説明

基板処理装置及び方法、そしてこれに用いられる噴射ヘッド

【課題】基板底面を均一に処理できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】前記基板処理装置は、基板を支持し、回転可能なスピンヘッドと、前記スピンヘッド上に設けられ、工程のとき、基板の底面に流体を供給する噴射ヘッドと、前記噴射ヘッドに流体を供給する流体供給ユニットと、を含み、前記噴射ヘッドは、前記スピンヘッドのセンター部に位置し、前記流体供給ユニットから流体が供給されるボディと、前記ボディから前記スピンヘッドのエッジ部に向かって延長され、前記ボディから供給された流体を前記基板の底面に噴射する噴射部材と、を含み、前記噴射部材には、前記基板のエッジ部に流体を噴射する第1噴射口と、前記基板のセンター部とエッジ部との間に位置するミドル部に流体を噴射する第2噴射口とが形成され、前記流体は、前記第1噴射口に先に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関し、より詳細には、基板の底面を均一に処理することができる基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子の製造工程で半導体基板として使用されるウェーハ(wafer)上には、多結晶膜、酸化膜、窒化膜及び金属膜などのような複数の薄膜層が形成される。前記の膜層の上にはフォトレジスト膜がコーティングされ、露光工程によってフォトマスクに形成されたパターンは、前記フォトレジスト膜に転写される。その後、エッチング工程によって、ウェーハ上には求めるパターンが形成される。
【0003】
一般に、半導体素子の製造工程で半導体基板として使用されるウェーハ(wafer)上には、多結晶膜、酸化膜、窒化膜及び金属膜などのような複数の薄膜層が形成される。前記の膜層の上にはフォトレジスト膜がコーティングされ、露光工程によってフォトマスクに形成されたパターンは、前記フォトレジスト膜に転写される。その後、エッチング工程によって、ウェーハ上には求めるパターンが形成される。
【0004】
前述した工程が行われたウェーハの底面には、各種の膜やフォトレジストなどの必要のない異物が残留する。その異物は後工程でパーティクルとして作用して、設備を汚染させる。よって、ウェーハの底面に形成された必要のない膜やフォトレジストなどの異物の層をエッチングする工程が必要となる。
【0005】
ウェーハの底面をエッチングするための基板処理装置は、回転するウェーハの底面に薬液を噴射する噴射ヘッドを備えている。噴射ヘッドは、ウェーハ下部のセンター部に位置するボディと、ボディから前記ウェーハのエッジ部に向かって延長される噴射部材を備える。噴射部材には複数の噴射口が形成され、前記噴射口を通してウェーハの底面に薬液が噴射される。ウェーハの底面に噴射された薬液は、ウェーハの回転によってウェーハのエッジ部に流れて、ウェーハの底面に形成された異物を除去する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の基板処理装置には次のような問題がある。
【0007】
噴射部材に供給された薬液は、ウェーハのセンター部に対応する噴射部材の内側部から、ウェーハのエッジ部に対応する噴射部材の外側部に向かって流れる。薬液は、まず内側部に形成された噴射口を通して噴射され始めて、それから外側部に形成された噴射口を通して噴射される。
【0008】
ここで、噴射口を通して薬液が噴射されるため、噴射部材の内側部から噴射部材の外側部に向かうほど圧力降下が発生し、それにしたがって、外側部に形成された噴射口から噴射される薬液の流量及び噴射圧力を正確に制御することが難しい。特に、ウェーハの外側に向かうほど、被処理面積が増加するにもかかわらず、薬液の流量及び噴射圧力を正確に制御することが難しいので、ウェーハのエッジに形成された異物質膜に対してはエッチングが十分に行われず、ウェーハの底面には、エッチング均一度が低減する。
【0009】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたもので、その目的は、ウェーハのエッジ部を十分にエッチングすることができる噴射ヘッドを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、ウェーハの底面を均一にエッチングすることができる噴射ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成すべく、本発明は、基板の底面に流体を噴射して基板を処理する装置を提供する。本発明の装置は、基板を支持し、回転可能なスピンヘッドと、前記スピンヘッド上に設けられ、前記スピンヘッドに支持された基板の底面に流体を供給する噴射ヘッドと、前記噴射ヘッドに流体を供給する流体供給ユニットと、を含む。