説明

地図情報表示装置

【課題】地図情報を見易く表示する。
【解決手段】GPS2と、入力装置3と、地図情報が格納されたメモリ4と、ナビゲーション装置5と、ディスプレイ6と、を備えた地図情報表示装置1において、ナビゲーション装置5は、目的地を検索する検索機能51と、ディスプレイ6への表示制御を行う表示機能52と、自車の現在位置から目的地に至る走行経路を案内する経路案内機能53と、を備える。そして、表示機能52は、目的地を示す目的地アイコンと、周辺施設を示す周辺施設アイコンと、目的地アイコンと周辺施設アイコンとを一体化した一体化アイコンと、を備えており、通常時は、一体化アイコンのみを地図情報に重ね合わせて表示させ、一体化アイコンが選択されると、一体化アイコンを消去して目的地アイコンと駐車場アイコンとを地図情報に重ね合わせて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報上に特定施設を表示する地図情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置などの地図情報をディスプレイに表示させる地図情報表示装置として、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1には、施設検索などにより検索された目的地の施設アイコンを地図情報上に重ね合わせて表示する技術において、目的地である施設が提携している提携先駐車場の駐車場マークと、この施設が提携していない駐車場の駐車場マークとを識別可能に表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−089989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の地図情報表示装置では、駐車場マークを表示することには変わりがないため、この駐車場マークにより地図情報が見難くなるという問題がある。例えば、目的地の周囲に多数の駐車場が存在する場合、これらの駐車場を示す駐車場マークを地図情報に重ね合わせて表示すると、目的地の周囲の地図情報が駐車場マークで隠されるため、どのような経路で目的地に向かえばよいのか判断できなくなる。また、目的地自体も駐車場マークで隠されるため、目的地の存在有無や目的地の位置を確認できなくなる。しかも、街中はコインパークなどの駐車場が数多く存在するため、これらの問題は更に顕著となる。
【0005】
そこで、本発明は、地図情報を見易く表示する地図情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る地図情報表示装置は、地図情報を表示する地図情報表示装置であって、表示する地図情報に特定施設及び特定施設から所定距離内(特定施設の近傍)に存在する周辺施設がある場合に、地図情報に、特定施設を示す特定施設情報と周辺施設を示す周辺施設情報とを一体的に表示することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る地図情報表示装置によれば、特定施設情報と周辺施設情報とを一体的に表示することで、特定施設から設定距離内に周辺施設があることを示しつつ、地図情報や特定施設情報が周辺施設情報により隠される面積を小さくすることができるため、地図情報が見易くなる。
【0008】
この場合、特定施設の位置に、特定施設情報と周辺施設情報とを一体的に表示することが好ましい。このように、地図情報上の特定施設の位置に特定施設情報と周辺施設情報とを一体的に表示することで、特定施設の位置を特定しつつ、特定施設の周囲の地図情報が周辺施設情報により隠される面積を小さくすることができる。これにより、特定施設に至る経路を適切に判断することが可能となる。
【0009】
そして、特定施設と周辺施設との関係性を示す情報を含めて、特定施設情報と周辺施設情報とを一体的に表示することが好ましい。このように、特定施設と周辺施設との関係性を示す情報を含めて、特定施設情報と周辺施設情報とを一体的に表示することで、特定施設から設定距離内に存在する周辺施設が特定施設と如何なる関係であるのかを容易に判断することが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る地図情報表示装置は、特定施設を示す特定施設マークと、周辺施設を示す周辺施設マークと、特定施設マークと周辺施設マークとを一体的に示す一体化マークと、を有し、地図情報に、特定施設マーク及び周辺施設マークを表示させることなく、一体化マークを表示させておき、一体化マークが選択されると、一体化マークを消去して、地図情報における特定施設の位置に特定施設マークを表示させるとともに、地図情報における周辺施設の位置に周辺施設マークを表示させることが好ましい。
【0011】
