説明

基板洗浄装置およびプラズマディスプレイパネルの製造方法

【課題】 良好な基板の洗浄を提供できる基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】 基板110(120)の一縁に略直交する方向で基板110(120)の一縁端部に向けてクリーンエアーを噴出させる第1気体噴出ノズル212と、基板110(120)の一縁に交差する方向で基板110(120)の一縁端部に向けてクリーンエアーを噴出する第2気体噴出ノズル214と、洗浄液を噴出する洗浄液ノズル213と、を設けたヘッド部210を、移動制御部にて基板110(120)の一縁端部に沿って相対的に移動させて基板110(120)を洗浄する。凹凸のある洗浄領域102でも汚染物質を良好に洗浄除去できる。洗浄後の洗浄液を確実に除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液を噴出して基板を洗浄する基板洗浄装置およびプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄液を噴出して基板を洗浄する各種基板洗浄装置が知られている。そして、基板洗浄装置として、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタの製造装置でガラス基板上にフォトレジストの塗布膜を形成する際のレジストビードを除去する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のものは、ガラス基板端が挿入される凹部を有する処理液供給部の上あご板に、巾方向の両端に上あご板をガラス基板に平行に延長した突き部を設ける。また、挿入されるガラス基板端の上方および下方に、リンス液・クリーンエアー供給部を有したヘッド部を備えている。そして、ヘッド部における上方リンス液・クリーンエアー供給部の上方リンス液噴出口と、上方クリーンエアー噴出口との配列を、上方リンス液・クリーンエアー供給部の巾方向で、かつ平行としている。さらに、上方リンス液噴出口の配列を上方リンス液・クリーンエアー供給部の底部の後方向位置、上方クリーンエアー噴出口の配列を上方リンス液・クリーンエアー供給部の底部の前方向位置としている。そして、これら配列を、上方リンス液・クリーンエアー供給部の両端にて、突き部の形状に追従した配設としている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−117536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のような従来の構成では、基板の端部に例えば引出電極などが設けられて凹凸があることから、リンス液とクリーンエアーとの双方を噴出させて洗浄しても、洗浄後のリンス液が凹凸により十分に除去できずに基板上に残存し、次工程での処理に不都合を生じるおそれがある問題点が一例として挙げられる。
【0006】
本発明は、このような実情などに鑑みて、良好な基板の洗浄が得られる基板洗浄装置およびプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、洗浄液を基板に噴出する洗浄液供給部および気体を前記基板に噴出する気体供給部を備えたヘッド部と、前記ヘッド部が前記基板の一縁端部に沿って移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させる移動制御部と、を備え、前記気体供給部は、前記基板の一縁に略直交する方向で前記基板の一縁端部に向けて前記気体を噴出する第1気体噴出ノズルと、前記基板の一縁に交差する方向で前記基板の一縁端部に向けて前記気体を噴出する第2気体噴出ノズルとを備えたことを特徴とした基板洗浄装置である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、洗浄液を基板に噴出する洗浄液供給部および気体を前記基板に噴出する気体供給部を備えたヘッド部を有する基板洗浄装置であって、前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を前記ヘッド部が前記基板の一縁端部に沿って移動する状態に相対的に移動させる移動制御部と、を備え、前記ヘッド部は、前記移動制御部により前記基板の一縁端部に沿った相対的な往路移動時に、前記洗浄液供給部および前記気体供給部により前記洗浄液および前記気体を前記基板の一縁端部へ噴出させ、前記移動制御部により前記基板の一縁端部に沿った相対的な復路移動時に、前記気体供給部により前記気体を前記基板の一縁端部へ噴出させることを特徴とした基板洗浄装置である。
【0009】
請求項10に記載の発明は、洗浄液を基板に噴出する洗浄液供給部を備えたヘッド部を有する基板洗浄装置であって、前記ヘッド部が前記基板の一縁端部に沿って移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させる移動制御部と、を備え、前記ヘッド部および前記基板との間に吸気により大気圧に対して負圧状態を形成させ、噴出された前記洗浄液を吸気による気流とともに回収する吸気部と、を備えたことを特徴とした基板洗浄装置である。
【0010】
