説明

埋め込み配線の形成方法

【課題】配線抵抗が低く、EM耐性及び信頼性に優れた埋め込み配線の形成方法を提供することにある。
【解決手段】半導体基板10上に形成された絶縁層11内に溝12を形成した後、溝12の側面及び底面を覆うように、絶縁層11上にALD法でバリアメタル層13を形成し、その表面に、イオン注入法またはALD法により不純物層14、17を形成する。その後、バリアメタル層13と不純物層14、17とを合金化した後、溝12内にCuシード層15及びCuメッキ層16からなる埋め込み配線層を形成し、然る後、合金化されたバリアメタル層13内の不純物元素を埋め込み配線層内に熱拡散させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線抵抗が低く、エレクトロマイグレーション(EM)耐性及び信頼性に優れた埋め込み配線の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIの微細化に伴い、配線のRC遅延時間の増大が顕著となり、これに対処するために、従来のAl配線に代わって、配線抵抗の小さいCu埋め込み配線が採用されはじめている。Cu埋め込み配線は、一般には、Al配線に比べて、配線のEM耐性が優れているが、配線の微細化とともに、配線に流れる電流密度が増加することから、Cu配線においてもEM耐性を向上させることが不可欠になっている。
【0003】
Cu埋め込み配線のEM耐性を向上させる対策として、Cu埋め込み配線に不純物元素(通常は金属元素)を拡散させる方法が知られている。例えば、Cuメッキの下地となるシード層として、不純物元素が添加されたCu合金シード層を用い、Cu合金シード層上にCuメッキ層を形成した後、熱処理を行うことによって、Cu合金シード層からCuメッキ層内に不純物元素を拡散させることができる。
【0004】
しかしながら、Cu合金シード層からCuメッキ層内への不純物元素の拡散は、同じCuで構成された膜同士中の拡散であるため、不純物元素に対する障壁がなく、不純物元素はCuメッキ層全体に拡散してしまう。その結果、Cu配線の抵抗値が上昇し、配線のRC遅延時間の増大を引き起こしてしまうという問題が生じる。
【0005】
また、Cu合金シード層を、スパッタリング装置で形成した後、メッキ装置に移してCuメッキ層を形成する際、Cu合金シード層の表面が大気に暴露される。そのため、Cu合金シード層に添加された不純物元素の酸化により、Cu合金シード層の表面に酸化層が形成され、その結果、Cu合金シード層とCuメッキ層との密着性が低下するという問題も生じる。
【0006】
そこで、Cuシード層とCuメッキ層との密着性を維持しつつ、Cuメッキ層に不純物元素を拡散させてEM耐性を向上させる技術が、特許文献1に記載されている。
【0007】
図8(a)〜(c)は、特許文献1に記載されたCu埋め込み配線の形成方法を示した工程断面図である。
【0008】
まず、図8(a)に示すように、シリコン基板100上に形成された絶縁層101に、埋め込み配線用の溝102を形成した後、溝102の側面及び底面を覆うように、絶縁層101上に、不純物元素が添加されたバリアメタル層(通常、合金バリアメタル層)103、及びCuシード層104を、スパッタリング装置内で連続的に形成する。その後、図8(b)に示すように、溝102を埋め込むように、Cuシード層104の上にCuメッキ層105を形成する。
【0009】
次に、図8(c)に示すように、絶縁層101の表面を露出するように、絶縁層101上のCuメッキ層105、Cuシード層104、及び合金バリアメタル層103を除去して、溝102内にCuメッキ層105を埋め込む。その後、熱処理を施すことによって、合金バリアメタル層103内の不純物元素をCuメッキ層105内に拡散させる。
【0010】
このように、合金バリアメタル層103からCuメッキ層105内に不純物元素を拡散させれば、合金バリアメタル層103とCuメッキ層105(Cuシード層104も含む)との界面に不純物元素の拡散に対する障壁ができるため、Cuメッキ層105内への拡散を抑制することができる。加えて、合金バリアメタル層103とCuシード層104とを、スパッタリング装置内で連続的に形成することによって、合金バリアメタル層103に添加された不純物元素が大気に暴露されて酸化されることを防ぐことができる。これにより、密着性を維持しつつ、配線抵抗の増加を抑制した埋め込みCu配線を形成することができる。
