説明

坪量センサおよび画像形成装置

【課題】 周囲の温度変動と用紙のばたつきによって生じる誤差を抑制し、用紙の坪量を精度良く測定する。
【解決手段】 コントローラ3は坪量センサ2の温度センサ23から温度データを取得し、画像形成装置100内部の温度を特定する。コントローラ3は、HDD4に記憶されたLUT(ルックアップテーブル)に基づいてこのときの温度に応じた周波数を特定し、この周波数の超音波を透過させたときの透過強度を測定させる。このようにすることで、超音波の波長は温度によらず一定とすることができるため、ばたつきの影響を受けにくい波長を用いて坪量を測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙の坪量を精度良く測定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、用紙の厚さを測定し、測定された厚さに応じて定着温度や転写電位等の画像形成条件を制御することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、画像形成条件を制御するときの測定量としては、用紙の厚さよりも坪量(単位面積当たりの重量)のほうが画像形成条件との相関が高いことも知られている。用紙の坪量を測定する方法としては、例えば、用紙を透過する超音波の透過率を測定する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
超音波を利用したセンサを用いて用紙の坪量を測定する場合には、その測定結果には温度変化に依存する誤差が含まれる。これは、例えば特許文献3の(1)式に示されているように、シート材を透過する超音波の透過率(T)が音速(c)に依存するためである。音速は媒質(ここでは空気である)の温度に応じて増加するため、画像形成装置内部の温度が変化すれば当然、超音波の音速や波長も変化する。その結果、図6に示すように、超音波の透過率は温度が上昇するにつれて増加することとなる。
【0004】
電子写真方式の画像形成装置においては、トナーを加熱させる定着装置を要するなどの事情もあって内部の温度が変動しやすいという問題がある。それゆえ、用紙の坪量を正確に測定するためには、温度変動に依存する誤差を低減させることが不可欠である。上述の特許文献3に記載の技術は、温度変動を考慮した所定の周波数範囲を設定し、この範囲の超音波を用いて測定された受信強度を積分して実効値を得ることによって、シート材の厚さを高精度に測定するというものである。
【特許文献1】特許第3081517号公報
【特許文献2】特開昭57−132055号公報
【特許文献3】特開2004−156917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置において用紙を搬送する際には、用紙が搬送方向に直交する方向に対してわずかに振動する、いわゆる「ばたつき」という現象が生じることがある。超音波を用いて用紙の坪量を測定するときには、このばたつきに起因する誤差についても考慮する必要がある。しかしながら、上述の特許文献3に記載の技術は、温度変動については考慮しているものの、ばたつきについての考慮はなされていなかった。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、周囲の温度変動と用紙のばたつきによって生じる誤差を抑制し、用紙の坪量を精度良く測定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明は、音波を発する発振器とその音波を受信する受信器とを有し、前記発振器により発され、シート材を透過してから前記受信器に受信された音波の透過強度を測定することによって当該シート材の単位面積当たりの重量を算出する坪量センサであって、自機の周囲の温度を測定する測温手段と、前記測温手段により測定された温度において、あらかじめ定められた波長の音波を発するように前記発振器を制御する制御手段とを備える坪量センサを提供する。
かかる坪量センサによれば、シート材の坪量を算出する際に、制御手段が、周囲の温度変化に応じて音波の周波数を異ならせるような制御を行う。これにより、このときの音波の波長が一定に保たれる。
【0008】
また、本発明は、自装置の内部の温度を測定する測温手段と、前記測温手段により測定された温度において、あらかじめ定められた波長の音波を発する発振手段と、前記発振手段により発せられ、画像が形成されるシート材を透過した音波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された音波の透過強度から前記シート材の単位面積当たりの重量を算出する坪量算出手段と、前記坪量算出手段により算出された重量に応じた画像形成条件を適用して前記シート材に画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置としても特定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下においては、坪量センサを内部に備えた画像形成装置を例示して本発明を詳細に説明するが、まずはじめに本発明の概要を説明する。
