説明

印刷システム、印刷装置及びデータ送信サーバ

【課題】 印刷システムにおいて印刷データの表す画像を印刷しつつ課金がされないようにする不正行為を防止する。
【解決手段】 印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する機能を備えた複合機と、複合機へ印刷データを送信する機能サーバとが、ネットワークを介してデータ通信可能に構成された印刷システムにおいて、複合機は、機能サーバから送信されてくる印刷データの受信を完了(印刷データの記憶を完了)すると、受信完了通知を機能サーバへ送信する。一方、機能サーバは、その受信完了通知を受信すると(S413:YES)、送信した印刷データについての課金処理を実行する(S415)。このため、本印刷システムによれば、印刷データの表す画像の印刷が完了した場合に課金処理を実行する構成に比べ、不正行為を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する印刷装置と印刷装置へ印刷データを送信するデータ送信サーバとがデータ通信可能に構成された印刷システム、並びに、印刷システムを構成する印刷装置及びデータ送信サーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介してサービスを提供し、そのサービスに対する課金を行うシステムが知られている。こうしたシステムにおいては、サービスが完了する前に課金を行うようにすると、何らかの異常によりサービスが正常に完了しなかった場合にまで課金が行われてしまうこととなるため、サービスが正常に完了したことを確認した後に課金を行う構成が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ゲーム機とファイルサーバとが通信回線を介して接続されたシステムが開示されており、このシステムでは、ユーザによって操作されるゲーム機が通信回線を介してファイルサーバからゲームプログラムなどのファイルをダウンロードしたことを、ファイルサーバ側の課金管理システムが確認した後に課金処理を行うようにしている。
【0004】
一方、印刷データの表す画像を用紙等の記録媒体に印刷する印刷装置と、印刷装置へ印刷データを提供するサーバとが、データ通信可能に構成された印刷システムが知られている。そして、こうした印刷システムにおいても、サーバの提供する印刷データの表す画像を印刷装置で印刷することに対し課金を行うことが提案されており、例えば、特許文献2には、印刷装置で印刷データの表す画像の印刷が完了することにより課金を行うシステムが開示されている。具体的には、クライアント装置、サーバ装置及び印刷装置をネットワーク上に有する印刷システムが開示されており、この印刷システムにおいて、クライアント装置は、印刷データを作成してサーバ装置へ送信し、サーバ装置は、その印刷データを印刷装置へ送信する。そして、印刷装置は、サーバ装置から受信した印刷データの表す画像を印刷し、印刷が完了すると、印刷コストに関する情報をサーバ装置へ送信する。サーバ装置は、印刷装置から受信した印刷コストに関する情報に基づいて、印刷の際の実際の印刷コストを実測して印刷コスト実測値を求め、既に記憶されている印刷コスト累積値に対して、印刷コスト実測値を累積加算することにより、印刷コスト累積値を更新する(つまり、課金を行う)。
【特許文献1】特開2001−357312号公報
【特許文献2】特開2001−195224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のように課金が正常に完了したことを確認した後に課金を行うシステムでは、サービスが正常に完了しなかった場合には課金が全くされないこととなる。
ここで、上記特許文献1に記載のシステムのように、ゲームプログラムをダウンロードするサービスでは、何らかの異常によりダウンロードが正常に完了しなかった場合、そのゲームプログラムを使用することができない。
【0006】
これに対し、上記特許文献2に記載の印刷システムのように、印刷データの表す画像を印刷するサービスでは、何らかの異常により印刷データの表す画像の印刷が正常に完了しなかったとしても、正常に印刷された分の印刷物については利用可能となる。このため、印刷データの表す画像の印刷が完了する直前に、意図的にエラーを発生させて印刷装置を印刷データの表す画像の印刷が行えない状態とすることにより、印刷データの表す画像の大部分を印刷しつつ、課金については全くされないようにするといった不正行為が行われてしまうことが考えられる。特に、印刷装置では、記録媒体がセットされていない場合や、インクやトナー等が切れた場合などのように、印刷データの表す画像を印刷できない状態が比較的生じやすいことから、印刷データの表す画像を印刷できない状態になったとしても、それが意図的なものであるか否かを判断することは困難である。
【0007】
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、印刷システムにおいて印刷データの表す画像を印刷しつつ課金がされないようにする不正行為を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の印刷システムは、印刷データ(印刷用の画像を表す画像データ)の表す画像を記録媒体(画像が印刷される媒体であり、例えば、用紙等のシート状媒体)に印刷する印刷装置と、印刷装置へ印刷データを送信するデータ送信サーバとが、データ通信可能に構成されたものである。なお、「印刷装置」は、印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する構成を有しているものであればよく、例えば、プリンタ、ファクシミリ、コピー機、これらの複合機等が挙げられる。
【0009】
そして、本印刷システムにおいて、印刷装置は、記憶手段と、印刷手段とを備えており、記憶手段が、データ送信サーバから受信した印刷データの全データを記憶し、印刷手段が、記憶手段に記憶された印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する。
【0010】
また、本印刷システムにおいて、データ送信サーバは、印刷データ送信手段と、判定手段と、課金手段とを備えており、印刷データ送信手段が、印刷装置へ印刷データを送信し、判定手段が、印刷装置において印刷データ送信手段により送信された印刷データの受信が完了したか否かを判定し、判定手段により印刷データの受信が完了したと判定された場合に、課金手段が、印刷データ送信手段により送信された印刷データについての課金処理を実行する。
【0011】
つまり、本印刷システムにおいて、印刷装置は、データ送信サーバから送信される印刷データ(課金処理の対象となる印刷データ)の全データ(印刷データの一部のみではなく全部)を記憶手段に記憶する。そして、データ送信サーバは、印刷装置において印刷データの受信が完了した場合、換言すれば、印刷データの全データの記憶が完了した場合に、その印刷データについての課金処理を実行する。
【0012】
このため、本発明の印刷システムによれば、印刷装置において印刷データの表す画像の印刷が完了した場合に課金処理を実行する構成に比べ、不正行為を防止することができる。すなわち、印刷が完了した場合に課金処理を実行する構成では、印刷が完了する直前に意図的に印刷装置を印刷不能な状態とすることにより、印刷データの表す画像の大部分を印刷しつつ課金処理については全く実行されないようにするといった不正行為が可能となってしまう。これに対し、本発明の印刷システムでは、印刷装置が印刷データの表す画像を印刷可能な状態であるか否かに関係なく、印刷装置において印刷データの受信が完了した段階で課金処理を実行するようにしているため、上述したような不正行為を防止することができるのである。また、本印刷システムでは、印刷装置が印刷データの全データを記憶するように構成されているため、仮に、印刷データの受信が完了した段階で印刷装置が印刷データの表す画像を印刷できない状態であったとしても、その後に印刷可能な状態となった時点で、記憶している印刷データに基づきその印刷データの表す画像を印刷することができる。
【0013】
ところで、データ送信サーバの判定手段による判定(印刷装置において印刷データの受信が完了したか否かの判定)は、具体的には、例えば請求項2又は請求項3のように行うことができる。
【0014】
