収納棚用搬送機構およびその制御方法
【課題】常に稼働し続けることができる収納棚用搬送機構およびその制御方法を提供する。
【解決手段】収納棚13a、13bに区画されるセル14に対してアクセスの指示を受け取ると、第1自走搬送機19に組み込まれる動力源に基づき第1自走搬送機19を駆動する。このとき、第1自走搬送機19で障害が検出されると、第2自走搬送機21の動作に基づき第1自走搬送機19を駆動する。こういった制御方法によれば、たとえ第1自走搬送機19に障害が発生しても、第2自走搬送機21の動作に基づき第1自走搬送機19は駆動することができる。例えば第2自走搬送機21の可動範囲から第1自走搬送機19は退去することができる。こうして第2自走搬送機21の可動範囲は確保される。第2自走搬送機21は稼働し続けることができる。収納棚用搬送機構18の動作は継続される。
【解決手段】収納棚13a、13bに区画されるセル14に対してアクセスの指示を受け取ると、第1自走搬送機19に組み込まれる動力源に基づき第1自走搬送機19を駆動する。このとき、第1自走搬送機19で障害が検出されると、第2自走搬送機21の動作に基づき第1自走搬送機19を駆動する。こういった制御方法によれば、たとえ第1自走搬送機19に障害が発生しても、第2自走搬送機21の動作に基づき第1自走搬送機19は駆動することができる。例えば第2自走搬送機21の可動範囲から第1自走搬送機19は退去することができる。こうして第2自走搬送機21の可動範囲は確保される。第2自走搬送機21は稼働し続けることができる。収納棚用搬送機構18の動作は継続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば磁気テープライブラリ装置といったライブラリ装置に組み込まれる収納棚用搬送機構に関し、特に、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な第1および第2自走搬送機を備える収納棚用搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されるように、複数のセルに個別にアクセス可能な第1および第2自走搬送機を備える収納棚用搬送機構は広く知られる。第1自走搬送機の可動範囲は第2自走搬送機の可動範囲に重なる。
【特許文献1】特開平09−293301号公報
【特許文献2】特開平08−249793号公報
【特許文献3】特開平02−130751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば第1自走搬送機に障害が発生すると、第1自走搬送機は第2自走搬送機の可動範囲内で停止する。第1自走搬送機が修復されるまで第2自走搬送機の動作は阻害される。ライブラリ装置の稼働は停止してしまう。
【0004】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、常に稼働し続けることができる収納棚用搬送機構およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1発明によれば、収納棚に区画されるセルに対してアクセスの指示を受け取ると、第1自走搬送機に組み込まれる動力源に基づき第1自走搬送機を駆動する工程と、第1自走搬送機で障害が検出されると、第2自走搬送機の動作に基づき第1自走搬送機を駆動する工程とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構の制御方法が提供される。
【0006】
こういった制御方法によれば、たとえ第1自走搬送機で障害が発生しても、第2自走搬送機の動作に基づき第1自走搬送機は駆動することができる。例えば第2自走搬送機の可動範囲から第1自走搬送機は退去することができる。こうして第2自走搬送機の可動範囲は確保される。第2自走搬送機は稼働し続けることができる。収納棚用搬送機構の動作は継続される。
【0007】
こうした制御方法では、障害が検出されると、第2自走搬送機は、第2自走搬送機の可動範囲外に設定される待避位置まで第1自走搬送機を運べばよい。こうして第2自走搬送機の可動範囲から第1自走搬送機は退去することができる。第2自走搬送機の可動範囲は確保される。第2自走搬送機は稼働し続けることができる。
【0008】
第2発明によれば、第1可動範囲内の移動に基づき、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な第1移動体と、少なくとも部分的に第1可動範囲に重なる第2可動範囲内で移動し、複数のセルに個別にアクセス可能な第2移動体と、第2可動範囲の外側に設定される待避位置に第1移動体が待避した際に、第1可動範囲の外側に向かって第1移動体を案内する案内部材とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構が提供される。
【0009】
かかる収納棚用搬送機構によれば、第1移動体は案内部材に基づき待避位置から第1可動範囲の外側に向かって案内される。こうして第1移動体は第2移動体の第2可動範囲の外側に配置されることができる。たとえ第1移動体で障害が発生しても、第2可動範囲の外側で例えば第1移動体の修復作業や交換作業は実施されることができる。しかも、第2移動体の第2可動範囲は確保される。第2移動体は稼働し続けることができる。収納棚用搬送機構の動作は継続される。
【0010】
第3発明によれば、レールと、レール上に進退自在に支持されて、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な移動体と、移動体の進退方向に進退自在にレールを支持する支持体とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構が提供される。
【0011】
かかる収納棚用搬送機構によれば、支持体に基づきレールは移動体の進退方向に進退自在に支持される。レールが支持体に対して進退移動すれば、移動体は支持体に対して進退移動することができる。こうして移動体は例えば収納棚から離れた位置に退去することができる。たとえ移動体で障害が発生しても移動体は簡単に修復され、交換されることができる。こうした収納棚用搬送機構は、レールに直交する平面に沿って変位可能に支持体を支持する支持部材をさらに備えてもよい。
【0012】
第4発明によれば、筐体と、筐体内に収容される収納棚と、筐体内に収容される支持体と、支持体上に進退自在に支持されるレールと、所定の可動範囲内で進退自在にレール上に支持されて、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な移動体とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構が提供される。このとき、移動体の可動範囲は、レールの進退移動に基づき、筐体内に収容される第1位置と、少なくとも部分的に筐体の外側に配置される第2位置との間で変位すればよい。
【0013】
かかる収納棚用搬送機構によれば、レールの進退移動に基づき、移動体は、筐体の外側に配置される第2位置まで変位することができる。たとえ移動体に障害が発生しても、第2位置で移動体の修復作業や交換作業は実施されることができる。筐体内に狭い空間が区画されても、移動体の修復作業や交換作業は比較的に簡単に実施されることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、常に稼働し続けることができる収納棚用搬送機構およびその制御方法は提供されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態に係るライブラリ装置すなわち磁気テープライブラリ装置11の構造を概略的に示す。この磁気テープライブラリ装置11は、例えば床面から立ち上がる直方体の内部空間を区画する箱形の筐体12を備える。筐体12の収容空間には複数の収納棚13a、13bが組み込まれる。1対の収納棚13aは例えば所定の直方体空間を隔てて相互に向き合わせられる。この直方体空間にはこれら1対の収納棚13a以外に収納棚13bが向き合わせられる。個々の収納棚13a、13bでは、床面から垂直に立ち上がる平面すなわち直方体空間の側面に沿って各セル14、14…の開口が配列される。個々のセル14には磁気テープカートリッジ15といった収納物すなわち記録媒体が収納される。
【0017】
筐体12には開口12aが区画される。こういった開口12aは直方体空間を隔てて収納棚13bに向き合わせられる。開口12aは、床面から垂直に立ち上がる平面に沿って区画される。開口12aは例えば開閉扉(図示されず)で閉じられる。
【0018】
ここで、直方体空間には三次元座標系すなわちxyz座標系が設定される。このxyz座標系のy軸は床面に垂直に設定される。したがって、セル14の垂直方向位置はy座標値で特定されることができる。xyz座標系のz軸は1対の収納棚13aに平行に水平方向に延びる。したがって、収納棚13aではセル14の水平方向位置はz座標値で特定されることができる。xyz座標系のx軸は収納棚13bに平行に水平方向に延びる。したがって、収納棚13bではセル14の水平方向位置はx座標値で特定されることができる。
【0019】
筐体12の内部空間には例えば4台の記録媒体駆動装置すなわち磁気テープ駆動装置16が組み込まれる。磁気テープ駆動装置16は磁気テープカートリッジ15内の磁気テープに磁気情報を書き込むことができる。同時に、磁気テープ駆動装置16は磁気テープカートリッジ15内の磁気テープから磁気情報を読み出すことができる。磁気情報の書き込みや読み出しにあたって磁気テープカートリッジ15は磁気テープ駆動装置16のスロットに対して出し入れされる。磁気テープ駆動装置16内では、磁気テープカートリッジ15内の磁気テープは磁気テープカートリッジ15内のリールから磁気テープ駆動装置16のリールに巻き取られる。
【0020】
筐体12の内部空間には例えば2つの収納箱17、17が組み込まれる。一方の収納箱17には、後述されるように、ライブラリ制御ボードおよび第1制御ボードが組み込まれる。他方の収納箱17には、同様に、第2制御ボードが組み込まれる。ライブラリ制御ボードや第1および第2制御ボードの詳細は後述される。ライブラリ制御ボードには外部のホストコンピュータ(図示されず)が接続される。ホストコンピュータから入力されるデータや指令に基づきライブラリ制御ボードや第1および第2制御ボードでは様々な処理が実行される。
【0021】
筐体12の直方体空間には収納棚用搬送機構18が組み込まれる。この収納棚用搬送機構18は第1および第2自走搬送機19、21を備える。第1および第2自走搬送機19、21は、情報の書き込みや読み出しにあたって、個々のセル14、14…と磁気テープ駆動装置16との間で磁気テープカートリッジ15を搬送することができる。
