説明

地図表示装置、地図表示方法、地図表示プログラムおよび記録媒体

【課題】地図データの表示領域の変更を迅速におこなうこと。
【解決手段】地図表示装置100の取得部101は、所定の領域の地図データを取得する。表示部102は、取得部101によって取得された地図データを表示する表示画面102a、表示画面102aに重ねられて設けられるタッチパネル102bを有する。検知部103は、表示部102に対する物体の接近および接触を検知する。取得部101は、地図データを表示している表示部102に対して物体の接近が検知された場合、表示部102に表示されている領域以外の地図データを取得する。表示部102は、物体の接触が検知された場合、物体の接近に伴って取得された領域の地図データを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示画面上に地図データを表示する地図表示装置、地図表示方法、地図表示プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した地図表示装置、地図表示方法、地図表示プログラムおよび記録媒体に限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネル式の入力デバイスを備える情報処理装置において、ユーザの手などの物体の接触のみならず、物体の接近を検知して所定の処理をおこなう機能を有するものが知られている(たとえば、下記特許文献1参照)。下記特許文献1では、タッチパネル機能を備えたディスプレイに地図データが表示されている際にユーザの手が接近したことを検知すると、地図データの表示縮尺を変更させるための地図縮尺ボタンや、画面をスクロールさせるためのスクロールボタンなどを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−083504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、地図データをスクロール表示させるための操作が煩雑であるという問題点が一例として挙げられる。タッチパネル機能を備えたディスプレイにおいて、地図データをスクロール表示させるための操作は、スクロールさせたい方向に対応するタッチパネル上の点に触れるのが一般的である。一方、上述した従来技術では、画面上に表示されたスクロールボタンのうち、スクロールさせたい方向に対応したボタンを選択して押下しなければならず、迅速にスクロール操作をおこなうことができない。
【0005】
また、地図データのスクロール表示の一般的な問題点として、スクロール処理時の処理負荷が大きいという問題点が一例として挙げられる。このため、スクロール処理時には、ユーザがスクロール操作をおこなってから実際にスクロールが開始されるまでに要する時間が長くなったり、スクロール開始直後に地図データの一部の表示が欠けたり、スクロール表示がスムーズにおこなわれなかったりする場合が多い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる地図表示装置は、所定の領域の地図データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記地図データを表示する表示手段と、前記表示手段に対する物体の接近および接触を検知する検知手段と、を備え、前記取得手段は、前記地図データを表示している前記表示手段に対して前記物体の接近が検知された場合、前記表示手段に表示されている領域以外の前記地図データを取得し、前記表示手段は、前記表示手段に対する前記物体の接触が検知された場合、前記物体の接近に伴って取得された領域の前記地図データを表示することを特徴とする地図表示装置。
【0007】
また、請求項9の発明にかかる地図表示方法は、地図データを表示する地図表示装置における地図表示方法であって、所定の領域の前記地図データを表示手段に表示する第1の表示工程と、前記表示手段に対する物体の接近を検知する第1の検知工程と、前記表示手段に対して前記物体の接近が検知された場合、前記表示手段に表示されている領域以外の前記地図データを取得する取得工程と、前記表示手段に対する物体の接触を検知する第2の検知工程と、前記表示手段に対する前記物体の接触が検知された場合、前記取得工程で取得された領域の前記地図データを表示する第2の表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【0008】
また、請求項10の発明にかかる地図表示プログラムは、請求項9に記載の地図表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項11の発明にかかる記録媒体は、請求項10に記載の地図表示プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態にかかる地図表示装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】地図表示装置による地図表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】接近検知型のタッチパネルの概要を示す説明図である。
【図5】接近検知型のタッチパネルの概要を示す説明図である。
【図6】ナビゲーション装置による地図データのスクロール処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】ユーザの指の接近に伴って取得される地図データの一例を示す説明図である。