請求項11に記載の発明は、洗浄液および気体を基板に噴出してプラズマディスプレイパネルを洗浄する基板洗浄工程を実施するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記基板洗浄工程は、洗浄液を噴出する洗浄液供給部および気体を噴出する気体供給部を備えたヘッド部を有する基板洗浄装置を用い、前記ヘッド部が前記プラズマディスプレイパネルの一縁端部に沿って移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させつつ、前記洗浄液供給部および前記気体供給部により前記洗浄液および前記気体を前記プラズマディスプレイパネルの一縁端部へ噴出させる洗浄工程と、この洗浄工程の後に前記プラズマディスプレイパネルの一縁端部に沿って前記洗浄工程における移動方向と反対方向へ前記ヘッド部が移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させつつ、前記気体供給部により前記気体を前記プラズマディスプレイパネルの一縁端部へ噴出させる液切り工程と、を実施することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、プラズマディスプレイパネルの製造方法におけるプラズマディスプレイパネルを構成する基板を洗浄する基板洗浄工程を例示して説明するが、この限りではなく、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの各種パネルを構成する基板、さらにはパネル自体を洗浄対象とすることができる。
【0012】
〔プラズマディスプレイパネルの構成〕
まず、製造するプラズマディスプレイパネルの概略構成について以下に説明する。図1は、本実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルの内部構造を示した斜視図である。図2は、プラズマディスプレイパネルの要部断面を拡大して示した側面断面図である。図3は、プラズマディスプレイパネルの外観を示した正面図である。なお、これら図1ないし図3は、説明の都合上、各種電極および放電セルの寸法などが基板に対して相対的に大きく示す。
【0013】
図1および図2に示すように、100はプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)で、このPDP100は、放電空間101を介して互いに対向配置された基板としての背面基板110および基板としての前面基板120と、封着部材としてのシールフリット130と、などを備えている。
【0014】
そして、背面基板110はガラス基板で、前面基板120と対向する内面側に、複数のアドレス電極111がそれぞれ略平行に設けられ、これらアドレス電極111を覆うように背面基板110の内面側に誘電体層であるアドレス保護層112が設けられている。なお、アドレス電極111は、それぞれ背面基板110の周縁に引き出され、外部からの画像信号に対応した高電圧パルス信号が入力される図示しない引出電極が形成されている。さらに、アドレス保護層112上に井桁状の隔壁113が設けられ、これら隔壁113により、複数個の図示しない放電セル113Aが区画形成される。そして、これら複数個の放電セル113Aの内部には、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体層114R、114G、114Bが順に設けられている。
【0015】
また、前面基板120はガラス基板で、背面基板110と対向する内面側に、複数の透明電極121が設けられている。これら透明電極121は、背面基板110の所定の放電セル113Aに2つの透明電極121が対応する状態で一対ずつ設けられている。また、一対の透明電極121の一部に積層する状態で、アドレス電極111に対して略直行する方向に沿って複数のバス電極対122が一定間隔で複数設けられている。これらバス電極対122は、一端部が前面基板120の周縁部に引き出され、外部からの画像信号に対応した高電圧パルス信号が入力される図示しない引出電極が形成されている。また、バス電極対122間にストライプ状に複数のブラックストライプ123が複数設けられている。そして、透明電極121、バス電極対122およびブラックストライプ123を覆い背面基板110のアドレス保護層112に対向する導電体層124が設けられている。さらに、導電体層124上の全面には、この導電体層124を保護する保護層125が設けられている。
【0016】
シールフリット130は、図2および図3に示すように、隔壁113の外周側を囲む状態に設けられている。すなわち、背面基板110におけるアドレス保護層112の周縁側および前面基板120における保護層125の周縁側となる背面基板110および前面基板120の周縁近傍に略矩形枠状に設けられ、背面基板110および前面基板120を封着する。これにより、シールフリット130で囲まれた背面基板110および前面基板120間の放電空間101内部にネオンガスなどの放電ガスが充填され、PDP100が構成される。
【0017】
〔基板洗浄装置の構成〕
次に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの製造方法における基板洗浄工程で用いられる基板洗浄装置の概略構成について以下に説明する。図4は、本実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルの製造方法における基板洗浄工程で用いられる基板洗浄装置を示す概略構成図である。図5は、基板洗浄装置のヘッド部の概略構成を示す一部を切り欠いた平面図である。図6は、基板洗浄装置のヘッド部の概略構成を示す側面断面図である。図7は、基板洗浄装置のヘッド部の概略構成を示す正面図である。なお、図4は、ヘッド部の洗浄時の移動状況を説明する都合上、基板洗浄装置におけるヘッド部の待機位置および移動時として概念的に示す。また、図5ないし図7は、洗浄液およびクリーンエアーの噴出状態を説明する都合上、ノズル形状を噴出方向に沿った形状として示す。
【0018】
図4において、200は基板洗浄装置で、この基板洗浄装置200は、被洗浄物であるPDP100を構成する背面基板110と前面基板120とを放電空間101を介して互いに対向する状態にシールフリット130を設けて封着する領域となる背面基板110や前面基板120(以下、基板110(120)と称す。)の周縁近傍の洗浄領域102を洗浄する装置である。この基板洗浄装置200は、ヘッド部210を複数、例えば背面基板110および前面基板120の4辺に対応して4つ備えている。
