説明

基準信号発生装置

【課題】、目的周波数の基準信号の異常を、確実且つ正確に検出することができる基準信号発生装置を実現する。
【解決手段】基準信号発生装置1は、位相比較器11、ループフィルタ12、電圧制御発振器13、分周器14からなるPLL回路を備える。基準信号発生装置1の波数計測部15は、PLL回路の調整用タイミング信号に基づく期間での復調用基準周波数信号の波数をカウントし、期間毎のカウント値を異常発振検出部16へ出力する。異常発振検出部16は、調整用タイミング信号の元となる基準信号と復調用基準周波数信号との仕様周波数範囲の関係に基づいて設定される正常発振カウント値範囲を予め記憶している。異常発振検出部16は、波数計測部15から取得したカウント値が正常発振カウント値範囲内に無ければ異常発振として検出し、外部へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタル通信等の無線通信設備に用いる基準信号発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や地上波デジタル放送等の広範囲なエリアで無線システムを提供する場合には、末端の機器にデータを送信するために複数の基地局が必要となる。これらの基地局では、高精度な基準信号すなわち基準周波数信号やタイミング信号が必要となる。そして、このような状況下で用いられる基準信号発生装置は、高精度な基準信号を出力可能なRb発振器を自走させたり、特許文献1に示すように、GPS信号から得られる1PPSと電圧制御発振器の出力信号とを比較して、その比較結果(位相差)からGPS信号の1PPSに常に同期するように電圧制御発振器の発振周波数制御を行っている。
【特許文献1】特開2002−16438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように基地局で利用する基準信号発生装置では、出力される基準信号が高精度であることとともに、基準信号の異常、例えば出力断や目的周波数に対して異常な周波数の出力等が発生しないことが重要となる。ところが、Rb発振器やOCXO発振器等の高精度な出力が得られる電圧制御発振器は、一般的に、汎用の水晶振動子を用いた電圧制御発振器よりも故障率が高くなりやすい。このため、このような電圧制御発振器の故障を確実に検出する必要がある。
【0004】
しかしながら、従来の方法では、一般的に電圧制御発振器からなんらかの信号が出力されていれば故障として検出されない方法が多く利用されており、正確に故障を検出できないことがあったり、目的周波数からなる基準信号が出力されているかどうかを正確に検出することができない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、目的周波数の基準信号の異常を、確実且つ正確に検出することができる基準信号発生装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、位相比較器、ループフィルタ、基幹電圧制御発振器を有する所謂PLL回路を備えた基準信号発生装置に関するものである。位相比較器は、外部からの受信信号を復調する際に生成されるリファレンス信号と、基幹電圧制御発振器の出力する基準信号から得られる調整用タイミング信号との位相差を位相差信号として出力する。ループフィルタは、位相差信号から制御電圧信号を生成する。基幹電圧制御発振器は、制御電圧信号に基づいて基準信号を発生する。そして、この基準信号発生装置は、さらに、復調用基準周波数信号発生器の出力と基幹電圧制御発振器の出力とを比較することで、少なくとも基幹電圧制御発振器の異常検出を行う異常発振検出手段を備える。
【0007】
この構成では、装置としての出力信号である基準信号を発生する基幹電圧制御発振器と、当該基幹電圧制御発振器を安定動作させるためのリファレンス信号を生成する復調用基準周波数信号発生器とが正常発振していれば、それぞれからの出力信号の各パラメータ(例えば周波数や位相差)の関係は変化しない。したがって、このようなパラメータの変化を検出することで、異常発振が検出される。
【0008】
この発明の基準信号発生装置の異常発振検出手段は、復調用基準周波数信号と基準信号とに基づいて算出される異常発振判定対象値が、復調用基準周波数信号と基準信号との仕様に応じて設定される正常発振条件内に無ければ異常発振として検出する。
【0009】
この構成では、具体的な異常発振検出の方法として、二つの電圧制御発振器の出力する信号の組み合わせから、検出すべき基幹電圧制御発振器の故障検出が行われる。具体的には、本発明の基準信号発生装置は、装置としての出力信号である基準信号が正常発振している間は、受信信号の復調のための復調用基準周波数信号と当該基準信号とが、仕様に基づいて、周波数や位相の関係において、ある程度の範囲内で一定であることに着目し、正常発振状態での基準信号と復調用基準周波数信号と関係を条件化しておく。そして、当該条件を正常発振条件として記憶しておき、基準信号と復調用基準周波数信号との関係に基づいて算出される異常発振判定対象値を定常的に観測する。これにより、異常発振判定対象値が正常発振条件内でなければ、異常発振であることが検出される。
【0010】