すなわち、請求項2に記載の印刷システムでは、上記請求項1の印刷システムにおいて、データ送信サーバの判定手段は、印刷データ送信手段による印刷データの送信が完了した場合に、印刷装置において印刷データ送信手段により送信された印刷データの受信が完了したと判定する。この構成によれば、印刷装置において印刷データの受信が完了したか否かを、データ送信サーバ側で容易に判定することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の印刷システムでは、上記請求項1の印刷システムにおいて、印刷装置は、受信完了通知手段を備えており、この受信完了通知手段が、データ送信サーバからの印刷データの受信が完了した場合に、その旨を通知するための受信完了通知データをデータ送信サーバへ送信する。そして、データ送信サーバの判定手段は、印刷装置から受信完了通知データを受信した場合に、印刷装置において印刷データ送信手段により送信された印刷データの受信が完了したと判定する。この構成によれば、印刷装置において印刷データの受信が完了したか否かを、データ送信サーバ側で正確に判定することができる。すなわち、通信エラー等の原因により、印刷データ送信手段による印刷データの送信が完了したにもかかわらず、印刷装置において印刷データの受信が正常に完了しないことが生じ得るため、上記請求項2の構成では、印刷装置において印刷データの受信が正常に完了していないにもかかわらず受信が完了したと判定してしまう可能性がある。これに対し、本請求項3の構成では、印刷装置からの通知に基づき受信の完了を判定するようにしているため、印刷装置において印刷データの受信が正常に完了していないにもかかわらず受信が完了したと判定してしまうことを防ぐことができる。
【0016】
一方、印刷装置において、印刷データの全データの受信が完了する前に、既に受信されている一部の印刷データに基づきその印刷データの表す画像の印刷が開始されると、課金処理が実行されていないにもかかわらず印刷データの表す画像の一部が印刷されてしまうこととなる。
【0017】
そこで、請求項4に記載の印刷システムでは、上記請求項1〜3のいずれかの印刷システムにおいて、データ送信サーバは、印刷許可送信手段を備えており、課金手段により印刷データについての課金処理が実行された場合に、印刷許可送信手段が、その印刷データの表す画像を記録媒体に印刷することを許可するための印刷許可データを印刷装置へ送信する。そして、印刷装置の印刷手段は、データ送信サーバから印刷許可データを受信した後に、課金処理が実行された印刷データの表す画像の印刷が可能となるように構成されている。
【0018】
つまり、本印刷システムでは、印刷装置における印刷データの表す画像の印刷を、その印刷データについての印刷許可データがデータ送信サーバから送信されるまでは(課金処理が実行されるまでは)禁止するようにしている。
【0019】
このため、本印刷システムによれば、課金処理の実行されていない印刷データの表す画像の印刷が行われてしまうことを防ぐことができる。
ところで、記憶手段は、請求項5のように構成されていることが好ましい。
【0020】
すなわち、請求項5に記載の印刷システムでは、上記請求項1〜4のいずれか1項の印刷システムにおいて、記憶手段は、不揮発性の記憶媒体(例えば、ハードディスク等の磁気ディスクやフラッシュメモリ等の半導体メモリなど)である。この構成によれば、印刷装置の電源が切られた後も印刷データの記憶を保持することができる。このため、印刷データの受信が完了した段階で印刷装置が印刷データの表す画像を印刷できない状態であったとしても、その後に確実に印刷することができる。
【0021】
次に、請求項6に記載の印刷装置は、印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する印刷装置と、印刷装置へ印刷データを送信し、印刷装置において印刷データの受信が完了した場合に、送信した印刷データについての課金処理を実行するデータ送信サーバとが、データ通信可能に構成された印刷システムに用いられるものである。そして、本印刷装置は、記憶手段と、印刷手段とを備えており、記憶手段が、データ送信サーバから受信した印刷データの全データを記憶し、印刷手段が、記憶手段に記憶された印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する。
【0022】
このような印刷装置によれば、仮に、印刷データの受信が完了した段階で印刷データの表す画像を印刷できない状態であったとしても、その後に印刷可能な状態となった時点で、記憶している印刷データに基づきその印刷データの表す画像を印刷することができる。このため、データ送信サーバは、印刷データの表す画像を印刷可能な状態であるか否かに関係なく、印刷装置において印刷データの受信が完了した段階で課金処理を実行することが可能となり、その結果、不正行為を防止することができる。
【0023】
一方、請求項7に記載のデータ送信サーバは、受信した印刷データの全データを記憶し、その記憶した印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する印刷装置と、印刷装置へ印刷データを送信するデータ送信サーバとが、データ通信可能に構成された印刷システムに用いられるものである。そして、本データ送信サーバは、印刷データ送信手段と、判定手段と、課金手段とを備えており、印刷データ送信手段が、印刷装置へ印刷データを送信し、判定手段が、印刷装置において印刷データ送信手段により送信された印刷データの受信が完了したか否かを判定し、課金手段が、判定手段により印刷データの受信が完了したと判定された場合に、印刷データ送信手段により送信された印刷データについての課金処理を実行する。
【0024】
このようなデータ送信サーバによれば、印刷装置が印刷データの表す画像を印刷可能な状態であるか否かに関係なく、印刷装置において印刷データの受信が完了した段階で課金処理を実行するようにしているため、不正行為を防止することができる。しかも、印刷装置が印刷データの全データを記憶するように構成されているため、仮に、印刷データの受信が完了した段階で印刷装置が印刷データの表す画像を印刷できない状態であったとしても、その後に印刷可能な状態となった時点で、記憶している印刷データに基づきその印刷データの表す画像を印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、実施形態の印刷システムの概略構成を表すブロック図である。
この印刷システムは、複数の複合機10,10,…と、機能サーバ20とが、ネットワーク1(本実施形態ではインターネット)を介してデータ通信可能に構成されたものである。
【0026】
複合機10は、電話(音声通信)機能、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を有する多機能装置であり、制御部11、操作部12、読取部13、記録部14、通信部15、記憶部16、音入力部17及び音出力部18を備えている。
【0027】
制御部11は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、複合機10を構成する各部を統括制御する。
操作部12は、複合機10の外表面(図示しないケーシング)に配置された操作パネル12a(図2)により、利用者(ユーザ)からの入力操作を受けるとともに、利用者に対して各種情報を表示する。具体的には、操作パネル12aには、利用者からの入力操作を受けるための入力部(キー群)として、コピーキー41、スキャナキー42、FAXキー43、サービスキー44、設定キー45、上下左右の方向キー46,47,48,49、OKキー50及びキャンセルキー51が設けられており、さらに、利用者に対して各種情報を表示するための表示部として、ディスプレイ52が設けられている。そして、操作部12は、操作パネル12aで行われた入力操作の内容を制御部11に入力するとともに、制御部11からの指令に応じて利用者に対する各種情報(メッセージ等)をディスプレイ52に表示する。
【0028】
読取部(スキャナ)13は、制御部11からの指令に基づき、所定の原稿読取位置にセットされた原稿の画像を、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等の周知のイメージセンサによって読み取り、この画像を表す画像データを生成する。