【特許文献1】特開2004−47846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載された方法で形成された埋め込みCu配線は、密着性を維持しつつ、配線抵抗の増加を抑制することができる点で有効であるが、以下のような問題がある。
【0012】
すなわち、不純物元素が添加された合金バリアメタル層103は、スパッタリング法を用いて形成されるため、LSIの微細化に伴い、埋め込み配線用の溝102のアスペクト比が大きくなると、合金バリアメタル層103及びCuシード層104を、溝102の側面及び底面に被覆性よく形成することが困難になる。それ故、不連続な合金バリアメタル層103及びCuシード層が溝102の側面または底面に形成されると、電解メッキ法で溝102内にCuメッキ層を埋め込む際、溝102内にボイドが生成され、Cu配線の信頼性の低下を招く。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、配線抵抗が低く、EM耐性に優れ、かつ高い信頼性を有する埋め込み配線の形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明は、配線用の溝の側面及び底面を覆うように、原子層堆積法(以下、「ALD(Atomic layer deposition)法」という)でバリアメタル層を形成した後(または形成する前)に、バリアメタル層の一主面(表面または裏面)に不純物層を形成し、さらに、バリメタル層と不純物層とを合金化した後、かかる合金化されたバリアメタル層から、Cuシード層及びCuメッキ層からなる埋め込み配線層内に不純物元素を拡散させる方法を採用する。
【0015】
バリアメタル層をALD法で形成することによって、バリアメタル層を配線用の溝の側面及び底面に被覆性よく形成することができ、その後のCuメッキ層の形成においても、ボイドの生成のないCu配線層を形成することができる。
【0016】
一方、ALD法では、不純物元素が添加されたバリアメタル層を形成することはできないが、バリアメタル層の一主面に別途不純物層を形成した後、バリアメタル層と不純物層とを合金化することによって、従来のスパッタリング法で形成した合金バリアメタル層と同様に、合金化されたバリアメタル層とCu配線層との界面に不純物元素の拡散に対する障壁を形成することができる。それ故、合金化されたバリアメタル層からCuメッキ層内に不純物元素を拡散する際、不純物元素がCuメッキ層全体に拡散するのを抑制することができる。これにより、配線抵抗が低く、EM耐性に優れ、かつ高い信頼性を有する埋め込み配線を形成することができる。
【0017】
なお、バリアメタル層の一主面に設けられた不純物層は、例えば、バリアメタル層の表面に、不純物元素をイオン注入することによって、あるいは、バリアメタル層の表面に、不純物元素を含むガスを原料とするALD法により堆積することによって形成することができる。かかる方法により形成される不純物層の厚みは、例えば、数原子層〜 10 nm程度に薄くできるため、高いアスペクトを有する埋め込み配線に対しても、十分に適用することができる。
【0018】
本発明に係わる埋め込み配線の形成方法は、半導体基板上に形成された絶縁層内に配線用の溝を形成する工程(a)と、溝の側面及び底面を覆うように絶縁層上に原子層堆積法を用いてバリアメタル層を形成する工程(b)と、バリアメタル層の表面に不純物元素を含む不純物層を形成する工程(c)と、バリアメタル層と不純物層とを合金化する工程(d)と、合金化されたバリアメタル層の上にCuシード層を形成した後、溝を埋め込むようにCuメッキ層を形成する工程(e)と、絶縁層の表面を露出するように、絶縁層上のCuメッキ層、Cuシード層、及び合金化されたバリアメタル層を除去して、溝内にCuシード層及びCuメッキ層からなる埋め込み配線層を形成する工程(f)と、合金化されたバリアメタル層内の不純物元素を、埋め込み配線層内に熱拡散させる工程(g)とを含むことを特徴とする。
【0019】
ここで、上記工程(g)において、埋め込み配線層内に拡散された不純物元素は、バリアメタル層と埋め込み配線層との界面近傍において、該埋め込み配線層の内部よりも高い濃度で分布していることが好ましい。
【0020】
ある好適な実施形態において、上記工程(c)において、不純物層は、バリアメタル層の表面に不純物元素をイオン注入することによって形成される。
