説明

塗布、現像装置、塗布、現像方法及び記憶媒体

【課題】単位ブロックに異常が発生したり、メンテナンスを行うときに、塗布、現像装置のスループットの低下を抑えると共に処理ブロックの設置面積を抑えること。
【解決手段】積層された前段処理用の単位ブロックと、各々対応する積層された後段処理用の単位ブロックとの間に設けられ、両単位ブロックの搬送機構の間で基板の受け渡しを行うための塗布処理用の受け渡し部と、各段の塗布処理用の受け渡し部の間で基板の搬送を行うために昇降自在に設けられた補助移載機構と、前記前段処理用の単位ブロックに積層された現像処理用の単位ブロックとを備える塗布、現像装置を構成する。各層間で基板を受け渡せるので、使用不可になった単位ブロックを避けて基板を搬送することができる。また、現像用の単位ブロックと前段処理用の単位ブロックとが積層されているので設置面積が抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にレジストを塗布し、現像を行う塗布、現像装置、塗布、現像方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程においては、半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面にレジストを塗布し、このレジストを所定のパターンで露光した後に現像してレジストパターンを形成している。前記レジストパターンを形成するための塗布、現像装置には、ウエハに各種の処理を行うための処理モジュールを備えた処理ブロックが設けられている。
【0003】
処理ブロックは、例えば特許文献1に記載されるように、レジスト膜などの各種の塗布膜を形成する単位ブロック及び現像処理を行う単位ブロックを互いに積層することにより構成されている。各単位ブロックにはウエハの搬送機構が設けられ、当該搬送機構によりウエハは順番に各単位ブロックに設けられる処理モジュールを受け渡されて処理を受ける。
【0004】
ところで、より微細なパターンを形成し、さらに歩留りを低下させるために、前記処理ブロックに設置される処理モジュールは多様化している。例えば、ウエハにレジストを塗布するレジスト膜形成モジュールや現像液を供給する現像モジュールの他に、レジストが塗布されたウエハの裏面を洗浄する裏面洗浄モジュール、レジスト膜の上層に薬液を供給して更に膜を形成する上層用の液処理モジュールなどが設けられる場合が有る。これらの各種の処理モジュールを処理ブロックに搭載した上で、どのように塗布、現像装置の占有床面積を抑えるかが検討されている。
【0005】
上記の単位ブロックを積層する構成は、前記占有床面積を抑えるために有効であるが、ウエハは順番に各単位ブロックに搬送されるので、1つの処理モジュールまたは単位ブロックに異常が発生したり、メンテナンスを行うときに、塗布、現像装置の処理全体を停止しなければならない場合がある。そうなると、装置のスループットが低下してしまうという問題が有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−115831
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、単位ブロックに異常が発生したりメンテナンスを行うときに、塗布、現像装置のスループットの低下を抑えると共に処理ブロックの設置面積を抑えることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の塗布、現像装置は、キャリアブロックにキャリアにより搬入された基板を処理ブロックに受け渡し、この処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、前記処理ブロックに対してキャリアブロックとは反対側に位置するインターフェイスブロックを介して露光装置に搬送し、前記インターフェイスブロックを介して戻ってきた露光後の基板を前記処理ブロックにて現像処理して前記キャリアブロックに受け渡す塗布、現像装置において、
a)前記処理ブロックは、
基板に下層側の反射防止膜を形成するために薬液を供給する下層用の液処理モジュールと、前記反射防止膜の上にレジスト膜を形成するためにレジスト液を供給する塗布モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に伸びる直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた前段処理用の単位ブロックを複数上下に積層したものと、
複数の前段処理用の単位ブロックのインターフェイスブロック側に当該前段処理用の単位ブロックに隣接して夫々設けられ、レジスト膜が形成された基板に上層側の膜を形成するために薬液を供給する上層用の液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に伸びる直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた複数の後段処理用の単位ブロックと、
前段処理用の単位ブロックと、対応する後段処理用の単位ブロックとの間に夫々設けられ、両単位ブロックの搬送機構の間で基板の受け渡しを行うための塗布処理用の受け渡し部と、
各段の塗布処理用の受け渡し部の間及び各段の現像処理用の受け渡し部の間で基板の搬送を行うために昇降自在に設けられた補助移載機構と、
前段処理用の単位ブロックを複数上下に積層したものに対して、上下方向に積層され、基板に現像液を供給する液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に伸びる直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた現像処理用の単位ブロックを複数上下に積層されたものと、
複数の現像処理用の単位ブロックのインターフェイスブロック側に当該現像処理用の単位ブロックに隣接して夫々設けられ、キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に伸びる直線搬送路上を移動し、基板を搬送するための単位ブロック用の搬送機構を備えた補助用の単位ブロックと、
現像処理用の単位ブロックと、対応する補助用の単位ブロックとの間に設けられ、両単位ブロックの搬送機構の間で基板の受け渡しを行うための現像処理用の受け渡し部と、を備えたことと、
b)各単位ブロック毎にキャリアブロック側に設けられ、各単位ブロックの搬送機構との間で基板の受け渡しを行う搬入出用の受け渡し部と、
c)キャリアから前段処理用の各単位ブロックに対応する前記搬入出用の受け渡し部に基板を振り分けて受け渡すと共に、現像処理用の各単位ブロックに対応する搬入出用の受け渡し部から基板をキャリアに戻すための第1の受け渡し機構と、
d)前記処理ブロックで処理された露光前の基板を受け取り、露光後の基板を現像処理用の単位ブロックに振り分けて受け渡すための第2の受け渡し機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の具体的な態様としては、例えば下記の通りである。
(1)補助用の単位ブロックは、当該補助用の単位ブロック内の搬送機構により基板の搬送が行われ、レジスト膜が形成された基板の裏面側を洗浄するための裏面洗浄モジュールを備えている。
(2)前段処理用の単位ブロックについて不具合が生じたときあるいはメンテナンスを行うときには、当該単位ブロックを使用せず、他の前段処理用の単位ブロックにて基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成するステップと、このステップの後、当該基板を前記補助移載機構を介して、不使用となった単位ブロックのインターフェイスブロック側の後段処理用の単位ブロックに搬送するステップと、を含むモードを実行する制御部を備えている。
(3)後段処理用の単位ブロックについて不具合が生じたときあるいはメンテナンスを行うときには、当該単位ブロックを使用せず、不使用となった単位ブロックのキャリアブロック側の前段処理用の単位ブロックにて基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成するステップと、このステップの後、当該基板を前記補助移載機構を介して、他の階層の後段処理用の単位ブロックに基板を搬送するステップと、を含むモードを実行する制御部を備えている。
(4)前段処理用の単位ブロックの積層数及び後段処理用の単位ブロックの各々の積層数は3層である。
(5)現像処理用の単位ブロックの積層数は3層である。
