説明

塗布装置および塗布装置における基板の位置調整方法

【課題】主走査方向のノズルの軌跡と2つの撮像部との位置関係を容易かつ高精度に求める。
【解決手段】塗布装置1では、位置調整用基板上に主走査方向に塗布された有機EL液のラインが第1撮像部191および第2撮像部192により撮像されて撮像部ずれ量が求められ、撮像部ずれ量に基づいて第1撮像部191および第2撮像部192の副走査方向の位置調整が行われる。そして、第1撮像部191および第2撮像部192により製品用の基板9を撮像して基板9のノズル17に対する相対位置が調整される。塗布装置1では、第1撮像部191および第2撮像部192において撮像領域への塗布からの撮像遅延時間を等しくすることにより、主走査方向におけるノズル17の移動の軌跡と第1撮像部191および第2撮像部192との位置関係を容易かつ精度に求めることができる。その結果、ノズル17に対する基板9の相対位置を高精度に調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に流動性材料を塗布する塗布装置、および、当該塗布装置における基板の位置調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、有機EL(Electro Luminescence)材料を利用した有機EL表示装置の開発が行われており、例えば、高分子有機EL材料を用いたアクティブマトリックス駆動方式の有機EL表示装置の製造では、ガラス基板(以下、単に「基板」という。)に対して、TFT(Thin Film Transistor)回路の形成、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)電極の形成、隔壁の形成、正孔輸送材料を含む流動性材料(以下、「正孔輸送液」という。)の塗布、加熱処理による正孔輸送層の形成、有機EL材料を含む流動性材料(以下、「有機EL液」という。)の塗布、加熱処理による有機EL層の形成、陰極の形成、および、絶縁膜の形成による封止が順次行われる。
【0003】
有機EL表示装置の製造において、正孔輸送液または有機EL液を基板に塗布する装置の1つとして、特許文献1に示すように、流動性材料を連続的に吐出する複数のノズルを、基板に対して主走査方向および副走査方向に相対移動することにより、基板上の塗布領域に形成された隔壁間の溝に流動性材料をストライプ状に塗布する装置が知られている。
【0004】
特許文献1の装置では、基板上に形成された位置合わせマークが2つの位置合わせマーク検出部により撮像され、位置合わせマークの画像データ、および、基板上の溝等のレイアウトデータに基づいて基板の位置が調整されて基板が塗布開始位置に位置する。また、特許文献2では、試し塗り用のマスクに対して流動性材料と塗布して塗布軌跡(すなわち、塗布された流動性材料のライン)を撮像し、塗布軌跡の画像を基板上の溝の画像と比較した上で、塗布軌跡と溝とが重なるように基板を移動することにより、基板とノズルとの相対的な位置関係を調整する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−75640号公報
【特許文献2】特開2004−74050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような装置において基板に塗布される流動性材料には様々な種類があり、特許文献2のように試し塗りされた流動性材料を撮像して基板の位置調整を行う場合、塗布から撮像までの経過時間が不適切であると、基板上に塗布された流動性材料のラインが乾燥したりその形状が崩れてしまい、画像処理においてラインを認識することが困難になったり、ラインの中心線(すなわち、ノズルの軌跡に平行な線)を正確に求めることができなくなる恐れがある。その結果、ノズルの軌跡と撮像部との位置関係の検出において検出精度の向上が困難となったり、あるいは、位置関係を求めること自体が難しくなり、基板のノズルに対する相対位置の調整を高精度に行うことができなくなってしまう。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、主走査方向におけるノズルの軌跡と2つの撮像部との位置関係を容易に、かつ、高精度に求め、これにより、基板のノズルに対する相対位置の調整を高精度に行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、基板に流動性材料を塗布する塗布装置であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板に向けて流動性材料を連続的に吐出するノズルと、前記ノズルを前記基板の主面に対して平行な主走査方向に相対的に移動する主走査機構と、前記主走査方向への移動が行われる毎に前記基板を前記ノズルに対して前記主走査方向に垂直な副走査方向に相対的に移動する副走査機構と、前記基板保持部を前記主面に垂直な回転軸を中心に回転する基板回転機構と、前記基板保持部の上方において前記主走査方向に略平行に配列されるとともに前記基板保持部に保持された基板上の第1撮像領域および第2撮像領域をそれぞれ撮像する第1撮像部および第2撮像部と、前記第1撮像部および前記第2撮像部を制御することにより、位置調整用基板上に塗布された流動性材料のラインの前記第1撮像領域に含まれる部位を、前記流動性材料の前記第1撮像領域への塗布後から所定の撮像遅延時間が経過した時点にて撮像して第1画像として記憶するとともに、前記ラインの前記第2撮像領域に含まれる部位を、前記流動性材料の前記第2撮像領域への塗布後から前記撮像遅延時間が経過した時点にて撮像して第2画像として記憶する撮像制御部と、前記第1画像および前記第2画像に基づいて前記第1撮像部と前記第2撮像部との間の前記副走査方向に関するずれ量を求めるずれ量演算部と、前記第1撮像部および前記第2撮像部により取得された前記基板保持部に保持された基板の画像、並びに、前記ずれ量演算部により求められた前記ずれ量に基づいて前記副走査機構および前記回転機構を制御することにより前記基板の前記ノズルに対する相対位置を調整する基板位置調整部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塗布装置であって、前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して前記副走査方向に相対的に移動する撮像部移動機構をさらに備え、前記基板位置調整部による基板の位置調整に際して、前記ずれ量演算部により求められた前記ずれ量に基づいて前記撮像部移動機構が前記基板位置調整部により制御されて前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して前記副走査方向に相対的に移動することにより、前記副走査方向に関し、前記第1撮像部および前記第2撮像部の前記ノズルに対する相対位置が互いに等しくされる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の塗布装置であって、前記撮像制御部が、前記主走査方向における前記ノズルの位置に基づいて前記第1撮像領域および前記第2撮像領域のそれぞれへの前記流動性材料の塗布を検出し、前記流動性材料の塗布の検出から前記撮像遅延時間の経過後に前記第1撮像部および前記第2撮像部のそれぞれに対して撮像指示を与える。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の塗布装置であって、前記基板の前記主走査方向の一方側における前記ノズルの移動開始位置と前記第1撮像部との間の前記主走査方向に関する距離が、前記基板の他方側における前記ノズルの移動開始位置と前記第2撮像部との間の前記主走査方向に関する距離に等しい。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布装置であって、前記主走査機構による前記ノズルの相対移動の際に、前記第1撮像領域上および前記第2撮像領域上において前記ノズルが等速にて移動する。