説明

基板接続装置

【課題】複数の動作素子と複数の接続端子部とが設けられた基板と、動作素子についての駆動制御を行う制御回路部に連結された複数の接点部材が設けられた他の基板とを、基板接続用コネクタを用いることなく容易かつ確実に接続する基板接続装置を得る。
【解決手段】複数の薄型発光素子13及びそれらに連結された複数の接続端子部14が設けられた第1の基板11と、薄型発光素子13に対する制御回路部との接続がなされる複数の接点ばね部材16が設けられた第2の基板12と、第1及び第2の基板11,12が位置決めされる支持機構を備え、第2の基板12が支持機構に位置決めされたもとで、第1の基板11が支持機構に位置決めされるとき、第1の基板11に設けられた複数の接続端子部14の各々に、第2の基板12に設けられた複数の接点ばね部材16のうちの対応するものが当接し、第1及び第2の基板11,12が相互接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、複数の発光素子等の動作素子とそれらに電気的に接続された複数の接続端子部とが設けられた基板と、複数の動作素子についての駆動制御を行う制御回路部と電気的に連結された複数の接点部材が設けられた他の基板とを、電気的に相互接続された状態となす基板接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信が光信号により行われる場合には、その光信号の伝送に光通信ケーブルが使用される。光通信ケーブルは、その使用目的,使用態様等に応じて、光通信ケーブル同士の接続,光通信ケーブルと通信機器との接続等々の種々の接続が行われるものとされる。
【0003】
光通信ケーブルの接続にあたっては、光通信ケーブルの端部に取り付けられるプラグコネクタとそのプラグコネクタが差し込まれるソケットコネクタとが用いられる。即ち、光通信ケーブルの端部に取り付けられることにより光通信ケーブルの端部を成すプラグコネクタが、別途に設けられたソケットコネクタに差し込まれることによって、光通信ケーブルの接続が行われるのである。
【0004】
このようなもとで、電話回線交換に光通信ケーブルが使用される場合等において、複数の光通信ケーブルについての集中的な接続が必要とされる状況が生じる。斯かる際には、各々が光通信ケーブルの端部を成すプラグコネクタが差し込まれるものとされる複数のソケットコネクタを有したケーブル接続アダプタが用意され、それを介して複数の光通信ケーブルについての集中的な接続が行われる。
【0005】
その際、ケーブル接続アダプタを用いた光通信ケーブルの接続に要される作業負担の軽減を図るべく、ケーブル接続アダプタを、それにおける各ソケットコネクタの近傍に発光器が設けられたものとすることが、従来提案されている。このような発光器が設けられたケーブル接続アダプタにあっては、接続されるべき光通信ケーブルが特定されると、その光通信ケーブルに対応するソケットコネクタの近傍に配された発光器が点灯して、当該対応するソケットコネクタを識別可能に明示する。それにより、特定された光通信ケーブルの端部を成すプラグコネクタをそれに対応するソケットコネクタに差し込む作業を、迅速かつ間違いなく行うことができることになる。
【0006】
ケーブル接続アダプタを各ソケットコネクタの近傍に発光器が設けられたものとするにあたっては、発光器が設けられたケーブル接続アダプタ全体の占有スペースを可及的に小とすることが望まれる。そして、斯かる要請に応える具体的構成として、例えば、ケーブル端を成すプラブコネクタが差し込まれるソケットコネクタが複数個設けられたアダプタ本体の外面部に、配線部との電気的接続なされた薄型発光素子が複数個固着されたプリント配線基板を、複数の薄型発光素子の各々に複数のソケットコネクタのうちのいずれかに近接した位置をとらせる状態をもって取り付けることが考えられる。そして、このような構成がとられる場合には、複数の薄型発光素子が固着されたプリント配線基板を、複数の薄型発光素子の夫々を駆動制御する制御回路部と電気的に連結された接続端子が設けられた他のプリント配線基板と、電気的に接続することが必要とされる。
【0007】
従来、或るプリント配線基板を他のプリント配線基板と電気的に接続するにあたっては、両プリント配線基板に一対の基板接続用コネクタ(例えば、雄コネクタと雌コネクタ)を夫々設け、その一対の基板接続用コネクタを相互連結させることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