(6)前記補助搬送機構は、各段の塗布処理用の受け渡し部の間の搬送を行うための第1の補助移載機構と、各段の現像処理用の受け渡し部の間の搬送を行うための第2の補助移載機構と、を備えている。
【0010】
本発明の塗布、現像方法は、
上記の塗布、現像装置を用い、
前段処理用の単位ブロックについて不具合が生じたときあるいはメンテナンスを行うときには、当該単位ブロックを使用せず、他の前段処理用の単位ブロックにて基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成する工程と、
次いで当該基板を補助移載機構を介して、不使用となった単位ブロックのインターフェイスブロック側の後段処理用の単位ブロックに搬送する工程と、
その後、当該後段処理用の単位ブロック内のモジュールにより、上層側の膜を形成する工程と、を実施することを特徴とする。
【0011】
本発明の他の塗布、現像方法は、上記の塗布、現像装置を用い、
後段処理用の単位ブロックについて不具合が生じたときあるいはメンテナンスを行うときには、当該単位ブロックを使用せず、不使用となった単位ブロックのキャリアブロック側の前段処理用の単位ブロックにて基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成する工程と、
次いで当該基板を補助移載機構を介して、他の階層の後段処理用の単位ブロックに搬送する工程と、
その後、当該後段処理用の単位ブロック内のモジュールにより、上層側の膜を形成する工程と、を実施することを特徴とする。
【0012】
本発明の記憶媒体は、塗布、現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上記の塗布、現像方法を実施するためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成するための前段処理用の単位ブロックを複数積層し、レジスト膜の上に上層側の膜を形成するための後段処理用の単位ブロックを複数積層し、これら積層体を前後に連結すると共に、前段処理用の単位ブロックと、対応する後段処理用の単位ブロックとの間で基板の受け渡しを行う受け渡し部とを備え、各層の受け渡し部の間で補助移載機構により基板の受け渡しができるように構成している。従って前段処理用の単位ブロック及び後段処理用の単位ブロックのいずれかが使用できなくなっても、前記補助移載機構を利用して他方の単位ブロックにより処理を行うことができ、スループットの低下を防ぐことが図れる。また前記積層体に、現像処理を行うための単位ブロックを複数積層しているので、装置の設置面積を抑えつつ、装置の奥行き寸法(キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ方向に沿った長さ寸法)も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の塗布、現像装置の平面図である。
【図2】前記塗布、現像装置の斜視図である。
【図3】前記塗布、現像装置の縦断側面図である。
【図4】前記塗布、現像装置の液処理モジュールの縦断側面図である。
【図5】後方側処理ブロックの縦断正面図である。
【図6】インターフェイスブロックの縦断正面図である。
【図7】前記塗布、現像装置の制御部の構成図である。
【図8】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路を示すフロー図である。
【図9】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路を示すフロー図である。
【図10】前記塗布、現像装置におけるウエハの搬送経路を示すフロー図である。
【図11】インターフェイスブロックの縦断正面図である。
【図12】インターフェイスブロックの縦断正面図である。
【図13】塗布、現像装置の概略縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る塗布、現像装置1について説明する。図1は、本発明の塗布、現像装置1をレジストパターン形成装置に適用した場合の一実施の形態の平面図を示し、図2は同概略斜視図、図3は同概略側面図である。この塗布、現像装置1は、基板であるウエハWが例えば25枚密閉収納されたキャリアCを搬入出するためのキャリアブロックS1と、ウエハWに対して処理を行うための処理ブロックS20と、インターフェイスブロックS4と、を直線状に配列して構成されている。インターフェイスブロックS4には、液浸露光を行う露光装置S5が接続されている。
【0016】
前記キャリアブロックS1には、前記キャリアCを載置する載置台11と、この載置台11から見て前方の壁面に設けられる開閉部12と、開閉部12を介してキャリアCからウエハWを取り出すための受け渡しアーム13とが設けられている。受け渡しアーム13は、上下方向に5つのウエハ保持部14を備え、進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、キャリアCの配列方向に移動自在に構成されている。後述の制御部51は、キャリアCのウエハWに番号を割り当て、受け渡しアーム13は、番号の小さいものから5枚ずつ順にウエハWを処理ブロックS20の受け渡しモジュールBU1に一括で受け渡す。なお、ウエハWを載置できる場所をモジュールと記載し、このモジュールのうちウエハWに対して加熱、液処理、ガス供給または周縁露光などの処理を行うモジュールを処理モジュールと記載する。また、処理モジュールのうち、ウエハWに薬液や洗浄液を供給するモジュールを液処理モジュールと記載する。
【0017】
処理ブロックS20は、キャリアブロックS1側に設けられた前段側処理ブロックS2及びインターフェイスブロックS4側に設けられた後段側処理ブロックS3とからなる。前方側処理ブロックS2及び後方側処理ブロックS3の概略縦断側面図である図4も参照しながら説明を続ける。前段側処理ブロックS2は、ウエハWに液処理を行う第1〜第6の前方側単位ブロックB1〜B6が下から順に積層されて構成されている。これら前方側単位ブロックB1〜B6は、液処理モジュールと、加熱モジュールと、単位ブロック用の搬送手段であるメインアームAと、前記メインアームAが移動する搬送領域R1と、を備えており、各前方側単位ブロックBでは、これらの配置レイアウトが同様に構成されている。各前方側単位ブロックBでは、メインアームAにより互いに独立してウエハWが搬送され、処理が行われる。
【0018】
図1では第1の前方側単位ブロックB1について示しており、以下、代表してこの第1の前方側単位ブロックB1について説明する。この第1の前方側単位ブロックB1の中央には、キャリアブロックS1から後方側処理ブロックS3へ向かう前記搬送領域R1が形成されている。この搬送領域R1をキャリアブロックS1から第2の処理ブロックS3側へ見た左右には液処理ユニット21、棚ユニットU1〜U6が夫々配置されている。
【0019】
液処理ユニット21には、反射防止膜形成モジュールBCT1と、レジスト膜形成モジュールCOT1とが設けられており、キャリアブロックS1側から第2の処理ブロックS3側に向かってBCT1、COT1が、この順に配列されている。反射防止膜形成モジュールBCT1は、搬送領域R1の形成方向に沿って2つのスピンチャック22を備えており、スピンチャック22は、ウエハWの裏面中央部を吸着保持すると共に鉛直軸回りに回転自在に構成されている。図中23は処理カップであり、上側が開口している。処理カップ23は、スピンチャック22の周囲を囲み、薬液の飛散を抑える。ウエハWを処理するときには、当該処理カップ23内にウエハWが収容され、ウエハWの裏面中央部はスピンチャック22に保持される。
【0020】
また、反射防止膜形成モジュールBCT1には、各処理カップ23で共用されるノズル24が設けられている。図中25は、ノズル24を支持するアームであり、図中26は駆動機構である。駆動機構26は、アーム25を介してノズル24を各処理カップ23の配列方向に移動させると共にアーム25を介してノズル24を昇降させる。駆動機構26により、ノズル24は反射防止膜形成モジュールBCT1の各処理カップ23間を移動し、各スピンチャック22に受け渡されたウエハWの中心に反射防止膜形成用の薬液を吐出する。供給された薬液は、前記スピンチャック22により鉛直軸回りに回転するウエハWの遠心力により、ウエハWの周縁へと展伸し、反射防止膜が成膜される。なお、図示は省略しているが、反射防止膜形成モジュールBCT1は、ウエハWの周端部に溶剤を供給し、当該周端部の不要な膜を除去するノズルを備えている。
【0021】
