説明

基板洗浄装置

【課題】各工程で使用する薬液に乾燥残留後に問題となる有機物等が大気中から混入することによる洗浄工程内でのウエハへの有機汚染物質の付着を防ぐことができる基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】基板を薬液により洗浄する処理室と、前記処理室内で基板を支持する支持具と、前記処理室内の前記基板に対して薬液を供給する配管と、前記基板に対して供給する前記薬液を収容する容器と、前記容器内または前記容器内の前記薬液液面上方の空間を排気する排気配管内に有機物非含有ガスを導入する有機物非含有ガス供給系とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を洗浄する基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウエハ等の半導体基板の成膜パターン条件は微細化の方向にあり、それに伴い洗浄技術も微細化に対応するために様々な方法が採られている。
しかし、ウエハを洗浄した際、その表面は非常に活性であるため、様々な要因で洗浄面を保ち続けることは非常に困難であることは既知の事実である。
また、ウエハを酸等による洗浄液にて洗浄し、リンス工程を経て乾燥させる一連の作業のうち、従来から問題視されている金属汚染等以外に有機汚染にも対応しなければならない。
【0003】
また、基板洗浄装置において、半導体基板を洗浄する際、酸またはアルカリ等(例えばフッ化水素酸、塩酸、硫酸、またはアンモニア水、過酸化水素水)を1種類以上混ぜ、脱イオン水(DIW)で希釈したもの(SC1液:アンモニア水と過酸化水素水を混ぜDIWで希釈したもの、SC2液:塩酸と過酸化水素水を混ぜDIWで希釈したもの、など)などが使用されているが、これらは特定の容器内において濃度調整が行われたり、使用温度に温度制御されたりしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この特定の容器内では、目的濃度への調整や温度制御等を行う際に起こる容器内の圧力変動によって装置周辺の大気を該当容器内に吸い込んでしまう。この結果、大気中に含まれる有機物(フタル酸エステル類など)を洗浄液中に含ませてしまい、洗浄ウエハを微量ながら有機汚染させてしまう。従来はこの程度の汚染量は問題とならなかったが、微細化が進んだため有機汚染量の許容値が下がり様々な弊害が発生している。
【0005】
本発明は、各工程で使用する薬液に乾燥残留後に問題となる有機物等が大気中から混入することによる洗浄工程内でのウエハへの有機汚染物質の付着を防ぐことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、基板を薬液により洗浄する処理室と、前記処理室内で基板を支持する支持具と、前記処理室内の前記基板に対して薬液を収容する配管と、前記基板に対して供給する前記薬液を収容する容器と、前記容器内または前記容器内の前記薬液液面上方の空間を排気する排気配管内に有機物非含有ガスを導入する有機物非含有ガス供給系と、を有する基板洗浄装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、各工程で使用する薬液に乾燥残留後に問題となる有機物等が大気中から混入することによる洗浄工程内でのウエハへの有機汚染物質付着を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態で用いられる基板洗浄装置10の概略構成図である。
図1に示されているように、基板洗浄装置10は、基板洗浄装置本体12と第1の薬液供給部14aと第2の薬液供給部14bから構成される。
基板洗浄装置本体12と第1の薬液供給部14aは配管16aで接続され、基板洗浄装置本体12と第2の薬液供給部14bは配管16bで接続されている。
【0009】
さらに、第1の薬液供給部14aは、原液容器18aを収納する原液キャビネット20aと、秤量容器22aと濃度調整容器24aと温度調整容器26aを収納する薬液調整キャビネット28aから構成され、原液キャビネット20aと薬液調整キャビネット28aは配管30aで接続されている。
【0010】
また、配管30aは、薬液調整キャビネット28a内の秤量容器22a、配管23a、濃度調整容器24a、配管25a及び温度調整容器26aを介して配管16aに接続されている。
【0011】