このように、特定施設マーク及び周辺施設マークを表示させることなく、一体化マークを表示させておくことで、特定施設から設定距離内に周辺施設があることを示しつつ、地図情報や特定施設マークが周辺施設マークにより隠される面積を小さくすることができるため、地図情報が見やすくなる。そして、一体化マークが選択されると、選択された一体化マークを消去して、特定施設及び周辺施設の位置にそれぞれ特定施設マーク及び周辺施設マークを表示させるため、特定施設と周辺施設の位置を特定することができる。
【0012】
また、一体化マークは、地図情報における特定施設の位置に表示させることが好ましい。このように、特定施設の位置に一体化マークを表示することで、特定施設の位置を特定しつつ、特定施設の周囲の地図情報が周辺施設のマークにより隠される面積を小さくすることができる。これにより、特定施設に至る経路を適切に判断することが可能となる。
【0013】
この場合、一体化マークは、特定施設と周辺施設との関係性を示すことが好ましい。このように、一体化マークに特定施設と周辺施設との関係性を示すことで、特定施設から設定距離内に存在する周辺施設が特定施設と如何なる関係であるのかを容易に判断することが可能となる。
【0014】
そして、特定施設との周辺施設との関係性に基づいて、一体化マークを構成する周辺施設マークを異ならせることが好ましい。このように、一体化マークを構成する周辺施設マークを異ならせることで、特定施設から設定距離内に存在する周辺施設が特定施設と如何なる関係であるのかを容易に判断することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、地図情報を見易く表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係る地図情報表示装置のブロック構成を示した図である。
【図2】レストランアイコンを示す図である。
【図3】駐車場アイコンを示す図であり、(a)は専用駐車場アイコン、(b)は提携駐車場アイコン、(c)はコイン駐車場アイコンを示している。
【図4】一体化アイコンを示す図である。
【図5】表示処理動作を示すフローチャートである。
【図6】事例1における従来の表示画面例を示す図である。
【図7】事例1における通常時の表示画面例を示す図である。
【図8】事例1における一体化アイコン選択時の表示画面例を示す図である。
【図9】事例2における従来の表示画面例を示す図である。
【図10】事例2における通常時の表示画面例を示す図である。
【図11】事例3における従来の表示画面例を示す図である。
【図12】事例3における通常時の表示画面例を示す図である。
【図13】事例3における一体化アイコン選択時の表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係る地図情報表示装置の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る地図情報表示装置を車両に搭載されるナビゲーション装置に適用したものである。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0018】
図1は、実施形態に係る地図情報表示装置のブロック構成を示した図である。図1に示すように、本実施形態の地図情報表示装置1は、自車両の位置を測位するGPS(Global Positioning System)2と、利用者からの操作入力を受け付ける入力装置3と、地図情報が格納されたメモリ4と、ナビゲーション装置5と、ナビゲーション装置5からの出力情報を表示するタッチパネル式のディスプレイ6と、を備える。なお、入力装置3は、ナビゲーション装置5に付属するリモコンやディスプレイ6のタッチパネルなどで構成されており、利用者が操作することによりナビゲーション装置5に対して様々な情報を入力するものである。
【0019】
ナビゲーション装置5は、入力装置3からの入力情報に基づいて、特定施設である目的地の検索及び表示などを行い、目的地(POI:Point of Interest)までの現在位置からの経路を案内するものである。このため、ナビゲーション装置5は、検索機能51、表示機能52、経路案内機能53を備えている。なお、検索機能51、表示機能52、経路案内機能53は、所定のソフトウェアの実行により実現することができる。
【0020】
検索機能51は、入力装置3からの入力情報に基づいて、目的地及び目的地から所定距離内に存在する周辺施設を検索する機能である。この周辺施設は、例えば、検索対象となる施設と何らかの関連性を有する施設であり、検索対象となる施設の種類などに応じて決定される。例えば、レストランを検索する場合は、利用者がレストランで食事をする際に車両を駐車させる必要があるため、駐車場が目的地であるレストランの周辺施設となる。また、周辺施設を検索する距離範囲は、利用者が適宜設定することができ、例えば100mなどと設定される。但し、目的地と周辺施設とがあまりに離間していると、検索した周辺施設がディスプレイ6に表示されないため、検索する周辺施設は目的地の近傍に存在するものであることが好ましい。