前記噴射ヘッドは、前記スピンヘッドに支持された基板のセンター部の下に位置し、前記流体供給ユニットから流体が供給されるボディと、前記ボディから前記スピンヘッドに支持された基板のエッジ部に向かって延長され、前記ボディから供給された流体を前記基板の底面に噴射する噴射部材と、を含む。前記噴射部材は、前記基板のエッジ部に流体を噴射する第1噴射口と、前記基板のセンター部とエッジ部との間に位置するミドル部に流体を噴射する第2噴射口と、前記第2噴射口より先に前記第1噴射口に前記流体を供給するように形成された流路と、を備える。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記噴射部材の内部には、前記ボディと連結された前記噴射部材の一端から前記噴射部材の他端に向かって流体が流れる第1流路と、前記第1流路から延長され、前記噴射部材の他端から前記噴射部材の一端に向かって流体が流れる第2流路とが形成され、前記第2噴射口は、前記第2流路に形成される。
【0013】
前記第1噴射口は、前記第1流路に形成され得る。前記第1流路と前記第2流路は、互いに平行に配置され得る。前記流路は「U」字形状を有し得る。前記第1噴射口は、前記第2噴射口より稠密な間隔で提供され得る。前記第1噴射口は、前記基板のセンター部から遠ざかる方向に、上向きに傾いて形成され得る。
【0014】
前記ボディには、前記噴射部材から噴射された流体が前記基板のエッジ部に向かって円滑に流れるように、前記基板のセンター部にガスを噴射するガス噴射口が形成され得る。前記噴射部材には、前記基板のセンター部に流体を噴射する第3噴射口が形成され得る。また、前記第3噴射口は、前記基板のセンター部の方向に傾いて形成され得る。
【0015】
本発明によれば、噴射ヘッドは、外部から流体が供給されるボディと、前記ボディから前記ボディの一側に延長され、前記ボディから供給された流体を噴射する噴射部材と、を含み、前記噴射部材には、前記噴射部材の端部に位置する第1噴射口と、前記ボディと前記第1噴射口との間に位置する第2噴射口が形成され、前記流体は先に第1噴射口に供給され得る。
【0016】
前記噴射部材の内部には、前記ボディと連結された前記噴射部材の一端から前記噴射部材の他端に向かって流体が流れるように形成された第1流路と、前記噴射部材の他端から前記噴射部材の一端に向かって流体が流れるように形成された第2流路が形成され、前記第2噴射口は前記第2流路に形成され得る。
【0017】
本発明は、スピンヘッド上に置かれた基板の底面に流体を噴射して基板を処理する方法を提供する。本発明の方法によれば、前記基板の下に噴射部材を配置し、前記噴射部材には、前記基板のセンター部に対応する位置から流体を供給され、前記噴射部材は、前記基板のセンター部とエッジ部の間に位置するミドル部より先に前記基板のエッジ部に流体を噴射する。
【0018】
前記流体は、前記基板のエッジ部に噴射される前に、前記基板のセンター部に噴射され得る。前記噴射部材から噴射された薬液が前記基板のエッジ部に向かって円滑に流れるように、前記基板のセンター部にガスを噴射し得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ウェーハのエッジ部を十分にエッチングすることができ、ウェーハの底面を均一にエッチングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図1乃至図7を参照して、本発明の好ましい実施形態をより詳しく説明する。本発明の実施形態は様々な形態に変形されることができ、後述する実施形態に本発明の範囲が限定されてはならない。本実施形態は、本発明が当業者に、本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。したがって図面に示された各要素の形状は、より明らかな説明を強調するために誇張され得る。
【0021】
以下では、基板の一例として便宜上ウェーハWを説明しているが、本発明はウェーハW以外の多様な基板を処理する場合にも適用されることができる。図1は、本発明に係る基板処理装置10を概略的に示す切開斜視図であり、図2は、図1の平面図である。図3は、図1の正面透視図である。
【0022】
本発明に係る基板処理装置10は、基板の底面を均一にエッチング処理するためのものであって、スピンヘッド100、回転軸200、駆動部300及び噴射ヘッド400を含む。
【0023】
スピンヘッド100は、ウェーハWを支持した状態で回転させ、円板形状を有する。スピンヘッド100上には、ウェーハWの下部を支持する複数の支持ピン120と、回転時にウェーハWの側面を支持する複数のチャックピン110が設けられる。工程進行時に、ウェーハWは支持ピン120上に置かれ、ウェーハWが回転される前にチャックピン110が回転する。チャックピン110が回転すると、ウェーハWは、チャックピン110によって、その位置が整えられると同時に固定される。よって、スピンヘッド100が回転しても、スピンヘッド100からウェーハWが離脱することが防止できる。
