説明

四輪駆動車の駆動力配分装置

【課題】コスト低減、電力損失の低減を図ることが可能であり、イグニッションOFF状態でもカップリング装置を制御する制御装置を作動させることが可能な四輪駆動車の駆動力配分装置を提供する。
【解決手段】駆動源からの駆動力が直接伝達される前輪14,14と、駆動源からの駆動力が電子制御カップリング30を介して伝達される後輪19,19とを備え、電子制御カップリング30の係合状態を変化させることで、前輪14,14と後輪19,19の駆動力配分を変更するように構成された四輪駆動車の駆動力配分装置100において、電子制御カップリング30には、発電機80およびキャパシタ90が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪駆動車の駆動力配分装置に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪駆動車の駆動力配分装置として、電磁アクチュエータ(例えば電磁石など)によりカップリング装置の係合状態を変化させることで、主駆動輪と従駆動輪の駆動力配分を変更するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。従来では、エンジン等の駆動源によって発電された電力を車載バッテリなどの蓄電手段に蓄え、その車載バッテリに充電された電力を用いて、カップリング装置の電磁アクチュエータへの電力供給を行っていた。
【0003】
しかし、そのような四輪駆動車の駆動力配分装置においては、車載バッテリからカップリング装置までのハーネスが必要になるため、コストがかかり、電力損失が増大することが懸念される。例えば、特許文献1に記載された四輪駆動車の駆動力配分装置では、エンジンが車両の前部に配置されるのに対し、カップリング装置(電子制御カップリング)は、プロペラシャフトの後端部とリヤディファレンシャルとの間に配置されるため、ハーネスが長くなることが懸念される。また、車両のイグニッションOFF状態では、カップリング装置を制御する制御装置を作動できないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−215019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、そのような問題点に鑑みてなされたものであり、コスト低減、電力損失の低減を図ることが可能であり、しかも、イグニッションOFF状態でもカップリング装置を制御する制御装置を作動させることが可能な四輪駆動車の駆動力配分装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、駆動源からの駆動力が直接伝達される主駆動輪と、前記駆動源からの駆動力がカップリング装置を介して伝達される従駆動輪とを備え、前記カップリング装置の係合状態を変化させることで、前記主駆動輪と従駆動輪の駆動力配分を変更するように構成された四輪駆動車の駆動力配分装置であって、前記カップリング装置には、発電手段および蓄電手段が備えられていることを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、カップリング装置に備えられた発電手段および蓄電手段は、駆動源や車載バッテリとは独立して設置され、また、駆動源や車載バッテリとは独立して発電や、蓄電(充電)、電力供給を行う。これにより、車載バッテリからカップリング装置までのハーネスが不要となり、コスト低減、電力損失の低減を図ることができる。また、蓄電手段に蓄えられた電力を利用することで、イグニッションOFF状態でも、カップリング装置を制御する制御装置を作動させることが可能になる。
【0008】
本発明の四輪駆動車の駆動力配分装置において、前記発電手段を構成するステータおよびロータが、前記カップリング装置の内部に設けられたベアリングと軸方向および径方向で重なり合わない箇所に配置されていることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、発電手段で発生する磁界による電磁力によって、ベアリングの転動が妨げられることを抑制でき、ベアリングの軸受機能への悪影響を抑制できる。
【0010】
本発明の四輪駆動車の駆動力配分装置において、前記発電手段を構成するステータおよびロータが、電磁アクチュエータによって形成される磁気回路と軸方向および径方向で重なり合わない箇所に配置されていることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、発電手段で発生する磁界と、電磁アクチュエータによって形成される磁気回路とが干渉することを抑制でき、電磁アクチュエータによるカップリング装置の駆動力配分制御への悪影響を抑制できる。
【0012】
本発明の四輪駆動車の駆動力配分装置において、前記発電手段による発電が、車両の減速時に行われることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、車両の減速時、エネルギー回生を行うことにより、エネルギー効率を向上させることができる。
【0014】
