説明

半導体装置

【課題】 半導体層にIGBT領域とダイオード領域が混在している半導体装置において、寄生ダイオードの動作を抑制する技術を提供する。
【解決手段】 半導体装置100は、素子範囲と、素子範囲を囲む終端範囲に区画された半導体層15を有する。素子範囲には、IGBT領域10とダイオード領域12が形成されている。半導体層15のうちのダイオード領域12の裏面部は、n型のカソード領域が形成されているカソード部分38aと、上記n型のカソード領域が形成されていない非カソード部分38bを有している。半導体装置100では、非カソード部分38bがダイオード領域12の中心側よりも端部側に相対的に多く存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)領域とダイオード領域を有する半導体層を備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共通の半導体層にIGBT領域とダイオード領域が混在しているモノリシック型の半導体装置が知られており、その一例が特許文献1に開示されている。通常、この種のモノリシック型の半導体装置では、半導体層の素子範囲にIGBT領域とダイオード領域が形成され、その素子範囲を囲むように終端範囲が設けられている。なお、半導体層の終端範囲の表面部には、p型のリサーフ層、p型のガードリング等のp型の半導体領域が形成されていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−141202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らの検討の結果、この種のモノリシック型の半導体装置では、ダイオード領域とIGBT領域の境界、又は、ダイオード領域と終端範囲の境界に、寄生ダイオードが形成され、その寄生ダイオードを介して注入されるキャリアによってスイッチング損失が増大していることが分かってきた。ダイオード領域とIGBT領域の境界では、寄生ダイオードが、半導体層のダイオード領域の裏面部に形成されているn型のカソード領域と、IGBT領域の表面部のp型のボディ領域により形成されている。ダイオード領域と終端範囲の境界では、寄生ダイオードが、半導体層のダイオード領域の裏面部に形成されているn型のカソード領域と、終端範囲の表面部に形成されているp型の半導体領域に形成されている。ダイオード領域が順方向にバイアスされているときに、これらの寄生ダイオードを介して過剰にキャリアが注入され、逆回復電荷量が増大し、スイッチング損失が増大する。
【0005】
本明細書は、共通の半導体層にIGBT領域とダイオード領域が混在している半導体装置において、寄生ダイオードの動作を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される技術は、ダイオード領域とIGBT領域の境界、又は、ダイオード領域と終端範囲の境界に寄生ダイオードが形成されているという新規な知見を契機として創作された。すなわち、本明細書で開示される技術は、ダイオード領域とIGBT領域の境界、及び、ダイオード領域と終端範囲の境界の少なくとも一方において、ダイオード領域のn型のカソード領域の存在部位を選択的に減少させ、寄生ダイオードの動作を抑制することを特徴とする。
【0007】
本明細書で開示される半導体装置は、縦型であり、素子範囲とその素子範囲を囲む終端範囲に区画された半導体層を有する。素子範囲には、IGBT領域とダイオード領域が形成されている。半導体層のうちのダイオード領域の裏面部は、n型のカソード領域が形成されているカソード部分と、n型のカソード領域が形成されていない非カソード部分を有している。非カソード部分は、ダイオード領域の中心側よりも端部側において相対的に多く存在する。このように、ダイオード領域の裏面部にカソード部分と非カソード部分を設けることにより、n型のカソード領域の体積が減少し、キャリアの注入量を抑制することができる。また、非カソード部分をダイオード領域の中心側よりも端部側に多く設けることにより、他の領域に設けられているp型の不純物領域と、カソード領域との間に寄生ダイオードが形成されにくくなる。その結果、ダイオードのスイッチング損失を低減することができる。
【0008】
