説明

基板の表面を処理する装置、設備および方法

シリコンウェーハー(2)の表面を処理する装置(1、1’)に関し、移送ローラ(3)によって定められる移送平面(5)内でシリコンウェーハー(2)を移送するための移送ローラ(3)と、シリコンウェーハー(2)を液状の処理媒体(10)によって湿潤するように形成された、少なくとも1つの給送装置(3a)とを有している。給送装置(3a)は、下を向いた基板表面を処理媒体(10)によって湿潤するべく移送平面に接触するように、移送平面(5)の下方に配置されている。移送装置と基板表面を直接接触している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送手段によって定められる移送平面内で基板を移送するための移送手段と、基板を液状の処理媒体で湿潤するために形成されている、少なくとも1つの給送手段とを有する、基板の表面を処理する装置およびこの種の装置を有する設備に関する。本発明は、同様に、下を向いた基板表面を処理媒体によって、好ましくは直接ないし機械的に接触して、湿潤する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1からは、平面的な基板の表面から層を除去するために使用される装置と方法が知られている。その場合に溶剤がノズルによって基板上へ斜め上から噴射される。基板は、移送ローラ上に配置され、かつこの移送ローラによって移送される。基板は、少なくとも1つの側方の端部において移送軸を越えて突出しているので、基板から流出する、剥がれた層成分を含む溶剤は、基板の張出しによって移送手段を迂回して流れる。それによって、移送手段の汚染が防止される。基板の露光されて現像された表面領域のみにエッチング処理のために有効な保護層が設けられることを保証するために、溶剤による層除去は、エッチング処理前にフォトアクティブな層を除去するために用いられる。従って、層の構造化は、フォトアクティブな層の露光と現像によってすでに行われている。
【0003】
ウェーハーと称されて、特に半導体素子とソーラーセルを製造するために使用される、基板、たとえばシリコンディスクまたはシリコンプレートにおいて行われる、表面を処理するため、特に層除去するための他の処理において、基板の個々の表面を処理媒体で湿潤することができる。湿潤は、上述した種類の保護層を持たない、あるいは他のコーティングを有する残りの基板表面が、塗布すべき処理媒体によって腐食されないように行われるべきである。層除去は、処理媒体によって湿潤された基板表面においてのみ行われる。これは、既知の装置によっては、保証されない。
【特許文献1】独国特許出願公開10225848A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、基板の選択的な表面処理を可能にする、装置、設備および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明の第1の視点によれば、請求項1の特徴を有する装置によって解決され、その装置において給送手段が移送平面の下方に次のように、すなわち、給送手段と基板表面を直接接触させて、下を向いた基板表面を処理媒体で湿潤することを可能にするために、移送手段が移送平面に接触し、あるいは少なくともほぼ移送平面へ達するように、配置されている。本発明の効果的かつ好ましい形態が、他の請求項の対象であって、以下で詳細に説明される。装置、設備および方法は、部分的に共通に説明されるが、その場合に説明とそれに対応する特徴は、装置と方法に独立して該当する。請求項の文言は、明白な参照によって明細書の内容とされる。
【0006】
下を向いた基板表面は、実質的に平坦であって、かつ、この基板表面へ立てた面法線が少なくとも実質的に鉛直に垂直方向下方へ延びるように、方向づけされている。下を向いた基板表面は、移送手段によって定められる移送平面内に配置されて、処理媒体で湿潤すべき表面を表す。それに対して移送平面内に位置しない、他の下を向いた基板表面は、処理媒体によって湿潤されてはならない。
【0007】
移送平面は、移送すべき基板が移送平面と接触する平面であって、実質的に水平に方向づけされており、あるいは水平と鋭角を形成する。それぞれ移送手段の配置に従って、移送平面は湾曲した移送平面として形成することができ、その場合に移送平面部分の少なくとも実質的に水平の方向づけが行われる。
【0008】
下を向いた基板表面を処理媒体によって選択的に湿潤することを保証するために、給送装置と下を向いた基板表面との間の直接的な接触が設けられる。それによって、給送装置の外表面に付着した、処理媒体の液体フィルムを、湿潤すべき下を向いた基板表面上に塗布することができ、その場合に液状、ガス状またはスプレイミスト状の処理媒体の望ましくない、管理されない広がりが発生することはない。むしろ、液体フィルムは基板表面上で転動されて、払い落とされるので、処理媒体の極めてわずかな広がりしか生じない。それによって、湿潤が行われなかった基板表面は、望まれないやり方で処理媒体を供給されることがない。これが、湿潤処理と処理媒体によってもたらされる加工処理の高い選択性を保証する。
【0009】
本発明の形態において、給送手段には、給送手段の外表面上に処理媒体を供給するための供給装置が対応づけられている。供給装置は、スプレイノズルとして形成することができ、そのスプレイノズルは、たとえばスプレイマスクによって給送手段の外表面の、給送手段の移動によって基板表面と機械的に接触することができる領域にスプレイする。本発明の好ましい実施形態においては、供給装置は、液状の処理媒体を収容するための槽として形成されており、給送手段は時々、好ましくは連続的に、特に領域的に処理媒体の液面の下方へ移動することができるので、処理媒体を給送手段の外表面上に転送することができ、その外表面から下を向いた基板表面上へ転送される。
【0010】
