説明

基地局及び同報データ送信方法

【課題】 同報データの送信において無線リソースを効率的に使用する。
【解決手段】 AN/PCFが管理する同報データ受信端末数がある閾値を超えた場合に、占有チャネルによるデータ送信から共有チャネルによるデータ送信へ切り替える。また、同報データ受信端末数がある閾値を下まわった場合に、共有チャネルによるデータ送信から占有チャネルによるデータ送信へ切り替える。例えば、AN/PCFから共有チャネルを使用して端末AT1とAT2とに同報データ送信がされている場合において(S602、603)、AT2(100−2)が電源OFFすることにより、同報データ受信端末をカウントするカウンタの値が閾値を下回ると(S609)、AN/PCFは端末AT1との間で占有チャネルを設定する(S611,612)。また、端末AT1との通信を共有チャネルから占有チャネルに切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局及び同報データ送信方法に係り、特に、ブロードキャストチャネル(共有チャネル)と占有チャネルとを備える無線システムにおける基地局及び同報データ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
同一データを複数ユーザに配信しようとした際には、各ユーザ毎の占有チャネル(トラフィックチャネル)を使用し、データを送信していた。占有チャネルを使用するため、各ユーザからの占有チャネルの確立/解放要求処理を必要とし、占有チャネルリソースも多量に消費し、必ずしも効率の良い状況でない場合がある。結果として、同配信方式は通信事業者にとってコスト高となる(図1、図2)。
【0003】
図1は、CDMA2000方式などで使用されている、従来の同報データ送信方法の例である。図1に示すように、同一データを同報データ格納装置であるAPPサーバ(アプリケーションサーバ、以下APPサーバと記す)(500)から送出するときすでに、複数ユーザ又は端末AT(100)宛てのIPアドレスを付与して送信している。これら同報データは、APPサーバ(500)からPDSN(400)、PCF(300−1)、AN(300−2)等を介してAT(100)に届けられる。
【0004】
よってユーザが受信するデータ内容は同一であるが、受信端末数と同じ数のデータを送信しており、トラヒック的にも負荷がかかっていた。特に無線区間においては、固有の端末毎に占有チャネルを設定する必要があり、無線リソースの使用においては効率が良くない場合があった。
【0005】
図2は、1ユーザが同報データを受信するまでのシーケンスを示したものである。概略を示すと、ユーザ端末電源ON後、端末−AN/PCF(無線基地局/パケット制御装置、以下AN/PCF)(300)間でコネクションを確立し、ユーザが同報サービスを受信したいと思った時に、端末から同報データ要求を送信することにより、同報データを受信することが出来る。各端末毎に、このシーケンスを実施するものであり、同報データは端末毎の占有チャネルを使用するものである。
【0006】
シーケンスの各処理を以下に示す。AT1(100−1)が0.電源をONすると(S400)、AT1(100−1)はAN/PCF(300)に向けて1.位置登録信号を送出する(S401)。AN/PCF(300)ではこの信号を受信すると、MSC(Mobile Switching Center)(350)へ2.位置登録を送出する(S402)。MSC(350)では、この位置登録信号を送出したATが正規の端末登録をされた端末であるかを確認するため、HLR(Home Location Registor)(360)に対して3.ユーザ照会を行なう(S403)。ユーザ照会が認証されると以降のシーケンスが継続される。
【0007】
AN/PCF(300)は、AT1(100−1)からの4.コネクション要求を受信すると(S404)、AN/PCF(300)−PDSN(400)間で5.占有チャネルパス設定を確立する(S405)。その後、AN/PCF(300)は、AT1との間で6.占有チャネルパス設定を行なう(S406)。AN/PCF(300)−AT1(100−1)間で占有チャネルパス設定が確立すると、ユーザが同報サービスを受信したいと思った時に、AT1(100−1)から7.同報データ送信要求をAN/PCF(300)へ送信する(S407)。AN/PCF(300)は、これを受信するとPDSN(400)へ8.同報データ送信要求を送信し(S408)、PDSN(400)はAPPサーバ(500)へ9.同報データ送信要求を送信する(S409)。
【0008】
APPサーバ(500)ではこの後、10.同報データをPDSN(400)へ送信し(S410)、PDSN(400)は占有チャネルを使用して、AN/PCF(300)へ11.同報データを送信する(S411)。AN/PCF(300)はAT1(100−1)へ占有チャネルを使用し、12.同報データをAT1(100−1)へ送信する。
【0009】
また近年、無線リソースの効率化を図るために、3GPP2(3rdGeneration Partnership Project2)C.S0054のBCMCS(BroadcastMulticastService)方式で示すように共有チャネルを使用した同報データ送信方式が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。同一データを複数ユーザに送信する場合に、一つの共有チャネルを用いることにより、効率的な無線リソース利用を図るものである。
【0010】
BCMCS方式は、3GPP2で規定されているBroadcastMulticastService方式のインタフェース仕様であり、C.S0054として規定されている。ネットワーク機器と移動端末間でやり取りする同報データの送受信に関する仕様を規定するものである。
【非特許文献1】3GPP2 C.S0054、BCMCS(BroadcastMulticastService)、3GPP2発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
3GPP2 C.S0054のBCMCS方式では、基地局下にBroadcastデータを受信する端末がいてもいなくても、固定的に基地局から送信するStatic Broadcastと、受信するユーザ(端末)がいる基地局下にのみ、ブロードキャスト用のデータを送信するDynamic Broadcastの2方式が検討されている(図3、図4、図5、図6、図7、図8)。
【0012】
同報データ(コンテンツ)は、コンテンツ毎にBCMCS_FLOW_IDを持っており、同報パス設定要求時に、この同報パス設定要求メッセージの中に、BCMCS_FLOW_IDを載せて送信する。同報パス設定が確立すると、パス開放までこのBCMCS_FLOW_IDを識別子として、同報データの識別に使用する。
【0013】
図3は、無線区間で一つの共有チャネルを用いて複数ユーザに同一データを送信する方法を示したものである。宛先を識別するアドレスは端末に固有の識別子を使用しないため、複数ユーザに、同時に同一データを送信することができる。
【0014】
図4は、同報エリアを拡大した場合を想定した図である。一つのAN(無線基地局)がカバーするエリアを同報エリアと想定した場合は、マルチキャストルータ(450)で複数のPDSN(400)に同報データを分配する。PDSN(400)より先においては、同報データであることを認識すると、配下装置全てに配信することで同報が可能となる。なお、各装置は、例えばBCMCS_FLOW_IDを参照して、同報データであるか否かを認識することができる。
【0015】
同報データのサービス形態(送信契機)は以下の2パターンがあると考えられる。一つめは、携帯加入者全員に送信するブロードキャストイメージのサービスであり、通信事業者がOMC(オペレーションメンテナンスセンタ)を介し、同報データ送信指示を行うことにより送信開始する。対象情報としては、例えば非常時におけるニュース速報などが考えられ、これらのデータは暗号化されず、無条件に受信できる。