上述の従来提案されている、一対の基板接続用コネクタを用いて二つのプリント配線基板を電気的に接続する手法がとられるもとでは、例えば、二つのプリント配線基板のうちの一方がメイン基板とされて他方がサブ基板とされる。メイン基板には、雌コネクタが固着されるとともに、サブ基板を案内する案内部が設けられる。一方、サブ基板には、雄コネクタが固着されるとともに、メイン基板に設けられた案内部に係合する係合部が設けられる。そして、メイン基板に対して、サブ基板が、それに設けられた係合部をメイン基板に設けられた案内部に係合させる状態をもって移動せしめられ、サブ基板に固着された雄コネクタをメイン基板に固着された雌コネクタに連結させる。それにより、メイン基板とサブ基板とが電気的に相互接続される。
【0009】
【特許文献1】実開昭62−188191号明細書及び図面(第1〜2頁,図2、第4〜6頁,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述のように、複数の薄型発光素子が固着されたプリント配線基板を、複数の薄型発光素子の夫々を駆動制御する制御回路部と電気的に連結された接続端子が設けられた他のプリント配線基板と電気的に接続するにあたり、従来提案されているような、両基板に一対の基板接続用コネクタを夫々固着し、それらを連結させることにより、両基板を電気的に相互接続する手法が採用されるとすると、各プリント配線基板に固着されるべき一対の基板接続用コネクタを、各プリント配線基板とは別個に用意することが必要とされるとともに、各プリント配線基板に固着される一対の基板接続用コネクタが、プリント配線基板の占有スペースを増大させることになってしまうという不都合を生じる。また、各プリント配線基板に一対の基板接続用コネクタが夫々固着されるに際しては、各プリント配線基板における基板接続用コネクタの位置が、高精度をもって厳格に管理されなければならず、そのため、各プリント配線基板に対する基板接続用コネクタの固着に要される工数が増大することになってしまうという問題もある。さらに、各プリント配線基板に固着される一対の基板接続用コネクタは、小型化が優先されて機械的強度を大とすることが難しいものとされ、それにより、両者を連結させる作業が行われる際に損傷を受けて、両基板の電気的な相互接続が確実に行われなくなる虞が大であることになってしまう。
【0011】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、例えば、複数の発光素子とされる複数の動作素子とそれらに電気的に接続された複数の接続端子部とが設けられた基板と、複数の動作素子についての駆動制御を行う制御回路部と電気的に連結された接点部材が設けられた他の基板とを、各基板とは別個に用意される一対の基板接続用コネクタを要することなく、従って、各基板の占有スペースを増大させることなく、しかも、簡単な作業によって確実に、電気的な相互接続が適正に行われる状態におくことができる基板接続装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項7までのいずれかに記載された発明(以下、本願発明という。)に係る基板接続装置は、複数の動作素子,それらに夫々対応する複数の接続端子部、及び、複数の動作素子と複数の接続端子部とにおける相互に対応するもの同士を電気的に連結する複数の配線部が設けられた第1の基板と、複数の動作素子の夫々についての駆動制御を行う制御回路部との電気的接続がなされる複数の接点ばね部材が設けられた第2の基板と、第1及び第2の基板の夫々が位置決めされる支持機構とを備えて構成され、支持機構に第2の基板が位置決めされたもとで、第1の基板が支持機構に位置決めされるとき、第1の基板に設けられた複数の接続端子部の各々に、第2の基板に設けられた複数の接点ばね部材のうちの対応するものが当接し、第1及び第2の基板が電気的に相互接続されることを特徴とする。
【0013】
特に、本願発明のうちの請求項2に記載されたものに係る基板接続装置は、複数の接続端子部が、第1の基板の表面部の一部分に配列配置されて設けられるとともに、複数の接点ばね部材が、第2の基板の表面部の一部分に、複数の接続端子部の配列配置に対応する配列配置をもって設けられることを特徴とする。