本発明の他の形態において、給送手段は多孔の外表面を有しており、その外表面は特に、好ましくは圧力を供給される処理媒体を給送手段内へ導入することによって、処理媒体を給送手段内に設けられた少なくとも1つの排出箇所から給送手段の外表面へ移送するように形成されている。たとえば開放孔の、発泡形成されたプラスチックマトリクスによる給送手段のコーティングとして、あるいは金属粒子の圧縮によって形成された、焼結された層として実現することができる、多孔の表面によって、給送手段の外表面に付着した処理媒体の転送が確実に保証される。処理媒体は、給送手段の多孔の外表面の穴内に表面張力によって保持されることができ、給送手段の外表面と基板表面との間の機械的な接触によって、少なくとも部分的に基板表面上へ転送される。その場合に穴は、処理媒体のためのリザーバともなるので、給送手段と基板表面との間に生じる毛管間隙内で、処理媒体の好ましい分配を保証することができる。
【0011】
特に弾性的に変形可能な発泡材の形式の、発泡された開放孔のコーティングにおいては、適切なポリマー材料を選択することによって、孔大きさと孔分布を調節することが可能である。焼結された層の場合には、焼結処理のために利用される金属粒子の適切な大きさを選択することによって、孔大きさを定めることができる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態においては、給送手段内に設けられた排出箇所を通してその上に取り付けられている多孔の外表面へ処理媒体の供給が行われる。処理媒体のこのような供給は、特に、給送手段内に設けられた供給通路と、供給通路内へ導入される、圧力を供給される処理媒体とによって、実現することができる。供給通路は給送手段内に、多孔の外表面の領域内で終了して、それによって外表面への液状の処理媒体の移送を保証するように、配置されている。処理媒体をこのように供給することによって、特に、処理媒体の極めてわずかな霧化を保証することができる。というのは、外表面と基板表面との間においてだけ、転動または払い落し運動のための相対移動が行われるからである。それに対して給送手段と処理媒体で満たされた槽の間の相対移動または処理媒体のためのスプレイ処理は、不要である。従って、基板表面への処理媒体の特に選択的な塗布を保証することができる。
【0013】
本発明の他の形態においては、給送手段は、多数の透孔を備えた外表面を有しており、その透孔が好ましくは、給送手段内に設けれられた排出箇所から処理媒体を供給するための供給通路と接続されている。透孔は、金属またはプラスチックから形成された給送手段の閉成された外表面に、従来の切削加工を用いて、あるいは材料を除去する方法によって、特にレーザー穿孔機を用いて形成することができる。透孔は、供給通路と接続されており、その供給通路が給送手段内に設けられた排出箇所を介して外表面に処理媒体を供給することを可能にする。従って特に、基板表面への処理媒体の所望の排出をもたらすことができる。本発明の実施形態において、供給通路は排出箇所と、従ってたとえば処理媒体のための圧力導管と次のように、1つまたはわずかな数の供給通路が同時に圧力導管と接続されるように、結合されているので、1つの時点で給送手段の外表面の1つの領域のみに処理媒体が供給される。従って、外表面の、直接基板表面と接触する領域のみに透孔を介して処理媒体が供給されることを、保証することができる。
【0014】
本発明の他の形態において、給送手段は給送ローラとして形成されており、その給送ローラは、移送平面に接触するように、配置されている。給送ローラは、実質的に円筒状の形状を有しており、装置に回転可能に軸承されている。その場合に給送ローラの中心長手軸は、移送平面に対して平行に方向づけされており、大体において給送ローラの半径に相当する距離だけ移送平面から離れている。従って給送ローラが移送平面に接触し、かつ基板表面の線形の接触を可能にする。給送ローラの回転可能な軸承によって、移送平面における給送ローラの外表面と基板表面の同方向かつ同一速さの表面速度を得ることができるので、外表面が基板表面上で転動することによって実質的に摩擦のない、少なくともほぼスリップのない湿潤処理を実現することができる。それによって基板表面のために、処理媒体のわずかな霧化しか生じない、湿潤処理が保証される。給送装置を給送ローラとして形成することによって、基板表面上に処理液の極めて薄い層を平面的に塗布することが可能になるので、基板が非常に薄い場合に、湿潤すべきでない他の基板表面上に処理媒体が溢流することも、ほぼ排除することができる。
【0015】
本発明の他の形態において、給送ローラに周方向に延びる溝が設けられている。それによって簡単な方法で、給送ローラの外表面の凹凸化を実現することができ、その場合に周方向に延びる溝が、処理媒体の改良された付着をもたらす。給送ローラと基板表面が線形に接触する場合に、接触ラインに対して直交して延びる溝によって、供給媒体の平面的な供給が保証される。溝深さは、0.1mm〜1mmまで、好ましくは0.2mm〜0.8mmまでの領域内で設けることができ、その場合に溝は、統一的な深さあるいは異なる溝深さを有することができる。
【0016】
本発明の他の形態において、給送ローラには、軸方向に延びる溝が設けられている。これは特に、給送ローラが処理媒体で満たされた槽内に部分的に浸かり、この槽から処理媒体を回転運動によって給送する場合に、興味深い。軸方向に延びる溝は、給送ローラが回転運動する場合に処理媒体が給送ローラの外表面から完全に流出してしまうことを阻止し、従って処理媒体の十分な供給を保証する。
【0017】
本発明の他の形態において、給送ローラは外表面に多数の凹部、特に穴を有している。切削方法または材料除去方法、特にレーザー光学的方法または化学的方法によって給送ローラの中実の外表面に形成することができる凹部が、孔と同様に、処理媒体が外表面に効果的に付着することを可能にし、従って処理媒体を基板表面に供給することを保証する。凹部は、規則的または不規則な輪郭を有することができ、広がりと深さに関して、1/10mmの領域の巨視的大きさと数1/1000mmの領域の微視的大きさの間で設けることができる。
【0018】