【0024】
スピンヘッド100に連結された回転軸200は後述する駆動部300によって回転され、それによって、スピンヘッド100上に装着されたウェーハWが回転される。回転軸200の上端はスピンヘッド100に連結され、回転軸200の下端は駆動部300に連結される。回転軸200は、駆動部300の回転力をスピンヘッド100に伝達する。
【0025】
回転軸200は、内部が空いている中空軸(hallow shaft)形態を有し、内部には、後述するリンス液供給ライン442、ガス供給ライン444、洗浄液供給ライン446が設けられる。ライン442、444、446については以後述べる。
【0026】
駆動部300は、駆動モータ310、駆動プーリ320、ベルト330を備える。駆動モータ310は、外部から印加された電源によって駆動力を発生させ、駆動モータ310に連結された駆動プーリ320と回転軸200は、ベルト330を介して連結される。駆動モータ310によって発生した回転力は、ベルト330を通して回転軸200に伝達され、駆動モータ310と回転軸200の直径比を調節することで、回転軸200の回転速度を調節することができる。
【0027】
基板処理装置10は、容器500をさらに含む。容器500は、工程時にスピンヘッド100の回転によってウェーハWから洗浄液などが外部に飛散することを防止する。洗浄液としては、酸溶液(acid solution)が用いられるため、周辺装備の保護のために、スピンヘッド100の周囲に容器500が設けられる。容器500は、上端にウェーハWの出入のための開口が形成され、スピンヘッド100を取り囲むように配置される。
【0028】
図4は、本発明に係る噴射ヘッド400を示す透視図である。
【0029】
噴射ヘッド400は、スピンヘッド100上に設けられ、工程時にウェーハWの底面に流体を供給する。前述したように、露光等の工程を経たウェーハWの底面に残留する各種の膜質やフォトレジストなどの必要のない異物の層をエッチングする工程が必要であって、スピンヘッド100は、異物層をエッチングするためにウェーハWの底面に流体を供給する。
【0030】
噴射ヘッド400は、ウェーハW下部のセンター部に位置するボディ410と、ボディ410からウェーハWの半径方向に延長される第1噴射部材420と、ボディ410から第1噴射部材420と反対方向に延長される第2噴射部材430とを含む。
【0031】
ボディ410は円板形状を有しており、後述するリンス液供給ライン442、ガス供給ライン444、洗浄液供給ライン446と連結される。よって、ボディ410には、リンス液供給ライン442を通してリンス液が供給され、ガス供給ライン444を通してガスが供給され、洗浄液供給ライン446を通して洗浄液が供給される。
【0032】
ボディ410のセンターには、ガス噴射口412が形成される。ガス噴射口412は、後述するガス供給ライン444から供給されたガスを、ウェーハW底面のセンター部に噴射する。これは、ウェーハWの底面に噴射された洗浄液などがウェーハWのエッジ部に向かって円滑に流れるようにするために行われる。ガスとしては、窒素ガスなどの非活性ガスを使用することが好ましい。
【0033】
図5は、本発明に係る第1噴射部材420を示す平面透視図である。
【0034】
第1噴射部材420は、ウェーハWの底面に洗浄液を噴射する。洗浄液はウェーハWの底面に残留する異物を除去するために用いられる。洗浄液としてはフッ酸が用いられることができる。本実施形態では処理液の例として洗浄液を挙げているが、処理液は洗浄液に限定されず、洗浄液以外の多様な薬液及び処理ガスが用いられることができる。
【0035】
第1噴射部材420の内部には、洗浄液供給ライン446から提供された洗浄液が流れる洗浄液流路が形成される。洗浄液流路は、ボディ410と連結された第1噴射部材420の一端から第1噴射部材420の他端に向かって洗浄液が流れる第1流路428aと、第1噴射部材420の他端から第1噴射部材420の一端に向かって洗浄液が流れる第2流路428bとを含む。
【0036】
図5に図示されたように、第1流路428aと第2流路428bは、噴射ヘッド400の上部に置かれたウェーハWと平行な方向に配置され、「U」字形状を有する。また、第1流路428aと第2流路428bは連通される。但し、本実施形態とは異なって、第1流路428aと第2流路428bはウェーハWと垂直な方向、すなわち、上下方向に配置され得る。
【0037】
洗浄液供給ライン446は第1流路428aに連結され、洗浄液は洗浄液供給ライン446から第1流路428aに供給される。第1流路428aに供給された洗浄液は、第1流路428aに沿って第2流路428bまで流れる。
【0038】
