説明

反射防止コーティング用カルボシランポリマー組成物

ケイ素ポリマー材料であり、ケイ素原子の少なくとも1部分に直接的に付着された発色団基を有するケイ素ポリマー骨格をもち、そのポリマーはさらにカルボシラン結合を見せる。フィルム形成性組成物および得られるコーティングの特性は、特定の露光波長およびデバイス製造および設計の品質にふさわしいように合わせることができる。2つの異なる発色団を用いることによって、屈折率および吸収係数を効率的に調整することができる。カルボシラン結合の割合を変動させることによって、そして反射防止コーティング組成物の所望のSi−含量を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景 本発明の分野
本発明は、新しいケイ素に基づく組成物およびその使用に関する。とりわけ、本発明は、半導体装置のリソグラフィーでの製造において用いる反射防止コーティングに適する特性をもつ新しいフィルム形成用の組成物に関する。本発明はまた、基材上で反射防止コーティングを生産する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
関連した技術の説明
一定の要求が、半導体装置、例は、集積回路(ICs)において、サイズでの種々の特色を減少させることについて存在する。この要求は、製造プロセスのための挑戦を生み出す。フォトリソグラフィー(写真平版術)は、そのような装置の生産のために、そしてとりわけ、ICsでの構造を規定するパターンをつくりだすために普通に用いられる技術の例である。石版術のプロセスにおいて、フォトレジスト材料の層は、サブストレート(基材、基板)上に堆積される。フォトレジスト層は放射、例えば紫外線光または電子のようなものに選択的に曝露され、および露出ツールおよびマスクは、所望の選択的な曝露を生じさせるために用いられる。次いで、ウエハーがその後の“現像”ステップ(工程)を経るとき、レジストにおけるパターンがつくられる。現像後に残るレジストのエリアは、それらがおおうサブストレート領域を保護するのにはたらく。レジストが除去された場所は、パターンがサブストレートの表面に移される様々な減色法または付加的なプロセスを受けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、普通に用いられるサブストレートの表面は高度に反射性である。露光において用いられる光波は、フォトレジストフィルムを通してサブストレートまで広がり、そしてフォトレジストを通して後ろ向きに(back up)反射される。これは、オフノーマルの反射効果および定常波効果を引き起こす。これらの効果はパターンの寸法における重要でかつ重大な変動を生じさせ、そしていくつかの技術はそれらを抑えるために開発され、それにはレジスト層の下、またはその上に適合される反射防止コーティング(以下ではまた、略された“ARC”s)の使用が含まれる。レジストインターフェースでの反射力を減少させる方法は、線幅調節にレジスト性能の最小の損失を供給することができる。たとえば、反射防止コーティングは反射を弱めるのに用いることができる。反射は、ARCを通過する光を減衰させることによって、またはARCを通過する光の相殺的干渉が起こるように採用される曝露波長でARCの屈折指数(率)をレジストシステムに合わせることによってのいずれかでも抑えられる。ARCの使用は、光学的リソグラフィー(石版刷り)が0.5μmより小さい特色の製造において用いられるのを許容することにとって不可欠になった。ARC層は、いくつかの特性、たとえば用いた照射線での予め定められた減衰係数(k、放射のエネルギーを吸収する能力)、屈折率(n)、フィルム(薄膜)厚さ、乾式およびウェットエッチングの特性、付着性、プロセスおよび材料適合性および最終的な材料の安定性のようなものを実現させる必要がある。
【0004】
良好な光学特性および十分な熱的および機械的な耐久性および強さの組合せを提供する新しい材料のための必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概略
本発明の目的は、新しい組成物を反射防止コーティングの製造のために提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、フィルム厚さ、屈折率および吸収係数のための厳しい要求を満たす反射防止コーティングの製造のための新しい材料組成物を提供することである。
【0007】
本発明の第3の目的は、サブストレート上で反射防止コーティングを調製する方法を提供することである。
【0008】
本発明の第4の目的は、反射防止コーティング(被膜)をもつ半導体構成要素を提供することである。
【0009】
これらのおよび他の目的は、以下に説明し、そして請求するように、既知の方法および組成物に対するそれらの利益と共に、本発明によって達成される。
【0010】
本発明は、反射防止コーティング物質(材料)を、ハイブリッド(複合型)有機/無機材料、とりわけシリコン(ケイ素)ポリマー組成物から生産するアイデアに基づくもので、それは、シラン骨格のシリコン原子に付着した有機側鎖または基を含む。これらの組成物は、少なくとも1種の発色団の側基(sidegroup)がシリコン原子に直接付着した有機シラン前駆体を用いることによって合成される。モノマー前駆体のシリコン原子はまた、1種またはそれよりも多くの加水分解性の基を含み、そしてカルボシラン/オルガノ(有機)-シロキサンポリマーを形成するためにさらに重合することができ、それは主鎖において、側鎖において、または双方においてカルボシラン結合を含み、そしてそれはシリコン原子に付着した反応性の基または側基(side group)または側鎖上で存在する反応性の基を介して架橋することができる。
【0011】
このようにして、本発色団前駆体は典型的に、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)残基によってリンク(連結)された最低2つのシリコン原子を有するセグメント(区分)または残基を含む。その残基は、シラン前駆体の反応に従い、鎖の、または側鎖中への特性を修飾するカルボシラン鎖の1部分として組み込まれうる。結果として、新しい有機無機シリコーン材料は、1種またはいくつか(5、6くらい)の以下の単位、-Si-C-、-Si-C-Si-、-O-Si-C-および-Si-O-を含み、そしてさらに、直接的に、またはリンカー、たとえば炭化水素((C)x)、アミン(-NH-)、またはカルボニル(-CO-)のリンカーを介して、シリコン原子の少なくとも1部分に付着した発色団基を含む骨格をもつ。
【0012】
材料は、シリコンモノマー、典型的に2つまたはそれよりも多くの異なる種類のモノマーを、適した溶媒の存在下に反応させること、および反応生成物を回収することによって合成される。
【0013】
本組成物は、半導体構成要素上で反射防止コーティングを生産するために石版術のプロセス(処理)において用いることができる。コーティングの特性は、正しい組成を選択することによってチューン(調整)することができる。
【0014】
新しい組成物は、次の
- 半導体装置の表面を、薄層を形成するために、本発明に従う組成物で被覆(コーティング)すること、
- 適したサブストレートを採用すること、および慣習的な堆積方法、スピンコーティングのようなものを適用すること、
- 反射防止コーティングを形成するために被覆した層を硬化すること、および
- 反射防止コーティング層上で随意に、石版術(リソグラフィー)のプロセスのさらなるステップのために必要なさらなる層を被覆すること
のステップを含むプロセスにおいて採用することができる。
【0015】
より一層詳しくは、本組成物は主に、請求項1の特徴的部分に述べるものによって特徴付けられる。
【0016】
新しい組成物を合成する方法は、請求項23の特徴的部分に述べるものによって特徴付けられる。
【0017】
新しい重合体の、フィルム形成性材料を生産する方法は、請求項31の特徴的部分に述べるものによって特徴付けられる。
【0018】
本発明に従う半導体装置は、請求項33の特徴的部分に述べるものによって特徴付けられる。
【0019】
著しい利益が本発明によって得られる。このようにして、フィルム形成性組成物および結果として生じるコーティングの特性は、特定の露光波長およびデバイス製造および設計の品質(design requirements)にふさわしいように合わせることができる。
【0020】
本発明では、基礎マトリクス(base matrix)への側基として発色団分子を組み込むこと、およびポリシラン材料の骨格の形成用の発色団前駆体のシラン残基を用いることが可能である。1種のタイプの、またはいくつかの異なる種類の発色団分子を、同じ組成において用いることができ、そしていくつかの発色団が前駆分子の重合または共重合によって形成されるポリマーの繰り返し単位について存在することができる。たとえば、2つの異なる発色団を用いることにより、nおよびkのインデックスを調整するためのより一層大きな自由および反射防止コーティング組成物のSi-含量を得ることができる。高いSi-含量は良好な機械的および熱的な特性を与える。
【0021】
次に、本発明を、添付図面を参照して、詳細な説明を活用して、より一層詳細に考察する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】側面図においてサブストレート上で2つの薄いフイルム層を含む反射防止コーティングの断面を示す。
【図2】例1から10までに従う材料について波長(nm)の関数として、吸収係数(k)のスペクトルプロットを示す。
【図3】波長の関数として、屈折率の対応するスペクトルプロットを示す。
【図4】エネルギー(eV)の関数としての例1から10までに従う材料の屈折率(n)のスペクトルプロットである。
【図5】そして、最後に、エネルギー(eV)の関数としての吸収係数(k)の対応するスペクトルプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、次の式
R1-R4-SiX3 I
および
R1SiX2-R4-SiX3 II
をもつモノマーの重合または共重合によって得られるカルボシラン/シロキサンの組成物に関し、
式中、R1は無関係に、水素、ヒドロキシル、線状および分枝したアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、エポキシ、ビニル、トリル、アクリル、アクリラート、アルキル(アルキ(alk))アクリラートおよび1から6個までの環をもつアリールの基の群から選ばれ、ポリマーのR1sの少なくとも1種は発色団基であり、
各Xは無関係に、加水分解性基または炭化水素残基を示し、および
R4は随意の二価炭化水素リンカー、たとえばアルキレン基(-CH2-)n、式中、nは整数1から20までであり、またはアリーレン(arylene)基〔例は、フェニレンまたはナフテニレン(naphthenylene)の基〕または多環式基のようなものを表し、それは随意に有機置換基またはそれらの混合物を伴う。
【0024】
他の適した前躯体は、次の式IIIおよびIV
R2-R4-SiX3 III
および
R2SiX2-R4-SiX3 IV
をもつものであり、
式中、R2は、水素、線状および分枝したアルキルおよびシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、(アルキ)アクリラートおよびアルコキシおよび1から6個までの環をもつアリールの基からなる群より選ばれ、
式中、R2は、水素、ヒドロキシ、線状および分枝したアルキルおよびシクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、エポキシ、ビニル、トリル、アクリル、アクリラート、アルキル(アルキ)アクリラートおよびアルコキシおよび1から6個までの環をもつアリールの基からなる群より選ばれ、
各Xは無関係に上記のような同じ意味をもち、および
R4は随意の二価の炭化水素リンカーを表し、それは随意に有機置換基またはそれらの混合物を伴う。
【0025】
典型的に、シロキサンポリマーは繰返しの-Si(R12)-R4-Si(R22)-R4-の骨格をもち、式中、置換基(substitutents)R1およびR2およびR4は上記のような同じ意味をもつ。
【0026】
本発明の目的のために、“発色団”は、典型的に少なくとも2つの共役した、または孤立した不飽和結合、とりわけ二重結合、好ましくは2つまたはそれよりも多くの共役二重結合を含む任意の基を表す。特に、興味深い発色団基は、1種の芳香環を有する芳香族基およびいくつかの孤立した、または融合した芳香環を有する芳香族基(また、以下では“多環式芳香族基”)である。
【0027】
1つの環を有する芳香族基の例は、フェニル、および置換されたフェニル誘導体である。
【0028】