すなわち、原液キャビネット20a内の原液容器18aに収納された第1の原液は、配管30aを流れ、薬液調整キャビネット28a内の秤量容器22a、配管23a、濃度調整容器24a、配管25a及び温度調整容器26aを流れる過程で目的にあった条件になるよう薬液濃度や温度が制御され、さらに配管16aを介して基板洗浄装置本体12内へ第1の薬液として供給されるようになっている。
【0012】
また、第2の薬液供給部14bは、原液容器18bを収納する原液キャビネット20bと、原液容器18cを収納する原液キャビネット20cと、秤量容器22bと秤量容器22cと濃度調整容器24bと温度調整容器26bを収納する薬液調整キャビネット28bから構成され、原液キャビネット20bと薬液調整キャビネット28bは配管30bで接続され、原液キャビネット20cと薬液調整キャビネット28bは配管30cで接続されている。
【0013】
また、配管30bは、薬液調整キャビネット28b内の秤量容器22b、配管23b、濃度調整容器24b、配管25b、温度調整容器26bを介して配管16bに接続され、配管30cは、薬液調整キャビネット28b内の秤量容器22c、配管23c、濃度調整容器24b、配管25b、温度調整容器26bを介して配管16bに接続されている。
【0014】
すなわち、原液キャビネット20b内の原液容器18bに収納された第2の原液は配管30b、秤量容器22b及び配管23bを流れ、原液キャビネット20c内の原液容器18cに収納された第3の原液は配管30c、秤量容器22c及び配管23cを流れ、第2の原液と第3の原液は濃度調整容器24bにて混合され、配管25b、温度調整容器26bを流れる過程で薬液濃度や温度が調整され、さらに配管16bを介して基板洗浄装置本体12内へ第2の薬液として供給されるようになっている。
【0015】
なお、図1では、第1の薬液供給部14aの濃度調整容器24aと温度調整容器26a、第2の薬液供給部14bの濃度調整容器24bと温度調整容器26bがそれぞれ別々となっているが、一つで行われる場合もある。また、使用条件が定まっている場合、薬液濃度が一定となるため、秤量容器22a、22b、22cや濃度調整容器24a、24bが存在しない場合もある。
【0016】
図2は、本発明の実施形態で用いられる基板洗浄装置10の装置本体12内を示す。
基板洗浄装置10は、洗浄装置本体(洗浄容器)12を有し、この洗浄装置本体12に囲まれて洗浄室32が構成されている。この洗浄室32には、半導体ウエハ等の基板34を水平に支持する支持具36が配置されている。この支持具36は、モータ等からなる回転機構38に回転軸39を介して接続され、この回転機構38により、水平に支持された状態の基板34を回転させるようになっている。
【0017】
支持具36の周囲はカバー40により囲まれている。このカバー40は、後述するように、支持具36により基板34が回転する際に基板34から飛ぶ薬液を受け止めるようになっている。
【0018】
洗浄装置本体12の側面には、基板搬入搬出口42(図1参照)が形成されている。この基板搬入搬出口42にはゲートバルブ44(図1参照)が設けられており、このゲートバルブ44により基板搬入搬出口42が開閉される。また、この基板搬入搬出口42を介して基板34を支持具36に移載するための基板移載機46(図1参照)が設けられている。
【0019】
前述した洗浄室32には、第1のノズル48と第2のノズル50とが挿入されている。第1のノズル48と第2のノズル50とは、それぞれの先端が支持具36に支持された基板34の中心付近手前まで延びるように水平に配置されている。第1のノズル48は、例えば配管16aに接続されており、この第1のノズル48からは第1の薬液が基板34の中心に供給される。第2のノズル50は、例えば第2の配管16bに接続されており、この第2のノズル50からは第2の薬液が基板34の中心に供給される。
【0020】
給水部52は、前述したカバー40の内側上部の周囲に開口し、カバー40の内面に純水(脱イオン水)を供給できるようになっている。
【0021】
カバー40の下面には、カバー40に供給された純水を排出するための排水管54が接続されており、この排水管54は、基板洗浄装置本体12の外部へ延び、この排水管54を介してカバー40内の純水が排出される。なお、基板34に対して供給された第1の薬液や第2の薬液も排水管54を介して排出される。
【0022】
