説明

半導体装置

【課題】増幅回路内の寄生抵抗を低減し、半導体装置に設けられた光電変換素子の光感度の低減を抑制する。また光電変換素子の出力電流を増幅する増幅回路を安定に動作させる。
【解決手段】光電変換素子と、少なくとも2つの薄膜トランジスタを有するカレントミラー回路と、前記薄膜トランジスタのそれぞれに電気的に接続された高電位電源と、前記薄膜トランジスタのそれぞれに電気的に接続された低電位電源とを有する。参照側の薄膜トランジスタがn型の薄膜トランジスタのときは、前記参照側の薄膜トランジスタを前記低電位電源と近いところに配置する。参照側の薄膜トランジスタがp型の薄膜トランジスタのときは前記参照側の薄膜トランジスタを前記高電位電源と近いところに配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置及び光電変換装置を有する半導体装置に関し、特に薄膜半導体素子で構成された光電変換装置及びその作製方法に関する。また、光電変換装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電磁波の検知用途に用いられる光電変換装置は数多く知られており、例えば紫外線から赤外線を検出するものは総括して光センサと呼ばれている。その中でも波長400nm〜700nmの可視光線領域の光を検出するものは特に可視光センサと呼ばれ、人間の生活環境に応じて照度調整やオン/オフ制御などが必要な機器類に数多く用いられている。
【0003】
特に表示装置では表示装置の周囲の明るさを検出し、その表示輝度を調整することが行なわれている。なぜなら周囲の明るさを検出し、適度な表示輝度を得ることによって、無駄な電力を減らすことが可能であるからである。例えば、携帯電話やパーソナルコンピュータにそのような輝度調整用の光センサが用いられている。
【0004】
また周囲の明るさだけではなく、表示装置、特に液晶表示装置のバックライトの輝度を光センサにより検出し、表示画面の輝度を調節することも行われている。
【0005】
このような光センサにおいては、センシング部分にフォトダイオードを用い、フォトダイオードの出力電流を増幅回路にて増幅することが行われている。このような増幅回路としては、例えばカレントミラー回路が用いられる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3444093号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の増幅回路は補正回路を含めた、多段構成のものが多く、大きな電源電圧が必要であった。近年、電源電圧を安定に供給することが、省エネ、高性能化などの多方面から、電気回路を構成する上で必要とされている。
【0007】
しかしながら、上記のような増幅回路、例えばカレントミラー回路は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT)から構成され、TFTを構成する導電層や、それに接続される配線の配線抵抗やコンタクト抵抗等による寄生抵抗が発生してしまう問題があった。
【0008】
特にカレントミラー回路においては、参照側のTFTに寄生抵抗が発生してしまうと、感知する光強度の範囲が減少してしまうという恐れがあることを以下に説明する。
【0009】
図3は、従来のフォトダイオードと増幅回路を含む半導体装置の回路図である。図3の半導体装置は、電源1001、フォトダイオード1003、参照側のTFT1004及び出力側のTFT1005を含むカレントミラー回路1011を有している。また参照側のTFT1004には寄生抵抗1006が発生している。
【0010】
寄生抵抗1006の抵抗値をRとする。寄生抵抗1006が発生しないときのTFT1004及び1005のゲート電極にかかる電圧VgateをVとする。また寄生抵抗1006が発生したときのTFT1004及び1005のゲート電極にかかる電圧VgateをVとする。
【0011】
図4に示すように、寄生抵抗1006が発生することにより、出力電流(光電流)が飽和してしまうときのVgateの上限がΔV=R×Iだけ小さくなり、VからVとなってしまう。すなわち、Vgateの上限が減少することは、光電流Iの上限が減少することにつながる。さらには感知できる光の強度が減少してしまう。
【0012】
光電流Iは、Vの時はIで飽和するが、Vの時はIで飽和してしまい、それ以上流れなくなってしまう。図5に示すように光電流Iは光強度Eと比例するので、光電流IがIで飽和してしまうと、感知できる最大光強度EはLまでとなってしまい、光電変換装置の感度が低下してしまう。
【0013】
上記の問題を鑑み、本発明ではカレントミラー回路の参照側のTFTに発生する寄生抵抗を抑制し、ゲート電極に印加される電圧が低下するのを防ぎ、光電変換装置の感度の低下を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、光電変換素子を有し、参照用の薄膜トランジスタと出力側の薄膜トランジスタとを有するカレントミラー回路を有し、前記カレントミラー回路は前記光電変換素子の出力を増幅し、高電位電極と低電位電極とを有する電源を有し、前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記出力側の薄膜トランジスタはn型の薄膜トランジスタであり、前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記光電変換素子を介して前記高電位電極と電気的に接続され、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、前記参照側の薄膜トランジスタは、前記出力側の薄膜トランジスタよりも前記低電位電極と近いところに配置される。前記参照側の薄膜トランジスタと前記低電位電極とを電気的に接続する配線の長さは、前記出力側の薄膜トランジスタと前記低電位電極とを電気的に接続する配線の長さよりも短い。前記参照側の薄膜トランジスタと前記低電位電極との間の電流経路の長さは、前記出力側の薄膜トランジスタと前記低電位電極との間の電流経路の長さよりも短い。これにより前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極にかかる電圧の低下を抑制することを特徴とする半導体装置に関するものである。
また本発明は、光電変換素子を有し、参照用の薄膜トランジスタと出力側の薄膜トランジスタとを有するカレントミラー回路を有し、前記カレントミラー回路は前記光電変換素子の出力を増幅し、高電位電極と低電位電極とを有する電源を有し、前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記出力側の薄膜トランジスタはp型の薄膜トランジスタであり、前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記光電変換素子を介して前記低電位電極と電気的に接続され、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、前記参照側の薄膜トランジスタは、前記出力側の薄膜トランジスタよりも前記高電位電極と近いところに配置される。前記参照側の薄膜トランジスタと前記高電位電極とを電気的に接続する配線の長さは、前記出力側の薄膜トランジスタと前記高電位電極とを電気的に接続する配線の長さよりも短い。前記参照側の薄膜トランジスタと前記高電位側電極との間の電流経路の長さは、前記出力側の薄膜トランジスタと前記高電位電極との間の電流経路の長さよりも短い。これにより前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極にかかる電圧の低下を抑制することを特徴とする半導体装置に関するものである。
【0015】
また本発明は、光電変換素子を有し、参照用の薄膜トランジスタと複数の出力側の薄膜トランジスタとを有するカレントミラー回路を有し、前記カレントミラー回路は前記光電変換素子の出力を増幅し、高電位電極と低電位電極とを有する電源を有し、前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタはn型の薄膜トランジスタであり、前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記光電変換素子を介して前記高電位電極と電気的に接続され、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、前記参照側の薄膜トランジスタは、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれよりも前記低電位電極と近いところに配置される。前記参照側の薄膜トランジスタと前記低電位電極とを電気的に接続する配線の長さは、前記複数の出力側の薄膜トランジスタと前記低電位電極とを電気的に接続する配線の長さよりも短い。前記参照側の薄膜トランジスタと前記低電位電極との間の電流経路の長さは、前記複数の出力側の薄膜トランジスタと前記低電位電極との間の電流経路の長さよりも短い。
【0016】
また本発明は、光電変換素子を有し、参照用の薄膜トランジスタと複数の出力側の薄膜トランジスタとを有するカレントミラー回路を有し、前記カレントミラー回路は前記光電変換素子の出力を増幅し、高電位電極と低電位電極とを有する電源を有し、前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタはp型の薄膜トランジスタであり、前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記光電変換素子を介して前記低電位電極と電気的に接続され、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、前記参照側の薄膜トランジスタは、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれよりも前記高電位電極と近いところに配置される。前記参照側の薄膜トランジスタと前記高電位電極とを電気的に接続する配線の長さは、前記複数の出力側の薄膜トランジスタと前記高電位電極とを電気的に接続する配線の長さよりも短い。前記参照側の薄膜トランジスタと前記高電位電極との間の電流経路の長さは、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれと前記高電位電極との間の電流経路の長さよりも短い。
【0017】
本発明は、光電変換素子と、前記光電変換素子の出力を増幅し、少なくとも2つの薄膜トランジスタを有するカレントミラー回路と、前記薄膜トランジスタのそれぞれに電気的に接続された高電位電源と、前記薄膜トランジスタのそれぞれに電気的に接続された低電位電源とを有し、前記薄膜トランジスタのうち、参照側の薄膜トランジスタは、前記低電位電源と近いところに配置されることにより、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極にかかる電圧の低下を抑制することを特徴とする半導体装置に関するものである。
【0018】
また本発明は、光電変換素子と、前記光電変換素子の出力を増幅し、参照側の薄膜トランジスタと、複数の出力側の薄膜トランジスタを有するカレントミラー回路と、前記参照側の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれに、電気的に接続された高電位電源と、前記参照側の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれに、電気的に接続された低電位電源と、前記参照側の薄膜トランジスタは、前記出力側の薄膜トランジスタのそれぞれよりも、前記低電位電源に近いところに配置されていることを特徴とする半導体装置に関するものである。
【0019】
なお本明細書では、参照側の薄膜トランジスタは、デザインルールの許す限り、低電位電源に近いところに配置されているものとする。
【0020】
尚、本明細書において、半導体装置とは、半導体層を有する装置を言い、半導体層を有する素子を含む装置全体も半導体装置と呼ぶ。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、光感度の低減が抑制された光電変換装置を得ることができる。また寄生抵抗の発生が抑制されるので、回路動作が安定し、信頼性の高い製品を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[実施例の形態1]
本実施の形態を、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11(A)〜図11(C)、図12(A)〜図12(C)、図13(A)〜図13(B)、図14(A)〜図14(C)を用いて以下に説明する。
【0023】
ただし本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0024】
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の半導体装置は、トランジスタ104及び105で構成されるカレントミラー回路111、電源(バイアス)101を有している。本実施の形態では、トランジスタ104及び105として、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor(TFT))を用いており、更に、TFT104及び105はnチャネル型TFTで形成されている。