【0021】
そして、検索機能51は、周知の検索システムを用いることで、目的地及び目的地から所定距離内に存在する周辺施設を検索することができる。例えば、検索対象となるレストランなどの施設について、位置、種類及び評価ランキングなどに対応付けたデータベースを構築しておき、入力装置3から施設の検索条件が設定されると、この条件に適合する施設を目的地としてデータベースから抽出する。この場合、周辺施設が如何なる種類の施設であるのかの特定は、例えば、上述したデータベースに、検索対象となり得る施設に周辺施設の種類を対応付けておくことにより行うことができる。
【0022】
表示機能52は、利用者が目的地を決定するために、検索機能51が検索した目的地の周囲の地図情報に、目的地や目的地から設定距離内に存在する周辺施設などの情報を重ね合わせてディスプレイ6に表示させる機能である。このため、表示機能52は、目的地を示す目的地アイコン(目的地マーク)と、周辺施設を示す周辺施設アイコン(周辺施設マーク)と、目的地アイコンと周辺施設アイコンとを一体的に表した一体化アイコン(一体化マーク)と、を備えている。
【0023】
図2は、目的地アイコンの一例であるレストランアイコンを示す図である。図2に示すように、目的地アイコンの一例であるレストランアイコンは、ナイフとフォークのマークが組み合わされたデザインとなっており、目的地の施設種類であるレストランを特定しやすいデザインとなっている。
【0024】
図3は、周辺施設アイコンの一例である駐車場アイコンを示す図であり、(a)は専用駐車場アイコン、(b)は提携駐車場アイコン、(c)はコイン駐車場アイコンを示している。図3に示すように、周辺施設アイコンの一例である駐車場アイコンは、基本的に“P”のマークを有するデザインとなっている。
【0025】
ところで、駐車場は、(1)レストランの専用駐車場、(2)レストランの提携駐車場、(3)一般のコイン駐車場、のようにレストランと様々な関係性を持っている。通常は、これらの関係性に応じて駐車料金の割引率が変わってくるため、レストランを利用するにあたり車両を駐車場に停めたいと考える利用者は、単にレストランから設定距離内に存在する駐車場の位置を知りたいだけでなく、レストランと駐車場との関連性をも知りたいと考える。そこで、目的地のレストランの専用駐車場を示す専用駐車場アイコンには、図3(a)に示すように、“P”のマークのみとし、目的地のレストランの提携駐車場を示す提携駐車場アイコンには、図3(b)に示すように、“P”のマークと“握手”のマークとを組み合わせたものとし、目的地のレストランと提携関係にない一般のコイン駐車場を示すコイン駐車場アイコンには、図3(c)に示すように、“P”のマークと“100円玉”のマークとを組み合わせたものとする。
【0026】
図4は、レストランアイコンと駐車場アイコンとを一体化した一体化アイコンの一例を示す図である。図4に示すように、一体化アイコンは、図2に示す1つのレストランアイコンと、図3に示す1つの駐車場アイコンと、レストランの評価ランキングと、が組み合わせたデザインとなっている。
【0027】
ところで、レストランの利用者は、駐車場利用料を安く抑えるために、(1)レストランの専用駐車場、(2)レストランの提携駐車場、(3)一般のコイン駐車場、の順に車両を駐車させたいと考える。そこで、一体化アイコンを構成する駐車場アイコンには、(1)レストランの専用駐車場、(2)レストランの提携駐車場、(3)一般のコイン駐車場、の優先順位で選択する。すなわち、目的地のレストランから設定距離内に、レストランの専用駐車場が存在すると、一体化アイコンの駐車場アイコンは専用駐車場アイコン(図3(a))となり、レストランの専用駐車場は存在しないがレストランの提携駐車場が存在すると、一体化アイコンの駐車場アイコンは提携駐車場アイコン(図3(b))となり、レストランの専用駐車場も提携駐車場も存在しないと、一体化アイコンの駐車場アイコンはコイン駐車場アイコン(図3(c))となる。
【0028】
そこで、表示機能52は、検索機能51が検索した目的地を示す目的地アイコンと検索機能51が検索した1又は複数の周辺施設を示す周辺施設アイコンとを一体化させた一体化アイコンを生成する。なお、検索機能51が複数の駐車場を検索したとしても、一つの駐車場アイコンのみを一体化アイコンに表示する。そして、表示装置52は、この一体化アイコンを、メモリ4から取得した目的地の周囲の地図情報に重ね合わせてディスプレイ6に表示させる。このとき、表示機能52は、一体化アイコンが目的地の位置に配置されるように、一体化アイコンを地図情報に重ね合わせる。