【0022】
第1および第2自走搬送機19、21はそれぞれ第1および第2移動体22、23を備える。第1および第2移動体22、23には、磁気テープカートリッジ15を把持する把持機構24が組み込まれる。把持機構24は磁気テープカートリッジ15を保持する。こういった磁気テープカートリッジ15の把持にあたって移動体22、23は個々のセル14、14…ごとにセル14、14…の開口に把持機構24を向き合わせることができる。
【0023】
把持機構24は、水平方向に所定の間隔で相互に隔てられる1対の爪24a、24aを備える。爪24a、24aは、第1および第2移動体22、23内に組み込まれるガイドレール(図示されず)に沿って前後移動することができる。こういった移動の実現にあたって爪24aには駆動機構が連結される。駆動機構には、例えば、いわゆるラックピニオン機構が利用されればよい。ラックピニオン機構のピニオンには任意の動力源が接続されればよい。動力源には電動モータが用いられればよい。こうした把持機構用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0024】
第1自走搬送機19は、床面から垂直方向に立ち上がる支持部材すなわち第1支軸(図示されず)に連結される。第1支軸には垂直方向に延びる第1レール25が固定される。第1レール25には支持体すなわち案内部材26が連結される。案内部材26には第1レールベース27が連結される。第1レールベース27は、後述されるように、z軸に平行に案内部材26に対して相対移動することができる。案内部材26や第1レールベース27は1対の収納棚13aに平行に水平方向に延びる。第1レールベース27は1対の収納棚13a、13aから均等な距離すなわち中間位置に配置される。
【0025】
案内部材26および第1レールベース27は第1レール25に沿って上下方向すなわちy軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたって案内部材26には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、先端で案内部材26に結合されるベルトと、ベルトを巻き上げる巻き上げ機とから構成されればよい。巻き上げ機には例えば電動モータといった動力源が組み込まれる。こうしたy軸用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0026】
同様に、第2自走搬送機21は、床面から垂直方向に立ち上がる支持部材すなわち第2支軸28に連結される。第2支軸28には垂直方向に延びる第1レール29が固定される。第1レール29には支持体すなわち案内部材31が連結される。案内部材31には第1レールベース32が連結される。第1レールベース32は、前述の第1レールベース27と同様に、z軸に平行に案内部材31に対して相対移動することができる。案内部材31や第1レールベース32は1対の収納棚13aに平行に水平方向に延びる。第1レールベース32は1対の収納棚13a、13aから均等な距離すなわち中間位置に配置される。
【0027】
案内部材31および第1レールベース32は、前述の第1レールベース27と同様に、第1レール29に沿って上下方向すなわちy軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたって案内部材31には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、先端で案内部材31に結合されるベルトと、ベルトを巻き上げる巻き上げ機とから構成されればよい。巻き上げ機には例えば電動モータといった動力源が組み込まれる。こうしたy軸用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。案内部材26、31や第1レールベース27、32は垂直方向すなわちy軸方向に配列される。第2自走搬送機21の第1レールベース32は第1自走搬送機19の第1レールベース27の上方で垂直方向に移動する。
【0028】
第1レールベース27、32には第2レール33が組み込まれる。第2レール33には第2レールベース34が連結される。第2レールベース34は収納棚13bに平行に水平方向に延びる。すなわち、第2レール33は第1レール25、29を含むxy平面に直交する。したがって、前述の第1支軸および第2支軸28は、第2レール33に直交するxy平面に沿ってy軸に平行に変位可能に案内部材26、31を支持する。第2レール33は第1移動体22の進退方向に進退自在に案内部材26に支持される。
【0029】
第2レールベース34は第2レール33に沿って水平方向すなわちz軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたって第2レールベース34には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、第2レールベース34に結合されつつ第1レールベース27、32上で1対のプーリに巻き付けられる環状ベルトと、一方のプーリの回転を制御する動力源とから構成されればよい。動力源には電動モータが用いられればよい。こうしたz軸用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0030】
第2レールベース34、34には1対の第3レール35、35が組み込まれる。第3レール35には前述の第1および第2移動体22、23が連結される。第3レール35は、第2レール33を含むyz平面に直交する。したがって、第1および第2移動体22、23は第3レール35に沿って水平方向すなわちx軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたって第1および第2移動体22、23には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、第1および第2移動体22、23に結合されつつ第2レールベース34上で1対のプーリに巻き付けられる環状ベルトと、一方のプーリの回転を制御する動力源とから構成されればよい。動力源には電動モータが用いられればよい。こうしたx軸用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0031】
しかも、第1および第2移動体22、23は、任意の垂直軸すなわちy軸に平行な回転軸回りで回転自在に第2レールベース34に連結される。こういった回転の実現にあたって第1および第2移動体22、23には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、第1および第2移動体22、23の回転軸および第2レールベース34上のプーリに巻き付けられる環状ベルトと、プーリの回転を制御する動力源とから構成されればよい。動力源には電動モータが用いられればよい。こうした回転用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0032】
第1および第2自走搬送機19、21は所定の対向面で垂直方向に向き合わせられる。第1自走搬送機19の対向面には垂直方向上向きに延びる例えば円柱形の弾性片36が固定される。同様に、第2自走搬送機21の対向面には垂直方向下向きに延びる例えば円柱形の弾性片37が固定される。弾性片36、37は案内部材26、31に固定されればよい。弾性片36、37は例えばゴムといった弾性樹脂材料から構成されればよい。
【0033】
第1自走搬送機19と第2自走搬送機21との間ではy軸方向の距離は弾性片36、37同士の間で最も狭まる。したがって、第1および第2自走搬送機19、21が相互に接近していくと、弾性片36、37同士が真っ先に衝突する。こうして衝突の衝撃は和らげられる。第1および第2自走搬送機19、21は衝突の衝撃から保護されることができる。しかも、第1および第2移動体22、23同士の接触は回避される。第1および第2移動体22、23の破損は確実に阻止されることができる。
【0034】
以上のような磁気テープライブラリ装置11では、xyz座標系上の三次元座標値と、回転軸回りの回転角とに基づき個々のセル14、14…の位置は特定される。三次元座標値に基づき第1および第2自走搬送機19、21の第1および第2移動体22、23は位置決めされる。同時に、回転角に基づき第1および第2移動体22、23の向きは決定される。個々のセル14に設定された三次元座標値および回転角に基づき第1および第2移動体22、23の位置決めおよび回転が制御されると、第1および第2移動体22、23は対応するセル14の開口に正確に把持機構24を向き合わせることができる。
【0035】
この磁気テープライブラリ装置11では第1および第2自走搬送機19、21に対して所定の待避位置が設定される。図2に示されるように、第1自走搬送機19の待避位置は第1可動範囲38の下限位置39に設定される。このとき、第1自走搬送機19の案内部材26や第1レールベース27は第1レール25の下限位置に位置決めされる。こうして第1自走搬送機19が待避位置に位置決めされると、第2自走搬送機21は、収納棚13aの最下段に配列されるセル14を除く全てのセル14に対して位置決めされることができる。
【0036】
その一方で、第2自走搬送機21の待避位置は第2可動範囲41の上限位置42に設定される。このとき、第2自走搬送機21の案内部材31や第1レールベース32は第1レール29の上限位置に位置決めされる。こうして第2自走搬送機21が待避位置に位置決めされると、第1自走搬送機19は、収納棚13aの最上段に配列されるセル14を除く全てのセル14に対して位置決めされることができる。
【0037】
ここでは、第1自走搬送機19の下限位置39および第2自走搬送機21の上限位置42を除き、第1および第2自走搬送機19、21の間では第1および第2可動範囲38、41は重なり合う。すなわち、第1自走搬送機19の待避位置は第2自走搬送機21の第2可動範囲41の外側に設定される。同様に、第2自走搬送機21の待避位置は第1自走搬送機19の第1可動範囲38の外側に設定される。この磁気テープライブラリ装置11では、収納棚13a、13b同士が相互に近接して配置されることから、特定の三次元座標値および回転角で第1および第2移動体22、23は収納棚13a、13bに接触する。こういった三次元座標値および回転角は動作中の第1および第2移動体22、23の可動範囲から外される。
【0038】
図3に示されるように、第2レールベース34は、ベース本体34aと、ベース本体34aに固定されるレールブロック34bとを備える。レールブロック34bは第2レール33に相対移動自在に連結される。ベース本体34aの底面には第1レールベース27、32に向かって突き出る突部34cが形成される。突部34cは、レールブロック34bに形成される窪み34dに受け入れられる。