【0026】
nチャネル型TFTにより構成されたカレントミラー回路は、参照側のTFT104と出力側のTFT105によって構成される(図1参照)。参照側のTFT104と出力側のTFT105のゲート部に、同電圧が加わることで、参照側のTFT104に流れた電流を基準として、出力側のTFT105に流れる電流を制御する。
【0027】
図2にブロック図を示す。図2の半導体装置は、フォトダイオード103、参照側のTFT104及び出力側のTFT105を有するカレントミラー回路111、高電圧電位(VDD)接続用電極(「高電位電極」ともいう)141、低電圧電位(VSS)接続用電極(「低電位電極」ともいう)142、フォトダイオード103並びにTFT104及び105を電気的に接続する配線144、TFT104及び105並びに電極141を電気的に接続する配線145、TFT104及び105並びに電極142を電気的に接続する配線146(配線146a、配線146b、配線146c、配線146d、等)を有している。なお図2において配線146は4本(配線146a、配線146b、配線146c、配線146d)しか示されていないが、必要に応じて本数は決めればよい。また出力側のTFT105は、複数のTFTによって形成されており、その数に応じて出力電流(光電流)が増幅される。
【0028】
また図26に示すように、参照側のTFT104は、出力側のTFT105とは別に形成されていてもよい。その場合は配線146とは別配線147を介して、電極142に電気的に接続すればよい。
【0029】
参照側のTFT104は、電極142から近いところに配置され、配線抵抗等によってゲート電極にかかる電圧Vgateが下がらないようにする。
【0030】
参照側のTFT104は、出力側のTFT105よりも電極142に近いところに配置する。参照側のTFT104と電極142とを電気的に接続する配線の長さは、出力側のTFT105と電極142とを電気的に接続する配線の長さよりも短い。参照側のTFT104と電極142との間の電流経路の長さは、出力側のTFT105と電極142との間の電流経路の長さよりも短い。これによりゲート電極にかかる電圧Vgateの低減を抑制することができる。
【0031】
参照側TFT104に寄生抵抗が発生してしまうと、TFT104のゲート電極にかかる電圧Vgateが、ゲート−ソース間電圧Vgsから寄生抵抗の抵抗値R×出力電流(光電流)I(=ΔV)の分だけ下がってしまう。
【0032】
図4はTFT104のゲート電極にかかる電圧Vgateと出力電流(光電流)Iの関係を表す図であり、横軸は電圧Vgate(リニアスケール)、縦軸は光電流I(ログスケール)である。また図5は照度Eと出力電流(光電流)Iの関係を表しており、横軸は照度E(ログスケール)、縦軸は光電流I(ログスケール)である。
【0033】
図4に示すように、寄生抵抗が発生しまうと、VgateがV(寄生抵抗が最小のときのVgate)からV(V−ΔV:寄生抵抗が発生したときのVgate)となってしまう。光電流Iは、Vの時はIで飽和するが、Vの時はIで飽和していまい、それ以上流れなくなってしまう。図5に示すように光電流Iは光強度Eと比例するので、光電流IがIで飽和してしまうと、感知できる最大光強度EはLまでとなってしまい、光電変換装置の感度が低下してしまう。
【0034】
ただし実際には配線抵抗等の寄生抵抗を0にすることは難しいので、Vは寄生抵抗が発生しないときのVgateと必ずしも一致しないこともある。
【0035】
しかしながら本発明では、参照側のTFT104は低電位電圧Vss用接続電極142に近いところに配置されるので、TFT104と電極142の間の配線抵抗は極小とすることができ、寄生抵抗の発生を最小限に防ぐことができる。これにより光電変換装置の感度の低下を抑制することができる。
【0036】
またさらに配線抵抗を下げるためには、TFT104と電極142を電気的に接続する配線の幅を広げたり、配線を形成する導電膜の膜厚を増やせばよい。
【0037】
ところで、一般に信号処理が行い易いといわれている、出力信号形式を電圧として取り出す方法としては、負荷抵抗Rによって電流を電圧に変換する方法がある。具体的には、図6に示すように、フォトダイオード103とカレントミラー回路111を含む回路123、電源101、出力端子124、負荷抵抗Rを有する回路において、負荷抵抗Rを用いて出力電流を電圧に変換し、出力端子124にて電圧として外部に出力信号を取り出すことが可能となる。図1のカレントミラー回路111を含む回路123を図6の回路に組み込んだ回路について以下に説明する。
【0038】
図1では、カレントミラー回路111を構成するTFT104のゲート電極は、カレントミラー回路111を構成するもう1つのTFT105のゲート電極に電気的に接続され、更にTFT104のドレイン電極(「ドレイン端子」ともいう)に電気的に接続されている。
【0039】
TFT104のドレイン端子は、フォトダイオード103を介してTFT105のドレイン端子に電気的に接続されている。
【0040】
TFT104のソース電極(「ソース端子」ともいう)は、TFT105のソース端子に電気的に接続されている。
【0041】
本実施の形態では、カレントミラー回路111を含む回路123の出力端子124は負荷抵抗Rを介して、電源101の低電位側へ電気的に接続される。
【0042】
図1では、カレントミラー回路111を構成するTFT105のゲート電極は、TFT104のドレイン端子に電気的に接続されている。
【0043】
また、TFT104及び105のゲート電極は互いに接続されているので共通の電位が印加される。
【0044】
図1では2個のTFTによる、カレントミラー回路の例を図示している。この時、104と105が同一の特性を有する場合、参照電流と出力電流の比は、1:1の関係となる。
【0045】
出力値をn倍とするための回路構成を図7及び図8に示す。図7の回路構成は、図1のTFT105をn個にしたものに相当する。図7に示すようにnチャネル型TFT104とnチャネル型TFT105の比を1:nにすることで、出力値をn倍とすることが可能となる。これは、TFTのチャネル幅Wを増加させ、TFTに流すことのできる電流の許容量をn倍とすることと同様の原理である。
【0046】
例えば、出力値を100倍に設計する場合、nチャネルTFT104を1個、nチャネル型TFT105を100個並列接続することで、目標とした電流を得ることが可能となる。
【0047】
図7中の回路118i(回路118a、回路118b、等)の詳細な回路構成を図8に示す。
【0048】
図8の回路構成は、図1及び図7の回路構成を基にしており、同じ素子は同じ符号で表されている。すなわち、TFT105iのゲート電極は、端子119iに電気的に接続されており、またドレイン端子は端子120iに電気的に接続されている。またTFT105iのソース端子は、端子121iに電気的に接続されている。
【0049】
なお図7中の回路118a、回路118b、等を、説明するために、そのうちの1つである回路118iを図8に示している。回路118iは図1の回路構成を基にしているので、図8の符号において「i」の付いている符号は、図1の「i」の付いていない符号と同じものである。すなわち、例えば図1のTFT105と図8のTFT105iは同じものである。
【0050】
したがって図7においては、nチャネル型TFT105は、n個のnチャネル型TFT105a、105b、105i、等から構成されていることとなる。これによりTFT104に流れる電流がn倍に増幅されて出力される。
【0051】
尚、図7及び図8において図1と同じものを指示している場合は、同じ符号で示してある。
【0052】
また、図1はカレントミラー回路111を、nチャネル型TFTを用いた等価回路として図示したものであるが、このnチャネル型TFTに代えてpチャネル型TFTを用いてもよい。
【0053】
増幅回路をpチャネル型TFTで形成する場合は、図9に示す等価回路となる。図9に示すように、カレントミラー回路203はpチャネル型TFT201及び202を有している。pチャネル型TFT201は、pチャネル型TFT202よりも高電位電極141と近いところに配置される。pチャネル型TFT201と電極141との電気的接続配線の長さは、pチャネル型TFT202と電極141との電気的接続配線の長さよりも短い。pチャネル型TFT201と電極141との間の電流経路の長さは、pチャネル型TFT202と電極141との間の電流経路の長さよりも短い。なお図1と図9で同じものは同じ符号で示している。また出力信号形式を電圧として取り出すには、図6の回路123に代えて回路204を用いた構成にすればよい。
【0054】
図1のTFT104及び105を含むカレントミラー回路111及びフォトダイオード103を含む回路123の断面図を図10に示す。
【0055】
図10において、210は基板、212は下地絶縁膜、213はゲート絶縁膜である。
【0056】
また、接続電極285、端子電極281、TFT104のソース電極またはドレイン電極282、及びTFT105のソース電極またはドレイン電極283は、高融点金属膜と低抵抗金属膜(アルミニウム合金または純アルミニウムなど)との積層構造となっている。ここでは、接続電極285、端子電極281、ソース電極またはドレイン電極282及び283は、チタン膜(Ti膜)とアルミニウム膜(Al膜)とTi膜とを順に積み重ねた三層構造とする。
【0057】
また、高融点金属膜と低抵抗金属膜との積層構造の代わりに、単層の導電膜により形成することもできる。このような単層の導電膜として、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜、或いは、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜を用いることができる。
【0058】
また図10においては、nチャネル型TFT104及び105は1つのチャネル形成領域を含む構造(本明細書では「シングルゲート構造」という)のトップゲート型TFTの例を示しているが、チャネル形成領域が複数ある構造にしてオン電流値のバラツキを低減させてもよい。
【0059】
また、オフ電流値を低減するため、nチャネル型TFT104及び105に低濃度ドレイン(Lightly Doped Drain(LDD))領域を設けてもよい。LDD領域とは、チャネル形成領域と、高濃度に不純物元素を添加して形成するソース領域またはドレイン領域との間に低濃度に不純物元素を添加した領域のことであり、LDD領域を設けると、ドレイン領域近傍の電界を緩和してホットキャリア注入によるTFTの劣化を防ぐという効果がある。
【0060】
また、ホットキャリアによるオン電流値の低下を防ぐため、nチャネル型TFT104及び105を、ゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重ねて配置させた構造(本明細書では「GOLD(Gate−drain Overlapped LDD)構造」と呼ぶ)としてもよい。
【0061】
GOLD構造を用いた場合、LDD領域をゲート電極と重ねて形成しなかった場合よりも、さらにドレイン領域近傍の電界を緩和してホットキャリア注入によるTFTの劣化を防ぐ効果がある。このようなGOLD構造とすることで、ドレイン領域近傍の電界強度が緩和されてホットキャリア注入を防ぎ、TFTの劣化防止に有効である。
【0062】
またカレントミラー回路111を形成するTFT104及び105は、トップゲート型TFTだけでなく、ボトムゲート型TFT、例えば逆スタガ型TFTでもよい。
【0063】
また、配線215はTFT104のドレイン配線(ドレイン電極とも呼ぶ)またはソース配線(ソース電極とも呼ぶ)と電気的に接続している。また、216及び217は絶縁膜、285は接続電極である。なお、絶縁膜217は、CVD法により形成される酸化珪素膜を用いることが好ましい。絶縁膜217をCVD法で形成する酸化珪素膜とすると固着強度が向上する。
【0064】
また、端子電極250は、配線215と同一工程で形成され、端子電極281は接続電極285と同一工程で形成されている。
【0065】
また、端子電極221は、半田264で基板260の電極261に実装されている。また、端子電極222は端子電極221と同一工程で形成され、半田263で基板260の電極262に実装されている。
【0066】
以下に、図10に示す、フォトダイオード103、並びにTFT104及び105を有するカレントミラー回路111を含む半導体装置を作製する工程について、図10、図11(A)〜図11(C)、図12(A)〜図12(C)、図13(A)〜図13(B)を用いて説明する。
【0067】
まず、基板(第1の基板210)上に素子を形成する。ここでは基板210として、ガラス基板の一つであるAN100を用いる。
【0068】
次いで、プラズマCVD法で下地絶縁膜212となる窒素を含む酸化珪素膜(膜厚100nm)を形成し、さらに大気にふれることなく、半導体膜例えば水素を含む非晶質珪素膜(膜厚54nm)を積層形成する。また、下地絶縁膜212は酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素膜を用いて積層してもよい。例えば、下地絶縁膜212として、酸素を含む窒化珪素膜を50nm、さらに窒素を含む酸化珪素膜を100nm積層した膜を形成してもよい。なお、窒素を含む酸化珪素膜や酸素を含む窒化珪素膜は、ガラス基板からのアルカリ金属などの不純物拡散を防止するブロッキング層として機能する。