本明細書で開示される半導体装置では、半導体層のうちのダイオード領域の裏面部は、中心を含んでカソード部分が連続して形成されている中央範囲と、その中央範囲の周囲に存在する端部範囲に区画されていてもよい。この場合、端部範囲では、端部側から中心側に向けて観測したときに、カソード部分と非カソード部分が繰り返し現れていてもよい。このように、端部範囲にカソード部分と非カソード部分が繰り返し設けられていると、ダイオードが順バイアスされているときに、寄生ダイオードが動作することを抑えながら、順方向電流をカソード領域の面内において略均一に流すことができる。
【0009】
本明細書で開示する半導体装置では、非カソード部分が、p型の半導体領域を有していてもよい。p型の半導体領域は、カソード領域として動作しない。この場合、半導体装置の他の領域にp型の不純物を注入する工程と同時に、非カソード部分を形成してもよい。例えば、IGBT領域のコレクタ領域を形成する工程と同時に非カソード部分を形成してもよい。本明細書で開示する半導体装置では、半導体層のうちのIGBT領域の裏面部は、p型のコレクタ領域を有している。IGBT領域のコレクタ領域を形成する工程と同時に非カソード部分を形成すれば、p型のコレクタ領域に含まれるp型不純物と非カソード部分のp型の半導体領域に含まれるp型不純物は、半導体層の厚み方向の濃度プロファイルが同一となる。
【発明の効果】
【0010】
本明細書で開示される技術によると、共通の半導体層にIGBT領域とダイオード領域が混在する半導体装置において、ダイオードのカソード領域と他の領域との間に形成される寄生ダイオードを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1の半導体装置の平面レイアウトを示す。
【図2】図1のII−II線に沿った断面を示す。
【図3】図2のIII-III線沿った断面を示す。
【図4】裏面領域の変形例を示す(1)。
【図5】裏面領域の変形例を示す(2)。
【図6】裏面領域の変形例を示す(3)。
【図7】裏面領域の変形例を示す(4)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び図2に示すように、半導体層15は、素子範囲13と、素子範囲13を囲む終端範囲14に区画されている。素子範囲13には、IGBT領域10とダイオード領域12が隣接して交互に形成されている。半導体装置100は、IGBT領域10とダイオード領域12が混在している縦型であり、半導体層15と、半導体層15の裏面に設けられている裏面電極2と、半導体層15の表面に設けられている表面電極18を備えている。半導体層15の材料は単結晶シリコンであり、裏面電極2の材料はAlSiであり、表面電極18の材料はAlである。なお、裏面電極2の材料はAl又はTiであってもよい。表面18の材料はAlSiであってもよい。
【0013】
IGBT領域10において、半導体層15は、p型のコレクタ領域36とn型のバッファ領域6とn型の低濃度領域8とp型のボディ領域34とn型のキャリア蓄積層35とn型のエミッタ領域32を有する。コレクタ領域36とバッファ領域6は、イオン注入技術を利用して、半導体層15の裏層側に形成されている。ボディ領域34とキャリア蓄積層35とエミッタ領域32は、イオン注入技術を利用して、半導体層15の表層側に形成されている。
【0014】
キャリア蓄積層35は、ボディ領域34内に設けられており、ボディ領域34によって低濃度領域8及びエミッタ領域32から隔てられている。そのため、キャリア蓄積層35の電位はフローティングである。キャリア蓄積層35は、IGBT領域10の全域に亘って設けられている。低濃度領域8は、半導体層15に他の半導体領域を形成した残部である。
【0015】
ダイオード領域12において、半導体層15は、裏面領域38とn型のバッファ領域6とn型の低濃度領域8とp型のアノード領域25を有している。裏面領域38は、カソード領域として機能するn型のカソード部分38aと、カソード領域として機能しないp型の非カソード部分38bを有する。ダイオード領域12は、ダイオード領域12の中心を含んでカソード部分38aが連続している中央範囲12bと、中央範囲12bの周囲に存在する端部範囲12aに区画することができる。端部範囲12aでは、カソード部分38aと非カソード部分38bが交互に繰り返し形成されている。
【0016】
