを行い、所定位置に前記第2の金属層に到達する開口部12、13を形成する工程と、前記開口部12、13内を含む全面に、第4の金属層及び第5の金属膜を形成する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば多層配線を備えた半導体装置の製造方法に係り、特に歩留り、信頼性の向上を図った半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多層配線を備える半導体装置において、上層配線と下層配線はタングステンプラグ等により接続されているが、下層配線、プラグの形成時に空洞やエッチングガスが残存することにより、断線など信頼性の低下を生じてしまうため、均一に成膜する手法が種々検討されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
近年、信頼性の向上、抵抗の抑制を図るために、タングステンプラグを選択成長に替えてブランケット成長を用いて形成する手法が検討されている。
【0004】
例えば、先ず、図15に示すように、半導体基板上101に酸化膜102を形成する。そして、図16に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposit)法により、ポリシリコンを堆積させ、通常のリソグラフィとRIE(Reactive Ion Etching)によりパターニングし、抵抗配線及びゲート電極となる配線層103を形成する。
【0005】
次いで、図17に示すように、CVD法により絶縁膜を堆積後、メルト法により平坦化を行い、下地層間膜104を形成する。
【0006】
そして、図18に示すように、PVD(Physical Vapor Deposit)法により、Al層及びTiN層を順次形成し、通常のリソグラフィとRIEによりパターニングし、下層の配線層105、106を形成する。さらに、図19に示すように、全面にCVD法によりプラズマTEOS膜等の絶縁膜107を堆積し、図20に示すようにエッチバック用レジスト108を塗布した後、図21に示すように、フッ素系のガスでエッチバックを行うことにより平坦化する。そして、図22に示すように、さらに絶縁膜109を形成する。
【0007】
次いで、図23に示すように、通常のリソグラフィによりレジストパターン111を形成し、RIE法によりヴィアホール112、113を開口する。さらに、図23に示すように、全面にTiN層114を形成し、さらにCVD法により、全面にタングステン層115を形成し、ヴィアホール内を埋め込む。そして、エッチバックすることにより、タングステンプラグを形成する。
【特許文献1】特開2003−338503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このとき、配線103、105、106の段差により、その上層に形成される絶縁膜107は段差を有しており、これを平坦化するために、エッチバック用レジスト108を塗布した後、エッチバックを行う。ここで、絶縁膜107とエッチバック用レジスト108は1:1のレートでエッチバックすれば平坦化ができるが、実際は、絶縁膜107が露出した時点で、絶縁膜107中の酸素によりエッチバック用レジスト108のエッチングレートが高くなり、段差を解消することができなくなるため、予め絶縁膜107のレートを高めに設定する必要がある。
【0009】
しかしながら、絶縁膜107の露出が早い段差の高い領域において、エッチングが早く進行し、フッ素系ガスと反応するTiN配線105が露出し、エッチングされてしまうという問題が発生する。TiN層は、ヴィアホールレジストパターン形成時に反射防止膜として機能するため、段差が高くTiN層が除去された配線層上において、露光時の反射によりパターン開口径が大きくなる。さらに、開口径が大きくなることにより、RIEにより絶縁膜109を開口する際、反応生成物の堆積により開口部のエッチングの進行が抑えられ、ヴィアホールが低くなる。
【0010】
このようなヴィアホール113を含む全面に、図25に示すように、タングステン層を形成してヴィアホール112、113を埋め込む際、ヴィアホール113の開口径が大きいために埋め込み性が低下し、その中央にシームが発生する。さらに、これをエッチバックすることによりタングステンプラグ116、117を形成するが、このとき、ヴィアホールが低くなっている上に、シーム部分のエッチングレートは高くなるため、タングステン層、TiN層のエッチバックの際に発生するプラグ落ち込み(リセス)が、下層の配線層105まで到達、露出する。そして、エッチバックで使用している塩素系及びフッ素系ガスにより、下層の配線層105のAlが腐食を起こしてしまう。
【0011】
そのため、空洞が発生するとともに、図26に示すように、タングステンプラグ117上層に形成される配線層118のカバレージが悪化し、断線等により歩留りや信頼性の低下を引き起こすという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、従来の問題を取り除き、ヴィアホール、配線層の良好なカバレージを得ることにより、歩留りや信頼性の向上を図った半導体装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、半導体基板上に、所定パターンの第1の金属層を形成する工程と、全面に、第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜上に、所定パターンの第2の金属層を形成し、この第2の金属層上に第3の金属層を形成する工程と、前記第3の金属層上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜を平坦化する工程と、全面に、第3の絶縁膜を形成する工程と、前記第3の絶縁膜上に反射防止膜を形成する工程と、前記反射防止膜上にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層をパターニングする工程と、パターニングされたレジスト層をマスクとしてエッチングを行い、所定位置に前記第2の金属層に到達する開口部を形成する工程と、前記開口部内を含む全面に、第4の金属層及び第5の金属膜を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0014】