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の塗布装置であって、流動性材料の種類を含むキー情報と撮像遅延時間とを関連づけたデータ要素の集合であるデータベースを記憶するデータベース記憶部をさらに備え、前記撮像制御部が、前記基板に塗布される流動性材料の種類を含むキー情報に関連づけられた撮像遅延時間を前記データベースから抽出し、前記撮像遅延時間に基づいて前記第1画像および前記第2画像を取得する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の塗布装置であって、前記データベースに新たなデータ要素を追加するデータベース更新部をさらに備える。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の塗布装置であって、前記基板に向けて流動性材料を連続的に吐出しつつ前記ノズルと共に前記基板に対して前記主走査方向および前記副走査方向に相対的に移動するもう1つのノズルをさらに備える。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の塗布装置であって、前記流動性材料が、平面表示装置用の画素形成材料を含む。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の塗布装置であって、前記画素形成材料が、有機EL表示装置用の有機EL材料または正孔輸送材料である。
【0017】
請求項11に記載の発明は、基板に流動性材料を塗布する塗布装置であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板に向けて流動性材料を連続的に吐出するノズルと、前記ノズルを前記基板の主面に対して平行な主走査方向に相対的に移動する主走査機構と、前記主走査方向への移動が行われる毎に前記基板を前記ノズルに対して前記主走査方向に垂直な副走査方向に相対的に移動する副走査機構と、前記基板保持部を前記主面に垂直な回転軸を中心に回転する基板回転機構と、前記基板保持部の上方において前記主走査方向に略平行に配列されるとともに前記基板保持部に保持された基板上の第1撮像領域および第2撮像領域をそれぞれ撮像する第1撮像部および第2撮像部と、前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して前記副走査方向に相対的に移動する撮像部移動機構と、前記第1撮像部および前記第2撮像部を制御することにより、前記第1撮像領域および前記第2撮像領域において、位置調整用基板上に塗布された流動性材料のラインの第1画像および第2画像を取得する撮像制御部と、前記第1画像および前記第2画像に基づいて前記第1撮像部と前記第2撮像部との間の前記副走査方向に関するずれ量を求め、前記ずれ量に基づいて前記撮像部移動機構を制御して前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して相対的に移動することにより、前記副走査方向に関し、前記第1撮像部および前記第2撮像部の前記ノズルに対する相対位置を互いに等しくする撮像位置調整部と、前記第1撮像部および前記第2撮像部により取得された前記基板保持部に保持された基板の画像に基づいて前記副走査機構および前記回転機構を制御することにより前記基板の前記ノズルに対する相対位置を調整する基板位置調整部とを備える。
【0018】
請求項12に記載の発明は、ノズルから基板に向けて流動性材料を連続的に吐出しつつ前記基板に対して前記ノズルを相対移動することにより前記基板に前記流動性材料を塗布する塗布装置において、前記基板の前記ノズルに対する相対位置を調整する位置調整方法であって、a)位置調整用基板に向けて流動性材料を連続的に吐出するノズルを、前記位置調整用基板に対して前記位置調整用基板の主面に平行な主走査方向に相対移動することにより前記流動性材料のラインを塗布する工程と、b)前記ラインの第1撮像部の第1撮像領域に含まれる部位を、前記流動性材料の前記第1撮像領域への塗布後から所定の撮像遅延時間が経過した時点にて撮像して第1画像として記憶する工程と、c)前記ラインの第2撮像部の第2撮像領域に含まれる部位を、前記流動性材料の前記第2撮像領域への塗布後から前記撮像遅延時間が経過した時点にて撮像して第2画像として記憶する工程と、d)前記第1画像および前記第2画像に基づいて前記第1撮像部と前記第2撮像部との間の前記主走査方向に垂直な副走査方向に関するずれ量を求める工程と、e)前記第1撮像部および前記第2撮像部により製品用の基板を撮像する工程と、f)前記ずれ量、並びに、前記第1撮像部および前記第2撮像部により取得された前記基板の画像に基づいて前記基板を前記ノズルに対して前記副走査方向に相対移動するとともに前記基板を前記基板の主面に垂直な回転軸を中心に回転するにより、前記基板の前記ノズルに対する相対位置を調整する工程とを備える。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の位置調整方法であって、前記f)工程が、f1)前記ずれ量に基づいて前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して前記副走査方向に相対的に移動することにより、前記副走査方向に関し、前記第1撮像部および前記第2撮像部の前記ノズルに対する相対位置を互いに等しくする工程を備える。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の位置調整方法であって、前記d)工程が、d1)前記第1画像および前記第2画像をモニタに出力する工程と、d2)前記第1画像中の前記ラインおよび前記第2画像中の前記ラインと前記モニタ上の基準線と間のそれぞれの距離を求める工程とを備え、前記f1)工程において、前記d2)工程において求められた前記それぞれの距離に基づいて前記第1撮像部および前記第2撮像部を前記副走査方向にそれぞれ移動することにより、前記第1画像中の前記ラインおよび前記第2画像中の前記ラインと前記モニタ上の前記基準線とが重ねられる。
【0021】
請求項15に記載の発明は、請求項12ないし14のいずれかに記載の位置調整方法であって、前記a)工程において、前記ノズルの相対移動の際に、前記第1撮像領域上および前記第2撮像領域上において前記ノズルが等速にて移動する。
【0022】
請求項16に記載の発明は、請求項12ないし15のいずれかに記載の位置調整方法であって、前記流動性材料が、平面表示装置用の画素形成材料を含む。
【0023】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の位置調整方法であって、前記画素形成材料が、有機EL表示装置用の有機EL材料または正孔輸送材料である。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、主走査方向におけるノズルの軌跡と第1撮像部および第2撮像部との位置関係を容易に、かつ、高精度に求め、これにより、基板のノズルに対する相対位置の調整を高精度に行うことができる。請求項2、11および13の発明では、基板の位置調整の際に基板の移動量の算出を簡素化することができる。請求項6の発明では、流動性材料の種類に応じて撮像遅延時間を適切に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る塗布装置1の構成を示す平面図であり、図2は塗布装置1の正面図である。塗布装置1は、平面表示装置用のガラス基板(以下、単に「基板」という。)9に画素形成材料を含む流動性材料を塗布する装置である。本実施の形態では、塗布装置1において、アクティブマトリックス駆動方式の有機EL(Electro Luminescence)表示装置用の基板9に、有機EL材料を含む流動性材料(以下、「有機EL液」という。)が塗布される。
