説明

商品タグ発行機

【課題】 非接触ICタグラベルとバーコード印字部を有する商品タグを効率的に製造できる商品タグ発行機を提供する。
【解決手段】 本商品タグ発行機10は、ラベル用紙供給部111と、バーコード等を印字するラベル印字部112と、ラベルカット部113とを有するブランドタグ発行部11と、により発行されたブランドタグに対して、非接触ICタグラベルを供給するICタグラベル供給部121と、供給される非接触ICタグラベルを読み取りし、およびまたはエンコードする読み取りエンコード部122と、当該非接触ICタグラベルの貼り付けを行う貼り付け部123とを有するICタグラベル発行貼り付け部12と、により必要なデータをエンコードした非接触ICタグラベルの貼り付けを行う商品タグ発行機、に関する。商品タグ発行機10は、ラベル折り畳み接着部14を有していてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品タグ発行機に関する。詳しくは、バーコード、商品価格、商品提供者等の必要な表示を印字したブランドタグに対して、非接触ICタグを貼り付けして、ICタグ付き商品タグを発行する商品タグ発行機に関する。
本発明の技術分野は商品タグ発行機の製造や利用に関し、主要な利用分野は、商品や製品の流通、販売、配送や荷物の取り扱いの分野であり、商品タグの具体的な用途としては値札、下げ札、タグ、ラベル、伝票、チケット類、となる。
【背景技術】
【0002】
非接触型ICタグは、情報を記録して保持し非接触で外部装置と交信し情報交換できるので、運送や物流等における認識媒体として、あるいは商品の品質管理、販売管理、在庫管理等の識別媒体のように、各種目的に多用されるようになってきている。
しかし、商品等に付するタグ、ラベル等には従来からバーコードやその他の光学読み取り可能なコードが使用されてきたので、認識または識別媒体を非接触ICタグだけにして切り替える場合は視覚でも確認できる固定情報がなくなってしまうことから、業務に不都合を生じる場合がある。したがって、現状では非接触ICタグに加えてバーコード等も表示することが、従来の光学的な読み取り装置も併用でき、また、電子的記録もできることから便利であり、当面は両者を包含するタグ、ラベル形態が採用される方向である。
なお、ここで、非接触ICタグとは、ICチップとアンテナを組み込みしたタグで、記憶と非接触通信機能を有する無線タグのことをいう。近年では、記憶以外の演算機能を行うものも出現しており、データキャリアとも呼ばれている。
【0003】
しかし従来、商品タグまたは非接触ICタグラベルとして採用されているものは、紙基材の間に非接触ICタグを挟んで貼着した白紙状態のラベルを製造してから、バーコードや必要な印字を行い、商品タグとして発行するのが通常である。
図7は、そのような商品タグの従来例を示す図である。図7(A)は、長方形の吊り下げラベル1jであって、バーコード4や定価5a、商品提供者名5b等の必要な印字を行って商品タグとして発行されている。バーコード4の上側の空白部(破線で囲む方形域)には非接触ICタグ3が両面の紙間に保持されているが、外観からは通常見えないようにされている。そこで盗聴等に対する個人情報保護の観点から、「このタグにはICチップが内蔵されています」という表示5cをすることも義務付けられている。
【0004】
図7(B)は円形のつり下げラベル1kであるが、同様にバーコード4の印字部の上側の空白部(破線で囲む方形域)には、非接触ICタグ3が両面の紙間に保持されている。非接触ICタグ3を千切って取れるようにする場合は、バーコード印字部と非接触ICタグ3の域(破線で囲む方形域)の間に、切り取り線7を入れる場合もある。
【0005】
しかし、上記のように、白紙状態の非接触ICタグ入りラベルを製造してから、バーコード等の印字を行う工程とすると、表示を誤ってバーコードを大量に印字してしまった場合、あるいは表示は正しいが予期に反して商品の売れ行きが伸びず、ラベルが余ってしまう場合、等が生じることがある。これらの場合は、非接触ICタグ入りの比較的高価なラベルの全体が無駄になり損害が大きくなる問題があった。
また、非接触ICタグ入りラベルに印字する場合は、紙間にある非接触ICタグの回路により紙面にある程度の凹凸が生じるので、印字領域が制限されたり、敢えて回路部に印字すると印字が不鮮明になる問題もあった。
【0006】