【0019】
これらヘッド部210は、例えば図示しない基板載置部に載置固定される基板110(120)の4隅近傍に配置され、図示しない移動制御部により基板110(120)の一縁端部に沿って移動され、基板110(120)の一縁端部の洗浄領域102を洗浄する。なお、例えば、基板載置部に、基板110(120)の有無や基板110(120)が所定の位置に位置決めされているか否かなどを検出可能なセンサなどを設けるとよい。
【0020】
そして、ヘッド部210は、図5ないし図7に示すように、本体部211を有している。この本体部211は、移動制御部に移動可能に支持され基板110(120)の一縁端部に沿った矩形状の支持部211Aと、基板110(120)の両面に所定の間隙を介して対向する状態に支持部211Aに一連に設けられ互いに対向する一対のノズル支持部211Bとを有し、3側面が開口する断面略コ字状に形成されている。また、ノズル支持部211Bは、図5に示すように、ヘッド部210の移動方向における基板110(120)を洗浄する際の移動方向となる洗浄移動方向側の一縁が斜めに切り落とされたように傾斜縁211B1となっている。
【0021】
そして、本体部211のノズル支持部211Bには、支持部211Aに対して先端側で互いに対向する面となる内面側に気体である空気、特に塵埃が除去されたいわゆるクリーンエアーを基板110(120)に噴出する第1気体噴出ノズル212が、ヘッド部210の移動方向となる基板110(120)の一縁に沿う幅方向に沿って複数設けられている。これら第1気体噴出ノズル212は、本体部211内に設けられ図示しないエアー供給部から供給されるクリーンエアーを流通させる図示しないエアー供給路に接続され、基板110(120)の一縁に対して略直交する方向でノズル支持部211Bの支持部211Aに対して基端側となる基板110(120)の一縁側へエアー供給路から供給されるクリーンエアーを噴出する状態に設けられている。
【0022】
また、ノズル支持部211Bには、第1気体噴出ノズル212に対してノズル支持部211Bの基端側に位置して、例えば純水やアルコールなどの洗浄液を基板110(120)に噴出する洗浄液ノズル213が複数設けられている。これら洗浄液ノズル213は、本体部211内に設けられ図示しない洗浄液供給部から供給される洗浄液を流通させる洗浄液供給路に接続され、供給される洗浄液が第1気体噴出ノズル212から噴出されるクリーンエアーと2液化されて基板110(120)の一縁に対して略直交する方向で基板110(120)の一縁側へ向けて洗浄領域102に吹き付ける状態に設けられている。
【0023】
さらに、ノズル支持部211Bには、傾斜縁211B1に位置して、エアー供給路に接続されクリーンエアーを噴出する第2気体噴出ノズル214が設けられている。この第2気体噴出ノズル214は、基板110(120)の一縁に交差すなわち傾斜する状態で基板110(120)の一縁側へ向けてクリーンエアーを吹き付ける状態に設けられている。さらに、第2気体噴出ノズル214は、吹き付けるクリーンエアーが基板110(120)の一縁に傾斜する略直線状の領域、すなわちいわゆるエアーカーテン状でヘッド部210の洗浄移動方向に対して後方へ噴出される状態に設けられている。
【0024】
また、本体部211の支持部211Aには、基板110(120)の一縁端部に対向する状態に吸気開口211A1が開口形成されている。この吸気開口211A1には、図示しない吸気部に連通するダクトが連結されている。そして、吸気部による吸気により、第1気体噴出ノズル212および第2気体噴出ノズル214から噴出されるクリーンエアー、および洗浄液ノズル213から噴出される洗浄液を、吸気開口211A1からダクトを介して吸気部に吸い込んで回収可能となっている。なお、吸気部は、クリーンエアーおよび洗浄液を分離し、洗浄液は塵埃などの基板110(120)に付着していた汚染物質が別途除去され、再び洗浄液として洗浄液供給部へ返送されて再利用され循環される。また、クリーンエアーは、適宜排気として排出される。なお、洗浄液として揮発性のアルコールなどが利用される場合には、混入するアルコールなどを除去して排気される。
【0025】
移動制御部は、図4に示すように、基板載置部に載置される基板110(120)の4隅近傍における待機位置(図中2点鎖線)に各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を位置させる待機動作と、基板110(120)の周縁に沿って各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を移動させる移動動作とを実施する。移動動作としては、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210にて基板110(120)を洗浄する洗浄移動方向への移動と、洗浄後に洗浄液を液切りする液切り移動方向への移動と、を実施する。なお、移動制御部は、例えば各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210の位置を検出可能なセンサなどを備え、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210の移動を制御する。
【0026】