【0021】
ある好適な実施形態において、上記工程(c)において、不純物層は、バリアメタル層の表面に不純物元素を含むガスを原料とする原子層堆積法によって形成される。
【0022】
なお、上記工程(c)の後、工程(d)の前に、不純物層の上に第2のバリアメタル層を形成する工程をさらに含んでもよい。
【0023】
また、上記工程(d)において、不純物層と第2のバリアメタル層も合金化されてもよい。
【0024】
また、上記工程(e)において、不純物層とCuシード層とを合金化させる工程をさらに含んでもよい。
【0025】
本発明に係わる他の埋め込み配線の形成方法は、半導体基板上に形成された絶縁層内に配線用の溝を形成する工程(a)と、溝の側面及び底面を覆うように絶縁層上に原子層堆積法を用いて不純物元素を含む不純物層を形成する工程(b)と、不純物層の表面に原子層堆積法を用いてバリアメタル層を形成する工程(c)と、不純物層とバリアメタル層とを合金化する工程(d)と、合金化されたバリアメタル層の上にCuシード層を形成した後、溝を埋め込むようにCuメッキ層を形成する工程(e)と、絶縁層の表面を露出するように、絶縁層上のCuメッキ層、Cuシード層、及び合金化されたバリアメタル層を除去して溝内にCuシード層及びCuメッキ層からなる埋め込み配線層を形成する工程(f)と、合金化されたバリアメタル層内の不純物元素を埋め込み配線層内に熱拡散させる工程(g)とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係わる埋め込み配線の形成方法によれば、配線用の溝の側面及び底面に、ALD法で形成したバリアメタル層の一主面(表面または裏面)に不純物層を設け、さらに、バリアメタル層と不純物層とを合金化した後、かかる合金化されたバリアメタル層から、Cuシード層及びCuメッキ層からなる埋め込み配線層内に不純物元素を拡散させることによって、配線抵抗が低く、EM耐性に優れ、かつ高い信頼性を有する埋め込み配線を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、説明の簡略化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0028】
(第1の実施形態)
図1(a)〜(c)、及び図2(a)〜(b)は、本発明の第1の実施形態における埋め込み配線の形成方法を模式的に示した工程断面図である。
【0029】
まず、図1(a)示すように、半導体基板10上に、例えば、低誘電率のSiOCからなる絶縁層11を形成した後、絶縁層11内に埋め込み配線用の溝12を形成する。ここで、溝12の形状は、特に制限されず、例えば、半導体基板10に形成された下層の配線層(不図示)に接続するように、絶縁層11を貫通して形成してもよい。
【0030】
次に、図1(b)に示すように、溝12の側面及び底面を覆うように、絶縁層11上にALD法を用いて、厚みが1〜10nm程度のバリアメタル層13を形成する。ここで、バリアメタル層13の材料は特に制限されないが、例えば、Ta、TaN、Ti、TiN、Ru等、またはこれらを組み合わせた材料を用いることができる。
【0031】
その後、図1(b)に示すように、バリアメタル層13の表面に不純物元素をイオン注入することによって、図1(c)に示すように、バリアメタル層13の表面に不純物層14を形成する。
【0032】
ここで、不純物元素の材料は、Cu配線層内に拡散して、EM耐性を向上させる効果を奏するものであれば、特に制限されないが、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等を用いることができる。
【0033】
イオン注入は、例えば、0.2〜0.5kev程度の加速電圧で行うことによって、バリアメタル層13の表面に、厚みが0.1〜10nm程度の薄い不純物層14を形成することができる。
【0034】
次に、図2(a)に示すように、不純物層14を備えたバリアメタル層13上に、Cuシード層15を、例えばCVD法を用いて形成した後、溝12を埋めるように、電解メッキ法を用いてCuシード層15上にCuメッキ層16を形成する。
【0035】
ここで、Cuシード層15を形成する前、あるいは、Cuシード層15を形成した後に、バリアメタル層13と不純物層14とを合金化させる熱処理工程を行っておく。なお、Cuシード層15を形成した後に行う熱処置工程は、後述する合金化されたバリアメタル層13から埋め込み配線層内に不純物元素を拡散する工程の前であればいつでもよい。また、Cuシード層15を形成した後に熱処理工程を行う際、不純物層14をCuシード層15と合金化させてもよい。
