説明

取り付け構造、組立体及び画像形成装置

【課題】ブレード62及び金具68の長さ方向中央部が非接触面66G側へ凸状に撓むのを抑制する。
【解決手段】非接触面66Gの長さ方向中央部には、隙間Sを埋めるように金具68側に突出する凸部72が1つ形成されている。これにより、作業者が、金具68の長さ方向中央部を手で押さえながら、ネジ70をネジ孔66Fにねじ込んで、金具68を取付面66Dに取り付ける場合に、金具68が非接触面66G側に押されても、金具68が凸部72に当たる。これにより、ブレード62及び金具68の長さ方向中央部が非接触面66G側へ凸状に撓むのが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り付け構造、組立体及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、その図1に示すように、静電潜像が形成される潜像担持体9に対向して開口し且つ非磁性一成分現像剤が収容される現像ハウジング1と、この現像ハウジング1の開口部に面して配設されて非磁性一成分現像剤を担持搬送し且つ内部及び表面に磁極を具備しない磁性材料からなる現像ロール2と、一端側が現像ハウジング1に設けた被係止部1aに位置決め係止され且つ自由端側が現像ロール2に圧接配置されて現像剤を層形成する層形成部材3と、この層形成部材3側に設けられ且つ前記現像ロール2に層形成部材3を磁力にて圧接させる磁力発生部材4と、を備える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2000−89561号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、弾性部材及び接合部材が取付部材側へ撓むのを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、一方へ長さを有する弾性部材と、前記弾性部材が接合され、前記弾性部材の長さ方向に沿って長さを有する接合部材と、前記接合部材の長さ方向両端部が取り付けられる取付部を有し、前記接合部材の前記取付部への取付状態において前記両端部間の中間部との間に隙間が形成される取付部材と、前記隙間を埋めるように前記接合部材と前記取付部材との間に介在する介在部材と、を備える取り付け構造である。
【0006】
請求項2の発明は、回転し、現像剤によって外周面に形成された画像が他の部材へ転写される転写体と、前記転写体の回転軸方向へ長さを有し、前記転写体の外周面に接触して前記画像の転写後に残留する前記現像剤を掻き取る弾性部材と、前記弾性部材が接合され、前記弾性部材の長さ方向に沿って長さを有する接合部材と、前記接合部材の長さ方向両端部が取り付けられる取付部を有し、前記接合部材の前記取付部への取付状態において前記両端部間の中間部との間に隙間が形成される取付部材と、前記隙間を埋めるように前記接合部材と前記取付部材との間に介在する介在部材と、を備え、画像形成装置本体に対して着脱可能に組み立てられる組立体である。
【0007】
請求項3の発明は、回転し、現像剤によって外周面に形成された画像が他の部材へ転写される転写体と、前記転写体の回転軸方向へ長さを有し、前記転写体の外周面に接触して前記画像の転写後に残留する前記現像剤を掻き取る弾性部材と、前記弾性部材が接合され、前記弾性部材の長さ方向に沿って長さを有する接合部材と、前記接合部材の長さ方向両端部が取り付けられる取付部を有し、前記接合部材の前記取付部への取付状態において前記両端部間の中間部との間に隙間が形成される取付部材と、前記隙間を埋めるように前記接合部材と前記取付部材との間に介在する介在部材と、を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1〜3の構成によれば、介在部材を備えない構成に比べ、弾性部材及び接合部材が取付部材側へ撓むのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成ユニットを示す概略断面図である。
【図3】本実施形態に係る取り付け構造を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係る取り付け構造において、ブレードが取り外された状態を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係る取り付け構造を示す平面図である。
