説明

回胴式遊技機

【課題】回胴停止ボタンの押圧負荷量を変化させて内部当選を報知する遊技機において、遊技者による回胴停止ボタンの停止操作を阻害しないようにする。
【解決手段】回転開始部材の操作に基づいて内部当選役の成立を抽選する抽選手段と、複数の回胴のそれぞれに対応して設けられ、所定量の押圧操作が可能な複数の回転停止部材と、回転停止部材に触れたことを検出するタッチ検出手段と、タッチ検出手段によって回転停止部材に触れたことが検出された場合に、回転停止部材に対応する回胴を停止させる回胴停止手段と、回転停止部材を押圧操作する際に必要な負荷量を通常状態と変動状態とに変動させることができる負荷量変動手段とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技メダルや遊技球等の遊技媒体を用いて遊技を行う回胴式遊技機(スロットマシン)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数種類の図柄が描かれた複数の回胴を回転させるとともに、遊技者が任意のタイミングで回胴停止ボタンを操作して各回胴を停止させ、図柄の組合せによる遊技役の入賞成立によって遊技メダルが払い出されるという一連の遊技を行う回胴式遊技機が広く知られている。
【0003】
このような回胴式遊技機において、回胴停止ボタンの押圧操作をする際に必要となる負荷量を遊技状態によって変動させ、内部当選したことを報知する遊技機が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−143620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回胴停止ボタンは、所定量押圧された(押し込まれた)場合に操作されたことが検出されるように構成されており、遊技者が回胴を狙ったタイミングで停止させる(所定の図柄を停止表示させる)ためには、回胴停止ボタンが所定量押し込まれたタイミング(操作が検出されるタイミング)と回胴の回転タイミングを一致させる必要がある。このため、特許文献1のように回胴停止ボタンの負荷量が変更されると、所定量の押圧に要する時間が変化し、遊技者が本来狙った回胴の停止位置と実際の回胴の停止位置とがずれてしまい、内部当選を発生させることができない(内部当選を取りこぼす)おそれがある。
【0006】
つまり、回胴停止ボタンの負荷量を変化させて内部当選を報知することは、内部当選に気付いていない(回胴停止タイミングを狙っていない)遊技者にとっては有効であるが、既に内部当選を察知し、所定の当り図柄を狙って回胴停止ボタンの停止操作をしようとしている遊技者にとっては、負荷量の変化が所定の図柄を狙った停止操作を妨げることとなり、遊技興趣を低下させてしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は上記点に鑑み、回胴停止ボタンの負荷量を変化させる遊技機において、遊技者による回胴停止ボタンの停止操作を阻害しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の回胴式遊技機は、
遊技媒体を投入し、回転開始部材を操作することで複数の回胴の回転を開始させ、複数の回転停止部材を操作することで前記複数の回胴の回転を停止させ、停止した前記複数の回胴によって所定の図柄組合せが成立した場合に、遊技者に特典を付与する回胴式遊技機において、
前記回転開始部材の操作に基づいて内部当選役の成立を抽選する抽選手段と、
前記複数の回胴のそれぞれに対応して設けられ、所定量の押圧操作が可能な前記複数の回転停止部材と、
前記回転停止部材に触れたことを検出するタッチ検出手段と、
前記タッチ検出手段によって前記回転停止部材に触れたことが検出された場合に、前記回転停止部材に対応する前記回胴を停止させる回胴停止手段と、
前記回転停止部材を前記所定量押圧操作するのに必要な負荷量を通常状態と前記通常状態と負荷量が異なる変動状態とに変動させる負荷量変動手段と、
を備えることを特徴とする回胴式遊技機。
【0009】
このように、回転停止部材に触れたことを検出するタッチ検出手段を設けることで、遊技者が回転停止部材に触れた際に、回転停止部材が操作されたことを検出できる。このため、遊技者が回転停止部材に触れたことを契機として、回胴の回転を停止させることができる。つまり、押圧操作により、回転停止部材を所定量押圧することが可能であるが、当該回転停止部材を押圧操作しなくとも、回転停止部材に触れたことを条件に、回胴の回転を停止させることができる。従って、負荷量変動手段(負荷量変動部)による負荷量調整に影響されて狙った図柄が停止できないといった不都合を防止し、狙い通りのタイミングで回胴の停止操作を行うことができる(負荷量変化によって、所謂目押しを阻害しない)。これにより、回転停止部材の所定量の押圧に必要な負荷量を自由に調整できる構成において、遊技者が所定の図柄を狙って回胴を停止操作する行為を妨げることがない。このため、小役の内部当選が発生したような場合に、回転停止部材の負荷量変動によって回転停止部材の操作が妨げられることがなく、停止タイミングがずれて内部当選した小役の取りこぼしが発生することを防止できる。
【0010】
尚、回転停止部材として、後述の回胴停止ボタンを例示できる。また、回転開始部材としては、後述のスタートレバーを例示できる。また、「通常状態と負荷量が異なる変動状態」とは、回転停止部材を所定量押圧するのに必要な力を、(回転停止部材の押圧方向と逆方向に対して加えられる力を増すことで又は減少することで、)大きくする又は小さくすることを意味する。
【0011】
また、本発明の回胴式遊技機は、
前記負荷量変動手段は、前記内部当選役が成立している場合に負荷量を前記変動状態に変動させることを特徴としている。
【0012】
これにより、回転停止部材を所定量押圧操作するのに必要な負荷量の変動によって、内部当選役の成立を認識することができ、遊技興趣を向上させることができる。さらに、負荷量を複数段階に変動可能とし、内部当選役の種類に応じて負荷量を変更する場合には、遊技者は、回転停止部材を押圧操作した際の負荷量に基づいて、内部当選役の種類を認識することが可能となる。
【0013】
また、本発明の回胴式遊技機は、
前記回転停止部材が前記所定量押圧されたことを検出する押圧検出手段と、
前記押圧検出手段によって前記回転停止部材が前記所定量押圧されたことを検出された場合に、所定の演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴としている。
【0014】
これにより、回転停止部材による回胴の停止操作に影響を与えることなく、押圧検出手段が所定量押圧操作されたことを契機として演出を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
【0015】
また、本発明の回胴式遊技機は、
前記複数の回胴を停止させるための前記複数の回転停止部材の操作順序が、予め定められた操作順序と一致した場合に、遊技者に特典を付与するものであって、
前記負荷量変動手段は、前記複数の回転停止部材の操作順序が前記予め定められた操作順序と一致する前記回転停止部材の負荷量を前記通常状態とすることを特徴としている。
【0016】
これにより、回転停止部材の負荷量変動を用いた押し順ゲーム(遊技者の操作順序が予め定められた操作順序と一致した場合に特典を付与するゲーム)を行うことができるとともに、本発明ではタッチ検出手段の検出信号に基づいて回胴の停止操作を行っているので、回転停止部材の負荷量変動を利用した押し順ゲームを行う際に、回転停止部材による回胴の停止操作(回胴停止タイミング)に影響を与えることがない。
【0017】
具体的には、予め定められた操作順序と一致する回転停止部材に対応する負荷量を通常状態とし(例えば、右ボタンのみ通常状態とし、左・中ボタンを変動状態とする)、一致しない回転停止部材に対応する負荷量を変動状態とすることができる。遊技者は、押圧操作した回転停止部材の負荷量が通常と異なっていた場合には(変動状態)、操作順序(押し順)が予め定められた順序と異なっていたので特典を獲得できないことを認識し、負荷量が通常であった場合には(通常状態)、操作順序(押し順)が予め定められた順序と一致したので特典を獲得できることを認識することができる。
【0018】
尚、操作順序の設定は、1箇所のみであってもよいし、2箇所であってもよいし、3箇所(全箇所)であってもよい。また、1箇所又は2箇所とする場合には、1〜3番目の操作順序のうちどの順序に押し順ゲームを設定してもよい。例えば1箇所とする場合には、1番目に操作した回転停止部材が予め定められた所定の回転停止部材と一致するかを判定してもよいし、2番目又は3番目に操作した回転停止部材が予め定められた所定の回転停止部材と一致するかを判定してもよい。
【0019】
また、本発明の回胴式遊技機は、
前記複数の回胴を停止させるための前記複数の回転停止部材の操作順序が、予め定められた操作順序と一致した場合に、遊技者に特典を付与するものであって、
前記負荷量変動手段は、前記複数の回転停止部材の操作順序が前記予め定められた操作順序と一致する前記回転停止部材の負荷量を前記変動状態とすることを特徴としている。
【0020】
これにより、回転停止部材の負荷量変動を用いた押し順ゲーム(遊技者の操作順序が予め定められた操作順序と一致した場合に特典を付与するゲーム)を行うことができるとともに、本発明ではタッチ検出手段の検出信号に基づいて回胴の停止操作を行っているので、回転停止部材の負荷量変動を利用した押し順ゲームを行う際に、回転停止部材による回胴の停止操作(回胴停止タイミング)に影響を与えることがない。
【0021】
具体的に、予め定められた操作順序と一致する回転停止部材に対応する負荷量を変動状態とし(例えば、右ボタンのみ変動状態とし、左・中ボタンを通常状態とする)、一致しない回転停止部材に対応する負荷量を通常状態とすることができる。遊技者は、押圧操作した回転停止部材の負荷量が通常と異なっていた場合には(変動状態)、操作順序(押し順)が予め定められた順序と一致していたので特典を獲得できることを認識し、負荷量が通常であった場合には(通常状態)、操作順序(押し順)が予め定められた順序と一致しなかったので特典を獲得できないことを認識することができる。
【0022】
尚、操作順序の設定は、1箇所のみであってもよいし、2箇所であってもよいし、3箇所(全箇所)であってもよい。また、1箇所又は2箇所とする場合には、1〜3番目の操作順序のうちどの順序に設定してもよい。例えば1箇所とする場合には、1番目に操作した回転停止部材が予め定められた所定の回転停止部材と一致するかを判定してもよいし、2番目又は3番目に操作した回転停止部材が予め定められた所定の回転停止部材と一致するかを判定してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、回転停止部材を所定量押圧操作するのに必要な負荷量を変化させる遊技機において、遊技者による回転停止部材の停止操作(目押し操作)を阻害しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例の遊技機の正面図である。
【図2】図1の遊技機の前面扉を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】3つの回胴の外周面に表示された図柄の配列を示す説明図である。
【図4】回胴停止ボタンの断面図である。
【図5】回胴停止ボタンの平面図である。
【図6】遊技機の電気的構成を示す説明図である。
【図7】負荷決定テーブルを示す図表である。
【図8】図柄組合せラインを示す説明図である。
【図9】遊技機に設定されている各種の遊技役と、それら遊技役を成立させるための図柄組合せを例示した説明図である。
【図10】内部当選フラグおよび遊技状態フラグのデータ構造を例示した説明図である。
【図11】通常遊技用抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図12】遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図13】遊技状態設定処理を示すフローチャートである。
【図14】図柄停止処理を示すフローチャートである。
【図15】ボタン演出制御処理を示すフローチャートである。
【図16】第2実施例のミッション演出中の画面表示例を示す正面図である。
【図17】第2実施例の回胴停止処理を示すフローチャートである。
【図18】第2実施例のミッション演出制御処理を示すフローチャートである。
【図19】第3実施例の遊技状態の変遷を説明するための説明図である。
【図20】第3実施例の回胴停止処理を示すフローチャートである。
【図21】第3実施例のミッション演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】負荷決定テーブルの変形例を示す図表である。
【図23】負荷決定テーブルの変形例を示す図表である。
【図24】回胴停止ボタンの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施例)
以下、本発明を回胴式遊技機に適用した実施例について説明する。
【0026】
図1は、回胴式遊技機1(以下、単に「遊技機1」ともいう。)の正面図である。本明細書中において、「右」および「左」は、遊技機1の正面からみた位置関係を示している。
【0027】
図1に示すように、遊技機1は、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2と、遊技メダルを貸し出すためのメダル貸出装置4とが設けられている。前面扉2は、遊技の進行に応じた演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dと、遊技が行われる中段の領域の大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
【0028】
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカ14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカ14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
【0029】
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a、20b、20cが回転する様子を視認可能となっている。表示窓5の左方には、遊技メダルの投入枚数に応じて表示される投入枚数表示ランプ22が設けられ、表示窓5の右方には、演出内容を表示する中間ランプ23が設けられている。表示窓5の下方には、貯留されている遊技メダルの枚数を表示する貯留枚数表示器24と、遊技状態を表示する遊技状態表示器25と、遊技メダルの払出し枚数を表示する払出枚数表示器26が設けられている。