具体的には、移動制御部は、待機位置に位置する各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を基板110(120)の4隅にそれぞれ移動させ、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を所定の速度で例えば反時計回りの方向へ基板110(120)の一縁に沿って移動させる。この反時計回りへの移動が、洗浄液およびクリーンエアーを各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210から噴出させる往路となる洗浄移動方向への移動となる。さらに、移動制御部は、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を移動開始位置の基板110(120)の角部から反時計回り側に位置する角部へそれぞれ移動させると、移動開始位置となる基板110(120)の角部へ再び移動させる復路となる液切り移動方向へ移動させる。この液切り移動方向への移動が終了すると、移動制御部は、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を再び待機位置へ移動させ、基板110(120)を次工程へ搬送する搬送装置へ洗浄が終了した旨の信号を出力し、載置固定されている基板110(120)を次工程へ搬送させて新たな洗浄対象の基板110(120)を基板載置部へ載置させる。
【0027】
〔プラズマディスプレイパネルの製造方法における動作〕
次に、上記したPDP100の製造方法の動作として、基板洗浄装置200により基板110(120)を洗浄する基板洗浄工程における処理動作について説明する。
【0028】
あらかじめ前工程で、アドレス電極111、アドレス保護層112、隔壁113、および蛍光体層114R,114G,114Bが順次形成された背面基板110や、透明電極121、バス電極対122、ブラックストライプ123、導電体層124および保護層125が順次形成された前面基板120は、基板洗浄工程で洗浄される工程が実施される。すなわち、前処理が施された基板110(120)は、基板洗浄装置200の図示しない基板載置部に載置固定させる。なお、この基板110(120)の基板洗浄装置200への搬入に際しては、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210は、待機位置に位置されている。そして、例えば基板載置部に設けられた図示しないセンサにて洗浄対象の基板110(120)が所定の位置に位置決め固定されたことを検出すると、その旨の信号を移動制御部へ出力し、基板洗浄工程における洗浄工程が実施される。
【0029】
すなわち、基板110(120)が位置決め固定された旨の信号を受信した移動制御部は、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を、基板110(120)の4隅にそれぞれ移動させる。そして、移動制御部におけるヘッド部(a1,a2,b1,b2)210が基板110(120)の4隅に位置したことを図示しないセンサが検出することで、図示しない洗浄液供給部、エアー供給部および吸気部が動作する。そして、洗浄液供給部およびエアー供給部の動作により、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210へ洗浄液およびクリーンエアーが供給され、洗浄液ノズル213から洗浄液が噴出されるとともに、第1気体噴出ノズル212からクリーンエアーが噴出される。この洗浄液およびクリーンエアーの噴出する状態で、移動制御部は、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を対応する基板110(120)の一縁に沿って、往路となる洗浄移動方向へ移動させる。そして、洗浄液とクリーンエアーとの噴出により、洗浄液およびクリーンエアーは2液化した状態で基板110(120)の洗浄領域102に各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210が移動しつつ吹き付けられ、基板110(120)の洗浄領域102上の汚染物質が各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210の移動に伴って順次洗い流される。
【0030】
そして、洗い流される汚染物質は、洗浄液およびクリーンエアーとともに、動作する吸気部による吸気により、吸気開口211A1から回収される。すなわち、吸気部の動作により、基板110(120)と本体部211の内面側との間に、大気圧に対して負圧状態が形成され、ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210の周囲の空気が本体部211の内面側に吸気されることとなり、噴出される洗浄液およびクリーンエアーが周りに飛び散ることなく周囲の空気とともに吸気開口211A1から吸気されて確実に回収される。
【0031】
この移動制御部により各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210が洗浄移動方向で移動されて移動先の基板110(120)における反時計回り側に位置する角部へそれぞれ到達すると、センサにてその旨が検出され、基板洗浄工程における洗浄工程が終了し、次の液切り工程が実施される。すなわち、洗浄液およびクリーンエアーを噴出しつつ移動している各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210が所定の角部へ到達した旨を検出する検出信号を移動制御部が受診すると、移動制御部は、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210の洗浄移動方向への移動を一旦停止させる。さらに、洗浄液供給部の動作が停止し、洗浄液の供給が停止され、洗浄工程が終了する。
【0032】