また、この発明の基準信号発生装置の異常発振検出手段は、復調用基準周波数信号の波数をカウントし、調整用タイミング信号により与えられる計測期間毎のカウント値を異常発振判定対象値として取得する波数計測手段を備える。そして、異常発振検出手段は、当該カウント値が、正常発振条件として設定される正常発振カウント値範囲内に無ければ異常発振を検出する。
【0011】
この構成では、より具体的な異常発振検出の方法として、上述の異常発振判定対象値および正常発振条件がカウント値に基づいて設定されている。具体的には、装置としての出力信号である高精度な基準信号の周波数によって設定される期間中に、復調用基準周波数信号の波数がいくつあるかを検出し、検出した波数が正常発振カウント値範囲内であるかどうかを判断することで故障検出が行われる。この際、いずれの発振器が故障しても波数が正常発振カウント値範囲外となり得るが、元々復調用基準周波数信号発生器が故障していれば、正常に復調できないため、上述の故障検出の設定対象外となるとともに、当該故障が他の方法で容易に検出が可能である。したがって、本発明の基準信号発生装置の構成を用いることで、目的とする基幹電圧制御発振器の故障が確実に検出される。
【0012】
また、この発明の基準信号発生装置は、復調用基準周波数信号発生器の出力に基づいて調整用タイミング信号と同じ周波数の位相差判定用信号を生成する。そして、異常発振検出手段は、調整用タイミング信号と位相差判定用信号との位相差を観測して異常発振を検出する。
【0013】
この構成では、より具体的な異常発振検出の別方法として、信号間の位相差を利用して異常発振検出を行う。具体的には、調整用タイミング信号(例えば、復調信号に基づく測位演算から得られる1PPS)と同周波数の信号からなる位相差判定用信号(前記1PPSに相当)を復調用基準周波数信号発生器の出力から生成する。復調用基準周波数信号発振器と基幹電圧制御発振器とがともに正常発振していれば、調整用タイミング信号と位相差判定用信号とは、位相差の変化量が一定の範囲内で推移する。これを利用し、位相差を観測し続け、当該位相差の変化量が正常発振条件内で無くなることを検出すれば、異常発振が正確に検出される。
【0014】
また、この発明の基準信号発生装置は、復調用基準周波数信号に基づくサンプリングクロックを生成して、該サンプリングクロックにて基準信号をサンプリングして周波数スペクトルを取得する。そして、異常発振検出手段は、周波数スペクトルの最大スペクトルとなる周波数を観測して異常発振を検出する。
【0015】
この構成では、より具体的な異常発振検出の別方法として、基準信号をサンプリングしてフーリエ変換することで周波数スペクトルを取得し、当該周波数スペクトルを利用して異常発振検出を行う。この際、異常発振の判定対象である基準信号をサンプリングするサンプリングクロックを復調用基準周波数信号で生成する。ここで、復調用基準周波数信号すなわち復調用基準周波数信号発生器と基準信号すなわち基幹電圧制御発振器とが正常発振していれば、周波数スペクトルにおける最大スペクトルの周波数成分は所定帯域内になる。これを利用し、周波数スペクトルの最大スペクトルを取る周波数を観測し続け、当該観測した周波数が正常発振条件内で無くなることを検出すれば、異常発振が正確に検出される。
【0016】
また、この発明の基準信号発生装置は、復調用基準周波数信号と基準信号とを掛け合わせて掛け合わせ信号を生成する。そして、異常発振検出手段は、掛け合わせ信号の周波数成分を観測して異常発振を検出する。
【0017】
この構成では、より具体的な異常発振検出の別方法として、比較対象となる信号同士の合成信号の周波数成分を利用して異常発振検出を行う。具体的には、復調用基準周波数信号と基準信号(調整用タイミング信号でも可)とを合成することで、掛け合わせ信号には、復調用基準周波数信号の周波数と基準信号の周波数との差分周波数からなる下側測波帯周波数成分と、加算周波数からなる上側測波帯周波数成分とが含まれる。ここで、復調用基準周波数信号すなわち復調用基準周波数信号発生器と基準信号すなわち基幹電圧制御発振器とが正常発振していれば、これらの周波数成分の周波数は略一定のまま変化しない。これを利用し、これら測波帯の周波数を観測し続け、当該測波帯の周波数が正常発振条件内で無くなることを検出すれば、異常発振が正確に検出される。
【0018】
また、この発明の基準信号発生装置は、さらに基幹電圧制御発振器の温度を検出する温度センサを備える。そして、異常発振検出手段は、温度センサの温度検出結果に基づいて、正常発振に対する基幹電圧制御発振器の周波数範囲を制限する。
【0019】
この構成では、基幹電圧制御発振器の温度が検出されることで、基準信号の周波数幅に対する周波数温度特性による影響を無くし、基幹電圧制御発振器が正常発振した際の周波数幅がより高精度に設定される。これにより、上に示した判定のための期間がより正確に設定されて、故障検出がさらに正確に行われる。
【0020】
また、この発明の基準信号発生装置では、受信信号が測位信号であり、該測位信号を復調用基準周波数信号で復調した結果に基づいて測位演算を行う測位演算手段を備える。そして、異常発振検出手段は、測位演算において得られる時間誤差に基づいて、正常発振に対する復調用基準周波数信号の周波数範囲を制限する。
【0021】
