説明

半導体装置の製造方法

【課題】複数の半導体チップ、又は半導体チップとその他の電子部品とを樹脂で固定して一体化し、高密度化の半導体装置を歩留まり良く製造することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板11の上に接着剤層12を介して金属層13を配置する。その後、金属層13の上に、金属層13の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液を付着させ、粘着層14を形成する。次に、粘着層14の上に電子部品15を載置し、電子部品15を樹脂層16で被覆する。次いで、レーザ照射等により接着剤層12の接着力を減少させた後、支持基板11を樹脂層16から分離する。その後、接着剤層12及び金属層13等を除去して疑似ウェハとした後、疑似ウェハの表面に配線等を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置(LSI)は、ムーアの法則にしたがって年々微細化されてきた。その結果、現在の半導体装置は、初期の半導体装置に比べて著しい高密度化及び高性能化が達成されている。しかし、45nmプロセス以降については経済的な観点から、22nmプロセス以降については物理的揺らぎの観点から、微細化の限界が見えてきた。
【0003】
そこで、半導体装置のより一層の高密度化及び高性能化を実現するために、複数の半導体チップ又はその他の電子部品を配線基板(インタポーザ)上に搭載し、樹脂で被覆して一体化する方法が開発され、実用化されている。また、より一層の高密度化及び高集積化を実現するために、複数のシリコンチップを積層し、シリコンチップを貫通するビア(TSV:Through Silicon Via)を介して各シリコンチップを電気的に接続する3次元積層デバイスが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−147263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の半導体チップ、又は半導体チップとその他の電子部品とを樹脂で固定して一体化し、高密度化の半導体装置を歩留まり良く製造することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の一観点によれば、支持基板の上に接着剤層を介して金属層を配置する工程と、前記金属層の上に前記金属層の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液を付着させ、前記金属層の表面に粘着層を形成する工程と、前記粘着層の上に電子部品を載置する工程と、前記電子部品を樹脂層で被覆する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0007】
また、開示の技術の他の一観点によれば、気体が浸透可能な支持基板の上に第1の樹脂層を形成する工程と、前記第1の樹脂層の上に金属を堆積させて金属層を形成する工程と、前記金属層の上に前記金属層の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液を付着させ、前記金属層の表面に粘着層を形成する工程と、前記粘着層の上に電子部品を載置する工程と、前記電子部品を第2の樹脂層で被覆する工程と、前記支持基板を、ギ酸を含む雰囲気中において前記第1の樹脂層と前記金属層との間の接合力を低下させる工程と、前記第1の樹脂層と前記金属層との界面で前記支持基板を分離する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記の一観点及び他の一観点に係る半導体装置の製造方法では、支持基板上に溶液を付着させて粘着層を形成し、その粘着層により電子部品(半導体チップ又はその他の電子部品)を固定する。そして、それらの電子部品を樹脂で被覆して一体化する。これにより、高密度の半導体装置を歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その1)である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その2)である。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その3)である。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その4)である。
【図5】図5は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その1)である。
【図6】図6は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その2)である。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その3)である。
【図8】図8は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その1)である。
【図9】図9は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その2)である。
【図10】図10は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その3)である。