【図6】本実施形態に係る取り付け構造の取り付け部分を拡大して示す斜視図である。
【図7】本実施形態に係る取り付け構造を示す側断面図である。
【図8】本実施形態に係る取り付け構造における取り付け作業を示す平面図である。
【図9】実施例及び比較例の評価結果を示す結果表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。なお、図中に示す矢印UPは鉛直方向上方を示す。
【0011】
画像形成装置10は、図1に示すように、各構成部品が内部に収容される画像形成装置本体11を備えている。画像形成装置本体11の内部には、用紙等の記録媒体Pが収容される記録媒体収容部12と、記録媒体Pに画像を形成する画像形成部14と、記録媒体収容部12から画像形成部14へ記録媒体Pを搬送する搬送部16と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、が設けられている。また、画像形成装置本体11の上部には、画像形成部14によって画像が形成された記録媒体Pが排出される記録媒体排出部18が設けられている。
【0012】
画像形成部14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット22Y、22M、22C、22K(以下、22Y〜22Kと示す)と、画像形成ユニット22Y〜22Kで形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト24(回転体の一例)と、画像形成ユニット22Y〜22Kで形成されたトナー画像を中間転写ベルト24に転写するための第1転写部材の一例としての第1転写ロール26と、第1転写ロール26によって中間転写ベルト24に転写されたトナー画像を中間転写ベルト24から記録媒体Pへ転写するための第2転写部材の一例としての第2転写ロール28と、第2転写ロール28によって中間転写ベルト24から記録媒体Pへ転写されたトナー画像を記録媒体Pに定着させる定着装置30と、を備えている。
【0013】
画像形成ユニット22Y〜22Kは、水平方向に沿って画像形成装置10の上下方向中央部に並んで配置されている。また、画像形成ユニット22Y〜22Kは、現像剤によって外周面に形成された画像が他の部材へ転写される転写体の一例として、一方向(図1における時計回り方向)へ回転する感光体32(回転体の一例)をそれぞれ有している。
【0014】
各感光体32の周囲には、感光体32の回転方向上流側から順に、感光体32を帯電させる帯電装置の一例としての帯電ロール34と、帯電ロール34によって帯電した感光体32が露光されて形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置38と、感光体32の外周面に接触して画像の転写後において感光体32に残留する現像剤を掻き取る弾性部材としてのブレード62と、が設けられている。
【0015】
また、画像形成ユニット22Y〜22Kの下方には、帯電ロール34によって帯電した各感光体32を露光して静電潜像を形成する露光装置36が設けられている。露光装置36は、制御部20から送られた画像信号に基づき静電潜像を形成するようになっている。制御部20から送られる画像信号としては、例えば、制御部20が外部装置から取得した画像信号がある。なお、図1及び図2において、露光装置36からの露光光を矢印Lにて示している。
【0016】
現像装置38は、図2に示すように、トナーを含む現像剤が収容される収容部の一例としての筐体38Aを備えている。筐体38Aの内部には、回転する回転体の一例としての現像ロール38Bと、一方へ長さを有する弾性部材の一例としての規制部材38Cと、現像剤を搬送する搬送部材38Dと、が設けられている。規制部材38Cは、筐体38Aに対して固定された支持部材38Eによって支持されている。
【0017】
現像装置38では、搬送部材38Dがその回転軸方向へ攪拌しながら現像剤を搬送し、その現像剤が現像ロール38Bへ付与される。現像ロール38Bへ付与された現像剤は、現像ロール38Bの回転により、感光体32に対向する対向位置へ搬送され、静電力等により、感光体32へ供給されるように構成されている。
【0018】
