説明

回転支持構造

【課題】メンテナンスに係る手間及び費用を低減することのできる、回転支持構造を提供する。
【解決手段】舵面駆動機構1の回転支持構造100は、繊維強化プラスチックを用いて形成されたリアクションリンク12と、金属を用いて形成された第1連結軸101と、第1ライナー102とを含む。第1ライナー102の外周部109は、リアクションリンク12の第1挿通孔103の周面に貼り付けられて固定されている。第1ライナー102の内周部106の少なくとも一部は、自己潤滑性を有する樹脂材料を用いて形成され、第1連結軸101を回転自在に支持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持部材によって軸部材を回転自在に支持する回転支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
回転する軸部材と、軸部材を保持する保持部材とを有する回転支持構造は、種々の装置に備えられている。特に、航空機等の輸送用機器には、回転支持構造が数多く備えられている。
【0003】
航空機においては、動翼(操縦翼面)として形成されて、補助翼(エルロン)、昇降舵(エレベータ)、方向舵(ラダー)、等として構成される舵面が設けられている。そして、航空機の舵面を駆動するための機構として、特許文献1においては、油圧作動式のアクチュエータとこのアクチュエータに連結されるリアクションリンクとを備えるリンク機構として設けられた航空機用舵面駆動機構が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された航空機用舵面駆動機構においては、シリンダ及びロッドを有するアクチュエータの一端側が、舵面又は舵面に取付けられる部材に対して揺動自在に取り付けられる。そして、リアクションリンクの一端側が、舵面を回転自在に支持する支点軸に対して揺動自在に取り付けられる。一方、リアクションリンクの他端側が、アクチュエータの他端側に対して揺動自在に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62−87247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アクチュエータの他端側には、枢着軸が設けられており、アクチュエータの他端側とリアクションリンクの他端側とが、この枢着軸によって連結されている。例えば、枢着軸は、アクチュエータの他端に固定され、且つ、リアクションリンクに形成された孔部を挿通している。さらに、これらの孔部と枢着軸との間には、ブッシュが配置される。ブッシュは、金属製の円筒部材であり、孔部に圧入固定される。ブッシュの内周面には、潤滑剤としてのグリースが塗布されており、且つ、枢着軸が挿通されている。これにより、枢着軸は、ブッシュに対して摺動しながら回転可能である。
【0007】
長年のアクチュエータの駆動により、枢着軸がブッシュに対して繰り返し摺動すると、ブッシュは摩耗する。このため、ブッシュを交換する必要がある。具体的には、上記の孔部に対して、ブッシュをスラスト方向に付勢し、ブッシュを孔部から取り外す。この際、ブッシュの外周面は、孔部の内周面に強い力で擦れるため、荒らされてしまう。そこで、新品のブッシュを孔部に圧入する前に、孔部の内周面を磨いて均し、その後、ブッシュを孔部に圧入する作業が必要である。このため、孔部の内径が大きくなり、新品のブッシュの外径は、交換前のブッシュの外径よりも大きいものにする必要がある。すなわち、交換前のブッシュに対してオーバーサイズのブッシュを、新品のブッシュとして用いる必要がある。このため、交換用のブッシュとして、孔部に当初取り付けられていたのとは異なる大きさの異なるブッシュを用意する必要があり、メンテナンスの費用が高くついてしまう。さらに、ブッシュの脱着にプレス機を用いた工程が必要なため、ブッシュの交換に手間がかかる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、メンテナンスに係る手間及び費用を低減することのできる、回転支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1発明に係る回転支持構造は、繊維強化プラスチックを含む材料を用いて形成され、挿通孔を有する保持部材と、前記挿通孔を挿通する金属製の軸部材と、前記挿通孔と前記軸部材との間に介在する筒状のライナーと、を備え、前記ライナーの外周部は、前記挿通孔の周面に貼り付けられて固定されており、前記ライナーの内周部の少なくとも一部は、自己潤滑性を有する樹脂材料を用いて形成され、前記軸部材を回転自在に支持することを特徴とする。
【0010】
尚、上記の「貼り付け」とは、接着剤を用いた固定や、ライナーの外周面を摩擦熱等の熱で柔らかくし孔部に溶着させる固定を含む。また、上記の「貼り付け」とは、化学結合による固定を含む。
【0011】
この発明によると、ライナーは、保持部材の挿通孔の周面に貼り付けによって固定されている。このような構成において、回転支持構造のメンテナンス時に、挿通孔の周面に貼り付けられていたライナーを保持部材から取り外し、新たなライナーを挿通孔の周面に貼り付ける場合がある。この場合、新たなライナーは、挿通孔の周面に貼り付けによって固定されることとなり、挿通孔の周面へのライナーの固定は圧入固定ではない。したがって、挿通孔にブッシュを圧入固定する場合と異なり、ライナーを保持部材の挿通孔に取り付ける際には、挿通孔の周面を磨いて均す必要がない。このように、ライナーを取り外した後、新しいライナーを取り付ける際に、挿通孔の周面を均すという手間のかかる作業や、ライナーをプレス機で圧入するという手間のかかる作業が不要となることで、回転支持構造のメンテナンスに係る手間を少なくできる。その上、ライナーの内周部は、自己潤滑性を有する樹脂材料を用いて形成されているので、当該内周部への潤滑剤の充填作業が不要であり、メンテナンスに係る手間をより少なくできる。また、挿通孔の周面を均す必要が無いので、挿通孔の内径の拡大が無く、交換前のライナーと交換用のライナーの外径は同じでよい。よって、部品の汎用性を高くでき、交換前のライナーと交換用のライナーとを別々の大きさにする必要が無く、ライナーの部品コストの低減を通じて回転支持構造のメンテナンスの費用をより低減できる。また、上述したように、交換用のライナーの大きさは、交換前のライナーの大きさと同じでよい。このため、交換用のライナーの重量の増加を防止することができ、その結果、回転支持構造の重量の増加を防止できる。特に、軽量化の要請の強い航空機用の回転支持構造において、重量の増加を防止できるようにすることは、重要であり、大きな効果を得ることができる。
【0012】
従って、本発明によると、メンテナンスに係る手間及び費用を低減することのできる回転支持構造を提供することができる。
【0013】
第2発明に係る回転支持構造は、第1発明の回転支持構造において、前記樹脂材料は、フッ素樹脂を含み、前記ライナーの前記外周部は、接着剤を用いて前記挿通孔の周面に固定されていることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、ライナーの内周部は、摩擦係数の極めて小さいフッ素樹脂を含んでいる。これにより、軸部材を保持部材に対してスムーズに回転させることができる。また、ライナーと軸部材との相対摺動に伴うライナーの摩耗を少なくできるので、ライナーの交換時期を、より遅くすることができる。これにより、回転支持構造のメンテナンスに係る手間をより少なくすることができる。また、挿通孔へライナーを取り付ける作業は、ライナーの外周部に接着剤を塗布して挿通孔の周面に貼り付けるという簡易な作業でよい。これにより、回転支持構造のメンテナンスに係る手間をより一層少なくすることができる。その上、ライナーを、接着剤によって挿通孔に強固に固定することができる。