表現“多環式芳香族基”には、2つまたはそれよりも多くのアリール基を含む孤立した芳香族化合物、ならびに少なくとも2つのアリール基が互いに融合され、たとえば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ペンタセンまたは類似のもののような芳香族基が包含される。概して、多環式基は、2から6つまでの脂環式、または複素環式、または特に、5から7つまでの構成員(メンバー)、好ましくは6つの炭素原子をもつ芳香環を含む融合した多環式炭化水素から選ばれる。
【0029】
典型的に、各シリコン原子に付着した1または2つの発色団基がありうる。さらにまた、各発色団分子は、シリコン原子が付着する1よりも多い部位(炭素原子)を含むことができる。発色団基は好ましくは、シリコン原子に直接付着するが、上記のように、それらはまた、炭化水素、アミンまたはカルボニルリンカーを介して付着することもできる。炭化水素リンカーは、典型的に二価の炭化水素鎖を含み、それは線状、または分枝した、飽和、または不飽和の、脂肪族、または脂環式の基、または二価の芳香族基で、たとえば、アリーレン基のようなものである。
【0030】
上記前躯体に加え、-および随意にそれらのいずれかを部分的に入れ替えて-、シランポリマーは次の式
R1aSiX’4-a V
および
R2bSiX’4-b VI
のモノマーから導き出される残基を含むことができ、
式中、R1およびR2は、上記のような同じ意味をもち、および各X’は無関係に、加水分解性基または炭化水素残基を示し、およびaおよびbは整数1から3までである。
【0031】
さらに、次の式VIIのモノマーから導き出される残基はカルボシランにおいて含めることができ、
R3cSiX4-c VII
式中、R3は、水素、随意に1つまたはいくつかの置換基を伴うアルキルまたはシクロアルキル、またはアルコキシを表し、
各Xは無関係に、上記のような同じ意味をもつ加水分解性基または炭化水素残基を示し、および
cは整数1から3までである。
【0032】
式VIIの適した化合物の特定の例には、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシビニルシラン、ジメチルジエトキシシランおよびテトラエトキシシランのようなテトラアルコキシシランが含まれる。
【0033】
上記式において“加水分解性の基”(符号XおよびX’)は概して、ハロゲン(塩素、フッ素、臭素)、アルコキシ(とりわけ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、またはブトキシのようなC1-10アルコキシ)または水素または縮合重合の間、モノマーから簡単に切り離すことができる他の任意の基を表す。
【0034】
R1、R2、R3およびR4は、フルオロ、ブロモ、C1-10-アルキル、C1-10-アルコキシ、C1-10-アルケニル、C6-18-アリール、アクリル、エポキシ、カルボキシルおよびカルボニルの基から選ばれる1種またはいくつかの置換基によって、無関係に、および随意に置換される。以下に議論するように、発色団または反対側の基、不飽和基(ビニル、アクリル)またはエポキシ基のようなものの上に反応性基を組み込むことによって、材料の架橋を増やすことが可能である。
【0035】
上記式で、C1-10-アルキル基は、線状または分枝した、または環式のアルキル基であることができ、随意に少なくとも1つのクロロ、ブロモまたはフルオロの置換基のようなハロゲン置換基を帯びる。とりわけ、アルキル基は1から6個までの炭素原子を含む低アルキルであり、それは随意に、メチルおよびハロゲンから選ばれる1から3個までの置換基を帯びる。メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチルおよびt-ブチルは、特に好まれる。
【0036】
“アルケニル”基は、一価、または分枝がない、または分枝した炭化水素鎖を含み、その中に1種またはそれよりも多くの二重結合をもつ。アルケニル基の二重結合は、別の不飽和基に対し、非共役または共役することができる。適したアルケニル基は、制限されないが、C2からC8までのアルケニル基、たとえば、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2-エチルヘキセニル、2-プロピル-2-ブテニル、4-(2-メチル-3-ブテン)-ペンテニル)のようなものが含まれる。アルケニル基は未置換または1種または2つの適した置換基で代えることができる。
【0037】
(アルキ)アクリラートには、メタ-およびエタアクリラートの基が含まれる。アルキル(アルキ)アクリラートには、たとえばメチルメタクリラートおよびエチルエタクリラートが含まれる。
【0038】
アリール基の好ましい具体化はフェニルを含み、それは随意に、1から5つまでの置換基を帯び、それは環上に、ハロゲン、アルキルおよびアルケニルから、またはナフチル、アントラシル(anthrasyl)、フェナントリル(phenantryl)から選ばれ、それは随意に、環構造上でハロゲンアルキルまたはアルケニルから選ばれる1から11個までの置換基を帯び、置換基は随意にフッ素化される(全フッ素置換された、または部分的にフッ素化されたものを含む)。
【0039】
上記において、他の置換基は、アクリル、エポキシ、ビニル、カルボキシルおよびカルボニルの基を含む。反応性の機能的な置換基はモノマーの重合の間、若干の架橋を提供し、隣接した多環構造の間の橋架けを形成する。反応性の機能的な置換基はまた、反射防止コーティング材料もフォトパターン可能な材料にするという可能性を提供する。
【0040】
“アルコキシ基”は式R5O-をもち、式中、上記に定められるように、R5はアルキルを表す。アルコキシ基のアルキル残基は、線状または分枝されることができる。典型的に、アルコキシ基は、1から6つまでの炭素原子、たとえば、メトキシ、エトキシおよびt-ブトキシの基のようなものをもつ低アルコキシ基から構成される。
【0041】
上記の一般式に従う化合物の若干の特定例では、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)残基は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、およびペンタセンから選ばれる非置換または置換した融合された炭化水素環系(システム)を表し、およびフェナントレンおよび置換したそれらの誘導体が特に好まれる。
【0042】
IからIVまでの式において、二価リンカーは典型的に、1から10個までの炭素原子を含む。適したリンカー基R4の例は、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレン(環式二価残基が含まれ)、ならびにアリーレン基が含まれる。“アルキレン”基は概して、rが整数1から10までである式-(CH2)r-をもつ。少なくとも1つの単位-CH2-の水素の一方または双方は、下記の置換基のいずれかによって置換することができる。“アルケニレン”基は、アルキレン残基に対応し、それは炭化水素骨格において少なくとも1種の二重結合を含む。いくつかの二重結合があるならば、それらは好ましくは共役される。“アルキニレン”基には、対照的に、アルキレン残基に対応する炭化水素骨格において、少なくとも1つの三重結合が含まれる。多環式脂肪族基には、5から20までの炭素原子、たとえば、ノルボルネン〔ノルボルネニル(norbornenyl)〕およびアダマンチル(アダマンチレン)のようなものをもつ環構造から導き出される残基が含まれる。“アリーレン”は、1から6つまでの環、好ましくは1から6つまで、およびとりわけ、1から5つまでの環、たとえばフェニレン、ナフチレンおよびアントラセニルのような融合された環を含む二価アリールを表す。
【0043】
リンカー基は非置換、または置換することができる。置換基は、好ましくは、フルオロ、ブロモ、C1-10-アルキル、C1-10-アルケニル、C6-18-アリール、アクリル、エポキシ、カルボキシルおよびカルボニルの基の群から選ばれる。
【0044】
上記に基づいて、本材料には、典型的に、1種またはいくつかの以下の結合、すなわち、-Si-C-、-Si-C-Si-、-O-Si-C-および-Si-O-を含み、およびさらに直接、または炭化水素、アミン、またはカルボニルのリンカーを介して、シリコン原子の少なくとも1部分に付着した発色団基を含む骨格をもつ、有機無機シロキサン材料が含まれる。それは(R12)-C-Si(R22)-C-骨格を含むことができ、各R1は無関係に、水素、線状または分枝したアルキル、アルケニル、アルキニル、アクリル、アクリラート、アリール、多環芳香族および多環式基の群から選ばれ、R1sの少なくとも1つは発色団基であり、および式中、各R2は無関係に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アクリル、アクリラート、アリール、多環芳香族および多環式の基の群から選ばれる。
【0045】
それはさらに、-Si-(C)X-Si-結合を含むことができる。連結基-(C)X-は無関係に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アクリル、アクリラート、アリール、多環芳香族または多環式の基である。たとえば、多環式基は、1から25までの炭素原子を含み、すなわちxは1から25までを表す。
【0046】
本オルガノシリコン化合物は、重合体の二酸化ケイ素、すなわちシリコーンを形成するために重合させることができる。これらのポリマーは、特に反射防止用のフィルム適用として魅力的である。
【0047】
シクロアルキルおよびアリールの基は、付着した異なる有機および/または無機の基をもちうる。基R1-3は、シリコン原子に共有結合して付着する。組成物を構築するために、上述のモノマーのうちの2つ(または1つさえも)を用いることは可能である。多くの状況で、組成物を形成するためにすべての4つの(またはより一層多くの)モノマーさえ適用するのが好ましい。
【0048】
概して言えば、新しいカルボシランポリマーは、以下の残基を含みうる。すなわち
残基A:基礎(ベース)シロキサンポリマーマトリクスフォーマー(形成体)
残基B:有機側基R1の選定による屈折率(n)の修飾
残基C:有機側基R2の選定による吸収係数(k)の修飾、および
残基D:有機基R4またはR3の選定による基礎マトリクス特性モディファイア(修飾因子)
である。
【0049】
モノマーのモルでのそれぞれの割合は次の範囲で変動させることができる。
残基A: 0から100部まで、とりわけ0から50部まで、
残基B: 1から50部まで、とりわけ5から50部まで、
残基C: 0から50部まで、とりわけ1から50部まで、および
残基D: 1から50部まで、とりわけ5から50部まで。
【0050】
10:1から1:10までの残基B+残基D対残基A+残基Cの比を持つことが、特に好まれる。残基Dは、異なる種類の置換基(substitutents)R3および置換基(substitutents)R4をもつ2またはそれよりも多くの種類のモノマーから選ぶことができる。
【0051】
また10:1から1:10までの残基B対残基Cの比をもつのが好ましい。
【0052】
材料においてカルボシラン結合(例は、-C-Si-または-Si-C-Si-)の割合を変動させることによって、シリコン濃度を効率的に調節することができる。概して、カルボシラン結合の割合は約1から20モル%まで、典型的に、モノマーの合計モル量に対するそのような結合を形成するモノマーの割合に基づき、約2から10モル%までである。
【0053】
シロキサン材料マトリクスに基づく適したカルボシラン/シロキサンのポリマーの1つの例を挙げるために、以下の前駆体から導き出される繰返し単位を含むポリマーを言及することができる。すなわち
a.350nm未満の波長で光を吸収するフェナントレントリアルコキシシラン、および
b.ナフタレントリアルコキシシラン、または
c.フェニルトリアルコキシシラン、または
d.メチルトリアルコキシシラン、または
e.エチルトリアルコキシシラン、または
f.テトラアルコキシシラン、または
g.水素トリアルコキシシラン、または
h.ジメチルジアルコキシシラン、または
i.(a)-(f)または(a)-(h) の任意の組合せ。
【0054】
式IからIIIまでのモノマーを用いることによって、共有結合してシリコン原子に付着する有機発色団を含む吸収性オルガノシロキサンポリマーを生産することは可能であり、そして第2の有機化合物はまた直接、シリコンに、およびマトリクスのシリコン原子のうちの少なくとも2つをつないでいるか、または1つのシリコン原子をさらに有機基に連結しているハイドロカルビルリンカーを有する代わりのポリマーマトリクスフォーマーに付着した。
【0055】
本発明に従う組成物は、次のものを含むシランの組合せの加水分解された、または部分的に加水分解された生成物を含むことができる。
(a)直接的にSi原子に付着した少なくとも1つの炭化水素基をもつ、アルコキシシラン、アシルオキシまたはクロロシランであり、その炭化水素基は、存在するシランの合計のモルに基づく0から98モルパーセントまでで、非芳香族、飽和または不飽和の炭化水素基を含むもの、
(b)直接的にカルボジシランの2つのSi原子の1つに付着した少なくとも1つの炭化水素基をもつ、アルコキシカルボジシラン、アシルオキシカルボジシランシランまたはクロロカルボジシランであり、その炭化水素基は芳香環を含み、および