【0010】
[1.本発明の概要]
本発明の主たる特徴は、“決められた一定の波長の超音波を用いて用紙の坪量を測定する”ことにある。超音波の波長を一定とするために、本発明においては、周囲の温度変化に応じて超音波の周波数を異ならせるような制御を行っている。このような制御を行う理由について、以下に説明する。
【0011】
本発明者らは、実験により、一定の周波数の超音波を用いて用紙の超音波透過率を測定した場合に、用紙のばたつきに伴う透過率の変動幅(すなわち誤差の程度)に温度依存性があることを明らかにした。これは、図1において破線で示したように、透過率の変動幅はある温度tにおいて最小となり、温度tとの差が大きくなるにつれて変動幅も大きくなる、というものである。
【0012】
このことから、本発明者らは、“透過率の変動幅は超音波の波長に依存する”と着想するに至った。なぜならば、上述の実験では一定の周波数の超音波を用いているため、温度が変化すれば当然、それに応じて波長も変化しているはずだからである。この着想に基づき、本発明者らは、上述した透過率の変動幅には超音波の波長と相関があり、透過率の変動幅を最小にできる最適な波長が存在することを見出した。具体的には、図1の温度tにおける超音波の波長λを特定し、温度が変化しても超音波の波長がこのλで一定となるように、周波数を変化させながら透過率を測定する実験を行った。すると、図1の実線で示したように、透過率の変動幅はほぼ一定となった。これらの結果に基づき、本発明者らは、上述の如き本発明をするに至った次第である。
【0013】
[2.実施形態]
ここでは、上述の本発明を実施するための具体的構成と、その動作について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を示した図である。この画像形成装置100は、中間転写ベルトを備えたいわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を用紙等の記録材に形成することによってカラー画像を形成する。
【0014】
画像形成装置100の構成は、トナー像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、中間転写ベルト11と、駆動ロール12と、二次転写ロール13と、バックアップロール14と、給紙部15と、定着装置16とを備える画像形成部1と、坪量センサ2とに大別される。なお、トナー像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの各符号の末尾に付されたアルファベットは、単にトナーの色を示すだけのものであり、各ユニットの符号は異なっているものの、その構成に大きな違いはない。そこで、以下の説明においては、これらのアルファベットを適宜省略して「トナー像形成ユニット10」と総称することがある。同様に、トナー像形成ユニット10の各部についても、そのアルファベットを適宜省略して説明する。
【0015】
トナー像形成ユニット10は、感光体ドラム101と、帯電器102と、露光器103と、現像器104と、一次転写ロール105と、ドラムクリーナ106と、除電装置107とを備える。感光体ドラム101は表面に光導電層の形成された像担持体であり、図中の矢印A方向に回転される。帯電器102は感光体ドラム101表面に所定の電位差を生じさせ、これを一様に帯電する。露光器103はレーザダイオード等のビーム発光源を備えており、帯電された感光体ドラム101表面にビーム光を照射させることで照射部分の電荷を消失させ、入力された各色の画像データに応じた静電潜像を形成する。現像器104はY、M、C、K各色のトナーを備えており、感光体ドラム101表面の静電潜像にトナーを付与することでトナー像を作像する。一次転写ロール105は中間転写ベルト11を介して感光体ドラム101と対向し、これらが対向する位置においてトナー像を中間転写ベルト11に転写する。
【0016】
ドラムクリーナ106は、トナー像を転写された後に感光体ドラム101表面に残留している未転写のトナーを回収する。除電装置107は感光体ドラム101表面を除電する。すなわち、ドラムクリーナ106および除電装置107は、感光体ドラム101から不要なトナーや電荷を除去し、感光体ドラム101を次の画像形成プロセスに備えさせるものである。
【0017】
