説明

変位センサ装置及び転がり軸受装置

【課題】フレキシブルプリント基板を使用する変位センサ装置において、正確かつ迅速に、基板を支持部に固定することができる構造を提供する。
【解決手段】検出対象物(主軸部102a)に近接して設けられる支持部21と、この支持部21に沿って支持されたフレキシブルプリント基板22と、このフレキシブルプリント基板22に設けられ、検出対象物と対向する渦巻状のコイルを含むセンサ回路要素とを備えた変位センサ装置20において、フレキシブルプリント基板22を止め具23によって支持部21に固定する構造とし、フレキシブルプリント基板22は、センサ回路要素を含む基板本体22a、及び、当該基板本体22aから延伸して形成され、止め具23による固定の用に供する止め代部22bを有するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変位センサ装置及び、これを用いた転がり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製対象物の変位を検出する変位センサ装置においては、積層鋼板の鉄心にコイルを巻いたセンサが使用されてきた。このような変位センサ装置では、対象物の変位を、インダクタンスの変化として捉えることができる。しかし、このようなセンサの構成は、体積・重量が大きく、構成部品数も多いので、材料コストが高く、組立工数も多くなる。
一方、プリント基板のような平面上に、渦巻状のコイルを構成し、インダクタとしたものも提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。このような平面コイルの構造は、積層鋼板にコイルを巻く構造に比べて、軽量・コンパクト化に大きく寄与するものと期待される。
【0003】
また、本出願人は先に、対象物のまわりを囲む円筒状のフレキシブルプリント基板に変位検出用の複数の渦巻状のコイルを搭載した変位センサ装置を提案している(特願2008−292143)。このような変位センサ装置のセンサヘッド部は、例えば、細長い長方形のフレキシブルプリント基板を短い円筒状に丸めて、同様の円筒状の支持部に固定して構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−509189号公報(図1他)
【特許文献2】特開2005−303106号公報(段落[0005])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなフレキシブルプリント基板を用いた変位センサ装置においては、フレキシブルプリント基板をどのようにして支持部に正確かつ迅速に取り付けるかが、製造上は特に重要である。例えば、フレキシブルプリント基板を接着剤で支持部に直接接着することも可能であるが、正確な位置決めが困難であり、量産には適さない。また、フレキシブルプリント基板にクリップを取り付けて、このクリップを支持部の溝に嵌め込むようにして固定することもできる。しかしながら、この場合には、フレキシブルプリント基板に実装された電子部品が、クリップをフレキシブルプリント基板に加圧接着する際の邪魔になるという不便がある。また、加圧接着時にフレキシブルプリント基板とクリップとの僅かなずれが生じて、正確な位置に固定できない場合もある。
【0006】
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、フレキシブルプリント基板を使用する変位センサ装置において、正確かつ迅速に、基板を支持部に固定することができる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、検出対象物の変位を非接触で検出する変位センサ装置であって、前記検出対象物に近接して設けられる支持部と、前記支持部に沿って支持されたフレキシブルプリント基板と、前記フレキシブルプリント基板に設けられ、前記検出対象物と対向する渦巻状のコイルを含むセンサ回路要素と、前記フレキシブルプリント基板を前記支持部に固定する止め具とを備え、前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ回路要素を含む基板本体、及び、当該基板本体から延伸して形成され、前記止め具による固定の用に供する止め代部を有していることを特徴とする。
上記のように構成された変位センサ装置では、フレキシブルプリント基板自体に止め代部を設けたことにより、止め具を用いて止め代部を支持部の所定位置に固定することができる。
【0008】
また、本発明は、円柱状の検出対象物の変位を非接触で検出する変位センサ装置であって、前記検出対象物の周囲に近接して設けられるリング状の支持部と、丸めた状態で前記支持部に沿って支持されたフレキシブルプリント基板と、前記フレキシブルプリント基板に設けられ、前記検出対象物と対向する渦巻状のコイルを含むセンサ回路要素と、前記フレキシブルプリント基板を前記支持部に固定する止め具とを備え、前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ回路要素を含み、前記支持部の内面に沿う基板本体、及び、当該基板本体から延伸して形成され、前記止め具による前記支持部の軸方向端面への固定の用に供する止め代部を有していることを特徴とする。