【図11】図11は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その1)である。
【図12】図12は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その2)である。
【図13】図13は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その3)である。
【図14】図14は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その1)である。
【図15】図15は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その2)である。
【図16】図16は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を表した断面図(その3)である。
【図17】図17は、疑似ウェハの各半導体装置形成領域毎に、電子部品間を接続する配線を形成した例を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
【0011】
前述したように、半導体装置のより一層の高密度化及び高性能化の要求に応じて、配線基板(インタポーザ)の上に複数の半導体チップ又はその他の電子部品を搭載して樹脂で被覆した半導体装置が開発されている。しかし、半導体チップとは別に配線基板を製造する必要があり、製造工程数が多くなる。また、配線基板に形成する配線は、ウェハレベルの配線に比べて幅が広くなり、高密度化が難しい。
【0012】
そこで、後述する各実施形態では、複数の半導体チップ、又は半導体チップとその他の電子部品とを平面上に並べ、樹脂で被覆して一体化する。以下、平面上に並んだ複数の電子部品(半導体チップ又はその他の電子部品)を樹脂で被覆して形成された薄板状の部材を、疑似ウェハと呼ぶ。なお、疑似ウェハの形状は円板状に限らず、例えば角板状であってもよい。
【0013】
複数の電子部品を樹脂で被覆して疑似ウェハとすることにより、例えば公知の半導体プロセスを使用して電子部品間を電気的に接続する微細配線を形成することが可能になり、高密度の電子デバイス(半導体装置)を製造することができる。また、複数の疑似ウェハを積層して、3次元積層デバイスを製造することも可能である。
【0014】
ところで、疑似ウェハを製造するためには、平坦な支持基板の上に半導体チップ又はその他の電子部品を接着剤で固定する工程と、それらの電子部品を樹脂で被覆する工程と、硬化後の樹脂を電子部品とともに支持基板から剥離する工程とが必要になる。しかし、単に電子部品を支持基板に接着剤で固定し、樹脂で被覆した後に支持基板から引き剥がすだけでは、以下のような問題が発生する。
【0015】
すなわち、電子部品を固定する接着剤の接着力が弱いと、電子部品を樹脂で被覆する際に電子部品が支持基板から剥がれて、電子部品の位置がずれてしまう。強力な接着剤を使用すれば電子部品の位置ずれを回避することはできるが、その場合は樹脂を支持基板から剥離する際に電子部品に大きな力が加わり、電子部品(特に電極部分)が破損するおそれがある。また、支持基板から剥離した疑似ウェハに接着剤が残ると、次に実施する配線形成工程で断線が発生する原因となる。
【0016】
従って、電子部品の位置ずれを回避できるとともに硬化後の樹脂を支持基板から剥離する際に電子部品の破損を回避でき、剥離後に接着剤が疑似ウェハに残らない接着剤が必要となる。しかし、現状では、そのような接着剤は見当たらない。
【0017】
(第1の実施形態)
図1〜図4は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表した断面図である。
【0018】
まず、図1(a)のように、表面が平坦な支持基板11を用意する。支持基板11の材質は特に限定するものではないが、後述する工程でレーザ光が透過することが重要である。本実施形態では、支持基板11として、厚さが数100μm〜数mmのガラス基板を使用するものとする。
【0019】
その後、支持基板11の上に接着剤を例えば数10μm〜100μmの厚さに塗布して、接着剤層12を形成する。接着剤を塗布する替わりに、フィルム状の接着剤(例えば、日東電工株式会社製リバアルファ)を貼り付けて接着剤層12としてもよい。
【0020】
次に、図1(b)のように、接着剤層12の上に例えば厚さが0.5μm〜数μmの金属層13を形成する。本実施形態では、銅(Cu)により金属層13を形成するものとする。金属層13はスパッタ等の方法により接着剤層12の上に銅を堆積させて形成してもよく、予め形成された銅箔を接着剤層12の上に貼り付けて金属層13としてもよい。
【0021】
次に、金属層13の上にベンゾトリアゾール誘導体を含むpH3〜pH5程度の弱酸性の溶液を塗布する。溶液の温度は、約30℃〜50℃とすることが好ましい。酸性度を調整するための溶液として、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等の無機酸、又はギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸及び酒石酸等の有機酸を使用することができる。
【0022】
このように金属層13の表面にベンゾトリアゾール誘導体を含む弱酸性溶液を付着させると、銅とベンゾトリアゾールとが反応して粘着性を有する錯体が生成され、図1(c)のように、金属層13の表面に粘着層14が形成される。粘着層14が形成された後、金属層13上の余分な溶液を除去する。