そこで、非接触ICタグを含まない紙片のみからなるラベルに正しくバーコードを鮮明に印字し、その後、必要に応じて非接触ICタグを貼り付けすれば、不要なICタグを貼らないで済むので上記のように損害を大きくする問題を避けることができる。
この白紙状態の紙片にバーコードや必要な印字が行われ、非接触ICタグが貼り付けされる前の状態のラベルを、一般に「ブランドタグ」と呼んでいる。本願では完成品である商品タグになるまでを「ブランドタグ」と呼ぶこととする。
【0007】
しかし、従来からこのように非接触ICタグが貼り付けられるまでの工程を行う商品タグ発行機は存在しないので、バーコード等の印字後のブランドタグにエンコードした非接触ICタグを手貼りして貼着する工程を余儀なくされていた。
そこで、本発明は紙片のみからなるラベルにバーコード等を印字し、次いで非接触ICタグラベルを貼り付けする工程を連続的に行う発行機の実現を目的とするものである。
このようなラベル発行装置の先行文献として、特許文献1があるが本願の構成とは相違する点がある。
【0008】
【特許文献1】特開2004−83187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来、バーコード等の印字済みブランドタグに対して、非接触ICタグラベルを自動的に貼り付けする装置は提供されていない。そこで、本発明はラベル用紙にバーコード等を印字してブランドタグとし、次いで、当該ブランドタグに対して非接触ICタグラベルを貼り付けする工程を連続的に行う装置の実現を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の要旨の第1は、ラベル用紙供給部と、バーコード等を印字するラベル印字部と、ラベルカット部とを有するブランドタグ発行部と、により発行されたブランドタグに対して、非接触ICタグラベルを供給するICタグラベル供給部と、供給される非接触ICタグラベルを読み取りし、およびまたはエンコードする読み取りエンコード部と、当該非接触ICタグラベルの貼り付けを行う貼り付け部とを有するICタグラベル発行貼り付け部と、により必要なデータをエンコードした非接触ICタグラベルの貼り付けを行う商品タグ発行機、にある。
【0011】
上記課題を解決する本発明の要旨の第2は、ラベル用紙供給部と、バーコード等を印字するラベル印字部と、ラベルカット部とを有するブランドタグ発行部と、により発行されたブランドタグに対して、非接触ICタグラベルを供給するICタグラベル供給部と、供給される非接触ICタグラベルを読み取りし、およびまたはエンコードする読み取りエンコード部と、当該非接触ICタグラベルの貼り付けを行う貼り付け部とを有するICタグラベル発行貼り付け部と、非接触ICタグラベルの貼り付けを行ったブランドタグを、非接触ICタグラベルを内側にして折り畳みし、折り畳み紙面間を貼着するラベル折り畳み接着部と、からなる商品タグ発行機、にある。
【0012】
上記において、ブランドタグ発行部のラベル印字部とICタグラベル発行貼り付け部のエンコード部が、同一の制御装置により制御され、共通するデータが供給される、ようにすればバーコードとICタグのエンコードデータの不整合を生じることがない。
また、ブランドタグ発行部とICタグラベル発行貼り付け部との間に、ブランドタグ反転部を有し、ブランドタグのバーコード印字面とは反対側のラベル用紙面に非接触ICタグを貼り付けする、ようにすればバーコード側の外観からは非接触ICタグを見え難くできる。
【0013】
また、ブランドタグ発行部とICタグラベル発行貼り付け部との間に、バーコードリーダを有し、ブランドタグに印字されているバーコードデータと読み取りエンコード部がエンコードするデータの整合性を確認する、ようにすればバーコードとICタグのエンコードデータの不整合を生じることがない。またさらに、読み取りエンコード部が非接触ICタグラベルのユニークIDを読み取りする、ようにすれば、ユニークIDに基づいて上位機種がエンコードデータ等を管理することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の商品タグ発行機(請求項1)は、バーコード印字がされたブランドタグの製作、非接触ICタグへのエンコードと非接触ICタグラベルの貼着、までの工程を人手を介さずに行うので、非接触ICタグ付き商品タグを効率的に発行することができる。