【0016】
図5は、OMC指示契機による同報データ送信開始方法(Static Broadcast方式)のシーケンス図である。概略を説明すると、OMC(550)からAN/PCF(300)に「同報パス設定要求」が出されると、AN/PCF(300)から「BCMCSセッション情報取得」がPDSN(400)へ送信され、PDSN−AN/PCF間に「同報データ用パス」およびAN/PCF−AT1間に「共有チャネルパス」が設定され、同報データが送信される。この方法は、Static Broadcast方式に該当する。
【0017】
以下、図5の各処理について説明する。AN/PCFとPDSN間では、同報データ用パスが設定されていないため、PDSN(400)は、APPサーバ(500)から送信される同報データを受信しても(S801)、AN/PCF(300)にはその同報データを送信できない(S802)。
【0018】
OMC(550)は、メンテナンスオペレーションセンタである。例えばシステム保守者(通信事業者)が操作するワークステーションが設置されており、保守者はこのワークステーションよりコマンドを投入し、保守作業を行なうことができる。通信事業者は、OMC(550)からAN/PCF(300)へ3.同報パス設定要求を送出する(S803)。例えば、OMC(550)は、保守者からの指示を入力した際、又は、非常時などの状態であることを他の装置から受信した際など、適宜の契機で同報データパス設定要求を送出することができる。
【0019】
AN/PCF(300)がこれを受信すると、PDSN(400)へ4.BCMCSセッション情報取得(A11−BC InfoRequest)を送出する(S804)。PDSN(400)はBCMCSInfoRequestをAPP(500)サーバへ送出する(S805)。APP(500)サーバは、6.BCMCSInfoResponseをPDSN(400)へ返送する(S806)。これを受信したPDSN(400)はAN/PCF(300)へ7.BCMCSセッション情報取得応答(A11−BC InfoResponse)を送出する(S807)。
【0020】
これを受信したAN/PCF(300)は、PDSN(400)へ8.同報パス設定要求(A11−BC RegistorationRequest)を送出する(S808)。PDSN(400)は、AN/PCF(300)へ9.同報パス設定要求応答(A11−BC RegistorationReply)を送出する(S809)。これで10.同報データ用パスが設定される(S810)。AN/PCF(300)は、PDSN(400)との間に同報データ用パス設定が確立完了した時点で、OMC(550)へ11.パス設定完了通知を返送する(S811)。
【0021】
AN/PCF(300)は、MacIndex=5を動的に割り当て、対象となるセクタに対して、チャネルの割り当てを指示する(無線チャネル割り当て処理、S830)。なお、対象となるセクタは、全てのセクタであってもよいし、OMC(550)からセクタが指定されても良い。この実行後、AT1(100−1)との間に12.共有チャネル設定を行なう(S812)。APPサーバ(500)は、同報データの送信を要求するため、13.同報データ送信を開始する(S813)。PDSN(400)は、14.同報データ送信により、AN/PCF(300)へ送出する(S814)。AN/PCF(300)は共有チャネルを使用して、AT1(100−1)へ15.同報データ送信を行なう(S815)。
【0022】
同報データの送出が完了すると、OMC(550)から16.同報パス開放要求が送出される(S816)。AN/PCF(300)がこれを受信すると、ただちに開放要求を受け付けたことを通知するためにOMC(550)へ17.同報パス開放受付通知を返送する(S817)。また、PDSN(400)へ18.同報パス開放要求を送出する(S818)。PDSN(400)は、AN/PCF(300)へ19.同報パス開放要求応答を返送する(S819)。これで、AN/PCF(300)とPDSN(400)間の20.同報データ用パスが開放される(S820)。AN/PCF(300)は21.無線チャネル開放処理を実行し(S821)、AT1(100−1)間の22.共有チャネルが開放される(S822)。
【0023】
サービス形態(送信契機)の二つめは、サービスを受けたいユーザのみに送信するマルチキャストイメージのサービスであり、端末の電源ONなどを契機に自動的に送信する。対象情報としては、例えば地域情報、天気予報、ニュースなどが考えられ、これらのデータは暗号化されることができる。オプションサービスの一つと位置づけられる。
【0024】
図6は、端末要求契機により共有チャネルを使用した場合の同報データ送信方法の例である。概略を説明すると、ユーザ端末電源ON後、端末−AN間でコネクション確立後、例えばユーザが同報サービスを受信したいと思った時に、端末から同報データ要求を送信することにより、同報データを受信することが出来る。各端末毎に、このシーケンスを実施するものであり、同報データは全端末共通の共有チャネルを使用するものである。この方法は、Dynamic Broadcast方式に該当する。
【0025】
以下、図6の各処理について説明する。
AN/PCFとPDSN間では、同報データ用パスが設定されていないため、PDSN(400)は、APPサーバ(500)から送信される同報データを受信しても(S901)、AN/PCF(300)にはその同報データを送信できない(S902)。AT1(100−1)の3.電源がONされると(S903)、図2で示したようにAT1(100−1)は位置登録を行った後、4.端末認証のシーケンスを実行し、ユーザ照会がOKとなるとAN/PCF−PDSN間、AT1−AN/PCF間で占有チャネルパス設定が確立する(S904)。その後、AT1(100−1)はAPPサーバ(500)との間で5.BCMCSアクセス情報の取得を行う(S905)。AT1(100−1)は、例えばユーザからの指示入力により、6.同報データ送信要求(BCMCS Flow Registration)を送出する(S906)。以降シーケンスAが実行される(S930)。
【0026】
シーケンスAでは、まずAN/PCF(300)は、PDSN(400)へ7.ユーザ認証&BCMCSセッション情報取得(A11−BC Info Requestを送出する(S907)。PDSN(400)はAPPサーバ(500)へ8.BCMCS Info Requestを送出し(S908)、APPサーバ(500)は、9.BCMCS Info Responseを返送する(S909)。PDSN(400)は
10.ユーザ認証&BCMCSセッション情報応答(A11−BC Info Response)をAN/PCF(300)へ送出する(S910)。
【0027】
この後、AN/PCF(300)はPDSN(400)へ11.同報パス設定要求(A11−BC Registoration Request)を送出し(S911)、PDSN(400)は、AN/PCF(300)へ12.同報パス設定要求応答(A11−BC Registoration Reply)を返送する(S912)。これにより、AN/PCF(300)とPDSN(400)間に13.同報データ用パスが設定される。
【0028】
この後、AN/PCF(300)は、14.無線チャネル割り当て処理を実行後(S914)、AT1(100−1)との間に15.共有チャネル設定を行なう(S915)。APPサーバ(500)から16.同報データ送信開始が行なわれ、PDSN(400)は同報データを保持している(S916)。この同報データを17.同報データ送信により、AN/PCF(300)へ送出する(S917)。AN/PCF(300)は共有チャネルを使用して、AT1(100−1)へ18.同報データ送信を行なう(S918)。
【0029】