【0030】
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、クレジットとして貯留されている遊技メダルを1枚だけ投入するための一枚投入ボタン32と、貯留されている遊技メダルを3枚投入するための三枚投入ボタン34などが設けられている。一枚投入ボタン32と三枚投入ボタン34は、ベットボタンとして構成されている。遊技メダルの貯留とは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの枚数を記憶しておくこと(いわゆるクレジットのこと)をいう。
【0031】
操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a、20b、20cの回転を開始するためのスタートレバー36と、3つの回胴20a、20b、20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a、38b、38cなどが設けられている。
【0032】
ここで、スタートレバー36は本発明の「回転開始部材」に相当し、回胴停止ボタン38a、38b、38cは本発明の「回転停止部材」に相当する。
【0033】
また、操作部2mbには、上面に精算ボタン40が設けられ、前面に返却ボタン42が設けられている。ここで、精算ボタン40とは、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に操作するボタンである。また、返却ボタン42とは、投入した遊技メダルが遊技機1の内部で詰まった場合に、メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。
【0034】
前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
【0035】
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏面側上部には、サブ制御基板ユニット102が設けられており、その左右にはスピーカ14が取り付けられている。サブ制御基板ユニット102の内部には、後述するサブ制御基板220が格納されている。サブ制御基板220は、図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカ14などを用いて行われる各種演出の制御を司っている。
【0036】
前面扉2のほぼ中央には表示窓20が設けられており、遊技機1の前面側から回胴20a〜20cを視認可能となっている。前面扉2における表示窓20の下方には、後述する扉基板240が格納された扉基板ユニット104が設けられ、扉基板ユニット104の下方に、投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106や、遊技メダル払出口50に導くためのコインシュータ108などが取り付けられている。メダルセレクタ106は、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー36を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダルはメダルセレクタ106によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパー116内に投入され、規格を満たしていないメダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却されるようになっている。これに対して、スタートレバー36が操作された後に遊技メダルが投入された場合は、メダルセレクタ106内の通路が切り替わり、投入された遊技メダルはコインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却される。また、メダルセレクタ106の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルはメダルセンサによって検出され、検出信号が後述する主制御基板200に供給されるようになっている。
【0037】
筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a、20b、20cが設けられており、各回胴20a〜20cの外表面には、複数種類の図柄が表示されている。回胴20a〜20cの上方には、遊技全体の制御を司る主制御基板200(図4参照)が格納された主制御基板ユニット110と、各回胴を駆動するための回胴基板260(図4参照)が格納された回胴基板ユニット111が設けられている。回胴20a、20b、20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための電源基板280(図4参照)が格納された電源ユニット120などが搭載されている。メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。
【0038】
電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を投入するための電源スイッチ120sが設けられ、電源ユニット120の上面には、設定キースイッチ120kが設けられている。電源スイッチ120sをオフにした状態で、設定キースイッチ120kを「ON」位置にして電源スイッチ120sをオンにした場合には、遊技メダルの投入枚数に対する払出し枚数の割合である出玉率の設定変更が可能となる。出玉率は、予め複数段階の中から選択して設定される。遊技状態表示器25には現在の出玉率の設定内容が表示される。出玉率の設定変更は、筐体3内部に設けられた図示しない設定変更スイッチを押すことで行うことができ、設定変更スイッチを押す度に遊技状態表示器25に表示される出玉率の設定値が6段階(1〜6)で切り替わる。所望の設定値が遊技状態表示器25に表示されている際にスタートレバー36を操作することで、出玉率の設定値が遊技状態表示器25に表示されている出玉率に決定される。
【0039】
図3は、3つの回胴20a、20b、20cの外表面に表示された図柄の配列を示す説明図である。図3に示すように、各回胴20a〜20cには、いずれも21個の図柄が外表面に表示されている。いずれの回胴20a〜20cについても表示されている図柄の種類は同じであるが、図柄の配列順序は回胴20a〜20c毎に異なるように設定されている。
【0040】
図4は、回胴停止ボタン38a、38b、38cの断面図である。これらの回胴停止ボタン38a、38b、38cは、同一の構成を備え、バネ307の付勢力によって基準位置に付勢されている。そして、遊技者が押圧操作することで基準位置から下方に(奥方向に)移動するとともに、押圧を解くことで上方に(手前方向に)移動して基準位置に復帰する出没式の押しボタンとして構成されている。
【0041】
回胴停止ボタン38a、38b、38cは、遊技者が押圧操作するボタン本体部300を備えている。ボタン本体部300は、操作部2mbに設けられた開口部に挿入されており、遊技者が押圧操作することで操作部2mbに対して(奥方向に)移動する。ボタン本体部300の下部には、操作部2mbに対して固定された基部301が設けられている。基部301には、ボタン本体部300の内部に位置するようにLED302が設けられている。ボタン本体部300は、透光性を有する材料(例えば樹脂)から構成されており、LED302で発生した光を透過することができる。これにより、ボタン本体部300の上面からLED302で発生した光を視認することができる。
【0042】
ボタン本体部300の上面には、遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ303が設けられている。本実施例では、静電容量式のタッチセンサ303を用いている。図5はボタン本体部300の平面図であり、図5(a)と図5(b)は、タッチセンサ303の導通部303aの配線パターンがそれぞれ異なる具体例を示しており、図5(a)及び(b)における斜線部がタッチセンサ303の配置を表している。なお、タッチセンサ303が本発明の「タッチ検出手段」に相当している。
【0043】
図5(a)、図5(b)に示すように、ボタン本体部300の上面にタッチセンサ303の導通部303aが設けられている。図5(a)に示す例では、ボタン本体部300の上面において、周縁部と中央部とこれらの箇所を繋ぐようにタッチセンサ303の導通部303aが設けられている。そして周縁部と中央部に設けられた導通部303aの間(その他の部分)は、透光性の樹脂部(透光部300a)とされている。これにより、ボタン本体部の上面にタッチセンサ303を配置しない隙間部(透光部300a)を設けて、その部分からLED302の光を透過可能とすると共に、遊技者がボタンに接触した(押圧操作した)場合には確実にその接触(押圧操作)を検出できる構成としている。また、図5(b)に示す例では、ボタン本体部300の上面において、タッチセンサ303の導通部303aが螺旋状に設けられている。これにより、導通部303aが配置されない隙間部(透光部300a)も螺旋状に設けることができる。これにより、遊技者のボタンへの接触(押圧操作)を確実に検出できると共に、LED302の光を、ボタン本体部300の上面において、全体的に透過させることができる。図5(a)、図5(b)の構成では、タッチセンサ303の導通部303aがボタン本体部300の上面の一部に設けられている。このため、ボタン本体部300の上面でタッチセンサ303の導通部303aが設けられていない部位が、LED302の光を透過する透光部300aとして構成されている。
【0044】
図4に戻り、基部301には、ボタン本体部300が所定量押圧操作されたことを検出するための押圧検出センサ304が設けられている。ボタン本体部300の下部における押圧検出センサ304に対応する部位には、押圧検出センサ304に向かって突起部(被検知片)305が突出するように設けられている。本実施例の押圧検出センサ304は、発光素子と受光素子を備えるフォトセンサとして構成されている。そして、ボタン本体部300が所定量押圧操作された場合に、突起部(被検知片)305が押圧検出センサ304に到達し、突起部305によって発光素子からの光が遮断され、ボタン本体部300が押圧操作されたことを検出することができる。本実施例では、押圧検出センサ304によってボタン本体部300が押圧操作されたことが検出された場合に、所定のボタン演出を行うように構成されている。このボタン演出については後述する。なお、押圧検出センサ304が本発明の「押圧検出手段」に相当している。
【0045】
ボタン本体部300と基部301との間には、永久磁石306、バネ307、電磁石308が積層して設けられている。バネ307の一端側に永久磁石306が固定され、バネ307の他端側に電磁石308が固定されている。図4に示す例では、ボタン本体部300側に永久磁石306が設けられ、基部301側に電磁石308が設けられている。これらの永久磁石306、バネ307、電磁石308は、ボタン本体部300が遊技者に押圧操作される方向と反対方向に負荷(対抗力)を付与するとともに、負荷量を変動させるための負荷量変動部を構成している。この負荷量変動部(永久磁石306、バネ307、電磁石308)が本発明の「負荷量変動手段」に相当している。
【0046】
電磁石308は、励磁されることで磁気を発生し、永久磁石306との間に磁気反発力が発生する。このため、電磁石308を励磁していない場合は、バネ307の弾性力のみがボタン本体部300を押圧操作する場合に必要な負荷量となり(この状態が本発明の「通常状態」に相当する)、電磁石308を励磁した場合は、バネ307の弾性力と、永久磁石306および電磁石308との間に生じる磁気反発力の合力がボタン本体部300を押圧操作する場合の負荷量となる(この状態が本発明の「変動状態」に相当する)。このため、電磁石308を励磁した場合のボタン本体部300の負荷量は、電磁石308を励磁していない場合のボタン本体部300の負荷量より大きくなる。つまり、電磁石308の励磁状態を切り替えることで、ボタン本体部300の負荷量を調整することができる。なお、電磁石308の励磁は主制御基板200のCPU200cの制御処理によって行われる。
【0047】
永久磁石306、バネ307、電磁石308からなる負荷量変動部は複数設けられており、電磁石308を励磁する負荷量変動部106、107、108の数を変更することで、ボタン本体部300の負荷量を多段階に調整することができる。本実施例では、3組の負荷量変動部106、107、108が設けられている。このため、すべての負荷量変動部106、107、108で電磁石308を励磁しない場合には、3つのバネ106の弾性力のみがボタン本体部300の負荷量(この負荷量を「1」とする)となる。そして、1組の負荷量変動部106、107、108で電磁石308を励磁する場合には、3つのバネ106の弾性力と、1組の永久磁石306と電磁石308との間に生じる磁気反発力の合力がボタン本体部300の負荷量(この負荷量を「2」とする)となる。そして、2組の負荷量変動部106、107、108で電磁石308を励磁する場合には、3つのバネ106の弾性力と、2組の永久磁石306と電磁石308との間に生じる磁気反発力の合力がボタン本体部300の負荷量(この負荷量を「3」とする)となる。そして、3組の負荷量変動部106、107、108で電磁石308を励磁する場合には、3つのバネ106の弾性力と、3組の永久磁石306と電磁石308との間に生じる磁気反発力の合力がボタン本体部300の負荷量(この負荷量を「4」とする)となる。このように、本実施例の回胴停止ボタン38a〜38cでは、負荷量を4段階に調整することができる。本実施例では、後述する内部当選役の種類に応じて回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変化させるように構成されている。この点については後述する。
【0048】
図6は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図6に示すように、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280等がデータを通信可能に接続されて構成されている
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。この主制御基板200には、CPU200c、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基板240から、スタートレバー36が操作されたことを示す信号を受け取って、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を出力することにより、これら各種基板の動作を制御している。
