基板ユニット、情報処理装置及び基板ユニットの製造方法
【課題】電子部品を容易に脱着することができ、しかも、電子部品のはんだ接合部に生じる応力を緩和することができる基板ユニット、情報処理装置及び基板ユニットの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】基板ユニット1は、回路基板3とこの回路基板3の第1面3a側に搭載された半導体装置2を有する。回路基板3は、第1面3aの裏面となる第2面側に前記のような電極4の矩形の配列に対応させて設けられた樹脂塗布部5を有する。樹脂塗布部5は、半導体装置2が有する電極4が配列されて形成された矩形を回路基板3の第2面3bに投影させた投影領域X2の外側まで覆うように設けられている。樹脂塗布部5は、投影領域X2の外側まで覆い、はんだ接合部よりも大きいエリアをカバーすることによりはんだ接合部に生じる応力を緩和することができる。
【解決手段】基板ユニット1は、回路基板3とこの回路基板3の第1面3a側に搭載された半導体装置2を有する。回路基板3は、第1面3aの裏面となる第2面側に前記のような電極4の矩形の配列に対応させて設けられた樹脂塗布部5を有する。樹脂塗布部5は、半導体装置2が有する電極4が配列されて形成された矩形を回路基板3の第2面3bに投影させた投影領域X2の外側まで覆うように設けられている。樹脂塗布部5は、投影領域X2の外側まで覆い、はんだ接合部よりも大きいエリアをカバーすることによりはんだ接合部に生じる応力を緩和することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板ユニット、情報処理装置及び基板ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板への電子部品、例えば、半導体装置の実装手段としてBall Grid Array(BGA)が用いられることがある。BGAにより電子部品が実装された基板に外力が加わると、電子部品のはんだ接合部に応力が生じる。この結果、はんだ接合部の破断や、パッド剥離が生じることがある。
このようなはんだ接合部の破断や、パッド剥離を抑制するために電子部品とプリント基板との間に樹脂を流し込むアンダーフィル塗布が施されることがある。
また、アンダーフィル塗布を施した基板に、電子部品実装後の構造上の信頼性確保することを目的としたさらなる加工を施した構造も知られている。例えば、実装基板の裏面にLarge Scale Integration(LSI)と同等の外形、所要厚さのスチフナを、表側で使用したアンダーフィル材と同じ効果の接着剤を用いて固定したLSI実装基板の構造が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−265967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しなしながら、アンダーフィル塗布は、以下のような不都合を伴う。すなわち、アンダーフィル塗布後は、基板に実装した電子部品の交換が困難となる。電子機器の出荷前、電子機器の電気試験が行われる。この電気試験は、アンダーフィル塗布後の部品交換が困難であることを考慮すると、アンダーフィル塗布前に行わなければならない。仮に、電気試験前にアンダーフィル塗布を行い、電気試験に合格することができなかった基板が存在すると、その基板は、廃棄せざるを得ない。
【0005】
また、実装基板の裏面にスチフナを接着する構造は、製造時に、アンダーフィル塗布工程以外に、所望の形状のスチフナを素材から切り出して準備する工程、切り出したスチフナを基板の裏面に接着する工程を必要とし、手間である。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。その目的は、電子部品を容易に脱着することができ、しかも、電子部品のはんだ接合部に生じる応力を緩和することができる基板ユニット、情報処理装置及び基板ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本明細書開示の基板ユニットは、所定の形状に配列された複数の電極を有する電子部品と、当該電子部品が搭載され前記電極が接合される第1面と、当該第1面の裏面となる第2面とを有する回路基板とを有する。そして、前記所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域に対応させて前記第2面側に設けられた樹脂塗布部を有する。
【0008】
本明細書開示の基板ユニットは、回路基板から電子部品の脱着を容易に行うことができる。また、樹脂塗布部により、電子部品と回路基板との接合部が補強され、当該箇所の応力を緩和することができる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書開示の基板ユニットは、電子部品を容易に脱着することができ、しかも、電子部品のはんだ接合部に生じる応力を緩和することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されている場合もある。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1の基板ユニット1の概略構成を模式的に示した説明図である。図1(A)は、基板ユニット1を正面から観た説明図であり、図1(B)は、回路基板3の第2面3b側から観た説明図である。
基板ユニット1は、電子部品の一例である半導体装置2を有している。半導体装置2の形状は、矩形である。また、基板ユニット1は、半導体装置2が搭載される回路基板3を有している。回路基板3の材料は、ガラス布基材エポキシ樹脂などの樹脂ベース素材基板に金属配線板層を有するものを用いた。なお、金属配線板層が多層のものを用いてもよい。
半導体装置2は、矩形に配列された複数の電極4を有している。回路基板3は、その第1面3aに半導体装置2が搭載され、当該半導体装置2がBall Grid Array(BGA)によって接合される。
ここで、半導体装置2が有する電極4の配列について図2を参照しつつ説明する。電極4は、全体として正方形をなすように配列されている。実施例1の半導体装置2は、9行×9列の計81個の電極4を有している。ここで、以下の説明を容易にするため、各電極4には、以下の要領で参照番号を振ることとする。例えば、1行1列目の電極4には、参照番号411が振られている。1行2列目の電極4には、参照番号412が振られている。9行9列目の電極4には、参照番号499が振られている。
これらの電極4が回路基板3の第1面3aにそれぞれはんだ接合され、それぞれはんだ接合部を形成する。
【0012】
回路基板3は、第1面3aの裏面となる第2面側に前記のような電極4の矩形の配列に対応させて設けられた樹脂塗布部5を有している。樹脂塗布部5は、熱硬化性の樹脂を第2面3bに塗布し、これに熱を加えて硬化させることによって形成されている。
【0013】
このような樹脂塗布部5は、図1(B)に示すように電極4が配列されて形成された矩形を第2面3bに投影させた投影領域X2の外側まで覆うように設けられている。電極4は、前記のように9行×9列に配列されており、隣り合う電極4間の距離はPに設定されている。このような配列の最外周に位置する電極4、すなわち、電極411〜電極491、電極411〜電極419、電極419〜で電極499、電極491〜電極499の接線を結ぶことにより、領域X1が形成される。
投影領域X2は、この領域X1を回路基板3の第2面3bに投影させて形成される。このような投影領域X2の外側まで覆い、はんだ接合部よりも大きいエリアをカバーする樹脂塗布部5を有する基板ユニット1は、はんだ接合部に生じる応力を緩和することができる。
【0014】
次に、このような樹脂塗布部5を有する基板ユニット1の製造方法につき、図3を参照しつつ、説明する。
基板ユニット1の最初の製造工程として、まず、図3(A)、図3(B)に示すように電子部品に相当する半導体装置2が有する矩形に配列された複数の電極4を回路基板3の第1面3aにはんだで接合する。はんだ接合は、リフロー方式により行う。また、第2面3bに搭載する電子部品がある場合は、この段階で装着しておく。はんだに代えて通電性接着剤を用いることもできる。
そして、図3(C)に示すように第1面3aの裏面となる第2面3b側に電極4の配列に対応させて熱硬化性樹脂5cを印刷により塗布する。このとき、第2面3bへの樹脂の塗布は、樹脂塗布部5を形成すべき領域に対応する穴7aが設けられたシート材7を第2面3bに重ね合わせ、その穴7aに液状の樹脂を流し込むことによって行われる。なお、ディスペンサーを用いて熱硬化性樹脂5cを塗布してもよい。
次いで、熱硬化性樹脂に熱を付与して硬化させ、樹脂塗布部5を形成する。
このように、基板ユニット1は、別途、補強部材を切り出し等によって準備する必要がなく、第2面3bに樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させればよいため、その補強を容易に行うことができる。
【0015】
なお、樹脂の塗布は、ディスペンス、印刷、以外に、転写など種々の方法を採用することができる。また、シート状に形成された樹脂を準備して貼付し、その後、硬化させることもできる。樹脂の塗布は複数回に分けて行うことも可能である。また、樹脂塗布部5の形状は、投影領域X2を覆うことができるものであれば矩形以外の他の形状、例えば円形であってもよい。仮に、塗布領域内に他の電子部品が存在する場合は、その電子部品を避けて、または、含めて樹脂を塗布することもできる。
【0016】
また、実施例1の樹脂塗布部5は、熱硬化性の樹脂を採用しているが、紫外線硬化性の樹脂を用いることができる。その他、塗布時に液体状態となり、その後の処理によって硬化させることができる樹脂であって、所望の補強効果を得ることができるものであれば、採用することができる。
【0017】
実施例1の基板ユニット1における応力の緩和の様子を、図4を参照しつつ説明する。図4(A)は、回路基板3にBGAで半導体装置2を接合したのみで、何らの補強もされていない基板ユニット100をステー10に片持ち梁状に取り付けた状態を示している。図4(B)は、回路基板3にBGAで半導体基板2を接合し、回路基板3と半導体装置2との間にアンダーフィル151を施工した基板ユニット150をステー10に片持ち梁状に取り付けた状態を示している。そして、図4(C)は、実施例1の基板ユニット1をステー10に片持ち梁状に取り付けた状態を示している。図4(D)は、これらの基板ユニット1、100、150の端部に外力を作用させたときに応力集中が生じる箇所を示している。
