説明

基板処理方法及び基板処理装置

【課題】液体処理後の乾燥時のパターン倒壊を抑制した基板処理方法及び基板処理装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、基板処理方法が提供される。前記基板処理方法は、少なくとも主面上に形成された構造体を有する基板を液体によって処理する工程を含む。前記基板処理方法は、前記液体で濡れた状態の前記構造体に溶液を接触させ、前記溶液を反応させる、前記溶液に含まれる溶媒の量を減少させる、及び、前記溶媒に溶かされた物質の少なくとも一部を析出させる、の少なくともいずれかにより前記溶液の少なくとも一部を固体に変化させて、前記構造体を支持する支持材を形成する工程をさらに含む。前記基板処理方法は、前記支持材を固相から気相に、液相を経ずに変化させて前記支持材を除去する工程をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板処理方法及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や微小電気機械素子(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)などの製造工程において、基板(被処理物)が液体で処理される。例えば、基板、積層膜またはレジスト膜などが液体処理などによりパターニング加工され、微細な構造体が基板上に形成される。また、基板に残存する不純物や残渣などが、液体を用いた洗浄により除去される。さらに、これらの工程が組み合わせて実施される。
【0003】
液体処理の後、その液体を除去する際に、液体の表面張力により基板上に形成されている微細な構造体が倒壊することがある。特に、パターンが微細化され、構造体のアスペクト比が高くなると、液体除去時のパターン倒壊が発生し易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−20637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、液体処理後の乾燥時のパターン倒壊を抑制した基板処理方法及び基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、基板処理方法が提供される。前記基板処理方法は、少なくとも主面上に形成された構造体を有する基板を液体によって処理する工程を含む。前記基板処理方法は、前記液体で濡れた状態の前記構造体に溶液を接触させ、前記溶液を反応させる、前記溶液に含まれる溶媒の量を減少させる、及び、前記溶媒に溶かされた物質の少なくとも一部を析出させる、の少なくともいずれかにより前記溶液の少なくとも一部を固体に変化させて、前記構造体を支持する支持材を形成する工程をさらに含む。前記基板処理方法は、前記支持材を固相から気相に、液相を経ずに変化させて前記支持材を除去する工程をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る基板処理方法を例示するフローチャート図である。
【図2】図2(a)〜図2(e)は、第1の実施形態に係る基板処理方法を例示する模式的断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(h)は、第1の実施形態に係る基板処理方法の一例を示す模式図である。
【図4】図4(a)〜図4(d)は、第1の実施形態に係る基板処理方法の具体例を例示する模式的断面図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る基板処理方法が応用される工程を例示する模式的断面図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係る基板処理方法が応用される別の工程を例示する模式的断面図である。
【図7】図7(a)〜図7(e)は、第1の実施形態に係る別の基板処理方法を例示する模式的断面図である。
【図8】図8(a)〜図8(e)は、第1の実施形態に係る別の基板処理方法を例示する模式的断面図である。
【図9】図9(a)〜図9(f)は、第1の実施形態に係る別の基板処理方法を例示する模式的断面図である。
【図10】第2の実施形態に係る基板処理装置を例示する模式的平面図である。
【図11】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図12】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図13】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図14】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図15】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図16】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図17】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図18】第2の実施形態に係る別の基板処理装置を例示する模式的平面図である。
【図19】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図20】第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。
【図21】第2の実施形態に係る別の基板処理装置を例示する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る基板処理方法を例示するフローチャート図である。
図2(a)〜図2(e)は、第1の実施形態に係る基板処理方法を例示する模式的断面図である。
【0010】
図1に表したように、本実施形態に係る基板処理方法は、基板を液体によって処理する工程(ステップS110)を備える。
【0011】
例えば、図2(a)に表したように、基板10は、基板10の主面10aに形成された構造体20を有する。この例では、複数の構造体20が設けられている。
【0012】
基板10には、シリコンなど各種の半導体基板、基体の上に設けられた絶縁層の上に形成された半導体層などを含む基板、及び、導電性基板及び絶縁性基板など任意の基板が用いられる。また、基板10には、基体と、基体の上に形成された種々の構造を有する層と、を含むことができる。
【0013】
構造体20は、例えば、基板10の主面10aが凹凸状に加工された部分である。または、構造体20は、例えば、被加工膜が加工されて形成された凹凸部である。または、構造体20は、基板10の上に、基板10とは別の材料により形成された構造物である。構造体20は、例えばパターニングされたレジストである。すなわち、構造体20は、有機樹脂を含む材料からなる。または、構造体20は、例えば、被加工膜の上にパターニング形成されたハードマスクである。例えば、構造体20は、無機物からなる。
【0014】
このように、構造体20は、有機物でも良く、無機物でもよく、これらの混合物でも良く、有機層と無機層との積層体でも良い。また、構造体20は、導電性でも良く、絶縁性でも良く、導電層と絶縁層との積層体でも良い。また、構造体20は、半導体層を含むことができる。また、半導体層と、他の層との積層膜を含むことができる。
【0015】
構造体20は、例えば、ラインアンドスペースのパターン(例えば溝)を有することができる。また、構造体20は、ホールまたはピラーなどのパターンを有することができる。
【0016】
このように、構造体20には、任意の材料と任意の形状の、凹凸を有する構造物を用いることができる。