【0029】
記録部(プリンタ)14は、制御部11からの指令に基づき、記録媒体としての用紙を複数枚収容可能な給紙カセット(給紙トレイ)から1枚ずつ用紙を給紙し、レーザ転写方式、インクジェット方式等の周知の画像記録方式によって画像データ(印刷データ)の表す画像を用紙に印刷して、排紙トレイへ排紙するといった印刷動作を行う。なお、記録部14により印刷される画像データとしては、例えば、読取部13で生成された画像データ、ファクシミリ機能により受信したファクシミリデータ、パーソナルコンピュータ(図示省略)や機能サーバ20等の外部装置から受信した画像データなどが挙げられる。
【0030】
通信部15は、ネットワーク1を介してデータを送受信するための処理を行う。
記憶部16は、図示しないハードディスクに各種データを記憶する。
音入力部17は、本複合機10が備える図示しないハンドセット(受話器)に設けられたマイクから音を入力し、その音を表す音データ(PCMデータ)を生成する。
【0031】
音出力部18は、音データの表す音を、ハンドセットに設けられたスピーカ、又は、複合機10本体に設けられた図示しないスピーカから出力する。
次に、機能サーバ20の構成について説明する。
【0032】
機能サーバ20は、複合機10からの要求により、その要求元の複合機10に対するサービスの提供を行うためのものであり、制御部21、通信部22及び記憶部23を備えている。
【0033】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、機能サーバ20を構成する各部を統括制御する。
通信部22は、ネットワーク1を介してデータを送受信するための処理を行う。
【0034】
記憶部23は、図示しないハードディスクに各種データを記憶する。具体的には、記憶部23には、後述する課金情報(図3)を記憶するための課金情報記憶部24と、後述するセッション管理情報(図10)を記憶するためのセッション管理情報記憶部25と、後述するサービスプログラムを記憶するためのサービスプログラム記憶部26と、後述する出力データを記憶するためのサービス出力情報記憶部27とが設けられている。
【0035】
ここで、サービスプログラム記憶部26に記憶されるサービスプログラムとは、複合機10にサービスを提供するために実行されるプログラムである。すなわち、サービスプログラム記憶部26には、複合機10に提供可能な複数種類のサービスに対応する複数種類のサービスプログラムが記憶されており、サービスプログラムが実行されることにより、そのサービスプログラムに対応するサービスが複合機10に提供される。具体的なサービスの内容としては、例えば、複合機10の読取部13で原稿から読み取られたテキストを翻訳し、翻訳後のテキストを表す印刷データを生成して複合機10の記録部14に印刷させるという翻訳コピーサービス、特定のデータベースから最新のニュースデータを取得し、この取得情報を表す印刷データを生成して複合機10の記録部14に印刷させるというニュース提供サービス、複合機10の読取部13で原稿から読み取られたテキストを音声に変換し、その音声を複合機10の音出力部18に出力させるという音読サービスなどがある。
【0036】
次に、本実施形態の印刷システムにおいて行われる処理の概要について説明する。
複合機10は、利用者により操作パネル12aのサービスキー44が押されると、機能サーバ20の提供可能な(複合機10の利用可能な)複数種類のサービスから所望のサービスを利用者に選択させるためのサービス選択用画面(図示省略)を、操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。なお、機能サーバ20の提供可能なサービスの内容は、あらかじめ複合機10に記憶させておくようにしてもよいが、例えば、機能サーバ20の提供可能なサービスの内容を表すデータが外部(機能サーバ20やその他のサーバ等)から複合機10へ提供される構成とすれば、機能サーバ20の提供可能なサービスに変更が生じる環境においても最新のサービスを選択可能となる。
【0037】
そして、複合機10は、ディスプレイ52に表示したサービス選択用画面で利用者によるサービスの選択操作が行われると、その利用者にユーザID及びパスワードを入力させるためのID入力用画面(図示省略)を、操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。
【0038】
ここで、ユーザID及びパスワードは、機能サーバ20により提供されるサービスを受けるために必要な利用者固有の識別情報であり、機能サーバ20を用いてサービスを提供するサービス提供事業者に対し、複合機10の利用者が別途ユーザ登録の手続きを行うことにより付与される。すなわち、本印刷システムにおいて、機能サーバ20は、提供したサービスの対価を、サービスを要求した利用者ごとに徴収するための課金処理を行うように構成されており、ユーザID及びパスワードは、機能サーバ20側でサービス要求元の利用者を識別するために用いられる。なお、ユーザ登録の手続きは、例えば、複合機10の操作パネル12aや、パーソナルコンピュータ等を介して行うことができる。
【0039】
また、ユーザ登録の手続において、利用者は、決済方法(クレジットカード、プリペイドカード、デビットカード等)や、決済付随情報(クレジットカード番号、カードの暗証番号等の決済に必要な情報)を登録するようになっており、こうした情報は、機能サーバ20の課金情報記憶部24に課金情報として記憶される。具体的には、図3に示すように、課金情報記憶部24には、課金情報として、ユーザID、パスワード、決済方法、決済付随情報、未決済課金金額及びロック情報が記憶される。ここで、未決済課金金額とは、決済処理(口座からの引き落とし等)がまだ行われていない課金金額の累積値(決済予定の金額)を表す。また、ロック情報とは、課金情報が書き換え可能な状態であるか否かを示すものであり、「FALSE(非ロック状態)」が書き換え可能な状態であることを示し、「TRUE(ロック状態)」が書き換え禁止状態であることを示す。そして、課金情報の書き換え処理を行っている間は、ロック情報を「TRUE」にする。つまり、ロック情報は、異なる複数の処理に基づき課金情報の書き換え処理が同時に行われないようにするために用いられる。
【0040】
そして、複合機10は、ディスプレイ52に表示したID入力用画面で利用者によるユーザID及びパスワードの入力操作が行われると、サービス選択用画面で選択されたサービスを機能サーバ20に要求する処理を行う。
【0041】
一方、機能サーバ20は、複合機10からサービスの要求を受けると、そのサービスに応じたサービスプログラムを実行することにより、サービス内容に応じたデータ(印刷データや音データ等であり、以下「出力データ」ともいう。)をサービス要求元の複合機10へ送信する。そして、機能サーバ20は、複合機10において出力データの受信が完了したと判断した時点で、そのサービスについての課金処理(具体的には、課金情報記憶部24に記憶されている課金情報の未決済課金金額を更新する処理)を実行する。
【0042】
また、本印刷システムにおいて、複合機10は、機能サーバ20に対し、出力データの再送を要求することができるように構成されている。すなわち、機能サーバ20は、複合機10へ送信する出力データを記憶部23のサービス出力情報記憶部27に保存(記憶)するように構成されており、複合機10からの再送要求に応じてその出力データを複合機10へ送信する処理を行う。一方、複合機10は、操作パネル12aで利用者により所定の再送用操作が行われることにより、再送要求する出力データを利用者に選択させるための再送データ選択用画面(図4)を、操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。具体的には、複合機10は、機能サーバ20にサービスを要求するごとに、そのサービス要求を特定するための情報(後述するセッションID及びサービスを要求した日時の情報(日時情報))を記憶部16に保存(記憶)するように構成されており(後述するサービス利用処理(図5)におけるS110)、再送データ選択用画面として、記憶部16に記憶されている日時情報を一覧表示する。そして、複合機10は、ディスプレイ52に表示した再送データ選択用画面で利用者による日時情報の選択が行われると、サービスを要求する場合と同様、その利用者にユーザID及びパスワードを入力させるためのID入力用画面を、操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。そして、このID入力用画面で利用者によりユーザID及びパスワードの入力操作が行われると、再送データ選択用画面で選択された日時情報に対応する出力データの送信を機能サーバ20に要求する処理を行う。