【0039】
突部34cおよび窪み34dはともに円柱状に形成される。突部34cの軸心はy軸に平行に垂直軸に沿って規定される。窪み34dの軸心は、突部34cと同様に、y軸に平行に垂直軸に沿って規定される。突部34cが窪み34dにはめ込まれると、突部34cおよび窪み34dの軸心は一致する。こうしてベース本体34aはレールブロック34bに対して相対回転することができる。ベース本体34aおよびレールブロック34bの固定にあたって例えばねじ43が用いられればよい。ねじ43は例えばレールブロック34bの側壁からレールブロック34bを貫通すればよい。こうしたねじ43に基づきベース本体34aおよびレールブロック34bの間で相対回転は規制される。
【0040】
図4に示されるように、第1自走搬送機19には第1制御ボード51が接続される。第1制御ボード51には第1制御回路すなわちCPU52が実装される。CPU52にはRAM(ランダムアクセスメモリ)53や不揮発性メモリ54が接続される。不揮発性メモリ54には例えばフラッシュメモリが利用されればよい。
【0041】
不揮発性メモリ54にはソフトウェアプログラム55および位置データ56が格納される。位置データ56は個々のセル14、14…ごとに開口の位置を特定する。こうした特定にあたって、xyz座標系上のx座標値、y座標値およびz座標値並びに第1および第2移動体22、23の回転角が指定される。こうした位置データ56に基づき第1および第2自走搬送機19、21の第1および第2可動範囲44、46は個別に設定される。CPU52は、例えばRAM53に一時的に取り込まれるソフトウェアプログラム55やデータ47に基づき所定の手順を実行することができる。
【0042】
CPU52には、第1自走搬送機19に組み込まれるy軸用電動モータ57やz軸用電動モータ58、x軸用電動モータ59、回転用電動モータ61、把持機構用電動モータ62が接続される。CPU52はy軸用電動モータ57やz軸用電動モータ58、x軸用電動モータ59、回転用電動モータ61、把持機構用電動モータ62に駆動信号を供給する。個々の電動モータ57〜62は駆動信号に基づき指定された回転量で回転する。個々の電動モータ57〜62の回転量で第1移動体22のy軸方向移動量、z軸方向移動量、x軸方向移動量および垂直軸回り回転量並びに把持機構24の前後方向移動量は決定される。
【0043】
第2自走搬送機21には第2制御ボード65が接続される。第2制御ボード65には第2制御回路すなわちCPU66が実装される。CPU66にはRAM(ランダムアクセスメモリ)58や不揮発性メモリ68が接続される。不揮発性メモリ68には例えばフラッシュメモリが利用されればよい。不揮発性メモリ68には、前述と同様に、ソフトウェアプログラム69および位置データ71が格納される。CPU66は、例えばRAM67に一時的に取り込まれるソフトウェアプログラム69やデータ71に基づき所定の手順を実行することができる。
【0044】
CPU66には、第2自走搬送機21に組み込まれるy軸用電動モータ72やz軸用電動モータ73、x軸用電動モータ74、回転用電動モータ75、把持機構用電動モータ76が接続される。CPU66はy軸用電動モータ72やz軸用電動モータ73、x軸用電動モータ74、回転用電動モータ75、把持機構用電動モータ76に駆動信号を供給する。個々の電動モータ72〜75は駆動信号に基づき指定された回転量で回転する。個々の電動モータ72〜75の回転量で第2移動体23のy軸方向移動量、z軸方向移動量、x軸方向移動量および垂直軸回り回転量並びに把持機構24の前後方向移動量は決定される。
【0045】
第1および第2制御ボード51、65はライブラリ制御ボード77に接続される。ライブラリ制御ボード77は、例えば、CPU78、RAM79および不揮発性メモリ81を備える。不揮発性メモリ81にはソフトウェアプログラム82が格納される。CPU78は、例えばRAM79に一時的に取り込まれるソフトウェアプログラム82に従って所定の手順を実行することができる。ライブラリ制御ボード77はホストコンピュータに接続される。
【0046】
次に、磁気テープライブラリ装置11の動作を説明する。ライブラリ制御ボード77上のCPU78は不揮発性メモリ81内のソフトウェアプログラム82に基づきライブラリ制御を実行する。図5に示されるように、まず、ステップS1でCPU78は第1制御ボード51に向けて第1自走搬送機19の動作を指示する。動作の指示にあたって、y軸座標値、z軸座標値、x軸座標値、第1移動体22の回転量および爪24aの前後方向座標値が利用される。こういった座標値や回転量に基づき第1自走搬送機19の把持機構24は指定のセル14や磁気テープ駆動装置16に向き合わせられる。
【0047】
例えば把持機構24がセル14に向き合わせられると、把持機構24の働きでセル14内の磁気テープカートリッジ15は第1移動体22内に取り込まれることができる。反対に、第1移動体22内の磁気テープカートリッジ15はセル14内に押し込まれることができる。こうして磁気テープカートリッジ15はセル14および磁気テープ駆動装置16の間で搬送される。磁気テープ駆動装置16は磁気テープカートリッジ15に記録された情報を読み出したり磁気テープカートリッジ15に情報を書き込んだりする。このとき、第2自走搬送機21は待避位置で待機する。
【0048】
こういった第1自走搬送機19の動作中にCPU78は第1自走搬送機19の障害の発生を監視する(ステップS2)。例えば第1自走搬送機19で障害が発生すると、CPU78の処理動作はステップS3に移行する。このステップS3でCPU78は第2制御ボード65に向けて待避動作を指示する。ここでは、第1自走搬送機19の障害には、例えば電動モータ57〜62や第1制御ボード51の故障が含まれる。
【0049】
第2制御ボード65のCPU66がCPU78から待避動作の指示を受領すると、CPU66は第2自走搬送機21を駆動する。例えばy軸用電動モータ72に駆動信号は供給される。その結果、第2自走搬送機21の案内部材31および第1レールベース32は第1自走搬送機19の待避位置に向かって下降する。下降中に第2自走搬送機21の案内部材31は第1自走搬送機19の案内部材26に衝突する。弾性片36、37同士は衝突する。このとき、第1自走搬送機19のy軸用電動モータ57では回転に対する規制力は完全に排除される。その後、第2自走搬送機21が下降を持続すると、第1自走搬送機19は待避位置まで運ばれる。
【0050】
続いて、ステップS4で、CPU78は第2制御ボード65に向けて第2自走搬送機21の動作を指示する。こうして第1自走搬送機19に代わって第2自走搬送機21の働きで磁気テープカートリッジ15の搬送は継続される。第1自走搬送機19の交換中、ライブラリ制御ボード77や第2制御ボード65、第2自走搬送機21の動作は維持される。第1自走搬送機19の交換動作の詳細は後述される。
【0051】
その後、ステップS5で、CPU78は、オペレータに第1自走搬送機19の障害を通知すると同時に例えば第1自走搬送機19の交換を監視する。第1自走搬送機19が交換されると、CPU78の処理動作はステップS6に移行する。ステップS6でCPU78は活性交換動作を実施する。この活性交換動作に基づき第1制御ボード51は新たな第1自走搬送機19に接続される。こうして第1自走搬送機19の交換が完了すると、CPU78の処理動作はステップS1に戻る。第1自走搬送機19は磁気テープカートリッジ15の搬送動作に復帰する。第2自走搬送機21は待避位置で待機する。
【0052】
以上のような磁気テープライブラリ装置11では、第1自走搬送機19で障害が発生しても、第1自走搬送機19は第2自走搬送機21の動作に基づき待避位置まで運ばれる。その後、第2自走搬送機21の働きで磁気テープカートリッジ15の搬送は継続される。第1および第2自走搬送機19、21の干渉は回避される。ライブラリ制御ボード77や第2制御ボード65の停止を伴わずに第1自走搬送機19は交換されることができる。したがって、磁気テープライブラリ装置11では情報の書き込みや読み出しに支障は生じない。磁気テープライブラリ装置11は常に動作し続けることができる。ただし、以上のような磁気テープライブラリ装置11では、第1自走搬送機19の交換後に第2自走搬送機21の使用が継続されてもよい。
【0053】
次に、第1自走搬送機19の交換動作を詳述する。ここでは、特に、第1移動体22の交換動作を詳述する。前述されるように、第1自走搬送機19は第2自走搬送機21の動作に基づき待避位置まで運ばれる。このとき、図6に示されるように、第1レールベース27は筐体12内に完全に収容される。したがって、第1移動体22は、筐体12内に収容される第1位置に位置決めされる。扉は開放される。このとき、第1移動体22は第1レールベース27の一端に位置決めされる。こうして第1移動体22は開口12aに接近する。位置決めにあたって、z軸用電動モータ58やx軸用電動モータ59では回転に対する規制力は完全に排除される。オペレータは手で第1移動体22を移動させることができる。
【0054】
オペレータは第1移動体22をx軸に平行に移動させる。第1移動体22は第3レール35に沿って移動する。その結果、図7に示されるように、第1移動体22は第2レールベース34の中間地点に位置決めされる。その後、オペレータは、レールブロック34bから前述のねじ43を取り外す。ねじ43の取り外し後、オペレータはレールブロック34bに対してベース本体34aを相対回転させる。その結果、図8に示されるように、ベース本体34aすなわち第2レールベース34は第1レールベース27に対して例えば90度の相対回転角で反時計回りに回転する。第2レールベース34の向きは第1レールベース27に合わせられる。
【0055】
その後、オペレータはz軸に平行に開口12aから筐体12の外側に向かって第1レールベース27を引き出す。第1レールベース27はz軸に沿って案内部材26に対して相対移動する。ここでは、図9に示されるように、例えば第1レールベース27にはz軸方向に延びる溝27aが形成される。この溝27aには、案内部材26から突き出る突片26aが受け入れられる。突片26aは、z軸に沿って案内部材26の全長にわたって延びればよい。こうして第1レールベース27の進退移動は実現される。この第1レールベース27の進退移動に基づき第2レールベース34や第1移動体22はxz平面に水平に筐体12の外側に引き出される。第1移動体22は、第1自走搬送機19の第1可動範囲38すなわち筐体12の外側の第2位置に配置される。こうして第1移動体22の可動範囲は第1位置および第2位置の間で変位する。第1移動体22は第2レールベース34ごと第1レールベース27から取り外されることができる。第1移動体22の交換は実現される。