ブレード62は、ブレード62に接合された接合部材の一例としての金具68を介して、画像形成装置本体11に設けられた取付部材66(図3参照)に取り付けられている。取付部材66には、ブレード62によって掻き取られた現像剤を搬送する搬送部材64が取り付けられている。搬送部材64は、具体的には、現像剤を搬送して排トナーボックス(図示省略)等に排出するようになっている。なお、ブレード62が取付部材66に取り付けられた取り付け構造60の具体的な構成については、後述する。
【0019】
中間転写ベルト24は、図1に示すように、環状に形成されると共に、画像形成ユニット22Y〜22Kの上側に配置されている。中間転写ベルト24の内周側に、中間転写ベルト24が巻き掛けられる巻掛ロール42、44が設けられている。中間転写ベルト24は、巻掛ロール42、44のいずれかが回転駆動することによって、感光体32と接触しながら一方向(図1における反時計回り方向)へ循環移動(回転)するようになっている。なお、巻掛ロール42は、第2転写ロール28に対向する対向ロールとされている。
【0020】
中間転写ベルト24は、現像剤によって外周面に形成された画像が他の部材へ転写される転写体の一例として機能する構成となっている。また、中間転写ベルト24の外周側には、中間転写ベルト24の外周面に接触して画像の転写後において中間転写ベルト24に残留する現像剤を掻き取る弾性部材としてのブレード25が設けられている。
【0021】
第1転写ロール26は、中間転写ベルト24を挟んで感光体32に対向している。第1転写ロール26と感光体32との間が、感光体32に形成されたトナー画像が中間転写ベルト24に転写される第1転写位置とされている。また、第1転写ロール26は、中間転写ベルト24に接触しており、循環移動する中間転写ベルト24に従動して回転するように構成されている。
【0022】
第2転写ロール28は、中間転写ベルト24を挟んで巻掛ロール42と対向している。第2転写ロール28と巻掛ロール42との間が、中間転写ベルト24に転写されたトナー画像が記録媒体Pに転写される第2転写位置とされている。
【0023】
搬送部16は、記録媒体収容部12に収容された記録媒体Pを送り出す送出ロール46と、送出ロール46に送り出された記録媒体Pが搬送される搬送路48と、搬送路48に沿って配置され送出ロール46によって送り出された記録媒体Pを第2転写位置へ搬送する複数の搬送ロール50と、が設けられている。
【0024】
定着装置30は、第2転写位置より搬送方向下流側に配置されており、第2転写位置で転写されたトナー画像を記録媒体Pへ定着させる。定着装置30よりも搬送方向下流側には、トナー画像が定着された記録媒体Pを記録媒体排出部18へ排出する排出ロール52が設けられている。
【0025】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10における、記録媒体Pへ画像を形成する画像形成動作について説明する。
【0026】
本実施形態に係る画像形成装置10では、記録媒体収容部12から送出ロール46によって送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール50によって第2転写位置へ送り込まれる。
【0027】
一方、画像形成ユニット22Y〜22Kでは、帯電ロール34によって帯電した感光体32が、露光装置36によって露光されて感光体32に静電潜像が形成される。その静電潜像が現像装置38によって現像されて感光体32にトナー画像が形成される。画像形成ユニット22Y〜22Kで形成された各色のトナー画像は、第1転写位置にて中間転写ベルト24に重ねられて、カラー画像が形成される。そして、中間転写ベルト24に形成されたカラー画像が、第2転写位置にて記録媒体Pへ転写される。
【0028】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置30へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置30により定着される。トナー画像が定着された記録媒体Pは、排出ロール52によって記録媒体排出部18に排出される。以上のように、一連の画像形成動作が行われる。
【0029】
(本実施形態に係る取り付け構造60)
次に、本実施形態に係る取り付け構造60の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る取り付け構造60を示す概略斜視図である。
【0030】
本実施形態に係る取り付け構造60は、図3に示すように、感光体32の外周面に接触して画像の転写後において感光体32に残留する現像剤を掻き取る前述のブレード62と、ブレード62が接合された前述の金具68と、金具68が取り付けられた前述の取付部材66と、を備えている。