非カソード部分38bは、ダイオード領域12の端部範囲12aに設けられており、中央範囲12bには設けられていない。カソード部分38a,非カソード部分38bは、イオン注入技術を利用して、半導体層15の裏層側に形成されている。バッファ領域6も、イオン注入技術を利用して、半導体層15の裏層側に形成されている。なお、カソード部分38aにはリン(P)がイオン注入されており、非カソード部分38bにはボロン(B)がイオン注入されている。バッファ領域6にはリンがイオン注入されており、表層側(カソード部分38a又は非カソード部分38bに接する側)の不純物濃度は、カソード部分38aの表層の不純物濃度よりも低い。バッファ領域6の不純物濃度は、カソード部分38aの不純物濃度よりも低い。そのため、バッファ領域6は、カソード領域として機能しない。アノード領域25は、イオン注入技術を利用して、半導体層15の表層側に形成されている。低濃度領域8は、半導体層15に他の半導体領域を形成した残部である。
【0017】
図3に示すように、カソード部分38aと非カソード部分38bは、図2の紙面奥行き方向にストライプ状に伸びている。なお、図4に示すように、非カソード部分38bが、図2の紙面奥行き方向に間隔をおいてドット状に形成されていてもよい。あるいは、図5に示すように、カソード部分38aと非カソード部分38bが図2の紙面奥行き方向にストライプ状に伸びている部分と、非カソード部分38bが図2の紙面奥行き方向に間隔をおいてドット状に形成されている部分が混在していてもよい。あるいは、図6に示すように、カソード部分38aと非カソード部分38bが図2の紙面奥行き方向に交互に形成されていてもよい。図6に示すように、非カソード部分38bの幅(紙面奥行き方向の長さ)が、カソード部分38aの幅より短くてもよい。なお、図6のような形態の場合、図2の端部範囲12aには、カソード部分38a又は非カソード部分38bが現れる。
【0018】
終端範囲14において、半導体層15は、p型の裏面領域40とn型のバッファ領域6とn型の低濃度領域8とp型の表面領域16を有する。裏面領域40とn型のバッファ領域6は、イオン注入技術を利用して、半導体層15の裏層側に形成されている。表面領域16は、イオン注入技術を利用して、半導体層15の表層側に形成されている。表面領域16は、アノード領域25よりも半導体層15の深部にまで形成されている。終端範囲14では、横方向の電界の拡がりを考慮した、電界の集中を避ける構造が適用されている。これにより、半導体装置100の耐圧が低下することが抑制される。
【0019】
コレクタ領域36と非カソード部分38bと裏面領域40は、同一の製造工程で作製される。そのため、コレクタ領域36と非カソード部分38bと裏面領域40の厚み方向のp型不純物の濃度分布は、コレクタ領域36と非カソード部分38bと裏面領域40において一致している。また、バッファ領域6は、IGBT領域10とダイオード領域12と終端範囲14において共通であり、同一の製造工程で作製される。そのため、バッファ領域6の厚み方向の濃度分布は、IGBT領域10とダイオード領域12と終端範囲14において一致している。ボディ領域34とアノード領域25も、同一の製造工程で作製される。そのため、ボディ領域34の厚み方向の濃度分布とアノード領域25の厚み方向の濃度分布は一致している。
【0020】
半導体装置100はさらに、IGBT領域10に設けられている複数のトレンチゲート30と、ダイオード領域12に設けられている複数のダミートレンチゲート24を備えている。IGBT領域10とダイオード領域12の境界に設けられているトレンチゲート30を特に、境界トレンチゲート30aと称する。境界トレンチゲート30aでは、一方の側面にはエミッタ領域32が接しており、他方の側面にはエミッタ領域32が接していない。
【0021】
ダイオード領域12と終端範囲14の境界の設けられているダミートレンチゲート24を特に、境界ダミートレンチゲート24aと称する。境界ダミートレンチゲート24aでは、一方の側面にはアノード領域25が接しており、他方の側面にはアノード領域25よりも深いp型の表面領域16が接している。
【0022】