【0014】
さらに、本願発明のうちの請求項3に記載されたものに係る基板接続装置は、複数の接続端子部の夫々が薄板状導体によって形成されるとともに、複数の接点ばね部材の夫々が、帯状導体が屈曲されて形成されて、複数の接続端子部の夫々を形成する薄板状導体との当接部を備えるものとされることを特徴とする。
【0015】
前述のように構成される本願発明に係る基板接続装置にあっては、複数の動作素子,複数の接続端子部及び複数の配線部が設けられる第1の基板において、複数の接続端子部の夫々が配線部によって複数の動作素子のうちの対応するものに電気的に連結されたものとされる。また、複数の接点ばね部材が設けられた第2の基板において、複数の接点ばね部材が、複数の動作素子の夫々についての駆動制御を行う制御回路部との電気的接続がなされたものとされる。
【0016】
複数の接続端子部と複数の接点ばね部材とは、例えば、本願発明のうちの請求項2に記載されたものに係る基板接続装置の場合のように、複数の接続端子部が、第1の基板の表面部の一部分に配列配置されて設けられるものとされ、また、複数の接点ばね部材が、第2の基板の表面部の一部分に、複数の接続端子部の配列配置に対応する配列配置をもって設けられるものとされる。
【0017】
さらに、複数の接続端子部と複数の接点ばね部材とは、例えば、本願発明のうちの請求項3に記載されたものに係る基板接続装置の場合のように、複数の接続端子部の夫々が薄板状導体によって形成されるものとされ、また、複数の接点ばね部材の夫々が、帯状導体が屈曲されて形成されて、複数の接続端子部の夫々を形成する薄板状導体との当接部を備えるものとされる。
【0018】
このようなもとで、本願発明に係る基板接続装置にあっては、第2の基板が支持機構に位置決めされたもとで、第1の基板が支持機構に位置決めされるとき、第1の基板に設けられた複数の接続端子部の各々に、第2の基板に設けられた複数の接点ばね部材のうちの対応するものが、弾性押圧力を作用させつつ当接し、それにより、第1及び第2の基板が電気的に相互接続される。
【発明の効果】
【0019】
上述の本願発明に係る基板接続装置においては、第1の基板に設けられた複数の接続端子部の各々に、第2の基板に設けられた複数の接点ばね部材のうちの対応するものが、弾性押圧力を作用させつつ当接する状態がとられることにより、第1及び第2の基板が電気的に相互接続される。そして、第1の基板に設けられた複数の接続端子部の各々に、第2の基板に設けられた複数の接点ばね部材のうちの対応するものが、弾性押圧力を作用させつつ当接する状態は、第2の基板が支持機構に位置決めされたもとで、第1の基板が支持機構に位置決めされるとき、それに伴ってとられる。
【0020】
従って、本願発明に係る基板接続装置によれば、複数の動作素子とそれらに電気的に接続された複数の接続端子部とが設けられた第1の基板と、複数の動作素子についての駆動制御を行う制御回路部と電気的に連結された複数の接点ばね部材が設けられた第2の基板とを、例えば、各基板とは別個に用意される一対の基板接続用コネクタを用いることなく、従って、各基板の占有スペースを増大させることなく、しかも、第2の基板が支持機構に位置決めされたもとで第1の基板を支持機構に位置決めするだけの簡単な作業によって、複数の接続端子部の各々に複数の接点ばね部材のうちの対応するものが弾性押圧力を作用させつつ当接することによる確実な接触状態をもって、電気的な相互接続が適正に行われる状態におくことができる。このようにして、第1の基板と第2の基板とが電気的に相互接続されたもとにあっては、第1の基板に設けられた複数の動作素子の夫々が、第2の基板に設けられた複数の接点ばね部材が電気的に接続された制御回路部による駆動制御を受けて動作するものとされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本願発明を実施するための最良の形態は、以下に述べられる本願発明についての実施例をもって説明される。
【実施例】
【0022】
図1は、本願発明に係る基板接続装置の一例を構成する第1の基板11と第2の基板12とを示す。なお、斯かる本願発明に係る基板接続装置の一例は、第1の基板11と第2の基板12とに加えて、第1の基板11と第2の基板12とが位置決めされる支持機構(後述される)をも含んで構成される。