本発明の四輪駆動車の駆動力配分装置において、車両の加速時には、前記蓄電手段に充電された電力を用いて前記カップリング装置の係合動作が行われることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、車両の加速時、蓄電手段に充電された電力を用いて、駆動力配分装置を四輪駆動状態に切り替えることが可能になる。
【0016】
本発明の四輪駆動車の駆動力配分装置において、車両がイグニッションOFF状態の場合には、前記蓄電手段に充電された電力を用いて、車両の被牽引状態が検知されたか否かの判定が行われ、前記車両の被牽引状態が検知された場合には、前記蓄電手段に充電された電力を用いて、車両の被牽引状態が検知されたことが報知されることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、車両のイグニッションOFF状態において、車両の被牽引状態が検知されたことが報知されるので、ユーザは、車両の被牽引状態を速やかに解除して、二輪だけが接地した状態での牽引を停止させることが可能になる。したがって、カップリング装置の内部の温度上昇を抑制することが可能になり、カップリング装置の構成部材の損傷を抑制することが可能になる。
【0018】
本発明の四輪駆動車の駆動力配分装置において、前記イグニッションOFF状態で前記蓄電手段への充電があったとき、前記車両の被牽引状態が検知されたと判定されることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、蓄電手段の充電状態を監視して、蓄電手段への充電の有無を監視することで、センサを用いなくても車両の被牽引状態を検知することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の四輪駆動車の駆動力配分装置によれば、カップリング装置に備えられた発電手段および蓄電手段は、駆動源や車載バッテリとは独立して設置され、また、駆動源や車載バッテリとは独立して発電や、蓄電、電力供給を行う。これにより、車載バッテリからカップリング装置までのハーネスが不要となり、コスト低減、電力損失の低減を図ることができる。また、蓄電手段に蓄えられた電力を利用することで、イグニッションOFF状態でも、カップリング装置を制御する制御装置を作動させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る駆動力配分装置を搭載した四輪駆動車の一例を模式的に示す図である。
【図2】図1の駆動力配分装置の電子制御カップリングを示す断面図である。
【図3】ECUが実行する被牽引状態の報知制御の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る駆動力配分装置を搭載した四輪駆動車の一例を模式的に示す図である。図1には、前輪駆動ベースの四輪駆動車の駆動力配分装置100を例示している。なお、この例の四輪駆動車は、駆動源としてエンジン10とモータジェネレータとが搭載されたハイブリッド車両とされている。モータジェネレータは、トランスアクスル(ハイブリッドユニット)11内に配置されており、車両前部のエンジンルーム内に設置された図示しない車載バッテリに接続されている。
【0024】
図1に示すように、車両のフロント側(図1では上側)には、エンジン10が配置されている。エンジン10の出力軸は、トランスアクスル11に連結されている。トランスアクスル11には、フロントディファレンシャル12が内蔵されている。トランスアクスル11により、エンジン10から入力される駆動力と、モータジェネレータから出力される駆動力との一方または両方が駆動輪に出力されるようになっている。
【0025】
車両のフロント側には、主駆動輪(駆動源からの駆動力がカップリング装置を介さずに直接的に伝達される駆動輪)である左右一対の前輪14,14が配置されている。左右の前輪14,14は、互いにフロントディファレンシャル12を介して連結されている。左右の前輪14,14とフロントディファレンシャル12とは、それぞれアクスルシャフト13,13により連結されている。トランスアクスル11から出力された駆動力は、フロントディファレンシャル12に伝達され、これにより、前輪14,14が駆動されるようになっている。フロントディファレンシャル12は、左右の前輪14,14へのトルクの差動配分を行う差動動作が可能なものであれば、いかなる構成のものであってもよい。図1に示す例では、フロントディファレンシャル12として、互いに噛み合いながら回転する一対のピニオンギヤ12a,12aおよび一対のサイドギヤ12b,12bを備えたものが用いられている。
【0026】
フロントディファレンシャル12は、トランスファ15に連結されている。トランスファ15には、車両のリヤ側(図1では下側)へ向けて延びるプロペラシャフト16が連結されている。トランスファ15により、トランスアクスル11から出力された駆動力を車両のリヤ側へも取り出すことが可能となっている。
【0027】
