説明

圧電振動片及び圧電デバイス

【課題】本発明は、耐衝撃性を有するとともに励振部への曲げ応力の影響が抑えられた圧電振動片及び圧電デバイスを提供する。
【解決手段】圧電振動片(130)は、第1方向に伸びる第1辺(138a)及び第1方向に直交する第2方向に伸びる第2辺(138b)を含む矩形形状の励振部(131)と、励振部を囲む枠部(132)と、励振部の第1辺と枠部とを連結し、第1方向と第2方向とに直交する第3方向への厚さが第1厚さである1本の連結部(133)と、を備え、励振部は励振電極(134)が形成される第1領域(131a)と、連結部に第1厚さで直接連結される第2領域(131b)と、第1領域と第2領域との間に配置され第1領域及び第2領域以外の領域であり第3方向への厚さが第2厚さである第3領域(131c)と、を含み、第2領域の第3方向への厚さは第2厚さよりも厚く形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励振部への曲げ応力の影響が抑えられた圧電振動片又は圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の振動数で振動する励振部と、励振部を囲む枠部と、励振部と枠部とを連結する連結部と、を有する圧電振動片が知られている。また、圧電振動片には枠部の表裏面にリッド板及びベース板が接合されて圧電デバイスが形成され、圧電デバイスはプリント基板などに実装されて用いられる。このような圧電デバイスでは落下等により衝撃が加わった場合に連結部に応力が加わり、連結部が破損するという問題がある。
【0003】
このような問題に対して、例えば特許文献1では、連結部が励振部の表裏面に対して凹状に形成された溝部と励振部の表裏面に対して同一面の平坦部とで形成されている圧電振動片を開示している。特許文献1の圧電振動片では、2本の連結部を溝部と平坦部とで形成することにより、2本で連結部にかかる応力集中を防止している。これにより、特許文献1の圧電振動片は耐衝撃性が向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−238263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、このような圧電デバイスは、プリント基板から曲げ応力を受ける場合がある。圧電デバイスにかかる曲げ応力は圧電振動片に影響を与え、励振部の振動周波数の特性を変化させる。そのため、圧電振動片には耐衝撃性が求められるとともに、励振部にかかる曲げ応力が低減することが必要である。励振部に応力が加わると励振部の振動周波数の特性が変化してしまう。特許文献1では2本の連結部で励振部が支えられているため、曲げ応力の影響を励振部が受けてしまう。
【0006】
本発明は、耐衝撃性を有するとともに励振部への曲げ応力の影響が抑えられた圧電振動片及び圧電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点の圧電振動片は、第1方向に伸びる第1辺及び第1方向に直交する第2方向に伸びる第2辺を含む矩形形状の励振部と、励振部を囲む枠部と、励振部の第1辺と枠部とを連結し、第1方向と第2方向とに直交する第3方向への厚さが第1厚さである1本の連結部と、を備え、励振部が両主面に一対の励振電極が形成される第1領域と、第1辺の少なくとも一部を含んで連結部に第1厚さで直接連結される第2領域と、第1領域と第2領域との間に配置され第1領域及び第2領域以外の領域であり第3方向への厚さが第2厚さである第3領域と、を含み、第2領域の第3方向への厚さは第2厚さよりも厚く形成される。
【0008】
第2観点の圧電振動片は、第1観点において、第1辺が第2辺よりも長さが短い。
第3観点の圧電振動片は、第1観点または第2観点において、連結部が第1辺の中央に連結される。
第4観点の圧電振動片は、第1観点から第3観点において、第1領域の第3方向への厚さが、第2厚さよりも厚く形成されている。
第5観点の圧電振動片は、第4観点において、第1領域が第3方向に対して所定の角度を有するテーパー面により第3領域に接続している。
第6観点の圧電振動片は、第1観点から第5観点において、第2領域が第3方向に対して所定の角度を有するテーパー面により第3領域に接続している。
【0009】
第7観点の圧電振動片は、第1観点から第5観点において、連結部の第1方向の側面に第1厚さよりも薄く第2厚さより厚い第3厚さに形成される第1補助連結部が形成され、励振部の第2領域が連結部に直接連結され第1厚さに形成されている第1連結領域と、第1補助連結部に連結され第3厚さに形成されている第2連結領域と、を含む。
第8観点の圧電振動片は、第7観点において、第2連結領域が第1連結領域と第3領域との全ての間に形成されている。
第9観点の圧電振動片は、第4観点から第6観点において、第1領域の第3方向への厚さが第1厚さである。
【0010】
第10観点の圧電振動片は、第7観点及び第8観点において、第1領域の第3方向への厚さが第3厚さである。
第11観点の圧電振動片は、第1観点から第6観点において、連結部の第1方向の側面に第2厚さに形成される第2補助連結部が形成されている。
第12観点の圧電振動片は、第11観点において、第2補助連結部が連結部の第1方向の側面と第1辺及び枠部とを曲面又は第1方向から第2方向へ所定の角度傾いた法線を有する平面で連結している。
【0011】
第13観点の圧電振動片は、第1観点から第12観点において、第2領域の励振電極側の側面の角部が、曲面又は平面で面取りされている。
第14観点の圧電振動片は、第1観点から第13観点において、連結部の第1方向の幅は第1幅に形成され、第2領域は第1方向に第2幅となる幅に形成され、第2領域は第1辺の第2幅を含み、第1幅は第2幅よりも小さい。
第15観点の圧電振動片は、第1観点から第14観点において、枠部の励振部側の側面の四隅にはそれぞれ補助枠部が形成され、補助枠部の励振部に面する側面が曲面又は第1方向から第2方向へ所定の角度傾いた法線を有する平面に形成されている。
第16観点の圧電振動片は、第15観点において、補助枠部の第3方向への厚さが枠部の第3方向への厚さ、第1厚さ、又は第2厚さのいずれかに形成される。
第17観点の圧電デバイスは、第1観点から第16観点に記載の圧電振動片と、圧電振動片の枠部の一方の主面に接合されるリッド板と、圧電振動片の枠部の他方の主面に接合されるベース板と、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の圧電振動片及び圧電デバイスによれば、圧電振動片が耐衝撃性を有するとともに励振部への曲げ応力の影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】圧電デバイス100の分解斜視図である。
【図2】(a)は、圧電デバイス100の断面図である。 (b)は、圧電振動片130の平面図である。
【図3】(a)は、電極が形成されていない圧電振動片130の平面図である。 (b)は、圧電振動片130の断面図である。
【図4】(a)は、圧電振動片230の平面図である。 (b)は、圧電振動片230の断面図である。 (c)は、圧電振動片230の拡大部分断面図である。
【図5】(a)は、プリント基板200及びプリント基板200に実装された圧電デバイス100の概略断面図である。 (b)は、圧電振動片230aの概略平面図である。 (c)は、圧電振動片230bの概略断面図である。
【図6】第1領域131aの中央にかかる応力が示されたグラフである。