【0043】
また、本印刷システムにおいて、機能サーバ20のサービス出力情報記憶部27に保存されている出力データは、複合機10からの入力操作により削除される。すなわち、複合機10は、操作パネル12aで利用者により所定の削除用操作が行われることにより、削除要求する出力データを利用者に選択させるための削除データ選択用画面を、操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。具体的には、上記再送データ選択用画面(図4)と同様、削除要求する出力データを特定するための情報として、記憶部16に記憶されている日時情報を一覧表示する。そして、複合機10は、ディスプレイ52に表示した削除データ選択用画面(図4と同様の画面)で利用者による日時情報の選択が行われると、サービスを要求する場合と同様、その利用者にユーザID及びパスワードを入力させるためのID入力用画面を、操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。そして、このID入力用画面で利用者によりユーザID及びパスワードの入力操作が行われると、削除データ選択用画面で選択された日時情報に対応する出力データの削除を機能サーバ20に要求する処理を行う。
【0044】
次に、複合機10及び機能サーバ20の各制御部11,21により実行される具体的処理内容について説明する。
まず、複合機10の制御部11が行うサービス利用処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。このサービス利用処理は、複合機10の操作パネル12aのディスプレイ52に表示したサービス選択用画面でサービスの選択操作が行われ、更にID入力用画面でユーザID及びパスワードの入力操作が行われることにより開始される。なお、サービス利用処理の具体的内容は、要求するサービスによって異なる部分があるため(例えば、原稿の画像を読取部13で読み取る必要があるか否か等)、ここでは「翻訳コピー」が選択された場合を例にとって説明する。
【0045】
このサービス利用処理が開始されると、まず、S101で、サービス選択用画面で選択されたサービス(この例では、翻訳コピーサービス)を機能サーバ20に要求するためのサービス起動指令と、ID入力用画面で入力されたユーザID及びパスワード(サービスを要求する利用者のユーザID及びパスワード)とを、機能サーバ20へ送信する処理を行う。
【0046】
続いて、S102では、S101でのサービス起動指令の送信に対して機能サーバ20から送信されてくるセッションID及びパラメータ要求指令を受信する。ここで、セッションIDとは、サービス要求ごとに固有の識別情報であり、機能サーバ20側で複数のサービス要求に関する通信を識別するために用いられる。すなわち、本サービス利用処理における以降の処理(具体的には、S105,S109,S112,S114)において、複合機10は、機能サーバ20へ送信すべきデータをそのセッションIDとともに送信し、機能サーバ20は、受信したセッションIDに基づきどのサービス要求に関するデータであるかを特定するのである。なお、セッションIDは、機能サーバ20の制御部21により実行される後述の翻訳コピーサービス(図9)におけるS401で生成され、S402でパラメータ要求指令とともにサービス起動指令の送信元の複合機10へ送信される。
【0047】
続いて、S103では、S102で受信したパラメータ要求指令に基づき、サービス(この例では、翻訳コピーサービス)に必要なパラメータを利用者に設定させるためのパラメータ入力用画面を、操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。具体的には、パラメータ要求指令には、図6に示すパラメータ入力用画面を表すXML(eXtensible Markup Language)データが含まれており、複合機10は、このXMLデータに基づきパラメータ入力用画面をディスプレイ52に表示する。そして、この例では、翻訳コピーサービスの翻訳言語として選択可能な複数種類のパラメータ(「英語→日本語」及び「日本語→英語」)が表示され、操作パネル12aにおける上下方向の方向キー46,47の押し操作によりパラメータを選択するためのカーソル(図6に示す破線の長方形)を上下に移動させてOKキーを押すことにより、パラメータの選択を行うようになっている。なお、他のサービスであれば、そのサービスに必要なパラメータ(例えば、ニュース提供サービスであれば、ニュースのカテゴリや発行元等)を設定することとなる。また、パラメータの設定が不要なサービスについては、S102でパラメータ要求指令が受信されず、S103〜S105の処理が行われないこととなる。
【0048】
続いて、S104では、S103でディスプレイ52に表示したパラメータ入力用画面で利用者によりパラメータが選択されるまで待機し、パラメータが選択されるとS105へ移行する。
【0049】
S105では、S104で選択されたパラメータ(「英語→日本語」又は「日本語→英語」)を、機能サーバ20へ送信する処理を行う。
続いて、S106では、S105でのパラメータの送信に対して機能サーバ20から送信されてくる画像入力指令を受信する。この画像入力指令は、サービスの提供に必要な画像データ(この例では、翻訳対象の原稿の画像データ)の送信を複合機10に要求するものである。なお、画像入力指令は、機能サーバ20の制御部21により実行される後述の翻訳コピーサービス(図9)におけるS404で複合機10へ送信される。
【0050】
続いて、S107では、翻訳対象の原稿を読取部13に読み取らせる操作を利用者に促すためのメッセージ(例えば、「原稿をセットしてOKキーを押してください」)を、操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。
【0051】
続いて、S108では、利用者により原稿の読み取り操作が行われるまで待機し、読み取り操作が行われるとS109へ移行する。
S109では、S108で原稿から読み取った画像を表す画像データ(読取部13で生成された画像データ)を、機能サーバ20へ送信する処理を行う。なお、読取部13での原稿の読み取りが不要なサービス(例えば、ニュース提供サービス)であれば、S106〜S109の処理が行われないこととなる。
【0052】
続いて、S110では、S102で受信したセッションIDを、現在の日時と対応させて記憶部16に保存する。つまり、サービスを要求した日時の情報(日時情報)及びセッションIDを、サービス要求の履歴として記憶部16に保存するのである。なお、ここで保存したデータは、出力データの再送を要求する場合や、出力データの削除を要求する場合に用いられる。
【0053】
続いて、S111では、機能サーバ20から送信されてくる出力データ(この例では、翻訳後の印刷データ)の受信を開始する。そして、受信した出力データについては記憶部16に記憶する。なお、後述するS115で機能サーバ20からの出力開始指令を受信するまでは、受信した出力データの出力が禁止されるようになっている。
【0054】
続いて、S112では、出力データの受信を開始したことを通知するための受信開始通知を、機能サーバ20へ送信する。
続いて、S113では、出力データの受信が完了したか否か(換言すれば、出力データの全データが記憶部16に記憶されたか否か)を判定し、出力データの受信が完了したと判定すると、S114へ移行する。
【0055】
S114では、出力データの受信が完了したことを通知するための受信完了通知(本発明の受信完了通知データに相当)を、機能サーバ20へ送信する。これにより、機能サーバ20において課金処理(課金情報更新処理)が実行されることとなる。
【0056】
続いて、S115では、S114での受信完了通知の送信に対して機能サーバ20から送信されてくる出力開始指令(本発明の印刷許可データに相当)を受信する。なお、出力開始指令は、機能サーバ20の制御部21により実行される後述の翻訳コピーサービス(図9)におけるS417で、受信完了通知の送信元の複合機10へ送信される。