【0056】
以上のような磁気テープライブラリ装置11では、第1自走搬送機19に障害が発生しても、第1および第2レールベース27、34や第1移動体22は筐体12の外側に引き出されることができる。このとき、第1移動体22は、第2自走搬送機21の第2可動範囲41に進入することなく第1自走搬送機19の待避位置内で水平移動する。待避位置が狭く設定される場合であっても、第1および第2レールベース27、34や第1移動体22の交換作業は極めて簡単に実施されることができる。しかも、第2自走搬送機21は第2可動範囲41内で移動し続けることができる。こうした第2自走搬送機21の働きで磁気テープカートリッジ15の搬送は継続されることができる。磁気テープライブラリ装置11は常に動作し続けることができる。
【0057】
図10は本発明の第2実施形態に係る磁気テープライブラリ装置11aの構造を概略的に示す。この磁気テープライブラリ装置11aには、第2レールベース34に代えて、ベース85と、ベース85に連結される回転アーム86とが組み込まれる。回転アーム86は、任意の垂直軸すなわちy軸に平行な回転軸87回りで回転自在にベース85に支持される。回転アーム86には、回転軸87に平行に規定される回転軸88回りで回転自在に前述の第1移動体22が支持される。
【0058】
回転軸87、88は相互に所定の間隔で隔てられる。ここでは、回転軸88は回転軸87から回転アーム86の先端に向かって偏倚して配置される。その結果、回転アーム86が回転軸87回りで回転すると、回転軸88は回転軸87回りで旋回する。こうした回転アーム86の回転に基づき第1移動体22のx軸方向の移動は実現される。
【0059】
回転アーム86の回転の実現にあたって回転アーム86には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、回転アーム86に結合されつつベース85上で1対のプーリに巻き付けられる環状ベルトと、一方のプーリの回転を制御する動力源とから構成されればよい。動力源すなわち回転アーム用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。回転アーム用電動モータは前述の第1制御ボード51のCPU52に接続されればよい。個々の電動モータの回転量で第1移動体22のy軸方向移動量、z軸方向移動量、回転軸87、88回り回転量並びに把持機構24の前後方向移動量は決定される。
【0060】
ベース85は、前述の第2レールベース34と同様に、第2レール33に沿って水平方向すなわちz軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたってベース85には任意の駆動機構が連結される。駆動機構には前述の第2レールベース34と同様の構成が採用されればよい。なお、第2自走搬送機21は第1自走搬送機19と同様に構成されればよい。その他、前述の第1実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
【0061】
以上のような磁気テープライブラリ装置11aでは、xyz座標系上の三次元座標値と、回転軸87、88回りの回転角とに基づき個々のセル14、14…の位置は特定される。三次元座標値および回転軸87回りの回転角に基づき第1および第2自走搬送機19、21の第1および第2移動体22、23は位置決めされる。同時に、回転軸87、88回りの回転角に基づき第1および第2移動体22、23の向きは決定される。個々のセル14に設定された三次元座標値および回転角に基づき第1および第2移動体22、23の位置決めおよび回転が制御されると、第1および第2移動体22、23は対応するセル14の開口に正確に把持機構24を向き合わせることができる。
【0062】
次に、第1自走搬送機19の交換動作を詳述する。ここでは、特に、第1移動体22の交換動作を詳述する。前述されるように、第1自走搬送機19は第2自走搬送機21の動作に基づき待避位置まで運ばれる。このとき、図11に示されるように、第1レールベース27は筐体12内に完全に収容される。第1移動体22は第1位置に位置決めされる。扉は開放される。このとき、ベース85は第1レールベース27の一端に位置決めされる。こうして第1移動体22は開口12aに接近する。位置決めにあたって、z軸用電動モータや回転アーム用電動モータ、移動体回転用電動モータでは回転に対する規制力は完全に排除される。オペレータは手でベース85や回転アーム86、第1移動体22を移動させることができる。
【0063】
オペレータはベース85に対して回転アーム86を回転軸87回りで相対回転させる。その結果、図12に示されるように、回転アーム86は第1レールベース27およびベース85に対して所定の相対回転角で回転する。回転アーム86の向きは第1レールベース27およびベース85に合わせられる。同時に、オペレータは回転アーム86に対して第1移動体22を相対回転させる。第1移動体22は第1レールベース27、ベース85および回転アーム86に対して所定の相対回転角で回転する。第1移動体22の向きは、第1レールベース27、ベース85および回転アーム87に合わせられる。
【0064】
その後、オペレータは、前述と同様に、z軸に平行に開口12aから筐体12の外側に向かって第1レールベース27を引き出す。第1レールベース27はz軸に沿って案内部材26に対して相対移動する。図13に示されるように、第1レールベース27の相対移動に基づきベース85や回転アーム86、第1移動体22はxz平面に水平に筐体12の外側に引き出される。第1移動体22は筐体12の外側の第2位置に配置される。オペレータは、ベース85から例えばねじを取り外す。こうして第1移動体22は、ベース85や回転アーム86とともに第1レールベース27から取り外されることができる。第1移動体22の交換は実現される。
【0065】
以上のような磁気テープライブラリ装置11aでは、前述と同様に、第1自走搬送機19で障害が発生しても、第1レールベース27やベース85、回転アーム86、第1移動体22は筐体12の外側に引き出されることができる。ベース85、回転アーム86、第1移動体22の交換作業は極めて簡単に実施されることができる。しかも、第2自走搬送機21の働きで磁気テープカートリッジ15の搬送は継続されることができる。磁気テープライブラリ装置11aは常に稼働し続けることができる。その上、ねじの取り外しといった作業を経ることなく回転アーム86の向きは第1レールベース27に合わせられることができる。その結果、第1実施形態に比べて、ベース85や回転アーム86、第1移動体22の交換作業は一層簡単に実施されることができる。
【0066】
なお、以上のような磁気テープライブラリ装置11、11aでは、収納物すなわち記録媒体には、磁気テープカートリッジ15に代えて、例えば光ディスクが用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1実施形態に係る磁気テープライブラリ装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】第1および第2自走搬送機の可動範囲を概略的に示す磁気テープライブラリ装置の側面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】ライブラリ制御ボード並びに第1および第2制御ボードの構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】ライブラリ制御の処理工程を概略的に示すフローチャートである。
【図6】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図7】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図8】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図9】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る磁気テープライブラリ装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図11】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図12】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図13】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
12 筐体、13a 収納棚、13b 収納棚、14 セル、15 収納物(磁気テープカートリッジ)、18 収納棚用搬送機構、19 第1自走搬送機、21 第2自走搬送機、22 第1移動体、23 第2移動体、24 把持機構、26 支持体(案内部材)、28 支持部材(第1および第2支軸)、31 支持体(案内部材)、33 レール(第2レール)、38 第1可動範囲、41 第2可動範囲。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば磁気テープライブラリ装置といったライブラリ装置に組み込まれる収納棚用搬送機構に関し、特に、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な第1および第2自走搬送機を備える収納棚用搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されるように、複数のセルに個別にアクセス可能な第1および第2自走搬送機を備える収納棚用搬送機構は広く知られる。第1自走搬送機の可動範囲は第2自走搬送機の可動範囲に重なる。
【特許文献1】特開平09−293301号公報
【特許文献2】特開平08−249793号公報
【特許文献3】特開平02−130751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば第1自走搬送機に障害が発生すると、第1自走搬送機は第2自走搬送機の可動範囲内で停止する。第1自走搬送機が修復されるまで第2自走搬送機の動作は阻害される。ライブラリ装置の稼働は停止してしまう。
【0004】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、常に稼働し続けることができる収納棚用搬送機構およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1発明によれば、収納棚に区画されるセルに対してアクセスの指示を受け取ると、第1自走搬送機に組み込まれる動力源に基づき第1自走搬送機を駆動する工程と、第1自走搬送機で障害が検出されると、第2自走搬送機の動作に基づき第1自走搬送機を駆動する工程とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構の制御方法が提供される。