【図7】(a)は、圧電振動片に応力が加わった場合の連結部にかかる最大応力が示されたグラフである。 (b)は、励振部の第1領域131aの中央にかかる応力が示されたグラフである。
【図8】(a)は、圧電振動片430aの断面図である。 (b)は、圧電振動片430bの断面図である。
【図9】(a)は、圧電振動片530aの平面図である。 (b)は、圧電振動片530aの断面図である。 (c)は、圧電振動片530aの断面図である。
【図10】(a)は、圧電振動片530bの平面図である。 (b)は、圧電振動片530bの断面図である。
【図11】圧電振動片530bの作製方法が示されたフローチャートである。
【図12】圧電振動片530bの作製方法が示されたフローチャートである。
【図13】(a)は、圧電振動片630aの平面図である。 (b)は、圧電振動片630bの部分平面図である。 (c)は、圧電振動片630cの部分平面図である。
【図14】(a)は、圧電振動片730aの平面図である。 (b)は、圧電振動片730bの部分平面図である。 (c)は、圧電振動片730cの部分平面図である。
【図15】(a)は、圧電振動片830aの部分平面図である。 (b)は、圧電振動片830bの部分平面図である。 (c)は、圧電振動片830cの部分平面図である。 (d)は、圧電振動片830dの部分平面図である。
【図16】(a)は、圧電振動片930aの平面図である。 (b)は、圧電振動片930bの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0015】
(第1実施形態)
<圧電デバイス100の構成>
図1は、圧電デバイス100の分解斜視図である。圧電デバイス100は、リッド板110と、ベース板120と、圧電振動片130と、により構成されている。圧電振動片130には例えばATカットの水晶振動片が用いられる。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。以下の説明では、ATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、圧電デバイス100においては圧電デバイス100の長辺方向をX軸方向、圧電デバイス100の高さ方向をY’軸方向、X及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
【0016】
圧電振動片130は、所定の振動数で振動する励振部131と、励振部131を囲む枠部132と、励振部131と枠部132とを連結する連結部133と、により構成されている。励振部131と枠部132との間の連結部133以外の領域は、圧電振動片130をY’軸方向に貫通する貫通孔136となっている。励振部131の+Y’軸側の面と−Y’軸側の面とには励振電極134が形成されており、各励振電極134からは連結部133を通り枠部132にまで引出電極135が引き出されている。
【0017】
ベース板120は、圧電振動片130の−Y’軸側に配置される。ベース板120はX軸方向に長辺、Z’軸方向に短辺を有する矩形形状に形成されている。ベース板120の−Y’軸側の面には一対の実装端子124が形成されている。この実装端子124がハンダを介してプリント基板等に固定され電気的に接続されることにより、圧電デバイス100がプリント基板等に実装される。また、ベース板120の四隅の側面にはキャスタレーション126が形成されており、キャスタレーション126には側面電極125が形成されている。ベース板120の+Y’軸側の面には凹部121が形成されており、凹部121の周りには接合面122が形成されている。また、接合面122の四隅でありキャスタレーション126の周りには接続電極123が形成されている。この接続電極123は、キャスタレーション126に形成される側面電極125を介して実装端子124に電気的に接続されている。ベース板120は、接合面122において封止材141(図2参照)を介して圧電振動片130の枠部132の−Y’軸側の面に接合される。またこのとき、接続電極123と圧電振動片130の引出電極135とが電気的に接続される。
【0018】
リッド板110は、圧電振動片130の+Y’軸側に配置される。リッド板110の−Y’軸側の面には凹部111が形成されており、凹部111の周りには接合面112が形成されている。リッド板110は、接合面112において封止材141(図2参照)を介して圧電振動片130の枠部132の+Y’軸側の面に接合される。
【0019】
図2(a)は、圧電デバイス100の断面図である。図2(a)は、図1のA−A断面の断面図である。圧電デバイス100は、圧電振動片130の枠部132の+Y’軸側の面にリッド板110の接合面112が封止材141を介して接合され、枠部132の−Y’軸側の面にベース板120の接合面122が封止材141を介して接合されている。圧電振動片130の枠部132とベース板120の接合面122とが接合される際には、枠部132の−Y’軸側の面に形成されている引出電極135とベース板120の接合面122に形成されている接続電極123とが電気的に接続される。これにより、励振電極134は、引出電極135、接続電極123、及び側面電極125を介して実装端子124に電気的に接続される。
【0020】
図2(b)は、圧電振動片130の平面図である。圧電振動片130は、励振部131と、励振部131を囲む枠部132と、励振部131と枠部132とを連結する1本の連結部133と、により構成されている。連結部133は、励振部131の−X軸側の辺である第1辺138aの中央に連結され、そこから−X軸方向に伸びて枠部132に連結されている。また、励振部131と枠部132との間の連結部133以外の領域は、圧電振動片130をY’軸方向に貫通する貫通孔136となっている。励振部131は、第1辺138aと、励振部131の+Z’軸側及び−Z’軸側の辺である第2辺138bとを含む矩形形状に形成されている。また、励振部131は、励振電極134が形成される第1領域131aと、連結部133に直接連結される第2領域131bと、第1領域131a及び第2領域131b以外の領域である第3領域131cと、に分けて考えることができる。第3領域131cは第1領域131aと第2領域131bとの間に形成されている。
【0021】
圧電振動片130では、+Y’軸側の面に形成されている励振電極134から引き出される引出電極135が、第3領域131c、第2領域131b、及び連結部133を通って−X軸側の枠部132に引き出され、さらに枠部132の+Z’軸側を通って+X軸方向に伸び、貫通孔136に面する枠部132の+X軸側の+Z’軸側の角部を含む側面135a(図1及び図2参照)を介して+Y’軸側から−Y’軸側の面に引き出され、枠部132の−Y’軸側の面の+X軸側の+Z’軸側の角部にまで形成されている。また、−Y’軸側の面に形成されている励振電極134から引き出される引出電極135は、第2領域131b及び連結部133を通って−X軸側の枠部132まで引き出され、さらに−Z’軸方向に伸びて枠部132の−Y’軸側の面の−X軸側の−Z’軸側の角部にまで形成されている。
【0022】
図3(a)は、電極が形成されていない圧電振動片130の平面図である。励振部131の第1辺138aの長さは長さLZ1であり、第2辺138bは長さLX2に形成されている。圧電振動片130では、第1辺138aが励振部131の短辺であり第2辺138bが励振部131の長辺であるため、長さLZ1は長さLX2よりも短い。また、圧電振動片130の枠部132の全体のX軸方向の長さを長さWX1、Z’軸方向の全体の長さを長さWZ1、Z’軸方向に伸びる枠部132のX軸方向の幅を幅WX2、X軸方向に伸びる枠部132のZ’軸方向の幅を幅WZ2とする。圧電振動片130では、例えばこれらの各長さは、長さLZ1が1.0mm、長さLX2が1.4mm、長さWX1が2.0mm、長さWX2が0.2mm、長さWZ1が1.6mm、長さWZ2が0.2mmに形成される。また、圧電振動片130の連結部133のZ’軸方向の長さを長さRZ1、第2領域131bのX軸方向の長さを長さRX1とすると、圧電振動片130では、例えば、長さRZ1が0.2mm、長さRX1が0.1mmに形成される。