【0017】
以下では、本実施形態に係る基板処理方法が、基板10の主面10a上に設けられた構造体20を液体により洗浄する場合に用いられる例として説明する。
すなわち、図2(a)に表したように、構造体20には、不純物、残渣、パーティクルなどの異物80が付着している。この異物80を除去するために、液体を用いた洗浄が行われる。
【0018】
図2(b)に表したように、基板10を液体30によって処理する。例えば、基板10の主面10aにスピンナにより液体30を付着させる。また、基板10を液体30中に浸す。基板10を液体30で処理する方法は任意である。基板10を液体30で処理することで、例えば、異物80が除去される。
【0019】
液体30には、例えば、水、水溶液、水溶性溶剤、無水溶剤、及び、それらの混合物などの任意の液状物質を用いることができる。液体30の例については、後述する。
【0020】
図1に表したように、液体30によって処理する工程(この例では、洗浄工程)の後に、支持材45を形成する。すなわち、本基板処理方法は、構造体20を支持する支持材45を形成する工程(ステップS120)をさらに含む。
【0021】
図2(c)に表したように、この工程では、液体30で濡れた状態の構造体20に溶液40を接触させる。
【0022】
溶液40は、例えば、溶媒と、溶媒中に溶かされた固体と、を含む。また、溶液40は、例えば、互いに反応する複数種の材料を含む。また、溶液40は、例えば、基板10の表面や基板10上の構造体20の表面と反応する材料を含む。
【0023】
図2(d)に表したように、溶液40の少なくとも一部を固体に変化させて、構造体20を支持する支持材45を形成する。溶液40を固体に変化させる際には、例えば、溶液40を反応させる、溶液40に含まれる溶媒の量を減少させる(例えば溶媒を揮発させる)、及び、溶液40に含まれる溶かされた物質の少なくとも一部を溶液40から析出させる(例えばめっき法など)などの方法を用いることができる。これにより、溶液40の少なくとも一部を固体に変化させて、この固体により支持材45が形成される。
【0024】
図1及び図2(e)に表したように、支持材45を除去する(ステップS130)。この際、支持材45を固相から気相に、液相を経ることなく変化させる。すなわち、構造体20を支持する支持材45を固相から気相に直接的に変化させる。これにより、液体による表面張力が構造体20に加わることがなく、構造体20の倒壊が抑制できる。
【0025】
このように、本実施形態によれば、液体処理後の乾燥時のパターン倒壊を抑制することができる。
【0026】
図3(a)〜図3(h)は、第1の実施形態に係る基板処理方法の一例を示す模式図である。
これらの図においては、見易いように、基板10に設けられる構造体20は省略されている。
【0027】
図3(a)に表したように、薬液31による処理を行う。薬液31は、例えば洗浄液や現像液やエッチング液などである。この後、図3(b)に表したように、例えば純水32によるリンスを行う。図3(c)に表したように、水溶性溶剤33により処理を行う。水溶性溶剤33として、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)が用いられる。図3(d)に表したように、無水溶剤34による処理を行う。無水溶剤34としては、例えば、この後に用いられる溶液40に含まれる溶媒が用いられる。または、無水溶剤34として、溶液40に含まれる溶媒と親和性が高い溶媒が用いられる。図3(a)〜図3(d)に関して説明した処理は、基板10を液体30によって処理する工程(ステップS110)に含まれる。
【0028】
図3(e)に表したように、支持材45となる溶液40を基板10(構造体20)と接触させる。さらに、例えば、溶液40に含まれる溶媒を揮発させたり、溶液40を反応さたりして硬化させる。または、溶液40にとかされた物質の少なくとも一部を析出させる。
【0029】
これにより、図3(f)に表したように支持材45が形成される。この工程が、支持材45を形成する工程(ステップS120)に含まれる。
【0030】
この後、図3(g)に表したように、支持材45を、例えば高温の窒素に接触させて、支持材45を固相から直接的に気相に変化させる。これにより、図3(h)に表したように、支持材45が除去される。すなわち、ステップS130が実施される。
【0031】
上記の水溶性溶剤33には、例えば、アルコール類、多価アルコール類、ピロリドン系溶剤などを用いることができる。具体的には、水溶性溶剤33には、メタノール、エタノール、IPA、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMA(N,N−ジメチルアセトアミド)及びDMSO(ジメチルスルホキシド)からなる群から選択された少なくともいずれかを含んだ溶剤を用いることができる。
【0032】
無水溶剤34は、水を実質的に含まない、有機物の液状物質である。無水溶剤34としては、水を実質的に含まない、アルコール類、多価アルコール類、ピロリドン系溶剤などを含んだ溶剤を用いることができる。具体的には、無水溶剤34には、水を実質的に含まない、メタノール、エタノール、IPA、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、NMP、DMF、DMA及びDMSOからなる群から選択された少なくともいずれかを含んだ溶剤を用いることができる。無水溶剤34には、例えば、支持材45となる溶液40に含まれる溶媒を含んだ溶剤などを用いることができる。例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、アルコール、エーテル、及び、これらの混合物を含んだ溶剤などを用いることができる。具体的には、メタノール、エタノール、IPA、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、NMP、DMF、DMA、DMSO、ヘキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGPE)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)、ガンマブチルラクトン(GBL)、アセチルアセトン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジブチルエーテル、ハイドロフルオロエーテル(HFE)(エチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテルなど)、m−キシレンヘキサフルオライドやこれらの混合液を含んだ溶剤などを用いることができる。
【0033】
支持材45は、例えば、メタクリル系樹脂材料、スチレン系樹脂材料、及び、フッ化炭素系材料(例えば、パーフルオロ基を有する材料)などの少なくともいずれかを含むことができる。また、支持材45には、レジスト材料を利用することもできる。この場合、レジスト材料は感光性を有していても、有していなくても良い。
【0034】
溶液40を固体に変化させること(支持材45の形成)は、例えば、溶液40に含まれる溶媒の量を減少させること(例えば揮発)を含む。また、溶液40を固体に変化させることは、溶液40に含まれる複数の材料を反応させて硬化させることを含む。また、溶液40に含まれる少なくとも一部の材料を析出させることを含む。この際、酸化還元反応などを利用しても良く、基板10や構造体20の表面と反応させても良い。
【0035】
例えば、溶液40を固体に変化させることは、加熱処理、減圧処理、及び、自然乾燥処理の少なくともいずれかを実施することを含む。これにより、溶媒の量の減少、及び、反応による硬化の少なくともいずれかが生じ、溶液40から容易に支持材45を形成することができる。