車両のリヤ側には、従駆動輪(駆動源からの駆動力がカップリング装置を介して伝達される駆動輪)である左右一対の後輪19,19が配置されている。左右の後輪19,19は、互いにリヤディファレンシャル17を介して連結されている。左右の後輪19,19とリヤディファレンシャル17とは、それぞれアクスルシャフト18,18により連結されている。リヤディファレンシャル17は、左右の後輪19,19へのトルクの差動配分を行う差動動作が可能なものであれば、いかなる構成のものであってもよい。図1に示す例では、リヤディファレンシャル17として、互いに噛み合いながら回転する一対のピニオンギヤ17a,17aおよび一対のサイドギヤ17b,17bを備えたものが用いられている。
【0028】
プロペラシャフト16とリヤディファレンシャル17との間には、カップリング装置である電子制御カップリング30が設けられている。この実施形態では、電子制御カップリング30は、リヤディファレンシャル17の直前に配置されており、電子制御カップリング30とリヤディファレンシャル17とが一体的に設けられ、1つのアッシとして構成されている。
【0029】
電子制御カップリング30は、電磁アクチュエータとしての電磁石51を備えている。そして、電磁石51の通電制御を行うことにより、電子制御カップリング30の係合状態を変化させて、後輪19,19側へ伝達する駆動力を変更して、前輪14,14と後輪19,19の駆動力配分を変更するようにしている。電磁石51は、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)200に接続されており、ECU200から必要に応じて、後輪19,19側へ伝達する駆動力に相当する電流が電磁石51へ供給されるようになっている。
【0030】
ECU200は、各種センサ等からの検出信号等に基づいて、電子制御カップリング30の電磁石51の通電制御を実行する。具体的に、電磁石51を非通電状態とした場合、電子制御カップリング30による後輪19,19側への駆動力の伝達は行われない。このとき、駆動力配分装置100は、二輪駆動状態に切り替えられる。一方、電磁石51を通電状態とした場合、電子制御カップリング30によって通電量に応じた駆動力が後輪19,19側へ伝達される。例えば、電磁石51に通電する電流の値(制御電流値)を大きくするほど、後輪19,19側へ伝達される駆動力が増大されるようになっている。これにより、駆動力配分装置100は、四輪駆動状態に切り替えられる。
【0031】
また、この実施形態では、車両に盗難防止装置(警報装置)300が搭載されており、盗難防止装置300は、ECU200に接続されている。盗難防止装置300は、車両状態に異常が発生している場合に、例えばスピーカ等から出力される警報音や音声によって周囲への注意喚起を行うものである。
【0032】
次に、電子制御カップリング30の具体構成について、図2を参照して説明する。図2は、図1の駆動力配分装置100に備えられる電子制御カップリング30を示す断面図である。
【0033】
図2に示すように、電子制御カップリング30のカバー31とディファレンシャルキャリヤ23とが、軸方向に並んで配設されている。これらの部材31,23は、一体的に設けられており、相対回転不能とされている。そして、電子制御カップリング30のカバー31の内部と、リヤディファレンシャル17のディファレンシャルキャリヤ23の内部とに跨って、回転中心A1を中心として回転するドライブピニオンシャフト32が配置されている。ディファレンシャルキャリヤ23の内周にはベアリング(円すいころ軸受)24が装着されており、ベアリング24によりドライブピニオンシャフト32が回転可能に支持されている。ドライブピニオンシャフト32の一端(図2では右端)には、ドライブピニオンギヤ32aが設けられており、ドライブピニオンギヤ32aが、リヤディファレンシャル17のリングギヤ17cと噛み合っている。
【0034】
カバー31は、円筒状に形成されており、その内部空間には有底円筒状のフロントハウジング33が配置されている。フロントハウジング33は、アルミニウムなどの非磁性材料により形成されている。フロントハウジング33は、小径円筒部34と底部35と環状の接続部36と大径円筒部37とを備えている。
【0035】
小径円筒部34は、カバー31の開口部31aに配置され、底部35により小径円筒部34におけるカバー31の外部側端部が閉塞されている。接続部36は、小径円筒部34におけるカバー31の内部側端部から外周側に向けて張り出されている。大径円筒部37は、接続部36の外周端からディファレンシャルキャリヤ23の内部側(図2では右側)に向けて配置されている。カバー31の開口部31a側の端部内周には、ベアリング38aおよびオイルシール38bが固定されている。ベアリング38aの内輪は、フロントハウジング33の小径円筒部34の外周に装着されている。
【0036】
フロントハウジング33の小径円筒部34におけるカバー31の外部側端面には、フランジ21が取り付けられている。フロントハウジング33とフランジ21とが植込みボルト22により固定されている。植込みボルト22は、小径円筒部34に形成された雌ねじ部34aにねじ込まれている。フランジ21は、プロペラシャフト16(図1参照)に接続されている。
【0037】