【0015】
第3発明に係る回転支持構造は、第1発明又は第2発明の回転支持構造において、前記ライナーは、繊維材料に前記樹脂材料が含浸された構成を有する樹脂含浸層を有し、前記樹脂含浸層によって前記内周部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、樹脂材料は、繊維材料に含浸されている。これにより、ライナーの強度、特に引っ張り強度を高くすることができる。このように、ライナーの強度の向上を通じて、ライナーの耐久性を向上することができる。これにより、ライナーの交換の頻度の低減を通じて回転支持構造のメンテナンスにかかる手間をより少なくできる。
【0017】
第4発明に係る回転支持構造は、第3発明の回転支持構造において、前記ライナーは、前記繊維材料に前記樹脂材料を含浸させることなく形成され前記樹脂含浸層を取り囲む外周層を有し、前記外周層に前記外周部が形成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、挿通孔の周面への貼り付けによって当該周面とライナーとの結合力を高くすることができる。これにより、ライナーをより強固に保持部材に固定することができる。
【0019】
第5発明に係る回転支持構造は、第1発明又は第2発明の回転支持構造において、前記ライナーは、筒状の前記樹脂材料によって形成されていることを特徴とする。
【0020】
この発明によると、ライナーを、単一材料で形成することができるので、ライナーの加工コストの低減を通じてライナーの製造コストを低減することができる。その結果、回転支持構造のメンテナンスに係る費用をより低減することができる。
【0021】
第6発明に係る回転支持構造は、第1発明又は第2発明の回転支持構造において、前記ライナーは、前記樹脂材料を第1樹脂材料としたときに当該第1樹脂材料とは異なる第2樹脂材料を用いて形成され、前記外周部を有する筒状のベース部を含み、前記第1樹脂材料を前記ベース部の内周にコーティングすることによって前記内周部が形成されていることを特徴とする。
【0022】
この発明によると、ライナーの内周部を摩擦係数の小さい第1樹脂材料で形成し、ライナーの外周部を挿通孔の周面との結合に適した第2樹脂材料で形成することができる。これにより、ライナーの内周部と外周部のそれぞれを、最適な材料で形成することができる。また、第1樹脂材料及び第2樹脂材料のうち、安価なほうの樹脂材料の使用量を多くし、高価なほうの樹脂材料の使用量を少なくすることで、ライナーの製造コストをより低減することができる。その結果、回転支持構造のメンテナンスに係る費用をより低減することができる。
【0023】
第7発明に係る回転支持構造は、第1発明乃至第6発明のいずれかの回転支持構造において、前記保持部材は、航空機の固定翼に支持されるリンク部材、航空機の舵面を所定の支点軸回りに揺動させるために設けられる油圧作動式のアクチュエータのシリンダユニットにおけるロッドに固定された部材、及び、前記固定翼に設けられる固定翼側部材を、少なくとも1つ含み、前記軸部材は、前記シリンダユニットのシリンダと、前記リンク部材とを連結する第1連結軸、前記舵面又は当該舵面に取り付けられた舵面側部材と前記リンク部材とを連結する第2連結軸、前記舵面又は当該舵面に取り付けられた舵面側部材と前記ロッドに固定された部材とを連結する第3連結軸、及び、前記シリンダから突出し当該シリンダと前記固定翼側部材とを連結する第4連結軸を、少なくとも1つ含むことを特徴とする。
【0024】
この発明によると、航空機の固定翼に支持されるリンク部材とシリンダユニットのシリンダとの揺動に用いられる回転支持構造、上記リンク部材と舵面若しくは舵面に取り付けられた舵面側部材との揺動に用いられる回転支持構造、舵面若しくは舵面に取り付けられた舵面側部材とロッドに固定された部材との揺動に用いられる回転支持構造、及び固定翼側部材とシリンダユニットのシリンダとの揺動に用いられる回転支持構造の少なくとも1つにおいて、ライナーのメンテナンスに係る費用及び手間を低減することができ、さらに、重量の増加を防止できる。このように、航空機用の回転支持構造として、この発明を好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、メンテナンスに係る手間及び費用を低減することのできる、回転支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態に係る回転支持構造を有する航空機用舵面駆動機構が、航空機の翼に対して取り付けられた状態を示す模式図である。
【図2】舵面駆動機構の斜視図である。
【図3】舵面駆動機構の正面図である。
【図4】舵面駆動機構の平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図4の回転支持構造周辺の拡大図である。
【図7】舵面駆動機構の主要部の模式的な平面図であって、一部を断面で示している。
【図8】舵面駆動機構の主要部の模式的な正面図である。
【図9】本発明のさらに別の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態の主要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、以下の実施形態で例示した形態に限らず、保持部材と軸部材との間にライナーが介在する回転支持構造に関して広く適用することができる。
【0028】
図1は、本発明の一実施の形態に係る回転支持構造(100、200、300)を有する航空機用舵面駆動機構1が、航空機の翼(固定翼)81に対して取り付けられた状態を示す模式図である。図1に示す航空機用舵面駆動機構1(以下、単に「舵面駆動機構1」とも称する)は、図1にて翼81のみを図示して主要部の図示を省略した航空機に設置される。そして、舵面駆動機構1は、舵面82を駆動するために用いられる。
【0029】
尚、舵面82を構成する航空機の動翼(操縦翼面)として、補助翼(エルロン)、方向舵(ラダー)、昇降舵(エレベータ)などが挙げられる。また、舵面駆動機構1は、フラップやスポイラー等として構成される舵面を駆動する機構として用いられてもよい。
【0030】
図2は、舵面駆動機構1の斜視図である。図3は、舵面駆動機構1の正面図である。図4は、舵面駆動機構1の平面図である。尚、図2乃至図4では、舵面82の一部が切り欠き状態で図示されている。図1乃至図4に示すように、舵面駆動機構1は、油圧作動式のアクチュエータ11と、このアクチュエータ11に連結されるリアクションリンク12と、舵面82とを備えるリンク機構として構成されている。
【0031】
アクチュエータ11は、舵面82を支点軸としての第2連結軸201の回りに揺動させるために設けられている。アクチュエータ11は、例えば、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス合金、等の金属材料で形成されている。そして、アクチュエータ11は、複数(本実施形態では、2つ)のシリンダユニット(21、22)、ロッドエンド部23、等を備えて構成されている。各シリンダユニット(21、22)には、シリンダ(21a、22a)及びロッド(21b、22b)がそれぞれ設けられている。具体的には、シリンダ21a及びロッド21bがシリンダユニット21に設けられ、シリンダ22a及びロッド22bがシリンダユニット22に設けられている。
【0032】