【0023】
なお、金属層13の上に溶液を塗布する替わりに、金属層13が形成された支持基板11をベンゾトリアゾール誘導体を含む弱酸性の溶液に浸漬してもよい。
【0024】
本実施形態では銅に付着すると粘着性を有する錯体を生成する化合物としてベンゾトリアゾール誘導体を使用しているが、その他に使用可能な化合物として、ナフトトリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体及びベンゾイミダゾール誘導体などがある。また、ニッケル(Ni)も、これらの化合物と反応して粘着性を有する錯体を形成する。
【0025】
次に、図1(c)のように、粘着層14の上に電子部品15を配置する。電子部品15が半導体チップの場合は、電極形成面を下側(いわゆるフェースダウン)に配置する。また、その他の電子部品の場合も、電極形成面を下にして配置する。その後、例えば150℃〜170℃の温度で数10秒間〜数分間加熱して粘着層14を固化し、電子部品15を支持基板11上に固定する。
【0026】
なお、後述する工程で金属層13を酸により除去する際に電子部品15の電極を保護するために、電子部品15の電極に耐酸性コーティングを行うことが好ましい。例えば、電子部品15の電極面にレジストを0.1μm〜1μmの厚さに塗布してその表面を酸素プラズマで処理し、親水性を付与しておけばよい。
【0027】
次に、図2(a)のように、支持基板11の上側にモールド樹脂を塗布して、電子部品15を被覆するモールド樹脂層16を形成する。その後、モールド樹脂層16を十分に硬化させる。
【0028】
本実施形態では、モールド樹脂として、フィラーを90wt%程度含有するエポキシ樹脂を使用するものとする。フィラーには、例えばシリカ粉末を使用することができる。フィラーは必須ではないが、エポキシ樹脂にフィラーとしてシリカ粉末を混合することにより、モールド樹脂層16の熱膨張係数をシリコンの熱膨張係数に近づけることができる。
【0029】
なお、本実施形態では支持基板11の上側にモールド樹脂を塗布してモールド樹脂層16を形成しているが、所定の形状の金型を使用し、金型内にモールド樹脂を射出してモールド樹脂層16を形成してもよい。
【0030】
本実施形態では銅とベンゾトリアゾールとの反応により生成された錯体(粘着層14)により電子部品15が支持基板11上に強く固定されるので、電子部品15をモールド樹脂で覆う際の電子部品15の移動が回避される。
【0031】
次に、図2(b)のように、レーザ装置17により支持基板11の裏面側からレーザ光を照射して接着剤層12を変質(アブレーション)させ、接着剤層12の接着力を減少させる。ここでは、レーザ装置17から、波長が248nmのエキシマレーザを数100mW/cm2〜数W/cm2の照射強度で照射するものとする。
【0032】
次に、図2(c)のように、接着剤層12の部分で支持基板11とモールド樹脂層16とを分離する。このとき、レーザ照射により接着剤層12の接着力が減少しているので、支持基板11をモールド樹脂層16から容易に分離することができる。
【0033】
図3(a)は、支持基板11を剥離した後のモールド樹脂層16を示している。支持基板11を剥離した後のモールド樹脂層16には、粘着層14と、金属層13と、接着剤層12とが付着している。
【0034】
次に、図3(b)のように、モールド樹脂層16に付着している接着剤層12を除去する。接着剤層12は、例えば溶剤で溶解して除去してもよく、酸素プラズマアッシングにより除去してもよい。
【0035】
次いで、図3(c)のように、金属層13及び粘着層14を除去する。金属層13及び粘着層14は例えば塩酸、硝酸及び硫酸等の無機酸、又はギ酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸及びアミン酸等の有機酸に過酸化水素と無機酸を加えた溶液により除去することができる。
【0036】
このようにして、電子部品15がモールド樹脂層16に埋め込まれた構造の薄板状の疑似ウェハ20が完成する。なお、必要に応じてモールド樹脂層16の上面側を研磨して、疑似ウェハ20の厚さを調整してもよい。
【0037】
図4は、公知の半導体プロセスを使用して電子部品15間を電気的に接続する微細配線21を形成した疑似ウェハ20の例を表した平面図である。図4のように、半導体装置形成領域20a毎に電子部品15間を電気的に接続する微細配線21を形成した後、例えばダイシング装置で各半導体装置形成領域20aを相互に分離することにより、1枚の疑似ウェハ20から複数の半導体装置を同時に製造することができる。
【0038】
本実施形態では、上述したように、支持基板11と金属層13との接合と金属層13と電子部品15との接合とを別工程で行い、支持基板11の分離と金属層13の除去とを別工程で行う。従って、金属層13と電子部品15との接合強度が高くても支持基板11を容易に分離することができ、電子部品15を樹脂で被覆する際の位置ずれを回避することができる。また、支持基板11を分離する際に電子部品15に大きな応力が加わることがないので、電子部品15の破損が回避される。その結果、高密度且つ高性能な半導体装置を良好な歩留まりで製造することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