【図8】ユーザの指の接近に伴って取得される地図データの他の例を示す説明図である。
【図9】ユーザの指の接近に伴って取得される地図データの他の例を示す説明図である。
【図10】ユーザの指の接近に伴って取得される地図データの他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る地図表示装置、地図表示方法、地図表示プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる地図表示装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態にかかる地図表示装置100は、取得部101、表示部102、検知部103によって構成される。
【0013】
取得部101は、所定の領域の地図データを取得する。所定の領域の地図データとは、たとえば、地図表示装置100の現在地点を中心とした所定範囲(具体的には、たとえば、表示部102に表示できる範囲)の地図データや、ユーザから指定された所定地点を中心とした所定範囲の地図データなどである。
【0014】
表示部102は、たとえば表示画面102aおよびタッチパネル102bによって構成される。表示部102の表示画面102aは、取得部101によって取得された地図データを表示する。また、タッチパネル102bは、表示画面102aに重ねられて設けられる。タッチパネル102bは、その表面に対するユーザの指などの物体の接触を検知して、タッチされた位置における表示画面102aの表示内容に対応する処理の実行を指示する信号を出力する。なお、タッチパネル102bは、後述する検知部103による物体の接触の検知結果をその処理に用いてもよい。
【0015】
検知部103は、表示部102に対する物体の接近および接触を検知する。物体とは、上述のように、たとえばユーザの手などである。検知部103は、たとえば物体(ユーザの指)が帯びている静電気を検知することによって、物体の接近および接触を検知する。また、検知部103は、たとえば、検知した静電気量の変化によって、表示部102と物体との距離を推定することができるようにしてもよい。
【0016】
また、検知部103は、物体が接近した表示部102上の位置(以下、「接近位置」という)および物体が接触した表示部102上の位置(以下、「接触位置」という)を判別する。検知部103は、接近位置を連続して検知して物体の移動方向を検知するようにしてもよい。
【0017】
取得部101は、地図データを表示している表示部102に対して物体の接近が検知された場合、表示部102に表示されている領域以外の地図データを取得する。表示部102に対して物体がさらに接近し、表示部102に物体が接触する、すなわち表示部102に対する物体の接触が検知されると、表示部102は、物体の接近に伴って取得された領域の地図データを表示する。ここで、表示部102に表示されている領域以外の地図データとは、たとえば、物体の接近が検知された際に表示部102に表示されている領域に隣接する領域の地図データである。
【0018】
また、取得部101は、表示部102に対する物体の接近位置に基づいて、取得する地図データの領域を決定するようにしてもよい。具体的には、たとえば、物体の接近が検知された際に表示部102に表示されている領域に隣接する領域のうち、表示部102上の基準位置に対する接近位置の方向(以下、「接近方向」という)に隣接する領域の地図データを取得する。基準位置とは、たとえば表示部102の中心点や自装置の位置を表す地図データ上のアイコンなどである。たとえば、物体が基準位置に対して右側に接近した場合、接近方向は右方向となる。この場合、取得部101は、表示部102に表示されている領域の右側に隣接する領域の地図データを取得する。
【0019】
なお、取得部101は、表示部102に対する物体の接近位置に基づいて、取得する地図データの領域の優先度を決定してもよい。たとえば、基準位置に対する物体の接近方向が右方向の場合、表示部102に表示されている領域を基準として、まず右側に隣接する領域の地図データを取得し、次いで、上側や下側に隣接する領域の地図データを取得し、その後、左側に隣接する領域の地図データを取得する。この場合、取得部101は、物体の接触によって表示する可能性の高い領域から優先的に取得することができる。
【0020】
また、取得部101は、基準位置と接近位置との距離に応じて、取得する地図データの領域の大きさを決定するようにしてもよい。具体的には、たとえば、基準位置と接近位置との距離が長いほど、取得する地図データの接近方向の長さを長くするとともに、接近方向に垂直な方向の長さを短くする。すなわち、基準位置と接近位置との距離が長いほど、現在の表示範囲から接近方向に離れた範囲までの地図データを取得する。これは、基準位置と接近位置との距離が長いほど、現在の表示位置から離れた位置の地図データを表示させたいと考えている可能性が高いためである。
【0021】
このように取得された地図データを表示する際、表示部102は、物体の接触が検知された場合に地図データをスクロール表示するとともに、基準位置と物体が接触した位置(接触位置)との距離に応じてスクロールする速度を変更するようにしてもよい。具体的には、たとえば、基準位置と接触位置との距離が長いほどスクロールする速度を速くする。これは、地図データのスクロールに要する時間を、地図データの範囲にかかわらず一定にするためである。基準位置と接触位置との距離の長さは、基準位置と接近位置との距離との距離に比例するので、基準位置と接触位置との距離が長ければ、取得部101によって取得された地図データは接近方向に長いものとなる。スクロールする速度を早くすることによって、接近方向に長い地図データのスクロールに要する時間を短縮させることができる。