【0006】
こういった制御方法によれば、たとえ第1自走搬送機で障害が発生しても、第2自走搬送機の動作に基づき第1自走搬送機は駆動することができる。例えば第2自走搬送機の可動範囲から第1自走搬送機は退去することができる。こうして第2自走搬送機の可動範囲は確保される。第2自走搬送機は稼働し続けることができる。収納棚用搬送機構の動作は継続される。
【0007】
こうした制御方法では、障害が検出されると、第2自走搬送機は、第2自走搬送機の可動範囲外に設定される待避位置まで第1自走搬送機を運べばよい。こうして第2自走搬送機の可動範囲から第1自走搬送機は退去することができる。第2自走搬送機の可動範囲は確保される。第2自走搬送機は稼働し続けることができる。
【0008】
第2発明によれば、第1可動範囲内の移動に基づき、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な第1移動体と、少なくとも部分的に第1可動範囲に重なる第2可動範囲内で移動し、複数のセルに個別にアクセス可能な第2移動体と、第2可動範囲の外側に設定される待避位置に第1移動体が待避した際に、第1可動範囲の外側に向かって第1移動体を案内する案内部材とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構が提供される。
【0009】
かかる収納棚用搬送機構によれば、第1移動体は案内部材に基づき待避位置から第1可動範囲の外側に向かって案内される。こうして第1移動体は第2移動体の第2可動範囲の外側に配置されることができる。たとえ第1移動体で障害が発生しても、第2可動範囲の外側で例えば第1移動体の修復作業や交換作業は実施されることができる。しかも、第2移動体の第2可動範囲は確保される。第2移動体は稼働し続けることができる。収納棚用搬送機構の動作は継続される。
【0010】
第3発明によれば、レールと、レール上に進退自在に支持されて、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な移動体と、移動体の進退方向に進退自在にレールを支持する支持体とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構が提供される。
【0011】
かかる収納棚用搬送機構によれば、支持体に基づきレールは移動体の進退方向に進退自在に支持される。レールが支持体に対して進退移動すれば、移動体は支持体に対して進退移動することができる。こうして移動体は例えば収納棚から離れた位置に退去することができる。たとえ移動体で障害が発生しても移動体は簡単に修復され、交換されることができる。こうした収納棚用搬送機構は、レールに直交する平面に沿って変位可能に支持体を支持する支持部材をさらに備えてもよい。
【0012】
第4発明によれば、筐体と、筐体内に収容される収納棚と、筐体内に収容される支持体と、支持体上に進退自在に支持されるレールと、所定の可動範囲内で進退自在にレール上に支持されて、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な移動体とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構が提供される。このとき、移動体の可動範囲は、レールの進退移動に基づき、筐体内に収容される第1位置と、少なくとも部分的に筐体の外側に配置される第2位置との間で変位すればよい。
【0013】
かかる収納棚用搬送機構によれば、レールの進退移動に基づき、移動体は、筐体の外側に配置される第2位置まで変位することができる。たとえ移動体に障害が発生しても、第2位置で移動体の修復作業や交換作業は実施されることができる。筐体内に狭い空間が区画されても、移動体の修復作業や交換作業は比較的に簡単に実施されることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、常に稼働し続けることができる収納棚用搬送機構およびその制御方法は提供されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態に係るライブラリ装置すなわち磁気テープライブラリ装置11の構造を概略的に示す。この磁気テープライブラリ装置11は、例えば床面から立ち上がる直方体の内部空間を区画する箱形の筐体12を備える。筐体12の収容空間には複数の収納棚13a、13bが組み込まれる。1対の収納棚13aは例えば所定の直方体空間を隔てて相互に向き合わせられる。この直方体空間にはこれら1対の収納棚13a以外に収納棚13bが向き合わせられる。個々の収納棚13a、13bでは、床面から垂直に立ち上がる平面すなわち直方体空間の側面に沿って各セル14、14…の開口が配列される。個々のセル14には磁気テープカートリッジ15といった収納物すなわち記録媒体が収納される。
【0017】
筐体12には開口12aが区画される。こういった開口12aは直方体空間を隔てて収納棚13bに向き合わせられる。開口12aは、床面から垂直に立ち上がる平面に沿って区画される。開口12aは例えば開閉扉(図示されず)で閉じられる。
【0018】
ここで、直方体空間には三次元座標系すなわちxyz座標系が設定される。このxyz座標系のy軸は床面に垂直に設定される。したがって、セル14の垂直方向位置はy座標値で特定されることができる。xyz座標系のz軸は1対の収納棚13aに平行に水平方向に延びる。したがって、収納棚13aではセル14の水平方向位置はz座標値で特定されることができる。xyz座標系のx軸は収納棚13bに平行に水平方向に延びる。したがって、収納棚13bではセル14の水平方向位置はx座標値で特定されることができる。
【0019】
筐体12の内部空間には例えば4台の記録媒体駆動装置すなわち磁気テープ駆動装置16が組み込まれる。磁気テープ駆動装置16は磁気テープカートリッジ15内の磁気テープに磁気情報を書き込むことができる。同時に、磁気テープ駆動装置16は磁気テープカートリッジ15内の磁気テープから磁気情報を読み出すことができる。磁気情報の書き込みや読み出しにあたって磁気テープカートリッジ15は磁気テープ駆動装置16のスロットに対して出し入れされる。磁気テープ駆動装置16内では、磁気テープカートリッジ15内の磁気テープは磁気テープカートリッジ15内のリールから磁気テープ駆動装置16のリールに巻き取られる。
【0020】
筐体12の内部空間には例えば2つの収納箱17、17が組み込まれる。一方の収納箱17には、後述されるように、ライブラリ制御ボードおよび第1制御ボードが組み込まれる。他方の収納箱17には、同様に、第2制御ボードが組み込まれる。ライブラリ制御ボードや第1および第2制御ボードの詳細は後述される。ライブラリ制御ボードには外部のホストコンピュータ(図示されず)が接続される。ホストコンピュータから入力されるデータや指令に基づきライブラリ制御ボードや第1および第2制御ボードでは様々な処理が実行される。
【0021】
筐体12の直方体空間には収納棚用搬送機構18が組み込まれる。この収納棚用搬送機構18は第1および第2自走搬送機19、21を備える。第1および第2自走搬送機19、21は、情報の書き込みや読み出しにあたって、個々のセル14、14…と磁気テープ駆動装置16との間で磁気テープカートリッジ15を搬送することができる。
【0022】
第1および第2自走搬送機19、21はそれぞれ第1および第2移動体22、23を備える。第1および第2移動体22、23には、磁気テープカートリッジ15を把持する把持機構24が組み込まれる。把持機構24は磁気テープカートリッジ15を保持する。こういった磁気テープカートリッジ15の把持にあたって移動体22、23は個々のセル14、14…ごとにセル14、14…の開口に把持機構24を向き合わせることができる。
【0023】
把持機構24は、水平方向に所定の間隔で相互に隔てられる1対の爪24a、24aを備える。爪24a、24aは、第1および第2移動体22、23内に組み込まれるガイドレール(図示されず)に沿って前後移動することができる。こういった移動の実現にあたって爪24aには駆動機構が連結される。駆動機構には、例えば、いわゆるラックピニオン機構が利用されればよい。ラックピニオン機構のピニオンには任意の動力源が接続されればよい。動力源には電動モータが用いられればよい。こうした把持機構用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0024】
第1自走搬送機19は、床面から垂直方向に立ち上がる支持部材すなわち第1支軸(図示されず)に連結される。第1支軸には垂直方向に延びる第1レール25が固定される。第1レール25には支持体すなわち案内部材26が連結される。案内部材26には第1レールベース27が連結される。第1レールベース27は、後述されるように、z軸に平行に案内部材26に対して相対移動することができる。案内部材26や第1レールベース27は1対の収納棚13aに平行に水平方向に延びる。第1レールベース27は1対の収納棚13a、13aから均等な距離すなわち中間位置に配置される。
【0025】
案内部材26および第1レールベース27は第1レール25に沿って上下方向すなわちy軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたって案内部材26には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、先端で案内部材26に結合されるベルトと、ベルトを巻き上げる巻き上げ機とから構成されればよい。巻き上げ機には例えば電動モータといった動力源が組み込まれる。こうしたy軸用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0026】
同様に、第2自走搬送機21は、床面から垂直方向に立ち上がる支持部材すなわち第2支軸28に連結される。第2支軸28には垂直方向に延びる第1レール29が固定される。第1レール29には支持体すなわち案内部材31が連結される。案内部材31には第1レールベース32が連結される。第1レールベース32は、前述の第1レールベース27と同様に、z軸に平行に案内部材31に対して相対移動することができる。案内部材31や第1レールベース32は1対の収納棚13aに平行に水平方向に延びる。第1レールベース32は1対の収納棚13a、13aから均等な距離すなわち中間位置に配置される。
【0027】