【0049】
サブ制御基板220も、上述した主制御基板200と同様に、CPU220cや、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種のランプ類12や、各種のスピーカ14、114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。ここで回胴バックライト20Lとは、各回胴20a〜20cの内部に設けられて、回胴の表面に描かれた図柄を裏側から照らすライトである。サブ制御基板220は、主制御基板200から受け取った制御コマンドを解析して、各種ランプ類12、各種スピーカ14、114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を出力することにより、これらを用いた各種演出を行っている。
【0050】
扉基板240には、前述したメダルセレクタ106や、貯留されている遊技メダルを投入するための各種投入ボタン32、34、回胴の回転を開始するためのスタートレバー36、回転している回胴を停止させるための回胴停止ボタン38a、38b、38c、貯留されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン40、遊技の状態を表示する各種の表示パネル22などが接続されている。
【0051】
また、扉基板240は、前述した主制御基板200と、データを通信可能に接続されている。このため、前面扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a〜38c、各種の投入ボタン32、34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号を主制御基板200に供給することが可能となっている。また、メダルセレクタ106に設けられたメダルセンサの出力も、扉基板240を介して主制御基板200に供給されている。また、回胴停止ボタン38a、38b、38cのタッチセンサ303から、回胴停止ボタン38a、38b、38cが操作されたこと(回胴停止ボタン38a、38b、38cに触れたこと)を示すタッチ信号が扉基板240を介して主制御基板200に入力する。また、回胴停止ボタン38a、38b、38cの押圧検出センサ304から、回胴停止ボタン38a、38b、38cが所定量押圧操作されたこと(所定量押し込まれたこと)を示す押圧操作信号が扉基板240を介して主制御基板200に入力する。また、主制御基板200からの制御信号によって、回胴停止ボタン38a、38b、38cの電磁石308の励磁が行われる。
【0052】
回胴基板260には、3つの回胴20a〜20cをそれぞれ回転させるための回胴モータ24a、24b、24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a、26b、26cが設けられている。回胴基板260は、回胴センサ26a〜26cによって、各回胴20a〜20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a〜24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a〜20cを、所望の回転位置で停止させることが可能となっている。本実施例の遊技機1では、回胴モータ24a〜24cには、いわゆるステッピングモータが使用されている。
【0053】
また、メダル払出装置118は、図示しない中継基板を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。
【0054】
また、これら各種制御基板、および基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。電源基板280には100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板および基板に供給している。図6では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。
【0055】
次に、上記の構成を有する回胴式遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、回胴式遊技機で行われる遊技の概要を説明しておく。
【0056】
遊技開始にあたって、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、メダルのベットを行う。ベットする遊技メダル数は、通常、1枚または3枚に固定されている。遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、一枚投入ボタン32、あるいは三枚投入ボタン34を押すことにより、それぞれ1枚または3枚の遊技メダルをベットすることも可能である。
【0057】
遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a〜20cが一斉に回転を開始する。それぞれの回胴20a〜20cの外周面には複数の図柄が描かれているため、回胴20a〜20cが回転すると、これら図柄が変動表示されることになる。回胴20a〜20cの回転中に回胴停止ボタン38a〜38cを操作すると、操作されたボタン38a〜38cに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、変動表示されていた図柄がいずれかの図柄で停止表示される。回胴停止ボタン38a〜38cの操作は、タッチセンサ303のタッチ信号に基づいて検出される。このため、遊技者が回胴停止ボタン38a〜38cに触れることで、回胴停止ボタン38a〜38cの操作が検出され、操作されたボタン38a〜38cに対応する回胴20a〜20cが停止することになる。
【0058】
また、前面扉2の前面側には、それぞれの回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a〜38cが設けられている(図1参照)。このようにして、3つの回胴20a〜20cの回転を停止させると、それぞれの回胴でいずれかの図柄が停止表示される。回胴20a〜20cの停止は、主制御基板200のCPU200cが後述の回胴停止処理S107で行うように構成されている。
【0059】
本実施例では、遊技者に付与される遊技上の特典の種類に応じて回胴停止ボタン38a〜38cを押圧操作する際の負荷量を変化させるように構成されている。具体的には、後述する内部抽選処理で当選した場合に、内部当選役の種類に応じて回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変化させる。
【0060】
図7は、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を決定するための負荷決定テーブルである。図7に示すように、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量は、内部当選役と関連付けられている。図7に示すように、内部当選役がない場合は回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を「1」とし、内部当選役が再遊技役である場合は回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を「2」とし、内部当選役がRB役(レギュラーボーナス役)である場合は回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を「3」とし、内部当選役がBB役(ビッグボーナス役)である場合は回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を「4」としている。内部当選役の種類に応じて負荷量を変化させる回胴停止ボタン38a〜38cの種類や数は任意に設定できるが、本実施例では3つの回胴停止ボタン38a〜38cのすべての負荷量を調整するように構成されている。
【0061】
図7に示す内部当選役は、再遊技役<RB役<BB役の順に遊技者に有利な特典となっている。このため、本実施例では、遊技者に有利な内部当選役であるほど、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が大きくなるように調整される。これにより、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量に基づいて、遊技者は内部当選の有無を認識することができ、さらに内部当選役の種類を認識することができる。本実施例では、内部抽選処理で当選していない場合にも、ガセとして回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させることが行われる。回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量の調整(電磁石308の励磁)は、主制御基板200のCPU200cの制御によって行われる。
【0062】
また、本実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作された場合に、ボタン演出が行われるように構成されている。回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作されたことは、押圧検出センサ304の押圧操作信号に基づいて判断することができる。ボタン演出としては、例えば内部当選に対する信頼度を報知する演出を行うことができる。ボタン演出では、内部当選に対する信頼度を示唆することができればよく、例えば、演出表示装置10の画面で「内部当選の確率80%」といったメッセージを表示したり、演出表示装置10の画面で背景色を変化させたり、演出表示装置10の画面で特定のキャラクタを登場させたりすることができる。主制御基板200のCPU200cは、押圧検出センサ304から押圧操作信号を受信した場合に、サブ制御基板220にボタン演出指示信号を送信する。そして、ボタン演出指示信号を受信したサブ制御基板220のCPU220cの制御の下にボタン演出が実行される。このため、サブ制御基板220のCPU220cが本発明の「演出実行手段」に相当している。尚、回胴20a〜20cの回転中に回胴停止ボタン38a〜38cが押圧操作された場合、押圧検出センサ304の検出がなくともタッチセンサ303の検出があれば対応する回胴20a〜20cの回転を停止する。
【0063】
また、本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴20a〜20cあたり3つずつの図柄が表示される大きさに設定されている。このため、3つの回胴20a〜20cが停止表示されると、表示窓20には、縦横3列ずつ、合計9つの図柄が表示されるようになっている。これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の図柄組合せラインが予め設定されている。
【0064】
図8は、本実施例の遊技機1に設定されている図柄組合せラインを示す説明図である。図8に示すように、本実施例では、右斜め上向きの第1図柄組合せラインL1と、上段の第2図柄組合せラインL2と、中段の第3図柄組合せラインL3と、下段の第4図柄組合せラインL4と、右斜め下向きの第5図柄組合せラインL5からなる合計5本の図柄組合せラインが設定されている。遊技メダルを1枚だけベットした場合には中段の図柄組合せラインL3だけが有効になり、遊技メダルを3枚ベットした場合には5本全部の図柄組合せラインL1〜L5が有効になる。そして、3つの回胴20a〜20cが停止すると、有効な図柄組合せライン上には、何らかの図柄組合せが得られることとなる。なお、図8に示す例では、5種類の直線状の図柄組合せラインL1〜L5を設定したが、これに限らず、例えば、左回胴20aの上段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴20cの上段位置とを結ぶ図柄組合せラインや、左回胴20aの下段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴20cの下段位置とを結ぶ図柄組合せラインなどの非直線状の図柄組合せラインなどを加えて、より多種類の図柄組合せラインを設定しておくこともできる。
【0065】
そして、有効な図柄組合せライン上で揃った図柄組合せがいずれかの遊技役を成立させる図柄組合せだった場合には、成立した遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。図9は、本実施例の遊技機1に設定されている図柄組合せを示している。図9は、遊技役の種類に図柄組合せと付与される特典を対応付けて示した説明図である。図9では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄に遊技役を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄に遊技役が成立した場合に遊技者に付与される特典が表示されている。これらの図柄組合せは、主制御基板200に搭載されたROMに予め記憶されている。
【0066】
図9に示すように、遊技役は、ボーナス役と小役に大別できる。ボーナス役には、RB(レギュラーボーナス役)役とBB役(ビッグボーナス役)が設定され、小役には、ベルの小役、スイカの小役、チェリーの小役、再遊技役(リプレイ役)が設定されている。これらの遊技役の成立によって、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。特典の付与は、主制御基板200のCPU200cの制御によって行われる。
【0067】
RB役は、「バー」と呼ばれる図柄が各回胴で3つ整列する図柄組合せが対応付けられている。RB役の図柄組合せが有効ライン上に停止表示した場合には、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)の開始という特典が遊技者に付与される。RB遊技では、各小役の入賞が成立する確率が高くなるボーナス遊技が、所定回数の遊技(例えば12回)が行われるか、または小役の入賞が予め定められた上限回数だけ入賞(例えば8回入賞)が成立するまで実行される。
【0068】