【0022】
また、取得部101は、検知部103によって物体の移動方向が検知された場合、当該移動方向に基づいて、取得する地図データの領域を決定するようにしてもよい。より詳細には、たとえば、物体の接近が検知された際に表示部102に表示されている領域に隣接する領域のうち、移動方向の延長線上に隣接する領域の地図データを取得する。たとえば、物体が基準位置に対して左下から右上に移動した場合、移動方向は右上方向となる。この場合、取得部101は、表示部102に表示されている領域の右上に隣接する領域の地図データを取得する。
【0023】
図2は、地図表示装置による地図表示処理の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、地図表示装置100は、まず、取得部101によって、所定領域の地図データを取得して(ステップS201)、取得した地図データを表示部102に表示する(ステップS202)。つぎに、地図表示装置100は、検知部103によって、表示部102に対する物体の接近を検知したか否かを判断する(ステップS203)。物体の接近を検知するまでは(ステップS203:No)、ステップS201に戻り、以降の処理を継続する。
【0024】
物体の接近を検知すると(ステップS203:Yes)、地図表示装置100は、表示部102に表示されている領域以外の他領域の地図データを取得部101によって取得する(ステップS204)。つぎに、地図表示装置100は、検知部103によって、表示部102に対する物体の接触を検知したか否かを判断する(ステップS205)。物体の接触を検知するまでは(ステップS205:No)、ステップS201に戻り、以降の処理を継続する。
【0025】
そして、物体の接触を検知すると(ステップS205:Yes)、地図表示装置100は、ステップS204で取得した地図データを表示部102に表示して(ステップS206)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0026】
以上説明したように、地図表示装置100は、地図データを表示する表示部102に対して物体の接近を検知した場合、表示している領域以外の地図データを取得するとともに、表示部102に対する物体の接触を検知した場合、物体の接近に伴って取得した地図データを表示部102に表示する。これにより、地図表示装置100は、地図データの表示領域を迅速に変更することができる。
【0027】
また、地図表示装置100は、物体の接近位置に基づいて、取得する地図データの領域を決定する。より詳細には、表示部102に表示されている領域に隣接する領域のうち、接近方向に隣接する領域の地図データを取得する。これにより、地図データの表示領域を、ユーザが希望する方向に迅速に変更することができる。
【0028】
また、地図表示装置100は、物体の接触が検知された場合に地図データをスクロール表示し、基準位置と物体が接触した位置との距離に応じてスクロールする速度を変更するとともに、接触距離に基づいて取得する地図データの領域の大きさを決定する。より詳細には、地図表示装置100は、基準位置との距離が長いほどスクロールする速度を速くするとともに、取得する地図データの接近方向の長さを長く、接近方向に垂直な方向の長さを短くする。これにより、スクロール方向の地図データをあらかじめ取得しておくことができ、スクロール速度が速い場合でも、迅速かつスムーズなスクロール表示をおこなうことができる。
【0029】
また、地図表示装置100は、接近中における物体の移動方向を検知し、移動方向に基づいて取得する地図データの領域を決定する。より詳細には、地図表示装置100は、移動方向の延長線上に隣接する領域の地図データを取得する。これにより、実際に物体が接触する方向を予測して、より有用な地図データを取得することができる。
【実施例】
【0030】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、車両に搭載されたナビゲーション装置300を本発明にかかる地図表示装置100として本発明を適用した場合の一例について説明する。
【0031】
(ナビゲーション装置300のハードウェア構成)
図3は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。実施例にかかるナビゲーション装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、各種データを記録/再生する記録再生部304、各種データを記録する記録部305、音声I/F(インターフェース)306、マイク307、スピーカ308、入力デバイス309、映像I/F310、ディスプレイ311、カメラ312、通信I/F313、GPSユニット314を備えている。各構成部301〜314は、バス320によってそれぞれ接続されている。
【0032】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、地図データ表示プログラム、経路探索プログラムなどのプログラムを記録している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0033】