案内部材31および第1レールベース32は、前述の第1レールベース27と同様に、第1レール29に沿って上下方向すなわちy軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたって案内部材31には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、先端で案内部材31に結合されるベルトと、ベルトを巻き上げる巻き上げ機とから構成されればよい。巻き上げ機には例えば電動モータといった動力源が組み込まれる。こうしたy軸用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。案内部材26、31や第1レールベース27、32は垂直方向すなわちy軸方向に配列される。第2自走搬送機21の第1レールベース32は第1自走搬送機19の第1レールベース27の上方で垂直方向に移動する。
【0028】
第1レールベース27、32には第2レール33が組み込まれる。第2レール33には第2レールベース34が連結される。第2レールベース34は収納棚13bに平行に水平方向に延びる。すなわち、第2レール33は第1レール25、29を含むxy平面に直交する。したがって、前述の第1支軸および第2支軸28は、第2レール33に直交するxy平面に沿ってy軸に平行に変位可能に案内部材26、31を支持する。第2レール33は第1移動体22の進退方向に進退自在に案内部材26に支持される。
【0029】
第2レールベース34は第2レール33に沿って水平方向すなわちz軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたって第2レールベース34には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、第2レールベース34に結合されつつ第1レールベース27、32上で1対のプーリに巻き付けられる環状ベルトと、一方のプーリの回転を制御する動力源とから構成されればよい。動力源には電動モータが用いられればよい。こうしたz軸用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0030】
第2レールベース34、34には1対の第3レール35、35が組み込まれる。第3レール35には前述の第1および第2移動体22、23が連結される。第3レール35は、第2レール33を含むyz平面に直交する。したがって、第1および第2移動体22、23は第3レール35に沿って水平方向すなわちx軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたって第1および第2移動体22、23には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、第1および第2移動体22、23に結合されつつ第2レールベース34上で1対のプーリに巻き付けられる環状ベルトと、一方のプーリの回転を制御する動力源とから構成されればよい。動力源には電動モータが用いられればよい。こうしたx軸用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0031】
しかも、第1および第2移動体22、23は、任意の垂直軸すなわちy軸に平行な回転軸回りで回転自在に第2レールベース34に連結される。こういった回転の実現にあたって第1および第2移動体22、23には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、第1および第2移動体22、23の回転軸および第2レールベース34上のプーリに巻き付けられる環状ベルトと、プーリの回転を制御する動力源とから構成されればよい。動力源には電動モータが用いられればよい。こうした回転用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。
【0032】
第1および第2自走搬送機19、21は所定の対向面で垂直方向に向き合わせられる。第1自走搬送機19の対向面には垂直方向上向きに延びる例えば円柱形の弾性片36が固定される。同様に、第2自走搬送機21の対向面には垂直方向下向きに延びる例えば円柱形の弾性片37が固定される。弾性片36、37は案内部材26、31に固定されればよい。弾性片36、37は例えばゴムといった弾性樹脂材料から構成されればよい。
【0033】
第1自走搬送機19と第2自走搬送機21との間ではy軸方向の距離は弾性片36、37同士の間で最も狭まる。したがって、第1および第2自走搬送機19、21が相互に接近していくと、弾性片36、37同士が真っ先に衝突する。こうして衝突の衝撃は和らげられる。第1および第2自走搬送機19、21は衝突の衝撃から保護されることができる。しかも、第1および第2移動体22、23同士の接触は回避される。第1および第2移動体22、23の破損は確実に阻止されることができる。
【0034】
以上のような磁気テープライブラリ装置11では、xyz座標系上の三次元座標値と、回転軸回りの回転角とに基づき個々のセル14、14…の位置は特定される。三次元座標値に基づき第1および第2自走搬送機19、21の第1および第2移動体22、23は位置決めされる。同時に、回転角に基づき第1および第2移動体22、23の向きは決定される。個々のセル14に設定された三次元座標値および回転角に基づき第1および第2移動体22、23の位置決めおよび回転が制御されると、第1および第2移動体22、23は対応するセル14の開口に正確に把持機構24を向き合わせることができる。
【0035】
この磁気テープライブラリ装置11では第1および第2自走搬送機19、21に対して所定の待避位置が設定される。図2に示されるように、第1自走搬送機19の待避位置は第1可動範囲38の下限位置39に設定される。このとき、第1自走搬送機19の案内部材26や第1レールベース27は第1レール25の下限位置に位置決めされる。こうして第1自走搬送機19が待避位置に位置決めされると、第2自走搬送機21は、収納棚13aの最下段に配列されるセル14を除く全てのセル14に対して位置決めされることができる。
【0036】
その一方で、第2自走搬送機21の待避位置は第2可動範囲41の上限位置42に設定される。このとき、第2自走搬送機21の案内部材31や第1レールベース32は第1レール29の上限位置に位置決めされる。こうして第2自走搬送機21が待避位置に位置決めされると、第1自走搬送機19は、収納棚13aの最上段に配列されるセル14を除く全てのセル14に対して位置決めされることができる。
【0037】
ここでは、第1自走搬送機19の下限位置39および第2自走搬送機21の上限位置42を除き、第1および第2自走搬送機19、21の間では第1および第2可動範囲38、41は重なり合う。すなわち、第1自走搬送機19の待避位置は第2自走搬送機21の第2可動範囲41の外側に設定される。同様に、第2自走搬送機21の待避位置は第1自走搬送機19の第1可動範囲38の外側に設定される。この磁気テープライブラリ装置11では、収納棚13a、13b同士が相互に近接して配置されることから、特定の三次元座標値および回転角で第1および第2移動体22、23は収納棚13a、13bに接触する。こういった三次元座標値および回転角は動作中の第1および第2移動体22、23の可動範囲から外される。
【0038】
図3に示されるように、第2レールベース34は、ベース本体34aと、ベース本体34aに固定されるレールブロック34bとを備える。レールブロック34bは第2レール33に相対移動自在に連結される。ベース本体34aの底面には第1レールベース27、32に向かって突き出る突部34cが形成される。突部34cは、レールブロック34bに形成される窪み34dに受け入れられる。
【0039】
突部34cおよび窪み34dはともに円柱状に形成される。突部34cの軸心はy軸に平行に垂直軸に沿って規定される。窪み34dの軸心は、突部34cと同様に、y軸に平行に垂直軸に沿って規定される。突部34cが窪み34dにはめ込まれると、突部34cおよび窪み34dの軸心は一致する。こうしてベース本体34aはレールブロック34bに対して相対回転することができる。ベース本体34aおよびレールブロック34bの固定にあたって例えばねじ43が用いられればよい。ねじ43は例えばレールブロック34bの側壁からレールブロック34bを貫通すればよい。こうしたねじ43に基づきベース本体34aおよびレールブロック34bの間で相対回転は規制される。
【0040】
図4に示されるように、第1自走搬送機19には第1制御ボード51が接続される。第1制御ボード51には第1制御回路すなわちCPU52が実装される。CPU52にはRAM(ランダムアクセスメモリ)53や不揮発性メモリ54が接続される。不揮発性メモリ54には例えばフラッシュメモリが利用されればよい。
【0041】
不揮発性メモリ54にはソフトウェアプログラム55および位置データ56が格納される。位置データ56は個々のセル14、14…ごとに開口の位置を特定する。こうした特定にあたって、xyz座標系上のx座標値、y座標値およびz座標値並びに第1および第2移動体22、23の回転角が指定される。こうした位置データ56に基づき第1および第2自走搬送機19、21の第1および第2可動範囲44、46は個別に設定される。CPU52は、例えばRAM53に一時的に取り込まれるソフトウェアプログラム55やデータ47に基づき所定の手順を実行することができる。
【0042】
CPU52には、第1自走搬送機19に組み込まれるy軸用電動モータ57やz軸用電動モータ58、x軸用電動モータ59、回転用電動モータ61、把持機構用電動モータ62が接続される。CPU52はy軸用電動モータ57やz軸用電動モータ58、x軸用電動モータ59、回転用電動モータ61、把持機構用電動モータ62に駆動信号を供給する。個々の電動モータ57〜62は駆動信号に基づき指定された回転量で回転する。個々の電動モータ57〜62の回転量で第1移動体22のy軸方向移動量、z軸方向移動量、x軸方向移動量および垂直軸回り回転量並びに把持機構24の前後方向移動量は決定される。
【0043】
第2自走搬送機21には第2制御ボード65が接続される。第2制御ボード65には第2制御回路すなわちCPU66が実装される。CPU66にはRAM(ランダムアクセスメモリ)58や不揮発性メモリ68が接続される。不揮発性メモリ68には例えばフラッシュメモリが利用されればよい。不揮発性メモリ68には、前述と同様に、ソフトウェアプログラム69および位置データ71が格納される。CPU66は、例えばRAM67に一時的に取り込まれるソフトウェアプログラム69やデータ71に基づき所定の手順を実行することができる。
【0044】
