説明

可変の剛性を備えた弾性的な結合エレメント

本発明は、互いに間隔を置いて配置された構成要素を結合するための、可変の剛性を備えた弾性的な結合エレメントに関する。この結合エレメントは、管状の構成部材として形成されていて、この構成部材に結合したい構成要素に固定するための連結箇所(1,1’)を備えている。本発明によれば、結合エレメントの剛性が、最大の剛性の状態では、主として、結合エレメントの連結箇所(1,1’)によって規定される。この連結箇所(1,1’)は、収容アイレット(3,3’)と、この収容アイレット(3,3’)内に圧入されたエラストマ製の支承ブシュ(4,5,4’,5’)とによって形成されている。連結箇所(1,1’)の間に配置された領域(2)は、本発明によれば、ピストン・シリンダユニット(6,7)を形成しており、このピストン・シリンダユニット(6,7)の内部には、ピストン(7)によって互いに分離された、ハイドロリック媒体またはニューマチック媒体を収容するための少なくとも2つのチャンバ(9,9’)が配置されている。これらのチャンバ(9,9’)は、内部に配置された制御可能な弁(11)を備えた通路または接続管路(10)によって互いに接続されている。弁(11)の少なくとも部分的な開放によって、結合エレメントの剛性を最大の剛性の状態に比べて減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに間隔を置いて配置された構成要素を結合するための、可変の剛性を備えた弾性的な結合エレメントであって、該結合エレメントが、ロッド状のまたは管状の構成部材として形成されていて、該構成部材に結合したい前記構成要素に固定するための連結箇所を備えている形式のものに関する。この弾性的な結合エレメントは、最大の剛性の状態でもなお、従来の剛性的な結合エレメントの弾性を上回るある程度の弾性を有している。
【0002】
技術的な系がその使用時に振動にさらされている限り、この系の構成要素は、通常、結合部が弾性的であり、場合により、系に生じる振動を減衰するように互いに結合される。構成要素の弾性的な結合部は、特に車両構造において使用されている。構成要素の間の相応の弾性的な結合部は、特に車両ユニットの懸架もしくは取付けのために走行機構懸架装置の範囲で使用される。後者の事例では、要素の弾性的な結合部が、1つには、車両の使用時に生じる振動による強い負荷にもかかわらず、結合部の耐久性の向上のために働き、もう1つには、振動の減衰ひいては走行機構と車体構造との振動絶縁もしくは音響絶縁のために働く。道路状況と車両速度とに関連して極めて異なる振動周波数と振幅とに基づき、車両製造元は、走行機構懸架装置が車両乗員に対する最高の快適さの観点から減衰特性に関して種々異なる状況に十分に適合されるように走行機構懸架装置を形成することに努めている。
【0003】
振動の減衰は、走行機構のそれぞれ異なる箇所に配置されたエラストマ支承部によって行われる。快適さの観点から最適な走行機構調整のために、すでに剛性に関して切換可能である支承部が公知である。このためには、ハイドロリックユニットによって作動シリンダが操作され、この作動シリンダが、各支承部のばね定数を変化させるために、支承部内に運動させられるかまたは支承部外に運動させられる。しかし、相応の解決手段には、通常、かなり手間がかかり、これによって、この解決手段は、大量生産に対してコスト観点から部分的に制限されてしか適していない。
【0004】
米国特許第4973077号明細書に基づき、車両アクスルのトーションバーを、このトーションバーに接触するスタビライザに結合するためのアッセンブリが公知である。この公知のアッセンブリでは、結合部の弾性もしくは剛性が、この結合部の領域に配置されたハイドロリック式のピストン・シリンダユニットによって可変である。このピストン・シリンダユニットのシリンダは結合箇所の上方に配置されている。この結合箇所を越えて、シリンダ内にガイドされたピストンのピストンロッドが突出している。シリンダ内には、ピストンによって互いに分離された、ハイドロリック減衰媒体に対する2つのチャンバが配置されている。両チャンバは管路システムによって互いに接続されている。この管路システム内には、切換可能な弁が嵌め込まれている。