図5〜図7は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表した断面図である。なお、図5〜図7において、図1〜図3と同一物には同一符号を付している。
【0040】
まず、図5(a)のように、支持基板11の上に接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、その上にスパッタ法等により銅を堆積させて金属層13を形成する。ここまでの工程は、前述の第1の実施形態と同じである。
【0041】
次に、図5(b)のように、金属層13の上にフォトレジスト膜31を、例えば0.2μm〜2μm程度の厚さに形成する。そして、そのフォトレジスト膜31を露光及び現像処理して、電子部品を搭載する部分の金属層13が露出する開口部31aを形成する。このとき、開口部31aの形状は、搭載する電子部品の外形とほぼ一致させておく。
【0042】
次に、支持基板11の上側全面にベンゾトリアゾール誘電体を含む弱酸性の溶液を塗布する。そして、開口部31a内の金属層13の表面で銅とベンゾトリアゾールとが反応して粘着性を有する錯体が形成された後、支持基板11上の余分な溶液を除去する。このようにして、図5(c)のように、フォトレジスト膜31に覆われていない部分の金属層13の上に、粘着性を有する錯体からなる粘着層33が形成される。なお、フォトレジスト膜31の替わりに、感光性の撥水性膜を用いてもよい。
【0043】
次に、支持基板11を、親水性を有する溶液中に浸漬した後、引き上げる。そうすると、図5(d)のように、粘着層33の上に親水性を有する溶液34が付着する。なお、フォトレジスト膜31は疎水性を有するので、フォトレジスト膜31上には溶液34が殆ど付着しない。親水性の溶液34に浸漬する替わりに、適量の溶剤34を粘着層33の上に滴下してもよい。
【0044】
親水性を有する溶液として、例えば水、アルコール、ジオール又はトリオール等のヒドロキシ基を有する溶液を用いることができる。
【0045】
次に、図6(a)のように、粘着層33に付着している溶液34の上に電子部品15を載置する。前述の第1の実施形態では、粘着層14上に電子部品15を載置する際に高精度な位置決めを行う必要があるが、本実施形態では高精度な位置決めは不要である。
【0046】
溶液34の上に電子部品15を載置すると、電子部品15には溶液34の表面張力が作用し、電子部品15のエッジが粘着層33のエッジに向けて引っ張られて、電子部品15が自己整列する。すなわち、図6(b)のように、電子部品15のエッジと粘着層33のエッジとがほぼ一致するように、電子部品15が配置される。
【0047】
このようにして電子部品15の位置決めが完了した後、例えば150℃〜170℃の温度で数10秒間〜数分間加熱し、溶剤34を揮発させ、粘着層33を固化して電子部品15を支持基板11上に固定する。
【0048】
次に、図6(c)のように、支持基板11の上側にモールド樹脂を塗布して電子部品15を樹脂に埋め込む。ここでは、第1の実施形態と同様に、モールド樹脂としてシリカ粉末のフィラーを含有するエポキシ樹脂を使用するものとする。その後、モールド樹脂を硬化させて、モールド樹脂層35とする。
【0049】
本実施形態においても、銅とベンゾトリアゾールとの反応により生成された錯体(粘着層14)により電子部品15が支持基板11上に強く固定されるので、電子部品15をモールド樹脂で覆う際の電子部品15の移動が回避される。
【0050】
次に、図6(d)のように、レーザ装置17により支持基板11の裏面側からレーザ光を照射して接着剤層12を変質(アブレーション)させ、接着剤層12の接着力を減少させる。
【0051】
次に、図7(a)のように、接着剤層12の部分で支持基板11とモールド樹脂層35とを分離する。このとき、レーザ照射により接着剤層12の接着力が減少しているので、支持基板11をモールド樹脂層35から容易に分離することができる。
【0052】
図7(b)は、支持基板11を剥離した後のモールド樹脂層35を表している。支持基板11を剥離した後のモールド樹脂層35には、粘着層33と、フォトレジスト膜31と、金属層13と、接着剤層12とが付着している。
【0053】
次いで、図7(c)のように、モールド樹脂層35に付着している接着剤層12を、溶剤又はプラズマアッシング等により除去する。その後、金属層13及び粘着層33を例えば塩酸及び硝酸等の無機酸、又はギ酸及び酢酸等の有機酸に過酸化水素と無機酸とを加えた溶液により除去する。更に、フォトレジスト膜31を、溶剤又はプラズマアッシング等により除去する。このようにして、電子部品15がモールド樹脂層35に埋め込まれた構造の薄板状の疑似ウェハ30が完成する。
【0054】
その後、第1の実施形態と同様に、公知の半導体プロセスを使用して電子部品15間を電気的に接続する微細配線を形成する(図4参照)。そして、例えばダイシング装置で疑似ウェハ30を切断し、各半導体装置を相互に分離する。このようにして、1枚の疑似ウェハ30から複数の半導体装置を同時に形成することができる。
【0055】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に支持基板11と金属層13との接合と金属層13と電子部品15との接合とを別工程で行い、支持基板11の分離と金属層13の除去とを別工程で行う。これにより、第1の実施形態と同様に、電子部品15を樹脂で被覆する際の位置ずれを回避できるとともに、支持基板11を分離する際の電子部品15の破損を回避できる。
【0056】