図7及び図8は、同報データを無線リソースのどのチャネルを使用して送信するかを示した図である(CDMA2000 1xEV−DOの場合)。図7に示す同報データは、各ユーザに割り当てられるUser Data領域の占有チャネルを使用して送信される。図8に示す同報データは、同報データ用に割り当てられるUser Data領域の共有チャネルを使用して送信される。CDMA2000、1xEV−DOシステムでは、この共有チャネルに、MacIndex=5を固定的に割り付けている。占有チャネルはMacIndex=6〜63を使用する。MacIndexとは、変調の掛け方のパターンであり、CDMA2000、1xEV−DOシステムでは64パターンある。
【0030】
ブロードキャストおよびマルチキャスト用の共有チャネルは、下り方向データしか流れないため、端末からのAck信号は期待しない。よって、確実に受信できるように、強めのFEC(Forward Error Corection)にしており、一部のエラーがあっても訂正ができるようになっている。
【0031】
このため、共有チャネルは占有チャネルよりも帯域を大きくとってあり、このチャネルを使用することは、一般ユーザのトラフィックに影響を与えることになる。一例として、端末に固有の占有チャネルの下りレートは38.4kまたは、76.8kであるが、共有チャネルは、2.4Mある。
【0032】
3GPP2 C.S0054のBCMCSで示す方式であっても、無線リソースを必ずしも最適に使用しているとはいえない場合がある。同報サービスに加入しているユーザ端末が少ない場合では共有チャネルを確保して、同報データを送信することにより、端末毎の占有チャネルを使用した場合に比べて多くのリソースを割り当て効率が悪くなる可能性がある。一方、ユーザ端末が多い場合では、端末毎に占有チャネルを使用して同報データを送信すると、共有チャネルを使用する場合に比べてリソースの割り当て効率が悪くなる場合がある。
【0033】
本発明は、以上の点に鑑み、ユーザ端末の存在しないエリアへは同報データを送信しない方法における具体的な契機を提供すること、および、ユーザ端末の少ないエリアでは占有チャネルを使用し、ユーザの端末の多いエリアでは共有エリアを使用して無線リソースを最大限有効に使用することを目的とする。また、本発明は、同報データを複数ユーザへ配信する際に使用する無線リソース量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、占有チャネルによるデータ送信と、共有チャネルによるデータ送信を切り替える手段を備えたことを特徴のひとつとする。基地局(AN)のデータ送信対象が少数(例えば1、2台)であるときには、共有チャネルを用いるよりも占有チャネルを用いた方が無線リソースの有効利用が見込まれるため、本発明は占有チャネルによるデータ送信と、共有チャネルによるデータ送信を切り替える手段を有する。
【0035】
具体的な切り替え手順としては、PCFの管理する同報対象移動機数が閾値を超えた、もしくは下回った際に、占有チャネルと共有チャネルとを相互に切り替える方式とすることができる(図12、図15、図13、詳細は後述する)。PCFの管理する同報対象移動機の現在稼動中にある同報対象移動機数のカウントの条件は以下となる。
(1)端末認証の成功時に同報対象移動機数は増加カウントする。
(2)同報対象ATがPCF間ハンドオフし、該当PCFの管理エリアに移動した際に増加カウントする。
【0036】
本発明の第1の解決手段によると、
同報データ通信のサービスを受けるユーザの数又は無線端末の数をカウントするカウンタと、
複数の無線端末に共通に使用される共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末についての占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数と、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数との境界を示す閾値が予め記憶される記憶部と、
前記カウンタの値と前記閾値とに応じて、占有チャネル及び/又は共有チャネルにより同報データを送信するための処理部と
を備えた基地局であって、
前記処理部は、
第1の無線端末と占有チャネルを設定して、設定された占有チャネルで所定のサービス又はグループの同報データを第1の無線端末へ送信し、
第1の無線端末と同じサービス又はグループの同報データの送信を要求するための同報データ送信要求を、第2の無線端末から受信して、前記カウンタの値を加算し、
加算された前記カウンタの値と、前記閾値とを比較し、
前記カウンタの値が該閾値以上、又は、前記カウンタの値が該閾値より大きい場合に、第1の無線端末及び第2の無線端末と共有チャネルを設定し、
第1の無線端末との占有チャネルを解放し、
第1の無線端末及び第2の無線端末への同報データを、設定された共有チャネルにより送信する前記基地局が提供される。
【0037】
本発明の第2の解決手段によると、
同報データ通信のサービスを受けるユーザの数又は無線端末の数をカウントするカウンタと、
複数の無線端末に共通に使用される共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末についての占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数と、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数との境界を示す閾値が予め記憶される記憶部と、
前記カウンタの値と前記閾値とに応じて、占有チャネル及び/又は共有チャネルにより同報データを送信するための処理部と
を備えた基地局であって、
前記処理部は、
第1及び第2の無線端末と共有チャネルを設定し、設定された共有チャネルにより同報データを第1及び第2の無線端末へ送信し、
定期的に又は不定期に送信される第2の無線端末からのマルチキャスト登録要求信号を、直前に該要求信号を受信してから所定時間内に受信できなかった場合に、又は、第2の無線端末から圏外検出信号を受信した場合に、前記カウンタの値を減算し、
減算された前記カウンタの値と、前記閾値とを比較し、
前記カウンタの値が該閾値より小さい場合に、又は、前記カウンタの値が該閾値以下の場合に第1の無線端末と占有チャネルを設定し、
第1及び第2の無線端末との共有チャネルを解放し、
第1の無線端末への同報データを、設定された占有チャネルにより送信する前記基地局が提供される。
【0038】
本発明の第3の解決手段によると、
同報データを第1及び第2の無線端末へ送信するための同報データ送信方法であって、
第1の無線端末と占有チャネルを設定して、設定された占有チャネルで所定のサービスの同報データを第1の無線端末へ送信するステップと、
第1の無線端末と同じサービスの同報データの送信を要求するための同報データ送信要求を、第2の無線端末から受信して、同報データ通信のサービスを受けるユーザの数又は無線端末の数をカウントするカウンタの値を加算するステップと、
(a)加算されたカウンタの値と、(b)複数の無線端末に共通に使用される共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末についての占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数、及び、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数の境界を示す閾値と、を比較するステップと、
カウンタの値が閾値以上、又は、カウンタの値が閾値より大きい場合に、第1の無線端末及び第2の無線端末と共有チャネルを設定するステップと、
第1の無線端末との占有チャネルを解放するステップと、
第1の無線端末及び第2の無線端末への同報データを、設定された共有チャネルにより送信するステップと
を含む前記同報データ送信方法が提供される。
【0039】
本発明の第4の解決手段によると、
同報データを第1及び第2の無線端末へ送信するための同報データ送信方法であって、
第1及び第2の無線端末と共有チャネルを設定し、設定された共有チャネルにより同報データを第1及び第2の無線端末へ送信するステップと、