本発明の商品タグ発行機(請求項2)は、バーコード印字がされたブランドタグの製作、非接触ICタグへのエンコードと非接触ICタグラベルの貼着、ブランドタグの折り畳み接着、までの工程を人手を介さずに行うので、非接触ICタグ付き商品タグを効率的に発行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、商品タグ発行機に関するが、以下、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の商品タグ発行機の第1の例を示すブロック図、図2は、同第2の例を示すブロック図、図3は、同第1の例の大略外観図、図4は、ラベル折り畳み接着部の構成例を示す断面図、図5は、商品タグに使用する非接触ICタグラベルの例を示す図、図6は、本発明の商品タグ発行機で製造される商品タグの形態を示す図、図7は、商品タグの従来例を示す図、である。
【0016】
図1は、本発明の商品タグ発行機の第1の例を示すブロック図である。
図1のように商品タグ発行機10は、ブランドタグ発行部11とICタグラベル発行貼り付け部12を主要な構成とする。通常、これらを統括制御する制御部13を有する。
ブランドタグ発行部11は、ラベル用紙供給部111と、バーコード等を印字するラベル印字部112と、ラベルカット部113とを有し、ICタグラベル発行貼り付け部12は、非接触ICタグラベルを供給するICタグラベル供給部121と、供給される非接触ICタグラベルを読み取りしまたはエンコードする読み取りエンコード部122と、非接触ICタグラベルを前記ブランドタグに対して貼り付けを行う貼り付け部123と、を有している。必須の構成ではないが、ブランドタグ発行部11とICタグラベル発行貼り付け部12との間に、ブランドタグ反転部151とバーコードリーダ152のいずれかまたは双方を有していてもよい。これらも制御部13により制御される。
【0017】
制御部13は、データベース131と演算処理装置132を備え、ラベル用紙供給部111、ラベル印字部112とラベルカット部113、ICタグラベル供給部121、読み取りエンコード部122、貼り付け部123、搬送制御部133、ブランドタグ反転部151、バーコードリーダ152を統括制御する。後述するラベル折り畳み接着部を有する場合も同様である。したがって、ラベル印字部112、読み取りエンコード部122において、印字され、エンコードされるデータは制御部13を介しデータベース131から供給される。読み取りエンコード部122で読み取られる非接触ICタグのICチップが有するユニークIDは、印字またはエンコードしたデータとの関係でひも付けされてデータベース131に蓄積される。当該データは発行データとして、後日いつでも参照することができるように、発行ロット毎に保存管理されるものである。
【0018】
図3は、第1の例の大略外観図である。図3において、ブランドタグ発行部11自体は公知の装置であり、連続して供給されるラベル用紙6にバーコードや定価、商品提供会社名等の印字を行い、ラベル用紙6を所定の長さに切断して排出する装置である。当該装置にはバーコードラベルプリンタ等の市販装置もある。
ラベル用紙6は連続紙が供給される状態を図示しているが、連続紙でなく、あらかじめ所定の大きさと長さに切断した枚葉紙(ラベル)を供給するものであってもよい。
【0019】
ラベル印字部112は、インクジェット印刷や熱転写印刷によりバーコードや文字等の印字を行う部分である。熱転写印刷の場合は、熱溶融型転写リボンを使用しサーマルヘッドにより溶融インキをラベル用紙面に転写する。ラベルカット部113は抜き刃等によりラベル用紙6の切断やミシン目線の形成、孔抜き等を行う部分である。
ラベル印字部112と、ラベルカット部113の処理を経過したラベル用紙6には、前記した図7のように所定のバーコード4と商品の定価5aと商品提供会社名(ブランド)5b、等が印字され、ひも通し穴等も形成されたブランドタグ2が完成している。矩形状に切断するだけでなく、円形や多角形、キャラクタ等の形状に打ち抜く場合もある。
【0020】
ブランドタグ反転部151は、進行してくるブランドタグ2を保持した状態で、半回転してブランドタグ2の反対面をICタグ貼り付け部123に向ける装置である。通常、非接触ICタグラベル3はバーコード等の印字部とは、反対側の面に貼着されるので、ブランドタグ反転部151を有することが連続的な処理には好ましい。