【0031】
ブレード62は、板状(断面四角形状(図2参照))に形成されると共に、感光体32の回転軸方向へ長さを有している。ブレード62は、図2に示すように、具体的には、板厚方向一端側(図2における左端側)の板面と、板厚方向及び長さ方向と直交する板幅方向一端側(図2における上端側)の端面と、でなす角部(エッジ)が、感光体32に接触している。
【0032】
ブレード62としては、例えば、ウレタンゴム、その他のゴムが用いられる。ブレード62の材料はこれに限られず、他の材料を用いても良い。また、ブレード62は、具体的には、板厚方向他端側(図2における右端側)の板面が、板幅方向他端側(図2における下端側)の部分で金具68に接着されている。
【0033】
金具68は、板金(板状の金属)で構成されている。なお、ブレード62に接合される接合部材としては、少なくとも、ブレード62よりも剛性(弾性率)が高い材料で構成されていればよい。金具68は、ブレード62と同様に、図3に示すように、感光体32の回転軸方向へ長さを有している。また、金具68は、図2に示すように、屈曲されると共に、金具68の板厚方向一端側(図2における左端側)の板面の板幅方向一端側(図2における上端側)の部分で、ブレード62が接着されている。
【0034】
金具68の長さ方向両端部には、図4に示すように、それぞれ、取付部材66に形成されたピン66Eが差し込まれる差込孔68Aと、固定部材としてのネジ70が挿し通される通孔68Bと、が形成されている。差込孔68Aは、通孔68Bに対して、金具68の板幅方向においてブレード62側(図4における上側)に配置されている。2つの差込孔68Aのうち、少なくとも一方が、金具68の長さ方向に沿って長さを有する長孔とされている。これにより、2つの差込孔68A間の寸法と2つのピン66E間の寸法との誤差が吸収される。
【0035】
取付部材66は、図3及び図5に示すように、感光体32の外周面に対向すると共に感光体32の回転軸方向へ長さを有する取付部材本体66Aと、取付部材本体66Aの長さ方向両端部に設けられ感光体32の軸方向両端部を回転可能に支持する支持部66Bと、を備えている。支持部66Bは、取付部材本体66Aから感光体32側に突出すると共に、概略Uの字形状に形成されている。支持部66Bは、具体的には、支持部66Bの内周に設けられた軸受(図示省略)を介して、感光体32を回転可能に支持するようになっている。取付部材本体66Aには、図2及び図4に示すように、ブレード62によって掻き取られた現像剤を搬送する搬送部材64が収容される収容空間66Hが形成されている。
【0036】
取付部材本体66Aの長さ方向両端部には、図4及び図6(部分拡大図)に示すように、金具68が取り付けられる取付部の一例としての取付面66Dと、取付面66D上に形成されたピン66Eと、取付面66Dに形成されたネジ孔66Fと、を有している。取付面66Dには、金具68のブレード62が接着された面とは反対側の面が接触した状態で、金具68が取り付けられるようになっている。
【0037】
取付部材本体66Aの長さ方向両端部にある取付面66Dの間には、金具68が取付面66Dに取り付けられた状態(接触した状態)において、金具68に対して離間して非接触となる非接触面66Gが形成されている。すなわち、非接触面66Gは、取付面66Dから一段後退して(引っ込んで)形成されており、金具68が取付面66Dに取り付けられた状態において、金具68の長さ方向両端部間の中間部との間に隙間S(図7参照)が形成されるようになっている。
【0038】
このように、金具68は、長さ方向中央部と非接触面66Gとの間に隙間Sがある状態で、長さ方向両端部のみが取付面66Dに接触して取付部材66に取り付けられるようになっている。すなわち、取付面66Dが、ブレード62の感光体32に対する位置を位置出しするための基準面となっている。こうすることで、部品ごとに固有である金具68の寸法精度の誤差と取付部材66の寸法精度の誤差とが吸収され、感光体32に対するブレード62の接触状態のばらつきが抑制される。
【0039】
非接触面66Gの長さ方向中央部には、図4及び図7に示すように、隙間Sの一部(具体的には、長さ方向の一部)を埋めるように金具68と非接触面66Gとの間に介在する介在部材の一例として、取付面66D側(図7における上側)に突出する凸部72が1つ形成されている。凸部72は、取付面66Dの高さと同じ高さとされている。