【0018】
まず、図4(A)に示すように回路基板3にBGAで半導体装置2を接合したのみの基板ユニット100では、応力集中は、はんだ接合部に沿って、すなわち、図2に示す領域X1の外周縁に沿って発生している。このようにはんだ接合部の直近に応力集中が発生すると、はんだ接合部が破断したり、当該箇所にクラックが発生したりするおそれがある。
【0019】
次に、図4(B)に示すように回路基板3と半導体装置2との間にアンダーフィル151を施工した基板ユニット150では、アンダーフィル151の端部に応力集中が発生している。アンダーフィル151を施工すると、このように、応力集中が発生する箇所をはんだ接合部から移動させることができる。ただし、アンダーフィル151を施工すると、回路基板3から半導体装置2を取り外そうとするときに不都合がある。すなわち、アンダーフィル151は、配列された電極4間に入り込むので、この電極4の間に入り込んだアンダーフィル151を除去することが困難となる。この結果、半導体装置2の再利用が困難となる。
【0020】
実施例1の基板ユニット1は、応力集中が発生する箇所をはんだ接合部から移動させることができる。さらに、実施例1の基板ユニット1は、アンダーフィル151を施工した場合と異なり、半導体装置2の取り外しが容易である。すなわち、半導体装置2は回路基板3にはんだで接合されているのみであるので、このはんだを再び溶融することによって簡単に回路基板3から取り外すことができる。
【0021】
次に、このように応力集中が発生する位置をはんだ接合部の直近から移動させた基板ユニット1の強度試験の結果を示す。まず、図5に示すような繰り返し曲げ試験の結果を、図4(A)に示した基板ユニット100の試験結果と比較して説明する。
【0022】
繰り返し曲げ試験は、図5に示すように、支点11の間の距離、すなわち支点間距離を100mmにセットし、両支点11上に基板ユニット1、100を載置する。基板ユニット1は、基板ユニット100に対して樹脂塗布部5を備える点が異なるのみで、他の構成は基板ユニット100と共通している。
【0023】
基板ユニット1における、はんだ接合部の幅S1、すなわち、図2に示す領域X1の幅S1はS1=20.47mm、領域X1の幅S1よりも拡大された寸法S2は、S2=4.0mmとしている。さらに、樹脂塗布部5の平均厚さtは、t=0.5mmとしている。また、正方形をなす半導体装置2の一辺の長さwは、w=22mmである。さらに、回路基板の厚みTは、T=1.0mmである。また、電極4の間隔Pは、P=0.84mmである。
【0024】
以上のようにセットされた基板ユニット1、100の中心部を繰り返し押圧する。このとき、押し込み量は3mmとした。まず、基板ユニット100の試験結果を説明する。基板ユニット100では、2回押し込んだだけで破損、クラックの発生が観察されたものが存在した。そして、100回押し込み動作を行うと、試験を行った基板ユニット100の50%に破損、クラックの発生が観察された。さらに、累積300回押し込み動作を行うと試験を行った基板ユニット100の100%に破損、クラックの発生が観察された。
【0025】
一方、実施例1の基板ユニット1は、最も速く破損、クラックが発生したものであっても1363回の押し込み動作に耐えることができた。そして、100%の基板ユニット1に破損、クラックの発生が認められるまでには、5728回の押し込み動作を要した。
【0026】
このように、実施例1の基板ユニット1は、樹脂塗布部5を有さない基板ユニット100と比較して強度が大幅に向上している。
【0027】
次に、基板ユニット1の示すひずみ試験の結果について図6を参照しつつ説明する。試験結果は、図4(A)に示した基板ユニット100の試験結果と比較して説明する。試験は、図5に示す繰り返し曲げ試験と同様に基板ユニット1、100をセットし、その中心部を押し込んだときのひずみ量を比較した。ひずみゲージ12は、図6に示すように半導体装置2の端部から5mmの位置に装着した。
【0028】
図7に示すグラフから明らかなように、樹脂塗布部5を有する実施例1の基板ユニット1のひずみ量は、何らの補強も施されていない基板ユニット50のひずみ量と比較して低減されている。例えば、7mmの押し込み量で基板ユニット50のひずみ量は6649μεであったのに対し、基板ユニット1では、5739μεであり、およそ13%ひずみが低下した。
【0029】
この結果は、半導体装置2の端部から5mmの位置におけるものであるので、はんだ接合部の端部、すなわち、図2における領域X1の外周縁部にあっては、さらにひずみ低減の効果が大きいと推測される。
【0030】
このように、実施例1の基板ユニット1によれば、樹脂塗布部5を有しているので必要な強度を確保することができる。樹脂塗布部5の厚みを調節することで強度の調節も可能である。また、樹脂塗布部5の大きさ、例えば、図5や図6に示す寸法S2を調節することにより応力集中が発生する箇所をコントロールすることができる。このように応力集中が発生する箇所をコントロールすることができると、情報処理装置等の電子機器の構造設計において、基板ユニット1が組み込まれる筐体を含めた応力設計が可能となる。この結果、より効率的な構造を設計することが可能となる。
【0031】
さらに、前記のように基板ユニット1では、半導体装置2を回路基板3から取り外すことが容易であり、取り外した半導体装置2の再利用が可能となる。また、回路基板3が再生可能となり、回路基板3に新たな半導体装置を搭載することができる。
【0032】
このような基板ユニット1は、種々の電子機器、情報処理装置が備える筐体に搭載されて使用される。基板ユニット1は、例えば、図15に示すようなサーバ210が有する筐体211に搭載されて用いられる。また、図16に示すような携帯電話機220が有する筐体221に搭載されて用いられる。さらに、図17に示すようなパーソナルコンピュータ230が有する筐体231に搭載されて用いられる。
なお、これらの電子機器、情報処理装置は一例に過ぎず、基板ユニット1は、他の電子機器、情報処理装置が有する筐体に搭載することもできる。
【実施例2】
【0033】
次に、実施例2につき、図8を参照しつつ説明する。図8(A)は、実施例2の基板ユニット21の製造工程の一部を示す説明図、図8(B)は、図8(A)におけるA−A線断面図である。
実施例1の基板ユニット1と実施例2の基板ユニット21とが異なる点は、基板ユニット1の樹脂塗布部5が全面に亘って単一の樹脂で形成されているの対し、基板ユニット21の樹脂塗布部5は、外周部5aと内周部5bとで特性が異なる樹脂によって形成されている点である。
すなわち、実施例2の基板ユニット21の樹脂塗布部5は、外周部5aとこの外周部5aの内側に位置する内周部5bとを有している。そして、外周部5aは、硬化前の形状安定性が高い樹脂で形成され、内周部5bは、外周部を形成する樹脂よりも硬化前の形状安定性が低い樹脂で形成されている。
ここで、樹脂につき、硬化前の形状安定性の評価は、樹脂の粘度によって行う。樹脂の硬化前の形状安定性は、樹脂の塗布作業の効率に影響を与える。実施例2の外周部5aは、硬化前に50Pa・s以上の粘度を有する熱硬化性の樹脂を用いて形成されている。また、内周部5bは、30Pa・sの粘度を有する熱硬化性の樹脂を用いて形成されている。
【0034】
次に、このように外周部5aと内周部5bとを有する樹脂塗布部5を有する基板ユニット21の製造方法につき、説明する。基板ユニット21の製造方法と図3に示した実施例1の基板ユニット1の製造方法との相違点は、樹脂の塗布工程である。
なお、基板ユニット21は、樹脂塗布部5の構成以外、実施例1の基板ユニット1と異なる点はない。従って、共通する構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
基板ユニット1の最初の製造工程として、まず、図3(A)、図3(B)に示す工程と同様に電子部品に相当する半導体装置2が有する矩形に配列された複数の電極4を回路基板3の第1面3aにはんだで接合する。はんだ接合は、リフロー方式により行う。また、第2面3bに搭載する電子部品がある場合は、この段階で装着しておく。はんだに代えて通電性接着剤を用いることもできる。
そして、図8(A)(1)に示すように、第1面3aの裏面となる第2面3b側に電極4の配列に対応させて熱硬化性樹脂をディスペンサーにより塗布する。
具体的には、まず、粘度の高い熱硬化性樹脂を投影領域X2の外側に枠状に塗布する。この枠状に塗布された樹脂は、硬化後に樹脂塗布部5の外周部5aとなる部分である。ここで、枠状に塗布される樹脂には、前記のように硬化前の粘度が50Pa・s以上のものが用いられる。
枠状の樹脂を塗布した後は、図8(A)(2)に示すように枠状に塗布された熱硬化性樹脂よりも粘度の低い熱硬化性樹脂を枠状に塗布された樹脂の内側に塗布する。この部分は、硬化後に樹脂塗布部5の内周部5bとなる部分である。ここで、枠状に塗布された樹脂の内側に塗布される樹脂には、前記のように硬化前の粘度が30Pa・sのものが用いられる。
次いで、熱硬化性樹脂に熱を付与して硬化させ、図8(A)(3)に示すように外周部5a、内周部5bを有する樹脂塗布部5を形成する。
このように、基板ユニット1は、別途、補強部材を切り出し等によって準備する必要がなく、第2面3bに樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させればよいため、その補強を容易に行うことができる。
また、硬化前の粘度の高い熱硬化性樹脂を用いて枠状に形成しておくことにより、効率よく樹脂塗布部5を形成することができる。すなわち、粘度の高い熱硬化性樹脂は、保形性が良好で流れにくい。このような保形性が良好な樹脂により予め枠状の土手を作っておき、ここに粘度の低い熱硬化性樹脂を流し込めば、広範囲に亘る樹脂の塗布作業を効率よく行うことができる。
【0036】
なお、樹脂の塗布は、ディスペンス以外に、印刷、転写など種々の方法を採用することができる。また、シート状に形成された樹脂を準備して貼付し、その後、硬化させることもできる。また、樹脂塗布部5の形状は、投影領域X2を覆うことができるものであれば矩形以外の他の形状、例えば円形であってもよい。樹脂の塗布は複数回に分けて行うことも可能である。仮に、塗布領域内に他の電子部品が存在する場合は、その電子部品を避けて、または、含めて樹脂を塗布することもできる。これらの点は、実施例1の場合と同様である。