上記のように構成された変位センサ装置では、フレキシブルプリント基板自体に止め代部を設けたことにより、止め具を用いて止め代部を支持部の所定位置に固定することができる。
【0009】
また、上記変位センサ装置において、止め代部は、周方向に不連続に形成されていることが好ましい。
この場合、止め代部を径方向に折り曲げることが、容易になる。
【0010】
また、上記変位センサ装置において、支持部に固定された状態における止め代部は、径方向に頂点部分が突出する三角形を基調とした形状であってもよい。
この場合、三角形の頂点近傍の一箇所を、1つの止め具によりバランス良く固定することができる。従って、最小個数の止め具による固定が可能である。
【0011】
また、上記変位センサ装置において、止め代部を支持部の軸方向端面に固定する止め具の頭部が、基板本体より径方向に突出していてもよい。
この場合、検出対象物が異常に基板本体に接近したとき、止め具の頭部で検出対象物を受け止めて、それ以上の接近を阻止することができる。従って、検出対象物が基板本体に当たって損傷を生じさせるような事態を、防止することができる。
【0012】
また、上記変位センサ装置において、フレキシブルプリント基板は、基板本体と止め代部との境界線で折り曲げられており、当該境界線の部分は、その他の部分より薄肉である、という構成であってもよい。
この場合、境界線での折り曲げが容易になる。
【0013】
また、上記いずれかの変位センサ装置を転がり軸受装置の固定輪に取り付けて、回転輪の径方向への変位を検出するようにしてもよい。
この場合には、転がり軸受装置に取り付けられる変位センサ装置において、正確かつ迅速に、フレキシブルプリント基板を支持部に固定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の変位センサ装置又はこれを用いた転がり軸受装置によれば、止め具を用いて止め代部を支持部の所定位置に固定することができるので、正確かつ迅速に、フレキシブルプリント基板を支持部に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の変位センサ装置に使用する平面コイルの原理を説明する図である。
【図2】LC回路の周波数特性の一例を示すグラフである。
【図3】コイルの巻き方の他の例(実用的な例)を示す斜視図である。
【図4】(a)は基板形センサの展開図、(b)は基板形センサを円筒状に丸めた状態を示す斜視図である。
【図5】丸めた状態のフレキシブルプリント基板を円筒状の支持部の内周面上に取り付ける状態を示す斜視図である。
【図6】(a)は、支持部の図示を省略して、フレキシブルプリント基板の内側に回転体が挿通されている状態の基板形センサを示す斜視図であり、(b)は、これを回転体の軸方向から見た図である。
【図7】基板形センサのコイルに信号処理回路を接続した変位センサ装置の回路構成の一例を示す回路図である。
【図8】転がり軸受装置の一種であるハブユニットの断面図である。
【図9】図8において外輪と主軸部との間に装着される変位センサ装置を、軸方向から見た正面図である。
【図10】(a)及び(b)はそれぞれ、支持部及びフレキシブルプリント基板を単体で示す図である。
【図11】フレキシブルプリント基板の展開図及び、フレキシブルプリント基板に搭載されるコイルその他のセンサ回路要素の回路図との対応関係を示す図である。
【図12】第2実施形態に係る変位センサ装置を、軸方向から見た正面図である。
【図13】(a)及び(b)はそれぞれ、支持部及びフレキシブルプリント基板を単体で示す図である。
【図14】フレキシブルプリント基板の展開図である。
【図15】1つの止め代部の拡大図である。
【図16】他の構成例としての、1つの止め代部の拡大図である。
【図17】第3実施形態に係る変位センサ装置を、軸方向の一方向から見た正面図である。
【図18】図17における変位センサ装置を、軸方向の他方向(すなわち図17の裏面)から見た正面図である。
【図19】支持部を単体で示す図である。
【図20】フレキシブルプリント基板の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
《原理》
図1は、本発明の変位センサ装置に使用する平面コイルの原理を説明する図である。この平面コイル1は、(a)に示すように、フレキシブルプリント基板(FPC)2上に、導電部を渦巻状に形成して成るコイル3を設けたものである。このような平面コイル1は、例えば、銅やアルミニウム等の金属箔が貼着されたフレキシブルプリント基板からエッチングを行って、渦巻のパターンを残すことにより製作することができる。なお、コイル3の渦巻中心の端部は、例えばスルーホールで裏面へ導出することができる。コイル3は、渦巻のターン数(渦を巻いている回数)、コイルの断面積、コイルの長さ等に依存するインダクタンスLを有するが、ターン数は2乗で関与するため、最も支配的な要素である。従って、ターン数を確保することによって、所望のインダクタンスを得ることが可能である。
【0017】