各シリンダユニット(21、22)は、筒状の部分として構成された各シリンダ(21a、22a)の内部に対して圧油が供給及び排出されることによって作動する。尚、各シリンダ(21a、22a)に対しては、航空機に設置された油圧装置(図示せず)から圧油が供給される。また、各シリンダ(21a、22a)に対して圧油が供給及び排出されることで、軸状の部材として形成された各ロッド(21b、22b)が、各シリンダ(21a、22a)に対して伸張及び収縮して変位するように、駆動される。
【0033】
また、シリンダユニット21のシリンダ21aとシリンダユニット22のシリンダ22aとは、筒状に延びる長手方向が互いに平行に延びるように、翼81及び舵面82に対して設置されている。そして、シリンダ21a及びシリンダ22aは、それらの間に設けられる架橋部24を介して一体に形成されている。即ち、アクチュエータ11における複数のシリンダ(21a、22a)は、一体に形成されている。
【0034】
尚、本実施形態では、複数のシリンダ(21a、22a)及び架橋部24が一体に形成された形態を例にとって説明しているが、この通りでなくてもよい。複数のシリンダ(21a、22a)が、別体に形成された形態が実施されてもよい。また、別体に形成された複数のシリンダ(21a、22a)が、ブロック状の別部材として形成された架橋部によって、一体に結合された形態が実施されてもよい。
【0035】
また、シリンダユニット21には、シリンダ21aの側方に設置されたマニホールド構造部25aが設けられている。同様に、シリンダユニット22には、シリンダ22aの側方に設置されたマニホールド構造部25bが設けられている。各マニホールド構造部(25a、25b)には、各シリンダ(21a、22a)の内部に対する圧油の供給及び排出を制御するための制御弁等の各種バルブ機構、圧油が通過する各種ポート及び各種油路、等が設けられている。尚、マニホールド構造部(25a、25b)は、図2では図示が省略され、図4では二点鎖線で模式的に図示されている。
【0036】
ロッドエンド部23は、複数のシリンダユニット(21、22)のそれぞれにおけるロッド(21b、22b)を結合する一体のブロック状の部材として設けられている。具体的には、ロッドエンド部23は、ロッド21bにおけるシリンダ21aから突出した先端側の端部と、ロッド22bにおけるシリンダ22aから突出した先端側の端部とに固定されている。これにより、ロッドエンド部23は、ロッド21bとロッド22bとを架橋するように設置されるとともに、これらのロッド(21b、22b)の端部を互いに固定するように連結している。
【0037】
また、ロッドエンド部23には、複数(本実施形態では、2つ)の回転連結部23aが一体に設けられている。各回転連結部23aは、円筒状のすべり軸受としての第3ライナー302を保持している。そして、各回転連結部23aは、舵面82に取り付けられた円柱状の第3連結軸301に対して、上記の第3ライナー302を介して回転自在に取り付けられている。また、各回転連結部23aは、円柱状に延びる各ロッド(21b、22b)の軸線方向の延長線上に設けられている。
【0038】
上記のように、ロッドエンド部23は、各ロッド(21b、22b)の端部に対応する位置に2つの回転連結部23aが設けられていることで、舵面82に対して揺動自在に連結されている。これにより、アクチュエータ11は、舵面82に対して、ロッド(21b、22b)の先端側であってロッドエンド部23が設けられる側である一端側が揺動自在に取り付けられている。そして、アクチュエータ11は、一端側の2か所において、舵面82に対して揺動自在に連結されている。
【0039】
リアクションリンク12は、翼81に支持されている。リアクションリンク12は、アクチュエータ11からの出力が舵面82に出力された際に、この出力による舵面82からの反力を支持するリンク部材として設けられている。そして、リアクションリンク12は、翼81に対して揺動する可動側の舵面82が受ける負荷が、舵面82が揺動自在に支持される固定側の翼81に対して、直接に影響しないようにするために設けられている。
【0040】
リアクションリンク12は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics、FRP)を用いて形成されている。繊維強化プラスチックとして、例えば、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、ガラス長繊維強化プラスチック(GMT)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ボロン繊維強化プラスチック(BFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)、ポリエチレン繊維強化プラスチック(PFRP)を例示することができる。尚、リアクションリンク12は、上記の繊維強化プラスチックと金属材料とが組み合わされて形成されていてもよい。この金属材料として、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス合金、等を例示することができる。
【0041】
リアクションリンク12は、軸部26、拡幅部27、アクチュエータ取付部28、複数(本実施形態では、2つ)の支点軸取付部(29、29)、等を備えて構成されている。そして、リアクションリンク12には、アクチュエータ取付部28、軸部26、拡幅部27及び複数の支点軸取付部(29、29)が、この配列の順番で直列に設けられている。これらの要素(28、26、27、29)の配列方向が、リアクションリンク12の長手方向を構成している。
【0042】
軸部26は、直線状に延びる軸状の構造部分として設けられている。そして、本実施形態では、軸部26における長手方向に垂直な断面の形状は、一対で平行に設けられてそれぞれ断面が略長方形に形成された幅狭の平板状の部分が、それらの幅方向の中央でそれらに略垂直に設けられた厚肉の板状の部分で結合された形状として、構成されている。このような断面形状に形成されていることで、軸部26は、断面二次モーメントを効率よく確保し、重量増大を抑制しつつ高い剛性を確保できるように構成されている。尚、軸部26の形状は、上記の通りでなくてもよい。例えば、軸部26の形状が、円柱状、円筒状、角柱状、角筒状、等の種々の形状であってもよい。
【0043】
また、軸部26の両側方のスペースには、マニホールド構造部(25a、25b)がそれぞれ配置されている。即ち、軸部26は、シリンダ21aに設置されたマニホールド構造部25aと、シリンダ22aに設置されたマニホールド構造部25bとの間に配置されている。
【0044】
2つの支点軸取付部(29、29)は、それぞれ、舵面82を翼81側に対して回転自在に支持する第2連結軸201に対して取り付けられる部分として設けられている。各支点軸取付部29は、円筒状のすべり軸受としての第2ライナー202を保持している。そして、各支点軸取付部29は、第2連結軸201に対して、上記第2ライナー202を介して回転自在に取り付けられている。また、各支点軸取付部29は、ロッドエンド部23の各回転連結部23aに対向する位置に設置されている。
【0045】
上記により、リアクションリンク12は、2つの支点軸取付部(29、29)が設けられる一端側が、第2連結軸201に対して、揺動自在に取り付けられている。即ち、リアクションリンク12は、一端側の端部の2か所において、第2連結軸201に対して揺動自在に取り付けられている。
【0046】
尚、舵面82は、第2連結軸201及びリアクションリンク12を介して翼81に対して回転自在に支持されている。また、第2連結軸201と第3連結軸301とは、軸方向が互いに平行に延びるように設けられている。そして、第2連結軸201と第3連結軸301との間の距離寸法は、アクチュエータ11の作動によって第2連結軸201を中心として揺動させて舵面82を駆動するために必要なトルクアーム長さを確保できるように、適宜設定されている。