【0026】
図2に示すように、塗布装置1は、基板9を保持する基板保持部11、および、基板9の主面に垂直な方向(すなわち、Z方向)を向く回転軸を中心に基板9を基板保持部11と共に回転する基板回転機構13を備え、基板保持部11は内部にヒータによる加熱機構(図示省略)を備える。塗布装置1は、また、図1および図2に示すように、基板9の主面に対して平行な所定の方向(すなわち、図1中のY方向であり、以下、「副走査方向」という。)に基板9を基板保持部11と共に水平移動する基板移動機構12、基板保持部11上の基板9に向けて3本のノズル17から有機EL液を連続的に吐出する吐出機構である塗布ヘッド14、塗布ヘッド14を基板9の主面に平行であって副走査方向とは垂直な方向(すなわち、図1中のX方向であり、以下、「主走査方向」という。)に水平移動するヘッド移動機構15、主走査方向に関して基板保持部11の両側に設けられるとともに塗布ヘッド14からの有機EL液を受ける2つの受液部16、塗布ヘッド14のノズル17に同一種類の有機EL液を供給する流動性材料供給部18、および、これらの構成を制御する制御部2(図1のみに図示)を備える。
【0027】
塗布ヘッド14では、3本のノズル17が、図1中のX方向(すなわち、主走査方向)に関して略直線状に離れて配列されるとともに図1中のY方向(すなわち、副走査方向)に僅かにずれて配置され、これらのノズル17から吐出された有機EL液が、図3に示す基板9の塗布領域91に予め形成されている主走査方向に伸びる隔壁92の間の溝に塗布される。本実施の形態では、隣接する2本のノズル17の間の副走査方向に関する距離は、隔壁92間のピッチ(以下、「隔壁ピッチ」という。)の3倍に等しい。図3に示すように、基板9の塗布領域91の外側には、後述する基板9の位置調整において利用される2つの十字型の位置調整用目印(いわゆる、アライメントマーク)93が形成されている。位置調整用目印93は隔壁92と同一工程において形成されており、2つの位置調整用目印93の中心を結ぶ仮想的な直線(図3中にて二点鎖線にて示す。)931は隔壁92および隔壁92間の溝に平行となる。
【0028】
塗布装置1は、さらに、基板9および基板保持部11の上方において主走査方向に略平行に配列されるとともに基板上の所定の撮像領域をそれぞれ撮像する第1撮像部191および第2撮像部192、並びに、第1撮像部191および第2撮像部192を互いに独立して副走査方向にそれぞれ移動する第1撮像部移動機構193および第2撮像部移動機構194を備え、これらの構成も制御部2により制御される。以下の説明では、第1撮像部191による撮像領域を「第1撮像領域」といい、第2撮像部192による撮像領域を「第2撮像領域」という。塗布装置1では、第1撮像部移動機構193は、第2撮像部192を第1撮像部191に対して副走査方向に相対的に移動する移動機構となる(第2撮像部移動機構194も同様)。
【0029】
塗布装置1では、基板9および基板保持部11の(−X)側における塗布ヘッド14の待機位置(すなわち、図1および図2中に実線にて示す位置であり、塗布ヘッド14が(+X)方向へと移動する際の移動開始位置)と第1撮像部191との間の主走査方向に関する距離が、基板9および基板保持部11の(+X)側における塗布ヘッド14の待機位置(すなわち、図1および図2中に二点鎖線にて示す位置であり、塗布ヘッド14が(−X)方向へと移動する際の移動開始位置)と第2撮像部192との間の主走査方向に関する距離に等しくなるように第1撮像部191および第2撮像部192が配置される。
【0030】
塗布装置1では、基板9に対する有機EL液の塗布が行われる前に、まず、位置調整用に用意された基板(以下、「位置調整用基板」という。)に塗布された有機EL液のラインが第1撮像部191および第2撮像部192により撮像され、取得された画像に基づいて第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整が行われる。位置調整等の詳細な流れについては後述する。
【0031】
ところで、有機EL液等の流動性材料には様々な種類があり、基板上に塗布された流動性材料のラインの画像処理においてラインを高精度に認識するためには、流動性材料の塗布から撮像までの経過時間(以下、「撮像遅延時間」という。)を流動性材料の種類に合わせて適切なものとする必要がある。図4は、流動性材料の種類を含むキー情報と撮像遅延時間とを関連づけたデータ要素301の集合であるデータベース30を示す図であり、図1に示す塗布装置1は、データベース30を記憶するデータベース記憶部31、および、データベース30に新たなデータ要素301を追加するデータベース更新部32をさらに備える。
【0032】
第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整が終了すると、製品用の基板9が塗布装置1に搬入されて塗布ヘッド14に対する位置調整が行われる。続いて、ヘッド移動機構15により塗布ヘッド14が有機EL液を連続的に吐出しつつ主走査方向に移動し、塗布ヘッド14の主走査方向への移動が1回行われる毎に、基板移動機構12により基板9が副走査方向にステップ移動する。そして、ノズル17の基板9に対する主走査方向および副走査方向への相対移動が繰り返されることにより、基板9に有機EL液がストライプ状に塗布される。塗布装置1では、ヘッド移動機構15および基板移動機構12が、3本のノズル17を基板9に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動する主走査機構および副走査機構となる。
【0033】
塗布装置1では通常、複数の基板9に対して有機EL液の塗布が順次行われるが、第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整は、各基板9への塗布前に必ず行われるわけではない。これらの撮像部の位置調整は、1枚目の基板9への塗布前に行われた後は、塗布装置1の振動等により撮像部の位置がずれた場合や塗布装置1のメンテナンスの際等に行われる。
【0034】
次に、塗布装置1における第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整の流れについて説明し、その後、基板9の位置調整および有機EL液の塗布の流れについて説明する。図5.Aおよび図5.Bは、第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整の流れを示す図である。図5.Aおよび図5.Bに示すように、両撮像部の位置調整が行われる際には、まず、位置調整用基板が塗布装置1に搬入され、基板保持部11に載置されて保持される(ステップS11)。位置調整用基板では、製品用の基板9とは異なり、塗布領域に隔壁は形成されていない。
【0035】
位置調整用基板が保持されると、制御部2により流動性材料供給部18が制御され、予め図1および図2中に実線にて示す待機位置に位置している塗布ヘッド14においてノズル17からの有機EL液の吐出が開始される(ステップS12)。そして、ヘッド移動機構15が制御部2により制御され、塗布ヘッド14の主走査方向への移動が開始される(ステップS13)。塗布装置1では、位置調整用基板に向けて有機EL液を連続的に吐出するノズル17が主走査方向に移動することにより、位置調整用基板の主面に有機EL液のラインがストライプ状に塗布される。塗布装置1では、ノズル17が位置調整用基板上の第1撮像領域および第2撮像領域の上方を通過するように、予め、第1撮像部移動機構193および第2撮像部移動機構194により第1撮像部191および第2撮像部192の副走査方向における位置が大まかに調整されている。第1撮像部移動機構193および第2撮像部移動機構194は駆動源としてパルスモータを備えており、大まかな位置調整が行われた際のパルスモータの原点位置からのパルス数を制御部2に記憶しておくことにより、2回目以降の両撮像部の大まかな位置調整を容易に行うことができる。