境界トレンチゲート30aに隣接するダミートレンチゲート24、及び、境界ダミートレンチゲート24aに隣接するダミートレンチゲート24を特に、端部ダミートレンチゲート24bと称する。隣り合うトレンチゲート30の間隔、隣り合うダミートレンチゲート24の間隔、及び、境界トレンチゲート30aと端部ダミートレンチゲート24bとの間隔は、いずれも一定である。
【0023】
以下の説明では、ダイオード領域12において、境界トレンチゲート30aと端部ダミートレンチゲート24bの間の範囲、及び、境界ダミートレンチゲート24aと端部ダミートレンチゲート24bの間の範囲を特に、境界範囲12cと称する。また、ダイオード領域12において、端部ダミートレンチゲート24b,24b間の範囲を特に、非境界範囲12dと称する。境界範囲12cは、非境界範囲12dの周囲に存在する。半導体装置100では、非カソード部分38bは、境界範囲12cにのみ形成されており、非境界範囲12dには形成されていない。半導体装置100では、端部範囲12aは、境界範囲12cに含まれる。
【0024】
トレンチゲート30は、ポリシリコンのゲート電極28と、ゲート電極28を被覆している酸化シリコンのゲート絶縁膜26を有している。ゲート電極28は、ゲート配線(図示省略)に電気的に接続されており、駆動電圧が供給される。ゲート電極28は、エミッタ領域32と低濃度領域8の間のボディ領域34に、ゲート絶縁膜26を介して対向している。
【0025】
ダミートレンチゲート24は、ポリシリコンの導電部22と、導電部22を被覆する酸化シリコンの絶縁膜20を有している。導電部22は、表面電極18に電気的に接続されている。なお、導電部22は、ゲート電極28と同様に、図示しないゲート配線に電気的に接続されていてもよく、あるいは、その他の配線に接続されていてもよい。トレンチゲート30とダミートレンチゲート24は、同一の製造工程で作製される。
【0026】
IGBT領域10,ダイオード領域12及び終端範囲14について説明する。IGBT領域10とは、半導体層15の裏面にコレクタ領域36が形成されており、半導体層15の表面にエミッタ領域32が分散して形成されている範囲のことをいう。半導体層15の裏面にコレクタ領域36が形成されており、半導体層15の表面にキャリア蓄積層35が形成されている範囲ということもできる。または、IGBT領域10とは、半導体層15を平面視したときに、境界トレンチゲート30a,30aの間の範囲ということもできる。
【0027】
ダイオード領域12とは、半導体層15の裏面にカソード部分38a又は非カソード部分38bが形成されており、半導体層15の表面にエミッタ領域32及びキャリア蓄積層35が形成されていない範囲のことをいう。または、ダイオード領域12とは、半導体層15を平面視したときに、境界トレンチゲート30aと境界ダミートレンチゲート24aの間の範囲ということもできる。
【0028】
終端範囲14とは、半導体層15の裏面にp型の裏面領域40が形成されており、半導体層15の表面にアノード領域25よりも深いp型の表面領域16が形成されている範囲のことをいう。または、終端範囲14とは、半導体層15を平面視したときに、境界ダミートレンチゲート24aよりも外側の範囲ということもできる。
【0029】
半導体装置100の動作について説明する。半導体装置100は、例えば、モータの負荷に接続されるインバータ回路等に用いられる。インバータ回路では、IGBT10がオフしているときに、ダイオード領域12に還流電流が流れる。このときに、裏面領域38のカソード部分38aから低濃度領域8に電子が供給され、アノード領域25から低濃度領域8に正孔が供給される。ダイオード領域12に逆バイアスが印加されると、電子がカソード部分38aから排出され、正孔がアノード領域25から排出される。
【0030】
半導体装置100では、非カソード部分38bが、ダイオード領域12の端部側に設けられている。そのため、ダイオード領域12の端部側では、n型のカソード部分38aが相対的に減少する。IGBT領域12のp型のボディ領域34と裏面領域38で形成される寄生ダイオードの動作を抑制することができる。同様に、終端範囲14のp型の表面領域16と裏面領域38で形成される寄生ダイオードの動作を抑制することができる。そのため、半導体装置100では、キャリアが、寄生ダイオードを介して低濃度領域8に過剰に注入されることが抑制され、スイッチング損失を低減することができる。また、ダイオード領域12の端部側において、カソード部分38aと非カソード部分38bが繰り返し現れている。カソード部分38aがダイオード領域12の端部側で分散されるので、寄生ダイオードが動作することを抑えながら、順方向電流を低濃度領域8の全体に流すことができ、電流が偏って流れることを抑制することができる。