【0036】
また、例えば、溶液40を固体に変化させることは、加熱処理及び光照射処理などを実施することを含む。これにより、溶液40の反応が促進され硬化する。
【0037】
支持材45の除去には、加熱処理(例えば高温の不活性ガス(窒素を含む)による処理など)、紫外線照射、電子線照射、減圧処理、反応性ガス処理、プラズマやラジカルによるアッシング処理、及び、ドライエッチング処理などを用いることができる。このように、支持材45を固相から気相へ変化させることは、加熱処理、光照射処理、電子線照射処理、減圧処理、及び、支持材45と反応するガスを用いた処理、の少なくともいずれかを実施することを含む。
【0038】
このとき、支持材45は、昇華、分解、または、反応して、気相となる。すなわち、支持材45を固相から気相へ変化させることは、支持材45の昇華、分解、及び、反応の少なくともいずれかを行うことを含む。これにより、支持材45は、液相を経ることなく、固相から直接的に気相に変化する。
【0039】
一方、基板10を液体30(例えば水やIPAなど)によって処理した後に、その液体30を、スピンドライや蒸気乾燥などによって乾燥させると、液体30の表面張力が、構造体20に働き、パターン倒壊が発生する。
【0040】
これに対し、本実施形態においては、液体30による処理の後に、その液体30を溶液40で置換した後に、溶液40から支持材45を形成する。そして、その支持材45を、液相を経ることなく、固相から直接的に気相に変化させる。これにより、図2(e)に表したように、液体処理後の乾燥時のパターン倒壊を抑制することができる。
【0041】
なお、この例では、複数の構造体20が、基板10の主面10a上に配列している。このとき、支持材45は、構造体20が主面10aに対して傾くことを抑制する。例えば、支持材45は、複数の構造体20どうしの距離(主面10aに対して平行な軸に沿った距離)が変化することを抑制する。
【0042】
なお、参考例として、基板をリンス液などにより処理し、リンス液を凍結させ、その後、昇華(気相化)させることにより乾燥させる方法も考えられる。しかしながらこの場合は、リンス液を低温にして凍結させるため、そのための設備が非常に大がかりとなり、また、処理に要する時間が長い。このため、この方法は、生産性が低く、現実的には採用し難い。また、凍結時の体積変動による構造体20へのダメージの問題もある。
【0043】
また、液体を凍結させた後に気相化する方法においては、気相化する過程でその一部が液相となることがあり、工程の制御性が悪く、場合によっては、倒壊を十分に抑制することが困難である。特に、凍結させた後にトラブルなどが発生した場合には、凍結させたリンス液が液相に戻ってしまうことがあり、倒壊を抑制できない問題がある。
【0044】
これに対し、本実施形態においては、溶液40を固体に変化させる際には、溶液40を反応させる。または、溶液40に含まれる溶媒の量を減少させる(例えば溶液を揮発させる)。このため、温度を低温にする必要がなく、処理が簡単で、処理装置の構成も簡単である。そして、これにより形成される支持材45は、室温・大気圧下では固相であることが望ましい。この場合、支持材45形成後にトラブル等が発生しても、液相に戻ることがなく、倒壊を防止できる。その後、支持材45を、加熱処理、光照射処理、電子線照射処理、減圧処理、及び、反応性ガス処理などによって処理する。この処理では、支持材45が固相から気相に変化する際に液相を経ることがない。このため、プロセスの制御性が良く、また、簡便な装置により、液体が乾燥する過程を経ることなく、処理を終了させることができる。
【0045】
なお、本実施形態において、溶液40を固体に変化させる際に、高温(例えば、50℃〜200℃)にすることで、よりこの処理が短時間化できる。
【0046】
本実施形態において、支持材45は、メタクリル系樹脂材料、スチレン系樹脂材料及びフッ化炭素系材料(例えば、パーフルオロ基を有する材料)などの少なくともいずれかを用いることが好ましい。これらの材料は、加熱処理(例えば、200℃以上の処理)により重量が減少することが確認されており、加熱処理により固相から気相に容易に変化する。加熱処理は比較的簡単に実施できるため、装置構成が簡単となる。
【0047】
すなわち、支持材45を形成するための溶液40は、メタクリル系樹脂材料、スチレン系樹脂材料及びフッ化炭素系材料(例えば、パーフルオロ基を有する材料)などの少なくともいずれかと、溶媒と、を含むことが好ましい。この溶媒には、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、アルコール、エーテル、フッ素系溶剤、及び、これらの混合物などを含むことが好ましい。
【0048】
また、溶液40は、反応可能な組成物と、その反応を開始させる反応開始剤と、を含むことができる。この場合、溶液40は、溶剤を含まなくても良い。反応開始剤は、熱及び光などの刺激により、組成物の反応を開始させ、また促進する。反応可能な組成物には、例えば、熱硬化性または光硬化性の樹脂組成物などを用いることができる。
【0049】
また、支持体45を除去する際に構造体20のパターンを維持しやすいように、支持体45は、構造体20とは異なる性質の材料を用いることが好ましい。例えば、構造体20が無機物である場合は、支持体45として有機物を用いることができる。また、構造体20が有機物である場合は、支持体45として無機物を用いることができる。構造体20の性質と支持材45の性質とが異なれば、構造体20及び支持材45は、共に無機物であっても、共に有機物であっても良く、また、共に無機物と有機物との混合物であっても良い。また、支持体45の耐熱性(例えば高温での重量変化率など)は、構造体20の耐熱性よりも低いことが好ましい。また、支持体45の除去においてエッチャント(蒸気状またはガス状など任意の反応性ガス)を用いる場合は、そのエッチャントに対する支持体45のエッチングレートは、構造体20のエッチングレートよりも高い。
【0050】
本実施形態において、基板10を液体30によって処理する工程は、基板10を、アルコール(例えばIPA)を含む液体で処理することを含むことが望ましい。基板10を水で処理した後に、アルコールで処理することにより、水をアルコールで置換し、この後の溶液40による処理が均一に行われる。
【0051】
具体的には、図3(a)〜図3(h)に関して説明したように、基板10を液体30によって処理する工程は、基板10を水溶性溶剤33(例えばアルコールなど)で処理する工程(図3(c)に例示した工程)と、水溶性溶剤33で処理された基板10を、無水溶剤34(水を実質的に含まない溶剤)で処理する工程(図3(d)に例示した工程)と、を含むことが望ましい。支持材45となる溶液40には、水を含まない有機溶剤が用いられる場合が多い。水との置換が容易な水溶性溶剤33での処理の後に、水を含まない無水溶剤34で処理することで、水溶性溶剤33から、溶液40への置換が円滑に行われ、基板10の表面は均一に溶液40で覆われる。これにより、均一な処理が実施できる。また、溶液40が水を含むような場合には、液体30によって処理する工程は、水溶性溶剤33や無水溶剤34で処理する工程を含まなくても良い。
【0052】
図4(a)〜図4(d)は、第1の実施形態に係る基板処理方法の具体例を例示する模式的断面図である。
図4(a)に表したように、支持材45は、構造体20の実質的に全てを埋め込んでいる。すなわち、支持材45の厚さ(高さ)は、構造体20の高さよりも厚く、支持材45の上面は実質的に平坦である。このように、構造体20は、支持材45に埋め込まれることができる。これにより、支持材45によって構造体20を強固に支持でき、パターン倒壊の抑制がより確実になる。