この後、エアー供給部にて供給されるクリーンエアーは、例えば本体部211に設けられ切替弁の切替にて第2気体噴出ノズル214へ供給され、液切り工程が開始される。このクリーンエアーの供給により、第2気体噴出ノズル214からいわゆるエアーカーテン状にクリーンエアーが基板110(120)へ噴出される。このクリーンエアーの噴出する状態で、移動制御部は、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210を対応する基板110(120)の一縁に沿って、復路となる液切り方向へ移動させる。そして、クリーンエアーの噴出により、基板110(120)上に残存する洗浄液は、いわゆるエアーカーテン状で噴出されるクリーンエアーによりエアーナイフ作用にて吸気開口211A1へ順次吹き飛ばされるとともに、動作する吸気部による吸気により吹き飛ばされる洗浄液を吸気開口211A1から外気とともに吸気して回収する。
【0033】
そして、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210が洗浄工程の移動開始位置に到達したことをセンサが検出すると、動作するエアー供給部および吸気部の動作を停止させ、液切り工程が終了する。この後、移動制御部は、各ヘッド部(a1,a2,b1,b2)210をそれぞれ待機位置に移動させ、基板110(120)を次工程へ搬送する搬送装置へ洗浄が終了した旨の信号を出力し、基板載置部に載置固定されている基板110(120)を次工程へ搬送させ、基板洗浄工程が終了する。なお、洗浄後の基板110(120)の基板洗浄装置200からの搬出後、新たな洗浄対象の基板110(120)を基板載置部へ載置させ、再び基板洗浄装置200による基板洗浄工程が開始される。
【0034】
〔プラズマディスプレイパネルの製造方法の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、洗浄対象の基板110(120)の一縁に略直交する方向で基板110(120)の一縁端部に向けてクリーンエアーを噴出させる第1気体噴出ノズル212と、基板110(120)の一縁に交差する方向で基板110(120)の一縁端部に向けてクリーンエアーを噴出する第2気体噴出ノズル214と、洗浄液を噴出する洗浄液ノズル213と、を設けたヘッド部210を、移動制御部にて基板110(120)の一縁端部に沿って移動させて基板110(120)を洗浄している。このため、洗浄液ノズル213から噴出する洗浄液と第1気体噴出ノズル212から噴出するクリーンエアーにて、例えば引出電線などが位置して凹凸となる基板110(120)の洗浄領域102でも、洗浄領域102上の汚染物質を良好に洗浄除去できるとともに、洗浄後の洗浄液を第2気体噴出ノズル214にて斜めからクリーンエアーを吹き付けるエアーナイフ作用により確実に除去することが容易に得られ、良好な基板110(120)の洗浄が実施できる。したがって、次工程で、例えばシールフリット130により背面基板110および前面基板120を封着する際に、残存する洗浄液により確実な封着が得られなくなるなどの不都合を容易に防止でき、また別途洗浄液を除去するための構成や処理が不要となり、基板110(120)の洗浄効率の向上や基板洗浄工程を実施する装置の簡略化なども容易に得られる。
【0035】
そして、ヘッド部210を基板110(120)の一縁端部に沿って往路となる洗浄移動方向へ移動制御部により移動させる際に洗浄液ノズル213から洗浄液を噴出させるとともに第1気体噴出ノズル212からクリーンエアーを噴出させ、ヘッド部210を基板110(120)の一縁端部に沿って復路となる液切り移動方向へ移動制御部により移動させる際に第2気体噴出ノズル214からクリーンエアーを噴出させている。このため、洗浄液およびクリーンエアーによる洗浄後に凹凸のある洗浄領域102に洗浄液などが残留しても、確実に除去でき、良好な基板110(120)の洗浄が往復移動させる際の噴出させる状態の切替のみで容易に得られる。
【0036】
また、第2気体噴出ノズル214として、吹き付けるクリーンエアーが基板110(120)の一縁に傾斜する略直線状の領域、すなわちいわゆるエアーカーテン状にクリーンエアーを噴出させている。このため、エアーナイフ作用が容易に得られ、確実に残留する洗浄液の除去が簡単な構成で容易に得られる。
【0037】
さらに、ヘッド部210の液切り移動方向で洗浄液ノズル213に対して後側に位置する状態に第2気体噴出ノズル214を設けている。このため、液切り移動の際に確実に洗浄液の除去が簡単な構成で容易に得られる。
【0038】
また、基板110(120)の両面側に互いに対向する状態に第2気体噴出ノズル214をそれぞれ設けている。このため、仮に洗浄液の一部が基板110(120)における洗浄領域102の裏面側に流れても、ヘッド部210の液切り移動の際に確実に除去され、より確実に良好な基板110(120)の洗浄が得られる。そしてさらに、基板110(120)の両面側に互いに対向する状態に洗浄液ノズル213および第1気体噴出ノズル212をもそれぞれ設けている。このため、仮に汚染物質を含む洗浄液の一部が基板110(120)における洗浄領域102の裏面側に流れても、裏面側に位置する洗浄液ノズル213および第1気体噴出ノズル212から噴出される洗浄液およびクリーンエアーにて除去され、基板110(120)をより良好に洗浄できる。
【0039】
そして、第1気体噴出ノズル212は、洗浄液ノズル213から噴出される洗浄液とともに2液化する状態にクリーンエアーを噴出する位置に設けている。このため、洗浄液とクリーンエアーとの2液化により、凹凸のある洗浄領域102でも確実に汚染物質を洗浄除去でき、良好な基板110(120)が得られる。さらに、第1気体噴出ノズル212のクリーンエアーを噴出する方向となる基板110(120)に対して直交する方向側に洗浄液ノズル213が位置する位置関係としている。このため、洗浄液とクリーンエアーとを2液化させることが簡単な構成で容易に得られる。