カバー31の内部には、回転中心A1を中心として回転するインナーシャフト40が配置されている。インナーシャフト40は、後述するクラッチ機構の係合時に回転可能となり、クラッチ機構の解放時に回転不能となる回転部材である。インナーシャフト40の内部には、隔壁40aにより軸方向に区画された凹部40b,40cが形成されている。凹部40b,40cは、回転中心A1を中心とする円柱状の空間である。小径円筒部34の内周と、インナーシャフト40の小径円筒部34側の端部外周との間には、ベアリング41が装着されており、ベアリング41によりインナーシャフト40が回転可能に支持されている。凹部40b,40cのうち、ディファレンシャルキャリヤ23側に配置された凹部40bの内周には、ドライブピニオンシャフト32の他端部(図2では右端部)がスプライン嵌合されており、インナーシャフト40とドライブピニオンシャフト32とが一体的に回転するようになっている。
【0038】
インナーシャフト40の外周側には、回転中心A1を中心として回転可能な環状のリヤハウジング42が配置されている。リヤハウジング42は、フロントハウジング33の内部からディファレンシャルキャリヤ23の内部に到達するように配置されている。リヤハウジング42は、半径方向の断面形状がほぼL字形の内筒部42aと、内筒部42aの外周に固定された環状の遮断部材42bと、遮断部材42bの外周に固定された外筒部42cとにより構成されている。内筒部42aおよび外筒部42cは、例えば鉄などの磁性材料により形成され、遮断部材42bは、非磁性材料により形成されている。そして、外筒部42cは、フロントハウジング33の内周にねじ結合され、かつ、溶接によりフロントハウジング33に相対回転不能に固定されており、フロントハウジング33とリヤハウジング42とが一体的に回転するようになっている。
【0039】
また、内筒部42aの内周と、ドライブピニオンシャフト32の外周との間には、ベアリング43が装着されており、ベアリング43によりリヤハウジング42がインナーシャフト40に対し相対回転可能に設けられている。ベアリング43とドライブピニオンシャフト32の外周に形成された段差との間には、軸方向の隙間を調整する円環状のシム45と、環状の皿ばね46とが配置されている。
【0040】
内筒部42aの内周と、インナーシャフト40の外周との間には、ゴム状弾性体により構成されたシールリング(例えばXリング)47が装着されている。シールリング47により、インナーシャフト40とリヤハウジング42との間が液密にシールされている。外筒部42cの外周と、フロントハウジング33の内周との間には、ゴム状弾性体により構成されたOリング48が装着されている。Oリング48により、フロントハウジング33とリヤハウジング42との間が液密にシールされている。また、ディファレンシャルキャリヤ23の内周には、ゴム状弾性体および金属補強環により構成されたオイルシール49が装着されている。オイルシール49により、ディファレンシャルキャリヤ23とリヤハウジング42との間が液密にシールされている。
【0041】
ディファレンシャルキャリヤ23とカバー31とリヤハウジング42とによって取り囲まれた空間が、電磁石収納室C1となっている。電磁石収納室C1は、オイルシール49とOリング48とオイルシール38bとにより周囲の空間から液密および気密にシールされている。電磁石収納室C1には、電磁石51が配置されている。電磁石51は、磁性材料により形成された環状の鉄心52と、鉄心52に巻き付けられたコイル53とを備えている。鉄心52は、カバー31に対し相対回転不能に設けられている。コイル53は、ECU200(図1参照)に接続されている。
【0042】
また、フロントハウジング33とインナーシャフト40とリヤハウジング42とによって取り囲まれた空間が、クラッチ機構収納室C2となっている。クラッチ機構収納室C2は、Oリング48とシールリング47とにより周囲の空間から液密にシールされている。クラッチ機構収納室C2には、カップリングオイルが封入されている。クラッチ機構収納室C2には、クラッチ機構が配置されている。クラッチ機構は、電磁石51の電磁力により係合・解放されるパイロットクラッチ61と、パイロットクラッチ61の係合・解放動作に連動して係合・解放されるメインクラッチ71とからなる。
【0043】
パイロットクラッチ61は、アーマチュア62とクラッチディスク63とクラッチプレート64とを備えている。アーマチュア62は、リヤハウジング42から軸方向に所定間隔をおいた位置に配置されている。クラッチディスク63およびクラッチプレート64は、アーマチュア62とリヤハウジング42との間に配置されている。アーマチュア62およびクラッチディスク63は、フロントハウジング33の内周にスプライン嵌合されている。
【0044】
インナーシャフト40の外周には、環状のカム65が装着されている。カム65は、インナーシャフト40に対し相対回転可能に設けられている。このカム65の外周には、クラッチプレート64がスプライン嵌合されている。カム65とリヤハウジング42の内筒部42aとの間には、スラスト軸受66が配置されている。スラスト軸受66は、カム65に作用するスラスト荷重を受け止め、かつ、リヤハウジング42とカム65とを相対回転可能とするために配置されている。
【0045】