また、基板洗浄装置本体12の上部には、乾燥用ガス供給管56が接続されている。乾燥用ガスとしては、例えば窒素(N)が用いられる。さらに、基板洗浄装置本体12の下部には乾燥用ガスを排出するための排気管58が接続されている。
【0023】
コントローラ60はコンピュータから構成され、回転機構38による支持具36の回転、ゲートバルブ44による基板搬入搬出口42の開閉、基板移載機46による基板34の搬入及び搬出、第1のノズル48による第1の薬液の供給、第2のノズル50による第2の薬液の供給、給水部52からの純水の供給、乾燥用ガス供給管56からのガスの供給等を制御する。
【0024】
次に、上記構成に係る基板洗浄装置10を用いて半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板を洗浄する方法について説明する。
【0025】
図3は、コントローラ60による制御フローを示すフローチャートである。
まず、ステップS10において、ゲートバルブ44により基板搬入搬出口42を開き、パターンが形成された基板34を基板移載機46により洗浄室32内に搬入する。
【0026】
次のステップS12においては、さらに基板移載機46を制御して基板34を支持具36に支持(セット)し、ゲートバルブ44により基板搬入搬出口42を閉じる。
【0027】
次のステップS14においては、回転機構38により回転軸39を介して支持具36を回転させることにより基板34の回転を開始する。
【0028】
次のステップS16においては、図4に示すように、基板34の回転を維持しつつ、第1のノズル48から第1の薬液を基板34の中心に向けて供給し、基板34の表面を洗浄する。
【0029】
次のステップS18においては、図5に示すように、基板34の回転を維持しつつ、第1のノズル48からの第1の薬液の供給を停止し、第2のノズル50から第2の薬液を基板34の中心に向けて供給し、基板表面に残留する第1の薬液を洗い流し、リンスを行う。
【0030】
次のステップS20においては、図6に示すように、基板34の回転を維持しつつ、第2のノズル50からの第2の薬液の供給を停止し、基板上の第2の薬液等を回転による遠心力でふるい落とす。このステップS20においては、洗浄室32には、乾燥用ガス供給管56を介して乾燥用ガスとしてのNを供給しつつ排気管58より排気して洗浄室32をN雰囲気とし、このN雰囲気中で基板34を乾燥させる。
なお、給水部52からカバー40の内面への水の供給は、安全性を高めるため、ステップS16の洗浄工程またはステップS18のリンス工程からステップS20の乾燥工程にかけて連続的に行うようにするとよい。即ち、少なくとも基板34から第1の薬液または第2の薬液等がカバー40へ飛ぶ間はカバー40の内面に純水を供給するようにするのがよい。
【0031】
次のステップS22においては、回転機構38による支持具36の回転を停止することにより基板34の回転を停止する。また、洗浄室32内へのNの供給を停止する。
【0032】
次のステップS24によれば、ゲートバルブ44により基板搬入搬出口42を開き、基板移載機46により基板34を洗浄室32内から搬出する。その後、他の装置、例えばエピタキシャル成長装置等へ搬送し、成膜等の処理を行う。
【0033】
本発明では、上記の基板洗浄装置10の該当箇所に予め有機汚染量を制御したガスである有機物非含有ガスを供給する有機物非含有ガス供給部62を接続する。有機物非含有ガスとしては、例えば窒素、二酸化炭素、酸素、乾燥空気、水素、水蒸気、ならびにアルゴンに代表される希ガスのうち、一つまたは複数を組み合わせたものが挙げられる。
該当箇所に予めこの有機物非含有ガス供給部62を接続することで、容器内圧力変動等によって薬液が周辺大気と触れることを防ぐことができ、大気中から有機物等が薬液に混入することによる洗浄工程内での基板34への有機汚染物質の付着を防ぐことができる。
該当箇所として、原液容器18a、18b、18cである原液容器18、秤量容器22a、22b、22cである秤量容器22、濃度調整容器24a、24bである濃度調整容器24及び温度調整容器26a、26bである温度調整容器26等が挙げられる。
【0034】
有機物非含有ガス供給量はそれぞれの容器で発生する圧力変動を解消できる程度でよく、供給自体は常時供給でも必要時のみの供給でも構わない。また、排気ダクトに接続されている配管などからの外気の回り込みを防止するために、該当配管に常時もしくは必要時に有機物非含有ガスを流しておき、吸い込みが発生した際でも外気ではなく有機物非含有ガスが流れるようにしてもよい。また予期しない吸い込み等が発生した場合を考慮し、ケミカルフィルタ(有機用)を通して装置内に空気が流入するようにしておくとよい。