【0029】
また、表示機能52は、入力装置3により一体化アイコンが選択されると、選択された一体化アイコンを消去し、選択された一体化アイコンに対応する目的地を示す目的地アイコンと、選択された一体化アイコンに対応する目的地から設定距離内にある1又は複数の周辺施設を示す周辺施設アイコンと、を地図情報に重ね合わせてディスプレイ6に表示させる。このとき、表示機能52は、目的地アイコンが目的地の位置に配置されるとともに、周辺施設アイコンが周辺施設の位置に配置されるように、目的地アイコンと周辺施設アイコンとを地図情報に重ね合わせる。そして、表示機能52は、この目的地アイコンを強調表示する。強調表示は、例えば、目的地アイコンを囲むターゲットマークを表示させたり、目的地アイコンを点滅させたりすることにより行うことができる。また、目的地から設定距離内に目的地と提携関係にある周辺施設が存在する場合は、この周辺施設を示す周辺施設アイコンと目的地アイコンとを結ぶ連結線を表示させる。なお、目的地から設定距離内に周辺施設がない場合は、一体化アイコンを表示させることなく、始めから目的地アイコンのみを表示させてもよい。
【0030】
そして、表示機能52は、入力装置3により強調表示されている目的地アイコンが再度選択されると、この選択された目的地アイコンに対応する目的地を正式な目的地として決定する。
【0031】
経路案内機能53は、自車の現在位置から目的地に至る走行経路を案内する機能である。すなわち、経路案内機能53は、GPS2による測位により自車の現在位置を検出し、この自車の現在位置から表示機能52で決定された目的地に至る走行経路を算出する。そして、経路案内機能53は、この算出した走行経路をメモリ4に格納されている地図情報に重ね合わせてディスプレイ6に表示する。
【0032】
次に、図5を参照して、地図情報表示装置1の処理動作について、レストランを目的地とする場合を例に説明する。図5は、表示処理動作を示すフローチャートである。なお、この処理動作は、利用者が入力装置3を操作することにより開始され、地図情報表示装置1のナビゲーション装置5により実行されるものである。
【0033】
図5に示すように、ナビゲーション装置5は、まず、ステップS1において、検索機能51による検索処理を行う。すなわち、ステップS1の検索処理では、入力装置3により設定される検索条件に適合するレストランを目的地の候補として検索し、更に、この目的地であるレストランから所定距離内に存在する駐車場を周辺施設として検索する。
【0034】
次に、ナビゲーション装置5は、ステップS2において、表示機能52による一体化アイコン表示処理を行う。すなわち、ステップS2の一体化アイコン表示処理では、まず、目的地の周囲の地図情報をメモリ4から取得するとともに、目的地であるレストランを示すレストランアイコンと周辺施設である駐車場を示す駐車場アイコンとを一体化した一体化アイコンを生成する。このとき、一体化アイコンは、レストランアイコンと、駐車場アイコンと、評価ランキングと、により構成されるが、駐車場アイコンに採用されるアイコンの優先順位は、(1)専用駐車場アイコン、(2)提携駐車場アイコン、(3)コイン駐車場アイコン、となる。なお、ステップS1において複数の目的地が検索された場合は、この検索された目的地毎に一体化アイコンを生成する。そして、一体化アイコンが目的地の位置に配置されるように、この生成した一体化アイコンを取得した地図情報に重ね合わせてディスプレイ6に表示させる。
【0035】
次に、ナビゲーション装置5は、ステップS3において、表示機能52による一体化アイコン選択処理を行う。すなわち、ステップS3の一体化アイコン選択処理では、まず、ディスプレイ6に表示されている一体化アイコンが入力装置3により選択されると、選択された一体化アイコンを消去させる。そして、目的地であるレストランを示すレストランアイコンを、当該レストランの位置に配置されるように地図情報に重ね合わせてディスプレイ6に表示させるとともに、周辺施設である駐車場を示す駐車場アイコンを、各駐車場の位置に配置されるようにそれぞれ地図情報に重ね合わせてディスプレイ6に表示させる。このとき、目的地のレストランアイコンを強調表示する。また、周辺施設である駐車場が目的地であるレストランの専用駐車場又は提携駐車場である場合は、レストランアイコンと駐車場アイコンとを結ぶ連結線を表示する。
【0036】