【0036】
次に、図2(b)に示すように、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて、絶縁層11の表面を露出するように、絶縁層11上のCuメッキ層16、Cuシード層15、及び合金化されたバリアメタル層13を除去して、溝12内にCuシード層15及びCuメッキ層16からなる埋め込み配線層を形成する。
【0037】
その後、合金化されたバリアメタル層13内の不純物元素を、埋め込み配線層内に拡散させる熱処理を施す。このとき、埋め込み配線層内に拡散された不純物元素は、図2(b)に示した濃度プロファイルに示すように、バリアメタル層13と埋め込み配線層との界面近傍において、埋め込み配線層の内部よりも高い濃度で分布している。ここで、熱処理は、合金化されたバリアメタル層13内の不純物元素が、バリアメタル層13と配線層との界面近傍に拡散できる条件、例えば、窒素中で、400℃、15分程度の熱処理を行えばよい。
【0038】
本実施形態によれば、バリアメタル層13をALD法で形成することによって、バリアメタル層13を配線用の溝12の側面及び底面に被覆性よく形成することができ、その後のCuメッキ層16の形成においても、ボイドの生成のないCu配線層を形成することができる。加えて、バリアメタル層13の一主面に不純物層14を形成し、さらに、バリメタル層と不純物層とを合金化した後、かかる合金化されたバリアメタル層から、Cuシード層及びCuメッキ層からなる埋め込み配線層内に不純物元素を拡散させることによって、配線抵抗が低く、EM耐性に優れ、かつ高い信頼性を有する埋め込み配線を形成することができる。
【0039】
なお、本実施形態において、不純物層14はイオン注入法を用いて形成したが、例えば、ガスクラスターイオンビーム法等を用いて形成してもよい。
【0040】
(第2の実施形態)
図3(a)〜(c)、及び図4(a)〜(b)は、本発明の第2の実施形態における埋め込み配線の形成方法を模式的に示した工程断面図である。第1の実施形態では、バリアメタル層13の表面に設けられた不純物層14は、不純物元素をバリアメタル層13の表面にイオン注入することによって形成したのに対し、本実施形態では、ALD法による堆積によって、不純物層をバリアメタル層13上に形成する方法を採用した点が異なる。
【0041】
以下、図面を参照しながら、本実施形態における埋め込み配線の形成方法について説明する。なお、第1の実施形態と同様の工程は、詳細な説明を省略する。
【0042】
まず、図3(a)〜(b)に示すように、第1の実施形態と同様に、半導体基板10上に形成された絶縁層11内に配線用の溝12を形成した後、溝12の側面及び底面を覆うように、絶縁層11上にALD法を用いてバリアメタル層13を形成する。
【0043】
その後、図3(c)に示すように、バリアメタル層13の表面に、不純物元素を含むガスを原料とするALD法による堆積によって、厚さ1〜10nmの不純物層17を形成する。ここで、不純物元素の材料は、Cu配線層内に拡散して、EM耐性を向上させる効果を奏するものであれば、特に制限されないが、例えば、Al、Ni、Co等を用いることができる。
【0044】
次に、図4(a)〜(b)に示すように、第1の実施形態と同様に、不純物層17が設けられたバリアメタル層13上にCuシード層15を形成した後、溝12を埋め込むようにCuメッキ層16を形成し、さらに、絶縁層11の表面を露出するように、絶縁層11上のCuメッキ層16、Cuシード層15、及びバリアメタル層13を除去して、溝12内にCuシード層15及びCuメッキ層16からなる埋め込み配線層を形成する。
【0045】
ここで、Cuシード層15を形成する前、あるいは、Cuシード層15を形成した後に、バリアメタル層13と不純物層17とを合金化させる熱処理工程を行っておく。なお、Cuシード層15を形成した後に行う熱処置工程は、合金化されたバリアメタル層13から埋め込み配線層内に不純物元素を拡散する工程の前であればいつでもよい。また、Cuシード層15を形成した後に熱処理工程を行う際、不純物層14をCuシード層15と合金化させてもよい。
【0046】
(第2の実施形態の変形例)