【0035】
[接続例]
図7から図11に本発明の実施形態における有機物非含有ガス供給部62の接続例を示す。
図7は、本発明の実施形態における第1の接続例を示す。図8は、本発明の実施形態における第2の接続例を示す。
第1及び第2の接続例は、薬液調整キャビネット28内に収納され、濃度調整容器24と温度調整容器26が一つの容器に収められた濃度・温度調整容器64を使用し、この濃度・温度調整容器64に有機物非含有ガス供給部62を接続した例を示す。
ここで、薬液調整キャビネット28上方には、薬液調整キャビネット28内の空間を排気する排気ダクト66が設けられている。
【0036】
第1の接続例において、有機物非含有ガス供給部62は、配管67、圧力調整部68、配管69、流量調節部70及び配管71を介して薬液調整キャビネット28内の濃度・温度調整容器64の上部に接続されている。さらに濃度・温度調整容器64の上部には配管72が接続されており、配管72は、濃度・温度調整容器64上方の空間を排気すべく排気ダクト66に接続されている。
【0037】
すなわち、有機物非含有ガス(例えばNガス)は、有機物非含有ガス供給部62から配管67、圧力調整部68、配管69、流量調節部70及び配管71を介して薬液調整キャビネット28内に収容された濃度・温度調整容器64内の薬液液面上方の空間に供給される。また、濃度・温度調整容器64内の薬液液面上方の空間に供給された有機物非含有ガスは、濃度・温度調整容器64の上部に設けられた配管72を介して、排気ダクト66より排気される。そして、この状態で、濃度・温度調整容器64内の薬液が濃度・温度調整容器64から配管16を介して基板洗浄装置本体12へ供給される。すなわち、濃度・温度調整容器64内に有機物非含有ガスを導入することで、濃度・温度調整容器64内を有機物非含有ガス雰囲気に維持することができ、大気中から有機物等が薬液に混入することによる洗浄工程内での基板34への有機汚染物質の付着を防ぐことができる。
【0038】
第2の接続例において、濃度・温度調整容器64の上部には、第1の接続例と同様、濃度・温度調整容器64内の薬液液面上方の空気を排気する配管72が接続されており、配管72は排気ダクト66に接続されている。そして第2の接続例においては、有機物非含有ガス供給部62は、配管67、圧力調整部68、配管69、流量調節部70、配管71を介して配管72に接続されている。
【0039】
すなわち、有機物非含有ガスは、有機物非含有ガス供給部62から配管67、圧力調整部68、配管69、流量調節部70及び配管71を介して薬液調整キャビネット28内の配管72に供給され、排気ダクト66より排気される。
【0040】
ここで、第1の接続例と第2の接続例を比較すると、第1の接続例では有機物非含有ガスを薬液調整キャビネット28内の濃度・温度調整容器64に直接接続しているが、第2の接続例では、濃度・温度調整容器64からダクト66へ繋がる配管72の長さ(容量)に余裕がある場合に限るが、薬液調整キャビネット28内の配管72に接続している点が異なる。
また、第1の接続例及び第2の接続例において、有機物非含有ガス供給部62と濃度・温度調整容器64とを接続する配管67、69、71および濃度・温度調整容器64とダクト66とを接続する配管72のそれぞれは常時開放状態であるが、これらの途中に例えばバルブ74やバルブ75を設けて必要時のみの供給又は排気としてもよい。この場合、主に第1の接続例及び第2の接続例では容器内への外気吸い込みが起こるのは、薬液の消費時や排気時であるため、このタイミングを装置側で感知してバルブ74やバルブ75を開閉する機構を設けるとよい。これらの制御はコントローラ60により行う。なお、コントローラは、基板洗浄装置10を構成する各部の動作を制御する。
【0041】
図9は、本発明の実施形態における第3の接続例を示す。
第3の接続例は、原液キャビネット20内に収納された原液容器18に有機物非含有ガス供給部62を接続した例を示す。
第3の接続例では、有機物非含有ガス供給部62は、配管67、圧力調整部68、配管69、流量調節部70、配管71、原液キャビネット20内のバッファタンク78及び配管79aを介して原液容器18に接続されている。