メインクラッチ71は、パイロットクラッチ61と、フロントハウジング33の小径円筒部34との間に配置されている。メインクラッチ71は、複数のクラッチディスク72と、複数のクラッチプレート73とを備えている。クラッチディスク72とクラッチプレート73とは交互に配置されている。クラッチディスク72は、フロントハウジング33の大径円筒部37の内周にスプライン嵌合され、クラッチプレート73は、インナーシャフト40の外周にスプライン嵌合されている。
【0046】
メインクラッチ71とパイロットクラッチ61との間には、環状のピストン74が配置されている。ピストン74は、インナーシャフト40の外周にスプライン嵌合されている。ピストン74およびカム65の互いに相対向する側には、それぞれのカム面に対応する複数の凹部74a,65aが形成されている。ピストン74およびカム65の間には、各凹部74a,65aに嵌め入れられるように複数のボール75(図2では1つのみ示す)が設けられている。
【0047】
上記構成の電子制御カップリング30の動作について説明する。
【0048】
まず、電子制御カップリング30の電磁石51に電流が供給されない場合、パイロットクラッチ61およびメインクラッチ71が解放されている。このため、プロペラシャフト16からフロントハウジング33に伝達された駆動力は、インナーシャフト40およびドライブピニオンシャフト32には伝達されない。この場合、駆動力配分装置100が二輪駆動状態となる。
【0049】
一方、電磁石51に電流が供給されると、鉄心52と外筒部42cとアーマチュア62と内筒部42aとを磁束が通過して磁気回路P1が形成される。このため、電磁力(磁気吸引力)により、アーマチュア62が、外筒部42cおよび内筒部42a側に移動する。すると、パイロットクラッチ61のクラッチディスク63とクラッチプレート64とが係合される。つまり、パイロットクラッチ61が係合される。これにより、フロントハウジング33のトルクが、パイロットクラッチ61を介してカム65に伝達される。
【0050】
カム65にトルクが伝達されると、カム65とピストン74とが相対回転する。すると、ボール75をカム65とピストン74の凹部65a,74aの外部に押し出すような力が作用し、カム65とピストン74とが軸方向方向において相互に離反する向きのスラスト荷重が生じる。この場合、カム65は、スラスト軸受66により受け止められており、リヤハウジング42側に移動することが防止されている。このため、上記スラスト荷重により、ピストン74がメインクラッチ71側に押し付けられ、クラッチディスク72とクラッチプレート73とが係合される。この場合、パイロットクラッチ61の係合力が、カム65とボール75とピストン74とにより増幅されて、メインクラッチ71に伝達されるようになっている。メインクラッチ71が係合されると、プロペラシャフト16からフロントハウジング33に伝達された駆動力が、メインクラッチ71を介してインナーシャフト40およびドライブピニオンシャフト32に伝達される。このような電子制御カップリング30の係合動作により、駆動力配分装置100が四輪駆動状態となる。この場合、電磁石51に通電される電流の値を増大きくするほど、メインクラッチ71の係合力が増大し、ドライブピニオンシャフト32へ伝達されるトルクが増大する。電磁石51に通電される電流が所定値以上になると、直結状態に近い状態でドライブピニオンシャフト32にトルクが伝達される。
【0051】
−実施形態の特徴部分−
この実施形態では、上記構成の四輪駆動車の駆動力配分装置100において、電子制御カップリング30に、発電手段としての発電機80と、蓄電手段としてのキャパシタ90とが備えられていることを特徴としている。以下、実施形態の特徴部分について詳しく説明する。
【0052】
図2に示すように、発電機80は、カバー31の内周に固定されたステータ81と、フロントハウジング33の外周に固定されたロータ82とを備えている。発電機80は、車両に備えられる他の発電手段、例えば、トランスアクスル11のモータジェネレータなどとは別個独立して設けられている。
【0053】
ステータ81は、例えば、ステータコアにその周方向に沿って複数相(例えば、U相、V相、W相の三相)のステータコイルを取り付けた構成とされている。ステータコアは、カバー31の内周に一体的に取り付けられている。ステータコイルは、キャパシタ90(図1参照)に接続されており、発電機80で発電された電力をステータコイルから取り出して、キャパシタ90に蓄電(充電)するようにしている。
【0054】
ロータ82は、例えば、ロータコイルをロータコアによって覆い包んだ電磁石とされている。ロータコアは、フロントハウジング33の大径円筒部37の外周に一体的に取り付けられている。ロータコイルは、ECU200(図1参照)に接続されており、キャパシタ90に充電された電力を利用してECU200からロータコイルに励磁電流を供給するようにしている。
【0055】
ロータ82は、ステータ81に僅かな隙間を隔てて対向して配置されており、回転中心A1を中心として回転可能となっている。このため、駆動源からの駆動力がプロペラシャフト16を介して電子制御カップリング30に伝達されると、ロータ82は、フロントハウジング33と一体的に回転する。この際、ロータ82のロータコイルに上記励磁電流が供給されている励磁状態である場合、ロータ82の回転にともなってロータコイルに磁界が発生し、ステータ81のステータコイルにU相、V相、W相の三相交流電力が誘起される。そして、ステータコイルに発生した三相交流電力が、図示しない整流器により直流に変換されて、キャパシタ90に蓄えられる。一方、ロータ82のロータコイルに上記励磁電流が供給されていない場合には、ロータ82が回転しても、ステータ81のステータコイルに三相交流電力は発生しないようになっている。