次に、ナビゲーション装置5は、ステップS4において、表示機能52による目的地の選択が決定したか否かの判定を行う。すなわち、ステップS4の判定では、ステップS3において強調表示しているレストランアイコンが入力装置3により再度選択されることなく処理が終了し、又は、所定時間が経過すると、目的地を決定することなく、ステップS3に戻る。一方、ステップS3において強調表示しているレストランアイコンが入力装置3により再度選択されると、再選択したレストランアイコンに対応するレストランを目的地として決定し、ステップS5に進む。
【0037】
次に、ナビゲーション装置5は、ステップS5において、経路案内機能53による走行経路案内処理を行う。すなわち、ステップS5の走行経路案内処理では、まず、GPS2による測位により自車の現在位置を検出し、この自車の現在位置からステップS4において決定した目的地に至る走行経路を算出する。そして、この走行経路をメモリ4に格納されている地図情報に重ね合わせてディスプレイ6に表示し、車両が目的地に達すると、ナビゲーション装置5による処理動作を終了する。
【0038】
次に、図6〜図13を参照して、事例1〜事例3におけるディスプレイ6への表示例について説明する。
【0039】
まず、図6〜図8を参照して、事例1における表示例について説明する。図6は、事例1における従来の表示画面例を示す図、図7は、事例1における通常時の表示画面例を示す図、図8は、事例1における一体化アイコン選択時の表示画面例を示す図である。なお、図6〜図8に示す矢印は、車両の走行方向を示している。
【0040】
事例1は、検索機能51により1つのレストランが検索され、このレストランから設定距離内に1つの提携駐車場と3つの一般コイン駐車場が存在する例である。
【0041】
図6に示すように、従来は、目的地として1つのレストランが検索されると、ディスプレイに表示される地図情報の上には、目的地のレストランの位置にレストランアイコンR1が表示され、更に、各駐車場の位置にそれぞれ駐車場アイコンP1〜P4が表示される。すると、目的地のレストランに至る道路が、駐車場アイコンP3,P4により隠されてしまうため(図6の丸枠を参照)、利用者は、ディスプレイの表示画面を見ても、どの経路によりレストラン又は駐車場に向かえばよいのか判断できない。
【0042】
これに対し、図7に示すように、本実施形態では、検索機能51により目的地として1つのレストランが検索されると、ディスプレイ6に表示される地図情報の上には、目的地のレストランの位置に、レストランアイコンと、提携駐車場アイコンと、評価ランキングとが組み合わされた一体化アイコンC1が表示される。すなわち、レストランアイコンR1と複数の駐車場アイコンP1〜P4を纏めて一つの一体化アイコンC1とするため、ディスプレイ6に表示される地図情報の上には、目的地のレストランの位置に一体化アイコンC1が表示されるだけで、駐車場の位置には駐車場アイコンが表示されない(図7の丸枠を参照)。これにより、目的地のレストランに至る道路が駐車情アイコンにより隠されないため、利用者はレストラン又は駐車場に向かう経路を容易に確認することが可能となる。また、一体化アイコンC1の中に駐車場アイコンが表示されるため、目的地のレストランから設定距離内に駐車場が存在することを知らせることができ、しかも、この駐車場アイコンは提携駐車場アイコンであるため、目的地のレストランから設定距離内に駐車料金の割引を受けられる提携駐車場が存在することも知らせることができる。
【0043】
そして、図8に示すように、入力装置3により一体化アイコンC1が選択されると、一体化アイコンC1が消去されて、一体化アイコンC1に対応するレストランの位置にレストランアイコンR1が表示されるとともに、当該レストランから設定距離内に存在する各駐車場の位置に提携駐車場アイコンP1及びコイン駐車場アイコンP2〜P4が表示される。そして、レストランアイコンR1がターゲットマークTにより強調表示されるとともに、レストランアイコンR1と提携駐車場アイコンP1との間に連結線Lが表示される。このように、目的地のレストランに至る経路を確認した後に駐車場アイコンP1〜P4が表示されるため、駐車場アイコンP3,P4により道路が隠れても(図8の丸枠を参照)、利用者はレストラン又は駐車場に向かう経路を判断することができる。しかも、レストランアイコンR1がターゲットマークTにより強調表示されるため、選択したレストランの位置を容易に把握することができ、更に、レストランアイコンR1と駐車場アイコンP1との間に連結線Lが表示されるため、目的地のレストランと駐車場との提携関係をより明確に示すことができ、利用者はリーズナブルな駐車場を容易に選択することできる。
【0044】
次に、図9〜図10を参照して、事例2における表示例について説明する。図9は、事例2における従来の表示画面例を示す図、図10は、事例2における通常時の表示画面例を示す図である。なお、図9〜図10に示す矢印は、車両の走行方向を示している。
【0045】