図5に図示されたように、第1噴射部材420の上部面には、第1噴射口422、第2噴射口424及び第3噴射口426が形成される。ウェーハWは、エッジ部(edge region,以下「A」領域と称する)、センター部(center region、以下「C」領域と称する)、及びエッジ部とセンター部の間に位置するミドル部(middle region、以下「B」領域と称する)に分けられる。第1噴射口422は「A」領域に洗浄液を噴射し、第2噴射口424は「B」領域に洗浄液を噴射し、第3噴射口426は「C」領域に洗浄液を噴射する。
【0039】
「A」領域、「B」領域及び「C」領域の大きさは、第1噴射口422、第2噴射口424及び第3噴射口426の配置によって決定され、第1噴射口422、第2噴射口424及び第3噴射口426の配置は、ウェーハWに対する洗浄工程の均一度(uniformity)を考慮して決定することができる。
【0040】
一方、第1及び第3噴射口422、426は第1流路428aに形成され、第2噴射口424は第2流路428bに形成される。よって、洗浄液供給ライン446から第1流路428aに洗浄液を供給すると、供給された洗浄液は第1流路428aに沿って流れて第3噴射口426から先に噴射され、次に第1噴射口422から噴射される。洗浄液が第2流路428bに供給されると、第2噴射口424から最後に洗浄液が噴射される。
【0041】
但し、図5に図示された第1噴射口422、第2噴射口424及び第3噴射口426の位置は、本発明の意図を充足するように多少変更され得る。本発明は、「B」領域より先に「A」領域に洗浄液を供給することを意図している。よって、第3噴射口426は第2流路428bに形成されることが可能であって、第1噴射口422も第2流路428bに形成されることが可能である。このように、第1噴射口422及び第3噴射口426の位置を変更しても、本発明の目的を達成することができる。これに対する詳細な説明は後述することにする。
【0042】
図3に図示されたように、第1噴射部材420は、支持ピン120によって、ウェーハWの半径に相応する長さまで延長されることができない。よって、ウェーハWの「A」領域の端部には洗浄液を供給しにくい。また、ボディ410のセンターは、ウェーハWのセンターに相当する。第3噴射口426はボディ410のセンターから偏心されて形成される。よって、ウェーハWのセンターには洗浄液を供給しにくい。
【0043】
したがって、図4に図示されたように、第1噴射口422は、ウェーハWの「A」領域に洗浄液を供給するために、ウェーハWのセンター部から遠ざかる方向に向かって傾くように形成され、第3噴射口426は、ウェーハWのセンターにリンス液を供給するために、ウェーハWのセンター部に向かって傾くように形成される。
【0044】
一方、円周の長さは半径に比例するため、ウェーハWのセンター部から遠ざかるほど、ウェーハWの1回転に対する被処理面積が増加して、単一噴射口に対する被処理面積は、「C」領域に比べて「A」領域が大きい。よって、第1噴射口422は第2及び第3噴射口424、426より稠密に形成されることが好ましい。
【0045】
第2噴射部材430は、ウェーハWの底面にリンス液を噴射する。リンス液は、洗浄液を利用してウェーハWの底面から分離した異物などを除去するために用いられる。リンス液としては、脱イオン水が用いられることができる。
【0046】
第2噴射部材430の内部には、リンス液供給ライン442から提供されたリンス液が流れるリンス液流路434が形成される。リンス液流路434は、スピンヘッド100のセンター部からスピンヘッド100のエッジ部に向かって、スピンヘッド100の半径方向に延長される。
【0047】
第2噴射部材430の上部面には、リンス液流路434と連通する複数のリンス液噴射口432が形成される。本実施形態で、リンス液噴射口432は一定の間隔で離隔し配列されるが、ウェーハWのエッジ部はウェーハWのセンター部よりリンス液によって処理されるべき面積が大きいため、ウェーハWのエッジ部に相応する部分には、リンス液噴射口432をより稠密に配列し得る。
【0048】
リンス液噴射口432は、ウェーハWのエッジ部にリンス液を提供する第1噴射口432aと、ウェーハWのセンター部にリンス液を提供する第2噴射口432bを含む。
【0049】
第1噴射部材420と同様に第2噴射部材430も、支持ピン120によって、ウェーハWの半径に相応する長さまで延長されることができない。よって、ウェーハWのエッジ部にはリンス液を供給しにくい。また、ウェーハWのセンターに相応するボディ410のセンターには、ガス噴射口412が形成され、リンス液噴射口432は、ボディ410のセンターから偏心されて形成される。よって、ウェーハWのセンターには、リンス液を供給しにくい。
【0050】