【0023】
図3(b)は、圧電振動片130の断面図である。図3(b)は、図2(b)のB−B断面図が示されている。圧電振動片130は、枠部132のY’軸方向への厚さが第4厚さT4、連結部133及び励振部131の第2領域131bのY’軸方向の厚さが第1厚さT1、励振部131の第1領域131a及び第3領域131cのY’軸方向の厚さが第2厚さT2に形成されている。圧電振動片130では、例えば、第4厚さT4が80μm、第1厚さT1が70μm、第2厚さT2が40μmに形成される。
【0024】
<圧電振動片230の構成>
圧電振動片の第1領域131aには、第3領域131cよりもY’軸方向の厚さが厚いメサ部が形成されていてもよい。以下、圧電振動片130の変形例として、メサ部が形成された圧電振動片230について説明する。また、以下の説明では、圧電振動片130と同様の構成部分に関しては同じ記号を用いてその説明を省略する。
【0025】
図4(a)は、圧電振動片230の平面図である。圧電振動片230は、励振部131の第1領域131aが第3領域131cよりもY’軸方向に厚く形成されたメサ型の圧電振動片である。メサ型の圧電振動片は、励振部に生ずる厚み滑り振動に対して不要振動である屈曲振動を抑制することができ、クリスタルインピーダンス(CI)値などの特性の劣化を抑えることができるため好ましい。圧電振動片230のその他の構成は、圧電振動片130と同様である。
【0026】
図4(b)は、圧電振動片230の断面図である。図4(b)は、図4(a)のC−C断面図である。圧電振動片230では、第1領域131aのY’軸方向の厚さ、連結部133のY’軸方向の厚さ、及び第2領域131bの厚さは厚さT1に形成され、第3領域131cのY’軸方向の厚さである厚さT2よりも厚く形成されている。
【0027】
図4(c)は、圧電振動片230の拡大部分断面図である。図4(c)は、図4(b)の点線で囲まれた枠161の拡大図である。圧電振動片230では、第2領域131b及び第1領域131aが、第3領域131cから+Y’軸方向に厚さT5だけ厚く形成され、第3領域131cから−Y’軸方向に厚さT5だけ厚く形成されている。すなわち圧電振動片230では、第2領域131b及び第1領域131aの厚さが等しく、第3領域131cから+Y’軸方向及び−Y’軸方向に等しい厚さで形成されている。そのため、圧電振動片230の製造工程では、1度のエッチングにより連結部133、第2領域131b、及び第1領域131aの外形を同時に形成することができる。したがって、圧電振動片230では、圧電振動片130と比べて工程を増やすことなく第1領域131aが第3領域131cよりもY’軸方向に厚く形成されたメサ型の圧電振動片を作製することができる。
【0028】
<シミュレーション>
圧電デバイスが実装されたプリント基板に曲げ応力がかかった場合には、圧電デバイス及び圧電振動片にも曲げ応力がかかる。このような曲げ応力がかかる圧電振動片の部分及びその大きさはシミュレーションにより計算することが可能であり、このシミュレーションの値は実際に測定される曲げ応力の値に近いことが確認されている。以下、圧電デバイスが実装されたプリント基板に曲げ応力がかかった場合に、圧電振動片にかかる曲げ応力のシミュレーションの結果について説明する。また、以下の説明において圧電振動片130と同様の部分に関しては圧電振動片130と同様の記号を用い、その説明を省略する。
【0029】
図5(a)は、プリント基板200及びプリント基板200に実装された圧電デバイス100の概略断面図である。プリント基板200の+Y’軸側の面には、圧電デバイス100が実装されている。シミュレーションでは、プリント基板200の−Y’軸側の面に+Y’軸方向の力170がかけられ、プリント基板200に曲げ応力が発生した状態を想定している。またシミュレーションでは、曲げ応力はX軸方向にプリント基板200が曲げられる場合(図5(a)において右方向が+X軸方向となる場合:X軸曲げ)と、Z’軸方向に曲げられる場合(図5(a)において右方向が+Z’軸方向となる場合:Z’軸曲げ)とが想定される。
【0030】
図5(b)は、圧電振動片330aの概略平面図である。図5(b)では、圧電振動片330aに形成される電極は示されず、外形のみが示されている。圧電振動片330aは、励振部331と、枠部132と、励振部331と枠部132とを連結する連結部333aと、により構成されている。励振部331は、励振電極が形成される第1領域131aと、第1領域131aを囲んで形成されている周辺領域331bとにより構成されている。第1領域131aのY’軸方向への厚さは第1厚さT1に形成され、周辺領域331bのY’軸方向への厚さは第1厚さT1よりも薄い第2厚さT2に形成されている。また、連結部333aはY’軸方向の厚さが第2厚さT2、Z’軸方向の幅が幅L1aに形成されており、励振部331の−X軸側の辺の中央と枠部132とを連結している。
【0031】
図5(c)は、圧電振動片330bの概略断面図である。図5(c)では、圧電振動片330bに形成される電極は示されず、外形のみが示されている。圧電振動片330bは、励振部331と、枠部132と、励振部331と枠部132とを連結する一対の連結部333bと、により構成されている。圧電振動片330bでは、一対の連結部333bが、励振部331の−X軸側の辺の+Z’軸側及び−Z’軸側の端にそれぞれ連結されている。また、各連結部333bのZ’軸方向の幅は幅L1bに形成されている。
【0032】
図6は、第1領域131aの中央にかかる応力が示されたグラフである。縦軸には励振部331の第1領域131aの中央にかかる応力が示されており、プラスの値は引っ張り応力、マイナスの値は圧縮応力がかかることを示している。横軸には、圧電振動片330aの連結部333aの幅L1aが0.32mm、0.52mm、0.72mm、及び圧電振動片330bの連結部333bの幅L1bが0.34mmである場合のZ’軸曲げ、及びX軸曲げのそれぞれの場合が示されている。
【0033】
圧電振動片330aの幅L1aが0.32mmである場合は、Z’軸曲げでは応力が−0.55MPa、X軸曲げでは応力が0.06MPaかかる。圧電振動片330aの幅L1aが0.52mmである場合は、Z’軸曲げでは応力が−2.05MPa、X軸曲げでは応力が0.38MPaかかっている。圧電振動片330aの幅L1aが0.72mmである場合は、Z’軸曲げでは応力が−3.66MPa、X軸曲げでは応力が0.90MPaかかっている。圧電振動片330bの幅L1bが0.34mmである場合は、Z’軸曲げでは応力が−4.30MPa、X軸曲げでは応力が0.84MPaかかっている。
【0034】
図6のグラフからは、連結部の本数が、2本よりも1本の方が連結部にかかる応力が高くなることが分かる。また、連結部が1本の場合は、連結部の幅L1aが細ければ細いほど励振部の第1領域131aの中央にかかる応力が小さいことが分かる。そのため図6のグラフからは、連結部の本数は2本よりも1本、及び連結部のZ’軸方向の幅は細い方が励振部の第1領域131aの中央に応力がかかりにくいことが分かる。
【0035】