【0053】
図4(b)に表したように、複数の構造体20どうしの間の支持材45の一部に空隙45vが形成されている。このように、支持材45を形成する工程においては、複数の構造体20どうしの間に空隙45vを残すように支持材45を形成することができる。
【0054】
また、図4(c)に表したように、支持材45の上面の一部または全部に凹部45dが形成されている。
このように、空隙45vや凹部45dが形成されるように、支持材45を形成することで、支持材45が除去されやすくなり、生産性が向上できる。
【0055】
図4(d)に表したように、支持材45は、複数の構造体20のそれぞれの側面及び上面に沿った薄膜状に形成されている。さらに、支持材45は、複数の構造体20どうしの間の基板10の表面上にも形成されている。この場合、支持材45の厚さが薄いため、支持材45が除去され易くなり生産性が向上する。なお、この例では、支持材45は、構造体20の側面及び上面の全体を覆っているが、実施形態はこれに限らない。例えば、支持材45は、構造体20の側面の一部に設けられ、それにより、構造体20の倒壊が抑制できれば良い。
【0056】
図4(a)〜図4(d)に表したように、支持材45は、構造体20の少なくとも一部を覆う。これにより、構造体20の強度が増し、パターン倒壊を抑制することができる。
【0057】
そして、図4(b)に表したように、空隙45vが部分的に形成されていてもパターン倒壊が抑制できる。また、図4(c)に表したように、支持材45の上面に凹部45dが形成されていてもパターン倒壊が抑制できる。また、支持剤45が構造体20を埋め込むのではなく、図4(d)に表したように、支持材45が構造体20の側面上に形成されることでも、構造体20を補強することができる。これにより、パターン倒壊が抑制できる。
【0058】
なお、図4(d)に例示したように、支持材45を構造体20の側面上に形成する場合、支持材45として、所望の液体に対して濡れ性が低い(その液体との接触角が高い)材料を用いることが好ましい。このとき、支持材45を気相化させて除去する前に、構造体20の側面に支持材45が形成された基板10に対して、所望の液体による処理を付加しても良く、その液体を乾燥させる時のパターン倒壊をより効果的に抑制できる。
【0059】
例えば、所望の溶剤に対する接触角が高い支持材45を用いることで、その溶剤を基板10上から乾燥させる際にパターン倒壊が抑制できる。さらに具体的には、支持材45として、メタノール、エタノール及びIPAなどのアルコールや水に対して接触角の高い材料を用いると、基板10をアルコールや水から乾燥させる際のパターン倒壊が抑制できる。
【0060】
撥アルコール処理液による処理により、基板10の表面のアルコールに対する接触角は高くなり、表面は、アルコールをはじくようになる。撥アルコール処理液としては、例えば、フッ化炭素系材料(例えば、パーフルオロ基を有する材料)などを用いることができる。
【0061】
ここで、支持材45を形成する際には、支持材45を形成するための溶液40を完全に乾燥させないことが望ましい。例えば、溶液40を基板上で冷却することにより、溶かされた支持材45を溶液中で析出させることができる。また、例えば、基板上で溶液40中の溶媒の一部を揮発させて(例えば、基板を加熱するなど)、溶かされた支持材45の濃度を高くすることで析出させることができる。また、例えば、基板10及び構造体20の少なくともどちらかの表面との化学的結合(例えば、シランカップリング反応など)、または、物理的吸着(例えば、界面活性剤を吸着させるなど)などにより、表面に有機官能基を形成し、形成した有機官能基をフッ化炭素を有した官能基で置換する、または、形成した有機官能基にフッ化炭素を有した官能基を付加させることで、支持材45を形成することができる。なお、形成する有機官能基自身が、フッ化炭素を有した官能基(例えば、パーフルオロ基など)であってもよい。
【0062】
この後、基板10をアルコール(例えばIPA)により処理し、例えばスピンドライなどの方法で、アルコールを除去して、基板10を乾燥させる。これにより、液体処理後の乾燥時のパターン倒壊を抑制しつつ、アルコールからの乾燥時に、乾きムラなどの跡(例えばウオーターマークなど)が発生することを抑制できる。
【0063】
このように、この方法においては、主面10a上に形成された構造体20を有する基板10を、水を含む液体によって処理する(第1処理)。そして、第1処理が行われた基板10に対し、処理液によって表面が改質された層を形成し、水よりも表面張力が低い液体(例えばアルコール)をはじかせるようにする処理を行う(第2処理)。さらに、第2処理の後に、水よりも表面張力が低い液体(例えばアルコール)により、基板10を処理する(第3処理)。その後、乾燥させる。
【0064】
この方法では、上記の、水よりも表面張力が低い液体は、水溶性溶剤(例えばアルコール)であることが望ましい。これにより、水を含む液体による第1処理後に、水よりも表面張力が低い液体で容易に置換ができ、ムラの発生がより抑制できる。
【0065】
具体的には、上記の、水よりも表面張力が低い液体は、アルコール類、多価アルコール類及びピロリドン系溶剤の少なくともいずれかを用いることが好ましい。これにより、種々の工程におけるプロセス親和性が高まり、安定した均一な処理を生産性良く行うことができる。
【0066】
撥アルコール処理液によって表面が改質された層は、気相状態で除去することができる。この除去には、例えば、加熱処理やプラズマ処理やアッシングや紫外線照射や電子線照射などを用いることができる。また、基板10の乾燥の後に実施される次の工程中に、撥アルコール処理液によって表面が改質された層が自動的に除去されても良い。
【0067】
なお、撥アルコール処理液によって表面が改質された層を形成した場合、溶媒の揮発や硬化させる反応による処理液の固体への変化を経ることなく、アルコールなどの液体による処理を行い、その後その液体を乾燥させても良い。すなわち、撥アルコール処理液を基板10上でアルコールなどの所望の液体に直接置換した場合であっても、構造体20の側面にアルコールなどをはじく表面が改質された層が形成されているので、パターン倒壊を抑制しながらアルコールなどの液体を乾燥させることができる。
【0068】
図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態に係る基板処理方法が応用される工程を例示する模式的断面図である。
これらの図は、基板10に設けられる構造体20を例示している。図5(a)は、構造体20を形成するための加工前の状態を示し、図5(b)は、加工後の状態を示している。これらの図は、NAND型フラッシュメモリ装置のメモリセル領域に形成される素子分離構造の加工を例示している。
【0069】
図5(a)に表したように、シリコン基板101(半導体基板)の上に、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜102が設けられている。その上に、浮遊ゲート電極となる多結晶シリコン膜103が設けられている。さらに、多結晶シリコン膜103の上にシリコン窒化膜104が設けられている。
【0070】
このような積層体の上に、例えば、所定の形状を有するレジストマスク(図示しない)を形成する。レジストマスクは、例えば、ラインアンドスペースの帯状の形状を有する。このレジストマスクをマスクとして用い、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)により、シリコン窒化膜104を加工する。この加工されたシリコン窒化膜104をマスクとして用い、多結晶シリコン膜103と、ゲート絶縁膜102と、シリコン基板101の一部と、を加工する。