また、原液キャビネット20内のバッファタンク78は、配管79bを介して排気ダクト66に接続されている。
【0042】
すなわち、有機物非含有ガスは、有機物非含有ガス供給部62から配管67、圧力調整部68、配管69、流量調節部70、配管71、バッファタンク78及び配管79aを介して原液キャビネット20内に収容された原液容器18内の薬液液面上方の空間に供給される。
また、有機物非含有ガスは、有機物非含有ガス供給部62から配管67、圧力調整部68、配管69、流量調節部70、配管71、バッファタンク78及び配管79bを介して排気ダクト66に供給される。
そして、この状態で原液容器18内の薬液が、この原液容器18から薬液供給ポンプ85によって、配管30を介して薬液調整キャビネット28へ供給される。
【0043】
第3の接続例では、有機物非含有ガスを供給する途中にバッファタンク78を設けて原液容器18に直接有機物非含有ガスを吹き込まないようにしている。これは排気ダクト66へ繋がる配管79bの容量によっては、省くこともできる。また、有機物非含有ガスを供給する配管71や配管79bにバルブ74やバルブ75を設けてもよく、この場合、容器内への外気吸い込みが起こるのは薬液供給時であるため、このタイミングを装置側で感知してバルブ74やバルブ75を開閉する機構を設けるとよい。これらの制御はコントローラ60により行う。なお、コントローラ60は、基板洗浄装置10を構成する各部の動作を制御する。
【0044】
図10は、本発明の実施形態における第4の接続例を示す。
第4の接続例では洗浄装置10内で薬液と外気が触れる可能性のある箇所のそれぞれ、すなわち原液容器18、秤量容器22、濃度調整容器24及び温度調整容器26のそれぞれに有機物非含有ガス供給部62を接続し、有機物非含有ガスを供給する。
すなわち、有機物非含有ガス供給部62は、配管67、圧力調整部68、配管69、配管81a、流量調節部70a、配管83aを介して原液キャビネット20内の原液容器18に接続されている。
また、有機物非含有ガス供給部62は、配管67、圧力調整部68、配管69、配管81b、流量調節部70b、配管83bを介して薬液調整キャビネット28内の秤量容器22に接続されている。
また、有機物非含有ガス供給部62は、配管67、圧力調整部68、配管69、配管81c、流量調節部70c、配管83cを介して薬液調整キャビネット28内の濃度調整容器24に接続されている。
また、有機物非含有ガス供給部62は、配管67、圧力調整部68、配管69、配管81d、流量調節部70d、配管83dを介して薬液調整キャビネット28内の温度調整容器26に接続されている。
【0045】
したがって、有機物非含有ガスは、有機物非含有ガス供給部62から配管67、圧力調整部68、配管69、配管81a、流量調節部70a、配管83aを介して、原液キャビネット20内の原液容器18に供給される。
また、有機物非含有ガスは、有機物非含有ガス供給部62から配管67、圧力調整部68、配管69、配管81b、流量調節部70b、配管83bを介して、薬液調整キャビネット28内の秤量容器22に供給される。
また、有機物非含有ガスは、有機物非含有ガス供給部62から配管67、圧力調整部68、配管69、配管81c、流量調節部70c、配管83cを介して、薬液調整キャビネット28内の濃度調整容器24に供給される。
また、有機物非含有ガスは、有機物非含有ガス供給部62から配管67、圧力調整部68、配管69、配管81d、流量調節部70d、配管83dを介して、薬液調整キャビネット28内の温度調整容器26に供給される。
【0046】
ただし、場所によっては流量調節部70a、70b、70c、70dを共有したり省いたりすることもできる。これらの制御はコントローラ60により行う。なお、コントローラ60は、基板洗浄装置10を構成する各部の動作を制御する。
【0047】
図11は、本発明の実施形態における第5の接続例を示す。
第5の接続例では、前記第4の接続例の構成に加え、原液キャビネット20と薬液調整キャビネット28のそれぞれにクリーンユニット88を設けている。
クリーンユニット88は、例えばキャビネットに接している面からHEPAフィルタ90、ケミカルフィルタ92、ファンユニット94から構成される。このクリーンユニット88を設けることにより、予期しない吸い込み等が発生しても各キャビネット内に有機物が進入するのを防止できる。これらの制御はコントローラ60により行う。なお、コントローラ60は、基板洗浄装置10を構成する各部の動作を制御する。
