説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】基板に実装する電子部品にかかる負荷を低減する。
【解決手段】本発明の半導体装置は、被実装品2に形成された接続端子3を介して、フレキシブル基板1の一方の面に前記被実装品が実装された半導体装置であって、前記接続端子は、前記フレキシブル基板の屈曲面において、その接線方向と垂直をなす方向に少なくとも一列、配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、携帯電話等の小型電子機器に組み込む電子部品を回路基板に高密度実装することにより電子機器の小型化を図ることができる半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化及び高性能化の要求に伴い、その内部に含まれる、半導体素子を含む電子部品とそれらを実装する回路基板を、より微細化してより実装密度を上げることが要求されている。
【0003】
一般に電子機器においては、半導体素子などの電子部品を、剛直な回路基板表面に実装する技術が用いられている。剛直な回路基板に電子部品を実装する場合、回路基板の両面に電子部品を実装することで実装密度の向上が期待できるが、回路基板の面積に対する、搭載する電子部品の面積比の増加により、回路基板の両面に実装された電子部品の実装ストレスも増加し、実装信頼性が低下するという問題があった。
【0004】
一方、フレキシブルな回路基板に電子部品を実装し、これを屈曲することにより三次元的に実装密度を増加させる技術も用いられている。しかしながら、屈曲性を有するフレキシブル基板に電子部品を実装させた実装構造では、回路基板の剛性不足により電子部品実装部への負荷が増加し、実装後の信頼性が低下するという問題がある。これを説明するのが図15である。図15(a)に示すように、フレキシブル基板1に、はんだバンプ3を介して電子部品(被実装品)2を実装した場合、フレキシブル基板1が屈曲していない状態ではよいが、図15(b)に示すように、三次元実装を目的としてフレキシブル基板1を屈曲させた場合には、電子部品2に対するひずみ負荷が発生し、特にはんだバンプ3の接続部で故障が発生する可能性が高くなることが分かる。
【0005】
そこで、複数の小面積の剛直な回路基板をインターポーザ基板として用い、その複数の小面積の剛直な回路基板に電子部品を実装すると共に、実装されたそれらの各基板をフレキシブルな基板で接続する構成を採用し、そのフレキシブルな各基板の部分で折り曲げたり折り畳んだりする構造が現在主流になっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、電子機器の小型化が進むにつれ、フレキシブル基板の屈曲がより微細になってきており、剛直な基板をインターポーザとして用いた構造においても、フレキシブル基板を屈曲した場合、はんだバンプなどの接合部に大きな応力がかかる可能性がある。更に、前述のように実装する半導体素子も小型化及び薄型化が進んでいるため、半導体素子自体の強度の低下により、微弱な負荷でも直接的に素子を破損する懸念がある。このように、フレキシブル基板が屈曲した際、被実装品に負荷がかかり、繰り返し屈曲を行うことで実装接合部や半導体素子が故障してしまうという課題があった。
【0007】
一方、フレキシブルな基板ではなく、剛性な基板に、従来通りに全面で実装する場合には、線膨張の影響を受け、実装接合部や半導体素子が故障してしまうという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−358422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述のような事情から為されたものであり、本発明の目的は、基板に実装する被実装品にかかる負荷を低減することができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の半導体装置は、被実装品に形成された接続端子を介して、フレキシブル基板の一方の面に前記被実装品が実装された半導体装置であって、前記接続端子は、前記フレキシブル基板の屈曲面において、その接線方向と垂直をなす方向に少なくとも一列、配されていることを要旨とする。
請求項2に記載の半導体装置は、請求項1に記載の半導体装置において、前記接続端子に形成されたはんだバンプを介して、前記被実装品が前記フレキシブル基板に実装されていることを要旨とする。