【0071】
これにより、図5(b)に表したように、積層体にトレンチ106が形成される。これにより、シリコン基板101の表層部が、分離され、活性領域となる部分105が形成される。これにより、トレンチ106で分離された帯状の構造体20が形成される。なお、シリコン基板101が基板10に対応する。
【0072】
構造体20の幅(複数の構造体20どうしが対向する方向における構造体20のそれぞれの幅)は、例えば、10ナノメートル(nm)以上、50nm以下である。具体的には、例えば、約30nmである。構造体20のアスペクト比は、例えば、5以上30以下である。具体的には、約8である。構造体20の幅が30nmで、アスペクト比が8である場合は、構造体20の高さは、240nmとなる。
なお、この例では、トレンチ106の側壁に残渣107が存在している。
【0073】
本実施形態に係る基板処理方法は、例えば、上記のレジストマスクの加工の際の現像のための液体による処理に応用できる。また、上記の残渣107を除去するための液体による処理に応用できる。
【0074】
図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係る基板処理方法が応用される別の工程を例示する模式断面図である。
これらの図は、基板10に設けられる構造体20を例示している。図6(a)は、構造体20を形成するための加工前の状態を示し、図6(b)は、加工後の状態を示している。これらの図は、抵抗変化型の記憶装置のメモリセル領域に形成される、メモリ素子及び整流素子(例えばダイオード)の加工を例示している。整流素子は、メモリ素子を選択するためのものである。この例では、メモリ素子の部分と整流素子の部分とが一括して加工される。抵抗変化型の記憶装置は、三次元メモリ装置の1つである。
【0075】
図6(a)に表したように、絶縁膜111が設けられる。絶縁膜111は、例えば半導体基板上に設けられる。絶縁膜111の上に、ワード線となるタングステン膜112と、窒化チタン膜113と、多結晶シリコン層114と、がこの順で積層されている。多結晶シリコン層114は、ダイオード構造を有する。多結晶シリコン層114の上に、メモリ素子となる下部電極膜115と、抵抗変化膜116と、上部電極膜117と、がこの順で積層される。さらに、上部電極膜117の上に、CMPストッパとなるタングステン膜118が設けられ、その上に、加工用のハードマスク膜119が設けられている。
【0076】
このような積層体の上に、所定の形状を有するレジストマスク(図示しない)を形成し、レジストマスクをマスクとして用いて、ハードマスク膜119を所定の形状に加工する。そして、ハードマスク膜119をマスクとして用いて、例えばRIEにより、タングステン膜118、上部電極膜117、抵抗変化膜116、下部電極膜115、多結晶シリコン層114、窒化チタン膜113及びタングステン膜112を一括してエッチング加工する。これにより、複数のメモリ素子120を形成する。
なお、この例でも、複数のメモリ素子120の側面に、エッチングの残渣121が付着している。
【0077】
本実施形態に係る基板処理方法は、例えば、上記のレジストマスクの加工の際の現像のための液体による処理に応用できる。また、上記の残渣121を除去するための液体による処理に応用できる。
これらの方法は、他にもDRAMのキャパシタ(特にシリンダー)などを形成する際のパターン倒壊抑制にも用いることができる。
【0078】
図7(a)〜図7(d)は、第1の実施形態に係る別の基板処理方法を例示する模式的断面図である。
図7(a)に表したように、複数の構造体20が設けられた基板10の上に、レジスト層51を形成する。例えば、基板10の主面10aにレジスト層51となるレジスト溶液を例えばスピンナで塗布し、プリベークする。これにより、レジスト層51が形成される。
【0079】
プリベーク後のレジスト層51に、所定の開口部を有するマスク(図示しない)を介して、光を照射する。
【0080】
そして、図7(b)に表したように、現像する。すなわち、基板10を現像液53で処理する。この現像液は、本実施形態に係る液体30に含まれる。レジスト層51がネガ型の場合は、光が照射されない部分が現像液53により除去される。レジスト層51がポジ型の場合は、光が照射された部分が現像液53により除去される。そして残った部分が、マスク部52となる。マスク部52は、複数の構造体20のうちの一部を覆い、他の一部の上には設けられていない。
【0081】
そして、図7(c)に表したように、液体30(例えば現像液53による処理後のリンス液など)で濡れた状態の構造体20に溶液40を接触させる。例えば、上記の現像液53による処理の後に、水洗、水溶性溶剤処理及び無水溶剤処理を順次行い、乾燥させること無く、支持材45となる溶液40を塗布する。
【0082】
そして、図7(d)に表したように、溶液40の少なくとも一部を固体に変化させて、支持材45を形成する。その後、図7(e)に表したように、支持材45を固相から気相に、液相を経ずに変化させて、支持材45を除去する。この後、必要に応じて、マスク部52をベークし、硬化させる。この際、マスク部52のベーク処理と支持材45の除去処理とを同時に行っても良い。
【0083】
これにより、複数の構造体20の一部がマスク部52によって覆われ、複数の構造体20の別の一部がマスク部52から露出している構造が形成できる。例えば、マスク部52をマスクとして用いて、イオン注入することで、基板10の主面10aの所定の領域に選択的に不純物を導入することができる。
【0084】
このように、本実施形態は、構造体20の上に形成されるレジストの現像工程にも適用できる。すなわち、本実施形態に係る基板処理方法は、基板10を液体30で処理する前に、複数の構造体20のそれぞれを覆うようにレジスト層51を形成する工程(図7(a)に例示した工程)をさらに備えることができる。
【0085】
そして、基板10を液体30によって処理する工程(ステップS110であり、例えば図7(b)に示した工程)は、レジスト層51を現像して、レジスト層51の少なくとも一部を除去することを含む。また、基板10を液体30によって処理する工程は、例えば、レジスト層51をリワークする際などに、現像液や有機溶剤などを含んだ剥離液や、硫酸と過酸化水素水との混合液などでレジスト層51を除去することをも含むことができる。そして、支持材45を形成する工程(ステップS120であり、例えば図7(c)及び図7(d)に示した工程)は、除去されたレジスト層51に覆われていた構造体20を支持するように、支持材45を形成することを含むことができる。
【0086】
この場合も、支持材45には、メタクリル系樹脂材料、スチレン系樹脂材料、及び、フッ化炭素系材料(例えば、パーフルオロ基を有する材料)などを用いることができる。レジスト層51には、支持材45の材料系とは異なる材料系の材料を用いることができる。レジスト層51となる材料は、感光性を有していても、有していなくても良い。
【0087】
図8(a)〜図8(e)は、第1の実施形態に係る別の基板処理方法を例示する模式的断面図である。
この例では、MEMS素子の製造工程において、基板から離間した梁などを形成する際の液体によるエッチング処理に本実施形態が応用される。
【0088】
図8(a)に表したように、基板10の主面上に支柱21が設けられ、支柱21の上に、基板10から離間した梁22が設けられている。支柱21と梁22とが、構造体20に含まれる。この梁22と基板10との間には、犠牲層(図示しない)が設けられており、この犠牲層を液体により除去することで、梁22は、支柱21により支持され、基板10から離間した状態が形成される。すなわち、梁22と基板10との間に空洞85が形成される。
【0089】