レジスト膜形成モジュールCOT1、COT2は、反射防止膜形成モジュールBCT1,BCT2と同様に構成されている。つまり、レジスト膜形成モジュールCOT1は各々ウエハWを処理するための処理カップ23及びスピンチャック22を2つずつ備えており、2つの処理カップ23及びスピンチャック22に対してノズル24が共有されている。ただし、前記ノズル24からは反射防止膜形成用の薬液の代わりにレジストが供給される。
【0022】
棚ユニットU1〜U6は、キャリアブロックS1側からインターフェイスブロックS3側に向けて順に配列されている。各棚ユニットU1〜U6は、ウエハWの加熱処理を行う加熱モジュールが例えば2段に積層されて構成されている。従って前方側単位ブロックB1は、12基の加熱モジュール27を備えている。前記搬送領域R1には、前記メインアームA1が設けられている。このメインアームA1は、進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、キャリアブロックS1側から後方側処理ブロックS3側に移動自在に構成されており、単位ブロックB1の全てのモジュール間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0023】
前方側単位ブロックB2〜B3について説明する。第2の前方側単位ブロックB2及び第3の前方側単位ブロックB3は、既述の第1の前方側単位ブロックB1と同様に構成されている。図4に示すように第2の前方側単位ブロックB2に設けられている反射防止膜形成モジュールをBCT2とし、2基のレジスト膜形成モジュールをCOT2とする。第3の前方側単位ブロックB3に設けられている反射防止膜形成モジュールをBCT3とし、レジスト膜形成モジュールをCOT3とする。前方側単位ブロックB1〜B3は前段処理用の単位ブロックを構成する。
【0024】
続いて、現像処理用の単位ブロックである前方側単位ブロックB4〜B6について説明する。第4の前方側単位ブロックB4は、第1の前方側単位ブロックB1との差異点として、反射防止膜形成モジュールBCT及びレジスト膜形成モジュールCOTの代わりに、現像モジュールDEV1、DEV2を備えている。第5の前方側単位ブロックB5及び第6の前方側単位ブロックB6は、第4の前方側単位ブロックB4と同様に構成されており、各々2基の現像モジュールDEVを備えている。第5の前方側単位ブロックB5に設けられている現像モジュールをDEV3,DEV4とする。第6の前方側単位ブロックB6に設けられている現像モジュールをDEV5,DEV6とする。現像モジュールDEVはレジスト膜形成モジュールCOTと同様に構成されているが、レジストの代わりに現像液をウエハWに供給する。
【0025】
各層の搬送領域R1のキャリアブロックS1側には、図1及び図3に示すように、各単位ブロックB1〜B6に跨った棚ユニットU7が設けられている。棚ユニットU7は、互いに積層された複数のモジュールにより構成され、これらの各モジュールについて以下に説明する。第1の前方側単位ブロックB1の高さ位置には疎水化処理モジュールADH1、ADH2及び受け渡しモジュールCPL1〜CPL3が設けられている。第2の前方側単位ブロックB2の高さ位置には、疎水化処理モジュールADH3、ADH4及び受け渡しモジュールCPL4〜CPL6が設けられている。第3の前方側単位ブロックB3の高さ位置には、疎水化処理モジュールADH5、ADH6及び受け渡しモジュールCPL7〜CPL9が設けられている。
【0026】
第4の前方側単位ブロックB4の高さ位置には受け渡しモジュールCPL21及び受け渡しモジュールBU11が設けられている。第5の前方側単位ブロックB5の高さ位置には、受け渡しモジュールCPL22及び受け渡しモジュールBU12が設けられている。第6の前方側単位ブロックB6の高さ位置には、受け渡しモジュールCPL23及び受け渡しモジュールBU13が設けられている。説明中、CPLと記載した受け渡しモジュールは、載置したウエハWを冷却する冷却ステージを備えている。BUと記載した受け渡しモジュールは、複数枚のウエハWを収容し、滞留させることができるように構成されている。
【0027】
また、疎水化処理モジュールADH1〜ADH6は、ウエハWのベベル部を含む表面に処理ガスを供給し、疎水性を向上させる。これによって、各液処理モジュールで当該周端部の膜が除去されてウエハWの表面が剥き出しになった状態でも、当該表面が撥水作用を有し、液浸露光時に当該周端部から各膜の剥がれが抑えられる。
【0028】
また、棚ユニットU7において、キャリアブロックS1の受け渡しアーム13がアクセスできる高さ位置に、搬入出用受け渡し部を構成する受け渡しモジュールBU1及びCPL10が設けられている。受け渡しモジュールBU1は、既述の受け渡しアーム13から搬送されたウエハWを一括で受け取るために、上下方向に5つのウエハWの保持部を備えている。受け渡しモジュールBU1に搬送されたウエハWは、制御部51により割り振られた番号が小さいものから順に各単位ブロックに振り分けられる。受け渡しモジュールCPL10はウエハWをキャリアCに戻すために用いられる。
【0029】
さらに、棚ユニットU7には検査モジュール31が設けられている。検査モジュール31は現像処理後のウエハWを検査し、パターン倒れ、線幅異常、レジスト溶解不良などの各種の検査項目について異常の有無を検査する。前方側単位ブロックB4〜B6からウエハWを搬出する際に、検査モジュール31に搬入するウエハWは、例えば受け渡しモジュールBU11〜BU13に搬送される。検査モジュール31に搬送されないウエハWは、受け渡しモジュールCPLから受け渡しモジュールBU11〜BU13を介さずにキャリアCに戻される。このように受け渡しモジュールを使い分けることによって、前記番号の小さい順、つまりキャリアCからの搬出順にウエハWをキャリアCに戻すように、ウエハWの搬送が制御される。
【0030】
また、前方側処理ブロックS2において、棚ユニットU7の近傍には、昇降自在、進退自在な第1の受け渡し機構である受け渡しアーム30が設けられている。当該受け渡しアーム30は、棚ユニットU7の各モジュール間でウエハWを搬送する。
【0031】
図5は、後方側処理ブロックS3の縦断正面図であり、この図に示すように後方側処理ブロックS3は、ウエハWに液処理を行う第1〜第6の後方側単位ブロックD1〜D6が下から順に積層されて構成されている。後方側単位ブロックD1〜D6は、夫々前方側単位ブロックB1〜B6と同じ高さに位置している。これら後方側単位ブロックD1〜D6は、液処理モジュールと、加熱モジュールと、単位ブロック用の搬送手段であるメインアームEと、前記メインアームEが移動する搬送領域R2と、を備えており、各後方側単位ブロックD1〜D6では、これらの配置レイアウトが平面視同様に構成されている。各単位ブロックDでは、メインアームEにより互いに独立してウエハWが搬送され、処理が行われる。以下、図1を参照しながら、代表して第1の後方側単位ブロックD1について説明する。
【0032】
この第1の後方側単位ブロックD1の中央には、前方側処理ブロックS2からインターフェイスブロックS4へ向かう前記搬送領域R2が形成されている。この搬送領域R2を第2の処理ブロックS3側からインターフェイスブロックS4側へ見た左右には液処理ユニット32、棚ユニットU8〜U9が夫々配置されている。
【0033】
液処理ユニット32には、保護膜形成モジュールTCT1が設けられている。この保護膜形成モジュールTCT1は、ウエハWに撥水性の保護膜の形成用の薬液を供給することを除いて、反射防止膜形成モジュールBCT1と同様の構成である。つまり、保護膜形成モジュールTCT1は各々ウエハWを処理するための処理カップ23及びスピンチャック22を2つずつ備えており、2つの処理カップ23及びスピンチャック22に対してノズル24が共有されている。
【0034】
棚ユニットU8〜U9は、キャリアブロックS1側からインターフェイスブロックS3側に向けてこの順に配列されている。各棚ユニットU1〜U6は、ウエハWの加熱処理を行う加熱モジュール33が例えば2段に積層されて構成されている。従って、後方側単位ブロックD1は、4基の加熱モジュール33を備えている。前記搬送領域R2には、メインアームE1が設けられている。このメインアームE1は、進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、前方側処理ブロックS2側からインターフェイスブロックS4側へ向けて移動自在に構成されており、第1の後方側単位ブロックD1の全てのモジュール間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0035】