請求項3に記載の半導体装置は、請求項1に記載の半導体装置において、前記接続端子に接続されたボンディングワイヤを介して、前記被実装品が前記フレキシブル基板に実装されていることを要旨とする。
請求項4に記載の半導体装置は、請求項2に記載の半導体装置において、前記被実装品の中央に配された接続端子に形成されたはんだバンプを介して、前記被実装品が前記フレキシブル基板に実装されていることを要旨とする。
請求項5に記載の半導体装置は、請求項3に記載の半導体装置において、前記被実装品は、前記フレキシブル基板に接着されないことを要旨とする。
請求項6に記載の半導体装置は、請求項2又は3に記載の半導体装置において、前記接続端子及び/又はフレキシブル基板と、はんだバンプ又はボンディングワイヤとの接続箇所を覆う樹脂を更に備えることを要旨とする。
請求項7に記載の半導体装置は、請求項2に記載の半導体装置において、前記被実装品は、一方の面に集積回路チップが実装されたインターポーザ基板であり、当該インターポーザ基板は、その他方の面に形成されたはんだバンプを介して、前記フレキシブル基板に実装されていることを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、請求項8に記載の半導体装置は、フレキシブル基板の屈曲面において、その接線方向と垂直をなす方向に少なくとも一列、配された接続端子により、電子部品が前記フレキシブル基板の一方の面に実装された半導体装置であって、前記接続端子と接続するはんだバンプが、前記フレキシブル基板に設けられた凹部内に配されていることを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、請求項9に記載の半導体装置の製造方法は、被実装品に形成された接続端子を介して、フレキシブル基板の一方の面に前記被実装品が実装される半導体装置の製造方法であって、前記フレキシブル基板が屈曲した際の面において、その接線方向と垂直をなす方向に少なくとも一列の実装パッドを被実装品に形成し、前記実装パッドの部分にはんだバンプを形成し、前記はんだバンプを介して前記被実装品を前記フレキシブル基板に実装することを要旨とする。
請求項10に記載の製造方法は、請求項9に記載の製造方法において、前記実装パッドが、二列以上の場合には、前記はんだバンプと同じ高さの支柱を前記被実装品に更に形成することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の半導体装置によれば、フレキシブル基板の屈曲時にも被実装品がそれに追従せず、実装部及び半導体素子への負荷を抑制することができる。従って、接続端子の部分での故障を回避できると共に、半導体素子自体の屈曲による故障も回避させることができる。また、従来実装することができなかった部分にも実装が可能となるため、基板上の実装面積を増加させることができる。
請求項2に記載の半導体装置によれば、請求項1に記載の半導体装置の効果に加えて、被実装品の接続端子の位置に応じてはんだバンプの配置を調整することができるので、被実装品の大きさに応じて適した位置にはんだバンプを配置し、フレキシブル基板に実装させることができる。
請求項3に記載の半導体装置によれば、請求項1に記載の半導体装置の効果に加えて、ボンディングワイヤの長さを調整することにより、フレキシブル基板に対して適切な位置に被実装品を配置することができる。
請求項4に記載の半導体装置によれば、請求項2に記載の半導体装置の効果に加えて、被実装品とはんだバンプとの間に加わる応力をより低減させることができ、またフレキシブル基板が屈曲した際に、被実装品がフレキシブル基板と接触することを抑制することができる。
請求項5に記載の半導体装置によれば、請求項3に記載の半導体装置の効果に加えて、フレキシブル基板と被実装品との間の直接の応力をなくすことができる。
請求項6に記載の半導体装置によれば、請求項2又は3に記載の半導体装置の効果に加えて、接続箇所を補強できる。
請求項7に記載の半導体装置によれば、請求項2に記載の半導体装置の効果に加えて、インターポーザ基板に対する負荷も軽減させることができる。
また、請求項8に記載の半導体装置によれば、フレキシブル基板とはんだバンプの間の接続強度を補強できる。
更に、請求項9に記載の半導体装置の製造方法によれば、請求項1に記載の半導体装置と同様の効果が得られる。
請求項10に記載の製造方法によれば、請求項9に記載の製造方法の効果に加えて、はんだバンプが二列以上に渡る場合でも、適切に実装できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る半導体装置の第一実施形態の側面図及び平面図。