【0023】
第1の基板11は、プリント配線基板であって、その第1の表面11aにおける側端縁部分に、複数個、例えば、8個の動作素子である薄型発光素子13が、一列を成すように配列配置されて設けられている。また、第1の基板11の第1の表面11aにおける図1において下方となる部分には、複数個、例えば、8個の接続端子部14が設けられている。これら8個の接続端子部14は、図2に示されるように、各々が矩形上を成すものとされたもとで、第1の基板11の第1の表面11a上に二列を成して配列配置されている。そして、8個の接続端子部14の夫々は、薄板状導体によって形成される。
【0024】
さらに、第1の基板11の第1の表面11aに対向する第2の表面11bには、例えば8個とされる薄型発光素子13と例えば8個とされる接続端子部14とにおける相互に対応するもの同士を電気的に連結する、例えば、8個とされる配線部15が設けられている。従って、第1の基板11にあっては、8個の薄型発光素子13の夫々が、8個の配線部15のいずれかを通じて、8個の接続端子部14のうちの対応するものに電気的に連結されているのである。
【0025】
このような複数の薄型発光素子13が設けられる第1の基板11は、例えば、多層プリント配線基板の作製に用いられるコア材を利用して形成され、極めて薄いものとされる。また、複数の動作素子である薄型発光素子13の夫々は、例えば、実装方向に対して横方向に光束を放出する発光ダイオードとされ、極めて薄い(高さが極めて低い)ものとされる。
【0026】
上述のように複数の薄型発光素子13,複数の接続端子部14及び複数の薄型発光素子13と複数の接続端子部14とにおける相互に対応するもの同士を電気的に連結する複数の配線部15が設けられた第1の基板11は、図3に示されるように、第1の基板11と共にケーブル接続アダプタ20を形成するアダプタ本体21の外面部に取り付けられる。アダプタ本体21は、複数個、例えば、8個のソケットコネクタ部22が一列を成すように配列配置されて設けられたものとされている。そして、8個のソケットコネクタ部22の夫々には、図3に示されるような、光ファイバーケーブル本体23とその端部に取り付けられたプラグコネクタ24とを備えた光通信ケーブル25のプラグコネクタ24が選択的に差込み接続される。
【0027】
アダプタ本体21の外面部に対する第1の基板11の取り付けは、第1の基板11における複数の薄型発光素子13が設けられた第1の面11aが、アダプタ本体21における複数のソケットコネクタ部22の側方となる外表面に、例えば、両面接着テープが用いられて接着されることによって行われる。その際、複数の薄型発光素子13の夫々が複数のソケットコネクタ部22のいずれかの近傍に位置することになるものとされる。それにより、複数の薄型発光素子13の各々は、発行するとき、それに対応するソケットコネクタ部22を識別可能に明示して、当該ソケットコネクタ部22についての指標となる。
【0028】
一方、図1に示される第2の基板12は、これもプリント配線基板であって、その表面12aにおける図1において上方となる部分に、複数個、例えば、8個の接点ばね部材16が、8個の接続端子部14の配列配置に対応する二列を成す配列配置をもって設けられている。8個の接点ばね部材16の夫々は、帯状導体が屈曲されて形成されており、8個の接続端子部14のうちの対応するものとの当接部とされる自由端部を備えるものとされる。そして、図4に明瞭に示されるように、8個の接点ばね部材16の夫々は、第2の基板12の表面12aに配列配置された8個の接続端子部17のうちの対応するものに、例えば、半田付けをもって電気的に接着される。
【0029】
上述のような第1の基板11及び第2の基板12を含んで構成される本願発明に係る基板接続装置の一例は、図5に示される、第1の基板11と第2の基板12とが位置決めされる支持機構26をも備えている。支持機構26は、第1の基板11が取り付けられたアダプタ本体21を有したケーブル接続アダプタ20の複数個(20A,20Bとして示される。)が装着されるフレーム部材27及びフレーム部材27に固着されるカバー部材28を含んで構成されている。そして、支持機構26には、第1の基板11に設けられた複数の薄型発光素子13の夫々についての駆動制御を行う制御回路部30が取り付けられた第3の基板31が、カバー部材28によって覆われた状態をもってフレーム部材27に取り付けられることにより装着される。