【0057】
続いて、S116では、記憶部16に記憶した出力データ(機能サーバ20から受信した出力データ)の出力(この例では、印刷データの表す画像の印刷)を行う。その後、本サービス利用処理を終了する。
【0058】
次に、複合機10の制御部11が行う出力情報送信要求処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、この出力情報送信要求処理は、複合機10の操作パネル12aのディスプレイに表示した再送データ選択用画面(図4)で日時情報の選択が行われ、更にID入力用画面でユーザID及びパスワードの入力操作が行われることにより開始される。
【0059】
この出力情報送信要求処理が開始されると、まず、S201で、出力データの送信を機能サーバ20に要求するための出力指令と、再送データ選択用画面で選択された日時情報に対応するセッションID(選択された日時情報と対応させて記憶部16に保存されているセッションID)と、ID入力用画面で入力されたユーザID及びパスワードとを、機能サーバ20へ送信する処理を行う。なお、本出力情報送信要求処理における以降の処理(具体的には、S206,S208)においても、複合機10は、機能サーバ20へ送信すべきデータをそのセッションIDとともに送信し、機能サーバ20は、受信したセッションIDに基づきどのサービス要求に関するデータであるかを特定する。
【0060】
続いて、S202では、S201での出力指令の送信に対して機能サーバ20から送信されてくる情報を受信する。ここで受信される情報とは、機能サーバ20が出力データを送信可能であるか否かを示す情報であり、例えば、送信したパスワードが誤っていた場合や、送信したセッションIDに対応する出力データがサービス出力情報記憶部27に保存されていない場合には、エラーである旨の情報が送信されてくる。なお、この情報は、機能サーバ20の制御部21により実行される後述の出力情報送信処理(図11)におけるS502又はS503で、出力指令の送信元の複合機10へ送信される。
【0061】
続いて、S203では、S202で受信した情報がエラーである旨の情報であるか否かを判定する。
このS203で、受信した情報がエラーである旨の情報であると判定した場合には、S204へ移行し、エラーである旨のメッセージを操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。その後、本出力情報送信要求処理を終了する。
【0062】
一方、S203で、受信した情報がエラーである旨の情報でない(出力データを送信可能である旨の情報である)と判定した場合には、S205へ移行し、機能サーバ20から送信されてくる出力データ(例えば、印刷データや音データ)の受信を開始する。そして、受信した出力データについては記憶部16に記憶する。なお、後述するS209で機能サーバ20からの出力開始指令を受信するまでは、受信した出力データの出力が禁止されるようになっている。
【0063】
続いて、S206では、出力データの受信を開始したことを通知するための受信開始通知を、機能サーバ20へ送信する。
続いて、S207では、出力データの受信が完了したか否か(換言すれば、出力データの全データが記憶部16に記憶されたか否か)を判定し、出力データの受信が完了したと判定すると、S208へ移行する。
【0064】
S208では、出力データの受信が完了したことを通知するための受信完了通知を、機能サーバ20へ送信する。
続いて、S209では、S208での受信完了通知の送信に対して機能サーバ20から送信されてくる出力開始指令を受信する。なお、出力開始指令は、機能サーバ20の制御部21により実行される後述の出力情報送信処理(図11)におけるS512で、受信完了通知の送信元の複合機10へ送信される。
【0065】
続いて、S210では、記憶部16に記憶した出力データ(機能サーバ20から受信した出力データ)の出力(例えば、印刷データの表す画像の印刷、音データの表す音の出力)を行う。その後、本出力情報送信要求処理を終了する。
【0066】
次に、複合機10の制御部11が行う出力情報削除要求処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。なお、この出力情報削除要求処理は、複合機10の操作パネル12aのディスプレイに表示した削除データ選択用画面(図4と同様の画面)で日時情報の選択が行われ、更にID入力用画面でユーザID及びパスワードの入力操作が行われることにより開始される。
【0067】
この出力情報削除要求処理が開始されると、まず、S301で、出力データの削除を機能サーバ20に要求するための削除指令と、削除データ選択用画面で選択された日時情報に対応するセッションID(選択された日時情報と対応させて記憶部16に保存されているセッションID)と、ID入力用画面で入力されたユーザID及びパスワードとを、機能サーバ20へ送信する処理を行う。
【0068】
続いて、S302では、S301での削除指令の送信に対して機能サーバ20から送信されてくる情報を受信する。ここで受信される情報とは、機能サーバ20が出力データを削除可能であるか否かを示す情報であり、例えば、送信したパスワードが誤っていた場合や、送信したセッションIDに対応する出力データがサービス出力情報記憶部27に保存されていない場合には、エラーである旨の情報が送信されてくる。なお、この情報は、機能サーバ20の制御部21により実行される後述の出力情報削除処理(図12)におけるS602又はS603で、削除指令の送信元の複合機10へ送信される。
【0069】
続いて、S303では、S302で受信した情報がエラーである旨の情報であるか否かを判定する。
このS303で、受信した情報がエラーである旨の情報であると判定した場合には、S304へ移行し、エラーである旨のメッセージを操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。その後、本出力情報削除要求処理を終了する。
【0070】
一方、S303で、受信した情報がエラーである旨の情報でない(出力データを削除した旨の情報である)と判定した場合には、S305へ移行し、出力データの削除が完了した旨のメッセージを操作パネル12aのディスプレイ52に表示する。
【0071】
続いて、S306では、記憶部16に記憶されているセッションID及び日時情報(過去に要求したサービスについての情報)のうち、削除した出力データに対応するセッションID及び日時情報(削除データ選択用画面で選択された情報)を消去する。その後、本出力情報削除要求処理を終了する。
【0072】
次に、機能サーバ20の制御部21が行う翻訳コピーサービスについて、図9のフローチャートを用いて説明する。この翻訳コピーサービスは、複合機10からサービス起動指令を受信することにより開始される。なお、サービス起動指令は、上述のサービス利用処理(図5)におけるS101で送信される。
【0073】
この翻訳コピーサービスが開始されると、まず、S401で、サービス要求ごとに固有のセッションIDを生成し、その生成したセッションIDを記憶部23のセッション管理情報記憶部25にセッション管理情報として登録する。具体的には、図10に示すように、セッション管理情報記憶部25には、セッション管理情報として、セッションID、ユーザID、ファイル名、サービスプログラム名及び受信完了フラグが記憶される。ここで、ユーザIDとは、複合機10からサービス起動指令とともに送信されてきたユーザID(サービスを要求した利用者のユーザID)である。また、ファイル名とは、サービスの提供のために複合機10へ送信される出力データのファイル名である。また、サービスプログラム名とは、要求されたサービスに対応するサービスプログラム名である。また、受信完了フラグとは、複合機10において出力データの受信が完了したか否かを示すフラグ(「0」が未完了、「1」が完了)である。
【0074】
続いて、S402では、S401で生成したセッションIDと、サービスに必要なパラメータの設定を要求するためのパラメータ要求指令とを、複合機10へ送信する処理を行う。
【0075】
続いて、S403では、S402でのパラメータ要求指令の送信に対して複合機10から送信されてくるパラメータを受信する。なお、パラメータは、上述のサービス利用処理(図5)におけるS105で送信される。
【0076】