本発明の他の形態において、給送ローラは処理媒体で充填可能な槽に、給送ローラの外表面が、特に常に、処理媒体内に浸かることによって常に処理媒体で湿潤可能であるように、取り付けられている。それによって給送ローラのために、特に簡単かつ確実な処理媒体の供給を保証することができる。給送ローラは、処理媒体で満たされた槽内に、処理媒体の液面に少なくとも接触するように、取り付けられている。好ましくは、給送ローラは処理媒体内へ浸かっており、駆動装置または基板によって回転されるので、処理媒体内で給送ローラが常に回転し、また給送ローラは常に処理媒体で湿潤される。従って、給送ローラの回転によって常に、新しく処理媒体で湿潤された、給送ローラの外表面の周部分が基板表面と接触するので、移送平面内で移動される基板表面の連続的かつ平面的な湿潤を行うことができる。
【0019】
本発明の他の形態において、給送ローラは少なくとも直径の3分の1まで、あるいは中心長手軸まで、処理媒体内へ浸かっている。それによって、給送ローラの外表面の特に好ましい湿潤を保証することができる。従って給送ローラは、処理媒体を槽から下を向いた基板表面へ給送するために、90度より少ない角度の回転しか必要としない。
【0020】
本発明の他の形態において、給送ローラは、回転運動を伝達するための駆動装置と結合されており、かつ基板の移送手段として、好ましくは唯一の移送手段として形成されている。給送ローラは、処理媒体を基板表面へ給送する他に、基板の移送運動にも使用され、従って二重機能を果たす。それによって表面処理する装置の、特に単純かつコンパクトな形態が実現される。
【0021】
本発明の他の形態において、給送ローラは、直径の大きい少なくとも2つの領域と直径の小さい少なくとも1つの領域を備えた、変化する直径を有することができる。好ましくは給送ローラのそれぞれ側方に直径の大きい2つの領域が設けられ、その間に他の領域が設けられている。直径の大きい領域は、直径の小さい領域を越えて約1〜10mmまで、好ましくは2〜5mmまで張り出すことができる。直径の大きい領域は、好ましくは他の領域よりもずっと細く、たとえば少なくとも10mm、好ましくは12〜30mm幅であることができる。
【0022】
直径の大きい領域を上述したように液体移送のために、基板の下側に形成することが可能である。直径の小さい領域は、滑らか、および/または、閉成された表面を有することができる。
【0023】
本発明の他の形態において、複数の給送ローラが移送方向に相前後して配置されている。それによって基板表面の確実な湿潤を保証することができる。というのは、相前後して配置されたすべての移送ローラが、処理媒体で満たされた槽内に浸かっており、従って基板表面へ処理媒体を何回も転送することが行われるからである。
【0024】
本発明の他の形態において、物質:フッ化水素酸(HF)、塩酸HCl、硝酸(HNO3)、苛性カリ溶液(NaOH)の少なくとも1つを有する、特に水性の溶液として形成された処理媒体が設けられている。従って、たとえば下を向いた基板表面を介しての基板のアクティブな領域の電気的接続を防止するために、半導体素子またはソーラーセルを形成する場合に塗布される典型的な電気的に導通する層を、基板表面から除去することができる。
【0025】
本発明の他の形態において、給送手段の周囲からガス状、および/または、霧状に分配された処理媒体を吸い出すために、少なくとも1つの吸出し手段が設けられており、その場合に少なくとも1つの吸出し手段が、移送平面の垂直方向下方に配置されている。基板の下を向いた表面を湿潤する場合に、給送装置の領域内に蒸発、および/または、霧化された処理媒体が生じることがあり、それが望ましくないやり方で、基板の下を向いていない他の表面に沈積することがある。場合によっては保護されていないこの表面が処理媒体によって損傷されることを防止するために、吸出し手段が設けられており、それが、蒸気状、および/または、霧化されて存在する処理媒体を給送装置の周囲から吸い出して、従って他の基板表面への沈積を防止する。少なくとも1つの吸出し手段は、実質的に垂直下方へ向いた空気流をもたらすことができ、従って蒸発、および/または、霧化された処理媒体が移送平面を越えて上方へ舞い上がることを防止するために、移送平面の下方に配置されている。
【0026】
フッ化水素酸、塩酸、硝酸または苛性カリ溶液のような典型的な処理媒体は、ガスまたは霧を発生させ、それは空気よりも重く、特に、移送手段、給送手段と基板の間で行われる相対移動によって移送平面を越えて舞い上がることがある。吸出し手段は、負圧の使用に基づいており、その負圧は、好ましくは給送装置の周囲の標準圧に対して、垂直方向下方へ向かって少なくともほぼ旋回のない、特に層状の空気流を構築することができるように、選択されている。
【0027】
本発明の課題は、第2の視点によれば、請求項17または18の特徴を有する設備によって解決される。本発明によれば、設備は、少なくとも2つの上述した装置を有しており、その場合に基板は第1の装置から第2の装置へ引き渡される。
【0028】
一方でそのために、第1と第2の装置は、その移送方向が互いに対して90°回動されているように、配置されている。その場合に、第1の装置から第2の装置へ基板を引き渡す場合に、自動的に方向付けの変化ないし移送方向に対する回転が行われる。
【0029】
他方で、第1の装置の後方に回転ステーションが設けられており、それが基板を第1の装置から引き取って第2の装置へ引き渡し、その場合に回転ステーションが移送平面内で基板を90°回転させ、その後回転されたものを第2の装置へ引き渡す。その場合に2つの装置は、1つのライン内にある。その場合に本発明によれば、回転ステーションの回転角度と形成する角度および装置の移送方向が、基板が回転されて第2の装置へ引き渡された後に、この装置上で90°回動されて配置されるように、形成されることも可能である。
【0030】
回転ステーションは、基板を持ち上げて回転させるように形成することができ、そのための回転装置を有することができる。複数の個別の回転装置を並べて設けることができる。隣接する回転装置が移送方向にそれぞれ少し前または少し後ろに変位されており、特に、移送方向に対して垂直に延び、かつ隔たっている2本のライン上に交互に配置されることが、可能である。すなわち、基板は回転する際にじゃまし合わない。基板のできる限り迅速な移送が行われるように、回転処理全体は、できる限り迅速に遂行されるべきである。
【0031】