【0047】
拡幅部27は、リアクションリンク12において、支点軸取付部29と軸部26との間の部分として設けられている。そして、拡幅部27は、軸部26と同一軸線上に沿って延びるように設けられている。また、この拡幅部27は、支点軸取付部29に向けてこのリアクションリンク12の長手方向に垂直な幅方向において広がるように形成された部分として設けられている。
【0048】
また、本実施形態では、拡幅部27には、一対の平板状部分(27a、27b)と連結部分27cとが設けられている。一対の平板状部分(27a、27b)は、それぞれ平板状に形成されるとともに互いに平行に広がるように設けられた部分として構成されている。また、各平板状部分(27a、27b)には、リアクションリンク12の一端側にかけて二等辺三角形状に幅方向に広がるように形成された部分と、等幅で延びる部分とが設けられている。尚、各平板状部分(27a、27b)において等幅で延びる部分は、二等辺三角形状の部分と支点軸取付部29との間に設けられている。そして、この等幅で延びる部分は、二等辺三角形状に広がった部分の底辺部分の幅寸法のまま等幅でリアクションリンク12の一端側に向かって延びるように構成されている。
【0049】
拡幅部27における連結部分27cは、平行に設けられた一対の平板状部分(27a、27b)のそれぞれに対してそれらの幅方向の中央で略垂直に接続された厚肉の板状の部分として設けられている。そして、連結部分27cは、上記のように設けられることで、一対の平板状部分(27a、27b)を一体に連結するように構成されている。尚、拡幅部27の形状については、上記の通りでなくてもよい。例えば、各平板状部分が、二等辺三角形状に幅方向に広がる部分のみで構成された拡幅部を有するリアクションリンクが実施されてもよい。また、リアクションリンク12の長手方向に垂直な断面の形状が長方形に形成されるとともにその長方形の長辺の長さが一端側に向かって長くなるように形成された拡幅部が設けられたリアクションリンクが実施されてもよい。
【0050】
アクチュエータ取付部28は、アクチュエータ11におけるロッドエンド部23が設けられる一端側と反対側の他端側に対して揺動自在に取り付けられる部分として設けられている。アクチュエータ取付部28は、円筒状のすべり軸受としての第1ライナー102を保持している。そして、アクチュエータ取付部28は、アクチュエータ11のシリンダ(21a、22a)とリアクションリンク12とを互いに回転自在に連結する第1連結軸101に対して、上記第1ライナー101を介して回転自在に取り付けられている。
【0051】
また、アクチュエータ取付部28は、第1連結軸101に対して軸方向における略中央部分で回転自在に取り付けられている。そして、第1連結軸101における軸方向の両端側に対しては、シリンダ(21a、22a)の他端側(ロッド(21b、22b)が突出する一端側とは反対側)の端部から更に他端側に突出する連結部(31、31)が、固定されて連結されている。即ち、第1連結軸101の軸方向における一方の端部には、シリンダ21aの他端側の端部から突出する連結部31が固定されている。そして、第1連結軸101の軸方向における他方の端部には、シリンダ22aの他端側の端部から突出する第1連結軸101が固定されている。尚、第1連結軸101に対しては、アクチュエータ取付部28が固定されるとともに連結部(31、31)が回転自在に連結されていてもよい。また、アクチュエータ取付部28及び連結部(31、31)の両方ともに第1連結軸101に対して回転自在に取り付けられていてもよい。
【0052】
また、アクチュエータ11には、架橋部24において、各シリンダユニット(21、22)と平行に延びるとともにアクチュエータ11の他端側に向かって端部が開放されるように切込み状に形成された溝24aが設けられている。この溝24aの内側には、アクチュエータ11に対してアクチュエータ取付部28で取り付けられるリアクションリンク12における軸部26の一部が挿入された状態で配置される。
【0053】
上記のように構成されることで、リアクションリンク12は、アクチュエータ取付部28が設けられる他端側が、アクチュエータ11の他端側に対して、複数のシリンダユニット(21、22)の間において、揺動自在に取り付けられている。そして、リアクションリンク12は、他端側の端部の1カ所において、アクチュエータ11の他端側に対して揺動自在に取り付けられている。尚、アクチュエータ11及びリアクションリンク12は、第1連結軸101を介して翼81に対して回転自在に支持されている。
【0054】
次に、舵面駆動機構1における回転支持構造(100、200、300)について、詳細に説明する。図5は、図4のV−V線に沿う断面図である。図4及び図5に示すように、回転支持構造100は、保持部材としてのリアクションリンク12と、軸部材としての第1連結軸101と、第1ライナー102とを備えて構成されている。回転支持構造100は、リアクションリンク12に対して、第1連結軸101、及びアクチュエータ11のシリンダ21a、22aの各連結部31、31(アクチュエータ11の他端側)を、揺動自在に支持するように構成されている。
【0055】
リアクションリンク12の他端部、即ち、アクチュエータ取付部28には、第1挿通孔103が形成されている。第1挿通孔103は、アクチュエータ取付部28をリアクションリンク12の幅方向に貫通する円筒状の孔として設けられている。この第1挿通孔103に、第1連結軸101が挿通されている。
【0056】
第1連結軸101は、円柱状の軸部材として設けられている。第1連結軸101は、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属材料によって形成されている。また、第1連結軸101の表面には、窒化処理等の表面処理が施されており、これにより、第1ライナー102に対する摺動性がより高くされている。第1連結軸101の一端には、第1頭部104が一体に設けられている。第1頭部104は、例えば、円板形状に形成されており、第1連結軸101と協働して第1ボルト部材を構成している。第1連結軸101は、リアクションリンク12の幅方向に沿って、シリンダユニット21の連結部31に形成された挿通孔、第1挿通孔103、及びシリンダユニット22の連結部31に形成されためねじ部105を挿通している。そして、第1連結軸101の他端側に形成された雄ねじ部が、めねじ部105に螺合している。これにより、第1連結軸101は、シリンダユニット(21、22)に固定されている。
【0057】
第1連結軸101は、第1ライナー102によって第1連結軸101の回りを回転自在に支持されている。第1ライナー102は、第1連結軸101を摺動自在に支持し、且つ、リアクションリンク12の第1挿通孔103の周面に貼り付けられて固定された部材として設けられている。
【0058】
第1ライナー102は、第1挿通孔103と第1連結軸101との間に介在しており、第1挿通孔103の周面及び第1連結軸101と同心の円筒状に形成されている。第1ライナー102は、肉薄で可撓性を有している。この第1ライナー102は、繊維材料と、樹脂材料とを用いて形成されている。
【0059】
第1ライナー102の上記繊維材料として、ガラス繊維、カーボン繊維、及びアラミド繊維、を例示することができる。また、第1ライナー102の上記樹脂材料は、第1ライナー102の少なくとも内周部106を形成するための自己潤滑性樹脂材料を含む。
【0060】