さらに、外周部5aの樹脂のみを塗布して硬化させ、その後、内周部5bの樹脂を塗布し、硬化させるようにしてもよい。
【0037】
実施例2の樹脂塗布部5が有する外周部5aと内周部5bは、樹脂の塗布作業の容易性を重視して二種類の樹脂を用いているが、さらに樹脂硬化後の特性を考慮した樹脂の選定を行うこともできる。
【0038】
すなわち、硬化後の特性として、外周部5aを形成する樹脂は強度が高いことを重視して選定されることが望ましい。すなわち、基板ユニット21が外力を受けたとき、外周部5a近傍で応力集中が発生するため、外周部5aはできるだけ高い強度を有していることが望ましい。一方、硬化後の特性として内周部5bを形成する樹脂は、柔軟性に富むことを重視して選定されることが望ましい。すなわち、基板ユニット21が熱を帯び、わずかながらも膨張するような場合、内周部5bが柔軟性を有し、基板ユニット21の膨張に対応することができれば都合がよい。
【0039】
外周部5a、内周部5bを形成する樹脂は、このような観点から選定されることもある。実施例2で重視した高い塗布作業の効率を維持しつつ、前記のような硬化後の特性を重視し、優先させた樹脂の選択を行うことが望ましいが、硬化後の特性のみを重視した樹脂の選択が行われることもある。
【0040】
以上のような基板ユニット21は、実施例1の基板ユニット1と同様の効果を発揮することができる。すなわち、基板ユニット21は、樹脂塗布部5を有しているので必要な強度を確保することができる。また、樹脂塗布部5の厚みを調節することで強度の調節も可能である。さらに、応力集中が発生する箇所をコントロールすることができる。
【0041】
また、基板ユニット21では、半導体装置2を回路基板3から取り外すことが容易であり、取り外した半導体装置2の再利用が可能となる。また、回路基板3が再生可能となり、回路基板3に新たな半導体装置を搭載することができる。
【0042】
このような基板ユニット21は、種々の電子機器、情報処理装置が備える筐体に搭載されて使用される点も実施例1の基板ユニット1と同様である。基板ユニット21は、例えば、図13に示すようなサーバ210が有する筐体211に搭載されて用いられる。また、図14に示すような携帯電話機220が有する筐体221に搭載されて用いられる。さらに、図17に示すようなパーソナルコンピュータ230が有する筐体231に搭載されて用いられる。
このように基板ユニット21は、種々の電子機器、情報処理装置が有する筐体に搭載することができる。
【0043】
また、樹脂塗布部5を形成する樹脂として、紫外線硬化性の樹脂を用いることができる点も、実施例1と同様である。
【実施例3】
【0044】
次に、実施例3につき、説明する。図9は、実施例3の基板ユニット31の概略構成を模式的に示した説明図である。図9(A)は、基板ユニット31を正面から観た説明図であり、図9(B)は、回路基板3の第2面3b側から観た説明図である。図9(C)は、図9(B)におけるB−B線断面図である。
実施例3の基板ユニット31は、実施例1の基板ユニット1と異なり、図9に示すような枠状の樹脂塗布部32を有している。枠状の樹脂塗布部32の内周部33には、樹脂の塗布はされていない。
このような樹脂塗布部32は、電極4の配列によって形成された矩形を回路基板3の第2面3bに投影させた投影領域X2の外周縁に沿って枠状に設けられており、投影領域X2の外周縁よりも外側まで覆うように設けられている。
【0045】
ここで、枠状の樹脂塗布部32の寸法、配置について図2を参照しつつ詳説する。まず、樹脂塗布部32の寸法を表現するための基準を示すために、領域X1の最外周に位置する電極411〜電極491の中心線をL1と規定する。同様に、電極411〜電極419の中心線をL2、電極419〜で電極499の中心線をL3、電極491〜電極499の中心線をL4と設定する。
【0046】
枠状の樹脂塗布部31の内周縁32aの位置は、それぞれ中心線L1、L2、L3、L4と一致させるか、これよりも内側に位置させる。
一方、枠状の樹脂塗布部32の外周縁32bの位置は、それぞれ中心線L1、L2、L3、L4よりも距離αだけ外側に位置させる。ここで、距離αは、電極4間の距離Pの1/2(以下、P/2という)よりも大きい値であれば、設計条件に応じて任意に設定することができる。
P/2としたのは、少なくとも中心線L1、L2、L3、L4からP/2だけの幅を有していれば、最外周の電極4の端部まで覆うことができることを考慮したものである。すなわち、投影領域X2の外周縁を覆うことができ、応力集中が発生する箇所をはんだ接合部の外側に移動させることができる。
【0047】
以上のような基板ユニット31は、実施例1の基板ユニット1と同様の効果を発揮することができる。すなわち、基板ユニット31は、樹脂塗布部32を有しているので必要な強度を確保することができる。また、樹脂塗布部32の厚みを調節することで強度の調節も可能である。さらに、応力集中が発生する箇所をコントロールすることができる。
【0048】
また、基板ユニット31では、半導体装置2を回路基板3から取り外すことが容易であり、取り外した半導体装置2の再利用が可能となる。また、回路基板3が再生可能となり、回路基板3に新たな半導体装置を搭載することができる。
【0049】
このような基板ユニット31は、種々の電子機器、情報処理装置が備える筐体に搭載されて使用される点も実施例1の基板ユニット1と同様である。
【0050】
また、樹脂塗布部5を形成する樹脂として、紫外線硬化性の樹脂を用いることができる点も、実施例1と同様である。
【0051】
基板ユニット31は、内周部33に樹脂が塗布されていないので、回路基板3が熱を帯び、膨張する際にその膨張が妨げられることがなく、熱応力の発生を抑制する効果も得ることができる。
【0052】
さらに、基板ユニット31は、実施例1の基板ユニット1と比較して使用する樹脂の量を抑制することができる。
【実施例4】
【0053】
次に、実施例4につき、図9を参照しつつ説明する。図10は、実施例4の基板ユニット41の概略構成を模式的に示した説明図である。図10(A)は、基板ユニット41を正面から観た説明図であり、図10(B)は、回路基板3の第2面3b側から観た説明図である。
【0054】
基板ユニット41は、の4個の樹脂塗布部42a、42b、42c、42dを有している。樹脂塗布部42a、42b、42c、42dは、矩形に配列された電極4のうち、矩形の各々の角に位置する頂点電極である電極411、419、491、499を第2面3bに投影させた領域毎に当該領域を覆うように設けられている。
【0055】
図10に示した例では、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dは、それぞれ3個の電極4を含む領域を覆うように設けられている。すなわち、樹脂塗布部42aは、電極411、412、421を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42bは、電極419、418、429を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42cは、電極491、481、492を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42dは、電極499、489、498を投影させた領域を覆うように設けられている。
【0056】
このような樹脂塗布部42a、42b、42c、42dは、少なくとも以下の条件を満たしていることが望ましい。
樹脂塗布部42aについていえば、その内周辺42a1は図2に示した中心線L1、L2と一致させるか、これよりも内側に位置させる。そして外周辺42a2の位置は、それぞれ中心線L1、L2よりも距離αだけ外側に位置させる。
【0057】
同様に、樹脂塗布部42bについていえば、その内周辺42b1は図2に示した中心線L2、L3と一致させるか、これよりも内側に位置させる。そして外周辺42b2の位置は、それぞれ中心線L2、L3よりも距離αだけ外側に位置させる。
【0058】
樹脂塗布部42cについていえば、その内周辺42c1は図2に示した中心線L1、L4と一致させるか、これよりも内側に位置させる。そして外周辺42c2の位置は、それぞれ中心線L1、L4よりも距離αだけ外側に位置させる。
【0059】
そして、樹脂塗布部42dについていえば、その内周辺42d1は図2に示した中心線L3、L4と一致させるか、これよりも内側に位置させる。そして外周辺42d2の位置は、それぞれ中心線L3、L4よりも距離αだけ外側に位置させる。
【0060】
ここで、距離αは、電極4間の距離Pの1/2(以下、P/2という)よりも大きい値であれば、設計条件に応じて任意に設定することができる。
P/2としたのは、少なくとも中心線L1、L2、L3、L4からP/2だけの幅を有していれば、最外周の電極4の端部まで覆うことができることを考慮したものである。これにより、応力集中が発生する箇所をはんだ接合部の外側に移動させることができる。
【0061】
従って、上記の条件を満たすものであれば、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dの寸法、配置は種々変更することができる。図11は、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dの他の例を示す説明図である。図11に示すように、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dはそれぞれ1個の電極4を投影させた領域を覆うように設けることもできる。図11に示した例では、樹脂塗布部42aは、電極411を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42bは、電極419を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42cは、電極491を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42dは、電極499を投影させた領域を覆うように設けられている。このように、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dの寸法、形状、配置は必要に応じて種々変更することができる。