【0069】
次いで、上記非晶質珪素膜を固相成長法、レーザ結晶化方法、触媒金属を用いた結晶化方法などにより結晶化させて、結晶構造を有する半導体膜(結晶性半導体膜)、例えば多結晶珪素膜を形成する。ここでは、触媒元素を用いた結晶化方法を用いて多結晶珪素膜を得る。重量換算で10ppmのニッケルを含む溶液をスピナーを用いて非晶質珪素膜表面に添加する。なお、スピナーで添加する方法に代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方法を用いてもよい。次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶構造を有する半導体膜(ここでは多結晶珪素膜)を形成する。ここでは熱処理(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃、4時間)を行って多結晶珪素膜を得る。
【0070】
次いで、多結晶珪素膜表面の酸化膜を希フッ酸等で除去する。その後、結晶化率を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するためのレーザビームの照射を行う。
【0071】
なお、非晶質珪素膜をレーザ結晶化方法で結晶化して結晶性半導体膜を得る場合、もしくは結晶構造を有する半導体膜を得た後結晶粒内に残される欠陥を補修するためにレーザ照射を行う場合には、以下に述べるレーザ照射方法で行えばよい。
【0072】
レーザ照射は、連続発振型のレーザビーム(CWレーザビーム)やパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビーム)を用いて行うことができる。ここで用いることができるレーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。
【0073】
なお、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arレーザ、Krレーザ、またはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体膜がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
【0074】
媒質としてセラミック(多結晶)を用いると、短時間かつ低コストで自由な形状に媒質を形成することが可能である。単結晶を用いる場合、通常、直径数mm、長さ数十mmの円柱状の媒質が用いられているが、セラミックを用いる場合はさらに大きいものを作ることが可能である。
【0075】
発光に直接寄与する媒質中のNd、Ybなどのドーパントの濃度は、単結晶中でも多結晶中でも大きくは変えられないため、濃度を増加させることによるレーザの出力向上にはある程度限界がある。しかしながら、セラミックの場合、単結晶と比較して媒質の大きさを著しく大きくすることができるため大幅に出力が向上する。
【0076】
さらに、セラミックの場合では、平行六面体形状や直方体形状の媒質を容易に形成することが可能である。このような形状の媒質を用いて、発振光を媒質の内部でジグザグに進行させると、発振光路を長くとることができる。そのため、増幅が大きくなり、大出力で発振させることが可能になる。また、このような形状の媒質から射出されるレーザビームは射出時の断面形状が四角形状であるため、丸状のビームと比較すると、線状ビームに整形するのに有利である。このように射出されたレーザビームを、光学系を用いて整形することによって、短辺の長さ1mm以下、長辺の長さ数mm〜数mの線状ビームを容易に得ることが可能となる。また、励起光を媒質に均一に照射することにより、線状ビームは長辺方向にエネルギー分布の均一なものとなる。
【0077】
この線状ビームを半導体膜に照射することによって、半導体膜の全面をより均一にアニールすることが可能になる。線状ビームの両端まで均一なアニールが必要な場合は、スリットを用いてエネルギーの減衰部を遮光するなどの工夫が必要となる。
【0078】
なお、レーザ照射を大気中、または酸素雰囲気中で行う場合は、レーザビームの照射により表面に酸化膜が形成される。
【0079】
次いで、上記レーザビームの照射により形成された酸化膜に加え、オゾン水で表面を120秒処理して合計1〜5nmの酸化膜からなるバリア層を形成する。このバリア層は、結晶化させるために添加した触媒元素、例えばニッケル(Ni)を膜中から除去するために形成する。ここではオゾン水を用いてバリア層を形成したが、酸素雰囲気下の紫外線の照射で結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化する方法や酸素プラズマ処理により結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化する方法やプラズマCVD法やスパッタ法や蒸着法などで1〜10nm程度の酸化膜を堆積してバリア層を形成してもよい。また、バリア層を形成する前にレーザビームの照射により形成された酸化膜を除去してもよい。
【0080】
次いで、バリア層上にスパッタ法にてゲッタリングサイトとなるアルゴン元素を含む非晶質珪素膜を10nm〜400nm、ここでは膜厚100nmで成膜する。ここでは、アルゴン元素を含む非晶質珪素膜は、シリコンターゲットを用いてアルゴンを含む雰囲気下で形成する。プラズマCVD法を用いてアルゴン元素を含む非晶質珪素膜を形成する場合、成膜条件は、モノシランとアルゴンの流量比(SiH:Ar)を1:99とし、成膜圧力を6.665Paとし、RFパワー密度を0.087W/cmとし、成膜温度を350℃とする。
【0081】
その後、650℃に加熱された炉に入れて3分の熱処理を行い触媒元素を除去(ゲッタリング)する。これにより結晶構造を有する半導体膜中の触媒元素濃度が低減される。炉に代えてランプアニール装置を用いてもよい。
【0082】
次いで、バリア層をエッチングストッパとして、ゲッタリングサイトであるアルゴン元素を含む非晶質珪素膜を選択的に除去した後、バリア層を希フッ酸で選択的に除去する。なお、ゲッタリングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除去することが望ましい。
【0083】
なお、触媒元素を用いて半導体膜の結晶化を行わない場合には、上述したバリア層の形成、ゲッタリングサイトの形成、ゲッタリングのための熱処理、ゲッタリングサイトの除去、バリア層の除去などの工程は不要である。
【0084】
次いで、得られた結晶構造を有する半導体膜(例えば結晶性珪素膜)の表面にオゾン水で薄い酸化膜を形成した後、第1のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体膜(本明細書では「島状半導体領域」という)231及び232を形成する(図11(A)参照)。島状半導体領域を形成した後、レジストからなるマスクを除去する。
【0085】
次いで、必要があればTFTのしきい値電圧を制御するために微量な不純物元素(ホウ素またはリン)のドーピングを行う。ここでは、ジボラン(B)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用いる。
【0086】
次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化膜を除去すると同時に島状半導体領域231及び232の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜213となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成する。ここでは、プラズマCVD法により115nmの厚さで窒素を含む酸化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。
【0087】
次いで、ゲート絶縁膜213上に金属膜を形成した後、ゲート電極234及び235、配線214及び215、端子電極250を形成する(図11(B)参照)。
【0088】
また、ゲート電極234及び235、配線214及び215、端子電極250として、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜、或いは、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜を用いることができる。
【0089】
また、上記の単層膜の代わりに積層膜を用いてもよい。例えば、ゲート電極234及び235、配線214及び215、端子電極250として、窒化タンタル及びタングステン(W)をそれぞれ30nm、370nm積層した膜を用いてもよい。
【0090】
次いで、島状半導体領域231及び232への一導電型を付与する不純物の導入を行って、TFT105のソース領域またはドレイン領域237、及びTFT104のソース領域またはドレイン領域238の形成を行う。本実施の形態ではnチャネル型TFTを形成するので、n型の不純物、例えばリン(P)、砒素(As)を島状半導体領域231及び232に導入する(図11(C)参照)。
【0091】
次いで、CVD法により酸化珪素膜を含む第1の層間絶縁膜(図示しない)を50nm形成した後、それぞれの島状半導体領域に添加された不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工程は、ランプ光源を用いたラピッドサーマルアニール法(RTA法)、或いはYAGレーザまたはエキシマレーザを裏面から照射する方法、或いは炉を用いた熱処理、或いはこれらの方法のうち、いずれかと組み合わせた方法によって行う。
【0092】
次いで、水素及び酸素を含む窒化珪素膜を含む第2の層間絶縁膜216を、例えば10nmの膜厚で形成する。
【0093】
次いで、第2の層間絶縁膜216上に絶縁物材料から成る第3の層間絶縁膜217を形成する(図12(A)参照)。第3の層間絶縁膜217はCVD法で得られる絶縁膜を用いることができる。本実施の形態においては密着性を向上させるため、第3の層間絶縁膜217として、900nmの膜厚で形成した窒素を含む酸化珪素膜を形成する。
【0094】
次に、熱処理(300〜550℃で1〜12時間の熱処理、例えば窒素雰囲気中410℃で1時間)を行い、島状半導体膜を水素化する。この工程は第2の層間絶縁膜216に含まれる水素により島状半導体膜のダングリングボンドを終端させるために行うものである。ゲート絶縁膜213の存在に関係なく島状半導体膜を水素化することができる。
【0095】
また第3の層間絶縁膜217として、シロキサンを用いた絶縁膜、及びそれらの積層構造を用いることも可能である。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造で構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
【0096】
第3の層間絶縁膜217としてシロキサンを用いた絶縁膜、及びそれらの積層構造を用いた場合は、第2の層間絶縁膜216を形成後、島状半導体膜を水素化するための熱処理を行い、次に第3の層間絶縁膜217を形成することもできる。
【0097】
次いで、レジストからなるマスクを形成し、第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜216及び第3の層間絶縁膜217またはゲート絶縁膜213を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。そして、レジストからなるマスクを除去する。
【0098】
なお、第3の層間絶縁膜217は必要に応じて形成すればよく、第3の層間絶縁膜217を形成しない場合は、第2の層間絶縁膜216を形成後に第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜216及びゲート絶縁膜213を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0099】
次いで、スパッタ法で金属積層膜を成膜した後、レジストからなるマスクを形成し、選択的に金属膜をエッチングして、配線284、接続電極285、端子電極281、TFT104のソース電極またはドレイン電極282、TFT105のソース電極またはドレイン電極283を形成する(図12(B)参照)。
【0100】
図12(B)では、配線284、接続電極285、端子電極281、TFT104のソース電極またはドレイン電極282、及びTFT105のソース電極またはドレイン電極283を、単層の導電膜から形成している。
【0101】
このような単層として、耐熱性及び導電率等の点からチタン膜(Ti膜)が好ましい。またチタン膜に変えて、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜、或いは、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜を用いることができる。配線284、接続電極285、端子電極281、及びTFT104のソース電極またはドレイン電極282、及びTFT105のソース電極またはドレイン電極283を単層膜にすることにより、作製工程において成膜回数を減少させることが可能となる。
【0102】
また、配線219、接続電極220、端子電極251、TFT104のソース電極またはドレイン電極241、及びTFT105のソース電極またはドレイン電極242に保護電極を設けた場合について図12(C)に示す。