この切換可能な弁によって、チャンバの間の案内路を開放することができるかまたは遮断することができ、ひいては、結合箇所の剛性を最小の剛性の状態と最大の剛性の状態との間で切り換えることができる。最大の剛性の状態、すなわち、弁の閉鎖時には、システムの過負荷もしくは激しい当接を回避するために、チャンバ内にそれぞれ1つのコイルばねと過圧弁とが配置されている。この各過圧弁によって、主弁の遮断時にも、両チャンバの間にバイパス接続部を開放することができる。しかし、この公知のアッセンブリの構造にも同じく比較的手間がかかる。これによって、コストが高まるだけでなく、場合により、相応の解決手段を備えた車両の故障しやすさも高まる。公知のアッセンブリは、互いに直接接触する構成要素を、この構成要素相互の固定の意味で結合するために働く。
【0005】
本発明の課題は、可変の剛性を有していて、簡単な構造において、最大の剛性の状態でもなお、ある程度の最小弾性を有している、互いに間隔を置いて配置された構成要素を結合するための弾性的な結合エレメントを提供することである。
【0006】
この課題を解決するために本発明に係る弾性的な結合エレメントでは、結合エレメントの軸方向の長手方向に関する剛性が、最大の剛性の状態では結合エレメントの連結箇所によって規定されるようになっており、該連結箇所が、それぞれ収容アイレットと、該収容アイレット内に圧入されたエラストマ製の支承ブシュとによって形成されており、該支承ブシュが、少なくとも結合したい前記構成要素の1つに固定したい金属製の内側部材と、該内側部材を取り囲みかつ該内側部材に加硫によって結合されたエラストマ製の支承体とから成っており、連結箇所の間の領域によってピストン・シリンダユニットが形成されており、該ピストン・シリンダユニットにおいて、シリンダの内部に、ピストンによって互いに分離された、ハイドロリック(液圧)媒体を収容するための少なくとも2つのチャンバが配置されており、該チャンバが、内部に配置された制御可能な弁を備えた通路または接続管路によって接続されており、これによって、結合エレメントが、弁の閉鎖時に最大の剛性の状態をとっており、結合エレメントの剛性が、弁の少なくとも部分的な開放によって減少可能であるようにした。
【0007】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、結合エレメントが、2つの連結箇所を有しており、両連結箇所のうち、それぞれ1つが、結合エレメントの軸方向の端部に配置されている。
【0008】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、ピストン・シリンダユニットのシリンダ内にハイドロリック媒体またはニューマチック(空気圧)媒体に対して形成されたチャンバが、シリンダ壁を貫いて案内された接続管路と、該接続管路内に嵌め込まれた、シリンダの外部に配置された弁とを介して接続されている。
【0009】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、接続管路を通るハイドロリック媒体またはニューマチック媒体の通流量が、弁によって無段式に調整可能であり、このために、該弁が、結合エレメントに作用する振動の周波数および/または振幅を検出するためのセンサの出力信号から制御装置によって導き出された制御信号によって制御されるようになっている。
【0010】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、弁が電磁弁である。
【0011】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、ピストンに両側で、シリンダ内にガイドされたピストンロッドが形成されており、一方の連結ロッドに、シリンダと反対の側で一方の連結箇所が配置されている。
【0012】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、チャンバ内にそれぞれ1つの皿ばねが配置されており、該皿ばねが、ピストンの各側に配置された連結ロッドに被せ嵌められていて、ピストンに支持されており、これによって、該ピストンが、相応のチャンバを仕切るチャンバ壁にばね弾性的に支承されている。