続いて、S404では、翻訳コピーサービスの翻訳対象となる原稿の画像データの送信を要求するための画像入力指令を、複合機10へ送信する処理を行う。
続いて、S405では、S404での画像入力指令の送信に対して複合機10から送信されてくる画像データ(複合機10の読取部13で原稿が読み取られることにより生成された画像データ)を受信する。なお、画像データは、上述のサービス利用処理(図5)におけるS109で送信される。
【0077】
続いて、S406では、S405で受信した画像データにOCR(Optical Character Recognition)処理を施すことにより画像に含まれるテキストを認識し、その認識したテキストに対して翻訳処理(S403で受信したパラメータに基づく翻訳処理)を行う。
【0078】
さらに、S407では、S406で翻訳したテキストについて印刷レイアウトを設定することにより、出力データ(翻訳後のテキストの画像を表す印刷データ)を生成する。
続いて、S408では、S407で生成した出力データを、記憶部23のサービス出力情報記憶部27に保存する。なお、出力データは、複合機10から削除の要求がされるまで保存される。
【0079】
続いて、S409では、出力データを送信可能であるか否かを判定する。具体的には、例えば、サービス起動指令とともに受信したパスワードが誤っていた場合に、出力データを送信可能でないと判定する。
【0080】
そして、S409で、出力データを送信可能でないと判定した場合には、本出力情報送信処理を終了する。
一方、S409で、出力データを送信可能であると判定した場合には、S410へ移行し、S407で生成した出力データ(印刷データ)を複合機10へ送信する処理を開始する。
【0081】
続いて、S411では、出力データの受信を開始したことの通知である受信開始通知を複合機10から受信したか否かを判定する。なお、受信開始通知は、上述のサービス利用処理(図5)におけるS112で送信される。
【0082】
このS411で、受信開始通知を受信していないと判定した場合には、S412へ移行し、S410で出力データの送信を開始してから一定時間が経過したか否かを判定する。なお、ここでいう一定時間とは、出力データの送信開始から受信開始通知の受信までに要する正常な時間を超えた、異常判定の基準となる時間である。
【0083】
そして、S412で、一定時間が経過していないと判定した場合には、S411へ戻る。
一方、S412で、一定時間が経過したと判定した場合には、本翻訳コピーサービスを終了する。つまり、出力データの送信を開始してから一定時間が経過したにもかかわらず受信開始通知が受信されない場合には、出力データの送信を中止するようにしているのである。
【0084】
これに対し、S411で、受信開始通知を受信したと判定した場合には、S413へ移行し、出力データの受信が完了したことの通知である受信完了通知を複合機10から受信したか否かを判定する。なお、受信完了通知は、上述のサービス利用処理(図5)におけるS114で送信される。
【0085】
このS413で、受信完了通知を受信していないと判定した場合には、S414へ移行し、S412で受信開始通知を受信してから一定時間が経過したか否かを判定する。なお、ここでいう一定時間とは、受信開始通知の受信から受信完了通知の受信までに要する正常な時間を超えた、異常判定の基準となる時間である。ただし、受信開始通知の受信から受信完了通知の受信までに要する時間は出力データの大きさによって異なるため、出力データの送信を完了してから受信完了通知の受信までに一定時間が経過したかを判定するようにしてもよい。
【0086】
そして、S414で、一定時間が経過していないと判定した場合には、S413へ戻る。
一方、S414で、一定時間が経過したと判定した場合には、本翻訳コピーサービスを終了する。つまり、受信開始通知を受信してから一定時間が経過したにもかかわらず受信完了通知が受信されない場合には、出力データの送信を中止するようにしているのである。
【0087】
これに対し、S413で、受信完了通知を受信したと判定した場合には、S415へ移行し、課金情報更新処理を実行する。なお、課金情報更新処理の具体的内容については後述する(図13)。
【0088】
続いて、S416では、受信完了フラグを立てる。具体的には、セッション管理情報記憶部25に記憶されているセッション管理情報のうち、サービス要求元の利用者のユーザIDについて記憶されている受信完了フラグの値を「0」から「1」に更新する。
【0089】
続いて、S417では、出力データの出力を許可するための出力開始指令を複合機10へ送信する。その後、本翻訳コピーサービスを終了する。
次に、機能サーバ20の制御部21が行う出力情報送信処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。この出力情報送信処理は、複合機10から出力指令を受信することにより開始される。なお、出力指令は、上述の出力情報送信要求処理(図7)におけるS201で送信される。
【0090】
この出力情報送信処理が開始されると、まず、S501で、出力データを送信可能であるか否かを判定する。具体的には、例えば、出力指令とともに受信したパスワードが誤っていた場合や、セッションIDに対応する出力データが記憶部23のサービス出力情報記憶部27に保存されていない場合には、出力データを送信可能でないと判定する。
【0091】
そして、S501で、出力データを送信可能でないと判定した場合には、S502へ移行し、エラーである旨の情報を複合機10へ送信する。その後、本出力情報送信処理を終了する。
【0092】
一方、S501で、出力データを送信可能であると判定した場合には、S503へ移行し、出力データを送信可能である旨の情報を複合機10へ送信する。
続いて、S504では、サービス出力情報記憶部27に保存されている出力データを複合機10へ送信する処理を開始する。具体的には、セッション管理情報記憶部25に記憶されているセッション管理情報を参照し、出力指令とともに受信したセッションIDについて記憶されているファイル名に基づき、サービス出力情報記憶部27に保存されている出力データの中からセッションIDに対応する出力データを読み出して送信する。
【0093】
続いて、S505では、出力データの受信を開始したことの通知である受信開始通知を複合機10から受信したか否かを判定する。なお、受信開始通知は、上述の出力情報送信要求処理(図7)におけるS206で送信される。
【0094】
このS505で、受信開始通知を受信していないと判定した場合には、S506へ移行し、S504で出力データの送信を開始してから一定時間が経過したか否かを判定する。
そして、S506で、一定時間が経過していないと判定した場合には、S505へ戻る。
【0095】
一方、S506で、一定時間が経過したと判定した場合には、本出力情報送信処理を終了する。つまり、出力データの送信を開始してから一定時間が経過したにもかかわらず受信開始通知が受信されない場合には、出力データの送信を中止するようにしているのである。
【0096】
これに対し、S505で、受信開始通知を受信したと判定した場合には、S507へ移行し、出力データの受信が完了したことの通知である受信完了通知を複合機10から受信したか否かを判定する。なお、受信完了通知は、上述の出力情報送信要求処理(図7)におけるS208で送信される。
【0097】
このS507で、受信完了通知を受信していないと判定した場合には、S508へ移行し、S505で受信開始通知を受信してから一定時間が経過したか否かを判定する。
そして、S508で、一定時間が経過していないと判定した場合には、S507へ戻る。
【0098】
一方、S508で、一定時間が経過したと判定した場合には、本出力情報送信処理を終了する。つまり、受信開始通知を受信してから一定時間が経過したにもかかわらず受信完了通知が受信されない場合には、出力データの送信を中止するようにしているのである。
【0099】
これに対し、S507で、受信完了通知を受信したと判定した場合には、S509へ移行し、この出力データについて課金情報更新処理(図13)が実行済みであるか否かを判定する。具体的には、セッション管理情報記憶部25に記憶されているセッション管理情報を参照し、受信完了通知とともに受信したセッションIDについて記憶されている受信完了フラグが「1」であれば課金情報更新処理が実行済みであると判定し、受信完了フラグが「0」であれば課金情報更新処理が実行済みでないと判定する。