中間転写ベルト11は無端のベルト部材である。中間転写ベルト11は駆動ロール12により図中の矢印B方向に回転され、画像形成ユニット10において作像されたトナー像を二次転写ロール13により形成されるニップ領域に搬送する。二次転写ロール13はそのシャフトを介して電気的に接地(アース)されており、図示せぬ電源の接続されたバックアップロール14との間に電位差を生じさせる。中間転写ベルト11表面のトナー像はこの電位差によって移動され、二次転写ロール13とバックアップロール14とが対向する位置(以下「二次転写位置」という。)において給紙部15が供給する用紙の表面に付着する。
【0018】
給紙部15は、用紙トレイ151、152と、複数の搬送ロール153と、レジストロール154とを備える。用紙トレイ151、152はそれぞれ異なる種類の用紙をシート材として収容しており、各トレイの用紙はサイズや紙質が異なっている。搬送ロール153は用紙トレイ151、152から供給される用紙を用紙搬送路に沿って二次転写位置へと搬送する。レジストロール154は用紙が二次転写位置に突入するタイミングを制御する。
【0019】
定着装置16は、内部に熱源を備えた定着ロール161と加圧部材162とを備え、トナー像を転写された用紙を搬送させながら加熱および加圧することで、用紙にトナーを定着させる。トナーを定着された用紙は外部に排出される。
【0020】
坪量センサ2は用紙搬送路の所定の位置に設けられており、この位置を通過する用紙の坪量を測定する。ここで「坪量」とは、用紙の単位面積当たりの重量のことであり、単位は「g/m(グラム毎平方メートル)」である。坪量センサ2は、超音波を発する発振器21と、発振器21により発された超音波を受信する受信器22と、自機の周囲の温度を測定する温度センサ23とを備える。受信器22は超音波の受信強度を出力し、温度センサ23は測定した温度を温度データとして出力する。なお、発振器21は超音波に限らず、音波を発するものであってもよい。
【0021】
画像形成装置100の構成をブロック図で示すと、図3のようになる。同図において、コントローラ3はCPU(Central Processing Unit)やメモリ、通信インターフェース等を備えた制御装置である。また、HDD(Hard Disk Drive)4は大容量の記憶領域を備えた記憶装置であり、各種のプログラムやLUT(Look-Up Table:ルックアップテーブル)を記憶している。コントローラ3はHDD4あるいはメモリに記憶されたプログラムを実行することによって、画像形成装置100全体の動作を制御する。
【0022】
HDD4に記憶されたLUTは、発振器21が発する超音波が一定の波長を保つための温度と周波数の関係を記述したものである。超音波の音速をv、周波数をf、波長をλとすると、これらの間にはv=fλの関係が成り立つ。また、音速vは媒質(ここでは空気である)の温度に依存し、これをtとすると、v≒331+0.6tの関係が成り立つ。それゆえ、媒質の温度tが与えられれば音速vを求めることができ、このとき適当な周波数fで発振することによって超音波の波長λを所望する値にすることができる。LUTには、ある波長λ1における温度tと周波数fの関係を適当な温度範囲(例えば0〜50℃)について記述しておく。波長λ1の値は任意であるが、この値は発振器21と受信器22の間の距離等に基づいてあらかじめ定められるものである。
【0023】
以上の構成のもと、画像形成装置100は入力された画像データに応じた画像を用紙の表面に形成する。このときコントローラ3は、坪量センサ2を用いて用紙の坪量を算出し、この坪量に基づいて画像形成条件を決定する。ここにいう画像形成条件とは、定着装置16が熱源を加熱する温度(以下「定着温度」という。)や定着時における用紙の搬送速度、二次転写ロール13とバックアップロール14との間の電位差(以下「転写電圧」という。)等のパラメータのことである。以下では、画像形成装置100のコントローラ3が行う動作について説明する。
【0024】
図4は、画像形成装置100のコントローラ3が行う画像形成処理を示したフローチャートである。同図に沿って説明すると、はじめにコントローラ3は、坪量センサ2の温度センサ23から温度データを取得し、取得した温度データに基づいて画像形成装置100内部の温度tを特定する(ステップS1)。続いてコントローラ3はHDD4からLUTを読み出し、特定された温度tに対応付けられている周波数fを特定する(ステップS2)。
【0025】
発振すべき周波数fを特定したら、コントローラ3はこの周波数fで発振器21を発振させ、超音波を発生させる。まず、コントローラ3は、発振器21と受信器22の間に用紙が存在しない状態で発振器21を発振させ、この状態での受信強度Tを測定させる(ステップS3)。次に、コントローラ3は発振器21と受信器22の間に用紙が存在する状態で発振器21を発振させ、この状態での受信強度Tを測定させる(ステップS4)。コントローラ3は、これらの受信強度TおよびTを用いて透過率Tを算出する(ステップS5)。具体的には、透過率TはT=T/Tを解くことによって百分率として求められる。