定期的に送信される第2の無線端末からのマルチキャスト登録要求信号を、直前に該要求信号を受信してから所定時間内に受信できなかった場合に、又は、第2の無線端末から圏外検出信号を受信した場合に、同報データ通信のサービスを受けるユーザの数又は無線端末の数をカウントするカウンタの値を減算するステップと、
(a)減算されたカウンタの値と、(b)共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数、及び、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数の境界を示す閾値と、を比較するステップと、
カウンタの値が閾値より小さい場合に、又は、カウンタの値が閾値以下の場合に第1の無線端末と占有チャネルを設定するステップと、
第1及び第2の無線端末との共有チャネルを解放するステップと、
第1の無線端末への同報データを、設定された占有チャネルにより送信するステップと
を含む前記同報データ送信方法が提供される。
【発明の効果】
【0040】
本発明によると、ユーザ端末の存在しないエリアへは同報データを送信しない方法における具体的な契機を提供すること、および、ユーザ端末の少ないエリアでは占有チャネルを使用し、ユーザの端末の多いエリアでは共有エリアを使用して無線リソースを最大限有効に使用することができる。また、本発明によると、同報データを複数ユーザへ配信する際に使用する無線リソース量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図9は、本実施の形態を適用する移動体無線通信システムの構成例である。無線通信システムは、以下のように構成されデータ通信を行う。
無線通信システムは、例えば、無線通信端末(AT)100と、無線基地局/パケット制御装置(AN/PCF)300と、パケットデータサービングノード(PDSN)400と、アプリケーションサーバ(APPサーバ)500と、オペレーションメンテナンスセンタ(OMC)550とを備える。なお、無線基地局/パケット制御装置(AN/PCF)300は、ひとつのブロックで記載されているが、ひとつの装置であってもよいし、無線基地局とパケット制御装置は別々の装置であってもよい。
無線通信端末(AT)(100)は、無線基地局(AN/PCF)(300)との間で無線による通信路を確立する。
【0042】
AN/PCF(300)が管理する無線エリアをセクタと呼び、それぞれのセクタ内では、複数のAT(100)がAN/PCF(300)に接続可能である。また、AN/PCF(300)は有線接続によりPDSN(パケットデータサービングノード)(400)に接続される。PDSN(400)には、複数のAN/PCF(300)が接続可能であり、PDSN(400)は有線接続によりAPPサーバ(アプリケーションサーバ) (500)に接続されている。
【0043】
前述の通り、AT(100)とAN/PCF(300)との間は、無線通信路により接続されており、この無線通信路を介してパケット(1000)がAT(100)に届けられる。パケット(1000)は、AN/PCF(300)の状態や、AT(100)がAN/PCF(300)に接続するのに必要な各種情報を含む報知情報(上述の図7、図8ではControl Channel)(1050)と、実際にユーザが取り扱っている通信データ(以下トラフィックデータと称す。上述の図7、図8ではUse Data)(1100)とが含まれている。
【0044】
報知情報(1050)およびトラフィックデータ(1100)は、共に時分割された単位であるスロットが複数集まったものである。また、トラフィックデータエリア(1100)は、ユーザの通信データを格納するエリアであり、スロット毎に異なるユーザ宛のデータを格納している。
【0045】
(ハード構成)
図10に、AN/PCF(300)のハード構成図の例を示す。
AN/PCF(300)は、CPU(処理部)(301)と、対応表(800)を有するメモリ(302)と、カウンタ(303)と、タイマ(304)と、無線IF(305)と、回線IF(306)と、通信処理部(307)とを有する。
【0046】
CPU(301)は、各種処理を実行する。カウンタ(303)は、同報データ通信のサービスを受けているユーザの数又は無線端末の数をカウントする。タイマ(304)は、BCMCS flow Registrationを受信することにより起動し、所定時間内に次のBCMCS flow Registrationが受信されるかを判断するためのものである。次のBCMCS flow Registrationを受信すると、タイマ(304)はリセットされ、再起動される。
【0047】
無線IF(305)は、AT(100)と無線により通信するためのインタフェースである。また、回線IF(306)は、例えばPDSN(400)、OMC(550)などの装置と通信するためのインタフェースである。通信処理部(307)は、各種通信サービス(例えば、同報データ送信)を行うための処理を行う。
【0048】
メモリ(302)は、例えば対応表800と、予め定められた閾値が記憶される。閾値は、例えば、複数の無線端末に共通に使用される共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末についての占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数と、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数との境界を示す値とすることができる。また、閾値は、一例として、共有チャネルにより同報データを送信するよりも、それぞれの端末について占有チャネルを用いた方が、使用する無線リソースが小さくなるような端末数の上限値とすることができる。なお、本実施の形態において、無線リソースとは、例えば、帯域、トラフィック、送受信レート等を含む。
【0049】
(対応表)
図11に、対応表(800)のテーブルフォーマットを示す。対応表(800)にはBCMCS_FLOW_IDとユーザとが対応して記憶される。
AN/PCF(300)は、BCMCS_FLOW_ID毎に、対応表(800−1,2,3)を有する。対応表(800)には、BCMCS_FLOW_IDに対応して、同報データを享受可能なユーザの識別子が登録してある。なお、ユーザの識別子には、ユーザを特定するための文字、記号、数字などを用いることができる。また、ユーザが使用する端末を特定するための識別子等であってもよい。
【0050】
対応表(800)には、所定の契機により、ユーザの識別子が追加され及び削除される。対応表(800)への追加契機は、例えば、以下の場合である。
(1)AT電源ON後の端末認証成功時。
(2)同報対象ATがPCF間ハンドオフし、該当PCFの管理エリアに移動した時。
また、対応表(800)からの削除契機は、例えば、以下の場合である。
(3)該当のATが電源OFFした時。
(4)同報対象ATがPCF間ハンドオフし、該当PCFの管理エリア外へ移動した時。
全BCMCS_FLOW_IDに登録されているユーザ数を示すユーザカウンタnを持っている。このカウンタnのカウントの加算条件は、例えば上記の追加契機の条件(1)及び(2)であり、減算条件は例えば削除契機の条件(3)及び(4)とすることができる。
【0051】
(占有チャネル使用による同報データ送信)
図12は、主に1xEV−DOでの占有チャネルを使用時の同報データ送信方法のシーケンス図である。まず、占有チャネルを使用した同報データ送信について説明する。
概略を説明すると、端末の電源ONを契機に端末認証がなされる。これを契機に同報グループ通知がなされ、PCFから「同報データ送信要求」がPDSN(400)へ送信され、PDSN−PCF間に「占有チャネルパス」が設定され、PCF−AN間およびAN−端末間に「占有チャネル用パス」が設定され、同報データが送信される。
【0052】
以下に、図12の各処理を詳細に説明する。