ただし、非接触ICタグラベル3を、図3とは異なり、バーコード印字側とは反対側面に貼着する機構としても構わない。また、一般的にはブランドタグ発行部11の処理速度が、ICタグラベル発行貼り付け部12の処理速度よりも早いので、一定枚数のブランドタグ2を発行してから、手作業で反転(ひっくり返し)してICタグラベル発行貼り付け部12に供給するものであってもよい。
バーコードリーダ152は、ブランドタグ2に非接触ICタグラベル3が貼り付けられる直前に、エンコードデータとのマッチング(整合性)を確認するために設ける。したがって、そのような間違いが生じる可能性がない場合は設ける必要はない。
【0021】
ICタグラベル供給部121は、粘着剤加工がされ剥離紙3h面に保持された非接触ICタグラベル3を供給する部分である。読み取りエンコード部122は、非接触ICタグラベル3がブランドタグ2に貼着される直前において、当該非接触ICタグラベル3が保持するICチップのユニークIDを読み取りし、必要なエンコードデータを当該ICチップに書き込みする部分である。ユニークIDは前記のように、エンコードしたデータとの関係でひも付けされてデータベース131に蓄積するために読み取りするものである。ICチップには相互に重複しないユニークIDが書き込み消去不能に記録されていることが知られている。当該ICチップを含む商品タグ1が付された商品が市場において問題を生じた場合、あるいは履歴が必要となる場合は、データベース131に蓄積されたICチップのユニークIDを手がかりにして、商品の履歴や品質内容を把握するものである。
書き込みは、非接触ICタグ3から、10cm以上離れていても可能であるが、他の非接触ICタグ3に対する誤書き込みを防止する意味で、0.5cm〜3cm程度の近距離で行うのが適切である。
【0022】
読み取りエンコードの後、非接触ICタグラベル3は貼り付け部123によりブランドタグ2に貼り付けされる。貼り付けは、通常のラベル貼り機が有する機構により行われる。裏面に粘着剤加工がされた非接触ICタグラベル3の剥離紙3hが、ラベル貼り機の鋭角なエッジ部(図では、エッジの先端部分だけを図示している。)123eから反転して折り返す際に、非接触ICタグラベル3の裏面の粘着剤層が僅かに露出する。その際、同時にブランドタグ2側に粘着剤層が接触して接着する機構にされている。剥離紙3hは不要となるので、巻き取って除去される。
なお、読み取りエンコードは非接触ICタグラベル3をブランドタグ2へ貼着した直後に行ってもよい。以上の処理により、商品タグ1が完成する。
【0023】
図2は、本発明の商品タグ発行機の第2の例を示すブロック図である。
図2のように商品タグ発行機1の第2の例は、ブランドタグ発行部11とICタグラベル発行貼り付け部12とラベル折り畳み接着部14と、を主要な構成とする。第1の例とは、ラベル折り畳み接着部14を有するだけの相違である。ラベル折り畳み接着部14は、ICタグラベル発行貼り付け部12により発行貼り付けされたブランドタグ2を折り畳みして貼着し、非接触ICタグラベル3を両側の紙間に保持する構造とするものである。 第1の例では、非接触ICタグラベル3が商品タグ1の外面に現れるが、体裁上非接触ICタグラベル3が表面に現れない形態が好まれる場合がある。このような場合には、第2の例の商品タグ発行機10を使用するのが適切となる。
【0024】
第2の例の商品タグ発行機は、ラベル折り畳み接着部14を有する特徴がある。ラベル折り畳み接着部14は、ブランドタグ2の非接触ICタグラベル3を貼着した部分を内側にして折り畳み、紙面間を接着させる加工を行う部分である。
図4は、ラベル折り畳み接着部の構成例を示す断面図である。
図4のように、ブランドタグ2は、フィーダにより搬送されて、第1、第2ロール142,143間を通って、折りバックル144内に押し込まれる。折りバックル144に押し込まれたブランドタグ2の先端は、折りバックル内での予め調整された位置に配置されているストッパ145に先端が当接する。この当接によってブランドタグ2はミシン目部分1mで折り曲げられ、この折り目によって撓んだ部分が、第2ロール143とこの第2ロールに接触している第3ロール146との間をとおり、ガイド板148に導かれて、第3ロール146と第4ロール147の間で圧着(感圧接着)されて、ミシン目部分1mで折り畳まれ接着した完成品である商品タグ1となって排出される。
【0025】