【0103】
まず配線219、接続電極220、端子電極251、TFT104のソース電極またはドレイン電極241、及びTFT105のソース電極またはドレイン電極242のそれぞれの下層導電膜は、高融点金属膜と低抵抗金属膜(アルミニウム合金または純アルミニウムなど)との積層構造となっている。ここでは、配線219、接続電極220、端子電極251、ソース電極またはドレイン電極241及び242の下層導電膜は、チタン膜(Ti膜)とアルミニウム膜(Al膜)とTi膜とを順に積み重ねた三層構造とする。
【0104】
さらに配線219、接続電極220、端子電極251、TFT104のソース電極またはドレイン電極241、及びTFT105のソース電極またはドレイン電極242を覆うように、それぞれ保護電極218、保護電極245、保護電極248、保護電極246及び保護電極247が形成されている。
【0105】
後に形成される光電変換層103をエッチングする際に、配線219は、覆っている保護電極218によって保護される。保護電極218の材料は、光電変換層103をエッチングするガス(またはエッチャント)に対して光電変換層103よりもエッチング速度の小さい導電材料であることが好ましい。加えて、保護電極218の材料は、光電変換層103と反応して合金とならない導電材料であることが好ましい。なおその他の保護電極245、保護電極248、保護電極246及び保護電極247も保護電極218と同様の材料及び作製工程により形成される。
【0106】
例えば、後に形成される光電変換層(代表的にはアモルファスシリコン)と反応して合金になりにくい導電性の金属膜(チタン(Ti)またはモリブデン(Mo)など)を成膜した後、レジストからなるマスクを形成し、選択的に導電性の金属膜をエッチングして配線219を覆う保護電極218を形成する。ここではスパッタ法で得られる膜厚200nmのTi膜を用いる。なお、同様に接続電極220、端子電極251、TFT104のソース電極またはドレイン電極241、TFT105のソース電極またはドレイン電極242も導電性の金属膜で覆われ、それぞれ保護電極245、248、246、247が形成される。従って、導電性の金属膜は、これらの電極における2層目のAl膜が露呈されている側面も覆い、導電性の金属膜は光電変換層へのアルミニウム原子の拡散も防止できる。
【0107】
次に第3の層間絶縁膜217上に、p型半導体層103p、i型半導体層103i及びn型半導体層103nを含む光電変換層103を形成する。
【0108】
p型半導体層103pは、13属の不純物元素、例えばホウ素(B)を含んだアモルファスシリコン膜をプラズマCVD法にて成膜して形成すればよい。
【0109】
図13(A)では、配線284は光電変換層103の最下層、本実施の形態ではp型半導体層103pと接している。
【0110】
また保護電極を形成する場合は、配線219及び保護電極218は光電変換層103の最下層、本実施の形態ではp型半導体層103pと接することとなる。
【0111】
p型半導体層103pを形成したら、さらにi型半導体層103i及びn型半導体層103nを順に形成する。これによりp型半導体層103p、i型半導体層103i及びn型半導体層103nを有する光電変換層103が形成される。
【0112】
i型半導体層103iとしては、例えばプラズマCVD法でアモルファスシリコン膜を形成すればよい。またn型半導体層103nとしては、15属の不純物元素、例えばリン(P)を含むアモルファスシリコン膜を形成してもよいし、アモルファスシリコン膜を形成後、15属の不純物元素を導入してもよい。
【0113】
またp型半導体層103p、i型半導体層103i、n型半導体層103nとして、アモルファス半導体膜だけではなく、セミアモルファス半導体膜を用いてもよい。
【0114】
次いで、全面に絶縁物材料(例えば珪素を含む無機絶縁膜)からなる封止層224を厚さ(1μm〜30μm)で形成して図13(A)の状態を得る。ここでは絶縁物材料膜としてCVD法により、膜厚1μmの窒素を含む酸化珪素膜を形成する。CVD法による絶縁膜を用いることによって密着性の向上を図っている。
【0115】
次いで、封止層224をエッチングして開口部を設けた後、スパッタ法により端子電極221及び222を形成する。端子電極221及び222は、チタン膜(Ti膜)(100nm)と、ニッケル膜(Ni)膜(300nm)と、金膜(Au膜)(50nm)との積層膜とする。こうして得られる端子電極221及び端子電極222の固着強度は5Nを超え、端子電極として十分な固着強度を有している。
【0116】
以上の工程で、半田接続が可能な端子電極221及び端子電極222が形成され、図13(B)に示す構造が得られる。
【0117】
次いで、個々に切断して複数の光センサチップを切り出す。1枚の大面積基板(例えば600cm×720cm)からは大量の光センサチップ(2mm×1.5mm)を製造することが可能である。
【0118】
切り出した1つの光センサチップ(2mm×1.5mm)の断面図を図14(A)に示し、その下面図を図14(B)、上面図を図14(C)に示す。図14(A)〜図14(C)において、図10と同一である箇所には同じ符号を用いている。なお、図14(A)において、基板210と、素子形成領域291と、端子電極221及び端子電極222とを含む総膜厚は、0.8±0.05mmである。
【0119】
また、光センサチップの総膜厚を薄くするために、基板210をCMP処理等によって削って薄くした後、ダイサーで個々に切断して複数の光センサチップを切り出してもよい。
【0120】
また、図14(B)において、端子電極221及び222の一つの電極サイズは、0.6mm×1.1mmであり、電極間隔は0.4mmである。また、図14(C)において受光部292の面積は、1.57mmである。また、増幅回路部293には、約100個のTFTが設けられている。
【0121】
最後に、得られた光センサチップを基板260の実装面に実装する。なお、端子電極221と電極261、並びに端子電極222と電極262との接続には、それぞれ半田264及び263を用い、予め基板260の電極261及び262上にスクリーン印刷法などによって半田ペーストを形成しておき、半田と端子電極を当接した状態にしてから半田リフロー処理を行って実装する。半田リフロー処理は、例えば不活性ガス雰囲気中、255℃〜265℃程度の温度で約10秒行う。また、半田の他に金属(金、銀等)で形成されるバンプ、または導電性樹脂で形成されるバンプ等を用いることができる。また、環境問題を考慮して鉛フリーはんだを用いて実装してもよい(図10参照)。
【0122】
以上のようにして、光電変換層103を含む光電変換装置、カレントミラー回路111を有する半導体装置を得ることが可能である。
【0123】
光200は、矢印に示すように基板210から入り、光電変換層103に到達する。
【0124】
本実施の形態により、光感度の低減が抑制された光電変換装置を有する半導体装置を得ることができる。
【0125】
なお本実施の形態は、必要であれば他の実施の形態と組み合わせてもよい。
【0126】
[実施の形態2]
本実施の形態では、増幅回路をpチャネル型TFTで形成する例を、図9及び図15を用いて説明する。なお、実施の形態1と同じものは同じ符号で示しており、それぞれ実施の形態1に記載された作製工程に基づいて作成すればよい。
【0127】
増幅回路、例えばカレントミラー回路203をpチャネル型TFT201及び202で形成する場合には、実施の形態1の島状半導体領域への一導電型を付与する不純物を、p型の不純物、例えばホウ素(B)に代えればよい。
【0128】
カレントミラー回路203をpチャネル型TFT201及び202で作成した場合の本実施の形態の光センサの等価回路図を図9、断面図を図15に示す。
【0129】
図9及び図15において、端子電極221は光電変換層103のn型半導体層103n及びpチャネル型TFT201に電気的に接続され、端子電極222はpチャネル型TFT202に電気的に接続されている。pチャネル型TFT201は、光電変換層103のアノード側の電極と電気的に接続される。光電変換層103は、pチャネル型TFT201と電気的に接続する第2の電極(アノード側の電極)上にn型半導体層103n、i型半導体層103i、p型半導体層103pを順次積層した後、第1の電極(カソード側の電極)を形成すればよい。
【0130】
また、積層順序を逆にした光電変換層としてもよく、第1の電極(カソード側の電極)上にp型半導体層、i型半導体層、n型半導体層を順次積層した後、pチャネル型TFT201と電気的に接続する第2の電極(アノード側の電極)を形成してもよい。
【0131】
光200は、矢印に示すように基板210から入り、光電変換層103に到達する。
【0132】
図15に示すように、pチャネル型TFT201及び202の島状半導体領域には、p型の不純物、例えばホウ素(B)が導入されており、pチャネル型TFT201にはソース領域またはドレイン領域271、pチャネル型TFT202にはソース領域またはドレイン領域272が形成される。
【0133】
配線284、接続電極285、端子電極281、及びTFT201のソース電極またはドレイン電極283、及びTFT202のソース電極またはドレイン電極282は、実施の形態1の記載に従って、単層の導電膜を用いてそれぞれの配線や電極を形成される。
【0134】
また図12(C)と同様に、配線284、接続電極285、端子電極281、及びTFT201のソース電極またはドレイン電極283、及びTFT202のソース電極またはドレイン電極282に代えて、配線219及びその保護電極218、接続電極220及びその保護電極245、端子電極251及びその保護電極248、TFT201のソース電極またはドレイン電極242及びその保護電極247、並びにTFT202のソース電極またはドレイン電極241及びその保護電極246を形成してもよい。それぞれの作製方法については、実施の形態1に基づくものである。
【0135】
本実施の形態により、光感度の低減が抑制された光電変換装置を有する半導体装置を得ることができる。
【0136】
なお本実施の形態は、必要であれば他の実施の形態と組み合わせてもよい。
【0137】
[実施の形態3]
本実施の形態ではボトムゲート型TFTを用いて形成した増幅回路、光センサ及びその作製方法の例を、図16(A)〜図16(E)、図17(A)〜図17(D)、図18を用いて説明する。なお、実施の形態1〜実施の形態2と同じものは同じ符号で示している。
【0138】
まず基板210上に、下地絶縁膜212及び金属膜311を形成する(図16(A)参照)。この金属膜311として、本実施の形態では例えば窒化タンタル及びタングステン(W)をそれぞれ30nm、370nm積層した膜を用いる。
【0139】
また、金属膜311として、上記以外にもチタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジウム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜、或いは、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜を用いることができる。
【0140】
なお、下地絶縁膜212を基板210上に形成せず、金属膜311を直接基板210に形成してもよい。
【0141】
次に金属膜311を用いてゲート電極312及び313、配線214及び215、端子電極250を形成する(図16(B)参照)。
【0142】
次いで、ゲート電極312及び313、配線214及び215、端子電極250を覆うゲート絶縁膜314を形成する。本実施の形態では、珪素を主成分とする絶縁膜、例えばプラズマCVD法により115nmの厚さで窒素を含む酸化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を用いてゲート絶縁膜314を形成する。
【0143】
次にゲート絶縁膜314上に島状半導体領域315及び316を形成する。島状半導体領域315及び316は、実施の形態1で述べた島状半導体領域231及び232と同様の材料及び作製工程により形成すればよい(図16(C)参照)。
【0144】
島状半導体領域315及び316を形成したら、後にTFT301のソース領域またはドレイン領域321、及びTFT302のソース領域またはドレイン領域322となる領域以外を覆ってマスク318を形成し、一導電型を付与する不純物の導入を行う(図16(D)参照)。一導電型の不純物としては、nチャネル型TFTを形成する場合には、n型不純物としてリン(P)、砒素(As)を用い、pチャネル型TFTを形成する場合には、p型不純物としてホウ素(B)を用いればよい。本実施の形態ではn型不純物であるリン(P)を島状半導体領域315及び316に導入し、TFT301のソース領域またはドレイン領域321及びソース領域及びドレイン領域の間にチャネル形成領域、並びにTFT302のソース領域またはドレイン領域322、及びソース領域及びドレイン領域の間にチャネル形成領域を形成する。
【0145】
次いでマスク318を除去し、図示しない第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜216及び第3の層間絶縁膜217を形成する(図16(E)参照)。第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜216及び第3の層間絶縁膜217の材料及び作製工程は実施の形態1の記載に基づけばよい。