記録再生部304は、CPU301の制御に従って記録部305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。記録部305は、記録再生部304の制御で書き込まれたデータを記録する。記録再生部304としては、たとえば、磁気ディスクドライブや光ディスクドライブ、記録部305としては、たとえば、HD(ハードディスク)、FD(フレキシブルディスク)、フラッシュメモリ、MO、SSD(Solid State Disk)、メモリカードなどを用いることができる。
【0034】
記録部305に記録される情報の一例としては、たとえば地図データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0035】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0036】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0037】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。なお、本実施例では地図データが記録部305に記録されているものとするが、通信I/F313などを介して必要な地図データを受信して各種処理に用いるようにしてもよい。
【0038】
音声I/F306は、音声入力用のマイク307および音声出力用のスピーカ308に接続される。音声I/F306は、再生が指示された音声データをD/A変換して、スピーカ308から音声として出力させる。なお、スピーカ308は、ナビゲーション装置300から着脱可能であってもよいし、ナビゲーション装置300の本体から離れた場所にあってもよい。マイク307は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、ユーザの発話などを集音し、音声I/F306に出力する。マイク307に集音された音声は、音声I/F306内でA/D変換される。
【0039】
入力デバイス309は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、およびタッチパネルなどによって構成される。本実施例にかかるナビゲーション装置300は、入力デバイス309として、少なくともディスプレイ311を利用したタッチパネルを備える。後述するように、ナビゲーション装置300のタッチパネルは、ユーザの指などの物体がディスプレイ311の表面に接触したことを検知する他、ディスプレイ311の表面の近傍に物体が接近したことも検知することができる。
【0040】
映像I/F310は、ディスプレイ311およびカメラ312に接続される。映像I/F310は、具体的には、たとえば、ディスプレイ311を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ311を制御する制御ICなどによって構成される。
【0041】
ディスプレイ311には、地図データやアイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。また、ディスプレイ311の表面にはセンサが設けられており、物体の接近および接触を検知することによって入力デバイス309(タッチパネル)として利用される。
【0042】
カメラ312は、ナビゲーション装置300が搭載された車両の内部あるいは外部の映像を撮影する。カメラ312で撮影する映像は静止画あるいは動画のどちらでもよい。カメラ312によって撮影された映像は、映像I/F310を介して記録部305などに記録される。
【0043】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、ネットワークを介したデータの送受信を可能とする。通信I/F313を用いることにより、ナビゲーション装置300は、ネットワークを介して地図データ(地図データの更新データなどを含む)を取得することも可能となる。すなわち、記録部305に地図データが記録されていなくても、ディスプレイ311の表示に必要な地図データを外部のサーバから取得することが可能である。
【0044】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F313は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置およびその他のナビゲーション装置によって構成される、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。
【0045】
GPSユニット314は、GPS衛星からの電波を受信し、ナビゲーション装置300が搭載された車両の現在地点を示す情報を出力する。また、GPSユニット314は、速度センサ、加速度センサ、角速度センサなどの各種センサを備える。GPSユニット314の出力情報は、CPU301によるナビゲーション装置300の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0046】
図1に示した地図表示装置100の各構成部は、図3におけるROM302、RAM303、記録部305などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、各部を制御することによってその機能を実現する。
【0047】
(ナビゲーション装置300による地図データのスクロール処理)
つぎに、ナビゲーション装置300による地図データのスクロール処理について説明する。ナビゲーション装置300は、経路誘導などをおこなう際に、GPSユニット314から出力される情報などに基づいて車両の現在地点を特定し、現在地点周辺の地図データを記録部305から読み出してディスプレイ311に表示する。また、ナビゲーション装置300は、たとえばユーザから任意の地点の指定を受け付け、指定された地点の地図データを記録部305から読み出して、ディスプレイ311に表示する。