CPU66には、第2自走搬送機21に組み込まれるy軸用電動モータ72やz軸用電動モータ73、x軸用電動モータ74、回転用電動モータ75、把持機構用電動モータ76が接続される。CPU66はy軸用電動モータ72やz軸用電動モータ73、x軸用電動モータ74、回転用電動モータ75、把持機構用電動モータ76に駆動信号を供給する。個々の電動モータ72〜75は駆動信号に基づき指定された回転量で回転する。個々の電動モータ72〜75の回転量で第2移動体23のy軸方向移動量、z軸方向移動量、x軸方向移動量および垂直軸回り回転量並びに把持機構24の前後方向移動量は決定される。
【0045】
第1および第2制御ボード51、65はライブラリ制御ボード77に接続される。ライブラリ制御ボード77は、例えば、CPU78、RAM79および不揮発性メモリ81を備える。不揮発性メモリ81にはソフトウェアプログラム82が格納される。CPU78は、例えばRAM79に一時的に取り込まれるソフトウェアプログラム82に従って所定の手順を実行することができる。ライブラリ制御ボード77はホストコンピュータに接続される。
【0046】
次に、磁気テープライブラリ装置11の動作を説明する。ライブラリ制御ボード77上のCPU78は不揮発性メモリ81内のソフトウェアプログラム82に基づきライブラリ制御を実行する。図5に示されるように、まず、ステップS1でCPU78は第1制御ボード51に向けて第1自走搬送機19の動作を指示する。動作の指示にあたって、y軸座標値、z軸座標値、x軸座標値、第1移動体22の回転量および爪24aの前後方向座標値が利用される。こういった座標値や回転量に基づき第1自走搬送機19の把持機構24は指定のセル14や磁気テープ駆動装置16に向き合わせられる。
【0047】
例えば把持機構24がセル14に向き合わせられると、把持機構24の働きでセル14内の磁気テープカートリッジ15は第1移動体22内に取り込まれることができる。反対に、第1移動体22内の磁気テープカートリッジ15はセル14内に押し込まれることができる。こうして磁気テープカートリッジ15はセル14および磁気テープ駆動装置16の間で搬送される。磁気テープ駆動装置16は磁気テープカートリッジ15に記録された情報を読み出したり磁気テープカートリッジ15に情報を書き込んだりする。このとき、第2自走搬送機21は待避位置で待機する。
【0048】
こういった第1自走搬送機19の動作中にCPU78は第1自走搬送機19の障害の発生を監視する(ステップS2)。例えば第1自走搬送機19で障害が発生すると、CPU78の処理動作はステップS3に移行する。このステップS3でCPU78は第2制御ボード65に向けて待避動作を指示する。ここでは、第1自走搬送機19の障害には、例えば電動モータ57〜62や第1制御ボード51の故障が含まれる。
【0049】
第2制御ボード65のCPU66がCPU78から待避動作の指示を受領すると、CPU66は第2自走搬送機21を駆動する。例えばy軸用電動モータ72に駆動信号は供給される。その結果、第2自走搬送機21の案内部材31および第1レールベース32は第1自走搬送機19の待避位置に向かって下降する。下降中に第2自走搬送機21の案内部材31は第1自走搬送機19の案内部材26に衝突する。弾性片36、37同士は衝突する。このとき、第1自走搬送機19のy軸用電動モータ57では回転に対する規制力は完全に排除される。その後、第2自走搬送機21が下降を持続すると、第1自走搬送機19は待避位置まで運ばれる。
【0050】
続いて、ステップS4で、CPU78は第2制御ボード65に向けて第2自走搬送機21の動作を指示する。こうして第1自走搬送機19に代わって第2自走搬送機21の働きで磁気テープカートリッジ15の搬送は継続される。第1自走搬送機19の交換中、ライブラリ制御ボード77や第2制御ボード65、第2自走搬送機21の動作は維持される。第1自走搬送機19の交換動作の詳細は後述される。
【0051】
その後、ステップS5で、CPU78は、オペレータに第1自走搬送機19の障害を通知すると同時に例えば第1自走搬送機19の交換を監視する。第1自走搬送機19が交換されると、CPU78の処理動作はステップS6に移行する。ステップS6でCPU78は活性交換動作を実施する。この活性交換動作に基づき第1制御ボード51は新たな第1自走搬送機19に接続される。こうして第1自走搬送機19の交換が完了すると、CPU78の処理動作はステップS1に戻る。第1自走搬送機19は磁気テープカートリッジ15の搬送動作に復帰する。第2自走搬送機21は待避位置で待機する。
【0052】
以上のような磁気テープライブラリ装置11では、第1自走搬送機19で障害が発生しても、第1自走搬送機19は第2自走搬送機21の動作に基づき待避位置まで運ばれる。その後、第2自走搬送機21の働きで磁気テープカートリッジ15の搬送は継続される。第1および第2自走搬送機19、21の干渉は回避される。ライブラリ制御ボード77や第2制御ボード65の停止を伴わずに第1自走搬送機19は交換されることができる。したがって、磁気テープライブラリ装置11では情報の書き込みや読み出しに支障は生じない。磁気テープライブラリ装置11は常に動作し続けることができる。ただし、以上のような磁気テープライブラリ装置11では、第1自走搬送機19の交換後に第2自走搬送機21の使用が継続されてもよい。
【0053】
次に、第1自走搬送機19の交換動作を詳述する。ここでは、特に、第1移動体22の交換動作を詳述する。前述されるように、第1自走搬送機19は第2自走搬送機21の動作に基づき待避位置まで運ばれる。このとき、図6に示されるように、第1レールベース27は筐体12内に完全に収容される。したがって、第1移動体22は、筐体12内に収容される第1位置に位置決めされる。扉は開放される。このとき、第1移動体22は第1レールベース27の一端に位置決めされる。こうして第1移動体22は開口12aに接近する。位置決めにあたって、z軸用電動モータ58やx軸用電動モータ59では回転に対する規制力は完全に排除される。オペレータは手で第1移動体22を移動させることができる。
【0054】
オペレータは第1移動体22をx軸に平行に移動させる。第1移動体22は第3レール35に沿って移動する。その結果、図7に示されるように、第1移動体22は第2レールベース34の中間地点に位置決めされる。その後、オペレータは、レールブロック34bから前述のねじ43を取り外す。ねじ43の取り外し後、オペレータはレールブロック34bに対してベース本体34aを相対回転させる。その結果、図8に示されるように、ベース本体34aすなわち第2レールベース34は第1レールベース27に対して例えば90度の相対回転角で反時計回りに回転する。第2レールベース34の向きは第1レールベース27に合わせられる。
【0055】
その後、オペレータはz軸に平行に開口12aから筐体12の外側に向かって第1レールベース27を引き出す。第1レールベース27はz軸に沿って案内部材26に対して相対移動する。ここでは、図9に示されるように、例えば第1レールベース27にはz軸方向に延びる溝27aが形成される。この溝27aには、案内部材26から突き出る突片26aが受け入れられる。突片26aは、z軸に沿って案内部材26の全長にわたって延びればよい。こうして第1レールベース27の進退移動は実現される。この第1レールベース27の進退移動に基づき第2レールベース34や第1移動体22はxz平面に水平に筐体12の外側に引き出される。第1移動体22は、第1自走搬送機19の第1可動範囲38すなわち筐体12の外側の第2位置に配置される。こうして第1移動体22の可動範囲は第1位置および第2位置の間で変位する。第1移動体22は第2レールベース34ごと第1レールベース27から取り外されることができる。第1移動体22の交換は実現される。
【0056】
以上のような磁気テープライブラリ装置11では、第1自走搬送機19に障害が発生しても、第1および第2レールベース27、34や第1移動体22は筐体12の外側に引き出されることができる。このとき、第1移動体22は、第2自走搬送機21の第2可動範囲41に進入することなく第1自走搬送機19の待避位置内で水平移動する。待避位置が狭く設定される場合であっても、第1および第2レールベース27、34や第1移動体22の交換作業は極めて簡単に実施されることができる。しかも、第2自走搬送機21は第2可動範囲41内で移動し続けることができる。こうした第2自走搬送機21の働きで磁気テープカートリッジ15の搬送は継続されることができる。磁気テープライブラリ装置11は常に動作し続けることができる。
【0057】
図10は本発明の第2実施形態に係る磁気テープライブラリ装置11aの構造を概略的に示す。この磁気テープライブラリ装置11aには、第2レールベース34に代えて、ベース85と、ベース85に連結される回転アーム86とが組み込まれる。回転アーム86は、任意の垂直軸すなわちy軸に平行な回転軸87回りで回転自在にベース85に支持される。回転アーム86には、回転軸87に平行に規定される回転軸88回りで回転自在に前述の第1移動体22が支持される。
【0058】
回転軸87、88は相互に所定の間隔で隔てられる。ここでは、回転軸88は回転軸87から回転アーム86の先端に向かって偏倚して配置される。その結果、回転アーム86が回転軸87回りで回転すると、回転軸88は回転軸87回りで旋回する。こうした回転アーム86の回転に基づき第1移動体22のx軸方向の移動は実現される。
【0059】
回転アーム86の回転の実現にあたって回転アーム86には任意の駆動機構が連結される。駆動機構は、例えば、回転アーム86に結合されつつベース85上で1対のプーリに巻き付けられる環状ベルトと、一方のプーリの回転を制御する動力源とから構成されればよい。動力源すなわち回転アーム用電動モータには例えばステッピングモータが用いられればよい。回転アーム用電動モータは前述の第1制御ボード51のCPU52に接続されればよい。個々の電動モータの回転量で第1移動体22のy軸方向移動量、z軸方向移動量、回転軸87、88回り回転量並びに把持機構24の前後方向移動量は決定される。
【0060】
ベース85は、前述の第2レールベース34と同様に、第2レール33に沿って水平方向すなわちz軸に平行に移動することができる。こういった移動の実現にあたってベース85には任意の駆動機構が連結される。駆動機構には前述の第2レールベース34と同様の構成が採用されればよい。なお、第2自走搬送機21は第1自走搬送機19と同様に構成されればよい。その他、前述の第1実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
【0061】
以上のような磁気テープライブラリ装置11aでは、xyz座標系上の三次元座標値と、回転軸87、88回りの回転角とに基づき個々のセル14、14…の位置は特定される。三次元座標値および回転軸87回りの回転角に基づき第1および第2自走搬送機19、21の第1および第2移動体22、23は位置決めされる。同時に、回転軸87、88回りの回転角に基づき第1および第2移動体22、23の向きは決定される。個々のセル14に設定された三次元座標値および回転角に基づき第1および第2移動体22、23の位置決めおよび回転が制御されると、第1および第2移動体22、23は対応するセル14の開口に正確に把持機構24を向き合わせることができる。