図4に図示されたように、第1噴射口432aは、ウェーハWのエッジ部にリンス液を供給するために、ウェーハWのセンター部から遠ざかる方向に向かって傾くように形成され、第2噴射口432bは、ウェーハWのセンターにリンス液を供給するために、ウェーハWのセンター部に向かって傾くように形成される。
【0051】
前述したように、ガス噴射口412にはガス供給ライン444が連結され、リンス液流路434にはリンス液供給ライン442が連結される。また、洗浄液流路428には洗浄液供給ライン446が連結される。リンス液供給ライン442、ガス供給ライン444及び洗浄液供給ライン446上には、それぞれリンス液バルブ442a、ガスバルブ444a及び洗浄液バルブ446aが設けられ、各ラインの端部にはリンス液保存部442b、ガス保存部444b及び洗浄液保存部446bが設けられる。流体供給ユニットは、噴射ヘッド400に液体や気体のような流体を供給する部材で構成され、本実施形態では、リンス液供給ライン442、洗浄液供給ライン446、ガス供給ライン444、リンス液保存部442b、洗浄液保存部446b、およびガス保存部444bで構成されている。
【0052】
図6A乃至図6Cは、本発明に係る噴射ヘッド400を用いてウェーハWを処理する過程を示す図面であり、図7は、本発明に係る噴射ヘッド400を用いてウェーハWを処理した結果を示すグラフである。なお、図6A乃至図6CではウェーハWは図示を省略している。
【0053】
先に、スピンヘッド100の上部にウェーハWをローディングする。ローディングされたウェーハWは、支持ピン120によって支持され、チャックピン110によってホールディングされる。
【0054】
次に、スピンヘッド100を用いてウェーハWを回転させる。ウェーハWが回転を始めると、ウェーハWの下部に設けられた噴射ヘッド400に洗浄液及びガスを供給する。
【0055】
供給されたガスは、ガス噴射口412を通してウェーハWの底面に噴射され、供給された洗浄液は、第1流路428aに沿って流れる。
【0056】
第1流路428aに沿って流れる洗浄液は、第1流路428a上に形成された第3噴射口426を通して最初に噴射され始め、次に、第1噴射口422を通して噴射される。第3噴射口426及び第1噴射口422を通して噴射されなかった洗浄液は、第2流路428bに流入され、第2流路428bに形成された第2噴射口424を通して噴射され始める。一方、ウェーハWの底面に噴射された洗浄液は、ウェーハWのエッジに移動し、ガス噴射口412を通して噴射されたガスは、洗浄液の移動を助ける。
【0057】
洗浄工程が終わると、リンス液供給ライン442を通して、リンス液流路434にリンス液を供給し、リンス液はウェーハWの底面に残留する異物を除去する。
【0058】
前述したように、洗浄液供給ライン446を通して供給される洗浄液を、ウェーハWのエッジに形成された第1噴射口422から供給するため、ウェーハWのエッジに十分な量の洗浄液を既設定された噴射圧力で提供することができ、ウェーハWの全面に対して洗浄工程が均一に行われることができる。
【0059】
上記は例に過ぎず、上記例に限定されず、特許請求の範囲は、本発明の意図および範囲を満たすあらゆる変形例、改良、その他の態様に及ぶ。よって、本発明の範囲は、法が許す限りにおいて特許請求の範囲の許される限り広い解釈およびその均等物により定められ、前述のものに限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る基板処理装置を概略的に示す切開斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の正面透視図である。
【図4】本発明に係る噴射ヘッドを示す透視図である。
【図5】本発明に係る噴射部材を示す平面透視図である。
【図6A】本発明に係る噴射ヘッドを用いて基板を処理する過程を示す図面である。
【図6B】本発明に係る噴射ヘッドを用いて基板を処理する過程を示す図面である。
【図6C】本発明に係る噴射ヘッドを用いて基板を処理する過程を示す図面である。
【図7】本発明に係る噴射ヘッドを用いて基板を処理した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0061】
100:スピンヘッド
200:回転軸
300:駆動部
400:噴射ヘッド
410:ボディ
420:第1噴射部材
422:第1噴射口
424:第2噴射口
426:第3噴射口
428a:第1流路
428b:第2流路
430:第2噴射部材
432:リンス液噴射口
500:保護容器




【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持し、回転可能なスピンヘッドと、
前記スピンヘッド上に設けられ、前記スピンヘッドに支持された基板の底面に流体を供給する噴射ヘッドと、
前記噴射ヘッドに流体を供給する流体供給ユニットと、を含み、
前記噴射ヘッドは、