本発明の課題は、第3の視点によれば、次のステップを有する、基板の表面を処理媒体で湿潤するための、請求項21の特徴を有する方法によって解決される:移送平面内で移送手段によって基板を移送し、少なくとも実質的に移送平面内に配置された、下を向いた基板表面を、移送装置によって基板表面に直接機械的に接触して塗布される処理媒体によって湿潤する。
【0032】
基板の移送は、好ましくは、移送手段によって定められる移送平面内で、実質的に直線の移送方向に行われる。この目的のために、基板は下を向いた基板表面をもって、移送方向に互いに相前後して配置された複数の移送手段の配置上に載置される。移送手段は、少なくとも部分的に駆動装置と結合されており、この駆動装置によって駆動されるので、基板の前進運動をもたらすことができる。下を向いた基板表面の湿潤は、給送ローラとして形成された移送手段によって直接行われ、従ってその移送手段は処理媒体のための給送手段として用いられる。それに加えて、ないしはその代わりに、湿潤は、移送平面の下方の移送手段の間に配置された、別体の給送手段によって行うこともできる。
【0033】
本発明の他の形態において、給送ローラから基板表面上に塗布可能な処理媒体量は、処理媒体内への給送ローラの潜入深さを変化させることによって、あるいは給送ローラの回転速度を変化させることによって、調節される。給送手段の潜入深さの変化は、実際には処理媒体による槽の充填の変化によって行われるので、槽内の処理媒体の液面と移送平面の間の間隔を調節することができる。この間隔が、液面と基板表面の間で給送ローラによって処理媒体をどの回転角度にわたって給送すべきか、を定める。給送ローラが移送平面にも液面にも接する、液面と移送平面の最大の間隔において、移送平面が水平に方向づけされている場合に、180°の回転角度が存在する。液面と移送平面の間の間隔が減少した場合に、液面は円筒状の給送ローラに割線をもたらすので、処理媒体が液面と基板表面の間で自由に給送されなければならない回転角度が、減少される。たとえば、給送ローラが処理媒体内に直径の3分の1まで浸かった場合に、回転角度は90度である。給送ローラの回転速度が変わらない場合に、それぞれ回転角度が小さくなるほど、より多くの処理媒体が基板表面へ達する。
【0034】
同様に、回転速度の変化によって、提供される処理媒体量の調節を行うことができる。回転角度とは異なり、回転速度のためには、給送ローラから最大量の処理媒体を供給することができる、ゼロとは異なる回転速度領域が存在する。回転速度が小さくなると、処理媒体が実質的に槽内へ流出し、回転速度が大きくなると処理媒体を放出することができる。本発明の好ましい実施形態においては、処理媒体および処理すべき基板に従って回転速度、および/または、潜入深さないし液面の開ループ制御または閉ループ制御を可能にする、開ループ制御または閉ループ制御が設けられている。
【0035】
本発明の他の形態において、基板表面の湿潤の前、および/または、間、および/または、後に、移送平面の垂直方向下方に配置された吸出し手段によって蒸発、および/または、霧化された処理媒体を吸い出すことによって、移送平面に配置された基板表面とは異なる基板表面上に処理媒体が沈積することが防止される。蒸発、および/または、霧化された処理媒体の吸出しは、吸出し手段によってもたらされ、その吸出し手段は、移送平面内に配置された基板表面とは異なる基板表面上に処理媒体が沈積することを防止するために、移送平面の垂直方向下方に配置されて、垂直方向下へ向かって空気流をもたらす。
【0036】
本発明の他の形態において、基板の連続的な移送、および/または、基板表面を湿潤するための、給送装置による処理媒体の連続的な準備、および/または、ガス状または霧化された処理媒体の連続的な吸出しが実施される。基板の連続的な移送、および/または、基板表面を湿潤するための処理媒体の準備、および/または、吸出しによって、湿潤すべき基板表面上に最少の沈積、好ましくは消滅する沈積しか行われず、特に好ましくは沈積が行われない、加工処理を保証することができる。
【0037】
本発明の他の形態において、下を向いた基板表面における処理媒体の塗布は、基板の端縁領域においてのみ行われる。この種の端縁領域は、5〜15mmとすることができる。その場合に好ましくは処理媒体は、矩形の基板の、移送方向左と右に位置する側に塗布され、その場合にそのために、端縁に直径の大きい領域を有し、中央に直径の小さい領域を有する、上述した給送ローラを使用することができる。
【0038】
基板は、まず、下を向いた基板表面を処理媒体で湿潤するために、第1の方位付けないし方向づけで移送することができる。その後、移送平面内で90°基板の回転が行われ、その後残りの2つの側面において、下を向いた基板表面の端縁の新たな湿潤が行われる。すなわち、それぞれ端縁領域が湿潤されて、エッチングされる。
【0039】
一方で、基板の回転は、処理媒体を有する装置の外部で、たとえば上述したように2つの装置の間の回転ステーションにおいて、行うことができる。他方で、基板を1つの装置から基板をこの種の他の装置へ引き渡すことができ、その場合に装置は互いに対して90°の角度を形成する移送方向を有しており、基板は装置上でそれぞれ異なる移送方向に移送される。
【0040】
これらの特徴と他の特徴は、請求項からの他に、明細書と図面からも明らかにされ、その場合に個々の特徴はそれぞれそれ自体単独で、あるいは複数を互いに組み合わせた形式で、本発明の実施例において、かつ他の実施例に提供されて実現することができ、好ましい、かつそれ自体保護可能な形態を表すことができ、それについてここで保護が請求される。出願を個々の部分および中間見出しに分割することは、これらの元で行われる説明をその普遍性において制限するものではない。
【0041】
本発明の実施例を図面に図式的に示し、以下で詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
図1と2に示す、基板を表面処理するための装置1は、移送ローラ3、3aとして形成された複数の移送手段を有している。移送ローラ3、3aは、特にシリコン材料から形成された基板2を線形に移送するために設けられており、かつ調整されている。移送ローラ3、3aは、移送平面5を定め、その移送平面は水平方向に方向づけされており、一方の表面において移送ローラ3、3aと接触する。移送ローラ3、3aは、装置1内に回転可能に軸承されており、少なくとも部分的に、図示されていない駆動装置によって好ましくは一定の、調節可能な回転速度で駆動される。