ラベル折り畳み接着部14を通過して接着する場合は、感圧接着剤が予め塗工されたラベル用紙6を使用することが好ましく、また、折り曲げを容易にするため、ラベルカット部113でミシン目線1mを形成しておくことも必要になる。
第2の例の発行機が、ブランドタグ発行部11とICタグラベル発行貼り付け部12との間に、ブランドタグ反転部151とバーコードリーダ152のいずれかまたは双方を有していてもよいのも第1の例と同様である。
【0026】
本発明の商品タグ発行機は、その主構成から以下の4形態に分類することができる。
(1)ブランドタグ発行部+ICタグラベル発行貼り付け部、からなる発行機、
(2)ブランドタグ発行部+ブランドタグ反転部+ICタグラベル発行貼り付け部、からなる発行機、
(3)ブランドタグ発行部+ICタグラベル発行貼り付け部+ラベル折り畳み接着部、からなる発行機、
(4)ブランドタグ発行部+ブランドタグ反転部+ICタグラベル発行貼り付け部+ラベル折り畳み接着部、からなる発行機
の4種類である。
【0027】
図6は、本発明の商品タグ発行機で製造される商品タグの形態を示す図である。
非接触ICタグラベルの貼着面が、図3のようにバーコード4の印字面と同一面側にあり、手作業による反転をしないで、全自動的に商品タグ1を製造した場合、図6図示の各商品タグ1が得られる。
上記(1)の商品タグ発行機10からは、図6(A)のように、バーコード4の印字面と同一ラベル用紙6面に非接触ICタグラベル3が貼着された商品タグ1が得られる。
上記(2)の商品タグ発行機10でブランドタグ反転部151を使用した場合は、図6(B)のように、バーコード4の印字面とは反対側のラベル用紙6面に非接触ICタグラベル3が貼着された商品タグ1が得られる。ブランドタグ反転部151を使用しない場合は、図6(A)と同一になる。
【0028】
上記(3)の商品タグ発行機10でラベル折り畳み接着部14を使用した場合は、図6(C)のような商品タグ1が得られる。非接触ICタグ3は折り畳みしたラベル用紙6の内側に保持される。ラベル用紙6はバーコード4を覆わないように折り畳まれるので、ラベル用紙6の折り返し先端6Lがバーコード4側に現れる。
上記(4)の商品タグ発行機10でブランドタグ反転部151を使用した場合は、図6(D)のように、バーコード4の印字面とは反対側面に非接触ICタグラベル3が貼着され、非接触ICタグラベル3を内側にして折り畳みすれば、2つ折りにして非接触ICタグラベル3が内側に保持された、図6(D)のような商品タグ1が得られる。ラベル用紙6の折り返し先端6Lはバーコード4とは反対側に現れる。折り返し先端6Lが出ないように表面側と同じ長さに折り返してもよい。
【0029】
図5は、商品タグに使用する非接触ICタグラベルの例を示す図である。
非接触ICタグラベル3は、通常、ベースフィルム31とICチップ33とアンテナパターン32を保護するプラスチックフィルム又は紙基材からなるものであるが、折り畳み構造でラベル6間に挟まれる場合は表面保護基材を省略することもできる。
図5の場合、ICチップ33はアンテナパターン32の両端部34,35に結合されている。部材36は、アンテナパターン32の外側の端部をベースフィルム31の背面を通して導く導通部材である。
【0030】
前記図6のように、商品タグ1は、バーコード(又はその他の光学読み取り可能なコードである場合もある。)4を有している。バーコード4には、商品アイテムコード等が記録され、当該商品情報と共通の情報または一部の情報が非接触ICタグ3のICチップ33にも記録される。このようなバーコード4にはJANコードやITFコードが通常用いられる。1本のコードのみでは情報記録量が不足するので、JANコードやITFコードを複数使用することが多くなっている。例えば、アパレル関係では商品名や商品番号をコード化して、2本または3本のバーコードとして印字記録することが行われている。
【0031】
バーコードがJANコードの場合、標準タイプと短縮タイプ等があるが、一般に、国コード(2桁)、メーカーコード(4〜7桁)、商品アイテムコード(1〜5桁)、チェックデジット(1桁)をマーキングする。基本寸法のナローバー幅は、0.33mmで、バーコードの全幅は、37.29mm、バーコードの高さは22.86mmとされているが、基本寸法の0.8〜2.0倍まで拡大、縮小が可能とされている。
【0032】