【0146】
次に第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜216及び第3の層間絶縁膜217にコンタクトホールを形成し、単層の金属膜を成膜し、さらに選択的に金属膜をエッチングして、配線284、接続電極285、端子電極281、及びTFT301のソース電極またはドレイン電極341、及びTFT302のソース電極またはドレイン電極342が形成される(図17(A)参照)。
【0147】
また配線284、接続電極285、端子電極281、及びTFT301のソース電極またはドレイン電極341、及びTFT302のソース電極またはドレイン電極342を、単層の導電膜に代えて、積層膜によって形成してもよい。積層膜によってこれらを形成した例を図17(B)に示す。
【0148】
図17(B)では、配線284、接続電極285、端子電極281、及びTFT301のソース電極またはドレイン電極341、及びTFT302のソース電極またはドレイン電極342に代えて、配線219及びその保護電極218、接続電極220及びその保護電極245、端子電極251及びその保護電極248、TFT301のソース電極またはドレイン電極331及びその保護電極336、並びにTFT302のソース電極またはドレイン電極332及びその保護電極337を形成する。
【0149】
以上の工程で、ボトムゲート型TFT301及び302を作製することができる。ボトムゲート型TFT301及び302により、カレントミラー回路303を形成できる。
【0150】
次に第3の層間絶縁膜217上に、p型半導体層103p、i型半導体層103i及びn型半導体層103nを含む光電変換層103を形成する(図17(C)参照)。光電変換層103の材料及び作製工程等は、実施の形態1〜実施の形態2を参照すればよい。
【0151】
次いで封止層224、端子電極221及び222を形成する(図17(D)参照)。端子電極221はn型半導体層100nに接続されており、端子電極222は端子電極221と同一工程で形成される。
【0152】
さらに電極261及び262を有する基板260を、半田263及び264で実装する。なお基板260上の電極261は、半田264で端子電極221に実装されている。また基板260の電極262は、半田263で端子電極222に実装されている(図18参照)。
【0153】
光200は、矢印に示すように基板210から入り、光電変換層103に到達する。
【0154】
なお図17(B)の構成の半導体装置を用いても、上記の作製工程に従えば図18に示す半導体装置と同様な半導体装置を作製することができる。
【0155】
本実施の形態により、光感度の低減が抑制された光電変換装置を有する半導体装置を得ることができる。
【0156】
なお本実施の形態は、必要であれば他の実施の形態と組み合わせてもよい。
【0157】
[実施の形態4]
本実施の形態では、電源として用いられるバッテリについて、図27、図28(A)〜図28(B)、図29(A)〜図29(E)、図30、図31、図32、図33用いて以下に説明する。
【0158】
本明細書において、バッテリと、アンテナと、アンテナが受信した電磁波により生ずる起電力をバッテリに充電する回路と、該起電力を充電する媒体とを備えた装置をRFバッテリ又は無線電池とも呼ぶ。
【0159】
また、本明細書において、バッテリとは、二次電池又は蓄電池とよばれるもので、外部電源から得た電気的エネルギーを化学的エネルギーの形に変化して蓄え、必要に応じて再び電力として取り出す装置をいう。また、コンデンサとは、絶縁した二つの導体が設けられ、二つの導体の一方が正、他方が負の電荷を帯びることでその電気間の引力により電荷が蓄えられる装置をいう。
【0160】
なお、本明細書においてバッテリとは、充電することで連続使用時間を回復することができるものである。なおバッテリとしては、その用途により異なるが、薄膜なシート状や径の小さい筒状に形成された電池を用いることが好ましく、例えばリチウム電池、好ましくはゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池や、リチウムイオン電池等を用いることで、小型化が可能である。勿論、充電可能な電池であればなんでもよく、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などの充電放電可能な電池であってもよいし、また大容量のコンデンサなどを用いても良い。
【0161】
本実施の形態のバッテリとして用いることのできる大容量のコンデンサとしては、電極の対向面積が大きいものであることが望ましい。活性炭、フラーレン、カーボンナノチューブなど比表面積の大きい電極用材料を用いた電解二重層コンデンサを用いることが好適である。コンデンサは電池に較べ構成が単純であり薄膜化や積層化も容易である。電気二重層コンデンサは蓄電機能を有し、充放電の回数が増えても劣化が小さく、急速充電特性にも優れているため好適である。
【0162】
本実施の形態のバッテリは、例えば図1の電源101等として用いることが可能である。
【0163】
図27において、RFバッテリ401は、バッテリ407、充電回路413、充電制御回路414、内部アンテナ回路411、整流回路412を有している。RFバッテリ401の外部に、外部アンテナ回路415が設けられている。内部アンテナ回路411は外部アンテナ回路415によって発生した無線信号を受信する。内部アンテナ回路411によって受信した信号は整流回路412に入力され、直流に変換される。充電回路413は整流回路412の電力をもとに電流を発生させ、バッテリ407に充電を行う。充電制御回路414はバッテリ407が過充電にならないように監視をおこない、充電量が増えた場合には充電回路413を制御し、充電量を抑える。なお、充電回路413は、例えば電圧制御回路(レギュレータとも言う)とスイッチ回路とにより構成することができる。なお、スイッチ回路をダイオードにすることにより、充電制御回路を省略する構成としてもよい。また、電圧制御回路は、電圧及び電流制御回路や定電流源回路であってもよい。
【0164】
なお、内部アンテナ回路411と外部アンテナ回路415として、例えば図28(A)に示すようなアンテナ501、共振容量502によって構成されるアンテナ回路503を用いることができる。また、整流回路412は、内部アンテナ回路411及び外部アンテナ回路415が受信する電磁波により誘導される交流信号を直流信号に変換する回路であればよい。例えば、図28(B)に示すように、ダイオード504、ダイオード505、平滑容量506によって構成することができる。
【0165】
なお、本実施の形態において内部アンテナ回路411で受信する無線信号として、例えば、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどの周波数帯の信号を用いることができる。勿論、内部アンテナ回路で受信される信号の周波数はこれに限定されず、例えば、サブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300kHz〜3MHz、長波である30kHz〜300kHz、及び超長波である3kHz〜30kHzのいずれの周波数も用いることができる。
【0166】
また、内部アンテナ回路411と外部アンテナ回路415との間で送受信される信号は、搬送波を変調した信号である。搬送波の変調方式は、アナログ変調であってもデジタル変調であってよく、振幅変調、位相変調、周波数変調、及びスペクトラム拡散のいずれであってもよい。望ましくは、振幅変調、または、周波数変調にするとよい。また、無線信号として携帯電話の中継局の電波帯(800〜900MHz帯、1.5GHz、1.9〜2.1GHz帯等)、携帯電話から発振される電波、電波時計の電波(40kHz等)、家庭用の交流電源のノイズ(60Hz等)、他のリーダ/ライタ等から無作為に受信される信号等を利用することも可能である。また、内部アンテナ回路411として、それぞれ長さや形状の異なるアンテナを用いた複数のアンテナ回路を設けることによって、バッテリ407の充電に様々な無線信号を利用することができる。
【0167】
また、内部アンテナ回路411及び外部アンテナ回路415に設けられるアンテナは、これらの無線信号を受信しやすい長さや形状で設ける。また、これらの電波を複数受信する場合には、長さや形状の異なるアンテナを含む複数のアンテナ回路を設けることが好ましい。
【0168】
また、内部アンテナ回路411又は外部アンテナ回路415に設けられるアンテナの形状についても特に限定されない。つまり、内部アンテナ回路411又は外部アンテナ回路415に適用する信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式又はマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が適宜使用用途を考慮して選択すればよく、伝送方式に伴って最適な長さや形状のアンテナを設ければよい。
【0169】
例えば、伝送方式として、電磁結合方式又は電磁誘導方式(例えば、13.56MHz帯)を適用する場合には、電界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ、ヘリカルアンテナ)に形成する。
【0170】
また、伝送方式としてマイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電膜の長さや形状を適宜設定すればよく、アンテナとして機能する導電膜を例えば、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
【0171】
ここで、内部アンテナ回路411又は外部アンテナ回路415に設けるアンテナの形状の一例を図29(A)〜図29(E)に示す。例えば、図29(A)に示すように様々な回路等が設けられた回路素子522の周りに一面のアンテナ523を配した構造を取っても良い。ただし回路素子522とは、無線交信可能な半導体装置の各素子から、内部アンテナ回路411あるいは外部アンテナ回路415を除いたものを示している。
【0172】
また、図29(B)に示すように様々な回路等が設けられた回路素子522が細いアンテナ523に囲まれるように配した構造をとってもよい。また、図29(C)に示すように様々な回路等が設けられた回路素子522を配し、高周波数の電磁波を受信するためのアンテナ523の形状をとってもよい。また、図29(D)に示すように様々な回路等が設けられた回路素子522を配し180度無指向性(どの方向からでも同じく受信可能)なアンテナ523での形状をとってもよい。また、図29(E)に示すように、様々な回路等が設けられた回路素子522に対して、棒状に長く伸ばしたアンテナ523の形状をとってもよい。内部アンテナ回路411又は外部アンテナ回路415はこれらの形状のアンテナを組み合わせて用いることができる。
【0173】
また、図29(A)〜図29(E)において、様々な回路等が設けられた回路素子522とアンテナ523との接続については特に限定されない。例えば、アンテナ523と回路等が設けられた回路素子522をワイヤボンディング接続やバンプ接続を用いて接続する、あるいは回路素子522の一部を電極にしてアンテナ523に貼り付けるという方法を取ってもよい。この方式ではACF(anisotropic conductive film;異方性導電性フィルム)を用いて回路素子522をアンテナ523に貼り付けることができる。また、アンテナ523に必要な長さは受信に用いる周波数によって異なる。例えば周波数が2.45GHzの場合、半波長ダイポールアンテナを設けるなら波長の1/2(約60mm)、モノポールアンテナを設けるなら波長の1/4(約30mm)の長さにすると良い。
【0174】
なお、内部アンテナ回路411は複数の周波数帯の電磁波を受信可能なマルチバンドアンテナ構造であってもよい。例えば、図30に示すように内部アンテナ回路が複数のアンテナ回路によって形成されていてもよい。図30に示す構造において、基板1701上に、第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cと、制御回路を有する回路素子1702と、バッテリ1703とを有している。なお、第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cと回路素子1702に設けられた制御回路とは電気的に接続されている。なお、1706はバッテリを充電するための電磁波を送信するための送信機であり、表示部等に設けられている。
【0175】
第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cにより受信された電磁波は、回路素子1702に形成された制御回路における整流回路を介してバッテリ1703に入力され、バッテリ1703が充電される。
【0176】
ここでは、送信機1706から送信された電磁波を第1のアンテナ回路1705aで受信し、外部の無線信号1707を第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cで受信している例を示している。また、第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cの接続関係については特に限定されず、例えば、全てのアンテナが電気的に接続されていてもよいし、それぞれが電気的に接続せず独立に設けられていてもよい。