BB役は、「赤セブン(赤色の7)」と呼ばれる図柄が各回胴で3つ整列する図柄組合せ、「青セブン(青色の7)」と呼ばれる図柄が各回胴で3つ整列する図柄組合せからなる2種類の図柄組合せが対応付けられており、いずれの図柄組合せが有効ライン上に停止表示した場合でも、ビッグボーナス遊技(BB遊技)の開始という特典が遊技者に付与される。BB遊技では、所定枚数(例えば465枚)の遊技メダルが払い出されるまで上述のRB遊技が複数回行われる。このように、BB役は、RB役よりも遊技者にとって更に有利な遊技状態であり、本実施例では最も大量のメダルを獲得可能な遊技状態であることから、遊技者にとって最も有利な特典といえる。
【0069】
ベルの小役は、左回胴20aの図柄が「赤セブン」、「青セブン」、「バー」のいずれかであり、中回胴20bと右回胴20cの図柄が「ベル」の図柄組合せの3種類が設定されている。左図柄20aが「赤セブン」の場合は「ベルAの小役」と呼び、左図柄20aが「青セブン」の場合は「ベルBの小役」と呼び、左図柄20aが「バー」の場合は「ベルCの小役」と呼ぶ。これらのベルの小役に対して遊技者に付与される特典として、通常遊技中とボーナス遊技中ともに15枚の遊技メダルが払い出される。
【0070】
スイカの小役は、3つの回胴20a〜20cのすべてが「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。スイカの小役に対する特典としては、通常遊技中には6枚の遊技メダルが払い出され、ボーナス遊技中には15枚の遊技メダルが払い出される。また、チェリーの小役は、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であり、中図柄20bおよび右図柄20cはどのような図柄の組合せであっても構わない図柄組合せが設定されている。チェリーの組合せに対しては、通常遊技中には2枚の遊技メダルが払い出され、ボーナス遊技中には15枚の遊技メダルが払い出される。
【0071】
再遊技役(リプレイ)は、3つの回胴20a〜20cがいずれも「再遊技」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。本実施例の遊技機1では、3つの回胴20a〜20cのすべてが「再遊技」の図柄で揃った図柄組合せが再遊技役として設定されている。再遊技役の図柄組合せが揃えば、再遊技役の入賞を成立させることができる。再遊技役に付与される特典としては、通常遊技中に新たな遊技メダルをベットすることなく、再度遊技を行う権利が付与される。つまり、再遊技役の入賞を成立させたときにベットしていた遊技メダルと同じ遊技メダルがベットされたものとしてもう一度遊技を行うことが可能となる。
【0072】
3つの回胴20a〜20cが停止したときに、図9に示すいずれの遊技役も成立しなかった場合は、再び1枚または3枚の遊技メダルをベットした後、スタートレバー36を操作して回胴20a〜20cを回転させることで、次のゲームを行う。本実施例の遊技機1では、こうした操作を繰り返すことによってゲームが進行するようになっている。
【0073】
図9で示したいずれの遊技役に当選するかは後述する内部抽選で決定される。内部抽選処理では、主制御基板200のCPU200cがスタートレバー36が操作されたタイミングで取得した内部抽選用乱数に応じて遊技役を内部的に抽選する。このため、主制御基板200のCPU200cが本発明の「抽選手段」に相当している。
【0074】
内部抽選用乱数とは、主制御基板200がスタートレバー操作信号を受け取ったときに取得する乱数である。本実施例の内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0〜65535の範囲の乱数値を取得することが可能となっている。内部抽選用乱数は、主制御基板200に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもでき、あるいは乱数発生用プログラムを用いてソフトウェア的に生成することもできる。
【0075】
ただし、内部抽選処理でいずれかの遊技役に当選したとしても、直ちに遊技役が成立するわけではなく、回胴停止ボタン38a〜38cを操作することにより、対応する図柄組合せを図柄組合せライン上に揃えなければ当選した遊技役を成立させることはできない。逆にどのようなタイミングで回胴停止ボタン38a〜38cを操作しても、内部抽選で当選した遊技役でなければ図柄組合せライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできない。このように内部抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役を成立させるための前提条件として内部的に行われる抽選となっている。内部抽選に当選した状態は、内部当選状態(または単に内部当選)であり、換言すれば遊技役の入賞(図柄組合せの成立)が許容された状態である。内部抽選でいずれの遊技役に内部当選したかは内部当選フラグに設定される。内部当選フラグとは、内部抽選の結果を保存しておくために用いられるフラグであり、主制御基板200のRAMの所定アドレスに設定されている。回胴停止ボタン38a〜38cの操作に起因する回胴20a〜20cの停止は、主制御基板200のCPU200cの制御によって行われる。このため、主制御基板200のCPU200cが本発明の「回胴停止手段」に相当している。
【0076】
図10は、本実施例の遊技機1で用いられるフラグのデータ構造を示している。図10に示すように、本実施例の遊技機1では、図10(a)に示す小役および再遊技役についての内部当選フラグ(小役当選フラグ)と、図10(b)に示すボーナス役についての内部当選フラグ(ボーナス役内部当選フラグ)とに分けて記憶されており、それぞれ1バイトずつのデータが割り当てられている。
【0077】
図10(a)に示すように、小役内部当選フラグに割り当てられた1バイトデータは、下位側の6ビットが内部当選フラグとして用いられている。これら下位側7ビットの内訳は、上位から順に、ベルAの小役、ベルBの小役、ベルCの小役、スイカの小役、チェリーの小役、再遊技役に対応するビットになっている。いずれかの小役に内部当選した場合には、対応するビットに「1」が設定される。
【0078】
また、図10(b)に示すように、BB役内部当選フラグに割り当てられた1バイトデータは、下位側の3ビットが内部当選フラグとして用いられている。これら3ビット中の先頭のビットは、上位から順に、赤7のBB役、青7のBB役、バーのRB役に対応するビットになっている。いずれかのボーナス役に内部当選した場合には、対応するビットに「1」が設定される。
【0079】
遊技役の内部抽選は、各遊技役に対して乱数範囲が設定された抽選テーブルを用いて行われる。抽選テーブルの内容は、遊技状態によって異なる。本実施例の遊技機1には、通常遊技、RB遊技(レギュラーボーナス遊技)、BB遊技(ビッグボーナス遊技)の3種類の遊技状態が設けられており、これらの遊技状態が切り替わりながら遊技が行われる。現在の遊技状態は、遊技状態フラグに設定されている。主制御基板200に搭載されたRAMの所定アドレスには、遊技状態フラグを設定するための1バイト分の領域が確保されている。
【0080】
図10(c)は、遊技状態フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。本実施例の遊技機1では、RAM上の所定アドレスの1バイトデータのうち、下位側の3ビットが遊技状態フラグとして用いられている。これら3ビットのうち最下位のビットがRBフラグに設定されている。このビットに「1」を設定すると、RB遊技フラグがONに設定された状態となる。また、BB遊技フラグは、最下位から2、3番目のビットに設定されており、このビットに「1」を設定すると、BB遊技フラグがONに設定された状態となる。本実施例では、BB役を成立させる図柄組合せ(赤7、青7)により2種類のBB遊技フラグが用意されている。
【0081】
ここで、遊技状態の切り替わりを説明する。遊技状態は、通常遊技からボーナス遊技に切り替わることができ、ボーナス遊技から通常遊技に切り替わることができるように設定されている。通常遊技とボーナス遊技との間の切り替えは、主制御基板200のCPU200cがROMに記憶されている抽選テーブルを選択することによって行われる。
【0082】
まず、通常遊技について説明する。遊技を開始した直後(RAMクリア処理等を行って遊技状態を初期状態にしたとき)は、図10(c)の遊技状態フラグはすべてのビットに「0」が設定される。したがって、遊技状態が最も一般的な遊技状態である通常遊技に設定されている。通常遊技状態では、通常遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図11(a)は通常遊技用抽選テーブルを示し、図11(b)は通常遊技用抽選テーブルに設定されている各遊技役と内部抽選用乱数の乱数範囲との対応関係を示している。図11(a)に示す通常遊技用の抽選テーブルでは、「ベルA+B+Cの小役」に対して0〜818の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲内にあった場合には、ベルA、ベルB及びベルCの小役に重複して内部当選することを表わしている。このように同じ範囲の乱数値に対して複数の遊技役が設定されている場合、これらの遊技役は重複役と呼ばれる。
【0083】
同様に、「ベルAの小役」には819〜1637、「ベルBの小役」には1638〜2456、「ベルCの小役」には2457〜3275、「スイカの小役」には3276〜3930、「チェリーの小役」には3931〜4368、「BB役(赤7)」には4369〜4568、「BB役(青7)」には4569〜4668、「BB役(バー)」には4669〜4768、「再遊技役」には4769〜13968のそれぞれの乱数値が設定されている。13969〜65535の乱数値には、いずれの遊技役も設定されておらず、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、「外れ」となる。また、本実施例では、通常遊技中に単独のベル小役(ベルA、ベルB、ベルCのいずれか)に内部当選したときに、この3種類のベル小役の何れに当選したか遊技者が認識できない構成としている(ベル小役内部当選を完全に報知しない)。したがって、単独のベル小役の何れかに内部当選したとしても、遊技者はいずれのベル小役を狙って回胴20を停止させればよいか分からないことから、入賞成立確率は1/3となる。
【0084】
次に、ボーナス遊技(BB遊技とRB遊技)について説明する。BB遊技では、BB遊技用抽選テーブル(図示せず)を用いて内部抽選が行われ、RB遊技では、RB遊技用抽選テーブル(図示せず)を用いて内部抽選が行われる。RB遊技用抽選テーブルとRB遊技用抽選テーブルは、他の抽選テーブルと比較して、重ねてBB役又はRB遊技に内部当選することを避けるために、BB役とRB役に対する乱数範囲が設定されていない点が異なっている。また、各小役の当選確率が他の通常遊技抽選テーブルと比較して非常に高く設定されており、それに伴い「ハズレ」の確率が低くなっている。したがって、BB遊技およびRB遊技では、ほとんど毎遊技で何らかの小役が入賞することができ、遊技者は短期間で多くのメダルを獲得することができる。
【0085】
また、本実施例の遊技機1では、通常遊技でBB役又はRB役に内部当選した状態において遊技が開始された場合に用いられる「内部当選状態用抽選テーブル」が設けられている(図示省略)。この内部当選状態用抽選テーブルでは、BB役又はRB役に重ねて内部当選することを避けるために、BB役およびRB役に対する乱数範囲が設定されていない。また、他の遊技役(小役等)に対する乱数値は通常遊技と同じに設定されている。このように本実施例の遊技機1には、遊技状態毎に専用の抽選テーブルが予め用意されている。
【0086】
本実施例の遊技機1では、BB遊技中は、BB遊技役の種類毎に複数設定された所定枚数(例えば465枚)の遊技メダルが払い出されるまで継続され、払出し枚数が所定枚数に達したら、通常遊技に切り替わる。
【0087】
遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。以下、主制御基板200が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について説明する。
【0088】
図12は、主制御基板200のCPU200cがROMに格納されたプログラムにしたがって遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が投入され、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのセキュリティチェックや、RAMのクリアなどの初期化処理が行われた後に実行される処理である。尚、後述するように複数の遊技状態を切り替えながら遊技を実行する処理は、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU200cが、以下に説明する遊技制御処理を実行することによって実現されている。
【0089】
図12に示すように、まず、遊技状態設定処理を行う(S100)。本実施例の遊技機1では、上述したボーナス遊技を含む複数種類の遊技状態が設定されており、遊技状態の種類によって、回胴20a〜20cの回転停止時の遊技役の成立しやすさや成立する遊技役の種類を切り替えることが行われている。このため、遊技状態設定処理では、こうした遊技状態を設定する処理を行う。
【0090】
以下、遊技状態設定処理について説明する。図13は、遊技状態設定処理を示すフローチャートである。主制御基板200が、図13に示す遊技状態設定処理を行い、ROMに記憶されている抽選テーブルを選択することによって、複数の遊技状態を切り替えている。
【0091】
まず、遊技状態フラグ(図10(c)参照)を参照して、BB遊技フラグがONに設定されているか否かを判定する(S200)。この結果、BB遊技フラグがONに設定されていると判定された場合には(S200:YES)、BB遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S201)。上述のように、BB遊技中に所定枚数(例えば465枚)の遊技メダルが払い出されると、BB遊技が終了するように設定されているので、S201ではBB遊技中に払い出された遊技メダルの枚数が所定枚数に達したか否かを判定する。この結果、BB遊技の終了条件が成立していないと判定された場合には(S201:NO)、BB遊技用抽選テーブル(図示せず)を選択し(S202)、BB遊技用の演出コマンドをサブ制御基板220に送信する(S203)。サブ制御基板220は、主制御基板200からBB遊技用の演出コマンドを受信すると、各種ランプ類12や各種スピーカ14、114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどを用いて、現在の遊技状態がBB遊技中であることを印象づけるような演出を行う。
【0092】