【0100】
このS509で、課金情報更新処理が実行済みでないと判定した場合には、S510へ移行し、課金情報更新処理を実行する。なお、課金情報更新処理の具体的内容については後述する(図13)。
【0101】
続いて、S511では、受信完了フラグを立てる。具体的には、セッション管理情報記憶部25に記憶されているセッション管理情報のうち、サービス要求元の利用者のユーザIDについて記憶されている受信完了フラグの値を「0」から「1」に更新する。その後、S512へ移行する。
【0102】
一方、S509で、課金情報更新処理が実行済みであると判定した場合には、そのままS512へ移行する。つまり、課金情報更新処理が実行済みの出力データについては課金情報更新処理が再度実行されないようにしているのである。
【0103】
S512では、出力データの出力を許可するための出力開始指令を複合機10へ送信する。その後、本出力情報送信処理を終了する。
次に、機能サーバ20の制御部21が行う出力情報削除処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。この出力情報削除処理は、複合機10から削除指令を受信することにより開始される。なお、削除指令は、上述の出力情報削除要求処理(図8)におけるS301で送信される。
【0104】
この出力情報削除処理が開始されると、まず、S601で、出力データを削除可能であるか否かを判定する。具体的には、例えば、削除指令とともに受信したパスワードが誤っていた場合や、セッションIDに対応する出力データが記憶部23のサービス出力情報記憶部27に保存されていない場合には、出力データを削除可能でないと判定する。
【0105】
そして、S601で、出力データを削除可能でないと判定した場合には、S602へ移行し、エラーである旨の情報を複合機10へ送信する。その後、本出力情報削除処理を終了する。
【0106】
一方、S601で、出力データを削除可能であると判定した場合には、S603へ移行し、出力データを削除する。具体的には、セッション管理情報記憶部25に記憶されているセッション管理情報を参照し、削除指令とともに受信したセッションIDについて記憶されているファイル名に基づき、サービス出力情報記憶部27に保存されている出力データの中からセッションIDに対応する出力データを削除する。
【0107】
続いて、S604では、出力データを削除した旨の情報を複合機10へ送信する。その後、本出力情報削除処理を終了する。
次に、機能サーバ20の制御部21が行う課金情報更新処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。この課金情報更新処理は、複合機10から削除指令を受信することにより開始される。なお、削除指令は、上述の出力情報削除要求処理(図8)におけるS301で送信される。
【0108】
この課金情報更新処理が開始されると、まず、S701で、出力データの料金を計算する。具体的には、サービスの内容や、出力データの大きさ(印刷枚数等)などに応じて計算する。
【0109】
続いて、S702では、課金情報記憶部24に記憶されている課金情報を参照し、サービス要求元の利用者のユーザIDについて記憶されているロック情報が「FALSE(非ロック状態)」となるまで待機し、「FALSE(非ロック状態)」となった場合にS703へ移行する。なお、サービス要求元の利用者のユーザIDは、セッション管理情報記憶部25に記憶されているセッション管理情報と、複合機10から受信したセッションIDとに基づき判断する。
【0110】
続いて、S703では、課金情報記憶部24に記憶されている課金情報のうち、サービス要求元の利用者のユーザIDについて記憶されているロック情報を「TRUE(ロック状態)」に書き換える。つまり、課金情報をロックする。これにより、別の処理に基づく課金情報の書き換え処理が同時に行われないようにするのである。
【0111】
続いて、S704では、課金情報記憶部24に記憶されている課金情報のうち、サービス要求元の利用者のユーザIDについて記憶されている未決済課金金額を読み出す。
続いて、S705では、S704で読み出した未決済課金金額に、S701で算出した出力データの料金を加算する。
【0112】
続いて、S706では、S705で出力データの料金を加算した金額を、未決済課金金額として書き込む。つまり、未決済課金金額を更新するのである。
最後に、S707では、S703で「TRUE(ロック状態)」に書き換えたロック情報を「FALSE(非ロック状態)」に書き換える。つまり、課金情報のロックを解除する。その後、本課金情報更新処理を終了する。
【0113】
以上説明したように、本実施形態の印刷システムでは、複合機10が、出力データの受信完了を機能サーバ20へ通知し(S118)、機能サーバ20は、受信完了の通知を受けた時点で(S413:YES)、その出力データについての課金処理を実行する(S415)。このため、本印刷システムによれば、複合機10において出力データの出力が完了した場合に課金処理を実行する構成に比べ、不正行為を防止することができる。すなわち、出力データの出力が完了した場合に課金処理を実行する構成では、出力データの出力が完了する直前に意図的に複合機10を出力データの出力が行えない状態とすることにより、出力データの大部分を出力しつつ課金処理については全く実行されないようにするといった不正行為が可能となってしまう。これに対し、本実施形態の印刷システムでは、複合機10が出力データを出力可能な状態であるか否かに関係なく、複合機10において出力データの受信が完了した段階(換言すれば、出力データの全データが記憶部16に記憶された段階)で課金処理を実行するようにしているため、不正行為を防止することができるのである。また、記憶部16は、出力データの全部を記憶するため、出力データを受信した時点で複合機10が出力データを出力できない状態であったとしても、その後に出力可能な状態となった時点で、記憶部16に記憶されている出力データに基づきその出力データの出力を行うことができる。なお、記憶部16は不揮発性の記憶媒体であるため、複合機10の電源が切られた後も出力データの記憶を保持することができる。
【0114】
さらに、本実施形態の印刷システムでは、機能サーバ20が保存している出力データを複合機10からの要求により送信させることができ(図7,図11)、その際、既に課金処理が実行されている出力データについては課金処理が再度実行されないようにしている(S509)。このため、本印刷システムによれば、課金処理が実行された分の出力データについては確実に出力することが可能となり、複合機10の利用者が不利益を受けないようにすることができる。
【0115】
一方、本実施形態の印刷システムでは、複合機10において出力データの受信が完了したか否かを複合機10からの受信完了通知に基づき判定するようにしているため、複合機10において出力データの受信が通信エラー等により正常に完了しなかったにもかかわらず受信が完了したと判定してしまうことを防ぐことができる。
【0116】
加えて、本実施形態の印刷システムでは、複合機10における出力データの出力を、その出力データについての出力開始指令が機能サーバ20から送信されるまでは(課金処理が実行されるまでは)禁止するようにしているため、課金処理の実行されていない出力データの出力が行われてしまうことを防ぐことができる。
【0117】
なお、本実施形態の印刷システムでは、複合機10が、本発明の印刷装置に相当し、記録部14が、本発明の印刷手段に相当し、記憶部16が、本発明の記憶手段に相当し、サービス利用処理(図5)におけるS114の処理と、出力情報送信要求処理(図7)におけるS208の処理とが、本発明の受信完了通知手段に相当する。また、機能サーバ20が、本発明のデータ送信サーバに相当し、翻訳コピーサービス(図9)におけるS410の処理と、出力情報送信処理(図11)におけるS504の処理とが、本発明の印刷データ送信手段に相当し、S413の処理と、S507の処理とが、本発明の判定手段に相当し、S415の処理と、S510の処理とが、本発明の課金手段に相当し、S417の処理と、S512の処理とが、本発明の印刷許可送信手段に相当する。