(c)および存在するシランの合計モルに基づく0から98モルパーセントまでのテトラアルコキシ、アシルオキシまたはクロロシランの代わりの基のシラン。
【0056】
組成物はさらに、(d)直接的にSi原子に付着された基をクロスリンクしている少なくとも1種のC1-C6をもつアルコキシシラン、アシルオキシシランまたはクロロシランを含みうる。
【0057】
組成物は、次の加水分解の生成物を含むことができる。
(a)5-98モル%、好ましくは10から40モルパーセントまでの、次の式
【化1】

のシランであり、式中、R1はアルコキシシラン、アシルオキシまたはクロロシランであり、そしてR2は、水素、メチル、エチル、プロピルまたはブチル、ビニル、アリルの基であるもの、
(b)1から30モルパーセント、好ましくは1から20モルパーセントのカルボジシラン
【化2】

であり、式中、R1は、アルコキシシラン、アシルオキシまたはクロロシランであり、R3は、メチレン、エチレンまたはプロピレン、アリーレン、架橋原子団(橋渡し基)であり、およびR4は芳香族または多環芳香族基であるもの、および
(c)0から98モルパーセント、好ましくは20から60モルパーセントまでの、
【化3】

であり、R1はテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアシルオキシシランまたはテトラクロロシランであるもの。
【0058】
モノマー(d)の架橋基は、たとえば、スチレン、C2-C6アルケニル、C2-6アルキニル、3-メタクリルオキシ、3-アクリルオキシ、3-アミノエチルアミノ、3-アミノ、および炭化水素基を含むエポキシの基から選ばれる。
【0059】
第1のシラン(a)は、たとえば、水素、メチルまたはビニルアルコキシシランであり、および第2のシラン(b)は、1-(9-フェナントレニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタンまたは1-(フェニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタンまたは1,1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランフェニレンである。
【0060】
別の具体化において、第1のシラン(a)は、水素、メチルまたはビニルアルコキシシランであり、および第2のシラン(b)は、1-(9-フェナントレニル)-1,1,4,4,4-ペンタエトキシ-1,4-ジシラブタン(disilabutane)、1-(フェニル)-1,1,4,4,4-ペンタエトキシ-1,4-ジシラブタンまたは1,1,1,4,4,4-ペンタエトキシ-1,4-ジシラフェニレン(disilaphenylene)である。
【0061】
まだ更なる具体化では、第1のシラン(a)は、水素、メチルまたはビニルクロロシランであり、および第2のシラン(b)は、1-(9-フェナントレニル)-1,1,4,4,4-ペンタクロロ-1,4-ジシラブタン、1-(フェニル)-1,1,4,4,4-ペンタクロロ-1,4-ジシラブタンまたは1,1,1,4,4,4-ペンタクロロ-1,4-ジシラフェニレンである。
【0062】
組成物は典型的に40%より高いシリコンのw-%および好ましくは最高45%までを見せる。
【0063】
1例として、本発明者らは、以下において、193nmの露光波長で測定される反射防止特性を見せるコーティングの生産に役立つオルガノシロキサンポリマー材料を設計するためのガイドラインを議論する。その生産は慣習的な半導体の製造によって行われる。
【0064】
概して、以下の配慮は関連性があるか、またはある場合がある。すなわち
(A)材料は、半導体産業の製造において用いられるスピンオン堆積ツールと適合性でなければならず、
(B)半導体産業における処理溶媒、たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、PGMEA、PnP、PGME)のようなものとして、普通に適用されるもの、または使用に適する種類でなければならず、
(C)材料の保管寿命は、室温での3-6月間の溶液として、その材料の貯蔵を考慮に入れるのに十分なレベルになければならず、そして
(D)材料は下にあるサブストレートと、およびまた使用したフォトレジスト材料と適合性でなければならない。この適合性の条件は、オルガノシロキサン材料から形成される薄膜はサブストレートおよびフォトレジストにとって適した接着性をもたなければならないことを意味する。
【0065】
さらにまた、(E)保管寿命(上記の点C)に関しては、安定性は、たとえば、以下の特性を定めることによって監視することができる。すなわち
- フィルム厚さ(例は、3ヵ月の期間にわたる3%の最大の厚さの変化)、
- フィルム屈折率、
- フィルム吸収係数、
- フィルムからのFTIR-測定、および次いで材料のための特徴のあるピーク、
- 材料溶液の粘性、
- 材料の分子量、
- ありうる組成変化を分析するためのGC測定、および
- ありうる増加した粒子レベルを測定するための液体粒子計数法(liquid particle counting)。
【0066】
さらに、硬化させたオルガノシロキサンフィルムは好ましくは、フォトレジスト処理溶媒に対して適切な抵抗をもつべきであり、それはフォトレジスト層を堆積するとき、それがそれに溶解されないようにするためである。フィルムはまた、フォトレジストの現像溶液、例は、2.38%のTMAH-溶液に対しても抵抗性でなければならない。オルガノシロキサンフィルムは、例は、250℃(最高300℃)にて十分に硬化されなければならず、および基本的に、材料成分のガス抜けは、以下のプロセスステップにおいて許されない。堆積され、および硬化されたシロキサンフィルムはまた、欠陥を含まないものでなければならない。
【0067】
材料の任意の成分のガス抜きは、以下のフォトレジストの堆積、硬化、露光および現像のステップを損なう。ガス抜きは、フォトレジストの硬化特性に影響を及ぼすかもしれず、そしてその後フォトレジストパターンの形成における重大な変動を引き起こすかもしれない。オルガノシロキサンフィルムは、フォトレジストのインターフェース(界面)に対する適切な付着をもつことが望ましいが、フォトレジストの現像ステップにおいて残留する層を取り除くことが可能である。フォトレジストのインターフェースへの付着はまた、フォトレジスト構造において、アンダーカット(下を切り取ること)および基盤生成(footing generation)においての役割を演じる。
【0068】
好ましくは、オルガノシロキサン材料も、一定の光学特性条件を満たす。すなわち
光学特性条件は特定の半導体製造/装置設計に依存し、そしてこの理由から、それらはケースバイケースで変動する。1例として、193nmの露光波長にて、硬化されたオルガノシロキサン材料の層の屈折率(n)は1.6から1.7までの範囲にあることができ、そして硬化されたオルガノシロキサン材料の層の吸収係数(k)は0.1および0.3の範囲にあることができたが、オルガノシロキサン材料の光学特性は、材料の組成に、およびこの理由のため、用いた前駆体分子に直接的に依存する。
【0069】
オルガノシロキサン材料を用いるフィルムを堆積するとき、それは一定のフィルム厚さをもたらさなければならない。また、材料は堆積パラメーターおよび/または溶液の固形分を変動させることによっていくつかのフィルム厚さに対して堆積することができることも要求される。フィルム厚さの条件はまた、特定の半導体製造/装置設計にも依存し、そしてこの理由のために、ケースバイケースで変動する。硬化されたオルガノシロキサン材料の層の要求されるフィルム厚さの値は、20nmおよび200nmの間の例であることができる。
【0070】
堆積され、および硬化されたオルガノシロキサン材料はまた、一定のドライおよびウエットエッチング特性を満たさなければならない。所望のエッチング速度はまた、特定の半導体製造/装置設計にも依存し、そしてこの理由のために、ケースバイケースで変動する。硬化されたオルガノシロキサン材料の層のための要求されるエッチング速度は、たとえば1000nm/分(ウエットエッチング、25%のTMAH、80℃)であることができる。オルガノシロキサン材料のエッチング特性は、材料の組成に、そしてこの理由のため、用いられる前駆体分子に直接的に依存する。エッチングの特性はまた、オルガノシロキサン材料の有機および無機(シリコン)の含量に関して説明することもできる。例を挙げると、すなわちオルガノシロキサン材料の層の典型的な要求されるシリコン含量は、30および45%の間であることができる[最終的な材料組成物の原子重量%において、例の純粋なSiO2として、シリコン含量は46.7%(28.09/60.09 * 100%=46.7%)である]。若干の場合において、40%に近いシリコン含量値を達成することが可能である場合、それは非常に有利である。明らかに、非常に高いシリコン含量を有する材料を狙うとき、そのとき、最終的な組成はSiO2に近づけなければならない。これは、使用者が前駆体として、例のテトラアルコキシシラン[例は、Si(OEt)4]の最大量を用いるシロキサンポリマー材料を合成しなければならないであろうことを意味する。この組成物において、最終的な硬化されたシロキサン材料の層にとどまるであろう“有機原子”(例は、C、H、N、その他)の量は、最小にされる。1例として、本発明者らが前駆体分子としてメチルトリアルコキシシラン[例は、CH3-Si(OEt)3]を用いる場合、最終的な硬化されたシロキサン材料の層は二酸化ケイ素の骨格に付着された有機CH3-基[1つのシリコン原子につき1つの(1)炭素および3つの(3)水素原子]を含み、およびテトラアルコキシシランの例の場合より低いシリコン含量の材料をもたらす。合成においての前駆体分子として、フェナントレントリアルコキシシラン[例は、C14H9-Si(OEt)3]を使うとき、別の例として、最終的な硬化されたシロキサン材料の層は、二酸化ケイ素の骨格に付着された有機C14H9-基[1つのシリコン原子につき14の(14)炭素および9つの(9)水素原子]を含み、そしてテトラアルコキシシランの例の場合におけるものよりかなり低いシリコン含量の材料をもたらす。
【0071】
組成物は、求められる高いシリコン含量(テトラアルコキシシラン(tetra-alkoksysilane)の例)を与えるが、それは硬化された材料層の正しい光学特性を必ずしも与えるというわけではない。結論として、半導体の製造プロセスにおいて反射防止コーティングとして適用することができる十分に機能的なオルガノシロキサンポリマー材料を得るために上述の特性のすべてのバランスをとるのが必要である。これは、合成、および更には適切な合成方法のための適切な前駆体分子(各前駆体の特性を利用する)および最終的なオルガノシロキサンポリマー材料の重合のための技術の選定によって達成することができる。
【0072】
次に示されるオルガノシロキサンポリマーの例から見ることができるように、発色団基であり、たとえば、結果として生じる有益な光学特性のため、最終的なオルガノシロキサン材料のフェナントレン、ナフタレンおよびフェニル基を用いるのが有利である。上記に議論したように、機能的な反射防止組成物は高いシリコン含量をもたなければならず、そしてこれに照らして、発色団基の内容は最小限であり、および最適化されなければならない。また、シロキサンポリマーの合成のために発色団の前駆体分子を設計し、および合成するとき、本発明者らは、本発明者らがなんらかの不必要な付加的な有機分子も発色団基に加えたくないことを留意しなければならない(それはシリコン含量をさらに低くする)。
【0073】
また、カルボシラン材料の場合には、ウエットエッチングまたはドライエッチングだけを使用する代わりに、石版術の加工において複合されたプラズマエッチングおよびウエットエッチングの技術を適用することが可能である。カルボシラン基のいくつかが、例は、TMAHで、ウエットエッチングでではないが、プラズマエッチングによって切断可能である場合があるので、これは可能である。シーケンスを製造する処理および装置を設計するとき、これは若干の利点を与えることができる。
【0074】
上記を考慮して、本発明では、方法は発色団のアルコキシシラン前駆体分子の合成のために開発され、そこでは、シリコン原子が直接的に発色団分子に付着する。1例として、フェナントレントリアルコキシシランおよびナフタレントリアルコキシシランのような前駆体分子は、グリニャール合成法を用いて合成することができる。このように、シリコン原子は、直接的に発色団分子に付着することができる。このようにして、たとえば、グリニャール合成法を用いる9-ブロモフェナントレンおよびテトラエトキシシランの反応は、合成生成物として、フェナントレン-9-トリエトキシシランをもたらす。この方法を用いることによって、次に最終的なシロキサンポリマー組成物の合成において利用することができる多種多様なオルガノシラン前駆体分子を合成することができる。
【0075】