【0062】
次に、第1自走搬送機19の交換動作を詳述する。ここでは、特に、第1移動体22の交換動作を詳述する。前述されるように、第1自走搬送機19は第2自走搬送機21の動作に基づき待避位置まで運ばれる。このとき、図11に示されるように、第1レールベース27は筐体12内に完全に収容される。第1移動体22は第1位置に位置決めされる。扉は開放される。このとき、ベース85は第1レールベース27の一端に位置決めされる。こうして第1移動体22は開口12aに接近する。位置決めにあたって、z軸用電動モータや回転アーム用電動モータ、移動体回転用電動モータでは回転に対する規制力は完全に排除される。オペレータは手でベース85や回転アーム86、第1移動体22を移動させることができる。
【0063】
オペレータはベース85に対して回転アーム86を回転軸87回りで相対回転させる。その結果、図12に示されるように、回転アーム86は第1レールベース27およびベース85に対して所定の相対回転角で回転する。回転アーム86の向きは第1レールベース27およびベース85に合わせられる。同時に、オペレータは回転アーム86に対して第1移動体22を相対回転させる。第1移動体22は第1レールベース27、ベース85および回転アーム86に対して所定の相対回転角で回転する。第1移動体22の向きは、第1レールベース27、ベース85および回転アーム87に合わせられる。
【0064】
その後、オペレータは、前述と同様に、z軸に平行に開口12aから筐体12の外側に向かって第1レールベース27を引き出す。第1レールベース27はz軸に沿って案内部材26に対して相対移動する。図13に示されるように、第1レールベース27の相対移動に基づきベース85や回転アーム86、第1移動体22はxz平面に水平に筐体12の外側に引き出される。第1移動体22は筐体12の外側の第2位置に配置される。オペレータは、ベース85から例えばねじを取り外す。こうして第1移動体22は、ベース85や回転アーム86とともに第1レールベース27から取り外されることができる。第1移動体22の交換は実現される。
【0065】
以上のような磁気テープライブラリ装置11aでは、前述と同様に、第1自走搬送機19で障害が発生しても、第1レールベース27やベース85、回転アーム86、第1移動体22は筐体12の外側に引き出されることができる。ベース85、回転アーム86、第1移動体22の交換作業は極めて簡単に実施されることができる。しかも、第2自走搬送機21の働きで磁気テープカートリッジ15の搬送は継続されることができる。磁気テープライブラリ装置11aは常に稼働し続けることができる。その上、ねじの取り外しといった作業を経ることなく回転アーム86の向きは第1レールベース27に合わせられることができる。その結果、第1実施形態に比べて、ベース85や回転アーム86、第1移動体22の交換作業は一層簡単に実施されることができる。
【0066】
なお、以上のような磁気テープライブラリ装置11、11aでは、収納物すなわち記録媒体には、磁気テープカートリッジ15に代えて、例えば光ディスクが用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1実施形態に係る磁気テープライブラリ装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】第1および第2自走搬送機の可動範囲を概略的に示す磁気テープライブラリ装置の側面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】ライブラリ制御ボード並びに第1および第2制御ボードの構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】ライブラリ制御の処理工程を概略的に示すフローチャートである。
【図6】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図7】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図8】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図9】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る磁気テープライブラリ装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図11】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図12】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【図13】第1自走搬送機の交換動作の一工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
12 筐体、13a 収納棚、13b 収納棚、14 セル、15 収納物(磁気テープカートリッジ)、18 収納棚用搬送機構、19 第1自走搬送機、21 第2自走搬送機、22 第1移動体、23 第2移動体、24 把持機構、26 支持体(案内部材)、28 支持部材(第1および第2支軸)、31 支持体(案内部材)、33 レール(第2レール)、38 第1可動範囲、41 第2可動範囲。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納棚に区画されるセルに対してアクセスの指示を受け取ると、第1自走搬送機に組み込まれる動力源に基づき第1自走搬送機を駆動する工程と、第1自走搬送機で障害が検出されると、第2自走搬送機の動作に基づき第1自走搬送機を駆動する工程とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の収納棚用搬送機構の制御方法において、前記障害が検出されると、第2自走搬送機は、第2自走搬送機の可動範囲外に設定される待避位置まで第1自走搬送機を運ぶことを特徴とする収納棚用搬送機構の制御方法。
【請求項3】
第1可動範囲内の移動に基づき、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な第1移動体と、少なくとも部分的に第1可動範囲に重なる第2可動範囲内で移動し、複数のセルに個別にアクセス可能な第2移動体と、第2可動範囲の外側に設定される待避位置に第1移動体が待避した際に、第1可動範囲の外側に向かって第1移動体を案内する案内部材とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構。
【請求項4】
レールと、レール上に進退自在に支持されて、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な移動体と、移動体の進退方向に進退自在にレールを支持する支持体とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構。
【請求項5】
請求項4に記載の収納棚用搬送機構において、前記レールに直交する平面に沿って変位可能に前記支持体を支持する支持部材をさらに備えることを特徴とする収納棚用搬送機構。
【請求項6】
筐体と、筐体内に収容される収納棚と、筐体内に収容される支持体と、支持体上に進退自在に支持されるレールと、所定の可動範囲内で進退自在にレール上に支持されて、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な移動体とを備え、前記移動体の可動範囲は、レールの進退移動に基づき、筐体内に収容される第1位置と、少なくとも部分的に筐体の外側に配置される第2位置との間で変位することを特徴とする収納棚用搬送機構。
【請求項1】
収納棚に区画されるセルに対してアクセスの指示を受け取ると、第1自走搬送機に組み込まれる動力源に基づき第1自走搬送機を駆動する工程と、第1自走搬送機で障害が検出されると、第2自走搬送機の動作に基づき第1自走搬送機を駆動する工程とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の収納棚用搬送機構の制御方法において、前記障害が検出されると、第2自走搬送機は、第2自走搬送機の可動範囲外に設定される待避位置まで第1自走搬送機を運ぶことを特徴とする収納棚用搬送機構の制御方法。
【請求項3】
第1可動範囲内の移動に基づき、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な第1移動体と、少なくとも部分的に第1可動範囲に重なる第2可動範囲内で移動し、複数のセルに個別にアクセス可能な第2移動体と、第2可動範囲の外側に設定される待避位置に第1移動体が待避した際に、第1可動範囲の外側に向かって第1移動体を案内する案内部材とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構。
【請求項4】
レールと、レール上に進退自在に支持されて、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な移動体と、移動体の進退方向に進退自在にレールを支持する支持体とを備えることを特徴とする収納棚用搬送機構。
【請求項5】
請求項4に記載の収納棚用搬送機構において、前記レールに直交する平面に沿って変位可能に前記支持体を支持する支持部材をさらに備えることを特徴とする収納棚用搬送機構。
【請求項6】
筐体と、筐体内に収容される収納棚と、筐体内に収容される支持体と、支持体上に進退自在に支持されるレールと、所定の可動範囲内で進退自在にレール上に支持されて、収納棚に区画される複数のセルに個別にアクセス可能な移動体とを備え、前記移動体の可動範囲は、レールの進退移動に基づき、筐体内に収容される第1位置と、少なくとも部分的に筐体の外側に配置される第2位置との間で変位することを特徴とする収納棚用搬送機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−160516(P2006−160516A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15937(P2005−15937)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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