上記の自己潤滑性樹脂材料として、フッ素樹脂を例示することができる。フッ素樹脂として、好ましくは、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化エチレンの共重合樹脂(PFEP)、及び四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)を例示することができる。また、自己潤滑性樹脂材料として、ポリケトンを例示することができる。ポリケトンとして、好ましくは、芳香族ポリケトン、より好ましくは、ポリエーテル−エーテル−ケトン(PEEK)を例示することができる。また、自己潤滑性樹脂材料として、ポリアミド樹脂を例示することができる。ポリアミド樹脂として、好ましくは、6ナイロン、66ナイロン、及びMCナイロンを例示することができる。また、自己潤滑性樹脂材料として、ポリアセタール(POM)を例示することができる。
【0061】
第1ライナー102は、1又は複数の上記の繊維材料の一部に、1又は複数の上記の自己潤滑性樹脂材料を含浸させた構成を有している。より具体的には、第1ライナー102は、樹脂含浸層107と、外周層108とを備えて構成されている。
【0062】
樹脂含浸層107は、上記の繊維材料に上記の自己潤滑性樹脂材料を含浸させて形成された、第1ライナー102の内周層として設けられている。樹脂含浸層107は、円筒状に形成されており、樹脂含浸層107の内周部が、第1ライナー102の内周部106を構成している。内周部106に、第1ライナー102の内周面が形成されている。第1ライナー102は、第1連結軸101を取り囲む円筒状に形成されており、第1連結軸101と全周に亘って面接触している。第1ライナー102の内周面には、第1連結軸101が、当該内周面との摺動が可能な程度の小さな力で圧入されている。第1ライナー102と第1連結軸101との間には、液体潤滑剤、及び固体潤滑剤等の潤滑剤は、供給されていない。
【0063】
外周層108は、樹脂含浸層107を取り囲むように円筒状に形成されており、外周層108の外周部が、第1ライナー102の外周部109を形成している。外周層108は、上記の繊維材料によって形成されており、上記の自己潤滑性樹脂材料は含浸されていない。外周部109の外周面には、接着剤(図示せず)が全周に亘って塗布されている。この接着剤によって、外周部109の外周面が、第1挿通孔103の周面に貼り付けられて固定されている。尚、外周層108は、上記の繊維材料に上記の自己潤滑性樹脂材料を含浸させて構成されてもよいし、自己潤滑性樹脂材料とは異なる樹脂を上記の繊維材料に含浸させて構成されてもよい。
【0064】
図6は、図4の回転支持構造(200、300)周辺の拡大図である。図3及び図6に示すように、回転支持構造200は、保持部材としてのリアクションリンク12と、軸部材としての第2連結軸201と、第2ライナー202とを備えて構成されている。回転支持構造200は、リアクションリンク12に対して、第2連結軸201、及び舵面82を揺動自在に支持するように構成されている。
【0065】
舵面82には、リアクションリンク12の幅方向に離隔して2つの凹部(83、83)が形成されている。これらの凹部(83、83)に、リアクションリンク12の2つの支点軸取付部(29,29)が嵌め入れられている。
【0066】
2つの支点軸取付部(29,29)には、それぞれ、第2挿通孔203が形成されている。第2挿通孔203は、支点軸取付部(29,29)をリアクションリンク12の幅方向に貫通する円筒状の孔である。支点軸取付部(29,29)の第2挿通孔(203,203)に、第2連結軸201が挿通されている。
【0067】
第2連結軸201は、舵面82とリアクションリンク12とを連結する、円柱状の軸部材として設けられている。第2連結軸201は、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属材料によって形成されている。また、第2連結軸201の表面には、窒化処理の表面処理が施されており、これにより、第2ライナー202に対する摺動性がより高くされている。第2連結軸201の一端には、第2頭部204が一体に設けられている。第2頭部204は、例えば、六角柱形状に形成されており、第2連結軸201と協働して第2ボルト部材を構成している。第2連結軸201は、リアクションリンク12の幅方向に沿って、舵面82に形成された挿通孔84、一方の第2挿通孔203、舵面82に形成された挿通孔85、他方の第2挿通孔203、及び舵面82に形成された挿通孔86を挿通している。そして、第2連結軸201の他端に形成された雄ねじ部が、ナット部材205に螺合している。これにより、第2連結軸201は、舵面82に固定されている。
【0068】
第2連結軸201は、2つの第2ライナー(202、202)によって第2連結軸201の回りを回転自在に支持されている。第2ライナー202は、第2連結軸201を摺動自在に支持し、且つ、リアクションリンク12の2つの第2挿通孔203のそれぞれの周面に貼り付けられて固定された部材として設けられている。
【0069】
第2ライナー202は、第2挿通孔203と第2連結軸201との間に介在しており、第2挿通孔203の周面及び第2連結軸201と同心の円筒状に形成されている。第2ライナー202は、第1ライナー102と同様に構成されている。また、図5に示す第1ライナー102が、第1挿通孔103の周面に貼り付けられて固定されているとともに、第1連結軸101を回転自在に支持しているのと同様、図6に示す第2ライナー202は、第2挿通孔203の周面に貼り付けられて固定されているとともに、第2連結軸201を回転自在に支持している。よって、第2ライナー202についての詳細な説明は省略する。
【0070】
図3及び図6を参照して、回転支持構造300は、保持部材としてのロッドエンド部23と、軸部材としての第3連結軸301と、第3ライナー302とを備えて構成されている。回転支持構造300は、ロッドエンド部23に対して、第3連結軸301、及び舵面82を揺動自在に支持するように構成されている。ロッドエンド23は、リアクションリンク12と同様の材料によって形成されている。
【0071】
ロッドエンド部23の2つの回転連結部(23a、23a)は、舵面82の凹部(83、83)に嵌め入れられている。
【0072】
2つの回転連結部(23a、23a)には、それぞれ、第3挿通孔303が形成されている。第3挿通孔303は、回転連結部(23a、23a)をリアクションリンク12の幅方向に貫通する円筒状の孔である。回転連結部(23a、23a)の第3挿通孔(303、303)に、第3連結軸301が挿通されている。
【0073】
第3連結軸301は、舵面82とロッドエンド部23とを連結する、円柱状の軸部材として設けられている。第3連結軸301は、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属材料によって形成されている。また、第3連結軸301の表面には、窒化処理等の表面処理が施されており、これにより、第3ライナー302に対する摺動性がより高くされている。第3連結軸301の一端には、第3頭部304が一体に設けられている。第3頭部304は、例えば、六角柱形状に形成されており、第3連結軸301と協働して第3ボルト部材を構成している。第3連結軸301は、リアクションリンク12の幅方向に沿って、舵面82に形成された挿通孔88、一方の第3挿通孔303、舵面82に形成された挿通孔89、他方の第3挿通孔303、及び舵面82に形成された挿通孔90を挿通している。そして、第3連結軸301の他端に形成された雄ねじ部が、ナット部材305に螺合している。これにより、第3連結軸301は、舵面82に固定されている。
