説明

可変焦点距離レンズ

マイクロミラーアレイレンズは、2つの自由回転と1つの自由平行移動とを行う、複数のマイクロミラー13と、駆動部分とから構成されている。上記マイクロミラーのアレイは、対象の1つのポイントから散光している全ての光が、同じ周期的な位相を有するように、また、画面の1つのポイントに収束するようにすることができる。上記駆動部分は、静電気的におよび/または電磁気的に、上記マイクロミラーの位置を制御する。上記マイクロミラーアレイレンズの光学効率は、上記マイクロミラーを支持する機械的構造と上記駆動部分とを上記マイクロミラーの下に配置することにより、改善される。半導体マイクロエレクトロニクス技術は、電極パッドおよびワイヤによる有効反射領域の損失を取り除くことができる。上記レンズは、各マイクロミラーを独立に制御することにより、収差を補正することができる。各マイクロミラーの独立した制御は、公知の半導体マイクロエレクトロニクス技術によって達成することができる。上記マイクロミラーアレイは、所望の任意の形状および/またはサイズのレンズを形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、2つの自由回転と1つの自由平行移動とを行うマイクロミラーを備えた可変焦点距離レンズに関する。
【0002】
最も広く使用されている従来の可変焦点距離システムは、2つの屈折レンズを用いるものである。上記可変焦点距離システムは、上記屈折レンズの相対位置を制御するために複雑な駆動メカニズムを有しており、応答時間が遅い。これに対し、可変焦点距離レンズが作られている。可変焦点距離レンズは、人の目で調べながらレンズの形状を変化させることによって作られる。この方法は、等方性の液体によるレンズ製作に用いられている。他のレンズは、従来のレンズまたは電圧の変化(voitage gradient)によるグラジエントインデックスレンズを作り出すために、電気的に屈折率が変化する媒体によって作られている。電気的に屈折率が変化するものは、レンズの焦点距離が電圧によって制御可能である。これらのうち、最も発展している可変焦点距離レンズは、液晶可変焦点距離レンズであるが、当該液晶可変焦点距離レンズは、焦点距離制御に複雑なメカニズムを要する。焦点距離は、屈折率の調節によって変更される。また、上記液晶可変焦点距離レンズは、応答時間が遅く、およそ100/1000秒である。最も応答の速い液晶可変焦点距離レンズでさえ、10/1000秒である。さらに、焦点距離の可変度が小さく、焦点調節効率が低い。
【0003】
このような従来の焦点距離レンズの問題点を解決するため、応答の速いマイクロミラーアレイレンズが提案されている。上記応答の速いマイクロミラーアレイレンズの詳細は、”Fast-response Variable Focusing Micromirror Array Lens” Proceeding of SPIE Vol.5055 278-286, J.Boyd and G.Cho,2003に開示されている。この文献は、本明細書での説明を完全とするように参照される。上記マイクロミラーアレイレンズは、主に、マイクロミラーアレイと駆動部分とで構成され、焦点調節システムの制御メカニズムには、液晶可変焦点距離レンズと比較して非常にシンプルなメカニズムが用いられている。上記マイクロミラーアレイレンズの焦点距離は、各マイクロミラーアレイの置換(displacement)によって変化する。しかしながら、上記文献では、設計および制御に関する基本構想について示されているだけである。本発明は、上記マイクロミラーアレイレンズの設計および制御を改善する。また、本発明は、上記レンズの有利な点およびアプリケーションを拡張する。
【0004】
本発明は、従来の可変焦点距離レンズの問題点を解決するためになされたものである。
【0005】
本発明は、上記マイクロミラーアレイレンズの設計および制御を改善することを目的とする。それは、上記レンズの有利な点およびアプリケーションを拡張する。
【0006】
可変焦点距離レンズとして機能する本発明は、光を反射するための複数のマイクロミラーと、当該マイクロミラーの位置を制御するための駆動部分とを備えている。各マイクロミラーは、鏡と同一の機能を有している。従って、上記マイクロミラーの反射する表面は、金属、金属化合物、多層誘電体、または高い反射率を有する他の物質によって形成されている。公知のマイクロ加工処理によって、上記表面に高い反射率をもたせることができる。対象(物体)の1つのポイントから散光された全ての光が、同じ周期的な位相を有するようにすることにより、また、画面の1つのポイントに収束するようにすることにより、上記マイクロミラーアレイが反射する可変焦点距離レンズとして機能する。このために、上記マイクロミラーは、静電気的におよび/または電磁気的に、上記駆動部分によって、所望の位置に制御される。上記レンズの焦点距離は、各マイクロミラーの回転および平行移動の制御によって変更される。
【0007】
上記マイクロミラーアレイレンズは、上記マイクロミラーの極性アレイ(a polar array)によって形成することができる。上記極性アレイにおいて、各マイクロミラーは、有効反射領域を増加させる、すなわち光学効率を増加させるために、扇形形状である。上記マイクロミラーアレイレンズの光学効率は、上記マイクロミラーを支持する機械的構造と上記駆動部分とを上記マイクロミラーの下に配置して、有効反射領域を増加させることにより、改善させることができる。上記マイクロミラーを操作するための電気回路は、MOSおよびCMOSなどの公知の半導体マイクロエレクトロニクス技術によって置換することができる。上記マイクロミラーアレイの下に超小型電子回路を適用し、電極パッドおよびワイヤに要する領域を除去することにより、効率的に反射領域を増加させることができる。