この構成では、復調用基準周波数信号に基づく時間誤差が得られることで、復調用基準周波数信号の周波数がより正確に求められるので、設定された期間内に生じる波数の取り得る数値幅がより小さくなる。これにより、故障検出がさらに正確に行われる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、単に電圧制御発振器の出力が存在するかどうかというものではなく、電圧制御発振器から出力される基準信号が目的とする周波数であるかどうかを、確実且つ正確に検出することができる。すなわち、電圧制御発振器の故障検出を確実且つ正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の第1の実施形態に係る基準信号発生装置について図を参照して説明する。
【0024】
図1は、本実施形態の基準信号発生装置1およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図である。なお、以下の説明では、GPSを用いてリファレンス信号を取得する例を示すが、他のGNSSを用いても良い。
【0025】
本実施形態の基準信号発生装置1は、位相比較器11、ループフィルタ12、本発明の「基幹電圧制御発振器」に相当する電圧制御発振器13、分周器14、波数計測部15、異常発振検出部16を備える。
【0026】
この基準信号発生装置1には、GPSアンテナ21を備えたGPS受信機2が接続されている。GPS受信機2は、IF変換部22、ベースバンド処理部23、測位演算部24、1PPS生成部25、および復調用基準周波数信号発生器10を備える。なお、復調用基準周波数信号発生器10は、GPS受信機2内のローカル信号発生用とともに、基準信号発生装置1の一部として、故障検出時に利用される。
【0027】
GPSアンテナ21は、GPS衛星からの測位信号を受信して、IF変換部22へRF信号を出力する。復調用基準周波数信号発生器10は、故障発生率が低い水晶振動子を備えた電圧制御発振器からなり、所定周波数(例えば約16.4MHz)の復調用基準周波数信号を生成し、IF変換部22およびベースバンド処理部23へ与える。IF変換部22は、復調用基準周波数信号を利用して、RF信号を所定の中間周波数からなるIF信号へダウンコンバートして、ベースバンド処理部23へ出力する。ベースバンド処理部23は、復調用基準周波数信号を用いてIF信号からベースバンド信号を復調し、測位演算部24に与える。1PPS生成部25は、ベースバンド処理部23の復調処理と測位演算部24の測位演算とからなる演算処理により1PPSを生成する。
【0028】
基準信号発生装置1の位相比較器11は、1PPSと、電圧制御発振器13から出力される基準周波数信号を分周器14で分周してなる調整用タイミング信号との位相差を検出し、位相差信号を出力する。ループフィルタ12は、PI制御用フィルタ等により構成され、位相差を小さく且つ安定させる制御電圧信号を生成して電圧制御発振器13へ出力する。電圧制御発振器13は、例えばRb発振器等からなる10-10[Hz]レベルの誤差しか生じない高精度な電圧制御発振器であり、入力された制御電圧信号の電圧レベルに応じた周波数の基準信号を生成する。これら位相比較器11、ループフィルタ12、電圧制御発振器13、および分周器14により、基準信号発生用の所謂PLL回路が構成される。
【0029】
このPLL回路とは別に、波数計測部15は、カウンタとカウンタラッチ回路とから構成されており、分周器14からの調整用タイミング信号と、GPS受信機2内の復調用基準周波数信号発生器10からの復調用基準周波数信号とが入力されている。波数計測部15は、調整用タイミング信号をトリガにして波数計測期間を設定し、当該波数計測期間中に入力される復調用基準周波数信号の波数をカウントする。なお、ここで言う「波数」とは、調整用タイミング信号の一周期分の信号成分の数を意味する。このカウント処理は、連続する波数計測期間毎に繰り返し行われる。波数計測部15は、波数計測期間が更新される毎にカウントされた波数値をラッチして異常発振検出部16へ与える。なお、この「波数値」が本発明の「異常発振判定対象値」に相当する。
【0030】
異常発振検出部16は、期間毎の波数値を順次取得して、当該波数値が正常発振カウント値範囲内であるかどうかを判定する。この「正常発振カウント値」が本発明の「正常発振条件」に相当する。異常発振検出部16は、波数値が正常発振カウント値範囲内であれば正常発振を判断し、波数値が正常発振カウント値範囲外であれば異常発振と判断して、外部へ通知する。
【0031】
正常発振カウント値は、正常発振している状態における基準信号に基づく調整用タイミング信号の周波数と復調用基準周波数信号の周波数(波数)とから次に示す方法を用いて設定される。なお、GPS受信機2の復調用基準周波数信号発生器10の故障は、元々復調用基準周波数信号発生器10が故障していれば正常に復調できないので、基準信号発生装置2の基準信号の故障検出以前に、既知の方法を用いて容易に検出することができる。
【0032】