【0177】
なお、バッテリ1703の充電に用いられる第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cのアンテナの長さや形状は図30に示した構造に限られない。ここでは、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cのアンテナとして、長さの異なる線状のアンテナ(ダイポールアンテナ)を設けた例を示したが、例えば、ダイポールアンテナとコイル状のアンテナを組み合わせて用いてもよいし、ダイポールアンテナとパッチアンテナを組み合わせて用いてもよい。このように、バッテリ1703の充電に用いられるアンテナとして、長さや形状の異なるものを複数設けることによって、様々な無線信号を受信することができるため、充電効率を向上させることができる。特に、パッチアンテナとダイポールアンテナ等の形状の異なるアンテナを組み合わせて設けることによって(例えば、パッチアンテナの周囲に折り返しダイポールアンテナを設ける)、限られたスペースを有効に活用することが可能となる。本実施の形態では、3つのアンテナ回路1705a、1705b、1705cを設けた例を示したが、これに限られず、1つのアンテナ回路又は3つ以上のアンテナ回路を設けた構成としてもよい。
【0178】
また、例えば、第1のアンテナ回路1705aと送信機1706間で送受信される信号として、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどの周波数帯の信号を用いることができ、それぞれISO規格などが設定される。勿論、第1のアンテナ回路1705aと送信機1706間で送受信される信号の周波数はこれに限定されず、例えば、サブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300kHz〜3MHz、長波である30kHz〜300kHz、及び超長波である3kHz〜30kHzのいずれの周波数も用いることができる。また、第1のアンテナ回路1705aと送信機1706間で送受信される信号は、搬送波を変調した信号である。搬送波の変調方式は、アナログ変調であってもデジタル変調であってよく、振幅変調、位相変調、周波数変調、及びスペクトラム拡散のいずれであってもよい。望ましくは、振幅変調、または、周波数変調にするとよい。
【0179】
また、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cのアンテナで受信する外部の無線信号1707として、例えば、携帯電話の中継局の電波帯(800〜900MHz帯、1.5GHz、1.9〜2.1GHz帯等)、携帯電話から発振される電波、電波時計の電波(40kHz等)、家庭用の交流電源のノイズ(60Hz等)、他のリーダ/ライタ等から無作為に生じている電波等を利用することができる。外部の無線信号を受信してバッテリの充電を無線で行うことによって、バッテリを充電するための充電器等を別途必要としないため、より低コストでバッテリを作製することができる。また、図30に示すように、それぞれ長さや形状の異なるアンテナを用いた複数のアンテナ回路を設けることによって、バッテリ1703の充電用として様々な無線信号を利用することができる。また、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cに設けられるアンテナの形状は、これらの無線信号を受信しやすい長さや形状で設けるとよい。また、図30では、第1のアンテナ回路1705aは送信機1706からの電磁波を受信する形態としたが、これに限定されず全てのアンテナ回路で外部の無線信号を受信してバッテリを充電する形態としてもよい。
【0180】
なお、図30では、同一の基板1701上に複数のアンテナ回路1705a、1705b、1705c、回路素子1702及びバッテリ1703を設けた例を示したが、図30に示す構造に限られることはなく、それぞれを別々の基板上に設けてもよい。
【0181】
次いで、図27に示すバッテリ407として薄膜状のバッテリの構成例について説明する。本実施の形態では、リチウムイオン電池を用いた場合のバッテリの構成例を図31に示す。
【0182】
図31は薄膜状のバッテリの断面模式図である。まず、基板7101上に電極となる集電体薄膜7102を成膜する。集電体薄膜7102は負極活物質層7103と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどを用いることができる。次に集電体薄膜7102上に負極活物質層7103を成膜する。一般には酸化バナジウム(V)などが用いられる。次に負極活物質層7103上に固体電解質層7104を成膜する。一般にはリン酸リチウム(LiPO)などが用いられる。次に固体電解質層7104上に正極活物質層7105を成膜する。一般にはマンガン酸リチウム(LiMn)などが用いられる。コバルト酸リチウム(LiCoO2)やニッケル酸リチウム(LiNiO)を用いても良い。次に正極活物質層7105上に電極となる集電体薄膜7106を成膜する。集電体薄膜7106は正極活物質層7105と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどを用いることができる。なお、リチウムイオン電池は、ニッカド電池、鉛電池などと比べて、メモリ効果がなく、電流量を大きく取ることができる。
【0183】
また、上記集電体薄膜7102、負極活物質層7103、固体電解質層7104、正極活物質層7105、集電体薄膜7106の薄膜層は、スパッタ技術を用いて形成しても良いし、蒸着技術を用いても良い。また集電体薄膜7102、負極活物質層7103、固体電解質層7104、正極活物質層7105、集電体薄膜7106のそれぞれの厚さは0.1μm〜3μmが望ましい。
【0184】
次に以下に充電時、放電時の動作を説明する。充電時には、正極活物質層7105からリチウムがイオンとなって離脱する。そのリチウムイオンは固体電解質層7104を介して負極活物質層7103に吸収される。このときに、正極活物質層7105から外部へ電子が放出される。
【0185】
また放電時には、負極活物質層7103からリチウムがイオンとなって離脱する。そのリチウムイオンは固体電解質層7104を介して、正極活物質層7105に吸収される。このとき負極活物質層7103から外部に電子が放出される。この様にして薄膜二次電池は動作する。
【0186】
なお、再度集電体薄膜7102、負極活物質層7103、固体電解質層7104、正極活物質層7105、集電体薄膜7106の薄膜層を重ねて形成することで、より大きい電力の充放電が可能になるため好適である。
【0187】
本実施の形態のバッテリは厚さ10μm以下程度の薄膜状であり、且つ充放電可能なバッテリであるため、本実施の形態のバッテリを用いることにより小型で軽量な半導体装置を作製することができる。
【0188】
バッテリとして充電可能な電池を使用する場合、一般に、充放電の制御が必要である。つまり、充電をおこなう際に過充電にならないように、充電状況をモニターしながら充電を行う必要がある。本実施の形態において、充電制御をおこなうための回路について説明する。図32に、図27に示した充電回路413、充電制御回路414、バッテリ407のブロック図を示す。
【0189】
図32に示す例では充電回路413は定電流源回路425、スイッチ回路426から構成され、充電制御回路414、バッテリ407と電気的に接続されている。なお、図32に示す充電回路は一例であり、この様な構成に限定されるものではなく、他の構成であっても良い。本実施の形態は定電流によって、バッテリ407に充電をおこなっているが、定電流だけの充電ではなく、途中で定電圧充電に切り替えても良い。定電流を用いない別の方式であっても良い。また、以下の回路を構成するトランジスタは薄膜トランジスタであっても良いし、単結晶基板上のトランジスタや有機トランジスタであっても良い。
【0190】
図33は図32の回路をさらに詳細にしたものである。以下に動作を説明する。定電流源回路425、スイッチ回路426、充電制御回路414は高電位電源線976、低電位電源線977を電源線として用いている。図33では低電位電源線977をGND線として用いているが、GND線には限定されず他の電位であっても良い。
【0191】
定電流源回路425はトランジスタ952〜961、抵抗951、962によって構成されている。高電位電源線976より抵抗951を介してトランジスタ952、953に電流が流れ、トランジスタ952、953がオン(ON)する。
【0192】
トランジスタ954、955、956、957、958は帰還型の差動アンプを構成し、トランジスタ952のゲート電位はトランジスタ956のゲート電位とほぼ同じとなる。トランジスタ961のドレイン電流はトランジスタ957のゲート電位と低電位電源線977の差電位を抵抗962の抵抗値で割った値となる。その電流をトランジスタ959、960によって構成されるカレントミラー回路に入力し、カレントミラー回路の出力電流をスイッチ回路426に供給する。定電流源回路425は本構成に限定されず他の構成を用いても良い。
【0193】
スイッチ回路426はトランスミッションゲート965、インバータ963,964から構成され、インバータ964の入力信号によって定電流源回路425の電流をバッテリ407に供給するか、否かを制御する。スイッチ回路はこの構成に限定されず他の構成を用いても良い。
【0194】
充電制御回路414はトランジスタ966〜974、抵抗975によって構成される。高電位電源線976より抵抗975を介してトランジスタ973、974に電流が流れ、トランジスタ973、974がオン(ON)する。トランジスタ968、969、970、971、972は差動型のコンパレーターを構成している。トランジスタ970のゲート電位がトランジスタ971のゲート電位より低い場合、トランジスタ968のドレイン電位はほぼ高電位電源線976の電位とほぼ等しくなり、トランジスタ970のゲート電位がトランジスタ971のゲート電位より高い場合、トランジスタ968のドレイン電位はトランジスタ970のソース電位とほぼ等しくなる。
【0195】
トランジスタ968のドレイン電位が高電位電源線976とほぼ等しい場合、トランジスタ967、966で構成されるバッファを介して、充電制御回路414はロウを出力する。トランジスタ968のドレイン電位がトランジスタ970のソース電位とほぼ等しい場合、トランジスタ967、966で構成されるバッファを介して、充電制御回路414はハイを出力する。
【0196】
充電制御回路414の出力がロウの場合、バッテリ407にはスイッチ回路426を介して電流が供給される。また、充電制御回路414の出力がハイの場合は、スイッチ回路426はオフ(OFF)して、バッテリ407に電流は供給されない。トランジスタ970のゲートはバッテリ407に電気的に接続されているため、バッテリ407が充電され、その電位が充電制御回路414のコンパレータのしきい値を超えると、充電が停止する。本実施の形態ではコンパレータのしきい値をトランジスタ973のゲート電位で設定しているが、この値に限定するものではなく、他の電位であっても良い。一般に設定電位は用途とバッテリの性能によって適宜決められるものである。なお、バッテリへの充電回路の構成は、この構成に限定されるものではない。
【0197】
[実施の形態5]
本実施の形態では、本発明により得られた光電変換装置を様々な電子機器に組み込んだ例について説明する。本発明が適用される電子機器として、コンピュータ、ディスプレイ、携帯電話、テレビなどが挙げられる。それらの電子機器の具体例を、図19、図20(A)〜図20(B)、図21(A)〜図21(B)、図22及び図23に示す。
【0198】
図19は携帯電話であり、本体(A)701、本体(B)702、筐体703、操作キー704、音声入力部705、音声出力部706、回路基板707、表示パネル(A)708、表示パネル(B)709、蝶番710、透光性材料部711、光電変換素子712を有している。本発明は光電変換素子712に適用することができる。
【0199】
光電変換素子712は透光性材料部711を透過した光を検知し、検知した外部光の照度に合わせて表示パネル(A)708及び表示パネル(B)709の輝度コントロールを行ったり、光電変換素子712で得られる照度に合わせて操作キー704の照明制御を行う。これにより携帯電話の消費電流を抑えることができる。
【0200】
図20(A)及び図20(B)に携帯電話の別の例を示す。図20(A)及び図20(B)において、721は本体、722は筐体、723は表示パネル、724は操作キー、725は音声出力部、726は音声入力部、727及び728は光電変換素子である。
【0201】
図20(A)に示す携帯電話では、本体721に設けられた光電変換素子727により外部の光を検知することにより表示パネル723及び操作キー724の輝度を制御することが可能である。
【0202】
また図20(B)に示す携帯電話では、図20(A)の構成に加えて、本体721の内部に光電変換素子728を設けている。光電変換素子728により、表示パネル723に設けられているバックライトの輝度を検出することも可能となる。
【0203】
図21(A)はコンピュータであり、本体731、筐体732、表示部733、キーボード734、外部接続ポート735、ポインティングデバイス736等を含む。
【0204】
また図21(B)は表示装置でありテレビ受像器などがこれに当たる。本表示装置は、筐体741、支持台742、表示部743などによって構成されている。