【0062】
このような基板ユニット41は、基板ユニット1と同様の効果を得ることができる。ただし、樹脂塗布部の寸法、配置によっては基板ユニットが備える強度の特性、すなわち、最大強度や、応力集中が生じる箇所が異なってくる。このため、基板ユニットは、その求められる強度、その他の設計条件に応じて、上記実施例で示すような種々の樹脂塗布部を採用することができる。また、その寸法、形状、配置も適宜選択することができる。
【0063】
また、回路基板3から半導体装置2を容易に取り外すことができ、取り外した半導体装置2の再利用が可能である点も、実施例1の場合と同様である。
【0064】
以上、説明したように、基板ユニットは、その求められる特性に応じて種々の樹脂塗布部を備えることができる。
例えば、図12、図13に示す基板ユニット51のように、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dで囲まれた領域に、さらに、樹脂塗布部42e、42fを設けることができる。図示された樹脂塗布部42e、42fは、一例であり、半導体装置2の縦方向、横方向それぞれの中心線に対して線対称に配置された一群の樹脂塗布部である。これらの樹脂塗布部42e、42fは、寸法、形状、配置は種々変更することができる。また、樹脂塗布部42e、42fは塗布される樹脂の物性を適宜変更することができる。例えば、外力に対する強度を考慮した樹脂の選定を行うことができる。また、例えば、基板ユニット51の熱劣化を考慮し、この熱劣化を抑制することができる樹脂を選定して塗布することができる。このように樹脂塗布部42e、42fは樹脂塗布部42a、42b、42c、42dとは異なる樹脂を用いて形成することができる。
【実施例5】
【0065】
次に実施例5について、図14を参照しつつ説明する。図14は、実施例5の基板ユニット60、61における応力の緩和の様子を示す説明図である。図14(A)は、回路基板3にBGAで二つの半導体装置2を接合したのみで、何らの補強もされていない基板ユニット200をステー10に両持ち梁状に取り付けた状態を示している。図14(B)は、回路基板3にBGAで二つの半導体基板2を接合し、二つの半導体装置2の縁部を覆うように樹脂塗布部15を設けた基板ユニット60をステー10に両持ち梁状に取り付けた状態を示している。図14(C)は、回路基板3にBGAで二つの半導体基板2を接合し、二つの半導体装置2の縁部を覆い、さらに厚みを変化させた樹脂塗布部25を設けた基板ユニット61をステー10に両持ち梁状に取り付けた状態を示している。図14(D)は、これらの基板ユニット200、60、61に外力を作用させたときに応力集中が生じる箇所を示している。
【0066】
図14(A)に示す基板ユニット200では、はんだ接合部の端部、すなわち図2に示す領域X1の外周縁に沿って応力集中が発生している。また、その応力の値も大きい。
【0067】
これに対し、図14(B)に示す基板ユニット60では、応力集中が発生している位置は、はんだ接合部の端部よりも内側に移動し、応力の値も低下している。このように応力の値が低下すれば、基板ユニット60の破損のおそれを低減することができる。応力集中が発生する位置をはんだ接合部の端部よりも内側に移動させたことにより、はんだ接合部の端部における剥離、破損を抑制することができる。はんだ接合部の端部よりも内側は、電極4が密集し、また、半導体基板2とも重なるようになるので、この点でも、強度上有利である。
【0068】
また、図14(C)に示す基板ユニット61では、樹脂塗布部25の厚みを適宜変更することで、応力の値を低下させるとともに、応力集中が発生する位置を移動させることができている。このように、応力の値を低下させるとともに、応力集中が発生する箇所をコントロールすることによって基板ユニット61の破損のおそれを低減することができる。
【0069】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。例えば、半導体装置の形状、電極の配列は、いずれも矩形に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、実施例1の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図1(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図1(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図2】図2は、半導体装置が有する電極の配列を示す説明図である。
【図3】図3は、基板ユニットの製造方法の工程図である。
【図4】図4は、基板ユニットの応力状態を示す説明図である。
【図5】図5は、繰り返し曲げ試験の説明図である。
【図6】図6は、ひずみ試験の説明図である。
【図7】図7は、ひずみ試験の結果を示すグラフである。
【図8】図8は、実施例2の基板ユニットの説明図であり、図8(A)は、基板ユニットの製造工程の一部を示す説明図、図8(B)は、図8(A)におけるA−A線断面図である。
【図9】図9は、実施例3の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図9(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図9(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図10】図10は、実施例4の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図10(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図10(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図11】図11は、他の実施例の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図11(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図11(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図12】図12は、さらに他の実施例の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図12(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図12(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図13】図13は、さらに他の実施例の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図13(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図13(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図14】図14は、実施例5の基板ユニットにおける応力の緩和の様子を示す説明図である。
【図15】図15は、基板ユニットが搭載される筐体を有するサーバの外観図である。
【図16】図16は、基板ユニットが搭載される筐体を有する携帯電話機の外観図である。
【図17】図17は、基板ユニットが搭載される筐体を有するパーソナルコンピュータの外観図である。
【符号の説明】
【0071】
1,21,31,41,51,60,61…基板ユニット
2…半導体装置 3…回路基板
3a…回路基板の第1面 3b…回路基板の第2面
4…電極
5,15,22,25,32,42a,42b,42c,42d…樹脂塗布部
5a…内周部 5b…内周部
X2…投影領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板ユニット、情報処理装置及び基板ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板への電子部品、例えば、半導体装置の実装手段としてBall Grid Array(BGA)が用いられることがある。BGAにより電子部品が実装された基板に外力が加わると、電子部品のはんだ接合部に応力が生じる。この結果、はんだ接合部の破断や、パッド剥離が生じることがある。
このようなはんだ接合部の破断や、パッド剥離を抑制するために電子部品とプリント基板との間に樹脂を流し込むアンダーフィル塗布が施されることがある。
また、アンダーフィル塗布を施した基板に、電子部品実装後の構造上の信頼性確保することを目的としたさらなる加工を施した構造も知られている。例えば、実装基板の裏面にLarge Scale Integration(LSI)と同等の外形、所要厚さのスチフナを、表側で使用したアンダーフィル材と同じ効果の接着剤を用いて固定したLSI実装基板の構造が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−265967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しなしながら、アンダーフィル塗布は、以下のような不都合を伴う。すなわち、アンダーフィル塗布後は、基板に実装した電子部品の交換が困難となる。電子機器の出荷前、電子機器の電気試験が行われる。この電気試験は、アンダーフィル塗布後の部品交換が困難であることを考慮すると、アンダーフィル塗布前に行わなければならない。仮に、電気試験前にアンダーフィル塗布を行い、電気試験に合格することができなかった基板が存在すると、その基板は、廃棄せざるを得ない。
【0005】