本発明は、バリアメタル層13とCuシード層15との間に不純物層17を形成し、合金化されたバリアメタル層13から、Cu配線層内に不純物元素を熱処理により拡散させる点に特徴がある。しかしながら、不純物層17は、必ずしもCuシード層15と接触している必要はなく、不純物層17をALD法で形成する場合、バリアメタル層13との関係で、以下のような構成にしてもよい。
【0047】
図5は、変形例1におけるバリアメタルの構成を示した工程断面図で、溝12の側面及び底面を覆うように、絶縁層11上に不純物層18をALD法で形成した後、不純物層18上にバリアメタル層13を形成したものである。
【0048】
また、図6は、変形例2におけるバリアメタルの構成を示した工程断面図で、溝12の側面及び底面を覆うように、絶縁層11上に、第1のバリアメタル層13aを形成した後、第1のバリアメタル層13a上に不純物層17をALD法で形成した後、さらに、第2のバリアメタル層13bを形成したものである。
【0049】
いずれの場合も、不純物層17、18は、Cuシード層15と接触しないで形成されるが、バリアメタル層13(13a、13b)が不純物層17、18と合金化することによって、合金化されたバリアメタル層13(13a、13b)からCu配線層内に不純物元素を拡散することができる。
【0050】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態においては、配線層は、図2(b)に示したような埋め込み配線構造としたが、例えば、図7に示すように、半導体基板10に形成された下層の配線層20に接続し、絶縁層21内に形成された、いわゆるデュアルダマシン構造の配線層22にも勿論適用することができる。
【0051】
また、上記実施形態においては、合金化されたバリアメタル層13から配線層内に不純物元素を拡散させる熱処理工程を、CMP法により溝12内に埋め込み配線層を形成する工程の後に行ったが、例えば、溝12内にCuシード層15及びCuメッキ層16を形成した後、CMP法による平坦化工程の前に行っても、同様の効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、配線抵抗が低く、EM耐性及び信頼性に優れた埋め込み配線に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態における埋め込み配線の形成方法を示した工程断面図である。
【図2】(a)〜(b)は、本発明の第1の実施形態における埋め込み配線の形成方法を示した工程断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態における埋め込み配線の形成方法を示した工程断面図である。
【図4】(a)〜(b)は、本発明の第2の実施形態における埋め込み配線の形成方法を示した工程断面図である。
【図5】第2の実施形態の変形例1におけるバリアメタルの構成を示した断面図である。
【図6】第2の実施形態の変形例2におけるバリアメタルの構成を示した断面図である。
【図7】本発明における配線層の他の構成を示した断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、従来の埋め込み配線の形成方法を示した工程断面図である。
【符号の説明】
【0054】
10 半導体基板
11 絶縁層
12 溝
13 バリアメタル層
13a 第1のバリアメタル層
13b 第2のバリアメタル層
14、17、18 不純物層
15 Cuシード層
16 Cuメッキ層
20 下層の配線層
21 絶縁層
22 デュアルダマシン構造の配線層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された絶縁層内に配線用の溝を形成する工程(a)と、
前記溝の側面及び底面を覆うように、前記絶縁層上に、原子層堆積法を用いてバリアメタル層を形成する工程(b)と、
前記バリアメタル層の表面に、不純物元素を含む不純物層を形成する工程(c)と、
前記バリアメタル層と前記不純物層とを合金化する工程(d)と、
前記合金化されたバリアメタル層の上にCuシード層を形成した後、前記溝を埋め込むようにCuメッキ層を形成する工程(e)と、
前記絶縁層の表面を露出するように、前記絶縁層上の前記Cuメッキ層、前記Cuシード層、及び前記合金化されたバリアメタル層を除去して、前記溝内に前記Cuシード層及び前記Cuメッキ層からなる埋め込み配線層を形成する工程(f)と、