【図2】本発明に係る半導体装置の第二実施形態の側面図及び平面図。
【図3】本発明に係る半導体装置の第三実施形態の側面図及び平面図。
【図4】はんだバンプの被実装品又はインターポーザ基板に対する位置(実装部の位置)のオプションを説明するための図。
【図5】はんだバンプのみ利用した半導体装置の製造手順を示すフローチャート。
【図6】図5に示した半導体装置を説明するための図。
【図7】図5に示した半導体装置を説明するための図。
【図8】図5に示した半導体装置を説明するための図。
【図9】はんだバンプと支柱を利用した半導体装置の製造手順を示すフローチャート。
【図10】図9に示した半導体装置を説明するための図。
【図11】図9に示した半導体装置を説明するための図。
【図12】図9に示した半導体装置を説明するための図。
【図13】図9に示した半導体装置を説明するための図。
【図14】図9に示した半導体装置を説明するための図。
【図15】従来技術の課題を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による半導体装置の一実施形態(第一実施形態)の構成図である。この実施形態では、接続端子として機能するはんだバンプ3を介して被実装品2をフレキシブル基板1に実装する場合を説明する。なお、被実装品2は、半導体素子自体であってもよいし、後述のように半導体素子等を搭載したインターポーザ基板であってもよい。
【0014】
そこで、フレキシブル基板1に被実装品2を実装する場合、従来においては、図15で示したように被実装品2の片面全面においてはんだバンプ3を介して実装していたが、本発明では、図1(a)及び(b)に示すように、被実装品2の一部分においてのみはんだバンプ3を介してフレキシブル基板1に装着する。ここで、図1(a)は、この実施形態の側面図であり、図1(b)は平面図である。この実施形態においては、具体的には、被実装品2の一端において、少なくとも一列(一列又は隣接する二列以上)のはんだバンプ3により、その被実装品2をフレキシブル基板1に実装する。ただし、「少なくとも一列(一列又は隣接する二列以上)」において、各列の接続端子数(はんだバンプ3の数)は異なっていてもよい。
【0015】
ここで、被実装品2の当該一部分の選定基準は、フレキシブル基板の屈曲による負荷が最小になることと、実装強度が十分大きくなることとのトレードオフである。図1に示した実施形態においては、フレキシブル基板1が図1(c)に示すように屈曲することを想定しているので、はんだバンプ(接続端子)3は、フレキシブル基板1の屈曲面において、その接線方向と垂直をなす方向[図1(c)において、はんだバンプ3がフレキシブル基板1に接した部位において、紙面に対して垂直な方向]に一列となるように形成する。このように被実装品2を実装することにより、図1(c)に示すようにフレキシブル基板1が屈曲しても、被実装品2はフレキシブル基板1に追従することはなく、それにより、はんだバンプ3の接合部分や、被実装品2に対する負荷が最小になり、それらの損傷、及びその損傷による被実装品2の故障が抑えられることがわかる。また、接合部以外のいずれの部分でもフレキシブル基板1を屈曲できると共に、フレキシブル基板1の繰り返しの屈曲に耐えられる構造となる。
【0016】
一方、図1(c)のようにフレキシブル基板1が屈曲した状態が定常状態である場合には、被実装品の実装面積が増加し、より多くの被実装品が実装できるという効果もある。
【0017】
なお、上記の構成ではんだバンプ3部分の接合強度が劣る場合には、図1(d)に示すように接合部を樹脂4で覆ってもよい。これにより、フレキシブル基板1の屈曲に伴う被実装品2に対する負荷が更に低減される。
【0018】
また、他の補強構造としては、図1(e)に示すように、フレキシブル基板1の実装部に凹部5を形成し、はんだバンプ3がその凹部5に嵌入する構成とする手法がある。かかる手法によれば、はんだバンプ3が凹部5の側面壁とも接し、それらの間の接触面積が増大するので、実装部での強度が増すこととなる。
【0019】
この実施形態のようにはんだバンプ3を介した場合には、被実装品2の接続端子の位置に応じてはんだバンプの配置を調整することができるので、被実装品2の大きさに応じて適した位置にはんだバンプ3を配置し、フレキシブル基板1に実装させることができる。なお、はんだバンプ3の大きさをも調整してもよい。
【0020】