後方側単位ブロックD2〜D3について説明する。第2の後方側単位ブロックD2は、既述の第1の後方側単位ブロックD1と同様に構成されている。第2の後方側単位ブロックD2に設けられている保護膜形成モジュールをTCT2とする。第3の後方側単位ブロックD3に設けられている保護膜形成モジュールをTCT3とする。後方側単位ブロックD1〜D3は後段処理用の単位ブロックを構成する。
【0036】
続いて補助用の単位ブロックを構成する後方側単位ブロックD4〜D6について説明する。第4の後方側単位ブロックD4は、第1の後方側単位ブロックD1との差異点として、保護膜形成モジュールの代わりに、裏面洗浄モジュールBST1を備えている。裏面洗浄モジュールBSTは、ウエハWの表面に薬液を供給するノズル24が設けられる代わりに、ウエハWの裏面及びベベル部に洗浄液を供給し、ウエハWの裏面を洗浄するノズルが夫々個別に設けられる。このような違いを除いて、裏面洗浄モジュールBSTは反射防止膜形成モジュールBCTと同様の構成である。なお、裏面洗浄モジュールBSTは、ウエハWの裏面側のみ、または前記ベベル部のみを洗浄するように構成されていてもよい。また、棚ユニットU8、U9を構成する加熱モジュール33は、各々一段のみ設けられている。このような差異を除き、第4の後方側単位ブロックD4は、第1の後方側単位ブロックD1と同様に構成されている。
【0037】
第5の後方側単位ブロックD5及び第6の後方側単位ブロックD6は、第4の後方側単位ブロックD4と同様に構成されている。第5の後方側単位ブロックD5は、裏面洗浄モジュールとしてBST2を備えており、第6の後方側単位ブロックD6は、裏面洗浄モジュールとしてBST3を備えている。
【0038】
各層の搬送領域R2の前方側処理ブロックS2側には、図1及び図3に示すように、各後方側単位ブロックD1〜D6に跨った棚ユニットU10が設けられている。この棚ユニットU10の構成について説明する。棚ユニットU10は、互いに積層された複数のモジュールにより構成されている。第1の後方側単位ブロックD1の高さ位置には受け渡しモジュールCPL31が設けられている。第2の後方側単位ブロックD2の高さ位置には受け渡しモジュールCPL32が設けられ、第3の後方側単位ブロックD3の高さ位置には受け渡しモジュールCPL33が設けられている。また、第4の後方側単位ブロックD4の高さ位置には受け渡しモジュールCPL41が設けられている。第5の後方側単位ブロックD5の高さ位置には受け渡しモジュールCPL42が設けられ、第6の後方側単位ブロックD6の高さ位置には受け渡しモジュールCPL43が設けられている。
【0039】
棚ユニットU10を構成するモジュールには、当該モジュールと同じ高さ位置にある後方側単位ブロックDのメインアームEと、前方側単位ブロックBのメインアームAとがアクセスできる。また、後方側処理ブロックS3において、棚ユニットU10の近傍には、補助移載機構をなす受け渡しアーム40が設けられている。受け渡しアーム40は、昇降自在、棚ユニットU10に対して進退自在に構成される。受け渡しアーム40は、棚ユニットU10の単位ブロックB1〜B6の高さ位置にある各モジュール間でウエハWを搬送する。
【0040】
続いて、インターフェイスブロックS4の構成について、図6も参照しながら説明する。インターフェイスブロックS4には、各単位ブロックのメインアームA1〜A6がアクセスできる位置に棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、単位ブロックB4、B5、B6の高さ位置に夫々TRS1〜TRS3、TRS4〜TRS6、TRS7〜TRS9を備えている。単位ブロックB1、B2、B3の高さ位置には、夫々CPL51、CPL52、CPL53を備えている。また、棚ユニットU11は、受け渡しモジュールBU21〜23、CPL54を備えている。これらのモジュールは互いに積層されて設けられている。
【0041】
また、インターフェイスブロックS4には例えば4基の露光後洗浄モジュールPIR1〜PIR4が積層されて設けられている。各露光後洗浄モジュールPIRは、レジスト膜形成モジュールCOTと同様に構成されており、ウエハW表面にレジストの代わりに保護膜除去及び洗浄用の薬液を供給する。
【0042】
また、インターフェイスブロックS4には、3基のインターフェイスアーム35、36、37が設けられている。インターフェイスアーム35、36、37は昇降自在及び進退自在に構成されており、さらにインターフェイスアーム35は、水平方向に移動自在に構成されている。インターフェイスアーム35は露光装置S5、受け渡しモジュールBU21、CPL52,51にアクセスし、これらの間でウエハWを受け渡す。インターフェイスアーム36は、受け渡しモジュールBU22、BU23、TRS1〜6にアクセスし、これらのモジュール間でウエハWを受け渡す。インターフェイスアーム37は、棚ユニットU11を構成する各モジュール及び露光後洗浄モジュールPIR1〜PIR4にアクセスし、これらのモジュール間でウエハWを受け渡す。
【0043】
続いて、塗布、現像装置1に設けられた制御部51について図7を参照しながら説明する。図中52はバスであり、図中53はCPU、54はプログラムである。このプログラム54には、塗布、現像装置1の各部に制御信号を出力し、後述のようにモジュール間でウエハWを搬送し、各ウエハWに対して薬液や洗浄液の供給、加熱などの処理を行うように命令(各ステップ)が組まれている。このプログラム54は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)メモリーカードなどの記憶媒体に格納されて制御部51にインストールされる。
【0044】
また、バス52にはメモリ55が接続されている。例えばメモリ55には処理温度、処理時間、各薬液の供給量または電力値などの処理パラメータの値が書き込まれる領域を備えており、CPU53がプログラム54の各命令を実行する際、これらの処理パラメータが読み出され、そのパラメータ値に応じた制御信号がこの塗布、現像装置1の各部位に送られることになる。
【0045】
また、メモリ55には搬送スケジュール記憶領域56が設けられている。この記憶領域56では、ウエハWのIDと、当該ウエハWの搬送先のモジュールと、搬送されるモジュールの順番と、が互いに対応付けられた搬送スケジュールが記憶されている。なお、この搬送スケジュールにおいて、各液処理モジュールについては2つある処理カップ23のうち、どちらに搬入されるかについても記憶されている。この搬送スケジュールは、ウエハWの処理前に予め設定されているが、後述のように単位ブロックやモジュールへの搬送停止が決定されると、それに応じて変更される。
【0046】
また、バス52には設定部57が接続されている。設定部57は、例えばキーボードやマウス、タッチパネルなどにより構成され、ユーザがウエハWの搬送モードを選択することができるようになっている。なお、後述のように搬送モードは、ユーザが任意に切り替える場合の他に、自動で切り替わる場合もある。搬送モードが切り替わると、切り替わった搬送モードに応じて各メインアームA,E、受け渡しアーム13、30、40及びインターフェイスアーム35〜37に制御信号が送信され、ウエハWの搬送先が切り替わる。また、ユーザは設定部57からウエハWのIDを指定して、検査モジュール31で検査を行うウエハWを設定することができる。
【0047】
メインアームA、Eは、例えばその位置に応じた位置信号を制御部51に出力し、この位置信号に基づいて、制御部51はメインアームA、Eの動作異常の有無を判定する。また、各処理モジュールはその動作に応じて制御部51に信号を出力し、この信号に基づいて、制御部51はメインアームA、Eの動作異常の有無を判定する。そして、制御部51はメインアームA,Eや各単位ブロックの処理モジュールに動作異常があると判定したときに、搬送モードの変更を行う。
【0048】
(通常搬送モード)
続いて、通常搬送モードが実行されているときの塗布、現像装置1でのウエハWの搬送経路について説明する。図8は、この搬送経路の概略を示したものであり、キャリアCからバッファモジュールBU1に取り出されたウエハWは、第1〜第3の前方側単位ブロックB1〜B3に振り分けられ、夫々処理を受けた後、第1の前方側単位ブロックB1→第1の後方側単位ブロックD1、第2の前方側単位ブロックB2→第2の後方側単位ブロックD2、第3の前方側単位ブロックB3→第3の後方側単位ブロックD3の経路で夫々搬送される。第1〜第3の後方側単位ブロックD1〜D3で処理を受けたウエハWは、露光装置S5に搬入後、第4〜第5の後方側単位ブロックD4〜D6に振り分けられる。そして、第4の後方側単位ブロックD4→第4の前方側単位ブロックB4、第5の後方側単位ブロックD5→第5の前方側単位ブロックB5、第6の後方側単位ブロックD6→第6の前方側単位ブロックB6の経路で夫々搬送され、キャリアCに戻される。