【0043】
基板2は、典型的にフラットな、平坦なシリコンプレートであって、そのシリコンプレートは、約60mm〜250mmの直径を有する丸い輪郭あるいは60mm〜250mmの稜長さを有する矩形の輪郭を有している。基板の好ましい厚みは、0.1mm〜2mmの領域内にある。基板2は、下を向いた基板表面4をもって移送ローラ3、3a上に載置され、移動ローラ3、3aの同方向かつ同じ速さの回転によって移送方向6に移動される。
【0044】
装置1の課題は、たとえば、基板2上にすべての側において塗布された、特に電気的に導通するコーティングを、下を向いた基板表面4において、基板の残りの表面上に塗布されたコーティングを損傷せずに、液状の処理媒体を使用しながら湿化学的方法で除去することにある。
【0045】
この目的のために、基板2は基板表面4をもって移送ローラ3、3a上に載置されて、入口開口部7を通して、図面に示唆されるだけの、少なくともほぼ完全に閉成された処理チャンバ8内へ移動される。処理チャンバ8内に、槽9が設けられており、その槽は液状の処理媒体10によって、特にフッ化水素酸(HF(aq))、および/または、塩酸(HCl(aq))、および/または、硝酸(HNO3(aq))、および/または、苛性カリ溶液(NaOH(aq))の水溶液によって、完全に満たすことができる。槽9は、処理チャンバ8の底14から距離をもって配置されているので、槽9と底14の間に、槽9の端縁領域における吸出しを保証する、吸出しシャフト15が形成されている。図2に詳細に示すように、吸出しシャフト15は槽9全体の下方に配置されており、従って、槽9の端縁を越えて流出し、吸込み手段11によって捕捉されない、ガス状、および/または、液状の処理媒体10の吸出しを可能にする。吸出しシャフト15は、装置1の側方に取り付けられた排気シャフト16と接続されており、その排気シャフトは負圧を供給されている。槽9に新鮮な処理媒体10を供給することは、媒体導管13を介して行われる。
【0046】
下を向いた基板表面4の湿潤を保証するために、移送ローラ3aは、二重機能を果たし、すなわち基板2のための移送手段としてだけでなく、処理媒体10のための給送手段としても用いられる。槽9から移送平面5内へ処理媒体10を給送するために、移送ローラ3aは槽9内に次のように、すなわち、移送ローラが部分的に処理媒体10内へ浸かり、かつ液面23が円筒状の移送ローラ3aの回転軸20の上方に位置するように、取り付けられている。給送ローラ3aとして形成された移送ローラは、湿潤可能な表面を有しているので、給送ローラは処理媒体10をわずかな層厚で重力に抗して上方へ向かって移送平面5内へ給送することができ、転動処理において、すなわち直接機械的に接触して、基板表面4上へ塗布することができる。処理媒体10は、移送ローラ3a上にわずかな層厚で載置されるので、基板2の厚みがわずかであっても、処理媒体10が上方を向いた基板表面上へ達しないことが、保証される。
【0047】
上を向いた基板表面に処理媒体10がつなかいままであることを保証するために、給送手段として作用する移送ローラ3aの周囲に存在する可能性がある、ガス状、および/または、霧状の処理媒体を吸い出すための吸出し手段11が設けられている。処理媒体10は、蒸気圧を有しており、その蒸気圧は、処理媒体10が、たとえば周囲温度と空気圧のような、取り巻く雰囲気条件に従ってある程度激しく蒸発し、周囲空気と混合されることに現れる。さらに、移送ローラ3aと処理媒体10の間の相対移動によって、かつ基板表面4上での給送手段3aの転動処理によって、微細な処理媒体滴が剥がれることがあり、それが細かく分配された霧として処理媒体10の液面の上方に存在する。ガス状、および/または、霧化された処理媒体10と周囲空気の混合気は、典型的に周囲空気よりも重い。しかし、給送手段3aと基板2の相対移動によって周囲空気の旋回が生じ、それは吸出し手段11がないと、ガス状、および/または、霧化された処理媒体が移送平面5を越えて舞い上がることをもたらす。
【0048】
従って、ガス状、および/または、霧化された処理媒体10が、基板2の上方を向いた表面上に沈積することがあり得る。それは、望ましくないので、吸出し手段11が設けられており、その吸出し手段は、移送ローラ3aの間に負圧を供給されるパイプとして取り付けられており、それぞれ複数の吸引開口部12を有しており、その吸引開口部を通してガス状、および/または、霧化された処理媒体10は移送平面5の下方の領域内で吸い出されることができ、従って移送平面5を越えて上方を向いた基板表面上へ達することはない。この理由から、吸出し手段11は移送平面5の垂直方向下方に配置されており、実質的に垂直方向に流れる空気流をもたらし、その空気流は好ましくは旋回が乏しく、特に好ましくは層状に形成されている。
【0049】
吸出し手段11は、排出パイプ17を介して吸出し導管18と接続されており、その吸出し導管は図示されないポンプ装置を介して負圧を供給されている。吸出し手段11を個別に調節するために、排出パイプ17と吸出し導管18の間に調節弁19が配置されており、その調節弁は絞り弁として形成されており、かつ吸出し導管18によって吸引された体積流の調節を可能にする。
【0050】
装置1内に吸出し手段11を特にコンパクトに配置するために、パイプ形状に形成された吸出し手段11の長手中心軸21は、移送ローラ3aの回転軸20に対して平行に方向づけされており、かつ吸出し手段11は、移送ローラ3aと移送平面5および下方へ向かっては処理媒体10の液面によって画成される中間室内に配置される。従って、移送ローラ3aの間隔が小さいにもかかわらず、吸出し手段11のために大きい横断面を実現することができる。すなわち、吸出し手段11によって吸い出される体積流が大きい場合でも、吸出し手段11内で小さい流れ速度を保証することができる。さらに、吸出し手段11の大きい外表面も存在し、その外表面に多数の流出開口部12を形成することができ、結果としてそれによって垂直方向下方へ向かう、渦の少ない、特に層状の空気流を実現することができ、それがガス状または霧状に分配された処理媒体10の確実な吸出しを保証する。