【0008】
上記マイクロミラーは、軸対称レンズを形成するように、1つまたは複数の同心円を形成するように配置されており、同じ同心円のマイクロミラーは、同心円状の同じ電極によって制御される、あるいはMOSまたはCMOSなどの公知の半導体マイクロエレクトロニクス技術によって独立に制御される。
【0009】
従来の反射レンズが理想的には湾曲しているため、各マイクロミラーは、湾曲していることが好ましい。もし、平らな(flat)マイクロミラーのサイズが十分に小さければ、平らなマイクロミラーを備えるレンズの収差は、十分に小さくなる。この場合、上記マイクロミラーが湾曲している必要はない。
【0010】
上記レンズは、対象とその像との間の媒体による光学効果に起因する、または、近軸の像のルールから外れた像を生じるなどのレンズシステムの欠点に起因する収差を、各マイクロミラーを独立に制御することによって補正できる。上記各マイクロミラーの個別制御は、公知のCMOSまたはCMOS技術による制御が必要な電気回路によって置換することができ、上記回路は、公知のマイクロ加工方法によって、上記マイクロミラーの下に製造される。
【0011】
2つの自由回転と1つの自由平行移動とを行うマイクロミラーを備える上記アレイは、任意の形状および/またはサイズのレンズを作ることを可能にする。上記2つの自由回転と1つの自由平行移動とは、独立に制御される。入射光は、レンズの形状および/またはサイズを任意に形成することにより、任意に調整される。このためには、入射光が、2つの自由回転と1つの自由平行移動とにより、任意の方向に屈折する必要がある。また、各マイクロミラーの独立した平行移動は、位相条件を満足するために必要である。
【0012】
本発明の有利な点は、(1)上記マイクロミラーアレイレンズが高速の応答時間を有していること、(2)上記レンズが焦点距離を大きく可変できること、(3)上記レンズが高い光学焦点調節効率を有していること、(4)上記レンズが光学性能を損なうことなく大きいサイズの口径を有していること、(5)上記レンズが低コストであること、(6)上記レンズが収差を補正できること、(7)上記レンズが非常に簡素に焦点調節システムを達成すること、(8)上記レンズが任意の形状および/またはサイズを有することができること、である。上記(1)は、各マイクロミラーが極めて小さい質量を有しているためである。上記(2)は、上記マイクロミラーの最大回転角度が大きくなることにより、大きく口径(aperture)を可変できるためである。上記(4)は、上記マイクロミラーアレイレンズが、それぞれ分離したマイクロミラーによって構成され、レンズサイズが増大しても、レンズの形状誤差によって生じる収差の増大が生じないためである。上記(5)は、大量生産に有利であるためである。
【0013】
ここでは、本発明について簡単に要約したが、後述の記載、図面、および請求項を参照することによって、本発明を完全に理解することができるだろう。
【0014】
本発明の特徴および有利な点は、以下の図面を参照することで、より理解できるだろう。
【0015】
図1は、マイクロミラーアレイレンズの側面の断面を示す概略図である。
【0016】
図2は、複数のマイクロミラーと駆動部分とを有する上記マイクロミラーアレイレンズの構造の一例を示す平面概略図である。
【0017】
図3は、マイクロミラーアレイレンズがどのようにレンズとして機能するかを示す概念図である。
【0018】
図4は、上記マイクロミラーの2つの回転軸と1つの平行移動軸とを示す概略図である。
【0019】
図5aは、六角形のマイクロミラーを有する上記レンズを示す概略図である。
【0020】
図5bは、六角形のマイクロミラーを有する上記レンズを示す概略図である。
【0021】
図6は、長方形のマイクロミラーを有する円筒型の上記レンズを示す概略図である。
【0022】
図7は、三角形のマイクロミラーを有する円形の上記レンズを示す概略図である。
【0023】
図1は、マイクロミラーアレイレンズ11の原則を示している。完璧なレンズを作るためには、2つの条件がある。まず第1に、対象の1つのポイントによって散光している全ての光が、画面の1つのポイントに収束する収束条件である。次に第2に、全ての収束光が上記画面において同位相である同位相条件である。完璧なレンズのための条件を満たすために、従来の反射レンズ12の表面形状は、対象の1つのポイントによって散光している全ての光が上記画面の1つのポイントに収束されるように、また、全ての収束光の光路長が同一となるように形成されている。
【0024】
平面状に配置されているマイクロミラーアレイは、レンズとしての2つの条件を満たしている。各マイクロミラー13は、散乱光を収束するように回転する。なぜなら、マイクロミラーアレイレンズ11の全てのマイクロミラー13が、図1に示すように、平面状に配置されているからである。マイクロミラーの回転によって収束された光の光路長は、異なる。しかしながら、光の位相が周期的であるから、位相を調整することにより、上記同位相条件を満たすことができる。
【0025】