ITFコードは、インターリーブド2of5(Interleaved Two ofFive)の略で、主に段ボールに印刷され標準物流コードとして利用されているコードである。5本のバーとスペースで1文字を表す。(5本の内2本が太いので、「2of」という。)バー、スペースの双方に情報を持たしているので、他のバーコードに比べ密度の高い構成にできる。
【0033】
<材質に関する実施形態>
(1)ラベル用紙
ロール紙、ダイカットラベル、ファンフォールド(両辺に送り穴の付いた折り畳みコンピュータ用紙)、上質紙、コート紙、チケット紙、タックラベル紙等であって、厚み20μmから1000μm程度のものを使用できる。
(2)非接触ICタグのベースフィルム
プラスチックフィルムを幅広く各種のものを使用でき、以下に挙げる単独フィルムあるいはそれらの複合フィルムを使用できる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、等である。
【実施例】
【0034】
以下、実際の形態について実施例を用いて説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
<非接触ICタグラベルの製造>
非接触ICタグ3のベースフィルム31として、厚み38μmの透明2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに25μm厚のアルミニュウム箔をドライラミネートした基材(幅60mmの連続した基材)を使用し、これに感光性レジストを塗布した後、図5のようなアンテナパターンを有するフォトマスクを露光して感光させた。
露光現像後、フォトエッチングしてアンテナパターン32を有するインレットベースフィルムが完成した。なお、アンテナパターン32は外形が、28mm×45mmの大きさであって、コイルの線幅が0.6mm、コイルの線間間隔が0.2mm、ターン数9となるようにした。上記インレットベースフィルム31のアンテナパターン32の両端部に、平面サイズが1.0mm×0.8mm、厚み150μmであるICチップ33をフェイスダウンの状態で熱圧をかけて装着した。
【0035】
また、表面保護基材として、厚み20μmの透明2軸延伸PETフィルムをラミネートした。このものの非接触ICタグの連続体に対して、粘着剤層付き剥離紙を貼り合わせした後、1つの非接触ICタグが、30mm×50mmとなるようにベースフィルム31と表面保護基材のみを打ち抜き加工して、非接触ICタグ以外の部分を除去して粘着剤および剥離紙付き非接触ICタグラベル3とした。
【0036】
<商品タグ発行機の試作>
印刷速度最大100mm/秒の感熱・熱転写ラインサーマルプリンタからなるラベル印字部112に連続ラベル用紙供給部111と、打ち抜き刃からなるラベルカット部113を組み合わせしてブランドタグ発行部11を構成した。
読み取りエンコード部122として、13.56MHzのICタグリーダライタを使用し、ICタグラベル供給部121とラベル貼り付け部123を組み合わせして、ICタグラベル発行貼り付け部12とした。
ブランドタグ発行部11とICタグラベル発行貼り付け部12の間に、ブランドタグ反転部151とバーコードリーダ152を設置し、装置全体を制御部13で制御する構成の商品タグ発行機10を組み立てした。
【0037】
<商品タグの製造>
幅60mmのロール紙(厚み650μm)をラベル用紙供給部111から供給して、ラベル印字部112で、バーコード(JANコードとITFコードの各1本)と定価、商品提供会社名を印字した後、1のブランドタグ2の長さが、110mmになるようにラベルカット部113で切断した。
このブランドタグ2をブランドタグ反転部151で反転して、バーコード4印字部とは反対面側のラベル用紙6に対して、先に準備した粘着剤および剥離紙付き非接触ICタグラベル3をICタグラベル供給部121から供給し、読み取りエンコード部122によりICタグのユニークIDの読み取りと必要なデータをエンコードし、貼り付け部123で、ブランドタグ2に対して貼り付けする操作を行った。
なお、ブランドタグ2はブランドタグ発行部11で、約20枚/minの速度で製造できるが、ICタグラベル発行貼り付け部12は、約10枚/min程度の速度であるので、全自動的に発行する場合は、後者が律速度となることが確認された。
【0038】