前記合金化されたバリアメタル層内の不純物元素を、前記埋め込み配線層内に熱拡散させる工程(g)と
を含む、埋め込み配線の形成方法。
【請求項2】
前記工程(g)において、前記埋め込み配線層内に拡散された前記不純物元素は、前記バリアメタル層と前記埋め込み配線層との界面近傍において、該埋め込み配線層の内部よりも高い濃度で分布している、請求項1に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項3】
前記工程(c)において、前記不純物層は、前記バリアメタル層の表面に、前記不純物元素をイオン注入することによって形成される、請求項1に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項4】
前記工程(c)において、前記不純物層は、前記バリアメタル層の表面に、前記不純物元素を含むガスを原料とする原子層堆積法によって形成される、請求項1に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項5】
前記工程(c)の後、前記工程(d)の前に、前記不純物層の上に第2のバリアメタル層を形成する工程をさらに含む、請求項1に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項6】
前記工程(d)において、前記不純物層を前記第2のバリアメタル層とも合金化される、請求項5に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項7】
前記工程(e)において、前記不純物層と前記Cuシード層とを合金化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項8】
前記不純物元素は、アルミニウム、ニッケル、またはコバルトである、請求項1に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項9】
前記不純物層は、0.3〜10nmの厚みを有する、請求項1に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項10】
半導体基板上に形成された絶縁層内に配線用の溝を形成する工程(a)と、
前記溝の側面及び底面を覆うように、前記絶縁層上に、原子層堆積法を用いて、不純物元素を含む不純物層を形成する工程(b)と、
前記不純物層の表面に、原子層堆積法を用いてバリアメタル層を形成する工程(c)と、
前記不純物層と前記バリアメタル層とを合金化する工程(d)と、
前記合金化されたバリアメタル層の上にCuシード層を形成した後、前記溝を埋め込むようにCuメッキ層を形成する工程(e)と、
前記絶縁層の表面を露出するように、前記絶縁層上の前記Cuメッキ層、前記Cuシード層、及び前記合金化されたバリアメタル層を除去して、前記溝内に前記Cuシード層及び前記Cuメッキ層からなる埋め込み配線層を形成する工程(f)と、
前記合金化されたバリアメタル層内の不純物元素を、前記埋め込み配線層内に熱拡散させる工程(g)と
を含む、埋め込み配線の形成方法。
【請求項11】
前記工程(g)において、前記埋め込み配線層内に拡散された前記不純物元素は、前記不純物層と前記埋め込み配線層との界面近傍において、該埋め込み配線層の内部よりも高い濃度で分布している、請求項10に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項12】
前記工程(e)において、前記不純物層と前記Cuシード層とを合金化させる工程をさらに含む、請求項10に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項13】
前記不純物元素は、アルミニウム、ニッケル、またはコバルトである、請求項10に記載の埋め込み配線の形成方法。
【請求項14】
前記不純物層は、0.1〜10nmの厚みを有する、請求項10に記載の埋め込み配線の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−99585(P2009−99585A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266681(P2007−266681)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】