【0048】
ここで、ナビゲーション装置300は、ディスプレイ311のタッチパネル機能を利用して、表示している地図のスクロール表示をおこなうことができる、具体的には、たとえば、表示している地図データ上の任意の点に対してユーザからの接触(一般的には、ユーザの指による接触)があると、地図データの中心がユーザによって接触された点まで移動するように地図データをスクロールさせる。また、たとえば、任意の点に対するユーザからの接触が継続しておこなわれている場合(すなわち、地図データ上を長押しされている場合)、地図データの中心(基準点)から任意の点に向かう方向に地図データの中心を移動させ続けることによって、地図データのスクロールを継続しておこなう。
【0049】
このようなスクロール表示をおこなう場合、ナビゲーション装置300は、記録部305からスクロール先の地図データを読み出してVRAMに展開し、ディスプレイ311に出力することになる。通常のナビゲーション装置では、これらの処理をディスプレイ311に対する接触があってから開始する。この場合、スクロール開始までの所要時間が長くなってしまったり、地図データの描画処理が間に合わないために地図データの表示が欠けてしまったりする場合がある。
【0050】
このため、ナビゲーション装置300では、物体の接触のみならず、物体の接近を検知することができる接近検知型のタッチパネルを用いて、ユーザの指が接近していることを検知して、スクロール操作に備えた地図データの先読みをおこなっておく。そして、ユーザの指がディスプレイ311に接触したことを検知すると、先読みしておいた地図データを用いてスクロール操作をおこなう。これにより、スクロールが指示された際に、迅速に地図データのスクロールをおこなうことができる。
【0051】
図4および図5は、接近検知型のタッチパネルの概要を示す説明図である。図4は、接近検知型のタッチパネル400を横方向から見た図であり、図5は、タッチパネル400を正面から見た図である。図4に示すように、タッチパネル400は、ディスプレイ311の表面に、静電容量方式のタッチセンサ401を備えている。タッチセンサ401は、人体(たとえばユーザの指)に帯びる静電気を検出して、タッチパネル400に対する人体の接近および接触を検知する。
【0052】
また、タッチセンサ401は、検出した静電気量によって人体とタッチパネル400の表面との距離を推定する。なお、図4では、タッチセンサ401が所定の厚みを有するように図示しているが、実際のタッチセンサ401の厚みは無視できるほど薄い。このため、以下の説明では、タッチパネル400の表面の横方向(Z座標上)の位置とタッチセンサ401の表面の位置とを同一とする。
【0053】
ここで、タッチセンサ401が検出可能な静電気量の最小値qminとし、タッチパネル400(タッチセンサ401)の表面にユーザの指Fの先端が触れた際にタッチセンサ401が検出する静電気量をqmaxとする。たとえば、ユーザの指Fの先端とタッチパネル400の表面との距離がD1のときに、静電気量qminが検出されたとすると、ユーザの指Fの先端とタッチパネル400の表面との距離Dが小さくなるに従って、タッチセンサ401が検出する静電気量qは大きくなる。たとえば、ユーザの指Fの先端とタッチパネル400の表面との距離がD2(D1>D2>0)のときに、タッチセンサ401が検出する静電気量qは、qmin<q<qmaxとなる。すなわち、ユーザの指Fの先端とタッチパネル400の表面との距離Dは、検出される静電気量qの関数として示される。これを利用して、タッチパネル400は、ユーザの指の接近およびタッチパネル400の表面との距離を検知することができる。また、ユーザの指の接触は、検出した静電気量がqmaxとなったことによって検知してもよいし、タッチセンサ401の表面への圧力を検知してもよい。
【0054】
また、図5に示すように、タッチセンサ401は、ユーザの指Fが接近または接触したタッチパネル400上の位置を検出する。ユーザの指Fが接触した位置を検出する場合、タッチセンサ401は、たとえばタッチパネル401の横方向にX座標、縦方向にY座標を取り、ユーザの指Fが接触した位置Pを座標(X,Y)のように検出する。また、接近しているユーザの指Fの位置を検出する際は、たとえばユーザの指Fからの距離が最も短い点(すなわち、検出される静電気量が最も多い点)の座標(X,Y)をユーザの指Fが接近した位置として検知する。
【0055】
つぎに、ナビゲーション装置300による地図データのスクロール処理の手順について説明する。図6は、ナビゲーション装置による地図データのスクロール処理の手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、まず、GPSユニット314から出力される情報などを用いて、車両の現在位置を算出する(ステップS601)。つぎに、ナビゲーション装置300は、車両の現在位置周辺の地図データを記録部305から読み出して(ステップS602)、ディスプレイ311に表示する(ステップS603)。このとき、ナビゲーション装置300は、たとえば、車両の現在位置を示すアイコンを地図データに重畳して表示する。また、ナビゲーション装置300は、車両の現在位置がディスプレイ311の中心に表示されるように地図データを表示する。なお、車両の現在位置は、ディスプレイ311の中心に限らず、たとえば車両の進行方向が常時ディスプレイ311の上側になるように地図データを表示する場合には、車両の現在位置を中心よりもやや下側に表示して、進行方向側の地図データの表示領域をより広くするようにしてもよい。