【0030】
このようなもとで、複数の接点ばね部材16が設けられた第2の基板12の複数個(12A,12Bとして示される。)が、支持機構26に装着された第3の基板31により支持されるものとされ、それにより支持機構26に位置決めされる。第3の基板31も、プリント配線基板とされ、それに取り付けられた制御回路部30に電気的に連結された複数個の接続端子部(図示は省略されている。)が設けられており、第3の基板31により支持された第2の基板12(12A,12B)に設けられた複数の接点ばね部材16が、第3の基板31に設けられた複数個の接続端子部に夫々電気的に接続される。
【0031】
このようにして、複数の接点ばね部材16が設けられた第2の基板12は、支持機構26に装着された第3の基板31により支持されて、支持機構26に位置決めされる。そして、それとともに、第2の基板12に設けられた複数の接点ばね部材16が、第3の基板31に設けられた複数個の接続端子部を通じて、第3の基板31に取り付けられた制御回路部30との電気的接続がなされたものとされる。
【0032】
フレーム部材27に固着されてフレーム部材27と共に支持機構26を構成するカバー部材28には、支持機構26に装着される第3の基板31により支持される複数の第2の基板12(12A,12B)の夫々に対応する複数のスリット32が設けられている。これらのスリット32は、第1の基板11が取り付けられたアダプタ本体21を有したケーブル接続アダプタ20の複数個(20A,20Bとして示される。)がフレーム部材27に装着されるにあたり、各ケーブル接続アダプタ20に取り付けられた第1の基板11を通すものとされる。
【0033】
第1の基板11が取り付けられたアダプタ本体21を有したケーブル接続アダプタ20が、カバー部材28と共に支持機構26を形成するフレーム部材27に装着されるにあたっては、例えば、ケーブル接続アダプタ20が、図5におけるケーブル接続アダプタ20(20A)の位置から、それにおける第1の基板11がカバー部材28に設けられた複数のスリット32のうちの対応するものを通る状態をもって、図5におけるケーブル接続アダプタ20(20B)の位置に相当する位置まで、フレーム部材27に向かう方向に移動せしめられる。そして、図5におけるケーブル接続アダプタ20(20B)の位置に相当する位置において、当該ケーブル接続アダプタ20におけるアダプタ本体21がフレーム部材27に着脱可能に取り付けられる。それにより、当該ケーブル接続アダプタ20がフレーム部材27に着脱可能に装着され、それに伴って、当該ケーブル接続アダプタ20における第1の基板11が支持機構26に位置決めされる。即ち、第1の基板11は、それが取り付けられたアダプタ本体21を有したケーブル接続アダプタ20が、カバー部材28と共に支持機構26を形成するフレーム部材27に着脱可能に装着されることにより支持機構26に位置決めされるのである。
【0034】
このように、ケーブル接続アダプタ20が、フレーム部材27に装着されるべくフレーム部材27に向かう方向に移動せしめられるとき、当該ケーブル接続アダプタ20における第1の基板11もフレーム部材27に向かう方向に移動することになる。その際、カバー部材28に設けられたスリット32を通る第1の基板11は、それにおける複数の接続端子部14が設けられた第1の表面11aを、支持機構26に装着された第3の基板31により支持されて支持機構26に位置決めされた第2の基板12における複数の接点ばね部材16が設けられた表面12aに対して略平行にし、当該表面12aに近接対向させて、フレーム部材27に向かう方向の移動を行う。
【0035】
斯かる際、第1の基板11は、先ず、図6のAに示されるように、第1の表面11aを第2の基板12における表面12aに対して略平行にしたもとで、第2の基板12から離隔した状態をもってフレーム部材27に向かう方向(矢印Xにより示される方向。以下、X方向という。)に移動し、その後、図6のBに示されるように、第1の基板11における第1の表面11aに設けられた接続端子部14に、第2の基板12における表面12aに設けられた接点ばね部材16の当接部を成す自由端部が当接する状態に入り、さらにX方向に移動する。そして、第1の基板11は、図6のCに示されるように、第1の基板11における第1の表面11aに設けられた複数の接続端子部14の夫々に、第2の基板12における表面12aに設けられた複数の接点ばね部材16のうちの対応するものの当接部を成す自由端部が当接する状態をとるもとで、X方向における移動を終了する。この第1の基板11のX方向における移動の終了は、第1の基板11が取り付けられたアダプタ本体21を有したケーブル接続アダプタ20が、フレーム部材27に到達することによりもたらされる。