【0040】
また、洗浄液を噴出する方向側に吸気部にて吸気する吸気開口211A1を設けている。このため、洗浄液を周りに飛び散らせることなく確実に洗浄液を吸気開口211A1から回収でき、基板110(120)を良好に洗浄できる。特に、洗浄液の噴出量およびクリーンエアーの噴出量より多くの量の吸気量で吸気させることにより、基板110(120)と本体部211の内面側との間に、大気圧に対して負圧状態が確実に形成され、ヘッド部210の周囲の空気が本体部211の内面側に吸気されることとなり、噴出される洗浄液およびクリーンエアーが周りに飛び散ることなく周囲の空気とともに吸気開口211A1から確実に吸気されて回収できる。したがって、基板110(120)の良好な洗浄が確実に得られる。
【0041】
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した実施の一形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0042】
すなわち、アドレス電極111、アドレス保護層112、隔壁113、および蛍光体層114R、114G、114Bが順次形成された背面基板110や、透明電極121、バス電極対122、ブラックストライプ123、導電体層124および保護層125が順次形成された前面基板120におけるシールフリット130を設ける領域を洗浄領域102として洗浄する基板洗浄工程を例示して説明したが、基板洗浄工程は、これら基板110(120)を洗浄する場合に限られない。例えば引出電極を形成する前段階、蛍光体層114R,114G,114Bを設ける前段階など、いずれの段階の基板110(120)を洗浄してもよい。さらには、基板110(120)のみならず、例えば背面基板110および前面基板120を封着したのちのPDP100を洗浄対象の被洗浄物である基板として洗浄してもよい。
【0043】
そして、ヘッド部210を4つ設けて説明したが、例えば1つのみとして基板110(120)の各辺で洗浄工程および液切り工程を実施させたり、基板110(120)の各辺でそれぞれ洗浄工程を実施した後に液切り工程を実施したりするなどしてもよい。また、基板110(120)の全周を洗浄する基板洗浄工程を例示したが、例えば所定の辺あるいは領域のみを洗浄する構成にも適用できる。
【0044】
また、吸気部を設けて吸気により噴出した洗浄液やクリーンエアーを回収する構成について説明したが、例えば吸気部を設けず、吹き飛ばされる先に洗浄液を回収する回収部を本体部211に設けるなどしたり、洗浄液とクリーンエアーとをそれぞれ異なる位置から回収させる構成に本体部211を構成したりするなどしてもよい。
【0045】
そして、基板110(120)の両面側にそれぞれ第1気体噴出ノズル212、第2気体噴出ノズル214および洗浄液ノズル213をそれぞれ設けて説明したが、例えば洗浄領域102に対向する側のノズル支持部211Bにのみ第1気体噴出ノズル212、第2気体噴出ノズル214および洗浄液ノズル213を設けたり、第1気体噴出ノズル212および洗浄液ノズル213は洗浄領域102に対向する側のノズル支持部211Bのみに設け第2気体噴出ノズル214は両面側にそれぞれ設けたりしてもよい。さらには、両面側にそれぞれ設ける第1気体噴出ノズル212、第2気体噴出ノズル214および洗浄液ノズル213は、互いに対向しない位置に設けるなどしてもよい。
【0046】
また、1つの第1気体噴出ノズル212に対して複数の洗浄液ノズル213が対応する状態に構成して2液化させる構成について説明したが、例えば図8および図9に示すように、1つの洗浄液ノズル213に対して1つの第1気体噴出ノズル212が対応する対をなす状態に構成してもよい。なお、図8および図9は、説明の都合上、洗浄液およびクリーンエアーが噴出されて洗浄される領域を2点鎖線で示している。
【0047】
このように対をなして構成することにより、洗浄液とクリーンエアーとの2液化が良好に得られ、洗浄力がより向上し、良好に基板110(120)を洗浄できる。なお、汚染物質を洗浄液とともに吹き飛ばすクリーンエアーを噴出させる第1気体噴出ノズル212は、ノズル支持部211Bの基端側となる一縁端部に向く状態にクリーンエアーを噴出させる構成となることから、図8に示すように、段差状に設けるとよい。この図8および図9に示す構成によれば、対をなす洗浄液ノズル213および第1気体噴出ノズル212が洗浄する各領域でそれぞれ同等の洗浄能力が得られることから、これらの対を多段に設けることで洗浄力に部分的に差が生じることなく洗浄領域の拡大が容易に得られる。
【0048】
さらに、第1気体噴出ノズル212および洗浄液ノズル213が対応する状態に設ける構成に限らず、例えば第1気体噴出ノズル212を第2気体噴出ノズル214のようにいわゆるエアーカーテン状に噴出させるなどしてもよい。
【0049】
また、第1気体噴出ノズル212および第2気体噴出ノズル214を共通のエアー供給部からのクリーンエアーを切替弁などにて適宜切り替えて噴出させる構成を例示したが、それぞれ異なるエアー供給部から供給させたり、エアー供給部で切り替えてそれぞれ異なるエアー供給路を介して供給させたりするなどしてもよい。このような構成とすることで、ヘッド部210における本体部211の構成などの簡略化が得られ、小型化が容易に図れる。なお、上述した実施の形態のようにエアー供給部を共通化させることで、構成の簡略化が得られる。
【0050】