【0051】
図1と2に示す、移送ローラとして形成された給送ローラ3aの図式的な部分拡大図を示す、図3の表示によれば、どのようにして処理媒体10が槽9から移送ローラ3aの回転によって液面23を越えて、下を向いた基板表面4の方向へ給送されて、直接機械的に接触して基板表面4を処理媒体10で湿潤するか、を認識することができる。処理媒体10内に部分的に浸かった給送ローラ3aは、浸かった部分において完全に処理媒体10によって包囲されており、従って湿潤されている。給送ローラ3aの回転によって、給送ローラ3aから薄い処理媒体フィルム24を回転方向27に連動させることができる。給送ローラ3aの外表面の形態によって、特に適切な材料選択と場合によっては設けられる構造化、すなわち穴、溝または凹部によって、処理媒体フィルム24の厚みを定めることができ、その処理媒体フィルムは。それぞれの移送ローラ部分が処理媒体10から出る時に連動されることができ、基板表面4上に少なくとも部分的に転送される。さらに、処理媒体フィルム24の厚みは、処理媒体10内への潜入深さとそれによって定められる自由な回転角度29および給送ローラ3aの回転速度に依存し、その回転速度は移送方向28における基板2の移送速度も定める。処理媒体10は、図面平面内へ延びる、線形の接触箇所28において、下方へ向いた基板表面4上へ転送され、その場合に接触箇所26において、基板2の自重と基板表面4および処理媒体10の特性、特に基板表面4の湿潤性と処理媒体10の表面張力によって、少なくともほぼ完全に液体で満たされた毛管間隙25が形成され、それが、基板表面4上に処理媒体10を均一に分配することに責任を有する。処理媒体10が基板表面4上に直接機械的に転送されることによって、基板表面4の好ましい、霧化の少ない、気化の少ない湿潤を保証することができるので、基板2の選択的な表面処理が保証されている。
【0052】
図4には、2つの装置1を有する設備35が、どのように構成されているかが示されている。その場合に装置1は、ライン内にあって、互いに対して多大な間隔を有しており、その場合にその間に回転ステーション37が設けられている。2つの装置1の間の基板2のための移送路は、他の移送ローラ3を有しており、それが基板2を同じ高さで同じ方向にさらに移送する。回転ステーション37は、複数の回転装置38を有しており、その回転装置は見てわかるように、基板を持ち上げるように形成されている。その場合に基板は、左の装置1から右の装置1へさらに移送するために、移送ローラ3から持ち上げられて、90°回転されて、その後再び移送ローラ3上へ下ろされる。持上げは、好ましくは空気圧によって行われ、その場合に同時に基板2の下側を回転装置38に吸引固定することができる。この種の回転装置は、持上げに関しても、回転に関しても、それ自体当業者には知られているので、それについてこれ以上の説明は不要である。回転ステーション37についてさらに説明すると、回転装置38は、左から右へ延びる移送方向に対して横方向に次のように、すなわち互いに並べられたレーン内で移送される複数の基板2がそれぞれ回転装置38によって回転されるように、配置されている。その場合に基板2ないし回転ステーション38が互いにじゃまし合わないように、隣接する回転ステーションはそれぞれ互いに対して前と後ろへ変位している。
【0053】
図5には、図2に示す装置と同様な装置1’の代替的な形態が、拡大表示で示されている。回転軸20上で給送ローラ3a’が回転し、その場合に給送ローラはほぼ半分まで処理媒体10内に浸かっている。給送ローラ3a’は、端部に肥厚した端縁領域40’とその間の幾分薄い中央領域41’を有している。その場合に給送ローラ3a’は、端縁領域40’に関して次のように、すなわち、基板2はそれぞれ端縁領域40’の外側に載置されるが、実質的に中央領域においては自由に延びているように、形成されている。それによって、たとえば製造方法または各方法に基づいてやや平坦でなく、あるいは波打っている、完全に平坦でない基板2も、移送ローラ3a’ないし端縁領域40’上に恒久的かつ良好に載置しながら、湿潤することができる。上述したように、基板のまさに外側領域ないしエッジにおいて、エッチングとそれに伴って処理媒体による湿潤も、極めて重要である。もし基板2が、たとえば中央で下へたるんでいた場合に、少なくとも1つの端縁領域においては、もはや給送ローラと接触せず、従ってここではエッチング処理が行われない。これは、いわゆるウェストを絞った移送ローラ3a’ないしその薄い中央領域41’によって、もたらされる。
【0054】
その液体収容能力または液体10のための移送能力に関して、中央領域41’の形成は重要ではないが、端縁領域40’は好ましくは、全移送ローラ3aに関してすでに行った説明と同様に形成されている。その限りにおいて、単純にそれを参照するように指示される。端縁領域40’と中央領域41’の間の厚みの差ないし直径差は、数ミリメートルであって、たとえば直径の2〜10%になる。
【0055】
図5から明らかなように、基板2は、移送方向において側方に位置する外側領域においてだけエッチングされ、前と後ろの外側領域はエッチングされないので、さらにこれを行わなければならない。そのために、設備35を有する図4に示す配置が、極めて有用である。というのは、そこでは、左の装置1内で対向する側方の外側領域またはエッジの対がエッチングされるからである。回転装置38を有する回転ステーション37によって、基板2は移送平面内で90°回転されて、再びエッチングされる。移送ローラ3によって、基板は右の装置1へ移送されて、そこで再び2つの残っている外側領域がエッチングされる。もちろん、中央領域41’内により薄い給送ローラ3a’を有する、図5に示す形態は、屈曲され、あるいは湾曲された基板2においてだけでなく、平坦な基板においても効果的に使用できる。これは、どのようにして最良の結果を得ることができるかという、個別場合に依存している。
【0056】