図2は、マイクロミラーアレイレンズ21の平面図を示している。マイクロミラー22は、鏡と同一の機能を有している。従って、マイクロミラー22の反射する表面は、金属、金属化合物、多層誘電体、または高い反射率を有する他の物質によって形成されている。公知のマイクロ加工処理によって、上記表面に高い反射率をもたせることができる。各マイクロミラー22は、静電気的に、および/または電磁気的に、公知の駆動部分23によって制御される。軸対称レンズの場合、マイクロミラーアレイレンズ21は、マイクロミラー22の極性アレイ(a polar array)を有する。各マイクロミラー22の形状は、効率的に反射領域を増加させる、すなわち光学効率を増加させるために、扇形である。マイクロミラーは、軸対称レンズを形成するように、少なくとも1つの同心円を形成するように配置されており、同じ同心円のマイクロミラーは、同じ電極によって制御される、あるいはMOSまたはCMOSなどの公知の半導体マイクロエレクトロニクス技術によって独立に制御される。
【0026】
それぞれ反射するマイクロミラー22を支持する機械的構造と駆動部分23とは、効率的に反射領域を増加させるために、マイクロミラー22の下に配置される。また、マイクロミラーを操作するための電気回路は、MOSおよびCMOSなどの公知の半導体マイクロエレクトロニクス技術によって置換することができる。マイクロミラーアレイの下に超小型電子回路を適用し、動作電圧を供給するための電極パッドおよびワイヤに要する領域を除去することにより、効率的に反射領域を増加させることができる。
【0027】
図3は、マイクロミラーアレイレンズ31がどのようにして像を結ぶかを示している。任意の散乱光32,33は、マイクロミラー34の位置を制御することにより、画面の1つのポイントPに収束する。任意光32,33の各位相は、マイクロミラー34を平行に移動させることによりそれぞれ同一となるように調整される。必要な平行移動による変位は、少なくとも光の波長の1/2である。
【0028】
従来の反射レンズ12が理想的には湾曲しているため、各マイクロミラー34は、湾曲していることが好ましい。もし、平らなマイクロミラーのサイズが十分に小さければ、平らなマイクロミラー34を備えるレンズの収差は、十分に小さくなる。この場合、マイクロミラーが湾曲している必要はない。
【0029】
マイクロミラーアレイレンズ31の焦点距離fは、各マイクロミラー34の回転および平行移動によって変更される。
【0030】
図4は、マイクロミラー41の2つの自由回転および1つの自由平行移動を示している。マイクロミラーアレイは、独立に制御される、2つの自由回転42,43と1つの自由平行移動44とを行うマイクロミラー41を備えている。これは、任意の形状および/またはサイズのレンズの製造を可能にする。入射光は、任意の形状および/またはサイズのレンズを形成することにより、任意に調整することができる。このためには、入射光を、自由回転42,43により、任意の方向に屈折させる必要がある。各マイクロミラーの独立した平行移動44は、位相条件を満足するために必要である。
【0031】
図5a、図5b、図6、および図7では、マイクロミラーの回転量を矢印52の長さによってそれぞれ示すとともに、マイクロミラーの回転方向を示す傾き方向を矢印52の方向によってそれぞれ示している。図5aは、六角形のマイクロミラー51を備える可変焦点距離円筒型レンズを示している。図5bは、六角形のマイクロミラー51を備える可変焦点距離円形レンズ53を示している。可変焦点距離円形レンズ53の形状、位置、およびサイズは、2つのDOF回転および1つのDOF平行移動を行うマイクロミラー51の独立した調整によって変更できる。図5bおよび図7におけるレンズの構成要素ではないマイクロミラー55は、マイクロミラー55によって反射された光が結像または集光に影響を生じないように制御されている。
【0032】
図5aおよび図5bでは、六角形のマイクロミラー51を示しているが、扇形、長方形、正方形、および三角形のマイクロミラーアレイを使用してもよい。扇形のマイクロミラーを備えたアレイは、軸対称レンズに適している。図6は、長方形のマイクロミラー62を備える可変焦点距離円筒型レンズ61を示している。正方形のマイクロミラーまたは長方形のマイクロミラー62を備えたアレイは、円筒型レンズ61のような1つの面内の軸に対して対称な対称レンズに適している。同じ回転を行うマイクロミラーは、同じ電極によって制御される、あるいはMOSまたはCMOSなどの公知の半導体マイクロエレクトロニクス技術によって独立に制御される。
【0033】
図7は、三角形のマイクロミラー72を備える可変焦点距離円形レンズ71を示している。三角形のマイクロミラー72を備えるアレイは、六角形のマイクロミラーを備えたアレイのように、任意の形状および/またはサイズのレンズを有するレンズに適している。
【0034】
マイクロミラーアレイレンズは、マイクロミラーの回転42,43および平行移動44を独立に制御することにより光の位相を変更できるため、適応性の高い光学部品である。適応性の高いマイクロミラーアレイレンズであるためには、独立にアドレス可能なマイクロミラーの2次元アレイが必要である。これを達成するためには、チップにおいて、マイクロミラーを結合させることが必須である。このために、公知の超小型電子回路によるマイクロミラーのウェハレベルでの集積が必須である。
【0035】
適応性の高い光学部品は、対象とその像との間の媒体による光の位相誤差、および/または近軸の像のルールから外れた像を生じるなどのレンズシステムの欠点を補正することができるため、マイクロミラーアレイレンズは位相誤差を補正することができる。例えば、マイクロミラーアレイレンズは、マイクロミラーの回転42,43および平行移動44を調整することによる光学的な傾きに起因する位相誤差を補正することができる。
【0036】