さらに、ヘッド部210を移動させて説明したが、例えばヘッド部210は移動させず、基板110(120)を移動させて洗浄したり、互いに移動させて洗浄したりするなど、ヘッド部210が基板110(120)の一縁に沿って相対的に移動する状態としてもよい。なお、上述したヘッド部210を移動させる構成により、基板110(120)が移動しないので、洗浄するためのスペースを最小限に設定できるとともに、基板110(120)を移動させる際に応力が掛かるなどの不都合も生じず、基板載置部の構成も簡略化でき、良好に洗浄できる。また、基板110(120)を移動させることで、ヘッド部210が移動しないので、クリーンエアーや洗浄液の供給、および、吸気の構成が簡略化でき、基板洗浄装置200の小型化や構成の簡略化などが容易に得られる。さらに、相対的に移動させる構成では、洗浄時間の短縮が容易に図れる。
【0051】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0052】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、基板110(120)の一縁に略直交する方向で基板110(120)の一縁端部に向けてクリーンエアーを噴出させる第1気体噴出ノズル212と、基板110(120)の一縁に交差する方向で基板110(120)の一縁端部に向けてクリーンエアーを噴出する第2気体噴出ノズル214と、洗浄液を噴出する洗浄液ノズル213と、を設けたヘッド部210を、移動制御部にて基板110(120)の一縁端部に沿って相対的に移動させて基板110(120)を洗浄している。このため、洗浄液ノズル213から噴出する洗浄液と第1気体噴出ノズル212から噴出するクリーンエアーにて、例えば引出電線などが位置して凹凸となる基板110(120)の洗浄領域102でも、洗浄領域102上の汚染物質を良好に洗浄除去できるとともに、洗浄後の洗浄液を第2気体噴出ノズル214にて斜めからクリーンエアーを吹き付けるエアーナイフ作用により確実に除去することが容易にでき、良好な基板110(120)の洗浄が実施できる。
【0053】
また、ヘッド部210が基板110(120)の一縁端部に沿って移動する状態に前記ヘッド部210および基板110(120)のうちの少なくともいずれか一方を移動制御部により相対的に移動させ、ヘッド部210が相対的に洗浄移動方向へ移動する往路移動の際に洗浄液およびクリーンエアーを基板110(120)の一縁端部へ噴出させ、ヘッド部210が相対的に液切り移動方向へ移動する復路移動の際にクリーンエアーを基板110(120)の一縁端部へ噴出させる。このことにより、例えば引出電線などが位置して凹凸となる基板110(120)の洗浄領域102でも、洗浄後に洗浄領域102の凹凸により基板110(120)上に洗浄液が残留しても、液切り移動時に確実に洗浄液が除去され、良好な基板110(120)の洗浄が実施できる。
【0054】
さらに、ヘッド部210が基板110(120)の一縁端部に沿って移動する状態に前記ヘッド部210および基板110(120)のうちの少なくともいずれか一方を移動制御部により相対的に移動させ、ヘッド部210および基板110(120)との間に、吸気部による吸気にて大気圧に対して負圧状態を形成させ、基板110(120)へ噴出させた洗浄液を吸気により周囲の空気とともに回収する。このことにより、洗浄の際にクリーンエアーなどを噴出させる構成が不要となり、構成の簡略化が得られる。また、吸気により空気の気流にて洗浄液との2液化を生じさせることも可能となり、簡単な構成で洗浄力の向上が容易に図れる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明における実施の一形態に係るプラズマディスプレイパネルの内部構造を示した斜視図である。
【図2】前記実施の一形態におけるプラズマディスプレイパネルの要部断面を拡大して示した側面断面図である。
【図3】前記実施の一形態におけるプラズマディスプレイパネルの外観を示した正面図である。
【図4】前記実施の一形態におけるプラズマディスプレイパネルの製造方法における基板洗浄工程で用いられる基板洗浄装置を示す概略構成図である。
【図5】前記実施の一形態における基板洗浄装置のヘッド部の概略構成を示す一部を切り欠いた平面図である。
【図6】前記実施の一形態における基板洗浄装置のヘッド部の概略構成を示す側面断面図である。
【図7】前記実施の一形態における基板洗浄装置のヘッド部の概略構成を示す正面図である。
【図8】本発明における他の実施の形態に係る基板洗浄装置のヘッド部における第1気体噴出ノズルと洗浄液ノズルとの位置関係を示す概念図である。
【図9】前記他の実施形態における基板洗浄装置のヘッド部の概略構成を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0056】
100………基板ともなるプラズマディスプレイパネル(PDP)
200………基板洗浄装置
210………ヘッド部
211A1…吸気部を構成する吸気開口
212………気体供給部を構成する第1気体噴出ノズル
213………洗浄液供給部を構成する洗浄液ノズル
214………気体供給部を構成する第2気体噴出ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を基板に噴出する洗浄液供給部および気体を前記基板に噴出する気体供給部を備えたヘッド部と、
前記ヘッド部が前記基板の一縁端部に沿って移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させる移動制御部と、を備え、
前記気体供給部は、前記基板の一縁に略直交する方向で前記基板の一縁端部に向けて前記気体を噴出する第1気体噴出ノズルと、前記基板の一縁に交差する方向で前記基板の一縁端部に向けて前記気体を噴出する第2気体噴出ノズルとを備えた
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板洗浄装置であって、
前記移動制御部は、前記ヘッド部が前記基板の一縁端部に沿って往復移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させ、