図2は、本発明による半導体装置の他の実施形態(第二実施形態)の構成図である。この実施形態では、ボンディングワイヤ6により被実装品2をフレキシブル基板1に実装する場合を説明する。なお、この実施形態においても、被実装品2は、半導体素子自体であってもよいし、後述のように半導体素子等を搭載したインターポーザ基板であってもよい。
【0021】
そこで、図1の実施形態と同様、この実施形態においても、図2(a)及び(b)に示すように、被実装品2の一部分においてのみボンディングワイヤ6を介してフレキシブル基板1に装着する。ここで、図2(a)は、この実施形態の側面図であり、図2(b)は平面図である。図1の実施形態と同様、具体的には、被実装品2の一端(一辺)において、一列のボンディングワイヤ6により、その被実装品2をフレキシブル基板1に実装する。図2に示した実施形態においては、フレキシブル基板1が図2(c)に示すように屈曲することを想定しているので、ボンディングワイヤ6は、その屈曲面において、その接線方向と垂直をなす方向に沿って列をなすように形成する。
【0022】
このように被実装品2を実装することにより、図1の場合と同様、図2(c)に示すようにフレキシブル基板1が屈曲しても、被実装品2はフレキシブル基板1に追従することはなく、それにより、ボンディングワイヤ6の接合部分や、被実装品2に対する負荷が最小になり、それらの損傷、及びその損傷による被実装品2の故障が抑えられることがわかる。同様に、ボンディングワイヤ6の接合部以外のいずれの部分でもフレキシブル基板1を屈曲できると共に、フレキシブル基板1の繰り返しの屈曲に耐えられる構造となる。
【0023】
また、図1の実施形態と同様、上記の構成でボンディングワイヤ6部分の接合強度が劣る場合には、図2(d)に示すようにボンディングワイヤ6全体を樹脂4で覆ってもよい。
【0024】
なお、この実施形態のように、ボンディングワイヤ6を採用する場合には、ボンディングワイヤ6の長さを比較的長くすることにより、被実装品2をダイボンドしない構成、すなわち被実装品2とフレキシブル基板1の間が中空の構成が可能となる。更に、中空構成に限らず、ボンディングワイヤ6の長さを調整することにより、フレキシブル基板1に対して適切な位置に被実装品2を配置することができる。
【0025】
図3は、本発明による半導体装置の更に他の実施形態(第三実施形態)の構成図である。この実施形態は、図1の実施形態における被実装品2を具体的にインターポーザ基板とし、そのインターポーザ基板に小型集積回路(以下、ICと称す)を実装することにより、全体として、小型ICをフレキシブル基板に実装する場合の実施形態である。
【0026】
図3(a)及び(b)は、それぞれ側面図及び平面図であり、これらの図に示すように、小型IC8を実装したインターポーザ基板7をはんだバンプ3を介してフレキシブル基板1に実装する際に、図1の実施形態と同様、インターポーザ基板7の一部分においてのみはんだバンプ3を介してフレキシブル基板1に装着する。具体的には、図1の実施形態と同様、インターポーザ基板7の一端において、少なくとも一列(一列又は隣接する二列以上)のはんだバンプ3により、そのインターポーザ基板7をフレキシブル基板1に実装する。インターポーザ基板7の当該一部分の選定基準は、図1の被実装品2の場合と同様である。
【0027】
このようにインターポーザ基板7を実装することにより、フレキシブル基板1が屈曲しても、インターポーザ基板7はフレキシブル基板1に追従することはなく、それにより、はんだバンプ3の接合部分や、インターポーザ基板7に対する負荷が最小になり、それらの損傷、及びその損傷による小型IC8の故障が抑えられることがわかる。また、接合部以外のいずれの部分でもフレキシブル基板1を屈曲できると共に、フレキシブル基板1の繰り返しの屈曲に耐えられる構造となる。なお、インターポーザ基板7は、剛性の材質でもよいし、柔軟性(フレキシブル)の材質でもよい。かかる実施形態によれば、インターポーザ基板に対する負荷も軽減させることができる。
【0028】
なお、図3(c)に示すように、インターポーザ基板7の形状は、その実装部のみに応じた形状であってもよい。
【0029】
ところで、図1及び3に示した実施形態においては、はんだバンプ3の被実装品2又はインターポーザ基板7に対する位置(実装部の位置)は、図4(a)に示すように被実装品2又はインターポーザ基板7の端部としたが、これに限られることはなく、図4(b)に示すように、それらの中央部であってもよいし、屈曲面おいて、その接線方向と垂直をなす方向に平行であればいずれの場所でもよい。特に、被実装品2が比較的大きい場合には、はんだバンプ3の位置をより中央部に近付けることにより、被実装品2とはんだバンプ3との間に加わる応力をより低減させることができ、また被実装品2がフレキシブル基板1と接触することを抑制することができる。