図8(a)は、犠牲層をエッチング液54により除去する工程を例示している。このエッチング液54による基板10の処理は、液体30による処理の一部である。なお、この例では、エッチング残渣などの異物80が構造体20に付着している。なお、空洞85を形成するための犠牲層をエッチングするエッチング液54は、基板10上に形成された積層体に設けられた孔(図示しない)から犠牲層まで導入される。
【0090】
エッチング加工の後に、図8(b)に表したように、液体30による処理として、水洗、水溶性溶剤、無水溶剤処理を順次行う。これにより、異物80は除去される。
【0091】
さらに、図8(c)に表したように、液体30で濡れた状態の構造体20に溶液40を接触させる。そして、図8(d)に表したように、溶液40の少なくとも一部を固体に変化させて、支持材45を形成する。その後、図8(e)に表したように、支持材45を固相から気相に、液相を経ずに変化させて支持材45を除去する。
【0092】
これにより、梁22が変形して、例えば、梁22が、基板10に近接または接触することが抑制される。
【0093】
例えば、図8(a)に示したエッチング加工の後、液体30を直接乾燥させると、梁22と基板10との間に、液体30の表面張力が働き、梁22が変形する。場合によっては、梁22が基板10に近接または接触してしまうこともある。
【0094】
これに対し、本実施形態においては、液体30による処理の後に、その液体30を溶液40で置換した後に、溶液40から支持材45を形成し、その支持材45を、液相を経ることなく、固相から直接的に気相に変化させる。これにより、図8(e)に表したように、液体処理後の乾燥時のパターン倒壊を抑制することができる。
【0095】
このように、この例では、構造体20は、基板10の主面10aから離間した部分(梁22)を有し、支持材45は、梁22と基板10との距離が変化することを抑制する。
【0096】
図9(a)〜図9(f)は、第1の実施形態に係る別の基板処理方法を例示する模式的断面図である。
図9(a)に表したように、基板10上の構造体20を支持する支持材45を形成する。これには、既に説明した方法のいずれかを用いることができる。この例では、支持材45は、図4(a)に例示したように、構造体20の実質的に全てを埋め込んでいる。ただし、図4(b)〜図4(d)に例示したように、支持体45の構成は、種々の変形が可能である。
【0097】
図9(b)に表したように、支持体45をエッチバックする。これにより、例えば、支持体45の高さは、構造体20の高さと同じになり、構造体20の上面が露出する。図9(c)に表したように、支持体45の上、及び、構造体20の上に、上部支持膜61を形成する。上部支持膜61として、例えば絶縁膜を用いる。
【0098】
図9(d)に表したように、上部支持膜61を残しつつ、支持体45を除去する。例えば、上部支持膜61には、開口部(図示しない)が設けられており、この開口部を介して、支持材45を除去する。また、上部支持膜61にオープンポアを有した材料を用いると、気化した支持体45を上部支持膜61中のオープンポアを通して除去することが可能となり、開口しなくても支持体45を除去することができる。これらにより、上部支持膜61で覆われた空隙が構造体20どうしの間に設けられるとともに、構造体20の上部が上部支持膜61で支持される。すなわち、構造体20どうしの間をエアギャップ構造とする際に、構造体20のパターン倒壊を抑制しつつ、基板10(構造体20)を乾燥できる。この後、上部支持膜61を除去しても良いし、そのまま残してエアギャップ構造として使用しても良い。
【0099】
この方法は、以下のように変形しても良い。
図9(a)に例示した状態の支持体45のエッチバックにより、支持体45の高さを構造体20の高さよりも低くし、構造体20の上部を露出させる。そして、図9(e)に表したように、露出した構造体20の上部と、支持体45と、を覆うように、上部支持膜61を形成する。図9(f)に表したように、上部支持膜61を残しつつ、支持体45を除去する。これにより、構造体20の上部の側面と、上面と、が、上部支持膜61で支持される。この後、上部支持膜61を除去しても良いし、そのまま残してエアギャップ構造として使用しても良い。
このように、支持体45の上に上部支持膜61を形成することで、構造体20の倒壊がより効果的に抑制される。
【0100】
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態に関して説明した基板処理方法を実施可能な基板処理装置に係る。
【0101】
図10は、第2の実施形態に係る基板処理装置を例示する模式的平面図である。
図10に表したように、本実施形態に係る基板処理装置410は、液体処理部210と、支持材形成部220と、支持材除去部230と、制御部280と、を含む。液体処理部210は、基板10に対して液体30を用いた処理を実施する部分である。支持材形成部220は、基板10上の構造体20を支持する支持材45を形成する部分である。支持材除去部230は、支持材45を固相から直接的に気相に変化させて支持材45を除去する部分である。制御部280は、これらの各部分を制御する。
【0102】
基板処理装置410は、さらに、基板搬送部240(基板搬送ロボット)と、基板収納部250(ロードポート)と、を備える。これらにより、複数の基板10への処理を効率的に実施することができる。
【0103】
基板10は、液体処理部210で処理された後に、支持材形成部220で処理され、その後、支持材除去部230で処理される。この例では、液体処理部210、支持材形成部220及び支持材除去部230の組が2組設けられており、2系統の処理を並行して実施することができる。
【0104】
図11は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、液体処理部210の1つの例を示している。
図11に表したように、基板処理装置410の液体処理部210には、保持部310aと、供給部320aと、が設けられる。保持部310aは、基板10を保持する。基板10の主面10a上には構造体20(この図では省略)が設けられている。保持部310aとして、回転可能なステージが用いられている。供給部320aは、基板10の主面10a上に液状物質350として液体30を供給する。供給部320aは、例えば、薬液を供給可能なノズルを含む。また、この例では、保持部310aを取り囲むようにカバー360が設けられている。カバー360により、薬液が周囲に飛び散ることが抑制される。このような保持部310a及び供給部320aにより、第1の実施形態に関して説明した、基板10を液体30によって処理する工程(ステップS110)が実施できる。
【0105】
なお、保持部310aと供給部320aとは、基板10の主面10aに対して平行な平面内で、相対的に移動可能とすることができる。
【0106】
図12は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、支持材形成部220の1つの例を示している。
図12に表したように、基板処理装置410の支持材形成部220には、保持部310bと、供給部320bと、が設けられる。保持部310bは、基板10を保持する。供給部320bは、基板10の主面10a上に、液状物質350として溶液40を供給する。また、この例では、保持部310bを取り囲むようにカバー360が設けられている。このような保持部310b及び供給部320bにより、第1の実施形態に関して説明した、液体30で濡れた状態の構造体20に溶液40を接触させることが実施される。そして、溶液40の少なくとも一部を固体に変化させて支持材45を形成する工程(ステップS120)が実施できる。
【0107】