【0031】
図7は、裏面領域38の変形例を示す。図7では、非カソード部分38bが、ダイオード領域12の中心に形成されている。そのため、図2〜図6に示すような中央範囲12bが存在しない。しかしながら、非カソード部分38bが非境界範囲12dよりも境界範囲12cに多く存在するので、裏面領域38と、IGBT10のボディ領域34,終端範囲14の表面領域16で形成される寄生ダイオードの動作を抑制することができる。なお、非境界範囲12dに形成されている非カソード部分38bの幅は、境界範囲12cに形成されている非カソード部分38bの幅よりも広くてよい。非境界範囲12dに幅広の非カソード部分38bが形成されていても、順方向電流を低濃度領域8の全体に流すことができる。
【0032】
非カソード部分38bは、カソード領域として機能しない材料であればよい。例えば、非カソード部分38bは、絶縁膜,高抵抗層であってもよい。非カソード部分38bが絶縁膜の場合、非カソード部分38bは、ダイオード領域12の裏面領域38に選択的に溝を形成し、その溝内に絶縁体を埋め込んで作製してもよい。非カソード部分38bが高抵抗層の場合、ダイオード領域12の裏面領域38の全面にn型の不純物をイオン注入し、さらに裏面領域38に選択的にp型の不純物をイオン注入して作製してもよい。この場合、p型の不純物がイオン注入されなかった部分が、カソード部分38aに相当する。なお、高抵抗層は、カソード領域として機能しなければ、n型であってもp型であってもよい。また、非カソード部分38bは、IGBT領域10に隣接する側のダイオード領域12にだけ設けられていてもよいし、終端範囲14に隣接する側のダイオード領域12にだけ設けられていてもよい。
【0033】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0034】
10:IGBT領域
12:ダイオード領域
12a:端部範囲
12b:中央範囲
13:素子範囲
14:終端範囲
15:半導体層
36:コレクタ領域
38:裏面部
38a:カソード部分
38b:非カソード部分
100:半導体装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子範囲とその素子範囲を囲む終端範囲に区画された半導体層を有する縦型の半導体装置であって、
前記素子範囲には、IGBT領域とダイオード領域が形成されており、
前記半導体層のうちの前記ダイオード領域の裏面部は、n型のカソード領域が形成されているカソード部分と、前記n型のカソード領域が形成されていない非カソード部分を有しており、
前記非カソード部分が前記ダイオード領域の中心側よりも端部側において相対的に多く存在する半導体装置。
【請求項2】
前記半導体層のうちの前記ダイオード領域の裏面部は、中心を含んで前記カソード部分が連続して形成されている中央範囲と、その中央範囲の周囲に存在する端部範囲に区画され、
前記端部範囲では、端部側から中心側に向けて観測したときに、前記カソード部分と前記非カソード部分が繰り返し現れる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記非カソード部分は、p型の半導体領域を有する請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体層のうちの前記IGBT領域の裏面部は、p型のコレクタ領域を有しており、
前記p型のコレクタ領域に含まれるp型不純物と前記非カソード部分のp型の半導体領域に含まれるp型不純物は、前記半導体層の厚み方向の濃度プロファイルが同一である請求項3に記載の半導体装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−80796(P2013−80796A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219553(P2011−219553)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】