【0036】
このとき、第2の基板12における表面12aに設けられた複数の接点ばね部材16の夫々の当接部を成す自由端部は、第1の基板11における第1の表面11aに設けられた複数の接続端子部14のうちの対応するものに、弾性押圧力を作用させつつ当接して、対応する接続端子部14との確実な接触状態を維持する。それにより、第1の基板11と第2の基板12とが電気的に相互接続された状態とされ、第1の基板11における第1の表面11aに設けられた複数の薄型発光素子13の夫々が、第2の基板12における表面12aに設けられた複数の接点ばね部材16が電気的に接続された制御回路部30による駆動制御を受けて動作するものとされる。
【0037】
このようにして、第2の基板12が、支持機構26に装着された第3の基板31により支持されて支持機構26に位置決めされたもとで、第1の基板11が、それが取り付けられたアダプタ本体21を有したケーブル接続アダプタ20がフレーム部材27に装着されることにより支持機構26に位置決めされるとき、第1の基板11における第1の表面11aに設けられた複数の接続端子部14の各々に、第2の基板12における表面12aに設けられた複数の接点ばね部材16のうちの対応するものが当接し、第1の基板11と第2の基板12とが電気的に相互接続された状態とされることになる。
【0038】
従って、上述の本願発明に係る基板接続装置の一例によれば、複数の動作素子である薄型発光素子13とそれらに電気的に接続された複数の接続端子部14とが設けられた第1の基板11と、複数の薄型発光素子13についての駆動制御を行う制御回路部30と電気的に連結された複数の接点ばね部材16が設けられた第2の基板12とを、例えば、各基板とは別個に用意される一対の基板接続用コネクタを用いることなく、従って、各基板の占有スペースを増大させることなく、しかも、第2の基板12が支持機構26に位置決めされたもとで第1の基板11を、カバー部材28に設けられたスリット32を利用して支持機構26に容易に位置決めするだけの簡単な作業によって、複数の接続端子部14の各々に複数の接点ばね部材16のうちの対応するものが弾性押圧力を作用させつつ当接することによる確実な接触状態をもって、電気的な相互接続が適正に行われる状態におくことができる。そして、このようにして、第1の基板11と第2の基板12とが電気的に相互接続されたもとにあっては、第1の基板11に設けられた複数の薄型発光素子13の夫々が、第2の基板12に設けられた複数の接点ばね部材16が電気的に接続された制御回路部30による駆動制御を受けて動作するものとされる。
【0039】
なお、上述の本願発明に係る基板接続装置の一例にあっては、第1の基板11に設けられる動作素子が複数の薄型発光素子13とされたもとで、複数の薄型発光素子13及び接続端子部14の夫々の個数が8個とされ、また、第2の基板12に設けられる接点ばね部材16の個数も8個とされているが、本願発明に係る基板接続装置にあっては、第1の基板11に設けられる複数の動作素子が複数の薄型発光素子に限られるものではなく、また、第1の基板11に設けられる複数の動作素子及び複数の接続端子部の夫々の個数、及び、第2の基板に設けられる複数の接点ばね部材の個数には、何等の制限もない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のような本願発明に係る基板接続装置は、複数の動作素子とそれらに電気的に接続された複数の接続端子部とが設けられた基板と、複数の動作素子についての駆動制御を行う制御回路部と電気的に連結された複数の接点部材が設けられた他の基板とを、基板接続用コネクタを用いることなく、簡単な作業によって確実に接続できるものとして、例えば、様々な情報通信に関連する機器あるいは装置等に広く適用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本願発明係る基板接続装置の一例を支持機構と共に構成する第1及び第2の基板を示す斜視図である。