【0030】
次に、上述の半導体装置の製造方法について説明する。
図5は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態の手順を示すフローチャートである。図6乃至8は、当該一実施形態を説明するための図である。この実施形態は、はんだバンプが一列の場合の例である。
【0031】
まず、図6に示すように、実装するフレキシブル基板1の屈曲と、それへの実装の向きを考慮して、被実装品(例えば、ICチップ)2の実装パッド9を一列として形成したパッケージを作製する(ステップS11)。図6(a)は、実装パッド9の列を被実装品2の端部に形成した場合であり、図6(b)は、その列を中央に形成した場合である。
次に、図7(a)及び(b)に示すように、形成した実装パッド9の部分にはんだバンプ3を形成する(ステップS12)。なお、はんだはペーストであってもよい。
次に、ウェハーレベルパッケージ(以下、WLPと称す)の場合には、ウェハーのダイシングを行い、チップを個片化する(ステップS13)。
最後に、図8(a)乃至(c)に示すように、はんだバンプ3を形成した被実装品2をフレキシブル基板1に実装する(ステップS14)。なお、被実装品2がICチップの場合には、そのチップが傾いて基板に接していてもよいし、また、被実装品2が、ICチップを実装したインターポーザ基板であって、その基板がフレキシブルな場合、フレキシブル基板1と接触すると考えられる。更に、WLPなどを実装する場合においても、この実施形態のように、はんだバンプ3を一列に形成するようにすれば、傾く可能性があるものの適正に実装される。
【0032】
図9は、本発明の半導体装置の製造方法の他の実施形態の手順を示すフローチャートである。図10乃至14は、当該一実施形態を説明するための図である。この実施形態は、はんだバンプが二列の場合の例である。
【0033】
まず、図10に示すように、実装するフレキシブル基板1の屈曲と、それへの実装の向きを考慮して、被実装品(例えば、ICチップ)2の実装パッド9を二列として形成したパッケージを作製する(ステップS21)。図10(a)は、実装パッド9の列を被実装品の端部に形成した場合であり、図10(b)は、その列を中央に形成した場合である。
次に、被実装品2を実装する際に安定して配置できるように、後に(ステップ23)形成するはんだバンプ3と同じ高さの支柱10を形成する(ステップ22)。
このとき、図10(a)のように実装パッド9を被実装品2の端部に形成した場合には、実装パッド9を形成した側と反対側の端部に支柱10を形成する。このときの断面図が図11(a)であり、平面図が図11(b)である。なお、支柱10は図11(a)及び(b)のように端部だけに限らず、図11(c)のように端部から中央部に渡ってもよい。また、図11(d)のように、はんだバンプ3に対応して分割断片化されていてもよい。
【0034】
一方、図10(b)のように実装パッド9を被実装品2の中央に形成した場合には、図12に示すように、被実装品2の両端部に支柱10を形成する。このときの断面図が図12(a)であり、平面図が図12(b)及び(c)である。また、図12(b)が一体の支柱10を形成した場合であり、図12(c)が分割断片化した支柱10を形成した場合である。
【0035】
支柱10の素材は、樹脂等であるが、パッケージの封止材と同じである必要はない。また、支柱10の形成方法としては、スピンコートを用いたフォト工程、もしくはインクジェットやディスペンサを用いた工程が代表的であるが、これに限られることはない。なお、インクジェットやディスペンサを用いる場合には、はんだバンプ形成後にこの工程を行ってもよい。支柱10の高さは、前述のようにはんだバンプ3に合わせ、ばらつきは1μm以内とする。また、支柱の幅、数に関しては、図に例を示した通り、各種考えられる。
【0036】
次に、図13(a)及び(b)に示すように、形成した実装パッド9の部分にはんだバンプ3を形成する(ステップS23)。なお、その形成には、ボールマウンタを用いるのが好適である。
次に、WLPの場合には、ウェハーのダイシングを行い、チップを個片化する(ステップS24)。
【0037】
最後に、図14(a)及び(b)に示すように、支柱10及びはんだバンプ3を形成した被実装品2をフレキシブル基板1に実装する(ステップS25)。