【0013】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、ピストンロッドが、それぞれシリンダ内に配置された滑り軸受け内にガイドされている。
【0014】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、結合エレメントが、車両アクスルのリンクとスタビライザとを結合するためのスタビライザリンクとして形成されている。
【0015】
本発明に係る弾性的な結合エレメントの有利な態様によれば、皿ばねのばね撓み量が、1mm〜2mmに設定されている。
【0016】
互いに間隔を置いて配置された構成要素を結合するために働く、可変の剛性を備えた本発明に係る弾性的な結合エレメントは、ロッド状のまたは管状の構成部材として形成されていて、この構成部材、つまり、結合エレメントに接続したい構成要素に固定するための連結箇所を備えている。本発明によれば、結合エレメントは、その剛性が最大の剛性の状態では、主として、結合エレメントの連結箇所によって規定されるように形成されている。この連結箇所は、本発明によれば、収容アイレットと、この収容アイレット内に圧入されたエラストマ製の支承ブシュとによって形成されている。連結箇所の支承ブシュは、少なくとも結合したい構成要素の1つに固定したい金属製の内側部材と、この内側部材を取り囲みかつ内側部材に加硫によって結合されたエラストマ製の支承体とから成っている。両連結箇所の間に配置された領域は、本発明によれば、ピストン・シリンダユニットを形成している。このピストン・シリンダユニットのシリンダの内部には、ピストンによって互いに分離された、ハイドロリック媒体またはニューマチック媒体を収容するための少なくとも2つのチャンバが配置されている。これらのチャンバは、内部に配置された制御可能な弁を備えた通路または接続管路によって互いに接続されている。弁の制御に相応して、結合エレメントは弁の閉鎖時に最大の剛性の状態をとる。この状態では、結合エレメントの剛性がほぼ専ら連結箇所またはエラストマ支承部の剛性によって規定されるのに対して、結合エレメントの剛性は、ピストン・シリンダユニットの両チャンバの間の接続部に設けられた弁の少なくとも部分的な開放によって最大の剛性に比べて減少させることができる。
【0017】
実際の使用に即した態様に相応して、本発明に係る結合エレメントは2つの連結箇所を有している。両連結箇所は、それぞれ結合エレメントの軸方向の端部に配置されている。ピストン・シリンダユニットのシリンダ内にハイドロリック媒体またはニューマチック媒体に対して形成されたチャンバは、有利には、外部の接続管路を介して互いに接続されている。それぞれチャンバの領域でシリンダ壁を貫いて案内された接続管路内には、弁が嵌め込まれている。この弁によって、チャンバの間の接続部を開放することができるかまたは遮断することができるかもしくは媒体の通流量を無段式に制御することさえできる。後者の可能性に関して、弁は、1つの可能な態様によれば、制御可能な弁として形成されている。この制御可能な弁によって、ハイドロリック媒体またはニューマチック媒体の通流のために提供される接続管路の横断面が、完全に遮断された状態と、完全に開放された状態との間で無段式に調整可能となる。このためには、相応の弁が、この態様では、結合エレメントに作用する振動の周波数および/または振動を直接的にまたは間接的に検出するセンサの出力信号から導き出される制御信号で負荷される。センサは、たとえば加速度センサであってよい。弁として、有利には電磁弁が使用される。
【0018】
本発明の特に有利な態様では、ピストン・シリンダユニットのピストンに両側で、シリンダ内にガイドされたピストンロッドが形成されている。これによって、結合エレメントの機械的な安定性が高められる。両ピストンロッドの一方に、シリンダと反対の側で両連結箇所の一方が配置されているのに対して、他方の連結箇所はシリンダに配置されている。さらに、ピストンロッドはシリンダ内で、有利には滑り軸受け内にガイドされている。この滑り軸受けは、ピストンの硬質の材料と、このピストンを取り囲むシリンダ部分とがシリンダ内でのピストンの運動時に擦れ合うことを阻止する。さらに、前述した態様は、チャンバ内にそれぞれ1つの皿ばねが配置されていることによって改良することができる。