さらにまた、同じ合成技術を用いることによって、1種よりも多くの反応性シラン原子を発色団分子に付着させることが可能である。発色団分子が2つの反応性シラン部位をもつとき、分子は加水分解および縮合反応の間に、より一層反応性である。分子の反応性もまた、どの種類のアルコキシ-またはハロ-のシランが用いられるかに依存して変動する。用いられた発色団の前駆体分子が用いられた縮合重合において簡単に反応するものであり、および低分子量の種、および/または他方であまりに高い分子量種が重合の間に形成されないことを確認することは重要である。最終的なポリマー生成物がより一層高く、およびより一層低い分子量種の双方を含む場合、これは概して短い保管寿命の材料に導かれる。さらにまた、反復可能な合成方法として、この種の重合を作成することは非常に難しい。前駆体分子反応性に加え、用いられた最終的なシロキサンポリマーの合成技術および方法は、最終的な材料の分子量分布に対してたくさんの量に影響を及ぼす。このため、たとえ前駆体分子の光学特性(nおよびk)が最終的なシロキサンポリマー組成物において用いるのに最適であるとしても、それは、それの低い反応性のために、合成において用いるのに適切でないことがある。発色団分子はまた、結果として生じる発色団前駆体分子の光学特性(nおよびk値)を修飾するために、異なる基でさらに置換することもできる。
【0076】
概して、シロキサンポリマーの反射防止材料の合成は、2つのステップからなり、すなわち、第1の合成ステップでは、前駆体分子は水および触媒、好ましくは酸触媒、たとえば塩酸、硝酸、酢酸、硫酸またはリン酸のような鉱酸またはスルホン酸(トルエンスルホン酸)のような有機酸、または固体酸のイオン交換樹脂の存在下に、加水分解され、そして第2のステップでは、材料の分子量は縮合重合により増加する。
【0077】
合成は、合成溶媒または溶媒の混合物において遂行される。合成のための適した溶媒は、たとえば、アセトン、THF、トルエン、2-プロパノール、メタノール、エタノール、メチル-タート-ブチルエーテル(MTBE)、PnP、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)である。
【0078】
最初に、前駆体、随意に水、触媒および合成溶媒(群)の混合物を、1-5時間還流させる。前駆体は、好ましくは上記の式IからVIIまでのいずれかに従うモノマーである。典型的に、上記式に従う2から8まで、好ましくは3または5つの異なる種のモノマーが用いられる。
【0079】
この後、合成溶媒(群)、水および他の副産物、たとえばアルコール類のようなものは、より一層高い沸点の溶媒(群)にまで、蒸留および溶媒交換プロセスを使用して取り除かれる。第2の合成ステップでは、材料はより一層高い沸点の溶媒において1-5時間さらに還流される。第2の合成ステップの間、材料の分子量は、縮合重合のために増やされる。第2のステップの後、反応副産物、水およびアルコール類のようなものは、蒸留を用いて取り除かれうる。また、用いられたより一層高い沸点の溶媒(群)は、堆積プロセスにおいて用いられることを要求される別の溶媒に変えることができる。2つまたはそれよりも多くの溶媒の混合物はまた、処理溶媒として用いることもできる。合成の間、一定のスタビライザー(安定剤)溶媒または添加剤を用いることは可能で、または、それらは合成の終わりに、材料の保管寿命を改善するために、最終的な合成された材料に加えられることができる。合成された材料は、次いで所望のフィルム厚さをもたらすために適切な溶媒または溶媒の組合せを用いて希釈される。フィルム厚さは、例は5nmから2μmまでにわたることができる。最終的な反射防止コーティングフィルムの厚さは、各装置の製造プロセスに従って最適化されなければならない。たとえば、上記の合成ステップの一方または双方での合成溶媒としてPGMEAを用いるとき、PGMEAが半導体産業の処理溶媒としてまた、定期的に用いられるので、本発明者らは必ずしも溶媒を最終的な材料のために変えなければならないわけではない。これは、材料の合成手法を、より一層簡単で、そしてより一層短い時間しかかからないようにする。他の処理溶媒には、PGME、NBA、NPA、PnP、2-プロパノールおよび水が含まれる。
【0080】
溶媒のために少なくとも250-300度の熱安定性は必要とされる。
【0081】
モノマーを重合するとき、以下の単位のいくつかを見せるシリコン材量が得られる。すなわち、-Si-C-(-Si-C-Si-)-O-Si-C-および-Si-O-、そしてさらに、直接的に、またはばシリコン原子の少なくとも1部分への炭化水素((C)x)、アミン(-NH-)、またはカルボニル(-CO-)リンカーのようなリンカーを介して付着される発色団基を含む。
【0082】
合成された最終生成物は、サブストレート上の材料フィルムの処理および硬化の間、さらに反応することができるのに足りる反応性架橋部位をもつために、適した形態をもつ。すでに、合成の間、生成物は、しかし、架橋される。とりわけ、縮合生成物は、ビニル、アクリラートまたはエポキシ基を通して部分的な架橋をされる。
【0083】
概して、3つの脱離基、とりわけ、3つのハロ基をもつオルガノ(有機)シリコン化合物は、2つの離脱基を有するオルガノシリコン化合物より高い架橋の程度を引き起こす。架橋はまた、有機部分に付着する置換性(substitutent)の基を介して起こる。
【0084】
重合した材料は、およそ500から500,000g/モルまで、典型的におよそ1000-30,000g/モルの分子量をもつ。分子量がより一層高いほど、より一層厚い層が紡糸液の同じ希釈にて得られる。
【0085】
用いられる吸収性化合物の組合せは、最終的な材料特性を適当なレベルに調整するために可能性を与える。採用された発色団の組合せは、フォトリソグラフィー露光ツールにおいて用いる波長での強い吸収バンドをもち、そしてこの仕方は、半導体装置の製造において反射防止コーティング層としてこれらの材料の適用を可能にしうる。
【0086】
典型的に、反射防止材料層の屈折率(n)は、1.5から1.8まで範囲内にある。反射防止材料層の吸収係数(k)は0.1および0.5の間での範囲において変動しうる。反射防止材料層のフィルム厚さについての典型的パラメーターは、およそ5nmからおよそ1000nmまで、とりわけ、およそ10から500まで、好ましくはおよそ20から300nmまでの範囲にあることができる。典型的に、反射防止材料層のシリコン含量は、材料の重さの20および50%の間、好ましくはおよそ30および45%の間で変動する。
【0087】
半導体装置の製造において、または装置構造の詳細中に用いられる石版術のプロセスについて詳述することなく、反射防止コーティングとして本発明において説明するシロキサンポリマー組成物を用いることの一般的な説明は、図1において記載する。石版術のプロセスに関連して、界面活性剤(例のByk-306または類似物)のような添加剤、および光酸ジェネレーター(発生剤)(Irgacure(イルガキュア)PAG 103およびCGI-1906のような例のCiba Specialty Chemicals(チバ スペシャルティ ケミカルズ)PAGのものまたは類似物)を、提示された反射防止コーティング組成において、それらのサブストレートおよび用いられたフォトレジスト材料との適合性を改善し、そして石版術のプロセスにおいて結果を改善するために用いることは、好ましい場合がある。
【0088】
図1において示すサブストレート110は、任意の材料、例は、シリコンウエハーからなることができ、その上で、シロキサンポリマーの反射防止層120が堆積されるのが望ましい。サブストレート(例は、シリコンウエハー)は、少なくとも1種の誘電層(有機的または無機的のいずれかでも)および複数の他の層または吸収性または透明、伝導性、半導体の、または絶縁性の材料である構造からなることができる。シロキサンポリマーの反射防止層120はサブストレート110上に堆積され、それは次いで、フォトレジスト層130で被覆される。このスタック(積み重ね)は、次いで紫外線光または電子のような何らか形態の放射に選択的に曝され、そして他の必要な石版術のプロセスを適用される。反射防止層120は、露光されたレジストのプロファイル(定常波)における望まれていない変動を生じさせることがあり、そしてスイング曲線効果が限界寸法の低下に導かれるサブストレート130(シリコンウエハーまたは他の反射層)からの反射を、取り消す、または減らすのに用いられる。反射防止層120はまた、半導体装置の製造ステップにおいて用いるその後のエッチングプロセスにおいてハードマスクとしても働くことができる。
【0089】
シロキサンポリマー反射防止コーティング120は、典型的に慣習的なスピン(回転)コーティング堆積技術を用いてサブストレート110表面上に堆積される。他の液相堆積方法はまた、応用およびプロセスニーズに依存して適用することもできる。典型的スピンコーティング堆積手法には、分注ステップ、スプレッドスピンステップおよび厚さスピンステップが含まれ、次いで縁部ビーズ除去ステップ(EBR)が続く。典型的な厚さスピン速度は、およそ30秒間で1500および3500rpmの間で変動する。被覆されたウエハーは次いで、ホットプレート上でベイクされ(焼かれ)る(不活性雰囲気または空気)。ホットプレートのベーキング手法は、1種または2つの(またはより一層多くの)別々の異なる温度でのどちらかでもからなることができる。好ましくは、単一のベーキングステップだけを用いる。ベイク温度は100℃から300℃までにわたることができ、そして各ベイクステップ時間は少なくとも30秒および120秒の間でありうる。ホットプレートベイクの後、サブストレート110-反射防止コーティング120スタックは、次にフォトレジスト堆積のような更なる処理のための準備が整う。サブストレート上で反射防止コーティング材料が堆積されるとき、または他方で、例のフォトレジストを反射防止コーティング層上で堆積するとき、下にある材料の表面上で拡がる材料および付着を改善し、および/または修飾するために、表面の処置を用いるのが好ましい。反射防止コーティング-フォトレジストインターフェースの場合、適切な付着をもつが、まだフォトレジストの現像ステップにおいて残留する層を排除する(get rid of)ことができるのが望ましい。付着はまた、露光されたフォトレジスト構造においてアンダーカットおよび基盤構造形成における役割を演じる。
【0090】
下記の表1は、合成された組成物の特性をまとめる。測定されたパラメーターは、フィルム厚さ、屈折率(n)および吸収係数(k)であった。厚さおよびnおよびkの測定は、GES5-PUV分光器偏光解析装置を使って硬化された材料のフィルム(シリコン基材上に堆積される)から実行された。測定は76度の入射角で実行した。Winelli(ワイナリー)_IIをスペクトルフィッティングのために用いた。測定において用いたスペクトル範囲は150nm-650nmであった。図1-4は、nおよびkのスペクトルプロットを波長(nm)およびエネルギー(eV)の関数とし示す。表1は、157nm、193nm、248nmおよび633nmの波長について特徴のあるnおよびkの値を示す。表1におけるシリコン含量(%)値は計算された理論的な値である。これらの計算は最終的な組成の原子重さに基づく。純粋なSiO2のための例として、シリコン含量は46.7%(28.09/60.09 * 100% = 46.7%)である。
【0091】
【表1】

【0092】
まとめるために、表1に示す組成物は次のようである。
- 17.4%から41.9%までのSi-含量(理論上)、
- 157nmでの1.382-1.581、193nmでの1.507-1.839、248nmでの1.471-1.674、633nmでの1.44-1.593の屈折率(n)、および
- 157nmでの0.0623-0.2281、193nmでの0.2366-0.7635、248nmでの0.0011-0.6417、633nmでの0.0006-0.0143の吸収係数(k)である。
【0093】
組成物を代わるがわる、材料特性を変動させることが可能である。明らかに、他の組成の変形物はこれらの方法に基づいて合成することができ、そして広範囲の特性を達成することができる。
【0094】
以下に、本発明者らはそれらの組成に基づく合成されたシロキサンポリマー材料を分析する。
【0095】