図2は正常発振カウント値範囲の設定概念を示すための図であり、横軸が調整用タイミング信号を決定する電圧制御発振器13からの基準信号の周波数を示し、縦軸が復調用基準周波数信号の波数を示すグラフからなる。なお、図2に記された二点鎖線の特性直線F(N1),F(N2),F(N3)は、それぞれ復調用基準周波数信号の周波数が異なる場合において、調整用タイミング信号(電圧制御発振器13の基準信号)により設定される波数計測期間で計測される波数値の推移を示す。この際、基準信号の周波数が同じであれば波数値は、F(N1)>F(N2)>F(N3)の関係となっている。
【0033】
電圧制御発振器13は、上述のように超高精度ではあるが、PLL回路の特性上の誤差やエージング特性および周波数温度特性等から、基準信号の周波数は、仕様上、所定周波数誤差幅Bfsを有する。このため、基準信号は、正常発振であっても、図2に示すように、設定周波数fを中心周波数とする上限周波数f0thUと下限周波数f0thDとの間の周波数で出力される。
【0034】
一方、復調用基準周波数信号発生器10は、上述のように電圧制御発振器13よりも精度が低い水晶振動子を用いた電圧制御発振器であるので、復調用基準周波数信号は、エージング特性および周波数温度特性等から、図2の二点鎖線の特性直線F(N2)を中心として特性直線F(N1)とF(N3)との差分値に相当する周波数幅Bfrの範囲内で出力される。
【0035】
ここで、図2に示すように、復調用基準周波数信号の特性直線F(N1)〜F(N3)は基準信号の周波数の増加に対して値が減少する特性となっている。したがって、正常発振カウント値範囲を設定する上限の波数値は、復調用基準周波数信号における最も周波数の高い特性直線F(N1)と、基準信号の下限周波数f0thDを示すカウント値軸に平行な直線との交点となるカウント値NthUにより決定される。一方、正常発振カウント値範囲を設定する下限の波数値は、復調用基準周波数信号における最も周波数の低い特性直線F(N3)と、基準信号の上限周波数f0thUを示すカウント値軸に平行な直線との交点となるカウント値NthDにより決定される。
【0036】
すなわち、正常発振カウント値範囲Wcは、基準信号と復調用基準周波数信号とがそれぞれ設定周波数から全くずれていない場合に得られるカウント値Ncntを中心として、下限閾値NthDと上限閾値NthUとにより設定される。
【0037】
このように、本実施形態を用いることで、復調用基準周波数信号と基準信号との組み合わせにより、基準信号が正常発振の周波数範囲内で出力されていることを検出できる。すなわち、従来技術のように出力されている周波数を考慮することなく単に基準信号が出力されているというだけで故障判定を行う方法よりも、電圧制御発振器13を備える基準信号発生装置1の故障を確実且つ正確に検出することができる。さらに、波数値を得るための信号を、元々基準信号のPLL回路に与えるための1PPSの生成に利用する復調用基準周波数信号発生器10からの復調用基準周波数信号としているので、当該故障検出のための新たな基準信号発振器を必要としない。
【0038】
次に、第2の実施形態に係る基準信号発生装置について、図を参照して説明する。
【0039】
図3(A)は、本実施形態の基準信号発生装置1’およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図である。図3(B)は正常発振カウント値範囲の設定概念を示すための図である。
【0040】
本実施形態の基準信号発生装置1’は、電圧制御発振器13の水晶振動子の温度を検出する温度センサ17がさらに備えられたものであり、この温度センサ17の追加と、これに応じた異常発振検出部16’の処理とが、第1の実施形態に示した基準信号発生装置1とは異なる。なお、他の構成は、第1の実施形態に示した基準信号発生装置1と同じであるので、説明を省略する。
【0041】
温度センサ17は、電圧制御発振器13に当接するか、電圧制御発振器13が実装される基板における当該電圧制御発振器13の近傍に設置される。温度センサ17は、水晶振動子の温度に対応する電圧制御発振器13の温度を検出し、温度検出信号を異常発振検出部16’へ与える。
【0042】
異常発振検出部16’は、温度検出信号を取得すると、電圧制御発振器13の温度に基づく基準信号の取り得る周波数範囲、すなわち期間を設定する調整用タイミング信号の取り得る周波数範囲を設定する。このように、温度検出信号により電圧制御発振器13の温度を検出しておくことで、第1の実施形態に示した周波数温度特性の影響を排除することができる。このため、検出温度に基づいて基準信号の中心周波数f’をより精度良く設定できるとともに、当該中心周波数f’に対する基準信号周波数の上限周波数f’0thUおよび下限周波数f’0thDから算出される基準信号周波数の取り得る周波数範囲Bfs’をより高精度かつ狭範囲に設定できる。
【0043】
ここで、上述のように、正常発振カウント値範囲Wc’は、基準信号の周波数範囲Bfs’と、復調用基準周波数信号の周波数幅Bfrとに基づいて設定される。そして、基準信号の周波数範囲Bfs’が、周波数温度特性等の影響を排除することで第1の実施形態に示した周波数範囲Bfsよりも狭い周波数範囲となるので、正常発振カウント値範囲Wc’をより狭い範囲に設定することができる。これにより、第1の実施形態に示した正常発振カウント値範囲Wcよりも高精度に正常発振カウント値範囲Wc’を設定することができ、さらに確実且つ正確に異常発振を検出することができる。