前記ヘッド部は、前記移動制御部により前記基板の一縁端部に沿った相対的な往路移動時に、前記洗浄液供給部および前記気体供給部の第1気体噴出ノズルにより前記洗浄液および前記気体を前記基板の一縁端部へ噴出させ、前記移動制御部により前記基板の一縁端部に沿った相対的な復路移動時に、前記気体供給部の第2気体噴出ノズルにより前記気体を前記基板の一縁端部へ噴出させる
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項3】
洗浄液を基板に噴出する洗浄液供給部および気体を前記基板に噴出する気体供給部を備えたヘッド部を有する基板洗浄装置であって、
前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を前記ヘッド部が前記基板の一縁端部に沿って移動する状態に相対的に移動させる移動制御部と、を備え、
前記ヘッド部は、前記移動制御部により前記基板の一縁端部に沿った相対的な往路移動時に、前記洗浄液供給部および前記気体供給部により前記洗浄液および前記気体を前記基板の一縁端部へ噴出させ、前記移動制御部により前記基板の一縁端部に沿った相対的な復路移動時に、前記気体供給部により前記気体を前記基板の一縁端部へ噴出させる
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板洗浄装置であって、
前記ヘッド部の気体供給部は、前記基板の一縁に略直交する方向で前記基板の一縁端部に向けて前記気体を噴出する第1気体噴出ノズルと、前記基板の一縁に交差する方向で前記基板の一縁端部に向けて前記気体を噴出する第2気体噴出ノズルとを備えた
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項5】
請求項1、請求項2および請求項4のうちのいずれかに記載の基板洗浄装置であって、
前記洗浄液供給部および前記気体供給部の第1気体噴出ノズルは、少なくとも前記基板の一面側に対向する位置に設けられ、
前記気体供給部の第2気体噴出ノズルは、前記基板の両面側にそれぞれ対向する位置に設けられた
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項6】
請求項1、請求項2、請求項4および請求項5のうちのいずれかに記載の基板洗浄装置であって、
前記気体供給部の第1気体噴出ノズルは、前記移動制御部による相対的な復路移動時における移動方向で前記洗浄液供給部に対して後側に位置する状態に設けられた
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項7】
請求項1、請求項2および請求項4ないし請求項6のうちのいずれかに記載の基板洗浄装置であって、
前記第1気体噴出ノズルは、前記洗浄液供給部により噴出される前記洗浄液とともに2液化する状態に前記気体を噴出する位置に設けられた
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項8】
請求項1、請求項2および請求項4ないし請求項7のうちのいずれかに記載の基板洗浄装置であって、
前記第2気体噴出ノズルは、前記基板の一縁に交差する方向に沿った線状の領域で前記気体を噴出させる
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の基板洗浄装置であって、
前記噴出された洗浄液および気体を吸気により回収する吸気部を備えた
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項10】
洗浄液を基板に噴出する洗浄液供給部を備えたヘッド部を有する基板洗浄装置であって、
前記ヘッド部が前記基板の一縁端部に沿って移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させる移動制御部と、を備え、
前記ヘッド部および前記基板との間に吸気により大気圧に対して負圧状態を形成させ、噴出された前記洗浄液を吸気による気流とともに回収する吸気部と、を備えた
ことを特徴とした基板洗浄装置。
【請求項11】
洗浄液および気体を基板に噴出してプラズマディスプレイパネルを洗浄する基板洗浄工程を実施するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記基板洗浄工程は、
洗浄液を噴出する洗浄液供給部および気体を噴出する気体供給部を備えたヘッド部を有する基板洗浄装置を用い、
前記ヘッド部が前記プラズマディスプレイパネルの一縁端部に沿って移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させつつ、前記洗浄液供給部および前記気体供給部により前記洗浄液および前記気体を前記プラズマディスプレイパネルの一縁端部へ噴出させる洗浄工程と、
この洗浄工程の後に前記プラズマディスプレイパネルの一縁端部に沿って前記洗浄工程における移動方向と反対方向へ前記ヘッド部が移動する状態に前記ヘッド部および前記基板のうちの少なくともいずれか一方を相対的に移動させつつ、前記気体供給部により前記気体を前記プラズマディスプレイパネルの一縁端部へ噴出させる液切り工程と、を実施する
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−38083(P2007−38083A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−223353(P2005−223353)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(398050283)パイオニア・ディスプレイ・プロダクツ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】