【0056】
キャパシタ90は、例えば、電気二重層コンデンサとされている。図1に示すように、キャパシタ90は、電子制御カップリング30の近傍に配置されている。例えば、キャパシタ90を電子制御カップリング30のカバー31の外周に設置することが可能である。キャパシタ90は、車両に備えられる他の蓄電手段、例えば、トランスアクスル11のモータジェネレータ用の車載バッテリなどとは別個独立して設けられている。また、ECU200も、電子制御カップリング30の近傍に配置されている。例えば、ECU200を電子制御カップリング30のカバー31の外周に設置することが可能である。ECU200は、電子制御カップリング30に専用の制御装置とされている。ECU200は、キャパシタ90に充電された電力を利用して、上述したような電子制御カップリング30の電磁石51の通電制御や、発電機80による発電制御を実行する。なお、キャパシタ90およびECU200の設置箇所は、電子制御カップリング30の近傍であれば特に限定されない。例えば、電子制御カップリング30のカバー31の内部にキャパシタ90やECU200を設置してもよい。
【0057】
この実施形態によれば、電子制御カップリング30に備えられた発電機80およびキャパシタ90は、エンジン10等の駆動源や車載バッテリとは独立して設置され、また、エンジン10等の駆動源や車載バッテリとは独立して発電や、充電、電力供給を行う。これにより、車載バッテリから電子制御カップリング30までのハーネスが不要となり、コスト低減、電力損失の低減を図ることができる。また、キャパシタ90に蓄えられた電力を利用することで、イグニッションOFF状態でもECU200を作動させることが可能になる。
【0058】
ここで、発電機80は、電子制御カップリング30において、次のような箇所に配置されている。
【0059】
図2に示すように、発電機80のロータ82は、フロントハウジング33の外周に配置されている。これにより、前輪14,14の駆動時、フロントハウジング33とともにロータ82が高速回転されるので、発電機80の発電効率を高めることができる。
【0060】
また、発電機80のステータ81およびロータ82は、ベアリング38a,41,43と軸方向および径方向で重なり合わないような箇所に配置されている。これにより、発電機80で発生する磁界による電磁力(磁気吸引力)によって、ベアリング38a,41,43の転動が妨げられることを抑制でき、ベアリング38a,41,43によるフロントハウジング33、インナーシャフト40、ドライブピニオンシャフト32の軸受機能への悪影響を抑制できる。
【0061】
さらに、発電機80のステータ81およびロータ82は、電磁石51によって形成される上記磁気回路P1と軸方向および径方向で重なり合わないような箇所に配置されている。言い換えれば、発電機80のステータ81およびロータ82が、上記磁気回路P1が形成される鉄心52、アーマチュア62、リヤハウジング42の内筒部42a、および外筒部42cと軸方向および径方向で重なり合わないように配置されている。これにより、発電機80で発生する磁界と、電磁石51によって形成される上記磁気回路P1とが干渉することを抑制でき、電磁石51による電子制御カップリング30の駆動力配分制御への悪影響を抑制できる。
【0062】
なお、発電機80による発電は、エンジン10等の駆動源の負荷となるため、車両の減速走行時に行うことが好ましい。この場合、車両の減速走行時、キャパシタ90に蓄積された電力を利用してECU200からロータ82のロータコイルに励磁電流を供給すればよい。一方、車両の減速走行時以外のとき、ロータ82のロータコイルに上記励磁電流を供給しないようにすればよい。車両が減速走行時か否かの判定は、例えば、アクセルペダルの開度を検出するアクセルポジションセンサを用いて行うことが可能であり、ドライバがアクセルペダルから足を離したか否かを検知することによって、車両が減速走行時か否かを判定することが可能である。
【0063】
これにより、車両の減速走行時、ロータ82の回転にともなってロータコイルに磁界が発生して、ステータ81のステータコイルに交流電力が誘起されるので、その交流電力をキャパシタ90に充電して回収することができる。このように、車両の減速走行時、エネルギー回生を行うことにより、エネルギー効率を向上させることができる。
【0064】
一方、車両の加速時には、減速走行時にキャパシタ90に充電された電力を利用して、電子制御カップリング30の電磁石51への通電を行うようにしている。これにより、電子制御カップリング30の係合動作が行われ、駆動力配分装置100を四輪駆動状態に切り替えることが可能になる。
【0065】
上述したように、この実施形態では、キャパシタ90に蓄えられた電力を利用することで、車両がイグニッションOFF状態である場合にもECU200を作動させることが可能である。以下、その具体例について説明する。
【0066】