【0074】
第3連結軸301は、2つの第3ライナー(302、302)によって第3連結軸301の回りを回転自在に支持されている。第3ライナー(302、302)は、第3連結軸301を摺動自在に支持し、且つ、リアクションリンク12の2つの第3挿通孔303のそれぞれの周面に貼り付けられて固定された部材として設けられている。
【0075】
第3ライナー302は、第3挿通孔303と第3連結軸301との間に介在しており、第3挿通孔303の周面及び第3連結軸301と同心の円筒状に形成されている。第3ライナー302は、第1ライナー102と同様に構成されている。また、図5に示す第1ライナー102が、第1挿通孔103の周面に貼り付けられて固定されているとともに、第1連結軸101を回転自在に支持しているのと同様、図6に示す第3ライナー302は、第3挿通孔303の周面に貼り付けられて固定されているとともに、第3連結軸301を回転自在に支持している。よって、第3ライナー302についての詳細な説明は省略する。
【0076】
次に、舵面駆動機構1の作動について説明する。図1乃至図4を参照して、舵面82の駆動が行われる際には、図示しないコントローラからの指令に基づいて油圧装置が作動し、アクチュエータ11の各シリンダユニット(21、22)における各シリンダ(21a、22a)に対して圧油の供給及び排出が行われる。この圧油の給排に伴って、各ロッド(21b、22b)が各シリンダ(21a、22a)に対して伸張及び収縮する変位を行うことになる。
【0077】
上記により、第1連結軸101を中心として揺動可能なアクチュエータ11におけるロッド(21b、22b)の一端側が固定されたロッドエンド部23から付勢されて、舵面82が駆動されることになる。そして、前述のように、リアクションリンク12は、一端側が第2連結軸201に対して、他端側が第1連結軸101に対して、それぞれ揺動自在に取り付けられている。このため、舵面82が、第1連結軸101を中心として揺動して駆動されることになる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態によると、第1ライナー102、第2ライナー202及び第3ライナー302は、第1挿通孔103、第2挿通孔203及び第3挿通孔303の周面に貼り付けによって固定されている。このような舵面駆動機構1の回転支持構造(100、200、300)のメンテナンス時に、各挿通孔(103、203,303)の周面に貼り付けられていたライナー(102、202、302)を、リアクションリンク12及びロッドエンド部23から取り外し、新たなライナー(102、202、302)を、挿通孔(103、203,303)の周面に貼り付ける場合がある。この場合、新たなライナー(102、202、302)は、挿通孔(103、203,303)の周面に貼り付けによって固定されることとなり、挿通孔(103、203,303)の周面へのライナー(102、202、302)の固定は圧入固定ではない。したがって、挿通孔(103、203,303)にブッシュを圧入固定する場合と異なり、ライナー(102、202、302)を挿通孔(103、203,303)に取り付ける際には、挿通孔(103、203,303)の周面を磨いて均す必要がない。このように、ライナー(102、202、302)を取り外した後、新しいライナー(102、202、302)を取り付ける際に、挿通孔(103、203,303)の周面を均すという手間のかかる作業やライナー(102、202、302)をプレス機で圧入するという手間のかかる作業が不要となる。よって、回転支持構造(100、200、300)のメンテナンスに係る手間を少なくできる。その上、ライナー(102、202、302)のそれぞれの内周部106は、自己潤滑性を有する樹脂材料を用いて形成されているので、当該内周部106への潤滑剤の充填作業が不要であり、メンテナンスに係る手間をより少なくできる。また、挿通孔(103、203,303)の周面を均す必要が無いので、挿通孔(103、203,303)の内径の拡大が無く、交換前のライナー(102、202、302)と交換用のライナー(102、202、302)の外径は同じでよい。よって、部品の汎用性を高くでき、交換前のライナー(102、202、302)と交換用のライナー(102、202、302)とを別々の大きさにする必要が無く、ライナー(102、202、302)の部品コストの低減を通じて回転支持構造(100、200、300)のメンテナンス費用をより低減できる。また、上述したように、交換用のライナー(102、202、302)の大きさは、交換前のライナー(102、202、302)の大きさと同じでよい。このため、交換用のライナー(102、202、302)の重量の増加を防止することができ、その結果、回転支持構造(100、200、300)の重量の増加を防止できる。特に、軽量化の要請の強い航空機の舵面駆動機構1の回転支持構造(100、200、300)において、重量の増加を防止できるようにすることは、重要であり、大きな効果を得ることができる。
【0079】
従って、本実施形態によると、メンテナンスに係る手間及び費用を低減することのできる回転支持構造(100、200、300)を提供することができる。
【0080】
また、本実施形態によると、ライナー(102、202、302)の内周部106は、摩擦係数の極めて小さいフッ素樹脂を含んでいる。これにより、第1連結軸101、第2連結軸201及び第3連結軸301をリアクションリンク12及びロッドエンド部23に対してスムーズに回転させることができる。また、ライナー(102、202、302)と、連結軸(101、201、301)との相対摺動に伴う摩耗を少なくできるので、ライナー(102、202、302)の交換時期を、より遅くすることができる。これにより、回転支持構造(100、200、300)のメンテナンスに係る手間をより少なくすることができる。また、挿通孔(103、203,303)へライナー(102、202、302)を取り付ける作業は、ライナー(102、202、302)の外周部109に接着剤を塗布して挿通孔(103、203,303)の周面に貼り付けるという簡易な作業でよい。これにより、回転支持構造(100、200、300)のメンテナンスに係る手間をより一層少なくすることができる。その上、ライナー(102、202、302)を、接着剤によって挿通孔(103、203,303)に強固に固定することができる。
【0081】
また、本実施形態によると、ライナー(102、202、302)の樹脂材料は、繊維材料に含浸されている。これにより、ライナー(102、202、302)の強度、特に引っ張り強度を高くすることができる。このように、ライナー(102、202、302)の強度の向上を通じて、ライナー(102、202、302)の耐久性を向上することができる。これにより、ライナー(102、202、302)の交換の頻度の低減を通じて回転支持構造(100、200、300)のメンテナンスにかかる手間をより少なくできる。
【0082】