【0056】
つづいて、ナビゲーション装置300は、接近検知式のタッチパネル400を用いて、ディスプレイ311にユーザの指が接近しているか否かを判断する(ステップS604)。ユーザの指が接近していない場合は(ステップS604:No)、ステップS611に移行する。一方、ユーザの指が接近している場合(ステップS604:Yes)、ナビゲーション装置300は、ユーザの指が接近しているディスプレイ311上の位置(接近位置)の座標を検出する(ステップS605)。ユーザの指が接近している位置とは、たとえば、ユーザの指が帯びる静電気が最も強く検出される点である。
【0057】
つづいて、ナビゲーション装置300は、現在表示している地図データの範囲に隣接する領域のうち、ユーザの指が接近している方向(接近方向)の地図データを記録部305から読み出す(ステップS606)。ここで、接近方向とは、ディスプレイの中心(または車両の現在位置)から接近位置に向かう方向である。
【0058】
図7は、ユーザの指の接近に伴って取得される地図データの一例を示す説明図である。図7において、現在ディスプレイ311に表示されている地図データを領域700とする。また、車両の現在位置を示すアイコン701は、領域700の中心(すなわち、ディスプレイ311の中心)に表示されている。ユーザの指Fは、アイコン701に対して右側に接近している。このため、接近方向は右側となり、ナビゲーション装置300は、領域700の右側に隣接する領域710の地図データを取得する。このとき取得する地図データは、ディスプレイ311に一時に表示できる範囲であってもよいし、ディスプレイ311に一時に表示できる範囲より大きい(または小さい)範囲であってもよい。
【0059】
図6の説明に戻り、ナビゲーション装置300は、ステップS606で読み出した地図データを描画用バッファ(VRAM)に保存する(ステップS607)。つづいて、ナビゲーション装置300は、ディスプレイ311にユーザの指が接触したか否かを判断する(ステップS608)。ユーザの指が接触しない場合は(ステップS608:No)、ステップS604に戻り、ユーザの指の接近の検知を継続する。このとき、ユーザの指の接近方向が変化した場合は、変化後の接近方向の地図データを読み出して記録する。
【0060】
一方、ユーザの指がディスプレイ311に接触した場合(ステップS608:Yes)、ナビゲーション装置300は、ステップS607で描画用バッファに保存した地図データを転送して(ステップS609)、ディスプレイ311の表示を接近方向の地図データに切り替える(ステップS610)。このとき、地図データの中心位置を連続的に変化させて、地図データをスクロール表示してもよいし、地図データの表示を一時に切り替えてもよい。
【0061】
車両が走行を終了するまで(ステップS611:No)、ナビゲーション装置300は、ステップS601に戻り、以降の処理を繰り返す。そして、車両が走行を終了すると(ステップS611:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0062】
なお、上記の説明では、ユーザの指Fが接近している接近方向の地図データを読み出すこととしたが、これ以外の範囲の地図データを読み出すようにしてもよい。図8〜10は、ユーザの指の接近に伴って取得される地図データの他の例を示す説明図である。図8に示すのは、ユーザの指Fの接近を検知すると、表示中の地図データに隣接する領域全体の地図データを読み出す方法である。図8において、領域800はディスプレイ311に表示されている地図データである。ユーザの指Fがディスプレイ311に接近すると、ナビゲーション装置300は、領域800に隣接する領域810の地図データを読み出して、描画用バッファに保存する。ユーザの指Fがディスプレイ311に接触すると、ナビゲーション装置300は、ユーザの指Fの接触方向の地図データを描画用バッファからディスプレイ311に転送して、地図データの表示を切り替える。この方法であれば、ユーザの指Fの接近方向が不明な場合であっても、あらかじめ地図データを読み出しておくことができる。
【0063】
また、図9に示すのは、ユーザの指Fの接近中における移動方向を検知して、移動方向に応じた領域の地図データを読み出す方法である。図9において、領域900はディスプレイ311に表示されている地図データである。ユーザの指Fがディスプレイ311に接近している間において、ディスプレイ311の左上(指F1)から中央上(指F2)に移動すると、ナビゲーション装置300は、まず領域900の上側に隣接する領域の地図データを読み出して、描画用バッファに保存する。これは、ユーザの指Fの移動がそのまま継続した後にディスプレイ311への接触がおこなわれる可能性が高いためである。
【0064】
より詳細には、ナビゲーション装置300は、ユーザの指Fがディスプレイ311の左上から中央上に移動すると、まず領域900の中央上に隣接する領域の地図データを読み出し、つぎに領域900の右上に隣接する領域910の地図データを読み出す。その後、ナビゲーション装置300は、領域900の右側に隣接する領域の地図データを読み出す。また、たとえば、ユーザの指Fがディスプレイ311の左上から中央部に移動した場合、ナビゲーション装置300は、まず領域900の右下に隣接する領域の地図データを読み出し、つづいて右に隣接する領域、最後に下に隣接する領域の地図データをそれぞれ読み出す。同様に、たとえば、ユーザの指Fがディスプレイ311の左上から左中央に移動した場合、ナビゲーション装置300は、領域900の左に隣接する領域、右に隣接する領域、下に隣接する領域の順番で地図データを読み出す。