(b)は、平面コイル1を、変位の検出対象物4と近接対向させた状態を示す斜視図である。検出対象物4は金属製(例えば鉄系金属)であり、導電性を有する。コイル3のインダクタンスは、この検出対象物4によって影響を受ける。また、交流信号に対して、コイル3のパターンと検出対象物4との間に、パターン面積や相互間の距離に依存したキャパシタンスが現れる。従って、このような平面コイル1は、等価的に、(c)に示すような並列のLC回路となる。ここで、インダクタンスLやキャパシタンスCの値は、検出対象物4と平面コイル1とのギャップによって変化する。
【0018】
上記ギャップが増大すると、交流信号に対するインダクタンスL及びキャパシタンスCが共に低下し、逆に、ギャップが減少すると、インダクタンスL及びキャパシタンスCが共に上昇する。従って、ギャップの変化により、LC回路の自己共振周波数f(=1/(2π(L・C)1/2))が変化する。
図2は、LC回路の周波数特性の一例を示すグラフである。周波数特性は、例えば自己共振周波数f1でピークとなる実線の曲線であるが、自己共振周波数が低下してf2になると、周波数特性は破線の曲線となる。この結果、LC回路に一定の発振周波数f0を供給している場合において、LC回路の出力(振幅)は、V1からV2に変化する。このようにして、ギャップの変化を出力の変化として検出することができる。
【0019】
図3は、コイル3の巻き方の他の例(実用的な例)を示す斜視図である。この例では、フレキシブルプリント基板2の表裏両面に、コイル3が設けられ、スルーホールの導電路5を介して互いに接続されている。なお、図を見易くするために2つのコイル3を互いに上下に引き離して表しているが、実際には、薄いフレキシブルプリント基板2を挟んで背中合わせになっている。なお、フレキシブルプリント基板2を複数枚重ねて、導電体のパターンを設ける層を複層化することも可能である。
【0020】
2つのコイル3は、同じ方向(例えば上方)から見ると互いに逆の渦巻であるが、電流という視点から見ると、同じ方向に巻いている。すなわち、仮に、上のコイル3の外側の巻端から電流が流れ込むとすると、電流は右巻きに渦の中心へ向かい、下のコイル3に抜けると、今度は、右巻きに渦の外側へ向かい、下のコイル3の外側の巻端に達する。従って、電流は常に右巻きに流れており、右巻きのターン数が累積される。電流が逆に流れるときは、電流は常に左巻きに流れ、左巻きのターン数が累積される。このようにして、厚さ方向には極めて薄い平面コイル1でありながら、コイル3は全体として多くのターン数を確保することができる。従って、所望のインダクタンスを容易に得ることができる。
【0021】
《原理的構成》
次に、上記のような平面コイル1を複数個使用した基板形センサの原理的構成について説明する。
図4の(a)は、基板形センサ10の展開図である。この基板形センサ10においては、フレキシブルプリント基板2上に、4個のコイル3(総称符号)が2段に、合計8個設けられている。なお、図ではコイル3を簡略化して同心円のように描いているが、実際は、図1や図3に示したような渦巻である(以下、同様。)。
【0022】
ここで、各コイル個別の符号は、後述の回転体の軸方向をY方向とした場合に、Y方向に直交し、かつ、互いに直交するX方向・Z方向に対応し、数字はY軸上の組番号、+、−はX,Z方向の組を表している。すなわち、変位を検出するためのコイルの組み合わせは、以下のようになる。
X方向変位:(X1+,X1−)、(X2+,X2−)
Z方向変位:(Z1+,Z1−)、(Z2+,Z2−)
各コイル3における2つの巻端(図示せず。)は、フレキシブルプリント基板2の表裏両面の導電路6を経て、端子電極部2aに導出されている。
【0023】
このような基板形センサ10を円筒状に丸めると、(b)に示すようになり、コイルX1+及びX1−、並びに、X2+及びX2−は、それぞれ、X方向に2個1組の存在となる。また、コイルZ1+及びZ1−、並びに、Z2+及びZ2−は、それぞれ、Z方向に2個1組の存在となる。また、上段側及び下段側の各4個のコイルは、周方向の位相90度ごとに配置されている。
【0024】
図5は、丸めた状態のフレキシブルプリント基板2を支持し、かつ、その円筒形状を維持すべく、円筒状の支持部11の内周面上に取り付ける状態を示す斜視図である。支持部11は、樹脂製であってもよいが、ここでは金属製とする。金属製の場合、機械的強度を容易に確保することができるので、樹脂製に比べて薄肉の支持部とすることができる。このことは、コンパクト化に寄与する。なお、支持部が金属製であっても、高周波信号(100kHz〜500kHz)でLC回路を駆動することにより、変位検出に影響がないことが確認された。
【0025】
支持部11の内周面に固定されたフレキシブルプリント基板2の内側には、径方向の微小な隙間を確保して、検出対象物としての回転体12が挿入される。この回転体12とは例えば自動車の車軸である。その場合、支持部11は転がり軸受装置の固定輪に取り付けられ、可動輪に回転体(車軸)12が取り付けられている。そして、上記の隙間は、転がり軸受装置によって維持される。
【0026】