【0040】
なお、凸部72は、取付面66Dの高さよりも低い高さとされていても良い。この構成では、金具68及びブレード62が非接触面66G側に凸状に撓んでいない状態において、金具68と凸部72は、非接触となる。
【0041】
また、凸部72は、非接触面66Gの長さ方向に沿って複数設けられていても良い。また、凸部72は、取付部材66ではなく、金具68に取付部材66側に突出するように形成されていても良い。凸部72は、中空であっても良いし、中実であっても良い。また、凸部72は、取付部材本体66Aに対して一体に形成されたものであっても良いし、取付部材本体66Aに対して接合されたものであっても良い。また、凸部72は、非接触面66Gの長さ方向の中央部からずれた位置であっても良く、非接触面66Gの長さ方向の一部に配置されていれば良い。
【0042】
なお、本実施形態では、ブレード62が接合された金具68及び感光体32が取り付けられた取付部材66は、画像形成装置本体11に対して着脱可能に設けられており、画像形成装置本体11に対して着脱可能に組み立てられた組立体(プロセスカートリッジ)の一例をなしている。なお、取付部材66は、感光体32と独立して画像形成装置本体11に対して着脱される構成であっても良い。組立体としては、少なくとも、ブレード62が接合された金具68、感光体32及び取付部材66を含んでいればよいが、画像形成ユニット22Y〜22Kを構成する帯電ロール34・現像装置38・露光装置36を含んで構成されていても良い。
【0043】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用として、ブレード62が接合された金具68の取付作業を説明する。
【0044】
まず、作業者は、ブレード62が接合された金具68の差込孔68Aに取付部材66のピン66Eが差し込まれるように、金具68の長さ方向両端部を取付面66D上に載せる。金具68の差込孔68Aに取付部材66のピン66Eが差し込まれることにより、金具68は、取付面66Dに対して仮止めされる。すなわち、金具68及びブレード62の長さ方向における位置・金具68及びブレード62の幅方向における位置が取付面66Dに対して定まる。
【0045】
次に、作業者は、図8に示すように、ブレード62及び金具68を手で押さえながら、ネジ70を金具68の通孔68Bに挿し通すと共に、取付面66Dのネジ孔66Fにねじ込む。これにより、金具68が取付面66Dに対して固定されて取り付けられる。
【0046】
本実施形態では、ブレード62及び金具68を手で押さえたときに(図7矢印F参照)、金具68の長手方向中央部が非接触面66G側に押されても、金具68が凸部72に当たる。これにより、ブレード62及び金具68の長さ方向中央部が非接触面66G側へ凸状に撓むのを抑制する。従って、ブレード62及び金具68が撓んだ状態で、取付部材66に取り付けられることが抑制され、感光体32に対するブレード62の接触圧が、感光体32の回転軸方向においてばらつきにくくなる。
【0047】
なお、ブレード62が金具68を介して取付部材66に取り付けられた後、画像形成装置10が稼働された場合においても、その振動等により、金具68が非接触面66G側に押されても、金具68が凸部72に当たる。これにより、ブレード62及び金具68の長さ方向中央部が非接触面66G側へ凸状に撓むのが抑制される。すなわち、金具68の取付部材66への取付の際だけでなく、取付後においても、ブレード62及び金具68が経時的に撓むことが抑制される。
【0048】
なお、本実施形態では、金具68において、ピン66Eによって仮止めされる個所は、長さ方向両端部のそれぞれ1か所であったが、長さ方向両端部のそれぞれにおいて複数個所であってもよい。
【0049】
また、本実施形態では、金具68において、ネジ70によって固定される個所は、長さ方向両端部のそれぞれ1か所であったが、長さ方向両端部のそれぞれにおいて複数個所であってもよい。
【0050】
また、本実施形態係る取り付け構造60は、中間転写ベルト24に残留する現像剤を掻き取るブレード25の取り付け、及び現像装置38の規制部材38Cの取り付けに適用してもよい。
【0051】
[実施例]