事例2は、検索機能51により2つのレストランが検索され、これらのレストランから設定距離内に合計5つの駐車場が存在し、そのうち2つの駐車場は一方のレストランに近接している例である。
【0046】
図9に示すように、従来は、目的地として2つのレストランが検索されると、ディスプレイに表示される地図情報の上には、目的地の各レストランの位置にレストランアイコンR2,R3が表示され、更に、各駐車場の位置にそれぞれ駐車場アイコンP5〜P9が表示される。すると、レストランアイコンR3の一部又は全部が、駐車場アイコンP7,P8により隠れてしまうため(図9の丸枠を参照)、利用者は、ディスプレイの表示画面を見ても、レストランアイコンR3を見つけることができない。
【0047】
これに対し、図10に示すように、本実施形態では、検索機能51により目的地として2つのレストランが検索されると、ディスプレイ6に表示される地図情報の上には、目的地となる各レストランの位置に、レストランアイコン、駐車場アイコン及び評価ランキングが組み合わされた一体化アイコンC2,C3が表示されるのみとなる(図10の丸枠を参照)。このため、ディスプレイ6の表示画面を見ることで、レストランアイコンR2とレストランアイコンR3の双方を容易に見つけることができる。
【0048】
次に、図11〜図13を参照して、事例3における表示例について説明する。図11は、事例3における従来の表示画面例を示す図、図12は、事例3における通常時の表示画面例を示す図、図13は、事例3における一体化アイコン選択時の表示画面例を示す図である。なお、図11〜図13に示す矢印は、車両の走行方向を示している。
【0049】
事例3は、検索機能51により2つのレストランが検索され、これらのレストランの間に、一方のレストランとは提携関係にあるが他方のレストランとは提携関係にない駐車場が存在する例である。
【0050】
図11に示すように、従来は、目的地として2つのレストランが検索されると、ディスプレイに表示される地図情報の上には、目的地の各レストランの位置にレストランアイコンR4,R5が表示され、更に駐車場の位置に駐車場アイコンP10が表示される。このとき、この駐車場と各レストランとは提携関係が異なるが、駐車場アイコンは、提携駐車場アイコン(図3(b)参照)又はコイン駐車場アイコン(図3(c)参照)の何れか一方しか表示することができない。このため、何れの駐車場アイコンを表示したとしても、何れのレストランと提携関係にあり、何れのレストランと提携関係にないのかを判断することができない。
【0051】
これに対し、図12に示すように、本実施形態では、検索機能51により目的地として2つのレストランが検索されると、ディスプレイ6に表示される地図情報の上には、目的地の各レストランの位置に、レストランアイコン、駐車場アイコン及び評価ランキングが組み合わされた一体化アイコンC4,C5が表示される。そして、一体化アイコンC4の駐車場アイコンには、提携駐車場アイコンが表示され、一体化アイコンC5の駐車場アイコンには、コイン駐車場アイコンが表示される。このため、ディスプレイ6の表示画面を見ることで、各レストランから設定距離内に提携関係にある駐車場が存在するか否かを容易に判断することができる。
【0052】
そして、図13に示すように、入力装置3により提携駐車場アイコンが表示された一体化アイコンC4が選択されると、一体化アイコンC4が消去されて、一体化アイコンC4に対応する目的地のレストランの位置にレストランアイコンR4が表示されるとともに、駐車場の位置に提携駐車場アイコンP10が表示される。そして、レストランアイコンR4がターゲットマークTにより強調表示されるとともに、レストランアイコンR4と提携駐車場アイコンP10との間に連結線Lが表示される。これにより目的地のレストランと駐車場との提携関係を明らかにして、レストラン及び提携駐車場の位置を容易に把握することができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係る地図情報表示装置1によれば、通常時は、目的地アイコン及び周辺施設アイコンを表示させることなく、目的地アイコンと周辺施設アイコンとを一体化した一体化アイコンを表示させておくことで、目的地から設定距離内に周辺施設があることを示しつつ、地図情報や目的地アイコンが周辺施設アイコンにより隠される面積を小さくすることができるため、地図情報が見やすくなる。
【0054】
このとき、目的地の位置に一体化アイコンを表示することで、目的地の位置を特定しつつ、目的地の周囲の地図情報が周辺施設アイコンにより隠される面積を小さくすることができる。これにより、目的地に至る経路を適切に判断することが可能となる。
【0055】