【0036】
図6は、塗布ヘッド14が主走査方向に移動する際の移動速度を示す図である。図6中の横軸は塗布ヘッド14の主走査方向における位置を示す。また、図6中の円101,102はそれぞれ、主走査方向に関して第1撮像領域および第2撮像領域に対応する位置を示す。図6に示すように、ヘッド移動機構15によるノズル17の移動の際には、第1撮像領域上および第2撮像領域上においてノズル17は等速にて移動する。
【0037】
塗布装置1では、塗布ヘッド14(すなわち、ノズル17)の主走査方向の位置情報が、ヘッド移動機構15のエンコーダ(図示省略)から制御部2の撮像制御部21(図1参照)へと継続的に送られており、当該位置情報が第1撮像領域に対応する値と等しくなった時点で、塗布ヘッド14が第1撮像領域の上方を通過したことが撮像制御部21により検出される。換言すれば、撮像制御部21により、主走査方向におけるノズル17の位置に基づいて第1撮像領域への有機EL液の塗布が検出される(ステップS14)。続いて、塗布ヘッド14の位置情報が第2撮像領域に対応する値と等しくなった時点で、撮像制御部21により、第1撮像領域への有機EL液の塗布が、第1撮像領域への有機EL液の塗布と同様に検出される(ステップS15)。
【0038】
そして、塗布ヘッド14が図1および図2中に二点鎖線にて示す待機位置まで移動すると、塗布ヘッド14の主走査方向への移動が停止され(ステップS16)、ノズル17からの有機EL液の吐出が停止される(ステップS17)。なお、本実施の形態では、塗布ヘッド14が基板保持部11の(−X)側の待機位置から移動を開始して(+X)方向に移動することにより有機EL液の塗布が行われたが、有機EL液の塗布は、塗布ヘッド14が基板保持部11の(+X)側の待機位置から(−X)方向に移動することにより行われてもよい。
【0039】
本実施の形態では、ノズル17の位置情報は、基板保持部11の(−X)側における塗布ヘッド14の待機位置を原点とし、(+X)側を正として求められる。このように、塗布装置1の本体を基準としてノズル17の主走査方向における座標を求め、当該座標に基づいて第1撮像領域および第2撮像領域への有機EL液の塗布を検出することにより、塗布ヘッド14が基板保持部11の(+X)側および(−X)側の待機位置のいずれから移動を開始した場合であっても(すなわち、ノズル17が(+X)方向および(−X)方向のいずれに移動している場合であっても)、有機EL液の両撮像領域への塗布を容易に検出することができる。
【0040】
また、ノズル17の位置情報は、両待機位置のうち塗布ヘッド14の移動が開始される側を原点とし、塗布ヘッド14の移動方向を正として求められてもよい。この場合、移動を開始する側の待機位置からのノズル17の移動距離が位置情報として求められる。塗布装置1では、基板保持部11の(−X)側の待機位置と第1撮像部191との間の距離が、基板保持部11の(+X)側の待機位置と第2撮像部192との間の距離に等しくされるため、待機位置からのノズル17の移動距離に基づいて有機EL液の塗布を検出することにより、両待機位置のうちいずれから移動を開始した場合であっても、移動開始後の同じタイミングで有機EL液の両撮像領域への塗布を容易に検出することができる。
【0041】
塗布装置1では、撮像制御部21により、基板に塗布される流動性材料の種類(本実施の形態では、有機EL液の種類)を含むキー情報に関連づけられた撮像遅延時間がデータベース30(図4参照)から予め抽出されて記憶されており、第1撮像領域への有機EL液の塗布の検出から当該撮像遅延時間の経過後に撮像制御部21により第1撮像部191に対して撮像指示が与えられる。このように、有機EL液の第1撮像領域への塗布後から撮像遅延時間が経過した時点で撮像制御部21により第1撮像部191が制御され、位置調整用基板上に塗布された3本の有機EL液のラインのうち、1本のラインの第1撮像領域に含まれる部位が撮像されて第1画像として撮像制御部21に記憶される(ステップS18)。図7は、第1画像81を示す図である。図7中では、有機EL液のラインの第1撮像領域に含まれる部位(以下、「第1部位」という。)71に平行斜線を付して示す。
【0042】
続いて、第2撮像領域への有機EL液の塗布の検出から撮像遅延時間の経過後に撮像制御部21により第2撮像部192に対して撮像指示が与えられ(換言すれば、有機EL液の第2撮像領域への塗布後から撮像遅延時間が経過した時点で撮像制御部21により第2撮像部192が制御され)、位置調整用基板上に塗布された3本の有機EL液のラインのうち、第1撮像部191により撮像されたラインの第2撮像領域に含まれる部位が撮像されて第2画像として撮像制御部21に記憶される(ステップS19)。
【0043】
塗布装置1では、塗布ヘッド14の主走査方向への1回の移動に要する時間に比べて撮像遅延時間が比較的短い場合には、第1撮像部191および第2撮像部192による撮像(ステップS18,S19)は、塗布ヘッド14の移動停止および有機EL液の吐出停止(ステップS16,S17)よりも前に行われる。また、撮像遅延時間によっては、第1撮像部191による撮像(ステップS18)が、塗布ヘッド14の移動停止および有機EL液の吐出停止(ステップS16,S17)よりも前に行われ、第2撮像部192による撮像(ステップS19)が、塗布ヘッド14の移動停止および有機EL液の吐出停止(ステップS16,S17)よりも後に行われる場合もある。
【0044】
データベース30から抽出された撮像遅延時間に基づいて第1画像および第2画像が取得されると、両画像がモニタ20に出力される(ステップS20)。図8.Aは、モニタ20に出力された第1画像81および第2画像82を示す図である。図8.Aに示すように、モニタ20では、第1画像81および第2画像82が主走査方向(すなわち、X方向)に並べて表示され、両画像に共通のX方向に伸びる基準線201が表示されている。図8.A中では、第2画像82の有機EL液のライン(すなわち、有機EL液のラインの第2撮像領域に含まれる部位であり、以下、「第2部位」という。)72には、第1部位71と同様に平行斜線を付して示す。また、基準線201を一点鎖線にて示す。
【0045】
第1画像81および第2画像82がモニタ20に出力されると、制御部2のずれ量演算部22(図1参照)により、第1画像81に対して画像処理(例えば、微分処理)が行われ、Y方向(すなわち、副走査方向)において画素値が変化する位置が第1部位71の両側のエッジ711として捉えられる。続いて、各エッジ711のY方向の座標値のX方向に関する平均値が求められ、両エッジ711の当該平均値をさらに平均した値が、第1部位71のX方向に伸びる中心線712のY方向の座標値として求められる。同様に、第2画像82に対しても画像処理が行われて第2部位72のY方向の両側のエッジ721が認識され、第2部位72の中心線722のY方向の座標値が求められる。
【0046】
続いて、両中心線のY方向の座標値に基づいて、第1部位71の中心線712および第2部位72の中心線722とモニタ20上の基準線201との間のY方向に関するそれぞれの距離(以下、「第1距離」および「第2距離」という。)がずれ量演算部22により求められる。また、第1撮像部191と第2撮像部192との間の副走査方向(すなわち、Y方向)に関するずれ量(以下、「撮像部ずれ量」という。)が、第1画像および第2画像に基づいて第1距離および第2距離の合計として求められる(ステップS21)。
【0047】