また、本発明の一態様によれば、酸化膜を介して、半導体基板上に所定パターンの第1の金属層を形成する工程と、前記酸化膜及び前記第1の金属層を覆うように第1の絶縁膜を堆積する工程と、前記第1の絶縁膜上に、所定パターンの第2の金属層を形成する工程と、前記第2の金属層上に、第2の絶縁膜を堆積する工程と、前記第1の金属層上に位置する前記第2の金属層を露出させつつ、前記第2の絶縁膜を平坦化する工程と、前記露出した第2の金属層及び前記第2の絶縁膜上に、第3の絶縁膜を堆積する工程と、前記第3の絶縁膜上に、反射防止膜を堆積する工程と、前記反射防止膜上にレジスト層を形成し、このレジスト層をパターニングする工程と、パターニングされたレジスト層をマスクとしてエッチングを行い、所定位置に前記第2の金属層に到達する開口部を形成する工程と、前記開口部内を含む全面に、第4の金属膜及び第5の金属膜を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施態様によれば、半導体装置の製造方法において、ヴィアホール、配線層の良好なカバレージを得ることにより、歩留りや信頼性の向上を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
【0017】
(実施形態1)
図1乃至図14に本実施形態の半導体装置の製造工程を示す。先ず、図1に示すように、半導体基板上1に酸化膜2を形成する。そして、図2に示すように、CVD法により、ポリシリコンを堆積させ、通常のリソグラフィとRIEによりパターニングし、抵抗配線及びゲート電極となる配線層3を形成する。
【0018】
次いで、図3に示すように、CVD法により絶縁膜を堆積後、メルト法により平坦化を行い、下地層間膜4を形成する。
【0019】
そして、図4に示すように、PVD法により、Al層及びTiN層を順次形成し、通常のリソグラフィとRIEによりパターニングし、下層の配線層5、6を形成する。さらに、図5に示すように、全面にCVD法によりプラズマTEOS膜等の絶縁膜7を堆積し、図6に示すようにエッチバック用レジスト8を塗布した後、図7に示すように、フッ素系のガスでエッチバックを行うことにより平坦化する。そして、図8に示すように、絶縁膜9を形成し、さらに図9に示すように、PVD法により反射防止膜となるTiN層10を形成する。
【0020】
次いで、図10に示すように、通常のリソグラフィによりレジストパターン11を形成し、図11に示すように、RIE法によりヴィアホール12、13を開口する。さらに、図12に示すように、全面にTiN層14を形成し、さらに、全面にタングステン層15を形成し、ヴィアホール内を埋め込む。そして、図13に示すように、タングステン層15とTiN層14をエッチバックし、タングステンプラグ16、17を形成する。
【0021】
このとき、絶縁膜9上に形成されたTiN層10が反射防止膜として機能するため、上層のレジストパターン11形成時に、下層の配線層5上の反射防止膜の有無に関わらず、露光時の反射に起因するヴィアホール開口径のばらつきが発生することなく、均一に形成することができる。従って、ヴィアホールの高さのばらつきを抑制することができる。そして、エッチバックの際に発生するプラグ落ち込み(リセス)が、下層の配線層5まで到達することなく、下層の配線層の腐食による空洞発生を防止しすることが可能となる。
【0022】
そして、図14に示すように、PVD法によりTiN層、Al層、TiN層を順次堆積後、通常のリソグラフィとRIE法によりパターニングして、上層の配線層18を形成する。このとき、上層の配線層18は均一に形成され、段差の高い領域に形成されるタングステンプラグ17上層の配線層18においても、カバレージ不良を防止することが可能となる。
【0023】
本実施形態において、各層を構成する材料は特に規定されるものではなく、適用されるデバイスにより適宜選択することが可能である。また、反射防止膜として、TiN層を用いたが、反射を抑制する金属窒化膜であればよく、他にTaN層等を用いることができる。そして、反射防止膜の上層に形成される配線層のバリアメタルとなる金属層は、この反射防止膜と同じ材料を用いることがプロセス設計上好ましい。本実施形態においては、TiN層を用いているが、TiN層/Ti層の積層膜を用いてもよい。
【0024】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。その他要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図2】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図3】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図4】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図5】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図6】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図7】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図8】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図9】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図10】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図11】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図12】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図13】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図14】本発明の一態様における半導体装置の製造工程を示す図。