【0044】
次に、第3の実施形態に係る基準信号発生装置について、図を参照して説明する。
【0045】
図4(A)は、本実施形態の基準信号発生装置1”およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2’を示す概略ブロック図である。図4(B)は正常発振カウント値範囲の設定概念を示すための図である。
【0046】
本実施形態の基準信号発生装置1”は、第2の実施形態の構成に対して、さらにGPS受信機2’から測位演算結果に基づくGPS受信機2’の時間誤差情報が与えられるものであり、他の構成は第1の実施形態に示した基準信号発生装置1と同じであるので、同じ構成箇所については説明を省略する。
【0047】
GPS受信機2’の測位演算部24は、ベースバンド処理部23により航法メッセージ等が復調された測位信号に基づいて、既知の方法を用いてGPS受信機2’の三次元位置および時間誤差情報を推定演算する。GPS受信機2’の測位演算部24は、時間誤差情報を測位演算結果が得られる毎に、基準信号発生装置1”の異常発振検出部16”へ順次与える。
【0048】
この時間誤差情報は、GPS受信機2’の内部時間誤差を意味するものであり、復調用基準周波数信号に起因して発生する。したがって、当該時間誤差情報を取得することで、第1の実施形態に示した復調用基準周波数信号の特性直線F(N1)〜F(N3)を補正して、測位結果に応じた特性直線F’(N1)〜F’(N3)が得られる。
【0049】
これを利用し、異常発振検出部16”は、時間誤差情報を取得すると、測位結果に応じた特性直線F’(N1)〜F’(N3)から、復調用基準周波数信号の周波数幅Bfr’を設定する。このように、測位結果における時間誤差情報を用いることで、復調用基準周波数信号の取り得る周波数幅Bfr’をより精度良く設定できる。
【0050】
ここで、上述のように、正常発振カウント値範囲Wc”は、基準信号の周波数範囲Bfs’と、測位結果に基づく復調用基準周波数信号の周波数幅Bfr’とから設定される。そして、測位結果に基づく復調用基準周波数信号の周波数幅Bfr’が、第1の実施形態に示した周波数幅Bfrよりも狭い周波数範囲となるので、正常発振カウント値範囲Wc”をより狭い範囲に設定することができる。これにより、第2の実施形態に示した正常発振カウント値範囲Wc’よりもさらに高精度に正常発振カウント値範囲Wc”を設定することができ、さらに確実且つ正確に異常発振を検出することができる。
【0051】
次に、第4の実施形態に係る基準信号発生装置の構成について図を参照して説明する。
【0052】
図5は本実施形態の基準信号発生装置100およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図である。
【0053】
本実施形態の構成では、基準信号に基づく調整用タイミング信号(1PPSに相当)と、復調用基準周波数信号発生器10からの復調用基準周波数信号に基づく位相差判定用信号(前記調整用タイミング信号と同じ周波数)との位相差に基づいて電圧制御発振器13の異常発振を検出する。
【0054】
図5に示すように、本実施形態の基準信号発生装置100は、位相比較器11,112、ループフィルタ12、電圧制御発振器13、分周器14,110、異常発振検出部106を備える。ここで、位相比較器11、ループフィルタ12、電圧制御発振器13、分周器14は、先に実施形態に示した対応する機能ブロックと同等であり、説明は省略する。
【0055】
分周器111は、復調用基準周波数信号発生器10から出力される復調用基準周波数信号を分周して、分周器14から出力される調整用タイミング信号と同じ周波数からなる位相差判定用信号を生成する。
【0056】
位相比較器112は、入力された調整用タイミング信号と位相差判定用信号との位相差を所定タイミング毎に計測し、位相差変化量を算出して異常発振検出部116へ出力する。
【0057】
この際、位相比較器112は、次に二つの方法のいずれかを用いて位相差変化量を算出する。図6は本実施形態の位相比較器112の位相差変化量の算出概念を示す説明図である。
【0058】
(i)同期処理を行わない場合(図6(A)参照。)
位相比較器112は、位相差の計測を開始すると、位相差判定用信号の立ち上がりタイミングと調整用タイミング信号の立ち上がりタイミングとずれ量を計測し、初期位相差φ0として記憶する。位相比較器112は、このような位相差判定用信号と調整用タイミング信号との時間軸上のずれ量、すなわち位相差を一周期毎に算出する。位相比較器112は、時間軸上で隣り合う複数の位相差φを取得すると、これら位相差の位相差である位相差変化量Δφを算出し、異常発振検出部116へ出力する。すなわち、あるタイミングで位相差φnを計測すると、直前のタイミングで計測した位相差φn-1を読み出し、位相差変化量Δφnを異常発振検出部116へ出力する。
【0059】