そして、一体化アイコンが選択されると、選択された一体化アイコンを消去して、代わりに、目的地及び周辺施設の位置にそれぞれ目的地アイコン及び周辺施設アイコンを表示させるため、目的地と周辺施設との位置関係を容易に把握することができる。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、一体化アイコンを目的地の位置に表示し、目的地アイコン(レストランアイコン)を目的地の位置に表示し、周辺施設アイコン(駐車場アイコン)を周辺施設の位置に表示するものとして説明したが、それぞれの施設の位置が分かる範囲で、適宜表示位置を変更することも可能である。
【0057】
また、上記実施形態では、目的地と周辺施設との関係性に基づいて、一体化アイコンに表示する周辺施設アイコンの形態を異ならせるものとして説明したが、目的地と周辺施設との関係性に関わらず、一体化アイコンに表示する周辺施設アイコンの形態を同じにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、一体化アイコンに、目的地アイコン、周辺施設アイコン及び評価ランキングを組み合わせて表示させるものとして説明したが、少なくとも目的地アイコンと周辺施設アイコンとが組み合わされていれば、適宜その他の情報も組み合わせて表示させてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、目的地と周辺施設との関係(例えば提携関係)を示すために、目的地アイコンと周辺施設アイコンとを結ぶ連結線を表示するものとして説明したが、所定関係を有する目的地と周辺施設とが分かれば、如何なる表示形態で目的地と周辺施設との関係を示してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、特定施設として、ナビゲーション装置において検索する目的地を採用するものとして説明したが、目的地に限らず様々な施設を採用することができる。例えば、単に、マップスクロールによりディスプレイに表示された様々な施設を、特定施設とすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1…地図情報表示装置、2…GPS、3…入力装置、4…メモリ、5…ナビゲーション装置、6…ディスプレイ、51…検索機能、52…表示機能、52…表示機能、53…経路案内機能。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を表示する地図情報表示装置であって、
表示する地図情報に特定施設及び前記特定施設から設定距離内に存在する周辺施設がある場合に、前記地図情報に、前記特定施設を示す特定施設情報と前記周辺施設を示す周辺施設情報とを一体的に表示することを特徴とする、地図情報表示装置。
【請求項2】
前記特定施設の位置に、前記特定施設情報と前記周辺施設情報とを一体的に表示することを特徴とする、請求項1に記載の地図情報表示装置。
【請求項3】
前記特定施設と前記周辺施設との関係性を示す情報を含めて、前記特定施設情報と前記周辺施設情報とを一体的に表示することを特徴とする、請求項1又は2に記載の地図情報表示装置。
【請求項4】
前記特定施設を示す特定施設マークと、前記周辺施設を示す周辺施設マークと、前記特定施設マークと前記周辺施設マークとを一体的に示す一体化マークと、を有し、
前記地図情報に、前記特定施設マーク及び前記周辺施設マークを表示させることなく、前記一体化マークを表示させておき、
前記一体化マークが選択されると、前記一体化マークを消去して、前記地図情報における前記特定施設の位置に前記特定施設マークを表示させるとともに、前記地図情報における前記周辺施設の位置に前記周辺施設マークを表示させることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の地図情報表示装置。
【請求項5】
前記一体化マークは、前記地図情報における前記特定施設の位置に表示させることを特徴とする請求項4に記載の地図情報表示装置。
【請求項6】
前記一体化マークは、前記特定施設と前記周辺施設との関係性を示すことを特徴とする請求項4又は5に記載の地図情報表示装置。
【請求項7】
前記特定施設との前記周辺施設との関係性に基づいて、前記一体化マークを構成する前記周辺施設マークを異ならせることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の地図情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−172996(P2012−172996A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32221(P2011−32221)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】