S201の判定処理で、BB遊技の終了条件が成立したと判定された場合には(S201:YES)、BB遊技フラグをOFFにする(S204)。これにより、遊技状態が通常遊技であることを示す状態になる。そして、S210の処理に移行する。
【0093】
S200の判定処理で、BB遊技フラグがOFFに設定されていると判定された場合には(S200:NO)、RB遊技フラグがONに設定されているか否かを判定する(S205)。この結果、RB遊技フラグがONに設定されていると判定された場合には(S205:YES)、RB遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S206)。前述のように、RB遊技の終了条件は、12回のゲームが行われるか、または小役の入賞が8回成立した場合に成立するので、いずれかのS206の判定処理では、12ゲーム終了したか、または小役の入賞が8回成立しかを判定すればよい。この結果、RB遊技の終了条件が成立していないと判定された場合には(S206:NO)、RB遊技用抽選テーブル(図示せず)を選択し(S207)、BB遊技用の演出コマンドをサブ制御基板220に送信する(S208)。サブ制御基板220は、主制御基板200からBB遊技用の演出コマンドを受信すると、各種ランプ類12や各種スピーカ14、114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどを用いて、現在の遊技状態がRB遊技中であることを印象づけるような演出を行う。
【0094】
S206の判定処理で、RB遊技の終了条件が成立したと判定された場合には(S206:YES)、RB遊技フラグをOFFにする(S209)。これにより、遊技状態が通常遊技であることを示す状態になる。そして、S210の処理に移行する。
【0095】
S205の判定処理で、RB遊技フラグがOFFに設定されていると判定された場合には(S205:NO)、BB遊技フラグ、RB遊技フラグがOFFに設定されているので、遊技状態は通常遊技である。このため、通常遊技用抽選テーブル(図11参照)を選択し(S210)、通常遊技用の演出コマンドをサブ制御基板220に向かって送信し(S211)、遊技状態設定処理を終了する。サブ制御基板220は、通常遊技用の演出コマンドを受け取ると、コマンドの内容に応じて各種ランプ類12や、各種スピーカ14、114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどを制御することにより、現在の遊技状態が通常遊技中であることを印象付けるような演出を行う。
【0096】
次に、図12に戻り、メダル投入確認処理を行う(S101)。メダル投入確認処理では、遊技メダル投入口30から遊技メダルが投入されたか否か、あるいは一枚投入ボタン32または三枚投入ボタン34が操作されたか否かを判定する。前述したように、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルは、メダルセレクタ106を通過する際にメダルセレクタ106内に設けられた図示しないメダルセンサによって検出され、その検出信号が主制御基板200に供給される。また、各種投入ボタン32、34を操作した場合には、その操作信号が主制御基板200に供給される。主制御基板200は、これらの信号に基づいて遊技メダルが投入されたか否かを判定する。そして、遊技メダルが投入されたら、遊技を開始可能な状態にする。各種投入ボタン32、34が操作された場合には、遊技メダルの貯留枚数から投入枚数を減算する処理も同時に行われる。遊技メダルの投入が確認できた場合には、スタートレバー36を操作することにより、いつでも遊技を開始することが可能となる。
【0097】
次に、精算ボタン40が操作されたか否かを判定する(S102)。すなわち、遊技メダルをベットした後であっても、スタートレバー36を操作して回胴20a〜20cを回転させる前であれば、ベットした遊技メダルも含めて精算可能となっている。S102の判定処理の結果、精算ボタンが操作されたと判定された場合には(S102:YES)、クレジットとして貯留されている遊技メダルおよび投入した遊技メダルを払い出す精算処理を行い(S103)、遊技状態設定処理S100に戻る。遊技メダルの払い出しは、主制御基板200からメダル払出装置118に対して、払い出すべき遊技メダルの枚数を指示する制御信号を出力することによって行われる。
【0098】
一方、S102の判定処理の結果、精算ボタンが操作されていないと判定された場合には(S102:NO)、スタートレバー36が操作されたか否かを判定する(S104)。スタートレバー36には、後述する検出センサが組み込まれており、スタートレバー36を操作すると、その動きを検出することが可能となっている。主制御基板200は、この検出センサの出力に基づいて、スタートレバー36が操作されたか否かを判定することができる。そして、スタートレバー36が操作されていないと判定された場合は(S104:NO)、S102に戻り、スタートレバー36が操作されるまで待機状態となる。
【0099】
一方、スタートレバー36が操作されたと判定された場合には(S104:YES)、内部抽選処理を行う(S105)。内部抽選処理では、スタートレバー36が操作されたタイミングで内部抽選用の乱数を1つ取得し、取得した乱数に応じて、図9で示した遊技役を内部的に抽選する処理を行う。内部抽選処理では、スタートレバー36が操作されたことを検出して内部抽選用乱数を取得し、遊技状態に応じた抽選テーブルを用いて、いずれかの遊技役に内部当選したか、若しくはいずれの遊技役にも内部当選しなかったかを判定する。そして、いずれかの遊技役に内部当選した場合には、当選した遊技役の内部当選フラグ(図10(a)(b)参照)に対応するビットに「1」を設定する。
【0100】
また、主制御基板200は、内部抽選処理にて内部当選役が決定したとき、内部当選結果を示す当選役情報をサブ制御基板220に送信している。この内部当選結果を示す当選役情報には、どの遊技役に内部当選したかの情報も含まれている。そして、当選役情報を受け取ったサブ制御基板220は、当選役情報に基づいて様々な演出処理を実行する。
【0101】
次に、回胴回転始動処理を行う(S106)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満足されているか否かを判定し、所定条件が満たされている場合は、3つの回胴20a〜20cを回転させる処理を行う。本実施例の回胴回転始動処理では、スタートレバー36が操作され、かつ、前回に回胴20a〜20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)経過した場合に回胴の回転を開始することとして、各回胴20a〜20cにそれぞれ設けられた回胴モータ24a〜24cに対して駆動信号を出力することにより、3つの回胴20a〜20cを回転させる。
【0102】
次に、回胴20a〜20cの回転を停止させる回胴停止処理を行う(S107)。ここで、回胴停止処理(S107)を図14のフローチャートに基づいて説明する。
【0103】
まず、すべての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達したか否かを判定する(S300)。この結果、すべての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達していないと判定された場合には(S300:NO)、すべての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達するまで待機状態となる。一方、すべての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達したと判定された場合には(S300:YES)、上述のS105の処理で内部当選しているか否かを判定する(S301)。
【0104】
この結果、内部当選していると判定された場合には(S301:YES)、図7に示す負荷決定テーブルを用い、内部当選役に応じて回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させる(S302)。S302の処理では、励磁する電磁石308の数を調整することで、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させる。一方、内部当選していないと判定された場合には(S301:NO)、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を調整するか否かを判定する(S303)。この判定処理は、例えば乱数抽選によって行うことができる。
【0105】
この結果、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を調整しないと判定された場合には(S303:NO)、後述のS304の処理に移行する。一方、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を調整すると判定された場合には(S303:YES)、図7に示す負荷決定テーブルを用い、内部当選役に応じて回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させる(S302)。
【0106】
次に、回胴停止ボタン38a〜38cの操作を有効化する(S304)。そして、回胴停止ボタン38a〜38cのタッチセンサ303からのタッチ信号に基づいて、回胴停止ボタン38a〜38cの操作が行われたか否かを判定する(S305)。この結果、回胴停止ボタン38a〜38cの操作が行われていないと判定された場合には(S305:NO)、回胴停止ボタン38a〜38cの操作が行われるまで待機状態となる。一方、回胴停止ボタン38a〜38cの操作が行われたと判定された場合には(S305:YES)、操作された回胴停止ボタン38a〜38cを停止させる(S306)。S306の処理では、主制御基板200は、回胴停止ボタン38a〜38cのタッチセンサ303からのタッチ信号に基づいて、各回胴停止ボタン38a〜38cが操作された時の各回胴20a〜20cの回転位置を検出し、検出結果に基づいて各回胴20a〜20cの停止位置を決定し、決定した位置で回胴20a〜20cを停止させる制御を行う。そして、操作された回胴停止ボタン38a〜38cの操作を無効化する。
【0107】
各回胴20a〜20cの停止位置を決定する際には、内部抽選処理S105の結果が参照され、いずれの遊技役にも内部当選していない場合には、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a〜38cが操作されても、遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されないように、回胴20a〜20cの停止位置が決定される。一方、ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタイミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されるように、各回胴20a〜20cの停止位置が決定されるようになっている。なお、遊技役を成立させる図柄組合せは、図8に示すL1〜L5のいずれかの図柄組合せライン上に停止表示されるが、どの図柄組合せライン上に停止表示されるかは、回胴停止ボタン38a〜38cの操作タイミング等によりその都度異なる。
【0108】
次に、押圧検出センサ304からの押圧操作信号に基づいて、回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作されたか否かを判定する(S307)。この結果、回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作されていないと判定された場合には(S307:NO)、後述のS307の処理に移行する。一方、回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作されたと判定された場合には(S307:YES)、サブ制御基板220に押圧操作信号を送信する(S308)。
【0109】
次に、操作された回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動されているか否か(電磁石308が励磁されているか否か)を判定する(S309)。この結果、負荷量が変動されていない(電磁石308が励磁されていない)と判定された場合には(S309:NO)、S311の処理に移行する。一方、負荷量が変動されている(電磁石308が励磁されている)と判定された場合には(S309:YES)、操作された回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を終了する(S310)。
【0110】
次に、すべての回胴20a〜20cが停止したか否かを判定する(S311)。この結果、停止していない回胴20a〜20cがあると判定された場合には(S311:NO)、上述のS305の判定処理に移行する。一方、すべての回胴20a〜20cが停止したと判定された場合には(S311:YES)、回胴停止処理を終了する。
【0111】
次に、図12に戻り、いずれかの遊技役の入賞が成立したか否かを判定する(S111)。ここで、「遊技役の入賞が成立する」とは、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せが、有効な図柄組合せライン上に揃って表示されることをいう。前述したように、本実施例の遊技機1では、内部抽選処理S105でいずれかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a〜38cを押すタイミングによっては、その遊技役に対応する図柄組合せが有効な図柄組合せライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判定する。
【0112】
そして、いずれの遊技役の入賞も成立していないと判定された場合は(S111:NO)、その遊技は終了となり、遊技制御処理の先頭に戻って遊技状態設定処理S100が行われる。なお、本実施の遊技機1では、前述した内部抽選処理S105でボーナス役(BB役又はRB役)に当選した場合において、有効な入賞ライン上にボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示されず、ボーナス役の入賞が成立しなかったときに限り、ボーナス役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降も「ボーナス役」の内部当選フラグがセットされている状態で遊技が行われる。これに対して、他の遊技役(「小役」や「再遊技役」)に内部当選した場合は、有効な入賞ライン上に当選役に対応する図柄組合せを停止表示させることができなければ、その内部当選は次遊技以降に持ち越されることなくリセットされる。