マイクロミラーアレイレンズによって満足される同位相条件には、単色光の想定も含まれる。従って、カラーの像を得るために、マイクロミラーアレイレンズは、赤色光、緑色光、および青色光(RGB)の各波長に対して同位相条件をそれぞれ満たすように制御される。また、結像システムでは、赤色光、緑色光、および青色光(RGB)の各波長と共に単色光を作るために、バンドパスフィルタを用いることができる。
【0037】
マイクロミラーアレイレンズに用いられる結像システムにおける結像センサとして、カラー光電子センサが用いられる場合、カラーの像は、バンドパスフィルタを有する、またはバンドパスフィルタを有さない赤色光、緑色光、および青色光(RGB)結像センサからの電気信号を処理することによって得られる。この処理は、マイクロミラーアレイレンズの制御と同期化されるべきである。対象からの赤色光を結像するために、マイクロミラーアレイレンズは、赤色光の位相条件を満足するように制御される。操作中、赤色光、緑色光、および青色光結像センサは、それぞれ、対象からの赤色光、緑色光、および青色光の強度を測定する。これらのうち、赤色光を正確に結像するために、赤色光の強度のみを像データとして記憶する。緑色光または青色光を結像するために、マイクロミラーアレイレンズおよび各結像センサは、上述した赤色光の場合の処理と同様な処理を行う。従って、マイクロミラーアレイレンズは、赤色光、緑色光、および青色光結像センサと同期化される。一方、カラーの像を得るための同位相条件は、位相条件に有効な波長である、赤色光、緑色光、および青色光の波長の少なくとも共通の波長複合を用いることによって満足される。この場合、マイクロミラーアレイレンズを、赤色光、緑色光、および青色光の位相条件を独立に満足するように制御する必要はなく、上記少なくとも共通の波長複合の位相条件が満足されていればよい。
【0038】
簡素な制御を実現するために、各マイクロミラーの平行移動は、赤色光、緑色光、および青色光のうち、1つの光の位相条件を満足するようにだけ制御される、あるいは全く行われない。マイクロミラーアレイレンズは、波長複合での光の位相誤差による位相条件を満足できないが、低い質で可変焦点距離レンズとして用いることができる。
【0039】
本発明について、異なる実施形態を参照して説明したが、請求項によって定義された本発明の精神および目的から逸脱しない範囲での形式、細部、構成、および操作の変更が可能であることは、当業者によって十分に理解されているであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】マイクロミラーアレイレンズの側面の断面を示す概略図である。
【図2】複数のマイクロミラーと駆動部分とを有する上記マイクロミラーアレイレンズの構造の一例を示す平面概略図である。
【図3】マイクロミラーアレイレンズがどのようにレンズとして機能するかを示す概念図である。
【図4】上記マイクロミラーの2つの回転軸と1つの平行移動軸を示す概略図である。
【図5a】六角形のマイクロミラーを有する上記レンズを示す概略図である。
【図5b】六角形のマイクロミラーを有する上記レンズを示す概略図である。
【図6】長方形のマイクロミラーを有する円筒型の上記レンズを示す概略図である。
【図7】三角形のマイクロミラーを有する円形の上記レンズを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの自由回転と1つの自由平行移動とを行う、複数のマイクロミラーを備え、
上記マイクロミラーの2つの自由回転度と1つの自由平行移動度とは、回折レンズまたはフレネルレンズであるレンズの焦点距離を変更するように制御されることを特徴とする可変焦点距離レンズ。
【請求項2】
全ての上記マイクロミラーは、平面状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項3】
上記マイクロミラーは、レンズを形成するために、1つまたは複数の同心円を形成するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項4】
上記同心円のマイクロミラーは、各同心円に対応した1つまたは複数の電極によって制御されることを特徴とする請求項3に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項5】
上記マイクロミラーアレイのうち同じ変位のものは、同じ電極によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項6】
上記マイクロミラーの形状が扇形であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項7】
上記マイクロミラーの形状が六角形であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項8】
上記マイクロミラーの形状が長方形であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項9】
上記マイクロミラーの形状が正方形であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項10】
上記マイクロミラーの形状が三角形であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項11】
上記マイクロミラーの反射する表面は、実質的に平らであることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項12】
制御回路は、半導体マイクロエレクトロニクス技術を用いて上記マイクロミラーの下に構成されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項13】