【0026】
透過率Tを算出したら、コントローラ3は用紙の坪量Bを算出する(ステップS6)。用紙の坪量Bと透過率Tは図5に示すような相関を有するため、坪量Bは透過率Tから一意的に求めることができる。図5の関係はあらかじめ求められるものであるから、コントローラ3はメモリ等にこれを記憶して用いてもよいし、所定の演算により求めてもよい。
【0027】
坪量Bを算出したら、コントローラ3はこの坪量に応じた画像形成条件を決定する(ステップS7)。例えば、ある用紙aの坪量がある用紙bのそれよりも大きい場合、用紙の表面性状等の条件が同一であるとすれば、用紙aに用紙bと等しい条件で定着が行われるためには、用紙aには用紙bよりも多くの熱量が与えられる必要がある。そのため、坪量の大きい用紙に画像を形成する場合には、坪量の小さい用紙に画像を形成する場合よりも高い定着温度が必要となる。同様に、用紙の搬送速度は坪量の増加に応じて低速となり、転写電圧は坪量の増加に応じて高くなる。
【0028】
コントローラ3はこのような画像形成条件を坪量に応じて決定する。このとき、コントローラ3が坪量に応じて変更する画像形成条件のパラメータ(定着温度、搬送速度、転写電圧等)は単一であってもよいし、複数であってもよい。続いてコントローラ3は、決定された画像形成条件を適用して画像形成部1に画像を形成させる(ステップS8)。
【0029】
以上の要領で画像を形成することによって、画像形成装置100においては、内部の温度によらず一定の波長で超音波を発生させることが可能となる。超音波が一定の波長となることで、画像形成装置100は、温度変動やばたつきに起因する誤差を良好に抑制し、用紙の坪量を高精度に測定することができる。その結果、画像形成装置100は、用紙の坪量に応じた適切な画像形成条件を適用することが可能となり、形成される画像の画質を向上させることが可能となる。
【0030】
[3.変形例]
上述の実施形態においては、本発明を、その好適な一態様である画像形成装置100を例示して説明したが、本発明は上述した態様に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。ここではその変形例について説明する。
【0031】
上述の実施形態においては、中間転写ベルトを用いたいわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置を示したが、画像形成装置はこのような構成に限定されない。例えば、複数色の現像器を回転移動させるいわゆるロータリー方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置はカラー画像形成装置である必要はなく、単色のモノクロ画像形成装置であってもよい。
【0032】
なお、上述した画像形成処理におけるステップS3は省略可能である。上述の実施形態においては、受信強度Tを用いて規格化した透過率Tを求めることにより、温度変化や経時変化に起因する発振器21の発振強度の変化や受信器22の受信強度のゲイン変動を補正している。しかしながら、受信強度Tを透過強度として用いて坪量を算出することも可能である。このようにすれば、画像形成処理を高速に行うことが可能となる。
【0033】
また、画像形成装置において、坪量センサの位置は図2に示した位置に限定されない。坪量センサは用紙搬送路を挟むように設けられていれば足りるので、用紙トレイの近傍やレジストロールの近傍にあってもよい。坪量センサの位置は、コントローラが発振周波数を特定し、坪量の特定後に画像形成条件を適用するための処理時間を考慮すれば、画像形成部1から見て可能な限り上流側の用紙搬送路近傍に設けられていることが望ましい。かかる事情を考慮すれば、坪量センサを用紙トレイ内部に設けることも可能であるが、用紙トレイが複数あるときには当然、坪量センサも用紙トレイの数だけ必要となる。
【0034】
また、上述の実施形態においては、コントローラはHDDに記憶されたLUTを用いて周波数の特定を行っているが、周波数を特定する方法はこれに限らない。例えば、温度と周波数の関係から導き出される関数を用いて、入力された温度に応じた周波数を算出する構成であってもよい。なお、周波数を特定する際には、周波数の変動に応じて透過率にも若干の変動があるので、この変動分を補正するように構成してもよい。しかし、周波数の変動に伴う透過率の変動は微小であるため、この変動に起因する誤差は無視できる程度のものである。
【0035】
なお、電子写真方式の画像形成装置においては、その内部に温度センサを備える構成が一般的である。そのため、このような画像形成装置においては、坪量センサ自体が温度センサを設けている必要はない。この場合、発振器の発振周波数を特定するためには、画像形成装置が備える温度センサにより取得された温度データを用いればよい。