AN/PCFとPDSN間では、同報データ用パスが設定されていないため、PDSN(400)は、APPサーバ(500)から送信される同報データを受信しても(S101)、AN/PCF(300)にはその同報データを送信できない(S102)。
【0053】
AT1(100−1)の3.電源がONされると(S103)、図2で示したようにAT1(100−1)は位置登録を行った後、4.端末認証のシーケンスを実行する(S104)。ユーザ照会がOKとなると、AN/PCF(300)−PDSN(400)間、AT(100−1)1−AN/PCF間で占有チャネルパス設定が確立する。
【0054】
その後、AT1(100−1)は、APPサーバ(500)との間で5.BCMCSアクセス情報の取得を行う(S105)。例えば、AT1(100−1)は、BCMCS_FLOW_IDを取得する。AT1(100−1)は、6.同報データ送信要求(BCMCS Flow Registration)を送出すると、以降、図6に示したシーケンスAが実行される(S107)。シーケンスAの説明は、上述の図6の説明と同様であるので省略する。これにより、AN/PCF(300)とPDSN間(400)に13.同報データ用パスが設定される(S113)。この後、AN/PCF(300)は、14.無線チャネル割り当て処理(S114)を実行後、AT1(100−1)との間に15.占有チャネル設定を行なう(S115)。無線チャネル割り当て処理では、例えば、MacIndexを6〜63のいずれかに割り当て、対象となるセクタに対してチャネルの割り当てを指示する。なお、本実施の形態において、AN/PCF(300)は、第1の無線端末(又は第2の無線端末)から同報データ送信要求を受信すると、カウンタ(303)の値に従い、第1の無線端末(又は第2の無線端末)と占有チャネル又は共有チャネルのいずれかを設定することができる。
【0055】
APPサーバ(500)から16.同報データ送信開始が行なわれ(S116)、PDSN(400)は同報データを保持している。この同報データを17.同報データ送信により、AN/PCF(300)へ送出する(S117)。AN/PCF(300)は、占有チャネルを使用して、AT1(100−1)へ18.同報データ送信を行なう(S118)。
【0056】
なお、AN/PCF(300)は、適宜のタイミングで対応表800に、占有チャネルが設定された第1の無線端末のユーザ識別子又は端末識別子を、送信される同報データに応じたマルチキャスト識別子に対応して記憶することができる。
【0057】
(占有チャネルから共有チャネルへ切り替え)
図13は、占有チャネルから共有チャネルへの切り替えのシーケンス図である。なお、図は、1xEV−DO方式での例を示すが、これ以外にも適宜の方式であってもよい。
まず、処理の概略について説明すると、当初AN/PCF−端末間は、「占有チャネル」を用い同報データ転送を行っていたが、新たな端末が認証成功し同報報知対象移動機数が増加した場合を考える。これにより、カウンタ(303)の値が閾値を越えたため、PCFはANに対して「同報データ用パス設定要求」を送出し、PCF−AN間およびAN−端末間に「共有チャネルパス」が設定される。その後、すでに通信中の複数端末では、占有チャネルと共有チャネルの両方を使用して同報データを受信する。その後、PCFから「占有チャネル解放要求」がANに送出され、占有チャネルが解放される。その後は共有チャネルで同報データ転送が行われる。
【0058】
以下、図13の各処理を詳細に説明する。図13では当初、1.同報データ用パス、2.占有チャネル(MacIndex=6〜63)が設定されている(S201、S202)。例えば、図12に示す処理により、AT1(100−1)とAN/PCF間で占有チャネルが設定されている。APPサーバ(500)から3.同報データ送信開始が行なわれ(S203)、PDSN(400)は同報データを保持している。PDSN(400)は、この同報データを4.同報データ送信により、同報データ用パスを介してAN/PCF(300)へ送出する(S204)。AN/PCF(300)は設定された占有チャネルを使用して、AT1(100−1)(又はAT2(100−2))へ5.同報データ送信を行なう(S205)。なお、図13のステップS203〜205は、例えば、図12のステップS116〜118に対応する。
【0059】
その後、AT2(100−2)が6.電源ONすると(S206)、AT2(100−2)は、7.端末認証のシーケンスを実行し、ユーザ照会がOKとなるとAN/PCF(300)−PDSN(400)間、AT2(100−2)−AN/PCF(300)間で占有チャネルパス設定が確立する(S207)。その後、AT2(100−2)はAPPサーバ(500)との間で8.BCMCSアクセス情報の取得を行う(S208)。
【0060】
AT2(100−2)は、9.同報データ送信要求(BCMCS Flow Registration)を送出し(S209)、以降、図6に示したシーケンスAが実行される(S220)。ここでは、AT2が、AT1が受信している送信データと同じサービスの同報データを所望している場合について説明する。この場合、AT2は、BCMCS Flow Registrationに、AT1が受信している送信データと同じサービスを示すBCMCS_FLOW_IDを含めて送信する。シーケンスAの説明は上述の図6の説明と同様であるので省略する。なお、AN/PCF(300)とPDSN(400)間の同報データ用パスは、S201にてすでに設定されている。
【0061】
この後、AN/PCF(300)は、10.無線チャネル割り当て処理を実行後(S210)、AT1(100−1)とAT2(100−2)との間にそれぞれ11.共有チャネルが設定される(S211)。無線チャネル割り当て処理では、例えばAN/PCF(300)は、MacIndex=5を動的に割り当て、対象となるセクタ又は端末に対して、チャネルの割り当てを指示する。
【0062】
APPサーバ(500)から12.同報データ送信開始が行なわれ(S212)、PDSN(400)は同報データを保持している。PDSN(400)は、この同報データを13.同報データ送信により、同報データ用パスを介してAN/PCF(300)へ送出する(S213)。この時点では、AN/PCF(300)は占有チャネルと共有チャネルの両方を使用して、AT1(100−1)とAT2(100−2)へ14.同報データ送信を行なう(S214)。例えば、AT1(100−1)に占有チャネルを使用して同報データ送信を行い、AT1及びAT2には、共有チャネルを使用して同報データ送信を行う。なお、AT1(100−1)には同じデータが重複して送信されることになるが、AT1(100−1)は同じデータを受信すると、後に受信したデータを優先する、又は、先に受信したデータを優先する、又は、いずれか一方を破棄するなど予め定められた適宜の規則により一方を記憶・表示等することができる。
【0063】
この後、AN/PCF(300)は、AT1(100−1)へ15.占有チャネル解放要求を送出し(S215)、16.占有チャネルが解放される(S216)。これらにより、その後はAN/PCF(300)は共有チャネルを用いて同報データをAT1及びAT2へ送信することになる(S217)。
【0064】
図14に、占有チャネルから共有チャネルへ切り替える場合の、AN/PCF(300)の詳細処理手順を示す。
占有チャネルを設定し(S701)、設定された占有チャネルを使用して同報データ送信(S702)が実行されている(図13のS202、205に相当)。ここで、AN/PCF(300)では、同報サービスを受けている加入者の数を示すカウンタ値を(700)を保持している(S700)。この時保持されている値を例えばn−1(nは整数)として以下説明する。
【0065】