図6の(a)は、支持部11の図示を省略して、フレキシブルプリント基板2の内側に回転体12が挿通されている状態の基板形センサ10を示す斜視図である。(b)は、これを回転体12の軸方向から見た図である。フレキシブルプリント基板2と回転体12の表面との間には径方向へのギャップがあり、このギャップの変化によって、前述のインダクタンスL,キャパシタンスCが変化する。従って、車輪に荷重が作用した際に発生する車軸の径方向の変位を、前述の出力の変化として検出することができる。
【0027】
図7は、基板形センサ10のコイル3に信号処理回路17を接続した変位センサ装置20の回路構成の一例を示す回路図である。このような信号処理回路17(但し、発振回路13を除く。)は、フレキシブルプリント基板2に実装することが可能である。
各コイルは前述のように等価的にはLC回路であり、発振回路13から抵抗14を介して所定の発振周波数f0の交流信号が供給される。LC回路の出力はインピーダンス変換を行うバッファ回路(電圧フォロワ回路)15を経て、差動増幅回路16に入力される。
【0028】
差動増幅回路16は、対を成す2つのLC回路からの信号電圧の差をとることで信号の線形化を行い、かつ、増幅を行う。線形化によって、回転体12の径方向への変位を正確に検出することができる。すなわち、軸方向に直交する方向にコイルを2個1組で設け、出力の差をとることで、回転体12の径方向への変位を正確に検出することができる。差動増幅後の信号は、X方向の2出力(X1,X2)と、Z方向の2出力(Z1,Z2)として出力される。これらの4出力に基づいて、ECU(図示せず。)は車輪に作用する荷重を求める。また、同じ方向の2出力に基づいて、モーメント荷重を求めることができる。
【0029】
以上の変位センサ装置20によれば、コイル3のインダクタンスを、フレキシブルプリント基板2上に形成された渦巻のターン数によって確保することができるので、コイルの厚さ寸法の増大を抑制することができる。
また、コイル3の導電部と回転体12との間にキャパシタンスが現れるので、別途、回路部品としてのコンデンサを用意することなく、LC回路を構成することができる。
また、1つの基板に必要数のコイル3を設けることができ、それによって、僅か1枚のフレキシブルプリント基板2に必要な機能を集約することができる。
【0030】
《第1実施形態》
次に、転がり軸受装置の固定輪と可動輪との間に取り付けられる第1実施形態に係る変位センサ装置について説明する。
図8は、転がり軸受装置の一種であるハブユニットの断面図である。このハブユニット100は車両に取り付けられるものであり、取り付けた状態では、図8における右側が車両のアウター側(車両の外側)であり、左側が車両のインナー側(車両の内側)である。図8において、ハブユニット100の中心軸Cに沿った方向をY方向とし、これに直交する紙面に垂直な方向をX方向とし、Y方向及びX方向の双方に直交する鉛直方向をZ方向とする。従って、このハブユニット100が自動車に取り付けられた状態においてX方向は車輪の前後水平方向となり、Y方向は車輪の左右水平方向(軸方向)となり、Z方向は上下方向となる。
【0031】
このハブユニット100は、主たる構造部分として、外輪101、内軸102、内輪部材103、ナット104、及び、転動体105を備えている。外輪101は、筒状部101aと、この筒状部101aの一部の外周面から径方向外方へ伸びたフランジ部101bとを有している。このフランジ部101bは、車体側の固定部材(図示せず。)に固定され、これによってハブユニット100が車体に固定される。内軸102は、外輪101内に挿通される主軸部102aと、車両アウター側にあって径方向外方へ延びるフランジ部102bとを有している。このフランジ部102bが、車輪のホイールやブレーキディスクの取付部となる。なお、円柱状の主軸部102aは、前述の回転体12(図5,図6)に相当する部分である。
【0032】
内軸102の車両インナー側には、筒状の内輪部材103が外嵌され、さらに、内軸102の端部に形成された雄ねじ部102dにナット104が螺着されることにより、内輪部材103が内軸102に固定されている。転動体105は、周方向に複数個配置された玉からなる複列の構成となっている。各列の玉は保持器(図示せず。)によって周方向に所定間隔で保持されている。
このハブユニット100において、外輪101は、車体側の固定部材に固定される固定輪である。また、内軸102と内輪部材103とは、外輪101に転動体105を介して回転自在に支持された回転輪である。外輪101、内軸102及び内輪部材103は、互いに同軸(中心軸C)に配置されている。
【0033】
このように構成されたハブユニット100においては、外輪101の内周面上に取り付けられた変位センサ装置20により、検出対象物である内軸102(主軸部102a)の変位を非接触で検出することができる。この場合、固定輪たる外輪101と、可動輪たる主軸部102aとの間の狭い径方向隙間に、変位センサ装置20を設けることができる。
【0034】
図9は、図8において外輪101と主軸部102aとの間に装着される変位センサ装置20を、軸方向から見た正面図である。図9において、変位センサ装置20は、支持部21と、この支持部21に止め具23によって固定されたフレキシブルプリント基板22(材質は例えばポリイミド製)とによって構成されている。止め具23は例えば、ねじであり、図示しているのは薄い頭部の中心に小さな六角穴(図では簡略化して円で描いている。)を有するタイプのねじである。