他の形態において、端縁領域40’は移送ローラ3aに固定的に取り付けられずに、たとえば摺動させることもできるので、基板2と端縁領域40’との間にたとえば10mmの、支持を有する重なりが与えられることも、可能である。すなわち、一般に、給送ローラ3a’上で回転軸20に沿って摺動することができる、リングなどの種類に従って形成された端縁領域40’によって、種々の基板2を処理することができ、ないしは本発明に基づく設備1’を基板の種々の幅に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】基板の表面を処理する装置を図式的に示す側面図である。
【図2】図1に示す装置を部分的に切断して図式的に示す正面図である。
【図3】図1と2に示す装置から、移送ローラとして形成された給送ローラを拡大して示している。
【図4】図1に示す2つの装置がどのようにライン上に設置されるかを、その間にある、基板のための回転ステーションと共に示している。
【図5】本発明の第2の視点に基づき2つの給送ローラを、図2と同様に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(2)の表面を処理する装置(1)であって、
移送手段(3、3a)によって定められる移送平面(5)内で基板(2)を移送するための移送手段(3、3a)と、
基板(2)を液状の処理媒体(10)によって湿潤するために形成された、少なくとも1つの給送手段(3a)と、を有するものにおいて、
下方を向いた基板表面(4)を、給送手段(3a)と基板表面(4)の間で、処理媒体(10)と直接接触させて湿潤するために、
給送手段(3a)が、移送平面(5)の下方に、移送平面(5)に接触し、あるいは少なくともほぼ移送平面に達するように、配置されている、
ことを特徴とする基板の表面処理する装置。
【請求項2】
給送手段(3a)に、給送手段(3a)の外表面上に処理媒体(10)を供給するための供給装置(9)が対応づけられている、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
給送手段(3a)が多孔の外表面を有しており、
前記外表面が、特に、好ましくは圧力を供給された処理媒体を給送手段(3a)内へ導入することによって、給送手段(3a)内に設けられた少なくとも1つの排出箇所から給送手段(3a)の外表面へ、処理媒体(10)を移送するために形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
給送手段(3a)が、多数の透孔を備えた外表面を有しており、
前記透孔が好ましくは、給送手段(3a)内に設けられた排出箇所から処理媒体(10)を供給するための供給通路と接続されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
給送手段(3a)が、移送平面(5)に接触するように配置された、給送ローラとして形成されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
給送手段(3a)に、0.1mm〜1mmの、好ましくは0.2mm〜0.8mmの領域の溝深さを有する、周方向に延びる溝が設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
給送ローラ(3a)に、0.1mm〜1mmの、好ましくは0.2mm〜0.8mmの溝深さを有する、軸方向に延びる溝が設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
給送ローラ(3a)が外表面に多数の凹部、特に穴を有している、ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
給送ローラ(3a)が、処理媒体(10)によって満たすことができる槽(9)内に、給送ローラ(3a)の外表面が処理媒体(10)内へ、特に常に浸かることによって処理媒体(10)で湿潤可能であるように、取り付けられており、
好ましくは給送ローラ(3a)が少なくとも直径の3分の1まで処理媒体(10)内に浸かっている、
ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
給送ローラ(3a)が、回転運動を伝達するための駆動装置と結合されており、かつ、
基板のための移送手段(3、3a)として、好ましくは唯一の移送手段(3、3a)として、形成されている、
ことを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
複数の給送ローラ(3a、3a’)が、移送方向に相前後して配置されている、ことを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
給送ローラ(3a’)が、少なくとも1つの直径の小さい領域(41’)を越えて張り出す、少なくとも2つの直径の大きい領域(40’)を備えた変化する直径を有しており、
好ましくは直径の大きい2つの領域(40’)が、それぞれ給送ローラ(3a’)の側方に設けられている、
ことを特徴とする請求項5から11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
直径の大きい領域(40’)が、少なくとも1つの直径の小さい領域(41’)を越えて、約1〜10mmまで、好ましくは2mm〜5ミリまで張り出している、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
直径の大きい領域(40’)が、少なくとも10mm、好ましくは12〜30mmの幅である、ことを特徴とする請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
直径の大きい領域(40’)が、請求項6から8特徴に従って形成されており、
特に少なくとも1つの直径の小さい領域(41’)が、滑らかな、および/または、閉成された表面を有している、
ことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
給送手段(3a)の周囲からガス状、および/または、霧状に分配された処理媒体(10)を吸い出すための少なくとも1つの吸出し手段(11)が設けられており、
少なくとも1つの吸出し手段(11)が、移送平面(5)の垂直方向下方に配置されている、