また、本実施形態では、溶液34の表面張力を利用して電子部品15を支持基板11上に自己整列させるので、第1の実施形態に比べて電子部品15の位置決め工程が簡単であり、位置決め精度も高い。
【0057】
(第3の実施形態)
図8〜図10は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表した断面図である。なお、図8〜図10において、図1〜図3と同一物には同一符号を付している。
【0058】
まず、図8(a)のように、支持基板11の上に接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、その上にスパッタ法等により銅を堆積させて金属層13を形成する。ここまでの工程は、前述の第1の実施形態と同じである。
【0059】
次に、金属層13の上にフォトレジストを塗布し、露光及び現像処理を実施して、図8(b)のように、電子部品を搭載する部分の金属層13を覆うフォトレジスト膜41を形成する。
【0060】
次に、図8(c)のように、フォトレジスト膜41をマスクとして金属層13をエッチングし、フォトレジスト膜41間の接着剤層12を露出させる。
【0061】
次に、図8(d)のようにフォトレジスト膜41を除去する。その後、例えば接着剤層12の表面を四フッ化メタンに晒して、接着剤層12を疎水加工する。このとき、銅で形成された金属層13も四フッ化メタンに晒されるが、銅のフッ化物は不安定であるため、しばらく放置すると金属層13の表面は親水性となる。
【0062】
次に、支持基板11を、ベンゾトリアゾール誘電体を含む弱酸性の溶液に浸漬した後、引き上げる。これにより、図9(a)のように、金属層13の上にベンゾトリアゾール誘電体を含む弱酸性の溶液42が付着する。金属層13の上に溶液42が付着すると、金属層13の表面で銅とベンゾトリアゾールとが反応して、粘着性を有する錯体が生成される。
【0063】
なお、前述したように接着剤層12の表面には疎水加工が施されているため、接着剤層12の表面には溶液42は殆ど付着しない。ベンゾトリアゾール誘電体を含む弱酸性の溶液42に浸漬する替わりに、適量の溶液42を金属層13の上に滴下してもよい。
【0064】
次に、図9(b)のように、金属層13に付着している溶液42の上に電子部品15を載置する。本実施形態においても、第2の実施形態と同様に、溶液42の上に電子部品15を載置する際に高精度な位置決めは不要である。
【0065】
溶液42の上に電子部品15を載置すると、溶液42の表面張力により電子部品15のエッジが金属層13のエッジに向けて引っ張られ、図9(c)のように電子部品15のエッジと金属層13のエッジとがほぼ一致するように、電子部品15が配置される。
【0066】
このようにして電子部品15の位置決めが完了した後、例えば150℃〜170℃の温度で数10秒間〜数分間加熱し、金属層13の表面に生成された粘着性を有する錯体を固化して電子部品15を支持基板11上に固定する。
【0067】
次に、図9(d)のように、支持基板11の上側に電子部品15を埋め込むようにしてモールド樹脂層45を形成する。本実施形態においても、モールド樹脂として、シリカ粉末のフィラーを含むエポキシ樹脂を使用するものとする。
【0068】
本実施形態においても、銅とベンゾトリアゾールとの反応により生成された錯体により電子部品15が支持基板11上に強く固定されるので、電子部品15をモールド樹脂で覆う際の電子部品15の移動が回避される。
【0069】
次に、図10(a)のように、レーザ装置17により支持基板11の裏面側からレーザ光を照射して接着剤層12を変質(アブレーション)させ、接着剤層12の接着力を減少させる。
【0070】
次いで、図10(b)のように、接着剤層12の部分で支持基板とモールド樹脂層45とを分離した後、図10(c)のようにモールド樹脂層45に付着している接着剤層12と金属層13とを除去する。必要に応じて、モールド樹脂層45の下面側を金属層13の厚さ分だけ研磨して、平坦化してもよい。このようにして、電子部品15がモールド樹脂層45に埋め込まれた構造の薄板状の疑似ウェハ40が完成する。
【0071】
その後、第1の実施形態と同様に、公知の半導体プロセスを使用して電子部品15間を電気的に接続する微細配線を形成する(図4参照)。そして、例えばダイシング装置で疑似ウェハ40を切断し、各半導体装置を相互に分離する。このようにして、1枚の疑似ウェハ40から複数の半導体装置を同時に形成することができる。
【0072】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に支持基板11と金属層13との接合と金属層13と電子部品15との接合とを別工程で行い、支持基板11の分離と金属層13の除去とを別工程で行う。これにより、第1の実施形態と同様に、電子部品15を樹脂で被覆する際の位置ずれを回避できるとともに、支持基板11を分離する際の電子部品15の破損を回避できる。
【0073】
また、第2の実施形態では粘着性を有する錯体を生成するための溶液とは別に電子部品を自己整列させるための溶液を使用しているのに対し、本実施形態では粘着性を有する錯体を生成するための溶液を使用して電子部品15を自己整列させている。これにより、本実施形態は、第2の実施形態に比べて電子部品15を自己整列させるための工程が簡略化されるという利点もある。
【0074】
(第4の実施形態)
図11〜図13は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に表した断面図である。