異常発振検出部116は、入力された位相差変化量Δφnに基づいて異常発振の検出を行う。ここで、電圧制御発振器13と復調用基準周波数信号発生器10とが共に正常発振していれば、電圧制御発振器13、復調用基準周波数信号発生器10のそれぞれから出力される信号の周波数が安定する。したがって、位相差変化量Δφは当然に一定の範囲内となる。これを利用し、異常発振検出部116は、位相差変化量Δφに対して、電圧制御発振器13、復調用基準周波数信号発生器10の仕様から一意に設定できる正常発振として許容される閾値位相量を予め設定しておく。そして、異常発振検出部116は、位相差変化量Δφnが閾値位相量を超えた時点で異常発振と判定する。
【0060】
(ii)同期処理を行う場合(図6(B)参照。)
位相比較器112は、位相差の計測を開始すると、位相差判定用信号もしくは調整用タイミング信号のいずれかの立ち上がりタイミングを基準として同期処理を行う。例えば、図6(B)の例であれば、位相差判定用信号を調整タイミング信号へ同期させる。この同期処理の後、位相比較器112は、位相差判定用信号と調整用タイミング信号との立ち上がりタイミングの差、すなわち位相差を計測する。そして、位相比較器112は、さらに次の立ち上がりタイミングで、位相差判定用信号と調整用タイミング信号との同期処理を行う。すなわち、位相比較器112は、一周期毎に位相差の計測と同期とを交互に繰り返す。このような処理により位相差が順次計測される。この位相差は、二回目以降の計測において、上述の(i)の場合の位相差変化量Δφに相当するものであり、位相比較器112は、当該位相差変化量Δφを異常発振検出部116へ出力する。異常発振検出部116は、(i)の場合と同様に閾値位相量を設定しており、位相差変化量Δφnが閾値位相量を超えた時点で異常発振と判定する。
【0061】
なお、(ii)の場合では隔周期毎に異常発振検出用の位相差計測を行っているが、位相差判定用信号と調整用タイミング信号のバッファリング機能を有することで、毎周期に位相差計測と同期を同時に行うこともできる。
【0062】
このように、本実施形態の構成を用いれば、位相差によって電圧制御発振器13の異常発振を検出することができる。
【0063】
なお、この際、これらの位相差を他の計測可能なレベルの差、例えば電圧レベル差に変化した値、などのように、基準信号およびこれに基づく調整用タイミング信号と復調用基準周波数信号との間で、正常発振時と異常発振時で関係が変化(相違)する観測値に変換して異常発振検出を行うこともできる。
【0064】
次に、第5の実施形態に係る基準信号発生装置の構成について図を参照して説明する。
【0065】
図7(A)は本実施形態の基準信号発生装置120およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図であり、図7(B)は本実施形態の異常発振検出の概念を説明するための周波数スペクトル図である。
【0066】
本実施形態の構成では、復調用基準周波数信号に基づくサンプリングクロックで基準信号をサンプリングして、フーリエ変換した結果による周波数スペクトルに基づいて電圧制御発振器13の異常発振を検出する。
【0067】
図7(A)に示すように、本実施形態の基準信号発生装置120は、位相比較器11、ループフィルタ12、電圧制御発振器13、分周器14、逓倍器121、AD変換器122、フーリエ変換器123、異常発振検出部126を備える。ここで、位相比較器11、ループフィルタ12、電圧制御発振器13、分周器14は、先に実施形態に示した対応する機能ブロックと同等であり、説明は省略する。
【0068】
逓倍器121は、復調用基準周波数信号発生器10からの復調用基準周波数信号を逓倍して、基準信号の周波数よりも、少なくとも桁が異なるような高い周波数(例えば、基準信号の周波数が10MHzで復調用基準周波数信号の周波数が16MHzであって、当該16MHzに対して10倍の周波数)からなるサンプリングクロックを生成する。AD変換部122は、電圧制御発振器13からの基準信号を、サンプリングクロックでサンプリングして、当該サンプリング結果をフーリエ変換器123へ出力する。フーリエ変換器123は、サンプリング結果を順次フーリエ変換して、周波数スペクトルを取得して、異常発振検出部126へ出力する。
【0069】
異常発振検出部126は、周波数スペクトルを解析し、最大スペクトルレベルの周波数を判定用周波数として異常発振の検出を行う。ここで、電圧制御発振器13と復調用基準周波数信号発生器10とが共に正常発振していれば、図7(B)に示すように、基準信号の周波数と復調用基準周波数信号の周波数とに基づいて決定される最大スペクトルレベルの周波数すなわち判定用周波数fjは、基準信号の周波数foを中心周波数とする帯域Wfの範囲内に存在する。この帯域Wfは電圧制御発振器13と復調用基準周波数信号発生器10の仕様から一意に設定できる。これを利用し、異常発振検出部126は、サンプリングタイミング毎に判定用周波数frが帯域Wf内であるかどうかを判定し、当該帯域Wf外であると異常発振として検出する。
【0070】
このように、本実施形態の構成を用いれば、周波数領域での計測および演算により電圧制御発振器13の異常発振を検出することができる。
【0071】
なお、本実施形態では復調用基準周波数信号からサンプリングクロックを生成して基準信号をサンプリングする例を示したが、基準信号からサンプリングクロックを生成して復調用基準周波数信号をサンプリングする方法を用いても、異常発振を検出することができる。
【0072】
次に、第6の実施形態に係る基準信号発生装置の構成について図を参照して説明する。