また、実装基板の裏面にスチフナを接着する構造は、製造時に、アンダーフィル塗布工程以外に、所望の形状のスチフナを素材から切り出して準備する工程、切り出したスチフナを基板の裏面に接着する工程を必要とし、手間である。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。その目的は、電子部品を容易に脱着することができ、しかも、電子部品のはんだ接合部に生じる応力を緩和することができる基板ユニット、情報処理装置及び基板ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本明細書開示の基板ユニットは、所定の形状に配列された複数の電極を有する電子部品と、当該電子部品が搭載され前記電極が接合される第1面と、当該第1面の裏面となる第2面とを有する回路基板とを有する。そして、前記所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域に対応させて前記第2面側に設けられた樹脂塗布部を有する。
【0008】
本明細書開示の基板ユニットは、回路基板から電子部品の脱着を容易に行うことができる。また、樹脂塗布部により、電子部品と回路基板との接合部が補強され、当該箇所の応力を緩和することができる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書開示の基板ユニットは、電子部品を容易に脱着することができ、しかも、電子部品のはんだ接合部に生じる応力を緩和することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されている場合もある。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1の基板ユニット1の概略構成を模式的に示した説明図である。図1(A)は、基板ユニット1を正面から観た説明図であり、図1(B)は、回路基板3の第2面3b側から観た説明図である。
基板ユニット1は、電子部品の一例である半導体装置2を有している。半導体装置2の形状は、矩形である。また、基板ユニット1は、半導体装置2が搭載される回路基板3を有している。回路基板3の材料は、ガラス布基材エポキシ樹脂などの樹脂ベース素材基板に金属配線板層を有するものを用いた。なお、金属配線板層が多層のものを用いてもよい。
半導体装置2は、矩形に配列された複数の電極4を有している。回路基板3は、その第1面3aに半導体装置2が搭載され、当該半導体装置2がBall Grid Array(BGA)によって接合される。
ここで、半導体装置2が有する電極4の配列について図2を参照しつつ説明する。電極4は、全体として正方形をなすように配列されている。実施例1の半導体装置2は、9行×9列の計81個の電極4を有している。ここで、以下の説明を容易にするため、各電極4には、以下の要領で参照番号を振ることとする。例えば、1行1列目の電極4には、参照番号411が振られている。1行2列目の電極4には、参照番号412が振られている。9行9列目の電極4には、参照番号499が振られている。
これらの電極4が回路基板3の第1面3aにそれぞれはんだ接合され、それぞれはんだ接合部を形成する。
【0012】
回路基板3は、第1面3aの裏面となる第2面側に前記のような電極4の矩形の配列に対応させて設けられた樹脂塗布部5を有している。樹脂塗布部5は、熱硬化性の樹脂を第2面3bに塗布し、これに熱を加えて硬化させることによって形成されている。
【0013】
このような樹脂塗布部5は、図1(B)に示すように電極4が配列されて形成された矩形を第2面3bに投影させた投影領域X2の外側まで覆うように設けられている。電極4は、前記のように9行×9列に配列されており、隣り合う電極4間の距離はPに設定されている。このような配列の最外周に位置する電極4、すなわち、電極411〜電極491、電極411〜電極419、電極419〜で電極499、電極491〜電極499の接線を結ぶことにより、領域X1が形成される。
投影領域X2は、この領域X1を回路基板3の第2面3bに投影させて形成される。このような投影領域X2の外側まで覆い、はんだ接合部よりも大きいエリアをカバーする樹脂塗布部5を有する基板ユニット1は、はんだ接合部に生じる応力を緩和することができる。
【0014】
次に、このような樹脂塗布部5を有する基板ユニット1の製造方法につき、図3を参照しつつ、説明する。
基板ユニット1の最初の製造工程として、まず、図3(A)、図3(B)に示すように電子部品に相当する半導体装置2が有する矩形に配列された複数の電極4を回路基板3の第1面3aにはんだで接合する。はんだ接合は、リフロー方式により行う。また、第2面3bに搭載する電子部品がある場合は、この段階で装着しておく。はんだに代えて通電性接着剤を用いることもできる。
そして、図3(C)に示すように第1面3aの裏面となる第2面3b側に電極4の配列に対応させて熱硬化性樹脂5cを印刷により塗布する。このとき、第2面3bへの樹脂の塗布は、樹脂塗布部5を形成すべき領域に対応する穴7aが設けられたシート材7を第2面3bに重ね合わせ、その穴7aに液状の樹脂を流し込むことによって行われる。なお、ディスペンサーを用いて熱硬化性樹脂5cを塗布してもよい。
次いで、熱硬化性樹脂に熱を付与して硬化させ、樹脂塗布部5を形成する。
このように、基板ユニット1は、別途、補強部材を切り出し等によって準備する必要がなく、第2面3bに樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させればよいため、その補強を容易に行うことができる。
【0015】
なお、樹脂の塗布は、ディスペンス、印刷、以外に、転写など種々の方法を採用することができる。また、シート状に形成された樹脂を準備して貼付し、その後、硬化させることもできる。樹脂の塗布は複数回に分けて行うことも可能である。また、樹脂塗布部5の形状は、投影領域X2を覆うことができるものであれば矩形以外の他の形状、例えば円形であってもよい。仮に、塗布領域内に他の電子部品が存在する場合は、その電子部品を避けて、または、含めて樹脂を塗布することもできる。
【0016】
また、実施例1の樹脂塗布部5は、熱硬化性の樹脂を採用しているが、紫外線硬化性の樹脂を用いることができる。その他、塗布時に液体状態となり、その後の処理によって硬化させることができる樹脂であって、所望の補強効果を得ることができるものであれば、採用することができる。
【0017】
実施例1の基板ユニット1における応力の緩和の様子を、図4を参照しつつ説明する。図4(A)は、回路基板3にBGAで半導体装置2を接合したのみで、何らの補強もされていない基板ユニット100をステー10に片持ち梁状に取り付けた状態を示している。図4(B)は、回路基板3にBGAで半導体基板2を接合し、回路基板3と半導体装置2との間にアンダーフィル151を施工した基板ユニット150をステー10に片持ち梁状に取り付けた状態を示している。そして、図4(C)は、実施例1の基板ユニット1をステー10に片持ち梁状に取り付けた状態を示している。図4(D)は、これらの基板ユニット1、100、150の端部に外力を作用させたときに応力集中が生じる箇所を示している。
【0018】
まず、図4(A)に示すように回路基板3にBGAで半導体装置2を接合したのみの基板ユニット100では、応力集中は、はんだ接合部に沿って、すなわち、図2に示す領域X1の外周縁に沿って発生している。このようにはんだ接合部の直近に応力集中が発生すると、はんだ接合部が破断したり、当該箇所にクラックが発生したりするおそれがある。
【0019】
次に、図4(B)に示すように回路基板3と半導体装置2との間にアンダーフィル151を施工した基板ユニット150では、アンダーフィル151の端部に応力集中が発生している。アンダーフィル151を施工すると、このように、応力集中が発生する箇所をはんだ接合部から移動させることができる。ただし、アンダーフィル151を施工すると、回路基板3から半導体装置2を取り外そうとするときに不都合がある。すなわち、アンダーフィル151は、配列された電極4間に入り込むので、この電極4の間に入り込んだアンダーフィル151を除去することが困難となる。この結果、半導体装置2の再利用が困難となる。
【0020】
実施例1の基板ユニット1は、応力集中が発生する箇所をはんだ接合部から移動させることができる。さらに、実施例1の基板ユニット1は、アンダーフィル151を施工した場合と異なり、半導体装置2の取り外しが容易である。すなわち、半導体装置2は回路基板3にはんだで接合されているのみであるので、このはんだを再び溶融することによって簡単に回路基板3から取り外すことができる。
【0021】
次に、このように応力集中が発生する位置をはんだ接合部の直近から移動させた基板ユニット1の強度試験の結果を示す。まず、図5に示すような繰り返し曲げ試験の結果を、図4(A)に示した基板ユニット100の試験結果と比較して説明する。
【0022】
繰り返し曲げ試験は、図5に示すように、支点11の間の距離、すなわち支点間距離を100mmにセットし、両支点11上に基板ユニット1、100を載置する。基板ユニット1は、基板ユニット100に対して樹脂塗布部5を備える点が異なるのみで、他の構成は基板ユニット100と共通している。
【0023】
基板ユニット1における、はんだ接合部の幅S1、すなわち、図2に示す領域X1の幅S1はS1=20.47mm、領域X1の幅S1よりも拡大された寸法S2は、S2=4.0mmとしている。さらに、樹脂塗布部5の平均厚さtは、t=0.5mmとしている。また、正方形をなす半導体装置2の一辺の長さwは、w=22mmである。さらに、回路基板の厚みTは、T=1.0mmである。また、電極4の間隔Pは、P=0.84mmである。
【0024】
以上のようにセットされた基板ユニット1、100の中心部を繰り返し押圧する。このとき、押し込み量は3mmとした。まず、基板ユニット100の試験結果を説明する。基板ユニット100では、2回押し込んだだけで破損、クラックの発生が観察されたものが存在した。そして、100回押し込み動作を行うと、試験を行った基板ユニット100の50%に破損、クラックの発生が観察された。さらに、累積300回押し込み動作を行うと試験を行った基板ユニット100の100%に破損、クラックの発生が観察された。
【0025】
一方、実施例1の基板ユニット1は、最も速く破損、クラックが発生したものであっても1363回の押し込み動作に耐えることができた。そして、100%の基板ユニット1に破損、クラックの発生が認められるまでには、5728回の押し込み動作を要した。
【0026】
このように、実施例1の基板ユニット1は、樹脂塗布部5を有さない基板ユニット100と比較して強度が大幅に向上している。