【0075】
まず、図11(a)のように、全面に貫通孔51aが設けられた支持基板51を用意する。本実施形態では、支持基板51として、シリコンに近い熱膨張率を有するパイレックスガラス板を使用するものとする。支持基板51の厚さは0.5mm〜2mmであり、この支持基板51には例えば穴径が0.2mmの貫通孔51aが0.5mmのピッチで全面に配列されている。
【0076】
次に、支持基板51の上側に耐熱性接着剤52でポリイミドフィルムを貼り付けて、ポリイミド層53を形成する。ポリイミド層53の厚さは、例えば5μm〜25μmとする。ポリイミド層53は、支持基板51上にポリイミド樹脂を塗布して形成してもよい。
【0077】
次に、スパッタ法又はめっき法等により、図11(b)のように、ポリイミド層53の上に銅(Cu)を0.5μm〜数μmの厚さに堆積させて金属層54を形成する。この金属層54を形成する際には銅とポリイミドとが酸素(O)を共有して結合し、ポリイミド層53と金属層54とが強く接合される。
【0078】
次に、金属層54の上にベンゾトリアゾール誘導体を含む弱酸性の溶液を塗布する。これにより、金属層54の表面の銅とベンゾトリアゾールとが反応して粘着性を有する錯体が生成され、金属層54の表面に粘着層55が形成される。粘着層55が形成された後、金属層54上の余分な溶液を除去する。
【0079】
次に、図11(c)のように、粘着層55の上に電子部品56を配置する。その後、例えば150℃〜170℃の温度で数10秒間〜数分間加熱して粘着層55を固化し、電子部品56を支持基板51上に固定する。
【0080】
次に、図11(d)のように、支持基板51の上側にモールド樹脂を塗布して、電子部品56を被覆するモールド樹脂層57を形成する。その後、モールド樹脂層57を十分に硬化させる。
【0081】
本実施形態においても、銅とベンゾトリアゾールとの反応により生成された錯体(粘着層55)により電子部品56が支持基板51上に強く固定されるので、電子部品56をモールド樹脂で覆う際の電子部品56の移動が回避される。
【0082】
次に、図12(a)のように、支持基板51をチャンバ58内に配置する。そして、支持基板51の温度を例えば150℃〜200℃に維持しつつ、チャンバ58内にギ酸(HCOOH)を含む気体を充填する。
【0083】
そうすると、図12(b)に模式的に示すように、ギ酸(HCOOH)が支持基板51の孔51a内に侵入し、接着剤52及びポリイミド層53を透過して、ポリイミド層53と金属層54との界面に到達する。このギ酸により金属層54の表面の銅酸化物が還元される。
【0084】
なお、チャンバ58内を例えば10Pa以下に減圧してからギ酸ガスを充填すると、ギ酸がポリイミド層53と金属層54との界面に到達しやすくなる。
【0085】
酸化銅の還元反応は、下記化学式に表される。
【0086】
HCOOH+2CuO→2Cu+CO2+H2
このようにギ酸で処理することにより、ポリイミド層53との界面で銅酸化物が還元され、ポリイミド層53と金属層54との間の接合力が低下する。
【0087】
このようにしてポリイミド層53と金属層54との間の接合力を低下させた後、図13(a)のように支持基板51とモールド樹脂層57とを分離する。このとき、ギ酸によりポリイミド層53と金属層54との間の接合力が劣化しているので、支持基板51をモールド樹脂層57から容易に分離することができる。
【0088】
図13(b)は、支持基板51を分離した後のモールド樹脂層57を表している。この図13(b)のように、支持基板51を分離した後のモールド樹脂層57には、粘着層55と金属層54とが付着している。
【0089】
次いで、図13(c)のように、モールド樹脂層57に付着している粘着層55及び金属層54を、例えば塩酸及び硝酸等の無機塩、又はギ酸及び酢酸等の有機酸に過酸化水素と無機酸とを加えた溶液により除去する。このようにして、電子部品56がモールド樹脂層57に埋め込まれた構造の薄板状の疑似ウェハ50が完成する。
【0090】
その後、第1の実施形態と同様に、公知の半導体プロセスを使用して電子部品56間を電気的に接続する微細配線を形成する(図4参照)。そして、例えばダイシング装置で疑似ウェハ50を切断し、各半導体装置を相互に分離する。このようにして、1枚の疑似ウェハ50から複数の半導体装置を同時に形成することができる。
【0091】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に支持基板51と金属層54との接合と金属層54と電子部品56との接合を別工程で行い、支持基板51の分離と金属層54の除去とを別工程で行う。これにより、第1の実施形態と同様に、電子部品56を樹脂で被覆する際の位置ずれを回避できるとともに、支持基板51を分離する際の電子部品56の破損を回避できる。
【0092】
また、本実施形態ではレーザ装置を使用することなく支持基板51を容易に分離することができる。
【0093】
(第5の実施形態)
図14〜図16は、第5の実施形態に係る半導体装置(3次元積層デバイス)の製造方法を工程順に表した断面図である。
【0094】
まず、図14(a)のように、支持基板61の上に接着剤層62を形成し、その上に銅を堆積させて金属層63を形成する。予め形成された銅箔を接着剤層62の上に貼り付けて金属層63としてもよい。
【0095】