第1距離および第2距離が求められると、制御部2の基板位置調整部23(図1参照)により第1撮像部移動機構193および第2撮像部移動機構194が制御されることにより、第1撮像部191および第2撮像部192の副走査方向に関する位置調整が行われる。具体的には、第1撮像部移動機構193により第1撮像部191が第1距離に基づいて副走査方向に移動し、図8.Bに示すように、第1画像81中の第1部位71とモニタ20上の基準線201とが重ねられるとともに、第2撮像部192が第2距離に基づいて副走査方向に移動し、第2画像82中の第2部位72とモニタ20上の基準線201とが重ねられる(ステップS22)。換言すれば、撮像部ずれ量に基づいて第2撮像部192を第1撮像部191に対して相対的に移動することにより、副走査方向に関し、位置調整用基板上に塗布された有機EL液のラインに対する第1撮像部191および第2撮像部192の相対位置(すなわち、両撮像部のノズル17に対する相対位置)が互いに等しくされる。第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整が終了すると、位置調整用基板が塗布装置1から搬出される(ステップS23)。また、塗布ヘッド14が図1および図2中に実線にて示す待機位置に戻される。
【0048】
次に、製品用の基板9の位置調整の流れについて説明する。図9は、基板9の位置調整の流れを示す図である。図9に示すように、基板9の位置調整が行われる際には、まず、製品用の基板9が塗布装置1に搬入され(すなわち、位置調整用基板が製品用の基板9に置き換えられ)、基板保持部11上に載置される(ステップS31)。図10に示すように、基板保持部11の周囲には、基板保持部11上に載置された基板9のおよその位置調整(いわゆる、プリアライメント)を行う保持位置調整機構111が設けられている。基板9が基板保持部11上に載置されると、基板9の(+Y)側および(−X)側のエッジが保持位置調整機構111のピストン112により押され、基板9の(−Y)側および(+X)側のエッジが移動規制部113に当接することにより、基板9のおよその位置調整が行われる(ステップS32)。これにより、基板9上の2つの位置調整用目印93(図3参照)がそれぞれ、第1撮像部191の第1撮像領域および第2撮像部192の第2撮像領域に位置し、この状態で基板9が基板保持部11により吸着(すなわち、保持)される。なお、図10では、基板保持部11および保持位置調整機構111以外の他の構成の記載を省略している。
【0049】
基板9が基板保持部11に保持されると、撮像制御部21により第1撮像部191および第2撮像部192が制御され、基板9上の第1撮像領域および第2撮像領域に位置する2つの位置調整用目印93が撮像される(ステップS33)。そして、第1撮像部191により取得された画像(以下、「第3画像」という。)、および、第2撮像部192により取得された画像(以下、「第4画像」という。)がモニタ20に出力される(ステップS34)。図11.Aは、モニタ20に出力された第3画像83および第4画像84を示す図である。図11.Aに示すように、モニタ20では、第3画像83および第4画像84が主走査方向(すなわち、X方向)に並べて表示され、両画像に共通のX方向に伸びる基準線201が表示されている。図11.A中では、第3画像83および第4画像84中の位置調整用目印93に平行斜線を付して示す。
【0050】
第3画像83および第4画像84がモニタ20に出力されると、基板位置調整部23により第3画像83および第4画像84に対する画像処理が行われ、両画像中の位置調整用目印93が、予め基板位置調整部23に登録されているテンプレート画像に基づいて検出される(いわゆる、テンプレートマッチングが行われる)(ステップS35)。続いて、2つの位置調整用目印93の中心間の副走査方向に関する距離が求められ、予め記憶されている位置調整用目印93の中心間の主走査方向に関する距離に基づいて基板9の回転方向のずれ量(すなわち、位置調整用目印93間の仮想的な直線931(図3参照)の基準線201に対する傾き)が求められる。そして、基板位置調整部23により基板回転機構13が基板9の回転方向のずれ量に基づいて制御されて基板9が回転することにより、図11.Bに示すように、第3画像83および第4画像84中の2つの位置調整用目印93の基準線201に対するY方向の相対位置が互いに等しくされる(ステップS36)。
【0051】
既述のように、塗布装置1では、第1画像81および第2画像82中の有機EL液のライン(すなわち、第1部位71および第2部位72)がモニタ20中の基準線201に重なるように第1撮像部191および第2撮像部192を副走査方向(すなわち、Y方向)に移動することにより、第1撮像部191および第2撮像部192のノズル17(から吐出されて基板上に塗布される有機EL液のライン)に対する副走査方向に関する相対位置が互いに等しくされている。したがって、2つの位置調整用目印93の基準線201に対するY方向の相対位置を互いに等しくすることにより、2つの位置調整用目印93のノズル17に対する副走査方向に関する相対位置が互いに等しくされる。すなわち、基板9上の塗布領域91の隔壁92間の溝(図3参照)が、主走査方向におけるノズル17の移動の軌跡に対して平行となる。
【0052】
次に、位置調整用目印93の中心と基準線201との間のY方向に関する距離が求められる。そして、当該距離に基づいて基板移動機構12が基板位置調整部23により制御されて基板9が副走査方向に移動することにより、図11.Cに示すように、第3画像83および第4画像84中の2つの位置調整用目印93が基準線201に重ねられる。さらに、基板位置調整部23に予め記憶されている位置調整用目印93と塗布領域91の溝との間の副走査方向に関する距離に基づいて基板9が副走査方向に移動されることにより、基板9が図1中に実線にて示す塗布開始位置に位置し、塗布領域91の最も(+Y)側の溝と最も(+Y)側に配置されたノズル17との副走査方向に関する相対位置が互いに等しくされて基板9の位置調整が終了する(ステップS37)。
【0053】
塗布装置1では、基板9の位置調整の終了後、基板9に対する有機EL液の塗布が行われる。有機EL液の塗布では、まず、流動性材料供給部18が制御されてノズル17から有機EL液の吐出が開始されるとともに、ヘッド移動機構15が駆動されて塗布ヘッド14の移動が開始される。塗布装置1では、3本のノズル17から同一種類の有機EL液を基板9に向けて連続的に吐出しつつ、ノズル17を図1中の(−X)側から(+X)方向に(すなわち、主走査方向に)移動することにより、基板9の塗布領域91上に予め形成された隔壁92(図3参照)間の3つの溝に有機EL液が塗布される。3つの溝に塗布されたストライプ状の有機EL液は、副走査方向に関して隔壁ピッチの3倍に等しいピッチにて配列される。換言すれば、有機EL液が塗布された近接する2つの溝の間には、他の種類の有機EL液が塗布される予定の(あるいは、塗布された)2つの溝が挟まれる。
【0054】
塗布ヘッド14が基板9の(+X)側の受液部16の上方まで移動すると、基板移動機構12が駆動され、基板9が基板保持部11と共に図1中の(+Y)方向に隔壁ピッチの9倍の距離だけ移動する。このとき、塗布ヘッド14では、ノズル17から受液部16に向けて有機EL液が連続的に吐出されている。副走査方向における基板9の移動が終了すると、塗布ヘッド14がノズル17から有機EL液を吐出しつつ基板9の(+X)側から(−X)側へと移動する。
【0055】
塗布装置1では、基板9に対するノズル17の主走査および副走査が高速に繰り返されることにより、有機EL液が基板9上にストライプ状に塗布される。そして、基板9が図1中に二点鎖線にて示す塗布終了位置まで移動すると、ノズル17からの有機EL液の吐出が停止されて基板9に対する有機EL液の塗布が終了する。
【0056】
以上に説明したように、塗布装置1では、位置調整用基板上に塗布された有機EL液のラインが第1撮像部191および第2撮像部192により撮像され、当該ラインの第1画像81および第2画像82からずれ量演算部22により撮像部ずれ量(すなわち、第1距離および第2距離)が求められ、さらに、当該撮像部ずれ量に基づいて第1撮像部191および第2撮像部192のノズル17に対する副走査方向に関する相対位置が互いに等しくされる。そして、位置調整済みの第1撮像部191および第2撮像部192により製品用の基板9が撮像され、第1撮像部191および第2撮像部192により取得された位置調整用目印93の第3画像83および第4画像84に基づいて基板移動機構12および基板回転機構13が基板位置調整部23により制御されることにより、基板9のノズル17に対する相対位置が調整される。すなわち、塗布装置1では、第3画像83および第4画像84、並びに、撮像部ずれ量に基づいて基板9のノズル17に対する相対位置が調整される。