図7(a)は、圧電振動片に応力が加わった場合の連結部にかかる最大応力が示されたグラフである。図7(a)は、圧電デバイスの+Y’軸側の面に3000Gの応力を与えた場合を想定してシミュレーションを行った結果である。図7(a)では、縦軸に連結部にかかる最大応力が示されており、横軸には圧電振動片330a、圧電振動片230a、圧電振動片230b、及び圧電振動片330bが示されている。圧電振動片230a及び圧電振動片230bは、図4(b)に示された圧電振動片230において、連結部133の幅RZ1がそれぞれ0.32mm、0.23mmであり、連結部133及び第2領域131bのY’軸方向の厚さがそれぞれ50μm、70μmである。圧電振動片330aでは連結部に74.3MPaの最大応力がかかり、圧電振動片230aでは34.6MPaの最大応力がかかり、圧電振動片230bでは24.4MPaの最大応力がかかり、圧電振動片330bでは36.2MPaの最大応力がかかっている。
【0036】
圧電振動片330aと圧電振動片230aとを比較すると、連結部の厚さを厚くすると連結部にかかる応力が小さくなることが分かる。圧電振動片230aと圧電振動片230bとは、連結部のY’−Z’平面の断面積がほぼ等しくなるように形成されているが、圧電振動片230bの方が連結部にかかる応力が小さい。これは、圧電振動片230bが圧電振動片230aよりも連結部の厚さが厚いためと思われる。圧電振動片330bは、連結部が2本の連結部が形成されているが、連結部にかかる応力は圧電振動片230a及び圧電振動片230bよりも大きい。
【0037】
図7(b)は、励振部の第1領域131aの中央にかかる応力が示されたグラフである。図7(b)には、圧電振動片330a、圧電振動片230a、及び圧電振動片230bの応力が示されている。圧電振動片230aは図6に示された結果と同じであり、比較のために再掲している。圧電振動片230a及び圧電振動片230bでは圧電振動片330aに近い値の応力が計算されており、圧電振動片230a及び圧電振動片230bは圧電振動片330aに同じく第1領域131aにかかる応力が小さい。
【0038】
これらの結果より、圧電振動片は、連結部の幅が狭く形成された場合には励振部にかかる応力が小さくなることが分かる(図6参照)。また、連結部の厚さを厚くすると連結部にかかる応力が小さくなり、耐衝撃性に優れることが予想される(図7(a)参照)。さらに、連結部の厚さを大きくし、連結部の断面積を増加させても励振部にかかる応力には大きな変化がないことが確認された(図7(b)参照)。例えば、圧電振動片330aは、励振部にかかる応力は小さいが(図6参照)、連結部にかかる応力が高いため(図7(a)参照)耐衝撃性が弱いことが分かる。しかし、圧電振動片230a及び圧電振動片230bでは、連結部にかかる応力が低く抑えられているとともに(図7(a)参照)、励振部の第1領域131aにかかる応力も小さく抑えることができているため好ましい(図7(b)参照)。すなわち、圧電振動片の連結部は、幅を狭く形成し、厚さが厚く形成されることが好ましいことが分かる。さらに励振部には、連結部133と第1辺138aとにより形成される角部(例えば、図4(a)の角部196)には応力が集中し、この角部を起点とした割れによる破損が起こりやすい。この割れは、角部を形成する連結部133の側面と第1辺138aとから互いに等しい角度の方向(図4(a)の白抜き矢印197の方向)に生じる。圧電振動片230a及び圧電振動片230bでは、角部の割れが生じる方向のY’軸方向の厚さが厚く形成されていることにより角部の強度が増しているため、連結部133と第1辺138aとにより形成される角部を起点とした割れが発生しにくく、励振部の破損を防止できる。
【0039】
(第2実施形態)
圧電振動片の励振部及び連結部の段差は、テーパー面に形成されていてもよい。以下、テーパー面が形成された圧電振動片430a及び圧電振動片430bについて説明する。
【0040】
<圧電振動片430aの構成>
図8(a)は、圧電振動片430aの断面図である。圧電振動片430aは、励振部431aと、枠部132と、連結部433と、により構成されている。圧電振動片430aは、圧電振動片130(図3(b)参照)において、第2領域131bの第3領域131cとの境界、及び連結部433の枠部132との境界にテーパー面171が形成された形状を有している。テーパー面171は、+Y’軸方向とテーパー面171との法線方向とが成す角度が90度よりも小さい角度となるように形成されている。圧電振動片430aに形成される引出電極135は、このテーパー面171を通って励振電極134から枠部132まで引き出されている。
【0041】
<圧電振動片430bの構成>
図8(b)は、圧電振動片430bの断面図である。圧電振動片430aは、励振部431bと、枠部132と、連結部433と、により構成されている。圧電振動片430bは、圧電振動片230(図4(b)参照)において、第1領域131aの第3領域131cとの境界、第2領域131bの第3領域131cとの境界、及び連結部433の枠部132との境界にテーパー面171が形成されている。圧電振動片430bに形成される引出電極135は、このテーパー面171を通って励振電極134から枠部132まで引き出されている。
【0042】
圧電振動片に形成される電極は、圧電振動片の+Y’軸方向又は−Y’軸方向から電極をスパッタする等の方法により形成される。このとき、段差を有する圧電振動片に電極が形成される場合は、段差の角部で電極の厚さが薄くなり電極の電気抵抗が上がってしまう場合があった。圧電振動片430a及び圧電振動片430bでは、引出電極135がテーパー面171を介して形成されることにより角部に形成される電極の厚さを厚く形成することができ、電極の電気抵抗が上がることが抑えられている。
【0043】
(第3実施形態)
圧電振動片の連結部には、連結部の側面に補助連結部が形成されていてもよい。以下、補助連結部が形成された圧電振動片について説明する。
【0044】
<圧電振動片530aの構成>
図9(a)は、圧電振動片530aの平面図である。圧電振動片530aは、励振部5 31a、枠部132、連結部133、及び第1補助連結部533により構成されている。第1補助連結部533は、連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側の側面に形成されている。また、励振部531aの第2領域131bは、第1連結領域539aと第2連結領域539bとを有している。第1連結領域539aは連結部133とY’軸方向に同じ厚さに形成されて連結部133に直接連結され、第2連結領域539bは第1連結領域539aの+Z’軸側及び−Z’軸側に形成され、第1補助連結部533とY’軸方向に同じ厚さに形成されて第1補助連結部533に直接連結される。その他の構成は圧電振動片230(図4(a)参照)と同様である。
【0045】
図9(b)は、圧電振動片530aの断面図である。図9(b)は、図9(a)のE−E断面図である。圧電振動片430では、第1連結領域539aのY’軸方向の厚さが第1厚さT1に形成されており、第2連結領域539bのY’軸方向の厚さが第3厚さT4に形成されている。第3厚さT4は、励振部131の第3領域131cの第2厚さT2よりも厚く、第1連結領域539aの第1厚さT1よりも薄い。
【0046】
図9(c)は、圧電振動片530aの断面図である。図9(c)は、図9(a)のF−F断面図である。連結部133はY’軸方向に第1厚さT1に形成されており、第1補助連結部533はY’軸方向に第3厚さT4に形成されている。また、連結部133は第1厚さT1で第1連結領域539aに直接連結され、第1補助連結部533は第3厚さT4で第2連結領域539bに直接連結される。