次に、金属層63の上にベンゾトリアゾール誘導体を含む弱酸性の溶液を塗布する。これにより、金属層63の表面の銅とベンゾトリアゾールとが反応して粘着性を有する錯体が生成され、図14(b)のように金属層63の表面に粘着層64が形成される。粘着層64が形成された後、金属層63上の余分な溶液を除去する。
【0096】
次に、図14(c)のように、粘着層64の上に電子部品65と、直径が例えば50μm〜100μmのピン(導通用ピン)66とを配置する。ピン66は、アルミニウム及び銅などのように導電性が高い金属により形成されたものを使用する。そして、例えば150℃〜170℃の温度で数秒間〜数分間加熱して粘着層64を固化し、電子部品65及びピン66を支持基板61の上に固定する。
【0097】
銅とベンゾトリアゾールとの反応により生成された錯体は強い粘着力を有するため、この図14(c)のように細径のピン66を垂直に接合することができる。
【0098】
なお、本実施形態では粘着層64に接する部分のピン66の径を他の部分の径よりも若干大きく(例えば100μm〜200μm)しているが、粘着層64に接する部分のピン66の径を他の部分の径と同じにしてもよい。また、電子部品65及びピン66の粘着層64に接する部分を、親水性保護膜で被覆してもよい。
【0099】
次に、図14(d)のように、支持基板61の上側にモールド樹脂を塗布して、電子部品65及びピン66を被覆するモールド樹脂層67を形成する。その後、モールド樹脂層67を十分に硬化させる。本実施形態においても、モールド樹脂として、シリカ粉末のフィラーを含むエポキシ樹脂を使用するものとする。
【0100】
次に、図15(a)のようにレーザ装置17により支持基板61の裏面側からレーザ光を照射して接着剤層62を変質(アブレーション)させ、接着剤層62の接着力を減少させる。その後、図15(b)のように、接着剤層62の部分で支持基板61を分離する。
【0101】
次に、図15(c)のように、モールド樹脂層67に付着している接着剤層62、金属層63及び粘着層64を除去する。
【0102】
次に、図15(d)のように、モールド樹脂層67の上面側を研磨してピン66を露出させる。このようにして、疑似ウェハ60が完成する。
【0103】
その後、図16(a)のように、公知の半導体プロセスを使用して、疑似ウエハ60の上面側及び下面側にそれぞれ所定のパターンで配線及び電極等を形成する。ここでは、配線及び電極をまとめて、配線68という。
【0104】
図17は、疑似ウェハ60の各半導体装置形成領域60a毎に、電子部品65間を接続する配線68を形成した例を表している。図17では、半導体装置の電極が露出した面側を表面、その反対側の面を裏面としている。
【0105】
次いで、図16(b)のように、配線68を形成した複数の疑似ウェハ60を重ね合わせて、はんだバンプ71により電気的に接続する。また、最下層の疑似ウェハ60の下面側に、はんだバンプ72を接続する。その後、例えばダイシング装置で各半導体装置を相互に分離する。このようにして、電子部品65が3次元方向に配置された半導体装置(3次元積層デバイス)が完成する。
【0106】
疑似ウェハ60の上側の配線68と下側の配線68とを接続するために、レーザ光により貫通孔を形成することも考えられる。しかし、シリカを90%程度含む厚さが数100μmの樹脂にビア(TSV:Through Silicon Via)となる貫通孔を形成するためには高出力レーザが必要となり、必然的に貫通孔の直径は100μmを超えてしまう。その結果半導体装置の高密度化が阻害される。
【0107】
これに対し、本実施形態では、疑似ウェハ60に埋め込まれた直径が100μm以下のピン66を介して疑似ウェハ60の上側の配線68と下側の配線68とを電気的に接続する。これにより、本実施形態によれば、レーザにより貫通孔を形成する場合に比べて、半導体装置をより一層高密度化することができる。
【0108】
以上の諸実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0109】
(付記1)支持基板の上に接着剤層を介して金属層を配置する工程と、
前記金属層の上に前記金属層の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液を付着させ、前記金属層の表面に粘着層を形成する工程と、
前記粘着層の上に電子部品を載置する工程と、
前記電子部品を樹脂層で被覆する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0110】
(付記2)前記電子部品を樹脂層で被覆する工程の後に、
前記接着剤層の接着力を減少させる工程と、
前記支持基板と前記金属層とを、前記接着剤層の部分で分離する工程と
を有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0111】
(付記3)前記接着剤層の接着力を減少させる工程では、前記支持基板を介して前記接着剤層にレーザ光を照射することを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【0112】
(付記4)前記金属層の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液が、ベンゾトリアゾール誘導体、ナフトトリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体及びベンゾイミダゾール誘導体の少なくとも1種を含む弱酸性溶液であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体層の製造方法。