【0205】
図21(A)のコンピュータに設けられる表示部733、及び図21(B)に示す表示装置の表示部743として、液晶パネルを用いた場合の詳しい構成を図22に示す。
【0206】
図22に示す液晶パネル762は、筐体761に内蔵されており、基板751a及び751b、基板751a及び751bに挟まれた液晶層752、偏光フィルタ755a及び755b、及びバックライト753等を有している。また筐体761には光電変換素子を有する光電変換素子形成領域754が形成されている。
【0207】
本発明を用いて作製された光電変換素子形成領域754はバックライト753からの光量を感知し、その情報がフィードバックされて液晶パネル762の輝度が調節される。
【0208】
図23(A)及び図23(B)は、本発明の光センサをカメラ、例えばデジタルカメラに組み込んだ例を示す図である。図23(A)は、デジタルカメラの前面方向から見た斜視図、図23(B)は、後面方向から見た斜視図である。図23(A)において、デジタルカメラには、リリースボタン801、メインスイッチ802、ファインダ窓803、フラッシュ804、レンズ805、鏡胴806、筺体807が備えられている。
【0209】
また、図23(B)において、ファインダ接眼窓811、モニタ812、操作ボタン813が備えられている。
【0210】
リリースボタン801は、半分の位置まで押下されると、焦点調整機構および露出調整機構が作動し、最下部まで押下されるとシャッターボタンが開く。
【0211】
メインスイッチ802は、押下又は回転によりデジタルカメラの電源のON/OFFを切り替える。
【0212】
ファインダ窓803は、デジタルカメラの前面のレンズ805の上部に配置されており、図23(B)に示すファインダ接眼窓811から撮影する範囲やピントの位置を確認するための装置である。
【0213】
フラッシュ804は、デジタルカメラの前面上部に配置され、被写体輝度が低いときに、リリースボタンが押下されてシャッターボタンが開くと同時に補助光を照射する。
【0214】
レンズ805は、デジタルカメラの正面に配置されている。レンズは、フォーカシングレンズ、ズームレンズ等により構成され、図示しないシャッターボタン及び絞りと共に撮影光学系を構成する。また、レンズの後方には、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子が設けられている。
【0215】
鏡胴806は、フォーカシングレンズ、ズームレンズ等のピントを合わせるためにレンズの位置を移動するものであり、撮影時には、鏡胴を繰り出すことにより、レンズ805を手前に移動させる。また、携帯時は、レンズ805を沈銅させてコンパクトにする。なお、本実施の形態においては、鏡胴を繰り出すことにより被写体をズーム撮影することができる構造としているが、この構造に限定されるものではなく、筺体807内での撮影光学系の構成により鏡胴を繰り出さずともズーム撮影が可能なデジタルカメラでもよい。
【0216】
ファインダ接眼窓811は、デジタルカメラの後面上部に設けられており、撮影する範囲やピントの位置を確認する際に接眼するために設けられた窓である。
【0217】
操作ボタン813は、デジタルカメラの後面に設けられた各種機能ボタンであり、セットアップボタン、メニューボタン、ディスプレイボタン、機能ボタン、選択ボタン等により構成されている。
【0218】
本発明の光センサを図23(A)及び図23(B)に示すカメラに組み込むと、光センサが光の有無及び強さを感知することができ、これによりカメラの露出調整等を行うことができる。
【0219】
また本発明の光センサはその他の電子機器、例えばプロジェクションテレビ、ナビゲーションシステム等に応用することが可能である。すなわち光を検出する必要のあるものであればいかなるものにも用いることが可能である。
【0220】
なお本実施の形態は、必要であれば他の実施の形態と組み合わせてもよい。
【実施例1】
【0221】
本実施例では、図1のTFT104のソース電極またはドレイン電極を形成する導電膜の膜厚を変えたときの、照度Eと光電流Iとの関係を、図24及び図25に示す。
【0222】
図24は、照度E(横軸)とゲート電極にかかる電圧Vgate(縦軸)の関係を示すグラフであり、ソース電極またはドレイン電極の膜厚を、シート抵抗が0.052Ω/□、0.52Ω/□、5.2Ω/□、52Ω/□、520Ω/□(抵抗比:0.01、0.1、1、10、100)となるように形成したものの比較を示す。
【0223】
図25は、照度E(横軸)と倍率(縦軸)の関係を示すグラフであり、倍率とは図24の光電流Iの微分値である。
【0224】
なお図24及び図25において、白抜き菱形は抵抗比0.01(シート抵抗:0.052Ω/□)、白抜き四角形は抵抗比0.1(シート抵抗:0.52Ω/□)、白抜き三角形は抵抗比1(シート抵抗:5.2Ω/□)、白抜き丸形は抵抗比10(シート抵抗:52Ω/□)、黒塗り四角形は抵抗比100(シート抵抗:520Ω/□)を表している。
【0225】
図24及び図25に示されるように、ソース電極またはドレイン電極の抵抗値が低い、0.052Ω/□、0.52Ω/□、5.2Ω/□(抵抗比:0.01、0.1、1)では、光電流Iは照度Eが高くなっても低減する割合が小さい。しかしながら、一方、ソース電極またはドレイン電極の抵抗値が高い、52Ω/□、520Ω/□(抵抗比:10、100)では、照度Eが大きくなると、大きく低減することが分かる。
【0226】
以上から、カレントミラー回路の参照側のTFT104に寄生抵抗が発生してしまうと、出力される光電流が減少してしまうことが分かる。これにより感知する光強度の範囲が減少してしまうので、本発明の構成は寄生抵抗の発生を抑制し、光感度の減少を防ぐことができるので有用である。
【産業上の利用可能性】
【0227】
本発明により、光感度の低下を抑制することが可能な、半導体装置や光電変換装置を作製することができる。また本発明の半導体装置や光電変換装置を組み込むことにより、回路動作の安定性や信頼性の高い電気機器を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0228】
【図1】本発明の半導体装置の回路図。
【図2】本発明の半導体装置のブロック図。
【図3】半導体装置の回路図。
【図4】ゲート電極にかかる電圧Vgateと光電流Iの関係を示す図。
【図5】照度Eと光電流Iの関係を示す図。
【図6】本発明の半導体装置の回路図。
【図7】本発明の半導体装置の回路図。
【図8】本発明の半導体装置の回路図。
【図9】本発明の半導体装置の回路図。
【図10】本発明の半導体装置の断面図。
【図11】本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。
【図12】本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。
【図13】本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。
【図14】本発明の半導体装置の上面図。
【図15】本発明の半導体装置の断面図。
【図16】本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。
【図17】本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。
【図18】本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。
【図19】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図20】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図21】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図22】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図23】本発明の半導体装置を実装した装置を示す図。
【図24】ソース電極またはドレイン電極を形成する導電膜の膜厚を変化させたときの、照度Eと光電流Iの関係を示す図。
【図25】ソース電極またはドレイン電極を形成する導電膜の膜厚を変化させたときの、照度Eと倍率の関係を示す図。
【図26】本発明の半導体装置のブロック図。
【図27】本発明のバッテリを示すブロック図。
【図28】本発明のバッテリに含まれる回路図。
【図29】本発明のバッテリに含まれる回路の上面図。
【図30】本発明のバッテリに含まれる回路を示す図。
【図31】本発明のバッテリの断面図。
【図32】本発明のバッテリに含まれる回路を示すブロック図。
【図33】本発明のバッテリに含まれる回路図。
【符号の説明】
【0229】
100 光電変換層
100i i型半導体層
100n n型半導体層
100p p型半導体層
101 電源
103 光電変換層
103i i型半導体層
103n n型半導体層
103p p型半導体層
104 TFT
105 TFT
105a TFT
105i TFT
111 カレントミラー回路
118a 回路
118b 回路
118i 回路
119a 端子
119b 端子
119i 端子
120a 端子
120b 端子
120i 端子
121a 端子
121b 端子
121i 端子
122 カレントミラー回路
123 回路
124 端子
141 電極
142 電極
144 配線
145 配線
146 配線
146a 配線
146b 配線
146c 配線
146d 配線
147 配線
201 TFT
202 TFT
203 カレントミラー回路
204 回路
210 基板
212 下地絶縁膜
213 ゲート絶縁膜
214 配線
215 配線
216 絶縁膜
217 絶縁膜
218 保護電極
219 配線
220 接続電極
221 端子電極
222 端子電極
224 封止層
231 島状半導体領域
232 島状半導体領域
234 ゲート電極
235 ゲート電極
237 ソース領域またはドレイン領域
238 ソース領域またはドレイン領域
241 ソース電極またはドレイン電極
242 ソース電極またはドレイン電極
245 保護電極
246 保護電極
247 保護電極
248 保護電極
250 端子電極
251 端子電極
260 基板
261 電極
262 電極
263 半田
264 半田
271 ソース領域またはドレイン領域
272 ソース領域またはドレイン領域
281 端子電極
282 ソース電極またはドレイン電極
283 ソース電極またはドレイン電極
284 配線
285 接続電極
291 素子形成領域
292 受光部
293 増幅回路部
301 TFT
302 TFT
303 カレントミラー回路
311 金属膜
312 ゲート電極
313 ゲート電極
314 ゲート絶縁膜
315 島状半導体領域
316 島状半導体領域
318 マスク
321 ソース領域またはドレイン領域
322 ソース領域またはドレイン領域
331 ソース電極またはドレイン電極
332 ソース電極またはドレイン電極
336 保護電極
337 保護電極
341 ソース電極またはドレイン電極
342 ソース電極またはドレイン電極
401 RFバッテリ
407 バッテリ
411 内部アンテナ回路
412 整流回路
413 充電回路
414 充電制御回路
415 外部アンテナ回路
425 定電流源回路
426 スイッチ回路
501 アンテナ
502 共振容量
503 アンテナ回路
504 ダイオード
505 ダイオード
506 平滑容量
522 回路素子
523 アンテナ
701 本体(A)
702 本体(B)
703 筐体
704 操作キー
705 音声入力部
706 音声出力部
707 回路基板
708 表示パネル(A)
709 表示パネル(B)
710 蝶番
711 透光性材料部
712 光電変換素子
712 光電変換素子
721 本体
722 筐体
723 表示パネル
724 操作キー
725 音声出力部
726 音声入力部
727 光電変換素子
728 光電変換素子
731 本体
732 筐体
733 表示部
734 キーボード
735 外部接続ポート
736 ポインティングデバイス
741 筐体
742 支持台
743 表示部
751a 基板
751b 基板
752 液晶層
753 バックライト
754 光電変換素子形成領域
755a 偏光フィルタ
755b 偏光フィルタ
761 筐体
762 液晶パネル
801 リリースボタン
802 メインスイッチ
803 ファインダ窓
804 フラッシュ
805 レンズ
806 鏡胴
807 筺体
811 ファインダ接眼窓
812 モニタ
813 操作ボタン
951 抵抗
952 トランジスタ
953 トランジスタ
954 トランジスタ
955 トランジスタ
956 トランジスタ
957 トランジスタ
958 トランジスタ
959 トランジスタ
960 トランジスタ
961 トランジスタ
962 抵抗
963 インバータ
964 インバータ
965 トランスミッションゲート
966 トランジスタ
967 トランジスタ
968 トランジスタ
969 トランジスタ
970 トランジスタ
971 トランジスタ
972 トランジスタ
973 トランジスタ
974 トランジスタ
975 抵抗
976 高電位電源線
977 低電位電源線
1001 電源
1003 フォトダイオード
1004 TFT
1005 TFT
1006 寄生抵抗