【0035】
図10の(a)及び(b)はそれぞれ、支持部21及びフレキシブルプリント基板22を単体で示す図である。(a)において、支持部21は、全体としてリング状であり、その軸方向から見た図示の形状は、外面側は外輪101(図8,図9)の内周面に嵌合させるための円形(円筒面)である。また、内面側は、フレキシブルプリント基板22を支持するための多角形となっており、周方向へ90度ごとの平面21aの他、それらの間にある平面21b、21c、21dの集合体で構成されている。このようにして、支持部21の内面には、フレキシブルプリント基板22を沿わせるための複数の平面が形成されている。支持部21の軸方向端面には20箇所に、止め孔21e(ここでは雌ねじ)が形成されている。また、裏面にも同一数の止め孔21eが存在する(孔そのものは通し孔である。)。すなわち、雌ねじとしての止め孔21eの総数は40である。
【0036】
図10の(b)において、フレキシブルプリント基板22は、支持部21の内面の約3/4をカバーする基板本体22aと、22片(片側11片)の止め代部22bと、引出し部22c(図9では省略)とを備えている。止め代部22bには、支持部21の止め孔21eに対応した孔(h1又はh2)が形成されている。
【0037】
図11は、フレキシブルプリント基板22の展開図及び、フレキシブルプリント基板22に搭載されるコイルその他のセンサ回路要素Sの回路図との対応関係を示す図である。図において、フレキシブルプリント基板22は、コイル3等のセンサ回路要素Sを含む横長・長方形の基板本体22aと、この基板本体22aから上下にそれぞれ延伸して形成された合計22片の止め代部22bと、中央上部の止め代部22bからさらに延伸して引き出された引出し部22cとを一体に有するものである。
【0038】
基板本体22aは、複数種類の領域a1〜a5を有している。4つの領域a1にはそれぞれ図4の要領で一対のコイル3が設けられ、全体で8個のコイル3(X1+,Z1+,X1−,Z1−,X2+,Z2+,X2−,Z2−)が設けられている。コイル3は、例えば、図の表面側(紙面側)の第1層に設けられている。また、斜線を付した5つの領域a2には、対応する回路図に示す電子部品(抵抗14,バッファ回路15,差動増幅器16)が実装され、回路接続用の導電路が形成されている。
【0039】
6つの領域a3は、電子部品が実装されず、導電路のみが形成されている。従って、領域a3での折り曲げが可能である。残る2つの領域a4は、領域a2と同様に電子部品の実装が可能であるが、この例では実装されず、導電路のみが形成されている。また、領域a2とa4との境界線上や、中央の3つの領域a2の相互間の隙間領域a5には、電子部品は実装されず、従って、折り曲げが可能である。実装された電子部品同士や、これらをコイル3と繋ぐ導電路は、主として裏面側の第2層に設けられる。コイル3の2つの巻端は、スルーホール(図示せず。)を通って第2層に導出されている。引出し部22cには外部回路との接続のためのリード線が集約されている。なお、第1層、第2層の表面には絶縁コーティングが施される。
【0040】
一方、上記止め代部22bは、フレキシブルプリント基板22を支持部21に固定するにあたっての、止め具23(図9)による固定の用に供する部位である。図11の上側の各止め代部22bには、2個又は1個の丸孔h1が形成されている。一方、図11の下側の各止め代部22bには、2個又は1個の長孔(図の上下方向に長い孔)h2が形成されている。
【0041】
上記のようなフレキシブルプリント基板22は、支持部21の内面に沿うように、基板本体22aを丸めた状態とされる。また、止め代部22bは図示の折り曲げ部P1,P2(基板本体22aとの境界線)で直角に(径方向に)折り曲げられる。基板本体22aを丸めた状態において止め代部22bは周方向に不連続に形成されており、従って、折り曲げが容易である。
なお、折り曲げ部P1,P2は、その他の部分より薄肉であるようにすれば、折り曲げがさらに容易である。例えば、基板を(4層の樹脂+銅箔)によって構成する「厚肉」に対して、樹脂を2層にすれば、相対的に「薄肉」とすることができる。なお、銅箔を直角に折り曲げると亀裂が生じる場合もあるが、回路として使用していない銅箔に亀裂が生じても特に問題は無い。
【0042】
こうして、図10の(b)に示す立体的な形態となったフレキシブルプリント基板22が、支持部21に装着される。このとき、止め代部22bは支持部21の軸方向端面に重ねられる。そして、止め具23を丸孔h1(又は長孔h2)に通し、止め孔21eに固定する。同様に、裏面も、止め具23を長孔h2(又は丸孔h1)に通し、止め孔21eに固定する。こうして、図9に示すように、フレキシブルプリント基板22を、支持部21に固定することができる。
【0043】
すなわち、上記のように構成された変位センサ装置20では、フレキシブルプリント基板22自体に止め代部22bを設けたことにより、止め具23を用いて止め代部22bを支持部21の所定位置に固定することができる。このようにして、正確かつ迅速に、フレキシブルプリント基板22を支持部21に固定することができる。その結果、製造コストも低下する。
【0044】