また、本実施形態によると、ライナー(102、202、302)の外周部109は、それぞれ、繊維材料に樹脂材料を含浸させることなく形成されている。これにより、挿通孔(103、203,303)のそれぞれの周面にライナー(102、202、302)を接着剤で貼り付けることによって、当該周面とライナー(102、202、302)との結合力を高くすることができる。これにより、ライナー(102、202、302)をより強固にリアクションリンク12及びロッドエンド部23に固定することができる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態によると、翼81に支持されるリアクションリンク12とシリンダユニット(21、22)のシリンダ(21a、22a)との揺動に用いられる回転支持構造100、リアクションリンク12と舵面82との揺動に用いられる回転支持構造200、舵面82とシリンダユニット(21、22)、のロッドエンド部23との揺動に用いられる回転支持構造300において、ライナー(102、202、302)のメンテナンスに係る費用及び手間を低減することができ、さらに、重量の増加を防止できる。このように、回転支持構造(100、200、300)は、航空機用の回転支持構造として好適である。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0085】
(1)前述の実施形態では、アクチュエータの一端側及びリアクションリンクが、それぞれ舵面に対して揺動自在に取り付けられる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、アクチュエータの一端側及びリアクションリンクが、それぞれ、舵面に取付けられた舵面側部材に対して揺動自在に取り付けられる形態が実施されてもよい。尚、舵面側部材としては、舵面に固定されるとともに舵面からアーム状に突出するように設けられる部材等が用いられる。
【0086】
(2)前述の実施形態では、アクチュエータとリアクションリンクとが、円柱状のピン部材として設けられた連結軸を介して連結された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、リアクションリンクの他端側の端部において、円柱状の部分として形成された突起状の軸部材が、一対で幅方向の両側に突出するように設けられ、この一対の軸部材に対して、アクチュエータの各シリンダが回転自在に取り付けられていてもよい。この場合、各シリンダには、軸部材が挿通される挿通孔が形成される。そして、軸部材と挿通孔の周面との間には、ライナーが介在し、このライナーの内周部が軸部材を回転自在に支持し、ライナーの外周部が上記の挿通孔の周面に貼り付けられて固定される。
【0087】
(3)前述の実施形態では、第1ライナー、第2ライナー及び第3ライナーを用いる構成を説明したけれども、この通りでなくてもよい。第1ライナー、第2ライナー及び第3ライナーのうちの1つ、又は2つに代えて、ブッシュ等の他のすべり軸受を用いてもよい。
【0088】
(4)前述の実施形態では、アクチュエータは、リアクションリンクに支持される構成を説明したけれども、この通りでなくてもよい。例えば、アクチュエータは、ピロブロック等の他の部材に支持されていてもよい。次に、ピロブロックを用いる構成の一例を説明する。
【0089】
図7は、舵面駆動機構1Aの主要部の模式的な平面図であって、一部を断面で示している。図8は、舵面駆動機構1Aの主要部の模式的な正面図である。尚、以下の変形例に係る説明においては、前述の実施形態と異なる構成についてのみ説明し、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、説明を省略する。
【0090】
図7及び図8に示すように、アクチュエータ11Aは、1つのシリンダユニット21A、ロッドエンド部23A、等を備えて構成されている。シリンダユニット21Aには、シリンダ21a、及びロッド21bが設けられている。
【0091】
ロッドエンド部23Aは、円筒状に形成されており、ロッド21bのうちシリンダ21aから突出した一端部に固定されている。ロッドエンド部23Aには、回転連結部23aが設けられている。回転連結部23aは、第3連結軸301を介して、図示しない舵面82(図3参照)を揺動自在に支持している。
【0092】
シリンダ21aの長手方向の中間部には、シリンダ21aの長手方向と直交する幅方向の両側に向かってシリンダ21aから突出する2つの第4連結軸401が設けられている。各第4連結軸401は、円柱状に形成されており、シリンダ21aと一体に形成されている。
【0093】
2つの第4連結軸(401、401)は、それぞれ、ピロブロック(407、407)及び第4ライナー(402、402)によって回転自在に支持されており、これにより、シリンダ21aは、ピロブロック(407、407)によってシリンダ21aの幅方向に両持ち支持されている。保持部材としてのピロブロック407、第4連結軸401、及び第4ライナー402によって、回転支持構造400が形成されている。回転支持構造400は、ピロブロック407に対して、第4連結軸401を、揺動自在に支持するように構成されている。
【0094】
ピロブロック(407、407)は、翼81に設けられるブロック状の固定翼側部材を構成している。ピロブロック(407、407)の材料は、リアクションリンク12(図3参照)と同様である。
【0095】
ピロブロック(407、407)には、それぞれ、第4挿通孔403が形成されている。第4挿通孔403は、ピロブロック407を貫通する円柱状に形成されている。第4挿通孔(403、403)には、それぞれ、第4連結軸(401、401)が挿通されている。
【0096】
第4連結軸(401、401)は、シリンダ21aとピロブロック(407、407)とを連結する、円柱状の軸部材として設けられている。各第4連結軸401は、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属材料によって形成されている。また、各第4連結軸401の表面には、窒化処理等の表面処理が施されており、これにより、第4ライナー402に対する摺動性がより高くされている。
【0097】
第4連結軸401は、第4ライナー402によって第4連結軸401の回りを回転自在に支持されている。第4ライナー402は、第4連結軸401を摺動自在に支持し、且つ、第4ライナー402の第4挿通孔403の周面に貼り付けられて固定された部材として設けられている。
【0098】
第4ライナー402は、第4挿通孔403と第4連結軸401との間に介在しており、第4挿通孔403の周面及び第4連結軸401と同心の円筒状に形成されている。第4ライナー402は、図5に示す第1ライナー102と同様に構成されている。また、第1ライナー102が、第1挿通孔103の周面に貼り付けられて固定されているとともに、第1連結軸101を回転自在に支持しているのと同様、図8及び図9に示す第4ライナー402は、第4挿通孔403の周面に貼り付けられて固定されているとともに、第4連結軸401を回転自在に支持している。よって、第4ライナー402についての詳細な説明は省略する。
【0099】
上記の構成により、シリンダユニット21Aは、第4ライナー(402、402)に支持された第4連結軸(401、401)の回りを回転自在である。
【0100】
上述した変形例によっても、前述の実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。また、ピロブロック(407、407)とシリンダユニット21Aのシリンダ21aとの揺動に用いられる回転支持構造400において、第4ライナー402のメンテナンスに係る費用及び手間を低減することができ、さらに、重量の増加を防止できる。このように、回転支持構造400は、航空機用の回転支持構造として好適である。
【0101】
(5)また、前述の実施形態では、ライナーが、接着剤を用いて挿通孔の周面に貼り付けられる構成を説明したけれども、この通りでなくてよい。例えば、ライナーの外周部に樹脂を含ませておき、ライナーを挿通孔に対して回転させて摩擦熱を発生することに等により、外周部の樹脂を溶かし、溶かした上記の樹脂を挿通孔の周面に溶着させてもよい。
【0102】