【0057】
塗布装置1では、位置調整用基板上の有機EL液のラインの撮像において、第1撮像領域における有機EL液の塗布から第1撮像部191による第1画像81の取得までの経過時間と、第2撮像領域における有機EL液の塗布から第2撮像部192による第2画像82の取得までの経過時間とが互いに等しくされる。換言すれば、第1撮像部191および第2撮像部192における撮像遅延時間が互いに等しくされ、これにより、第1画像81における有機EL液の状態、および、第2画像82における有機EL液の状態が同様とされる。このように、第1画像81および第2画像82における撮像時の有機EL液の条件を互いに等しく、かつ、適切なものとすることにより、第1画像81と第2画像82とを容易に比較することができ、主走査方向におけるノズル17の移動の軌跡と第1撮像部191および第2撮像部192との位置関係を容易に、かつ、高精度に求めることができる。そして、第1撮像部191および第2撮像部192により基板9上の位置調整用目印93を撮像して基板9の位置調整を行うことにより、ノズル17に対する基板9の相対位置を高精度に調整することができる。
【0058】
また、塗布装置1では、位置調整用基板への有機EL液の塗布において、ノズル17が第1撮像領域上および第2撮像領域上を等速にて移動する。このように、第1撮像領域および第2撮像領域における有機EL液の塗布条件を等しくすることにより、第1画像81および第2画像82の撮像条件をより高い精度で一致させ、主走査方向におけるノズル17の移動の軌跡と第1撮像部191および第2撮像部192との位置関係をより容易に、かつ、より高精度に求めることができる。
【0059】
塗布装置1では、撮像制御部21により位置調整用基板に塗布される流動性材料に対応する撮像遅延時間がデータベース30から予め抽出されて記憶されており、当該撮像遅延時間に基づいて位置調整用基板上の流動性材料が撮像される。このように、塗布装置1では、流動性材料の種類に応じて撮像遅延時間を適切に設定することができる。その結果、主走査方向におけるノズル17の移動の軌跡と第1撮像部191および第2撮像部192との位置関係をさらに容易に、かつ、さらに高精度に求めることができる。
【0060】
塗布装置1において撮像遅延時間がデータベース30に登録されていない流動性材料の塗布が行われる際には、位置調整用基板に対する流動性材料の塗布と第1撮像部191および第2撮像部192による画像の取得、並びに、当該画像に対する画像処理が撮像遅延時間を変更して繰り返し行われ、適切な撮像遅延時間が決定される。そして、当該撮像遅延時間が、流動性材料の種類と共に新しいデータ要素301としてデータベース更新部32によりデータベース30に追加される。このように、塗布装置1では、新しい種類の流動性材料に適した撮像遅延時間をデータベース30に追加することができるため、新しい種類の流動性材料の塗布に容易に対応することができる。
【0061】
ところで、仮に第1撮像部191および第2撮像部192の副走査方向における位置調整が行われないとすると、基板移動機構12および基板回転機構13による基板9の位置調整の際に、第1撮像部191および第2撮像部192により取得された位置調整用目印93の第3画像83および第4画像84に対して、第1撮像部191および第2撮像部192の撮像部ずれ量を演算にて補正する必要がある。具体的には、ステップS36にて2つの位置調整用目印93の中心間の副走査方向に関する距離を求める際に、第3画像83および第4画像84から求められた中心間の距離に対して撮像部ずれ量が加算(または、減算)される。
【0062】
しかしながら、上述のように塗布装置1では、基板位置調整部23による基板9の位置調整に際して、まず、第1撮像部191および第2撮像部192が撮像部ずれ量に基づいて副走査方向に移動され、ノズル17に対する相対位置が互いに等しくされる。このため、基板移動機構12および基板回転機構13による基板9の位置調整の際に、撮像部ずれ量を演算にて補正する必要がないため、基板9の移動量(すなわち、基板9の回転角度、および、副走査方向の移動量)の算出を簡素化することができる。塗布装置1では、第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整に際して、第1画像81および第2画像82がモニタ20に出力されるため、両撮像部の位置を容易に確認しつつ位置調整を行うことができる。
【0063】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0064】
例えば、第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整では、有機EL液は必ずしも位置調整用基板に塗布される必要はなく、製品用の基板9の不用部分(すなわち、製品の表示領域として用いられない部位であり、図3中の位置調整用目印93よりも(+Y)側の部位)に有機EL液が塗布され、不用部分上の有機EL液のラインが撮像されて第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整が行われてもよい。この場合、製品用の基板9の不用部分を、位置調整用基板と捉えることができる。また、第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整後、基板の置き換えを行うことなく、基板9の位置調整を行うことができる。第1撮像部191および第2撮像部192の位置調整では、図3中の基板9の(−Y)側の部位であって(+Y)側の不用部分に対応する部位(すなわち、もう1つの不用部分)に有機EL液が塗布されてもよい。この場合、もう1つの不用部分を位置調整用基板と捉えることができる。
【0065】
塗布装置1では、撮像制御部21による第1撮像領域および第2撮像領域への有機EL液の塗布の検出は、必ずしもヘッド移動機構15のエンコーダから送られる塗布ヘッド14の位置情報に基づいて行われる必要はなく、例えば、光センサ等により各撮像領域上を継続的に監視し、ノズル17の各撮像領域上の通過を検出することにより各撮像領域への有機EL液の塗布が検出されてもよい。
【0066】
また、第1撮像部191および第2撮像部192として、第1撮像領域および第2撮像領域を連続的に撮像するデジタルビデオカメラ等が設けられてもよい。この場合、連続的に取得された複数の画像のうち、塗布検出から撮像遅延時間だけ経過した時点に対応する画像が第1画像81および第2画像82として抽出される。
【0067】
塗布装置1では、必ずしも第1撮像部移動機構193および第2撮像部移動機構194の双方が設けられる必要はなく、例えば、第2撮像部移動機構194のみが設けられ、撮像部ずれ量に基づいて第2撮像部192を副走査方向に移動することにより、ノズル17に対する第1撮像部191および第2撮像部192の相対位置が互いに等しくされてもよい。
【0068】
また、塗布装置1では、第1撮像部191および第2撮像部192の副走査方向における位置調整を行うことなく、基板移動機構12および基板回転機構13による基板9の位置調整の際に、位置調整用目印93の第3画像83および第4画像84に対して第1撮像部191および第2撮像部192の撮像部ずれ量が演算にて補正されてもよい。この場合、第1撮像部移動機構193および第2撮像部移動機構194を省略することができるため、塗布装置1の構造を簡素化することができる。なお、塗布装置1では、位置調整用目印93に代えて基板9の塗布領域91の隔壁92や溝が撮像され、これらの画像に基づいて基板9の位置が調整されてもよい。
【0069】