以下、実施例および比較例を示して具体的に説明する。但し、特にこれらに限定されるものではない。この実施例及び比較例について、サンプルを30個作成し、通り止まりゲージ(Go/No Go ゲージ)によって、ブレード62の感光体32に対する食い込み量を長手方向一端部、長手方向中央部、長手方向他端部にて測定した。そして、この測定値から工程能力指数を算出した(図9の結果表参照)。
【0052】
(実施例1)
実施例1では、非接触面66Gの長さ方向中央部の1ヵ所に凸部72を設け、長さ方向の寸法がA4サイズとされたブレード62を金具68に接着して、取付部材66の取付面66Dに取り付けた。凸部72の非接触面66Gに対する高さは、取付面66Dの非接触面66Gに対する高さと同じ0.2mmとされている。
【0053】
(実施例2)
実施例2では、非接触面66Gの長さ方向中央部の2ヵ所に凸部72を設け、長さ方向の寸法がA3サイズとされたブレード62を金具68に接着して、取付部材66の取付面66Dに取り付けた。凸部72の非接触面66Gに対する高さは、取付面66Dの非接触面66Gに対する高さと同じ0.5mmとされている。
【0054】
(比較例)
比較例では、非接触面66Gに凸部72を設けず、長さ方向の寸法がA3サイズとされたブレード62を金具68に接着して、取付部材66の取付面66Dに取り付けた。取付面66Dの非接触面66Gに対する高さは、0.5mmとされている。
【0055】
実施例及び比較例について工程能力指数を算出したところ、図9の結果表に示すように、比較例において、長手方向一端部1.31、長手方向中央部1.091、長手方向他端部1.223であったものが、実施例1では、長手方向一端部1.316、長手方向中央部1.315、長手方向他端部1.322と改善され、実施例2では、長手方向一端部1.320、長手方向中央部1.319、長手方向他端部1.316と改善された。
【0056】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 画像形成装置
25 ブレード(弾性部材の一例)
32 感光体(転写体の一例)
38C 規制部材(弾性部材の一例)
60 取り付け構造
62 ブレード(弾性部材の一例)
66 取付部材
66D 取付面(取付部の一例)
68 金具(接合部材の一例)
72 凸部(介在部材の一例)
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方へ長さを有する弾性部材と、
前記弾性部材が接合され、前記弾性部材の長さ方向に沿って長さを有する接合部材と、
前記接合部材の長さ方向両端部が取り付けられる取付部を有し、前記接合部材の前記取付部への取付状態において前記両端部間の中間部との間に隙間が形成される取付部材と、
前記隙間を埋めるように前記接合部材と前記取付部材との間に介在する介在部材と、
を備える取り付け構造。
【請求項2】
回転し、現像剤によって外周面に形成された画像が他の部材へ転写される転写体と、
前記転写体の回転軸方向へ長さを有し、前記転写体の外周面に接触して前記画像の転写後に残留する前記現像剤を掻き取る弾性部材と、
前記弾性部材が接合され、前記弾性部材の長さ方向に沿って長さを有する接合部材と、
前記接合部材の長さ方向両端部が取り付けられる取付部を有し、前記接合部材の前記取付部への取付状態において前記両端部間の中間部との間に隙間が形成される取付部材と、
前記隙間を埋めるように前記接合部材と前記取付部材との間に介在する介在部材と、
を備え、画像形成装置本体に対して着脱可能に組み立てられる組立体。
【請求項3】
回転し、現像剤によって外周面に形成された画像が他の部材へ転写される転写体と、
前記転写体の回転軸方向へ長さを有し、前記転写体の外周面に接触して前記画像の転写後に残留する前記現像剤を掻き取る弾性部材と、
前記弾性部材が接合され、前記弾性部材の長さ方向に沿って長さを有する接合部材と、
前記接合部材の長さ方向両端部が取り付けられる取付部を有し、前記接合部材の前記取付部への取付状態において前記両端部間の中間部との間に隙間が形成される取付部材と、
前記隙間を埋めるように前記接合部材と前記取付部材との間に介在する介在部材と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−2948(P2012−2948A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136480(P2010−136480)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】