【0048】
本発明によれば、該当容器などで発生する外気の吸い込みを抑制し、薬液を清浄に保つことができるため、表面洗浄度に敏感な成膜工程前の基板洗浄に利用することができる。
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
【0049】
本発明の一態様によれば、基板を薬液により洗浄する処理室と、前記処理室内で基板を支持する支持具と、前記処理室内の前記基板に対して薬液を供給する配管と、前記基板に対して供給する前記薬液を収容する容器と、前記容器内または前記容器内の前記薬液液面上方の空間を排気する排気配管内に有機物非含有ガスを導入する有機物非含有ガス供給系と、を有する基板洗浄装置が提供される。
【0050】
好ましくは、前記容器が薬液原液容器、秤量容器、混合容器、濃度調整容器、または、温度調整容器である。
【0051】
好ましくは、基板を洗浄する薬液を使用条件に応じた濃度や温度に調整する容器に有機物非含有ガスを導入する。
【0052】
好ましくは、基板を洗浄する薬液に対して原液タンクから前記容器までの間で通常大気と触れさせないように有機物非含有ガスを導入する。
【0053】
好ましくは、前記有機物非含有ガスは窒素、二酸化炭素、酸素、乾燥空気、水素、水蒸気、ならびにアルゴンに代表される希ガスのうち、一つ又は複数を組み合わせたものである。
【0054】
好ましくは、前記有機物非含有ガスが常時供給されるように前記有機物非含有ガス供給系を制御するコントローラを有する。
【0055】
好ましくは、前記有機物非含有ガスは容器内の内圧変化に応じて供給されるように、前記有機物非含有ガス供給系を制御するコントローラを有する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の構成例である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板洗浄装置の装置本体内を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるコントローラによる制御フローを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態におけるDHF洗浄工程の基板洗浄装置の状態を示す平面図及び側面図である。
【図5】本発明の実施形態におけるリンス工程の基板洗浄装置の状態を示す平面図及び側面図である。
【図6】本発明の実施形態における乾燥工程の基板洗浄装置の状態を示す平面図及び側面図である。
【図7】本発明の実施形態における第1の接続例である。
【図8】本発明の実施形態における第2の接続例である。
【図9】本発明の実施形態における第3の接続例である。
【図10】本発明の実施形態における第4の接続例である。
【図11】本発明の実施形態における第5の接続例である。
【符号の説明】
【0057】
10 基板洗浄装置
12 基板洗浄装置本体
14 薬液供給部
18 原液容器
20 原液キャビネット
22 秤量容器
24 濃度調整容器
26 温度調整容器
28 薬液調整キャビネット
32 洗浄室
34 基板
36 支持具
38 回転機構
40 カバー
48 第1のノズル
50 第2のノズル
52 給水部
60 コントローラ
66 排気ダクト
68 圧力調整部
70 流量調整部
78 バッファタンク
85 薬液供給ポンプ
88 クリーンユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を薬液により洗浄する処理室と、
前記処理室内で基板を支持する支持具と、
前記処理室内の前記基板に対して薬液を供給する配管と、
前記基板に対して供給する前記薬液を収容する容器と、
前記容器内または前記容器内の前記薬液液面上方の空間を排気する排気配管内に有機物非含有ガスを導入する有機物非含有ガス供給系と、
を有することを特徴とする基板洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−56209(P2010−56209A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217998(P2008−217998)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】