【0113】
一方、いずれかの遊技役の入賞が成立したと判定された場合は(S111:YES)、入賞の成立した遊技役が再遊技役であるか否かを判定する(S112)。そして、再遊技役に入賞していた場合は(S112:YES)、再遊技フラグをONに設定する(S113)。ここで、再遊技フラグとは、再遊技役に入賞したことを記憶しておくためのフラグである。この再遊技フラグがONにセットされていると、次回の遊技のメダル投入確認処理S102において、再遊技役に入賞した遊技で投入されていた枚数の遊技メダルが自動的に再投入される。
【0114】
S112の判定処理で、入賞した遊技役が再遊技役でないと判定された場合には(S112:NO)、入賞した遊技役がBB役か否かを判定する(S114)。この結果、BB役に入賞したと判定された場合には(S114:YES)、BB遊技フラグをONに設定する(S115)。
【0115】
一方、BB役に入賞していないと判定された場合は(S115:NO)、入賞した遊技役がRB役か否かを判定する(S116)。この結果、RB役に入賞したと判定された場合には(S116:YES)、RB遊技フラグをONに設定する(S117)。一方、RB役に入賞していないと判定された場合は(S115:NO)、いずれかの小役に入賞したものと判断できるので、入賞した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出す処理を行う(S118)。入賞した遊技役がベルの小役であれば、15枚の遊技メダルを払い出し、スイカの小役であれば6枚の遊技メダルを、そしてチェリーの小役であれば、2枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。遊技メダルの払出し処理は、主制御基板200の内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を決定した後、主制御基板200からメダル払出装置118に対して制御信号を出力することによって行われる。こうして遊技メダルを払い出したら、遊技制御処理の先頭に戻って、新たな遊技を開始する。
【0116】
以上のS100〜S118の処理を繰り返すことで、遊技メダルを投入し、スタートレバー36を操作すると、回胴20a〜20cの回転が開始され、回胴停止ボタン38a〜38cを押して回胴が停止したときに遊技役の入賞が成立しているか否かによって遊技メダルが払い出されるという遊技を繰り返し行うことができる。本実施例の遊技機1では、複数の遊技状態が設けられており、いずれの遊技状態であるかに応じて、遊技役の入賞し易さや入賞する遊技役の種類を切り替えることによって、遊技の印象を大きく異ならせることができる。この遊技状態を切り替えるための処理は、遊技制御処理の先頭で行われる遊技状態設定処理S100において行われる。
【0117】
次に、サブ制御基板220によるボタン演出制御処理について図15に基づいて説明する。図15は、サブ制御基板220のCPU220cが実行するボタン演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0118】
まず、S308で主制御基板200が送信するボタン演出指示信号を受信したか否か(回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作されたか否か)を判定する(S400)。この結果、ボタン演出指示信号を受信していない(回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作されていない)と判定された場合には(S400:NO)、ボタン演出制御処理を終了する。一方、ボタン演出指示信号を受信している(回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作された)と判定された場合には(S400:YES)、ボタン演出を実行する(S401)。ボタン演出では、演出表示装置10の画面を用いて、内部当選の信頼度を示唆する演出が行われる。
【0119】
以上説明した本実施例によれば、回胴停止ボタン38a〜38cは、永久磁石306、バネ307、電磁石308からなる負荷量変動部を備えており、回胴停止ボタン38a〜38cを押圧操作する際の負荷量を変更することができる。これにより、内部当選役に応じて回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させ、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動に基づいて内部当選役の成立を把握でき、遊技興趣を向上させることができる。本実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量の大きさを複数段階に変更可能とし、内部当選役の種類に応じて回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変更しているので、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量に基づいて、内部当選役の種類を認識することが可能となる。特に本実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が大きいほど、遊技者に有利な内部当選役であることを認識することが可能となる。
【0120】
また、本実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cは、遊技者が回胴停止ボタン38a〜38cに触れたことを検出するタッチセンサ303を備えており、タッチセンサ303のタッチ信号に基づいて、回胴停止ボタン38a〜38cが操作されたことを検出できる。このため、遊技者が回胴停止ボタン38a〜38cに触れたことを契機として、回胴20a〜20cを停止させることができる。つまり、回胴停止ボタン38a〜38cを押圧操作することなく、回胴停止ボタン38a〜38cに触れることで、回胴20a〜20cを停止させることができるので、負荷量変動部306、307、308による負荷量調整に影響されることなく、回胴20a〜20cの停止操作を行うことができる。これにより、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を自由に調整できる構成において、遊技者が所定の図柄を狙って回胴20a〜20cを停止操作した際に、例え負荷量が通常状態から変動していたとしても、回胴の停止タイミングが遊技者の狙いからずれることがない(目押し操作を妨げない)。このため、小役の内部当選が発生したような場合に、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動したことに起因して、内部当選した小役の取りこぼしが発生することを防止できる。
【0121】
また、本実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧操作されたことを検出する押圧検出センサ304を備えており、押圧検出センサ304の押圧操作信号に基づいて、ボタン演出を実行するように構成されている。これにより、回胴停止ボタン38a〜38cによる回胴20a〜20cの停止操作に影響を与えることなく、押圧検出センサ304が所定量押圧操作されたことを契機として演出を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
【0122】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例を図16〜図18に基づいて説明する。以下、上記第1実施例と異なる部分について説明する。
【0123】
本実施例の遊技機1では、遊技中にミッション演出が行われるように構成されている。ミッション演出では、所定内容のミッションが提示され、そのミッションの内容が達成された場合に、遊技者に特典が付与されるように構成されている。ミッション演出は、サブ制御基板220のCPU220cの制御によって実行される。また、本実施例では、押圧検出センサ304によって回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧されたことが検出された場合であっても、ボタン演出が実行されないように構成されている。
【0124】
図16は、ミッション演出中の演出表示装置10の画面表示例である。図16に示す例では、ミッションとして「5ゲーム以内に左の停止ボタンの負荷量が変化すれば大当り」が表示される。このように、本実施例のミッション演出では、所定期間内に特定の回胴停止ボタン38a〜38c(本実施例では左の回胴停止ボタン38a)の負荷量が変動することをミッションの内容としている。そして、ミッション内容が達成された場合には、「大当りの発生(ボーナス役の内部当選)」という特典が遊技者に付与される。上記第1実施例では、図7で示した負荷決定テーブルに基づいて、すべての回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させたが、本第2実施例ではボーナス役が内部当選した場合に左の回胴停止ボタン38aの負荷量のみを変動させている。
【0125】
本実施例では、ボーナス役の内部当選の有無に関わらずミッション演出が実行開始される。そして、ミッション演出の実行中にボーナス役の内部当選が発生した場合にミッションが達成され、ミッション演出の実行中にボーナス役の内部当選が発生しなかった場合にミッションが失敗となるように構成されている。
【0126】
図17は、本第2実施例の回胴停止処理を示すフローチャートであり、上記第1実施例の図14に対応している。
【0127】
図17に示すように、本第2実施例では、S300の判定処理で、回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達したと判定された場合には(S300:YES)、ボーナス役に内部当選しているか否かを判定する(S312)。この結果、ボーナス役に内部当選していないと判定された場合には(S312:NO)、S304の処理に移行する。一方、ボーナス役に内部当選していると判定された場合には(S312:YES)、左の回胴停止ボタン38aの負荷量を変動させ(S313)、S304の処理に移行する。S304〜S309の処理は、上記第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0128】
次に、S309の判定処理で、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動されていると判定された場合に(S309:YES)、操作された回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を終了し(S310)、さらにサブ制御基板220に、操作された回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動されていたことを示す負荷量変動信号を送信する(S314)。本実施例では、S313の処理で、左の回胴停止ボタン38aの負荷量を変動させているので、負荷量変動信号は左の回胴停止ボタン38aの負荷量が変動したことを示すこととなる。
【0129】
次に、サブ制御基板220によるミッション演出制御処理について図18に基づいて説明する。図18は、サブ制御基板220のCPU220cが実行するミッション演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0130】
図18に示すように、まず、ミッション演出を実行するか否かを判定する(S400)。この結果、ミッション演出を実行しないと判定された場合には(S400:NO)、ミッション演出実行処理を終了する。一方、ミッション演出を実行すると判定された場合には(S400:YES)、演出表示装置10の画面に達成すべきミッションを表示してミッション演出の実行を開始する(S401)。本実施例では、図16に示すように、「5ゲーム以内に左の停止ボタンの負荷量が変化すること」がミッションの内容となっている。また、ミッションの内容は、「左の回胴停止ボタンの負荷量を変化させること」に限らず、「所定の回胴停止ボタン(左、中、又は右)の負荷量を変化させること」又は「複数の回胴停止ボタン(2個又は3個や、左と右、中と右又は左と中等)の負荷量を変化させること」であってもよい。
【0131】
次に、ミッションが達成されたか否かを判定する(S402)。S402の判定処理では、S312の処理(図17)で主制御基板200から送信される負荷量変動信号を受信したか否かが判定される。この結果、ミッションが達成されたと判定された場合には(S402:YES)、演出表示装置10の画面でミッションが達成されたことを報知するミッション達成表示を行う(S403)。
【0132】
一方、ミッションが達成されていないと判定された場合には(S402:NO)、ミッション終了条件が成立したか否かを判定する(S404)。本実施例では、ミッション演出を実行開始してから左の回胴停止ボタン38aの負荷量が変動することなく5ゲームが終了した場合に、ミッション終了条件が成立する。このため、S404の判定処理では、ミッション演出を実行開始してから5ゲームが終了したか否かを判定する。
【0133】
この結果、ミッション終了条件が成立していないと判定された場合には(S404:NO)、S402の判定処理に戻る。これにより、ミッション演出が継続される。一方、ミッション終了条件が成立したと判定された場合には(S404:YES)、演出表示装置10の画面でミッションが失敗したことを報知するミッション演出終了表示を行う(S405)。
【0134】
以上説明した本第2実施例によれば、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を利用したミッション演出を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。また、タッチセンサ303のタッチ信号に基づいて回胴20a〜20cの停止操作を行っているので、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を利用したミッション演出を行う際に、回胴停止ボタン38a〜38cによる回胴20a〜20cの停止操作に影響を与えることない。
【0135】
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例を図19〜図21に基づいて説明する。以下、上記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【0136】