また、基板本体22aから折り曲げた止め代部22bを支持部21の軸方向端面に重ねる構成であることにより、止め孔21eは軸方向への孔となり、支持部21を厚肉(径方向)にしなくても多数の止め孔21eを容易に確保することができる。すなわち、支持部21の軸方向端面に止め代部22bを止めることは、支持部21の薄肉化に寄与する。
また、止め具23により止め代部22bを止めることによって、フレキシブルプリント基板22を支持部21に密着させることができるので、コイル3と、検出対象物たる主軸部102a(図8,図9)との間の隙間を、所望の寸法に維持することができる。
さらに、長孔h2によって、支持部21とフレキシブルプリント基板22との間の寸法誤差を吸収することができるので、より確実に、フレキシブルプリント基板22を支持部21に取り付けることができる。
【0045】
なお、図9に示すように、コイル3が設けられる領域a1と主軸部102aとの間の隙間に比べて、電子部品が実装される領域a2の表面と主軸部102aとの間の隙間は大きくなるように構成されている。これにより、コイルに比べて高さのある電子部品が、主軸部102aに接触することを防止できる。
【0046】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係る変位センサ装置について説明する。当該変位センサ装置においては、コイル3その他、搭載するセンサ回路要素Sは第1実施形態と同様である。第1実施形態との違いは、フレキシブルプリント基板22及び支持部21の形状にある。
図12は、第2実施形態に係る変位センサ装置20を、軸方向から見た正面図である。なお、この図では、外輪101の図示は省略している。図において、フレキシブルプリント基板22の止め代部22bは、径方向に頂点部分が突出する三角形を基調とした形態であり、具体的には、主軸部102aに対向する側を底辺とした三角形の頂点を丸めた形態である。
【0047】
図13の(a)及び(b)はそれぞれ、支持部21及びフレキシブルプリント基板22を単体で示す図である。(a)において、支持部21は、第1実施形態(図10の(a))と同様に、全体としてリング状であるが、内面の形状が一部異なり、第1実施形態における3平面(図10の(a)における21c、21d、21c)の部位が、一平面21fとなっている。また、支持部21の軸方向端面における9箇所に、止め孔21eが形成されている。止め孔21eにタップ加工を施す前の下孔は貫通孔であり、裏面側も同様に止め孔21eが形成される。但し、裏面における平面21fの部分の止め孔については、これを使用しない。すなわち、止め孔21eの有効総数は17(=9+8)である。
【0048】
図13の(b)において、フレキシブルプリント基板22は、支持部21の内面の約3/4をカバーする基板本体22aと、17片(表9、裏8)の止め代部22bと、引出し部22cとを備えている。止め代部22bには、支持部21の止め孔21eに対応した丸孔h1が形成されている。
【0049】
図14は、フレキシブルプリント基板22の展開図である。図において、フレキシブルプリント基板22は、コイル3等のセンサ回路要素を含む横長・長方形の基板本体22aと、この基板本体22aから上下に延伸して形成された17片(上8、下9)の止め代部22bと、基板本体22aの中央から上方へ延伸して引き出された引出し部22cとを一体に有するものである。各止め代部22bには丸孔h1が形成されている。
【0050】
なお、引出し部22cの基端部分は止め代部と同様な形態ではあるが、丸孔は無く、止め代部としては機能しない。但し、これは一例に過ぎず、引出し部22cの基端部分にも導電路を避ける丸孔を設け、かつ、これに対応する止め孔を支持部21に設けるようにしてもよい。
また、図14において止め代部22bには全て丸孔h1を設けたが、第1実施形態と同様に、基板本体22aの上側・下側のいずれか一方を長孔として、寸法誤差を吸収するようにしてもよい。
【0051】
基板本体22aは、複数種類の領域a1〜a4を有している。4つの領域a1にはそれぞれ図4の要領で一対のコイル3が設けられ、全体で8個のコイル3が設けられている。また、斜線を付した5つの領域a2には、電子部品(抵抗14,バッファ回路15,差動増幅器16)が実装され、回路接続用の導電路が形成されている。6つの領域a3には、電子部品が実装されず、導電路のみが形成されている。従って、領域a3での折り曲げが可能である。
【0052】
残る2つの領域a4は、領域a2と同様に電子部品の実装が可能であるが、この例では実装されず、導電路のみが形成されている。また、領域a2とa4との境界線上には電子部品は実装されず、従って、折り曲げが可能である。実装された電子部品同士や、これらをコイル3と繋ぐ導電路は、主として裏面側の第2層に設けられる。コイル3の2つの巻端は、スルーホール(図示せず。)を通って第2層に導出されている。引出し部22cには外部回路との接続のためのリード線が集約されている。なお、第1層、第2層の表面には絶縁コーティングが施される。
【0053】
第2実施形態に係る変位センサ装置20は、第1実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板22自体に止め代部22bを設けたことにより、止め具23を用いて止め代部22bを支持部21の所定位置に固定することができる。このようにして、正確かつ迅速に、フレキシブルプリント基板22を支持部21に固定することができる。その結果、製造コストも低下する。