【0049】
この例では、後方側単位ブロックD1、D2、D3に振り分けられたウエハWは、後方側単位ブロックD4、D5、D6に夫々振り分けられる。また、ウエハWは制御部51に割り振られた番号が小さいものから順に、例えば単位ブロックB1、B2、B3、B1、B2、B3、B1・・・の順でサイクリックに単位ブロックB1〜B3へ振り分けられる。
【0050】
ウエハWの搬送経路についてモジュール単位で詳しく説明すると、第1の前方側単位ブロックB1に振り分けられるウエハWは、バッファモジュールBU1→受け渡しアーム30→疎水化処理モジュールADH1、ADH2の順で搬送され、疎水化処理される。その後メインアームA1が、受け渡しモジュールCPL11→反射防止膜形成モジュールBCT1→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL12→レジスト膜形成モジュールCOT1→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL31の順で搬送し、ウエハWに反射防止膜、レジスト膜が順に形成され、第1の後方側単位ブロックD1に搬入される。
【0051】
前記ウエハWは、メインアームE1により保護膜形成モジュールTCT1→加熱モジュール33の順に搬送されて、保護膜が形成される。続いて、ウエハWは受け渡しモジュールCPL51に搬送されて、インターフェイスブロックS4に搬入され、インターフェイスアーム37→受け渡しモジュールTRS1→メインアームE4に受け渡され、さらに裏面洗浄モジュールBST1に搬送されて裏面洗浄処理を受ける。その後、ウエハWはメインアームE4→受け渡しモジュールTRS2の順に搬送され、再びインターフェイスブロックS4に搬入される。その後、ウエハWはインターフェイスアーム36→受け渡しモジュールBU22、BU23→インターフェイスアーム37→受け渡しモジュールCPL54→インターフェイスアーム35→露光装置S5の順で搬送されて、液浸露光される。
【0052】
液浸露光後のウエハWは、インターフェイスアーム35→受け渡しモジュールBU21→インターフェイスアーム37→露光後洗浄モジュールPIR1〜PIR4→インターフェイスアーム37→受け渡しモジュールTRS3の順で搬送される。然る後、前記ウエハWは、メインアームE4により第4の後方側単位ブロックD4に再び搬入され、加熱モジュール33→受け渡しモジュールCPL41の順で搬送される。
【0053】
その後、ウエハWは、メインアームA4により第4の前方側単位ブロックB4に搬入され、現像モジュールDEV1、DEV2→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL21→受け渡しアーム30→受け渡しモジュールBU12→受け渡しアーム30→検査モジュール31の順に搬送され、検査後、受け渡しアーム30→受け渡しモジュールCPL10→受け渡しアーム13の順で搬送され、受け渡しアーム13が当該ウエハWをキャリアCに戻す。なお、検査対象ではないウエハWは、現像、加熱後処理、受け渡しモジュールCPL21→受け渡しアーム30→受け渡しアーム13→キャリアCの順で搬送される。
【0054】
第2の前方側単位ブロックB2に振り分けられるウエハWは、第1の前方側単位ブロックB1に振り分けられたウエハWと同様の順番でモジュール間を搬送される。以下に、簡単に搬送経路を説明する。前記ウエハWは、バッファモジュールBU1→受け渡しアーム30→疎水化処理モジュールADH3、ADH4の順で搬送された後、メインアームA2が、受け渡しモジュールCPL13→反射防止膜形成モジュールBCT2→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL14→レジスト膜形成モジュールCOT2→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL32の順で搬送する。
【0055】
その後、メインアームE2→保護膜形成モジュールTCT2→メインアームE2→加熱モジュール33→メインアームE2→受け渡しモジュールCPL52→インターフェイスアーム37→受け渡しモジュールTRS4→メインアームE5→裏面洗浄モジュールBST2→メインアームE5→受け渡しモジュールTRS5の順に搬送され、ウエハWはインターフェイスブロックS4に搬入される。
【0056】
インターフェイスブロックS4にて前記ウエハWは、第1の前方側単位ブロックB1に振り分けられた場合と同様に搬送され、露光後洗浄された後、受け渡しモジュールTRS6に受け渡される。その後、ウエハWは、メインアームE5→加熱モジュール33→メインアームE5→受け渡しモジュールCPL42→メインアームA5→現像モジュールDEV3、DEV4→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL22→受け渡しアーム30→受け渡しモジュールBU12→受け渡しアーム30→検査モジュール31に搬送された後、単位ブロックB4に振り分けられた場合と同様の経路でキャリアCに戻される。なお、検査対象ではないウエハWについては、現像、加熱処理後、受け渡しモジュールCPL22に搬送後、単位ブロックB4に振り分けられた場合と同様の経路でキャリアCに戻される。
【0057】
第3の前方側単位ブロックB3に振り分けられるウエハWも、第1の前方側単位ブロックB1に振り分けられたウエハWと同様の順番でモジュール間を搬送される。以下に、簡単に搬送経路を説明すると、前記ウエハWは、バッファモジュールBU1→受け渡しアーム30→疎水化処理モジュールADH5、ADH6の順で搬送された後、メインアームA3が、受け渡しモジュールCPL15→反射防止膜形成モジュールBCT3→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL16→レジスト膜形成モジュールCOT3→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL35の順で搬送する。
【0058】
その後、ウエハWはメインアームE3→保護膜形成モジュールTCT3→メインアームE3→加熱モジュール33→メインアームE3→受け渡しモジュールCPL53→インターフェイスアーム37→受け渡しモジュールTRS7→メインアームE6→裏面洗浄モジュールBST3→メインアームE6→受け渡しモジュールTRS8の順に搬送され、インターフェイスブロックS4に搬入される。
【0059】
インターフェイスブロックS4にて前記ウエハWは、第1の前方側単位ブロックB1に振り分けられた場合と同様に搬送され、露光後洗浄された後、受け渡しモジュールTRS9に受け渡される。その後、メインアームE6→加熱モジュール33→メインアームE6→受け渡しモジュールCPL43→メインアームA6→現像モジュールDEV5、DEV6→加熱モジュール27→受け渡しモジュールCPL23→受け渡しアーム30→受け渡しモジュールBU13→受け渡しアーム30→検査モジュール31に搬送された後、単位ブロックB4に振り分けられた場合と同様の経路でキャリアCに戻される。なお、検査対象ではないウエハWについては、現像、加熱処理後、受け渡しモジュールCPL23に搬送後、単位ブロックB4に振り分けられた場合と同様の経路でキャリアCに戻される。
【0060】
(搬送モードA)
続いて、搬送モードAが実行された場合について説明する。この搬送モードAは、前方側単位ブロックB1、B2、B3のうち、いずれかで処理を行えなくなった場合に実行される搬送モードであり、処理可能な前方側単位ブロックB1〜B3で処理を行った後、ウエハWを単位ブロックD1〜D3に振り分けて搬送を行うモードである。以降、図9を参照しながら、例えば制御部51が搬送アームA1に異常を検出した場合について説明する。前記異常が検出されると、制御部51は、搬送アームA1の動作及び前方側単位ブロックB1の各処理モジュールの動作を停止させる。そして、受け渡しアーム30は後続のウエハWを第2、第3の前方側単位ブロックB2、B3に交互に搬送し、既述の搬送経路で各ウエハWは各前方側単位ブロックB2、B3を搬送されて処理を受け、然る後、棚ユニットU10の受け渡しモジュールCPL32,CPL33に搬送される。
【0061】