【図15】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図16】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図17】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図18】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図19】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図20】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図21】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図22】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図23】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図24】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図25】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【図26】従来の半導体装置の製造工程を示す図。
【符号の説明】
【0026】
1、101 半導体基板
2、102 酸化膜
3、103 配線層
4、104 下地層間膜
5、6、105、106 下層の配線層
7、107 絶縁膜
8、108 エッチバック用レジスト
9、109 絶縁膜
10 反射防止膜
11、111 レジスト
12、13、112、113 ヴィアホール
14、114 TiN層
15、115 タングステン層
16、17、116、117 タングステンプラグ
18、118 上層の配線層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に、所定パターンの第1の金属層を形成する工程と、
全面に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、所定パターンの第2の金属層を形成し、この第2の金属層上に第3の金属層を形成する工程と、
前記第3の金属層上に、第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜を平坦化する工程と、
全面に、第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜上に反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜上にレジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層をパターニングする工程と、
パターニングされたレジスト層をマスクとしてエッチングを行い、所定位置に前記第2の金属層に到達する開口部を形成する工程と、
前記開口部内を含む全面に、第4の金属層及び第5の金属膜を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
少なくとも前記第3の絶縁膜上に形成された前記第5の金属層、前記第4の金属膜、及び前記反射防止膜を除去し、所定パターンの第6の金属膜を形成する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記反射防止膜は、Ti、Taの少なくともいずれかを含む窒化膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第3の金属層及び/又は第4の金属層は、前記反射防止膜と同じ材料を含むことを特徴とする請求項1乃至3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
酸化膜を介して、半導体基板上に所定パターンの第1の金属層を形成する工程と、
前記酸化膜及び前記第1の金属層を覆うように第1の絶縁膜を堆積する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、所定パターンの第2の金属層を形成する工程と、
前記第2の金属層上に、第2の絶縁膜を堆積する工程と、
前記第1の金属層上に位置する前記第2の金属層を露出させつつ、前記第2の絶縁膜を平坦化する工程と、
前記露出した第2の金属層及び前記第2の絶縁膜上に、第3の絶縁膜を堆積する工程と、
前記第3の絶縁膜上に、反射防止膜を堆積する工程と、
前記反射防止膜上にレジスト層を形成し、このレジスト層をパターニングする工程と、
パターニングされたレジスト層をマスクとしてエッチングを行い、所定位置に前記第2の金属層に到達する開口部を形成する工程と、
前記開口部内を含む全面に、第4の金属膜及び第5の金属膜を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−54296(P2006−54296A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234435(P2004−234435)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】