最初に図2を参照し、吸収係数(k)を波長の関数として描写する場合、本発明者らによれば明らかに以下のことが見え、それは、その発色団分子(R1、R2)が用いられることにより、特定の吸収バンドは一定の波長で現れることである。例1、2および5の材料の場合には、材料は前駆体分子としてフェニルトリメトキシシラン(PTMS)およびテトラエトキシシラン(TEOS)だけを用いて合成される。フェニル基は、約189nmの波長でピークに達するその主要吸収バンドをもつ。これらの組成物におけるPTMSのモル%量は、それぞれ、44%、30%および10%である。189nmの波長で、PTMSの44モル%は、0.7750のk-値をもたらし、30モル%のPTMSは0.6244のk-値をもたらし、PTMSの10%のモル%は0.3347のk-値をもたらす。フェニルがより一層高いと、189nmでの吸収(k)はより一層高い。TEOSの吸収係数はこれらの波長でおよそ0である。例7の材料は、前駆体分子としてフェナントレン-9-トリエトキシシラン(PhenTES)およびテトラエトキシシラン(TEOS)だけを用いて合成された。例8の材料は、前駆体分子としてナフタレン-9-トリエトキシシラン(NaphTES)およびテトラエトキシシラン(TEOS)だけを用いて合成された。図2から、PhenTESおよびNaphTESは非常に類似した吸収バンド構造をもつことが見られる。しかし、それらの吸収バンド構造は、PTMSとはかなり大いに異なる。吸収ピークは、165nm、186nm、213nm、223nmおよび255nmで見出せる。最も高いk-値は255nmにある。PTMS吸収バンド構造と比べるとき、同じピークが186-189nmの範囲で3つの発色団のすべてで見出せることに注目される。
【0096】
図3において、屈折率(n)は波長の関数として描写される。PTMSはおよそ197nmおよび217nmでその屈折率の最大値をもつ。44モル%の組成物は、それぞれ、2.0650および1.9030の屈折率をもつ。フェニル含量が高いほど、屈折率は197nmおよび217でより一層高い。ふたたび、PhenTESおよびNaphTESの場合、屈折率のためのスペクトルのプロットは互いに非常に類似する。しかし、吸収バンド構造によるケースでのように、それらの屈折率のスペクトルのプロットはPTMSとかなり大いに異なる。屈折率ピークの最大値は、169nm、192nm、217nm、227nm、272nmおよび310nmで見出すことができる。最も高い屈折率値は、272nmの波長にある。PTMS屈折率のスペクトルプロットと比べるとき、類似したピークが192-217nmの範囲で3つの発色団のすべてで見出すことができることに注目される。
【0097】
残りの材料組成物の例は、同じ材料組成物での上述の発色団のうちの2つの混合物である。BARC適用のためにどんな波長範囲が興味を起こさせるかに依存して、Si-含量、屈折率およびk-値を一定のレベルに合わせなければならない。これらの調整をするにあたって、本発明者らは、材料の合成において1種よりも多くの発色団分子を用いることが有益であることを見出した。別の基礎マトリクスの前の分子を、その合成において、たとえば、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシビニルシランおよびジメチルジエトキシシランのようなものを用いることはまた、有益であることもある。
【0098】
残りの例およびそれらの説明を193nmの波長で議論する。次に例2および3の材料を参照し、例2および3を比較するとき、材料の間の違いが材料3において、PTMS分子の15モル%がPhenTES分子の15モル%と入れ替えられたことである点に注目することができる。予測されるように、193nmの波長での吸収係数(absorption co-effient)(k)および屈折率(n)の双方が下がることに注目することができ、それは、PTMS基がその波長領域でPhenTESよりかなり大量により一層高い特徴的なn-およびk-値をもつからである。さらにまた、例3および4の材料を比較するとき、これらの間の違いは、例4の材料の場合に、PTMS量さえさらに減少したということであり、それにより双方のk-およびn-値の更なる低下がもたらされる。
【0099】
次に、例4および10の材料を比較することができる。それらの組成物では、PTMS量は一定に保たれるが、PhenTES量は例10の場合にはより一層低い。データから見ることができるように、193nmでの屈折率はほとんど一定のままであるが、組成物のk-値は減らされた。これはnおよびk値を調節するために自由を与える。最後に、例10および9の材料を比較して、これらの間の違いは、例9の場合において、TEOS量の半分がメチルトリエトキシシラン(MeTES)と入れ替えられることである。ふたたび、これはk-値をn-値よりも一層明白に低下させることに影響を及ぼす。n-およびk-値を適切なレベルに合わせるとき、あるものはまた、シリコン含量値を同時に、特定のBARCの適用のために正しく合わせられたすべてのパラメーターを得るために考慮しなければならない。材料における有機/無機の比率は、所望のエッチング特性を定める。
【実施例】
【0100】
以下には、本発明を、上述した好ましい反射防止コーティング組成物の調製の更なる詳細を与える多数の実施例を用いて例証する。例で用いる同じ番号付けは、各試料を指し示すために、表1で用いる。
例1
【0101】
フェニルトリメトキシシラン(14.04g、44モル%)、テトラエトキシシラン(18.78g、56モル%)を丸底フラスコ中に秤量した。65.64gのアセトンを丸底フラスコに加えた。10.34gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を27分の間RT(室温)でかき回し、そして電気マントルを用いて、5時間還流した。還流後、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて、反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、72gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物は、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)でさらに蒸発させた。溶媒交換の後、材料溶液を2時間120℃で還流させた。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過後すぐに用いられる。材料は、4%の固形分に希釈され、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過された。ろ過された溶液を、次いでシリコンウエハー上に分配し、そして30秒間2500rpmの回転速度を用いてスピンコートした。被覆されたウエハーを次いで、60秒間140℃でソフトベークし、次いで180秒間250℃でハードベーキング(堅焼き)によった。硬化された材料のフィルムの光学特性および厚さを、GES5-PUV分光偏光解析装置を用いて特徴付けた。測定を76度の入射角度で実行した。Winelli_IIをスペクトルフィッティングのために用いた。測定されたフィルム厚さは53.3nmであり、そして157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)はそれぞれ、1.486、1.839、1.674および1.53であって。157nm、193nm、248nmと633nmでの減衰(吸光)係数(k)は、それぞれ、0.1314、0.7635、0.0033および0.0006であった。同じ堆積および硬化パラメーターおよびフィルムの特徴付け技術は、以下の例のすべてで用いた。例のすべてのための測定データをまた、表1にもまとめる。
【0102】
図1-4は、nおよびkのスペクトルプロットを波長(nm)およびエネルギー(eV)の関数として描写する。
例2
【0103】
フェニルトリメトキシシラン(9.57g、30モル%)、テトラエトキシシラン(23.46g、70モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。66.06gのアセトンを丸底フラスコ中に加えた。10.75gの水(0.01MのHCl)を、5分以内に反応フラスコ中に加え、一方、磁気撹拌機を用いて、反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を27分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50C)。大部分のアセトンを除去した後、72.07gのPGMEAをフラスコ中に加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50C、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、材料溶液を、2時間120Cで還流させた。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは52.2nmであった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)は、それぞれ、1.528、1.813、1.628および1.506であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.107、0.5901、0.0011および0.0011であった。
例3
【0104】
フェニルトリメトキシシラン(4.78g、15モル%)、テトラエトキシシラン(23.46g、70モル%)およびフェナントレン-9-トリエトキシシラン(8.24g、15モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。72.96gのアセトンを丸底フラスコ中に加えた。10.75gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコ中に加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を28分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)= 50℃)。大部分のアセトンを除去した後、72.18gのPGMEAをフラスコ中に加えた。溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、反応混合物をさらに回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)に保った。溶媒交換の後、材料溶液を、2時間120Cで還流させた。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは55.9nmであった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)は、それぞれ、1.461、1.649、1.517および1.507であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.1428、0.3585、0.2983および0.0067であった。
例4
【0105】
フェニルトリメトキシシラン(4.36g、10モル%)、テトラエトキシシラン(30g、83モル%)およびフェナントレン-9-トリエトキシシラン(5.26g、7モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。158.5gのアセトンを丸底フラスコに加えた。15.2gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコ中に加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を27分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、72gのPGMEAをフラスコ中に加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50C、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、材料溶液を、2時間120Cで還流させた。2時間の還流ステップ後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは41.1nmであった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)は、それぞれ、1.483、1.628、1.5および1.475であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.1183、0.329、0.2291および0.0062であった。
例5
【0106】
フェニルトリメトキシシラン(2.60g、10モル%)、テトラエトキシシラン(24.59g、90モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。54.38gのアセトンを丸底フラスコ中に加えた。9.21gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を27分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて、5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50C)。大部分のアセトンを除去した後、60gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、材料溶液を、2時間120℃で還流させた。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは48.2nmであった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)は、それぞれ、1.581、1.708、1.534および1.459であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.0623、0.2568、0.0037および0.0017であった。