上記マイクロミラーは、静電力によって駆動されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項14】
上記マイクロミラーは、電磁力によって駆動されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項15】
上記マイクロミラーは、静電力および電磁力によって駆動されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項16】
上記マイクロミラーを支持する機械的構造と駆動部分とは、上記マイクロミラーの下に配置されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項17】
上記マイクロミラーは、独立に制御されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項18】
上記マイクロミラーの反射する表面は、湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項19】
上記マイクロミラーの湾曲は、調整されることを特徴とする請求項18に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項20】
上記マイクロミラーの湾曲は、電熱力によって調整されることを特徴とする請求項19に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項21】
上記マイクロミラーの湾曲は、静電力によって調整されることを特徴とする請求項19に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項22】
上記マイクロミラーの表面材料は、高い反射率を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項23】
上記マイクロミラーの表面材料は、金属であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項24】
上記マイクロミラーの表面材料は、金属化合物であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項25】
上記マイクロミラーの表面材料は、多層誘電体であることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項26】
上記可変焦点距離レンズは、適応性の高い光学部品であり、対象とその像との間の媒体による光の位相誤差を補償できることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項27】
上記可変焦点距離レンズは、適応性の高い光学部品であり、収差を補正できることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項28】
上記可変焦点距離レンズは、適応性の高い光学部品であり、近軸の像のルールから外れた像を生じるといった結像システムの欠点を補正できることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項29】
上記可変焦点距離レンズは、適応性の高い光学部品であり、光軸上に位置しない対象を巨視的な機械的動作なしで結像できることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項30】
上記可変焦点距離レンズは、カラーの像を得るために、赤色光、緑色光、および青色光の各波長において同位相条件をそれぞれ満たすように制御されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項31】
上記可変焦点距離レンズは、カラーの像を得るために、赤色光、緑色光、および青色光の各波長のうち、1つの波長において同位相条件を満たすように制御されることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項32】
カラー像を結像するための同位相条件は、位相条件に有効な波長である、赤色光、緑色光、および青色光の波長の少なくとも共通の波長複合を用いることにより満たされることを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
【請求項33】
上記可変焦点距離レンズは、カラーの像を得るために、赤色光、緑色光、および青色光の各波長のうち、どの波長においても同位相条件を満たすような制御は行われないことを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−500585(P2008−500585A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515332(P2007−515332)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/018527
【国際公開番号】WO2005/119331
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506277258)ステレオ ディスプレイ,インコーポレイテッド (13)
【出願人】(506278004)アングストローム,インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】