【0047】
圧電振動片をY’軸方向に深くエッチングする場合、圧電振動片のエッチングされる領域はエッチング方向に対して平行にエッチングされない場合がある。例えば、圧電振動片530aにおいて第1補助連結部533が形成されない場合には、連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側の側面のY’軸方向の中央付近が連結部133側にえぐれて形成される場合がある。このとき、連結部133のえぐれた部分は細く形成されるため、連結部133の強度が落ちて圧電振動片の耐衝撃性が低下する。圧電振動片530aでは、連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側の側面に第1補助連結部533が形成されているため、連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側の側面が連結部133側に大きくえぐられることがなく、連結部133の強度が落ちず、圧電振動片の耐衝撃性が低下しないため好ましい。
【0048】
<圧電振動片530bの構成>
図10(a)は、圧電振動片530bの平面図である。圧電振動片530bは、励振部531b、枠部132、連結部133、及び第1補助連結部533により構成されている。圧電振動片530bでは、第2領域131bに第1連結領域539aと第3連結領域539cとが形成されており、連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側の側面には第1補助連結部533が形成されている。第1連結領域539aは連結部133に連結されており、第3連結領域539cは第1補助連結部533に連結されている。また、第3連結領域539cは第1連結領域539aと第3領域131cとの間を分けるように、第1連結領域539aの周りに形成されている。その他の構成は圧電振動片230(図4(a)参照)と同様である。
【0049】
図10(b)は、圧電振動片530bの断面図である。図10(b)は、図10(a)のG−G断面図である。圧電振動片530bでは、連結部133のY’軸方向の厚さ及び第1連結領域539aの厚さが第4厚さT4に形成されており、第1補助連結部533のY’軸方向の厚さ、第3連結領域539cのY’軸方向の厚さ、及び第1領域131aのY’軸方向の厚さが第1厚さT1に形成されている。
【0050】
圧電振動片530bでは、圧電振動片530aと同様に第1補助連結部533が形成されていることにより連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側の側面がエッチングにより大きくえぐられることがない。また、第1補助連結部533、第3連結領域539c、及び第1領域131aの厚さが等しく形成されることにより、第1補助連結部533、第3連結領域539c、及び第1領域131aを1度のエッチングで形成することができ、エッチング工程の回数を少なくすることができるため好ましい。
【0051】
<圧電振動片530bの作製方法>
圧電振動片530bの作製方法について、図11及び図12に示されたフローチャートを参照して説明する。また、図11及び図12のフローチャートの右横には、図11及び図12に示される各ステップを説明するための図が示されている。これらの図は、複数の圧電振動片530bが形成される圧電ウエハW530の図10(a)に示された圧電振動片530のG−G断面に相当する部分断面図である。
【0052】
図11は、圧電振動片530bの作製方法が示されたフローチャートである。また、フローチャートの各ステップの右横には、各ステップを説明するための図である図11(a)〜図11(d)が示されている。
【0053】
ステップS101では、圧電ウエハW530が用意される。図11(a)は、圧電ウエハW530の部分断面図である。圧電材料により形成されている圧電ウエハW530は+Y’軸側及び−Y’軸側の面が平面に形成され、圧電ウエハW530には複数の圧電振動片530bが形成される。また、圧電ウエハW530のY’軸方向の厚さは、第4厚さT4に形成されている。
【0054】
ステップS102では、圧電ウエハW530に金属膜181及びフォトレジスト182が形成される。図11(b)は、金属膜181及びフォトレジスト182が形成された圧電ウエハW530の部分断面図である。ステップS102では、まず、圧電ウエハW530の+Y’軸側及び−Y’軸側の面に金属膜181が形成される。金属膜181は、例えば、圧電ウエハW530にクロム(Cr)層が形成され、クロム層の表面に金(Au)層が蒸着されることにより形成される。さらに金属膜181の表面にフォトレジスト182が形成される。
【0055】
ステップS103では、フォトレジスト182の露光、現像及び金属膜181の除去が行われる。図11(c)は、フォトレジスト182の露光、現像及び金属膜181の除去が行われた圧電ウエハW530の部分断面図である。ステップS103では、まず、圧電ウエハW530の励振部531bの第1領域131a、第3領域131c、第2領域131bの第3連結領域539c、及び貫通孔136に相当する領域の+Y’軸側及び−Y’軸側の領域に形成されているフォトレジスト182の露光及び現像を行う。さらに、フォトレジスト182が現像された領域に形成されている金属膜181が除去される。
【0056】
ステップS104では、圧電ウエハW530がエッチングされる。図11(d)は、ステップS104でエッチングされた後の圧電ウエハW530の部分断面図である。圧電ウエハW530がエッチングされる領域は、ステップS103でフォトレジスト182及び金属膜181が除去された領域である。圧電ウエハW530は、+Y’軸側及び−Y’軸側の面がエッチングされることにより、エッチングされた領域の圧電ウエハW530の厚さが第1厚さT1になるように形成される。圧電ウエハW530のエッチングされていない領域には枠部132、連結部133、及び第2領域の第1連結領域539aが含まれており、これらが形成される領域のY’軸方向の厚さは第4厚さT4のままである。
【0057】
図12は、圧電振動片530bの作製方法が示されたフローチャートである。図12に示されたフローチャートには図11のフローチャートの続きが示されている。また、フローチャートの各ステップの右横には、各ステップを説明するための図である図12(a)〜図12(d)が示されている。
【0058】
ステップS105では、圧電ウエハW530にフォトレジスト182及び金属膜181が形成される。ステップS105は、図11のステップS104に引き続いて行われるステップである。また、図12(a)は、フォトレジスト182及び金属膜181が形成された圧電ウエハW530の部分断面図である。ステップS105では、圧電ウエハW530に形成されているフォトレジスト182及び金属膜181はすべて除去され、その後、圧電ウエハW530の+Y’軸側及び−Y’軸側の面に改めて金属膜181及びフォトレジスト182が形成される。
【0059】
ステップS106では、フォトレジスト182の露光、現像及び金属膜181が除去され、圧電ウエハW530がエッチングされる。図12(b)は、エッチングされた圧電ウエハW530の部分断面図である。ステップS106では、まず、圧電ウエハW530の励振部531bの第3領域131c、及び貫通孔136に相当する領域の+Y’軸側及び−Y’軸側の領域に形成されているフォトレジスト182の露光及び現像を行う。さらに、フォトレジスト182が取り除かれた領域に形成されている金属膜181が除去される。その後、圧電ウエハW530がエッチングされ、エッチングされた領域の圧電ウエハW530の厚さが第2厚さT2に形成される。