【0054】
また、基板本体22aから折り曲げた止め代部22bを支持部21の軸方向端面に重ねる構成であることにより、止め孔21eは軸方向への孔となり、支持部21を厚肉(径方向)にしなくても多数の止め孔21eを容易に確保することができる。すなわち、支持部21の軸方向端面に止め代部22bを止めることは、支持部21の薄肉化に寄与する。
また、止め具23により止め代部22bを止めることによって、フレキシブルプリント基板22を支持部21に密着させることができるので、コイル3と、検出対象物たる主軸部102a(図8,図9)との間の隙間を、所望の寸法に維持することができる。
【0055】
図15は、1つの止め代部22bの拡大図である。図において、このような三角形状の止め代部22bの場合、丸孔h1は、三角形の頂点近傍の一箇所に形成される。基板本体22aの両端面にある一対の止め代部22bの各々について、丸孔h1に通した止め具23(図12)を支持部21に固定することにより、止め代部22b内には図示の矢印のような張力が発生し、フレキシブルプリント基板22の当該部分を、止め代部22b一箇所につき1つの止め具23によりバランス良く固定することができる。従って、最小個数の止め具による固定が可能である。なお、三角形は必ずしも二等辺三角形でなくてもよい。例えば、図14における引出し部22cに最も近い左右一対の止め代部22bは、二等辺三角形ではない。
【0056】
なお、丸孔h1は三角形の頂点に近い位置に設けることが好ましいが、例えば頭部の大きな止め具を使用して広範囲に止め代部を押さえ込めば、必ずしも頂点に近い位置でなくてもよい。図16は、その一例を示す1つの止め代部22bの拡大図である。この場合、止め具23として、頭部が止め代部22bに収まらない大径のねじを使用する。この場合の止め具23の頭部は、広範囲に止め代部22bを押さえるだけでなく、フレキシブルプリント基板22や電子部品が、主軸部102aと接触することを防止するストッパとしての機能も有する。従って、検出対象物たる主軸部102aが異常にフレキシブルプリント基板22に接近したとき、止め具23の頭部でこれを受け止めて、それ以上の接近を阻止することができる。すなわち、主軸部102aが、フレキシブルプリント基板22や電子部品基板本体に当たって損傷を生じさせるような事態を、防止することができる。
【0057】
《第3実施形態》
次に、第3実施形態に係る変位センサ装置について説明する。当該変位センサ装置においては、コイル3その他、搭載するセンサ回路要素Sは第1実施形態と同様である。第1実施形態との違いは、フレキシブルプリント基板22及び支持部21の形状にある。また、第2実施形態との違いは、主として、支持部21の内面形状及び止め代部22bの数である。
【0058】
図17は、第3実施形態に係る変位センサ装置20を、軸方向の一方向から見た正面図である。なお、この図では、外輪101や主軸部102aの図示は省略している。また、図18は、当該変位センサ装置20を、軸方向の他方向(すなわち図17の裏面)から見た正面図である。図17,18において、フレキシブルプリント基板22の止め代部22bは、第2実施形態と同様の形態であるが、その数は、図17で6片、図18で7片の合計13片であり、第2実施形態(17片)よりさらに少ない。
【0059】
図19は、支持部21を単体で示す図である。支持部21は、第1実施形態(図10の(a))及び第2実施形態(図13の(a))と同様に、全体としてリング状であるが、内面の形状が異なり、正八角形(8つの平面21a)である。止め孔21eは、7箇所に形成されている。止め孔21eの下孔は裏面に貫通しており、裏面側にも同様に、7箇所に止め孔21eが設けられている。但し、裏面側の止め孔21eのうち一箇所については、これを使用しない(図17の止め具23参照)。従って、止め孔21eの有効総数は13(=7+6)である。
【0060】
図20は、フレキシブルプリント基板22の展開図である。図において、フレキシブルプリント基板22は、コイル3等のセンサ回路要素を含む横長・長方形の基板本体22aと、この基板本体22aから上下に延伸して形成された13片(上6、下7)の止め代部22bと、基板本体22aの中央から上方へ延伸して引き出された引出し部22cとを一体に有するものである。
【0061】
基板本体22aは、第2実施形態と同様に、複数種類の領域a1〜a4を有している。4つの領域a1にはそれぞれ図4の要領で一対のコイル3が設けられ、全体で8個のコイル3が設けられている。また、斜線を付した7つの領域a2には、電子部品(抵抗14,バッファ回路15,差動増幅器16)が実装され、回路接続用の導電路が形成されている。6つの領域a3には、電子部品が実装されず、導電路のみが形成されている。従って、領域a3での折り曲げが可能である。
【0062】
実装された電子部品同士や、これらをコイル3と繋ぐ導電路は、主として裏面側の第2層に設けられる。コイル3の2つの巻端は、スルーホール(図示せず。)を通って第2層に導出されている。引出し部22cには外部回路との接続のためのリード線が集約されている。なお、第1層、第2層の表面には絶縁コーティングが施される。