そして、受け渡しモジュールCPL32,CPL33に搬送されたウエハWのうち、例えば通常搬送モード実行時には単位ブロックB1で処理される予定だったウエハWは、受け渡しアーム40により受け渡しモジュールCPL31に搬送され、メインアームE1により後方側単位ブロックD1に搬入される。その他のウエハWについては、受け渡しモジュールCPL32,CPL33からメインアームE2、E3により後方側単位ブロックD2,D3に夫々搬入される。以降は、通常搬送モード実行時と同様に各ウエハWは搬送され、処理を受ける。そして、ウエハWの搬送が停止した第1の前方側単位ブロックB1について、ユーザは故障時の修理や定期点検、調整確認などのメンテナンスを行うことができる。
【0062】
前方側単位ブロックB2、B3でウエハWの処理が行えなくなった場合もこの例と同様に、使用可能な前方側単位ブロックBにより処理が行われ、然る後、受け渡しアーム40により、各後方側単位ブロックB4〜B6にウエハWを搬入するための受け渡しモジュールCPLにウエハWが振り分けられる。
【0063】
(搬送モードB)
続いて、搬送モードBが実行された場合について説明する。この搬送モードBは、後方側単位ブロックD1、D2、D3のうちのいずれかで処理を行えなくなった場合に実行される搬送モードであり、前方側単位ブロックB1〜B3で処理を受けたウエハWを、前記D1〜D3の後方側単位ブロックのうち、処理可能な後方側単位ブロックに振り分け、その後、後方側単位ブロックD4〜D6に振り分ける。
【0064】
以降、図10を参照しながら、例えばメインアームE1に異常が検出された場合について説明する。制御部51は、メインアームE1の動作及び後方側単位ブロックD1の各処理モジュールの動作を停止させる。そして、前方側単位ブロックD1で処理され、受け渡しモジュールCPL31に後続のウエハWが搬送されると、このウエハWは受け渡しアーム40により、棚ユニットU10の受け渡しモジュールCPL32、CPL33に交互に振り分けられる。その後、受け渡しモジュールCPL32、CPL33から後方側単位ブロックD2、D3に搬入されて処理を受けた後、棚ユニットU11の受け渡しモジュールCPL52,CPL53に搬送される。
【0065】
この受け渡しモジュールCPL52,53に受け渡されたウエハWのうち、例えば通常搬送モード実行時に後方側単位ブロックD1に夫々搬入される予定だったウエハWは、単位ブロックD4に対応した受け渡しモジュールTRS1に搬送され、当該単位ブロックD4で処理を受ける。受け渡しモジュールCPL52,53に搬送された他のウエハWについては、通常搬送モード実行時と同様に単位ブロックD5、D6に対応した受け渡しモジュールTRS4、TRS7に夫々搬送され、当該単位ブロックD5、D6で処理を受ける。単位ブロックD4〜D5以降、ウエハWは通常搬送モード実行時と同様に搬送される。そして、ウエハWの搬送が停止した第1の後方側単位ブロックD1について、ユーザは既述のようなメンテナンスを行うことができる。
【0066】
後方側単位ブロックD2、D3でウエハWの処理が行えなくなった場合もこの例と同様に、受け渡しアーム40によりD1〜D3のうち使用可能な後方側単位ブロックDにウエハWが振り分けられ、ウエハWは当該単位ブロックDで処理後、各後方側単位ブロックB4〜B6に振り分けられる。
【0067】
ウエハWの処理中に自動で搬送モードが切り替わる例について示したが、ユーザが例えば設定部57からウエハWの搬送を停止させる単位ブロックを選択し、搬送モードA〜Dへの切り替えを指示することもできる。そして、ユーザは搬送を停止させた単位ブロックを既述のようにメンテナンスすることができる。
【0068】
上記の例では3重化された同じ構成の単位ブロックのうち1つへの搬送が停止される例について示しているが、同じ構成の単位ブロックのうち2つへの搬送を停止させてもよい。また、搬送モードA、Bは組み合わせて実行されてもよい。従って、前方側単位ブロックB1〜B3のうち1つまたは2つ、後方側単位ブロックD1〜D3のうち1つまたは2つへのウエハWの搬送が同時に停止されてもよい。
【0069】
また、塗布、現像装置1では、検査モジュール31でウエハWを検査した結果に従って、単位ブロックへのウエハWの搬送を停止させることができる。具体的に説明すると、ウエハWに異常が検出されたときに、制御部51は、異常となった検査項目と、当該ウエハWのIDと、搬送経路と、を互いに対応付けて検査の履歴としてメモリ55に記憶する。そして、制御部51は、これまでにメモリ55に記憶された過去の検査の履歴に基づいて、同じ単位ブロックを通過した所定の枚数のウエハWに、同じ検査項目について異常が検出されているか否か判定する。
【0070】
異常が検出された枚数が所定の枚数より少ないと判定された場合は処理が続行される。異常が検出された枚数が所定の枚数以上であると判定された場合には、当該単位ブロックへのウエハWの搬送を停止させるように決定する。このように決定すると、制御部51は、搬送停止になっていない単位ブロックにウエハWを振り分けるように、各受け渡しアーム及びインターフェイスアームの動作を制御し、これらの単位ブロックを用いてウエハWの処理が続けられる。また制御部51は、搬送の停止を決定した単位ブロックにおける各処理モジュールの動作及びメインアームの動作を停止させる。これによって、ユーザが当該単位ブロックに対して既述のメンテナンスを行うことができる。
【0071】
このように検査結果によって単位ブロックの搬送を停止させる場合は、上記の搬送モードA,B実行時と異なり、例えば異常が発生したウエハWが通過するすべての単位ブロックについて搬送が停止される。つまり、単位ブロックB1〜B3及びD1〜D3の他に、単位ブロックB4〜B6及びD4〜D6についても、異常となったウエハWが通過した単位ブロックへの搬送が停止される。
【0072】
また、塗布、現像装置1では、処理モジュールごとにウエハWの搬送を停止させることができる。具体的に説明すると、制御部51はウエハWに異常が検出されたときに、既述のように検査の履歴を記憶する。次いで、過去の検査の履歴を参照して、同じ処理モジュールを通過したウエハWのうち、所定の枚数のウエハWに同じ検査項目について異常が検出されていると判定した場合に、制御部51が当該処理モジュールへのウエハWの搬送を停止させる。つまり、単位ブロックにおいて、搬送停止となった処理モジュール以外の同種の処理モジュールへウエハWが搬送され、単位ブロックでのウエハWの搬送が継続する。ただし、BCT、COT、TCT及びBSTについては、各単位ブロックに1基ずつ設けられているため、これら液処理モジュールへの搬送停止が決定された場合には、例えば当該液処理モジュールを含む単位ブロックへのウエハWの搬送が停止する。このように単位ブロック毎にウエハWの搬送を停止させるか、処理モジュール単位でウエハWの搬送を停止させるかについては、設定部57からユーザが設定することができる。
【0073】
この塗布、現像装置1によれば、ウエハWに下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成するための前方側単位ブロックB1〜B3を積層し、レジスト膜の上に上層側の膜を形成するための後方側単位ブロックD1〜D3を積層し、これら積層体を前後に連結すると共に、前方側単位ブロックB1〜B3と、対応する後段処理用の後方側単位ブロックD1〜D3との間で基板の受け渡しを行う受け渡しモジュールと、各層の受け渡しモジュールの間で受け渡しアーム40によりウエハWの受け渡しができるように構成している。従って、前方側単位ブロックB1〜B3のいずれかが故障やメンテナンスなどにより使用できなくなっても、使用可能な前方側単位ブロックB1〜B3で処理を行った後、後方側単位ブロックD1〜D3の各層にウエハWを振り分けることができる。また、後方側単位ブロックD1〜D3のいずれかが、故障やメンテナンスなどにより使用できなくなっても、前方側単位ブロックB1〜B3で処理を行った後、後方側単位ブロックD1〜D3のうち、使用可能な各層にウエハWを振り分けることができる。それによって、スループットの低下を図ることができる。また、前方側単位ブロックB1〜B3の積層体に、現像処理を行うための前方側単位ブロックB4〜B6を積層しているので、装置の設置面積を抑えつつ、装置のキャリアブロックS1からインターフェイスブロックS3に向かう長さ寸法も抑えることができる。
【0074】
上記の塗布、現像装置1において、後方側単位ブロックB1〜B3の各棚ユニットU8〜U9は、加熱モジュール33の他にレジスト塗布後のウエハWに周縁露光を行う周縁露光モジュールWEE及び検査モジュールを備えていてもよい。この場合、後方側単位ブロックB1〜B3に搬入されたウエハWは、周縁露光モジュールWEE→検査モジュール→保護膜形成モジュールTCTの順で搬送される。