【0060】
ステップS107では、圧電ウエハW530がエッチングされ、貫通孔136が形成される。図12(c)は、貫通孔136が形成された圧電ウエハW530の部分断面図である。ステップS107では、ステップS106の後に、圧電ウエハW530に形成されているフォトレジスト182及び金属膜181はすべて除去される。その後、圧電ウエハW530の+Y’軸側及び−Y’軸側の面に改めて金属膜181及びフォトレジスト182が形成される。そして、圧電ウエハW530の貫通孔136に相当する領域の+Y’軸側及び−Y’軸側の領域に形成されているフォトレジスト182の露光及び現像を行い、フォトレジスト182が現像された領域に形成されている金属膜181が除去される。さらに、圧電ウエハW530がエッチングされ、エッチングされた領域の圧電ウエハW530がY’軸方向に貫通される。この圧電ウエハW530がY’軸方向に貫通された領域が貫通孔136になる。
【0061】
ステップS108では、圧電ウエハW530に電極が形成される。図12(d)は、電極が形成された圧電ウエハW530の部分断面図である。ステップS108では、ステップS107の後に、圧電ウエハW530に形成されているフォトレジスト182及び金属膜181はすべて除去され、その後、圧電ウエハW530に励振電極134及び引出電極135が形成される。
【0062】
以上により、圧電ウエハW530に複数の圧電振動片530bが形成される。また、圧電ウエハW530はステップS108の後に、複数のリッド板110が形成されているリッドウエハ(不図示)及び複数のベース板120が形成されているベースウエハ(不図示)に封止材141(図2(a)参照)を介して接合される。その後、接合されたウエハを切断して個片に分割することにより圧電デバイスが形成される。
【0063】
図11及び図12で示された圧電振動片530bの作製過程では、ステップS104、ステップS106、及びステップS107でそれぞれ圧電ウエハW530がエッチングされた。圧電振動片530bでは、第3連結領域539c、第1領域131a、及び第1補助連結部533が同じ厚さに形成されることにより、ステップS106で示されたように、1度のエッチングで第3連結領域539c、第1領域131a、及び第1補助連結部533を形成することができ、エッチング工程を少なくすることができるため好ましい。
【0064】
(第4実施形態)
圧電振動片は、角部が形成されている箇所に応力が集中し、角部を起点とした破損が起こりやすい。以下に、これらの破損が防がれた圧電振動片について説明する。
【0065】
<圧電振動片630a及び圧電振動片630bの構成>
圧電振動片に形成される第2領域のZ’軸方向の幅は、連結部のZ’軸方向の幅よりも広く形成されていてもよい。以下に、第2領域のZ’軸方向の幅が連結部のZ’軸方向の幅よりも広く形成された圧電振動片630aについて説明する。
【0066】
図13(a)は、圧電振動片630aの平面図である。圧電振動片630aは、励振部631a、枠部132、及び連結部133により形成されている。励振部631aの第2領域131bのZ’軸方向の幅は幅LZ2に形成されており、第2領域131bに含まれる第1辺138aの幅も幅LZ2に形成されている。また、幅LZ2は、連結部133のZ’軸方向の幅RZ1よりも広く形成されている。これにより、連結部133と励振部631aとにより形成される角部191は、第1厚さT1に形成されている連結部133と第2領域131bとに囲まれて形成される。その他の構成は、図2(b)に示された圧電振動片130と同様である。
【0067】
図13(b)は、圧電振動片630bの部分平面図である。図13(b)では、圧電振動片630bの−X軸側の半分の平面図が示されている。圧電振動片630bは、励振部631b、枠部132、及び連結部133により形成されている。励振部631bの第2領域131bのZ’軸方向の幅は励振部631bのZ’軸方向の幅と同じ幅である幅LZ1に形成されている。そのため、連結部133と励振部631bとにより形成される角部192は、第1厚さT1に形成されている連結部133と第2領域131bとに囲まれて形成される。その他の構成は、図2(b)に示された圧電振動片130と同様である。
【0068】
図13(c)は、圧電振動片630cの部分平面図である。図13(c)では、圧電振動片630cの−X軸側の半分の平面図が示されている。圧電振動片630cは、励振部631c、枠部132、連結部133、及び第1補助連結部533により形成されている。圧電振動片630cでは、励振部631cの第2領域131bに第1連結領域539aと第3連結領域639cとが形成されており、連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側の側面には第1補助連結部533が形成されている。第1連結領域539aは連結部133に連結されており、第3連結領域639cは第1補助連結部533に連結されている。また、第3連結領域639cは第1連結領域539aと第3領域131cとの間を分けるように、第1連結領域539aの周りに形成されている。励振部631cの第2領域131bのZ’軸方向の幅は幅LZ3に形成されており、第2領域131bに含まれる第1辺138aの幅も幅LZ3に形成されている。また、幅LZ3は、連結部133及び第1補助連結部533を合わせたZ’軸方向の幅RZ2よりも広く形成されている。これにより、第1補助連結部533と励振部631cとにより形成される角部193は、第1厚さT1に形成されている第1補助連結部533と第3連結領域639cとに囲まれて形成される。その他の構成は圧電振動片530b(図10(a)参照)と同様である。
【0069】
圧電振動片では、連結部と励振部とにより形成される角部に応力がかかりやすく、この角部を起点として圧電振動片に割れが発生しやすい。圧電振動片630a、圧電振動片630b、及び圧電振動片630cでは、角部191、角部192、及び角部193のY’軸方向の厚さが厚く形成されていることにより角部の強度が増しているため、角部191、角部192、及び角部193を起点とした割れが発生しにくい。
【0070】
<圧電振動片730a、圧電振動片730b、圧電振動片730cの構成>
圧電振動片に形成される第2領域の角部は、曲面又は平面で面取りされていてもよい。以下に、第2領域の角部が面取りされた圧電振動片について説明する。
【0071】
図14(a)は、圧電振動片730aの平面図である。圧電振動片730aは、励振部731a、枠部132、及び連結部133により形成されている。圧電振動片730aでは、励振部731aの第2領域131bの励振電極134側に形成されている側面の角部が平面739aにより切り取られることにより面取りされている。その他の構成は、図2(b)に示された圧電振動片130と同様である。
【0072】
図14(b)は、圧電振動片730bの部分平面図である。図4(b)は、圧電振動片730bの−X軸側の半分の平面図が示されている。圧電振動片730bでは、第2領域131bの励振電極134側の側面が、平面形状が円形の一部となる曲面739bを有するように形成されている。そのため、第2領域131bには角部が存在していない。圧電振動片730bのその他の構成は、図2(b)に示された圧電振動片130と同様である。
【0073】