【0073】
図8は、本実施形態の基準信号発生装置130およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図である。
【0074】
本実施形態では、基準信号もしくは調整用タイミング信号と復調用基準周波数信号とを合成して合成信号を生成する回路を設け、合成信号の周波数成分を観測することで異常発振検出を行う。
【0075】
具体的には、本実施形態の基準信号発生装置130は次に示す構成を有する。基準信号発生装置130は、位相比較器11、ループフィルタ12、電圧制御発振器13、分周器14、逓倍器131A,131B、乗算器132、ローパスフィルタ133、レベル取得部134を備える。レベル取得部134は乗算器1341、遅延器1342、ローパスフィルタ1343を備える。ここで、位相比較器11、ループフィルタ12、電圧制御発振器13、分周器14は、先に実施形態に示した対応する機能ブロックと同等であり、説明は省略する。
【0076】
逓倍器131Aは基準信号を逓倍して第1乗算用信号を生成し、逓倍器131Bは復調用基準周波数信号を逓倍して第2乗算用信号を生成する。この際、逓倍器131A,131Bは、第1乗算用信号と第2乗算用信号とが同じ周波数となるように逓倍処理を行う。
【0077】
乗算器132は、第1乗算用信号と第2乗算用信号とを乗算し(掛け合わせ)、合成信号を生成する。この合成信号には、第1乗算用信号の周波数と第2乗算用信号の周波数とを加算した周波数からなる上側測波帯成分と、第1乗算用信号の周波数と第2乗算用信号の周波数を減算した周波数からなる下側測波帯成分とが存在する。
【0078】
ローパスフィルタ133は、合成信号から下側測波帯成分のみを通過させて、レベル取得部134へ出力する。
【0079】
レベル取得部134は、下側測波帯成分の自己相関を行い、異常発振判定用の信号レベルを取得して、異常発振検出部136へ出力する。具体的には、遅延器1342は下側測波帯成分を所定時間だけ遅延処理して乗算器1341へ与える。乗算器1341は、ローパスフィルタ133からの下側測波帯成分と、遅延器1342からの遅延処理した下側測波帯成分とを乗算して判定用レベル信号を出力する。ローパスフィルタ1343は、判定用レベル信号における下側測波帯に対応する周波数成分のみを通過して判定対象値として異常発振検出部136へ出力する。
【0080】
異常発振検出部136は、判定対象値を用いて異常発振を検出する。ここで、判定対象値は、基準信号に基づく第1乗算用信号の周波数と、復調用基準周波数信号に基づく第2乗算用信号の周波数との差分値に応じてレベルが決定するので、電圧制御発振器13と復調用基準周波数信号発生器10とが正常発振していれば、電圧制御発振器13と復調用基準周波数信号発生器10との仕様に応じたレベル変化閾値の所定範囲内に収まる。これを利用し、異常発振検出部136は、判定対象値のレベル変化を検出し、レベル変化閾値を超えたことを検出することで、異常発振と判定する。
【0081】
このように、本実施形態の構成を用いれば、基準とする復調用基準周波数信号発生器10の出力信号と判定対象である電圧制御発振器13の出力信号との合成信号の周波数成分によって電圧制御発振器13の異常発振を検出することができる。
【0082】
なお、上述の説明では、復調用基準周波数信号発生器が正常発振している状態で、電圧制御発振器の故障検出を行うことを主として示したが、復調用基準信号発生器が故障していれば復調も正確に行うことができないので、基準信号発生装置の電圧制御発振器の故障検出以前に、復調用基準信号発生器の故障検出を行うことができる。
【0083】
また、上述の第1、第2、第3の実施形態では、波数計測部15に逓倍器を設置して、復調用基準周波数信号よりも周波数の高い波数計測用信号を生成し、当該波数計測用信号の波数を計測するようにしてもよい。このような処理を行うことで、正常発振カウント値範囲の分解能が向上し、より高精度に故障検出を行うことができる。
【0084】
また、上述の第1、第2、第3の実施形態の説明では、波数値のカウントにより異常発振を検出する例を示したが、基準信号に基づく調整用タイミング信号と復調用基準周波数信号とが同じ波数値までカウントされる時間差を正常発振条件に設定して、異常発振検出を行うこともできる。すなわち、基準信号や調整用タイミング信号が復調用基準周波数信号と同じ周波数であれば、同じ波数値がカウントされるまでの時間差は略0である。
【0085】
また、上述の第4、第5、第6の実施形態においても、上述の第2の実施形態に示す観測温度や第3の実施形態に示す測位演算による時間誤差を用いて異常発振検出の高精度化を実現する構成を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第1の実施形態に係る基準信号発生装置およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図である。
【図2】第1の実施形態における正常発振カウント値範囲の設定概念を示すための図である。
【図3】第2の実施形態の基準信号発生装置1’およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図、および、この構成での正常発振カウント値範囲の設定概念を示すための図である。