【0075】
前記検査モジュールでは、例えばレジスト膜の表面の異物の有無及びレジストの膜厚が検査される。そして、ウエハWに異常が検出された場合には、既述のように当該ウエハWを処理した単位ブロックまたは処理モジュールへの搬送が停止される。また、後方側単位ブロックB1〜B3で保護膜形成モジュールTCT→加熱モジュール33→検査モジュールの順でウエハWを搬送し、保護膜形成後のウエハWについて異物や各膜の膜厚を検査してもよい。この場合も、ウエハWに異常が検出されると、制御部51が搬送スケジュールに基づいて既述の判定を行い、異常が検出されたウエハWが通過した処理モジュールや単位ブロックについて後続のウエハWの搬送の停止が行われる。
【0076】
また、各検査モジュールの検査結果により各処理モジュールへの搬送を停止するにあたり、液処理モジュールBCT、COT、TCT、BST及びDEVについては、例えば各処理カップ毎にウエハWの搬送の停止を制御することもできる。つまり、これらの各処理モジュールにおいて、異常が発生したウエハWを処理した方の処理カップ23へのウエハWの搬送が停止し、当該処理カップ23とノズル24を共有している処理カップ23へのウエハWの搬送は継続させることができる。このように処理カップごとにウエハWの搬送を停止させる場合、装置内でのウエハWの処理枚数を調整するために、例えば1つのBCTの処理カップ23を不使用とした場合に、同じ単位ブロックの1つのCOTの処理カップ23を不使用にするように設定することができる。同様に例えば1つのCOTの処理カップ23を不使用とした場合に同じ単位ブロックの1つのBCTも不使用に設定することができる。さらに、このようにCOT及びBCTの処理カップ23への搬送が停止された単位ブロックと同様に構成された単位ブロックでも、COTの1つの処理カップ23及びBCTの1つの処理カップ23への搬送を停止させることで、ウエハWの処理枚数を調整してもよい。
【0077】
また、上記の塗布、現像装置1において、TCTは保護膜形成モジュールではなく、レジスト膜の上層に反射防止膜を形成するモジュールであってもよい。また、疎水化処理モジュールADHでの疎水化処理は、反射防止膜形成モジュールBCTで反射防止膜の形成前に行う代わりに、前記反射防止膜の形成後、レジスト塗布前に行ってもよいし、レジスト塗布後、ウエハWを単位ブロックB3、B4に搬送する前に行ってもよい。
【0078】
第1の前方側単位ブロックB1の液処理ユニット21において、ウエハWに供給された薬液は、例えば塗布、現像装置の下方側に設けられた図示しない排液路に向かい排液される。反射防止膜形成モジュールBCT、レジスト膜形成モジュールCOTでウエハWに供給される薬液の粘度は、現像液の粘度よりも高い。従って、この実施形態のように現像モジュールDEVを上側の単位ブロックに配置し、他の液処理モジュールを下側の単位ブロックに配置することで、各薬液を速やかに排液することができる。その結果として、各処理モジュールにおいて薬液が揮発することを防ぐことができるので、液処理ユニット21内の処理環境が変化することが防ぐことができる。ただし、現像モジュールDEVを含む単位ブロックが、反射防止膜形成モジュールBCT及びレジスト膜形成モジュールCOTを含む単位ブロックよりも下方に位置していてもよい。
【0079】
図11には、他のインターフェイスブロックS4の構成を示している。この図11のインターフェイスブロックS4では、露光前洗浄モジュールRD1〜RD4が積層されて設けられている。露光前洗浄モジュールRD1〜RD4は、露光前のウエハWの表面に洗浄液を供給し、当該ウエハWの表面溶出物を洗い流す。この露光前洗浄モジュールRD1〜RD4が設けられることを除いて、図11のインターフェイスブロックS4は、図6のインターフェイスブロックS4と同様に構成されている。
【0080】
後方側単位ブロックB4〜B6で処理され、図11のインターフェイスブロックS4の受け渡しモジュールTRS2、TRS5、TRS8に夫々搬送されたウエハWは、インターフェイスアーム36により露光前洗浄モジュールRD1〜RD4に搬送されて洗浄される。洗浄後、ウエハWは、インターフェイスアーム36→受け渡しモジュールBU22、BU23→インターフェイスアーム37→受け渡しモジュールCPL54→露光処理S5の順に搬送される。
【0081】
さらに、図12には他のインターフェイスブロックS4の構成を示している。このインターフェイスブロックS4には、裏面洗浄モジュールBST1〜BST4が積層されて設けられている。このようにインターフェイスブロックS4に裏面洗浄モジュールBSTが設けられる代わりに、当該インターフェイスブロックS4に接続される後方側処理ブロックS3には、裏面洗浄モジュールBSTが設けられていない。
【0082】
このインターフェイスブロックS4において、受け渡しモジュールCPL51、CPL52、CPL53に夫々搬送されたウエハWは、例えばインターフェイスアーム37→受け渡しモジュールBU22→裏面洗浄モジュールBST1〜BST4に搬送されて裏面洗浄され、インターフェイスアーム36→受け渡しモジュールBU23→インターフェイスアーム37の順で搬送され、以降は既述の搬送経路で露光処理S5に受け渡される。また、このように裏面洗浄モジュールBSTをインターフェイスブロックS4に配置した場合、露光後洗浄モジュールPIRを裏面洗浄モジュールBSTの代わりに後方側単位ブロックD4〜D6に配置してもよい。
【0083】
なお、上記の塗布、現像装置1は、後方側単位ブロックD4〜D6のうち使用不可になった単位ブロックを避けて搬送を行う搬送モードCを備えていても良い。この搬送モードCでは、後方側単位ブロックの棚ユニットU10及びインターフェイスブロックS4の棚ユニットU11のうち、使用不可になった前記単位ブロックにウエハWを受け渡すための受け渡しモジュールへの搬送が停止する。そして、露光後、棚ユニットU10に搬送されたウエハWについては、各前方側単位ブロックB4〜B6に振り分けられる。
【0084】
例えば後方側単位ブロックD4の搬送アームE4が故障すると、インターフェイスアーム37は、当該後方側単位ブロックD4に対応する受け渡しモジュールTRS1〜TRS3へのアクセスを停止する。そして、後方側単位ブロックD1〜D3で処理され、受け渡しモジュールCPL51〜53に搬入されたウエハWを、後方側単位ブロックD5、D6に対応した受け渡しモジュールTRS4、TRS7に振り分ける。また、インターフェイスアーム37は、露光済みのウエハWを、後方側単位ブロックD5、D6に対応した受け渡しモジュールTRS6、TRS9に振り分ける。そして、後方側単位ブロックD5〜D6から受け渡しモジュールCPL42、CPL43に搬送された露光済みのウエハWのうち、例えば後方側単位ブロックD4で処理される予定だったウエハWは、受け渡しアーム40によりCPL41に受け渡される。そして、各受け渡しモジュールCPL41、42、43のウエハWは、前方側単位ブロックB4〜B6に搬送されて現像処理を受ける。
【0085】
なお、上記の塗布、現像装置1は、前方側単位ブロックB4〜B6のうち使用不可になった単位ブロックを避けて搬送を行う搬送モードDを備えていても良い。この搬送モードDでは、露光処理を受け、棚ユニットU10の受け渡しモジュールCPL41,CPL42,CPL43に搬送されたウエハWのうち、使用不可になった前記単位ブロックに対応する受け渡しモジュールCPLに受け渡されたウエハWを、受け渡しアーム40により他の受け渡しモジュールCPLに搬送する。そして、前方側単位ブロックB4〜B6のうち使用可能な単位ブロックで現像処理する。
【0086】
例えば前方側単位ブロックB4の搬送アームA4が故障すると、受け渡しアーム40は、露光処理を受けて受け渡しモジュールCPL41に搬送されたウエハWを例えば受け渡しモジュールCPL42、CPL43に交互に搬送する。CPL42、CPL43に搬送されたウエハWは、前方側単位ブロックB5、B6で夫々現像処理を受ける。搬送モードC,Dは搬送モードA、Bと同様に、ユーザが任意に通常搬送モードから切り替えることができる。また、搬送モードA,Bと同時に実行することもできる。
【0087】