【0118】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態の印刷システムでは、複合機10において出力データの受信が完了したか否かを複合機10からの受信完了通知に基づき判定するようにしているが、これに限ったものではなく、機能サーバ20において出力データの送信が完了した場合に、複合機10において出力データの受信が完了したと判定するようにしてもよい。このようにすれば、複合機10において出力データの受信が完了したか否かを、機能サーバ20側で容易に判定することができる。
【0119】
また、上記実施形態の印刷システムでは、複合機10の利用者ごとに課金を管理するようにしているが、これに代えて、複合機10ごとに課金を管理するようにしてもよい。このようにすれば、機能サーバ20は、サービス要求元の複合機10さえ識別することができれば課金処理を行うことができるため、ユーザIDやパスワードの入力操作を不要とすることが可能となる。
【0120】
さらに、上記実施形態の印刷システムでは、機能サーバ20のサービス出力情報記憶部27に保存されている出力データを複合機10からの要求により送信させることができるようにしているが、これに限ったものではない。例えば、ニュース提供サービスの場合には、複合機10が機能サーバ20に対し定期的に(例えば、一日一回)出力データを要求するようにしてもよい。
【0121】
また、上記実施形態の印刷システムでは、機能サーバ20のサービス出力情報記憶部27に保存されている出力データが、複合機10からの入力操作により削除されるようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、所定期間経過後に自動的に削除されるようにしてもよい。また、複合機10が正常に全データを受信すると機能サーバ20の出力データを削除するといった、機能サーバ20側で出力データを保存しない構成とすることも可能である。
【0122】
さらに、上記実施形態の印刷システムでは、機能サーバ20の課金情報記憶部24に記憶されている課金情報の未決済課金金額に関係なく出力データを複合機10へ送信するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、未決済課金金額が一定額以上となっている場合には出力データの送信を禁止する構成としてもよい。
【0123】
一方、上記実施形態の印刷システムでは、印刷装置として複合機10を用いた構成を例示したが、こうした多機能装置ではない通常の印刷装置(プリンタ、ファクシミリ、コピー機等)を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】実施形態の印刷システムの概略構成を表すブロック図である。
【図2】複合機に設けられる操作パネルの説明図である。
【図3】機能サーバの課金情報記憶部に記憶される課金情報の説明図である。
【図4】再送データ選択用画面の説明図である。
【図5】サービス利用処理のフローチャートである。
【図6】パラメータ入力用画面の説明図である。
【図7】出力情報送信要求処理のフローチャートである。
【図8】出力情報削除要求処理のフローチャートである。
【図9】翻訳コピーサービスのフローチャートである。
【図10】機能サーバのセッション管理情報記憶部に記憶されるセッション管理情報の説明図である。
【図11】出力情報送信処理のフローチャートである。
【図12】出力情報削除処理のフローチャートである。
【図13】課金情報更新処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0125】
1…ネットワーク、10…複合機、11…制御部、12…操作部、12a…操作パネル、13…読取部、14…記録部、15…通信部、16…記憶部、17…音入力部、18…音出力部、20…機能サーバ、21…制御部、22…通信部、23…記憶部、24…課金情報記憶部、25…セッション管理情報記憶部、26…サービスプログラム記憶部、27…サービス出力情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する印刷装置と、前記印刷装置へ印刷データを送信するデータ送信サーバとが、データ通信可能に構成された印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、
前記データ送信サーバから受信した印刷データの全データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する印刷手段と、を備えており、
前記データ送信サーバは、
前記印刷装置へ印刷データを送信する印刷データ送信手段と、
前記印刷装置において前記印刷データ送信手段により送信された印刷データの受信が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により印刷データの受信が完了したと判定された場合に、前記印刷データ送信手段により送信された印刷データについての課金処理を実行する課金手段と、を備えていること
を特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記データ送信サーバの判定手段は、前記印刷データ送信手段による印刷データの送信が完了した場合に、前記印刷装置において前記印刷データ送信手段により送信された印刷データの受信が完了したと判定すること
を特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、前記データ送信サーバからの印刷データの受信が完了した場合に、その旨を通知するための受信完了通知データを前記データ送信サーバへ送信する受信完了通知手段を備えており、
前記データ送信サーバの判定手段は、前記印刷装置から前記受信完了通知データを受信した場合に、前記印刷装置において前記印刷データ送信手段により送信された印刷データの受信が完了したと判定すること
を特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、
前記データ送信サーバは、前記課金手段により印刷データについての課金処理が実行された場合に、その印刷データの表す画像を記録媒体に印刷することを許可するための印刷許可データを前記印刷装置へ送信する印刷許可送信手段を備えており、
前記印刷装置の印刷手段は、前記データ送信サーバから前記印刷許可データを受信した後に、前記課金処理が実行された印刷データの表す画像の印刷が可能となるように構成されていること
を特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、
前記記憶手段は、不揮発性の記憶媒体であること
を特徴とする印刷システム。
【請求項6】
印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する印刷装置と、前記印刷装置へ印刷データを送信し、前記印刷装置において印刷データの受信が完了した場合に、送信した印刷データについての課金処理を実行するデータ送信サーバとが、データ通信可能に構成された印刷システムに用いられる前記印刷装置であって、
前記データ送信サーバから受信した印刷データの全データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
受信した印刷データの全データを記憶し、その記憶した印刷データの表す画像を記録媒体に印刷する印刷装置と、前記印刷装置へ印刷データを送信するデータ送信サーバとが、データ通信可能に構成された印刷システムに用いられる前記データ送信サーバであって、
前記印刷装置へ印刷データを送信する印刷データ送信手段と、
前記印刷装置において前記印刷データ送信手段により送信された印刷データの受信が完了したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により印刷データの受信が完了したと判定された場合に、前記印刷データ送信手段により送信された印刷データについての課金処理を実行する課金手段と、を備えていること
を特徴とするデータ送信サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−191200(P2006−191200A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381922(P2004−381922)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】