塗布装置1では、塗布ヘッド14の3本のノズル17から、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)と互いに色が異なる3種類の有機EL材料をそれぞれ含む3種類の有機EL液が同時に吐出されて基板9に塗布されてもよい。この場合、塗布ヘッド14では、隣接する2本のノズル17の間の副走査方向に関する距離が隔壁ピッチと等しくされる。
【0070】
また、塗布ヘッド14では、ノズル17の本数は必ずしも3本には限定されず、1本または2本、あるいは、4本以上のノズル17が塗布ヘッド14に設けられてもよい。ただし、基板9に対する流動性材料の塗布に要する時間を短縮するという観点からは、基板9に向けて流動性材料を連続的に吐出しつつ基板9に対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動する複数のノズル(すなわち、1本のノズルおよび当該ノズルと共に移動する他の1本以上のノズル)が設けられることが好ましい。
【0071】
塗布装置1では、正孔輸送材料を含む流動性材料が基板9に塗布されてもよい。ここで、「正孔輸送材料」とは、有機EL表示装置の正孔輸送層を形成する材料であり、「正孔輸送層」とは、有機EL材料により形成された有機EL層へと正孔を輸送する狭義の正孔輸送層のみを意味するのではなく、正孔の注入を行う正孔注入層も含む。また、塗布装置1は、必ずしも有機EL表示装置用の有機EL材料または正孔輸送材料を含む流動性材料の塗布のみに利用されるわけではなく、例えば、液晶表示装置やプラズマ表示装置等の平面表示装置用の基板に対し、着色材料や蛍光材料等の他の種類の画素形成材料を含む流動性材料を塗布する場合に利用されてもよく、磁気ディスクや光ディスク用のガラス基板やセラミック基板、あるいは、半導体基板等の様々な基板に対する様々な種類の流動性材料の塗布に利用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】塗布装置の平面図である。
【図2】塗布装置の正面図である。
【図3】基板の平面図である。
【図4】データベースを示す図である。
【図5.A】第1撮像部および第2撮像部の位置調整の流れを示す図である。
【図5.B】第1撮像部および第2撮像部の位置調整の流れを示す図である。
【図6】塗布ヘッドの移動速度を示す図である。
【図7】第1画像を示す図である。
【図8.A】第1画像および第2画像を示す図である。
【図8.B】第1画像および第2画像を示す図である。
【図9】基板の位置調整の流れを示す図である。
【図10】保持位置調整機構を示す平面図である。
【図11.A】第3画像および第4画像を示す図である。
【図11.B】第3画像および第4画像を示す図である。
【図11.C】第3画像および第4画像を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 塗布装置
9 基板
11 基板保持部
12 基板移動機構
13 基板回転機構
15 ヘッド移動機構
17 ノズル
20 モニタ
21 撮像制御部
22 ずれ量演算部
23 基板位置調整部
30 データベース
31 データベース記憶部
32 データベース更新部
71 第1部位
72 第2部位
81 第1画像
82 第2画像
83 第3画像
84 第4画像
191 第1撮像部
192 第2撮像部
193 第1撮像部移動機構
194 第2撮像部移動機構
201 基準線
301 データ要素
S11〜S23,S31〜S37 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に流動性材料を塗布する塗布装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
前記基板に向けて流動性材料を連続的に吐出するノズルと、
前記ノズルを前記基板の主面に対して平行な主走査方向に相対的に移動する主走査機構と、
前記主走査方向への移動が行われる毎に前記基板を前記ノズルに対して前記主走査方向に垂直な副走査方向に相対的に移動する副走査機構と、
前記基板保持部を前記主面に垂直な回転軸を中心に回転する基板回転機構と、
前記基板保持部の上方において前記主走査方向に略平行に配列されるとともに前記基板保持部に保持された基板上の第1撮像領域および第2撮像領域をそれぞれ撮像する第1撮像部および第2撮像部と、
前記第1撮像部および前記第2撮像部を制御することにより、位置調整用基板上に塗布された流動性材料のラインの前記第1撮像領域に含まれる部位を、前記流動性材料の前記第1撮像領域への塗布後から所定の撮像遅延時間が経過した時点にて撮像して第1画像として記憶するとともに、前記ラインの前記第2撮像領域に含まれる部位を、前記流動性材料の前記第2撮像領域への塗布後から前記撮像遅延時間が経過した時点にて撮像して第2画像として記憶する撮像制御部と、
前記第1画像および前記第2画像に基づいて前記第1撮像部と前記第2撮像部との間の前記副走査方向に関するずれ量を求めるずれ量演算部と、
前記第1撮像部および前記第2撮像部により取得された前記基板保持部に保持された基板の画像、並びに、前記ずれ量演算部により求められた前記ずれ量に基づいて前記副走査機構および前記回転機構を制御することにより前記基板の前記ノズルに対する相対位置を調整する基板位置調整部と、
を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布装置であって、
前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して前記副走査方向に相対的に移動する撮像部移動機構をさらに備え、
前記基板位置調整部による基板の位置調整に際して、前記ずれ量演算部により求められた前記ずれ量に基づいて前記撮像部移動機構が前記基板位置調整部により制御されて前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して前記副走査方向に相対的に移動することにより、前記副走査方向に関し、前記第1撮像部および前記第2撮像部の前記ノズルに対する相対位置が互いに等しくされることを特徴とする塗布装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の塗布装置であって、
前記撮像制御部が、前記主走査方向における前記ノズルの位置に基づいて前記第1撮像領域および前記第2撮像領域のそれぞれへの前記流動性材料の塗布を検出し、前記流動性材料の塗布の検出から前記撮像遅延時間の経過後に前記第1撮像部および前記第2撮像部のそれぞれに対して撮像指示を与えることを特徴とする塗布装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の塗布装置であって、
前記基板の前記主走査方向の一方側における前記ノズルの移動開始位置と前記第1撮像部との間の前記主走査方向に関する距離が、前記基板の他方側における前記ノズルの移動開始位置と前記第2撮像部との間の前記主走査方向に関する距離に等しいことを特徴とする塗布装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布装置であって、
前記主走査機構による前記ノズルの相対移動の際に、前記第1撮像領域上および前記第2撮像領域上において前記ノズルが等速にて移動することを特徴とする塗布装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の塗布装置であって、
流動性材料の種類を含むキー情報と撮像遅延時間とを関連づけたデータ要素の集合であるデータベースを記憶するデータベース記憶部をさらに備え、
前記撮像制御部が、前記基板に塗布される流動性材料の種類を含むキー情報に関連づけられた撮像遅延時間を前記データベースから抽出し、前記撮像遅延時間に基づいて前記第1画像および前記第2画像を取得することを特徴とする塗布装置。
【請求項7】
請求項6に記載の塗布装置であって、