図14(c)は、圧電振動片730cの部分平面図である。図4(c)は、圧電振動片730cの−X軸側の半分の平面図が示されている。圧電振動片730cでは、第2領域131bの励振電極134側の側面が曲面739cを有するように形成されている。この曲面739cの平面形状は+X軸方向に2つの山が形成された形状であり、第2領域131bには角部が存在していない。圧電振動片730cのその他の構成は、図2(b)に示された圧電振動片130と同様である。
【0074】
圧電振動片730a、圧電振動片730b、及び圧電振動片730cでは、励振部の第2領域に角度が90度以下となる角部が形成されていない。そのため、第2領域131bに応力が集中する箇所がなく、第2領域131bの角部に起因した圧電振動片の破損が防がれている。
【0075】
<圧電振動片830a、圧電振動片830b、圧電振動片830cの構成>
連結部と励振部の第1辺との間に形成される角部には、第2補助連結部が形成されていてもよい。以下に、第2補助連結部が形成された圧電振動片について説明する。
【0076】
図15(a)は、圧電振動片830aの部分平面図である。図15(a)では、圧電振動片830aの−X軸側の半分の平面図が示されている。圧電振動片830aは、励振部131、枠部132、連結部133、及び第2補助連結部833aにより形成されている。第2補助連結部833aは、連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側に形成されており、Y’軸方向の厚さは第3領域131と同じ第2厚さT2(図3(b)参照)に形成されている。また第2補助連結部833aは、連結部133と励振部131及び枠部132との間に形成される角部194を含んで形成されている。その他の構成は、図2(b)に示された圧電振動片130と同様である。
【0077】
図15(b)は、圧電振動片830bの部分平面図である。図15(b)では、圧電振動片830bの−X軸側の半分の平面図が示されている。圧電振動片830bも圧電振動片830aと同様に、圧電振動片130に第2補助連結部が形成された形状を有している。圧電振動片830bに形成される第2補助連結部833bは第2厚さT2に形成されており、連結部133と励振部131及び枠部132との間に形成される角部194に形成されている。第2補助連結部833bの平面形状は、各第2補助連結部833bのX―Z’平面の平面形状は三角形に形成されている。この三角形の2辺は第1辺138a及び連結部133の側面に形成されており、他の1辺は、X軸方向及びZ’軸方向に平行ではない直線で形成されている。そのため、図15(b)に示されるように、連結部133と第1辺138a及び枠部132との間は90度以下の角部が形成されない。
【0078】
図15(c)は、圧電振動片830cの部分平面図である。図15(c)では、圧電振動片830cの−X軸側の半分の平面図が示されている。圧電振動片830cも圧電振動片830aと同様に、圧電振動片130に第2補助連結部が形成された形状を有している。圧電振動片830cに形成される第2補助連結部833cは第2厚さT2に形成されており、連結部133の+Z’軸側及び−Z’軸側の側面に形成されている。第2補助連結部833cの連結部133と反対側の側面は、連結部133側に凹んだ曲面に形成されている。そのため、第2補助連結部833cと第1辺138a及び枠部132との間の角部194は90度以下の角部が形成されていない。
【0079】
図15(d)は、圧電振動片830dの部分平面図である。図15(d)では、圧電振動片830dの−X軸側の半分の平面図が示されている。圧電振動片830dは、励振部831、枠部132、連結部133、及び第2補助連結部833dにより形成されている。第2補助連結部833dは、連結部133及び第2領域131bの厚さと同じ第1厚さT1に形成されており、連結部133と励振部831及び枠部132との間に形成される角部194に形成されている。第2補助連結部833dの平面形状は、各第2補助連結部833dのX―Z’平面の平面形状が三角形に形成されている。この三角形の2辺は第1辺138a及び連結部133の側面に形成されており、他の1辺は、X軸方向及びZ’軸方向に平行ではない直線で形成されている。そのため、図15(d)に示されるように、連結部133と第1辺138a及び枠部132との間は90度以下の角部が形成されない。また、励振部831の第2領域131bのZ’軸方向への幅は幅LZ4に形成されており、幅LZ4は連結部133のZ’軸方向の幅である幅RZ2よりも広く形成されている。また、第2領域131bは第1辺138aにおいて幅LZ4に形成されており、連結部133及び+X軸側の第2補助連結部833dに第1厚さT1で直接連結されている。また、図15(d)に示された圧電振動片830dでは、第2補助連結部の平面形状が図15(c)に示される第2補助連結部833cのような、連結部133側に凹んだ曲面を有するように形成されてもよい。
【0080】
圧電振動片830aは連結部133と第1辺138a及び枠部132との間の角部194が第2補助連結部833aにより補強されている。また、圧電振動片830b及び圧電振動片830cは、第2補助連結部833b及び第2補助連結部833cにより連結部133と第1辺138a及び枠部132との間の角部194が補強されるとともに、第1辺138aと連結部133との間の角部が90度以下とならないため、第1辺138aと連結部133との間の角部139を起点とした割れが発生しにくくなっている。
【0081】
<圧電振動片930a、圧電振動片930bの構成>
圧電振動片では、枠部にも角部が形成される。図15(b)及び図15(c)に示されたように、角部は90度よりも大きい角度で形成された場合、角部が割れなどの起点となることを防ぐことができる。そのため、枠部にも、枠部の角部を補強するための補助枠部が形成されていてもよい。以下に、枠部の角部に補助枠部が形成された圧電振動片について説明する。
【0082】
図16(a)は、圧電振動片930aの平面図である。圧電振動片930aは、励振部131、枠部132、連結部133、及び補助枠部932aにより形成されている。補助枠部932aは、枠部132の励振部131に面する側面の四隅にそれぞれ形成されている。各補助枠部932aは、X―Z’平面の平面形状が三角形に形成されており、三角形の2辺は枠部132の側面と共通しており、他の1辺はX軸方向及びZ’軸方向に平行ではない直線で形成されている。そのため補助枠部932aにより、枠部132の励振部131側側面の四隅の角部195が90度以下となることが防がれている。
【0083】
図16(b)は、圧電振動片930bの平面図である。圧電振動片930bは、励振部131、枠部132、連結部133、及び補助枠部932bにより形成されている。補助枠部932bは、枠部132の励振部131に面する側面の四隅にそれぞれ形成されている。各補助枠部932bは、X―Z’平面の平面形状が、枠部132の側面と共通した2辺と、角部195側に凹んだ曲線とにより囲まれた形状に形成されている。圧電振動片930bにおいても圧電振動片930aと同様に枠部132の励振部131側側面の四隅の角部195が90度以下となることが防がれている。
【0084】
圧電振動片930a及び圧電振動片930bでは、枠部132の角部195に補助枠部が形成されていることにより、枠部132の角部195を起点とした割れが発生しにくくなっており、耐衝撃性が向上している。また、補助枠部は、枠部132、連結部133、及び第3領域131cのいずれかの厚さと同じ厚さに形成されることにより、圧電振動片の作製工程でエッチング回数を減らすことができるため好ましい。
【0085】
以上、本発明の最適な実施例について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施例に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0086】