この皿ばねは、ピストンの各側に配置されたピストンロッドに被せ嵌められている。各皿ばねはピストンに支持されており、これによって、このピストンが、相応のチャンバを仕切るチャンバ壁にばね弾性的に支承されていて、発生した振動の振幅が高い場合にピストン・シリンダユニットのチャンバ壁に激しく当接しないようになっている。自動車構造に使用するために提案された本発明の態様では、弾性的な結合エレメントが、自動車アクスルの要素として、上部構造体(車体)に対して相対的なリンクの運動をアクスルのスタビライザに伝達するスタビライザリンクである。すでに述べた皿ばねを備えた態様では、結合エレメントの部材は、チャンバ内の皿ばねに対して1mm〜2mmのばね撓み量が提供されているように寸法設定されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る結合エレメントの1つの可能な実施の形態の立体図である。
【図2】図1に示した結合エレメントの側面図である。
【図3】図2に示したA−A線に沿って案内された断面を備えた結合エレメントの断面図である。
【0020】
本発明を以下に1つの実施の形態につき詳しく説明する。
【0021】
図1には、本発明に係る弾性的な結合エレメントの1つの可能な実施の形態が立体図で示してある。この実施の形態は、自動車アクスルのリンクとスタビライザとを結合するためのスタビライザリンクに関する。結合エレメントは管状の構成部材として形成されている。この管状の構成部材は、図示の形態では、2つの連結箇所1,1’を有している。両連結箇所1,1’は、それぞれ結合エレメントの軸方向の端部に配置されている。連結箇所1,1’は、それぞれ1つの収容アイレット3,3’と、この収容アイレット3,3’内にそれぞれ圧入されたエラストマ製の支承ブシュ4,5,4’,5’との形で実現されている。結合エレメントの軸方向の端部に配置された連結箇所1,1’の支承ブシュ4,5,4’,5’は、自体公知の形式で形成されていて、金属製の内側部材4,4’と、この内側部材4,4’を同心的に取り囲みかつ内側部材4,4’に加硫によって結合されたエラストマ製の支承体5,5’とから成っている。連結箇所1,1’の支承ブシュ4,5,4’,5’の内側部材4,4’を貫いて案内された孔もしくは貫通開口14,14’を介して、結合エレメントが、たとえば螺合によって、この結合エレメントにより結合したい構成要素のそれぞれ1つに固定される。連結箇所1,1’の間の領域2は、ピストン・シリンダユニット6,7の形で形成されている。このピストン・シリンダユニット6,7の詳細は、図3により良好に認めることができる。
【0022】
図2には、図1に示した弾性的な結合エレメントが側面図で示してある。この側面図においてA−A線に沿って案内された断面が図3に示してある。この図3には、両連結箇所1,1’の間の領域2によって形成されたピストン・シリンダユニット6,7の構造を認めることができ、これによって、その機能形式も明らかになる。このピストン・シリンダユニット6,7のピストン7はピストンロッド8を介して、収容アイレット3と、この収容アイレット3内に圧入された支承ブシュ4,5とによって形成された連結箇所1に結合されている。他方の連結箇所1’は、明らかであるように、シリンダ6に配置されている。ピストン7の両側でシリンダ6の内部には、ハイドロリック媒体を収容するための小さな容積のそれぞれ1つのチャンバ9,9’が形成されている。両チャンバ9,9’の間には、シリンダ6の外部に配置された接続管路10の形の接続部材が位置している。この接続部材内には、弁11が嵌め込まれている。
【0023】
チャンバ9,9’を接続する接続管路10と、この接続管路10内に配置された弁11とは、図面に概略的にしか示していない。弁11は、制御可能な弁11である。この制御可能な弁11は、少なくとも接続管路10を介して提供された、両チャンバ9,9’の間の接続路を開閉するために切換可能である。しかし、場合により、弁11は、「閉」と「開」との間の範囲内で無段式に変化させることができる通路を備えた弁11であってもよい。後者の事例では、例として、たとえば加速度センサの信号が評価され、この信号を弁11の制御のために使用することができる。しかし、以下の説明では、接続管路10を両チャンバ9,9’の間で開閉することができる切換可能な弁11を考えることにする。