図19は、本第3実施例の遊技状態の変遷を説明するための説明図である。図19に示すように、本実施例では、通常遊技中に回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を用いた押し順ゲームに正解することによって、通常状態より遊技者に有利な特典が付与される。この押し順ゲームは、スタートレバーの操作に基づいて、所定の確率で発生される。押し順ゲームとは、遊技者が、回胴停止ボタン38a〜38cを予め定められた通りに操作するかどうかを判定するものである。そして、押し順ゲームが発生した際に、遊技者が予め定められた通り(停止順序通り)に、回胴停止ボタン38a〜38cを操作できた場合には、「通常状態より遊技者に有利な特典」が発生する。尚、遊技者の操作順序が、予め定められた停止順序と一致しなかった場合には、「通常状態より遊技者に有利な特典」は付与されない。
【0137】
本実施例では、「通常状態より遊技者に有利な特典」として、内部当選した小役を獲得可能な回胴停止ボタン38a〜38cの操作順序を報知するAT遊技(アシストタイム遊技)が開始される。AT遊技とは具体的に次のような遊技である。回胴停止ボタンの操作順序が予め定められた通りに押された場合に、複数の回胴を、内部当選役(例えば、小役、ベル、スイカ等)に係る図柄組合せが成立する態様で停止させ、当該停止表示された図柄組合せ(一図柄の場合も含む)に応じた遊技メダルを付与可能な状態がある。この様な状態にあるときに、AT遊技中であれば、この予め定められた操作順序が遊技者に報知される。従って、遊技者は報知された操作順序に従って回胴停止ボタン38a〜38cを操作しさえすれば、内部当選役に係る賞態様を獲得する(遊技メダルの払出しをうける)ことができる。AT遊技中でなければ、予め定められた操作順序は報知されないので、偶然、予め定められた操作順序と遊技者の選択した操作順序とが一致した場合には、内部当選役に係る賞態様(遊技メダル)を獲得することができるものの、多くの場合は操作順序が一致せず(一致する可能性より一致しない可能性の方が高い)、内部当選役に係る賞態様を獲得できない。すなわち取りこぼしとなる。また、「通常状態より遊技者に有利な特典」として、AT遊技以外に、ART遊技又はRT遊技としてもよい。ART遊技では、前述のAT遊技に加え、再遊技役(リプレイ)が成立する確率が通常状態よりも高確率となっており、遊技メダルの減少が抑えられる状態となっている。またRT遊技では、再遊技役(リプレイ)が成立する確率が通常状態よりも高確率となっており、遊技メダルの減少が抑えられる状態となっている。
【0138】
なお、本実施例では、内部当選役の成立とは関係なく、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させるように構成されている。また、本実施例では、押圧検出センサ304によって回胴停止ボタン38a〜38cが所定量押圧されたことが検出された場合であっても、ボタン演出が実行されないように構成されている。
【0139】
押し順ゲームでは、回胴停止ボタン38a〜38cの停止操作に先立って、複数の回胴停止ボタン38a〜38cの押し順を予め設定し、この押し順に従って回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を順番に変動させ、負荷量の変動順(予め設定した押し順)と実際の回胴停止ボタン38a〜38cの押し順が一致するか否かによって行われる。具体的には、3つの回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を、例えば「左ボタン→中ボタン→右ボタン」のように順番に変動させ、遊技者による回胴停止ボタン38a〜38cの押し順がボタンの負荷量の変動順と一致すれば、押し順ゲームに正解したことになる。つまり、回胴停止ボタン38a〜38cを順番に押圧操作する際に、すべての回胴停止ボタン38a〜38cで負荷量が変動していれば、押し順ゲームに正解したことになる。遊技者による回胴停止ボタン38a〜38cの押し順がボタンの負荷量の変動順と一致したか否かの判定は、主制御基板200のCPU200cの制御によって行われる。
【0140】
そして、押し順ゲームに正解することで、AT遊技に移行する(遊技者に特典が付与される)。AT遊技では、上述した様な、押し順を報知することにより、遊技者が当該報知された押し順に従って回胴停止ボタンを操作しさえすれば内部当選した役(小役、ベル)を獲得できる状態とされる。その他、AT遊技として、以下の態様も例示できる。
【0141】
通常遊技用抽選テーブル(図11参照)を用いて内部抽選が行われるとともに、単独のベル小役の種類(ベルA、ベルB、ベルCのいずれか)を特定したベル小役の内部当選の報知(内部当選役報知処理)が行われる。すなわち、AT遊技中に複数種類の小役(ベルA、ベルB、ベルC)の小役のいずれかに内部当選した場合には、主制御基板200から内部当選を示す制御コマンドがサブ制御基板220に送信され、サブ制御基板220のCPU220cはコマンドを受け取ると、各種ランプ類12や演出表示装置10等を用いて、内部当選した小役(特定ベル小役)を特定するための情報(色や形状など)の報知が行われる。従って、遊技者は、報知された特定小役を狙って回胴を停止させれば、内部当選した小役を獲得することができる。この特定ベル小役の報知では、内部当選したベル小役の種類が特定されるので、遊技者は、通常遊技(内部当選役報知処理未作動時)には比較的成立し難いベル小役の入賞を容易に成立させることが可能になる。このベル小役の報知により、AT遊技中は、通常遊技中に比べて遊技者はあまり遊技メダルを減らすことなく(場合によっては少しずつ遊技メダルを増やしながら)、ボーナス役の入賞を狙って遊技を続けることが可能である。したがって、AT遊技は、通常遊技中に比べて遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、AT遊技はサブ制御基板220のCPU220cの制御によって行われる。
【0142】
ベル小役の内部当選報知は、所定のベル小役報知期間だけ行われ、所定のベル小役報知期間にボーナス役に当選した場合はボーナス遊技に移行し、ボーナス役に当選することなく所定のベル小役報知期間が経過した場合には、通常遊技に移行する。AT遊技が実行される「ベル小役報知期間」は、所定ゲーム数(例えば5ゲーム)に設定されている。
【0143】
図20は、本第3実施例の回胴停止処理を示すフローチャートであり、上記第1実施例の図14に対応している。
【0144】
図14に示すように、本第3実施例では、回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達したと判定された場合には(S300:YES)、回胴停止ボタン38a〜38cの操作を有効化する(S304)。
【0145】
次に、押し順ゲームを行うか否かを判定する(S315)。この結果、押し順ゲームを行わないと判定された場合には(S315:NO)、S305の処理に移行する。一方、押し順ゲームを行うと判定された場合には(S315:YES)、回胴停止ボタン38a〜38cの押し順を決定し(S316)、押し順ゲームを行うことを示す押し順フラグをONにセットし(S317)、サブ制御基板220に押し順ゲームを開始することを示す押し順開始信号を送信する(S318)。
【0146】
次に、押し順フラグがONにセットされているか否かを判定する(S319)。この結果、押し順フラグがONにセットされていないと判定された場合には(S319:NO)、S305の処理に移行する。一方、押し順フラグがONにセットされていると判定された場合には(S319:YES)、S316の処理で決定された押し順に従って、対象となる回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動する(S320)。
【0147】
次に、回胴停止ボタン38a〜38cが操作された場合に(S305:YES)、操作された回胴停止ボタン38a〜38cを停止させる(S306)。
【0148】
次に、押し順フラグがONにセットされているか否かを判定する(S321)。この結果、押し順フラグがONにセットされていないと判定された場合には(S321:NO)、S311の処理に移行する。一方、押し順フラグがONにセットされていると判定された場合には(S321:YES)、押し順が正解か否かを判定する(S322)。S322の判定処理では、操作された回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動されていた場合に、押し順が正解と判定される。
【0149】
S322の判定処理の結果、押し順が正解と判定された場合には(S322:YES)、サブ制御基板220に押し順正解信号を送信する(S323)。押し順正解信号には、停止操作された回胴停止ボタン38a〜38cの種類を特定する情報が含まれている。一方、押し順が正解でないと判定された場合には(S322:NO)、サブ制御基板220に押し順失敗信号を送信し(S324)、押し順フラグをOFFにセットする(S325)。
【0150】
そして、すべての回胴20a〜20cが停止するまで、S319〜S325の処理を繰り返し行い、すべての回胴20a〜20cが停止したと判定された場合には(S311:YES)、押し順フラグがONに設定されているか否かを判定する(S326)。この結果、押し順フラグがONに設定されていないと判定された場合には(S326:NO)、回胴停止処理を終了する。一方、押し順フラグがONに設定されていると判定された場合には(S326:YES)、サブ制御基板220に押し順終了信号を送信し(S327)、押し順フラグをOFFにセットし(S328)、回胴停止処理を終了する。
【0151】
次に、サブ制御基板220による押し順演出制御処理について図21に基づいて説明する。図21は、サブ制御基板220のCPU220cが実行するミッション演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0152】
まず、S318の処理(図20)で主制御基板200から送信される押し順開始信号を受信したか否かを判定する(S500)。この結果、押し順開始信号を受信していないと判定された場合には(S500:NO)、押し順演出制御処理を終了する。一方、押し順開始信号を受信したと判定された場合には(S500:YES)、演出表示装置10の画面に押し順ゲーム開始画面を表示する(S501)。押し順ゲーム開始画面では、例えば3つの回胴停止ボタン38a〜38cに対応して「?・?・?」と表示することで、押し順ゲームが開始することを報知することができる。
【0153】
次に、S323またはS324の処理(図20)で主制御基板200から送信される押し順正解信号または押し順失敗信号を受信したか否かを判定する(S502)。この結果、押し順正解信号または押し順失敗信号を受信していないと判定された場合には(S502:NO)、受信するまで待機状態となる。一方、押し順正解信号または押し順失敗信号を受信したと判定された場合には(S502:YES)、受信した信号が押し順正解信号であるか否かを判定する(S503)。
【0154】
この結果、押し順正解信号でないと判定された場合には(S503:NO)、演出表示装置10の画面に押し順ゲームを終了することを示す押し順ゲーム終了画面を表示する(S504)。一方、押し順正解信号であると判定された場合には(S503:YES)、演出表示装置10の画面に押し順ゲームに正解したことを示す押し順ゲーム正解画面を表示する(S505)。押し順ゲーム正解画面では、例えば演出表示装置10の画面で表示されている「?・?・?」において、停止操作された回胴停止ボタン38a〜38cに対応する「?」の部分を「○」に変更して表示すればよい。
【0155】
次に、S327の処理(図20)で主制御基板200が送信する押し順終了信号を受信したか否かを判定する(S506)。この結果、押し順終了信号を受信していないと判定された場合には(S506:NO)、S502の処理に戻る。一方、押し順終了信号を受信したと判定された場合には(S506:YES)、演出表示装置10の画面に押し順ゲームが終了することを示す押し順終了画面を表示する(S507)。そして、AT遊技を実行する(S508)。
【0156】
以上説明した第3実施例によれば、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を用いた押し順ゲームを行うことができる。また、タッチセンサ303のタッチ信号に基づいて回胴20a〜20cの停止操作を行っているので、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を利用した押し順ゲームを行う際に、回胴停止ボタン38a〜38cによる回胴20a〜20cの停止操作に影響を与えることない(遊技者が狙った回胴の停止タイミングがずれることがない)。
【0157】
また、回胴停止ボタン38〜38cを所定量押圧操作した場合に回胴停止ボタン38〜38cが操作されたことを検出する構成の場合には、回胴停止ボタン38a〜38cの押圧量を所定量に満たないように押圧操作(いわゆる半押し)することで、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動の有無を把握することができる。この場合、回胴停止ボタン38〜38cの操作を検出されることなく、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動有無を把握して、不正に押し順ゲームに正解することができる。これに対し、本実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cに触れることでタッチセンサ303により回胴停止ボタン38〜38cが操作されたことを検出するように構成されている。このため、回胴停止ボタン38〜38cの操作を検出されることなく、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動有無を把握することは不可能であり、回胴停止ボタン38a〜38cを半押しして不正に押し順ゲームに正解することを防止できる。
【0158】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0159】
例えば、上記第1実施例では、図7で示したように遊技役の種類に応じて回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量の大きさを複数段階に設定し、遊技者に有利な内部当選役であるほど、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が大きくなるように設定したが、これに限らず、遊技者に有利な内部当選役であるほど、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が小さくなるように設定してもよい。
【0160】
また、上記第1実施例では、遊技役の種類に応じてすべての回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させるように構成したが、これに限らず、いずれかの回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させるように構成してもよい。
【0161】
また、上記第1実施例では、図7の負荷決定テーブルに示したように、内部当選役と回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量の大きさを対応付けて、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量の大きさによって内部当選役の種類を報知するように構成したが、これに限らず、負荷量を変動させる回胴停止ボタン38a〜38cの種類や数によって内部当選役の種類を報知するように構成してもよい。
【0162】
例えば、図22の負荷決定テーブルに示すように、内部当選役の種類と負荷量を変動させる回胴停止ボタン38a〜38cの種類を対応付けて、負荷量が変動した回胴停止ボタン38a〜38cの種類によって内部当選役の種類を報知するようにしてもよい。図22に示す例では、内部当選役がない場合はいずれの回胴停止ボタン38a〜38cも負荷量を変動させず、内部当選役が再遊技役である場合は左停止ボタン38aの負荷量を変動させ、内部当選役がRB役(レギュラーボーナス役)である場合は右停止ボタン38cの負荷量を変動させ、内部当選役がBB役(ビッグボーナス役)である場合は中停止ボタン38bの負荷量を変動させている。これにより、負荷量が変動した回胴停止ボタン38a〜38cの種類によって内部当選役の種類を報知することができる。
【0163】
また、図23に示す負荷決定テーブルのように、内部当選役の種類と負荷量を変動させる回胴停止ボタン38a〜38cの数を対応付けて、負荷量が変動した回胴停止ボタン38a〜38cの数によって内部当選役の種類を報知するようにしてもよい。図23に示す例では、内部当選役がない場合はいずれの回胴停止ボタン38a〜38cも負荷量を変動させず、内部当選役が再遊技役である場合は1つの回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させ、内部当選役がRB役(レギュラーボーナス役)である場合は2つの回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させ、内部当選役がBB役(ビッグボーナス役)である場合は3つの回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させている。図23に示す例では、負荷量を変動させる回胴停止ボタン38a〜38cの種類は固定でもよく任意に変更させてもよい。これにより、負荷量が変動した回胴停止ボタン38a〜38cの数によって内部当選役の種類を報知することができる。
【0164】
また、上記第1実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動した場合に遊技者に付与される特典として、図7に示した内部当選役を例示したが、図7に示した以外の内部当選役(例えばベル小役)や、AT遊技、RT遊技(リプレイタイム遊技)を、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動した場合に遊技者に付与される特典としてもよい。RT遊技とは、高い確率で再遊技役の入賞を成立させることのできる遊技状態であり、RT遊技では、通常遊技用抽選テーブルと比較して、再遊技役に内部当選する乱数範囲が拡大されたRT遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。つまり、RT遊技の方がAT遊技よりも再遊技役の入賞確率が高い分、AT遊技よりも有利な遊技状態といえる。このように、ボーナス遊技中に終了した連続演出の結果に基づく特典を、通常遊技中に終了した連続演出の結果に基づく特典よりも有利にしておくことで、連続演出の遊技者に、特典有り結果の導出だけでなくボーナス遊技の当選についての期待も抱かせることができる。この結果、連続演出での遊技興趣を効果的に高めることができる。さらに、AT遊技とRT遊技とを並行して行うART遊技を特典としてもよい。
【0165】
また、上記第1実施例では、回胴20a〜20cを停止させるための回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させることで、特典の付与を報知するように構成したが、これに限らず、ベットボタン32、34(一枚投入ボタン32、三枚投入ボタン34)を押圧操作する際の負荷量を変動させることで、内部当選の発生といった特典の付与を報知するように構成してもよい。この場合、ベットボタン32、34に触れたことを検出するタッチセンサを設け、タッチセンサのタッチ信号に基づいてベットボタン32、34が操作されたことを検出するように構成し、さらに、永久磁石306、バネ307、電磁石308といった負荷量変動部を設けることで、ベットボタン32、34の負荷量を調整可能とすればよい。
【0166】
また、上記第2実施例では、ボーナス役の内部当選が発生する前に(特典が付与されることが確定する前に)ミッション演出を開始したが、ボーナス役の内部当選が発生してから(特典が付与されることが確定してから)ミッション演出を開始してもよい。また同様に、スタートレバー36をボタン式(スタートボタン)として押圧操作する際の負荷量を変動させることもできる。
【0167】
また、上記第2実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を用いたミッション演出を行い、ミッションが達成された場合に付与される特典をボーナス役の内部当選としたが、これに限らず、ボーナス役以外の内部当選役や、AT遊技、RT遊技(リプレイタイム遊技)を、ミッションが達成された場合に遊技者に付与される特典としてもよい。
【0168】
また、上記第3実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を用いた押し順ゲームに正解した場合に、AT遊技という特典が付与されるように構成したが、これに限らず、RT遊技やAT遊技とRT遊技を組み合わせたART遊技を特典として付与するように構成してもよい。
【0169】
また、上記第3実施例では、押し順ゲームとして複数の回胴停止ボタン38a〜38cのすべてで負荷量変動の順序と押し順が一致した場合に、特典が付与される構成としたが、これに限らず、一部の回胴停止ボタン38a〜38cで負荷量変動の順序と押し順が一致した場合に、特典が付与されるように構成としてもよい。例えば、1番目に操作する回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動していれば、特典を付与する構成してもよく、1番目と3番目に操作する回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が変動していれば、特典を付与する構成してもよい。
【0170】
また、上記第3実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cの押し順が一致した場合に、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させる構成としたが、回胴停止ボタン38a〜38cの押し順が一致した場合に、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させず、回胴停止ボタン38a〜38cの押し順が一致しない場合に、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させる構成としてもよい。
【0171】
具体的には、回胴20a〜20cの回転開始後、回胴停止ボタン38a〜38cの押し順を決定し、決定された押し順に対応する回胴停止ボタン38a〜38c以外の回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させる。例えば、決定された押し順が「左ボタン→中ボタン→右ボタン」であれば、1回目の回胴停止ボタン38a〜38cの停止操作時には、左ボタン38aは負荷量を変動させない通常状態とし、中ボタン38bと右ボタン38cの負荷量を変動させる。2回目の回胴停止ボタン38a〜38cの停止操作時には、中ボタン38bの負荷量変動を解除し、左ボタン38aと中ボタン38bは負荷量を変動させない通常状態とし、右ボタン38cの負荷量を変動させる。3回目の回胴停止ボタン38a〜38cの停止操作時には、右ボタン38cの負荷量変動を解除し、すべての回胴停止ボタン38a〜38cを、負荷量を変動させない通常状態とする。なお、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動順序と実際の押し順が一致しなかった場合には、その時点で回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量変動を終了してもよく、あるいはすべての回胴停止ボタン38a〜38cが操作されるまで、最初に設定した押し順通りに負荷量を変動させてもよい。
【0172】
これにより、回胴停止ボタン38a〜38cの押し順が正解していれば、負荷量が変動していない通常状態で回胴停止ボタン38a〜38cを押圧することができ、押し順が間違っていれば、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量が増大して回胴停止ボタン38a〜38cの押圧が困難となる。この結果、回胴停止ボタン38a〜38cを通常通り押圧できるか否かというゲーム性により、遊技興趣を向上させることができる。
【0173】
また、上記各実施例では、回胴停止ボタン38a〜38cに永久磁石306、バネ307、電磁石308からなる負荷量変動部を設け、電磁石308を励磁することで、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量を変動させるように構成したが、負荷量変動部を異なる構成としてもよい。例えば図24に示す回胴停止ボタン38a〜38cでは、永久磁石306と電磁石308に代えて、プッシュ方式のソレノイド309を設けている。この場合には、バネ307とソレノイド309が負荷調整部を構成している。このような構成によれば、ソレノイド309に通電することで、回胴停止ボタン38a〜38cを押圧操作する際の負荷量を調整することができる。また、バネ307とソレノイド309を複数セット設けることで、回胴停止ボタン38a〜38cの負荷量の大きさを複数段階に調整することができる。
【0174】
また、上記各実施例の回胴停止ボタン38a〜38cに、回胴停止ボタン38a〜38cを押圧できない状態にするロック機構を設けてもよい。ロック機構は、周知の構成のものを用いることができる。このようにロック機構により回胴停止ボタン38a〜38cを押圧できないようにした場合であっても、タッチセンサ303のタッチ信号に基づいて、回胴停止ボタン38a〜38cが操作されたことを検出することができる。
【符号の説明】
【0175】
1…回胴式遊技機、20a〜20c…回胴、36…スタートレバー(回転開始部材)、38a〜38c…回胴停止ボタン(回転停止部材)、303…タッチセンサ(タッチ検出手段)、304…押圧検出センサ(押圧検出手段)、306…永久磁石(負荷量変動手段)、307…バネ(負荷量変動手段)、308…電磁石(負荷量変動手段)、309…ソレノイド(負荷量変動手段)、200…主制御基板(抽選手段、回胴停止手段、負荷量変動手段)、220…サブ制御基板(演出実行手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を投入し、回転開始部材を操作することで複数の回胴の回転を開始させ、複数の回転停止部材を操作することで前記複数の回胴の回転を停止させ、停止した前記複数の回胴によって所定の図柄組合せが成立した場合に、遊技者に特典を付与する回胴式遊技機において、
前記回転開始部材の操作に基づいて内部当選役の成立を抽選する抽選手段と、
前記複数の回胴のそれぞれに対応して設けられ、所定量の押圧操作が可能な前記複数の回転停止部材と、
前記回転停止部材に触れたことを検出するタッチ検出手段と、
前記タッチ検出手段によって前記回転停止部材に触れたことが検出された場合に、前記回転停止部材に対応する前記回胴を停止させる回胴停止手段と、
前記回転停止部材を前記所定量押圧操作するのに必要な負荷量を通常状態と前記通常状態と負荷量が異なる変動状態とに変動させる負荷量変動手段と、
を備えることを特徴とする回胴式遊技機。
【請求項2】
前記負荷量変動手段は、前記内部当選役が成立している場合に負荷量を前記変動状態に変動させることを特徴とする請求項1に記載の回胴式遊技機。
【請求項3】
前記回転停止部材が前記所定量押圧されたことを検出する押圧検出手段と、
前記押圧検出手段によって前記回転停止部材が前記所定量押圧されたことを検出された場合に、所定の演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の回胴式遊技機。
【請求項4】
前記複数の回胴を停止させるための前記複数の回転停止部材の操作順序が、予め定められた操作順序と一致した場合に、遊技者に特典を付与するものであって、
前記負荷量変動手段は、前記複数の回転停止部材の操作順序が前記予め定められた操作順序と一致する前記回転停止部材の負荷量を前記通常状態とすることをを特徴とする請求項1に記載の回胴式遊技機。
【請求項5】
前記複数の回胴を停止させるための前記複数の回転停止部材の操作順序が、予め定められた操作順序と一致した場合に、遊技者に特典を付与するものであって、
前記負荷量変動手段は、前記複数の回転停止部材の操作順序が前記予め定められた操作順序と一致する前記回転停止部材の負荷量を前記変動状態とすることをを特徴とする請求項1に記載の回胴式遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−66625(P2013−66625A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208254(P2011−208254)
【出願日】平成23年9月23日(2011.9.23)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】