図3のフローチャートに示すルーチンは、ECU200が実行する被牽引状態の報知制御に関するものであり、一定周期ごとに繰り返されるが、キャパシタ90に蓄えられた電力を利用することで、イグニッションOFF状態においても繰り返し実行されるようになっている。
【0067】
まず、ステップST1において、ECU200は、車両がイグニッションOFF状態であるか否かを判定する。そして、車両がイグニッションON状態である場合には、このフローチャートを抜け、一方、イグニッションOFF状態である場合には、ステップST2へ進む。
【0068】
ステップST2において、ECU200は、車両の被牽引状態が検知されたか否かを判定する。つまり、イグニッションOFF状態においても、車両状態を監視して車両の被牽引状態の有無を検知するようにしている。具体的には、車両がエンジン10等の駆動源の停止時に後輪19,19だけを接地させた状態で牽引されていることが検知されたか否かが判定される。この判定は、例えば、前輪14,14および後輪19,19のそれぞれの車輪速を検出する車輪速センサを用いて行うことが可能であり、前輪14,14がほぼ停止し、後輪19,19だけが回転している場合に車両の被牽引状態が検知されたと判定することが可能である。あるいは、この判定は、電子制御カップリング30の前後のプロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32のそれぞれの回転数を検出する回転数センサを用いて行うことが可能であり、プロペラシャフト16がほぼ停止しており、ドライブピニオンシャフト32だけが回転している場合に車両の被牽引状態が検知されたと判定することが可能である。
【0069】
そして、車両の被牽引状態が検知されなかった場合には、このフローチャートを抜け、一方、被牽引状態が検知された場合には、ステップST3へ進む。
【0070】
ステップST3において、ECU200は、盗難防止装置(警報装置)300を作動させて、車両の被牽引状態が検知されたことを周囲に報知する。例えば、盗難防止装置300の作動により警報音や音声をスピーカ等から出力することで、車両の被牽引状態が検知されたことを周囲に知らせてユーザへの注意喚起を行うようにする。
【0071】
以上のような被牽引状態の報知制御によれば、次のような効果が得られる。車両がエンジン10等の駆動源の停止時に後輪19,19だけを接地させた状態で牽引されると、プロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との間に大きな回転数差が発生する。そして、電子制御カップリング30の内部の引き摺り等に起因して、電子制御カップリング30の内部が過熱し、電子制御カップリング30の構成部材が損傷する可能性がある。
【0072】
しかし、この実施形態では、キャパシタ90に蓄えられた電力を利用することで、車両がイグニッションOFF状態である場合にも、ECU200を作動させている。そして、車両の被牽引状態が検知されると、盗難防止装置300を作動させてユーザへの注意喚起を行うようにしている。これにより、ユーザは、車両の被牽引状態を速やかに解除して、後輪19,19だけが接地した状態での牽引を停止させることが可能になる。したがって、電子制御カップリング30の内部の温度上昇を抑制することが可能になり、電子制御カップリング30の構成部材の損傷を抑制することが可能になる。
【0073】
−他の実施形態−
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。
【0074】
上記実施形態では、前輪14,14の回転時に発電が行われるように発電機80を配置したが、後輪19,19の回転時に発電するような構成とすることも可能である。あるいは、前輪14,14と後輪19,19の回転数差があるときに発電するような構成とすることも可能である。
【0075】
例えば、電子制御カップリング30を、フロントハウジング33およびリヤハウジング42が後輪19,19とともに回転し、インナーシャフト40が前輪14,14とともに回転するような構成とすることが可能である。この構成では、後輪19,19の回転時、フロントハウジング33に取り付けた発電機80のロータ82が回転することによって発電が行われる。
【0076】
このような構成では、図3のフローチャートのステップST2の判定を、車両がイグニッションOFF状態のとき、キャパシタ90への充電があったか否かに基づいて行うことが可能になる。つまり、ECU200によってキャパシタ90の充電状態を監視して、キャパシタ90への充電の有無、言い換えれば、発電機80による発電の有無を監視するようにしている。これにより、後輪19,19の回転によって発電機80による発電が行われたか否かを判定するようにしている。
【0077】
そして、キャパシタ90への充電があったとき、後輪19,19の回転によって発電機80による発電が行われたとされ、車両の被牽引状態が検知されたと判定される。一方、キャパシタ90への充電がなかったとき、車両の被牽引状態が検知されなかったと判定される。したがって、後輪19,19の回転時に発電するような構成とすることで、上述したような車輪速センサなどを用いなくても、車両の被牽引状態を検知することが可能になる。なお、前輪14,14と後輪19,19の回転数差があるときに発電するような構成とした場合にも、同様に、センサを用いなくても車両の被牽引状態を検知することが可能になる。