【0027】
次に、基板ユニット1の示すひずみ試験の結果について図6を参照しつつ説明する。試験結果は、図4(A)に示した基板ユニット100の試験結果と比較して説明する。試験は、図5に示す繰り返し曲げ試験と同様に基板ユニット1、100をセットし、その中心部を押し込んだときのひずみ量を比較した。ひずみゲージ12は、図6に示すように半導体装置2の端部から5mmの位置に装着した。
【0028】
図7に示すグラフから明らかなように、樹脂塗布部5を有する実施例1の基板ユニット1のひずみ量は、何らの補強も施されていない基板ユニット50のひずみ量と比較して低減されている。例えば、7mmの押し込み量で基板ユニット50のひずみ量は6649μεであったのに対し、基板ユニット1では、5739μεであり、およそ13%ひずみが低下した。
【0029】
この結果は、半導体装置2の端部から5mmの位置におけるものであるので、はんだ接合部の端部、すなわち、図2における領域X1の外周縁部にあっては、さらにひずみ低減の効果が大きいと推測される。
【0030】
このように、実施例1の基板ユニット1によれば、樹脂塗布部5を有しているので必要な強度を確保することができる。樹脂塗布部5の厚みを調節することで強度の調節も可能である。また、樹脂塗布部5の大きさ、例えば、図5や図6に示す寸法S2を調節することにより応力集中が発生する箇所をコントロールすることができる。このように応力集中が発生する箇所をコントロールすることができると、情報処理装置等の電子機器の構造設計において、基板ユニット1が組み込まれる筐体を含めた応力設計が可能となる。この結果、より効率的な構造を設計することが可能となる。
【0031】
さらに、前記のように基板ユニット1では、半導体装置2を回路基板3から取り外すことが容易であり、取り外した半導体装置2の再利用が可能となる。また、回路基板3が再生可能となり、回路基板3に新たな半導体装置を搭載することができる。
【0032】
このような基板ユニット1は、種々の電子機器、情報処理装置が備える筐体に搭載されて使用される。基板ユニット1は、例えば、図15に示すようなサーバ210が有する筐体211に搭載されて用いられる。また、図16に示すような携帯電話機220が有する筐体221に搭載されて用いられる。さらに、図17に示すようなパーソナルコンピュータ230が有する筐体231に搭載されて用いられる。
なお、これらの電子機器、情報処理装置は一例に過ぎず、基板ユニット1は、他の電子機器、情報処理装置が有する筐体に搭載することもできる。
【実施例2】
【0033】
次に、実施例2につき、図8を参照しつつ説明する。図8(A)は、実施例2の基板ユニット21の製造工程の一部を示す説明図、図8(B)は、図8(A)におけるA−A線断面図である。
実施例1の基板ユニット1と実施例2の基板ユニット21とが異なる点は、基板ユニット1の樹脂塗布部5が全面に亘って単一の樹脂で形成されているの対し、基板ユニット21の樹脂塗布部5は、外周部5aと内周部5bとで特性が異なる樹脂によって形成されている点である。
すなわち、実施例2の基板ユニット21の樹脂塗布部5は、外周部5aとこの外周部5aの内側に位置する内周部5bとを有している。そして、外周部5aは、硬化前の形状安定性が高い樹脂で形成され、内周部5bは、外周部を形成する樹脂よりも硬化前の形状安定性が低い樹脂で形成されている。
ここで、樹脂につき、硬化前の形状安定性の評価は、樹脂の粘度によって行う。樹脂の硬化前の形状安定性は、樹脂の塗布作業の効率に影響を与える。実施例2の外周部5aは、硬化前に50Pa・s以上の粘度を有する熱硬化性の樹脂を用いて形成されている。また、内周部5bは、30Pa・sの粘度を有する熱硬化性の樹脂を用いて形成されている。
【0034】
次に、このように外周部5aと内周部5bとを有する樹脂塗布部5を有する基板ユニット21の製造方法につき、説明する。基板ユニット21の製造方法と図3に示した実施例1の基板ユニット1の製造方法との相違点は、樹脂の塗布工程である。
なお、基板ユニット21は、樹脂塗布部5の構成以外、実施例1の基板ユニット1と異なる点はない。従って、共通する構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
基板ユニット1の最初の製造工程として、まず、図3(A)、図3(B)に示す工程と同様に電子部品に相当する半導体装置2が有する矩形に配列された複数の電極4を回路基板3の第1面3aにはんだで接合する。はんだ接合は、リフロー方式により行う。また、第2面3bに搭載する電子部品がある場合は、この段階で装着しておく。はんだに代えて通電性接着剤を用いることもできる。
そして、図8(A)(1)に示すように、第1面3aの裏面となる第2面3b側に電極4の配列に対応させて熱硬化性樹脂をディスペンサーにより塗布する。
具体的には、まず、粘度の高い熱硬化性樹脂を投影領域X2の外側に枠状に塗布する。この枠状に塗布された樹脂は、硬化後に樹脂塗布部5の外周部5aとなる部分である。ここで、枠状に塗布される樹脂には、前記のように硬化前の粘度が50Pa・s以上のものが用いられる。
枠状の樹脂を塗布した後は、図8(A)(2)に示すように枠状に塗布された熱硬化性樹脂よりも粘度の低い熱硬化性樹脂を枠状に塗布された樹脂の内側に塗布する。この部分は、硬化後に樹脂塗布部5の内周部5bとなる部分である。ここで、枠状に塗布された樹脂の内側に塗布される樹脂には、前記のように硬化前の粘度が30Pa・sのものが用いられる。
次いで、熱硬化性樹脂に熱を付与して硬化させ、図8(A)(3)に示すように外周部5a、内周部5bを有する樹脂塗布部5を形成する。
このように、基板ユニット1は、別途、補強部材を切り出し等によって準備する必要がなく、第2面3bに樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させればよいため、その補強を容易に行うことができる。
また、硬化前の粘度の高い熱硬化性樹脂を用いて枠状に形成しておくことにより、効率よく樹脂塗布部5を形成することができる。すなわち、粘度の高い熱硬化性樹脂は、保形性が良好で流れにくい。このような保形性が良好な樹脂により予め枠状の土手を作っておき、ここに粘度の低い熱硬化性樹脂を流し込めば、広範囲に亘る樹脂の塗布作業を効率よく行うことができる。
【0036】
なお、樹脂の塗布は、ディスペンス以外に、印刷、転写など種々の方法を採用することができる。また、シート状に形成された樹脂を準備して貼付し、その後、硬化させることもできる。また、樹脂塗布部5の形状は、投影領域X2を覆うことができるものであれば矩形以外の他の形状、例えば円形であってもよい。樹脂の塗布は複数回に分けて行うことも可能である。仮に、塗布領域内に他の電子部品が存在する場合は、その電子部品を避けて、または、含めて樹脂を塗布することもできる。これらの点は、実施例1の場合と同様である。
さらに、外周部5aの樹脂のみを塗布して硬化させ、その後、内周部5bの樹脂を塗布し、硬化させるようにしてもよい。
【0037】
実施例2の樹脂塗布部5が有する外周部5aと内周部5bは、樹脂の塗布作業の容易性を重視して二種類の樹脂を用いているが、さらに樹脂硬化後の特性を考慮した樹脂の選定を行うこともできる。
【0038】
すなわち、硬化後の特性として、外周部5aを形成する樹脂は強度が高いことを重視して選定されることが望ましい。すなわち、基板ユニット21が外力を受けたとき、外周部5a近傍で応力集中が発生するため、外周部5aはできるだけ高い強度を有していることが望ましい。一方、硬化後の特性として内周部5bを形成する樹脂は、柔軟性に富むことを重視して選定されることが望ましい。すなわち、基板ユニット21が熱を帯び、わずかながらも膨張するような場合、内周部5bが柔軟性を有し、基板ユニット21の膨張に対応することができれば都合がよい。
【0039】
外周部5a、内周部5bを形成する樹脂は、このような観点から選定されることもある。実施例2で重視した高い塗布作業の効率を維持しつつ、前記のような硬化後の特性を重視し、優先させた樹脂の選択を行うことが望ましいが、硬化後の特性のみを重視した樹脂の選択が行われることもある。
【0040】
以上のような基板ユニット21は、実施例1の基板ユニット1と同様の効果を発揮することができる。すなわち、基板ユニット21は、樹脂塗布部5を有しているので必要な強度を確保することができる。また、樹脂塗布部5の厚みを調節することで強度の調節も可能である。さらに、応力集中が発生する箇所をコントロールすることができる。
【0041】
また、基板ユニット21では、半導体装置2を回路基板3から取り外すことが容易であり、取り外した半導体装置2の再利用が可能となる。また、回路基板3が再生可能となり、回路基板3に新たな半導体装置を搭載することができる。
【0042】
このような基板ユニット21は、種々の電子機器、情報処理装置が備える筐体に搭載されて使用される点も実施例1の基板ユニット1と同様である。基板ユニット21は、例えば、図13に示すようなサーバ210が有する筐体211に搭載されて用いられる。また、図14に示すような携帯電話機220が有する筐体221に搭載されて用いられる。さらに、図17に示すようなパーソナルコンピュータ230が有する筐体231に搭載されて用いられる。
このように基板ユニット21は、種々の電子機器、情報処理装置が有する筐体に搭載することができる。
【0043】
また、樹脂塗布部5を形成する樹脂として、紫外線硬化性の樹脂を用いることができる点も、実施例1と同様である。
【実施例3】
【0044】
次に、実施例3につき、説明する。図9は、実施例3の基板ユニット31の概略構成を模式的に示した説明図である。図9(A)は、基板ユニット31を正面から観た説明図であり、図9(B)は、回路基板3の第2面3b側から観た説明図である。図9(C)は、図9(B)におけるB−B線断面図である。
実施例3の基板ユニット31は、実施例1の基板ユニット1と異なり、図9に示すような枠状の樹脂塗布部32を有している。枠状の樹脂塗布部32の内周部33には、樹脂の塗布はされていない。
このような樹脂塗布部32は、電極4の配列によって形成された矩形を回路基板3の第2面3bに投影させた投影領域X2の外周縁に沿って枠状に設けられており、投影領域X2の外周縁よりも外側まで覆うように設けられている。
【0045】