【0065】
すなわち、ナビゲーション装置300は、ユーザの指Fが移動したことを検知すると、まず、移動先でそのままディスプレイ311に接触した場合に表示する領域の地図データを読み出す。つぎに、ナビゲーション装置300は、ユーザの指Fの移動がそのまま継続した先でディスプレイ311に接触した場合に表示する領域の地図データを読み出す。つづいて、ナビゲーション装置300は、ユーザの指Fの相対的な移動方向に隣接する領域の地図データを読み出す。これにより、ユーザが表示させたい方向を予測して迅速に地図データを表示することができる。
【0066】
図10に示すのは、ユーザの指Fが接近する位置の、ディスプレイ311の中央(または車両の位置を示すアイコン)からの距離に基づいて、地図データの読み出し領域を変更する方法である。図10において、領域1000はディスプレイ311に表示されている地図データであり、中央には車両の現在位置を示すアイコン1001が表示されている。ユーザの指Fがディスプレイ311の中央から近い位置に接近すると(たとえば、指F3の位置)、ナビゲーション装置300は、領域1000に隣接する領域1010の地図データを読み出す。一方、ユーザの指Fがディスプレイ311の中央から遠い位置に接近すると(たとえば、指F4の位置)、ナビゲーション装置300は、領域1000に隣接する領域1020の地図データを読み出す。
【0067】
ここで、ナビゲーション装置300は、地図データをスクロールさせる際、現在表示している領域からスクロール先の領域までの距離が近い場合はスクロール速度を相対的に遅くし、スクロール先の領域までの距離が遠い場合はスクロール速度を相対的に早くする。領域1010と領域1020とを比較すると、領域1010は、領域1000の近い範囲を幅広くカバーする(縦方向に長く、横方向に短い)地図データとなっている。一方、領域1020は、領域1000から遠くの範囲までをカバーする(横方向に長く、縦方向に短い)地図データとなっている。
【0068】
これは、ユーザの指Fがディスプレイ311の中央から近い位置に接近した場合、ユーザは、車両の現在位置付近の地図データをより詳細に見たい可能性が高く、地図データの読み出し方向を広くした方が、ユーザがスクロール方向を変化させた場合にも幅広く対応することができ、有益であると考えられるためである。一方、ユーザの指Fがディスプレイ311の中央から遠い位置に接近した場合、ユーザは、車両の現在位置から離れた範囲の地図データを見たい可能性が高く、スクロール速度を早める必要があると考えられる。このため、特定の方向(スクロール方向)の地図データの範囲を広く読み出した方が有益であると考えられるためである。
【0069】
なお、本実施例では、上述した静電容量方式のタッチセンサ401を用いることとしたが、ユーザの指の接近を検知することができるのであれば、他の方法を採用してもよい。具体的には、たとえば、赤外線センサや、光センサ、カメラ画像を用いた画像検出などによってユーザの指の接近を検知するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施例では、地図データを記録部305から読み出しているが、たとえば、遠隔地に設けられたサーバから通信を介して地図データを読み出してもよい。この場合、ユーザの指がタッチパネル400に接触してから地図データを読み出すと、通信速度によってはディスプレイ311に地図データを読み出すまでに時間を要してしまうので、本実施例がより顕著な効果を有する。
【0071】
(変形例)
上記の実施例では、ユーザの指がタッチパネル400に接近したときに、現在表示している地図データの範囲に隣接する領域の地図データを読み出していたが、これに加えて、当該隣接する領域の地図が表示された際に必要な各種情報を読み出してもよい。この読み出す各種情報としては、当該領域の地図上に表示する施設情報、走行履歴情報、ルート情報、渋滞情報や、当該領域を対象に検索する際の住所情報などが挙げられる。この場合、ナビゲーション装置300は、記録部305に記録されている各種のデータベースから該当する情報を読み出したり、外部のサーバから渋滞情報等を取得したりする。
【0072】
以上説明したように、ナビゲーション装置300は、地図データを表示するディスプレイ311に対して物体の接近を検知した場合、表示している領域以外の地図データを取得するとともに、ディスプレイ311に対する物体の接触を検知した場合、物体の接近に伴って取得した地図データをディスプレイ311に表示する。これにより、ナビゲーション装置300は、ユーザのタッチパネル操作に基づいて、地図データの表示領域を迅速に変更することができる。
【0073】
また、ナビゲーション装置300は、物体の接近位置に基づいて、取得する地図データの領域を決定する。より詳細には、ディスプレイ311に表示されている領域に隣接する領域のうち、接近方向に隣接する領域の地図データを取得する。これにより、地図データの表示領域を、ユーザが希望する方向に迅速に変更することができる。
【0074】