【0078】
また、上記実施形態では、カップリング装置の一例として電磁クラッチ式の電子制御カップリング30を挙げたが、カップリング装置としてその他の電子制御カップリング(例えば、油圧クラッチ式の電子制御カップリングなど)を用いてもよい。
【0079】
上記実施形態では、発電機80のロータ82に電磁石が設けられている例を挙げたが、電磁石の代わりに永久磁石をロータ82に設ける構成としてもよい。
【0080】
上記実施形態では、蓄電手段の一例としてキャパシタ90を挙げたが、蓄電手段としてバッテリなどの2次電池を用いてもよい。
【0081】
上記実施形態では、車両に搭載された盗難防止装置300を利用して車両の被牽引状態を報知したが、車両の被牽引状態を報知するための専用の報知手段を別途設ける構成としてもよい。
【0082】
上記実施形態では、前輪駆動ベースの四輪駆動車に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、後輪駆動ベースの四輪駆動車にも適用可能である。また、駆動源としてエンジンおよびモータジェネレータを備えたハイブリッド車両に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、駆動源としてエンジンのみを備えた車両や、駆動源としてモータジェネレータ(あるいはモータ)のみを備えた車両にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、カップリング装置の係合状態を変化させることで、主駆動輪と従駆動輪の駆動力配分を変更するように構成された四輪駆動車の駆動力配分装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0084】
10 エンジン
11 トランスアクスル
14 前輪(主駆動輪)
19 後輪(従駆動輪)
30 電子制御カップリング(カップリング装置)
80 発電機(発電手段)
81 ステータ
82 ロータ
90 キャパシタ(蓄電手段)
100 駆動力配分装置
200 ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの駆動力が直接伝達される主駆動輪と、前記駆動源からの駆動力がカップリング装置を介して伝達される従駆動輪とを備え、前記カップリング装置の係合状態を変化させることで、前記主駆動輪と従駆動輪の駆動力配分を変更するように構成された四輪駆動車の駆動力配分装置において、
前記カップリング装置には、発電手段および蓄電手段が備えられていることを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分装置。
【請求項2】
請求項1に記載の四輪駆動車の駆動力配分装置において、
前記発電手段を構成するステータおよびロータが、前記カップリング装置の内部に設けられたベアリングと軸方向および径方向で重なり合わない箇所に配置されていることを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の四輪駆動車の駆動力配分装置において、
前記発電手段を構成するステータおよびロータが、電磁アクチュエータによって形成される磁気回路と軸方向および径方向で重なり合わない箇所に配置されていることを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の四輪駆動車の駆動力配分装置において、
前記発電手段による発電が、車両の減速時に行われることを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の四輪駆動車の駆動力配分装置において、
車両の加速時には、前記蓄電手段に充電された電力を用いて前記カップリング装置の係合動作が行われることを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の四輪駆動車の駆動力配分装置において、
車両がイグニッションOFF状態の場合には、前記蓄電手段に充電された電力を用いて、車両の被牽引状態が検知されたか否かの判定が行われ、
前記車両の被牽引状態が検知された場合には、前記蓄電手段に充電された電力を用いて、車両の被牽引状態が検知されたことが報知されることを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分装置。
【請求項7】
請求項6に記載の四輪駆動車の駆動力配分装置において、
前記イグニッションOFF状態で前記蓄電手段への充電があったとき、前記車両の被牽引状態が検知されたと判定されることを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−187954(P2012−187954A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51264(P2011−51264)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】