前記スピンヘッドに支持された基板のセンター部の下に位置し、前記流体供給ユニットから流体が供給されるボディと、
前記ボディから前記スピンヘッドに支持された基板のエッジ部に向かって延長され、前記ボディから供給された流体を前記基板の底面に噴射する噴射部材と、を含み、
前記噴射部材は、前記基板のエッジ部に流体を噴射する第1噴射口と、前記基板のセンター部とエッジ部との間に位置するミドル部に流体を噴射する第2噴射口と、前記第2噴射口より先に前記第1噴射口に前記流体を供給するように形成された流路を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記噴射部材の内部には、前記ボディと連結された前記噴射部材の一端から前記噴射部材の他端に向かって流体が流れる第1流路と、前記第1流路から延長され、前記噴射部材の他端から前記噴射部材の一端に向かって流体が流れる第2流路とが形成され、前記第2噴射口は、前記第2流路に形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1噴射口は、前記第1流路に形成されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1流路と前記第2流路は、互いに平行に配置されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記流路は「U」字形状を有することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1噴射口は、前記第2噴射口より稠密な間隔で設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1噴射口は、前記基板のセンター部から遠ざかる方向に向って傾斜するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ボディには、前記噴射部材から噴射された流体が前記基板のエッジ部に向かって円滑に流れるように、前記基板のセンター部にガスを噴射するガス噴射口が形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記噴射部材には、前記基板のセンター部に流体を噴射する第3噴射口が形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第3噴射口は、前記基板のセンター部の方向に向かって傾斜するように形成されることを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
外部から流体が供給されるボディと、
前記ボディから延長され、前記ボディから供給された流体を噴射する噴射部材と、を含み、
前記噴射部材は、前記ボディと連結された前記噴射部材の一端から前記噴射部材の他端に向かって流体が流れるように形成された第1流路と、前記第1流路から延長され、前記噴射部材の他端から前記噴射部材の一端に向かって流体が流れるように形成された第2流路を内部に備え、複数の噴射口であって前記噴射部材の一端と他端の間の領域にある噴射口に比べて、前記噴射部材の他端領域にある噴射口から先に流体が噴射されるように形成された複数の噴射口を備えることを特徴とする噴射ヘッド。
【請求項12】
前記噴射部材の他端領域で流体を噴射する第1噴射口は、前記第1流路に提供され、前記噴射部材の一端と他端の間で流体を噴射する第2噴射口は、前記第2流路に提供されることを特徴とする請求項11に記載の噴射ヘッド。
【請求項13】
スピンヘッド上に置かれた基板の底面に流体を噴射して基板を処理する方法において、
前記基板の下に噴射部材を配置し、前記噴射部材には、前記基板のセンター部に対応する位置から流体が供給され、前記基板のセンター部とエッジ部の間に位置するミドル部より先に前記基板のエッジ部に流体を噴射することを特徴とする基板処理方法。
【請求項14】
前記流体は、前記基板のエッジ部に噴射される前に、前記基板のセンター部に噴射されることを特徴とする請求項13に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記噴射部材から噴射された薬液が前記基板のエッジ部に向かって円滑に流れるように、前記基板のセンター部にガスを噴射することを特徴とする請求項13に記載の基板処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−318140(P2007−318140A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134985(P2007−134985)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(507166184)SEMES株式会社 (1)
【Fターム(参考)】