例6
【0107】
フェニルトリメトキシシラン(1.60g、5モル%)、テトラエトキシシラン(26.81g、80モル%)およびフェナントレン-9-トリエトキシシラン(8.24g、15モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。73.3gのアセトンを丸底フラスコ中に加えた。10.75gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を27分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、72gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)= 50℃、1時間)でさらに蒸発させた。溶媒交換の後、材料溶液を2時間120Cで還流させた。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは45.5nmであり、そして157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)はそれぞれ、1.466、1.55、1.471および1.482であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.1352、0.2593、0.3501および0.0082であった。
例7
【0108】
フェナントレン-9-トリエトキシシラン(7.71g、60モル%)、テトラエトキシシラン(3.42g、40モル%)を丸底フラスコ中に秤量した。27.84gのアセトンを丸底フラスコ中に加えた。2.52gの水(0.1MのHCl)を5分以内に反応フラスコ中に加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を28分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後、反応溶液を乾燥状態にまで蒸発させた(蒸発:p=200-38mbar、t(浴)=48℃、t=10分)。蒸発の後、白い固体生成物が得られた。この後、高度の真空処置を実行した(p<1mbar、t=RT、60分)。14.84gのPGMEAを加え、そして材料を希釈およびろ過の後すぐに用いられた。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは43.7nmであり、そして、157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)はそれぞれ、1.375、1.507、1.478および1.568であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.2281、0.377、0.6417および0.0143であった。
例8
【0109】
ナフタレン-2-トリエトキシシラン(10.07g、60モル%)、テトラエトキシシラン(4.80g、40モル%)を丸底フラスコ中に秤量した。37.18gのアセトンを丸底フラスコ中に加えた。3.53gの水(0.1MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を、28分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後、反応溶液を乾燥状態にまで蒸発させた(蒸発:p=200-38mbar、t(浴)= 48℃、t =10分)。蒸発の後、白い固体生成物が得られた。この後、高度の真空処置を実行した(p<1mbar、t = RT、60分)。17.52gのPGMEAを加え、そして材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられた。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは53nmであり、そして、157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)はそれぞれ、1.382、1.524、1.513および1.593であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.2232、0.3709、0.631および0.013であった。
例9
【0110】
フェニルトリメトキシシラン(3.19g、10モル%)、テトラエトキシシラン(14.58g、43.5モル%)、メチルトリエトキシシラン(12.48g、43.5モル%)およびフェナントレン-9-トリエトキシシラン(1.65g、3モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。63.8gのアセトンを丸底フラスコに加えた。9.96gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を26分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、36gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、溶液の固形分は34.21%であると測定された。この溶液を次いで、25%の固形分(15.2gのPGMEAを加えた)にまで、さらに希釈した。25%の固形分をもつこの反応混合物を、2時間120℃で還流させた。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは50.4nmであった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折率(n)は、それぞれ、1.596、1.655、1.503および1.459であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.1023、0.2366、0.106および0.0034であった。
例10
【0111】
フェニルトリメトキシシラン(3.19g、10モル%)、テトラエトキシシラン(29.16g、87モル%)およびフェナントレン-9-トリエトキシシラン(1.65g、3モル%)を、丸底のフラスコ中に秤量した。68gのアセトンを丸底フラスコ中に加えた。11.22gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を27分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、36gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、溶液の固形分は35.15%であると測定された。この溶液は次いで、25%の固形分(15.64gのPGMEAを加えた)にまでさらに希釈された。25%の固形分をもつこの反応混合物を、2時間120℃で還流させた。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは43.0nmであり、そして157nm、193nm、248nmおよび633nmでの屈折インデックスはそれぞれ、1.518、1.635、1.489および1.44であった。157nm、193nm、248nmおよび633nmでの減衰係数(k)は、それぞれ、0.085、0.2722、0.1137および0.005であった。
例A(モノシランおよびカルボシランのモノマーの一緒の使用を代表する)
【0112】
フェニルトリメトキシシラン(10モル%)、テトラエトキシシラン(87モル%)および1-(9-フェナントレニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(3モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。68gのアセトンを丸底フラスコに加えた。11.22gの水(0.01MのHCl)を、5分以内に反応フラスコに加え、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を27分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)= 50℃)。大部分のアセトンを除去した後、36gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、溶液の固形分は35.15%であると測定された。この溶液は、それから、25%(15.64gのPGMEAを加えた)の固形分にまで、さらに希釈された。25%の固形分をもつこの反応混合物を2時間120℃で還流させた。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料は4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは53.0nmであり、そして、193nmでの屈折率は1.635であった。193nmの減衰係数(k)は0.27であった。
例B(2つの異なるカルボジシランモノマーの一緒の使用を代表する)
【0113】
1-(フェニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(10モル%)、テトラエトキシシラン(87モル%)および1-(9-フェナントレニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(3モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。66gのアセトンを丸底フラスコに加えた。11.6gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を27分間RTでかき回し、そして電気マントルを用い5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、36gのPGMEAをフラスコ中に加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)で、さらに蒸発した。溶媒交換の後、溶液の固形分は33%であると測定された。この溶液は次いで、25%(14.6gのPGMEAを加えた)の固形分にまでさらに希釈された。25%の固形分をもつこの反応混合物は、2時間120℃で還流された。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料は4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは46.0nmであり、そして193nmでの屈折率は1.59であった。193nmでの減衰係数(k)は0.23であった。
例C
【0114】
1-(フェニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(10モル%)、テトラエトキシシラン(43.5モル%)、メチルトリエトキシシラン(43.5モル%)および1-(9-フェナントレニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(3モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。66gのアセトンを丸底フラスコに加えた。9.96gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を26分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、34gのPGMEをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGME添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)で、さらに蒸発した。溶媒交換の後、溶液の固形分は34%であると測定された。この溶液は次いで、25%(15.9gのPGMEを加えられた)の固形分にまでさらに希釈された。25%の固形分をもつこの反応混合物は、2時間120℃で還流された。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定したフィルム厚さは46.4nmであった。193nmの屈折率(n)は1.62であった。193nmの減衰係数(k)は0.21であった。
例D
【0115】