新たなAT2(100−2)が電源ONし、AN/PCF(300)は、AT2(100−2)からBCMCS flow Registrationを受信すると(S703)、タイマ(304)を起動する(S704)。なお、S704は省略してもよい。また、AN/PCF(300)は、対応表(800)に該当ユーザを追加登録する(705)。例えば、BCMCS flow Registrationに含まれるBCMCS_flow_IDに応じた対応表(800)に、AT2(100−2)のユーザ識別子を追加登録する。なお、ユーザ識別子は、BCMCS flow Registrationに含まれていてもよいし、別途AT2(100−2)から受信してもよい。
【0066】
また、AN/PCF(300)は、同報サービスを受けている加入者の数を示すカウンタ値を、例えば1加算する(S706)。加算されたカウンタ(303)は、nを示す。なお、BCMCS flow Registrationが定期的に受信される場合は、上述のS705、S706の処理は、最初の受信に対して実行することができる。
【0067】
AN/PCF(300)は、加算したカウンタ値nと、予め定められた閾値とを比較する(S707)。閾値は、例えばメモリに予め記憶されることができる。AN/PCF(300)は、カウンタ値nが閾値よりも小さい場合(n=>閾値でない場合)は(S707)、AT2(100−2)と占有チャネルを設定し、AT1及びAT2とそれぞれの占有チャネルを使用して同報データを送信する(S708)。
【0068】
一方、AN/PCF(300)は、カウンタ値nが閾値よりも等しいかもしくは大きい(n=>閾値)場合は(又はn>閾値の場合は)(S707)、共有チャネルを設定する(S709)。AN/PCF(300)は、例えば該当するBCMCS_flow_IDに登録されているユーザに応じた端末(ここではAT1及びAT2)と共有チャネルを設定する。
【0069】
また、AN/PCF(300)は、無線チャネル割り当てを、占有チャネルから共有チャネルへ切り替える(S710)。例えば、AT1(100−1)との占有チャネルを解放することで、AT1及びAT2とは共有チャネルのみが設定されている状態となり、後の同報データ送信は共有チャネルを使用して行われることになる。ステップS710の処理は、例えば図13のステップS215及びS216に対応する。また、占有チャネル又は共有チャネルのいずれかによりデータを送信するかを適宜のフラグ等に設定し、該フラグを参照して同報データを占有チャネルで送信するか、又は、共有チャネルで送信するか判断するようにしてもよい。これ以降は、同報データは、共有チャネルを使用して送信される(S711)。
【0070】
(共有チャネルから占有チャネルへ切り替え)
図15は、共有チャネルから占有チャネルへの切り替えのシーケンス図である。図示の例は1xEV−DO方式での例であるが、これ以外の方式であってもよい。
【0071】
まず、概略を説明すると、当初、AN/PCF−端末間は「共有チャネル」を用いて同報データ転送を行っていたが(S301〜S305、図6のS913〜S918又は図13のS117等に相当)、通信中の端末が電源OFF等し、圏外通知を受信したため、同報対象移動機数が減少した場合を考える。これにより予め定められた閾値を下まわると、AN/PCF(300)はATに対して「占有チャネルパス設定要求」を送出し、電源OFF等になった端末以外の端末について、AN/PCF−端末間に「占有チャネルパス」が設定される。その後、すでに通信中の複数端末では、占有チャネルと共有チャネルの両方を使用して同報データを受信する。その後、「共有チャネルパス」が解放され、各端末に対しては設定された占有チャネルでそれぞれ同報データ転送が行われる。
【0072】
以下、図15の各処理を詳細に説明する。図6の手順又は図13・図14の手順により、以下のS301〜S305の処理が実行される。まず、1.同報データ用パス、2.共有チャネル(MacIndex=5)が設定される(S301、S302)。APPサーバ(500)から3.同報データ送信開始が行なわれ(S303)、PDSN(400)は同報データを保持している。PDSN(400)は、この同報データを4.同報データ送信により、同報データ用パスを介してAN/PCF(300)へ送出する(S304)。AN/PCF(300)は共有チャネルを使用して、AT1(100−1)、AT2(100−2)へ5.同報データ送信を行なう(S305)。
【0073】
その後、例えば、AT2(100−2)が6.電源OFFもしくは圏外へ移動すると(S306)、AT2(100−2)は、7.AT圏外移動検出を示す信号をAN/PCF(300)へ送出する(S307)。なお、ステップS307は省略することもできる。この信号を受信したAN/PCF(300)は、共有チャネルで通信するか、又は、占有チャネルに切り替えるか判断する(S330)。なお、判断の詳細処理については、後述する。
【0074】
AN/PCF(300)は、占有チャネルに切り替える場合(S330)、AT2(100−2)以外のAT(図15ではAT1(100−1))へ8.占有チャネル用パス設定要求(占有チャネルへの切り替え指示)を送出する(S308)。一方、AN/PCF(300)は、共有チャネルで通信する場合には、AT1及びAT2と共有チャネルを使用して同報データを送信することになる。なお、ここでは、占有チャネルに切り替える場合について述べる。
【0075】
占有チャネル用パス設定要求の送出の後、図2で説明したように9.占有チャネル用パスがAT1(100−1)とAN/PCF(300)間で設定される(S309)。APPサーバ(500)により10.同報データ送信開始が行なわれ(S310)、PDSN(400)は同報データを保持している。PDSN(400)は、この同報データを11.同報データ送信により、同報データ用パスを介してAN/PCF(300)へ送出する(S311)。この時点では、AN/PCF(300)は共有チャネルと共有チャネルの両方を使用して、AT1(100−1)へ12.同報データ送信を行なう(S312)。この後、13.共有チャネルを解放し(S313)、同報データは占有チャネルを使用して、AT1(100−1)へ送信される(S314〜S316)。
【0076】
図16に、共有チャネルから占有チャネルへ切り替える場合の詳細手順を示す。
共有チャネルが設定され(S602)、共有チャネルを使用して、同報データ送信(S603)が実行されている(図15、S302、S305に相当)。AN/PCF(300)では、同報サービスを受けている加入者の数を示すカウンタ値を保持している(S600)。ここでは、カウンタ値としてnが保持されているとする。また、AN/PCF(300)は、ユーザ毎にBCMCS flow Registrationを受信している間はタイマ起動しているタイマ(304)を有している。タイマ(304)は、例えば、BCMCS flow Registrationを受信することにより起動し(S601)、再度BCMCS flow Registrationを受信するとタイマ(304)は停止し、再起動する(S604)。このタイマ(304)は、BCMCS flow Registrationを受信しないと(S605)、タイムアウトする(S606)。
【0077】
BCMCS flow Registrationは、AT(100)が、電源ON直後に、同報パス設定要求を行なうときに送信する信号である。この信号には、BCMCS_FLOW_IDが付与されており、同報パス確立後はこのIDにより、同報データ送信時に同報データの送付先として管理する。BCMCS_FLOW_IDは、同報データ(コンテンツ)毎に割り付けられるIDである。また、BCMCS flow Registrationは、同報サービスを受けている間は周期的にAT(100)からAN/PCF(300)へ送信される。
【0078】
AN/PCF(300)は、このBCMCS_FLOW_ID毎に、現状このIDのサービスを享受している加入ユーザを対応表(800)に保持している。この対応表(800)の更新契機として、例えば、以下の(1)及び(2)のときに対応表(800)に該当ユーザを追加する。(1)AT電源ON後の端末認証成功時、(2)同報対象ATがPCF間ハンドオフし、該当PCFの管理エリアに移動した時。一方、対応表(800)から削除する契機は、上記の逆のケースである。