【0113】
(付記5)前記粘着層は、前記金属層のうち前記電子部品を載置する部分の表面上のみに形成し、前記粘着層の上に付着した溶液の上に前記電子部品を載置して、前記溶液の表面張力により前記電子部品を自己整列させることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0114】
(付記6)前記支持基板を分離した後の前記樹脂層に付着している前記金属層、前記粘着層及び前記接着剤層を除去する工程と、
前記金属層、前記粘着層及び前記接着剤層を除去した後の前記樹脂層の表面に配線を形成する工程と
を有することを特徴とする付記2に記載の半導体装置の製造方法。
【0115】
(付記7)前記配線を形成した後の前記樹脂層を複数積層する工程と、
積層後の前記樹脂層を切断して各半導体装置形成領域毎に分離する工程と
を有することを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
【0116】
(付記8)前記粘着層の上に、前記電子部品とともに導通用ピンを載置することを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
【0117】
(付記9)気体が浸透可能な支持基板の上に第1の樹脂層を形成する工程と、
前記第1の樹脂層の上に金属を堆積させて金属層を形成する工程と、
前記金属層の上に前記金属層の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液を付着させ、前記金属層の表面に粘着層を形成する工程と、
前記粘着層の上に電子部品を載置する工程と、
前記電子部品を第2の樹脂層で被覆する工程と、
前記支持基板を、ギ酸を含む雰囲気中において前記第1の樹脂層と前記金属層との間の接合力を低下させる工程と、
前記第1の樹脂層と前記金属層との界面で前記支持基板を分離する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0118】
(付記10)前記第1の樹脂層を、ポリイミドにより形成することを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0119】
11,51,61…支持基板、12,62…接着剤層、13,54,63…金属層、14,33,55,64…粘着層、15,56,65…電子部品、16,35,45,57,67…モールド樹脂層、17…レーザ装置、20,30,40,50,60…疑似ウェハ、20a…半導体装置形成領域、21,68…配線、31,41…フォトレジスト膜、31a…開口部、34,42…溶液、51a…貫通孔、52…接着剤、53…ポリイミド層、58…チャンバ、66…導通用ピン、71,72…はんだバンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板の上に接着剤層を介して金属層を配置する工程と、
前記金属層の上に前記金属層の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液を付着させ、前記金属層の表面に粘着層を形成する工程と、
前記粘着層の上に電子部品を載置する工程と、
前記電子部品を樹脂層で被覆する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記電子部品を樹脂層で被覆する工程の後に、
前記接着剤層の接着力を減少させる工程と、
前記支持基板と前記金属層とを、前記接着剤層の部分で分離する工程と
を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記接着剤層の接着力を減少させる工程では、前記支持基板を介して前記接着剤層にレーザ光を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記金属層の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液が、ベンゾトリアゾール誘導体、ナフトトリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体及びベンゾイミダゾール誘導体の少なくとも1種を含む弱酸性溶液であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体層の製造方法。
【請求項5】
気体が浸透可能な支持基板の上に第1の樹脂層を形成する工程と、
前記第1の樹脂層の上に金属を堆積させて金属層を形成する工程と、
前記金属層の上に前記金属層の金属と反応して粘着性を有する化合物を生成する溶液を付着させ、前記金属層の表面に粘着層を形成する工程と、
前記粘着層の上に電子部品を載置する工程と、
前記電子部品を第2の樹脂層で被覆する工程と、
前記支持基板を、ギ酸を含む雰囲気中において前記第1の樹脂層と前記金属層との間の接合力を低下させる工程と、
前記第1の樹脂層と前記金属層との界面で前記支持基板を分離する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−248598(P2012−248598A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117722(P2011−117722)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】