なお、上述の実施形態では、実装パッド9が二列の場合を説明したが、実装パッド9が一列の場合にも、あるいは三列以上の場合であっても同様に、本発明は適用できる。
ただし、本発明の作用・効果は、バンプを全面に形成した場合には損なわれるので、バンプを全面に形成した配置(レイアウト)は避ける必要がある。
【0038】
また、以上の全体の説明では、フレキシブル基板1を前提としたが、剛性の基板であっても、実装部分が一部の長手面に集約されるので、被実装品の裏面全体で実装するときより、線膨張係数の影響を受け難くなるという別の作用効果があり、それにより実装後の信頼性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、携帯電話等の小型電子機器に組み込む電子部品を実装する回路基板に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 フレキシブル基板、2 被実装品、3 はんだバンプ(接続端子)、4 樹脂、5 凹部、6 ボンディングワイヤ、7 インターポーザ基板、8 小型IC、9 実装パッド、10 支柱。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被実装品に形成された接続端子を介して、フレキシブル基板の一方の面に前記被実装品が実装された半導体装置であって、
前記接続端子は、前記フレキシブル基板の屈曲面において、その接線方向と垂直をなす方向に少なくとも一列、配されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記接続端子に形成されたはんだバンプを介して、前記被実装品が前記フレキシブル基板に実装されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記接続端子に接続されたボンディングワイヤを介して、前記被実装品が前記フレキシブル基板に実装されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記被実装品の中央に配された接続端子に形成されたはんだバンプを介して、前記被実装品が前記フレキシブル基板に実装されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記被実装品は、前記フレキシブル基板に接着されないことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記接続端子及び/又はフレキシブル基板と、はんだバンプ又はボンディングワイヤとの接続箇所を覆う樹脂を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記被実装品は、一方の面に集積回路チップが実装されたインターポーザ基板であり、該インターポーザ基板は、その他方の面に形成されたはんだバンプを介して、前記フレキシブル基板に実装されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
フレキシブル基板の屈曲面において、その接線方向と垂直をなす方向に少なくとも一列、配された接続端子により、電子部品が前記フレキシブル基板の一方の面に実装された半導体装置であって、
前記接続端子と接続するはんだバンプが、前記フレキシブル基板に設けられた凹部内に配されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
被実装品に形成された接続端子を介して、フレキシブル基板の一方の面に前記被実装品が実装される半導体装置の製造方法であって、
前記フレキシブル基板が屈曲した際の面において、その接線方向と垂直をなす方向に少なくとも一列の実装パッドを被実装品に形成し、
前記実装パッドの部分にはんだバンプを形成し、
前記はんだバンプを介して前記被実装品を前記フレキシブル基板に実装することを特徴とする製造方法。
【請求項10】
前記実装パッドが、二列以上の場合には、前記はんだバンプと同じ高さの支柱を前記被実装品に更に形成することを特徴とする請求項9に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−38920(P2012−38920A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177743(P2010−177743)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】