なお、保持部310bと供給部320bとは、基板10の主面10aに対して平行な平面内で、相対的に移動可能とすることができる。
【0108】
図13は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、支持材除去部230の1つの例を示している。
図13に表したように、基板処理装置410の支持材除去部230には、保持部311aと、処理部330aと、が設けられる。保持部311aは、基板10を保持する。処理部330aは、基板10に対して、加熱、光照射、電子線照射、減圧、及び、ガス供給の少なくともいずれかの処理を行う。この例では、処理部330aは加熱を行う。この例では、処理部330aは、基板10の主面10aに高温ガス370などを吹き付けるノズルを含む。これにより、基板10は加熱され、支持材45が固相から直接的に気相に変化し、支持材45が除去される。
【0109】
なお、保持部311aと処理部330aとは、基板10の主面10aに対して平行な平面内で、相対的に移動可能とすることができる。
【0110】
図14は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、支持材除去部230の別の例を示している。
図14に表したように、支持材除去部230には、保持部311bと、処理部330bと、が設けられる。保持部311bは、基板10を保持する。この例では、処理部330bとして、ヒータが用いられる。ヒータは、保持部311b内、または、保持部311bの上面部分に設けられている。処理部330bにより、基板10は加熱され、支持材45が固相から直接的に気相に変化し、支持材45が除去される。
【0111】
図15は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、支持材除去部230のさらに別の例を示している。
図15に表したように、支持材除去部230には、保持部311aと、処理部330cと、が設けられる。この例では、処理部330cとして、ヒータ、ランプ、電子線照射装置などが用いられる。処理部330cは、保持部311aの上に保持される基板10に対向するように、保持部311aの上方に設置される。処理部330cにより、基板10に対して、加熱、光照射、電子線照射などが行われ、支持材45が固相から直接的に気相に変化し、支持材45が除去される。
【0112】
図16は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、支持材除去部230のさらに別の例を示している。
図16に表したように、支持材除去部230には、保持部311aと、処理部330dと、が設けられる。この例では、処理部330dとして、減圧可能なチャンバが用いられる。処理部330dの排気口331は、ポンプに接続される。処理部330dの内部に保持部311aが設けられ、基板10の周囲が減圧状態にされる。これにより、基板10に対して、減圧処理が行われ、支持材45が固相から直接的に気相に変化し、支持材45が除去される。
【0113】
図17は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、支持材除去部230のさらに別の例を示している。
図17に表したように、支持材除去部230には、保持部311aと、処理部330eと、が設けられる。この例では、処理部330eは、支持材45と反応するガス(反応性ガス371)を供給するノズルを含む。この例では、保持部311aと処理部330eとは、処理チャンバ330ea内に設けられている。処理部330eから反応性ガス371を基板10に供給することで、支持材45が固相から直接的に気相に変化し、支持材45が除去される。
【0114】
このように、支持材除去部230は、種々の構成により、支持材45を固相から気相に、液相を経ずに変化させて支持材45を除去する工程(ステップS130)を実施する。また、1つの方法に限らず、複数の方法を用いて支持材45を除去しても良い。
【0115】
図10に例示した制御部280は、これらの処理を一連の動作として実施させる。
すなわち、本実施形態に係る基板処理装置410は、保持部310(保持部310a、310b、311a及び311bなど)と、供給部320(供給部320a及び320bなど)と、処理部330(処理部330a、330b、330c、330d及び330eなど)と、を備える。保持部310は、基板10を保持する。例えば、基板10の主面10aには構造体20が形成されている。供給部320は、基板10の主面10a上に液状物質350(液体30及び溶液40など)を供給する。処理部330は、基板10に対して、加熱、光照射、電子線照射、減圧、及び、ガス供給の少なくともいずれかの処理を行う。
【0116】
制御部280は、保持部310、供給部320及び処理部330を制御する。制御部280は、基板10を液体30によって処理する工程(ステップS110)と、液体30で濡れた状態の基板10に溶液40を接触させ、溶液40を反応させる、溶液40に含まれる溶媒の量を減少させる、及び、溶媒に溶かされた物質の少なくとも一部を溶液40から析出させる、の少なくともいずれかにより溶液40の少なくとも一部を固体に変化させて、基板10に設けられる構造体20を支持する支持材45を形成する工程(ステップS120)と、支持材45を固相から気相に、液相を経ずに変化させて支持材45を除去する工程(ステップS130)と、を一連の動作として、保持部310、供給部320及び処理部330に実施させる。
【0117】
これにより、液体処理後の乾燥時のパターン倒壊を抑制する基板処理装置が提供できる。
【0118】
図18は、第2の実施形態に係る別の基板処理装置を例示する模式的平面図である。
図18に表したように、本実施形態に係る別の基板処理装置411は、液体処理・支持材形成部215と、支持材除去部230と、制御部280と、を含む。液体処理・支持材形成部215は、液体処理部210と支持材形成部220との両方の機能を有する。
【0119】
基板10は、液体処理・支持材形成部215で処理された後に、支持材除去部230で処理される。この例では、液体処理・支持材形成部215及び支持材除去部230の組が2組設けられており、2系統の処理を並行して実施することができる。
【0120】
図19は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、液体処理・支持材形成部215の1つの例を示している。
図19に表したように、基板処理装置411の液体処理・支持材形成部215には、保持部310と、供給部320と、が設けられる。保持部310は、基板10を保持する。供給部320として、複数のノズル(供給部320a、320b及び320cなど)が設けられる。これにより、異なる種類の液状物質350(例えば、液体30及び溶液40など)を基板10の主面10a上に供給できる。例えば、液体30の一部である薬液及びリンス液、並びに、支持材45となる溶液40などが、互いに異なるノズルから供給される。これにより、ステップS110及びステップS120の少なくともいずれかが実施される。例えば、ステップS110とステップS120とが連続して実施される。
【0121】
この例では、実施する処理の種類によって、保持部310と、複数の供給部320のそれぞれと、の間の間隔が変更可能である。また、この例では、保持部310aを取り囲む複数のカバー361及び362などが設けられている。複数のカバー361及び362のそれぞれは、実施する処理の種類によって、上下方向に可動である。
【0122】
なお、保持部310と供給部320とは、基板10の主面10aに対して平行な平面内で、相対的に移動可能とすることができる。
【0123】
この例では、供給部320は、基板10の上方から基板10に向けて垂直な方向から液状物質350を供給している。