1-(フェニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(10モル%)、テトラエトキシシラン(43.5モル%)、メチルトリエトキシシラン(41.5モル%)およびビニルトリエトキシシラン(5モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。70gのアセトンを丸底フラスコに加えた。10.4gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を26分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、34.7gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴室)=50℃、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、溶液の固形分は34%であると測定された。この溶液は次いで、25%(16.9gのPGMEAを加えられた)の固形分にまでさらに希釈された。25%の固形分をもつこの反応混合物は、2時間120℃で還流した。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料を4%の固形分にまで希釈され、0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過され、測定されたフィルム厚さは46.4nmであった。193nmでの屈折率(n)は1.65であった。193nmでの減衰係数(k)は0.21であった。
例E
【0116】
1-(フェニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(7.5モル%)、テトラエトキシシラン(59モル%)、メチルトリエトキシシラン(32.5モル%)および1-(9-フェナントレニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(1モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。59gのアセトンを丸底フラスコに加えた。8.5gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を26分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、33gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、溶液の固形分は35%であると測定された。この溶液を次いで、25%(15.9gのPGMEAを加えた)の固形分にまでさらに希釈した。25%の固形分をもつこの反応混合物を、2時間120℃で還流した。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料は4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定したフィルム厚さは46.4nmであった。193nmでの屈折率(n)は1.66であった。193nmでの減衰係数(k)は0.17であった。
例F
【0117】
1-(フェニル)-1,1,4,4,4-ペンタメトキシ-1,4-ジシランブタン(7.5モル%)、テトラエトキシシラン(59モル%)、メチルトリエトキシシラン(33.5モル%)を、丸底フラスコ中に秤量した。58gのアセトンを、丸底フラスコに加えた。8.3gの水(0.01MのHCl)を5分以内に反応フラスコに加え、一方で、磁気撹拌機を用いて反応混合物を絶えずかき回した。この後、反応混合物を26分間RTでかき回し、そして電気マントルを用いて5時間還流させた。還流後に、大部分のアセトンを、回転蒸発器を用いて反応混合物から除去した(圧力350->250mbar、t(浴)=50℃)。大部分のアセトンを除去した後、32gのPGMEAをフラスコに加えた。反応混合物を、溶媒交換を実行するために、PGMEA添加の後、回転蒸発器(圧力45mbar、t(浴)=50℃、1時間)で、さらに蒸発させた。溶媒交換の後、溶液の固形分は35%であると測定された。この溶液を次いで、25%(14.9gのPGMEAを加えた)の固形分にまでさらに希釈した。25%の固形分をもつこの反応混合物を、2時間120℃で還流した。2時間の還流ステップの後、材料は希釈およびろ過の後すぐに用いられる。材料を4%の固形分に希釈し、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過した。測定されたフィルム厚さは46.4nmであった。193nmでの屈折率(n)は1.67であった。193nmでの減衰係数(k)は0.16であった。
追加的例:
【0118】
加えて、他のモノマー、オリゴマー、ポリマー、または添加剤類を、ブレンドまたはさらに共重合することによって、上記の例から得られるカルボシラン/シランのポリマー材料を修飾することが可能である。これらのモノマー、オリゴマー、ポリマーおよびまたは添加剤は、有機的、シラン、カルボシランまたは他の種類の物質のいずれであってもよい。これらの添加剤は一連の分子量をもつことができ、および異なる種類の反応部位または特定の表面および組成物のために都合がよいキャッピング基をもつことができる。ブレンドまたは更なる共重合を利用することによって、異なるサブストレート(種々の可能性がある装置層を意味する)およびフォトレジスト材料層表面への組成物適合性(接着性のようなもの)を改善することは可能である。
例G
【0119】
例Fからの材料は、ポリエチレン酸化物ポリマーの10重量-%とブレンドされる。配合は、25%の固形分のPGMEA溶液に、ポリエチレン酸化物ポリマーを溶かすことによって遂行される。このブレンドされた溶液は、次いで4%の固形分にまでさらに調剤され、そして0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過され、そして使用および堆積のために準備される。
例H
【0120】
例Fからの材料を、予め重合されたトリメチロールプロパントリアクリレートポリマーの10重量-%と配合される。予め重合されたアクリラートポリマーを、それが例Fから得られた材料の25%の固形分のPGMEA溶液中に溶解することによって配合される。この配合された溶液を次いで4%の固形分に調剤され、0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過され、そして使用および堆積のために準備される。
例I
【0121】
例Fからの材料を、商業上入手可能な水素シルセスキオキサンポリマー〔Dow Corning(ダウ・コーニング)、Fox series(フォックス・シリーズ)〕の20重量-%と配合する。配合は、例Fから得られる材料の25%の固形分PGMEA溶液に水素シルセスキオキサンポリマーを溶かすことによって遂行される。配合された溶液を、次いで4%の固形分にさらに調剤され、0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過され、そして使用および堆積のために準備される。
例J
【0122】
例Fからの材料を、エポキシ機能化されたシロキサンポリマーの20重量-%と配合される。シロキサンポリマーは、加水分解され、および溶媒および酸触媒の存在下に(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランおよびフェニルトリメトキシシランモノマーを縮合重合させることによって得られる。結果として生じるシロキサン/シランのポリマーを、例Fから得られる材料の25%の固形分のPGMEA溶液にこのシランポリマーを溶かすことによって配合される。この配合された溶液を、次いで4%の固形分にまでさらに調剤され、0.1μmのPTFEフィルターを用いてろ過され、そして使用および堆積のために準備される。
【0123】
例G-Jは配合のためのオプションの若干を代表する。異なる組成物を伴う他の異なる種類の添加剤を、ケースバイケースで条件に応じて用いることができる。さらにまた、モノマー、オリゴマー、ポリマー、または他の添加剤は、それが好まれるならば、材料マトリクスに特定の反応性官能基を通して随意に共重合することができる。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素原子の少なくとも1部分に直接的に付着された発色団基を有するケイ素ポリマー骨格をもち、そのポリマーはさらにカルボシラン結合を見せる、ケイ素ポリマー材料。
【請求項2】
1つまたはいくつかの以下の結合、すなわち、−Si−C−、−Si−C−Si−、−O−Si−C−および−Si−O−を含み、および直接的にまたは炭化水素、アミン、またはカルボニルのリンカーを介して、ケイ素原子の少なくとも1部分に付着された発色団基を随意に含む骨格をもつ有機無機シロキサン材料が包含される、請求項1の材料。
【請求項3】
(R)−C−Si(R)−C−骨格を含み、式中、各Rは無関係に、水素、線状または分枝したアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アクリル、アクリラート、アリール、多環芳香族および多環式の基の群から選ばれ、Rsのうちの少なくとも1種は発色団基であり、および式中、各Rは無関係に、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、エポキシ、ビニル、トリル、アクリル、アクリラート、アルキル(アルキ)アクリラート、アリール、多環芳香族および多環式の基の群から選ばれる、請求項1または2の材料。
【請求項4】
少なくとも部分的に架橋され、および隣接したシロキサンまたはカルボシラン鎖(群)の反応基を有する置換基RおよびRのうちの少なくとも1つの架橋反応から導き出される架橋原子団を含む、請求項2の材料。
【請求項5】
−Si−(C)−Si−結合を含む、請求項1から4までのいずれか1項に従う材料。
【請求項6】
−Si−(C)−Si−結合を含み、および連結基−(C)−は無関係に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アクリル、アクリラート、アリール、多環芳香族または多環式の基である、請求項5に従う材料。
【請求項7】
−Si−(C)−Si−結合を含み、および連結基−(C)−は無関係に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アクリル、アクリラート、アリール、多環芳香族または多環式の基であり、および1から25個までの炭素原子を含む、請求項5に従う材料。
【請求項8】
発色団基には共役された不飽和結合を含む環式基が含まれる、請求項1から5までのいずれか1項の材料。
【請求項9】
発色団基は随意に置換される1から6個までの芳香環を有する芳香族基から選ばれる、請求項1から8までのいずれか1項の材料。
【請求項10】
発色団基は、1個の芳香環をもつ芳香族基によって構成された化合物および2から5個までの融合した芳香環によって構成された化合物の群から選ばれ、各々の芳香環は随意に置換される、請求項9の材料。
【請求項11】
置換基は、ハロゲン原子および1から20個までの炭素原子を含むアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシおよびアリールの基の群から選ばれる、請求項9または10の材料。
【請求項12】
発色団基には、0から3個までの置換基を含む、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンおよびペンタセンから選ばれる多環式芳香族基が包含される、請求項1から11までのいずれか1項の材料。
【請求項13】
次の式
−R−SiX
および
SiX−R−SiX II
をもつ前躯体から導き出される残基を含み、
式中、Rは無関係に、水素、ヒドロキシル、線状および分枝したアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、1から6個までの環をもつ多環式およびアリールの基の群から選ばれ、ポリマーのRsの少なくとも1種は発色団基であり、
各Xは無関係に、加水分解性基または炭化水素残基を示し、および
は随意のアルキレン基−CH−、フェニレン基または多環式の基のような二価炭化水素リンカーを表し、それは随意に有機置換基またはそれらの混合物を伴う、請求項1から12までのいずれか1項の材料。
【請求項14】
次の式IIIおよびIV
−R−SiX III
および
SiX−R−SiX IV
のいずれかまたは双方に従うモノマーから導き出される残基を含み、
式中、Rは、水素、ヒドロキシル、線状および分枝したアルキルおよびシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、(アルキ)アクリラートおよびアルコキシおよび1から6個までの環をもつアリールの基からなる群より選ばれ、
各Xは無関係に上記のような同じ意味を持ち、および
は随意の二価の炭化水素リンカーを表し、それは随意に有機置換基またはそれらの混合物を伴う、請求項1から13までのいずれか1項の材料。