(6)また、前述の実施形態では、第1ライナーが、繊維材料の少なくとも一部に樹脂材料を含浸させて形成される構成を説明したけれども、この通りでなくてもよい。例えば、図9の断面図に示すように、全体が筒状(本実施形態では、円筒状)の自己潤滑性樹脂材料のみによって形成された第1ライナー102Bを用いてもよい。
【0103】
上述した変形例によっても、前述の実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。さらに、第1ライナー102Bを、単一材料で形成することができるので、第1ライナー102Bの加工コストの低減を通じて第1ライナー102Bの製造コストを低減することができる。その結果、第1ライナー102Bを交換するというメンテナンスに係る費用をより低減することができる。
【0104】
なお、第1ライナー102Bと同様のライナーを第2ライナー、第3ライナー又は第4ライナーとして用いてもよい。
【0105】
(7)また、図9に示す実施形態では、自己潤滑性樹脂材料のみによって第1ライナーを形成する構成を説明したけれども、この通りでなくてもよい。例えば、図10の断面図に示すように、自己潤滑性樹脂材料を第1樹脂材料とした場合に、第1樹脂材料と、第1樹脂材料とは異なる第2樹脂材料とを用いて第1ライナー102Cを形成してもよい。
【0106】
より具体的には、第1ライナー102Cは、内周部106Cと、ベース部110とを備えて構成されている。ベース部110は、円筒状に形成されており、第1ライナー102Cの径方向の中間部と、外周部109Cとを含んでいる。ベース部110の材料である第2樹脂材料としてポリエステル樹脂を例示することができる。内周部106Cは、ベース部110の内周面に第1樹脂材料をコーティングすることにより形成されている。
【0107】
上述した変形例によっても、前述の実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。さらに、第1ライナー102Cの内周部106Cを摩擦係数の小さい第1樹脂材料で形成し、第1ライナー102Cの外周部109Cを第1挿通孔103の周面との結合に適した第2樹脂材料で形成することができる。これにより、第1ライナー102Cの内周部106Cと外周部109Cのそれぞれを、最適な材料で形成することができる。また、第1樹脂材料及び第2樹脂材料のうち、安価なほうの樹脂材料の使用量を多くし、高価なほうの樹脂材料の使用量を少なくすることで、第1ライナー102Cの製造コストをより低減することができる。その結果、第1ライナー102Cを交換するというメンテナンスに係る費用をより低減することができる。
【0108】
なお、第1ライナー102Cと同様のライナーを第2ライナー、第3ライナー又は第4ライナーとして用いてもよい。
【0109】
(8)また、前述の実施形態では、航空機の舵面を駆動するための航空機用舵面駆動機構に備えられる回転支持構造を例に説明したけれども、この通りでなくてもよい。本発明の実施形態に係る回転支持構造は、航空機用舵面駆動機構以外の他の機構に備えられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、保持部材によって軸部材を回転自在に支持する回転支持構造に関して広く適用することができる。
【符号の説明】
【0111】
11、11A アクチュエータ
12 リアクションリンク(保持部材、リンク部材)
21、21A シリンダユニット
23、23A ロッドエンド部(保持部材、ロッドに固定された部材)
81 翼(固定翼)
82 舵面
100 回転支持構造
101 第1連結軸(軸部材)
102、102B、102C 第1ライナー(ライナー)
103 挿通孔
106、106C ライナーの内周部
107 樹脂含浸層
108 外周層
109、109C ライナーの外周部
110 ベース部
200 回転支持構造
201 第2連結軸(軸部材、支点軸)
202 第2ライナー(ライナー)
203 挿通孔
300 回転支持構造
301 第3連結軸(軸部材)
302 第3ライナー(ライナー)
303 挿通孔
400 回転支持構造
401 第4連結軸(軸部材)
402 第4ライナー(ライナー)
403 挿通孔
407 ピロブロック(保持部材、固定翼側部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化プラスチックを含む材料を用いて形成され、挿通孔を有する保持部材と、
前記挿通孔を挿通する金属製の軸部材と、
前記挿通孔と前記軸部材との間に介在する筒状のライナーと、
を備え、
前記ライナーの外周部は、前記挿通孔の周面に貼り付けられて固定されており、
前記ライナーの内周部の少なくとも一部は、自己潤滑性を有する樹脂材料を用いて形成され、前記軸部材を回転自在に支持することを特徴とする、回転支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載の回転支持構造であって、
前記樹脂材料は、フッ素樹脂を含み、
前記ライナーの前記外周部は、接着剤を用いて前記挿通孔の周面に固定されていることを特徴とする、回転支持構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の回転支持構造であって、
前記ライナーは、繊維材料に前記樹脂材料が含浸された構成を有する樹脂含浸層を有し、
前記樹脂含浸層によって前記内周部が形成されていることを特徴とする、回転支持構造。
【請求項4】
請求項3に記載の回転支持構造であって、
前記ライナーは、前記繊維材料に前記樹脂材料を含浸させることなく形成され前記樹脂含浸層を取り囲む外周層を有し、
前記外周層に前記外周部が形成されていることを特徴とする、回転支持構造。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の回転支持構造であって、
前記ライナーは、筒状の前記樹脂材料によって形成されていることを特徴とする、回転支持構造。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の回転支持構造であって、
前記ライナーは、前記樹脂材料を第1樹脂材料としたときに当該第1樹脂材料とは異なる第2樹脂材料を用いて形成され、前記外周部を有する筒状のベース部を含み、
前記第1樹脂材料を前記ベース部の内周にコーティングすることによって前記内周部が形成されていることを特徴とする、回転支持構造。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の回転支持構造であって、
前記保持部材は、航空機の固定翼に支持されるリンク部材、航空機の舵面を所定の支点軸回りに揺動させるために設けられる油圧作動式のアクチュエータのシリンダユニットにおけるロッドに固定された部材、及び、前記固定翼に設けられる固定翼側部材を、少なくとも1つ含み、
前記軸部材は、前記シリンダユニットのシリンダと、前記リンク部材とを連結する第1連結軸、前記舵面又は当該舵面に取り付けられた舵面側部材と前記リンク部材とを連結する第2連結軸、前記舵面又は当該舵面に取り付けられた舵面側部材と前記ロッドに固定された部材とを連結する第3連結軸、及び、前記シリンダから突出し当該シリンダと前記固定翼側部材とを連結する第4連結軸を、少なくとも1つ含むことを特徴とする、回転支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−7465(P2013−7465A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141476(P2011−141476)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】