例えば、上記の実施形態では第1辺が第2辺よりも短く形成されていたが、第1辺は第2辺よりも長く形成されていてもよい。また、上記実施形態で説明されたベース板120ではその四隅に円筒形のキャスタレーション126が形成されたが、ベース板には、ベース板の角部から短辺方向に伸びた形状のキャスタレーション、又はベース板の短辺にベース板の四隅を含まないように形成された形状のキャスタレーション等が形成されてもよい。
【0087】
また、上記の実施形態では圧電振動片がATカットの水晶振動片である場合を示したが、同じように厚みすべりモードで振動するBTカットなどであっても同様に適用できる。さらに圧電振動片は水晶材料のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは圧電セラミックを含む圧電材料に基本的に適用できる。
【符号の説明】
【0088】
100 … 圧電デバイス
110 … リッド板
111、121 … 凹部
112、122 … 接合面
120 … ベース板
123 … 接続電極
124 … 実装端子
125 … 側面電極
126 … キャスタレーション
130、230、230a、230b、330a、330b、430a、430b、530a、530b、630a、630b、630c、730a、730b、730c、830a、830b、830c、930a、930b … 圧電振動片
131、431a、431b、531a、531b、631a、631b、631c、831 … 励振部
131a … 第1領域
131b … 第2領域
131c … 第3領域
132 … 枠部
133、333a、333b、433 … 連結部
134 … 励振電極
135 … 引出電極
136 … 貫通孔
138a … 第1辺
138b … 第2辺
141 … 封止材
171 … テーパー面
181 … 金属膜
182 … フォトレジスト
191、192、193、194、195、196 … 角部
200 … プリント基板
331b … 周辺領域
533 … 第1補助連結部
539a … 第1連結領域
539b … 第2連結領域
539c、639c … 第3連結領域
833a、833b、833c … 第2補助連結部
932a、932b … 補助枠部
W530 … 圧電ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に伸びる第1辺及び前記第1方向に直交する第2方向に伸びる第2辺を含む矩形形状の励振部と、
前記励振部を囲む枠部と、
前記励振部の前記第1辺と前記枠部とを連結し、前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向への厚さが第1厚さである1本の連結部と、を備え、
前記励振部は、両主面に一対の励振電極が形成される第1領域と、前記第1辺の少なくとも一部を含んで前記連結部に前記第1厚さで直接連結される第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に配置され前記第1領域及び前記第2領域以外の領域であり前記第3方向への厚さが前記第2厚さである第3領域と、を含み、
前記第2領域の前記第3方向への厚さは前記第2厚さよりも厚く形成される圧電振動片。
【請求項2】
前記第1辺は、前記第2辺よりも長さが短い請求項1に記載の圧電振動片。
【請求項3】
前記連結部は、前記第1辺の中央に連結される請求項1又は請求項2に記載の圧電振動片。
【請求項4】
前記第1領域の前記第3方向への厚さは、前記第2厚さよりも厚く形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧電振動片。
【請求項5】
前記第1領域は、前記第3方向に対して所定の角度を有するテーパー面により前記第3領域に接続している請求項4に記載の圧電振動片。
【請求項6】
前記第2領域は、前記第3方向に対して所定の角度を有するテーパー面により前記第3領域に接続している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧電振動片。
【請求項7】
前記連結部の前記第1方向の側面には、前記第1厚さよりも薄く前記第2厚さより厚い第3厚さに形成される第1補助連結部が形成され、
前記励振部の前記第2領域は、前記連結部に直接連結され前記第1厚さに形成されている第1連結領域と、前記第1補助連結部に連結され前記第3厚さに形成されている第2連結領域と、を含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧電振動片。
【請求項8】
前記第2連結領域は、前記第1連結領域と前記第3領域との全ての間に形成されている請求項7に記載の圧電振動片。
【請求項9】
前記第1領域の前記第3方向への厚さは前記第1厚さである請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の圧電振動片。
【請求項10】
前記第1領域の前記第3方向への厚さは前記第3厚さである請求項7又は請求項8に記載の圧電振動片。
【請求項11】
前記連結部の前記第1方向の側面には、前記第2厚さに形成される第2補助連結部が形成されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の圧電振動片。
【請求項12】
前記第2補助連結部は、前記連結部の前記第1方向の側面と前記第1辺及び前記枠部とを曲面又は前記第1方向から前記第2方向へ所定の角度傾いた法線を有する平面で連結している請求項11に記載の圧電振動片。
【請求項13】
前記第2領域の前記励振電極側の側面の角部は、曲面又は平面で面取りされている請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の圧電振動片。
【請求項14】
前記連結部の前記第1方向の幅は第1幅に形成され、前記第2領域は前記第1方向に第2幅となる幅に形成され、
前記第2領域は前記第1辺の第2幅を含み、
前記第1幅は前記第2幅よりも小さい請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の圧電振動片。
【請求項15】
前記枠部の前記励振部側の側面の四隅にはそれぞれ補助枠部が形成され、
前記補助枠部の前記励振部に面する側面は、曲面又は前記第1方向から前記第2方向へ所定の角度傾いた法線を有する平面に形成されている請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の圧電振動片。
【請求項16】
前記補助枠部の前記第3方向への厚さは、前記枠部の前記第3方向への厚さ、前記第1厚さ、又は前記第2厚さのいずれかに形成される請求項15に記載の圧電振動片。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の圧電振動片と、
前記圧電振動片の前記枠部の一方の主面に接合されるリッド板と、
前記圧電振動片の前記枠部の他方の主面に接合されるベース板と、
を含む圧電デバイス。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−26809(P2013−26809A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159493(P2011−159493)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】