前記データベースに新たなデータ要素を追加するデータベース更新部をさらに備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の塗布装置であって、
前記基板に向けて流動性材料を連続的に吐出しつつ前記ノズルと共に前記基板に対して前記主走査方向および前記副走査方向に相対的に移動するもう1つのノズルをさらに備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の塗布装置であって、
前記流動性材料が、平面表示装置用の画素形成材料を含むことを特徴とする塗布装置。
【請求項10】
請求項9に記載の塗布装置であって、
前記画素形成材料が、有機EL表示装置用の有機EL材料または正孔輸送材料であることを特徴とする塗布装置。
【請求項11】
基板に流動性材料を塗布する塗布装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
前記基板に向けて流動性材料を連続的に吐出するノズルと、
前記ノズルを前記基板の主面に対して平行な主走査方向に相対的に移動する主走査機構と、
前記主走査方向への移動が行われる毎に前記基板を前記ノズルに対して前記主走査方向に垂直な副走査方向に相対的に移動する副走査機構と、
前記基板保持部を前記主面に垂直な回転軸を中心に回転する基板回転機構と、
前記基板保持部の上方において前記主走査方向に略平行に配列されるとともに前記基板保持部に保持された基板上の第1撮像領域および第2撮像領域をそれぞれ撮像する第1撮像部および第2撮像部と、
前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して前記副走査方向に相対的に移動する撮像部移動機構と、
前記第1撮像部および前記第2撮像部を制御することにより、前記第1撮像領域および前記第2撮像領域において、位置調整用基板上に塗布された流動性材料のラインの第1画像および第2画像を取得する撮像制御部と、
前記第1画像および前記第2画像に基づいて前記第1撮像部と前記第2撮像部との間の前記副走査方向に関するずれ量を求め、前記ずれ量に基づいて前記撮像部移動機構を制御して前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して相対的に移動することにより、前記副走査方向に関し、前記第1撮像部および前記第2撮像部の前記ノズルに対する相対位置を互いに等しくする撮像位置調整部と、
前記第1撮像部および前記第2撮像部により取得された前記基板保持部に保持された基板の画像に基づいて前記副走査機構および前記回転機構を制御することにより前記基板の前記ノズルに対する相対位置を調整する基板位置調整部と、
を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項12】
ノズルから基板に向けて流動性材料を連続的に吐出しつつ前記基板に対して前記ノズルを相対移動することにより前記基板に前記流動性材料を塗布する塗布装置において、前記基板の前記ノズルに対する相対位置を調整する位置調整方法であって、
a)位置調整用基板に向けて流動性材料を連続的に吐出するノズルを、前記位置調整用基板に対して前記位置調整用基板の主面に平行な主走査方向に相対移動することにより前記流動性材料のラインを塗布する工程と、
b)前記ラインの第1撮像部の第1撮像領域に含まれる部位を、前記流動性材料の前記第1撮像領域への塗布後から所定の撮像遅延時間が経過した時点にて撮像して第1画像として記憶する工程と、
c)前記ラインの第2撮像部の第2撮像領域に含まれる部位を、前記流動性材料の前記第2撮像領域への塗布後から前記撮像遅延時間が経過した時点にて撮像して第2画像として記憶する工程と、
d)前記第1画像および前記第2画像に基づいて前記第1撮像部と前記第2撮像部との間の前記主走査方向に垂直な副走査方向に関するずれ量を求める工程と、
e)前記第1撮像部および前記第2撮像部により製品用の基板を撮像する工程と、
f)前記ずれ量、並びに、前記第1撮像部および前記第2撮像部により取得された前記基板の画像に基づいて前記基板を前記ノズルに対して前記副走査方向に相対移動するとともに前記基板を前記基板の主面に垂直な回転軸を中心に回転するにより、前記基板の前記ノズルに対する相対位置を調整する工程と、
を備えることを特徴とする位置調整方法。
【請求項13】
請求項12に記載の位置調整方法であって、
前記f)工程が、
f1)前記ずれ量に基づいて前記第2撮像部を前記第1撮像部に対して前記副走査方向に相対的に移動することにより、前記副走査方向に関し、前記第1撮像部および前記第2撮像部の前記ノズルに対する相対位置を互いに等しくする工程を備えることを特徴とする位置調整方法。
【請求項14】
請求項13に記載の位置調整方法であって、
前記d)工程が、
d1)前記第1画像および前記第2画像をモニタに出力する工程と、
d2)前記第1画像中の前記ラインおよび前記第2画像中の前記ラインと前記モニタ上の基準線と間のそれぞれの距離を求める工程と、
を備え、
前記f1)工程において、前記d2)工程において求められた前記それぞれの距離に基づいて前記第1撮像部および前記第2撮像部を前記副走査方向にそれぞれ移動することにより、前記第1画像中の前記ラインおよび前記第2画像中の前記ラインと前記モニタ上の前記基準線とが重ねられることを特徴とする位置調整方法。
【請求項15】
請求項12ないし14のいずれかに記載の位置調整方法であって、
前記a)工程において、前記ノズルの相対移動の際に、前記第1撮像領域上および前記第2撮像領域上において前記ノズルが等速にて移動することを特徴とする位置調整方法。
【請求項16】
請求項12ないし15のいずれかに記載の位置調整方法であって、
前記流動性材料が、平面表示装置用の画素形成材料を含むことを特徴とする位置調整方法。
【請求項17】
請求項16に記載の位置調整方法であって、
前記画素形成材料が、有機EL表示装置用の有機EL材料または正孔輸送材料であることを特徴とする位置調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5.A】
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【図5.B】
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【図6】
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【図7】
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【図8.A】
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【図8.B】
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【図9】
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【図10】
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【図11.A】
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【図11.B】
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【図11.C】
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【公開番号】特開2007−185609(P2007−185609A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5954(P2006−5954)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】