【0079】
同報サービスを享受しているAT(100)は、定期的にBCMCS flow Registrationを送信しているので、AN/PCF(300)は、BCMCS flow Registrationを受信したときにタイマ(304)を再起動し、タイマ(304)がタイムアウトした場合に(S606)、該当のATが電源OFFまたは、管理エリア外に移動したと判断し、対応表(800)から該当ATを削除する(S607)。例えば、以前に受信したBCMCS flow Registrationに含まれるBCMCS_FLOW_IDの対応表(800)から、AT2(100−2)のユーザ識別子を削除する。また、全BCMCS_FLOW_IDの対応表(800)からAT2(100−2)のデータを削除してもよい。
【0080】
なお、タイマ(304)は、複数のタイマ(304)が各ユーザ毎に起動され、各タイマ(304)がそれぞれのユーザのタイムアウトを管理するようにしてもよい。また、ひとつのタイマ(304)が、対応表(800)に記憶される全てのATについてBCMCS flow Registrationを受信することにより起動・再起動されてもよい。この場合、AN/PCF(300)が、対応表(800)に記憶されたATのうち、BCMCS flow Registrationを受信したATと、受信していないATとを管理することで、所定時間内にBCMCS flow Registrationを受信できなかった該当ATを判断することができる。また、タイムアウト以外にも、AT圏外移動検出を示す信号を受信した場合に上述のステップS607の処理を実行してもよい。
【0081】
また同時に、現在が同報サービスを享受しているATの数を表示するカウンタ(303)を用意する。AN/PCF(300)は、タイマ(304)がタイムアウトした場合に、カウンタ(303)を1減算する(S608)。なお、図16で示されていないが、AN/PCF(300)は、新たなATからBCMCS flow Registrationを受信したときにはカウンタ(303)を1増加する(図14のS706)。
【0082】
AN/PCF(300)は、減算したカウンタ値n−1を予め定められた閾値と比較する(S609)。なお、閾値は上述の閾値と同じ値を用いることができる。AN/PCF(300)は、カウンタ値が閾値よりも小さくない場合は(S609)、共有チャネルを使用してAT1(100−1)に同報データを送信することになる(S610)。一方、AN/PCF(300)は、カウンタ値が閾値よりも小さい(n−1<閾値)場合は(又はn−1<=閾値の場合は)(S609)、対応表(800)に登録されている全ユーザ(図16の例ではAT1)に対して、占有チャネルパス設定要求を送信する(S611)。
【0083】
全ユーザの占有チャネルが設定された後(S612)、無線チャネル割り当てを、共有チャネルから占有チャネルへ切り替える(S613)。例えば、図15のステップS313に示すようにAT1(100−1)との共有チャネルを解放することで、無線チャネルを共有チャネルから占有チャネルへ切り替える。これ以降は、同報データは、占有チャネルを使用して送信されることになる(S614)。
【0084】
なお、本実施の形態では、カウンタは全BCMCS_FLOW_IDに登録されているユーザ数をカウントしているが、各BCMCS_FLOW_ID毎にカウンタを備え、本実施の形態の処理をBCMCS_FLOW_ID毎に実行してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
ブロードキャストチャネル(共有チャネル)を備える無線システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】従来技術における同報データ転送イメージ図。
【図2】従来技術における同報データ転送シーケンス図。
【図3】BCMCS方式による同報データ転送イメージ図(1)。
【図4】BCMCS方式による同報データ転送イメージ図(2)。
【図5】OMC指示契機による同報データ送信開始方法(Static Broadcast方式)のシーケンス図。
【図6】端末要求契機による同報データ送信開始方法(Dynamic Broadcast方式)のシーケンス図。
【図7】従来技術における同報データ送信で使用する占有チャネル。
【図8】BCMCS方式による同報データ送信で使用する共有チャネル
【図9】移動体無線通信システムの構成例。
【図10】AN/PCFのハード構成図。
【図11】BCMCS_FLOW_IDとユーザの対応表のフォーマット図。
【図12】端末認証契機の同報データ送信方法(占有チャネル使用時、主に1xEV−DO方式)のシーケンス図。
【図13】占有チャネルから共有チャネルへの切り替え方法(図は1xEV−DO方式での例)のシーケンス図。
【図14】占有チャネルから共有チャネルへの切り替え方法詳細手順例のフローチャート。
【図15】共有チャネルから占有チャネルへの切り替え方法(図は1xEV−DO方式での例)のシーケンス図。
【図16】共有チャネルから占有チャネルへの切り替え方法詳細手順例のフローチャート。
【符号の説明】
【0087】
100−1,2,3・・・無線通信端末(AT)
300・・・無線基地局/パケット制御装置(AN/PCF)
301・・・CPU
303・・・カウンタ
304・・・タイマ
305・・・無線IF
306・・・回線IF
307・・・通信処理部
350・・・Mobile Switching Center(MSC)
360・・・Home Location Registor(HLR)
370・・・Access Network−Authentication,Authorization&Accounting(AN−AAA)
400・・・パケットデータサービングノード(PDSN)
450・・・マルチキャストルータ
500・・・アプリケーションサーバ(APPサーバ)
550・・・オペレーションメンテナンスセンタ(OMC)
800・・・対応表
1000・・・パケット
1050・・・報知情報エリア
1100・・・トラフィックデータエリア
1101,2・・・トラフィックデータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
同報データ通信のサービスを受けるユーザの数又は無線端末の数をカウントするカウンタと、
複数の無線端末に共通に使用される共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末についての占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数と、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数との境界を示す閾値が予め記憶される記憶部と、
前記カウンタの値と前記閾値とに応じて、占有チャネル及び/又は共有チャネルにより同報データを送信するための処理部と
を備えた基地局であって、
前記処理部は、
第1の無線端末と占有チャネルを設定して、設定された占有チャネルで所定のサービス又はグループの同報データを第1の無線端末へ送信し、
第1の無線端末と同じサービス又はグループの同報データの送信を要求するための同報データ送信要求を、第2の無線端末から受信して、前記カウンタの値を加算し、
加算された前記カウンタの値と、前記閾値とを比較し、
前記カウンタの値が該閾値以上、又は、前記カウンタの値が該閾値より大きい場合に、第1の無線端末及び第2の無線端末と共有チャネルを設定し、
第1の無線端末との占有チャネルを解放し、
第1の無線端末及び第2の無線端末への同報データを、設定された共有チャネルにより送信する前記基地局。
【請求項2】
前記記憶部は、
同報データ送信のサービス又はグループを識別するためのマルチキャスト識別子に対応して、同報データを受信する第1及び/又は第2の無線端末に応じたユーザ識別子又は端末識別子が記憶される対応表がさらに記憶され、
前記処理部は、