【0036】
また、温度センサは、画像形成装置の動作中に温度を常に測定するものであってもよいし、所定の時間間隔で定期的に測定するものであってもよい。温度センサが常に温度を測定している場合には、コントローラは、温度の変化に追従して発振周波数を変化させることができるので、より高精度な測定が可能となる。
【0037】
なお、上述の実施形態においては、透過率の測定に用いられた用紙に対してその用紙の測定結果に基づいた画像形成条件を適用している。しかし、用紙の搬送速度が高速である場合には、用紙の透過率が測定されてから画像が形成されるまでの時間が短くなるため、同一の用紙に対して画像形成条件を適用することができない、ということも考えられる。このような場合には、同じ紙質(坪量)の用紙が連続的に形成されているのであれば、透過率の測定に用いられた用紙と画像形成条件を適用される用紙とが同一でなくともよい。一般には、画像形成装置は同じ紙質の用紙を用いて画像を形成しているため、上述のように透過率の測定に用いられた用紙と画像形成条件を適用される用紙とが一致していなくても、一定の効果を奏することができる。
【0038】
また、本発明は坪量センサ単体としても特定され得るものである。この場合、坪量センサは、上述のコントローラ3から独立した制御手段を別個に備える必要がある。この制御手段は、温度センサにより測定された温度において所定の波長の音波を発するように発振器を制御することができれば足りるので、周知のCPU等を用いて構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】温度変動に伴う透過率の変動幅の変化を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示した図である。
【図3】同画像形成装置の構成を示したブロック図である。
【図4】同画像形成装置において行われる画像形成処理を示したフローチャートである。
【図5】用紙の坪量と透過率の相関を示した図である。
【図6】超音波の透過率の温度依存性を示した図である。
【符号の説明】
【0040】
100…画像形成装置、1…画像形成部、10、10Y、10M、10C、10K…トナー像形成ユニット、11…中間転写ベルト、12…駆動ロール、13…二次転写ロール、14…バックアップロール、15…給紙部、16…定着装置、2…坪量センサ、21…発振器、22…受信器、23…温度センサ、3…コントローラ、4…HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音波を発する発振器とその音波を受信する受信器とを有し、前記発振器により発され、シート材を透過してから前記受信器に受信された音波の透過強度を測定することによって当該シート材の単位面積当たりの重量を算出する坪量センサであって、
自機の周囲の温度を測定する測温手段と、
前記測温手段により測定された温度において、あらかじめ定められた波長の音波を発するように前記発振器を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする坪量センサ。
【請求項2】
前記発振器があらかじめ決められた波長の音波を発するための温度と周波数との関係を対応付けて記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記測温手段が測定した温度に対応付けられた周波数を前記記憶手段から読み出し、当該周波数で前記発振器を発振させる
ことを特徴とする請求項1記載の坪量センサ。
【請求項3】
前記制御手段は、前記測温手段により測定された温度が変化したときに、その変化後に発される波長が変化前の波長と同一となるような周波数で前記発振器を発振させる
ことを特徴とする請求項1記載の坪量センサ。
【請求項4】
自装置の内部の温度を測定する測温手段と、
前記測温手段により測定された温度において、あらかじめ定められた波長の音波を発する発振手段と、
前記発振手段により発せられ、画像が形成されるシート材を透過した音波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された音波の透過強度から前記シート材の単位面積当たりの重量を算出する坪量算出手段と、
前記坪量算出手段により算出された重量に応じた画像形成条件を適用して前記シート材に画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−24837(P2007−24837A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211497(P2005−211497)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】