【図4】第3の実施形態の基準信号発生装置1”およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2’を示す概略ブロック図、および、この構成での正常発振カウント値範囲の設定概念を示すための図である。
【図5】第4の実施形態の基準信号発生装置100およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図である。
【図6】第4の実施形態の位相比較器112の位相差変化量の算出概念を示す説明図である。
【図7】第5の実施形態の基準信号発生装置120およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図、および、第5の実施形態の異常発振検出の概念を説明するための周波数スペクトル図である。
【図8】第6の実施形態の基準信号発生装置130およびこの装置にリファレンス信号を与えるGPS受信機2を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0087】
1,1’,1”,100,120,130−基準信号発生装置、11,112−位相比較器、12−ループフィルタ、13−電圧制御発振器、14,111−分周器、15−波数計測部、16,16’,16”−異常発振検出部、17−温度センサ、2,2’−GPS受信機、21−GPSアンテナ、22−IF変換部、23−ベースバンド処理部、24−測位演算部、10−復調用基準信号発生器、121,131A,131B−逓倍器、122−AD変換器、123−フーリエ変換器、132,1341−乗算器、133,1343−ルーパスフィルタ、1342−遅延器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの受信信号を復調する際に生成されるリファレンス信号と、基幹電圧制御発振器の出力する基準信号から得られる調整用タイミング信号との位相差を位相差信号として出力する位相比較器と、
前記位相差信号から制御電圧信号を生成するループフィルタと、
前記制御電圧信号に基づいて前記基準信号を発生する基幹電圧制御発振器と、を備えた基準信号発生装置であって、
前記復調の際に利用する復調用基準周波数信号発生器の出力と前記基幹電圧制御発振器の出力とを比較することで、少なくとも前記基幹電圧制御発振器の異常検出を行う異常発振検出手段、を備えた基準信号発生装置。
【請求項2】
前記異常発振検出手段は、
前記復調用基準周波数信号と前記基準信号とに基づいて算出される異常発振判定対象値が、前記復調用基準周波数信号と前記基準信号との仕様に応じて設定される正常発振条件内に無ければ異常発振として検出する、請求項1に記載の基準信号発生装置。
【請求項3】
前記異常発振検出手段は、
前記復調用基準周波数信号の波数をカウントし、前記調整用タイミング信号により与えられる計測期間毎のカウント値を前記異常発振判定対象値として取得する波数計測手段を備え、
前記カウント値が、前記正常発振条件として設定される正常発振カウント値範囲内に無ければ前記異常発振を検出する、請求項2に記載の基準信号発生装置。
【請求項4】
前記復調用基準周波数信号発生器の出力に基づいて前記調整用タイミング信号と同じ周波数の位相差判定用信号を生成し、
前記異常発振検出手段は、前記調整用タイミング信号と前記位相差判定用信号との位相差を観測して前記異常発振を検出する、請求項2に記載の基準信号発生装置。
【請求項5】
前記復調用基準周波数信号に基づくサンプリングクロックを生成して、該サンプリングクロックにて前記基準信号をサンプリングして周波数スペクトルを取得し、
前記異常発振検出手段は、前記周波数スペクトルの最大スペクトルとなる周波数を観測して前記異常発振を検出する、請求項2に記載の基準信号発生装置。
【請求項6】
前記復調用基準周波数信号と前記基準信号とを掛け合わせて掛け合わせ信号を生成し、
前記異常発振検出手段は、前記掛け合わせ信号の周波数成分を観測して前記異常発振を検出する、請求項2に記載の基準信号発生装置。
【請求項7】
前記基幹電圧制御発振器の温度を検出する温度センサを備え、
前記異常発振検出手段は、
前記温度センサの温度検出結果に基づいて、前記正常発振に対する前記基幹電圧制御発振器の周波数範囲を制限する、請求項2〜請求項6のいずれかに記載の基準信号発生装置。
【請求項8】
前記受信信号は測位信号であり、
該測位信号を前記復調用基準周波数信号で復調した結果に基づいて測位演算を行う測位演算手段を備え、
前記異常発振検出手段は、
該測位演算において得られる時間誤差に基づいて、前記正常発振に対する前記復調用基準周波数信号の周波数範囲を制限する、請求項2〜請求項7のいずれかに記載の基準信号発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−88071(P2010−88071A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−257980(P2008−257980)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】