占有チャネルが設定された第1の無線端末のユーザ識別子又は端末識別子を、送信される同報データに応じたマルチキャスト識別子に対応して前記対応表に記憶し、
第2の無線端末から受信した同報データ送信要求に含まれるマルチキャスト識別子に対応して、第2の無線端末に応じたユーザ識別子又は端末識別子を前記対応表に記憶し、
前記対応表に記憶されているユーザ識別子又は端末識別子に応じた第1及び第2の無線端末に対して、共有チャネルを設定する請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記処理部は、
前記カウンタの値が前記閾値より小さい、又は、前記カウンタの値が前記閾値以下の場合に、第2の通信端末と占有チャネルを設定し、
第1及び第2の無線端末への同報データを、それぞれの占有チャネルにより送信する請求項1又は2に記載の基地局。
【請求項4】
設定された共有チャネルにより、第1及び第2の無線端末へ同報データ通信のサービス提供中において、
前記処理部は、さらに、
第1及び第2の無線端末から定期的に送信されるマルチキャスト登録要求信号を、直前に該要求信号を受信してから所定時間内に、第1及び第2の無線端末のいずれかから受信できなかった場合に、前記カウンタの値を減算し、
減算された前記カウンタの値と、前記閾値とを比較し、
前記カウンタの値が該閾値より小さい場合に、又は、前記カウンタの値が該閾値以下の場合に、マルチキャスト登録要求信号を受信した第1又は第2の無線端末と占有チャネルを設定し、
第1及び第2の無線端末との共有チャネルを解放し、
第1又は第2の無線端末への同報データを、設定された占有チャネルにより送信する請求項1乃至3のいずれかに記載の基地局。
【請求項5】
設定された共有チャネルにより、第1及び第2の無線端末へ同報データ通信のサービス提供中において、
前記処理部は、さらに、
第1又は第2の無線端末から圏外検出信号を受信した場合に、前記カウンタの値を減算し、
減算された前記カウンタの値と、前記閾値とを比較し、
前記カウンタの値が該閾値より小さい場合に、又は、前記カウンタの値が該閾値以下の場合に、圏外検出信号を受信した第1又は第2の無線端末以外の無線端末と占有チャネルを設定し、
第1及び第2の無線端末との共有チャネルを解放し、
第1又は第2の無線端末への同報データを、設定された占有チャネルにより送信する請求項1乃至3のいずれかに記載の基地局。
【請求項6】
同報データ通信のサービスを受けるユーザの数又は無線端末の数をカウントするカウンタと、
複数の無線端末に共通に使用される共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末についての占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数と、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数との境界を示す閾値が予め記憶される記憶部と、
前記カウンタの値と前記閾値とに応じて、占有チャネル及び/又は共有チャネルにより同報データを送信するための処理部と
を備えた基地局であって、
前記処理部は、
第1及び第2の無線端末と共有チャネルを設定し、設定された共有チャネルにより同報データを第1及び第2の無線端末へ送信し、
定期的に又は不定期に送信される第2の無線端末からのマルチキャスト登録要求信号を、直前に該要求信号を受信してから所定時間内に受信できなかった場合に、又は、第2の無線端末から圏外検出信号を受信した場合に、前記カウンタの値を減算し、
減算された前記カウンタの値と、前記閾値とを比較し、
前記カウンタの値が該閾値より小さい場合に、又は、前記カウンタの値が該閾値以下の場合に第1の無線端末と占有チャネルを設定し、
第1及び第2の無線端末との共有チャネルを解放し、
第1の無線端末への同報データを、設定された占有チャネルにより送信する前記基地局。
【請求項7】
前記記憶部は、
同報データ送信のサービスを識別するためのマルチキャスト識別子に対応して、同報データを受信する第1及び/又は第2の無線端末に応じたユーザ識別子又は端末識別子が記憶される対応表がさらに記憶され、
前記処理部は、
マルチキャスト登録要求信号を受信できなかった、又は、圏外検出信号を受信した第2の無線端末に対応するユーザ識別子又は端末識別子を前記対応表から削除し、
所定のマルチキャスト識別子について、前記対応表に記憶されているユーザ識別子又は端末識別子が示す第1の無線端末に対して、占有チャネルを設定する
請求項6に記載の基地局。
【請求項8】
前記処理部は、
第1又は第2の無線端末から同報データ送信要求を受信すると、前記カウンタの値に従い、第1又は第2の無線端末と占有チャネル又は共有チャネルのいずれかを設定する請求項1又は6に記載の基地局。
【請求項9】
同報データを第1及び第2の無線端末へ送信するための同報データ送信方法であって、
第1の無線端末と占有チャネルを設定して、設定された占有チャネルで所定のサービスの同報データを第1の無線端末へ送信するステップと、
第1の無線端末と同じサービスの同報データの送信を要求するための同報データ送信要求を、第2の無線端末から受信して、同報データ通信のサービスを受けるユーザの数又は無線端末の数をカウントするカウンタの値を加算するステップと、
(a)加算されたカウンタの値と、(b)複数の無線端末に共通に使用される共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末についての占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数、及び、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数の境界を示す閾値と、を比較するステップと、
カウンタの値が閾値以上、又は、カウンタの値が閾値より大きい場合に、第1の無線端末及び第2の無線端末と共有チャネルを設定するステップと、
第1の無線端末との占有チャネルを解放するステップと、
第1の無線端末及び第2の無線端末への同報データを、設定された共有チャネルにより送信するステップと
を含む前記同報データ送信方法。
【請求項10】
同報データを第1及び第2の無線端末へ送信するための同報データ送信方法であって、
第1及び第2の無線端末と共有チャネルを設定し、設定された共有チャネルにより同報データを第1及び第2の無線端末へ送信するステップと、
定期的に送信される第2の無線端末からのマルチキャスト登録要求信号を、直前に該要求信号を受信してから所定時間内に受信できなかった場合に、又は、第2の無線端末から圏外検出信号を受信した場合に、同報データ通信のサービスを受けるユーザの数又は無線端末の数をカウントするカウンタの値を減算するステップと、
(a)減算されたカウンタの値と、(b)共有チャネルにより同報データを無線端末へ送信するよりも、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数、及び、それぞれの無線端末について占有チャネルにより同報データを送信するよりも、共有チャネルにより同報データを送信した方が、使用される無線リソースが小さくなる端末数の境界を示す閾値と、を比較するステップと、
カウンタの値が閾値より小さい場合に、又は、カウンタの値が閾値以下の場合に第1の無線端末と占有チャネルを設定するステップと、
第1及び第2の無線端末との共有チャネルを解放するステップと、
第1の無線端末への同報データを、設定された占有チャネルにより送信するステップと
を含む前記同報データ送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−108960(P2006−108960A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290991(P2004−290991)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】