【図2】図1に示される第1の基板の部分を示す部分平面図である。
【図3】図1に示される第1の基板が取り付けられたアダプタ本体を有するケーブル接続アダプタの例を、光通信ケーブルの例と共に示す斜視図である。
【図4】図1に示される第2の基板の詳細を示す拡大斜視図である。
【図5】本願発明係る基板接続装置の一例を構成する支持機構,第1の基板及び第2の基板の相互関係の説明に供される斜視図である。
【図6】本願発明係る基板接続装置の一例における第1の基板及び第2の基板の相互接続の説明に供される動作図である
【符号の説明】
【0042】
11・・・第1の基板, 12,12A,12B・・・第2の基板, 13・・・薄型発光素子, 14,17・・・接続端子部, 15・・・配線部, 16・・・接点ばね部材, 20,20A,20B・・・ケーブル接続アダプタ, 21・・・アダプタ本体, 22・・・ソケットコネクタ部, 23・・・光ファイバケーブル本体, 24・・・プラグコネクタ, 25・・・光通信ケーブル, 26・・・支持機構, 27・・・フレーム部材, 28・・・カバー部材, 30・・・制御回路部, 31・・・第3の基板, 32・・・スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作素子,該複数の動作素子に夫々対応する複数の接続端子部、及び、上記複数の動作素子と上記複数の接続端子部とにおける相互に対応するもの同士を電気的に連結する複数の配線部が設けられた第1の基板と、
上記複数の動作素子の夫々についての駆動制御を行う制御回路部との電気的接続がなされる複数の接点ばね部材が設けられた第2の基板と、
上記第1及び第2の基板の夫々が位置決めされる支持機構と、
を備えて構成され、
上記第2の基板が上記支持機構に位置決めされたもとで、上記第1の基板が上記支持機構に位置決めされるとき、上記第1の基板に設けられた上記複数の接続端子部の各々に、上記第2の基板に設けられた上記複数の接点ばね部材のうちの対応するものが当接し、上記第1及び第2の基板が電気的に相互接続されることを特徴とする基板接続装置。
【請求項2】
上記複数の接続端子部が、上記第1の基板の表面部の一部分に配列配置されて設けられ、上記複数の接点ばね部材が、上記第2の基板の表面部の一部分に、上記複数の接続端子部の配列配置に対応する配列配置をもって設けられることを特徴とする請求項1記載の基板接続装置。
【請求項3】
上記複数の接続端子部の夫々が薄板状導体によって形成され、上記複数の接点ばね部材の夫々が帯状導体が上記薄板状導体との当接部を備えるべく屈曲されて形成されることを特徴とする請求項2記載の基板接続装置。
【請求項4】
上記支持機構が、上記第1の基板が上記支持機構に位置決めされるとき該第1の基板を通すスリットを備えることを特徴とする請求項1記載の基板接続装置。
【請求項5】
上記制御回路部が、上記支持機構に装着される第3の基板に取り付けられ、上記第2の基板が、上記第3の基板により支持されて上記支持機構に位置決めされるとともに、上記第3の基板との電気的接続がなされることを特徴とする請求項1記載の基板接続装置。
【請求項6】
上記第1の基板が、配列配置された複数のソケットコネクタ有したケーブル接続アダプタに取り付けられ、該ケーブル接続アダプタが上記支持機構に装着されることにより上記支持機構に位置決めされることを特徴とする請求項1記載の基板接続装置。
【請求項7】
上記第1の基板に設けられた複数の動作素子の夫々が、上記複数のソケットコネクタのいずれかに近接する位置をとる発光素子とされることを特徴とする請求項6記載の基板接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−117695(P2008−117695A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301518(P2006−301518)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000220561)東京通信機工業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】