1011 カレントミラー回路
1701 基板
1702 回路素子
1703 バッテリ
1705a アンテナ回路
1705b アンテナ回路
1705c アンテナ回路
1706 送信機
1707 無線信号
7101 基板
7102 集電体薄膜
7103 負極活物質層
7104 固体電解質層
7105 正極活物質層
7106 集電体薄膜
負荷抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子と、
参照用の薄膜トランジスタと出力側の薄膜トランジスタとを有し、前記光電変換素子の出力を増幅するカレントミラー回路と、
高電位電極と低電位電極とを有する電源と、
を有し、
前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記出力側の薄膜トランジスタはn型の薄膜トランジスタであり、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記光電変換素子を介して前記高電位電極と電気的に接続され、
前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタは、前記出力側の薄膜トランジスタよりも前記低電位電極と近いところに配置されることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、前記出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に前記光電変換素子を介して電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
光電変換素子と、
参照用の薄膜トランジスタと出力側の薄膜トランジスタとを有し、前記光電変換素子の出力を増幅するカレントミラー回路と、
高電位電極と低電位電極とを有する電源と、
を有し、
前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記出力側の薄膜トランジスタはn型の薄膜トランジスタであり、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記光電変換素子を介して前記高電位電極と電気的に接続され、
前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタと前記低電位電極との間の電流経路は、前記出力側の薄膜トランジスタと前記低電位電極との間の電流経路よりも短いことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3において、前記出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に前記光電変換素子を介して電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
光電変換素子と、
参照用の薄膜トランジスタと複数の出力側の薄膜トランジスタとを有し、前記光電変換素子の出力を増幅するカレントミラー回路と、
高電位電極と低電位電極とを有する電源と、
を有し、
前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタはn型の薄膜トランジスタであり、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記光電変換素子を介して前記高電位電極と電気的に接続され、
前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタは、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれよりも前記低電位電極と近いところに配置されることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5において、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に前記光電変換素子を介して電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
光電変換素子と、
参照用の薄膜トランジスタと複数の出力側の薄膜トランジスタとを有し、前記光電変換素子の出力を増幅するカレントミラー回路と、
高電位電極と低電位電極とを有する電源と、
を有し、
前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタはn型の薄膜トランジスタであり、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記光電変換素子を介して前記高電位電極と電気的に接続され、
前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタと前記低電位電極との間の電流経路は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれと前記低電位電極との間の電流経路よりも短いことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7において、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に前記光電変換素子を介して電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
光電変換素子と、
参照用の薄膜トランジスタと出力側の薄膜トランジスタとを有し、前記光電変換素子の出力を増幅するカレントミラー回路と、
高電位電極と低電位電極とを有する電源と、
を有し、
前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記出力側の薄膜トランジスタはp型の薄膜トランジスタであり、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記光電変換素子を介して前記低電位電極と電気的に接続され、
前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタは、前記出力側の薄膜トランジスタよりも前記高電位電極と近いところに配置されることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9において、前記出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に前記光電変換素子を介して電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
光電変換素子と、
参照用の薄膜トランジスタと出力側の薄膜トランジスタとを有し、前記光電変換素子の出力を増幅するカレントミラー回路と、
高電位電極と低電位電極とを有する電源と、
を有し、
前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記出力側の薄膜トランジスタはp型の薄膜トランジスタであり、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記光電変換素子を介して前記低電位電極と電気的に接続され、
前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタと前記高電位電極との間の電流経路は、前記出力側の薄膜トランジスタと前記高電位電極との間の電流経路よりも短いことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11において、前記出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に前記光電変換素子を介して電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
光電変換素子と、
参照用の薄膜トランジスタと複数の出力側の薄膜トランジスタとを有し、前記光電変換素子の出力を増幅するカレントミラー回路と、
高電位電極と低電位電極とを有する電源と、
を有し、
前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタはp型の薄膜トランジスタであり、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記光電変換素子を介して前記低電位電極と電気的に接続され、
前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタは、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれよりも前記高電位電極と近いところに配置されることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項13において、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に前記光電変換素子を介して電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
光電変換素子と、
参照用の薄膜トランジスタと複数の出力側の薄膜トランジスタとを有し、前記光電変換素子の出力を増幅するカレントミラー回路と、
高電位電極と低電位電極とを有する電源と、
を有し、
前記参照用の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタはp型の薄膜トランジスタであり、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は前記高電位電極と電気的に接続され、
前記参照用の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記光電変換素子を介して前記低電位電極と電気的に接続され、
前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は前記低電位電極と電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタと前記高電位電極との間の電流経路は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれと前記高電位電極との間の電流経路よりも短いことを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
請求項15において、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方は、前記複数の出力側の薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方に前記光電変換素子を介して電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
光電変換素子と、
前記光電変換素子の出力を増幅し、少なくとも2つの薄膜トランジスタを有するカレントミラー回路と、
前記薄膜トランジスタのそれぞれに電気的に接続された高電位電源と、
前記薄膜トランジスタのそれぞれに電気的に接続された低電位電源と、
を有し、
前記薄膜トランジスタのうち、参照側の薄膜トランジスタは、前記低電位電源と近いところに配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
光電変換素子と、
前記光電変換素子の出力を増幅し、参照側の薄膜トランジスタと、複数の出力側の薄膜トランジスタを有するカレントミラー回路と、
前記参照側の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれに、電気的に接続された高電位電源と、
前記参照側の薄膜トランジスタ及び前記複数の出力側の薄膜トランジスタのそれぞれに、電気的に接続された低電位電源と、
前記参照側の薄膜トランジスタは、前記出力側の薄膜トランジスタのそれぞれよりも、前記低電位電源に近いところに配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項19】
請求項17または請求項18において、
前記出力側の薄膜トランジスタのゲート電極は、前記参照側の薄膜トランジスタのゲート電極、及び前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続され、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方は、前記出力側の薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続、
前記参照側の薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方は、前記出力側のソース電極またはドレイン電極の他方に電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2008−109110(P2008−109110A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243405(P2007−243405)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】