【0024】
この弁11が接続管路10を両チャンバ9,9’の間で閉鎖している限り、両チャンバ9,9’は互いに遮断されており、これによって、結合エレメントの剛性が最大値をとる。この最大値は、結合エレメントの連結箇所1,1’に設けられたエラストマ製の支承ブシュ4,5,4’,5’の剛性にほぼ相当している。当然ながら、この支承ブシュ4,5,4’,5’の相応の設計によって、結合エレメントのこの剛性も製造プロセスの範囲内で基本剛性として異なる値に調整可能となる。弁が開放される限り、ハイドロリック媒体が両チャンバ9,9’の間で運動することができ、したがって、ピストン・シリンダユニット6,7のピストン7によって、このピストン7への所定の力の作用時にハイドロリック媒体を押し退けることができる。これによって、結合エレメントの総剛性が減少させられる。したがって、結合エレメントが基本状態よりも弾性的な特性を示す。結合エレメントの剛性を変化させるための弁11の操作は、この実施の形態によれば、すなわち、自動車への結合エレメントの使用の事例では、12V搭載電源電圧によって行うことができる。前述した構成部材の安定性を高めるためには、ピストン7が両側でピストンロッド8,8’によってシリンダ6内にガイドされている。さらに、ピストン7の両側に形成されたピストンロッド8,8’は、チャンバ9,9’の外部に配置された滑り軸受け13,13’内で走行する。さらに、最大の剛性の状態に比べて減少させられた剛性の場合、図示の実施の形態における結合エレメントの総剛性には、チャンバ9,9’内に配置されたそれぞれ1つの皿ばね12,12’によって影響が与えられる。この皿ばね12,12’は、それぞれピストン7に支持されており、これによって、このピストン7が、チャンバ9,9’を仕切る面に対して弾性的に支承されている。これによって、結合エレメントに作用する高い振動振幅の事例において、チャンバ壁に対するピストン7の激しい当接が回避される。
【0025】
図示の形態では、シリンダ6内でチャンバ9,9’の両側にそれぞれ1つのリング15,15’が挿入されている。このリング15,15’によって、ピストン7を組付け時にシリンダ6内に嵌め込み、ピストン7を、特にチャンバ9,9’の領域にシリンダ壁を貫いて案内された、チャンバ9,9’を接続するための接続管路10に対して相対的に位置決めし、チャンバ9,9’を寸法設定することが可能となる。さらに、リング15,15’は、シール部材16,16’を配置するために働く。このシール部材16,16’によって、チャンバ9,9’がハイドロリック媒体の流出に対してシールされる。さらに、リング15によって、ピストン7とピストンロッド8とが、これらに作用する力に対して付加的に支持される。
【符号の説明】
【0026】
1,1’ 連結箇所
2 領域
3,3’ 収容アイレット
4,4’ 内側部材
5,5’ 支承体
6 シリンダ
7 ピストン
8,8’ ピストンロッド
9,9’ チャンバ
10 接続管路
11 弁
12,12’ 皿ばね
13,13’ 滑り軸受け
14,14’ 孔もしくは貫通開口
15,15’ リング
16,16’ シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を置いて配置された構成要素を結合するための、可変の剛性を備えた弾性的な結合エレメントであって、該結合エレメントが、ロッド状のまたは管状の構成部材として形成されていて、該構成部材に結合したい前記構成要素に固定するための連結箇所(1,1’)を備えている形式のものにおいて、
結合エレメントの軸方向の長手方向(a)に関する剛性が、最大の剛性の状態では結合エレメントの連結箇所(1,1’)によって規定されるようになっており、該連結箇所(1,1’)が、それぞれ収容アイレット(3,3’)と、該収容アイレット(3,3’)内に圧入されたエラストマ製の支承ブシュ(4,5,4’,5’)とによって形成されており、該支承ブシュ(4,5,4’,5’)が、少なくとも結合したい前記構成要素の1つに固定したい金属製の内側部材(4,4’)と、該内側部材(4,4’)を取り囲みかつ該内側部材(4,4’)に加硫によって結合されたエラストマ製の支承体(5,5’)とから成っており、連結箇所(1,1’)の間の領域(2)によってピストン・シリンダユニット(6,7)が形成されており、該ピストン・シリンダユニット(6,7)において、シリンダ(6)の内部に、ピストン(7)によって互いに分離された、ハイドロリック媒体を収容するための少なくとも2つのチャンバ(9,9’)が配置されており、該チャンバ(9,9’)が、内部に配置された制御可能な弁(11)を備えた通路または接続管路(10)によって接続されており、これによって、結合エレメントが、弁(11)の閉鎖時に最大の剛性の状態をとっており、結合エレメントの剛性が、弁(11)の少なくとも部分的な開放によって減少可能であることを特徴とする、可変の剛性を備えた弾性的な結合エレメント。
【請求項2】
結合エレメントが、2つの連結箇所(1,1’)を有しており、両連結箇所(1,1’)のうち、それぞれ1つが、結合エレメントの軸方向の端部に配置されている、請求項1記載の弾性的な結合エレメント。
【請求項3】
ピストン・シリンダユニット(6,7)のシリンダ(6)内にハイドロリック媒体またはニューマチック媒体に対して形成されたチャンバ(9,9’)が、シリンダ壁を貫いて案内された接続管路(10)と、該接続管路(10)内に嵌め込まれた、シリンダ(6)の外部に配置された弁(11)とを介して接続されている、請求項1または2記載の弾性的な結合エレメント。
【請求項4】
接続管路(10)を通るハイドロリック媒体またはニューマチック媒体の通流量が、弁(11)によって無段式に調整可能であり、このために、該弁(11)が、結合エレメントに作用する振動の周波数および/または振幅を検出するためのセンサの出力信号から制御装置によって導き出された制御信号によって制御されるようになっている、請求項3記載の弾性的な結合エレメント。
【請求項5】
弁(11)が電磁弁(11)である、請求項3または4記載の弾性的な結合エレメント。
【請求項6】
ピストン(7)に両側で、シリンダ(6)内にガイドされたピストンロッド(8)が形成されており、一方の連結ロッド(8)に、シリンダ(6)と反対の側で一方の連結箇所(1)が配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の弾性的な結合エレメント。
【請求項7】
チャンバ(9,9’)内にそれぞれ1つの皿ばね(12,12’)が配置されており、該皿ばね(12,12’)が、ピストン(7)の各側に配置された連結ロッド(8)に被せ嵌められていて、ピストン(7)に支持されており、これによって、該ピストン(7)が、相応のチャンバ(9,9’)を仕切るチャンバ壁にばね弾性的に支承されている、請求項6記載の弾性的な結合エレメント。
【請求項8】
ピストンロッド(8,8’)が、それぞれシリンダ(6)内に配置された滑り軸受け(13,13’)内にガイドされている、請求項6または7記載の弾性的な結合エレメント。
【請求項9】
結合エレメントが、車両アクスルのリンクとスタビライザとを結合するためのスタビライザリンクとして形成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の弾性的な結合エレメント。
【請求項10】
皿ばね(12,12’)のばね撓み量が、1mm〜2mmに設定されている、請求項7または9記載の弾性的な結合エレメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−516802(P2011−516802A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503336(P2011−503336)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【国際出願番号】PCT/DE2009/050016
【国際公開番号】WO2009/124543
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(506054589)ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト (151)
【氏名又は名称原語表記】ZF Friedrichshafen AG
【住所又は居所原語表記】D−88038 Friedrichshafen,Germany
【Fターム(参考)】