ここで、枠状の樹脂塗布部32の寸法、配置について図2を参照しつつ詳説する。まず、樹脂塗布部32の寸法を表現するための基準を示すために、領域X1の最外周に位置する電極411〜電極491の中心線をL1と規定する。同様に、電極411〜電極419の中心線をL2、電極419〜で電極499の中心線をL3、電極491〜電極499の中心線をL4と設定する。
【0046】
枠状の樹脂塗布部31の内周縁32aの位置は、それぞれ中心線L1、L2、L3、L4と一致させるか、これよりも内側に位置させる。
一方、枠状の樹脂塗布部32の外周縁32bの位置は、それぞれ中心線L1、L2、L3、L4よりも距離αだけ外側に位置させる。ここで、距離αは、電極4間の距離Pの1/2(以下、P/2という)よりも大きい値であれば、設計条件に応じて任意に設定することができる。
P/2としたのは、少なくとも中心線L1、L2、L3、L4からP/2だけの幅を有していれば、最外周の電極4の端部まで覆うことができることを考慮したものである。すなわち、投影領域X2の外周縁を覆うことができ、応力集中が発生する箇所をはんだ接合部の外側に移動させることができる。
【0047】
以上のような基板ユニット31は、実施例1の基板ユニット1と同様の効果を発揮することができる。すなわち、基板ユニット31は、樹脂塗布部32を有しているので必要な強度を確保することができる。また、樹脂塗布部32の厚みを調節することで強度の調節も可能である。さらに、応力集中が発生する箇所をコントロールすることができる。
【0048】
また、基板ユニット31では、半導体装置2を回路基板3から取り外すことが容易であり、取り外した半導体装置2の再利用が可能となる。また、回路基板3が再生可能となり、回路基板3に新たな半導体装置を搭載することができる。
【0049】
このような基板ユニット31は、種々の電子機器、情報処理装置が備える筐体に搭載されて使用される点も実施例1の基板ユニット1と同様である。
【0050】
また、樹脂塗布部5を形成する樹脂として、紫外線硬化性の樹脂を用いることができる点も、実施例1と同様である。
【0051】
基板ユニット31は、内周部33に樹脂が塗布されていないので、回路基板3が熱を帯び、膨張する際にその膨張が妨げられることがなく、熱応力の発生を抑制する効果も得ることができる。
【0052】
さらに、基板ユニット31は、実施例1の基板ユニット1と比較して使用する樹脂の量を抑制することができる。
【実施例4】
【0053】
次に、実施例4につき、図9を参照しつつ説明する。図10は、実施例4の基板ユニット41の概略構成を模式的に示した説明図である。図10(A)は、基板ユニット41を正面から観た説明図であり、図10(B)は、回路基板3の第2面3b側から観た説明図である。
【0054】
基板ユニット41は、の4個の樹脂塗布部42a、42b、42c、42dを有している。樹脂塗布部42a、42b、42c、42dは、矩形に配列された電極4のうち、矩形の各々の角に位置する頂点電極である電極411、419、491、499を第2面3bに投影させた領域毎に当該領域を覆うように設けられている。
【0055】
図10に示した例では、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dは、それぞれ3個の電極4を含む領域を覆うように設けられている。すなわち、樹脂塗布部42aは、電極411、412、421を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42bは、電極419、418、429を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42cは、電極491、481、492を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42dは、電極499、489、498を投影させた領域を覆うように設けられている。
【0056】
このような樹脂塗布部42a、42b、42c、42dは、少なくとも以下の条件を満たしていることが望ましい。
樹脂塗布部42aについていえば、その内周辺42a1は図2に示した中心線L1、L2と一致させるか、これよりも内側に位置させる。そして外周辺42a2の位置は、それぞれ中心線L1、L2よりも距離αだけ外側に位置させる。
【0057】
同様に、樹脂塗布部42bについていえば、その内周辺42b1は図2に示した中心線L2、L3と一致させるか、これよりも内側に位置させる。そして外周辺42b2の位置は、それぞれ中心線L2、L3よりも距離αだけ外側に位置させる。
【0058】
樹脂塗布部42cについていえば、その内周辺42c1は図2に示した中心線L1、L4と一致させるか、これよりも内側に位置させる。そして外周辺42c2の位置は、それぞれ中心線L1、L4よりも距離αだけ外側に位置させる。
【0059】
そして、樹脂塗布部42dについていえば、その内周辺42d1は図2に示した中心線L3、L4と一致させるか、これよりも内側に位置させる。そして外周辺42d2の位置は、それぞれ中心線L3、L4よりも距離αだけ外側に位置させる。
【0060】
ここで、距離αは、電極4間の距離Pの1/2(以下、P/2という)よりも大きい値であれば、設計条件に応じて任意に設定することができる。
P/2としたのは、少なくとも中心線L1、L2、L3、L4からP/2だけの幅を有していれば、最外周の電極4の端部まで覆うことができることを考慮したものである。これにより、応力集中が発生する箇所をはんだ接合部の外側に移動させることができる。
【0061】
従って、上記の条件を満たすものであれば、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dの寸法、配置は種々変更することができる。図11は、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dの他の例を示す説明図である。図11に示すように、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dはそれぞれ1個の電極4を投影させた領域を覆うように設けることもできる。図11に示した例では、樹脂塗布部42aは、電極411を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42bは、電極419を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42cは、電極491を投影させた領域を覆うように設けられている。樹脂塗布部42dは、電極499を投影させた領域を覆うように設けられている。このように、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dの寸法、形状、配置は必要に応じて種々変更することができる。
【0062】
このような基板ユニット41は、基板ユニット1と同様の効果を得ることができる。ただし、樹脂塗布部の寸法、配置によっては基板ユニットが備える強度の特性、すなわち、最大強度や、応力集中が生じる箇所が異なってくる。このため、基板ユニットは、その求められる強度、その他の設計条件に応じて、上記実施例で示すような種々の樹脂塗布部を採用することができる。また、その寸法、形状、配置も適宜選択することができる。
【0063】
また、回路基板3から半導体装置2を容易に取り外すことができ、取り外した半導体装置2の再利用が可能である点も、実施例1の場合と同様である。
【0064】
以上、説明したように、基板ユニットは、その求められる特性に応じて種々の樹脂塗布部を備えることができる。
例えば、図12、図13に示す基板ユニット51のように、樹脂塗布部42a、42b、42c、42dで囲まれた領域に、さらに、樹脂塗布部42e、42fを設けることができる。図示された樹脂塗布部42e、42fは、一例であり、半導体装置2の縦方向、横方向それぞれの中心線に対して線対称に配置された一群の樹脂塗布部である。これらの樹脂塗布部42e、42fは、寸法、形状、配置は種々変更することができる。また、樹脂塗布部42e、42fは塗布される樹脂の物性を適宜変更することができる。例えば、外力に対する強度を考慮した樹脂の選定を行うことができる。また、例えば、基板ユニット51の熱劣化を考慮し、この熱劣化を抑制することができる樹脂を選定して塗布することができる。このように樹脂塗布部42e、42fは樹脂塗布部42a、42b、42c、42dとは異なる樹脂を用いて形成することができる。
【実施例5】
【0065】
次に実施例5について、図14を参照しつつ説明する。図14は、実施例5の基板ユニット60、61における応力の緩和の様子を示す説明図である。図14(A)は、回路基板3にBGAで二つの半導体装置2を接合したのみで、何らの補強もされていない基板ユニット200をステー10に両持ち梁状に取り付けた状態を示している。図14(B)は、回路基板3にBGAで二つの半導体基板2を接合し、二つの半導体装置2の縁部を覆うように樹脂塗布部15を設けた基板ユニット60をステー10に両持ち梁状に取り付けた状態を示している。図14(C)は、回路基板3にBGAで二つの半導体基板2を接合し、二つの半導体装置2の縁部を覆い、さらに厚みを変化させた樹脂塗布部25を設けた基板ユニット61をステー10に両持ち梁状に取り付けた状態を示している。図14(D)は、これらの基板ユニット200、60、61に外力を作用させたときに応力集中が生じる箇所を示している。
【0066】
図14(A)に示す基板ユニット200では、はんだ接合部の端部、すなわち図2に示す領域X1の外周縁に沿って応力集中が発生している。また、その応力の値も大きい。
【0067】
これに対し、図14(B)に示す基板ユニット60では、応力集中が発生している位置は、はんだ接合部の端部よりも内側に移動し、応力の値も低下している。このように応力の値が低下すれば、基板ユニット60の破損のおそれを低減することができる。応力集中が発生する位置をはんだ接合部の端部よりも内側に移動させたことにより、はんだ接合部の端部における剥離、破損を抑制することができる。はんだ接合部の端部よりも内側は、電極4が密集し、また、半導体基板2とも重なるようになるので、この点でも、強度上有利である。
【0068】
また、図14(C)に示す基板ユニット61では、樹脂塗布部25の厚みを適宜変更することで、応力の値を低下させるとともに、応力集中が発生する位置を移動させることができている。このように、応力の値を低下させるとともに、応力集中が発生する箇所をコントロールすることによって基板ユニット61の破損のおそれを低減することができる。