【請求項15】
次の式VおよびVI
SiX’4−a
および
SiX’4−b VI
の基のいずれかまたは双方に従うモノマーから導き出される残基を含み、
式中、Rは発色団基を表し、
は、水素、ヒドロキシル、線状および分枝したアルキルおよびシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、(アルキ)アクリラートおよびアルコキシおよび1から6個までの環をもつアリールからなる群より選ばれ、
各X’は無関係に、加水分解性基または炭化水素残基を示し、および
aおよびbは整数1から3までである、請求項12から14までのいずれか1項の材料。
【請求項16】
次の式VII
SiX’4−c VII
に対応する少なくとも1種のモノマーからの残基を含み、
式中、Rは、水素、ヒドロキシル、1個またはいくつかの置換基を随意に伴うアルキルまたはシクロアルキル、またはアルコキシを表し、
各X’は無関係に、上記のような同じ意味をもつ加水分解性基または炭化水素残基を示し、および
cは整数1から3までである、先行する請求項のいずれか1項の材料。
【請求項17】
炭化水素残基は、線状または分枝したアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、エポキシ、ビニル、トリル、アクリル、アクリラート、アルキル(アルキ)アクリラートおよびアリールの基の群から選ばれる、請求項13から16までのいずれか1項のシリコーン材料。
【請求項18】
トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシビニルシラン、およびジメチルジエトキシシランから導き出される残基を含む、先行する請求項のいずれか1項の材料。
【請求項19】
加水分解性基はハロゲンのアルコキシ基である、請求項13から18までのいずれか1項に従う材料。
【請求項20】
式中、R、R、RおよびRは無関係に、そして随意に、フルオロ、ブロモ、C1−10−アルキル、C1−10−アルコキシ、C1−10−アルケニル、C6−18−アリール、アクリル、エポキシ、カルボキシルおよびカルボニルの基から選ばれる1種またはいくつかの置換基によって置換される、先行する請求項のいずれか1項に従う組成物。
【請求項21】
液体またはフィルムが包含される、請求項1から20までのいずれか1項に従う組成物。
【請求項22】
前記組成物は、ジシランのケイ素原子のうちの少なくとも1つに付着された少なくとも1種の発色団基を見せる少なくとも1種のジシランモノマー種を含むシランモノマーを加水分解することによって得られる、先行する請求項のいずれか1項に従う組成物。
【請求項23】
−Si−C−Si−を1つまたはいくつかの次の結合、すなわち、−Si−C−、−O−Si−C−および−Si−O−と一緒に含み、および随意に直接的に、または炭化水素、アミン、またはカルボニルのリンカーを介して、少なくともケイ素原子の1部分に付着する発色団基を含む骨格をもつ有機無機シロキサン材料が包含される、請求項22の材料。
【請求項24】
(a)Si原子に直接的に付着する少なくとも1種の炭化水素基をもち、炭化水素基は非芳香族の、飽和したか、または不飽和の炭化水素基を含む、アルコキシシラン、アシルオキシまたはクロロシランであり、前記シランは、存在するシランの合計モルに基づいて0から98モルパーセントまでの濃度で存在するもの、
(b)カルボジシランの2つのSi原子の1つに直接的に付着する少なくとも1種の炭化水素基をもち、炭化水素基は芳香環を含む、アルコキシカルボジシラン、アシルオキシカルボジシランシランまたはクロロカルボジシラン、および
(c)存在するシランの合計モルに基づいて0から98モルパーセントまでのテトラアルコキシ、アシルオキシまたはクロロシランの代わりの基のシラン
の加水分解されたか、または部分的に加水分解された生成物を含む、請求項22または23に従う組成物。
【請求項25】
さらに、
(d)直接的にSi原子に付着した少なくとも1種のC−C架橋基をもつアルコキシシラン、アシルオキシシランまたはクロロシランを含む、請求項24の組成物。
【請求項26】
(a)次の式
【化1】

式中、R1は、アルコキシシラン、アシルオキシまたはクロロシランであり、およびR2は、水素、メチル、エチル、プロピルまたはブチル、ビニル、アリルの基であるもののシランの5−98モル%、なるべくなら10から40モル%までであり、
(b)カルボジシラン
【化2】

式中、R1は、アルコキシシラン、アシルオキシまたはクロロシランであり、R3はメチレン、エチレンまたはプロピレン、アリーレン、架橋原子団であり、およびR4は芳香族または多環芳香族の基であるものの1から30モルパーセントまで、なるべくなら2から20モルパーセントまでのもの、および
(c)式
【化3】

式中、R1は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアシルオキシシランまたはテトラクロロシランであるものの0から98モルパーセントまで、なるべくなら20から60モルパーセントまでのもの
の加水分解生成物を含む、請求項24または25の組成物。
【請求項27】
モノマー(d)の架橋基は、スチレン、C−Cアルケニル、C2−6アルキニル、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチル−アミノ、3−アミノ、および炭化水素基を含むエポキシの群から選ばれる、請求項25または26に従う組成物。
【請求項28】
第1のシラン(a)は、水素、メチルまたはビニルアルコキシシランであり、および第2のシラン(b)は、1−(9−フェナントレニル)−1,1,4,4,4−ペンタメトキシ−1,4−ジシランブタンまたは1−(フェニル)−1,1,4,4,4−ペンタメトキシ−1,4−ジシランブタンまたは1,1,1,4,4,4−ペンタメトキシ−1,4−ジシランフェニレンである、請求項24から27までのいずれか1項の組成物。
【請求項29】
第1のシラン(a)は、水素、メチルまたはビニルアルコキシシランであり、および第2のシラン(b)は、1−(9−フェナントレニル)−1,1,4,4,4−ペンタエトキシ−1,4−ジシラブタン、1−(フェニル)−1,1,4,4,4−ペンタエトキシ−1,4−ジシラブタンまたは1,1,1,4,4,4−ペンタエトキシ−1,4−ジシラフェニレンである、請求項24から27までのいずれか1項の組成物。
【請求項30】
第1のシラン(a)は、水素、メチルまたはビニルクロロシランであり、および第2のシラン(b)は、1−(9−フェナントレニル)−1,1,4,4,4−ペンタクロロ(pentacholoro)−1,4−ジシラブタン、1−(フェニル)−1,1,4,4,4−ペンタクロロ−1,4−ジシラブタンまたは1,1,1,4,4,4−ペンタクロロ−1,4−ジシラフェニレンである、請求項24から27までのいずれか1項の組成物。
【請求項31】
40%よりも高い、およびなるべくなら最高45%のシリコンw−%を見せる、請求項1から30までのいずれか1項に従う組成物。
【請求項32】
請求項1から31までのいずれか1項に従う組成物を生産する方法であって、次の式I、IIまたはV
−R−SiX
SiX−R−SiX II
SiX’4−a
をもつ少なくとも1種のモノマーおよび/またはカルボジシランの2つのSi原子の1つに直接的に付着する少なくとも1種の炭化水素基をもち、炭化水素基は芳香環を含むアルコキシカルボジシラン、アシルオキシカルボジシランシランまたはクロロカルボジシランを、
随意に、次の式III、IVまたはVI
−R−SiX III
SiX−R−SiX IV
SiX’4−b VI
式中、Rは発色団基を表し、
は、水素、線状または分枝したアルキルおよびシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、(アルキ)アクリラートおよびアルコキシおよび1から6個の環をもつアリールからなる群より選ばれ、
は、ハロゲン、随意に1つまたはいくつかの置換基を伴うアルキルまたはシクロアルキル、またはアルコキシを表し、
各Xは無関係に、加水分解性基または炭化水素残基を示し、および
各aおよびbおよびcは無関係に整数1から3までであるものの少なくとも1種のモノマーとともに、
溶媒および触媒の存在下に反応させる工程、および反応生成物を回収する工程を含む、方法。
【請求項33】
2から8まで、なるべくなら3から5までの異なる種類のモノマーを反応させる、請求項32に従う方法。
【請求項34】
− モノマーおよび第1の溶媒の反応混合物を形成すること、
− 第1の生成物を形成するために触媒および第1の溶媒の存在下にモノマーを加水分解させること、
− 反応混合物から第1の溶媒を除去すること、および第2の溶媒を加えること、および
− 第1の生成物よりも高い分子量をもつ縮合生成物を得るために第2の溶媒において第1の生成物を縮合重合させること
を含む、請求項32または33に従う方法。
【請求項35】
第2の溶媒は第1の溶媒よりも高い沸点をもち、および縮合重合は第2の溶媒において第1の溶媒でのものよりも高い温度で遂行される、請求項34に従う方法。
【請求項36】
溶媒(群)は、アセトン、THF、トルエン、2−プロパノール、メタノール、エタノール、メチル−タート−ブチルエーテル(MTBE)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、およびそれらの混合物の群から選ばれる、請求項32から35までのいずれか1項に従う方法。
【請求項37】
生成物は合成の間に架橋される、請求項32から36までのいずれか1項に従う方法。
【請求項38】
縮合生成物は、ビニル、アクリラートまたはエポキシの基を通して部分的な架橋をされる、請求項32から37までのいずれか1項に従う方法。
【請求項39】
合成された最終生成物は、基材上の材料フィルムの処理および硬化の間、さらに反応することができるのに足りる反応性架橋部位をもつのに適する形態を有する、請求項32から38までのいずれか1項に従う方法。
【請求項40】
半導体装置を反射防止コーティングで被覆する方法であって、次の
− 薄層を形成するために請求項1から22までのいずれか1項に従う組成物で半導体装置の表面を被覆すること、
− 反射防止コーティング層を形成するために被覆された層を硬化すること、および
− 石版術のプロセス(処理)のために必要な少なくとも1種のさらなる層を有する反射防止コーティング層を随意に提供すること
の工程を含む、方法。
【請求項41】
反射防止コーティングは石版術のプロセスによって形成される、請求項40に従う方法。
【請求項42】
基材上で反射防止コーティングを含み、コーティングは請求項1から31までのいずれか1項に従う組成物の硬化した薄層を含む、半導体構成要素。
【請求項43】
石版術のプロセスにおける転写層としての請求項1から31までのいずれか1項の組成物の使用。
【請求項44】
組成物は薄膜を形成するために基材上に堆積され、そして次いで少なくとも100℃の温度で固められるプロセスでの、請求項1から31までのいずれか1項の組成物の使用。
【請求項45】
193nmの石版術のプロセスでの反射防止コーティングにおける請求項1から31までのいずれか1項の組成物の使用。
【請求項46】
3層石版術プロセスにおけるスピンオン炭素およびフォトレジスト層の間での中間層としての請求項1から31までのいずれか1項の組成物の使用。
【請求項47】
193nmの石版術プロセスにおける反射防止コーティングとして、およびそれが屈折率、なるべくなら1.5−1.8(193nmで)の範囲をもたらす仕方が選定される、請求項1から31までのいずれか1項の組成物の使用。
【請求項48】
193nmの石版術プロセスにおける反射防止コーティングとして、およびそれが吸収係数(k−値)、なるべくなら0.1−0.5(193nmで)の範囲をもたらす仕方が選定される、請求項1から31までのいずれか1項の組成物の使用。
【請求項49】
トランスファーハードマスクを含むUV吸収性または非吸収性のシリコンとしての、請求項1から31までのいずれか1項に従う組成物の使用。
【請求項50】
カルボシラン組成物は、有機モノマー、オリゴマーまたはポリマー添加剤とブレンドされ、または共重合される、請求項1から31までのいずれか1項に従う組成物。
【請求項51】
カルボシラン組成物は別のシラン/シロキサンのポリマーと何らかの比率でブレンドされ、または共重合される、請求項50に従う組成物。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−504522(P2011−504522A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532631(P2010−532631)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050637
【国際公開番号】WO2009/060125
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(506415126)
【Fターム(参考)】