また、ナビゲーション装置300は、物体の接触が検知された場合に地図データをスクロール表示し、基準位置と物体が接触した位置との距離に応じてスクロールする速度を変更するとともに、接触距離に基づいて取得する地図データの領域の大きさを決定する。より詳細には、ナビゲーション装置300は、基準位置との距離が長いほどスクロールする速度を速くするとともに、取得する地図データの接近方向の長さを長く、接近方向に垂直な方向の長さを短くする。これにより、スクロール方向の地図データをあらかじめ取得しておくことができ、スクロール速度が速い場合でも、迅速かつスムーズなスクロール表示をおこなうことができる。
【0075】
また、ナビゲーション装置300は、接近中における物体の移動方向を検知し、移動方向に基づいて取得する地図データの領域を決定する。より詳細には、ナビゲーション装置300は、移動方向の延長線上に隣接する領域の地図データを取得する。これにより、実際に物体が接触する方向を予測して、より有用な地図データを取得することができる。
【0076】
なお、本実施の形態で説明した地図表示方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
100 地図表示装置
101 取得部
102 表示部
102a 表示画面
102b タッチパネル
103 検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域の地図データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記地図データを表示する表示手段と、
前記表示手段に対する物体の接近および接触を検知する検知手段と、を備え、
前記取得手段は、前記地図データを表示している前記表示手段に対して前記物体の接近が検知された場合、前記表示手段に表示されている領域以外の前記地図データを取得し、
前記表示手段は、前記表示手段に対する前記物体の接触が検知された場合、前記物体の接近に伴って取得された領域の前記地図データを表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記物体の接近が検知された際に前記表示手段に表示されている領域に隣接する領域の前記地図データを取得することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記表示手段に前記物体が接近した位置(以下、「接近位置」という)を検知し、
前記取得手段は、前記接近位置に基づいて、取得する前記地図データの領域を決定することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記物体の接近が検知された際に前記表示手段に表示されている領域に隣接する領域のうち、前記表示手段上の基準位置に対する前記接近位置の方向(以下、「接近方向」という)に隣接する領域の前記地図データを取得することを特徴とする請求項3に記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記物体の接触が検知された場合に前記地図データをスクロール表示するとともに、前記基準位置と前記物体が接触した位置との距離に応じてスクロールする速度を変更し、
前記取得手段は、前記基準位置と前記接近位置との距離に応じて、取得する前記地図データの前記領域の大きさを決定することを特徴とする請求項4に記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記基準位置と前記物体が接触した位置との距離が長いほどスクロールする速度を速くし、
前記取得手段は、前記基準位置と前記接近位置との距離が長いほど、取得する前記地図データの前記接近方向の長さを長くするとともに、当該接近方向に垂直な方向の長さを短くすることを特徴とする請求項5に記載の地図表示装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記接近位置を連続して検知して前記物体の移動方向を検知し、
前記取得手段は、前記移動方向に基づいて、取得する前記地図データの領域を決定することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記物体の接近が検知された際に前記表示手段に表示されている領域に隣接する領域のうち、前記移動方向の延長線上に隣接する領域の前記地図データを取得することを特徴とする請求項7に記載の地図表示装置。
【請求項9】
地図データを表示する地図表示装置における地図表示方法であって、
所定の領域の前記地図データを表示手段に表示する第1の表示工程と、
前記表示手段に対する物体の接近を検知する第1の検知工程と、
前記表示手段に対して前記物体の接近が検知された場合、前記表示手段に表示されている領域以外の前記地図データを取得する取得工程と、
前記表示手段に対する物体の接触を検知する第2の検知工程と、
前記表示手段に対する前記物体の接触が検知された場合、前記取得工程で取得された領域の前記地図データを表示する第2の表示工程と、を含んだことを特徴とする地図表示方法。
【請求項10】
請求項9に記載の地図表示方法をコンピュータに実行させることを特徴とする地図表示プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の地図表示プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−118006(P2011−118006A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272978(P2009−272978)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】