【0063】
上記第3実施形態の変位センサ装置20は、第2実施形態の変位センサ装置20と同様の作用効果を奏する他、上述のように、第1,第2実施形態の構成よりも止め代部22b、止め孔21eの総数(13)が少なく、従って、止め具23も少ない。従って、構成が簡素である。また、図17,18に示すように折り曲げが6箇所と少なく(第1実施形態は10箇所、第2実施形態は8箇所)、組立・装着がさらに容易である。
【0064】
《その他》
なお、上記各実施形態における止め具23としては、ねじを使用したが、リベットも使用可能である。量産にはリベットの方が好適である。
また、上記各実施形態ではフレキシブルプリント基板22にコイル3のみならず、電子部品を含むセンサ回路要素も搭載したが、原理的構成において示したように(図4)フレキシブルプリント基板22にはコイル3とその引出線の導電路のみを搭載し、その他のセンサ回路要素は外部回路としてもよい。
【0065】
なお、上記各実施形態では、フレキシブルプリント基板22を支持部21に固定するにあたって、止め代部22bを止め具23で固定するだけの構成としたが、フレキシブルプリント基板22が支持部21の表面から浮かないように、例えばコイル3の領域a1の周囲を枠状に押さえ込むストッパを併用してもよい。この場合でも、ストッパは、検出対象物との隙間条件が厳しいコイル3の領域についてのみ設ければよく、電子部品の領域にまで設ける必要はないので、4箇所分で足りる。
【0066】
なお、上記各実施形態に係る変位センサ装置20は、外輪101の内周面に取り付けられるものとしたが、内周面に限らず、回転体が外周側にある場合には、支持部の外周面に取り付けることも可能である。
また、変位センサ装置20は、転がり軸受装置に限らず種々の装置の変位検出に用いることができる。さらに、検出対象物は回転体に限られるものではなく、軸動型の機器や、往復動の機器等、種々の機器における変位検出を行うことができる。
【符号の説明】
【0067】
3 コイル
20 変位センサ装置
21 支持部
22 フレキシブルプリント基板
22a 基板本体
22b 止め代部
23 止め具
100 転がり軸受装置
101 外輪(固定輪)
102a 主軸部(検出対象物・回転輪)
S センサ回路要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象物の変位を非接触で検出する変位センサ装置であって、
前記検出対象物に近接して設けられる支持部と、
前記支持部に沿って支持されたフレキシブルプリント基板と、
前記フレキシブルプリント基板に設けられ、前記検出対象物と対向する渦巻状のコイルを含むセンサ回路要素と、
前記フレキシブルプリント基板を前記支持部に固定する止め具とを備え、
前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ回路要素を含む基板本体、及び、当該基板本体から延伸して形成され、前記止め具による固定の用に供する止め代部を有していることを特徴とする変位センサ装置。
【請求項2】
円柱状の検出対象物の変位を非接触で検出する変位センサ装置であって、
前記検出対象物の周囲に近接して設けられるリング状の支持部と、
丸めた状態で前記支持部に沿って支持されたフレキシブルプリント基板と、
前記フレキシブルプリント基板に設けられ、前記検出対象物と対向する渦巻状のコイルを含むセンサ回路要素と、
前記フレキシブルプリント基板を前記支持部に固定する止め具とを備え、
前記フレキシブルプリント基板は、前記センサ回路要素を含み、前記支持部の内面に沿う基板本体、及び、当該基板本体から延伸して形成され、前記止め具による前記支持部の軸方向端面への固定の用に供する止め代部を有していることを特徴とする変位センサ装置。
【請求項3】
前記止め代部は、周方向に不連続に形成されている請求項2記載の変位センサ装置。
【請求項4】
前記支持部に固定された状態における前記止め代部は、径方向に頂点部分が突出する三角形を基調とした形状である請求項2又は3に記載の変位センサ装置。
【請求項5】
前記止め代部を前記支持部の軸方向端面に固定する前記止め具の頭部が、前記基板本体より径方向に突出している請求項2〜4のいずれか1項に記載の変位センサ装置。
【請求項6】
前記フレキシブルプリント基板は、前記基板本体と前記止め代部との境界線で折り曲げられており、当該境界線の部分は、その他の部分より薄肉である請求項2〜5のいずれか1項に記載の変位センサ装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の変位センサ装置を固定輪に取り付けて、回転輪の径方向への変位を検出する転がり軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−175335(P2010−175335A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16925(P2009−16925)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】