完成した商品タグ1は、バーコード4と非接触ICタグ3の双方を有し、商品タグ1として好適に使用できるものであった。ICタグリーダライタ(株式会社ウェルトキャット製「RCT−200−01」;13.56MHz)を使用した商品タグ1の非接触ICタグ3に対する追加書き込みや読み取りも可能であった。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の商品タグ発行機の第1の例を示すブロック図である。
【図2】同第2の例を示すブロック図である。
【図3】同第1の例の大略外観図である。
【図4】ラベル折り畳み接着部の構成例を示す断面図である。
【図5】商品タグに使用する非接触ICタグラベルの例を示す図である。
【図6】本発明の商品タグ発行機で製造される商品タグの形態を示す図である。
【図7】商品タグの従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 商品タグ
2 ブランドタグ
3 非接触ICタグラベル、非接触ICタグ
4 バーコード
5a 定価
5b 商品提供会社名
5c 表示
6 ラベル用紙
7 切り取り線
10 商品タグ発行機
11 ブランドタグ発行部
12 ICタグラベル発行貼り付け部
13 制御部
14 ラベル折り畳み接着部
111 ラベル用紙供給部
112 ラベル印字部
113 ラベルカット部
121 ICタグラベル供給部
122 読み取りエンコード部
123 貼り付け部
131 データベース
132 演算処理装置
151 ブランドタグ反転部
152 バーコードリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル用紙供給部と、バーコード等を印字するラベル印字部と、ラベルカット部とを有するブランドタグ発行部と、により発行されたブランドタグに対して、非接触ICタグラベルを供給するICタグラベル供給部と、供給される非接触ICタグラベルを読み取りし、およびまたはエンコードする読み取りエンコード部と、当該非接触ICタグラベルの貼り付けを行う貼り付け部とを有するICタグラベル発行貼り付け部と、により必要なデータをエンコードした非接触ICタグラベルの貼り付けを行う商品タグ発行機。
【請求項2】
ラベル用紙供給部と、バーコード等を印字するラベル印字部と、ラベルカット部とを有するブランドタグ発行部と、により発行されたブランドタグに対して、非接触ICタグラベルを供給するICタグラベル供給部と、供給される非接触ICタグラベルを読み取りし、およびまたはエンコードする読み取りエンコード部と、当該非接触ICタグラベルの貼り付けを行う貼り付け部とを有するICタグラベル発行貼り付け部と、非接触ICタグラベルの貼り付けを行ったブランドタグを、非接触ICタグラベルを内側にして折り畳みし、折り畳み紙面間を貼着するラベル折り畳み接着部と、からなる商品タグ発行機。
【請求項3】
ブランドタグ発行部のラベル印字部とICタグラベル発行貼り付け部のエンコード部が、同一の制御装置により制御され、共通するデータが供給されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の商品タグ発行機。
【請求項4】
ブランドタグ発行部とICタグラベル発行貼り付け部との間に、ブランドタグ反転部を有し、ブランドタグのバーコード印字面とは反対側のラベル用紙面に非接触ICタグを貼り付けすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の商品タグ発行機。
【請求項5】
ブランドタグ発行部とICタグラベル発行貼り付け部との間に、バーコードリーダを有し、ブランドタグに印字されているバーコードデータと読み取りエンコード部がエンコードするデータの整合性を確認することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の商品タグ発行機。
【請求項6】
読み取りエンコード部が非接触ICタグラベルのユニークIDを読み取りすることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれか1の請求項に記載の商品タグ発行機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−18036(P2007−18036A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195785(P2005−195785)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】