【0124】
図20は、第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を例示する模式的側面図である。 同図は、液体処理・支持材形成部215の別の例を示している。
図20に表したように、この例では、供給部320である複数のノズル(供給部320a、320b及び320cなど)が、基板10の主面10aに対して斜め方向から基板10に向けて液状物質350を供給している。このように、液状物質350を供給する形態は各種の変形が可能である。
【0125】
図21は、第2の実施形態に係る別の基板処理装置を例示する模式的平面図である。
図21に表したように、本実施形態に係る別の基板処理装置412は、液体処理・支持材形成・除去部216と、制御部280と、を含む。液体処理・支持材形成・除去部216は、液体処理部210と支持材形成部220と支持材除去部230との3つの機能を有する。
【0126】
この例では、1つの液体処理・支持材形成・除去部216で、ステップS110、S120及びS130が実施される。この例では、液体処理・支持材形成・除去部216が6つ設けられており、6系統の処理を同時に実施することができる。
【0127】
このような液体処理・支持材形成・除去部216においては、例えば、保持部310と、図19及び図20に例示した供給部320と、図13〜図17に例示した処理部330と、が同じ処理室に設けられる。これにより、ステップS110、S120及びS130の処理が、一連の動作として実施し易くなる。
【0128】
本実施形態によれば、液体処理後の乾燥時のパターン倒壊を抑制した基板処理方法及び基板処理装置が提供される。
【0129】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0130】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、基板処理方法に用いられる基板、構造体、液体、溶液、支持材、並びに、基板処理装置に含まれる保持部、供給部、処理部、制御部、液体処理部、支持材形成部、支持材除去部、液体処理・支持材形成部、及び、液体処理・支持材形成・除去部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0131】
その他、本発明の実施の形態として上述した基板処理方法及び基板処理装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての基板処理方法及び基板処理装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0132】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
10…基板、 10a…主面、 20…構造体、 21…支柱、 22…梁、 30…液体、 31…薬液、 32…純水、 33…水溶性溶剤、 34…無水溶剤、 40…溶液、 45…支持材、 45d…凹部、 45v…空隙、 51…レジスト層、 52…マスク部、 53…現像液、 54…エッチング液、 61…上部支持膜、 80…異物、 85…空洞、 101…シリコン基板、 102…ゲート絶縁膜、 103…多結晶シリコン膜、 104…シリコン窒化膜、 105…部分、 106…トレンチ、 107…残渣、 111…絶縁膜、 112…タングステン膜、 113…窒化チタン膜、 114…多結晶シリコン膜、 115…下部電極膜、 116…抵抗変化膜、 117…上部電極膜、 118…タングステン膜、 119…ハードマスク膜、 120…メモリ素子、 121…残渣、 210…液体処理部、 215…液体処理・支持材形成部、 216…液体処理・支持材形成・除去部、 220…支持材形成部、 230…支持材除去部、 240…基板搬送部、 250…基板収納部、 280…制御部、 310、310a、310b、311a、311b…保持部、 320、320a、320b、320c…供給部、 330、330a、330b、330c、330d、330e…処理部、 330ea…処理チャンバ、 331…排気口、 350…液状物質、 360、361、362…カバー、 370…高温ガス、 371…反応性ガス、 410、411、412…基板処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも主面上に形成された構造体を有する基板を液体によって処理する工程と、
前記液体で濡れた状態の前記構造体に溶液を接触させ、前記溶液を反応させる、前記溶液に含まれる溶媒の量を減少させる、及び、前記溶媒に溶かされた物質の少なくとも一部を析出させる、の少なくともいずれかにより前記溶液の少なくとも一部を固体に変化させて、前記構造体を支持する支持材を形成する工程と、
前記支持材を固相から気相に、液相を経ずに変化させて前記支持材を除去する工程と、
を備え、
前記支持材は、メタクリル系樹脂材料、スチレン系樹脂材料及びフッ化炭素系材料の少なくともいずれかを含み、
前記支持材を固相から気相へ変化させることは、加熱処理、光照射処理、電子線照射処理、減圧処理、及び、前記支持材と反応するガスを用いた処理の少なくともいずれかを実施して、前記支持材の昇華、分解、及び、反応の少なくともいずれかを行うことを含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
少なくとも主面上に形成された構造体を有する基板を液体によって処理する工程と、
前記液体で濡れた状態の前記構造体に溶液を接触させ、前記溶液を反応させる、前記溶液に含まれる溶媒の量を減少させる、及び、前記溶媒に溶かされた物質の少なくとも一部を析出させる、の少なくともいずれかにより前記溶液の少なくとも一部を固体に変化させて、前記構造体を支持する支持材を形成する工程と、
前記支持材を固相から気相に、液相を経ずに変化させて前記支持材を除去する工程と、
を備えたことを特徴とする基板処理方法。
【請求項3】
前記支持材を固相から気相へ変化させることは、前記支持材の昇華、分解、及び、反応の少なくともいずれかを行うことを含むことを特徴とする請求項2記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記支持材を固相から気相へ変化させることは、加熱処理、光照射処理、電子線照射処理、減圧処理、及び、前記支持材と反応するガスを用いた処理の少なくともいずれかを実施することを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
基板を保持する保持部と、
前記基板上に液状物質を供給する供給部と、
前記基板に対して、加熱、光照射、電子線照射、減圧、及び、ガス供給の少なくともいずれかの処理を行う処理部と、
前記基板を液体によって処理後、前記液体で濡れた状態の前記基板に溶液を接触させ、前記溶液を反応させる、前記溶液に含まれる溶媒の量を減少させる、及び、前記溶媒に溶かされた物質の少なくとも一部を析出させる、の少なくともいずれかにより前記溶液の少なくとも一部を固体に変化させて前記基板上に支持材を形成し、前記支持材を固相から気相に、液相を経ずに変化させて除去する一連の動作を、前記保持部、前記供給部及び前記処理部に実施させる制御部と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−16699(P2013−16699A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149367(P2011−149367)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】