また、図13に示すように例えば受け渡しアーム40の代わりに、棚ユニットU10で単位ブロックB1〜B3に対応する各受け渡しモジュールにウエハWを搬送する第1の受け渡しアーム41と、例えば単位ブロックB4〜B6に対応する各受け渡しモジュールにウエハWを搬送する第2の受け渡しアーム42とを設けてもよい。これら第1及び第2の受け渡しアーム41、42は互いに別体に構成され、独立してウエハWを搬送することで、各アームの搬送の負荷を抑え、スループットの向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0088】
A1〜A6 メインアーム
BCT 反射防止膜形成モジュール
B1〜B6 前方側単位ブロック
COT レジスト膜形成モジュール
DEV 現像モジュール
D1〜D6 後方側単位ブロック
TCT 保護膜形成モジュール
S1 キャリアブロック
S2 前方側処理ブロック
S3 後方側処理ブロック
S4 インターフェイスブロック
W ウエハ
1 塗布、現像装置
27、33 加熱モジュール
30、40 受け渡しアーム
51 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアブロックにキャリアにより搬入された基板を処理ブロックに受け渡し、この処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、前記処理ブロックに対してキャリアブロックとは反対側に位置するインターフェイスブロックを介して露光装置に搬送し、前記インターフェイスブロックを介して戻ってきた露光後の基板を前記処理ブロックにて現像処理して前記キャリアブロックに受け渡す塗布、現像装置において、
a)前記処理ブロックは、
基板に下層側の反射防止膜を形成するために薬液を供給する下層用の液処理モジュールと、前記反射防止膜の上にレジスト膜を形成するためにレジスト液を供給する塗布モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に伸びる直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた前段処理用の単位ブロックを複数上下に積層したものと、
複数の前段処理用の単位ブロックのインターフェイスブロック側に当該前段処理用の単位ブロックに隣接して夫々設けられ、レジスト膜が形成された基板に上層側の膜を形成するために薬液を供給する上層用の液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に伸びる直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた複数の後段処理用の単位ブロックと、
前段処理用の単位ブロックと、対応する後段処理用の単位ブロックとの間に夫々設けられ、両単位ブロックの搬送機構の間で基板の受け渡しを行うための塗布処理用の受け渡し部と、
各段の塗布処理用の受け渡し部の間及び各段の現像処理用の受け渡し部の間で基板の搬送を行うために昇降自在に設けられた補助移載機構と、
前段処理用の単位ブロックを複数上下に積層したものに対して、上下方向に積層され、基板に現像液を供給する液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に伸びる直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた現像処理用の単位ブロックを複数上下に積層されたものと、
複数の現像処理用の単位ブロックのインターフェイスブロック側に当該現像処理用の単位ブロックに隣接して夫々設けられ、キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に伸びる直線搬送路上を移動し、基板を搬送するための単位ブロック用の搬送機構を備えた補助用の単位ブロックと、
現像処理用の単位ブロックと、対応する補助用の単位ブロックとの間に設けられ、両単位ブロックの搬送機構の間で基板の受け渡しを行うための現像処理用の受け渡し部と、を備えたことと、
b)各単位ブロック毎にキャリアブロック側に設けられ、各単位ブロックの搬送機構との間で基板の受け渡しを行う搬入出用の受け渡し部と、
c)キャリアから前段処理用の各単位ブロックに対応する前記搬入出用の受け渡し部に基板を振り分けて受け渡すと共に、現像処理用の各単位ブロックに対応する搬入出用の受け渡し部から基板をキャリアに戻すための第1の受け渡し機構と、
d)前記処理ブロックで処理された露光前の基板を受け取り、露光後の基板を現像処理用の単位ブロックに振り分けて受け渡すための第2の受け渡し機構と、
を備えたことを特徴とする塗布、現像装置。
【請求項2】
補助用の単位ブロックは、当該補助用の単位ブロック内の搬送機構により基板の搬送が行われ、レジスト膜が形成された基板の裏面側を洗浄するための裏面洗浄モジュールを備えていることを特徴とする請求項1記載の塗布、現像装置。
【請求項3】
前段処理用の単位ブロックについて不具合が生じたときあるいはメンテナンスを行うときには、当該単位ブロックを使用せず、他の前段処理用の単位ブロックにて基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成するステップと、このステップの後、当該基板を前記補助移載機構を介して、不使用となった単位ブロックのインターフェイスブロック側の後段処理用の単位ブロックに搬送するステップと、を含むモードを実行する制御部を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の塗布、現像装置。
【請求項4】
後段処理用の単位ブロックについて不具合が生じたときあるいはメンテナンスを行うときには、当該単位ブロックを使用せず、不使用となった単位ブロックのキャリアブロック側の前段処理用の単位ブロックにて基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成するステップと、このステップの後、当該基板を前記補助移載機構を介して、他の階層の後段処理用の単位ブロックに基板を搬送するステップと、を含むモードを実行する制御部を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項5】
前段処理用の単位ブロックの積層数及び後段処理用の単位ブロックの各々の積層数は3層であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項6】
現像処理用の単位ブロックの積層数は3層であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項7】
前記補助搬送機構は、各段の塗布処理用の受け渡し部の間の搬送を行うための第1の補助移載機構と、各段の現像処理用の受け渡し部の間の搬送を行うための第2の補助移載機構と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の塗布、現像装置。
【請求項8】
請求項1に記載の塗布、現像装置を用い、
前段処理用の単位ブロックについて不具合が生じたときあるいはメンテナンスを行うときには、当該単位ブロックを使用せず、他の前段処理用の単位ブロックにて基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成する工程と、
次いで当該基板を補助移載機構を介して、不使用となった単位ブロックのインターフェイスブロック側の後段処理用の単位ブロックに搬送する工程と、
その後、当該後段処理用の単位ブロック内のモジュールにより、上層側の膜を形成する工程と、を実施することを特徴とする塗布、現像方法。
【請求項9】
請求項1に記載の塗布、現像装置を用い、
後段処理用の単位ブロックについて不具合が生じたときあるいはメンテナンスを行うときには、当該単位ブロックを使用せず、不使用となった単位ブロックのキャリアブロック側の前段処理用の単位ブロックにて基板に下層側の反射防止膜及びレジスト膜を形成する工程と、
次いで当該基板を補助移載機構を介して、他の階層の後段処理用の単位ブロックに搬送する工程と、
その後、当該後段処理用の単位ブロック内のモジュールにより、上層側の膜を形成する工程と、を実施することを特徴とする塗布、現像方法。
【請求項10】
塗布、現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項8または9に記載の塗布、現像方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−19130(P2012−19130A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156592(P2010−156592)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】