【0069】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。例えば、半導体装置の形状、電極の配列は、いずれも矩形に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、実施例1の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図1(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図1(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図2】図2は、半導体装置が有する電極の配列を示す説明図である。
【図3】図3は、基板ユニットの製造方法の工程図である。
【図4】図4は、基板ユニットの応力状態を示す説明図である。
【図5】図5は、繰り返し曲げ試験の説明図である。
【図6】図6は、ひずみ試験の説明図である。
【図7】図7は、ひずみ試験の結果を示すグラフである。
【図8】図8は、実施例2の基板ユニットの説明図であり、図8(A)は、基板ユニットの製造工程の一部を示す説明図、図8(B)は、図8(A)におけるA−A線断面図である。
【図9】図9は、実施例3の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図9(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図9(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図10】図10は、実施例4の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図10(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図10(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図11】図11は、他の実施例の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図11(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図11(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図12】図12は、さらに他の実施例の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図12(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図12(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図13】図13は、さらに他の実施例の基板ユニットの概略構成を模式的に示した説明図であり、図13(A)は、基板ユニットを正面から観た説明図であり、図13(B)は、回路基板の第2面側から観た説明図である。
【図14】図14は、実施例5の基板ユニットにおける応力の緩和の様子を示す説明図である。
【図15】図15は、基板ユニットが搭載される筐体を有するサーバの外観図である。
【図16】図16は、基板ユニットが搭載される筐体を有する携帯電話機の外観図である。
【図17】図17は、基板ユニットが搭載される筐体を有するパーソナルコンピュータの外観図である。
【符号の説明】
【0071】
1,21,31,41,51,60,61…基板ユニット
2…半導体装置 3…回路基板
3a…回路基板の第1面 3b…回路基板の第2面
4…電極
5,15,22,25,32,42a,42b,42c,42d…樹脂塗布部
5a…内周部 5b…内周部
X2…投影領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状に配列された複数の電極を有する電子部品と、
当該電子部品が搭載され前記電極が接合される第1面と、当該第1面の裏面となる第2面とを有する回路基板と、
前記所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域に対応させて前記第2面側に設けられた樹脂塗布部と、
を有することを特徴とした基板ユニット。
【請求項2】
前記樹脂塗布部は、前記電極の配列によって形成された所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域の外側まで覆うように設けられたことを特徴とした請求項1記載の基板ユニット。
【請求項3】
前記樹脂塗布部は、外周部と当該外周部の内側に位置する内周部とを有し、
前記外周部は、硬化前の形状安定性が高い樹脂で形成され、
前記内周部は、前記外周部を形成する樹脂よりも硬化前の形状安定性が低い樹脂で形成されたことを特徴とした請求項1又は2記載の基板ユニット。
【請求項4】
前記樹脂塗布部は、前記電極の配列によって形成された所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域の外周縁に沿って枠状に設けられ、当該枠状に設けられた樹脂塗布部は、投影領域の外周縁よりも外側まで覆うことを特徴とした請求項1記載の基板ユニット。
【請求項5】
前記樹脂塗布部は、矩形に配列された電極のうち、当該矩形の各々の角に位置する頂点電極を前記第2面に投影させた領域毎に当該領域を覆うように設けられたことを特徴とした請求項1記載の基板ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項記載の基板ユニットと、
当該基板ユニットを搭載する筐体とを有することを特徴とした情報処理装置。
【請求項7】
電子部品が有する所定の形状に配列された複数の電極を回路基板の第1面にはんだ又は通電性接着剤で接合し、
前記第1面の裏面となる第2面側に前記電極の配列に対応させて硬化性樹脂を塗布し、
当該硬化性樹脂を硬化させて樹脂塗布部を形成することを特徴とした基板ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記硬化性樹脂を塗布する際に、粘度の高い硬化性樹脂を前記電極が配列されて形成された所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域の外側に枠状に塗布し、
当該枠状に塗布された硬化性樹脂よりも粘度の低い硬化性樹脂を前記枠状に塗布された樹脂の内側に塗布することを特徴とした請求項7記載の基板ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記硬化性樹脂は、熱硬化性又は紫外線硬化性を有することを特徴とした請求項7又は8記載の基板ユニットの製造方法。
【請求項1】
所定の形状に配列された複数の電極を有する電子部品と、
当該電子部品が搭載され前記電極が接合される第1面と、当該第1面の裏面となる第2面とを有する回路基板と、
前記所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域に対応させて前記第2面側に設けられた樹脂塗布部と、
を有することを特徴とした基板ユニット。
【請求項2】
前記樹脂塗布部は、前記電極の配列によって形成された所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域の外側まで覆うように設けられたことを特徴とした請求項1記載の基板ユニット。
【請求項3】
前記樹脂塗布部は、外周部と当該外周部の内側に位置する内周部とを有し、
前記外周部は、硬化前の形状安定性が高い樹脂で形成され、
前記内周部は、前記外周部を形成する樹脂よりも硬化前の形状安定性が低い樹脂で形成されたことを特徴とした請求項1又は2記載の基板ユニット。
【請求項4】
前記樹脂塗布部は、前記電極の配列によって形成された所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域の外周縁に沿って枠状に設けられ、当該枠状に設けられた樹脂塗布部は、投影領域の外周縁よりも外側まで覆うことを特徴とした請求項1記載の基板ユニット。
【請求項5】
前記樹脂塗布部は、矩形に配列された電極のうち、当該矩形の各々の角に位置する頂点電極を前記第2面に投影させた領域毎に当該領域を覆うように設けられたことを特徴とした請求項1記載の基板ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項記載の基板ユニットと、
当該基板ユニットを搭載する筐体とを有することを特徴とした情報処理装置。
【請求項7】
電子部品が有する所定の形状に配列された複数の電極を回路基板の第1面にはんだ又は通電性接着剤で接合し、
前記第1面の裏面となる第2面側に前記電極の配列に対応させて硬化性樹脂を塗布し、
当該硬化性樹脂を硬化させて樹脂塗布部を形成することを特徴とした基板ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記硬化性樹脂を塗布する際に、粘度の高い硬化性樹脂を前記電極が配列されて形成された所定の形状を前記第2面に投影させた投影領域の外側に枠状に塗布し、
当該枠状に塗布された硬化性樹脂よりも粘度の低い硬化性樹脂を前記枠状に塗布された樹脂の内側に塗布することを特徴とした請求項7記載の基板ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記硬化性樹脂は、熱硬化性又は紫外線硬化性を有することを特徴とした請求項7又は8記載の基板ユニットの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−103336(P2010−103336A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274017(P2008−274017)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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