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載の少なくとも2つの装置(1、1’)を有する設備(35)において、
第1の移送方向を有する第1の装置(1、1’)が設けられており、それに続いて、第2の移送方向を有する第2の装置(1、1’)が設けられており、
基板(2)が第1の移送装置から第2の移送装置へ移動し、
第1の移送方向が第2の移送方向に対して90°回動されている、
ことを特徴とする設備。
【請求項18】
請求項1から16のいずれか1項に記載の少なくとも2つの装置(1、1’)を有する設備(35)において、
装置(1、1’)の後方に回転ステーション(37)が設けられており、
前記回転ステーションが基板(2)を第1の装置から引き取って第2の装置へ引き渡し、
基板(2)が第2の装置上で、第1の装置に比較して移送平面(5)内で90°回動されている、
ことを特徴とする設備。
【請求項19】
回転ステーション(37)自体が基板(2)を、特に移送平面(5)内で90°、回転させ、
回転ステーションが基板(2)を持ち上げて回転させるように形成されており、ないしは、そのために回転装置(38)が設けられている、
ことを特徴とする請求項18に記載の設備(35)。
【請求項20】
回転ステーション(37)が、複数の個別の回転装置(38)を並べて有しており、
好ましくは隣接する回転装置(38)が移送方向にそれぞれ少し前または少し後ろへ変位しており、
特に回転装置(38)が、移送方向に対して垂直に延び、かつ隔たった、2つのライン上に交互に配置されている、
ことを特徴とする請求項18または19に記載の設備。
【請求項21】
基板(2)の基板表面(4)を処理媒体(10)で湿潤する方法であって、
移送平面(5)内で移送手段(3、3a)によって基板(2)を移送するステップと、
少なくとも実質的に移送平面(5)内に配置された、下方を向いた基板表面(4)を、給送装置(3a)によって直接機械的に接触して基板表面(4)に塗布される、処理媒体(10)によって湿潤するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
給送ローラ(3a)によって基板表面上に塗布可能な処理媒体量が、
給送ローラ(3a)の処理媒体(10)内への潜入深さによって、および/または、給送ローラの回転速度の変化によって、調節される、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
移送平面(5)内に配置された基板表面(4)とは異なる基板表面上に処理媒体(10)が沈積するのを防止するために、
基板表面(4)の湿潤の前、および/または、間、および/または、後に、移送平面(5)の垂直方向下方に配置された吸出し手段(11)によって、蒸発、および/または、霧化された処理媒体(10)を吸い出す、
ことを特徴とする請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
フッ化水素酸(HF)と、塩酸(HCl)と、硝酸(HNO3)と、苛性カリ溶液(NaOH)との、少なくとも1つを有する、特に水性の溶液として形成された、処理媒体を、
特徴とする請求項21から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
基板(2)の連続的な移送、および/または、
基板表面(4)を湿潤するための給送装置による処理媒体(2)の連続的な準備、および/または、
ガス状または霧化された処理媒体(10)の連続的な吸出し、
が実施される、
ことを特徴とする請求項21から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
下を向いた基板表面(4)への処理媒体(10)の塗布が、基板(2)の端縁領域において、好ましくは5〜15mmの端縁領域において、行われる、ことを特徴とする請求項21から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
処理媒体(10)が、矩形の基板(2)の移送方向左と右に位置する側に、特に請求項12から15のいずれか1項に記載の給送ローラ(3a’)によって塗布される、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
基板(2)が、最初に第1の方位付けないし方向付けで移送され、その場合に下を向いた基板表面の端縁が処理媒体(10)によって湿潤され、
その後移送平面内で基板(2)の90°の回転が行われ、
その後残る両側において下を向いた基板表面の端縁の新たな湿潤が行われる、
ことを特徴とする請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
基板(2)の回転が、処理媒体(10)を有する装置(1、1’)の外部で、
特に処理媒体(10)を有する2つの装置(1、1’)の間の回転ステーション(37)において、行われる、
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
基板(2)が、請求項1−16のいずれか1項に記載の装置(1、1’)から他のこの種の装置(1、1’)へ引き渡され、
その場合に装置(1、1’)が互いに対して90°の角度をなす移送方向を有しており、かつ、
基板(2)が装置(1、1’)上でそれぞれ異なる移送方向に移送される、
ことを特徴とする請求項26または27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−519590(P2009−519590A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544888(P2008−544888)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012116
【国際公開番号】WO2007/073886
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(504171628)ゲブリューダー シュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー (27)
【Fターム(参考)】